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技術 導電膜の製造方法、色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法および配線の製造方法

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 太田龍史清水基尋
出願日 2019年1月30日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-014311
公開日 2020年8月13日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-123480
状態 未査定
技術分野 電線ケーブルの製造(1)
主要キーワード 標本標準偏差 内部比表面積 スペーサーフィルム エキシマUV光 炭素ナノ構造体 スーパーグロース法 封じられた オゾン装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成可能な導電膜の製造方法を提供する。

解決手段

基材の表面に対してエキシマUV処理を行った後に、エキシマUV処理された基材の表面に導電性ペーストを塗布する工程を含む導電膜の製造方法とする。

概要

背景

従来から、太陽電池などの各種製品導電膜が用いられている。このような導電膜は、一般に、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)を含む水分散液金属ペーストなどの導電性ペースト基材に塗布し、乾燥させることにより製造される。

そして、このような導電性ペーストを基材に塗布する技術として、特許文献1には、色素増感型太陽電池用対向電極を製造するために、インジウムスズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルムのITO面上に、低圧水銀灯を用いてUV/オゾン処理を行い、その後、当該処理したITO面上に、CNTを含む水分散液を、バーコーターを用いて塗布したことが開示されている。

また、特許文献2には、CNT含有膜を形成するために、UV照射コロナ放電照射またはオゾン処理した基材フィルムの表面上に、CNT分散液キャスト法などの公知の方法によって塗布することが開示されている。

また、特許文献3には、色素増感型太陽電池モジュール光電極基板を作製するために、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムからなる光電極用基材上に設けられたITOの一部をエッチングして光電極用基材上にITOからなる光電極用導電層特定数形成し、更に、光電極用導電層を設けたPENフィルム高圧水銀灯表面処理した後、光電極用導電層上に、チタンイソプロポキシドイソプロピルアルコール溶液バーコート法により塗布してバッファ層製膜したことが開示されている。加えて、特許文献3には、光電極用導電層を設けたPENフィルムの所定領域に銀ペーストスクリーン印刷して銀配線を設けた後、光電極用導電層および銀配線を設けたPENフィルムの表面に高圧水銀灯の光を照射してから、各光電極用導電層上の、ITOをエッチングした領域と銀配線を形成した領域との中央に、酸化チタンペーストをスクリーン印刷して酸化チタン層を設けたことが開示されている。

概要

基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成可能な導電膜の製造方法を提供する。基材の表面に対してエキシマUV処理を行った後に、エキシマUV処理された基材の表面に導電性ペーストを塗布する工程を含む導電膜の製造方法とする。なし

目的

本発明は、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成可能な導電膜の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基材の表面に対してエキシマUV処理を行った後に、前記エキシマUV処理された前記基材の前記表面に導電性ペーストを塗布する工程を含む、導電膜の製造方法。

請求項2

前記エキシマUV処理において、N2ガスを導入しながらエキシマUV光照射する、請求項1に記載の導電膜の製造方法。

請求項3

前記基材の表面の酸素濃度が15%以下となるように前記N2ガスを導入する、請求項2に記載の導電膜の製造方法。

請求項4

前記基材が、支持体と、前記支持体上に形成され、且つ、前記導電性ペーストが塗布される導電層とを備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。

請求項5

前記導電性ペーストをスクリーン印刷法により塗布する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。

請求項6

前記導電性ペーストが水系のペーストである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。

請求項7

前記導電性ペーストが、導電性炭素材料金属酸化物および金属からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用対向電極を形成する工程を含む、色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法。

請求項9

前記導電性ペーストがカーボンナノチューブを含む、請求項8に記載の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法。

請求項10

請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用光電極を形成する工程を含む、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法。

請求項11

前記導電性ペーストが酸化チタンを含む、請求項10に記載の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法。

請求項12

請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成された導電膜を用いて配線を形成する工程を含む、配線の製造方法。

請求項13

前記導電性ペーストが銀を含む、請求項12に記載の配線の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、導電膜の製造方法、並びに、当該製造方法により形成された導電膜を用いた色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法および配線の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来から、太陽電池などの各種製品に導電膜が用いられている。このような導電膜は、一般に、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)を含む水分散液金属ペーストなどの導電性ペースト基材に塗布し、乾燥させることにより製造される。

0003

そして、このような導電性ペーストを基材に塗布する技術として、特許文献1には、色素増感型太陽電池用対向電極を製造するために、インジウムスズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルムのITO面上に、低圧水銀灯を用いてUV/オゾン処理を行い、その後、当該処理したITO面上に、CNTを含む水分散液を、バーコーターを用いて塗布したことが開示されている。

0004

また、特許文献2には、CNT含有膜を形成するために、UV照射コロナ放電照射またはオゾン処理した基材フィルムの表面上に、CNT分散液キャスト法などの公知の方法によって塗布することが開示されている。

0005

また、特許文献3には、色素増感型太陽電池モジュール光電極基板を作製するために、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムからなる光電極用基材上に設けられたITOの一部をエッチングして光電極用基材上にITOからなる光電極用導電層特定数形成し、更に、光電極用導電層を設けたPENフィルム高圧水銀灯表面処理した後、光電極用導電層上に、チタンイソプロポキシドイソプロピルアルコール溶液バーコート法により塗布してバッファ層製膜したことが開示されている。加えて、特許文献3には、光電極用導電層を設けたPENフィルムの所定領域に銀ペーストスクリーン印刷して銀配線を設けた後、光電極用導電層および銀配線を設けたPENフィルムの表面に高圧水銀灯の光を照射してから、各光電極用導電層上の、ITOをエッチングした領域と銀配線を形成した領域との中央に、酸化チタンペーストをスクリーン印刷して酸化チタン層を設けたことが開示されている。

先行技術

0006

国際公開第2015/190108号
国際公開第2015/045418号
特開2017−163024号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、導電膜を形成するにあたり、上記従来の方法によって表面処理された基材を用いた場合には、導電性ペーストを良好に塗布できないことがあった。そして、その結果、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成できないという問題があった。

0008

そこで、本発明は、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成可能な導電膜の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、当該製造方法により形成された導電膜を用いた色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法、および配線の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、基材の表面に対してエキシマUV処理を行うと、エキシマUV処理された基材の表面は、導電性ペーストに対する濡れ性が良好になることから、基材の表面をエキシマUV処理した後に当該表面に導電性ペーストを塗布すれば、導電性ペーストを良好に塗布することができ、その結果、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の導電膜の製造方法は、基材の表面に対してエキシマUV処理を行った後に、前記エキシマUV処理された前記基材の前記表面に導電性ペーストを塗布する工程を含むことを特徴とする。このように、基材の表面をエキシマUV処理してから当該表面に導電性ペーストを塗布すれば、導電性ペーストを良好に塗布することができる。そして、その結果、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成することができる。

