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技術 工作機械

出願人 株式会社ツガミ
発明者 岩渕健児丸山洋平
出願日 2019年2月6日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-019981
公開日 2020年8月20日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-124793
状態 未査定
技術分野 ねじ切り
主要キーワード 各振動波形 揺動波形 揺動周期 テーパねじ ワーク回転用モータ 偶数回目 ワーク径 工具ユニット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月20日)のものです。
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図面 (7)

課題

切粉分断を可能としつつ揺動波形の設定が簡単となる工作機械を提供する。

解決手段

工作機械は、ワークを把持しつつ軸回転させる主軸と、軸回転するワークに接触することによりワークを加工する工具と、工具をワークに対してワークの軸線に沿う方向に相対的に送るZ軸移動機構と、工具をワークに対してワークの径方向に相対的に揺動させるY軸移動機構又はX軸移動機構と、主軸を介してワークを軸回転させつつZ軸移動機構を介してワークに対して工具を送る切り込み加工を所定回数にわたって行い、切り込み加工として、Y軸移動機構又はX軸移動機構を介して工具を揺動させる揺動加工、及び工具を揺動させない非揺動加工の何れかを行うね切り加工処理部と、を備える。ねじ切り加工処理部は、切り込み加工の回数が増えるにつれて切り込み量を大きくしつつ、所定回数の切り込み加工として、単数回の揺動加工と単数回の非揺動加工を交互に行う。

概要

背景

従来から、工作機械において、ワークを軸回転させつつ送り方向に送り移動させ、複数回にわたって切り込み加工を行うことでねじ切り加工が行われる。例えば、特許文献1及び2に記載の工作機械においては、切り込み加工に際して工具をワークに対してワーク径方向に往復振動させる。そして、例えば、1回目の切り込み加工における振動波形と2回目の切り込み加工における振動波形の一部が重なるように設定される。これにより、切り込み加工中に、工具がワークに非接触となる領域が形成され、切粉分断が可能となる。

概要

切粉の分断を可能としつつ揺動波形の設定が簡単となる工作機械を提供する。工作機械は、ワークを把持しつつ軸回転させる主軸と、軸回転するワークに接触することによりワークを加工する工具と、工具をワークに対してワークの軸線に沿う方向に相対的に送るZ軸移動機構と、工具をワークに対してワークの径方向に相対的に揺動させるY軸移動機構又はX軸移動機構と、主軸を介してワークを軸回転させつつZ軸移動機構を介してワークに対して工具を送る切り込み加工を所定回数にわたって行い、切り込み加工として、Y軸移動機構又はX軸移動機構を介して工具を揺動させる揺動加工、及び工具を揺動させない非揺動加工の何れかを行うね切り加工処理部と、を備える。ねじ切り加工処理部は、切り込み加工の回数が増えるにつれて切り込み量を大きくしつつ、所定回数の切り込み加工として、単数回の揺動加工と単数回の非揺動加工を交互に行う。

目的

本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、切粉の分断を可能としつつ揺動波形の設定が簡単となる工作機械を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ワークを把持しつつ軸回転させる主軸と、軸回転する前記ワークに接触することにより前記ワークを加工する工具と、前記工具を前記ワークに対して前記ワークの軸線に沿う方向に相対的に送る送り動作部と、前記工具を前記ワークに対して前記ワークの径方向に相対的に揺動させる揺動部と、前記主軸を介して前記ワークを軸回転させつつ前記送り動作部を介して前記ワークに対して前記工具を送る切り込み加工を所定回数にわたって行い、前記切り込み加工として、前記揺動部を介して前記工具を前記ワークに対して揺動させる揺動加工、及び前記工具を前記ワークに対して揺動させない非揺動加工の何れかを行うね切り加工処理部と、を備え、前記ねじ切り加工処理部は、前記切り込み加工の回数が増えるにつれて切り込み量を大きくしつつ、前記所定回数の前記切り込み加工として、単数回又は複数回の前記揺動加工と単数回又は複数回の前記非揺動加工を交互に行う、工作機械

