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課題

免疫チェックポイント分子TIM−3に対するモノクローナル抗体を併用した、腫瘍関連抗原をコードする組み換えポックスウイルスを用いた癌治療のための組成物キット、及び方法の提供。

解決手段

ヒト癌患者治療する方法であって、(a)前記患者に少なくとも1つの腫瘍関連抗原を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルスを投与すること、及び(b)前記患者にTIM−3アンタゴニストを投与すること、を含む前記方法。

概要

背景

組み換えポックスウイルス感染性生物体に対するワクチンとして使用されており、近年では、腫瘍に対するワクチンとしても使用されている。Mastrangeloら、J Clin Invest.2000;105(8):1031-1034。これらポックスウイルス群のうちの2種、アビポックスウイルス(avipoxvirus)とオルソポックスウイルス(orthopoxvirus)は、腫瘍への攻撃に有効であること、及び癌治療剤の可能性との関連が示されている(上記文献を典拠とする)。

アビポックスウイルス種の1例である鶏痘(fowlpox)ウイルス哺乳類細胞侵入し、タンパク質発現するが不稔性に複製するため、鶏痘ウイルスはヒトへの投与に対し安全な媒体であることが示されている。Skinnerら、Expert Rev Vaccines.2005年2月;4(1):63−76。発現用媒体としての鶏痘ウイルスの使用は、癌、マラリア結核及びAIDSに対するワクチンに関する多くの臨床試験において評価されている(上記文献を典拠とする)。

オルソポックスウイルスの最もよく知られた種であるワクシニア(Vaccinia)は、天然痘の全世界的な根絶に用いられ、ベクター及び/またはワクチンとしての有用性が証明されている。組み換えワクシニアベクターは、たとえばp97、HER−2/neu、p53及びETA等の数種の腫瘍関連抗原をはじめとする広範な挿入遺伝子を発現するよう遺伝子操作されている(Paolettiら、1993)。

オルソポックスウイルスの有益な株は、変異ワクシニアアンカラ(MVA:Modified Vaccinia Ankara)ウイルスである。MVAはワクシニアウイルスCVA:vaccinia virus)のアンカラ株(Ankara strain)のニワトリ胚線維芽細胞上で516回の連続継代を行うことにより作製された(概要についてはMayr, A.ら、Infection 3,6−14(1975)を参照のこと)。この長期間の継代の結果として、得られたMVAウイルスのゲノムは、そのゲノム配列のうちの約31キロ塩基が失われ、それにより、複製のための宿主細胞鳥類細胞へと厳に制限されたことが記載されている(Meyer,H.ら、J. Gen.Virol.72,1031−1038(1991))。得られたMVAがかなり非病原性であったことが様々な動物モデルにおいて示された(Mayr,A.&Danner,K.,Dev.Biol.Stand.41:225−34 (1978))。さらにこのMVA株は、ヒト天然痘に対する免疫化を行うためのワクチンとして臨床試験において検証されている(Mayrら、Zbl.Bakt.Hyg.I,Abt.Org.B 167,375−390(1987);Sticklら、Dtsch.med.Wschr.99,2386−2392(1974))。これらの研究には高リスク患者を含む120,000人を超える人々が関与しており、ワクシニアをベースとしたワクチンと比較し、MVAは病原性消失を伴う安全性プロファイルの改善があった一方で、強力で特異的な免疫応答誘導する能力を保持していたことが証明された。

その後の数十年において、MVAは組み換え遺伝子発現のためのウイルスベクター、または組み換えワクチンとしての使用のために改変がなされた(Sutter,G.ら、Vaccine 12:1032−40(1994))。

1970年代にMayrらが、MVAはヒト及び哺乳類において高度に弱毒化され非病原性であることを示したが、ある研究者らは、残存複製(residual replication)がこれら細胞において起こる可能性があり、そのためMVAは哺乳類細胞株及びヒト細胞株において完全に弱毒化されたわけではないことを報告している(Blanchardら、J Gen Virol 79,1159−1167(1998);Carroll & Moss,Virology 238,198−211(1997);Altenberger、米国特許第5,185,146号;Ambrosiniら、J Neurosci Res 55(5),569(1999))。使用されたウイルスはそれらの特性、特に様々な細胞株におけるそれらの増殖の挙動が本質的に異なっているため、これら公表文献に報告された結果は様々な既知のMVA株を用いて得られたものと推測される。ヒトにおける使用に関連した安全性の懸念をはじめとする様々な利用により、かかる残存複製は望ましいものではない。

たとえばワクチンまたは医薬品等の、より安全な製品開発のための安全性プロファイルが強化されたMVA株が報告されている。そのすべてが参照により本明細書に援用される国際PCT出願公開WO2002042480(またはたとえば米国特許第6,761,893号及び第6,913,752号)を参照のこと。かかる株は、非ヒト細胞及び細胞株、特にニワトリ胚線維芽細胞(CEF)において繁殖的複製を行うことができるが、公知のワクシニア株の複製が可能であることが知られているあるヒト細胞株においては有意な繁殖的複製を行うことができない。かかる細胞株としては、ヒト角化細胞株、HaCat(Boukampら、J Cell Biol 106(3): 761−71 (1988))、ヒト子宮頚部腺癌細胞株、HeLa(ATCCNo.CCL−2)、ヒト胎児腎臓細胞株、293(ECACCNo.85120602)、及びヒト骨肉腫細胞株、143B(ECACC No.91112502)が挙げられる。かかる株はまた、たとえば重度免疫不全状態でありウイルス複製に対し高い感受性があるトランスジェニックマウスモデルのAGR129等のあるマウス系統等において、in vivoで有意な繁殖的複製を行うことができない。たとえば、米国特許第6,761,893号を参照のこと。かかるMVAの1つの株、ならびにその派生株及び組み換え体は、「MVA−BN」と呼称され、報告がなされている。PCT国際特許出願公開WO2002042480(また、たとえば米国特許第6,761,893号及び第6,913,752号)を参照のこと。MVA及びMVA−BNは、各々、組み換え遺伝子発現のためのウイルスベクターとしての使用、または組み換えワクチンとしての使用のために操作されている。たとえば、Sutter,G.ら、Vaccine 12:1032−40(1994)、PCT国際特許出願公開WO2002042480(また、たとえば米国特許第6,761,893号及び第6,913,752号)を参照のこと。

癌免疫療法に対するある方法は、腫瘍関連抗原を用いたワクチネーションを含むものである。ある例において、かかる方法は、腫瘍関連抗原に対する宿主の免疫応答を促進するための送達系の使用を含むものである。ある例において、かかる送達系は、組み換えウイルスベクターを含むものである。たとえば、Harropら、Front.Biosci.11:804−817(2006);Arlenら、Semin.Oncol.32:549−555(2005);Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(suppl.2):14567−14571(2004)を参照のこと。

HER−2は、多くの癌患者腫瘍細胞中に過剰発現されている腫瘍関連抗原である。様々なHER−2ポリペプチドを用いた免疫化を用いて、この抗原を発現する腫瘍細胞に対する免疫応答が誘導されている。たとえば、Renardら、J.Immunology 171:1588−1595(2003);Mittendorfら、Cancer 106:2309−2317(2006)を参照のこと。

HER−2抗原をコードするMVAであるMVA−BN−HER2は、実験転移のマウスモデルにおいて、肺における多数の制御性T細胞(Treg)により特徴づけられる強力な腫瘍介在性免疫抑制状態があるにもかかわらず、強力な抗腫瘍効果を発揮することが示されている。Mandlら、Cancer Immunol Immunother(2012)61:19-29。組み換えMVAは、強力なTh1優位性のHER−2特異的抗体及びT細胞応答を誘導することが報告されている(上記文献を典拠とする)。抗腫瘍活性は、高度に活性化されたHER−2特異的CD8+CD11c+T細胞を伴う肺浸潤の増加により特徴づけられ、及び肺におけるTreg細胞数の低下を伴い、それによりTreg細胞に対するエフェクターT細胞の比率が有意に増加する(上記文献を典拠とする)。

また、MVA−BN−HER2は転移がある状態のヒト臨床試験において安全であり、及び寛容状態を打破し、特異的T細胞応答及びB細胞応答を誘導することが示されている。Guardinoら、Cancer Research:2009年12月15日; Volume69,Issue24,Supplement3。

トラスツズマブハーセプチン:Herceptin)は、HER2の細胞外ドメインを標的とするヒト化モノクローナル抗体(mAb)であり、HER2陽性乳癌において臨床効果が認められている。Wangら、Cancer Res.2012年9月1日;72(17):4417-4428。しかし、相当数の患者が初期トラスツズマブ治療に反応せず、多くのトラスツズマブ反応性腫瘍が治療継続後、耐性を生じさせる(上記文献を典拠とする)。

免疫細胞上の抑制性受容体は、癌における免疫回避の重要な制御因子である。Wooら、Cancer Res;72(4);917-27,2011。これら抑制性受容体のうち、TIM−3(T細胞イムノグロブリンドメイン及びムチンドメイン−3:T−cell immunoglobulin domain and mucin domain−3)はマウスIFNガンマ分泌ヘルパー1(Th1)細胞のサブセット上に選択的に発現されている分子であり、in vivoでTh1免疫及び寛容を制御することが知られている。Hastingsら、Eur J Immunol. 2009年9月;39(9):2492−501。

TIM−3は、リンパ球活性の抑制に関連し、及び一部の場合においてはリンパ球のアネルギー(anergy)の誘導にも関連する免疫チェックポイント分子である。Pardoll D. Nature Reviews 2012年4月 Vol.12: 252。TIM−3はガレクチン9(galectin9:乳癌を含む様々な癌型で上方制御されているガレクチン)に対する受容体である(上記文献を典拠とする)。抗TIM−3抗体はT細胞のIFN−γ介在性抗腫瘍免疫を促進し、腫瘍の成立を抑制することが示されている。Ngiowら、Cancer Res 71, 3540−3551。

本明細書に記載されるような能動的免疫療法及び癌ワクチンを含む、追加の癌治療法に対する未対処の非常に高い医学ニーズが明確に存在する。

概要

免疫チェックポイント分子TIM−3に対するモノクローナル抗体を併用した、腫瘍関連抗原をコードする組み換えポックスウイルスを用いた癌治療のための組成物キット、及び方法の提供。ヒト癌患者を治療する方法であって、(a)前記患者に少なくとも1つの腫瘍関連抗原を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルスを投与すること、及び(b)前記患者にTIM−3アンタゴニストを投与すること、を含む前記方法。

目的

米国特許第7,005,498号ならびに米国特許出願公開第2004/0141958号及び第2006/0008465号に記載されているように、HER−2の細胞外部分の構造は中和抗体の標的として関連性があるタンパク質の部位であり、戦略焦点は、可能な限りこれを保存することにある

効果

実績

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請求項1

ヒト癌患者治療する方法であって、(a)前記患者に少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルス投与すること、及び(b)前記患者にTIM−3アンタゴニストを投与すること、を含む前記方法。

請求項2

(c)前記患者にPD−1、LAG−3、CTLA−4、またはそれらの組み合わせから選択される免疫チェックポイント分子のアンタゴニストを投与すること、をさらに含む請求項1に記載の方法。

請求項3

(c)前記患者にPD−1から選択される免疫チェックポイント分子のアンタゴニストを投与すること、をさらに含む請求項1に記載の方法。

請求項4

(c)前記患者にLAG−3から選択される免疫チェックポイント分子のアンタゴニストを投与すること、をさらに含む請求項1に記載の方法。

請求項5

(c)前記患者にCTLA−4から選択される免疫チェックポイント分子のアンタゴニストを投与すること、をさらに含む請求項1に記載の方法。

請求項6

前記ポックスウイルスがオルソポックスである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

前記オルソポックスウイルスワクシニアウイルスである、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記ワクシニアウイルスが変異ワクシニアアンカラ(MVA)ウイルスである、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記MVAが、MVA−BNである、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記ポックスウイルスが、アビポックスウイルスである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

前記アビポックスウイルスが、鶏痘ウイルスである、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記少なくとも1つのTAAが、癌胎児性CEA)、mucin1cellsurfaceassociated(MUC−1)、前立腺酸性ホスファターゼPAP)、前立腺特異抗原(PSA)、ヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER−2)、サバイビンチロシン関連タンパク質1(tyrp1)、チロシン関連タンパク質1(tyrp2)、またはブラキウリ抗原である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

前記少なくとも1つのTAAが、CEA抗原である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項14

前記少なくとも1つのTAAが、MUC−1抗原である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

前記少なくとも1つのTAAが、PAP抗原である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

前記少なくとも1つのTAAが、PSA抗原である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

前記少なくとも1つのTAAが、HER−2抗原である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

前記少なくとも1つのTAAが、ブラキウリ抗原である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

前記TIM−3アンタゴニストが、抗TIM−3抗体である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

前記PD−1、LAG−3、及びCTLA−4のアンタゴニストが、それぞれ、抗PD−1、抗LAG−3、及び抗CTLA−4抗体である、請求項2及び請求項4〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項21

ヒト患者における癌を治療するためのキットであって、(a)少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルス、及び(b)TIM−3アンタゴニスト、を含有する前記キット。

請求項22

(c)PD−1、LAG−3、またはCTLA−4から選択される免疫チェックポイント分子のアンタゴニスト、をさらに含有する請求項21に記載のキット。

請求項23

前記TIM−3アンタゴニストが、抗TIM−3抗体を含有する、請求項21〜22のいずれか1項に記載のキット。

請求項24

前記PD−1、LAG−3、及びCTLA−4のアンタゴニストが、それぞれ、抗PD−1、抗LAG−3、及び抗CTLA−4抗体である、請求項22〜23のいずれか1項に記載のキット。

請求項25

前記少なくとも1つのTAAが、CEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン、チロシン関連タンパク質1(tyrp1)、チロシン関連タンパク質1(tyrp2)、またはブラキウリ抗原である、請求項21〜24のいずれか1項に記載のキット。

請求項26

前記少なくとも1つのTAAが、CEA及びMUC−1抗原である、請求項21〜24のいずれか1項に記載のキット。

請求項27

前記少なくとも1つのTAAが、PSAである、請求項21〜24のいずれか1項に記載のキット。

請求項28

ヒト癌患者を治療する方法であって、(a)少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルスを前記患者に投与すること、及び(b)前記患者にTIM−3アンタゴニストを投与すること、を含む、前記方法。

請求項29

(c)前記患者に、PD−1、LAG−3、CTLA−4、またはそれらの組み合わせから選択される免疫チェックポイント分子のアンタゴニストを投与すること、をさらに含む請求項28に記載の方法。

請求項30

TIM−3アンタゴニストと併用した前記組み換えポックスウイルスが、同種または異種プライムブーストレジメンの一部として投与され、ここで前記同種プライムブーストレジメンは、TIM−3アンタゴニストと併用した組み換えポックスウイルスの第一のプライム投与、及びTIM−3アンタゴニストと併用した同じ組み換えポックスウイルスの1回以上のその後のブースト投与、を含み、ならびに、ここで前記異種プライムブーストレジメンは、TIM−3アンタゴニストと併用した組み換えポックスウイルスの第一のプライム投与、及びTIM−3アンタゴニストと併用した異なる組み換えポックスウイルスの1回以上のその後のブースト投与、を含む、請求項28〜29のいずれか1項に記載の方法。

請求項31

前記少なくとも1つのTAAが、CEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン、チロシン関連タンパク質1(tyrp1)、チロシン関連タンパク質1(tyrp2)、ブラキウリ抗原、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項26〜30のいずれか1項に記載の方法。