0011

ここで、本発明の導電膜の製造方法は、前記エキシマUV処理において、N2ガスを導入しながらエキシマUV光を照射することが好ましい。そして、前記基材の表面の酸素濃度が15%以下となるように前記N2ガスを導入することがより好ましい。エキシマUV処理において、N2ガスを導入しながらエキシマUV光を照射することで、エキシマUV光の減衰を良好に抑制して、エキシマUV処理時間を短縮することができる。

0012

そして、本発明の導電膜の製造方法は、前記基材が、支持体と、前記支持体上に形成され、且つ、前記導電性ペーストが塗布される導電層とを備えることが好ましい。支持体と導電性ペーストが塗布される導電層とを備える基材を用いれば、本発明の製造方法により得られる導電膜を、色素増感型太陽電池用電極を形成する際に好適に用いることができる。

0013

また、本発明の導電膜の製造方法は、前記導電性ペーストをスクリーン印刷法により塗布することが好ましい。スクリーン印刷法により導電性ペーストを塗布すれば、導電膜をより効率良く形成することができる。

0014

そして、本発明の導電膜の製造方法は、前記導電性ペーストが水系のペーストであることが好ましい。導電性ペーストが水系のペーストであれば、導電性ペーストを更に良好に塗布できるため、導電膜を更に効率良く形成することができる。

0015

また、本発明の導電膜の製造方法は、前記導電性ペーストが、導電性炭素材料金属酸化物および金属からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。導電性炭素材料、金属酸化物および金属からなる群より選択される少なくとも1種を含む導電性ペーストを用いれば、本発明の製造方法によって得られる導電膜を各種用途に使用することができる。

0016

更に、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法は、上述したいずれかに記載の方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用対向電極を形成する工程を含むことを特徴とする。このように、本発明の製造方法により形成された導電膜を用いれば、変換効率の高い色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用対向電極を形成することができる。

0017

ここで、本発明の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法は、前記導電性ペーストがカーボンナノチューブを含むことが好ましい。カーボンナノチューブを含む導電性ペーストを用いれば、変換効率が向上した色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用対向電極を形成することができる。

0018

また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法は、上述したいずれかに記載の方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用光電極を形成する工程を含むことを特徴とする。このように、本発明の製造方法により形成された導電膜を用いれば、変換効率が高い色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用光電極を形成することができる。

0019

更に、本発明の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法は、前記導電性ペーストが酸化チタンを含むことが好ましい。酸化チタンを含む導電性ペーストを用いれば、変換効率が向上した色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用光電極を形成することができる。

0020

そして、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の配線の製造方法は、上述したいずれかの方法により形成された導電膜を用いて配線を形成する工程を含むことを特徴とする。このように、本発明の製造方法により形成された導電膜を用いれば、基材との密着性に優れた配線を形成することができる。

0021

また、本発明の配線の製造方法は、前記導電性ペーストが銀を含むことが好ましい。銀を含む導電性ペーストを用いれば、導電性の高い配線を形成することができる。

発明の効果

0022

本発明によれば、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く製造することができる。また、本発明によれば、変換効率の高い色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用対向電極および色素増感型太陽電池用光電極、並びに、基材との密着性に優れた配線を効率良く形成することができる。

0023

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の導電膜の製造方法は、基材との密着性に優れた導電膜を製造する際に用いることができる。そして、本発明の導電膜の製造方法を用いて製造した導電膜は、特に限定されることなく、色素増感型太陽電池用電極および配線などの各種製品を製造する際に用いることができる。

0024

(導電膜の製造方法)
本発明の導電膜の製造方法は、基材の表面に対してエキシマUV処理を行った後に、エキシマUV処理された基材の表面に導電性ペーストを塗布する工程を含むことを必要とする。そして、本発明の導電膜の製造方法によれば、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成することができる。

0025

<基材>
本発明に用いる基材は、特に限定されることなく、金属基材樹脂基材およびガラス基材などの既知の基材を用いることができる。

0026

ここで、金属基材としては、チタンステンレスなどの金属よりなる基材を挙げることができる。樹脂基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルポリイミドポリフェニレンスルフィドアラミドポリプロピレンポリエチレンポリ乳酸ポリ塩化ビニルポリカーボネートポリメタクリル酸メチル脂環式アクリル樹脂シクロオレフィン樹脂トリアセチルセルロースなどの樹脂よりなる基材を挙げることができる。ガラス基材としては、通常のソーダガラスなどのガラスよりなる基材を挙げることができる。

0027

なお、基材の厚みは、本発明の製造方法により得られる導電膜の用途に応じて適宜設定すればよいが、通常、10μm以上10000μm以下ある。

0028

また、本発明に用いる基材は、支持体と、当該支持体上に形成され、且つ、導電性ペーストが塗布される導電層とを備えていてもよい。

0029

ここで、支持体としては、特に限定されることなく、金属支持体樹脂支持体およびガラス支持体などの既知の支持体を用いることができる。なお、金属支持体を形成する金属、樹脂支持体を形成する樹脂、およびガラス支持体を形成するガラスとしては、上述した金属基材、樹脂基材およびガラス基材を形成する材料として挙げたものと同様のものを用いることができる。

0030

また、支持体の厚みは、本発明の製造方法により得られる導電膜の用途に応じて適宜設定すればよいが、通常、5μm以上5000μm以下である。

0031

そして、本発明の製造方法により得られる導電膜を用いて色素増感型太陽電池用電極を良好に製造する観点から、支持体は、厚みが500μm以下、好ましくは300μm以下のフィルムであることが好ましく、当該フィルムは、上述した樹脂からなる樹脂フィルムであることがより好ましい。

0032

そして、支持体上に形成され、且つ、導電性ペーストが塗布される導電層としては、特に限定されることなく、金属、金属酸化物、導電性炭素材料などの導電性を有する材料から構成される導電層などの既知の導電層を用いることができる。そして、本発明の製造方法により得られる導電膜を色素増感型太陽電池用電極として好適に用いる観点からは、透明導電層を用いることが好ましく、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)や酸化インジウムスズ(ITO)などの金属酸化物から構成される透明導電層、あるいは、カーボンナノチューブなどの導電性を有する繊維状炭素ナノ材料から構成される透明導電層を用いることがより好ましい。なお、カーボンナノチューブなどの導電性を有する繊維状炭素ナノ材料から構成される透明導電層は、該材料を結着するための結着材を含んでいてもよい。そして、支持体上に導電層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、スパッタ処理などの既知の方法を用いることができる。

