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技術 超小型加速器および超小型質量分析装置およびイオン注入装置

出願人 保坂俊
発明者 保坂俊
出願日 2020年4月8日 (10ヶ月経過) 出願番号 2020-070095
公開日 2020年8月6日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-119901
状態 未査定
技術分野 その他の電気的手段による材料の調査、分析 計測用電子管 粒子加速器
主要キーワード 空洞幅 広がり空間 各中央孔 水平方向溝 導線端子 超小型装置 空洞室 コイル挿入孔
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

加速器質量分析装置を小型化し安価に作製し、誰もが利用できること。

解決手段

第1主基板、第1主基板の上面に付着した第1上部基板、および第1主基板の下面に付着した第1下部基板を含む複数の基板から構成される質量分析装置または加速装置であり、第1主基板に形成された、第1主基板の上面から第1主基板の下面へ貫通する貫通室であり、基板面に垂直方向(Z方向)が上部基板および下部基板に、Z方向と直角方向でありかつ荷電粒子の進行方向(X方向)の両側は第1主基板側板に、およびZ方向およびX方向に直角方向(Y方向)の両側面は第1主基板に囲まれており、荷電粒子の入射する第1主基板側板は中央孔が空いていて、荷電粒子は前記第1主基板側板に形成された中央孔より質量分析室加速室へ入射することを特徴とする。

概要

背景

加速装置は、陽子同士を衝突させて物質成立を知るために使用したり、加速粒子軌道曲げたときに発生する放射光を用いた微細パターン形成に使用したり、半導体の表面にイオン打ち込むイオン注入を行ない活性層表面改質を行なったり、物質から出るイオンを質量分析して物質の組成や構造を調査したり、ガン細胞荷電粒子打ち込み破壊するなど人間の病気治療に利用したりするなど、様々な分野で利用されている。
しかし、加速粒子の運動には超真空(10−3〜10−6torr以下)が必要であり、高速の加速粒子にはかなり大きなサイズの空洞(たとえば、500mm以上)が必要であり、その中を通る加速粒子を加速したり、曲げたり、収束するには、大きな電場や大きな磁場を発生する電場発生装置磁場発生装置が必要である。たとえば、荷電粒子を加速するには静電レンズを用いるが、数枚の静電レンズ(加速電極)を正確に平行にして荷電粒子の通る孔を正確にそろえなければならないので、それなりに大きなサイズの電極(たとえば、孔サイズ20mm径以上、電極サイズ300mm径以上)が必要で、しかもそれらを超真空の空洞内に入れる必要がある。従って、真空系も大きくなり、真空ポンプもかなり大きくて性能の良いものを使用する必要がある。さらに、磁場発生装置はその空洞(真空ライン)に入れるほどの大きさにすることができないため、しかもその空洞を囲む側壁も存在するため、目標とする荷電粒子までの距離が長くなる(たとえば、500mm以上)ので、大きな磁場発生装置が必要となる。そのような大きな磁場発生装置を超伝導材料電磁石を用いて小さくしても冷却システムが大きくなるので、全体の磁場発生装置のサイズは殆ど変わらない。
近年、国際リニアコライダ(ILC)を日本で建設しようという計画が出ているが、この建設には1兆円以上の費用がかかり、その維持費も500億円/年はかかるので、その建設も決断できないでいる。

さらに、近年、食の安全性が叫ばれているが、食品飲料水に含まれている物質を簡便に迅速に、しかも個人で知ることは困難である。福島原発事故による土壌等の環境汚染がどの程度身近に迫っているか、個人では把握する術がない。知らない間に人間は放射能毒物汚染され、気が付いた時には深刻な事態となっていることも多い。現状の装置では、サイズが大きく、重く、携帯できる精密分析装置はない。しかも装置価格が高いため入手が困難である。
犯罪も複雑化し原因特定犯人特定まで長期間要しているが、犯罪現場で迅速な分析が行なわれていれば、迅速に解決されるケースも多い。たとえば、昨今脱法ドラッグによる事故や犯罪が問題になるが、販売店摘発が追いつかない理由は現物現場押さえられないからである。そのために、その場で正確で精度の高い分析ができる測定装置が求められている。
考古学環境科学等の現地調査を行ないながら科学研究を進める分野では、携帯用の精度の高い質量分析があれば、飛躍的に研究が前進する。また、装置が安価で小型であれば、大量な試料の分析を短時間に処理できるようになる。

概要

加速器質量分析装置を小型化し安価に作製し、誰もが利用できること。第1主基板、第1主基板の上面に付着した第1上部基板、および第1主基板の下面に付着した第1下部基板を含む複数の基板から構成される質量分析装置または加速装置であり、第1主基板に形成された、第1主基板の上面から第1主基板の下面へ貫通する貫通室であり、基板面に垂直方向(Z方向)が上部基板および下部基板に、Z方向と直角方向でありかつ荷電粒子の進行方向(X方向)の両側は第1主基板側板に、およびZ方向およびX方向に直角方向(Y方向)の両側面は第1主基板に囲まれており、荷電粒子の入射する第1主基板側板は中央孔が空いていて、荷電粒子は前記第1主基板側板に形成された中央孔より質量分析室加速室へ入射することを特徴とする。

目的

また、超小型軽量で携帯可能であり、現場で簡便に迅速に測定できる質量分析装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

第1主基板、第1主基板の上面に付着した第1上部基板、および第1主基板の下面に付着した第1下部基板を含む複数の基板から構成される質量分析装置であって、質量分析室は第1主基板に形成された、第1主基板の上面から第1主基板の下面へ貫通する貫通室であり、基板面に垂直方向(Z方向)が上部基板および下部基板に、Z方向と直角方向でありかつ荷電粒子の進行方向(X方向)の両側は第1主基板側板に、およびZ方向およびX方向に直角方向(Y方向)の両側面は第1主基板に囲まれており、荷電粒子の入射する第1主基板側板は中央孔が空いていて、荷電粒子は前記第1主基板側板に形成された中央孔より質量分析室へ入射することを特徴とする質量分析装置。

請求項2

第1主基板は、絶縁体基板半導体基板導電体基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とする、請求項1に記載の質量分析装置。

請求項3

上部基板および下部基板は、ガラス基板石英基板プラスチック基板アルミナ基板AlN基板セラミック基板高分子基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とする、請求項1または2に記載の質量分析装置。

請求項4

前記主基板が絶縁体基板である場合は、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、アルミナ基板、AlN基板、セラミック基板、高分子基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、前記主基板が半導体基板である場合は、Si基板SiC基板、C基板、GaAS基板、InP基板GaN基板CdS基板、2元化合物半導体、3元化合物半導体、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、前記主基板が半導体基板である場合は、導電体基板である場合は、Cu、Al、Ti、Zn、Fe、これらの金属を含む合金、またはこれらの積層基板であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項5

質量分析室は四重極質量分析室であり、質量分析室において、前記上部基板の下面に付着または形成した2本の四重極電極および前記下部基板の上面に付着または形成した2本の四重極電極を有し、前記上部基板の下面に配置した2本の四重極電極に接続する上部基板に形成されたコンタクト配線(上部基板コンタクト配線)および前記上部基板コンタクト配線に接続する上部基板上面に形成された電極・配線(上部基板上面電極・配線)、並びに前記下部基板の上面に配置した2本の四重極電極に接続する下部基板に形成されたコンタクト配線(下部基板コンタクト配線)および前記下部基板コンタクト配線に接続する下部基板下面に形成された電極・配線(下部基板下面電極・配線)を有し、前記上部電極・配線および前記下部電極・配線から高周波電圧および/または直流電圧印加することを特徴とする質量分析装置。

請求項6

上部基板の下面に配置された2つの四重極電極および下部基板の上面に配置された2つの四重極電極のうち、互いに隣り合わない2つの四重極電極の間の距離はほぼ同じであり、それらの間の中点はほぼ一致することを特徴とする、請求項5に記載の質量分析装置。

請求項7

上部基板の下面に配置された2つの四重極電極および下部基板の上面に配置された2つの四重極電極のうち、互いに隣り合う2つの四重極電極の間の距離はほぼ同じであることを特徴とする、請求項4または5に記載の質量分析装置。

請求項8

上部基板(第1上部基板)上または上方に第2主基板が付着し、さらに第2主基板上に第2の上部基板(第2上部基板)が付着し、前記貫通室(第1貫通室)の上部において第2主基板に第2上部基板から第1上部基板へ貫通する貫通室(第2貫通室)が形成され、第1貫通室と第2貫通室との間の第1上部基板の一部に開口部が設けられており、前記開口部は第1上部基板の下面に配置した2つの四重極電極の間に形成されており、前記第1上部基板の下面に配置した四重極電極に接続する第1上部基板上に形成された電極・配線は、第2貫通室側面に形成された配線(第2配線)に接続し、第2配線は第2上部基板下面に形成された電極・配線に接続し、さらに第2上部基板下面に形成された電極・配線は第2上部基板に形成されたコンタクト配線(第2上部基板コンタクト配線)に接続し、第2上部基板コンタクト配線は第2上部基板上に形成された電極・配線(第2上部電極・配線)に接続することを特徴とし、下部基板(第1下部基板)の下面にまたは下方に第3主基板が付着し、さらに第3主基板の下面に第2の下部基板(第2下部基板)が付着し、前記貫通室(第1貫通室)の下部において第3主基板に第2下部基板から第1下部基板へ貫通する貫通室(第3貫通室)が形成され、第1貫通室と第3貫通室との間の第1下部基板の一部に開口部が設けられており、前記開口部は第1下部基板の上面に配置した2つの四重極電極の間に形成されており、前記第1下部基板の上面に配置した四重極電極に接続する第1下部基板の下面に形成された電極・配線は、第3貫通室側面に形成された配線(第3配線)に接続し、第3配線は第2下部基板上面に形成された電極・配線に接続し、さらに第2下部基板上面に形成された電極・配線は第2下部基板に形成されたコンタクト配線(第2下部基板コンタクト配線)に接続し、第2下部基板コンタクト配線は第2上部基板の下面に形成された電極・配線(第2下部電極・配線)に接続することを特徴とし、前記第2上部電極・配線および前記第2下部電極・配線から高周波電圧および/または直流電圧を印加することを特徴とする質量分析装置。

請求項9

第2上部基板および第2下部基板は、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、アルミナ基板、AlN基板、セラミック基板、高分子基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とする、請求項8に記載の質量分析装置。

請求項10

前記第2主基板および第3主基板が絶縁体基板である場合は、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、アルミナ基板、AlN基板、セラミック基板、高分子基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、前記第2主基板および第3主基板が半導体基板である場合は、Si基板、SiC基板、C基板、GaAS基板、InP基板、GaN基板、CdS基板、2元化合物半導体、3元化合物半導体、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、前記第2主基板および第3主基板が半導体基板である場合は、導電体基板である場合は、Cu、Al、Ti、Zn、Fe、これらの金属を含む合金、またはこれらの積層基板であることを特徴とする、請求項8または9に記載の質量分析装置。

請求項11

質量分析室は四重極質量分析室であり、質量分析室の上部に付着した上部基板の上面に1本の四重極電極が配置され、質量分析室の下部に付着した下部基板の下面に1本の四重極電極が配置され、質量分析室の隣に設けた主基板に形成された左右の貫通室のそれぞれに1本の四重極電極が配置されていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項12

質量分析室の隣に主基板に形成された左右の貫通室は、質量分析室との間に基板側壁が存在することを特徴とする、請求項11に記載の質量分析装置。

請求項13

四重極電極は、棒材であり、当該棒材を上部基板、下部基板、および主基板の所定箇所に付着させたものであることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項14

四重極電極は、上部基板または下部基板にCVD法PVD法、メッキ法電鋳法スクリーン印刷スキージ法スピンコート法ディスペンス法、またはこれらの組合せ法により積層し、所定形状に加工した導電体膜電極であることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項15

質量分析室は四重極質量分析室であり、質量分析室の上部に付着した上部基板の下面であって質量分析室側の面に付着または形成した2本の四重極電極が配置され、質量分析室の下部に付着または形成した下部基板の上面であって質量分析室側の面に付着した2本の四重極電極が配置されていることを特徴とする質量分析装置。

請求項16

2本の四重極電極を付着または形成した上部基板(第1上部基板)の上方にさらに貫通室(第2貫通室)が形成され、第2貫通室の上部に第2上部基板が付着し、前記質量分析室(第1貫通室)と第2貫通室との間にある第1上部基板の一部が除去されて、第1貫通室と第2貫通室の圧力は、ほぼ同じであることを特徴とし、2本の四重極電極を付着または形成した下部基板(第1下部基板)の下方にさらに貫通室(第3貫通室)が形成され、第3貫通室の下部に第2下部基板が付着し、前記質量分析室(第1貫通室)と第3貫通室との間にある第1下部基板の一部が除去されて、第1貫通室と第3貫通室の圧力は、ほぼ同じであることを特徴とする、請求項15に記載の質量分析装置。

請求項17

質量分析室は、上部基板の下面に付着または形成した1本の四重極電極(第1四重極電極)、下部基板の上面に付着または形成した1本の四重極電極(第2四重極電極)、質量分析室の一方の側面の基板の一部が質量分析室内のY方向に伸び、その伸びた側面の基板の上面または下面に付着または形成した1本の四重極電極(第3四重極電極)、および質量分析室の他方の側面の基板の一部が質量分析室内のY方向に伸び、その伸びた側面の基板の上面または下面に付着または形成した1本の四重極電極(第4四重極電極)を含むことを特徴とする、請求項16に記載の質量分析装置。

請求項18

上部基板は、第1四重極電極に接続するコンタクト配線(第1上部基板コンタクト配線)およびその上面に前記第1コンタクト配線に接続する電極・配線(第1上部基板電極・配線)を有し、下部基板は、第2四重極電極に接続するコンタクト配線(第1下部基板コンタクト配線)およびその下面に前記第2コンタクト配線に接続する電極・配線(第1下部基板電極・配線)を有し、第3四重極電極が付着または形成した側面基板は、第3四重極電極と接続する配線を有し、その配線は主基板の側面に形成された配線に接続し、さらにその側面に形成された配線は上部基板または下部基板に形成された配線に接続し、さらにその配線は上部基板または下部基板に形成されたコンタクト配線(第2上部基板コンタクト配線または第2下部基板コンタクト配線)に接続し、さらにその第2上部基板コンタクト配線または第2下部基板コンタクト配線は上部基板の上面または下部基板の下面に形成された電極・配線(第2上部基板電極・配線または第2下部基板電極・配線)に接続することを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項19

前記上部基板(第1上部基板)の上方にさらに貫通室(第2貫通室)が形成され、第2貫通室の上部に第2上部基板が付着し、前記質量分析室(第1貫通室)と第2貫通室との間にある第1上部基板の一部が除去されて、第1貫通室と第2貫通室の圧力は、ほぼ同じであることを特徴とし、前記下部基板(第1下部基板)の下方にさらに貫通室(第3貫通室)が形成され、第3貫通室の下部に第2下部基板が付着し、前記質量分析室(第1貫通室)と第3貫通室との間にある第1下部基板の一部が除去されて、第1貫通室と第3貫通室の圧力は、ほぼ同じであることを特徴とする、請求項15〜18のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項20

質量分析室は四重極質量分析室であり、質量分析室において、前記上部基板の下面に付着または形成した四重極電極(第1四重極電極)および前記下部基板の上面に付着または形成した四重極電極(第3四重極電極)を有し、前記上部基板の下面に配置した四重極電極(第1四重極電極)に接続する上部基板に形成されたコンタクト配線(上部基板コンタクト配線)および前記上部基板コンタクト配線に接続する上部基板上面に形成された電極・配線(上部基板上面電極・配線)、並びに前記下部基板の上面に配置した四重極電極(第3四重極電極)に接続する下部基板に形成されたコンタクト配線(下部基板コンタクト配線)および前記下部基板コンタクト配線に接続する下部基板下面に形成された電極・配線(下部基板下面電極・配線)を有し、前記主基板のY方向の2つの側面に形成した四重極電極(第2四重極電極および第4四重極電極)を有し、第2四重極電極および第4四重極電極は、前記上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線、および上部基板の上面および/または下部基板の下面に形成された電極・配線(上部基板上面電極・配線および/または下部基板下面電極・配線))を有し、前記上部基板上面電極・配線および前記下部基板下面電極・配線から高周波電圧および/または直流電圧を印加することを特徴とする、請求項15〜19のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項21

前記第2四重極電極および第4四重極電極は主基板に形成された貫通室内に積層された導電体膜であり、前記導電体膜の一部はメッキ膜であることを特徴とする、請求項15〜20のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項22

質量分析室は、磁場印加型であり、質量分析室を形成する主基板の上部に付着した上部基板の上側に配置された1つまたは複数のコイルおよび/または質量分析室を形成する主基板の下部に付着した下部基板の下側に配置された1つまたは複数のコイルにより、主基板の基板面に対して垂直方向の磁場が発生することによって、荷電粒子の軌道が変化することを用いたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項23

質量分析室は、磁場印加型であり、質量分析室を形成する主基板の上部に付着した上部基板の上側および/または前記主基板の下部に付着した下部基板の下側に配置された電磁石により、主基板の基板面に対して垂直方向の磁場が発生することによって、荷電粒子の軌道が変化することを用いたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の質量分析装置。質量分析装置。

請求項24

上部基板の上側および/または下部基板の下側に配置される1つまたは複数のコイルは、第2主基板に積層により形成されたものであることを特徴とする、請求項22または23に記載の質量分析装置。

請求項25

荷電粒子は、荷電粒子引き出し室または荷電粒子加速室から質量分析室に出射され、荷電粒子引き出し室または荷電粒子加速室と質量分析室との間には、中央孔を有する基板側壁板(前方基板側壁板)が配置され、荷電粒子は前記前方基板側壁板の中央孔を通って質量分析室へ出射されることを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項26

質量分析室を出た荷電粒子はイオン検出室イオン検出され、前記イオン検出室は主基板に形成された貫通室であり、質量分析室とイオン検出室との間には、中央孔を有する基板側壁板(後方基板側壁板)が配置され、荷電粒子は前記後方基板側壁板の中央孔を通ってイオン検出室側へ出射されることを特徴とする、請求項22〜25のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項27

荷電粒子は、磁場により360度方向曲げられることを特徴とし、イオン検出室は360度の領域において、複数配置されることを特徴とする、請求項22〜26のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項28

質量分析室は、電場印加型をさらに付加した二重収束型であり、前記電場印加型における荷電粒子が通過する領域は、主基板に形成され、上面(Z方向)が上部基板に下面(Z方向)が下部基板に側面(Y方向)が主基板側面に囲まれた扇型形状の貫通室(扇型領域貫通室)を含む貫通室(電場印加型貫通室)であり、電場印加型貫通室のX方向は中央孔を有する基板側壁板により囲まれており、荷電粒子は一方の基板側壁板の中央孔より侵入し、電場印加型貫通室で荷電粒子の軌道が曲げられて、他方の基板側壁板の中央孔より出射することを特徴とし、電場印加型貫通室は、中心軌道半径R0、中心角がα、中心軌道から一定距離d0の対面する主基板両側面に電極が形成され、荷電粒子は両側面に形成された電極に印加された電圧により発生する電界によって曲げられることを特徴とする、請求項22〜27のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項29

電場印加型貫通室における側面電極は、CVD法またはPVD法により積層された導電体膜にさらにメッキ膜を積層したものであることを特徴とし、側面電極と接続するコンタクト配線は、電場印加型貫通室の上面に付着した上部基板に形成され、上部基板の上面に形成された電極・配線に接続し、および/または電場印加型貫通室の下面に付着した下部基板に形成され、下部基板の下面に形成された電極・配線に接続することを特徴とする、請求項28に記載の質量分析装置。

請求項30

荷電粒子が進入サイクロトロン運動をする貫通室(ICR室)は、イオン源からの荷電粒子の進入口である中央孔を有する基板側壁板(引き出し電極用基板側壁板)、荷電粒子の進行方向にあり、引き出し電極用基板側壁板と対面し、サイクロトロン運動した荷電粒子が衝突する基板側壁(トラップ電極用基板側壁)、ICR室の上部に付着する上部基板、およびICR室の下部に付着する下部基板、荷電粒子と進行方向と略平行な2つの基板側壁(レシーバー電極用基板側壁)により囲まれており、引き出し電極用基板側壁板の表面は荷電粒子を中央孔からICR室へ引き寄せる引き出し電極となる導電体膜電極が形成されており、トラップ電極用基板側壁の表面は荷電粒子をトラップする電圧が印加される導電体膜電極が形成されており、上部基板および下部基板には荷電粒子を励起する電圧が印加される導電体膜電極が形成されていることを特徴とし、ICR室において、荷電粒子の進行方向となる引き出し電極からトラップ電極へ向かう方向に平行な磁場が印加されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項31

前記磁場を発生させるコイル配線は、上部基板および下部基板に密着して形成され、さらに、主基板の外側側面に密着して形成されているか、または主基板および上部基板および下部基板の内部に形成されていることを特徴とする、請求項30に記載の質量分析装置。

請求項32

上部基板上に支柱基板が付着し、さらに支柱基板の上に第2上部基板が付着しており、下部基板上に支柱基板が付着し、さらに支柱基板の上に第2下部基板が付着しており、前記磁場を発生させるコイル配線は、上部基板および下部基板に密着して形成され、さらに、主基板の外側側面に密着して形成されており、さらに、ICR室内の引き出し電極、トラップ電極、2つの対向するイオン励起電極、および2つの対向するレシーバー電極と接続する電極配線は、上部基板および/または下部基板に形成されるとともに、上部基板、支柱基板、および第2上部基板に囲まれた空間内に存在するか、および/または下部基板、支柱基板、および第2下部基板に囲まれた空間内に存在し、さらにそれらの電極配線は、第2上部基板上および/または第2下部基板上に形成された電極配線と接続しており、コイルに接続する電極は第2上部基板上および/または第2下部基板上に形成された電極配線と接続していることを特徴とする、請求項30または31に記載の質量分析装置。

請求項33

荷電粒子を発生させる荷電粒子発生室は、上部が上部基板に、下部が下部基板に付着した主基板に形成された2つの貫通室(荷電粒子発生室1、2)を含み、荷電粒子発生室1および荷電粒子発生室2は中央孔を有する基板側壁板(第1基板側壁板)で隔てられた隣室同士であり、上部基板に開口された開口部から挿入された試料板は荷電粒子発生室1に配置され、上部基板に開口された開口部からレーザービームが前記試料板に付着した試料照射されることにより、試料が粒子状に分解され、分解された粒子分解粒子)は基板側壁板が有する中央孔を通り荷電粒子発生室2に入りレーザー光電子ビームシンクロトロン放射光X線から選択された1つのイオン化ビームが上部基板または下部基板の外側から荷電粒子発生室2内に存在する前記分解粒子へ照射されることにより荷電粒子が発生することを特徴とし、荷電粒子発生室2の隣には中央孔を有する基板側壁板(第2基板側壁板)で隔てられた引き出し電極・加速室があり、引き出し電極・加速室は、上部が上部基板に、下部が下部基板に付着した主基板に形成された貫通室であり、荷電粒子発生室2の内面において、上部基板および下部基板、および/または第1基板側壁板の側面、および/または第2基板側壁板の側面、および/または他の2つの基板側壁の側面に導電体膜電極が形成され、前記導電体膜電極は上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線に接続し、さらに前記コンタクト配線は上部基板および/または下部基板の外表面に形成された導電体膜電極・配線に接続することを特徴とし、前記導電体膜電極に印加された電圧と同符号の荷電粒子は、引き出し電極・加速室に配置された引き出し電極により第2基板側壁板が有する中央孔を通って引き出し電極・加速室に引き寄せられることを特徴とし、前記引き出し電極・加速室に入った荷電粒子は、前記引き出し電極・加速室から出て質量分析室に入ることを特徴とする、請求項1〜32のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項34

