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技術 塗布性に優れた歯科用陶材ペースト

出願人 株式会社松風
発明者 河田圭太河野顕志
出願日 2020年1月22日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2020-008243
公開日 2020年8月6日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-117499
状態 未査定
技術分野 歯科用製剤
主要キーワード カップ材 長期間一定 最短直径 結晶タイプ 二ケイ酸リチウム 歯科技工用 ペースト性状 最長直径
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年8月6日)のものです。
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課題

長期間ペースト状態を維持でき、優れた塗布性有し、焼成時に有機成分または高分子成分の影響による炭化気泡がほとんど発生しない歯科用陶材ペーストを提供する。

解決手段

歯科補綴装置を作製するための歯科用陶材ペーストであって、最大粒子径が100μm以下であって平均粒子径が1〜20μmのガラス粉末(a)を50.0〜80.0 wt%、平均一次粒子径が1〜50nmの疎水化微粒子シリカ(b)を0.5〜10.0wt%、及び、沸点(bp)が100〜300℃の有機溶剤(c)を10.0〜49.5wt%含むことを特徴とする歯科用陶材ペースト。

概要

背景

歯科用陶材は、長石などを原料としたガラスセラミックス材料であり、主に欠損歯歯冠補綴修復に用いられる。使用方法により分類すると、金属製フレーム上に焼き付けメタルボンド陶材ジルコニア製フレーム上に焼き付けるジルコニア用陶材、また歯科用陶材単独で作製する補綴装置がある。
また、歯科セラミックス用着色材料は、歯科用陶材と同様、ガラス材料もしくはガラスセラミックス材料をベースとし、様々な着色材成分顔料)を配合させている。歯科用陶材や歯科用セラミックス材料(アルミナ、ジルコニアなど)の色調調整に用いられるものである。

特許文献1には、不透明陶材として歯科用コーピングへの使用に適したペーストが開示され、不透明陶材とウレタンポリマー水溶性コロイド状分散液から成る。ウレタンポリマーの水溶性コロイド状分散液でペースト化することでボディー陶材層築盛する前に焼成する必要がないことを特徴としている。
しかし、ウレタンポリマーは、陶材焼成条件では完全に焼却できず炭化気泡が発生した。また、本技術では均一な塗布が困難であった。

特許文献2には、不透明セラミックペーストが開示され、約2μm未満粒子を約10〜20%含むセラミック粉末沸点300℃未満の有機溶剤を混合することにより調整する。
しかし、この不透明セラミックペーストは、優れた塗布性を維持しつつ経年劣化による粉末と液成分の分離を抑制することが困難であった。

特許文献3には、使用時に乾燥・固化しにくい歯科用ペースト状陶材が開示されている。高分子材料を溶解させた粘度が50,000〜1,500,000cpsの有機溶剤を7〜45重量部と残部の陶材粉末とで100重量部になるよう混合され、ペースト状を呈していることを特徴としている。
しかし、高分子材料を溶解した高粘度の有機溶剤を使用すると陶材焼成時に完全に焼却できず炭化や気泡が発生した。また、本技術では均一な塗布が困難であった。

特許文献4には、焼成前後の色差を抑制することができるペースト状歯科用陶材が開示され、焼成の際に脱色する着色剤、有機溶剤、及び表面処理された陶材粉末を含むことを特徴としている。
しかし、本技術では、焼成時に完全に焼却できず炭化や気泡が発生した。また、均一な塗布が困難であった。

いずれの先行技術も、塗布性の優れたペースト状態を長期間維持しつつ、焼成時の有機成分や高分子成分焼け残りによる炭化や気泡の抑制を達成することはできなかった。

概要

長期間ペースト状態を維持でき、優れた塗布性有し、焼成時に有機成分または高分子成分の影響による炭化や気泡がほとんど発生しない歯科用陶材ペーストを提供する。歯科補綴装置を作製するための歯科用陶材ペーストであって、最大粒子径が100μm以下であって平均粒子径が1〜20μmのガラス粉末(a)を50.0〜80.0 wt%、平均一次粒子径が1〜50nmの疎水化微粒子シリカ(b)を0.5〜10.0wt%、及び、沸点(bp)が100〜300℃の有機溶剤(c)を10.0〜49.5wt%含むことを特徴とする歯科用陶材ペースト。なし

