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技術 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる紙幣処理機用成形品

出願人 東レ株式会社
発明者 斉藤彰和泉隆太郎長谷隆行
出願日 2019年1月29日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-012918
公開日 2020年8月13日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-122042
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 医療関連機器 ポリマー紙 搬送用部品 ディスプレイ関連部品 静電気拡散性 複写機部品 制電性組成物 ヘキサデシルホスホニウムブロミド
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課題

帯電した電荷減衰時間に極めて優れた熱可塑性樹脂組成物と、それを用いた静電消散性に優れた紙幣処理機成形品を提供する。

解決手段

スチレン系樹脂(A)92〜55重量部およびポリアミドエラストマー(B)8〜45重量部からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に、有機イオン導電剤(C)を0.01〜20重量部配合してなり、平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板射出成形品に、帯電電荷減衰測定器を用いて、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下である熱可塑性樹脂組成物、およびそれからなる紙幣処理機用成形品。

概要

背景

ジエン系ゴムなどのゴム質重合体に、スチレンα−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物アクリロニトリルメタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物グラフト共重合して得られるABS樹脂は、耐衝撃性剛性などの機械的強度成形性およびコストパフォーマンスなどに優れることから、家電製品通信関連機器搬送容器、一般雑貨および医療関連機器などの用途分野で幅広く利用されている。ABS樹脂は、表面抵抗率が高く帯電しやすい傾向にあるが、紙幣処理機や搬送容器および電気電子部品においては、静電気帯電による障害を防止するため、表面抵抗率が低く静電気拡散性能に優れた材料が求められている。

また、紙幣処理機の一例として紙幣識別機を挙げると、紙幣投入口に差し込まれた紙幣は、紙幣の搬送路を形成する成形品との間で摩擦帯電が発生するために、紙幣が成形品に貼り付いて通紙障害を生じる観点から、帯電防止性能が要求される。

これまでに、帯電防止性能に優れた樹脂組成物として、例えば、スチレン系樹脂ポリアミドエラストマーおよび有機イオン導電剤からなる制電性熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が提案されている。また、スチレン系樹脂とポリアミド及び/又はポリエステルブロックと親水性ポリマーのブロックを有するブロック共重合体フッ素化アルキルスルホニル基を備えたアニオンを有する塩及び非イオン界面活性剤からなる制電性樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びポリウレタンから選ばれた少なくとも1種の重合体ブロック親水性基を有する重合体ブロックを含有するブロック共重合体と熱可塑性重合体および常温液体の塩からなる制電性熱可塑性重合体樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)、スチレン系樹脂とポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びポリウレタンから選ばれた少なくとも1種の重合体ブロックと親水性基を有する重合体ブロックを含有するブロック共重合体および常温で液体のイオン性化合物からなる制電性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)が提案されている。更に、重合性化合物樹脂又はエラストマーを含む組成物中に、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩が分散されている制電性組成物(例えば、特許文献5参照)が提案されている。

概要

帯電した電荷減衰時間に極めて優れた熱可塑性樹脂組成物と、それを用いた静電消散性に優れた紙幣処理機用成形品を提供する。スチレン系樹脂(A)92〜55重量部およびポリアミドエラストマー(B)8〜45重量部からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に、有機イオン導電剤(C)を0.01〜20重量部配合してなり、平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板射出成形品に、帯電電荷減衰測定器を用いて、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下である熱可塑性樹脂組成物、およびそれからなる紙幣処理機用成形品。なし

目的

本発明の課題は、上記した従来技術の実情に鑑み、帯電した電荷の減衰時間に極めて優れた熱可塑性樹脂組成物と、それを用いた静電気消散性に優れた紙幣処理機用成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

スチレン系樹脂(A)92〜55重量部およびポリアミドエラストマー(B)8〜45重量部からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、有機イオン導電剤(C)を0.01〜20重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板射出成形して得られた成形品に、帯電電荷減衰測定スタチックネストメータを用いて、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下である熱可塑性樹脂組成物。

請求項2

平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板を射出成形して得られた成形品に、帯電電荷減衰測定器スタチックオネストメータを用いて、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間が1秒以下である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項3

有機イオン導電剤(C)が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートからなる請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる紙幣処理機用成形品。

技術分野

0001

本発明は、スチレン系樹脂ポリアミドエラストマーおよび有機イオン導電剤を含む、静電消散性に優れた熱可塑性樹脂組成物とそれからなる紙幣処理機成形品に関する。

背景技術

0002

ジエン系ゴムなどのゴム質重合体に、スチレンα−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物アクリロニトリルメタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物グラフト共重合して得られるABS樹脂は、耐衝撃性剛性などの機械的強度成形性およびコストパフォーマンスなどに優れることから、家電製品通信関連機器搬送容器、一般雑貨および医療関連機器などの用途分野で幅広く利用されている。ABS樹脂は、表面抵抗率が高く帯電しやすい傾向にあるが、紙幣処理機や搬送容器および電気電子部品においては、静電気帯電による障害を防止するため、表面抵抗率が低く静電気拡散性能に優れた材料が求められている。

0003

また、紙幣処理機の一例として紙幣識別機を挙げると、紙幣投入口に差し込まれた紙幣は、紙幣の搬送路を形成する成形品との間で摩擦帯電が発生するために、紙幣が成形品に貼り付いて通紙障害を生じる観点から、帯電防止性能が要求される。