荷電粒子発生室1において、試料板の背面は基板側壁の側面に密着して配置され、前記基板側壁には中央孔が備わり、さらの当該中央孔には上部基板または下部基板の開口部につながる主基板の厚み方向の空洞がつながり、当該上部基板または下部基板の開口部から真空引きされて試料板は基板側壁の側面に吸着されることを特徴とする、請求項33に記載の質量分析装置。

請求項35

荷電粒子を発生させる荷電粒子発生室は、上部が上部基板に、下部が下部基板に付着した主基板に形成された2つの貫通室(荷電粒子発生室1、2)を含み、荷電粒子発生室1および荷電粒子発生室2は中央孔を有する基板側壁板(第1基板側壁板)で隔てられた隣室同士であり、上部基板に開口された開口部から挿入された試料板は荷電粒子発生室1に配置され、荷電粒子発生室1において、試料板の背面は基板側壁の側面に密着して配置され、前記基板側壁には中央孔が備わり、さらの当該中央孔には上部基板または下部基板の開口部につながる主基板の厚み方向の空洞がつながり、当該上部基板または下部基板の開口部から真空引きされて試料板は基板側壁の側面に吸着され、前記基板側壁側面に導電体膜が形成され、前記基板側壁側面に形成された導電体膜は上部基板および/または下部基板の荷電粒子発生室1側の表面に形成された導電体膜と接続し、その導電体膜はさらに上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線に接続し、そのコンタクト配線はさらに上部基板および/または下部基板の外側表面に形成された導電体膜電極配線に接続し、その導電体膜電極配線から導電体である試料板に電圧が印加されており、上部基板に開口された開口部からレーザービームが前記試料板に付着した試料に照射されることにより、試料が粒子状に分解されて荷電粒子が発生し、試料板の電荷と同符号の荷電粒子は試料板から飛び出し、試料板と対面する方向に中央孔を有する基板側壁板(第3基板側壁板)が配置され、第3基板側壁板の表面には導電体膜が形成され、前記第3基板側壁板表面に形成された導電体膜は上部基板および/または下部基板の荷電粒子発生室1側の表面に形成された導電体膜と接続し、その導電体膜はさらに上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線に接続し、そのコンタクト配線はさらに上部基板および/または下部基板の外側表面に形成された導電体膜電極配線に接続し、その導電体膜電極配線から第3基板側壁板表面導電体に形成された導電体膜に試料板に印加された電圧と逆の電圧が印加され、試料板から飛び出した荷電粒子を引き出して、前記荷電粒子は、第3基板側壁板に形成された中央孔を通り、さらに第1基板側壁板の中央孔を通って荷電粒子発生室2に入り、荷電粒子発生室2の内面において、上部基板および下部基板、および/または第1基板側壁板の側面、および/または第2基板側壁板の側面、および/または他の2つの基板側壁の側面、および/または第1基板側壁板の中央孔の内面に導電体膜電極が形成され、前記導電体膜電極は上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線に接続し、さらに前記コンタクト配線は上部基板および/または下部基板の外表面に形成された導電体膜電極・配線に接続することを特徴とし、前記導電体膜電極に印加される電圧は荷電粒子と同符号の電圧であり、当該電圧を調整することによって、荷電粒子を収束し、荷電粒子発生室2と隣室を隔てる基板側壁板(第2基板側壁板)が有する中央孔を通って隣室へ入射することを特徴とし、前記第2基板側壁板が有する中央孔を通った荷電粒子は質量分析室に入ることを特徴とする、請求項1〜32のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項36

主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した貫通室をイオン化室とし、前記イオン化室へ接続する中央孔を有し、前記中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、中央孔内面に導電体膜(第2導電体膜)が形成され、イオン化室内面に導電体膜(第1導電体膜)が形成され、第1導電体膜および第2導電体膜はイオン化室主基板の側面に形成された導電体膜により接続され、第1導電体膜は上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続することを特徴とし、試料液または試料ガスは、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、イオン化室への出口スプレーガスとしてイオン化室へ導入することを特徴とし、上部基板および/または下部基板に形成された外側電極から電圧を印加することにより中央孔内面に形成された導電体膜に電圧が印加され、これによりイオン化室の出口部で噴出したガス(スプレーガス)はイオン化することを特徴とする、イオン化法

請求項37

主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した貫通室をイオン化室とし、前記イオン化室へ接続する中央孔を有し、前記中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、中央孔内面において上部および下部に平行平板導電体膜電極、または中央孔内面において2つの側面に平行平板導電体膜電極が形成され、それぞれの平行平板導電体膜電極はイオン化室内側面に形成された導電体膜を通して、イオン化室内の上部基板および下部基板に形成した導電体膜に接続し、さらに上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続することを特徴とし、試料液または試料ガスは、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、イオン化室への出口でスプレーガスとしてイオン化室へ導入することを特徴とし、上部基板および/または下部基板に形成された外側電極から高周波電圧を印加することにより中央孔内面に形成された導電体膜に高周波電圧が印加され、これによりイオン化室の出口部で噴出したガス(スプレーガス)はイオン化することを特徴とする、イオン化法。

請求項38

イオン化室の周囲の一部を囲む凹部および開口部を主基板および、上部基板および/または下部基板に形成し、この凹部に冷却用または加熱用媒体を通すことにより、イオン化室および/または中央孔を冷却または加熱を行なうことを特徴とする、請求項36または37に記載の質量分析装置。

請求項39

上部基板および/または下部基板に形成した導電体膜の一部を用いてイオン化室を加熱することを特徴とする、請求項36〜38のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項40

中央孔に形成した導電体膜の一部を用いてイオン化室を加熱する、請求項36〜38のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項41

引き出し電極室と対面する基板側壁板または基板側壁に導電体膜電極を設けて、当該導電体膜電極にイオンと同符号の電圧を印加することにより、イオンを引き出し電極室へ押し出すことを特徴とする、請求項36〜40のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項42

主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した1つの貫通室をイオン化室とし、イオン化室の隣に主基板に形成した貫通室である加熱室を設けて、イオン化室と加熱室は中央孔(第2中央孔)を有する基板側壁板で仕切られているか、またはイオン化室と加熱室とは同じ貫通室であり仕切る基板側壁板はないかであり、前記加熱室へ接続する中央孔(第1中央孔)を有し、第1中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、中央孔内面に導電体膜(第2導電体膜)が形成され、加熱室内面に導電体膜(第1導電体膜)が形成され、第1導電体膜および第2導電体膜は加熱室主基板の側面に形成された導電体膜により接続され、第1導電体膜は上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続することを特徴とし、試料液または試料ガスは、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、加熱室への出口でスプレーガスとして加熱室へ導入することを特徴とし、上部基板および/または下部基板に形成された外側電極から電圧を印加し、第1導電体膜へ電流を流して第1導電体膜を加熱することにより加熱室を加熱することを特徴とし、イオン化室において、上部基板および/または下部基板に尖塔電極を配置して、前記尖塔電極は上部基板および/または下部基板に形成したコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成した外側電極に接続し、外側電極に電圧を印加することによって、尖塔電極で放電させて加熱されたスプレーガスをイオン化することを特徴とするイオン化法。

請求項43

イオン化室の周囲の一部を囲む凹部および開口部を主基板および、上部基板および/または下部基板に形成し、この凹部に冷却用または加熱用媒体を通すことにより、イオン化室および/または中央孔を冷却または加熱を行なうことを特徴とする、請求項42に記載の質量分析装置。

請求項44

上部基板および/または下部基板に形成した導電体膜の一部を用いてイオン化室を加熱する、請求項42または43に記載の質量分析装置。

請求項45

中央孔に形成した導電体膜の一部を用いてイオン化室を加熱することを特徴とする、請求項42〜44のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項46

引き出し電極室と対面する基板側壁板または基板側壁に導電体膜電極を設けて、当該導電体膜電極にイオンと同符号の電圧を印加することにより、イオンを引き出し電極室へ押し出すことを特徴とする、請求項42〜45のいずれか1項に記載の質量分析装置。

請求項47

主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した貫通室をイオン化室とし、前記イオン室へ接続する中央孔(第1中央孔)を有し、第1中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、試料液は、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、イオン化室への出口でマトリックスが形成され、マトリックスへ上部基板または下部基板に形成された開口部を通して、外側からレーザーまたは高速原子ビームを照射し、その結果マトリックス中の分子がイオン化することを特徴とする、イオン化法。

請求項48

主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した貫通室をイオン化室とし、前記イオン室へ接続する中央孔(第1中央孔)を有し、第1中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、試料液は、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、イオン化室への出口でマトリックスが形成され、イオン化室の隣にレーザーまたは高速原子ビーム室が配置され、レーザーまたは高速原子ビーム室からレーザーまたは高速原子ビーム室がマトリックスへ照射され、その結果マトリックス中の分子がイオン化することを特徴とする、イオン化法。

請求項49

イオン化室に隣接して主基板に形成した貫通室は引き出し電極室であり、引き出し電極室とイオン化室は中央孔(第2中央孔)を有する基板側壁板で仕切られており、基板側壁板と対面する基板側壁の側面に導電体膜電極が形成され、導電体膜はイオンと同符号の電圧が印加され、発生したイオンは当該導電体膜電極により押し出されて基板側壁板の第2中央孔を通って引き出し電極室へ出射されることを特徴とする、請求項47または48に記載のイオン化法。

請求項50

イオン化室の周囲の一部を囲む凹部および開口部を主基板および、上部基板および/または下部基板に形成し、この凹部に冷却用または加熱用媒体を通すことにより、イオン化室および/または中央孔を冷却または加熱を行なうことを特徴とする、請求項47〜49のいずれか1項に記載のイオン化法。

請求項51

中央孔内面および/または貫通室内面に導電体膜を形成し、当該導電体膜に電流を流して発熱させて、中央孔および/または貫通室を加熱することを特徴とする、請求項47〜50のいずれか1項に記載のイオン化法。

請求項52

主基板の上面を上部基板が、主基板の下面を下部基板が付着し、主基板にリング電極が形成され、リング電極の中央に形成された貫通室はイオントラップ室であり、イオントラップ室の上部は、上部基板に形成された上部電極(イオントラップ上部電極)が配置され、イオントラップ室の下部は、下部基板に形成された下部電極(イオントラップ下部電極)が配置され、リング電極は、主基板のリング形状に導電体膜(リング導電体膜電極)を形成し、リング導電体膜電極は、上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続し、イオントラップ上部電極およびイオントラップ下部電極は、上部基板および下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および下部基板に形成された外側電極に接続し、リング電極は、中央孔を有する主基板であり、イオントラップ室の隣に配置された一方の貫通室であるイオン化室または引き出し電極・加速電極室とイオントラップ室の間に配置され、またイオントラップ室の隣に配置された他方の貫通室であるイオン検出室とイオントラップ室の間に配置され、一方の中央孔はイオン化室からイオントラップ室に接続し、他方の中央孔はイオントラップ室からイオン検出室に接続し、リング導電体膜電極、イオントラップ上部電極、およびイオントラップ下部電極に所定の電圧を印加することによって、イオン化室または引き出し電極・加速電極室からイオントラップ室に接続した中央孔を通ってイオントラップ室に入ったイオンはイオントラップ室に捕捉され、さらに捕捉されたイオンは、イオントラップ室からイオン検出室に接続した中央孔を通ってイオン検出室に出射され、イオン検出されることを特徴とする、イオントラップ型質量分析装置

請求項53

主基板の上面を上部基板が、主基板の下面を下部基板が付着し、主基板にリング電極が形成され、リング電極の中央に形成された貫通室はイオントラップ室であり、イオントラップ室の上部は、上部基板に形成された上部電極(イオントラップ上部電極)が配置され、イオントラップ室の下部は、下部基板に形成された下部電極(イオントラップ下部電極)が配置され、リング電極は、主基板のリング形状に導電体膜(リング導電体膜電極)を形成し、リング導電体膜電極は、上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続し、イオントラップ上部電極およびイオントラップ下部電極は、上部基板および下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および下部基板に形成された外側電極に接続し、リング電極は、中央孔を有する主基板であり、イオントラップ室の上部に配置された一方の貫通室であるイオン化室または引き出し電極・加速電極室とイオントラップ室の間に配置され、またイオントラップ室の隣に配置された他方の貫通室であるイオン検出室とイオントラップ室の間に配置され、一方の中央孔はイオン化室からイオントラップ室に接続し、他方の中央孔はイオントラップ室からイオン検出室に接続し、リング導電体膜電極、イオントラップ上部電極、およびイオントラップ下部電極に所定の電圧を印加することによって、イオン化室または引き出し電極・加速電極室からイオントラップ室に接続した中央孔を通ってイオントラップ室に入ったイオンはイオントラップ室に捕捉され、さらに捕捉されたイオンは、イオントラップ室からイオン検出室に接続した中央孔を通ってイオン検出室に出射され、イオン検出されることを特徴とする、イオントラップ型質量分析装置。

請求項54

上面から下面に貫通する複数の貫通室を有する主基板、主基板の上面に付着した上部基板、主基板の下面に付着した下部基板、貫通室を仕切る中央孔を有する基板側壁板を含む加速装置であって、荷電粒子は貫通室および基板側壁板の中央孔を通ることを特徴とする加速装置。

請求項55

加速装置は、荷電粒子発生機構線形加速機構を含み、荷電粒子発生機構、線形加速機構は貫通室に形成されることを特徴とする、請求項54に記載の加速装置。

請求項56

貫通室内に形成される電極および配線は、CVD法、PVD法、メッキ法、電鋳法から選択された1つまたは複数の方法により積層された導電体膜であり、上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極と接続することを特徴とする、請求項53または請求項55に記載の加速装置。

請求項57

線形加速機構は、中央孔を有する基板側壁板に導電体膜を形成した電極(基板側壁板電極)を複数配置して構成され、前記基板側壁板電極に静電圧または高周波電圧を印加することにより、荷電粒子を加速または減速集束)させることを特徴とする、請求項54〜請求項56のいずれか1項に記載の加速装置。

請求項58

加速装置は、さらに減速(集束)機構を有しており、減速(集束)機構は、中央孔を有する基板側壁板に導電体膜を形成した電極(基板側壁板電極)を複数配置して構成され、前記基板側壁板電極に荷電粒子と逆電圧を印加することにより、荷電粒子を減速(集束)させることを特徴とする、請求項54〜請求項57のいずれか1項に記載の加速装置。

請求項59

加速装置は、さらに減速(集束)機構を有しており、減速(集束)機構は、四極磁石で行なうことを特徴とする、請求項54〜請求項58のいずれか1項に記載の加速装置。

請求項60

四極磁石は、荷電粒子の通路である基板内に作製した貫通室を有する基板の外側から縦方向(基板面に対して垂直方向)において上下方向に電磁石を配置し、荷電粒子の通路である基板内に作製した貫通室を有する基板の外側から横方向(垂直方向に対して直角方向)において両側に電磁石を配置することを特徴とする、請求項59に記載の加速装置。

請求項61

電磁石を横方向に配置する場合において、電磁石の配置場所における基板領域を切断して、その開口部に電磁石を配置することを特徴とする、請求項60に記載の加速装置。

請求項62

切断方法は、レーザーダイシングまたは高圧液体ジェットダイシングであることを特徴とする、請求項61に記載の加速装置。

請求項63

コイルを貫通室の両側の主基板内に配置することを特徴とする、請求項60に記載の加速装置。

請求項64

コイルは、上下基板および主基板を貫通する貫通孔内に導電体膜(貫通孔配線)を形成し、上下基板で貫通孔配線を結線する配線を形成してコイル配線を形成し、コイルの両端電極は上部基板および/または下部基板に形成されることを特徴とする、請求項63に記載の加速装置。

請求項65

貫通室(荷電粒子収束用貫通室)の両側に貫通室(コイル配置用貫通室)を形成し、コイル配置用貫通室へコイルを挿入してコイルを荷電粒子収束用貫通室の両側に配置することを特徴とする、請求項63に記載の加速装置。

請求項66

コイルは、支持基板に付着したコイルをコイル配置用貫通室に挿入して配置することを特徴とする、請求項65に記載の加速装置。

請求項67

コイルをコイル配置用貫通室の上部および下部に配置することを特徴とする、請求項59〜請求項66のいずれか1項に記載の加速装置。

請求項68

コイルは上部基板および下部基板に密着または接近して配置することを特徴とする、請求項67に記載の加速装置。

請求項69

コイルを形成した基板(コイル形成基板)を上部基板および下部基板に付着させてコイルを配置することを特徴とする、請求項68に記載の加速装置。

技術分野

0001

本発明は、加速器を用いた加速装置およびその製造方法に関する。たとえば、シンクロトロンマイクロトロン線形加速器質量分析装置イオン注入装置に関する。

背景技術

0002

加速装置は、陽子同士を衝突させて物質成立を知るために使用したり、加速粒子軌道曲げたときに発生する放射光を用いた微細パターン形成に使用したり、半導体の表面にイオン打ち込むイオン注入を行ない活性層表面改質を行なったり、物質から出るイオンを質量分析して物質の組成や構造を調査したり、ガン細胞荷電粒子打ち込み破壊するなど人間の病気治療に利用したりするなど、様々な分野で利用されている。
しかし、加速粒子の運動には超真空(10−3〜10−6torr以下)が必要であり、高速の加速粒子にはかなり大きなサイズの空洞(たとえば、500mm以上)が必要であり、その中を通る加速粒子を加速したり、曲げたり、収束するには、大きな電場や大きな磁場を発生する電場発生装置磁場発生装置が必要である。たとえば、荷電粒子を加速するには静電レンズを用いるが、数枚の静電レンズ(加速電極)を正確に平行にして荷電粒子の通る孔を正確にそろえなければならないので、それなりに大きなサイズの電極(たとえば、孔サイズ20mm径以上、電極サイズ300mm径以上)が必要で、しかもそれらを超真空の空洞内に入れる必要がある。従って、真空系も大きくなり、真空ポンプもかなり大きくて性能の良いものを使用する必要がある。さらに、磁場発生装置はその空洞(真空ライン)に入れるほどの大きさにすることができないため、しかもその空洞を囲む側壁も存在するため、目標とする荷電粒子までの距離が長くなる(たとえば、500mm以上)ので、大きな磁場発生装置が必要となる。そのような大きな磁場発生装置を超伝導材料電磁石を用いて小さくしても冷却システムが大きくなるので、全体の磁場発生装置のサイズは殆ど変わらない。
近年、国際リニアコライダ(ILC)を日本で建設しようという計画が出ているが、この建設には1兆円以上の費用がかかり、その維持費も500億円/年はかかるので、その建設も決断できないでいる。

0003

さらに、近年、食の安全性が叫ばれているが、食品飲料水に含まれている物質を簡便に迅速に、しかも個人で知ることは困難である。福島原発事故による土壌等の環境汚染がどの程度身近に迫っているか、個人では把握する術がない。知らない間に人間は放射能毒物汚染され、気が付いた時には深刻な事態となっていることも多い。現状の装置では、サイズが大きく、重く、携帯できる精密分析装置はない。しかも装置価格が高いため入手が困難である。
犯罪も複雑化し原因特定犯人特定まで長期間要しているが、犯罪現場で迅速な分析が行なわれていれば、迅速に解決されるケースも多い。たとえば、昨今脱法ドラッグによる事故や犯罪が問題になるが、販売店摘発が追いつかない理由は現物現場押さえられないからである。そのために、その場で正確で精度の高い分析ができる測定装置が求められている。
考古学環境科学等の現地調査を行ないながら科学研究を進める分野では、携帯用の精度の高い質量分析があれば、飛躍的に研究が前進する。また、装置が安価で小型であれば、大量な試料の分析を短時間に処理できるようになる。

先行技術

0004

特開2003-036996
特公平5-36902

発明が解決しようとする課題

0005

従来の加速装置は、荷電粒子を加速したり、曲げたり、また収束したりするために大きなサイズの電場発生装置や磁場発生装置を用いている。それらを精密に位置合わせする技術もかなり高度となり、加速装置の作製は手作りであるので、大量に安く早く作ることは不可能であった。
また、超小型軽量で携帯可能であり、現場で簡便に迅速に測定できる質量分析装置を提供する。しかも価格も従来品より格段に安価であり、さらに測定精度も従来と同等以上である。具体的には、半導体・MEMS技術により、4〜8インチ基板(このサイズより大きな基板でも良い)を用いて、当該基板内試料供給部・イオン化部・引き出し電極部・質量分析部(二重収束型)・イオン検出部を持つ高性能・高精度・超小型の質量分析装置を作製する。超小型軽量で、携帯可能であり、その場分析も可能なので、137Cs等の放射性元素等の現地計測家庭での食品・飲料水分析も迅速に行なうことができる。従来型の1/10〜1/100のコストになるので、1台/1人の質量分析装置を持つ時代を実現し、安全安心社会を作ることが求められている。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、Si基板等の半導体基板等に形成された貫通室の上下を、ガラス基板石英基板等の絶縁基板で塞ぎ、その貫通室を加速イオン等の荷電粒子の通り道とし、かつその貫通室の中に引き出し電極、加速電極、加速空洞四重極電極、四重極トラップ等の加速装置や質量分析装置等に必要なものをLSIプロセスを用いて形成する。
具体的には、本発明は次のような特徴を有する。
(1)
本発明は、第1主基板、第1主基板の上面に付着した第1上部基板、および第1主基板の下面に付着した第1下部基板を含む複数の基板から構成される質量分析装置であって、質量分析室は、<ここからは後>
第1主基板に形成された、第1主基板の上面から第1主基板の下面へ貫通する貫通室であり、基板面に垂直方向(Z方向)が上部基板および下部基板に、Z方向と直角方向でありかつ荷電粒子の進行方向(X方向)の両側は第1主基板側板に、およびZ方向およびX方向に直角方向(Y方向)の両側面は第1主基板に囲まれており、荷電粒子の入射する第1主基板側板は中央孔が空いていて、荷電粒子は前記第1主基板側板に形成された中央孔より質量分析室へ入射することを特徴とする質量分析装置であり、
第1主基板は、絶縁体基板、半導体基板、導電体基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、
上部基板および下部基板は、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板アルミナ基板AlN基板セラミック基板高分子基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、
前記主基板が絶縁体基板である場合は、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、アルミナ基板、AlN基板、セラミック基板、高分子基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、
前記主基板が半導体基板である場合は、Si基板、SiC基板、C基板、GaAS基板、InP基板GaN基板CdS基板、2元化合物半導体、3元化合物半導体、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、
前記主基板が半導体基板である場合は、導電体基板である場合は、Cu、Al、Ti、Zn、Fe、これらの金属を含む合金、またはこれらの積層基板であることを特徴とする。