目的

特開昭59-196807号公報
特開平01-125312号公報
特開2001-079019号公報
特開2017-193492号公報






長期間ペースト状態を維持でき、優れた塗布性を有し、焼成時に有機成分または高分子成分の影響による炭化や気泡がほとんど発生しない歯科用陶材ペーストを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

歯科補綴装置を作製するための歯科用陶材ペーストであって最大粒子径が100μm以下であって平均粒子径が1〜20μmのガラス粉末(a)を50.0〜80.0wt%、平均一次粒子径が1〜50nmの疎水化微粒子シリカ(b)を0.5〜10.0wt%、及び、沸点(bp)が100〜300℃の有機溶剤(c)を10.0〜49.5wt%含むことを特徴とする歯科用陶材ペースト。

請求項2

着色材(d)および/または蛍光材(e)をさらに含む請求項1に記載の歯科用陶材ペースト。

技術分野

0001

本発明は、人工歯等の歯科補綴装置に使用され、歯科技工士手作業による陶材築盛時において好適に使用される歯科用陶材または歯科セラミックス用着色材料ペースト状にした歯科用陶材ペーストに関する。

背景技術

0002

歯科用陶材は、長石などを原料としたガラスセラミックス材料であり、主に欠損歯歯冠補綴修復に用いられる。使用方法により分類すると、金属製フレーム上に焼き付けメタルボンド用陶材、ジルコニア製フレーム上に焼き付けるジルコニア用陶材、また歯科用陶材単独で作製する補綴装置がある。
また、歯科セラミックス用着色材料は、歯科用陶材と同様、ガラス材料もしくはガラスセラミックス材料をベースとし、様々な着色材成分顔料)を配合させている。歯科用陶材や歯科用セラミックス材料(アルミナ、ジルコニアなど)の色調調整に用いられるものである。

0003

特許文献1には、不透明陶材として歯科用コーピングへの使用に適したペーストが開示され、不透明陶材とウレタンポリマー水溶性コロイド状分散液から成る。ウレタンポリマーの水溶性コロイド状分散液でペースト化することでボディー陶材層を築盛する前に焼成する必要がないことを特徴としている。
しかし、ウレタンポリマーは、陶材焼成条件では完全に焼却できず炭化気泡が発生した。また、本技術では均一な塗布が困難であった。

0004

特許文献2には、不透明セラミックペーストが開示され、約2μm未満粒子を約10〜20%含むセラミック粉末沸点300℃未満の有機溶剤を混合することにより調整する。
しかし、この不透明セラミックペーストは、優れた塗布性を維持しつつ経年劣化による粉末と液成分の分離を抑制することが困難であった。

0005

特許文献3には、使用時に乾燥・固化しにくい歯科用ペースト状陶材が開示されている。高分子材料を溶解させた粘度が50,000〜1,500,000cpsの有機溶剤を7〜45重量部と残部の陶材粉末とで100重量部になるよう混合され、ペースト状を呈していることを特徴としている。
しかし、高分子材料を溶解した高粘度の有機溶剤を使用すると陶材焼成時に完全に焼却できず炭化や気泡が発生した。また、本技術では均一な塗布が困難であった。

0006

特許文献4には、焼成前後の色差を抑制することができるペースト状歯科用陶材が開示され、焼成の際に脱色する着色剤、有機溶剤、及び表面処理された陶材粉末を含むことを特徴としている。
しかし、本技術では、焼成時に完全に焼却できず炭化や気泡が発生した。また、均一な塗布が困難であった。