0033

ここで、支持体上に形成された導電層の厚みは、特に限定されないが、20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、500nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましい。導電層の厚みが上記下限以上であれば、導電層の表面抵抗が十分に低くなる。また、導電層の厚みが上記上限以下であれば、導電層の透明性が高くなる。なお、当該導電層のシート抵抗は、特に限定されず、通常、0.1〜500Ω/□である。

0034

<エキシマUV処理>
そして、本発明の製造方法において、上記基材の表面に対して行う「エキシマUV処理」とは、希ガスや希ガスハライド化合物のガスが封じられたランプから放射される光であるエキシマUV光を基材の表面に対して照射することを意味する。

0035

本発明の製造方法によれば、基材の表面に対してエキシマUV処理を行うことで、基材の表面の分子結合などの化学結合が切断され、その結果、エキシマUV処理された基材の表面は、導電性ペーストに対する濡れ性が良好になる。

0036

ここで、エキシマUV光の光源としては、誘電体バリア放電エキシマランプなどが挙げられる。そして、誘電体バリア放電エキシマランプとしては、例えば、アルゴンエキシマランプ発光中心波長:126nm)、クリプトンエキシマランプ(発光中心波長:146nm)、キセノンエキシマランプ(発光中心波長:172nm)、塩化クリプトンエキシマランプ(発光中心波長:222nm)、塩化キセノンエキシマランプ(発光中心波長:308nm)などが挙げられ、中でも、キセノンエキシマランプが好ましい。

0037

また、エキシマUV光の照射時間は、特に限定されないが、通常、5秒〜2分であり、1分以下であることが好ましい。

0038

そして、エキシマUV光の照射距離は、エキシマUV光が大気中の酸素により減衰することを考慮し、1mm以上10mm以下が望ましい。

0039

更に、エキシマUV光が大気中の酸素により減衰することを抑制するために、エキシマUV光の照射は、N2ガスを導入しながら行うことが好ましい。これにより、酸素濃度が下がるため、エキシマUV光が酸素に吸収されることにより減衰することを抑制することができる。そして、その結果、エキシマUV処理時間を短縮することができる。

0040

ここで、N2ガスの導入は、エキシマUV処理を行う基材の表面の酸素濃度が、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下となるように調整することが好ましい。但し、酸素濃度が低すぎた場合にはオゾン化する酸素が減ることによる洗浄性の低下が起こる場合がある。そこで、上記酸素濃度が、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上となるようにN2ガスを導入することが好ましい。エキシマUV処理を行う基材の表面の酸素濃度が上記範囲内となるようにN2ガスを導入すれば、エキシマUV光の減衰を良好に抑制して、エキシマUV処理時間をより短縮することができる。なお、酸素濃度の調整方法は特に限定されず、酸素濃度は、例えば、N2ガスの導入量に対する、エキシマUV処理を行う基材の表面高さの酸素濃度の関係を事前に確認し、N2ガス導入量により調整することができる。

0041

また、エキシマUV光の照射量は、特に限定されないが、通常、150mJ/cm2以上350mJ/cm2以下であることが好ましい。エキシマUV光の照射量が上記範囲内であれば、基材の表面に対して、スクリーン印刷法によって導電性ペーストを良好に塗布するのに十分な濡れ性を付与することができる。

0042

<導電性ペースト>
本発明に用いる導電性ペーストは、導電材および分散媒を含み、任意に、その他の成分を含有していてもよい。

0043

[導電材]
そして、導電性ペーストに含まれる導電材としては、特に限定されることなく、既知の導電材を用いることができる。具体的には、導電材としては、導電性炭素材料、金属酸化物、金属およびこれら2種以上の組み合わせなどが挙げられる。中でも、本発明の製造方法によって得られる導電膜を各種用途に使用できる観点から、導電性ペーストは、導電性炭素材料、金属酸化物および金属からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。

0044

[[導電性炭素材料]]
ここで、導電材として含まれる導電性炭素材料としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックケッチェンブラック登録商標)、ファーネスブラックなど)、グラファイトグラフェンカーボンフレーク炭素繊維(例えば、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ(CNT)、気相成長炭素繊維など)などが挙げられる。中でも、本発明の製造方法により得られる導電膜を用いることで優れた機能を有する色素増感型太陽電池用対向電極を得る観点からは、導電性炭素材料としてカーボンナノチューブを用いることが好ましい。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。

0045

[[[カーボンナノチューブ]]]
ここで、導電材として含まれるカーボンナノチューブ(CNT)の種類としては、特に限定されることはなく、単層CNTおよび/または多層CNTを用いることができるが、単層から5層までのCNTであることが好ましく、単層CNTであることがより好ましい。CNTの層数が少ないほど、配合量が少量であっても、本発明の製造方法によって得られる導電膜の導電性や機械的強度を高めることができる。また、CNTとして、例えばカルボン酸基スルホン酸基などの酸基が導入された酸基導入CNTを用いてもよい。なお、酸基導入CNTの形成方法は特に限定されず、酸基導入CNTは、例えば、硝酸硫酸などの強酸によりCNTを表面処理することにより形成することができる。

0046

また、CNTの平均直径は、1nm以上であることが好ましく、60nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTの平均直径が1nm以上であれば、CNTの凝集を抑制して、本発明の製造方法により得られる導電膜の導電性をより向上させることができる。また、CNTの平均直径が60nm以下であれば、本発明の製造方法により得られる導電膜の可撓性、特に、耐屈曲性を十分に向上させることができる。

0047

なお、本発明において、「CNTの平均直径」は、透過型電子顕微鏡TEM)画像上で、例えば、20本のCNTについて直径(外径)を測定し、個数平均値を算出することで求めることができる。

0048

また、CNTとしては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のCNTを用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超のCNTを用いることがより好ましく、3σ/Avが0.40超のCNTを用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを使用すれば、本発明の製造方法により得られる導電膜の導電性および可撓性を更に高めることができる。なお、CNTの平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。

0049

そして、CNTとしては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度縦軸に取ってプロットし、ガウシアン近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。