請求項2

複数回の前記揺動加工における前記主軸の回転角度に対する切り込み量を示す揺動波形位相は互いに同一である、請求項1に記載の工作機械。

請求項3

複数回の前記揺動加工における前記主軸の回転角度に対する切り込み量を示す揺動波形の振幅は互いに同一である、請求項1又は2に記載の工作機械。

請求項4

前記非揺動加工の切り込み量は、前記非揺動加工の前の前記揺動加工の極大値よりも小さく、かつ、前記非揺動加工の後の前記揺動加工の極小値よりも大きい、請求項1から3の何れか1項に記載の工作機械。

技術分野

0001

本発明は、工作機械に関する。

背景技術

0002

従来から、工作機械において、ワークを軸回転させつつ送り方向に送り移動させ、複数回にわたって切り込み加工を行うことでねじ切り加工が行われる。例えば、特許文献1及び2に記載の工作機械においては、切り込み加工に際して工具をワークに対してワーク径方向に往復振動させる。そして、例えば、1回目の切り込み加工における振動波形と2回目の切り込み加工における振動波形の一部が重なるように設定される。これにより、切り込み加工中に、工具がワークに非接触となる領域が形成され、切粉分断が可能となる。

先行技術

0003

特許第5851670号公報
国際公開第2016/056526号

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献1及び2に記載の工作機械においては、切粉の分断を可能とするため、各振動波形の一部が重なるように振動波形(揺動波形)の位相及び振幅を設定する必要があり、この設定が困難であった。

0005

本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、切粉の分断を可能としつつ揺動波形の設定が簡単となる工作機械を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するため、本発明に係る工作機械は、ワークを把持しつつ軸回転させる主軸と、軸回転する前記ワークに接触することにより前記ワークを加工する工具と、前記工具を前記ワークに対して前記ワークの軸線に沿う方向に相対的に送る送り動作部と、前記工具を前記ワークに対して前記ワークの径方向に相対的に揺動させる揺動部と、前記主軸を介して前記ワークを軸回転させつつ前記送り動作部を介して前記ワークに対して前記工具を送る切り込み加工を所定回数にわたって行い、前記切り込み加工として、前記揺動部を介して前記工具を前記ワークに対して揺動させる揺動加工、及び前記工具を前記ワークに対して揺動させない非揺動加工の何れかを行うね切り加工処理部と、を備え、前記ねじ切り加工処理部は、前記切り込み加工の回数が増えるにつれて切り込み量を大きくしつつ、前記所定回数の前記切り込み加工として、単数回又は複数回の前記揺動加工と単数回又は複数回の前記非揺動加工を交互に行う。

発明の効果

0007

本発明によれば、工作機械において、切粉の分断を可能としつつ揺動波形の設定が簡単となる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の一実施形態に係る工作機械の概略正面図である。
本発明の一実施形態に係る工作機械の概略平面図である。
本発明の一実施形態に係るストレートねじを形成する場合の切り込み加工のサイクルを示す概略図である。
本発明の一実施形態に係るテーパねじを形成する場合の切り込み加工のサイクルを示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る切り込み量と主軸角度の関係を示すグラフである。
本発明の変形例に係る切り込み量と主軸角度の関係を示すグラフである。

実施例

0009

本発明の一実施形態に係る工作機械について図面を参照して説明する。
図1に示すように、工作機械1は、ワークWを加工するNC(Numerical Control)旋盤である。詳しくは、工作機械1は、工作機械1全体の台であるベッドSと、ワークWを把持しつつ軸回転させる主軸ユニット10と、主軸ユニット10をZ軸方向に移動させるZ軸移動機構13と、主軸ユニット10により把持されたワークWに対して工具35aをX軸方向及びY軸方向に移動する工具機構30と、工作機械1を制御する制御部300と、を備える。

0010

(主軸ユニット10)
主軸ユニット10は、主軸台11と、ワークWを回転可能に支持する主軸14と、を備える。主軸14は、何れも図示しない、ワークWを把持するチャックと、チャックで把持したワークWを回転させるワーク回転用モータと、を備える。Z軸移動機構13は、送り動作部の一例であり、Z軸モータ13zでボールねじ13aを軸回転させることでナット13bとともに主軸ユニット10をワークWの軸方向に沿うZ軸方向に移動させる。