0007

いずれの先行技術も、塗布性の優れたペースト状態を長期間維持しつつ、焼成時の有機成分や高分子成分焼け残りによる炭化や気泡の抑制を達成することはできなかった。

先行技術

0008

特開昭59-196807号公報
特開平01-125312号公報
特開2001-079019号公報
特開2017-193492号公報

発明が解決しようとする課題

0009

長期間ペースト状態を維持でき、優れた塗布性を有し、焼成時に有機成分または高分子成分の影響による炭化や気泡がほとんど発生しない歯科用陶材ペーストを提供する。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、歯科補綴装置を作製するための歯科用陶材ペーストであって、最大粒子径が100μm以下であって平均粒子径が1〜20μmのガラス粉末(a)を50.0〜80.0wt%、平均一次粒子径が1〜50nmの疎水化微粒子シリカ(b)を0.5〜10.0wt%、及び、沸点(bp)が100〜300℃の有機溶剤(c)をを10.0〜49.5wt%含むことを特徴とする歯科用陶材ペーストである。
本発明において最大粒子径とは、全粒子中で最も大きい粒子の径である。ガラス粉末の最大粒子径は、レーザー回折散乱法、動的光散乱法遠心沈降法、電気検知体法などを用いた測定により求めることができる。
本発明において平均粒子径とは、全粒子径平均値である。ガラス粉末の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気的検知体法などを用いた測定により求めることができる。
本発明において平均一次粒子径とは、凝集していない状態での全粒子径の平均値である。微粒子シリカの平均一次粒子径は、ガス吸着法水銀圧入法ガス浸透法バブルポイント法などを用いた測定で得られた比表面積より算出することが可能である。

0011

本発明においては、着色材(d)および/または蛍光材(e)をさらに含むことが好ましい。

発明の効果

0012

本発明の歯科用陶材ペーストは、技工士の熟練度に左右されず均一に塗布することでき、長期間一定ペースト性状を維持することができ、炭化を防ぎ、気泡の発生を抑えることができる。

0013

歯科用陶材ペーストでは、コアの上に、歯科用陶材ペーストを築盛し、焼成することで目的とする歯科補綴装置の形状を得ることが可能である。
一般的に650℃〜850℃の温度域が、歯科用陶材ペーストを焼成する為の焼成温度である。本焼成温度において、通常は1-10分間係留することで焼成する。
850℃以上で焼成した場合は、歯科補綴装置の形状が維持できず、変形や泡が発生する場合がある。
650℃以下で焼成した場合は、焼成が足りず炭化し、目的の色調を得ることができない場合がある。また、10分以上の長時間の係留が必要となり、現実の使用には用いることは困難である場合がある。
1回以上焼成とは、少なくとも1回は焼成する必要があり、目的とする歯科補綴装置の形状にする前に上述の焼成温度で焼成し、さらに歯科用陶材ペーストを築盛して焼成することがあり、複数回に亘って前記焼成温度で焼成することができる。

0014

ガラス粉末(a)は、焼成して得られた歯科補綴装置の基材となるガラス成分であり、焼成により溶融コア材料融着し結合するものである。本発明においては、ガラス粉末(a)以外のガラス粉末が含まれないことが好ましい。
ガラス粉末の平均粒子径は1〜20μmである。好ましくは2-10μmである。最も好ましくは3-9μmである。平均粒子径が小さいとペースト化した際にガラス粒子同士が凝集し、塗布性が変化することがある。平均粒子径が大きいとペースト化した際にガラス粉末が沈降しやすくなる。
ガラス粉末の最大粒子径は、100μm以下である。好ましくは90μm以下である。最も好ましくは80μm以下である。100μmより大きな粒子を含むと操作性が悪く、またペースト化した際にガラス粉末が沈降しやすくなる。
ガラス粉末(a)の軟化点(Ts)は、500℃〜650℃であることが好ましい。軟化点(Ts)が500℃〜650℃のガラス粉末を使用することで、650℃〜850℃での焼成が可能となり、850℃より高い温度で焼成すると変形する恐れがある二ケイ酸リチウムガラスセラミックスで作製されたコア材料への適用が可能となる。
ガラス粉末の配合量は所望のペーストの性状が得られるように、適宜配合することができるが、50.0〜80.0wt%の範囲で、好ましくは65.0〜75.0wt%の範囲で配合する。ガラス粉末の配合量が少なすぎると本発明の特徴である均一な塗布性が達成できず、ペースト性状の維持も難しくなる傾向にある。また、ガラス粉末の配合量が多すぎるとペースト化が困難となる傾向にある。

0015

本発明に用いるガラス粉末(a)は、歯科用陶材として使用できれば特に限定されず、結晶を含んでいてもよい。軟化点が650℃未満であり650℃〜850℃の温度で焼成可能であれば好ましい。ガラス粉末は、例えばSiO2を主成分(含有量が最も多い成分)とするガラス又は結晶化ガラスが挙げられる。このようなガラスはSiO2以外に、Al2O3、B2O3、ZnO、K2O、Na2O、Li2O、ZrO2、CaO、MgO等を含んでいてもよい。具体的には、アモルファスタイプのカリウムアルミノシリケートガラス、アモルファスタイプのカリウムボロシリケートガラス結晶タイプのカリウムアルミノシリケートガラス、結晶タイプのフルオロアパタイトガラス、結晶タイプのリチウムシリケートガラスなどが挙げられる。
ガラス粉末(a)も下記に示すシランカップ材で一部または全部を処理されていてもよい。