0007

(2)
本発明は、質量分析室は四重極質量分析室であり、質量分析室において、
前記上部基板の下面に付着または形成した2本の四重極電極および前記下部基板の上面に付着または形成した2本の四重極電極を有し、
前記上部基板の下面に配置した2本の四重極電極に接続する上部基板に形成されたコンタクト配線(上部基板コンタクト配線)および前記上部基板コンタクト配線に接続する上部基板上面に形成された電極・配線(上部基板上面電極・配線)、並びに
前記下部基板の上面に配置した2本の四重極電極に接続する下部基板に形成されたコンタクト配線(下部基板コンタクト配線)および前記下部基板コンタクト配線に接続する下部基板下面に形成された電極・配線(下部基板下面電極・配線)を有し、
前記上部電極・配線および前記下部電極・配線から高周波電圧および/または直流電圧印加することを特徴とする質量分析装置であり、
上部基板の下面に配置された2つの四重極電極および下部基板の上面に配置された2つの四重極電極のうち、互いに隣り合わない2つの四重極電極の間の距離はほぼ同じであり、それらの間の中点はほぼ一致することを特徴とし、
上部基板の下面に配置された2つの四重極電極および下部基板の上面に配置された2つの四重極電極のうち、互いに隣り合う2つの四重極電極の間の距離はほぼ同じであることを特徴とする。

0008

(3)
本発明は、上部基板(第1上部基板)上または上方に第2主基板が付着し、さらに第2主基板上に第2の上部基板(第2上部基板)が付着し、前記貫通室(第1貫通室)の上部において第2主基板に第2上部基板から第1上部基板へ貫通する貫通室(第2貫通室)が形成され、第1貫通室と第2貫通室との間の第1上部基板の一部に開口部が設けられており、前記開口部は第1上部基板の下面に配置した2つの四重極電極の間に形成されており、前記第1上部基板の下面に配置した四重極電極に接続する第1上部基板上に形成された電極・配線は、第2貫通室側面に形成された配線(第2配線)に接続し、第2配線は第2上部基板下面に形成された電極・配線に接続し、さらに第2上部基板下面に形成された電極・配線は第2上部基板に形成されたコンタクト配線(第2上部基板コンタクト配線)に接続し、第2上部基板コンタクト配線は第2上部基板上に形成された電極・配線(第2上部電極・配線)に接続することを特徴とし、
下部基板(第1下部基板)の下面にまたは下方に第3主基板が付着し、さらに第3主基板の下面に第2の下部基板(第2下部基板)が付着し、前記貫通室(第1貫通室)の下部において第3主基板に第2下部基板から第1下部基板へ貫通する貫通室(第3貫通室)が形成され、第1貫通室と第3貫通室との間の第1下部基板の一部に開口部が設けられており、前記開口部は第1下部基板の上面に配置した2つの四重極電極の間に形成されており、
前記第1下部基板の上面に配置した四重極電極に接続する第1下部基板の下面に形成された電極・配線は、第3貫通室側面に形成された配線(第3配線)に接続し、第3配線は第2下部基板上面に形成された電極・配線に接続し、さらに第2下部基板上面に形成された電極・配線は第2下部基板に形成されたコンタクト配線(第2下部基板コンタクト配線)に接続し、第2下部基板コンタクト配線は第2上部基板の下面に形成された電極・配線(第2下部電極・配線)に接続することを特徴とし、
前記第2上部電極・配線および前記第2下部電極・配線から高周波電圧および/または直流電圧を印加することを特徴とする質量分析装置であり、
第2上部基板および第2下部基板は、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、アルミナ基板、AlN基板、セラミック基板、高分子基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、
前記第2主基板および第3主基板が絶縁体基板である場合は、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、アルミナ基板、AlN基板、セラミック基板、高分子基板、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、
前記第2主基板および第3主基板が半導体基板である場合は、Si基板、SiC基板、C基板、GaAS基板、InP基板、GaN基板、CdS基板、2元化合物半導体、3元化合物半導体、またはこれらの積層基板であることを特徴とし、
前記第2主基板および第3主基板が半導体基板である場合は、導電体基板である場合は、Cu、Al、Ti、Zn、Fe、これらの金属を含む合金、またはこれらの積層基板であることを特徴とする。

0009

(4)
本発明は、質量分析室は四重極質量分析室であり、質量分析室の上部に付着した上部基板の上面に1本の四重極電極が配置され、質量分析室の下部に付着した下部基板の下面に1本の四重極電極が配置され、質量分析室の隣に設けた主基板に形成された左右の貫通室のそれぞれに1本の四重極電極が配置されていることを特徴とする質量分析装置であり、
質量分析室の隣に主基板に形成された左右の貫通室は、質量分析室との間に基板側壁が存在することを特徴とし、
四重極電極は、棒材であり、当該棒材を上部基板、下部基板、および主基板の所定箇所に付着させたものであることを特徴とし、
四重極電極は、上部基板または下部基板にCVD法PVD法、メッキ法電鋳法スクリーン印刷スキージ法スピンコート法ディスペンス法、またはこれらの組合せ法により積層し、所定形状に加工した導電体膜電極であることを特徴し、
質量分析室は四重極質量分析室であり、質量分析室の上部に付着した上部基板の下面であって質量分析室側の面に付着または形成した2本の四重極電極が配置され、質量分析室の下部に付着または形成した下部基板の上面であって質量分析室側の面に付着した2本の四重極電極が配置されていることを特徴とする質量分析装置であり、
2本の四重極電極を付着または形成した上部基板(第1上部基板)の上方にさらに貫通室(第2貫通室)が形成され、第2貫通室の上部に第2上部基板が付着し、前記質量分析室(第1貫通室)と第2貫通室との間にある第1上部基板の一部が除去されて、第1貫通室と第2貫通室の圧力は、ほぼ同じであることを特徴とし、
2本の四重極電極を付着または形成した下部基板(第1下部基板)の下方にさらに貫通室(第3貫通室)が形成され、第3貫通室の下部に第2下部基板が付着し、前記質量分析室(第1貫通室)と第3貫通室との間にある第1下部基板の一部が除去されて、第1貫通室と第3貫通室の圧力は、ほぼ同じであることを特徴とする。
(5)
本発明は、質量分析室は、上部基板の下面に付着または形成した1本の四重極電極(第1四重極電極)、下部基板の上面に付着または形成した1本の四重極電極(第2四重極電極)、質量分析室の一方の側面の基板の一部が質量分析室内のY方向に伸び、その伸びた側面の基板の上面または下面に付着または形成した1本の四重極電極(第3四重極電極)、および質量分析室の他方の側面の基板の一部が質量分析室内のY方向に伸び、その伸びた側面の基板の上面または下面に付着または形成した1本の四重極電極(第4四重極電極)を含むことを特徴とし、
上部基板は、第1四重極電極に接続するコンタクト配線(第1上部基板コンタクト配線)およびその上面に前記第1コンタクト配線に接続する電極・配線(第1上部基板電極・配線)を有し、
下部基板は、第2四重極電極に接続するコンタクト配線(第1下部基板コンタクト配線)およびその下面に前記第2コンタクト配線に接続する電極・配線(第1下部基板電極・配線)を有し、
第3四重極電極が付着または形成した側面基板は、第3四重極電極と接続する配線を有し、その配線は主基板の側面に形成された配線に接続し、さらにその側面に形成された配線は上部基板または下部基板に形成された配線に接続し、さらにその配線は上部基板または下部基板に形成されたコンタクト配線(第2上部基板コンタクト配線または第2下部基板コンタクト配線)に接続し、さらにその第2上部基板コンタクト配線または第2下部基板コンタクト配線は上部基板の上面または下部基板の下面に形成された電極・配線(第2上部基板電極・配線または第2下部基板電極・配線)に接続することを特徴とする。

0010

(6)
本発明は、前記上部基板(第1上部基板)の上方にさらに貫通室(第2貫通室)が形成され、第2貫通室の上部に第2上部基板が付着し、前記質量分析室(第1貫通室)と第2貫通室との間にある第1上部基板の一部が除去されて、第1貫通室と第2貫通室の圧力は、ほぼ同じであることを特徴とし、
前記下部基板(第1下部基板)の下方にさらに貫通室(第3貫通室)が形成され、第3貫通室の下部に第2下部基板が付着し、前記質量分析室(第1貫通室)と第3貫通室との間にある第1下部基板の一部が除去されて、第1貫通室と第3貫通室の圧力は、ほぼ同じであることを特徴とし、
質量分析室は四重極質量分析室であり、質量分析室において、
前記上部基板の下面に付着または形成した四重極電極(第1四重極電極)および前記下部基板の上面に付着または形成した四重極電極(第3四重極電極)を有し、
前記上部基板の下面に配置した四重極電極(第1四重極電極)に接続する上部基板に形成されたコンタクト配線(上部基板コンタクト配線)および前記上部基板コンタクト配線に接続する上部基板上面に形成された電極・配線(上部基板上面電極・配線)、並びに
前記下部基板の上面に配置した四重極電極(第3四重極電極)に接続する下部基板に形成されたコンタクト配線(下部基板コンタクト配線)および前記下部基板コンタクト配線に接続する下部基板下面に形成された電極・配線(下部基板下面電極・配線)を有し、
前記主基板のY方向の2つの側面に形成した四重極電極(第2四重極電極および第4四重極電極)を有し、
第2四重極電極および第4四重極電極は、前記上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線、および上部基板の上面および/または下部基板の下面に形成された電極・配線(上部基板上面電極・配線および/または下部基板下面電極・配線))を有し、
前記上部基板上面電極・配線および前記下部基板下面電極・配線から高周波電圧および/または直流電圧を印加することを特徴とする。

0011

(7)
本発明は、前記第2四重極電極および第4四重極電極は主基板に形成された貫通室内に積層された導電体膜であり、前記導電体膜の一部はメッキ膜であることを特徴とし、
質量分析室は、磁場印加型であり、質量分析室を形成する主基板の上部に付着した上部基板の上側に配置された1つまたは複数のコイルおよび/または質量分析室を形成する主基板の下部に付着した下部基板の下側に配置された1つまたは複数のコイルにより、主基板の基板面に対して垂直方向の磁場が発生することによって、荷電粒子の軌道が変化することを用いたことを特徴とし、
質量分析室は、磁場印加型であり、質量分析室を形成する主基板の上部に付着した上部基板の上側および/または前記主基板の下部に付着した下部基板の下側に配置された電磁石により、主基板の基板面に対して垂直方向の磁場が発生することによって、荷電粒子の軌道が変化することを用いたことを特徴とし、
上部基板の上側および/または下部基板の下側に配置される1つまたは複数のコイルは、第2主基板に積層により形成されたものであることを特徴とし、
荷電粒子は、荷電粒子引き出し室または荷電粒子加速室から質量分析室に出射され、荷電粒子引き出し室または荷電粒子加速室と質量分析室との間には、中央孔を有する基板側壁板(前方基板側壁板)が配置され、荷電粒子は前記前方基板側壁板の中央孔を通って質量分析室へ出射されることを特徴とし、
質量分析室を出た荷電粒子はイオン検出室でイオン検出され、前記イオン検出室は主基板に形成された貫通室であり、質量分析室とイオン検出室との間には、中央孔を有する基板側壁板(後方基板側壁板)が配置され、荷電粒子は前記後方基板側壁板の中央孔を通ってイオン検出室側へ出射されることを特徴とし、
荷電粒子は、磁場により360度方向へ曲げられることを特徴とし、イオン検出室は360度の領域において、複数配置されることを特徴とする。

0012

(8)
本発明は、質量分析室は、電場印加型をさらに付加した二重収束型であり、前記電場印加型における荷電粒子が通過する領域は、主基板に形成され、上面(Z方向)が上部基板に下面(Z方向)が下部基板に側面(Y方向)が主基板側面に囲まれた扇型形状の貫通室(扇型領域貫通室)を含む貫通室(電場印加型貫通室)であり、電場印加型貫通室のX方向は中央孔を有する基板側壁板により囲まれており、荷電粒子は一方の基板側壁板の中央孔より侵入し、電場印加型貫通室で荷電粒子の軌道が曲げられて、他方の基板側壁板の中央孔より出射することを特徴とし、電場印加型貫通室は、中心軌道半径R0、中心角がα、中心軌道から一定距離d0の対面する主基板両側面に電極が形成され、荷電粒子は両側面に形成された電極に印加された電圧により発生する電界によって曲げられることを特徴とし、
電場印加型貫通室における側面電極は、CVD法またはPVD法により積層された導電体膜にさらにメッキ膜を積層したものであることを特徴とし、
側面電極と接続するコンタクト配線は、電場印加型貫通室の上面に付着した上部基板に形成され、上部基板の上面に形成された電極・配線に接続し、および/または電場印加型貫通室の下面に付着した下部基板に形成され、下部基板の下面に形成された電極・配線に接続することを特徴とする。

0013

(9)
荷電粒子が進入サイクロトロン運動をする貫通室(ICR室)は、イオン源からの荷電粒子の進入口である中央孔を有する基板側壁板(引き出し電極用基板側壁板)、荷電粒子の進行方向にあり、引き出し電極用基板側壁板と対面し、サイクロトロン運動した荷電粒子が衝突する基板側壁(トラップ電極用基板側壁)、ICR室の上部に付着する上部基板、およびICR室の下部に付着する下部基板、荷電粒子と進行方向と略平行な2つの基板側壁(レシーバー電極用基板側壁)により囲まれており、引き出し電極用基板側壁板の表面は荷電粒子を中央孔からICR室へ引き寄せる引き出し電極となる導電体膜電極が形成されており、トラップ電極用基板側壁の表面は荷電粒子をトラップする電圧が印加される導電体膜電極が形成されており、上部基板および下部基板には荷電粒子を励起する電圧が印加される導電体膜電極が形成されていることを特徴とし、
ICR室において、荷電粒子の進行方向となる引き出し電極からトラップ電極へ向かう方向に平行な磁場が印加されていることを特徴とし、
前記磁場を発生させるコイル配線は、上部基板および下部基板に密着して形成され、さらに、主基板の外側側面に密着して形成されているか、または主基板および上部基板および下部基板の内部に形成されていることを特徴とし、
上部基板上に支柱基板が付着し、さらに支柱基板の上に第2上部基板が付着しており、下部基板上に支柱基板が付着し、さらに支柱基板の上に第2下部基板が付着しており、前記磁場を発生させるコイル配線は、上部基板および下部基板に密着して形成され、さらに、主基板の外側側面に密着して形成されており、
さらに、ICR室内の引き出し電極、トラップ電極、2つの対向するイオン励起電極、および2つの対向するレシーバー電極と接続する電極配線は、上部基板および/または下部基板に形成されるとともに、上部基板、支柱基板、および第2上部基板に囲まれた空間内に存在するか、および/または下部基板、支柱基板、および第2下部基板に囲まれた空間内に存在し、さらにそれらの電極配線は、第2上部基板上および/または第2下部基板上に形成された電極配線と接続しており、コイルに接続する電極は第2上部基板上および/または第2下部基板上に形成された電極配線と接続していることを特徴とする。

0014

(10)
荷電粒子を発生させる荷電粒子発生室は、上部が上部基板に、下部が下部基板に付着した主基板に形成された2つの貫通室(荷電粒子発生室1、2)を含み、荷電粒子発生室1および荷電粒子発生室2は中央孔を有する基板側壁板(第1基板側壁板)で隔てられた隣室同士であり、上部基板に開口された開口部から挿入された試料板は荷電粒子発生室1に配置され、上部基板に開口された開口部からレーザービームが前記試料板に付着した試料に照射されることにより、試料が粒子状に分解され、分解された粒子分解粒子)は基板側壁板が有する中央孔を通り荷電粒子発生室2に入りレーザー光電子ビームシンクロトロン放射光X線から選択された1つのイオン化ビームが上部基板または下部基板の外側から荷電粒子発生室2内に存在する前記分解粒子へ照射されることにより荷電粒子が発生することを特徴とし、
荷電粒子発生室2の隣には中央孔を有する基板側壁板(第2基板側壁板)で隔てられた引き出し電極・加速室があり、
引き出し電極・加速室は、上部が上部基板に、下部が下部基板に付着した主基板に形成された貫通室であり、
荷電粒子発生室2の内面において、上部基板および下部基板、および/または第1基板側壁板の側面、および/または第2基板側壁板の側面、および/または他の2つの基板側壁の側面に導電体膜電極が形成され、
前記導電体膜電極は上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線に接続し、さらに前記コンタクト配線は上部基板および/または下部基板の外表面に形成された導電体膜電極・配線に接続することを特徴とし、
前記導電体膜電極に印加された電圧と同符号の荷電粒子は、引き出し電極・加速室に配置された引き出し電極により第2基板側壁板が有する中央孔を通って引き出し電極・加速室に引き寄せられることを特徴とし、
前記引き出し電極・加速室に入った荷電粒子は、前記引き出し電極・加速室から出て質量分析室に入ることを特徴とする質量分析装置であり、
荷電粒子発生室1において、試料板の背面は基板側壁の側面に密着して配置され、前記基板側壁には中央孔が備わり、さらの当該中央孔には上部基板または下部基板の開口部につながる主基板の厚み方向の空洞がつながり、当該上部基板または下部基板の開口部から真空引きされて試料板は基板側壁の側面に吸着されることを特徴とする。

0015

(11)
本発明は、荷電粒子を発生させる荷電粒子発生室は、上部が上部基板に、下部が下部基板に付着した主基板に形成された2つの貫通室(荷電粒子発生室1、2)を含み、荷電粒子発生室1および荷電粒子発生室2は中央孔を有する基板側壁板(第1基板側壁板)で隔てられた隣室同士であり、
上部基板に開口された開口部から挿入された試料板は荷電粒子発生室1に配置され、
荷電粒子発生室1において、試料板の背面は基板側壁の側面に密着して配置され、前記基板側壁には中央孔が備わり、さらの当該中央孔には上部基板または下部基板の開口部につながる主基板の厚み方向の空洞がつながり、当該上部基板または下部基板の開口部から真空引きされて試料板は基板側壁の側面に吸着され、
前記基板側壁側面に導電体膜が形成され、前記基板側壁側面に形成された導電体膜は上部基板および/または下部基板の荷電粒子発生室1側の表面に形成された導電体膜と接続し、その導電体膜はさらに上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線に接続し、そのコンタクト配線はさらに上部基板および/または下部基板の外側表面に形成された導電体膜電極配線に接続し、
その導電体膜電極配線から導電体である試料板に電圧が印加されており、
上部基板に開口された開口部からレーザービームが前記試料板に付着した試料に照射されることにより、試料が粒子状に分解されて荷電粒子が発生し、
試料板の電荷と同符号の荷電粒子は試料板から飛び出し、
試料板と対面する方向に中央孔を有する基板側壁板(第3基板側壁板)が配置され、第3基板側壁板の表面には導電体膜が形成され、前記第3基板側壁板表面に形成された導電体膜は上部基板および/または下部基板の荷電粒子発生室1側の表面に形成された導電体膜と接続し、その導電体膜はさらに上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線に接続し、そのコンタクト配線はさらに上部基板および/または下部基板の外側表面に形成された導電体膜電極配線に接続し、
その導電体膜電極配線から第3基板側壁板表面導電体に形成された導電体膜に試料板に印加された電圧と逆の電圧が印加され、試料板から飛び出した荷電粒子を引き出して、
前記荷電粒子は、第3基板側壁板に形成された中央孔を通り、さらに第1基板側壁板の中央孔を通って荷電粒子発生室2に入り、
荷電粒子発生室2の内面において、上部基板および下部基板、および/または第1基板側壁板の側面、および/または第2基板側壁板の側面、および/または他の2つの基板側壁の側面、および/または第1基板側壁板の中央孔の内面に導電体膜電極が形成され、
前記導電体膜電極は上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線に接続し、さらに前記コンタクト配線は上部基板および/または下部基板の外表面に形成された導電体膜電極・配線に接続することを特徴とし、
前記導電体膜電極に印加される電圧は荷電粒子と同符号の電圧であり、当該電圧を調整することによって、荷電粒子を収束し、荷電粒子発生室2と隣室を隔てる基板側壁板(第2基板側壁板)が有する中央孔を通って隣室へ入射することを特徴とし、
前記第2基板側壁板が有する中央孔を通った荷電粒子は質量分析室に入ることを特徴とする質量分析装置である。

0016

(12)
本発明は、主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した貫通室をイオン化室とし、前記イオン化室へ接続する中央孔を有し、前記中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、
中央孔内面に導電体膜(第2導電体膜)が形成され、イオン化室内面に導電体膜(第1導電体膜)が形成され、第1導電体膜および第2導電体膜はイオン化室主基板の側面に形成された導電体膜により接続され、第1導電体膜は上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続することを特徴とし、
試料液または試料ガスは、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、イオン化室への出口スプレーガスとしてイオン化室へ導入することを特徴とし、
上部基板および/または下部基板に形成された外側電極から電圧を印加することにより中央孔内面に形成された導電体膜に電圧が印加され、これによりイオン化室の出口部で噴出したガス(スプレーガス)はイオン化することを特徴とする、イオン化法である。
(13)
本発明は、主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した貫通室をイオン化室とし、前記イオン化室へ接続する中央孔を有し、前記中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、
中央孔内面において上部および下部に平行平板導電体膜電極、または中央孔内面において2つの側面に平行平板導電体膜電極が形成され、それぞれの平行平板導電体膜電極はイオン化室内側面に形成された導電体膜を通して、イオン化室内の上部基板および下部基板に形成した導電体膜に接続し、さらに上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続することを特徴とし、
試料液または試料ガスは、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、イオン化室への出口でスプレーガスとしてイオン化室へ導入することを特徴とし、
上部基板および/または下部基板に形成された外側電極から高周波電圧を印加することにより中央孔内面に形成された導電体膜に高周波電圧が印加され、これによりイオン化室の出口部で噴出したガス(スプレーガス)はイオン化することを特徴とする、イオン化法である。

0017

(14)
本発明は、イオン化室の周囲の一部を囲む凹部および開口部を主基板および、上部基板および/または下部基板に形成し、この凹部に冷却用または加熱用媒体を通すことにより、イオン化室および/または中央孔を冷却または加熱を行なうことを特徴とする質量分析装置であり、
上部基板および/または下部基板に形成した導電体膜の一部を用いてイオン化室を加熱することを特徴とし
中央孔に形成した導電体膜の一部を用いてイオン化室を加熱することを特徴とし、
引き出し電極室と対面する基板側壁板または基板側壁に導電体膜電極を設けて、当該導電体膜電極にイオンと同符号の電圧を印加することにより、イオンを引き出し電極室へ押し出すことを特徴とする。
(15)
本発明は、主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した1つの貫通室をイオン化室とし、イオン化室の隣に主基板に形成した貫通室である加熱室を設けて、イオン化室と加熱室は中央孔(第2中央孔)を有する基板側壁板で仕切られているか、またはイオン化室と加熱室とは同じ貫通室であり仕切る基板側壁板はないかであり、
前記加熱室へ接続する中央孔(第1中央孔)を有し、第1中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、
中央孔内面に導電体膜(第2導電体膜)が形成され、加熱室内面に導電体膜(第1導電体膜)が形成され、第1導電体膜および第2導電体膜は加熱室主基板の側面に形成された導電体膜により接続され、第1導電体膜は上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続することを特徴とし、
試料液または試料ガスは、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、加熱室への出口でスプレーガスとして加熱室へ導入することを特徴とし、
上部基板および/または下部基板に形成された外側電極から電圧を印加し、第1導電体膜へ電流を流して第1導電体膜を加熱することにより加熱室を加熱することを特徴とし、
イオン化室において、上部基板および/または下部基板に尖塔電極を配置して、前記尖塔電極は上部基板および/または下部基板に形成したコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成した外側電極に接続し、外側電極に電圧を印加することによって、尖塔電極で放電させて加熱されたスプレーガスをイオン化することを特徴とするイオン化法である。