請求項32

前記TIM−3アンタゴニストと併用した組み換えポックスウイルスが、同種プライムブーストレジメンの一部として投与され、ここで前記第一のプライム投与及び前記1回以上のその後のブースト投与の組み換えポックスウイルスは、オルソポックスウイルスを含む、請求項30に記載の方法。

請求項33

前記オルソポックスウイルスが、ワクシニアウイルス、MVA、またはMVA−BNから選択される、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記少なくとも1つのTAAが、HER2である、請求項32〜33のいずれか1項に記載の方法。

請求項35

前記TIM−3アンタゴニストと併用した組み換えポックスウイルスが、異種プライムブーストレジメンの一部として投与され、ここで前記第一のプライム投与の組み換えポックスウイルスがオルソポックスウイルスを含有し、及び前記1回以上のブースト投与の組み換えポックスウイルスがアビポックスウイルスを含有する、請求項30に記載の方法。

請求項36

前記オルソポックスウイルスがワクシニアウイルスであり、前記アビポックスウイルスが鶏痘ウイルスである、請求項35に記載の方法。

請求項37

前記異種プライムブーストレジメンが、PROSTVACまたはCV301である、請求項30、35〜36のいずれか1項に記載の方法。

請求項38

ヒト癌患者を治療する方法であって、前記方法は、前記患者に、(a)第一の組み換えポックスウイルスであって、前記ポックスウイルスは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有し、及び(b)第二の組み換えポックスウイルスであって、前記ポックスウイルスは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有する、を投与することを含み、ここで、前記第二の組み換えポックスウイルスは、少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストと併用されて投与される、前記方法。

請求項39

前記少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストが、第二の組み換えポックスウイルスの後に投与される、請求項38に記載の方法。

請求項40

前記少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストが、PD−1アンタゴニスト、CTLA−4アンタゴニスト、TIM−3アンタゴニスト、LAG−3アンタゴニスト、ICOSアゴニスト、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項38〜39のいずれか1項に記載の方法。

請求項41

前記少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストが、PD−1アンタゴニスト、TIM−3アンタゴニスト、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項38〜39のいずれか1項に記載の方法。

請求項42

前記少なくとも1つのTAAが、CEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン、チロシン関連タンパク質1(trp1)、チロシン関連タンパク質2(trp2)、ブラキウリ抗原、またはそれらの組み合わせである、請求項38〜41のいずれか1項に記載の方法。

請求項43

前記第一及び第二の組み換えポックスウイルスが異なっており、及び異種プライムブーストレジメンの一部として投与され、前記異種プライムブーストレジメンが、a)第一のプライム投与として第一の組み換えポックスウイルスを投与すること、及びb)少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストと併用して、1回以上のブースト投与として第二の組み換えポックスウイルスを投与すること、を含む、請求項38〜42のいずれか1項に記載の方法。

請求項44

前記第一の組み換えポックスウイルスがオルソポックスウイルスを含有し、前記第二の組み換えポックスウイルスがアビポックスウイルスを含有する、請求項38〜43のいずれか1項に記載の方法。

請求項45

前記オルソポックスウイルスがワクシニアウイルスであり、前記アビポックスウイルスが鶏痘ウイルスである、請求項38〜44のいずれか1項に記載の方法。

請求項46

前記異種プライムブーストレジメンが、PROSTVACまたはCV301である、請求項45に記載の方法。

請求項47

前記オルソポックスウイルスが、ワクシニアウイルス、MVA,またはMVA−BNから選択され、前記アビポックスウイルスが鶏痘ウイルスである、請求項45に記載の方法。

請求項48

前記少なくとも1つのTAAが、CEA及びMUC−1である、請求項47に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、免疫チェックポイント分子であるTIM−3の1つ以上のアンタゴニストと併用した、腫瘍関連抗原をコードするポックスウイルスを用いた癌治療に関する。

背景技術

0002

組み換えポックスウイルスは感染性生物体に対するワクチンとして使用されており、近年では、腫瘍に対するワクチンとしても使用されている。Mastrangeloら、J Clin Invest.2000;105(8):1031-1034。これらポックスウイルス群のうちの2種、アビポックスウイルス(avipoxvirus)とオルソポックスウイルス(orthopoxvirus)は、腫瘍への攻撃に有効であること、及び癌治療剤の可能性との関連が示されている(上記文献を典拠とする)。

0003

アビポックスウイルス種の1例である鶏痘(fowlpox)ウイルス哺乳類細胞侵入し、タンパク質発現するが不稔性に複製するため、鶏痘ウイルスはヒトへの投与に対し安全な媒体であることが示されている。Skinnerら、Expert Rev Vaccines.2005年2月;4(1):63−76。発現用媒体としての鶏痘ウイルスの使用は、癌、マラリア結核及びAIDSに対するワクチンに関する多くの臨床試験において評価されている(上記文献を典拠とする)。

0004

オルソポックスウイルスの最もよく知られた種であるワクシニア(Vaccinia)は、天然痘の全世界的な根絶に用いられ、ベクター及び/またはワクチンとしての有用性が証明されている。組み換えワクシニアベクターは、たとえばp97、HER−2/neu、p53及びETA等の数種の腫瘍関連抗原をはじめとする広範な挿入遺伝子を発現するよう遺伝子操作されている(Paolettiら、1993)。

0005

オルソポックスウイルスの有益な株は、変異ワクシニアアンカラ(MVA:Modified Vaccinia Ankara)ウイルスである。MVAはワクシニアウイルスCVA:vaccinia virus)のアンカラ株(Ankara strain)のニワトリ胚線維芽細胞上で516回の連続継代を行うことにより作製された(概要についてはMayr, A.ら、Infection 3,6−14(1975)を参照のこと)。この長期間の継代の結果として、得られたMVAウイルスのゲノムは、そのゲノム配列のうちの約31キロ塩基が失われ、それにより、複製のための宿主細胞鳥類細胞へと厳に制限されたことが記載されている(Meyer,H.ら、J. Gen.Virol.72,1031−1038(1991))。得られたMVAがかなり非病原性であったことが様々な動物モデルにおいて示された(Mayr,A.&Danner,K.,Dev.Biol.Stand.41:225−34 (1978))。さらにこのMVA株は、ヒト天然痘に対する免疫化を行うためのワクチンとして臨床試験において検証されている(Mayrら、Zbl.Bakt.Hyg.I,Abt.Org.B 167,375−390(1987);Sticklら、Dtsch.med.Wschr.99,2386−2392(1974))。これらの研究には高リスク患者を含む120,000人を超える人々が関与しており、ワクシニアをベースとしたワクチンと比較し、MVAは病原性消失を伴う安全性プロファイルの改善があった一方で、強力で特異的な免疫応答誘導する能力を保持していたことが証明された。

0006

その後の数十年において、MVAは組み換え遺伝子発現のためのウイルスベクター、または組み換えワクチンとしての使用のために改変がなされた(Sutter,G.ら、Vaccine 12:1032−40(1994))。

0007

1970年代にMayrらが、MVAはヒト及び哺乳類において高度に弱毒化され非病原性であることを示したが、ある研究者らは、残存複製(residual replication)がこれら細胞において起こる可能性があり、そのためMVAは哺乳類細胞株及びヒト細胞株において完全に弱毒化されたわけではないことを報告している(Blanchardら、J Gen Virol 79,1159−1167(1998);Carroll & Moss,Virology 238,198−211(1997);Altenberger、米国特許第5,185,146号;Ambrosiniら、J Neurosci Res 55(5),569(1999))。使用されたウイルスはそれらの特性、特に様々な細胞株におけるそれらの増殖の挙動が本質的に異なっているため、これら公表文献に報告された結果は様々な既知のMVA株を用いて得られたものと推測される。ヒトにおける使用に関連した安全性の懸念をはじめとする様々な利用により、かかる残存複製は望ましいものではない。

0008

たとえばワクチンまたは医薬品等の、より安全な製品開発のための安全性プロファイルが強化されたMVA株が報告されている。そのすべてが参照により本明細書に援用される国際PCT出願公開WO2002042480(またはたとえば米国特許第6,761,893号及び第6,913,752号)を参照のこと。かかる株は、非ヒト細胞及び細胞株、特にニワトリ胚線維芽細胞(CEF)において繁殖的複製を行うことができるが、公知のワクシニア株の複製が可能であることが知られているあるヒト細胞株においては有意な繁殖的複製を行うことができない。かかる細胞株としては、ヒト角化細胞株、HaCat(Boukampら、J Cell Biol 106(3): 761−71 (1988))、ヒト子宮頚部腺癌細胞株、HeLa(ATCCNo.CCL−2)、ヒト胎児腎臓細胞株、293(ECACCNo.85120602)、及びヒト骨肉腫細胞株、143B(ECACC No.91112502)が挙げられる。かかる株はまた、たとえば重度免疫不全状態でありウイルス複製に対し高い感受性があるトランスジェニックマウスモデルのAGR129等のあるマウス系統等において、in vivoで有意な繁殖的複製を行うことができない。たとえば、米国特許第6,761,893号を参照のこと。かかるMVAの1つの株、ならびにその派生株及び組み換え体は、「MVA−BN」と呼称され、報告がなされている。PCT国際特許出願公開WO2002042480(また、たとえば米国特許第6,761,893号及び第6,913,752号)を参照のこと。MVA及びMVA−BNは、各々、組み換え遺伝子発現のためのウイルスベクターとしての使用、または組み換えワクチンとしての使用のために操作されている。たとえば、Sutter,G.ら、Vaccine 12:1032−40(1994)、PCT国際特許出願公開WO2002042480(また、たとえば米国特許第6,761,893号及び第6,913,752号)を参照のこと。

0009

癌免疫療法に対するある方法は、腫瘍関連抗原を用いたワクチネーションを含むものである。ある例において、かかる方法は、腫瘍関連抗原に対する宿主の免疫応答を促進するための送達系の使用を含むものである。ある例において、かかる送達系は、組み換えウイルスベクターを含むものである。たとえば、Harropら、Front.Biosci.11:804−817(2006);Arlenら、Semin.Oncol.32:549−555(2005);Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(suppl.2):14567−14571(2004)を参照のこと。

0010

HER−2は、多くの癌患者腫瘍細胞中に過剰発現されている腫瘍関連抗原である。様々なHER−2ポリペプチドを用いた免疫化を用いて、この抗原を発現する腫瘍細胞に対する免疫応答が誘導されている。たとえば、Renardら、J.Immunology 171:1588−1595(2003);Mittendorfら、Cancer 106:2309−2317(2006)を参照のこと。

0011

HER−2抗原をコードするMVAであるMVA−BN−HER2は、実験転移のマウスモデルにおいて、肺における多数の制御性T細胞(Treg)により特徴づけられる強力な腫瘍介在性免疫抑制状態があるにもかかわらず、強力な抗腫瘍効果を発揮することが示されている。Mandlら、Cancer Immunol Immunother(2012)61:19-29。組み換えMVAは、強力なTh1優位性のHER−2特異的抗体及びT細胞応答を誘導することが報告されている(上記文献を典拠とする)。抗腫瘍活性は、高度に活性化されたHER−2特異的CD8+CD11c+T細胞を伴う肺浸潤の増加により特徴づけられ、及び肺におけるTreg細胞数の低下を伴い、それによりTreg細胞に対するエフェクターT細胞の比率が有意に増加する(上記文献を典拠とする)。

0012

また、MVA−BN−HER2は転移がある状態のヒト臨床試験において安全であり、及び寛容状態を打破し、特異的T細胞応答及びB細胞応答を誘導することが示されている。Guardinoら、Cancer Research:2009年12月15日; Volume69,Issue24,Supplement3。

0013

トラスツズマブハーセプチン:Herceptin)は、HER2の細胞外ドメインを標的とするヒト化モノクローナル抗体(mAb)であり、HER2陽性乳癌において臨床効果が認められている。Wangら、Cancer Res.2012年9月1日;72(17):4417-4428。しかし、相当数の患者が初期トラスツズマブ治療に反応せず、多くのトラスツズマブ反応性腫瘍が治療継続後、耐性を生じさせる(上記文献を典拠とする)。

0014

免疫細胞上の抑制性受容体は、癌における免疫回避の重要な制御因子である。Wooら、Cancer Res;72(4);917-27,2011。これら抑制性受容体のうち、TIM−3(T細胞イムノグロブリンドメイン及びムチンドメイン−3:T−cell immunoglobulin domain and mucin domain−3)はマウスIFNガンマ分泌ヘルパー1(Th1)細胞のサブセット上に選択的に発現されている分子であり、in vivoでTh1免疫及び寛容を制御することが知られている。Hastingsら、Eur J Immunol. 2009年9月;39(9):2492−501。

0015

TIM−3は、リンパ球活性の抑制に関連し、及び一部の場合においてはリンパ球のアネルギー(anergy)の誘導にも関連する免疫チェックポイント分子である。Pardoll D. Nature Reviews 2012年4月 Vol.12: 252。TIM−3はガレクチン9(galectin9:乳癌を含む様々な癌型で上方制御されているガレクチン)に対する受容体である(上記文献を典拠とする)。抗TIM−3抗体はT細胞のIFN−γ介在性抗腫瘍免疫を促進し、腫瘍の成立を抑制することが示されている。Ngiowら、Cancer Res 71, 3540−3551。

0016

本明細書に記載されるような能動的免疫療法及び癌ワクチンを含む、追加の癌治療法に対する未対処の非常に高い医学ニーズが明確に存在する。

0017

本発明はヒト癌患者を治療するための方法、組成物、及びキット包含するものである。

0018

1つの実施形態において、当該方法は、ヒト癌患者に対し、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルスを投与すること、及び当該患者に対しTIM−3アンタゴニストを投与することを含む。

0019

1つの好ましい実施形態において、当該組み換えポックスウイルスは、組み換えオルソポックスウイルスまたは組み換えアビポックスウイルスである。

0020

より好ましい実施形態において、組み換えオルソポックスウイルスは組み換えワクシニアウイルス、または組み換え変異ワクシニアアンカラ(MVA)ウイルスである。他の好ましい実施形態において、組み換えオルソポックスウイルスはMVA−BNである。

0021

他の好ましい実施形態において、組み換えアビポックスウイルスは組み換え鶏痘ウイルスである。

0022

様々な好ましい実施形態において、少なくとも1つの腫瘍抗原としては、限定されないが、CEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン(survivin)、チロシン関連タンパク質1(tyrosine related protein 1、tyrp1)、チロシン関連タンパク質2(tyrosine related protein 2、tyrp2)、またはブラキウリ(Brachyury)抗原が挙げられる。

0023

他の好ましい実施形態において、TIM−3アンタゴニストは、抗TIM−3抗体を含んでもよい。

0024

さらに他の実施形態において、本明細書に記載される癌治療は、たとえば限定されないが、乳癌、肺癌胃癌腎癌肝癌メラノーマ膵癌前立腺癌卵巣癌大腸癌、またはそれらの組み合わせ等の癌を対象とするものであってもよい。

0025

さらに他の実施形態において、本発明は、1人以上の癌患者の治療のためのキットを含んでもよく、当該キットは、少なくとも1つの腫瘍抗原(TAA)を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルスの治療有効量及びTIM−3アンタゴニストの治療有効量を含んでもよい。さらなる実施形態において、1人以上の癌患者の治療のためのキットは、少なくとも1つの腫瘍抗原(TAA)を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルスとTIM−3アンタゴニストの組み合わせの治療有効量を投与することに関する説明書を含んでもよい。

0026

さらに他の実施形態において、本開示はさらにヒト癌患者の治療における使用のための組み合わせまたは医薬を包含する。当該組合せまたは医薬は、組み換えポックスウイルスベクター及びTIM−3アンタゴニストを含み、当該ポックスウイルスベクターは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有する。