0016

疎水性微粒子シリカ(b)の平均一次粒子径は1〜50nmであり、好ましくは5〜45nmで、より好ましくは7〜40nmである。疎水性微粒子シリカの平均一次粒子径が50nmより大きいとペースト性状の維持と塗布性の向上が困難になるという問題が生じる。平均一次粒子径が1nmより小さい疎水性微粒子シリカは、微粒子シリカ自体の作製が困難で一般的でないため使用できない。疎水化微粒子シリカは表面処理により疎水化されている。
疎水化微粒子シリカは所望のペースト性状に合わせて適宜配合することができるが、配合量は0.5〜10wt%の範囲、好ましくは2.0〜5.0wt%の範囲である。疎水化微粒子シリカの配合量が少なすぎるとペースト性状の維持と塗布性が向上が困難となる場合がある。また、疎水化微粒子シリカの配合量が多すぎると、焼成後に疎水化微粒子シリカ由来白濁が発生する場合がある。

0017

疎水化微粒子シリカ(b)は、表面処理材による表面処理により疎水化されている。表面処理材としては、シランカップリング材等が挙げられる。シランカップリング材としては、特に限定されないが、メチルトリメトキシシランジメチルジメトキシシランフェニルトリメトキシシランジフェニルジメトキシシランメチルトリエトキシシランジメチルジエトキシシランフェニルトリエトキシシランジフェニルジエトキシシランイソブチルトリメトキシシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランヘキサメチルジシラザン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランポリジメチルシロキサン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノールメチルトリクロロシランメチルジクロロシランジメチルジクロロシラントリメチルクロロシランフェニルトリクロロシランジフェニルジクロロシランビニルトリクロロシラントリメチルブロモシラン、ジエチルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ω−(メタアクリロキシアルキルトリメトキシシラン((メタ)アクリロキシ基ケイ素原子との間の炭素数:3〜12、例、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)、ω−(メタ)アクリロキシアルキルトリエトキシシラン((メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12、例、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等)等が挙げられる。
表面処理方法としては前記シランカップリング材と疎水化微粒子シリカを接触させる方法等が挙げられる。具体的には、疎水化微粒子シリカを加熱された反応器中に投入し、シリカ1kg当たりシランカップリング材を0.01〜0.5kgとなるような比率で反応器中に窒素等の不活性ガスによって並流的に気送する方法等が挙げられる。
本発明においては、本発明の効果に影響しない程度であれば、疎水化微粒子シリカ以外のシリカ、例えば親水性シリカが含まれてもよい。具体的には、本発明においては、疎水化微粒子シリカ以外のシリカの割合は、シリカの合計量の50wt%以上100wt%以下が好ましく、60wt%以上100wt%以下がより好ましく、70wt%以上100wt%以下がさらに好ましく、80wt%以上100wt%以下がよりさらに好ましく、90wt%以上100wt%以下が最も好ましい。さらに、本発明においては、疎水化微粒子シリカ以外のシリカを含まないことが好ましい。

0018

本発明の必須成分の有機溶剤(c)は沸点が100〜300℃のものを用いる。有機溶剤の沸点が低すぎると塗布時に揮発してしまい操作性が悪くなる。有機溶剤の沸点が高すぎると焼成時に焼け残り炭化や気泡の原因となる。
本発明では、有機溶剤の配合量を10.0〜49.5wt%の範囲で含むことでペースト化でき、歯科用陶材ペーストとして操作可能となる。配合量は、25.0〜35.0wt%の範囲であることがより好ましい。有機溶剤の配合量が少なすぎるとペースト化が困難となる。有機溶剤の配合量が多すぎるとと経年劣化によりガラス粉末と分離が発生しやすく、また焼成後に有機成分由来の炭化や気泡が発生の原因となる。