0018

(16)
本発明は、イオン化室の周囲の一部を囲む凹部および開口部を主基板および、上部基板および/または下部基板に形成し、この凹部に冷却用または加熱用媒体を通すことにより、イオン化室および/または中央孔を冷却または加熱を行なうことを特徴とする質量分析装置であり、
上部基板および/または下部基板に形成した導電体膜の一部を用いてイオン化室を加熱することを特徴とし、
中央孔に形成した導電体膜の一部を用いてイオン化室を加熱することを特徴とし
引き出し電極室と対面する基板側壁板または基板側壁に導電体膜電極を設けて、当該導電体膜電極にイオンと同符号の電圧を印加することにより、イオンを引き出し電極室へ押し出すことを特徴とする。
(17)
本発明は、主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した貫通室をイオン化室とし、
前記イオン室へ接続する中央孔(第1中央孔)を有し、第1中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、
試料液は、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、イオン化室への出口でマトリックスが形成され、マトリックスへ上部基板または下部基板に形成された開口部を通して、外側からレーザーまたは高速原子ビームを照射し、その結果マトリックス中の分子がイオン化することを特徴とするイオン化法であり、
主基板の上面に上部基板、主基板の下面に下部基板を付着し、主基板に形成した貫通室をイオン化室とし、
前記イオン室へ接続する中央孔(第1中央孔)を有し、第1中央孔は上部基板または下部基板の開口部(試料導入用開口部)につながる主基板に形成された縦孔(基板面と垂直方向)に接続し、
試料液は、試料導入用開口部から導入し、縦孔および中央孔を通して、イオン化室への出口でマトリックスが形成され、
イオン化室の隣にレーザーまたは高速原子ビーム室が配置され、レーザーまたは高速原子ビーム室からレーザーまたは高速原子ビーム室がマトリックスへ照射され、その結果マトリックス中の分子がイオン化することを特徴とする、イオン化法である。

0019

(18)
本発明は、イオン化室に隣接して主基板に形成した貫通室は引き出し電極室であり、引き出し電極室とイオン化室は中央孔(第2中央孔)を有する基板側壁板で仕切られており、基板側壁板と対面する基板側壁の側面に導電体膜電極が形成され、導電体膜はイオンと同符号の電圧が印加され、発生したイオンは当該導電体膜電極により押し出されて基板側壁板の第2中央孔を通って引き出し電極室へ出射されることを特徴し、
イオン化室の周囲の一部を囲む凹部および開口部を主基板および、上部基板および/または下部基板に形成し、この凹部に冷却用または加熱用媒体を通すことにより、イオン化室および/または中央孔を冷却または加熱を行なうことを特徴とし、
中央孔内面および/または貫通室内面に導電体膜を形成し、当該導電体膜に電流を流して発熱させて、中央孔および/または貫通室を加熱することを特徴とする。
(19)
本発明は、主基板の上面を上部基板が、主基板の下面を下部基板が付着し、主基板にリング電極が形成され、リング電極の中央に形成された貫通室はイオントラップ室であり、イオントラップ室の上部は、上部基板に形成された上部電極(イオントラップ上部電極)が配置され、イオントラップ室の下部は、下部基板に形成された下部電極(イオントラップ下部電極)が配置され、
リング電極は、主基板のリング形状に導電体膜(リング導電体膜電極)を形成し、リング導電体膜電極は、上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続し、
イオントラップ上部電極およびイオントラップ下部電極は、上部基板および下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および下部基板に形成された外側電極に接続し、リング電極は、中央孔を有する主基板であり、イオントラップ室の隣に配置された一方の貫通室であるイオン化室または引き出し電極・加速電極室とイオントラップ室の間に配置され、またイオントラップ室の隣に配置された他方の貫通室であるイオン検出室とイオントラップ室の間に配置され、一方の中央孔はイオン化室からイオントラップ室に接続し、他方の中央孔はイオントラップ室からイオン検出室に接続し、
リング導電体膜電極、イオントラップ上部電極、およびイオントラップ下部電極に所定の電圧を印加することによって、イオン化室または引き出し電極・加速電極室からイオントラップ室に接続した中央孔を通ってイオントラップ室に入ったイオンはイオントラップ室に捕捉され、さらに捕捉されたイオンは、イオントラップ室からイオン検出室に接続した中央孔を通ってイオン検出室に出射され、イオン検出されることを特徴とする、イオントラップ型質量分析装置である。

0020

(20)
本発明は、主基板の上面を上部基板が、主基板の下面を下部基板が付着し、主基板にリング電極が形成され、リング電極の中央に形成された貫通室はイオントラップ室であり、イオントラップ室の上部は、上部基板に形成された上部電極(イオントラップ上部電極)が配置され、イオントラップ室の下部は、下部基板に形成された下部電極(イオントラップ下部電極)が配置され、
リング電極は、主基板のリング形状に導電体膜(リング導電体膜電極)を形成し、リング導電体膜電極は、上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極に接続し、
イオントラップ上部電極およびイオントラップ下部電極は、上部基板および下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および下部基板に形成された外側電極に接続し、リング電極は、中央孔を有する主基板であり、
イオントラップ室の上部に配置された一方の貫通室であるイオン化室または引き出し電極・加速電極室とイオントラップ室の間に配置され、またイオントラップ室の隣に配置された他方の貫通室であるイオン検出室とイオントラップ室の間に配置され、一方の中央孔はイオン化室からイオントラップ室に接続し、他方の中央孔はイオントラップ室からイオン検出室に接続し、
リング導電体膜電極、イオントラップ上部電極、およびイオントラップ下部電極に所定の電圧を印加することによって、イオン化室または引き出し電極・加速電極室からイオントラップ室に接続した中央孔を通ってイオントラップ室に入ったイオンはイオントラップ室に捕捉され、さらに捕捉されたイオンは、イオントラップ室からイオン検出室に接続した中央孔を通ってイオン検出室に出射され、イオン検出されることを特徴とする、イオントラップ型質量分析装置である。

0021

(21)
本発明は、上面から下面に貫通する複数の貫通室を有する主基板、主基板の上面に付着した上部基板、主基板の下面に付着した下部基板、貫通室を仕切る中央孔を有する基板側壁板を含む加速装置であって、荷電粒子は貫通室および基板側壁板の中央孔を通ることを特徴とする加速装置であり、
加速装置は、荷電粒子発生機構線形加速機構を含み、荷電粒子発生機構、線形加速機構は貫通室に形成されることを特徴とし、
貫通室内に形成される電極および配線は、CVD法、PVD法、メッキ法、電鋳法から選択された1つまたは複数の方法により積層された導電体膜であり、上部基板および/または下部基板に形成されたコンタクト配線を通して上部基板および/または下部基板に形成された外側電極と接続することを特徴とし、
線形加速機構は、中央孔を有する基板側壁板に導電体膜を形成した電極(基板側壁板電極)を複数配置して構成され、前記基板側壁板電極に静電圧または高周波電圧を印加することにより、荷電粒子を加速または減速集束)させることを特徴とし、
加速装置は、さらに減速(集束)機構を有しており、減速(集束)機構は、中央孔を有する基板側壁板に導電体膜を形成した電極(基板側壁板電極)を複数配置して構成され、前記基板側壁板電極に荷電粒子と逆電圧を印加することにより、荷電粒子を減速(集束)させることを特徴とする。

0022

(22)
本発明は、さらに減速(集束)機構を有しており、減速(集束)機構は、四極磁石で行なうことを特徴とする加速装置であり、
四極磁石は、荷電粒子の通路である基板内に作製した貫通室を有する基板の外側から縦方向(基板面に対して垂直方向)において上下方向に電磁石を配置し、荷電粒子の通路である基板内に作製した貫通室を有する基板の外側から横方向(垂直方向に対して直角方向)において両側に電磁石を配置することを特徴とし、
電磁石を横方向に配置する場合において、電磁石の配置場所における基板領域を切断して、その開口部に電磁石を配置することを特徴とし、
切断方法は、レーザーダイシングまたは高圧液体ジェットダイシングであることを特徴とし、
コイルを貫通室の両側の主基板内に配置することを特徴とし、
コイルは、上下基板および主基板を貫通する貫通孔内に導電体膜(貫通孔配線)を形成し、上下基板で貫通孔配線を結線する配線を形成してコイル配線を形成し、コイルの両端電極は上部基板および/または下部基板に形成されることを特徴とする。
(23)
本発明は、貫通室(荷電粒子収束用貫通室)の両側に貫通室(コイル配置用貫通室)を形成し、コイル配置用貫通室へコイルを挿入してコイルを荷電粒子収束用貫通室の両側に配置することを特徴とし、
コイルは、支持基板に付着したコイルをコイル配置用貫通室に挿入して配置することを特徴とし、
コイルをコイル配置用貫通室の上部および下部に配置することを特徴とし、
コイルは上部基板および下部基板に密着または接近して配置することを特徴とし、
コイルを形成した基板(コイル形成基板)を上部基板および下部基板に付着させてコイルを配置することを特徴とする。

発明の効果

0023

本発明は、LSIやMEMSプロセスを用いて、加速装置や質量分析装置に必要な各機能を基板内に一挙に形成するので、各機能部分(たとえば、加速電極)の相互間の位置関係が極めて正確に形成される。しかも電極間距離や荷電粒子の通る通路をmmオーダーやμmオーダーで精密に形成できるので、サイズが極めて小さくなる。たとえば、電極間の距離が小さくなると電界強度が大きくなり、荷電粒子の加速や減速を効率的に制御できる。また、電極へ供給する高周波周波数を大きくすることができるので、短距離でより大きな加速を行なうこともできる。さらに各機能部品一括で作製できるので、製造コストが劇的に低減する。

0024

本発明を質量分析装置へ適用した場合、本発明のような4インチ〜8インチ{直径100mm〜200mm、厚み3mm以下(Si基板2mm、ガラス基板0.3mm×2)、8インチ以上も可能}の基板を使用して、微小な試料供給部、イオン化室、引き出し電極・加速室、電場室、磁場室、イオン検出室(これらを機能部と呼ぶ)を作製したことは報告されていない。また、特許等のアイデア発見されていない。増して、これらを一括して同じ基板で実現したことも報告はなく、新規性および進歩性・優位性を有する。

0025

本質量分析装置は超小型{本体:サイズ6インチウエハ(50cm3)以下、重量130g以下}であり、一括製造であるから、製造コストは10万円以下{本体:サイズ6インチウエハ}を実現できる。従来品は、同性能であれば、50cm×50cm×50cm以上、20kg以上であるから、大きさ(体積)で1/2500以下、重量で1/100以下、価格で1/20以下であり、優位性は十分ある。(もちろん、これよりも大きなサイズも可能である。)各機能部を一括してしかも精度良く(1μm以下)作製できるので、他方式の部品組み立て方式に比較すると、はるかに正確に作製できるので、検出精度も従来と同程度以上は期待できる。本発明は超小型で軽いので携帯が可能であるから、その場観測ができる。しかし、従来品は携帯が殆どできないことから、その場観測は極めて困難であり、この点でも大きな優位性がある。

0026

さらに、本質量分析装置では、磁場室に基板作製のコイルを使用する。基板同士でアライメントしてコイルを配置するので、配置精度が10μm以下で非常に良い。しかもコイルの大きさも1mm〜10mmと小さいので、全体のサイズも大きくならない。このような基板コイルを使用した磁場室は新規性および進歩性が高い。価格やサイズも小さく、精度も高いので、従来品より格段に優位性を有する。尚、コイルは電子イオン化法にも使用する。これも新規性および進歩性が高い。

図面の簡単な説明

0027

図1は、本発明の超小型加速装置の実施形態の一例を示す図である。
図2は、本発明の粒子発生装置11の一例を示す図である。
図3は、荷電粒子の線形加速装置の構造を示す図である。
図4は、高周波導波管を用いた荷電粒子加速管の一例を示す図である。
図5は、本発明の荷電粒子加速装置複数連結させた加速装置を示す図である。
図6は、本発明の荷電粒子加速装置の製造方法の一例を示す図である。
図7は、本発明の荷電粒子加速装置の製造方法の一例を示す図で、基板側壁形成後、導電体膜パターニングまでのプロセスを示す図である。
図8は、上側基板(主基板201U、上部基板202)と下側基板(主基板201B、下部基板203)の間にガラス基板251を挟んで静電結合で付着させる場合の荷電粒子加速装置の作製方法を示す図である。
図9は、引き出し電極構造の別の実施形態を示す図である。
図10は、中央孔を有する基板側壁電極を複数配置した加速空洞室を示す図である。
図11は、電磁石(コイル)の作製法を示す一実施形態である。
図12は、比透磁率μの高いコアを挿入した高性能のコイルを作製する方法を示す図である。
図13は、上下基板に配置するコイルの作製方法を示す図である。
図14は、本発明のコイル(電磁石)によって作製された四極電磁石構造を示す図である。
図15は、図1における偏向電磁石25、30、34、37等の荷電粒子通過空洞およびそこに配置された電磁石を示す図である。
図16は、図1で示した円形加速器(シンクロトロン)8−1を有する超小型加速装置10−1をさらに1回り大きい円形加速器8−2に接続した図で、2重シンクロトロン(あるいは2サイクルシンクロトロン)を示す図である。
図17は、円形加速器8を分割して基板に作製する場合の模式図を示す図である。
図18は、本発明のマイクロ波イオン源を示す図である。
図19は、本発明の質量分析の一実施形態を示す図である。
図20は、四重極型質量分析室の作製方法の一例を示す図である。
図21は、四重極電極を基板に付着させる構造と方法の一例について説明する図である。
図22は、四重極電極を基板に付着させる構造と方法に関する別の例について説明する図である。
図23は、本発明の四重極電極の作製方法を示す図である。
図24は、四重極電極棒407を基板に付着する方法を説明する図である。
図25は、薄膜形成法を用いて四重極電極を質量分析室内部へ配置する方法について説明する図である。
図26は、八重極電極型の構造を示す図である。
図27は、本発明の主基板に扇型磁場が作用する質量分析室となる貫通室を持つ扇型磁場方式の質量分析装置を示す模式図である。
図28は、質量分析室で磁場により力を受けたイオンを多方向に配置したイオン検出装置でイオン検出する質量分析装置を示す図であり、
図29は、本発明の二重収束型質量分析装置を示す図である。
図30は、単収束扇型磁場アナライザーおよび二重収束扇型磁場アナライザーの1つの設計指針を示した図である。
図31は、本発明のFTICRを示す図である。
図32は、ICR室のサイズを大きくする場合の構造を示す図である。
図33は本発明のコイルを配置したFTICRである。
図34は、図33とは異なる本発明のコイルを配置したFTICRである。
図35は、図19において説明したものとは別のイオン化法を示す図である。
図36は、別のイオン化法の実施形態を示す図である。
図37は、大気圧化学イオン化法について説明する図である。
図38は、尖塔電極を有するイオン化室の作製方法を示す図である。
図39は、高速原子衝撃法(FAB)の一種である連続フロー(CF)−FABイオン化を本発明に適用した実施形態を示す図である。
図40は、イオントラップ型質量分析装置の作製方法を示す図である。
図41は、荷電粒子がエンドキャップ電極609を通るイオントラップ質量分析装置を示す図である。
図42は、本発明を用いたダイノードを多数配置したイオン検出室を示す図である。
図43は、図42で示す平行平板型電極を作製する方法の一実施形態を示す図である。
図44は、本発明の中央孔をチャネル形二次電子増倍管に適用した実施例を示す図である。
図45は、本発明の質量分析装置の概要図(基板面に垂直な断面図)である。
図46は、二重収束型質量分析部(電場部+磁場部)(平面図)および(b)多種イオン同時検出法(平面図)を示す図である。
図47は、電子イオン化部(断面図)を示す図である。
図48は、本発明の最終製品(本体のみ)のイメージ完成図である。
図49は、縦方向に形成したイオントラップ型質量分析装置を示す図である。
図50は、基板貫通孔また基板凹部の側壁へパターンを形成する方法または装置を示す図である。
図51は、貫通孔側壁エッチング装置を示す図である。
図52は、型(モールド)を用いて本発明の加速器や質量分析装置の貫通室を作製する方法を示す図である。
図53は、前面および後面に発光体を配置した露光装置を示す図である。
図54は、モールドインゴット法を用いた中央孔を形成する方法を示す図である。
図55は、中央孔が形成される部分の中央孔高さの略半分の位置で切断した基板に中央孔を形成する方法を示す図である。
図56は、貫通室内壁研磨して平滑でなめらかな面にするための方法((a))および貫通室内壁へパターンを転写する方法について説明する図((b)、(c))である。
図57は、本発明のシンクロトロン方式基板型イオン注入装置を基板面に平行に見た平面図である。
図58は2つの環状軌道を有するシンクロトロン型イオン注入装置を示す図で(平面図)ある。
図59は、イオン出射ライン2143と2段目環状軌道2145との接続領域の状態を拡大したもの(基板と平行な平面図)である。
図60は、2段に積層したイオン注入装置の軌道連結部の断面を示す図である。
図61はRFQ(Radio Frequency Quadrouple)型線形加速器の一例を示す図である。
図62図61に示すRFQ型線形加速器の作製方法を示す図である。
図63は、線形加速器の別の加速方法(IH型)を示す図である。
図64は、別の線形加速室における加速方法を示す図である。

実施例

0028

本発明は、基板または薄板(主基板または第1基板)において、その厚み方向に貫通溝(凹部とも記載)または貫通孔(以下、空洞とも記載)が形成されており、その空洞内を電子やイオン等の荷電粒子が高速で移動する加速器である。空洞の上には基板または薄板(第2基板)が、その空洞の両側の基板側壁上に付着しており、空洞の下にも基板または薄板(第3基板)(貫通溝の場合は、主基板の底面)が、その空洞の両側の基板側壁下に付着している。従って、空洞は、その上下を第2基板および第3基板で、その横側を第1基板側壁で挟まれた気密空間となっている。気密空間である空洞の一部において、その空洞の上、および/または下、および/または両側の基板側壁の一部または全部がくり抜かれ(または孔が形成され)、そのくり抜かれた部分または孔(以下、真空伝達孔とも記載)から、空洞内の気体(空気、酸素窒素など)が排気され、空洞内は所定の低圧状態(たとえば、真空に近い低圧状態)になっている。

0029

空洞内の一部(または空洞の外側)において、空洞の上および/または下にコイルや電磁石や永久磁石が配置され、コイル等の作る磁界により空洞内を通る電子やイオン(以下、荷電粒子)は力を受けて、加速および/または偏向する。および/または、空洞内の一部(または空洞の外側)において、空洞の一方の横側および/または他方の横側にコイルが配置され、コイルの作る磁界により空洞内を通る荷電粒子は力を受けて、加速および/または偏向する。あるいは/および、空洞内の一部(または空洞の外側)において、空洞の上および/または下に電極配置され、電極の作る電界により空洞内を通る荷電粒子は力を受けて、加速および/または偏向する。および/または、空洞内の一部(または空洞の外側)において、空洞の一方の横側および/または他方の横側に電極が配置され、電極の作る電界により空洞内を通る荷電粒子は力を受けて、加速および/または偏向する。

0030

第1基板内に荷電粒子発生部(室)を作製し、その荷電粒子発生部で発生させた荷電粒子を第1基板内に作製した空洞(これを(荷電粒子)導入空洞と呼ぶこともある)を通して、荷電粒子を加速させることができる空洞(これを(荷電粒子)加速空洞と呼ぶこともある)へ導くこともできる。あるいは、外部の荷電粒子発生装置を第1基板内に作製した空洞(これを(荷電粒子)(外部)導入空洞と呼ぶこともある)の外部との入り口(これを(荷電粒子)(外部)導入空洞入口と呼ぶこともある)と接続し、外部導入空洞を通して、荷電粒子を主基板内の空洞や加速空洞へ導くことができる。加速空洞内を運動する荷電粒子は、第1基板と外部とつながる荷電粒子排出出口(これを(荷電粒子)排出出口と呼ぶこともある)から外部へ出ていく。荷電粒子排出出口と加速空洞は第1基板内に作製した空洞(これを(荷電粒子)排出空洞と呼ぶこともある)でつながっている。加速された荷電粒子は、荷電粒子排出出口から出て、医療用途分析用途商品改質用途等種々の目的に適用できる。あるいは、荷電粒子排出出口はなく、主基板内に形成された分析室等でイオン分析される。

0031

本発明の加速器(これを基板加速器と呼ぶこともある)は、フォトリソグラフィ法を用いたり、レーザーパターニング法金型を用いた金型形成法、打ち抜きで作製する打ち抜き法などを用いて作製できるので、空洞幅や空洞深さが、0.1mm〜0.5mm、または0.5mm〜1.00mm、あるいは、1.0mm〜10mm、あるいは、1cm〜2cm、あるいは2cm〜10cm、あるいは10cm以上のものが極めて正確に作製でき、また、直線形多角形円形楕円形双曲線形、あるいは他の曲線形の形状の加速器が所望の寸法で作製できる。たとえば、直線形であれば、1枚の基板の中に多数の直線空洞を形成し、その直線空洞を空洞の長さ方向に切りだし(たとえば、ダイシング法により)、その切りだしたものを空洞同士で連結していけば、任意の長さの線形加速器が作製できる。

0032

たとえば、第1基板はSi基板であり、加速空洞幅を5mm、加速空洞深さを5mmとし、加速空洞の両横側における第1基板内に複数のコイル(長さ10mm)が形成され、加速空洞の上下において厚さ0.5mmのガラス基板(第2基板、第3基板)が第1基板に付着しており、その上下に複数のコイル(長さ20mm)が配置されている場合、第1基板のサイズが500mm×500mmであるとき(あるいは、このサイズのものが作製できる円形ウエハ(直径が500√2=707mm以上)であるとき)、1つの線形加速器は長さ500mm、幅15mm、高さ6mm程度になり、1枚の基板(第1基板に第2基板と第3基板が付着し、その上下および/または左右にコイルが配置)から、約33個(この1個1個を単位加速器と呼ぶ)が取れる。この単位加速器を10個連結させると、5mの線形加速器となるから、1枚の基板から16.5mの線形加速器ができる。従って、1kmの加速器なら、61枚の基板があれば良い。