0027

さらに他の実施形態において、当該方法は、ヒト癌患者に対し、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有するポリペプチドをコードする組み換えポックスウイルスを投与すること、当該患者にTIM−3アンタゴニストを投与すること、及び当該患者にPD−1、LAG−3、CTLA−4またはそれらの組み合わせから選択される免疫チェックポイント分子のアンタゴニストを投与すること、を含む。

0028

本発明のさらなる目的及び利点は、以下の記載において部分的に説明がなされ、及び当該記載から部分的に明確であり、または本発明の実施から判明するであろう。本発明の目的及び利点は、添付の請求項において具体的に指摘される構成要素および組合せにより認識され、及び実現されるであろう。

0029

上述される概要及び以下の詳細な記述の両方が、説明及び例示のみを目的としており、請求される、本発明を制限するものではないことが理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0030

Tim−3発現は、MVA−BN−HER2治療とともに増加する。Tim−3発現は実施例3に記述されるようにMVA−BN−HER2を用いた1日目の治療後にマウスにおいて測定された(1E7 Inf.U.,t.s.)。CD8 T細胞(A)及びCD4 T細胞(B)に対するMVA−BN−HER2を用いた1日目の治療後のTim−3発現。CD8 T細胞(C)及びCD4 T細胞(D)に対するMVA−BN−HER2を用いた1日目ならびに15日目の治療後のTim−3発現。
MVA−BN−HER2及び抗Tim−3を用いた治療。マウスは1日目にCT26−HER−2腫瘍を用いて皮内移植され、ならびに実施例4に記述されるように1日目及び15日目にMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.t.s.)及び抗Tim−3(200μg、i.p.)を用いて治療された。A)マウス中の平均腫瘍体積。B)マウスにおける個々の腫瘍増殖
MVA−BN−HER2及び抗Tim−3及び抗PD−1を用いた治療。マウスは1日目にCT26−HER−2を用いて皮内移植され、ならびに実施例5に記述されるように1日目及び15日目にMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.t.s.)及び抗Tim−3及び抗PD−1(各々200μg、i.p.)を用いて治療された。A)マウス中の平均腫瘍体積。B)マウスにおける個々の腫瘍増殖。
MVA−BN−HER2及び抗Tim−3及び抗LAG−3を用いた治療。マウスは1日目にCT26−HER−2を用いて皮内移植され、ならびに実施例6に記述されるように1日目及び15日目にMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.t.s.)及び抗Tim−3及び抗LAG−3(各々200μg、i.p.)を用いて治療された。A)マウス中の平均腫瘍体積。B)マウスにおける個々の腫瘍増殖。
MVA−BN−HER2及び抗Tim−3及び抗CTLA−4を用いた治療。マウスは1日目にCT26−HER−2を用いて皮内移植され、ならびに実施例7に記述されるように1日目及び15日目にMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.、尾基底部皮下注射)及び抗Tim−3(200μg)及び抗CTLA−4(22μg)のPBS溶液100μLを用いて治療された。A)マウス中の平均腫瘍体積。B)マウスにおける個々の腫瘍増殖。
実施例9に記述される、E6固形腫瘍モデルにおけるPROSTVACと抗PD−1の併用療法。マウスは1日目にPROSTVAC−Vを用いて治療され、ならびに8日目及び15日目にPROSTVAC−Fを用いて治療された。抗PD−1は1日目及び15日目に投与された。A)マウス中の平均腫瘍体積。B)マウスにおける個々の腫瘍増殖。
E6固形腫瘍モデルにおけるPROSTVACと抗LAG−3の併用療法。実施例10に記述されるように、マウスは1日目にPROSTVAC−Vを用いて治療され、ならびに8日目及び15日目にPROSTVAC−Fを用いて治療された。抗LAG−3は1日目及び15日目に投与された。A)マウス中の平均腫瘍体積。B)マウスにおける個々の腫瘍増殖。
E6固形腫瘍モデルにおける抗PD−1及び抗LAG−3と併用したPROSTVAC。実施例11に記述されるように、マウスは1日目にPROSTVAC−Vを用いて処置され、ならびに8日目及び15日目にPROSTVAC−Fを用いて処置された。抗PD−1及び抗LAG−3は1日目及び15日目に投与された。A)マウス中の平均腫瘍体積。B)マウスにおける個々の腫瘍増殖。
MVA−BN−CV301及び抗PD−1及び抗CTLA−4を用いて治療されたマウスにおける全生存率。1日目、メスのC57/BL6マウス(6〜8週齢、約20g、Simonsen Laboratories社、Gilroy,CA)に、1.0x10^6 MC38−MUC1細胞のDPBS溶液300μLを実施例12に記載されるように移植した。マウスを、4日目及び18日目にMVA−BN−CV301(4E5 Inf.U.尾基底部上に皮下注射)を用いて治療し、ならびに抗CTLA−4及び抗PD−1(各々200μg)の腹腔内注射を用いて治療した。
実施例13に記述されるようにマウスが治療された。プールされた脾臓細胞を、PSA特異的応答に関し、IFNELISPOT(A、B)により分析し、細胞障害活性フローサイトメトリーにより分析した(%CD107+IFNγ+CD8 T細胞)(C)。抗PSAIgG力価は、各マウスの個々に対し、ELISAにより測定した(D)。ELISPOTについては、独立して行われた4つの実験の代表的なデータをグラフに示す。
実施例14に記述されるようにマウスが治療された。(A)円グラフはサイズで重量が付され、検出された細胞の数を反映している(百万個のT細胞当たりのPSA特異的CD8T細胞の総数が各グラフの下に示されている)。(B)細胞1個当たりのIFNγ産生量は、平均蛍光密度MFI)による測定値に基づいている。グラフは、独立して行われた2つの実験のうちの代表的なデータを示す。
実施例15に記述されるようにマウスが治療された。プールされた脾臓細胞は最後の治療の14日後にワクシニアウイルス(VV)特異的(左側のパネルA及びパネルC)、またはPSA特異的(右側のパネルA及びパネルC)な細胞障害活性についてフローサイトメトリーにより分析された(%CD107+IFNγ+CD8T細胞)。グラフは、独立して行われた2つの実験のうちの代表的なデータを示す。

0031

近年の臨床試験の多くが、1つ以上の腫瘍関連抗原(TAA)を発現するよう操作されたワクシニア、変異ワクシニアアンカラ(MVA)、及び鶏痘をベースとしたベクターを用いた療法を含むものである。これらベクターは様々な癌に対する能動免疫惹起させるために、単独で用いられ、またはプライムブースト戦略において用いられている。PROSTVAC(登録商標)はPSA及びTRICOM(商標)を発現するワクシニアならびに鶏痘を用いたプライム−ブースト戦略を用いるものであり、現在、去勢抵抗性転移性前立腺癌に対する国際第III相臨床試験(PROSPECT)が行われている。CV301、またはCV−301は、MUC−1抗原、CEA、及びTRICOM(商標)を発現するワクシニアならびに鶏痘を用いた異種プライムブースト戦略を使用しており、現在、膀胱癌に対する第II相臨床試験が行われている。

0032

MVA−BN−HER2(Mandlら、2012)は、HER−2+乳癌の治療に関する第I相臨床試験が行われている。この組み換えベクターは、MVA−BNとして知られる高度に弱毒化された変異ワクシニアアンカラ(MVA)ウイルスのストック由来である。この組み換えベクターは、HER−2に対する効果的な免疫応答の誘導を促進するために、破傷風毒素由来の2つ共通T細胞エピトープ(TTp2及びTTp30)を含むよう操作されたHER−2の細胞外ドメインからなるHER−2の変異形態(HER2と指定される)を発現する。

0033

ポックスウイルスをベースとした免疫療法の抗腫瘍効果をさらに増強させるために、MVA−BN−HER2と、T細胞活性化を下方制御する免疫チェックポイントタンパク質であるTIM−3活性を阻害するモノクローナル抗体を併用させた。CT26−HER−2腫瘍モデルにおいて、抗TIM−3抗体単独で治療された腫瘍、及びMVA−BN−HER2単独で治療された腫瘍と比較し、有意に腫瘍体積が減少した。

0034

ポックスウイルスと併用した場合のTIM−3アンタゴニストの癌患者を治療する能力をさらに再検討するために、MVA−BN−HER2と抗TIM−3抗体を、追加の免疫チェックポイントアンタゴニスト及びアゴニストと併用させて検証した。抗PD−1抗体を併用したMVA−BN−HER2及び抗TIM−3抗体は、腫瘍体積を減少させ、同様に、抗LAG−3抗体を併用したMVA−BN−HER2及び抗TIM−3抗体も腫瘍体積を減少させた。さらに、抗CTLA−4抗体を併用したMVA−BN−HER2及び抗TIM−3抗体も腫瘍体積を減少させた。

0035

PROSTVAC(登録商標)及びMVA−BNCV301もそれぞれ様々な腫瘍モデルにおいてPD−1及びLAG−3を指向する様々なアンタゴニスト抗体と併用されて検証された。併用は、PROSTVAC(登録商標)及びMVA−BN CV301の効果を増強させることが判明した。

0036

腫瘍抗原を含有するポリペプチドをコードするポックスウイルス
本発明の1つの実施形態において、少なくとも1つの腫瘍抗原または腫瘍関連抗原を含有するポリぺプチドをコードする及び/または発現する組み換えポックスウイルスをヒト癌患者に投与すること、及び少なくとも1つのTIM−3アンタゴニストを当該患者に投与すること、を含む方法がある。

0037

1つの実施形態において、腫瘍抗原を発現する組み換えポックスウイルスは、好ましくはたとえば限定されないが、ワクシニアウイルス、変異ワクシニアアンカラ(MVA)ウイルス、またはMVA−BN等のオルソポックスウイルスである。

0038

ワクシニアウイルス株の例は、天(Temple of Heaven)株、コペンハーゲン(Copenhagen)株、パリ(Paris)株、ブダペスト(Budapest)株、大連(Dairen)株、ガム(Gam)株、MRIVP株、パー(Per)株、タシケント(Tashkent)株、TBK株、トム(Tom)株、ベルン(Bern)株、パトワダンガル(Patwadangar)株、BIEM株、B−15株、リスター(Lister)株、EM−63株、ニューヨーク公衆衛生局(New YorkCity Board of Health)株、エルストリー(Elstree)株、池田(Ikeda)株及びWR株である。好ましいワクシニアウイルス(VV)株は、ワイス(Wyeth)(DRYVAX)株(米国特許第7,410,644号)である。他の好ましいVV株は、変異ワクシニアアンカラ(MVA)(Sutter,G.ら、[1994],Vaccine 12:1032−40)である。他の好ましいVV株はMVA−BNである。

0039

本発明の実施に有用で、ブダペスト条約の要件準拠寄託されているMVAウイルス株の例は、欧州動物細胞培養コレクション(ECACC:European Collection of Animal Cell Culture)、ワクチン研究製造研究室(Vaccine Research and Production Laboratory)、市民健康管理サービス(Public Health Laboratory Service)、応用微生物学研究センター(Centre for Applied Microbiology and Research)(Porton Down、Salisbury,Wiltshire SP4 0JG、英国)に、1994年1月27日にECACC94012707の寄託番号で寄託されたMVA 572、及び2000年12月7日、ECACC00120707の寄託番号で寄託されたMVA 575である。欧州細胞培養コレクション(ECACC)に2000年8月30日、V00083008の寄託番号で寄託されたMVA−BN、及びその派生物は、追加の例示的な株である。

0040

その高度な安全性(複製能力が低い)ゆえにMVA−BNは好ましいが、すべてのMVA類が本発明に適している。本発明の実施形態によると、MVA株は、MVA−BN及びその派生物である。MVA−BN及びその派生物の定義は、本明細書に参照により援用されるPCT/EP01/13628に示されている。

0041

1つの実施形態において、本発明は、癌治療のための組み換えオルソポックスウイルス、好ましくはワクシニアウイルス(VV)、ワイス株VV、ACAM1000、ACAM2000、MVA、またはMVA−BNウイルスの使用を包含する。組み換えオルソポックスウイルスは、オルソポックスウイルスへ異種配列を挿入することにより作製されることができる。

0042

本発明の他の実施形態は、組み換えアビポックスウイルス、好ましくは鶏痘ウイルスの使用を包含する。組み換えアビポックスウイルスは、アビポックスウイルスへの異種配列の挿入により作製されることができる。

0043

ある実施形態において、オルソポックスウイルスは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有する。好ましい実施形態において、TAAとしては、限定されないが、CEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン、tyrp1、tyrp2、またはブラキウリ抗原が挙げられる。

0044

さらなる実施形態において、腫瘍関連抗原は、1つ以上の外来性THエピトープを含有するように改変されている。かかる癌免疫療法剤は、本明細書において、非限定的な例において記述されており、「MVA−BN−mHER2」と呼称されている。本明細書において、限定されないが、MVA−BN−mHER2をはじめとするかかる癌免疫療法剤は、癌の治療に有用である。本発明は、免疫不全状態の患者をはじめとするヒト及び他の哺乳類のプライム/ブーストワクチネーションレジメンにおけるかかる剤の使用を考慮するものであり、たとえば従前にはTh2状態であった中でTh1免疫応答を誘導する等の、液性免疫反応及び細胞性免疫反応の両方を誘導するものである。

0045

ある実施形態において、MVAは、欧州細胞培養コレクション(ECACC)に2000年8月30日、V00083008の寄託番号で寄託され、PCT国際特許出願WO2002042480(また、たとえば米国特許第6,761,893号及び第6,913,752号を参照のこと)に記載されているMVA−BNである。それら特許出願公開に記述されているように、MVA−BNは、293、143B、HeLa及びHaCat細胞株において繁殖的複製を行わない。特に、MVA−BNは、ヒト胎児性腎細胞株293において、0.05〜0.2の増幅率を示す。ヒト骨肉腫細胞株143Bにおいて、MVA−BNは、0.0〜0.6の増幅率を示す。MVA−BNは、ヒト子宮頚部腺癌細胞株HeLaにおいて、0.04〜0.8の増幅率、ヒト角化細胞株HaCatにおいて、0.02〜0.8の増幅率を示す。このMVA−BNは、アフリカミドリザル腎細胞(CV1:ATCC番号CCL−70)において0.01〜0.06の増幅率を有する。

0046

MVA−BNの増幅率は、PCT国際特許出願公開WO2002042480(また、たとえば米国特許第6,761,893号及び第6,913,752号を参照のこと)に記載されているとおり、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF:初代培養)において1を超えている。このウイルスはCEF初代培養中で容易に繁殖、及び増幅し、比率は500を超える。

0047

ある実施形態において、組み換えMVAはMVA−BNの派生物である。かかる「派生物」としては、寄託株(ECACC番号V00083008)と原則的に同じ複製特性を示すが、そのゲノムの1つ以上の部分で差異を示すウイルスが挙げられる。寄託されたウイルスと同じ「複製特性」を有するウイルスは、CEF細胞ならびに細胞株HeLa、HaCat、及び143Bにおいて寄託株と類似した増幅比率で複製するウイルスであり、たとえばAGR129トランスジェニックマウスモデル等において測定される、in vivoで類似した複製特性を示すウイルスである。

0048

ある実施形態において、ポックスウイルスは、当該ポックスウイルスに対して異種である追加のヌクレオチド配列を含有する組み換えワクシニアウイルスである。そのようなある実施形態において、当該異種配列は、免疫系による反応を誘導するエピトープをコードする。ゆえに、ある実施形態において、組み換えポックスウイルスは、当該エピトープを含有するタンパク質または剤に対するワクチネーションを行うために用いられる。好ましい実施形態において、当該エピトープは、腫瘍関連抗原、好ましくはHER−2である。1つの実施形態において、HER−2抗原は配列番号2の配列を含有する。