0011

(工具機構30)
図1に示すように、工具機構30は、ベッドSに固定された固定台41と、固定台41に固定されるガイドブッシュ装置80と、バイト等からなる工具35aを有する工具ユニット35と、工具ユニット35を高さ方向に沿うY軸方向に移動させるY軸移動機構32と、図2に示すように、工具ユニット35をX軸方向に移動させるX軸移動機構33と、を備える。X軸方向又はY軸方向はワークWの径方向に相当する。Y軸移動機構32及びX軸移動機構33は、Z軸移動機構13と同様に、モータ、ボールねじ及びナットにより構成される。Z軸移動機構13、Y軸移動機構32又はX軸移動機構33は、制御部300による制御のもと、工具35aを主軸14により回転されるワークWに対して移動させることによりワークWの加工を行う。
なお、Y軸移動機構32及びX軸移動機構33の少なくとも何れか一方は、工具35aをワークWに対して相対的にワークWの径方向に揺動させる揺動部の一例である。

0012

図1に示すように、固定台41は、主軸14に把持されたワークWを中心とした空洞部41aを有する。空洞部41aには、主軸14により把持されるワークWを支持するガイドブッシュ装置80が搭載されている。なお、ガイドブッシュ装置80に代えて、ワークWを支持しないガイドブッシュレス装置が搭載されてもよい。

0013

(制御部300)
制御部300は、工作機械1の各部の動作を制御するものであり、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、CPUによる後述する加工処理等の手順を定義したプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等を備える。制御部300は、数値制御(NC)によって、主軸14を軸回転させ、Z軸移動機構13を介して主軸ユニット10をZ軸方向に移動させ、Y軸移動機構32又はX軸移動機構33を介して工具ユニット35をX軸方向又はY軸方向に移動又は揺動させる。

0014

制御部300は、ワークWの外周にねじを切るねじ切り加工処理を実行するねじ切り加工処理部301を備える。
ねじ切り加工処理について簡単に説明すると、ねじ切り加工処理部301は、主軸14とともにワークWを軸回転させつつ、工具35aの刃先がワークWの外周面に接触するように、Z軸移動機構13を介して工具35aをワークWに対してZ軸方向に送る送り動作を行う。これにより、ワークWに対して切り込み加工が行われ、ワークWの外周面にはねじ溝が形成される。ねじ切り加工処理部301は、複数回にわたって切り込み加工を実行し、切り込み加工の回数が多くなるにつれて切り込み量を大きくする。ねじ切り加工処理部301は、切り込み加工として、工具35aをワークWの径方向に沿って揺動させる揺動加工、及び工具35aをワークWの径方向に揺動させない非揺動加工を交互に行う。揺動加工及び非揺動加工については後で詳述する。

0015

次に、図3を参照しつつ、1回分の切り込み加工のサイクルについて詳細に説明する。
図3の矢印J1に示すように、ねじ切り加工処理部301は、工具35aの刃先を第1位置P1からワークWの径方向内側に直線的に移動させて、第2位置P2に到達させる。第1位置P1は、Z軸方向においてワークWの先端面に対してワークWから離れた方向に位置し、X軸方向においてワークWの外周面に対してワークWから離れた方向に位置する。第2位置P2は、X軸方向において第1位置P1よりもワークWに近く、ワークWの外周面に対して切り込み量だけワークWの径方向内側に位置する。

0016

次に、図3の矢印J2に示すように、ねじ切り加工処理部301は、主軸14とともにワークWが軸回転した状態で、工具35aを第2位置P2からZ軸方向のワークWの基端側(図3の左側)に送って第3位置P3に到達させる切り込み加工を行う。これにより、ワークWの外周面に螺旋状のねじ溝が形成される。ねじ溝のピッチは、主軸14の回転速度と工具35aの送り速度により決まる。

0017

そして、図3の矢印J3に示すように、ねじ切り加工処理部301は、工具35aの刃先を第3位置P3からワークWの径方向外側に移動させて、第4位置P4に到達させる。第4位置P4は、第3位置P3よりもワークWの径方向外側であってワークWの外周面から離れて位置する。最後に、図3の矢印J4に示すように、ねじ切り加工処理部301は、工具35aの刃先を第4位置P4から第1位置P1に戻す。
以上で、1回分の切り込み加工のサイクルが完了する。