0033

円形加速器の場合も、1枚の基板だけで作製できる超小型加速器の場合、サイズの異なる円形軌道円形空洞)を多数作製し、それらの間をつなぐ空洞(これを接続空洞と呼ぶこともある)を作製し、段階的に速度を上げて、それに応じて軌道を移動させていき、最後の軌道(通常は、最外側となる)で最終速度まで加速させて荷電粒子を外部へ放出する。本発明では、すべての空洞、コイル、電極等のパターンを同時に形成できるので、円形軌道の数に関係なくプロセスステップ数(製造工程の数)は変化なく、コストは殆ど変化がない。たとえば、最初に半径10mmの円形軌道とし、空洞の幅を5mm、次の円形軌道の大きさを25mmとし、その次の円形軌道の大きさを半径40mmとし、順次15mmずつ半径を大きくした同心円状の円形加速器にしたとき(空洞幅は、すべて5mm、空洞と空洞の間の間隔は10mm)、500mm円形ウエハでは、16個の円形軌道ができる。これらを順次接続し、各円形軌道で加速させていく。最初の小さな円形軌道で10m/secの速度で円運動をし、次の円軌道で4倍の速度にし、n番目で10×4n−1m/secにすると、最終の16番目の円軌道で10万km/secになり、光の1/3の速度にできる。1つのウエハで超高速の荷電粒子を作製できる。

0034

円形加速器のサイズが大きくなる場合は、線形加速器と同様に、基板を連結させて作製することができる。たとえば、1枚の基板のサイズが500mm×500mmであり、円形加速器の直径が1000mm(1m)である場合、4枚の基板に1/4円分ずつ作製し、その1/4円の基板4枚を接続すれば良い。もっと大きな円形加速器を作製するときは、たとえば、10000mm(10m)の円形加速器の場合、1000mm×1000mmの基板なら、約100枚の基板を接続すれば良い。

0035

本発明は、加速器を基板上に作製したもので、加速空洞等の荷電粒子が通る空洞、荷電粒子を加速・減速または偏向する電界を発生する電極、荷電粒子を加速・減速または偏向する磁界を発生するコイル・電磁石を搭載するものである。図1は、本発明の超小型加速装置の実施形態の一例を示す図で、超小型加速装置は1枚の基板9に搭載され、荷電粒子発生装置11、線形(型)加速装置13、各種電磁石15、17、19、21、22、23、26、28、29、31、32、35、36、偏向電磁石25、30、34、37、荷電粒子が通る空洞12、14、16、18、20、24、27、33、38、40、線形加速装置39を有する。これらは一例であるから、ここに記載したものを省いたり、さらに加えたり、あるいは別の機能を有するものを付加することもできる。

0036

荷電粒子発生装置11で発生した荷電粒子は、空洞12を通り線形加速装置13で加速され、空洞14を通り偏向電磁石15で軌道を偏向し、さらに空洞16を通り偏向電磁石17で軌道を偏向いよび/または収束し、さらに空洞18を通り偏向電磁石19で軌道を偏向し、次の空洞20を通過し、インフレクター21を介して、円形加速器8において荷電粒子が通る空洞である蓄積リング24に入射する。空洞20の途中に線形加速装置42を設けて、インフレクター21へ入る荷電粒子の速度を調節することもできる。また、荷電粒子発生装置11からインフレクター21へ入射する途中で、他の偏向電磁石、加速電極、減速電極、線形加速装置等を設けても良い。また、その途中に他の偏向電磁石、加速電極、減速電極、線形加速装置、収束電磁石等を設けても良い。

0037

インフレクター21から円形加速器8の蓄積リング24に入射した荷電粒子は、(水平方向用)収束電磁石22、(垂直方向用)収束電磁石22で収束し、偏向電磁石25で偏向・加速し、次の蓄積リング27へ入り、ここでも高周波加速空洞29でさらに加速し、(垂直方向用)収束電磁石26、(水平方向用)収束電磁石28で収束し、偏向電磁石30で偏向・加速し、次の蓄積リング33へ入り、ここでも(垂直方向用)収束電磁石31、(水平方向用)収束電磁石32で収束し、偏向電磁石34で偏向・加速し、次の蓄積リング38へ入り、ここでも(垂直方向用)収束電磁石35、(水平方向用)収束電磁石36で収束し、次の偏向電磁石37で偏向・加速し、次の蓄積リング24へ入る。このようにして、荷電粒子は、蓄積リング24、27、33、38中を加速しながら回り続け、所望の速度および所望の数の荷電粒子が得られたら、荷電粒子を外部へ導く空洞(これを荷電粒子排出空洞と呼ぶこともある)40へ入り、荷電粒子排出空洞40の出口41から外部へ取り出す。荷電粒子排出空洞40の途中に線形加速装置39を設けて荷電粒子をさらに加速させても良い。また、その途中に他の偏向電磁石、加速電極、減速電極、線形加速装置、収束電磁石等を設けても良い。

0038

以上のように、蓄積リング24、27、33、38は1つなぎになった環状通路となっている。また、種々の空洞は、各所に孔が形成され、その孔は真空引きラインにつながり、その真空引きラインはさらに外部の真空ポンプに接続し、各種空洞は真空に近い状態まで圧力が低下する。さらに、種々の空洞は、各所に孔が形成され、その孔から窒素、He、Ar等の不活性ガス等のガスを導入することもでき、適宜空洞内部をクリーニングしたり、ガスパージできる。

0039

図1に示すように、本発明は、電子またはイオンの粒子発生装置11も主基板(第1基板)9内に配置する。この粒子発生装置11の一例を図2に示す。図2に示す粒子(イオン発生装置は平行平板型電極を有するイオン発生装置である。図2(a)は基板平面に対して垂直な(基板厚み方向の)断面構造で、図2(b)は平面構造図である。主基板51内に、プラズマ発生室である空洞76、プラズマ発生室76で発生した電子、陽子や各種イオン等の荷電粒子を取り出し加速装置(図1の13)へ導く空洞77が形成され、主基板51の上面に第2基板(上部基板)53、主基板51の下面に第3基板(下部基板)52が付着されている。

0040

プラズマ発生室76において、下部基板52上に(下部)電極54が形成され、その周囲はシリコン酸化膜(またはシリコン窒化膜シリコン酸窒化膜)等の絶縁膜55が積層されて被覆されている。上部基板53上に(上部)電極58が形成され、その周囲はシリコン酸化膜(またはシリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜)等の絶縁膜59が積層されて被覆(保護)されている。これらの電極54および58は対向するようにパターニング・配置され、主基板51の上下両面に第2基板53および第3基板52が付着される。下部基板52にはコンタクト孔が開けられそのコンタクト孔にコンタクト電極(導電体膜)56が形成され、さらに、下部基板52の片面に取り出し電極57が形成されている。上部基板53にもコンタクト孔が開けられそのコンタクト孔にコンタクト電極60が形成され、さらに、上部基板53の片面に取り出し電極61が形成されている。これらの電極57および61は、上下基板52、53を主基板51に付着させたときに、外側に配置され、これらの電極間に整合回路78および交流または高周波電極79が接続され、一方の電極はアース接地される。

0041

上部基板53には、ガス導入孔71、プラズマ発生室76の気体を排気して低圧にする気体排気孔72、73、さらに加速装置側の空洞77にも気体を排気して低圧にする気体排気孔74が開けられている。これらのガス導入孔71、気体排気孔72、73、74には、上部基板53の上面側にシール部62が形成されており、このシール部62にガス導入ライン63、気体排気ライン64、65、66が接続し、外部から外部気体(空気など)等がプラズマ発生室76や空洞77へ入らないように気密シールされている。気体排気ライン64、65は真空ポンプ68、69に接続され、プラズマ発生室76は所定の圧力(たとえば、0.1atm〜0.001atm)まで下げられ、その状態で取り出し電極57、61を通して上下電極54および58に高周波電圧印加すると、気体がプラズマ電離し、電子が発生したり、イオンになったりして、荷電粒子が発生する。たとえば、アルゴンガス(Ar)を導入すれば、Ar+や電子等が発生する。メタン(CH4)ガスを導入すれば、種々のイオン(C−、CH+、CH2+、CH3+、CH4+等)が発生する。ヒ素ガス(As)を導入すれば、As+や電子等が発生する。

0042

電極54および電極58の電極間距離d1は、主基板51の厚みとほぼ同じ(厳密には、主基板の厚み−上下の電極厚み)であるから、主基板の厚みを1mmとすれば、100Vの印加により、1KV/cmの高電界が印加できるので、低電圧プラズマ発生が可能である。もっと高電界を印加するには、高電圧をかける以外に、主基板の厚みを薄くしたり、あるいは、主基板(全体)の厚みを薄くできない場合は、電極を設ける部分だけの距離d1を小さくするために、主基板を所定厚みだけエッチングしてその底部に電極を形成したり、あるいは上部基板または下部基板に突部を設けてその突部に電極を形成すれば良い。この突部は上部基板または下部基板に別基板を付着して作製することもでき、その突部を付けた上部基板または下部基板を主基板の上下に付着すれば良い。

0043

加速装置側空洞77にも気体排気ライン66が接続し、真空ポンプ70に接続されるが、加速装置側空洞77の圧力は、プラズマ発生室76に比較して、かなり低く(たとえば、10−3atm〜10−12atm)なっている。従って、プラズマ発生室76で発生したプラズマの一部は加速装置側空洞77に導入される。また、加速装置側空洞77には加速空洞が接続しているので、荷電粒子が加速装置側空洞77へ引き寄せられる。尚、プラズマ発生室76は加速装置側空洞77より大きく記載しているが、プラズマが発生できる面積があれば良いので、加速装置側空洞77が大きくなる場合もある。その場合、加速装置側空洞77の方が低圧なので、プラズマ発生室76と加速装置側空洞77との間に開閉バルブを備えても良いし、プラズマ発生室76と加速装置側空洞77との間の一部を狭くしても良い。プラズマ流は80の方向へ流れ、加速装置側へ入り込む。

0044

プラズマ発生室76と加速装置側空洞77との間に引き出し電極83が配置され、プラズマ発生室76で発生したイオンを引き出しても良い。引き出し電極83は、中央孔84を有する主基板51の基板側壁81の周囲を導電体膜82で覆った構造である。主基板51の基板側壁81は断面図(立面図)2(a)および平面図2(b)からも分かるように加速装置空洞77の内面周囲に張り出して形成され、中央に中央孔84が形成されている。また、上部基板53の下面(加速装置側空洞77の内側面の上面)に導電体膜配線85−1が形成され、この導電体膜配線85−1は導電体膜82と接続している。上部基板53に形成されたコンタクト孔およびそこに形成された導電体膜86は導電体膜配線85−1とつながり、コンタクト孔内導電膜86は上部基板53上面に形成された外側電極・配線87に接続する。この結果、引き出し電極83に外側電極・配線87からイオンや電子を引き出す電圧を印加することができる。

0045

図2の引き出し電極83には加装置側へ導くイオンと逆電荷の電圧を印加するが、図2の場合の引き出し電極82は直接イオンに直面しているので、中央孔84に入って加速するイオンのほかに引き出し電極82の側面に衝突するイオンも多いので、イオンの引き出し効率が悪くなる可能性がある。そこで、中央孔84の孔のサイズを調整してイオンを通り易くしても良い。たとえば、孔サイズを加速装置側空洞77と同じサイズ、すなわち基板側壁81を設けず、加速装置側空洞77の周囲電極85(上部基板下面の電極配線85−1、主基板51の側面電極85−2、下部基板下面の電極配線85−3、主基板51の側面電極85−4が連続して繋がった環状(矩形帯状)電極)だけにする場合、中央孔84を基板側壁82に設けてその中央孔サイズの大きさを変化させて最適値にし、その上に導電体膜82を形成する場合などである。他に、引き出し電極83の手前、イオン発生室76側に導電体膜を設けない中央孔を有する基板側壁を設けて、引き出し電極83の前方側垂直壁電極を遮り、イオンが中央孔の方へ向かうようにする方法もある。

0046

その他に図9に示す方法もある。図9は、引き出し電極構造の別の実施形態を示す図である。図9(a)は垂直断面図、図9(b)は平面断面図である。図9においては、引き出し電極83の手前、イオン発生用電極54、58との間に収束用電極89が存在する。図2における引き出し電極83の基板側壁81は上下基板53、52、主基板51の側面にほぼ垂直になっているが、本実施形態では、基板側壁が傾斜していて加速装置側空洞77−2(基板側壁81を挟んで右側(加速空洞側)の空洞)の方へ徐々に狭くなり中央孔84へつながる。中央孔84のサイズが加速装置側空洞77−2へ向かうにつれて徐々に小さくなると言っても良い。またこの部分を加速装置側空洞77−2の入り口部88としたとき、入り口部88が加速装置側空洞77−2側へ徐々に小さくなると言うこともできる。逆に、中央孔84のサイズが加速装置側空洞77−1(基板側壁81を挟んで左側(イオン発生用電極側)の空洞)の方へテーパー状に傾斜して大きくなっていると言うこともできる。基板側壁51−2が加速装置側空洞77−2の方向に徐々に厚くなっているとも言える。さらに、図9(b)に示すように、プラズマ(イオン)発生室76の出口が加速装置側空洞77の入り口より大きい場合に、平面的に見た時に、出口部48が徐々に狭くなる形状に形成されている。(図2に示す場合は、図2(b)に示すように、プラズマ(イオン)発生室76の出口サイズと加速装置側空洞77の入り口サイズは急に変化している。)この加速装置側空洞77の入り口部88の傾斜した主基板側面に導電体膜電極89が形成され、この導電体膜電極89には上部基板53または下部基板に形成された導電体膜配線45へ繋がり、その導電体膜配線45は上部基板53または下部基板に形成されたコンタクト孔およびその中の導電体膜配線46を通して外側電極47へ接続する。

0047

この導電体膜電極89はプラズマ(イオン)発生室76の出口部の(平面的に見て傾斜した)主基板側面にも伸びて形成されている。また、中央孔の一部と加速装置側空洞77−2の基板側壁81の側面には導電体膜電極82が形成されていて、外側電極87へ接続している。導電体膜89と導電体膜82は接続していないので、外側電極47と87から異なった電圧を印加できる。すなわち、導電体膜89にはイオンと同電荷の電圧を印加しておき、イオンが空洞の中央部へ収束するようにする。また、引き出し電極82にはイオンと逆電荷の電圧を印加するので、イオンは引き出し電極82へ引かれて加速して、空洞77−1の中央孔84を通って隣の加速空洞77−2へ入る。加速が弱ければ、加速空洞77−2へさらに中央孔を有する基板側壁に導電体膜を積層した加速電極(静電レンズ)を設けて、イオンを加速する。加速しすぎていれば、逆電位をかけて減速電極にすれば良い。本発明は、短い距離でも多数の加速電極および減速電極を設けて、それぞれに外側電極を簡単に作製できるので、所望の速度でイオンを加速空洞側空洞77−1および77−2の中を通すことができる。このように図9に示す構造によって、引き出し電極によりイオンが加速装置側空洞77へ引き寄せられること、出口部や入り口部に印加したイオンと同電位によりイオンが収束されること(すなわち、中央側へ集まること)、出口部や入り口部が徐々に狭くなっているために出口部や入り口部がイオンと同電位でも反発して押し戻されるイオンは少ないことなどから、イオン発生室76で発生したイオン(引き出し電極と逆電位)の多くが加速装置側空洞77−2へ入っていき、加速されているためにさらに加速装置側へ進んでいく。テーパー状になった導電体膜89をイオンの進行方向に対して幾つかに分割しておき、それぞれの電極に異なる電圧をかけるようにすることもできる。たとえば、イオンの進行方向に対して徐々に電圧を弱めていけば、イオンに印加される電界を一定にできるか、少しずつ弱めることもできる。(イオンの進行方向に対して見れば、イオンと電極との距離は小さくなるので同じ電圧印加だと電界が強くなる。)この結果、安定してイオンを進行方向(加速空洞77−2側)へ送り出すことができる。あるいは、分割した導電体膜89電極に収束電圧加速電圧を選択して印加して、イオンを収束しつつ加速させることもできる。このように導電体膜89電極を分割して個々に調整しながら電圧印加すれば、イオンを効率的に加速空洞77−2側へ送り出すことが可能となる。

0048

あるいは、傾斜した電極89へイオンと逆電位の電位をかけて、さらにその電位より高い逆電位の電位を引き出し電極に印加することによっても多数のイオンを加速装置側空洞77−2へ導くことができる。すなわち、イオン49が進んでいくほど電界が大きくなっていくので、イオン49が中央に集まって進んでいくようになる。

0049

次に、図2図9に示すプラズマ(イオン)発生装置、加速空洞側空洞、引き出し電極、加速(減速)電極のプロセスについて説明する。まず、中央孔を持たない空洞を有するプラズマ(イオン)発生装置等について説明する。主基板(第1基板)51として、導電体基板(Cu、Al、Ti、Zn等の金属やこれらの合金、導電性C(カーボンナノチューブグラフェン等も含む)、導電性プラスチック導電性セラミック等も含む)、Si、SiC、C、化合物半導体等の半導体、プラスチックガラス石英アルミナ(Al2O3),AlN、高分子樹脂セラミック等の絶縁体等、これらの複合体を使用できる。上部基板(第2基板)や下部基板(第3基板)として、最適な基板は、内部にコンタクト孔を作製するので、プラスチック、ガラス、石英、アルミナ(Al2O3),AlN、高分子樹脂、セラミック等の絶縁体であるが、主基板51と同じ材料も使用できる。

0050

主基板51上に感光性膜塗布法や貼り付け法等により付着し、露光法により感光性膜をパターニングする。主基板51と感光性膜の間に絶縁膜やエッチングストッパー用の材料や感光性膜との密着性向上膜を付着させた後に感光性膜を付着しても良い。パターニングされた感光性膜をマスクにして主基板51をエッチング除去し、主基板51の上面から下面に貫通する貫通室を形成する。貫通室は寸法通り作製するためにサイドエッチングの小さい側面がほぼ垂直な形状が望ましいが、サイドエッチングをコントロールできれば垂直形状でなくても良い。主基板がSi基板の場合、表面を酸化、窒化したり、SiO2膜やSiN膜等の絶縁膜を積層した後に感光性膜シートを付着したり、レジストを塗布した後、適度な熱処理プリベークなど)をし、露光法で所定の部分を窓開けする。この窓から、絶縁膜等を垂直エッチング(異方性エッチング)し、さらにこれらをマスクにして窓開け部分を垂直エッチング(異方性エッチング、DRIE、ボッシュ法等各種ある)して、貫通室を作製する。貫通室内に導電体膜パターンを形成する場合、ここで行なっても良い。主基板が半導体基板、導電体基板の場合、主基板の表面および貫通室の側面に絶縁膜を形成してから導電体膜を形成する。主基板51に感光性膜シート付着法や、レジスト塗布法、感光性膜の電着法等により主基板51の表面および側面に感光性膜を形成する。次に、露光法(斜め露光法、焦点深度の深い露光装置を使用)により、主基板51の表面や側面の感光性膜パターニングを行なう。次に、この感光性膜のパターンをマスクにしてウエットエッチング法または等方性ドライエッチング法により導電体膜をエッチングし、所望の導電体膜パターンを形成する。この後必要なら導電性膜パターン上に絶縁膜の保護膜を形成する。後の上下基板の導電体膜と接続する部分については、同様のフォトリソ法エッチング法を用いて、その接続部分の導電体膜の窓開けを行なう。次に、上下基板の導電体膜との接続を良くするために窓開けした部分に導電体膜で凸状にしても(少し盛り上げておくと)良い。この方法として、再度の導電体膜の積層を行ない同様のフォトリソ法+エッチング法を用いて、接続部分だけに導電体膜を残す方法や、あるいは選択CVD法やメッキ法等でその接続部に金属等を積層しておいても良い。

0051

上部基板および下部基板には予め電極となる導電体膜パターンを形成する。上下基板がガラス基板、石英基板、プラスチック基板等の絶縁基板である場合は、直接導電体膜を積層できるが、密着性向上用に絶縁膜を積層後、導電体膜を積層しても良い。導電体膜は、Cu、Al、Ti、W、Mo、Au、Cr、Ni、導電性C、導電性PolySi,導電性プラスチック等、これらの合金、複合膜積層膜等である。CVD法、PVD法、メッキ法、塗布法、スクリーン印刷法、これらの組合せ等を用いることができる。導電体膜を積層後、感光性膜を用いて露光法等で感光性膜パターンを作り、それをマスクにして導電体膜電極や必要な配線を形成する。導電体膜のエッチングはドライエットングウエットエッチングを用いることができる。その導電体膜パターンを形成後絶縁膜等でカバーして保護膜を形成しても良い。絶縁膜等でカバーした場合は、上下基板に形成する導電体膜パターンとの接続部については、同様のフォトリソ法+エッチング法を用いて、その接続部分の導電体膜の窓開けを行なう。次に、上下基板の導電体膜との接続を良くするために窓開けした部分に導電体膜で凸状にしても(少し盛り上げておくと)良い。この方法として、再度の導電体膜の積層を行ない同様のフォトリソ法+エッチング法を用いて、接続部分だけに導電体膜を残す方法や、あるいは選択CVD法やメッキ法等でその接続部に金属等を積層しておいても良い。その後、コンタクト孔、その中の導電体膜の形成、コンタクト孔上およびその他の部分への導電体膜、電極の形成を行なっても良い。また、上下基板にガス導入孔や真空引き用の開口部を設けても良い。この開口部は、ドライエッチングやウエットエッチングで行なうことができる。

0052

次に、貫通室や導電体膜配線パターンを形成した主基板に上下基板をパターン合わせをしながら付着させる。主基板の導電体膜と上下基板の導電体膜との接続において、互いの接続領域が重なるようにお互いの導電体膜パターンを形成しておくと、接続しやすい。導電体膜同士の接続部には導電性接着剤接着剤には低融点半田合金も含む)を付着して接着する。接着後所定の熱処理をして接続を確実にする。接着剤を用いない場合でも導電体膜の融点前後での熱処理や融着法により接続を確実にできる。圧力をかければ融点以下の熱処理でも導電体膜同士を接続できる。その他の部分も接着剤を用いた接着法や、常温接合法拡散接合法高温接合法を用いて接着できる。主基板51がSi等の半導体基板や導電体基板であり、上下基板がガラス基板や石英基板や、アルミナ基板等である場合は陽極接合法を用いて接着できる。上下基板に設けたコンタクト穴を通して主基板の導電体膜へ接続することもできる。接着剤を用いた場合でも用いない場合でも、接合した後に、上下基板に設けた開口部を利用して、選択CVD法やメッキ法や電鋳法を用いて、接続部に導電体膜を積層できる。さらに、保護膜等でカバーされていない導電体膜部分にも導電体膜を積層できるので、確実な接続を行なうことができる。たとえば、開口部に石英チューブガラスチューブ耐熱性プラスチックチューブ、SUS等の金属チューブを接続して(耐熱性プラスチックパッキングを接触部に介在しても良い)そこから反応性ガス(たとえば、WF6ガス)を主基板の貫通室へ導入し、別の開口部からポンプで引きながら、反応性ガスを主基板の貫通室を流し、所定の温度で熱処理することによって、導電体膜同士の接続部など導電体膜が露出した部分に導電体膜(たとえば、W膜)を選択的に積層できる。また、それらのチューブを通してメッキ液(銅や各種半田メッキ液)を流して、外側電極から通電すれば導電体膜(銅や各種半田メッキ膜)が露出した部分にメッキ膜を積層できる。その後所定の熱処理を行なえば接続部の接続がより確実になる。