0049

他の好ましい実施形態において、エピトープは、たとえば、限定されないが、たとえばCEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン、tyrp1、tyrp2、またはブラキウリ等の抗原から選択される腫瘍関連抗原である。

0050

ある実施形態において、本明細書に記載される腫瘍関連抗原をコードする異種核酸配列は、ウイルスゲノム非必須領域に挿入される。それらのうちのある実施形態において、異種核酸配列は、PCT/EP96/02926に記載されるMVAゲノム自然発生欠失部位に挿入される。ポックスウイルスゲノムへの異種配列の挿入方法は、当分野の当業者に公知である。

0051

他の実施形態において、腫瘍抗原を発現する組み換えポックスウイルスは、好ましくはたとえば限定されないが鶏痘ウイルス等のアビポックスウイルスである。

0052

他の実施形態において、腫瘍抗原を発現する組み換えポックスウイルスは、腫瘍抗原を発現するワクシニアウイルスと、腫瘍抗原を発現するたとえば鶏痘等のアビポックスウイルスの組み合わせである。

0053

「アビポックスウイルス」という用語は、たとえば鶏痘ウイルス(Fowlpoxvirus)、カナリア痘ウイルス(Canarypoxvirus)、アンコポックスウイルス(Uncopoxvirus)、マイウイルス(Mynahpoxvirus)、鳩痘ウイルス(Pigeonpoxvirus)、オウム痘ウイルス(Psittacinepoxvirus)、ウズラ痘ウイルス(Quailpoxvirus)、クジャク痘ウイルス(Peacockpoxvirus)、ペンギン痘ウイルス(Penguinpoxvirus)、スズメ痘ウイルス(Sparrowpoxvirus)、ムクドリ痘ウイルス(Starlingpoxvirus)及び七面鳥痘ウイルス(Turkeypoxvirus)など、任意のアビポックスウイルスを指す。好ましいアビポックスウイルスは、カナリア痘ウイルス及び鶏痘ウイルスである。

0054

カナリア痘ウイルスの一例は、Rentschler株である。ALVACと名付けられたプラーク精製カナリア痘株(米国特許第5,766,598号)は、ブダペスト条約に従い、アメリカン・タイプ・培養コレクション(ATCC:American Type Culture Collection)に、アクセッション番号VR−2547で寄託された。他のカナリア痘株は、LF2 CEP 524 24 10 75で指定される市販のカナリア痘ワクチン株であり、これはInstitute Merieux,Inc.から入手可能である。

0055

鶏痘ウイルスの例は、FP−1株、FP−5株、TROVAC株(米国特許第5,766,598号)及びPOXVAC−TC(米国特許第7,410,644号)である。FP−1は、1日齢ニワトリにワクチンとして使用するために改変されたDuvette株である。当該株は、ODCEP 25/CEP67/2309 October 1980と指定される市販の鶏痘ウイルスワクチン株であり、Institute Merieux, Inc.から入手することができる。FP−5は、ニワトリ胚に起源を持つ市販の鶏痘ウイルスワクチン株であり、ウィスコシン州マディソンのAmerican Scientific Laboratories(シェリング社(Schering Corp.)の一部門)、米国獣医ライセンスNo.165、シリアル番号30321から入手することができる。

0056

ワクシニアウイルスの例は、天壇株、コペンハーゲン株、パリ株、ブダペスト株、大連株、ガム株、MRIVP株、パー株、タシケント株、TBK株、トム株、ベルン株、パトワダンガル株、BIEM株、B−15株、リスター株、EM−63株、ニューヨーク市公衆衛生局株、エルストリー株、池田株及びWR株である。好ましいワクシニアウイルス(VV)株は、ワイス(Wyeth)(DRYVAX)株(米国特許第7,410,644号)である。他の好ましいVV株は、変異ワクシニアアンカラ(MVA)(Sutter, G.ら、[1994],Vaccine 12:1032−40)である。他の好ましいVV株はMVA−BNである。

0057

ある実施形態において、アビポックスウイルスは、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有する。好ましい実施形態において、当該TAAとしては、限定されないが、CEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン、tyrp1、tyrp2、またはブラキウリ抗原が挙げられる。

0058

他の実施形態において、腫瘍抗原を発現する組み換えポックスウイルスは、腫瘍抗原を発現するワクシニアウイルスと腫瘍抗原を発現するたとえば鶏痘等のアビポックスウイルスの組み合わせである。ワクシニアウイルスと鶏痘ウイルスの組み合わせは、異種プライムブーストレジメンとして投与され得ることが予期される。1つの非限定的な例において、当該異種プライムブーストレジメンは、PROSTVAC(登録商標)またはCV301である。

0059

ワクチンの調製に関しては、ポックスウイルスは、生理学的に受容可能な形態へと転換されうる。ある実施形態において、かかる調製は、たとえばStickl,H.ら、Dtsch. med. Wschr.99,2386−2392(1974)に記載される天然痘に対するワクチネーションに用いられるポックスウイルスワクチンの調製における経験に基づいたものである。

0060

調製例は以下である。精製されたウイルスを、5x108TCID50/mlの力価で、10mMのTris、140mMのNaCl、pH7.4中に処方し、−80℃に保存する。ワクチン接種の調製に関しては、たとえば102〜108のウイルス粒子を2%ペプトン及び1%ヒトアルブミンの存在下で、アンプル、好ましくはガラスアンプル中にリン酸緩衝生理食塩水PBS)中に凍結乾燥させてもよい。あるいは、ワクチン接種は、段階的に、製剤中のウイルスの凍結乾燥により調製されてもよい。ある実施形態において、製剤は、たとえばマンニトールデキストラン、糖、グリシンラクトースポリビニルピロリドン等の追加の添加剤、またはたとえば限定されないがin vivo投与に適した抗酸化剤若しくは不活性ガス、安定剤若しくは組み換えタンパク質(たとえばヒト血清アルブミン)をはじめとする他の添加剤を含有する。次いでアンプルを密封し、たとえば4℃〜室温等の適した温度で、数か月保存してもよい。しかし、必要がない限り、当該アンプルは、好ましくは−20℃未満の温度で保存される。

0061

ワクチネーションまたは治療を含む様々な実施形態において、凍結乾燥物は、0.1〜0.5mlの水溶液、好ましくは生理食塩水またはTris緩衝液に溶解され、全身または局所のいずれか、すなわち非経口、皮下、静脈内、筋肉内、内、皮内、または当業者に公知の任意の他の投与経路により投与される。投与様式、投与量、投与回数の最適化は、当分野の当業者の技術及び知識の範囲内にある。

0062

ある実施形態において、弱毒化ワクシニアウイルス株は、SIV感染サル(CD4<400/μl血液)等の免疫不全状態の動物、または免疫不全状態のヒトにおける免疫反応の誘導に有用である。「免疫不全状態」という用語は、不完全な免疫反応のみを示す、または感染性因子に対する防御の効果が低下した個体の免疫系の状態を表す。
腫瘍関連抗原のある例
ある実施形態において、細胞関連ポリペプチド抗原に対し、対象において免疫反応が誘導される。そのようなある実施形態において、細胞関連ポリペプチド抗原は、腫瘍関連抗原である。

0063

「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合または改変ペプチド結合により互いに結合された2以上のアミノ酸ポリマーを指す。当該アミノ酸は天然型、ならびに非天然型であってもよく、または天然型アミノ酸化学アナログであってもよい。また、当該用語はタンパク質、すなわち、少なくとも1つのポリペプチドを含有する機能性生体分子、少なくとも2つのポリペプチドを含有する場合には複合体を形成し得、共有結合され得、または非共有結合され得る生体分子を指す。タンパク質中のポリペプチド(複数含む)は、グリコシル化されていてもよく、及び/または脂質化されていてもよく、及び/または補欠分子族を含有してもよい。

0064

好ましくは、腫瘍関連抗原は、限定されないが、CEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン、チロシン関連タンパク質1(tyrp1)、チロシン関連タンパク質2(tyrp2)、ブラキウリの単独、または組合せを含有する。かかる組合せの例としては、CV301としても知られるCEAとMUC−1が挙げられ得る。他の組み合わせの例としては、PAPとPSAが挙げられ得る。

0065

多くの腫瘍関連抗原が当分野に公知である。腫瘍関連抗原の例としては、限定されないが、5アルファ還元酵素、アルファ−フェトプロテイン、AM−1、APC、April、BAGE、ベータカテニン、Bcl12、bcr−abl、CA−125、CASP−8/FLICE、カテプシン類、CD19、CD20、CD21、CD23、CD22、CD33 CD35、CD44、CD45、CD46、CD5、CD52、CD55、CD59、CDC27、CDK4、CEA、c−myc、Cox−2、DCC、DcR3、E6/E7、CGFR、EMBP、Dna78、ファルネシルトランスフェラーゼ、FGF8b、FGF8a、FLK−1/KDR、葉酸受容体、G250、GAGE−ファミリーガストリン17、ガストリン放出ホルモンGD2/GD3/GM2、GnRH、GnTV、GP1、gp100/Pmel17、gp−100−in4、gp15、gp75/TRP−1、hCG、ヘパラナーゼ、Her2/neu、HMTV、Hsp70、hTERT、IGFR1、IL−13R、iNOS、Ki67、KIAA0205、K−ras、H−ras、N−ras、KSA、LKLR−FUT、MAGE−ファミリー、マンマグロビンMAP17、melan−A/MART−1、メソテリンMICA/B、MT−MMP類、ムチン、NY−ESO−1、オステオネクチン、p15、P170/MDR1、p53、p97/メラノトランスフェリン、PAI−1、PDGF、uPA、PRAME、プロバシン、プロゲニポエチン(progenipoientin)、PSA、PSM、RAGE−1、Rb、RCAS1、SART−1、SSX−ファミリー、STAT3、STn、TAG−72、TGF−アルファ、TGF−ベータ、サイモシン−ベータ−15、TNF−アルファ、TP1、TRP−2、チロシナーゼVEGF、ZAG、p16INK4、及びグルタチオン−S−トランスフェラーゼが挙げられる。

0066

好ましいPSA抗原は、155位でイソロイシンからロイシンへのアミノ酸変異を含有する。参照により本明細書に援用される米国特許第7,247,615号。

0067

腫瘍関連抗原の1つの例は、HER−2である。HER−2は、これまでのところc−erbB−1(EGFr)、c−erbB−2(HER−2、c−Neu)、c−erbB−3、及びc−erbB−4の4つの異なる受容体からなる上皮細胞増殖因子受容体ファミリー(c−erbB)の1種である(Salomonら、1995)。c−erbB−3及びc−erbB−4は、EGFr及びHER−2と比較しあまり特徴解析がなされていない。HER−2は内在性糖蛋白質である。成熟蛋白質は185kDの分子量を有し、EGFr受容体に酷似した構造特性を持つ(Prigentら、1992)。EGFrはまた、1つのサブユニットからなる内在性膜受容体である。EGFrは170kDの見かけ分子量を有し、621アミノ酸の表面リガンド結合ドメイン、23アミノ酸の単一疎水性膜貫通ドメイン、及び542アミノ酸の高度に保存された細胞質チロシンキナーゼドメインからなる。当該タンパク質はN−グリコシル化されている(Prigentら、1994)。

0068

このファミリーに属するすべてのタンパク質はチロシンキナーゼである。リガンドとの相互作用により、受容体の二量体化が誘導され、それによりチロシンキナーゼの触媒活性が上昇する(Bernard.1995、Chantry 1995)。当該ファミリー内のタンパク質は、同種二量体化、及び異種二量体化することができ、これはその活性にとって重要である。EGFrは増殖促進効果を伝達し、細胞によるグルコースとアミノ酸の取り込みを刺激する(Prigentら、1992)。HER−2もまた増殖促進シグナルを伝達する。

0069

上皮細胞増殖因子受容体は、正常組織上には少量発現されているが、多くの癌型では過剰発現されている。EGFrは、乳癌(Earpら、1993,Eppenberger 1994)、グリオーマ(Schlegelら、1994)、胃癌(Tkunagaら、1995)、皮膚扁平上皮癌、(Fujii 1995)、卵巣癌(van Damら、1994)等において過剰発現されている。HER−2はまた、わずかな正常ヒト組織上に低量で発現されているが、ほとんどが分泌上皮上で特徴的に発現されている。HER−2の過剰発現は、乳癌、胃癌、膵臓癌、膀胱癌、及び卵巣癌の約30%において発生する。

0070

これら受容体の発現は、腫瘍の分化度、及び癌型によって変化し、たとえば乳癌では原発腫瘍が両受容体を過剰発現する一方で、胃癌においては、過剰発現は転移腫瘍の後期に発生する(Salomonら、1995)。癌性細胞上の過剰発現受容体の数は、患者から単離された数種の頭頸部癌外陰部癌、乳癌及び卵巣癌の株に関しては、106/細胞超である(Deanら、1994)。

0071

受容体のEGFrファミリーがなぜ腫瘍免疫療法に適した標的の構成要素となるか、いくつかの理由がある。第一に、EGFrファミリーは多くの癌型で過剰発現されており、免疫反応を腫瘍へと指向させるはずである。第二に、腫瘍は大抵この受容体ファミリーに対するリガンドを発現または過剰発現しており、一部の腫瘍は当該リガンドに介在される増殖促進効果に対し過感受性である。第三に、増殖因子受容体を過剰発現している腫瘍を有する患者は多くの場合、予後不良である。過剰発現は、特に乳癌、肺癌、及び膀胱癌において予後不良と密接に関係しており、従来的な療法に対しやや無反応性である浸潤性転移性表現型と関連し得る(Ecclesら、1994)。

0072

改変腫瘍関連抗原
ある実施形態において、細胞関連ポリペプチド抗原は、APCの表面上にMHCクラスI分子とともに提示されたとき、その細胞表面上のポリペプチド抗原を由来とするエピトープを提示している細胞に対するCTL応答が誘導されるよう、改変されている。そのようなある実施形態において、少なくとも1つの第一の外来性THエピトープは、提示されたとき、APCの表面上のMHCクラスII分子と関連付けられる。そのようなある実施形態において、細胞関連抗原は、腫瘍関連抗原である。

0073

エピトープを提示することができるAPCの例としては、樹状細胞及びマクロファージが挙げられる。APCのさらなる例としては、1)MHCクラスI分子に結合されたCTLエピトープ、及び2)MHCクラスII分子に結合されたTHエピトープ、を同時に提示することができる任意の飲作用APC(pinocytizing APC)または食作用APC(phagocytizing APC)が挙げられる。

0074

ある実施形態において、たとえばCEA、MUC−1、PAP、PSA、HER−2、サバイビン、tyrp1、tyrp2、またはブラキウリ等の本明細書に提示される腫瘍関連抗原(TAA)の1つ以上に対する改変は、対象に投与された後、本明細書に記載されるTAAの1つ以上と主に反応するポリクローナル抗体が惹起されるように作製される。かかる抗体は、腫瘍細胞を攻撃及び排除してもよく、ならびに転移性細胞の転移を妨害してもよい。この抗腫瘍効果のエフェクター機構は、補体及び抗体依存性細胞障害活性により調節される。さらに、誘導された抗体は、受容体の増殖因子依存性オリゴ−二量体化及び内在化の阻害を介して癌性細胞の増殖を阻害してもよい。ある実施形態において、かかる改変TAAポリペプチド抗原は、腫瘍細胞により提示される公知及び/または予測TAAエピトープを指向するCTL反応を誘導してもよい。