0004

これまでに、帯電防止性能に優れた樹脂組成物として、例えば、スチレン系樹脂とポリアミドエラストマーおよび有機イオン導電剤からなる制電性熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が提案されている。また、スチレン系樹脂とポリアミド及び/又はポリエステルブロックと親水性ポリマーのブロックを有するブロック共重合体フッ素化アルキルスルホニル基を備えたアニオンを有する塩及び非イオン界面活性剤からなる制電性樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びポリウレタンから選ばれた少なくとも1種の重合体ブロック親水性基を有する重合体ブロックを含有するブロック共重合体と熱可塑性重合体および常温液体の塩からなる制電性熱可塑性重合体樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)、スチレン系樹脂とポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びポリウレタンから選ばれた少なくとも1種の重合体ブロックと親水性基を有する重合体ブロックを含有するブロック共重合体および常温で液体のイオン性化合物からなる制電性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)が提案されている。更に、重合性化合物樹脂又はエラストマーを含む組成物中に、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩が分散されている制電性組成物(例えば、特許文献5参照)が提案されている。

先行技術

0005

国際公開第2007/94195号
特開2007−63303号公報
特開2009−79174号公報
特開2010−209219号公報
特開2009−7514号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1〜5に開示される制電性樹脂組成物は、制電性能の評価として、表面抵抗率および成形品に帯電した電圧が半分になるまでの時間、すなわち帯電圧減衰半減期(帯電圧減衰半減時間)は評価しているが、帯電した電圧が、成形品から消散してなくなる、制電性樹脂組成物の提案および評価がなされていない。とくに、紙幣識別機や紙幣鑑別機に代表される紙幣処理機に重要な制電性能は、表面抵抗率や帯電圧減衰半減期ではなく、帯電した紙幣の貼り付き防止の観点から、帯電した電圧が成形品から消散してなくなるまでの時間が重要であり、公知の文献では、紙幣処理機用熱可塑性樹脂組成物としての十分な技術確立には至っていない。

0007

そこで本発明の課題は、上記した従来技術の実情に鑑み、帯電した電荷減衰時間に極めて優れた熱可塑性樹脂組成物と、それを用いた静電気消散性に優れた紙幣処理機用成形品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の本発明に係る構成により上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)スチレン系樹脂(A)92〜55重量部およびポリアミドエラストマー(B)8〜45重量部からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、有機イオン導電剤(C)を0.01〜20重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板射出成形して得られた成形品に、帯電電荷減衰測定スタチックネストメータを用いて、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下である熱可塑性樹脂組成物。
(2)平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板を射出成形して得られた成形品に、帯電電荷減衰測定器スタチックオネストメータを用いて、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間が1秒以下である(1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(3)有機イオン導電剤(C)が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートからなる(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる紙幣処理機用成形品。

発明の効果

0009

本発明によれば、帯電した電荷の減衰時間に極めて優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができ、その熱可塑性樹脂組成物を用いることにより、静電気消散性に優れた紙幣処理機用成形品を得ることができる。

0010

以下に、本発明について、実施の形態とともに、詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、後述するスチレン系樹脂(A)、ポリアミドエラストマー(B)および有機イオン導電剤(C)を配合してなる。スチレン系樹脂(A)を配合することにより、熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品の寸法安定性や衝撃強さを向上させることができ、ポリアミドエラストマー(B)を配合することにより、成形品の制電性を向上させることができる。また、有機イオン導電剤(C)を配合することにより、成形品の静電気消散性を向上させることができる。

0011

本発明の熱可塑性樹脂組成物における配合割合は、後述するスチレン系樹脂(A)92〜55重量部とポリアミドエラストマー(B)8〜45重量部の合計100重量部に対して、有機イオン導電剤(C)を0.01〜20重量部配合してなる。

0012

そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、該熱可塑性樹脂組成物を、平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板として射出成形して得られた成形品に、帯電電荷減衰測定器スタチックオネストメータを用いて、印加電圧10kVで30秒間印加した後の帯電圧が、20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下であることが必要である。好ましくは、平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板を射出成形して得られた成形品に、帯電電荷減衰測定器スタチックオネストメータを用いて、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間(つまり、帯電圧が実質的に無くなるまでの時間)が1秒以下である。この印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間が1秒以下という特徴は、とくに紙幣識別機や紙幣鑑別機に代表される紙幣処理機に求められる好ましい制電性能である。

0013

上記電圧印加後の帯電圧が20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下となる熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間が1秒以下となる熱可塑性樹脂組成物は、例えば、以下に述べる好ましいスチレン系樹脂(A)、ポリアミドエラストマー(B)および好ましい有機イオン導電剤(C)を、それぞれ上述の好ましい範囲で配合することにより得ることが可能である。

0014

とくに、上記電圧印加後の帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間が1秒以下となる熱可塑性樹脂組成物は、例えば、スチレン系樹脂(A)、ポリアミドエラストマー(B)および有機イオン導電剤(C)を、それぞれ上述の好ましい範囲で配合するとともに、特に有機イオン導電剤(C)として特定のもの、とくに1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートを用いることで、後述の実施例に示されるように、より確実に得ることが可能である。このような優れた制電性能を有する熱可塑性樹脂組成物は、とくに紙幣処理機用成形品として好適である。

0015

本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成するスチレン系樹脂(A)とは、芳香族ビニル系単量体がその成分として含まれる重合体からなるものである。この芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンビニルトルエン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、o−クロロスチレン、o,p−ジクロロスチレンなどが挙げられるが、なかでもスチレンまたはα—メチルスチレンが好ましい。芳香族ビニル系単量体は2種以上を併用してもよい。