0050

また、CNTは、平均長さが、10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、80μm以上であることが更に好ましく、600μm以下であることが好ましく、550μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることが更に好ましい。CNTの平均長さが上記下限以上であれば、得られる導電膜の導電性を十分に向上させることができる。また、CNTの平均長さが上記上限以下であれば、CNTの破断や切断などの破損の発生を防ぐことができる。
なお、本発明において、「CNT」の平均長さは、走査型電子顕微鏡(SEM)画像上で、例えば、20本のCNTについて長さを測定し、個数平均値を算出することで求めることができる。

0051

更に、CNTは、通常、アスペクト比が10超である。なお、CNTのアスペクト比は、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択したCNT100本の直径および長さを測定し、直径と長さとの比(長さ/直径)の平均値を算出することにより求めることができる。

0052

また、CNTは、BET比表面積が、200m2/g以上であることが好ましく、400m2/g以上であることがより好ましく、600m2/g以上であることが更に好ましく、2000m2/g以下であることが好ましく、1800m2/g以下であることがより好ましく、1600m2/g以下であることが更に好ましい。CNTのBET比表面積が200m2/g以上であれば、CNTの分散性を高め、少ない配合量で導電膜の機械的強度をより高めることができる。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。

0053

また、CNTは、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示すことが好ましい。なお、「t−プロット」は、窒素ガス吸着法により測定されたCNTの吸着等温線において、相対圧窒素ガス吸着層の平均厚みt(nm)に変換することにより得ることができる。すなわち、窒素ガス吸着層の平均厚みtを相対圧P/P0に対してプロットした、既知の標準等温線から、相対圧に対応する窒素ガス吸着層の平均厚みtを求めて上記変換を行うことにより、CNTのt−プロットが得られる(de Boerらによるt−プロット法)。

0054

ここで、表面に細孔を有する物質では、窒素ガス吸着層の成長は、次の(1)〜(3)の過程分類される。そして、下記の(1)〜(3)の過程によって、t−プロットの傾きに変化が生じる。
(1)全表面への窒素分子単分子吸着層形成過程
(2)多分子吸着層形成とそれに伴う細孔内での毛管凝縮充填過程
(3)細孔が窒素によって満たされた見かけ上の非多孔性表面への多分子吸着層形成過程

0055

そして、上に凸な形状を示すt−プロットは、窒素ガス吸着層の平均厚みtが小さい領域では、原点を通る直線上にプロットが位置するのに対し、tが大きくなると、プロットが当該直線から下にずれた位置となる。かかるt−プロットの形状を有するCNTは、CNTの全比表面積に対する内部比表面積の割合が大きく、CNTを構成する炭素ナノ構造体に多数の開口が形成されていることを示している。

0056

なお、CNTのt−プロットの屈曲点は、0.2≦t(nm)≦1.5を満たす範囲にあることが好ましく、0.45≦t(nm)≦1.5の範囲にあることがより好ましく、0.55≦t(nm)≦1.0の範囲にあることが更に好ましい。CNTのt−プロットの屈曲点が上記範囲内にあれば、CNTの分散性を高め、少ない配合量で導電膜の導電性などの各種特性を高めることができる。具体的には、屈曲点の値が0.2未満であれば、CNTが凝集し易く分散性が低下し、屈曲点の値が1.5超であればCNT同士が絡み合いやすくなり分散性が低下する虞がある。
なお、「屈曲点の位置」は、前述した(1)の過程の近似直線Aと、前述した(3)の過程の近似直線Bとの交点である。

0057

更に、CNTは、t−プロットから得られる全比表面積S1に対する内部比表面積S2の比(S2/S1)が0.05以上0.30以下であるのが好ましい。CNTのS2/S1の値が上記範囲内であれば、CNTの分散性をより高め、少ない配合量で導電膜の導電性などの各種特性をより高めることができる。
ここで、CNTの全比表面積S1および内部比表面積S2は、そのt−プロットから求めることができる。具体的には、まず、(1)の過程の近似直線の傾きから全比表面積S1を、(3)の過程の近似直線の傾きから外部比表面積S3を、それぞれ求めることができる。そして、全比表面積S1から外部比表面積S3を差し引くことにより、内部比表面積S2を算出することができる。

0058

因みに、CNTの吸着等温線の測定、t−プロットの作成、および、t−プロットの解析に基づく全比表面積S1と内部比表面積S2との算出は、例えば、市販の測定装置である「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を用いて行うことができる。

0059

更に、好適なCNTは、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層CNTのみからなるCNTのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。

0060

また、CNTは、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が0.5以上5.0以下であることが好ましい。G/D比が0.5以上5.0以下であれば、導電膜の機械的強度を更に高めることができる。

0061

なお、CNTは、特に限定されることなく、アーク放電法レーザーアブレーション法化学的気相成長法CVD法)などの既知の合成方法を用いて製造することができる。具体的には、CNTは、例えば、CNT製造用触媒層を表面に有する基材上に原料化合物およびキャリアガスを供給し、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。

0062

ここで、本発明に用いる導電性ペーストは、導電材中の導電性炭素材料の割合が50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましく、100質量%とすることができる。導電材中の導電性炭素材料の割合が上記下限以上であれば、本発明の製造方法により得られる導電膜の性能を高めることができる。

0063

[[金属酸化物]]
また、導電材として含まれる金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化インジウム、酸化亜鉛酸化スズ等の金属酸化物が挙げられる。中でも、変換効率が向上した色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用光電極を効率良く形成する観点からは、金属酸化物として酸化チタンを用いることが好ましい。なお、これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。

0064

ここで、上記金属酸化物は、金属酸化物粒子であることが好ましく、当該金属酸化物粒子の平均粒子径一次粒子の平均粒子径)は、1nm以上300nm以下であることがより好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径が上記範囲内であれば、導電性および透明性に優れる導電膜を良好に形成することができる。更に、同一の粒子径の金属酸化物粒子を単独で用いても、互いに異なる粒子径の金属酸化物粒子を組み合わせて用いてもよい。なお、金属酸化物粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択された100個の金属酸化物粒子の粒子径を測定することで算出することができる。

0065

そして、導電材中の金属酸化物の割合は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、100質量%とすることができる。導電材中の金属酸化物の割合が上記下限以上であれば、本発明の製造方法により得られる導電膜の性能をより高めることができる。

0066

[[金属]]
また、導電材として含まれる金属としては、例えば、銀、銅、白金、金、アルミニウム、インジウムなどが挙げられる。中でも、本発明の製造方法により得られる導電膜を用いて導電性の高い配線を形成する観点からは、金属として銀を用いることが好ましい。なお、これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。