0075

ある実施形態において、改変TAAポリペプチド抗原は、細胞関連ポリペプチド抗原のCTLエピトープ及び変異を含有し、当該変異は、外来性THエピトープのCTLエピトープを少なくとも1つ含有する。そのようなある改変TAAは、1つの非限定的な例において、少なくとも1つのCTLエピトープ、及び外来性THエピトープの少なくとも1つのCTLエピトープを含有する変異を含有する1つ以上のHER−2ポリペプチド抗原を含有してもよく、当該改変TAAの製造方法は、米国特許第7,005,498号ならびに米国特許出願公開第2004/0141958号及び第2006/0008465号に記載されている。

0076

ある実施形態において、外来性THエピトープは、天然型の「プロミスカス(promiscuous)」なT細胞エピトープである。かかるプロミスカスなT細胞エピトープは、動物種または動物群の個体の大部分において活性である。ある実施形態において、ワクチンはかかるプロミスカスなT細胞エピトープを含有する。そのようなある実施形態において、プロミスカスなT細胞エピトープの使用により、同一ワクチン内で非常に多くの数の異なるCTLエピトープを必要としなくなる。例示的なプロミスカスなT細胞エピトープとしては、限定されないが、P2及びP30エピトープを含む破傷風毒素(Panina−Bordignonら、1989)、ジフテリア毒素インフルエンザウイルスヘマグルチニンHA)、及びP.falciparum CS抗原が挙げられるがこれらに限定されない。

0077

さらなるプロミスカスなT細胞エピトープとしては、異なるHLA−DRにコードされるHLA−DR分子の大部分に結合することができるペプチドが挙げられる。たとえば、WO98/23635(Frazer IHら、出願人はクイーンズランド大学); Southwood Sら、1998,J.Immunol.160:3363 3373;Sinigaglia Fら、1988,Nature336:778 780;Rammensee HGら、1995,Immunogenetics 41:4 178 228;Chicz RMら、1993, J.Exp.Med 178:27 47;Hammer Jら、1993,Cell 74:197 203;及びFalk Kら、1994,Immunogenetics 39:230 242を参照のこと。後半の参照文献はまた、HLA−DQ及び−DPリガンドに関しても論じている。これら参照文献中に列記されたすべてのエピトープは、本明細書に記載される候補天然型エピトープとして関連性があり、これらと共通モチーフ共有するエピトープである。

0078

他のある実施形態において、プロミスカスなT細胞エピトープは、大部分のハプロタイプに結合することができる人工T細胞エピトープである。そのようなある実施形態において、人工T細胞エピトープは、WO95/07707及びこれに対応する論文のAlexander Jら、1994,Immunity 1:751 761に記載されるような汎DRエピトープペプチドPADRE)である。

0079

mHER2
様々な改変HER−2ポリペプチド抗原、及び当該抗原を作製する方法が、参照により本明細書に援用される米国特許第7,005,498号ならびに米国特許出願公開第2004/0141958号及び第2006/0008465号に記載されている。これら書面は、HER−2ポリペプチドの異なる位置でプロミスカスなT細胞エピトープを含有する改変HER−2ポリペプチド抗原を記載している。

0080

ヒトHER−2配列は、当該タンパク質の一次構造のみに基づき、多くのドメインへと分割することができる。それらドメインは以下である。細胞外(受容体)ドメインは、アミノ酸1〜654にわたり、以下の数種のサブドメインを含有する。ドメインI(成熟型ポリペプチドのN末端ドメイン)はアミノ酸1〜173にわたる。ドメインII(システインリッチドメイン、24個のシステイン残基)は、アミノ酸174〜323にわたる。ドメインIII(同種EGF受容体中のリガンド結合ドメイン)は、アミノ酸324〜483にわたる。及びドメインIV(システインリッチドメイン、20個のシステイン残基)は、アミノ酸484〜623にわたる。膜貫通残基は、アミノ酸654〜675にわたる。細胞内(キナーゼ)ドメインは、アミノ酸655〜1235にわたり、アミノ酸655〜1010にわたるチロシンキナーゼドメイン(コアTKドメインは725〜992にわたる)及びアミノ酸1011〜1235にわたるC末端ドメインを含有する。

0081

P2またはP30のヒトTヘルパーエピトープのいずれかにより提示されるHER−2のアミノ酸配列中の部位選択は、米国特許第7,005,498号ならびに米国特許出願公開第2004/0141958号及び第2006/0008465号に記載されている。要約すると、以下のパラメーターが考慮された。
1.公知CTLエピトープ及び予測CTLエピトープ
2.関連受容体(特にEGFR)に対する相同性
3.システイン残基の保存
4.予測ループ構造、α−ヘリックス構造、及びβ−シート構造
5.可能性のあるN−グリコシル化部位
6.露出される、及び隠されるアミノ酸残基の予測
7.ドメイン構成

0082

CTLエピトープは、ドメインI、ドメインIII、TMドメイン、及びTKドメイン中の2つまたは3つの「ホットスポット」に密集していると思われる。米国特許第7,005,498号ならびに米国特許出願公開第2004/0141958号及び第2006/0008465号に記載されているように、これらは広く保存されているはずである。

0083

他の受容体との相同性が高い領域は、HER−2の「全体的な」三次構造、従って抗体認識にとって構造的に重要である可能性があり、一方で相同性が低い領域はおそらく結果として構造の局所的変化のみと交換され得る。

0084

システイン残基は多くの場合、分子内ジスルフィド結合の形成に関与し、それ故に三次元構造に関与し、変化してはならない。アルファ−ヘリックス構造またはベータ−シート構造を形成すると予測される領域は、外来性エピトープの挿入点としては忌避されるはずであり、これらの領域はタンパク質のフォールディングに関与すると考えられる。

0085

タンパク質のマンノシル化が望ましい場合には、N−グリコシル化の可能性がある部位は保存されているはずである。

0086

分子の内部にあると(その疎水特性により)予測される領域は、フォールディングに関与している可能性があり、なるべく保存されているはずである。対照的に、溶媒に露出される領域は、モデルTHエピトープP2及びP30の挿入の候補位置となり得る。

0087

最後に、タンパク質の構造及び機能に対する関与を理由として、タンパク質のドメイン構造を考慮に入れなければならない。

0088

米国特許第7,005,498号ならびに米国特許出願公開第2004/0141958号及び第2006/0008465号に記載されているように、HER−2の細胞外部分の構造は中和抗体の標的として関連性があるタンパク質の部位であり、戦略の焦点は、可能な限りこれを保存することにある。対照的に、癌細胞表面上の生体膜結合HER−2の細胞内部分には、液性免疫系はアクセスできない。

0089

HER−2の様々なドメインに挿入された破傷風毒素のP2及びP30エピトープを用いた様々な構築物例が、米国特許第7,005,498号ならびに米国特許出願公開第2004/0141958号及び第2006/0008465号に記載されている。「mHER2」と呼称される変異HER−2ポリペプチド抗原の1つの例は、細胞外ドメイン、及び膜貫通ドメインの9アミノ酸、変異HER−2ポリペプチドのアミノ酸273〜287の間のドメインIIに挿入されたP2エピトープ、ならびに変異HER−2ポリペプチドのアミノ酸655〜675の間のドメインIVに挿入されたP30エピトープを含有する。

0090

組み換えMVA−BN−mHER2
非限定的な実施形態において、たとえばMVA−BN−mHER2等の腫瘍関連抗原を含有する組み換えMVAが以下のように構築される。最初のウイルスストックは、たとえばCEF細胞等の複製許容性細胞型を用いた細胞培養において組み換えにより作製される。細胞は両方とも、たとえばMVA−BN等の弱毒化ワクシニアウイルスを接種され、たとえばHER2等の腫瘍関連抗原の配列及びウイルスゲノムの隣接領域をコードする組み換えプラスミド(たとえばpBN146)を用いてトランスフェクトする。1つの非限定的な実施形態において、プラスミドpBN146は、MVA−BNにおいても存在する配列を含有する(14L及び15Lオープンリーディングフレーム)。HER2配列はMVA−BN配列の間に挿入され、それによりMVA−BNウイルスゲノムへの組み換えが行われる。ある実施形態において、このプラスミドはまた、1つ以上の選択遺伝子を含有する選択カセットを含み、それによりCEF細胞中での組み換え構築物の選択が可能となる。好ましい実施形態において、組み換えMVAは配列番号2を含有するポリペプチドをコードする。

0091

培養物同時感染及びトランスフェクションにより、ウイルスゲノムと組み換えプラスミドの間に相同組み換えが発生する。次いで挿入物担持するウイルスを単離し、特徴解析を行い、ウイルスのストックを調製する。ある実施形態において、ウイルスは選択の非存在下でCEF細胞培養中にて継代され、それにより選択遺伝子のgpt及びEGFPをコードする領域が失われる。

0092

TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4のアンタゴニスト
少なくとも1つの態様において、本発明は、T細胞イムノグロブリン及びムチンドメイン3(TIM−3:T−cell immunoglobulin and mucin domain 3)、プログラム化細胞死タンパク質1(PD−1:Programmed Cell Death Protein 1)、プログラム化死−リガンド1(PDL−1:Programmed Death−Ligand 1)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG−3:Lymphocyte−activation gene 3)及び細胞障害性Tリンパ球抗原4(CTLA−4:Cytotoxic T−Lymphocyte Antigen 4)のアンタゴニストを含有する。TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、またはCTLA−4のアンタゴニストは、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、またはCTLA−4の機能をそれぞれ阻害する。

0093

かかるTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4のアンタゴニストとしては、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4に特異的に結合し、それぞれ、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4の生物活性ならびに/若しくは機能を阻害する、ならびに/または妨害する抗体が挙げられる。

0094

TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4の他のアンタゴニストとしては、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4の発現を阻害するアンチセンス核酸RNA、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4の発現を阻害する低分子干渉RNA、ならびにTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4の小分子阻害剤が挙げられる。

0095

TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4のアンタゴニスト候補は、当分野に公知の様々な技法により、及び/または本出願内に記載される様々な技法により、たとえばin vitroまたはマウスモデルにおけるTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4機能の阻害能力等の機能に関してスクリーニングすることができる。

0096

ICOSのアゴニスト
本発明はさらにICOSのアゴニストを包含するものである。ICOSのアゴニストはICOSを活性化する。1つの実施形態において、アゴニストはICOSの天然リガンドであるICOS−Lである。当該アゴニストは、結合特性および活性化特性を保持した変異型ICOS−Lであってもよい。ICOS−Lの変異型は、in vitroでICOS刺激における活性に関して、スクリーニングすることができる。

0097

抗体
1つの実施形態において、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、及びCTLA−4のアンタゴニスト、ならびにICOSのアゴニストは、抗体である。抗体は、合成であってもよく、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であってもよく、当分野に公知の技法により作製されてもよい。かかる抗体は(非特異的結合とは対照的に)当該抗体の抗原結合部位を介してTIM−3、PD−1、LAG−3、PDL−1、CTLA−4及びICOSに特異的に結合する。TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSのポリペプチド、断片、変異体融合タンパク質等は、それらに対し免疫反応性の抗体の産生における免疫源として用いられてもよい。より具体的には、当該ポリペプチド、断片、変異体、融合タンパク質等は、抗体形成を惹起させる抗原決定基またはエピトープを含有する。

0098

これら抗原決定基またはエピトープは、直線または立体構造不連続性)のいずれであってもよい。直線状のエピトープはポリペプチドのアミノ酸の1つの部分から構成される一方で、立体的な、または不連続性のエピトープはタンパク質のフォールディングで近接されるポリペプチド鎖の異なる領域のアミノ酸部分から構成される(C.A.Janeway, Jr. and P. Travers, Immuno Biology 3:9 (Garland Publishing Inc.、第二版、1996))。フォールディングされたタンパク質は複雑な表面を有しているため、利用可能なエピトープの数は非常に多い。しかしタンパク質の立体構造及び立体障害を理由として、実際にエピトープに結合する抗体の数は、利用可能なエピトープの数よりも少ない(C. A.Janeway,Jr.and P.Travers,Immuno Biology 2:14(Garland Publishing Inc.、第二版、1996))。エピトープは、当分野に公知の任意の方法により特定することができる。

0099

scFV断片を含む、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSに特異的に結合する抗体は、その機能の阻害(アンタゴニスト抗体)、またはその機能の増強若しくは活性化(アゴニスト抗体)のいずれかを行い、本発明に包含される。かかる抗体は、標準的な手段により作製することができる。

0100

1つの実施形態において、本発明は、免疫チェックポイント分子の機能のそれぞれを阻害または活性化する、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSに対するモノクローナル抗体を包含する(抗体)。PD−1に対する阻害モノクローナル抗体の例は、参照により本明細書に援用されるWO2011/041613に記載されている。

0101

抗体は、高い親和性及び特異性の両方をもって、それらの標的に結合することができる。抗体は比較的大きい分子(約150kDa)であり、抗体の結合部位がタンパク質−タンパク質相互作用部位の近傍内にあるとき、2つのタンパク質(たとえばPD−1とその標的リガンド)の間の相互作用を立体的に阻害しうる。本発明はさらにTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4、またはICOSのリガンド結合部位にごく隣接したエピトープに結合する抗体を包含するものである。

0102

様々な実施形態において、本発明は、分子間相互作用(たとえばタンパク質−タンパク質相互作用)を阻害する抗体、ならびに分子間相互作用をかく乱する(たとえば分子内の立体構造変化)抗体を包含するものである。抗体は、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4若しくはICOSの生物活性を阻害する能力、またはTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4若しくはICOSのリガンドへの結合を阻害する能力、または他の特性に関し、スクリーニングすることができる。

0103

ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方とも、標準的な技術により調製することができる。

0104

TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOS、ならびにTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSのアミノ酸配列に基づいたペプチドを用いて、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSに特異的に結合する抗体を調製することができる。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、たとえばF(ab’)2及びFab断片等のそれらの断片、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体断片(VHHまたはナノボディ)、二価抗体断片(ダイアボディ)、ならびに任意の組み換えで作製された結合パートナー及び合成で作製された結合パートナーを含むことが意図される。

0105

もし抗体がTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSポリペプチドに、約107M−1以上のKaで結合する場合、抗体は特異的に結合するものであると定義される。結合パートナーまたは抗体のアフィニティは、たとえばScatchardら、Ann.N.Y.Acad.Sci.,51:660(1949)に記載されるような標準的な技術を用いて容易に決定されうる。

0106

ポリクローナル抗体は、当分野公知の手順を用いて、たとえばウマウシヤギヒツジイヌ、ニワトリ、ウサギ、マウス、またはラット等の様々な源から容易に作製され得る。一般的に、精製されたTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOS、または適切に結合されたTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSのアミノ酸配列に基づくペプチドが、通常は非経口注射により宿主動物に投与される。TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSの免疫原性は、たとえばフロイント完全アジュバントまたは不完全アジュバント等のアジュバントの使用により増強され得る。ブースター免疫化の後、血清の少量の試料採取し、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSポリペプチドに対する反応性を検証する。かかる決断に有用な様々なアッセイの例としては、Antibodies:A Laboratory Manual, Harlow and Lane(編),Cold Spring Harbor Laboratory Press,1988に記載されるアッセイ、ならびにたとえば向流免疫電気泳動法(CIEP)、放射免疫測定法放射免疫沈降法酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ドットブロットアッセイ、及びサンドイッチアッセイ等の手順が挙げられる。米国特許第4,376,110号及び第4,486,530号を参照のこと。

0107

モノクローナル抗体は、当分野公知の手順を用いて容易に作製されうる。たとえば、米国特許第RE32,011号、第4,902,614号、第4,543,439号、及び第4,411,993号、Monoclonal Antibodies,Hybridomas:A New Dimension in Biological Analyses,Plenum Press,Kennett, McKeam, and Bechtol(編)、1980に記載される手順を参照のこと。