0018

図3では、ワークWの外周面がZ軸方向に沿って延びる面に切り込み加工が行われ、ストレートねじが形成される。しかしながら、これに限らず、図4に示すように、ワークWの外周面がZ軸方向に沿って傾斜したテーパ面に切り込み加工が行われ、テーパねじが形成されてもよい。この場合、図4の矢印J2に示すように、ねじ切り加工処理部301は、工具35aの刃先をテーパ面に沿うように第2位置P2から第3位置P3まで移動させる。

0019

ねじ切り加工処理においては、切り込み加工のサイクルが複数回にわたって繰り返し実行される。これにより、工具35aの刃先がワークWの外周面を複数回にわたって移動する。例えば、奇数回目の切り込み加工においては揺動加工が実行され、偶数回目の切り込み加工においては非揺動加工が実行される。そして、最後の2回の切り込み加工においては非揺動加工が連続的に実行される。
具体的には、図5に示すように、本例では、7回にわたって切り込み加工が実行され、1回目、3回目及び5回目の切り込み加工においては揺動加工が実行され、2回目、4回目、6回目及び7回目の切り込み加工においては非揺動加工が実行される。図5では、1〜7回目の切り込み加工について、それぞれ、切り込み量と主軸14の角度の関係を示す揺動波形W1,W3,W5及び直線W2,W4,W6,W7が示されている。
揺動波形W1,W3,W5は、それぞれ1回目、3回目及び5回目の切り込み加工に対応し、主軸14の角度に対して切り込み量が周期的に変化する正弦波をなす。本例では、揺動波形W1,W3,W5は互いに同一の位相と振幅を有し、切り込み量が異なる。直線W2,W4,W6,W7は、それぞれ2回目、4回目、6回目及び7回目の切り込み加工に対応し、主軸14の角度に対して切り込み量が一定となるように直線状をなす。

0020

切り込み量は、ワークWの外周面を基準(0.000mm)とした工具35aの刃先の位置であり、ワークWの径方向内側に正の値をとる。切り込み量は切り込み加工の回数が増える毎に大きくなる。本例では、切り込み加工の回数が1回増えると、予め設定される切り込み増加量ずつ切り込み量が大きくなる。この切り込み増加量は、例えば0.050mmである。切り込み加工の回数がn(nは1以上の整数)である場合、切り込み量は「n×0.050mm」に設定される。揺動加工においては、揺動波形W1,W3,W5の中心値が切り込み量となるように設定される。
揺動加工における揺動波形W1,W3,W5の振幅は本例では0.060mmに設定されている。また、本例では、揺動波形W1,W3,W5における主軸14の1回転あたりの揺動周期は1に設定される。

0021

図5の直線W2に示す非揺動加工の切り込み量は、この非揺動加工の直前の揺動加工における揺動波形W1の極大値Pk1よりも小さく、かつ、この非揺動加工の直後の揺動加工における揺動波形W3の極小値Pk2よりも大きく設定される。本例では、直線W2と揺動波形W1の極大値Pk1の差、及び直線W2と揺動波形W3の極小値Pk2の差は、0.010mmである。
また、図5の直線W4に示す非揺動加工の切り込み量は、この非揺動加工の直前の揺動加工における揺動波形W3の極大値Pk1よりも小さく、かつ、この非揺動加工の直後の揺動加工における揺動波形W5の極小値Pk2よりも大きく設定される。本例では、直線W4と揺動波形W3の極大値Pk1の差、及び直線W4と揺動波形W5の極小値Pk2の差は、0.010mmである。
また、図5の直線W6に示す非揺動加工の切り込み量は、この非揺動加工の直前の揺動加工における揺動波形W5の極大値Pk1よりも小さく設定される。本例では、直線W6と揺動波形W5の極大値Pk1の差は、0.010mmである。
また、図5の直線W7に示す非揺動加工の切り込み量は、この非揺動加工の2回前の切り込み加工である揺動波形W5の極大値Pk1よりも大きく設定される。本例では、直線W6と直線W7の差は、0.050mmである。
上述のように揺動波形W1,W3,W5及び直線W2,W4,W6,W7が設定されることにより、工具35aがワークWに非接触となる空振り領域Ar1,Ar2が形成される。空振り領域Ar1は直線W2,W4,W6の非揺動加工時に工具35aがワークWに非接触となる角度領域であり、空振り領域Ar2は揺動波形W1,W3,W5の揺動加工時に工具35aがワークWに非接触となる角度領域である。