0016

また、スチレン系樹脂(A)は、耐薬品性耐熱性などの特性を付与する目的で、芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体を共重合したビニル系共重合体を含有していてもよい。これらのビニル系単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリニトリル、(メタアクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、マレイン酸無水マレイン酸マレイン酸モノエチルエステルイタコン酸無水イタコン酸フタル酸、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドアクリルアミドメタクリルアミドN−メチルアクリルアミドブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミンアリルアミンメタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニルオキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクイル−オキサゾリン、2−スチリル−オキサゾリンなどが挙げられる。これらの中でも、特にアクリロニトリルまたはメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。

0017

スチレン系樹脂に含有される芳香族ビニル系単量体の割合は、成形加工性の観点から10〜100重量部が好ましく、より好ましくは20〜90重量部である。スチレン系樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、物性バランスを維持する上で、5万~30万のものが好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による一般的に公知な手法で測定することができる。

0018

スチレン系樹脂の製造方法には特に制限はなく、塊状重合法懸濁重合法、乳化重合法、塊状−懸濁重合法など通常の製造方法を用いることができる。また、これらのいずれかの方法で得られた1種または2種以上のスチレン系樹脂を溶融混練して製造してもよい。

0019

スチレン系樹脂の耐衝撃性などの特性を飛躍的に向上させることを目的とする場合には、スチレン系樹脂として、芳香族ビニル系(共)重合体よりなるマトリックス中に、ゴム質重合体が分散したゴム変性スチレン系樹脂を用いることが好ましい。すなわち、スチレン系樹脂として、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体および該芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体をグラフト重合して得られてグラフト共重合体を含有しているゴム変性スチレン系樹脂を好ましく用いることができる。また、芳香族ビニル系単量体、該芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体とが共重合したビニル系共重合体、並びにゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体および該芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体をグラフト重合して得られたグラフト共重合体を含有しているゴム変性スチレン系樹脂も好ましく用いることができる。

0020

ゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体などのジエン系ゴム、ポリアリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムポリイソプレンエチレンプロピレンジエン三元共重合体などが挙げられるが、なかでもポリブタジエンまたはブタジエン共重合体が好ましく用いられる。

0021

ゴム質重合体のゴム粒子径は、耐衝撃性に優れるという観点から、平均粒子径が0.15〜0.60μmの範囲のゴム粒子が好ましく、0.20〜0.55μmの範囲のゴム粒子がより好ましい。中でも平均粒子径が0.20〜0.25μmの範囲のゴム粒子と、0.50〜0.65μmの範囲のゴム粒子との重量比が、90:10〜60:40であるゴム質重合体が、耐衝撃性および薄肉成形品落錘衝撃が著しく優れていることから、特に好ましい。

0022

ここで、ゴム粒子の平均重量粒子径は、「Rubber Age、Vol.88、p・484〜490、(1960)、by E.Schmidt,P.H.Biddison」に記載の、アルギン酸ナトリウム濃度の累積重量分率から累積重量分率50%の粒子径を求める方法により測定することができる。

0023

スチレン系樹脂として、上記のゴム変性スチレン系樹脂を用いる場合には、ゴム質重合体とマトリックスであるスチレン系樹脂とは非相溶であるため、ゴム質重合体にマトリックスと相溶する成分をグラフトさせると、耐衝撃性をより一層向上させることができる。すなわち、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体または単量体混合物をグラフト重合したグラフト共重合体を用いることが好ましい。グラフト重合に用いられる単量体としては、上記のマトリックスである芳香族ビニル系(共)重合体中の単量体成分と同様の単量体成分を同様の割合で使用することが好ましい。組成グラフト量については特に制限はないが、ゴム質重合体の分散性を損なわないような組成とグラフト量に調整することが好ましい。グラフト率は5〜200%が好ましく、より好ましくは20〜100%である。ここでいうグラフト率は以下の方法により求めることができる。

0024

まず、グラフト共重合体、約1g(m:サンプル質量)にアセトン80mlを加え、70℃の湯浴中で3時間還流し、この溶液を8000r.p.m(10000G)で40分間遠心分離した後、不溶分を濾過し、アセトン不溶分を得る。得られたアセトン不溶分を80℃で5時間減圧乾燥させ、その質量(n)を測定し、下記式よりグラフト率を算出する。ここで、Xはグラフト共重合体のゴム質重合体(r)の含有率(%)である。
グラフト率(%)={[(n)−((m)×X/100)]/[(m)×X/100]}×100

0025

グラフトしていない(共)重合体の特性については、優れた耐衝撃性を有する樹脂組成物が得られるという観点から、メチルエチルケトン可溶分極限粘度[η](30℃で測定)が、好ましくは0.25〜0.60dl/gの範囲であり、さらに好ましくは0.25〜0.50dl/gの範囲である。

0026

ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法としては、具体的には、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体を含有する単量体または単量体混合物をグラフト重合して得られるグラフト共重合体と、芳香族ビニル系単量体を含有する単量体または単量体混合物を重合して得られるスチレン系(共)重合体とを溶融混練してゴム変性スチレン系樹脂を製造する方法が工業的および経済的に好適である。

0027

上記のゴム変性スチレン系樹脂に含まれるグラフト共重合体は、乳化重合塊状重合などの公知の重合法により得ることができる。なかでも、ゴム質重合体ラテックスの存在下に、単量体または単量体混合物、ラジカル発生剤および連鎖移動剤の混合物を、連続的に重合容器に供給して乳化重合する方法が、操業上好適である。