0108

たとえば、マウス等の宿主動物に、単離及び精製されたTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOS、または結合TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSペプチドを、任意選択でアジュバントの存在下、約3週間隔で少なくとも1回、好ましくは少なくとも2回、腹腔内注射してもよい。次いでマウス血清を従来的なドットブロット法または抗体捕捉法(ABC:antibody capture)により分析し、どの動物が融合にもっとも適しているかを決定する。およそ2〜3週間後、マウスにTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOS、または結合TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSペプチドの静脈内ブーストを投与する。その後、マウスを殺処分し、確立されたプロトコールに従い脾臓細胞を、たとえばAg8.653(ATCC)等の市販のミエローマ細胞と融合させる。簡潔に記載すると、ミエローマ細胞を培地中で数回洗浄し、1個のミエローマ細胞に対し約3個の脾臓細胞の割合でマウスの脾臓細胞に融合させる。融合剤はたとえばポリエチレングリコール(PEG)等の当分野に用いられる任意の適切な剤であってもよい。融合細胞の選択的増殖が可能な培地を含有するプレート上に融合物播種する。次いで融合細胞をおよそ8日間増殖させてもよい。得られたハイブリドーマ由来の上清回収し、ヤギ抗マウスIgで初めにコートされていたプレートに添加する。洗浄を行った後、たとえば標識TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSポリペプチド等の標識を各ウェルに添加し、その後、インキュベーションを行う。引き続き、陽性ウェルを検出してもよい。陽性クローンバルク培養で増殖させてもよく、及び引き続き上清をプロテインAカラム(Pharmacia社)上で精製する。

0109

本発明のモノクローナル抗体を、たとえば本明細書に参照により援用されるAlting−Meesら、”Monoclonal Antibody Expression Libraries:A Rapid Alternative to Hybridomas”、Strategies in Molecular Biology 3:1−9(1990)に記載されるような代替法を用いて作製してもよい。同様に、結合パートナーは、特異的結合抗体をコードする遺伝子の可変領域を組み込むための組み換えDNA法を用いて構築されてもよい。かかる方法は、Larrickら、Biotechnology, 7:394 (1989)に記載されている。

0110

かかる抗体の抗原結合断片は、標準的な技法により作製されてもよく、また本発明に包含される。かかる断片の例としては、限定されないが、Fab及びF(ab’)2断片が挙げられる。遺伝子操作法により作製される抗体断片及び誘導体もまた提供される。

0111

本発明のモノクローナル抗体は、たとえばマウスモノクローナル抗体ヒト化型等のキメラ抗体を含む。かかるヒト化抗体は、公知の技術により作製されることができ、ヒトに当該抗体が投与された際の免疫原性を低下させるという利点をもたらす。1つの実施形態において、ヒト化モノクローナル抗体は、マウス抗体の可変領域(またはただのその抗原結合部位)、及びヒト抗体由来定常領域を含有する。あるいは、ヒト化抗体断片は、マウスモノクローナル抗体の抗原結合部位及びヒト抗体由来の可変領域断片(抗原結合部位を欠落している)を含有してもよい。キメラ及びさらに操作されたモノクローナル抗体の作製方法としては、Riechmannら、(Nature 332:323,1988)、Liuら、(PNAS 84:3439,1987),Larrickら、(Bio/Technology 7:934,1989)、及びWinter and Harris(TIPS 14:139, May, 1993)に記載されている方法が挙げられる。抗体を遺伝子組み換え的に作製する手順は、GB2,272,440、米国特許第5,569,825号及び第5,545,806号に見いだされる。

0112

標準的な組み換えDNA法により作製されることができる、ヒト部分と非ヒト部分を含有する、たとえばキメラ及びヒト化モノクローナル抗体等の遺伝子操作法により作製された抗体を用いてもよい。かかるキメラ及びヒト化モノクローナル抗体は、たとえばRobinsonら、国際特許出願公開WO87/02671;Akiraら、欧州特許出願0184187;Taniguchi、M.,欧州特許出願0171496;Morrisonら、欧州特許出願0173494;Neubergerら、PCT国際特許出願公開WO86/01533;Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願0125023;Betterら、Science 240:1041 1043, 1988;Liuら、PNAS 84:3439 3443,1987;Liuら、J.Immunol.139:3521 3526, 1987;Sunら、PNAS 84:214 218,1987;Nishimuraら、Canc. Res.47:999 1005,1987;Woodら、Nature 314:446 449,1985;及びShawら、J.Natl.Cancer Inst.80:1553 1559,1988);Morrison,S.L., Science 229:1202 1207,1985; Oiら、BioTechniques 4:214,1986;Winter 米国特許第5,225,539号;Jonesら、Nature 321:552 525,1986;Verhoeyanら、Science 239:1534,1988;及びBeidlerら、J.Immunol.141:4053 4060,1988に記載される方法等、当分野に公知の標準的なDNA技術を用いて遺伝子操作されることにより作製されることができる。

0113

合成及び半合成抗体に関連し、かかる用語は、限定されないが、抗体断片、アイソタイプスイッチ抗体、ヒト化抗体(たとえばマウス−ヒト、ヒト−マウス)、ハイブリッド、複数の特異性を有する抗体、及び全合成抗体様分子を含むことが意図される。

0114

治療応用に関し、ヒト定常領域及び可変領域を有する「ヒト」モノクローナル抗体が、多くの場合、当該抗体に対する患者の免疫応答を最小化するためには好ましい。かかる抗体は、ヒトイムノグロブリン遺伝子を含有するトランスジェニック動物を免疫化することにより作製されてもよい。Jakobovitsら、Ann NY Acad Sci 764:525−535(1995)を参照のこと。

0115

TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSポリペプチドに対するヒトモノクローナル抗体もまた、たとえば対象のリンパ球由来のmRNAから調製されたイムノグロブリン軽鎖および重鎖cDNAを用いたFabファージディスプレイライブラリー、またはscFvファージディスプレイライブラリー等のコンビナトリアルイムノグロブリンライブラリーを構築することにより作製されうる。たとえば、McCaffertyら、PCT国際特許出願公開WO92/01047;Marksら、(1991)J.Mol.Biol.222:581 597;及びGriffthsら、(1993)EMBO J 12:725 734を参照のこと。さらに、抗体可変領域コンビナトリアルライブラリーは、公知のヒト抗体を変異させることにより作製することができる。たとえば、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSに結合することが知られているヒト抗体の可変領域を、たとえばランダム変化突然変異誘導オリゴヌクレオチド(randomly altered mutagenized oligonucleotides)を用いて突然変異させ、変異可変領域のライブラリーを作製し、次いでそれらをTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSに対する結合についてスクリーニングしてもよい。イムノグロブリン重鎖及び/または軽鎖のCDR領域内にランダムに突然変異誘導する方法、ランダム化重鎖及び軽鎖を架橋させて対形成させる方法、ならびにスクリーニング方法は、たとえば、Barbasら、PCT国際特許出願公開WO96/07754;Barbasら、(1992)Proc.Nat’l Acad. Sci.USA 89:4457 4461に見出される。

0116

イムノグロブリンライブラリーを、好ましくは線状ファージ(filamentous phage)由来のディスプレイパッケージ群により発現させ、抗体ディスプレイライブラリーを作製してもよい。抗体ディスプレイライブラリー作製における使用に特に適した方法及び試薬の例は、たとえば、Ladnerら、米国特許第5,223,409号;Kangら、PCT国際特許出願公開WO92/18619;Dowerら、PCT国際特許出願公開WO91/17271; Winterら、PCT国際特許出願公開WO92/20791;Marklandら、PCT国際特許出願公開WO92/15679;Breitlingら、PCT国際特許出願公開WO93/01288;McCaffertyら、PCT国際特許出願公開WO92/01047;Garrardら、PCT国際特許出願公開WO92/09690;Ladnerら、PCT国際特許出願公開WO90/02809;Fuchsら、(1991)Bio/Technology 9:1370 1372;Hayら、(1992)Hum Antibod Hybridomas 3:81 85;Huseら、(1989)Science 246:1275 1281;Griffthsら、(1993)上述;Hawkinsら、(1992)J Mol Biol 226:889 896;Clacksonら、(1991)Nature 352:624 628;Gramら、(1992) PNAS 89:3576 3580;Garradら、(1991)Bio/Technology 9:1373 1377;Hoogenboomら、(1991)Nuc Acid Res 19:4133 4137;及びBarbasら、(1991)PNAS 88:7978 7982に見出される。ディスプレイパッケージ(たとえば線状ファージ)の表面上に提示された時点で、抗体ライブラリーをスクリーニングし、TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4またはICOSポリペプチドに結合する抗体を発現するパッケージを特定及び単離する。好ましい実施形態において、ライブラリーの一次スクリーニングは、固定TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSポリペプチドとのパンニングを含み、固定TIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSポリペプチドに結合する抗体を発現するディスプレイパッケージを選択する。

0117

本明細書にすでに記載されているTIM−3、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4及びICOSのアンタゴニストならびにアゴニストに加え、本明細書に記載されるアンタゴニスト及びアゴニストは、当分野に公知のアンタゴニスト及びアゴニストを含みうることが予期される。たとえば、イピリムマブ(Ipilimumab)(登録商標)及びトレリムマブ(tremelimumab)がCTLA−4抗体として知られている。さらに、ラムブロリズマブ(lambrolizumab)、AMP−224、ニボルマブ(Nivolumab)、及びMK−3475がPD−1抗体として知られている。PDL−1に対する公知の抗体のいくつかの例としては、MPDL3280A(Roche社)、MED14736(AZN社)、MSB0010718C(Merck社)が挙げられる。

0118

腫瘍抗原を発現するポックスウイルス、及び免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストを用いた併用療法
少なくとも1つの態様において、本発明は、腫瘍抗原をコードする組み換えポックスウイルスと、1つ以上の免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストの組み合わせを用いた治療方法を包含するものである。

0119

少なくとも1つの態様において、本発明は、TAAをコードする組み換えポックスウイルスと、1以上のTIM−3の抗体またはアンタゴニストの組み合わせを用いた癌治療方法を包含するものである。

0120

他の態様において、本発明は、(a)TAAをコードする組み換えポックスウイルス、(b)1以上のTIM−3の抗体またはアンタゴニスト、及び(c)1つ以上の他の免疫チェックポイント分子の抗体、アゴニスト、またはアンタゴニスト、の組み合わせを用いた治療方法を包含するものである。好ましい実施形態において、当該他の免疫チェックポイント分子の抗体、アゴニスト、またはアンタゴニストは、PD−1、PDL−1、LAG−3、CTLA−4、ICOS若しくはそれらの組み合わせの抗体またはアンタゴニストから選択される。

0121

1つの実施形態において、腫瘍関連抗原HER−2を過剰発現している細胞により介在される癌(たとえば、乳癌)を有する患者は、HER−2抗原をコードする、たとえば、オルソポックスウイルス(たとえば、ワクシニアウイルス、ワイス、ACAM1000、ACAM2000、MVA、またはMVA−BN)、またはアビポックスウイルス(たとえば鶏痘ウイルス、POXVAC−TC)等のポックスウイルスと、本発明による1つ以上の抗体、アゴニスト、またはアンタゴニストの組み合わせにより治療されてもよい。好ましい実施形態において、MVAは、MVA−BNである。特に好ましい実施形態において、MVAは、配列番号2を含有するポリペプチドをコードする。

0122

1つの実施形態において、前立腺癌を有する患者は、PSA及び/またはPAP抗原をコードする、たとえば、ワクシニアウイルス(たとえば、ワクシニアウイルス、ワイス、ACAM1000、ACAM2000、MVA、またはMVA−BN)、及びアビポックスウイルス(たとえば鶏痘ウイルス、POXVAC−TC)等のオルソポックスウイルスと、本発明による1つ以上の抗体、アゴニスト、またはアンタゴニストの組み合わせにより治療されてもよい。特に好ましい実施形態において、当該ワクシニアウイルスは、PROSTVAC(登録商標)の一部である。

0123

1つの実施形態において、TAACEA及び/またはMUC−1を過剰発現している細胞により介在される癌(たとえば、乳癌、大腸癌、肺癌、及び卵巣癌)を有する患者は、CEA及び/またはMUC−1抗原をコードする、たとえば、ワクシニアウイルス(たとえば、ワクシニアウイルス、ワイス、ACAM1000、ACAM2000、MVA、またはMVA−BN)、またはアビポックスウイルス(たとえば鶏痘ウイルス、POXVAC−TC)等のオルソポックスウイルスと、本発明による1つ以上の抗体、アゴニスト、またはアンタゴニストの組み合わせにより治療されてもよい。

0124

組み換えポックスウイルスは、全身または局所のいずれか、すなわち非経口投与皮下投与静脈内投与筋肉内投与鼻内投与、皮内投与、乱刺(scarification)、または当業者に公知の任意の他の投与経路により、投与されてもよい。好ましくは、投与は、乱刺により行われる。1つの実施形態において、105〜1010TCID50の組み換えポックスウイルスが患者に投与される。好ましくは、107〜1010TCID50の組み換えポックスウイルスが患者に投与される。より好ましくは、108〜1010TCID50の組み換えポックスウイルスが患者に投与される。最も好ましくは、108〜109TCID50の組み換えポックスウイルスが患者に投与される。

0125

好ましくは癌としては、限定されないが、乳癌、肺癌、頭頸部癌、甲状腺、メラノーマ、胃癌、膀胱癌、腎癌、肝癌、メラノーマ、膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、または大腸癌が挙げられる。

0126

好ましい実施形態において、癌は、乳癌、前立腺癌、または大腸癌である。

0127

癌患者は、マウスまたはラットを含む任意の哺乳類であり得る。好ましくは、癌患者は霊長類、最も好ましくはヒトである。

0128

1つの実施形態において、本発明による1つ以上の抗体、アゴニスト、またはアンタゴニスト、及びTAAを含有するポリペプチドをコードするポックスウイルスは、同時に投与される。併用療法は、いずれか治療単独よりも優れている。

0129

好ましい実施形態において、組み換えポックスウイルスは、アゴニスト及び/またはアンタゴニスト投与の1、2、3、4、5、6、または7日以内の投与のためのものである。組み換えポックスウイルスは、アゴニスト及び/またはアンタゴニストの前後に投与されてもよい。

0130

患者に投与されるアゴニストまたはアンタゴニストの投与量は、典型的には0.1mg/kg患者体重〜100mg/kg患者体重である。好ましくは、患者に投与される投与量は、0.1mg/kg患者体重〜20mg/kg患者体重、より好ましくは1mg/kg患者体重〜10mg/kg患者体重、最も好ましくは3mg/kg患者体重〜10mg/kg患者体重である。一般的に、ヒト抗体及びヒト化抗体は、外来性ポリペプチドに対する免疫反応を理由として、多種由来の抗体よりもヒト体内においてより長い半減期を有する。したがって多くの場合、ヒト抗体はより少ない投与量、及びより低い投与頻度が可能である。

0131

有効的な治療に必要な活性成分の量は、投与手段、標的部位、患者の生理学的状態、及び投与される他の薬剤をはじめとする多くの異なる因子に依存する。したがって、治療投与量は、安全性及び有効性を最適化するために用量設定されなければならない。典型的には、in vitroで用いられる投与量が、in situ投与に有効な活性成分の量に関する有用なガイダンスを提供しうる。特定の疾患の治療に対する有効用量の動物実験により、ヒト投与量に関するさらなる予測値が提供される。たとえば、Goodman and Gilman’s the Pharmacological Basis of Therapeutics、第七版(1985)、MacMillan Publishing Company,New York、及びRemington’s Pharmaceutical Sciences 第18版(1990) Mack Publishing Co,Easton Paにおいて様々な検討事項が記載されている。経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、経皮投与経鼻投与イオン導入投与等の投与方法がその中で検討されている。