0022

次に、図5を参照しつつ、ねじ切り加工処理部301によるねじ切り加工処理について順に説明する。ここでは、図3の矢印J2で示す切り込み加工のみを説明し、図3の矢印J1,J3,J4で示す工具35aの移動については説明を省略する。
ねじ切り加工処理部301は、図5の揺動波形W1で示すように、1回目の切り込み加工においては、切り込み量0.000mmにて揺動加工を行う。この際、主軸14の角度が0°〜180°においては、ワークWの外周にねじ溝が形成され、主軸14の角度が空振り領域Ar2に対応する角度範囲(180°〜360°)にあるときには工具35aがワークWの外周面から離れてねじ溝が形成されない。

0023

次に、ねじ切り加工処理部301は、図5の直線W2で示すように、2回目の切り込み加工においては、切り込み量0.050mmにて非揺動加工を行う。この非揺動加工においては、主軸14が空振り領域Ar1に対応する角度範囲(57°〜123°)にあるときには工具35aがワークWに接触せず切削が行われず、主軸14が空振り領域Ar1以外の角度範囲(0°〜57°、123°〜360°)にあるときには工具35aがワークWに接触してねじ溝が形成される。非揺動加工において、工具35aがワークWに接触しない角度範囲が存在するため、切粉は分断される。

0024

そして、ねじ切り加工処理部301は、図5の揺動波形W3で示すように、3回目の切り込み加工においては、切り込み量0.100mmにて揺動加工を行う。この揺動加工においては、主軸14が空振り領域Ar2に対応する角度範囲(237°〜303°)にあるときには工具35aがワークWに接触せず切削が行われず、主軸14が空振り領域Ar2以外の角度範囲(0°〜237°、303°〜360°)にあるときには工具35aがワークWに接触してねじ溝が形成される。揺動加工において、工具35aがワークWに接触しない角度範囲が存在するため、切粉は分断される。

0025

次に、ねじ切り加工処理部301は、図5の直線W4で示すように、4回目の切り込み加工においては、切り込み量0.150mmにて非揺動加工を行う。この非揺動加工は、上述した直線W2で示す2回目の切り込み加工と同様に、空振り領域Ar1にて切粉が分断される。
そして、ねじ切り加工処理部301は、図5の揺動波形W5で示すように、5回目の切り込み加工においては、切り込み量0.200mmにて揺動加工を行う。この揺動加工は、上述した揺動波形W3で示す3回目の切り込み加工と同様に、空振り領域Ar2にて切粉が分断される。
次に、ねじ切り加工処理部301は、図5の直線W6で示すように、6回目の切り込み加工においては、切り込み量0.250mmにて非揺動加工を行う。この非揺動加工は、上述した直線W2で示す2回目の切り込み加工と同様に、空振り領域Ar1にて切粉が分断される。
直線W6の非揺動加工が完了したとき、空振り領域Ar1においては、揺動波形W5の揺動加工により、直線W6の非揺動加工における切り込み量よりも大きく切削されている。よって、ワークWの外周面の空振り領域Ar1において凹部が形成されている。

0026

最後に、ねじ切り加工処理部301は、図5の直線W7で示すように、7回目の切り込み加工においては、切り込み量0.300mmにて非揺動加工を行う。この非揺動加工は、揺動波形W5の極大値Pk1よりも大きい切り込み量となる。このため、上述した空振り領域Ar1における凹部を除去することができる。すなわち、7回目の切り込み加工は仕上げ加工である。
以上で、ねじ切り加工処理が完了となる。

0027

次に、揺動波形W1,W3,W5及び直線W2,W4,W6,W7の設定方法について説明する。
まず、作業者は、図示しない入力手段を通じて、揺動の振幅、周期及び切り込み増加量を入力する。ねじ切り加工処理部301は、図示しない入力手段を通じた作業者の操作に応じて、揺動の振幅、周期及び切り込み増加量に関する情報を取得する。なお、上述した空振り領域Ar1,Ar2を形成するためには、振幅は切り込み増加量よりも大きく設定される必要がある。
そして、ねじ切り加工処理部301は、取得された揺動の振幅及び周期に応じて揺動波形W1を生成する。そして、その生成した揺動波形W1を切り込み増加量だけ増加方向にずらすことにより揺動波形W3を生成する。さらに、その生成した揺動波形W3を切り込み増加量だけ増加方向にずらすことにより揺動波形W5を生成する。
また、ねじ切り加工処理部301は、切り込み増加量に切り込み加工の回数であるnを乗じた切り込み量に応じて直線W2,W4,W6,W7を生成する。
以上のように、揺動の振幅、周期及び切り込み増加量を入力するだけで、簡単に、ねじ切り加工処理における波形W1〜W7が生成される。