0028

本発明で用いられるスチレン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリスチレンハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ASA樹脂AES樹脂、ABS樹脂、MAS樹脂、MS樹脂、MABS樹脂、MBS樹脂等が、またこれらの樹脂と他樹脂とのアロイなどが挙げられる。

0029

本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成するポリアミドエラストマー(B)としては、例えば、炭素原子数6以上のアミノカルボン酸またはラクタム、もしくは炭素原子数6以上のジアミンジカルボン酸の塩と、数平均分子量200〜6,000のポリアルキレンオキシドグリコールとのグラフト共重合体またはブロック共重合体が好ましい。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとしては、ポリエチレンオキシドグリコールが好ましく用いられる。

0030

ここで、炭素原子数6以上のアミノカルボン酸またはラクタム、もしくは炭素原子数6以上のジアミンとジカルボン酸の塩としては、具体的には、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタムラウロラクタムなどのラクタム、ヘキサメチレンジアミンアジピン酸塩、ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸塩およびヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸塩などのナイロン塩等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。

0031

ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとしては、例えば、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックまたはランダム共重合体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。また、さらにビスフェノールAや脂肪酸アルキレンオキシド付加物などが共重合されていてもよい。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの数平均分子量は、ポリアミドエラストマー(B)の機械的特性を向上させる観点から、200以上が好ましく、300以上がより好ましい。一方、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの数平均分子量は、制電性をより向上させる観点から、6,000以下が好ましく、4,000以下がより好ましい。ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの両末端は、必要に応じてアミノ化またはカルボキシル化されていてもよい。

0032

本発明において、炭素原子数6以上のアミノカルボン酸またはラクタム、もしくは炭素原子数6以上のジアミンとジカルボン酸の塩とポリ(アルキレンオキシド)グリコールの結合は、通常エステル結合アミド結合であるが、特にこれらのみに限定されない。

0033

また、ジカルボン酸やジアミンなどの第三成分を、反応成分として用いることも可能である。具体例として、ナイロン6ポリエチレングリコールを結合させるためにテレフタル酸(ジカルボン酸)を添加する例を挙げることができる。

0034

ジカルボン酸やジアミンなどの第三成分を反応成分として用いる場合におけるジカルボン酸としては、重合性、色調および物性をより向上させる観点から、炭素原子数4〜20のジカルボン酸が好ましく、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸コハク酸シュウ酸アジピン酸セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。

0035

一方、ジアミンとしては、芳香族、脂環族および脂肪族のジアミンが用いられ、中でも脂肪族ジアミンのヘキサメチレンジアミンが好ましく用いられる。

0036

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポリアミドエラストマー(B)の配合量は、熱可塑性樹脂組成物中の、8〜45重量部であり、好ましくは10〜40重量部である。ポリアミドエラストマー(B)の配合量が8重量部未満、つまりスチレン系樹脂の配合量が92重量部を超える場合は、熱可塑性樹脂制電特性が低くなる。また、ポリアミドエラストマーの配合量が45重量部を越える、つまりスチレン系樹脂の配合量が55重量部未満の場合は熱可塑性樹脂の曲げ弾性率が低下する傾向を示す。

0037

本発明で使用されるポリアミドエラストマー(B)の製造方法については、特に限定されず、公知の製造方法を利用することができる。例えば、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールを構成成分として含むグラフト共重合体またはブロック共重合体の場合、アミノカルボン酸またはラクタムもしくは炭素原子数6以上のジアミンとジカルボン酸の塩(イ)とジカルボン酸(ロ)を反応させて両末端がカルボン酸基ポリアミドプレポリマーを作り、これにポリ(アルキレンオキシド)グリコール(ハ)を真空下に反応させる方法、上記の(イ)、(ロ)および(ハ)の化合物を反応槽仕込み、水の存在下または不存在下に、高温加熱反応させることによりカルボン酸末端のポリアミドエラストマーを生成させ、その後、常圧または減圧下で重合を進める方法、上記の(イ)、(ロ)および(ハ)の化合物を同時に反応槽に仕込み、溶融重合した後、高真空下で一挙に重合を進める方法などが挙げられる。

0038

また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に、必要に応じて変性ビニル系共重合体(D)を配合してもよく、成形品の耐衝撃性をより向上させることができる。本発明における変性ビニル系共重合体(D)は、カルボキシル基ヒドロキシル基エポキシ基、アミノ基およびオキサゾリン基からなる群より選ばれる少なくとも一種官能基を有する、ビニル系共重合体のうち、前述したビニル系共重合体以外のものを指す。

0039

変性ビニル系共重合体(D)中にカルボキシル基を導入する方法には特に制限はなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、無水マレイン酸、フタル酸およびイタコン酸などのカルボキシル基または無水カルボキシル基を有するビニル系単量体を所定のビニル系単量体と共重合する方法、γ,γ’−アゾビス(γ−シアバレイン酸)、α,α’−アゾビス(α−シアノエチル)−p−安息香酸および過酸化サクシン酸などのカルボキシル基を有する重合発生剤および/またはチオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトイソ酪酸および2,3または4−メルカプト安息香酸などのカルボキシル基を有する重合度調節剤を用いて、ビニル系単量体を(共)重合する方法、メタクリル酸メチルやアクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体と芳香族ビニル系単量体、必要に応じてシアン化ビニル系単量体との共重合体アルカリによってケン化する方法等を挙げることができる。