0132

本発明組成物は、投与方法に応じて、様々な単位投与剤型で投与されることができる。たとえば経口投与に適した単位投与剤型としては、たとえば散剤錠剤丸薬カプセル、及び糖衣錠等の固体投与剤型、ならびにたとえばエリキシルシロップ、及び懸濁剤等の液体投与剤型が挙げられる。また活性成分は、滅菌液体投与剤型で非経口投与されてもよい。ゼラチンカプセルは、活性成分と、不活性成分としてたとえばグルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、デンプンセルロースまたはセルロース誘導体ステアリン酸マグネシウムステアリン酸サッカリンナトリウム滑石炭酸マグネシウム等の粉末化担体を含有する。所望される色、味、安定性緩衝能力、分散、または他の公知の望ましい特性をもたらすために添加されうる不活性成分の追加例は、赤色酸化鉄シリカゲルラウリル硫酸ナトリウム二酸化チタン食用白色インク等である。同様の希釈剤を用いて、圧縮錠を作製してもよい。錠剤及びカプセルの両方とも、数時間にわたり薬剤を継続的に放出するための徐放製剤として作製されうる。圧縮錠は、任意の不快な味を覆うため、及び外気から錠剤を保護するために糖衣またはフィルムコートされていてもよく、または消化管内での選択的崩壊のために腸溶化されていてもよい。経口投与用の液体投与剤型は、患者の受容性を高めるための着色剤及び香味剤を含有してもよい。

0133

医薬製剤中の本発明組成物の濃度は、広範に変化し得、すなわち、約0.1重量%未満から、通常は約2重量%または少なくとも約2重量%から、20重量%〜50重量%以上まで変化し得、選択された特定の投与方法に従い、主に液体量粘性等により選択される。

0134

固形組成物に関しては、たとえば医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム等をはじめとする標準的な非毒性固形担体を用いてもよい。経口投与に関しては、薬学的に受容可能な非毒性組成物は、通常、活性成分、つまり本発明の1つ以上の組成物の10〜95%、より好ましくは25〜75%の濃度で、たとえば上記に列記される担体等の任意の通常用いられる賦形剤を組み込むことにより形成される。

0135

エアロゾル投与に関しては、本発明組成物は、好ましくは、界面活性剤及び噴霧剤とともに微細に分離した形態で供給される。本発明組成物の好ましい割合は、0.01重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜10重量%である。もちろん界面活性剤は非毒性でなければならず、好ましくは噴霧剤に可溶性である。かかる剤の代表例は、たとえばカプロン酸オクタン酸ラウリン酸パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸リノレン酸オレスリン酸(olesteric acid)およびオレイン酸等の6〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸脂肪性多価アルコールまたはその環状無水物とのエステルまたは部分エステルである。たとえば混合グリセリドまたは天然グリセリドのような混合エステルを使用してもよい。界面活性剤は、本組成物の0.1〜20重量%、好ましくは0.25〜5重量%を構成してもよい。組成物の平衡は通常、噴霧剤である。所望される場合にはたとえば鼻内送達用のレシチン等のように担体が含まれてもよい。

0136

本発明構築物はさらに当分野公知の技術によりデポ型システムカプセル化形態または移植で送達されてもよい。同様に、本構築物ポンプにより対象組織へと送達されてもよい。

0137

本製剤中の活性剤が当該製剤により不活化されず、及び当該製剤が生理学的に適合可能である限り、前述の製剤はいずれも本発明による処置及び治療に適切であり得る。

0138

ある実施形態において、本発明の組み換えポックスウイルスは、1つ以上の医薬組成物中に統合されうる。TAAをコードする組み換えポックスウイルス及び1つ以上の免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストに加え、医薬組成物は1つ以上の薬学的に許容可能な、ならびに/または承認された担体、添加剤、抗生物質保存剤、アジュバント、希釈剤及び/若しくは安定剤を含有してもよい。かかる添加剤としては、限定されないが、たとえば水、生理食塩水、グリセロールエタノール湿潤剤または乳化剤、及びpH緩衝物質が挙げられる。担体の例は、典型的にはたとえばタンパク質、多糖ポリ乳酸ポリグリコール酸高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマー脂質凝集体等の巨大でゆっくりと代謝される分子である。

0139

同種/異種プライムブーストレジメンを用いた併用療法
上記に定義される組み換えポックスウイルスの単回投与で免疫反応を誘導することは可能である。本発明によるポックスウイルスを、同種プライムブーストレジメンの一部として用いてもよい。同種プライムブーストにおいて、最初のプライミングワクチネーションが与えられた後、1つ以上の次のブーストワクチネーションが与えられる。ブーストワクチネーションは、最初のワクチネーションにおいて用いられたものと同じ、または関連した組み換えポックスウイルスの投与により、最初のワクチネーションで生じた免疫反応をブーストするよう設定される。

0140

本発明に従う組み換えポックスウイルスはまた、異種プライムブーストレジメンにおいて用いられてもよく、異種プライムブーストレジメンでは、初回プライムワクチネーションの1つ以上が本明細書に定義されるポックスウイルスを用いて行われ、次のブーストワクチネーションの1つ以上はたとえば限定されないが他のウイルスワクチンタンパク質ワクチンまたは核酸ワクチン等の異なるワクチンを用いて行われる。

0141

1つの例示的な実施形態において、同種プライムブーストレジメンが用いられてもよく、ここで、たとえば限定されないがHER2等の腫瘍関連抗原(TAA)を1つ以上発現するMVA−BN等のポックスウイルスが最初の投与で1つ以上の免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストと併用されて投与される。たとえば限定されないがHER2等のTAAを1つ以上発現するMVA−BNと1つ以上の免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストを併用した次の投与は、最初の投与でもたらされた免疫反応をブーストするために与えられてもよい。好ましくは、第二の及びその後のMVA−BN中の1つ以上のTAAは、最初の投与のTAAと同じ、または類似のTAAである。

0142

他の例示的な実施形態において、異種プライムブーストが用いられてもよく、ここで、たとえば1つ以上のTAAを発現するワクシニア等のポックスウイルスが最初の投与で1つ以上の免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストと併用されて投与される。この最初の投与の後、たとえば1つ以上のTAAを発現する鶏痘等の異なるポックスウイルスの1回以上の投与が行われる。好ましくは、鶏痘ウイルス中の1つ以上のTAAは、最初の投与のワクシニア中に含まれたTAAと同じ、または類似のTAAである。異種プライムブーストレジメンのさらなる例示的な記載は、米国特許第6,165,460号、第7,598,225号、及び第7,247,615号に見出され、それらすべては本明細書に参照により援用される。

0143

1つの好ましい実施形態において、異種プライムブーストレジメン中の1つ以上のTAAとしては、前立腺特異抗原(PSA)及び/または前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)抗原が挙げられる。より好ましい実施形態において、PSA抗原は、それら両方が本明細書に参照により援用される米国特許第7,247,615号及び第7,598,225号に見出されるPSA抗原を含有してもよい。1つの非限定的な例において、PSAを含有する異種プライムブーストはPROSTVAC(登録商標)である。

0144

さらに他の好ましい実施形態において、異種プライムブーストレジメン中の1つ以上のTAAは、mucin1,cell surface associated(MUC1)抗原、及び癌胎児性抗原(CEA:carcinoembryonic antigen)を含有する。より好ましい実施形態において、MUC1及びCEA抗原は、それらすべてが本明細書に参照により援用される米国特許第7,118,738号、第7,723,096号及びPCT国際特許出願PCT/US2013/020058に見出される抗原を含有してもよい。1つの非限定的な例において、MUC−1抗原及びCEAを含有する異種プライムブーストレジメンはCV301である。

0145

さらに他の例示的な実施形態において、異種プライムブーストが用いられてもよく、ここでたとえば1つ以上のTAAを発現するMVAまたはMVA−BN等のポックスウイルスは最初の投与で1つ以上の免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストと併用されて投与される。この最初の投与が行われた後、たとえば1つ以上のTAAを発現する鶏痘等の異なるポックスウイルスの1回以上の投与が行われる。好ましくは、鶏痘ウイルス中の1つ以上のTAAは、最初の投与のMVAまたはMVA−BNウイルス中に含まれていたTAAと同じ、または類似のTAAである。

0146

ある実施形態において、1つ以上のブーストワクチネーションは、最初のプライミングワクチネーションの投与後、数日、数週、または数か月を含む間隔で投与される。ある実施形態において、1つ以上のブーストワクチネーションは、最初のプライミングワクチネーションの投与後、数日、または1、2、3、4、5、6、7日以上の間隔で投与される。ある実施形態において、1つ以上のブーストワクチネーションは、最初のプライミングワクチネーションの投与後、1、2、3、4、5、6、7、8週以上の間隔で投与される。ある実施形態において、1つ以上のブーストワクチネーションは、最初のプライミングワクチネーションの投与後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月以上の間隔で投与される。ある実施形態において、1つ以上のブーストワクチネーションは、最初のプライミングワクチネーションの投与後、任意の間隔の組み合わせで投与される(たとえば1、2、3、4、5、6、7日以上、1、2、3、4、5、6、7、8週以上、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月以上)。

0147

1つの実施形態において、異種プライムブーストレジメンの1つ以上の次のブーストワクチネーションは、最初のプライムワクチネーションとは異なる属のポックスウイルスから選択される。1つの非限定的な例において、第一または最初のポックスウイルスワクチンがワクシニアを含む場合、第二の、及びその後のポックスウイルスワクチンは、たとえばワクシニアとは免疫原性的に異なるスイポックス(suipox)、アビポックス(avipox)、カプリポクス(capripox)、またはオルソポックス(orthopox)等の異なる属のポックスウイルスから選択される。
異種プライムブーストにおいて、ブースト投与後の免疫チェックポイントアンタゴニスト/アゴニストの投与は、癌治療の有効性を高める。

0148

PROSTVAC(登録商標)は、PROSTVAC−V(PSAを発現するワクシニアウイルスとTRICOMTM)を用いた単回プライム投与の後、PROSTVAC−F(PSAを発現する鶏痘ウイルスとTRICOMTM)の1つ以上の連続ブースト投与を含む異種プライムブーストレジメンを含有するものであり、本明細書に参照により援用されるJ Clin Oncol 2010, 28:1099−1105に記載されている。

0149

図10〜12、及び実施例13〜15に示され、及び記載されるように、異種PROSTVAC(登録商標)投与レジメンは同じベクターを用いた同種投与と比較し、PSA特異的T細胞反応規模及び質を大きく高める。さらに、図面及び実施例から、PROSTVAC−Vを用いたプライミング及びPROSTVAC−Fを用いたブーストは、標的腫瘍抗原であるPSAに高度に機能的なCD8 CTL免疫反応を集中させ、ワクシニアベクターから離れさせるという追加の利点をもたらすことが示される。

0150

少なくとも1つの態様において、組み換えポックスウイルスの1つ以上の用量が癌患者に投与される場合、第二またはその後の組み換えポックスウイルスの用量または投与と併用した1つ以上の免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストの投与により、より高い癌治療の治療効果が得られる。

0151

より特定の態様において、本発明の組み換えポックスウイルスの1つ以上の用量が異種プライムブーストレジメンの一部として癌患者に投与される場合、少なくとも1つのTAAをコードする第二またはその後の組み換えポックスウイルスのブースト用量と併用して少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストを投与することにより、より高い癌治療の治療効果が得られる。この高い治療効果は、少なくとも部分的に、異種プライムブーストレジメンの第二またはその後のブースト投与が行われている間、及び行われた後に、組み換えポックスウイルスと比較し、患者の免疫T細胞反応が腫瘍抗原に対しより集中することから認識される。したがって、少なくとも1つの態様において、ブースト投与の間に免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストを投与すると、腫瘍抗原に対する患者の免疫反応を増強させるために機能し、それにより腫瘍に対しより特異的に患者の免疫反応が高まる。

0152

少なくとも他の態様において、異種プライムブーストレジメンを含む癌治療の一部として、組み換えポックスウイルスの第二のまたはその後のブースト投与と併用して少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストを投与することにより、当該免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストの治療利益が最大化され、一方で、免疫チェックポイント治療においてみられる有害な副作用は最小化される。

0153

本開示の教示を考慮し、追加の実施形態において、本発明は、ヒト癌患者を治療する方法を含むものであり、当該方法は、(a)第一の組み換えポックスウイルスであり、当該ポックスウイルスは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有する、及び(b)第二の組み換えポックスウイルスであり、当該ポックスウイルスは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有する、を当該患者に投与することを含み、ここで、当該第二の組み換えポックスウイルスは、少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストと併用して投与される、方法である。追加の実施形態において、第二の組み換えポックスウイルスは第一の組み換えポックスウイルスとは異なっている。他の実施形態において、第二の組み換えポックスウイルスは、第一の組み換えポックスウイルスとは異なる属である。

0154

他の実施形態において、第一及び第二の組み換えポックスウイルスは、異なっているか、異なる属であり、異種プライムブーストレジメンとして投与され、当該異種プライムブーストレジメンは、a)第一のプライム投与として第一の組み換えポックスウイルスを投与すること、及びb)少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストと併用して1つ以上のブースト投与として第二の組み換えポックスウイルスを投与すること、を含む。好ましい実施形態において、異種プライムブーストレジメンは、PROSTVAC(登録商標)、CV301、またはMVA−BN−CV301から選択される。

0155

さらに他の実施形態において、第一の組み換えポックスウイルス、または初回投与もしくはプライム投与の組み換えポックスウイルスは、免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストを含有しないことが予期される。

0156

さらに、第一及び第二の組み換えポックスウイルスは、たとえば限定されないが、本開示に記載される任意のポックスウイルスであり得ることが予期される。さらに、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)は、たとえば限定されないが、本開示に記載されるTAA等の任意のTAAであり得ることが予期される。

0157

1つ以上の実施形態において、少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストは、少なくとも1つのTAAをコードする組み換えポックスウイルスの第二またはその後の投与と同日、または1、2、3、4、5、6若しくは7日以内に投与される。好ましい実施形態において、少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストは、異種プライムブーストレジメンの一部として投与され、及び少なくとも1つのTAAをコードする組み換えポックスウイルスの第二のまたはその後のブースト投与と同日、または1、2、3、4、5、6若しくは7日以内に投与される。

0158

1つ以上の実施形態において、少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストは、少なくとも1つのTAAをコードする組み換えポックスウイルスの第二のまたはその後の用量が投与された後に投与される。好ましい実施形態において、少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストは、異種プライムブーストレジメンの一部として投与され、及び少なくとも1つのTAAをコードする組み換えポックスウイルスの第二のまたはその後のブースト投与の後に投与される。組み換えポックスウイルスの第二のまたはその後のブースト投与の後、少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストが投与される時間の間隔は、本開示に記載される時間の間隔を含みうることが予期される。

0159

さらに、少なくとも1つのTAAをコードする組み換えポックスウイルスの第二、またはもう1つの次のブースト投与と併用して投与される場合、少なくとも1つの免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストは、本開示に提示される用量または濃度で投与されうることが予期される。

0160

キット
1つの実施形態において、本発明は、組み換えポックスウイルスとTIM−3免疫チェックポイントアンタゴニストを含有するキットを包含するものである。組み換えポックスウイルスとTIM−3免疫チェックポイントアンタゴニストは各々バイアルまたは容器内に入れられていてもよい。