0053

上記では、主基板51の貫通室の形成では支持基板を用いていないが、支持基板を用いて貫通室を形成できる。主基板51の貫通室の形成後にストレス等で基板変形が発生するときには支持基板を用いると良い。主基板に支持基板を付着させて支持基板との付着面と賀ン体側の主基板面を感光性膜等でパターニングして、主基板をエッチングすることによって主基板に貫通室を作製する。支持基板に到達するまでエッチングすれば良い。支持基板を後で取り外す場合は、支持基板と主基板の付着は、軟化性接着剤低融点金属(合金)(接着材Aとする)を使うと良い。主基板と支持基板を付着した後に上述した方法で主基板に貫通室を形成する。このとき、支持基板もエッチングされるが、選択比の高いエッチング法を用いれば支持基板のエッチングも少なくて済む。その後、絶縁膜や導電体膜や保護膜、それらのパターニングは同じであるが、支持基板は取り外すので、その接続部における膜はエッチング除去しておくことが望ましい。次に、上部基板または下部基板を開口している主基板にパターン同士を合わせながら付着させる。接着剤等(接着材Bとする)を用いる場合、支持基板を取り外すときの温度で付着が外れたり、ずれたりしないような接着剤等を選択する必要がある。たとえば、接着材Bの硬化温度TBは接着材(金属)Aの軟化温度(融点)TAより低い熱硬化性接着剤とすれば良い。上部基板または下部基板を主基板に接着した後で、TA以上の温度で熱処理することによって支持基板を主基板から分離させることができる。あるいは、接着剤Aを光剥離接着剤として、接着剤Bを熱硬化性接着剤として、接着剤Bで上部基板または下部基板を接着した後に光照射によって支持基板をはがせば良い。その後他方の基板(上部基板または下部基板)を付着させる。

0054

支持基板の代わりに最初から上部基板または下部基板を付着させる場合も可能である。上部基板と主基板を付着させ、その反対側から主基板のパターニングおよび貫通室を形成する。このとき、上部基板が余りエッチングされないように、選択比の高いエッチング条件を設定することが望ましい。上部基板または下部基板に導電体膜等のパターンが必要な場合は、それらのパターンを形成した後に主基板と付着させる。特にパターン形成面が主基板側に面するときには、予め上部基板または下部基板に導電体膜等のパターンを形成しておく。この上部基板または下部基板のパターン面を主基板のパターン面に合わせて付着させる。主基板のパターン面とは、予め貫通室が形成されている場合はその貫通室パターン、さらに主基板に導電体膜等のパターン面が形成されている場合はその導電体膜等のパターンに合わせても良い。貫通室を付着した後で形成する場合は、付着の際は余り正確なパターン合わせは必要ではない。貫通室を形成した後、絶縁膜、導電体膜、保護膜を積層し、これらのパターニングを行なう。このとき、上部基板にも電極・配線形成が必要なので、および/あるいは貫通室側壁へ電極・配線形成が必要なので、感光性シート法、電着レジスト法や焦点深度の高い露光法、回転露光法、斜め露光法等を用いて感光性膜パターンを作製し、ウエットエッチングやドライエッチングで導電体膜等のパターン形成を行なう。その後、電極・配線パターンを形成した上部基板または下部基板を主基板に付着させる。

0055

上記で上部基板に電極・配線パターンを予め作製したものを用意しておき、また主基板に予めその上部基板のパターン部分を逃がした凹部を形成しておく。この主基板の凹部と上部基板のパターンを合わせて上部基板と主基板を付着させる。その後、主基板に貫通室を形成する。このとき、上部基板に既に形成した電極・配線パターンがあるので、この電極・配線パターンがエッチングされない(されにくい)ような条件で貫通室を形成する。たとえば、主基板がSiの場合、SiはCF系ガスで高速にエッチングできるが、上部基板にAlや銅の電極・配線を形成しておけば、CF系ガスでこれらは殆どエッチングされない条件を選定できる。この後、絶縁膜を形成し導電体膜を形成した後、主基板の側面だけ導電体膜のパターニングを行なうことができる。上部基板にも導電体膜は形成されるが、上部基板上は感光性膜がカバーしていないので、上部基板の導電体膜はエッチングできて、しかも既にパターニングされた上部基板の電極・配線は絶縁膜で被われているのでエッチングされない。上部基板の電極・配線と主基板の導電体膜の接続は、絶縁膜形成後にその接続部分の絶縁膜を除去するパターニングを行なっておけば良い。その後で導電体膜を積層するので、接続は十分可能である。あるいは、上部基板の電極・配線部分上の絶縁膜を全部(殆ど)除去しておいても良い。導電体膜のパターニングのときに、上部基板の電極・配線部分にも重ねてパターン形成しておけば良い。

0056

次に、中央孔を形成する場合の方法について述べる。主基板は分割し(主基板の厚みの半分の主基板を用いる、それを半主基板とする)、中央孔を形成するパターニングをする。このとき、主基板に絶縁膜等を形成したり、感光性膜密着性用の膜を形成したり、エッチングストッパー用のマスク(レジストが削れたときに主基板をエッチングしないためのもの)としての膜を形成しても良い。そのパターンで中央孔を形成する。曲線を持って形成したいときには、ウエットエッチングやドライエッチングのサイドエッチングを利用する。垂直パターンのときには異方性エッチングを行なう。次に、貫通室形成および基板側壁(中央孔を含む)形成用のパターニングを行なう。垂直パターンを形成する部分と図9(a)に示すような傾斜した主基板側面を形成する部分がある場合には、パターニングは別々に行なう。さらに、傾斜角度を複数持つ場合にはそのつどパターニングを行ない、垂直エッチング、傾斜エッチング1、傾斜エッチング2、・・・と分けてエッチングする。主基板を一部残す場合にも同様である。基本的には、主基板に貫通室を形成する。この結果、半主基板中に中央孔(これも半分)、中央孔を有する基板側壁(これも半分)、貫通室(これも半分)が形成される。中央孔のサイズもエッチング条件により自由に大きさを変えることができる。また傾斜角度もエッチング条件により自由に選択できる。また、図9(b)の平面方向に傾斜した出口部のパターンもマスクで自由に変えることができる。従って、任意の所望の形状を作製できる。この後、絶縁膜を形成し、導電体膜を形成し、導電体膜のパターニングを行なうことができる。高さが半分になっているので、膜形成やパターニングがより簡単になる。中央孔内にも当然絶縁膜や導電体膜を形成でき、それらをエッチング除去もできる。本発明では、LSIプロセスを用いているので、基板側壁や貫通室の大きさなどは非常に正確に形成できる。導電体膜のパターニングでは貫通室のパターニングが深い所でむずかしい部分もあるが、1μm〜10μm以内の精度で加工はできるので、本発明の加速装置の精度には殆ど問題ない。

0057

半主基板を2つ同じものを作製し、それらを中央孔が一致するように付着させれば良い。付着法はこれまでに述べた方法でできる、さらに静電陽極結合をする場合は、間に薄いガラス基板、石英基板等を介すれば良い。そのガラス基板等にも同じサイズで貫通室や基板側壁や中央孔、必要な部分に導電体膜を形成して、それを半主基板と順次または同時に付着させれば良い。支持基板を半主基板に用いるときも同様に可能である。この場合、たとえば、上部基板に半主基板を付着させてから支持基板を外し、その後でさらに半主基板を付着させて、支持基板を外し、最後に下部基板を付着させる方法を取ることができる。あるいは、上部基板に半基板を付着させてから支持基板を外し、下部基板にも半基板を付着させてから支持基板を外し、それらを半基板同士を付着させるという方法でも可能である。最後に、上部基板および下部基板にコンタクト孔・その中の導電体膜、さらに外側電極を形成できる。あるいは予めこれらのコンタクト孔・外側電極を形成しておくことも可能である。さらに、貫通室の深さを深くしたい場合には、上記のプロセスを何回も重ねていけば良い。同じものを同時に何枚も作りそれらをさらに重ねて付着させていけば工程が長くなることもなく貫通室の深さが深いものも自由に簡単に作製できる。たとえば、0.5mm〜1mmの主基板を用いて順次積層していけば、4回の重ね合わせで8mm〜16mmの貫通室を持つ加速装置を作製できる。
<他のプラズマ発生法>

0058

図3は、荷電粒子の線形加速装置の構造を示す図である。図1では13や39に使用でき、その他、単独でも線形加速器としても使用できる。図3(a)は基板(主基板91の上面に第2基板(上部基板)92が、下面に第3基板(下部基板)が付着)の厚み方向断面構造図(加速空洞99の進行方向、すなわち荷電粒子Gの進行方向)、図3(b)は基板面に平行な平面図で、図3(c)は厚み方向断面構造図(加速空洞99の進行方向、すなわち荷電粒子Gの進行方向に対して垂直方向)である。

0059

加速装置内の荷電粒子Gが通る加速空洞99は、主基板(第1基板)91(厚みh1)に形成した貫通孔(室)99(幅a1)の上部を第2基板(上部基板)92で、下部を第3基板(下部基板)93で付着して内部の貫通孔(加速空洞)99は気密空間となっている。この加速空洞99内に長手方向(荷電粒子の進行方向)に環状電極(貫通孔99の側壁、上部基板92下面、下部基板93の上面に形成された連続した(電気的に一繋ぎとなった)電極)94が離間して多数形成される。(94−1、2、・・・)たとえば、環状電極94−1は、深さh1、幅a1の貫通孔99において、貫通孔99の側壁に導電体電極94S1および94S2が形成され、さらに、上部基板92の下面に導電体電極94U、並びに下部基板93の上面に導電体電極94Bが形成され、これらの導電体電極94S1、94S2、94Uおよび94Bは電気的に接続し、長さ(加速空洞99の長手方向)k1であり、より正確な形状は矩形形状である。導電体電極の厚みをt1(すべて一定と仮定する)と、導電体電極94S1と94S2の距離b1は、a1−2t1で、導電体電極94Uと94Bの距離d4は、h1−2t1である。たとえば、ai=1mm、h1=1mm、導電体膜の厚みを10μmとすれば、bi=0.98mm、di=0.98mmとなる。

0060

この環状電極94−1の隣には、距離j1で離間して長さk2の環状電極94−2が形成され、その隣には、距離j2で離間して長さk3の環状電極94−3が形成され、加速空洞99内には多数の環状電極94が形成される。荷電粒子Gの進行方向において、i番目の環状電極94−iの長さをkiとし、その次のi+1番目の環状電極94−(i+1)との距離をjiとする。環状電極94(94−i:i=1、2、・・・)の上部基板92にコンタクト孔が形成され、そのコンタクト孔にコンタクト電極95(95−i:i=1、2、・・・)が形成され、さらにそのコンタクト電極95に接続する上部電極96(96−i:i=1、2、・・・)が形成され、上部電極96は上部基板92の下面に形成されている導電体電極94Uと電気的に接続する。また、環状電極94(94−i:i=1、2、・・・)の下部基板93にコンタクト孔が形成され、そのコンタクト孔にコンタクト電極97(97−i:i=1、2、・・・)が形成され、さらにそのコンタクト電極97に接続する下部電極98(96−i:i=1、2、・・・)が形成され、下部電極98は下部基板93の上面に形成されている導電体電極94Bと電気的に接続する。

0061

このように空洞99の主基板91の内面に形成された各環状電極94(94−i)には上下基板上に形成された外側電極96(96−i)および98(98−i)から電圧を印加できるが、どちらか一方だけでも良い。従って、どちらか一方だけでも良いが、同時に印加すれば効果的に即座に環状電極94(94−i)内が同電位になる。各環状電極94(94−i)にイオンGと逆電位の電圧を印加すれば、各電環状電極94(94−i)の電位Viによってイオンは加速して進んでいく。たとえば、イオンの質量をm、各環状電極94(94−i)で増える速度をΔuiとすれば、1/2m(Δui)2=zeVが成り立つ。従って、多数個並べるとイオンを非常に高速にできる。たとえば、m=10−25kg、z=1、V=10Vとすれば、Δui=5.6km/sec(1電極あたり)、そこで1万個並べれば、5.6万km/secとなる。すなわち、ki=10μm,ji=5μmとすれば、15cmの長さの加速空洞を作製すれば良い。このように、非常に短い距離で超高速のイオンを実現できる。ただし、イオンは環状電極にも引かれて発散もするので、収束も行なう必要がある。イオンを収束するには、イオンと同電位の電圧を印加する電極を配置するか、四重極磁場をかける。これらを組み合わせながら所望の速度を有するイオンを得ることができる。また、図3に示す加速室では、上部基板92および/または下部基板93に開口部100が1つまたは複数空いていて、この開口部100を通して空洞99を真空びきしたり、あるいは不活性ガス等を導入して内部をクリーニングしたりパージできるようになっている。

0062

加速空洞室は、中央孔を有する基板側壁電極を複数配置して作製することもできる。図10は、中央孔を有する基板側壁電極を複数配置した加速空洞室を示す図である。図10(a)は基板面に垂直な断面図で、図10(b)は基板面に平行な平面図であり、図10(c)はA1−A2における断面図で、図10(a)および図10(b)の左右方向から見た図である。図10に示すように、主基板101にその上面から下面に貫通する貫通室104が形成され、その上部は上部基板102、その下部は下部基板103が付着し、貫通室104の横側面は主基板101の側面となっている。貫通室であるプラズマ発生室やイオン化室104−1で発生したイオン等の荷電粒子G(破線矢印で示す)は、基板側壁101−0の中央部に設けた中央孔105−0を通って貫通室である加速空洞室104−2へ入る。加速空洞室104−2には中央孔105(105−1、・・・、4、・・・)を有する複数の基板側壁101−1(101−1、・・・、4、・・・)が配置されている。基板側壁101(101−1、・・・、4、・・・)の周囲には導電体膜電極106(106−1、・・・、4、・・・)が形成されている。この導電体膜電極106(106−1、・・・、4、・・・)は各基板側壁101(101−1、・・・、4、・・・)の中央孔105(105−1、・・・、4、・・・)の内面にも積層されている。この導電体膜電極106(106−1、・・・、4、・・・)は、上部基板102の下面に形成された導電体膜配線107(107−1、・・・、4、・・・)と接続し、および/または下部基板103の上面に形成された導電体膜配線108(108−1、・・・、4、・・・)と接続する。この導電体膜配線107(107−1、・・・、4、・・・)は上部基板102内に形成されたコンタクト孔およびコンタクト配線109を通して上部基板102上に形成された外側電極・配線110(110−1、・・・、4、・・・)に接続する。また、この導電体膜配線108(108−1、・・・、4、・・・)は下部基板103内に形成されたコンタクト孔およびコンタクト配線111を通して下部基板103下に形成された外側電極・配線112(112−1、・・・、4、・・・)に接続する。

0063

基板側壁電極・配線106には外側電極・配線112から電圧を印加できるようになっている。通常は、この電圧は荷電粒子の電荷と逆の電圧が印加されているので、加速空洞室へ入射した荷電粒子Gは、最初の基板側壁電極配線106−1によって引かれ加速して基板側壁中央孔105−1を通りぬけていき、次の基板側壁電極配線106−2によって引かれ加速して基板側壁中央孔106−1を通りぬけていき、これを繰り返して加速されて、最後の基板側壁電極配線106−nによって引かれ加速して基板側壁中央孔106−nを通りぬけて、(n個の基板側壁電極配線等があるとする)貫通室である隣室104−3へ出射する。隣室104−3は、たとえば、図1における空洞室14や偏向電磁石室15等である。加速空洞室104−2と隣室104−3の間にも中央孔105−5を有する基板側壁101−5があり、荷電粒子はこの中央孔105−5を通って隣室104−3へ入る。この中央孔を有する基板側壁電極は、荷電粒子Gが通る領域が狭いので、荷電粒子Gは余り広がらずに中央付近を通っていく。しかし、やはり荷電粒子の一部は電極側へも引かれていくので、所々に荷電粒子と同電位(プラスまたはマイナス)の電圧を印加して荷電粒子を収束することが望ましい。ここでは荷電粒子と同電位なので少し減速するが、次の加速電極でまた加速させていく。この収束・発散、加速・減速を繰り返しながら、多数の中央孔を有する基板側壁電極を配置して全体として大きく加速させていく。本発明は、LSIプロセスを用いているので、従来では実現できない非常に小さな中央孔および距離の短い基板側壁を用いることができるので、短い距離でも多数の基板側壁電極を配置でき、短い距離で大きな速度まで加速させることができる。さらに、印加電圧も小さくて済むので、大きな電源は必要がなくなる。尚、大きな電源にして大きな電圧も印加でき、その場合は大きな加速を得ることもできる。

0064

また、荷電粒子Gの進行方向に各基板側壁電極へ徐々に電圧を印加することもでき、大きな加速を短時間で短距離で得ることもできる。あるいは、高周波電圧を各基板側壁電極へ印加して、それぞれが同期するようにすれば、収束と発散、および加速と減速を繰り返しながら、全体として大きな加速を得ることもできる。加速空洞室104−2には上部基板または下部基板に開口部113を設けて、真空引きやクリーニングやパージを行なうこともできる。また、各基板側壁の間にそれぞれ開口部113を設けて、それぞれ真空引き等を行なうこともできる。

0065

隣室との間にある基板側壁105−0や105−5は必要なければ配置しなくても良い。たとえば、隣室104−1からの荷電粒子Gが最初の基板側壁電極106−1の前方側側面へ衝突しても問題がない場合や、隣室104−1との圧力が同じで良い場合、荷電粒子Gが十分加速し収束して最初の基板側壁電極106−1の中央孔105−1を通りぬけることができる場合などである。また、基板側壁101−0の中央孔105−0のサイズは、最初の基板側壁電極106−1の中央孔105−1のサイズより小さくして、荷電粒子Gが最初の基板側壁電極106−1に引かれ易くすることもできる。基板側壁電極106(106−1、・・・)の中央孔105(105−1、・・・)のサイズは、同じサイズである方が加速性を均一にできるので望ましい。隣室104−3との仕切りである基板側壁101−5の中央孔105−5のサイズは最後の基板側壁電極106(図では101−4)の中央孔105(図では105−4)のサイズより大きくし、荷電粒子が基板側壁101−5に衝突しないようにすることが望ましい。

0066

図4は、高周波導波管を用いた荷電粒子加速管の一例を示す図で、円板装荷進行波型加速管の一種である。図4(a)は基板面に垂直な断面図(の模式図)で荷電粒子ビームGの進行方向に平行な図で、図4(b)は基板面に平行な断面図(の模式図)で、図4(c)は基板面に垂直な断面図(の模式図)で図4(a)および図4(b)の左右方向から見た図で、中央孔の断面図である。図4に示す荷電粒子加速管200は、主基板201に形成され、荷電粒子の通路となる貫通孔空洞204、主基板201の上面および下面に付着し、貫通孔空洞204を気密空間とする上部基板202および下部基板203で構成される。荷電粒子加速管200は、荷電粒子の進行方向(貫通項空洞の長手方向)Gにおいて、その両側は中心部が孔(中央孔)の空いた基板隔壁201S−Aおよび201S−Bで仕切られ、さらにその間に中心部が孔(中央孔)の空いた基板隔壁201S−i(i=1、2、3、・・・)で仕切られた複数の空間が形成され、それらの空間の両側には、マイクロ波等の高周波の導入口208が上部基板202にあいている(下部基板203にあいていても良い)空間(これを高周波導入室と記載することもある)204C−Aおよびマイクロ波等の高周波の導出口209が上部基板202にあいている(下部基板203にあいていても良い)空間(これを高周波導出室と記載することもある)204C−Bがあり、それらの間に荷電粒子を加速する複数の空間(加速キャビティと記載することもある)204C−i(i=1、2、3、・・・)がある。また、これらの空間には、上部基板202または下部基板203に真空排気口210が適宜あいていて、この真空排気口210は真空ポンプ213に接続し、荷電粒子の通る空間を真空に近い状態にしている。図4では真空排気口213は高周波導入室または高周波導出室に開いているが、これらに限定されず他の空間や空洞に設けても良い。

0067

本発明で使用する主基板としてシリコン基板等の半導体基板を用いる場合、主基板は電気抵抗が高いので荷電粒子加速管200内の多数の貫通孔空洞204内には導電体膜206を形成する。すなわち、主基板201に形成された空洞204において、主基板201の空洞側面に導電体膜206S1および206S2が、上部基板202の下面に導電体膜206Uが、下部基板203の上面に導電体膜206Bが形成される。図4(c)は中央孔205における断面図であるから、導電体膜206S1、S2、U、Bは見えないが、ここは透視しているとして描いている。中央孔205は基板側壁201S−i(i=1、2、・・・)の中央に配置され、その中央孔205の内面にも導電体膜206が環状に形成されている。中央孔205の断面は長方形状に記載されているが、中央孔205は主基板201を分割した状態でエッチング法(ウエットまたはドライ)で形成するので、台形を上下に合わせた形状や楕円状、あるいは円状など種々の形状に形成することができる。

0068

加速キャビティ204C−i(i=1、2、3、・・・)の内壁に高周波の電流が流れるので、導電体膜206は導電性が良い方が良く、たとえば銅や金、銀、アルミニウムタングステンコバルト等がベターである。温度が上がる可能性がある場合は、融点の高い金属膜が良い。本発明の荷電粒子加速管は小さくすることも可能なので、超伝導体膜使いこの装置全体低温に冷やして使用することもできる。超伝導体膜として、ニオブ(Nb)、ニオブ−チタン(Nb−Ti)、ニオブ−スズ(Nb−Sb)、二硼化マグネシウム酸化物高温超電導体イットリウム系ビスマス系等)がある。これらをスパッター膜、塗布膜として形成できる。主基板201の厚みをh2、横幅平面幅)をa2とし、導電体膜206の厚みをt2とすれば、貫通孔空洞204の深さd5はh2−2t2、貫通孔空洞204の横幅b2はa2−2t1となる。主基板201と導電体膜206の間に絶縁膜(たとえば、シリコン酸化膜)や密着性向上膜(たとえば、Ti、TiN膜)を形成する場合、導電体膜206の上に絶得膜(保護膜)を形成する場合は、それらの膜の厚みも考慮する必要がある。

0069

荷電粒子Gは荷電発生装置等から発射され、空洞204−1の内部を通過して、荷電粒子加速管200の入り口である基板隔壁201S−Aの中央孔205を通り荷電粒子加速管200へ進入する。荷電粒子Gは、高周波導入空間204C−Aへ入った後、基板隔壁(側壁)201S−1の中央孔205を通って加速空間204−1に入り、次々と基板隔壁201S−i(i=1、2、3、・・・)の中央孔205を通って加速空間204C−i(i=1、2、3、・・・)に入り、最後に高周波導出空間204C−Bへ入った後、荷電粒子加速管200の出口である基板隔壁201S−Bの中央孔205を通り、荷電粒子加速管200の外側の空洞204−2へ出ていく。高周波211は、高周波導入口208から高周波導入空間204C−Aへ入り、各基板隔壁の中央孔205を通り、各加速空間204C−i(i=1、2、3、・・・)で荷電粒子を加速する高周波電界を形成し、高周波導出空間204C−Bへ出て、高周波導出口209から高周波212として出ていく。従って、荷電粒子は各加速空間204C−i(i=1、2、3、・・・)で発生する加速電界により次々に加速されて、基板隔壁201S−Bの中央孔205を通って荷電粒子加速管200を出ていく。