0040

変性ビニル系共重合体(D)中にヒドロキシル基を導入する方法についても特に制限はなく、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、メタクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、メタクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、シス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、トランス−5−ヒドロキシ−2−ペンテンおよび4−ジヒドロキシ−2−ブテンなどのヒドロキシル基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を(共)重合する方法などを挙げることができる。

0041

変性ビニル系共重合体(D)中にエポキシ基を導入する方法についても特に制限はく、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルおよびp−グリシジルスチレンなどのエポキシ基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を(共)重合する方法などを挙げることができる。

0042

変性ビニル系共重合体(D)中にアミノ基を導入する方法についても特に制限はなく、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレンなどのアミノ基またはその誘導体を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を(共)重合する方法などを挙げることができる。

0043

変性ビニル系共重合体(D)中にオキサゾリン基を導入する方法についても特に制限はなく、例えば、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンおよび2−スチリル−オキサゾリンなどのオキサゾリン基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を(共)重合する方法などを挙げることができる。
前述の官能基を有するビニル系単量体を含むビニル系単量体を重合する場合、ビニル系単量体中における前述の官能基を有するビニル系単量体の配合量は、変性ビニル系共重合体(D)を構成するビニル系単量体の合計100重量%中、0.01〜20重量%が好ましい。

0044

変性ビニル系共重合体(D)の、メチルエチルケトン溶媒中30℃における極限粘度[η]は、成形品の耐衝撃性をより向上させる観点から、0.20dl/g以上が好ましく、0.35dl/g以上がより好ましい。一方、熱可塑性樹脂組成物の成形性をより向上させる観点から、0.65dl/g以下が好ましく、0.60dl/g以下がより好ましい。また、変性ビニル系共重合体(D)の、N,N−ジメチルホルムアミド溶媒中30℃における極限粘度[η]は、成形品の耐衝撃性をより向上させる観点から、0.30dl/g以上が好ましく、0.40dl/g以上がより好ましい。一方、熱可塑性樹脂組成物の成形性をより向上させる観点から、0.90dl/g以下が好ましく、0.75dl/g以下がより好ましい。

0045

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、変性ビニル系共重合体(D)の配合量は、スチレン系樹脂(A)とポリアミドエラストマー(B)の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましい。変性ビニル系重合体(D)の配合量を0.1重量部以上とすることにより、成形品の耐衝撃性をより向上させることができる。変性ビニル系重合体(D)の配合量は1重量部以上がより好ましい。一方、変性ビニル系共重合体(D)の配合量を20重量部以下とすることにより、成形品の耐衝撃性をより向上させることができる。変性ビニル系重合体(D)の配合量は15重量部以下がより好ましい。

0046

本発明の有機イオン導電剤(C)として、フルオロ基とスルホニル基を備えてなるアニオンと一般的なカチオンとからなる塩が挙げられる。上記アニオンおよびカチオンからなる有機イオン導電剤(C)は数多くあるが、中でもビスフルオロアルキルスルホニルイミドイオントリス(フルオロアルキルスルホニル)メチドイオンフルオロアルキルスルホン酸塩イオンからなり、具体例としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニルイミドリチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドカリウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムトリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムが好ましく、中でも熱安定性の面から、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム及び、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムがより好ましい。

0047

また、有機イオン導電剤(C)には、融点が低くて室温で液体であるイオン性液体またはイオン液体とも呼ばれている塩も含む。イミダゾリウムピリジニウムアンモニウムホスホニウムなどのカチオンと、フッ化物イオントリフラートなどのフッ素を含むアニオンからなるものが多く知られている。

0048

イミダゾリウム塩の具体例としては、1−アリル−3メチルイミダゾリウムクロリド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロフェラート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンフルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロトリフルオロメチルボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアナート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、3,3’−(ブタン−1,4−ジイル)ビス(1−ビニル−3−イミダゾリウム)ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリシアノメタニド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルファート、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジブチルホスファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3ジメチルイミダゾリウムジメチルホスファート、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド、2,3ジメチル−1−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルファート、1,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムp−トルエンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロフェラート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トロフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸水素塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムニトラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロ(トリフルオロメチル)ボラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、3−エチル−1−ビニルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリシアノメタニド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルサルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンホナート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−(2−ヒドロキシル)−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−(2−ヒドロキシル)−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−(2−ヒドロキシル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムブロミド、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムクロリド、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムブロミド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムクロリド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムテトラフルオロボラート、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムブロミド、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムビス(トリフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−3−(4−スルホブチルイミダゾリムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−3−(4−スルホブチル)イミダゾリウム硫酸水素塩、1−メチルイミダゾール臭化水素酸塩、1−ビニルイミダゾールビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。

0049

ピリジニウム塩の具体例としては、1−ブチルピリジニウムクロリド、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−4−メチルピリジニウムブロミド、1−ブチル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムブロミド、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボラート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムクロリド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−4−メチルピリジニウムクロリド、1−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボラート、1−ブチルピリジニウムビス(テトラフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−4−メチルピリジニウムビストリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチルピリジニウムブロミド、1−エチルピリジニウムクロリド、1−エチル−3−メチルピリジニウムエチルスルファート、1−エチル−3−(ヒドロキシメチル)ピリジニウムエチルスルファート、1−エチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2−メチルピリジニウムブロミド、1−エチル−4−メチルピリジニウムブロミド、1−ヘキシルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピリジニウムクロリド等が挙げられる。