0028

(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)工作機械1は、ワークWを把持しつつ軸回転させる主軸14と、軸回転するワークWに接触することによりワークWを加工する工具35aと、工具35aをワークWに対してワークWの軸線に沿う方向に相対的に送る送り動作部の一例であるZ軸移動機構13と、工具35aをワークWに対してワークWの径方向に相対的に揺動させる揺動部の一例であるY軸移動機構32又はX軸移動機構33と、主軸14を介してワークWを軸回転させつつZ軸移動機構13を介してワークWに対して工具35aを送る切り込み加工を所定回数(例えば7回)にわたって行うことによりねじ切り加工処理を実行し、切り込み加工として、Y軸移動機構32又はX軸移動機構33を介して工具35aを揺動させる揺動加工、及び工具35aを揺動させない非揺動加工の何れかを行うねじ切り加工処理部301と、を備える。ねじ切り加工処理部301は、切り込み加工の回数が増えるにつれて切り込み量を大きくしつつ、所定回数の切り込み加工として、単数回の揺動加工と単数回の非揺動加工を交互に行う。
上記特許文献1及び2では、切粉を分断するために複数の揺動波形の一部が互いに重なるように揺動波形の位相及び振幅等を設定していた。上記構成によれば、揺動加工のみならず非揺動加工も行われる。このため、複数の揺動波形の一部が互いに重なるように揺動波形の位相及び振幅等を設定する必要がなく、空振り領域Ar1,Ar2が形成され、切粉を分断できる。よって、揺動波形W1,W3,W5の位相及び振幅等の設定の自由度が高まり、揺動波形W1,W3,W5の設定が簡単となる。
なお、ワークWの軸線に沿う方向は、ワークWの軸線に対して平行な方向であってもよいし、ワークWの軸線に対して平行でない方向、例えば、ワークWの軸線に対して傾斜した方向であってもよい。

0029

(2)複数回の揺動加工における主軸14の回転角度に対する切り込み量を示す揺動波形W1,W3,W5の位相は互いに同一である。
比較例として連続的に同一の位相の揺動波形にて揺動加工が行われる場合には空振り領域が形成されないため、切粉の分断が困難となる。上記構成によれば、揺動波形W1,W3,W5の位相を同一に設定しても、複数回の揺動加工の間に非揺動加工が実行されるため、揺動加工時と非揺動加工時に切粉を分断できる。また、揺動波形W1,W3,W5の設定が簡単となる。

0030

(3)複数回の揺動加工における主軸14の回転角度に対する切り込み量を示す揺動波形W1,W3,W5の振幅は互いに同一である。
この構成によれば、揺動波形W1,W3,W5の振幅が同一であるため、揺動波形W1,W3,W5の設定が簡単となる。

0031

(4)直線W2で示す非揺動加工の切り込み量は、この非揺動加工の直前の揺動波形W1に示す揺動加工の極大値Pk1よりも小さく、かつ、非揺動加工の直後の揺動波形W3に示す揺動加工の極小値Pk2よりも大きい。
この構成によれば、直線W2で示す非揺動加工においては、空振り領域Ar1により切粉が分断される。そして、次の波形W3に示す揺動加工においては、空振り領域Ar2により切粉が分断される。このように、非揺動加工と揺動加工の何れでも切粉が分断される。

0032

なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。

0033

(変形例)
上記実施形態においては、揺動波形W1,W3,W5における主軸14の1回転あたりの揺動周期は1に設定されていたが、これに限らず、1以外であってもよい。例えば、図6に示すように、揺動周期は0.5であってもよい。