0070

加速管200には、加速された荷電粒子の発散を収束する収束用電磁石207を設けることもできる。収束用電磁石207は、荷電粒子Gが基板隔壁201S−Bの中央孔205を出た後の空洞204の部分に設置される。たとえば、図4に示すように4極電磁石207(207−1、2、3、4)を空洞204の周囲に配置する。図4(d)は、4極電磁石が配置された部分において空洞204の長手方向に垂直な断面構造を示す図である。空洞204の両横側面には基板側壁201S−S1および201S−S2を挟んで、コイル207−2およびコイル207−4が形成されている。コイル207は空洞204の中心部に近いほど磁束密度(または磁界)が強くなり、荷電粒子の制御が容易となる(荷電粒子Gは空洞204の中央部を通る)ので、基板側壁201S−S1および201S−S2は薄い方が良い。LSIプロセスを使用できるので、たとえば、10μm〜1000μmと非常に薄い基板側壁も形成可能である。

0071

空洞204の上部には上部基板202が存在するが、この上部基板202の上方に、または上部基板202の内部に埋め込んで、または上部基板202の上部または内部に、コイル207−1を配置する。コイル207は空洞204の中心部に近いほど磁束密度(または磁界)が強くなり、荷電粒子の制御が容易となる。従って、上部基板202の上方に配置する場合は、コイル207−1をできるだけ上部基板202の上面に近づける。最適にはコイル207−1を上部基板202の上面と接するようにすれば良い。コイル207−1を上部基板202の内部に埋め込むか、上部基板202の内部に形成する場合は、空洞204とコイル207−1の底面と空洞の間に存在する上部基板202は、上部基板202−Uであるが、この部分の厚みは上部基板202の厚みより薄い。この上部基板202−Uの厚みは薄いほど良いが、たとえば、10μm〜1000μmと非常に薄くすることもできる。

0072

空洞204の下部には下部基板203が存在するが、この下部基板203の下方に、または下部基板203の内部に埋め込んで、または下部基板203の内部に、コイル207−3を配置する。コイル207は空洞204の中心部に近いほど磁束密度(または磁界)が強くなり、荷電粒子の制御が容易となる。従って、下部基板203の下方に配置する場合は、コイル207−3をできるだけ下部基板203の下面に近づける。最適にはコイル207−3を下部基板203の下面と接するようにすれば良い。コイル207−3を下部基板203の内部に埋め込むか、下部基板203の内部に形成する場合は、空洞204とコイル207−3の上面と空洞の間に存在する下部基板203は、下部基板203−Bであるが、この部分の厚みは下部基板203の厚みより薄い。この下部基板203−Bの厚みは薄いほど良いが、たとえば、10μm〜1000μmと非常に薄くすることもできる。

0073

図4(d)に示すように、主基板201の横方向中心線をC1としたとき、空洞204の中心O1は横方向中心線C1上にあり、コイル207−2およびコイル207−4の軸が横方向中心線C1と揃うようにコイル207−2およびコイル207−4を主基板201内に配置する。また、コイル207−1およびコイル207−3の軸が、空洞204の中心O1を通り横方向中心線C1と直交する縦方向中心線C2と揃うようにコイル207−1およびコイル207−3を配置する。このように4極電磁石(コイル)を配置することによって、空洞204内の磁界分布対称形に近い状態にできるので、荷電粒子を空洞204の中心O1の近傍に収束することができる。特に基板側壁201S−S1および201S−S2の厚みをほぼ等しくし、コイル207−2およびコイル207−4の特性を同じくし、また空洞204の中心O1に対して対称な位置に配置すること、さらに202−Uおよび202−Bの厚みをほぼ等しくし、コイル207−1およびコイル207−3の特性を同じくし、また空洞204の中心O1に対して対称な位置に配置すること、さらにコイル207−1、コイル207−2、コイル207−3およびコイル207−4の特性を同じくすることによって、空洞204内の磁界分布を対称形に近い状態にできる。ただし、本発明の四重極電磁石は構成するコイルの特性や配置、基板側壁や基板の厚みが多少異なっても、個別のコイルに印加する電圧を自由に設定でき、空洞204の内部磁界を自由に変化させることができるので、荷電粒子のビーム空洞中心O1の近傍に収束することは容易である。尚、空洞204の中心O1は、荷電粒子の進行方向Gであり、従って、中央孔205の中心は空洞204の中心O1と一致するようにすることが望ましい。

0074

基板側壁201S−iの幅、すなわち中央孔205の長さをm1、加速キャビティ204C−iの長さ(荷電粒子加速装置200の長手方向のサイズ)をp1とすると、高周波導入室204C−Aおよび高周波導出室204C−Bの距離は、(n+1)×m1+n×p1となる。(荷電粒子加速装置200がn個の加速キャビティを有するとき)それぞれの加速キャビティの長さp1や中央孔205の長さをm1の長さを変化させて、加速電界分布を変化させても良い。また、空洞204のサイズ(a2、h2)や中央孔205のサイズ(たとえば、中央孔205が矩形の場合は、縦や横の長さ、中央孔205が円形の場合は、直径)を変化させて、加速電界分布を変化させても良い。本発明の荷電粒子加速装置は、LSIプロセスを用いて作製できるので、これらの大きさを容易に安価に変化させることができる。また、四極電磁石の大きさや数も空洞204のサイズに合わせて自由に変化させることができる。

0075

次に電磁石(コイル)の作製法を説明する。図11は、電磁石(コイル)の作製法を示す一実施形態である。サポート基板114−1にコイル作製基板115−1を付着させる。サポート基板114−1はコイル作製基板115−1と後に分離するので、軟化性接着剤(軟化温度T1)による付着が良い。サポート基板114−1はガラス基板、石製基板、アルミナ基板、プラスチック、エポキシ基板、高分子基板等の絶縁体基板や、Si等の半導体基板、Cu、Al等の導電体基板である。コイル作製基板115−1は、非磁性体基板で、ガラス基板、石製基板、アルミナ基板、セラミック基板、プラスチック、エポキシ基板、高分子基板等の絶縁体基板や、Si等の半導体基板である。図11(a)に示すように、コイル作製基板115−1にコイル導線パターン用の感光性膜パターンを形成し、コイル作製基板115−1をエッチングする。このエッチングは感光性膜パターンに忠実な垂直エッチングが望ましい。あるいは、金型で打ち抜いたコイル導線パターンを形成したコイル作製基板115−1をサポート基板114−1に付着しても良い。あるいは、コイル導線用パターンを形成したプラスチックまたは高分子樹脂フィルムをサポート基板114−1に付着しても良い。コイル作製基板115−1がSi等の半導体基板であるときは、コイル配線間ショートしないように凹部側面に導電体膜を積層しておく。

0076

次に、凹部のコイル導線用パターンを導電体膜で充填する。導電体膜は、たとえば、Cu、Ni、Cr、Au、Al、W、Mo、Ti、Zr、各種半田、これらの合金や複合金属、あるいは各種シリサイド膜超伝導体である。この充填方法として、CVD法、PVD法で積層し、研磨(たとえば、CMP)して凹部だけに導電体膜を充填する方法、選択CVD法により凹部に導電体膜を充填する方法、あるいはメッキ法により凹部に導電体膜を充填する方法、あるいは導電性ペースト塗布法がある。これらに研磨を行ない平坦化することもできる。これらの方法によって、幅がa、深さがc1のコイル配線パターンの1層目(116−1)が完成する。1層目の平面パターンは、たとえば図11(g)に示すような長さd(幅a)、距離bの配線パターンである。

0077

次に2層目のパターンを同様にして作製する。2層目もサポート基板114−2にコイル作製基板115−2を付着し、感光性膜等で2層目のコイル配線パターン116−2を形成する。2層目のパターンの断面パターン図11(a)と同様であるが、平面パターンは図11(h)に示すように(横)幅a、距離bで、(縦)幅eの矩形パターンで、重ねたときに1層目のパターンに合うようになっている。コイル線幅は、(横)幅a×(縦)幅eとなるので、eはほぼaに等しく取るのが良い。次に図11(b)に示すように1層目のコイル配線パターンに2層目のコイル配線パターンをパターン合わせしながら付着する。すなわち、サポート基板114−1に付着した1層目のコイル導線パターンを形成したコイル作製基板115−1に、サポート基板114−2に付着した2層目のコイル導線パターンを形成したコイル作製基板115−2を付着させる。この付着法として、常温接合法、拡散接合法、高温接合法、コイル作製基板115−1または2がガラス基板や石英基板等の絶縁体基板で、コイル作製基板115−2または1がSi等の半導体基板であるときは、静電陽極接合法も使用できる。また、接着剤を用いて付着することもでき、導電体膜同士の接合部は導電性接着剤を用い、他の部分は絶縁性接着剤を用いる。他の接合法でも導電体膜同士の接合部は導電性接着剤を用いることができる。配線間距離bが10μm以上であれば(現時点でも)、メタルマスクを用いて導電性接着剤を接合部パターンに塗布できるし、感光性膜導電性接着剤や感光性膜パターン+エッチング法を用いれば、配線間距離bが1μmでも導電性接着剤を接合部パターンに塗布できる。さらに、半田を接合部に塗布またはメッキして、付着させることもできる。2層目の凹部もc1の深さとすれば、C2は2c1となる。コイル作製基板115同士の接合に用いる接着剤は、後の熱処理で分離しないように熱硬化性接着剤が望ましい。半田金属熱可塑性接着剤を用いる場合は、その後の熱処理でコイル作製基板115同士が移動してパターンずれを起こしたり分離しないようにする。

0078

次にサポート基板114−2を取り外す。サポート基板114−2とコイル作製基板115−2とを付着させた接着剤は熱可塑性接着剤で軟化温度をT2としたとき、T1>T2になるような接着剤を選定する。この結果T1とT2の間の温度で、サポート基板114−2だけを分離できる。図11(c)はサポート基板114−2を分離した状態を示す図である。3層目以降のパターンも2層目と同じであり、これを次々に付着させることによって、コイルの高さ方向の配線を作製できる。ただし、1枚ずつ重ねていくのは時間がかかるので、図11(d)に示すように、2枚重ねたもの同士を次に重ねて4枚にし(図11(d)の状態)、その次には4枚同士重ねたものを重ねていくことにより8枚になる。c1=0.1mmとすれば、5回の付着で0.8mmの厚さになる。

0079

最後のコイル配線パターンは、コイルとしてスパイラルに接続する必要があるので、図11(i)に示すような配線パターンとなる。1層目が図11(g)に示す配線パターンで、最上層図11(i)示す配線パターンである。(この逆でも良い。)これらの間の配線パターンが図11(h)に示すパターンである。所定の高さc4になったときに、最上層側のサポート基板を分離した後、感光性膜117を付着(塗布)し、感光性膜パターン117を形成する。これをマスクにしてコイル作製基板115をエッチング除去する。サポート基板114−1はまだ分離しないので、コイル作製基板115とサポート基板114−1との選択比の高いエッチングが望ましい。サポート基板114−1とコイル作製基板115との材料を異なったものにすれば、容易にエッチング選択比を大きくできる。たとえば、サポート基板114−1がSiまたはガラスであり、コイル作製基板115がガラスまたはSiである場合である。あるいは、ダイシング法で切断して不要な部分を分離することもできる。たとえば、サポート基板114−1とコイル作製基板115−1を付着するときに、不要な部分として分離する所に光照射で分離できる接着剤を用い、それ以外の所には通常の熱可塑性接着剤を用いることによって、ダイシングして、コイル作製基板115とサポート基板114−1の一部(深さ方向に少し)だけカットして、その後光照射して不要な部分を分離することができる。接着剤を分けて付着するには、たとえば、マスクを用いて塗布すれば良い。この結果、図11(f)で示す形状のコイル118がサポート基板114−1に付着したものが作製される。

0080

次に、下部基板203に付着し、コイル挿入用空洞120(120−1、2)および荷電粒子ビームGが通る空洞204−2(図4を参照)が形成された主基板201に、サポート基板114−1に形成された電磁石(コイル)118−1、118−2を挿入する。下部基板203には、コイル118の端子が接続するための導電体電極・配線119が形成されているので、そのパターンに合わせるように挿入する。コイル118の中心軸が主基板201の中央に来るようにコイル118の大きさを調整する。接続部には予め導電性接着剤や半田金属を付着させておくことが望ましい。熱などをかけながらこれらを軟化させて付着させれば上下方向の高さ調節もできる。コイル118の配線パターンに絶縁膜を積層したり絶縁シートを付着させて、接続部だけ窓開けしておけば、導電性接着剤等を広く塗布できるので、接続も確実だし、高さ調節や水平度調整も容易になる。

0081

また、コイル側の端子をすべて反対側に設けておけば(図11(j)〜(m)に示すコイル118−1のように)、下部基板203に導電体膜電極・配線パターン109を設ける必要がないので、絶縁性接着剤を下部基板203に、および/またはコイル118の下方側に塗布しておけるので、コイル18の付着を確実にでき、また高さ調節や水平度調整も簡単に行なうことができる。たとえば、サポート基板114のリフトプレスの水平度調整や押圧調整を簡単に行なうことができる。尚、コイル挿入用空洞120(120−1、2)の大きさはそれほど制約がないので、コイル118よりかなり大きめに開けられるので、コイルの挿入は特に問題はない。また、導電体膜電極・配線も大きく形成しておけばコイル側との接続も特に問題ない。コイル118の端面(コイル118−1なら右側、コイル118−1なら左側)と空洞204−2の中心との距離は、荷電粒子へ及ぼす磁場に影響を与えるが、現在の挿入による合わせ誤差は1μm〜10μmの間であるから、余り影響はない。

0082

さらに、2つのコイル118−1および118−2の距離は全くずれないので、空洞204−2の中心へ及ぼす両方を合わせた磁場は殆ど変化はない。空洞204−2全体へ磁場を均一にするために、コイルの大きさ(端面の)を空洞204−2の大きさ(深さ方向における)よりも大きくすることが望ましいが、予め下部基板203において、コイル挿入用空洞120(120−1、2)における下部基板203を薄くしてコイル挿入用空洞120(120−1、2)の深さを空洞204−2より深くしておけば良い。その場合は当然、コイル118の大きさもそれに対応して大きくしておく。

0083

コイル118をコイル挿入用空洞120(120−1、2)における下部基板203に固定した後、サポート基板114−1を分離する。この方法は、たとえば、コイル118と下部基板203との接着に用いる接着剤等の硬化温度T3がT1より低い温度である熱硬化性接着剤等を用いて、コイル118を下部基板203に固定した後に、温度をT1以上に上げてサポート基板114−1を分離する。(図11(k))次に、図11(l)に示すように、コイル端子と接続する導電体膜電極配線121が形成された上部基板121をコイル118の端子に合わせて主基板201に付着する。コイル118の上部に配線パターンが形成されている場合は、絶縁膜を積層したり絶縁性フィルムを付着して接続部を窓開けした状態で導電性接着剤や半田金属を塗布または形成した後に付着させれば良い。

0084

次に上部基板202に導電体膜電極配線121と接続するコンタクト孔導電体膜配線122を形成し、それに接続する外側電極配線123(123−1、2、3)を形成する。下部基板203にも導電体膜電極配線119と接続するコンタクト孔導電体膜配線124を形成し、それに接続する外側電極配線125を形成する。これによって、空洞204−2の両側面に、主基板側壁201S−S2および201S−S1を挟んだコイル挿入用空洞120(120−1、2)内にコイル118(118−1,2)が配置される。しかも非常に正確に配置されている(現状での合わせ誤差は10μm以下である)ので、空洞内の磁場も均一になる。コイル118−1に対しては外側電極123−1と123−2から電流を流すことができ、コイル118−2に対しては外側電極123−3と125から電流を流すことができる。(図11(m))

0085

図11のプロセスにおいて、1層目のパターンからサポート基板に付着する方法を採用したが、1層目のコイルパターンを下部基板上に作製しておき、サポート基板へは2層目から付着して形成することもできる。この方法を取れば、最初の1層目のプロセスを省くことができる。同様に最後の最上層目のパターンを上部基板(の下面)に形成することもできる。これでさらに最上層目のプロセスも省略できる。さらに、この場合、2層目からn—1層目(n層目を最上層目とする)までのコイル配線パターンは同じなので、単純に積み上げていっても良いし、積層したもの同士を所望の大きさになるように重ねて作製することもできる。最後にそれらを下部基板の1層目のパターンに、n−1層目を上部基板の最上層目のパターンに合わせて付着すれば良い。

0086

図11(j)のプロセスでは、荷電粒子ビームGが通る空洞204−2とコイル挿入用空洞120(120−1、2)との間の仕切りとして基板側壁201S−S1および基板側壁201S−S2が存在するが、この仕切りとして基板側壁201S−S1および基板側壁201S−S2は、磁場を弱めたり磁場を乱したりする方向に働くので取り除くこともできる。ただし、空洞204−2は荷電粒子が通るので、空洞204−2と同程度の圧力になるようにしなければならない。そのために、コイル挿入用空洞120(120−1、2)にも上下基板202や203に真空引き用の開口部を設けることもできる。基板側壁201S−S1および基板側壁201S−S2を設けなければ、空洞204−2とコイル挿入用空洞120(120−1、2)は同じ空洞になるので、コイル118−1および2を挿入するときに、コイル118−1および2が基板側壁201S−S1および基板側壁201S−S2に衝突する心配がないので、挿入が簡単になる。

0087

さらに、基板側壁201S−S1および基板側壁201S−S2とコイル118−1および2との間の距離について、挿入時の余裕度余裕距離)を考慮しなくても良い。従って、コイル118−1およびコイル118−2の間の距離を短くすることができるので、空洞内の磁場を作るための電流を小さくできる。あるいは磁場をさらに強めることができる。あるいは、基板側壁201S−S1および基板側壁201S−S2に中央孔を開けておけば、その部分の磁場は基板側壁201S−S1および基板側壁201S−S2の(材料による)影響を受けなくて済み、空洞204−2の圧力もコイル挿入用空洞120(120−1、2)の影響を余り受けなくて済む。

0088

さらに、支持基板114−1を用いたが、この代わりに上部基板202または下部基板203を用いれば、図11(j)に示すプロセスで支持基板を取り外さずにそのまま使用できる。また、図12(d)と同様に、支持基板114−1に凸部分を設けてコイル118を作製すれば、コイル挿入時に(図11(j)に示すプロセス)支持基板114−1と主基板201を接触させないで、支持基板114−1を取り外すことができるので、主基板201にダメッジ等を与えずに済む。図11(m)に示すように、コイルの配線端に接続する電極は、上部基板202にも、あるいは下部基板203にも自由に形成できる。図11(j)では下部基板203に電極配線パターンを形成したので、その電極配線パターンへコイル118の端子を合わせる必要があったが、下部基板203に電極配線パターンを形成しなくても良いようにもできるので、コイル挿入時に合わせる必要がないので、プロセスを速く行なうこともできる。さらに導電性接着剤を使用する必要もなく、通常の1種類の接着剤(たとえば、絶縁性接着剤)を用いて下部基板203に付着することもできる。また、そのとき支持基板114−1の代わりに上部基板202または下部基板203を用いれば、下部基板203にコイル118を接触させる必要もなく、コイル118が付着した上部基板204は主基板201と付着させるだけでも良いので、精密な合わせも必要がなくなる。

0089

図11のプロセスで、コイルサイズをa=e=30μm、b=20μm、d=1mm(=5×103μm)、高さ=1mm、長さ=5mmとすると、100巻きのコイルができ、コイル導線をCuで作製すると、106A/cm2の電流を流せるとすれば(エレクトロマイグレーション耐性からこの程度は可能)、I=9Aの電流をコイルに流すことができる。従って、コイルの端面の中心にできる磁場Hc=8×105A/mとなる。

0090

さらにこのコイルに比透磁率μの高いコアを挿入することによって発生する磁場を高めることができる。そこで、本発明の加速器に使用するコイルへ比透磁率μの高いコアを入れる方法を説明する。既にこの方法の類似方法は、特開2012−134329に記載されているので、それらも本発明に適用可能である。図12は、比透磁率μの高いコアを挿入した高性能のコイルを作製する方法を示す図である。図12に示す実施形態では、4種類のコイル作製用パターンを用いる。図12(g)〜(j)がそのパターンを図示した平面図である。図12(g)は図11(g)と同じであるが、コア挿入孔に対応する領域を破線Aで示している。また、コイルの外形に対応する部分を点線Bで示している。図11図12ではコイルの外側も各レイヤーで同じ基板(層)が存在していて、図11(e)のプロセスで、感光性膜パターン117をマスクにして一気に外側の基板層115をエッチング除去していたが、支持基板114に付着した後で、点線Bで示す部分に感光性膜パターン等を形成して、それをマスクにして点線Bで示す領域の外側の基板115をエッチング除去して、コイル形成領域だけを付着させて重ねることもできる。あるいは、支持基板には付着しないで、このコイルの部分だけ付着して重ねていき、最後に支持基板114の所定部分にコイルを付着させて、図11(f)に示す状態を作製することもできる。

0091

図12(a)は、図11(c)と同じ図である。すなわち、コイル作製基板130−1は図12(g)に示すコイル配線パターン116を有するコイル作製基板115である。コイル挿入領域は、破線Aで示す矩形(長方形)状であり、縦側(コイルの幅側)において、図12(g)に示すコイル配線パターン116の内側に入り、横側(コイルの軸方向)はコイル配線から左右とも食み出ている。点線Bはコイルの外形となる部分である。コイル作製基板130−2は図12(h)に示すコイル配線パターン116を有するコイル作製基板115である。このコイル配線パターン116はコイルの高さ方向に積み重なってコイル配線パターンとなる。図12(g)および(h)のパターンでは、コイル挿入領域Aはコイル作製基板115と同じであり、平面的には平坦になっている。この上に付着するパターンは図12(i)に示すパターンを有するコイル作製基板115である。すなわち、コイル作製基板130−3は図12(i)に示すパターンを有するコイル作製基板115である。図12(i)では、コイル挿入領域Aがくり抜かれて空洞となっている。この空洞は、図12(h)に示すコイル作製基板115を支持基板に付着させて窓開けして、コイル作製基板115をエッチングしたり、金型で打ち抜いたりして作製できる。さらには、既にコイル領域Bの大きさにした図12(h)に示すコイル作製基板115をエッチングしたり、打ち抜いたりして作製することもできる。このコイル作製基板130−3の上にも。図12(i)に示すコイル挿入領域Aがくり抜かれて空洞となったコイル作製基板115を付着させて、これを所定枚数付着させていく。(図12(b))ここで、コイル作製基板130−4、5、6は図12(i)に示すパターンを有するコイル作製基板115である。図12(i)に示すパターンを有するコイル作製基板115を多数枚付着させたもの(これはすべてコイル挿入領域Aがくり抜かれて空洞となっている)をまとめて、図12(a)で示す、図12(h)に示すコイル挿入領域Aがくり抜かれていないコイル作製基板115であるコイル作製基板130−2上に付着させることもできる。この場合は、図12(b)に破線Aで示す部分が、内側が空洞となっている。この空洞は、基板面に垂直な側面を有すると重ね合わせしたときにやはり垂直形状となるが、この領域Aは、軸方向はコイル領域Bより大きいので、なくなる部分であるから、必ずしも垂直形状でなくても良い。