0050

アンモニウム塩の具体例としては、アミルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ブチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ベンジル(エチル)ジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジメチル(メチル)プロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、エチル(2−メトキシエチル)ジメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、エチル(2−メトキシエチル)ジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチル(3−メトキシプロピル)ジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチル(ジメチル)(2−フェニルエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラアミルアンモニウムヨージド、テトラーn−オクチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、テトラヘプチルアンモニウムヨージド、テトラアンモニウムブロミド、テトラアミルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、トリブチルメチルアンモニウムビス(Tリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルアンモニウムアセテートトリメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチル(メチル)アンモニウムジシアナミド、テトラブチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、トリブチルメチルアンモニウムヨージド、1−アリル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。

0051

ホスホニウム塩の具体例としては、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、トリブチルメチルホスホニウムヨージド、トリブチル−n−オクチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラ−n−オクチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボラート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスファート、トリブチル(2−メトキシエチル)ホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリヘキシル(テトラデシルホスホニウムジシアナミド、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムクロリド、トリブチル(エチル)ホスホニウムジエチルホスファート等が挙げられる。

0052

上記イオン液体の中では、イミダゾリウム塩及びピリジニウム塩が好ましい。

0053

イミダゾリウム塩の中では、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましく、静電気消散性の点から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートが、より好ましい。

0054

ピリジニウム塩の中では、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートが好ましく、静電気消散性の点から、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートが、より好ましい。

0055

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、有機イオン導電剤(C)の配合量は、スチレン系樹脂(A)とポリアミドエラストマー(B)の合計100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは1.5〜5重量部である。有機イオン導電剤(C)の配合量が0.01重量部未満では、帯電圧20V減衰時間や帯電圧1V減衰時間が著しく長くなるため、紙幣処理機や複写機等の用途では、成形品に帯電した電荷によって、紙幣やコピー用紙が貼り付いて通紙障害を生じる。また、有機イオン導電剤(C)が20重量部を越える場合は、押出加工性の課題や製造コストが上がることによる商業的課題がある。

0056

本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系などの酸化防止剤フェノール系、アクリレート系などの熱安定剤ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系などの紫外線吸収剤有機ニッケル系ヒンダードアミン系などの光安定剤などの各種安定剤、高級脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸アミド類などの滑剤フタル酸エステル類リン酸エステル類などの可塑剤ポリテトラフルオロエチレンなどのドリップ防止剤非イオン系、アニオン系、カチオン系または両性系の界面活性剤カーボンブラック酸化チタン顔料および染料、水やシリコーンオイル流動パラフィンなどの液体を配合することもできる。また、充填材を配合することもできる。

0057

充填材としては、繊維状、板状、粉末状、粒状などの形状のものが挙げられ、本発明においてはいずれを用いてもよい。具体的には、ポリアクリロニトリル(PAN)系やピッチ系炭素繊維ステンレス繊維アルミニウム繊維黄銅繊維などの金属繊維芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維石膏繊維、セラミック繊維アスベスト繊維ジルコニア繊維アルミナ繊維シリカ繊維酸化チタン繊維炭化ケイ素繊維ガラス繊維ロックウールチタン酸カリウムウィスカーチタン酸バリウムウィスカーホウ酸アルミニウムウィスカー窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状またはウィスカー状充填材、マイカタルクカオリンシリカ炭酸カルシウムガラスフレークガラスビーズガラスマイクロバルーンクレー二硫化モリブデンワラステナイトモンモリロナイト、酸化チタン、酸化亜鉛硫酸バリウムポリリン酸カルシウムグラファイトなどの粉状、粒状または板状の充填材などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、ガラス繊維が好ましく用いられる。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランドミルドファイバーなどを挙げることができる。なお、前記充填材はその表面が任意のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤により処理されていてもよい。また、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂被覆あるいは集束処理されていてもよく、アミノシランエポキシシランなどのカップリング剤などで処理されていてもよい。

0058

充填材の配合量は、前記スチレン系樹脂(A)とポリアミドエラストマー(B)の合計100重量部に対して、0.01〜100重量部が好ましい。充填材の配合量をこの範囲とすることにより、成形品の剛性および耐熱性をより向上させることができる。充填材の配合量は0.05重量部以上がより好ましく、0.1重量部以上がさらに好ましい。一方、充填材の配合量は50重量部以下がより好ましく、30重量部以下がさらに好ましい。

0059

本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板を射出成形し、得られた成形品を温度23℃、湿度50%RH環境下で24時間保管した後に、帯電電荷減衰測定器スタチックオネストメータを用いて、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下であることが必要である。好ましくは、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間が1秒以下であることが望ましい。

0060

例えば、熱可塑性樹脂組成物の用途の一例として、静電気消散性を必要とする紙幣識別機を挙げると、投入口に入れた紙幣は高速で搬送路を通過する。この際に紙幣と搬送路を形成する成形品との間で摩擦が生じ、静電気が発生する。また、近年ではポリマー紙幣と呼ばれる樹脂製の貨幣が使用されており、紙幣にくらべて、より帯電がし易い。このような用途においては、表面抵抗率が優れている材料よりも、帯電した電荷が瞬時に消散する制電材料の提案が好ましい。そこで、本発明においては、このような静電気消散性に優れる材料の指標として、熱可塑性樹脂組成物を射出成形した角板に、帯電電荷減衰測定器スタチックオネストメータを用いて、10kVの電圧を30秒間印加し、印加電圧を切った後に、帯電した電荷が減衰するまでの時間に着目した。すなわち、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下であることが必要であり、好ましくは、印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間が1秒以下であることとした。なお、帯電電荷減衰測定器スタチックオネストメータの印加電圧条件は、JIS L 1094(織物及び編物帯電性試験方法)の測定電圧と印加時間に準拠し、選択したものである。かかる帯電圧減衰時間が短いものが静電気消散性に優れる。