0067

ここで、導電材として含まれる金属は、金属粒子であることが好ましく、当該金属の平均粒子径は、0.01μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることが更に好ましく、10μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることが更に好ましい。金属粒子の平均粒子径が上記下限以上であれば、金属粒子の凝集によって導電膜の導電性が低下することを抑制することができる。また、金属粒子の平均粒子径が上記上限以下であれば、本発明の製造方法により得られる導電膜の導電性を十分に向上させることができる。なお、同一の粒子径の金属粒子を単独で用いても、互いに異なる粒子径の金属粒子を組み合わせて用いてもよい。また、金属粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択された100個の金属粒子の粒子径を測定することで、算出することができる。

0068

そして、導電材中の金属の割合は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、100質量%とすることができる。導電材中の金属の含有量が上記下限以上であれば、本発明の製造方法により得られる導電膜の性能を更に高めることができる。

0069

[分散媒]
また、導電性ペーストに含まれる分散媒としては、特に限定されることなく、水;メタノールエタノールn−プロパノールベンジルアルコールテルピネオール(Terpineol)、エチレングリコールプロピレングリコール等のアルコール類アセトンメチルエチルケトンシクロヘキサノンイソホロンアセチルアセトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類テトラヒドロフランジオキサンメチルセロソルブジエチレングリコールモノエチルエーテルジグライムブチルカルビトール等のエーテル類酢酸メチル酢酸エチル炭酸ジエチル、TXIB(1−イソプロピル−2,2−ジメチルトリメチレンジイソブチレート)、酢酸カルビトール酢酸ブチルカルビトール等のエステル類ジメチルスルホキシドスルホラン等のスルホキシドおよびスルホン類塩化メチレンクロロホルム四塩化炭素、1,1,2−トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素ベンゼントルエンo−キシレンp−キシレンm−キシレンモノクロロベンゼンジクロロベンゼン等の芳香族類;等が挙げられる。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。

0070

ここで、本発明に用いる導電性ペーストは、水系のペーストであることが好ましい。導電性ペーストが水系のペーストであれば、導電性ペーストを更に良好に塗布できるため、導電膜を更に効率良く形成することができる。
なお、本発明において「水系のペースト」とは、分散媒の50質量%以上、好ましくは70質量%以上が水であるペーストを意味する。

0071

[その他の成分]
また、導電性ペーストは、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に、結着剤導電助剤分散剤界面活性剤等を含有してもよい。これらは公知のものを適宜使用すればよい。

0072

<導電性ペーストの調製方法
そして、本発明に用いる導電性ペーストは、上述した各成分を混合することにより得られる。なお、各成分を混合する順番に特に制限はない。ここで、導電性ペースト中の導電材の割合は、導電性ペースト中に含まれる固形分中、50質量%以上とすることが好ましく、70質量%以上とすることがより好ましく、90質量%以上とすることが更に好ましく、100質量%とすることが最も好ましい。なお、導電性ペーストの固形分濃度は、特に限定されないが、導電性ペーストを用いて形成した導電膜を色素増感型太陽電池用光電極や配線の製造に用いる場合には、導電性ペーストの固形分濃度は、通常、40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、また、通常、99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。また、導電性ペーストを用いて形成した導電膜を色素増感型太陽電池用対向電極の製造に用いる場合には、導電性ペーストの固形分濃度は、通常、0.01質量%以上10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。

0073

ここで、上述した各成分の混合は、公知の混合装置を使用して行うことができる。混合装置としては、例えば、超音波分散機ジェットミルなどの、キャビテーション効果が得られる混合装置や、ビーズミルボールミル、三本ロール等のロールミルサンドミル顔料分散機、擂潰機ホモジナイザープラネタリーミキサーおよびフィルミックスなどの、解砕効果が得られる混合装置などが挙げられる。

0074

また、導電性ペーストの粘度は、25℃において、10Pa・s以上であることが好ましく、50Pa・s以上であることがより好ましく、500Pa・s以下であることが好ましく、300Pa・s以下であることがより好ましい。導電性ペーストの粘度が上記範囲内であれば、エキシマUV処理された基材の表面上に、導電性ペーストを均一に塗布することができる。なお、導電性ペーストの粘度は、各成分の配合比を調整するなどして調整することができる。

0075

<導電性ペーストの塗布>
そして、エキシマUV処理された基材の表面上に導電性ペーストを塗布する方法としては、特に限定されず、公知の塗布方法を採用することができる。具体的には、塗布方法としては、バーコーター法、ディッピング法、ロールコート法グラビアコート法ナイフコート法、エアナイフコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法グラビアオフセット法等を用いることができる。中でも、導電膜の生産性を向上させる観点から、スクリーン印刷法を用いることが好ましい。

0076

そして、導電性ペーストを塗布した後、塗布した導電性ペーストから分散媒を除去することで、基材の表面に導電膜を形成することができる。ここで、基材上に塗布した導電性ペーストから分散媒を除去する方法としては、例えば、公知の乾燥方法を採用することができ、具体的には、乾燥方法としては、熱風乾燥法、真空乾燥法熱ロール乾燥法赤外線照射法等が挙げられる。その際、乾燥温度は、特に限定されないが、通常、室温〜200℃である。また、乾燥時間は、特に限定されないが、通常、0.1〜150分である。また、乾燥雰囲気は、空気中、窒素やアルゴンなどの不活性ガス中、真空中など、適時選択してよい。

0077

そして、導電性ペーストから分散媒を除去して得られる導電膜の厚みは、特に限定されないが、通常、100nm以上1mm以下である。

0078

<導電膜>
本発明の製造方法により形成される導電膜は、例えば、色素増感型太陽電池用電極や配線を製造する際に用いることができる。

0079

そこで、以下では、本発明により得られる導電膜を用いた色素増感型太陽電池用対向電極および色素増感型太陽電池用光電極の製造方法、並びに、配線の製造方法について説明する。但し、本発明により得られる導電膜は、以下に示す製造方法における使用に限定されるものではない。

0080

(色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法)
本発明の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法は、上述した本発明の製造方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用対向電極を形成する工程を含むものである。本発明の製造方法によれば、変換効率の高い色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用対向電極を形成することができる。

0081

ここで、本発明の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法では、基材として、インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「ITO−PETフィルム」ともいう。)や、インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(以下、「ITO−PENフィルム」ともいう。)などの公知の太陽電池用電極基材を適宜選択して用いることができる。そして、本発明の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法では、上述のようにしてエキシマUV処理された基材の表面に、触媒層として機能し得る導電材を含む導電性ペーストを塗布することが好ましく、導電性炭素材料を含む導電性ペーストを塗布することがより好ましく、上述したCNTを含む導電性ペーストを塗布することが更に好ましい。これにより、変換効率がより向上した色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用対向電極を形成することができる。