0161

1つの実施形態において、組み換えポックスウイルスは本明細書に記載される腫瘍関連抗原(TAA)をコードする。他の実施形態において、TIM−3免疫チェックポイントアンタゴニストは、本明細書に記載される他の免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストと併用されてもよい。様々な実施形態において、ワクチネーション用キットは、第一のバイアルまたは容器のセット中に、第一のワクチネーション(プライミング)のための組み換えポックスウイルスと免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストを含有し、及び第二若しくは第三のバイアルまたは容器中に、第二または第三のワクチネーション(ブースト)のための組み換えポックスウイルスと免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストを含有する。

0162

1つの実施形態において、キットは、癌の予防を目的とした、組み換えポックスウイルス、及びTIM−3免疫チェックポイントアンタゴニスト、及び併用投与に関する説明書を含有してもよい。1つの実施形態において、キットは、1つ以上の腫瘍関連マーカーの上昇が検出された後、癌の予防を目的とした、当該組合せ、及び併用投与に関する説明書を含有してもよい。

0163

1つの実施形態において、キットは、組み換えポックスウイルスとTIM−3免疫チェックポイントの組み合わせ、及び治療有効投与量またはある量のポックスウイルス、及び治療有効量のTIM−3免疫チェックポイントアンタゴニストの投与に関する説明書を含有してもよい。

0164

本発明により、本明細書に記載される説明書の1つ以上が、単一のキット中に組み合わされ得ることが予期される。さらに本明細書に記載される1つ以上の説明書が、本出願中に提示される投与レジメンの1つ以上を含むことが予期される。

0165

組合せまたは薬剤に関するさらなる実施形態
さらなる実施形態において、本開示は、ヒト癌患者の治療において使用するための組み合わせまたは医薬を包含するものである。当該組み合せまたは医薬は、組み換えポックスウイルスベクターを含有し、当該ポックスウイルスベクターは、a)少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)、及びb)TIM−3アンタゴニスト、を含有する。当該TIM−3アンタゴニストは抗TIM−3抗体を含有してもよい。

0166

さらに追加の実施形態において、本開示は、ヒト癌患者の治療における使用のための組み合わせまたは医薬を含みうるものであり、当該組み合わせまたは医薬は、(a)治療有効量のポックスウイルスであって、当該ポックスウイルスベクターは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有し、(b)少なくとも1つのTIM−3アンタゴニストの治療有効量、及び(c)PD−1アンタゴニスト、LAG−3アンタゴニスト、またはCTLA−4アンタゴニストの内の少なくとも1つの治療有効量、を含有する。様々な免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストが、1つ以上の抗体に統合されうることが予期される。

0167

さらに追加の実施形態において、本開示は、ヒト癌患者の全生存率の上昇における使用のための組み合わせまたは医薬を含みうるものであり、当該組み合わせまたは医薬は、(a)組み換えポックスウイルスベクターであり、当該ポックスウイルスベクターは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有し、及び(b)TIM−3アンタゴニスト、を含有する。当該TIM−3アンタゴニストは抗TIM−3抗体を含有してもよい。

0168

さらに他の実施形態において、本明細書に開示される組合せまたは医薬中のTAAをコードする組み換えポックスウイルスは、PROSTVAC(登録商標)であってもよい。さらに他の実施形態において、本明細書に開示される組合せまたは医薬中のTAAをコードする組み換えポックスウイルスは、CV301であってもよい。

0169

さらに追加の実施形態において、本開示は、(a)組み換えポックスウイルスであって、当該組み換えポックスウイルスは、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含有し、及び(b)TIM−3アンタゴニスト、の使用を含みうるものである。当該TIM−3アンタゴニストは、抗TIM−3アンタゴニスト抗体を含んでもよい。さらなる実施形態において、開示される医薬組成物または医薬の使用は、ヒト癌患者の治療を目的としたものであってもよい。

0170

さらに追加の実施形態において、本開示は、(a)組み換えポックスウイルスであって、当該ポックスウイルスは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)を含み、及び(b)TIM−3アンタゴニスト、及び(c)PD−1アンタゴニスト、LAG−3アンタゴニスト、またはCTLA−4アンタゴニストの内の少なくとも1つ、の使用を含みうるものである。様々な免疫チェックポイントアンタゴニストまたはアゴニストが、1つ以上の抗体に統合されうることが予期される。さらなる実施形態において、開示される医薬組成物または医薬の使用は、ヒト癌患者の治療を目的としたものであってもよい。

0171

実施例1
MVA−BN−HER2の構築
培養物の同時感染及びトランスフェクションに行うことにより、ウイルスゲノムと組み換えプラスミドの間の相同組み換えが発生した。挿入物を担持したウイルスを単離し、特徴を解析し、ウイスルストックを調製した。

0172

プラスミドpBN146はMVA−BN中にもまた存在する配列(14L及び15Lオープンリーディングフレーム)を含有する。HER2配列は、MVA−BNの間に挿入され、それによりMVA−BNウイルスゲノムへの組み換えが行われた。つまり、ポックスウイルスプロモーター、具体的にはカウポックス(cowpox)ウイルスA型封入体遺伝子プロモーターの下流にHER2配列を含有したプラスミドが構築された。このプラスミドはまた、合成ワクシニアウイルスプロモーター(Ps)、薬剤耐性遺伝子グアニンキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ;Ecogpt)、内部リボソーム侵入部位(IRES)、及び高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)を含有する選択カセットを含有した。両選択遺伝子(gpt及びEGFP)は、1つの2シストロン転写物によりコードされた。

0173

HER−2配列は、HER−2に対する免疫反応を高めるために、p2及びp30の破傷風毒素エピトープをコードするヌクレオチド配列の付加により修飾された。mHER2がMVA−BNゲノムに挿入された後、このウイルスの「挿入領域」は以下の構造を有していた。

0174

ATIプロモーター−HER2配列−Psプロモーター−gpt−IRES−EGFP。挿入領域は、細菌組み換えプラスミドpBN146中のMVA−BN I4L遺伝子領域配列(F1及びF2)に隣接していた。当該構築物のヌクレオチド配列を以下に示す。

0175

0176

HER2の開始コドン及び終止コドン太字で示されている。隣接配列は斜体で示されている。

0177

コードされたHER2ポリペプチドの翻訳配列は以下に示す。

0178

0179

p2及びp30の破傷風毒素エピトープは太字で示されている。

0180

CEF培養物にMVA−BNを接種し、またpBN146プラスミドDNAをトランスフェクトした。次に、これら細胞培養物由来の試料を、選択薬剤を含有する培地中でCEF培養物へと接種し、EGFP発現ウイルスクローンをプラーク精製により単離した。選択薬剤の存在下で増殖し、EGFPを発現したウイルスストックを、MVA−BN−mHER2と指定した。MVA−BN−HER2の作製及びウイルスストックの調製には、5回のプラーク精製を含む12回の連続継代が含まれた。

0181

MVA−BN−HER2は、選択薬剤の非存在下、CEF細胞培養物中で継代された。選択薬剤を無くすことにより、挿入配列由来の選択遺伝子であるgptとEGFP、及び関連プロモーター(選択カセット)をコードする領域を欠落させた。選択カセットを消失させる組み換えは、プラスミドpBN146の選択カセットに隣接しているF1 I4L領域、及びその領域の小区分であるF1リピート(F1リピート)により調節される。これら二重配列は、選択カセットを消失させ、I4L遺伝子内領域に挿入されたHER2配列のみを残す組み換えを成立させるために含まれた。

0182

選択カセットを欠くプラーク精製されたウイルスが調製された。かかる調製は、5回のプラーク精製を含む15回の継代を含んだ。

0183

MVA−BN−HER2ストック中のHER2配列の存在、及び元のMVA−BNウイルスの非存在は、PCR分析により確認され、入れ子PCR(nested PCR)を用いて選択カセット(gpt及びEGFP遺伝子)の非存在が確認された。

0184

HER2タンパク質の発現は、in vitroでMVA−BN−HER2を接種された細胞中で示された。

0185

実施例2
腫瘍移植、及びMVA−BN−HER2と抗体を用いた治療
メスのBALB/cマウス(6〜8週齢、約20g)は、Simonsen Laboratories社、Gilroy、CAから購入した。固形腫瘍モデルにおいては、1日目にメスのBALB/cマウスにCT26−HER−2細胞を移植した(1.0x10^5、皮内注射、背側脇腹)。マウスはMVA−BN−HER2を用いて1日目及び15日目に治療された(100μLのTBS中、1E7 Inf.U.、尾基底部で尾部乱刺[t.s.]または皮下注射[s.c.]による)。以下の抗体を、Bio X Cell社(West,Lebanon,NH)から購入した。抗Tim−3(RMT3−23)、抗CTLA−4(9D9)、抗PD−1(RMP1−14)、及び抗LAG−3(C9B7W)。すべての抗体は、別段の記載がない限り、マウス当たり、100μLのPBS中200μgで1日目及び15日目に腹腔内(i.p.)注射された。腫瘍は週に2回測定され、腫瘍体積は以下の式に従い算出された。腫瘍体積(mm3)=(全長x幅2)/2。

0186

フローサイトメトリー解析のために全血、腫瘍/肺、または脾臓をプールした(4匹のマウス/群)。脾臓細胞は、2枚のすり板ガラススライドの間に脾臓を圧縮し、ACK溶解緩衝液(Life Technologies社、Grand Island、NY)を用いて赤血球を溶解させることにより調製した。肺と関連腫瘍は、約1〜2mm3のさいの目に切断され、10%のFBS、50U/mlのDNAseI、及び250U/mLのコラゲナーゼI(Worthington Biochemical Corporation、Lakewood、NJ)を含むDMEM中で1時間、37℃にて単一細胞懸濁液にまでさらに消化された。肺及び全血の両方に含まれる赤血球はRBC溶解緩衝液(eBioscience社)を用いて溶解された。単一細胞懸濁液は、標準的な表面染色プロトコールに従い染色された。

0187

以下のタンパク質に対する抗体は、BD Bioscience社(San Jose, CA)からCD3e(500A2)、CD4(RM4−5)、CD8a(53−6.7)を、BioLegend社(San Diego、CA)からCD3e(145−2C11)、LAG−3(C9B7W)、PD−1(CD279、29F.1A12)、Tim−3(RMT3−23)を、またはeBioscience社(San Diego、CA)からICOS(7E.17G9)、CD16/CD32(93)を購入した。

0188

すべての試料はBD LSRIIまたはFortessa上で得られ、FlowJoバージョン9.6.2(TreeStar Inc.、Ashland,OR)を用いて分析された。

0189

すべての統計分析は、Windows用のGraphPad Prismバージョン6.01(GraphPad Software社、La Jolla,CA)を用いて行われた。

0190

実施例3
MVA−BN−HER2治療を用いたTim−3発現の上昇
Tim−3発現は、実施例2に記載されるように1日目及び15日目のMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.、t.s.)を用いた治療後のマウスにおいて、フローサイトメトリーにより測定された。図1に示されるように、結果は、MVA−BN−HER2を用いた治療後、TIM−3を発現するCD8+T細胞の割合の上昇を示している。

0191

実施例4
MVA−BN−HER2と抗TIM−3治療は、腫瘍増殖を減少させる
実施例2に記載されるように、マウスは1日目にCT26−HER−2腫瘍を皮内移植され、1日目及び15日目にMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.、t.s.)と抗Tim−3(200μg、i.p.)を用いて治療された。図2に示されるように、結果は、抗TIM−3を併用したMVA−BN−HER2を用いた治療が腫瘍増殖を減少させることを示している。

0192

図2に示されるように、結果は、MVA−BN−HER2と抗TIM−3を用いた治療が、腫瘍増殖及び腫瘍体積を減少させることを示している。

0193

実施例5
MVA−BN−HER2及び抗TIM−3及び抗PD−1治療は腫瘍増殖を減少させる
実施例2に記載されるように、マウスは1日目にCT26−HER−2腫瘍を皮内移植され、1日目及び15日目にMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.、t.s.)、ならびに抗Tim−3及び抗PD−1(各々200μg、i.p.)を用いて治療された。図3に示されるように、結果は、抗TIM−3と抗PD−1を併用したMVA−BN−HER2を用いた治療が腫瘍増殖を減少させることを示している。

0194

実施例6
MVA−BN−HER2及び抗TIM−3及びLAG−3治療は腫瘍増殖を減少させる 実施例2に記載されるように、マウスは1日目にCT26−HER−2腫瘍を皮内移植され、1日目及び15日目にMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.、t.s.)、ならびに抗Tim−3及び抗LAG−3(各々200μg、i.p.)を用いて治療された。図4に示されるように、結果は、抗TIM−3と抗LAG−3を併用したMVA−BN−HER2を用いた治療が腫瘍増殖を減少させることを示している。

0195

実施例7
MVA−BN−HER2及び抗TIM−3及び抗CTLA−4治療は腫瘍増殖を減少させる
実施例2に記載されるように、マウスは1日目にCT26−HER−2腫瘍を皮内移植され、1日目及び15日目にMVA−BN−HER2(1E7 Inf.U.、s.c.)、ならびに抗Tim−3(200μg、i.p.)及び抗CTLA−4(22μg、i.p.)を用いて治療された。図5に示されるように、結果は、抗TIM−3と抗LAG−3を併用したMVA−BN−HER2を用いた治療が腫瘍増殖を減少させることを示している。*** p<0.001、**** p<0.0001、二元配置分散分析(Two WayANOVA)。

0196

実施例8
PROSTVAC及び抗体を用いて治療されたマウスにおける抗腫瘍応答の誘導
オスのBALB/cマウス(6〜8週齢、約20g、Simonsen Laboratories社、Gilroy CA)に、1日目にE6細胞(1.5×105、背側横腹皮内)を移植した。マウスは1日目にPROSTVAC−V(2E7 Inf. U.、尾基底部皮下注射)を用いて治療され、ならびに8日目及び15日目にPROSTVAC−F(1E8 Inf. U.、尾基底部皮下注射)を用いて治療された。マウスは、実施例2に記載されるように抗PD−1及び抗LAG−3を用いた腹腔内注射で治療された。

0197

実施例9
PROSTVAC及び抗PD−1を用いて治療されたマウスにおける抗腫瘍応答の誘導
BALB/cマウスはE6腫瘍を皮内移植され、実施例8に記載されるようにPROSTVAC及び抗PD−1を用いて治療された。結果は図6に示す。

0198

実施例10
PROSTVAC及び抗LAG−3を用いて治療されたマウスにおける抗腫瘍応答の誘導BALB/cマウスはE6腫瘍を皮内移植され、実施例8に記載されるようにPROSTVAC及び抗LAG−3を用いて治療された。結果は図7に示す。

0199

実施例11
PROSTVAC及び抗PD−1及び抗LAG−3を用いて治療されたマウスにおける抗腫瘍応答の誘導
BALB/cマウスはE6腫瘍を皮内移植され、実施例7に記載されるようにPROSTVAC及び抗PD−1及び抗LAG−3を用いて治療された。結果は図8に示す。

0200

実施例12
抗CTLA−4及び抗PD−1を伴うMVA−BN−CV301は、全生存率を上昇させる
1日目にメスのC57/BL6マウス(6〜8週齢、約20g、Simonsen Laboratories社、Gilroy,CA)に、肺に腫瘍を形成する1.0×10^6個のMC38−MUC1細胞のDPBS溶液300μLを静脈内注射で移植した。マウスは、4日目及び18日目にMVA−BN−CV301(4E5 Inf.U.尾基底部上の皮下注射)を用いて治療し、ならびに抗CTLA−4及び抗PD−1(それぞれ200μg)の腹腔内注射を用いて治療した。MVA−BN−CV301
結果。図9に示されるように、結果は、抗CTLA−4及び抗PD−1を併用したMVA−BN−CV301は、MVA−BN−CV301を単独で用いた癌治療、または抗CTLA−4と抗PD−1のみの癌治療と比較し、対象の全生存率を有意に上昇させたことを示している。

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