0061

前述したように、上述の帯電圧が20V以下に減衰するまでの時間が3秒以下となる熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、帯電圧が1V以下に減衰するまでの時間が1秒以下となる熱可塑性樹脂組成物は、例えば、前述のスチレン系樹脂(A)、ポリアミドエラストマー(B)および有機イオン導電剤(C)を、それぞれ前述の好ましい範囲で配合することにより得ることができる。

0062

熱可塑性樹脂組成物の製造方法に特に制限はないが、前記スチレン系樹脂(A)を得る工程、および、スチレン系樹脂(A)を92〜55重量部およびポリアミドエラストマー(B)を8〜45重量部からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、有機イオン導電剤(C)を0.01〜20重量部配合する工程を有することが好ましい。

0063

生産性の点から、スチレン系樹脂(A)とポリアミドエラストマー(B)に、必要に応じてその他の成分を溶融混練する方法が一般的である。前述の添加剤などを配合する場合、その配合方法についても特に制限はなく、種々の方法を用いることができる。

0064

本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、押出成形カレンダー成形ブロー成形真空成形圧縮成形ガスアシスト成形などの公知の方法によって成形することができる。

0065

本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、帯電した電荷が瞬時に消散する優れた成形品を得ることができる。かかる特性を活かして静電気消散性を必要とする紙幣処理機や複写機部品ICチップトレイ電気電子部品、電気・電子部品の搬送用部品ディスプレイ関連部品の搬送用部品などに好適に利用することができる。

0066

本発明をさらに具体的に説明するために、以下、実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。下記の実施例および比較例中、特にことわりのない限り、「部」および「%」(ヘイズ値以外)で表示したものは、それぞれ重量部および重量%を表す。

0067

まず、静電気消散性に優れた熱可塑性樹脂組成物の各種物性の評価方法を下記する。
(1)耐衝撃性(シャルピー衝撃強度
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で5時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に厚さ4mmのダンベル試験片を射出成形した。得られたダンベル試験片各5個について、ISO179に準拠した方法でシャルピー衝撃強度を測定し、その数平均値を算出した。

0068

(2)成形性(メルトフローレートMFR))
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で5時間乾燥した後、測定温度220℃、荷重98Nの条件で、ISO1133に準拠した方法によりMFRを測定した。

0069

(3)透明性(ヘイズ値)
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で5時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に厚さ3mmの角板成形品を射出成形した。東洋精機株式会社製直読ヘイズメーターを使用して、得られた角板成形品各5個について、ヘイズ値(%)を測定し、その数平均値を算出した。

0070

(4)表面固有抵抗値
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で5時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に40mm×50mm×3mm厚みの角板成形品を射出成形した。得られた角板成形品を温度23℃、湿度50%Rh環境下で24時間静置した後、ASTMD257(1990年)に準拠して、印加電圧500Vの条件で、印加から1分後の表面固有抵抗値を測定した。

0071

(5)静電気拡散性能(帯電圧減衰性能
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で5時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に平面寸法40mm×50mm×厚み3mmの角板を射出成形した。帯電電荷減衰測定器スタチックオネストメーターシシド静電気(株)製)を用いて、角板と印加電極との距離を15mm、検出電極との距離を10mmとし、10kVの電圧を30秒間印加した。そのときの帯電圧(V:ボルト)が半減するまでの時間(秒)を帯電圧減衰半減時間とし、帯電圧が20V以下になる時間を帯電圧20V減衰時間とし、帯電圧が1V以下になる時間を帯電圧1V減衰時間とした。帯電圧減衰時間が短いほど静電気拡散性能に優れるといえる。

0072

(参考例1)スチレン系樹脂<A−1>〜<A−4>の調製
各グラフト共重合体グラフト率は、次の方法で求めた。グラフト共重合体、約1g(m:サンプル質量)にアセトン80mlを加え、70℃の湯浴中で3時間還流し、この溶液を8000r.p.m(10000G)で40分間遠心分離した後、不溶分を濾過し、アセトン不溶分を得る。得られたアセトン不溶分を80℃で5時間減圧乾燥させ、その質量(n)を測定し、下記式よりグラフト率を算出する。ここで、Xはグラフト共重合体のゴム質重合体(r)の含有率(%)である。
グラフト率(%)={[(n)−((m)×X/100)]/[(m)×X/100]}×100

0073

グラフト共重合体<A−1>
ポリブタジエンラテックスゴム重量平均粒子径0.30μm、ゲル含有率85%)60部(固形分換算)に、スチレン70%とアクリロニトリル30%からなる単量体混合物40部を加えて乳化重合した。得られたグラフト共重合体を硫酸凝固した後に、水酸化ナトリウム中和し、洗浄、濾過、乾燥することにより、パウダー状のグラフト共重合体<A−1>を得た。得られたグラフト共重合体<A−1>のグラフト率は36%であった。このグラフト共重合体<A−1>は、スチレン構造単位70%およびアクリロニトリル構造単位30%からなる非グラフト性の共重合体を18.1%含有するものであった。また、N,N−ジメチルホルムアミド可溶分の極限粘度は0.48dl/gであった。