0082

その際、導電性ペースト中の導電材の含有割合は、導電性ペースト中の全固形分に対して、50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。導電材の含有割合が上記下限以上であれば、変換効率が更に向上した色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用対向電極を形成することができる。

0083

また、本発明の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法において用いる導電膜の厚みは、特に限定されないが、通常、50nm以上5μm以下である。

0084

(色素増感型太陽電池用光電極の製造方法)
本発明の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法は、上述した本発明の方法により形成された導電膜を用いて色素増感型太陽電池用光電極を形成する工程を含むものである。本発明の製造方法によれば、変換効率の高い色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用光電極を形成することができる。

0085

ここで、本発明の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法では、基材として、ITO−PETフィルム、ITO−PENフィルムなどの公知の太陽電池用電極基材を適宜選択して用いることができる。そして、本発明の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法では、上述のようにしてエキシマUV処理された基材の表面に、半導体触媒として機能し得る導電材を含む導電性ペーストを塗布することが好ましく、金属酸化物を含む導電性ペーストを塗布することがより好ましく、上述した酸化チタンを含む導電性ペーストを塗布することが更に好ましい。これにより、変換効率がより向上した色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用光電極を形成することができる。

0086

その際、導電性ペースト中の導電材の含有割合は、導電性ペースト中の全固形分に対して、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。導電材の含有割合が上記下限以上であれば、変換効率が更に向上した色素増感型太陽電池の製造に好適に用い得る色素増感型太陽電池用光電極を形成することができる。

0087

また、本発明の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法において用いる導電膜の厚みは、特に限定されないが、通常、2μm以上20μm以下である。

0088

そして、本発明の製造方法では、導電膜に増感色素吸着させることにより、色素増感型太陽電池用光電極を得ることができる。

0089

ここで、増感色素としては、アゾ色素シアニン色素メロシアニン色素オキソノール色素キサンテン色素スクワリリウム色素ポリメチン色素クマリン色素リボフラビン色素ペリレン色素等の有機色素;鉄、銅、ルテニウム等の金属のフタロシアニン錯体ポルフィリン錯体、ジ−テトラブチルアンモニウム−シス−ビスイソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラート)ルテニウム(II)(通称N−719)などのルテニウムビピリジン錯体等の金属錯体色素;等が挙げられる。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。

0090

また、増感色素の吸着は、例えば、増感色素の溶液中に導電膜を浸漬する方法や、増感色素の溶液を導電膜上に塗布する方法等の公知の方法により形成することができる。この際、浸漬温度や乾燥時間などは適時選択すればよい。なお、増感色素の溶液の水分や乾燥雰囲気の湿度は、少ない方が好ましい。

0091

そして、増感色素の溶液に用いる溶媒は、増感色素の溶解性に応じて適時選択できる。ここで、溶媒としては、例えばエタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、アセトニトニルなどのニトニル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホン類、N−メチルピロリドンなどのアミン類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。

0092

(色素増感型太陽電池の製造方法)
そして、本発明の製造方法により形成される色素増感型太陽電池用対向電極および/または色素増感型太陽電池用光電極を用いることで、色素増感型太陽電池を形成することができる。なお、色素増感型太陽電池は、光電極、電解質層対向電極をこの順に並べることにより形成することができる。そして、色素増感型太陽電池を形成する際に、光電極および/または対向電極として、本発明の製造方法により形成される色素増感型太陽電池用光電極および/または色素増感型太陽電池用対向電極を用いることで、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を形成することができる。

0093

なお、対向電極および光電極のうち何れか一方のみを本発明の製造方法により形成された色素増感型太陽電池用電極とする場合には、他の電極としては、公知の光電極または対向電極を用いることができる。更に、公知の(導電層を備えていない)太陽電池用電極基材に対し、公知の方法により直接CNT膜のみを形成したものを、対向電極として使用してもよい。

0094

そして、電解質層としては、公知の電解質層を用いることができる。ここで、電解質層は、通常、支持電解質酸化還元対酸化還元反応において可逆的に酸化体および還元体の形で相互に変換しうる一対の化学種)、溶媒等を含有する。

0095

そして、支持電解質としては、金属イオン(例えば、リチウムイオンナトリウムイオンなど)、ピリジニウムイオンイミダゾリウムイオン、4級アンモニウムイオン等の陽イオンを含む塩が挙げられる。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、これらのイオン濃度は、通常0.01〜10Mである。

0096

また、酸化還元対としては、酸化された増感色素を還元し得るものであれば、公知のものを用いることができる。酸化還元対としては、塩素化合物塩素ヨウ素化合物ヨウ素、臭素化合物臭素タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、コバルトイオン(III)−コバルトイオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物フェロシアン化物キノンヒドロキノンフマル酸コハク酸等が挙げられる。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。

0097

また、溶媒としては、太陽電池の電解質層の形成用溶媒として公知のものを用いることができる。溶媒としては、アセトニトリルメトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド炭酸プロピレンシクロペンチルメチルエーテル、γ-ブチルラクトン、エチレングリコール、トリエチレングリコールジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。中でも、沸点が150℃以上のものが好ましい。これらは、1種単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
更に、電解質層を増粘・ゲル化する目的で、ゲル化剤ポリマー架橋性モノマー、チタン等の無機粒子などを溶媒中に溶解・分散させてもよい。

0098

そして、電解質層の形成方法は、特に限定されず、例えば、その構成成分を含有する溶液(電解液)を光電極(または対向電極)上に塗布し、対向電極(または光電極)と貼り合せる方法(ODF(One Drop Fill)法)や、光電極と対向電極とを有するセルを作製し、その隙間から、または予め空けておいた注入孔から電解液を注入する方法(エンドシール法)により、形成することができる。

0099

(配線の製造方法)
本発明の配線の製造方法は、上述した本発明の方法により形成された導電膜を用いて配線を形成する工程を含むものである。本発明の製造方法によれば、上述した方法により得られる導電膜を配線として、基材に密着した配線を効率良く形成することができる。

0100

ここで、本発明の配線の製造方法では、基材として、対向電極または光電極などの公知の基材を適宜選択して用いることができる。また、基材として、本発明の色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法により得られた対向電極、または、本発明の色素増感型太陽電池用光電極の製造方法により得られた光電極を用いてもよい。そして、本発明の配線の製造方法では、上述のようにしてエキシマUV処理された基材の表面に、導電材として金属を含む導電性ペーストを塗布することが好ましく、上述した銀を含む導電性ペーストを塗布することがより好ましい。これにより、導電性の高い配線を形成することができる。