0092

あるいは、図12(a)で示すものに、さらにコイル挿入領域Aがくり抜かれていない図12(h)で示すコイル作製基板115を重ねて付着させても良い。すなわち、コイル作製基板130−2〜130−6はすべてコイル挿入領域Aがくり抜かれていない平坦なものとなっている。その場合は、図12(c)で示すように、感光性膜131をパターニングし、コイル挿入領域Aの部分を窓開けして、その部分にあるコイル作製基板115をエッチングして、コイル挿入領域Aである凹部(開口部)134を形成する。図12(c)では、エッチングしたコイル挿入領域Aである凹部(開口部)134がコイル作製基板130−3の部分まで達しているが、コイル作製基板130−2の部分もエッチングしても良い。コイル作製基板130−1の領域に達すると、コイル配線116が露出するので好ましくない(コイル配線116もエッチングしたり、ダメッジを及ぼさないようにする)ので、コイル配線116が露出しない程度でエッチングをストップする。この後、感光性膜パターン131は除去する。

0093

次に、この凹部134内に接着剤(塗布液)を入れるか、図12(d)で示すコア部材133に接着剤を付着させて、コア部材133を凹部134内へ挿入する。コア部材133は予め支持基板132に接着剤等で付着させておく。たとえば、コア部材となるコア部材シートまたはフィルムまたは薄板を支持部材133へ付着させた後、フォトリソ法+エッチングで所定パターンを形成したり、或いは、金型で打ち抜いたりして作製しても良い。あるいは、コア部材シート等をダイシングして不要な部分をピックアップして取り除いて良い。その場合、取り除く部分とそのまま付着しておく部分で接着剤を分けておけば、異なった剥離法を用いて不要な部分だけ容易に取り除くこともできる。(たとえば、軟化温度の異なる接着剤を用いる。)接着剤として非磁性の絶縁性接着剤を用いることができるが、フェライト粒子等の強磁性体粒子を含むペースト状または液状の接着剤を用いても良い。これらの強磁性体粒子もコアの一種となるので、コアの効果を高めることができる。

0094

支持基板132に付着したコア部材133をコイル挿入領域Aである凹部(開口部)134に挿入する。このとき、支持基板132に凸部135を設けておけば、コア部材133の上部が最上部のコイル作製基板130−6の上面より外側に出ないように、すなわちコア部材133の全部が凹部(開口部)134内に入れることができる。(コア部材133の高さh1と接着剤の厚みh2の和は、凹部134の深さh3より小さくなるようにし(すなわち、h1+h2<h3、凸部135の高さをh4としたとき、h1+h2+h4>h3となるように設計すれば、支持基板132がコイル作製基板130−6の上面に当たることはなく、スムーズにコア部材133を凹部(開口部)134内に入れることができる。)凹部内に入れる接着剤はたとえば熱硬化性接着剤(硬化温度T1)とし、コア部材133と支持部材132との接着剤は熱可塑性接着剤(軟化温度T2)としたとき、T1<T2であるような接着剤を用いることによって、まずT1とT2の間でコア部材133を凹部134内に固定し、その後でT2以上の温度にしてコア部材133を支持部材132から分離すれば良い。

0095

コア部材133を凹部134内に挿入した後で、接着剤等の異物が最上部のコイル作製基板130−6の表面に付着しないようにすれば、図12(f)で示す工程、すなわち次のコイル作製基板130−7をコイル作製基板130−6に付着できる。接着剤等の異物が最上部のコイル作製基板130−6の表面に付着している場合や、コア部材133を凹部内に完全に埋め込む場合は、コア部材133を凹部134内入れて固定した後に同じ接着剤をコア部材133の上から凹部134内に入れて凹部134の隙間空間を接着剤で充填する。あるいは、絶縁膜を積層したり、塗布しても良い。このとき、当選最上部のコイル作製基板130−6の表面にも接着剤や絶縁膜が付着または積層するので、CMP、BG(グラインダー)やエッチバックにより付着または積層した接着剤や絶縁膜を取り除き、平坦化して、コイル配線パターン116を露出させる。この平坦化は、たとえば、レジスト液等の有機膜を塗布して平坦化した後にCMP、BG(グラインダー)等で研磨したり、エッチバック法によりエチングしたりして、平坦化しながらコイル作製基板130−6表面を出す。(図12(e))

0096

この後、図12(h)に示すコイル挿入領域Aがくり抜かれていないコイル作製基板である115であるコイル作製基板130−7をコイル作製基板130−6(少しエッチングまたは研磨されている)に付着させる。その後で、最上部のコイル作製基板である図12(j)に示すコイル配線パターンを有するコイル作製基板130−5であるコイル作製基板130−8をコイル作製基板130−7に付着させる。このようにして、コア部材133を内蔵したコイルを作製できる。支持基板114−1上の必要な場所に必要な数のコア部材133を内蔵したコイルを作製しておく。この後、図11(j)以降に示す工程でコア部材133を内蔵したコイルをコイル挿入用空洞120へ挿入する。多数の加速装置や電磁石を必要とする部分に一括して同時にコア部材133を内蔵したコイルを配置することができる。尚、図12(g)で示すコイルの配線パターンを有するコイル作製基板115であるコイル作製基板130−1の上に絶縁膜を塗布したり積層したりするなどして、絶縁膜を介在すれば、図12(h)で示すコイル挿入領域Aがくり抜かれていないコイル作製基板である115であるコイル作製基板130−2を付着せずに、図12(i)で示すコイル挿入領域Aがくり抜かれているコイル作製基板である115であるコイル作製基板130−3を付着することもできる。(コイル配線パターンとコア部材133が電気的に導通することはないので)また、同様にコア部材133の上面に絶縁膜が介在していれば、図12(h)で示すコイル挿入領域Aがくり抜かれていないコイル作製基板である115であるコイル作製基板130−7をコイル作製基板130−6に付着せずに、図12(j)で示すコイル配線パターンを有するコイル作製基板である115であるコイル作製基板130−8を付着することもできる。この介在する絶縁膜は絶縁性接着剤や絶縁性シートや絶縁膜の積層(CVD、PVD、塗布法等)で実現できる。この結果、図12(h)で示すレイヤーは必要がなくなる。尚、コア部材としては、鉄(μ=約5000)、純鉄(μ=約10000)、ケイ素鉄(μ=約7000)、パーマロイ(μ=約100000)、スーパーマロイ(μ=約1000000)、アモルファス鉄(μ=約3000)、フェライト(μ=約2000)、センダスト(μ=約30000)、バーメンジュール(μ=約5000)等の軟磁性材料が挙げられる。

0097

次に、上下基板に配置するコイルの作製方法について説明する。図13は上下基板に配置するコイルの作製方法を示す図である。支持基板141−1に1層目のコイル配線基板142−1を付着させる。このコイル配線基板142−1は、コイル配線のない基板、たとえば図13(i)の導電体膜配線パターン144がないものである。このコイル配線基板142−1がSi等の半導体基板や導電体基板である場合は、基板表面に絶縁膜を形成して配線とコイル配線基板142−1との間が接続しないようにる。コイル配線基板142−1がガラス、石英、サファイヤ、アルミナ、プラスチック、高分子樹脂等の絶縁体であるときは、通常絶縁膜を形成する必要はないが、導電体膜との密着性向上のための絶縁膜が必要な場合もある。1層目のコイル配線基板142−1はこの上に付着する配線基板の配線パターンを保護するものであるが、2層目のコイル配線の下面に絶縁膜を形成して保護することもできるので、この1層目のコイル配線基板142−1を設けなくても良い。ただし、コイルを頑にするためにはこの1層目のコイル配線基板142−1を設けた方が良い。

0098

次に、2層目のコイル配線基板142−2を付着する。1層目のパターンはないのでパターン合わせは不要である。2層目のコイル配線基板142−2は図13(i)に示す配線パターンを有する配線基板である。この付着法は、既に記載したように別の支持基板141−2(図示せず)に2層目のコイル配線基板142−2を付着させて、支持基板141−1に付着したコイル配線基板142−1と支持基板141−2に付着したコイル配線基板142−2を対面させて付着した後、支持基板141−2をコイル配線基板142−2から分離すれば良い。あるいは、コイル配線基板142が単体で支持できるものであれば、直接コイル配線基板142−1と支持基板141−2をアライメントしながら付着させることもできる。あるいは、配線パターンのないコイル配線基板143を支持基板141−2に付着させて、その配線パターンのないコイル配線基板143をパターニングしては配線パターンを開口部とした感光性膜パターンをフォトリソ法で形成し、コイル配線基板143をエッチングし、貫通溝パターンを形成する。この貫通溝パターンは垂直形状が望ましい。あるいは、配線パターンを有する金型等で配線パターンのないコイル配線基板143を打ち抜いて貫通溝パターンを形成することができる。あるいは、支持基板141に感光性樹脂を塗布して貫通溝パターンを開口して開口部以外を硬化させて貫通溝パターンを形成する。あるいは、絶縁膜ペーストを塗布して金型等で貫通溝パターンを開口してペーストを硬化させて貫通溝パターンを形成する。あるいは、スクリーン印刷法でペーストを塗布し貫通溝パターンを開けた後ペーストを硬化させて貫通溝パターンを形成する。

0099

このように貫通溝を形成したコイル配線基板143に必要なら絶縁膜を形成し、次に導電体膜を形成し、貫通溝パターンを導電体膜で充填する。CVD法やPVD法やメッキ法で導電体膜を厚く形成して貫通溝を埋めた後、表面をエッチング(エッチバック法)したり、研磨(BG法やCMP法)したりして、表面の導電体膜を除去して貫通溝だけに導電体膜を充填させる。あるいは、CVD法やPVD法で貫通溝の内壁およびコイル配線基板143の表面に導電体膜(シード層)を薄く積層した後、感光性膜を塗または感光性シートを付着してフォトリソ法を用いて貫通溝パターンを除いた部分を感光性膜で覆い、その後メッキ法で貫通溝パターンをメッキ膜で充填し、その後で、エッチバック法や研磨法でコイル配線基板143の表面に積層した導電体膜を除去し、貫通溝パターンだけに導電体膜が充填したパターン(たとえば、図13(i)〜(k)に示すもの)を形成したコイル配線基板143を作製する。あるいは、導電体ペーストを塗布して貫通溝パターンを充填して、貫通溝パターンを除いた部分のペーストは取り除き、熱処理等で貫通溝内の導電体ペーストを固める。あるいは、溶融メタルを貫通溝パターンに流し込んで冷却して固めて貫通溝内をメタル(導電体)で充填する。2層目のコイル配線基板142−2のコイル配線パターン144−2は図13(i)に示すようなスパイラル状パターンの1枚目である。矩形パターンで形成しているが、円形パターンでも良いし、楕円状パターンでも良い。次に、支持基板141−2にコイル配線基板142−2が付着している場合は、コイル配線基板142−2から支持基板141−2を分離する。(図13(a))尚、図13(i)の右側へ出ている配線パターン144は、コイル端子を上部に作製するためのパターンであるが、これは図面上で分かり易いように記載しただけであり、このパターンは図の左側の方に配線を伸ばして来ても良い。

0100

次に、2層目のコイル配線基板142−2の上に3層目のコイル配線基板142−3を付着する。3層目のコイル配線基板142−3の配線パターンは図13(j)に示すような上下の環状配線パターンをコンタクトするもの(144−1)である。右側の配線パターン144−2はコイルの端子電極を上部に設けるためのコンタクト配線である。支持基板141−3にコイル配線基板142−3を付着させて、それをさらに2層目のコイル配線基板142−2の上に3層目のコイル配線基板142−3を付着する。(図13(b))支持基板141−3を分離した図が図13(c)である。このような上下のコンタクト配線では横方向には電流は流れず、縦方向へ電流が流れるので、コイル配線基板143の厚みは薄くても良い。そこで、直接2層目のコイル配線基板142−2の上に絶縁膜をCVD法やPVD法、あるいは塗布法(SOG、ペースト)で形成し必要なら適度な熱処理等を行なった後、フォトリソ法を用いてコンタクト孔を開けて、CVD法やPVD法、メッキ法、あるいは塗布法(ペースト)導電体膜を積層し、コンタクト孔を導電体膜で充填し(コイルに流す電流によっては必ずしも充填する必要はない)、フォトリソ法等およびエッチング法等を用いてコンタクト孔回りの導電体膜パターンおよび上層の配線とのコンタクト導電体膜パターンを形成する。この作製法によれば、コイル配線間の厚み、すなわちコンタクト孔の深さも1μm〜10μm程度にできる。
(この図も図13(c)である。)

0101

コンタクト孔サイズ(矩形状の場合、縦aμm、横bμm)はコイルに流す電流によって選択する。(もちろん、上下のコイル配線の幅d、厚みhも)コイルに流す電流はコイルが発生する磁界を決定する。たとえば、メッキ法でコンタクト孔(図13(j)の144−1や144−2)やコイル配線144をメッキ法で形成した場合、エレクトロマイグレーションストレスマイグレーションを考慮して、106A/cm2程度の電流密度は流せるので、a=b=30μm、またはd=30μm、h=30μmで、10A程度の電流を流すことができる。コイルサイズをx=1mm、y=1mmの矩形として、コイルは100回巻きとして、このときに発生するコイル端面中心磁界は、でかなり大きい。コンタクトの深さを2μmとすれば、1巻き当たりのピッチは32μmとなり、100回巻きで3200μm=3.2mmのコイル長さとなる。コンタクトの深さを20μmとすれば、1巻き当たりのピッチは50μmとなり、100回巻きで5000μm=5.0mmのコイル長さとなる。尚、環状巻きのコイル配線パターンを有するコイル配線基板を付着方式ではなく積層方式で作製することができる。その方法は、上述したコンタクト配線パターンを形成する方法と同じである。

0102

次に、コンタクト孔パターンを有するコイル配線基板、あるいはコンタクト孔パターンを有する絶縁層142−3の上に、図13(k)に示すようなリング状のコイル配線パターン144を有するコイル配線基板143であるコイル配線基板142−4を付着させる。コイル配線基板142−4も支持基板141−4(図示せず)に付着させた後にコイル配線基板142−3の上に付着させ、その後、支持基板141−4を分離する。単独でコイル配線基板142−4を処理できるときは、コイル配線基板142−4をコイル配線基板142−3の上に直接付着させることもできる。次に、図13(j)で示すようなコンタクトパターンを有するコイル配線基板143であるコイル配線基板142−5を支持基板141−5に付着させた後に、コイル配線基板142−4に付着させる。上述したように、コイル配線基板142−5を使用せずに、コンタクト144−5−1を形成することもできる。また、下側コイル端子を上部の電極まで接続するコンタクト144−3−2、144−4−2、および144−5−2を順次積み上げ接続していく。(図13(d))

0103

これらを繰り返して、図13(k)に示すような環状のコイル配線パターンと図13(i)に示すようなコンタクトパターンを交互に付着させるか、積層するかして所定の巻き数を持つコイルを形成する。図13(e)では、環状のコイル配線パターンを有するコイル配線基板は、142−2、4、6、8の4層、コンタクト配線パターンを有するコイル配線基板は、142−3、5、7、9の4層である。簡単のためにコイル配線の巻き数は少なくしたが、どんどん積み重ねていくこともできる。あるいは何層か積み重ねたもの同士を重ねることもできる。コイルの中にコアを挿入する場合は、この後コイルを挿入すべき部分、すなわち、環状に形成したコイル配線144の内側部分、図13(e)で破線147で示す部分の内側部分(コイル配線パターン図13(i)〜(k)に破線147で示す部分の内側)を繰り抜くための感光性膜パターン145を形成する。かなりの厚みをエッチングするので、エッチングストッパー用の膜または薄板を介在しても良い。この感光性膜パターン145をマスクにして、開口部146からエッチングして、コイル配線の内側のコイル配線基板を除去する。最下層の配線パターンのあるコイル配線基板142−2における内側のコイル配線基板を全部除去し、さらにその下にある配線パターンのないコイル配線基板142−1の途中まで(あるいは全部でも良い)エッチング除去する。その結果コイル挿入孔148(側面が147となる)が形成される。このエッチングではかなりの量のコイル基板をエッチングするので、感光性膜パターン145(および、エッチングストッパーを介在する場合は、エッチングストッパーも)とコイル基板のエッチング選択比をかなり大きく取る必要がある。あるいは感光性膜を145かなり厚くする必要がある。そこで、前もって、各コイル配線基板を作製する段階で、コイル挿入孔となる部分148をくり抜いておくと良い。たとえば、図13(i)〜(k)に示すように破線147で示す領域の内側部分148も除去しておく。この除去方法は、配線パターン144の形成時における配線溝(貫通孔)を形成するときに同時に形成できるので、プロセスの増加にはならずコストアップにはならない。配線パターン144を形成するときに、繰り抜いた部分148に形成した導電体膜も同時に除去しておくか、マスキングして導電体膜を形成しないようにすれば良い。これもプロセスの増加にはならない。この結果、所定枚数のコイル配線基板を積層すれば、同時にコイル挿入孔148が形成され、感光性膜パターン145やエッチングストッパーを付着するなどのプロセスは不要となる。

0104

次に、図13(f)に示すように、支持基板149に付着したコア151をコイル挿入孔148に挿入する。支持基板149が最上部のコイル配線基板142−9に衝突しないように、凸部150を設けてコア151をその凸部150に付着させてコア151をコイル挿入孔148に挿入しても良い。これにより、コア151を完全にコイル挿入孔148へ入れることができる。ディスペンサーや塗布等でコイル挿入孔148内へ接着剤を入れてからコア151をコイル挿入孔148内へ挿入しても良いし、あるいはコア151の下面や側面へ接着剤を付着させてからコアを挿入しても良い。接着剤はペースト状、液状、またはゲル状である場合は、緩衝剤にもなるので、コイル配線基板142に及ぼすダメッジを小さくすることもできる。あるいは、コア151に粘着シートを付着しても良く、その粘着シートもクッション性を持たせることにより、緩衝材の役目を果たす。前述したように、粉末状の軟磁性材料を含むペースト、または液状またはゲル状材料を接着剤に用いることによりコアとしての効果をさらに高めることもできる。コア151を用いない場合でも、粉末状の軟磁性材料を含むペースト、または液状またはゲル状材料をコイル挿入孔へ充填することによって、ある程度コイルの磁束密度を高めることもできる。また、粉末状の軟磁性材料を含むペースト、または液状またはゲル状材料をコイル挿入孔148が満たされる程度注入するか、あるいはコア151を入れたときにコイル挿入孔148を充填する程度に上記材料を注入することによって、コア151はこれらの材料に被われるのでこの後で、コイル挿入孔148を充填するための接着剤等の材料を使用する必要がなくなる。
コア151を入れてコイル挿入孔148に接着剤等でコア151を被ったときには、最上部のコイル配線基板142−9の上面で露出している配線層も接着剤等で被われてしまう可能性があるので、研磨法(BG法、CMP法等)やエッチング法で最上部のコイル配線基板142−9の上面に付着している接着剤等を除去する。また、最上部のコイル配線基板142−9の上面を平坦化しておくことが望ましい。

0105

次に、図13(g)に示すように、コイルの外形を決めるための感光性膜のパターニング152を行なう。この感光性膜のパターン152をマスクにしてコイル配線基板142をエッチングし、最下層のコイル配線基板142−1まで不要な部分を除去する。このコイル配線基板142も厚いので、コイルの外形を決めた状態で積み重ねることもできる。各コイル配線基板142(142−1、2、・・・)の外形は、最初から決まった外形の基板(たとえば、図13(i)〜(k)で示す外形だけを有する基板143)に配線用の貫通孔および貫通孔内の導電体膜充填のパターンを形成したものを用いても良い。あるいは、広い面積を有するコイル配線基板142(142−1、2、・・・)に外形部分および配線用の貫通孔および貫通孔内の導電体膜充填のパターンを形成したものを多数(あるいは、1個でも作製はできる)作製したものを積み重ねていくこともできる。こうして、図13(h)に示すように、支持基板141−1に付着したコイル140が形成される。

0106

次に第4基板153をコイル140の上面(図13(g)では、コイル配線基板142−9)に付着させる。(図13(l))第4基板153は、ガラス基板、石英基板、サファイヤ基板、アルミナ基板、AlN基板、セラミック基板、エポキシポリミド等の各種高分子基板、プラスチック基板などの絶縁基板である。導電体基板やSi基板等の半導体基板の場合は、表面やコンタクト孔部分を絶縁膜で被う必要がある。第4基板を付着した後、最上部のコイル配線基板142−9の導電体膜配線パターン144—9−1および144−9−2に対して、第4基板153にコンタクト孔およびその中の導電体膜配線154を形成し、さらに少なくともそのコンタクト154に接続する電極・配線パターン155−1および155−2を作製する。導電体膜配線パターン144−9−2は、最下部のコイル配線基板142−2のコイル配線端子と接続する配線であり、これに接続するものが電極・配線パターン155−2である。他方のコイル配線端子は最上部のコイル配線基板142−9のコイル配線端子144—9−1であり、これに接続するものが電極・配線パターン155−1である。従って、導電体膜配線パターン144—9−1および144−9−2の間でコイル140に電流を流し磁界を発生させることができる。第4基板153が絶縁性基板(または表面に絶縁膜を被った導電体膜基板または半導体基板)の場合は、コンタクト配線パターンだけであるコイル配線基板142−9は省くことができて、環状のコイル配線パターンを有するコイル配線基板142−8を直接付着するっことができる。その場合の接着剤は絶縁性接着剤を使用する。予めコンタクト154や導電体膜・配線電極155を形成した第4基板153をコイル140に付着させることもできるが、導電体膜配線パターン144—9−1および144−9−2とコンタクト154の接続には導電性接着剤を用い、それ以外の部分は絶縁性接着剤を使用する。または直接接合常温、高温、融着等)で導電体膜配線パターン144—9−1および144−9−2とコンタクト154の接合、および他の部分の接合を行なうこともできる。

0107

この後、支持基板141−1を分離する。この結果、第4基板153に付着したコイル140を作製できる。コイル140はコア151をコイル配線内部に有する。コアを用いない場合は、コイル挿入孔148を形成する必要はないのでプロセスは簡単になる。尚、支持基板141−1に第4基板を使用することによって、同様のコイル140を作製することができ、最後の支持基板141−1を分離する必要がないこと、最初の配線パターンのないコイル配線基板142−1を使用しなくても良いことなどのメリットがある。ただし、この第4基板153は製品として使用していくので、耐久性などの信頼性を考慮して材料やプロセスを構築する必要がある。また、このときは、支持基板でもある第4基板153側にコンタクト孔や電極・配線を形成する。

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