0074

グラフト共重合体<A−2>
ポリブタジエンラテックス(平均ゴム粒子径0.2μm)50部(固形分換算)に、メタクリル酸メチル70%、スチレン25%およびアクリロニトリル5%からなる単量体混合物50部を加えて乳化重合した。得られたグラフト共重合体を硫酸で凝固した後、水酸化ナトリウムで中和し、洗浄、濾過および乾燥することにより、パウダー状のグラフト共重合体<A−2>を得た。得られたグラフト共重合体<A−2>のグラフト率は、45%であった。また、メチルエチルケトン可溶分の極限粘度は、0.32dl/gであった。

0075

ビニル系共重合体<A−3>
スチレン70%とアクリロニトリル30%からなる単量体混合物を懸濁重合して、ビニル系共重合体<A−3>を得た。得られたビニル系共重合体<A−3>のN,N−ジメチルホルムアミド可溶分の極限粘度は0.73dl/gであった。

0076

ビニル系共重合体<A−4>
メタクリル酸メチル70%、スチレン25%およびアクリロニトリル5%からなる単量体混合物を懸濁重合して、ビニル系共重合体<A−4>を得た。得られたビニル系共重合体<A−4>のN,N−ジメチルホルムアミド可溶分の極限粘度は、0.42dl/gであった。

0077

(参考例2)ポリアミドエラストマー(B)
ε−カプロラクタム45重量部、数平均分子量1,800のビスフェノールAのエチレンオキシド付加物45重量部、数平均分子量が1,800のポリエチレングリコール5重量部、テレフタル酸5.2重量部、および“イルガノックス”(登録商標)1098(酸化防止剤)0.2重量部を反応容器に仕込み、窒素パージして260℃の温度で60分間加熱撹拌して透明な均質溶液とした後、0.07kPa以下の圧力にまで減圧した。これに、テトラブチルチタネート0.1重量部を加えて、圧力を0.07kPa以下とし、260℃の温度条件で2時間反応させた。得られたポリマーストランド状に吐出させ、カットしてペレット状のポリアミドエラストマー<B−1>を調製した。

0078

(参考例3)有機イオン導電剤(C)
有機イオン導電剤<C−1>
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(三菱マテルア電子化成社製)
を使用した。

0079

有機イオン導電剤<C−2>
トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(三菱マテルアル電子化成社製)を使用した。

0080

有機イオン導電剤<C−3>
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート(日本カーリット社製)を使用した。

0081

有機イオン導電剤<C−4>
1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(日本カーリット社製)を使用した。

0082

(参考例4)カルボキシル基を有する変性ビニル系共重合体(D)
スチレン70重量%、アクリロニトリル25重量%、メタクリル酸重量5%からなる単量体混合物を、開始剤アゾジイソブチロニトリル)および連鎖移動剤(t−ドデシルメルカプタン)を用いて、65℃〜95℃の温度で5時間懸濁重合を行い、ビーズ状の変性ビニル系重合体<D−1>を調製した。このときの極限粘度(メチルエチルケトン中、30℃)は0.60dl/gであった。

0083

(参考例5)炭素繊維(E)
東レ(株)製“トレカ”(登録商標)T700SC−12K(総繊度7,200デニール糸幅6.5mm、糸の厚み0.1mm)チョップドストランドを使用した。

0084

(実施例1〜19、比較例1〜10)
上記参考例1で調製したスチレン系樹脂(A)、参考例2で調製したポリアミドエラストマー(B)、参考例3に示した有機イオン導電剤(C)および参考例4で調整した変性ビニル系共重合体(D)をそれぞれ表1〜3で示した配合比で配合し、ヘンシェルミキサーにより23℃で混合した。得られた混合物を、30mmφ二軸押出機により押出温度230℃で溶融混練し、ストランド状に押出してペレット化した。得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて、前述の方法により評価した結果を表1〜3に示す。

0085

0086

0087

0088

表1、2に示すように、本発明の熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜19)は、いずれも帯電圧20V減衰時間に優れているとともに、成形加工性(メルトフローレート)に優れていた。とくに、有機イオン導電剤<C−3>(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート)を所定範囲の量だけ配合した実施例3〜5、8、10、13、14、17、19においては、帯電圧が1V以下になる時間(帯電圧1V減衰時間)として確実に1秒以下を達成でき、他の有機イオン導電剤を使用した場合に比べ、より短い優れた帯電圧1V減衰時間を達成できた。

実施例

0089

一方、表3に示すように、有機イオン導電剤が0.01重量部未満(含まない)の熱可塑性樹脂組成物(比較例2、7、8)は、表面固有抵抗値および帯電圧減衰半減時間は優れているが、帯電圧20V減衰時間が180秒を越えており、紙幣処理機用部品としては好適に使用することができない。また、ポリアミドエラストマー(B)が8重量部未満の熱可塑性樹脂組成物(比較例1、3、5、9、10)は、帯電圧減衰半減時間や帯電圧20V減衰時間を測定することができなかった(表3において*で示した)。また、有機イオン導電剤が20重量部を越える熱可塑性樹脂組成物(比較例4、6)は、押出加工性に問題があり、造粒(ペレット化)することができなかった。

0090

本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、帯電圧減衰時間に極めて優れた成形品を得ることができる。かかる特性を活かして静電気消散性を必要とする紙幣処理機部品などに好適に利用することができる。

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