0101

その際、導電性ペースト中の導電材の含有割合は、導電性ペースト中の全固形分に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。導電材の含有割合が上記下限以上であれば、より導電性の高い配線を形成することができる。

0102

また、本発明の配線の製造方法において用いる導電膜の厚みは、特に限定されないが、通常1μm以上であり、好ましくは5μm以上であり、通常50μm以下であり、好ましくは15μm以下である。また、当該配線の線幅は、特に限定されないが、通常、10μm以上1cm以下である。

0103

以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、表面処理後の基材のシート抵抗、塗布性、変換効率、基材の表面処理時間およびペーストの塗布時間の合計時間は、以下の方法で測定および評価した。

0104

<表面処理後の基材のシート抵抗[Ω/□]>
用いた基材について、表面処理後のシート抵抗を、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、「MCP−T610」)を用いて測定した。

0105

<塗布性>
CNTペーストおよび酸化チタンペーストそれぞれを、A5サイズの基材に対し、1本当たり幅1cm×長さ5cmの長方形の帯となるようにして、当該帯を幅方向に5mm間隔で5本塗布した。そして、ペーストを乾燥後、得られた塗布物について、20倍ルーペを用い目視で観察し、以下の基準で評価した。塗布したペーストによって発生したピンホールが少ないほど、導電性ペーストの塗布性に優れる。
評価基準
A:ピンホールの発生なし
B:直径1mm未満のピンホールの発生あり
C:直径1mmを超えるピンホールの発生あり

0106

<変換効率>
光源として、150Wキセノンランプ光源にAM1.5Gフィルタを装着した擬似太陽光照射装置(PEC−L11型、ペクセル・テクノロジーズ社製)を用いた。光量は、1sun(AM1.5G、100mW/cm2(JIS C8912のクラスA))に調整した。作製した色素増感型太陽電池をソースメータ(2400型ソースメータ、Keithley社製)に接続し、以下の電流電圧特性の測定を行なった。
1sunの光照射下、バイアス電圧を0Vから0.8Vまで0.01V単位で変化させながら出力電流を測定した。出力電流の測定は、各電圧ステップにおいて、電圧を変化させた後、0.05秒後から0.15秒後までの値を積算することで行った。バイアス電圧を、逆方向に0.8Vから0Vまで変化させる測定も行い、順方向と逆方向の測定の平均値を光電流とした。
上記の電流電圧特性の測定結果より、変換効率(%)を算出した。
〔評価基準〕
A:変換効率が4.0%以上
B:変換効率が3.5%以上3.9%以下
C:変換効率が3.0%以上3.4%以下
D:変換効率が3.0%未満

0107

<基材の表面処理時間およびペーストの塗布時間の合計時間>
対向電極を作製した際の基材の表面の処理時間およびCNTペーストの塗布時間と、光電極を作製した際の基材の表面の処理時間および酸化チタンペーストの塗布時間との合計時間を求めた。合計時間が短いほど、色素増感型太陽電池の生産性に優れる。

0108

(実施例1)
<CNTの調製>
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によりSGCNTを調製した。
次に、容積500mLの三口フラスコに、温度計水流還流冷却器および撹拌機を取り付け、当該三口フラスコに、上記のSGCNTを1gと、硫酸(東京化成社製、純度96%)80mLとを加えた。この三口フラスコを155℃のオイルバスにつけ、内温が130℃になってから6時間加熱撹拌し、反応させた。
反応終了後、室温まで放冷し、イオン交換水を加え、上澄みをデカンテーションし、更にイオン交換水を加え、洗浄排水中性(pH=6.8)になるまでこの操作を繰り返した。以上により、ウェットの状態で29.6gの硫酸処理SGCNTを得た。
なお、得られた硫酸処理SGCNTは、主に単層CNTから構成され、BET比表面積が900m2/gであった。また、平均直径(Av)が3.2nm、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)が1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.59であった。

0109

<対向電極の製造>
100mLのガラス容器に、水40g、エタノール10g、および硫酸処理SGCNT0.075gを加えた。
このガラス容器の内容物に対して、バス型超音波洗浄機(BRANSON社製、5510J−MT(42kHz、180W))を用いて、2時間分散処理を行った後、分散装置(吉田機械(株)製、「ナノヴェイタNVCES008」)を用いて、100MPa−10passの条件で分散処理を行い、CNTペースト(導電性ペースト)を得た。
インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(ITO−PENフィルム、フィルム厚み125μm、ITO厚み300nm、シート抵抗15Ω/□)を基材として用いた。そして、エキシマUV装置浜松ホトクス社製、「L12431」、光源:キセノンエキシマランプ)を用いて、基材のITO面を上にして搬送テーブルにセットし、10m/minの搬送速度でキセノンエキシマランプ下を2回通過させてエキシマUV処理を行った。その際、基材をセットしてから、エキシマUV処理後に基材を取り出すまでに要した時間は2分であった。また、エキシマUV光の照射距離は3mm、照射量は200mJ/cm2であった。
それから、スクリーン印刷機セリアコーポレーション社製、「SSA−PC430E」)を用いて、スクリーン印刷法により、エキシマUV処理された基材のITO面にCNTペーストを塗布した。その際、スクリーン印刷機に基材を置き、CNTペーストを印刷後に基材を回収するまでに要した時間は1分であった。そして、基材に対するCNTペーストの塗布性を評価した。結果を表1に示す。
そして、CNTペーストを、温度125℃で20分間乾燥させて、ITO面上に導電膜を形成し、対向電極とした。