0034

上記実施形態においては、ねじ切り加工処理においては7回にわたって切り込み加工が実行されていたが、複数回であれば7回以外であってもよい。

0035

上記実施形態においては、ねじ切り加工処理部301は、ねじ切り加工処理において、単数回の揺動加工と単数回の非揺動加工を交互に行っていたが、これに限らず、複数回の揺動加工と複数回の非揺動加工を交互に行ってもよい。例えば、2回連続で揺動加工が行われた後、2回連続で非揺動加工が行われてもよい。また、ねじ切り加工処理において、例えば、複数回の揺動加工と単数回の非揺動加工を交互に行ってもよいし、逆に、単数回の揺動加工と複数回の非揺動加工を交互に行ってもよい。

0036

上記実施形態においては、揺動波形W1,W3,W5は互いに同一の位相であったが、位相が互いに異なっていてもよい。また、上記実施形態においては、揺動波形W1,W3,W5は互いに同一の振幅であったが、振幅が互いに異なっていてもよい。
また、上記実施形態においては、切り込み増加量は、切り込み加工の回数毎に一定であったが、切り込み加工の回数毎に一定でなくてもよい。

0037

上記実施形態においては、揺動部の一例であるY軸移動機構32又はX軸移動機構33は、工具35aをワークWに対して揺動させていたが、これに限らず、ワークWを工具35aに対して揺動させてもよい。また、送り動作部の一例であるZ軸移動機構13は、ワークWを工具35aに対してZ軸方向に送っていたが、これに限らず、工具35aをワークWに対してZ軸方向に送ってもよい。
また、上記実施形態においては、工具35aはワークWに対してX軸方向に揺動させていたが、ワークWの径方向であれば、X軸方向と異なる方向、例えば、Y軸方向に揺動させてもよい。

0038

上記実施形態においては、直線W2で示す非揺動加工の切り込み量は、この非揺動加工の直前の揺動波形W1に示す揺動加工の極大値Pk1よりも小さいという第1の条件と、非揺動加工の直後の揺動波形W3に示す揺動加工の極小値Pk2よりも大きいという第2の条件と、の2つの条件を満たしていたが、第1の条件と第2の条件の何れか一方のみを満たし、何れか他方を満たさなくてもよい。直線W4も同様である。

0039

上記実施形態においては、奇数回目の切り込み加工においては揺動加工が実行され、偶数回目の切り込み加工においては非揺動加工が実行されていたが、反対に、奇数回目の切り込み加工においては非揺動加工が実行され、偶数回目の切り込み加工においては揺動加工が実行されてもよい。この場合でも、最後の2回の切り込み加工においては非揺動加工が連続的に実行されることが好ましい。

0040

上記実施形態においては、図3及び図4で示す切り込み加工のサイクルにおいては、工具35aの刃先は4つの位置P1〜P4の間で移動していたが、これに限らず、5つ以上の位置の間で移動してもよい。また、上記実施形態においては、工具35aの刃先は、第3位置P3から第4位置P4に到達していたが、これに限らず、第4位置P4に到達する前であって、ワークWの外周面から離れた直後の位置から、Z軸方向に対して斜めに第1位置P1に向けて移動してもよい。これにより、切り込み加工のサイクルの時間短縮が図られる。
また、上記実施形態においては、原点である第1位置P1は、切り込み加工のサイクル毎に同じ位置であったが、これに限らず、切り込み加工のサイクル毎に異なる位置に設定されていてもよい。例えば、第1位置P1は、切り込み加工のサイクルの回数が増えることにより切り込み量が大きくなるにつれて、切り込み量に応じた距離だけワークWの軸に近い位置に設定されてもよい。この場合、第4位置P4も、第1位置P1と同様に、切り込み量に応じた距離だけワークWの軸に近い位置に設定されてもよい。これにより、矢印J1,J3の移動距離が短くなり、切り込み加工のサイクルの時間短縮が図られる。

0041

1…工作機械、10…主軸ユニット、11…主軸台、13…Z軸移動機構、14…主軸、30…工具機構、32…Y軸移動機構、33…X軸移動機構、35…工具ユニット、35a…工具、41…固定台、80…ガイドブッシュ装置、300…制御部、301…ねじ切り加工処理部、S…ベッド、W…ワーク、W1,W3,W5…揺動波形、W2,W4,W6,W7…直線、Ar1,Ar2…空振り領域、Pk1…極大値、Pk2…極小値

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