0110

<光電極の製造>
インジウム−スズ酸化物(ITO)をスパッタ処理したポリエチレンナフタレートフィルム(ITO−PENフィルム、フィルム厚み125μm、ITO厚み300nm、シート抵抗15Ω/□)を基材として用いた。そして、エキシマUV装置(浜松ホトニクス社製、「L12431」、光源:キセノンエキシマランプ)を用いて、基材のITO面を上にして搬送テーブルにセットし、10m/minの搬送速度でエキシマランプ下を2回通過させてエキシマUV処理を行った。その際、基材をセットしてから、エキシマUV処理後に基材を取り出すまでに要した時間は2分であった。また、エキシマUV光の照射距離は3mm、照射量は200mJ/cm2であった。
それから、スクリーン印刷機(セリアコーポレーション社製、「SSA−PC430E」)を用いて、スクリーン印刷法により、エキシマUV処理された基材のITO面に酸化チタンペースト(ペクセル・テクノロジーズ社製、「PECC−C01−06」)を塗布した。印刷機に基材を置き、酸化チタンペーストを印刷後に基材を回収するまでに要した時間は1分間であった。そして、基材に対する酸化チタンペーストの塗布性を評価した。結果を表1に示す。
そして、酸化チタンペーストを、温度150℃で20分間乾燥させて、ITO面上に導電膜を形成し、積層体を得た。
この積層体の1本の長方形(幅:1cm×長さ:5cm)を、長さ2.5cmの大きさにカットし、さらに積層体の幅方向の2mm内側、長さ方向は片側より2mm内側に、導電膜を直径6mmの円になるように成形した。これを増感色素溶液〔増感色素:ルテニウム錯体(N719、ソラロニクス社製)、溶媒:アセトニトリル、tert−ブタノール、濃度:0.4mM〕に、40℃で2時間浸漬させることで、増感色素を導電膜に吸着させた。浸漬処理の後、積層体をアセトニトリルで洗浄し、乾燥させることで光電極を得た。

0111

<電解液の調製>
各成分の濃度がヨウ素0.05mol/L、ヨウ化リチウム0.1mol/L、t−ブチルピリジン0.5mol/L、および、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド0.6mol/Lとなるように、上記各成分をメトキシアセトニトリルに溶解して、電解液を得た。

0112

<色素増感型太陽電池の作製>
サーリンフィルム(厚み25μm、デュポン社製)を、14mm四方切り取り、更に中心部を直径9mmにくり抜き、スペーサーフィルムを作製した。前記対向電極と光電極とを、このスペーサーフィルムをはさんで導電膜の導電面が内側になるように対向させて貼り合せ、110℃に加熱したホットプレートの上で1分間熱圧着させた。
放冷後、対向電極に穴をあけ、この穴から上記電解液を注液した。電解液を注液後、サーリンフィルム(厚み25μm、デュポン社製)を用いて、電解液の注入に用いた穴を封じることで色素増感型太陽電池を得た。
そして、得られた色素増感型太陽電池の変換効率を評価した。結果を表1に示す。

0113

(実施例2)
対向電極の作製において、2mmのガラス板に基材を両面テープで固定し、スクリーン印刷法に替えて、バーコーター(テスター産業株式会社製、「PI−1210」)を用いて、バーコーター法によりCNTペーストを塗布し、その後、ガラス板から基材を剥がした以外は実施例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を作製した。その際、ガラス板に基材を置き、塗布後に基材をガラス板から剥離するまでに要した時間は5分であった。そして、実施例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。

0114

(実施例3)
光電極の作製において、2mmのガラス板に基材を両面テープで固定し、スクリーン印刷法に替えて、バーコーター(テスター産業株式会社製、「PI−1210」)を用いて、バーコーター法により酸化チタンペーストを塗布し、その後、ガラス板から基材を剥がした以外は実施例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を作製した。その際、ガラス板に基材を置き、塗布後に基材をガラス板から剥離するまでに要した時間は5分であった。そして、実施例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。

0115

(実施例4)
光電極の作製において、2mmのガラス板に基材を両面テープで固定し、スクリーン印刷法に替えて、バーコーター(テスター産業株式会社製、「PI−1210」)を用いて、バーコーター法により酸化チタンペーストを塗布し、その後、ガラス板から基材を剥がした以外は実施例2と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。その際、ガラス板に基材を置き、塗布後に基材をガラス板から剥離するまでに要した時間は5分であった。そして、実施例2と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。

0116

(実施例5)
対向電極および光電極それぞれの作製において、エキシマUV装置にN2ガスを導入し、キセノンエキシマランプ照射位置のO2濃度を5%にした。そして、エキシマUV処理時のテーブルの搬送速度を15m/minに変更してキセノンエキシマランプ下を1回通過させてエキシマUV処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。その際、基材をセットしてから、エキシマUV処理後に基材を取り出すまでに要した時間は1分であった。そして、実施例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。

0117

(比較例1)
対向電極および光電極それぞれの作製において、エキシマUV処理に替えて、UVオゾン装置(株式会社テクノビジョン社製、「UV−208」)を用いてUVオゾン処理を基材のITO面に対して1.5分間行った以外は実施例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。その際、基材をセットしてから、UVオゾン処理後に基材を取り出すまでに要した時間は2分であった。そして、実施例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。

0118

(比較例2)
対向電極および光電極それぞれの作製において、UVオゾン処理時間を3.5分間に替えた以外は比較例1と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。その際、基材をセットしてから、UVオゾン処理後に基材を取り出すまでに要した時間は4分であった。そして、比較例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。

0119

(比較例3)
対向電極および光電極のそれぞれの作製において、エキシマUV処理に替えて、UVオゾン装置(株式会社テクノビジョン社製、「UV−208」)を用いて、基材のITO面に対して2分間UVオゾン処理を行った以外は実施例4と同様にして、対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を製造した。そして、実施例4と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。

0120

(比較例4)
対向電極および光電極それぞれの作製において、UVオゾン処理に替えて、コロナ処理装置電機社製、「KT1403W−23」)を用いてコロナ処理を行った。その際、コロナ処理は0.07kWで行い、コロナの照射距離は5mm、基材の搬送速度は10m/minとし、1回の処理とした。それ以外は比較例1と同様にして対向電極、光電極および色素増感型太陽電池を作製した。その際、基材をセットしてから、コロナ処理後に基材を取り出すまでに要した時間は1分であった。そして、比較例1と同様にして各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。

0121

実施例

0122

表1の実施例1〜5より、基材をエキシマUV処理すると、当該基材に対して導電性ペーストを効率良く塗布することができ、その結果、基材密着性に優れた導電膜を形成できることが分かる。また、基材密着性に優れた導電膜を電極として用いることで、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製できることが分かる。
これに対して、比較例1〜3より、基材をUVオゾン処理によって処理すると、当該基材に対して導電性ペーストを効率良く塗布することができず、結果として、基材に対する導電膜の密着性は低下することが分かる。また、基材に対する密着性が低下した導電膜を備えた電極を用いると、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製できないことが分かる。
また、表1の比較例4より、基材をコロナ処理によって処理すると、当該基材へのダメージが大きく、シート抵抗値の上昇が見られることが分かる。

0123

本発明によれば、基材との密着性に優れた導電膜を効率良く形成することが可能な導電膜の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、本発明の製造方法により得られた導電膜を用いた色素増感型太陽電池用対向電極の製造方法、色素増感型太陽電池用光電極の製造方法、および配線の製造方法を提供することができる。

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