0019

本発明に用いる具体的な有機溶剤(c)としては、例えば、フタル酸ジメチルフタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールグリセリンジエチレングリコールトリエチレングリコールポリエチレングリコール分子量200〜400)、プロピレングリコールジプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノプロピルエーテルトリプロピレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルトリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールモノエーテル系溶媒;2−フェノキシエタノールベンジルアルコール等の芳香族アルコール溶媒等が挙げられる。これらの有機溶剤のうち、多価アルコール系溶媒、多価アルコールモノエーテル系溶媒、芳香族アルコール溶媒が好ましく、1,3−ブタンジオール(沸点:約204℃)、プロピレングリコール(沸点:約189℃)、2−フェノキシエタノール(沸点:約240℃)がより好ましい。これらの有機溶剤(c)は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。2種類以上の有機溶剤を組み合わせて用いる場合、その沸点は使用する各々の有機溶剤の沸点に添加割合掛けて合計した数値を使用する。

0020

本発明の歯科用陶材ペーストは、着色材(d)および/または蛍光材(e)を含むことができる。
着色材(d)は無機材料であって、通常歯科材料で用いられるものを使用することができる。具体的にはSiO2、Al2O3、CaO、TiO2、SnO、Cr2O3、MnO、Sb2O3、V2O5、ZnO、Fe2O3、W2O3、Co2O3、ZrO2などの金属酸化物を複数混合し焼成することで作製された着色材が挙げられる。その配合量は0.05-40wt%の範囲が好ましく、0.10-35wt%の範囲がより好ましく、0.30-30%の範囲が最も好ましい。
蛍光材(e)は無機材料であって、通常歯科材料で用いられるものを使用することができる。具体的にはSiO2、Al2O3、CaO、MgO、SrO、BaO、Eu2O3、Y2O3、CeO2、P2O5、SnO、Cr2O3、MnO、V2O5、ZnO、ZrO2などの金属酸化物を複数混合し焼成することで作製された着色材が挙げられる。その配合量は0.1-5.0wt%の範囲が好ましく、0.3-4.5wt%の範囲がより好ましく、0.5-4.0wt%の範囲が最も好ましい。着色材(d)および/または蛍光材(e)は、無機材料であることを特徴とする。

0021

本発明の歯科用陶材ペーストの作製は、当該業者が保有する一般的なペースト組成物の製造方法により制限なく実施可能である。一般的な製造方法としては、目的とするペースト組成物が得られるようにガラス粉末、疎水化微粒子シリカ、有機溶剤、着色材及び蛍光材を配合し、撹拌脱泡装置で混合しペーストを得る方法である。

0022

以下、実施例及び比較例を参照して本発明のさらに具体的な説明をするが、本発明は、これらの実施例及び比較例に何等限定されるものではない。

0023

実施例及び比較例におけるガラス粉末の粒子径及び軟化点、疎水化微粒子シリカの一次粒子径、ペースト組成物のフロー値、塗布性、気泡及び炭化の確認、ペースト分離の確認、の評価方法を以下に示す。

0024

(ガラス粉末の平均粒子径の測定方法
ガラス粉末の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気的検知体法などを用いた測定により求めることができる。実施例及び比較例のガラス粉末の粒子径はレーザー回折・散乱法で測定を行った。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置マイクロトラックMT-3000II(マイクロトラックベル製)により測定した。
(ガラス粉末の最大粒子径の測定方法)
ガラス粉末の最大粒子径は、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気的検知体法などを用いた測定により求めることができる。実施例及び比較例のガラス粉末の粒子径はレーザー回折・散乱法で測定を行った。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置 マイクロトラックMT-3000II(マイクロトラックベル製)により測定した。
(疎水化微粒子シリカの一次粒子径の測定方法)
疎水化微粒子シリカの一次粒子径は、ガス吸着法、水銀圧入法、ガス浸透法、バブルポイント法などを用いた測定で得られた比表面積から算出することができる。実施例及び比較例の疎水化微粒子シリカの一次粒子径は、ガス吸着法で測定を行った。具体的には自動比表面積・細孔分布測定装置トライスターII 3020(島津製作所製)により測定した。
(軟化点の測定方法)
ガラス粉末の軟化点(Ts)は、熱膨張法にて測定することができる。実施例及び比較例のガラス粉末の軟化点は、具体的には熱膨張計TM8140C(リガク製)により測定した。測定には、ガラス粉末を蒸留水練和し、練和物シリコン製の棒状(6×6×25mm)型に充填し、コンデンスと吸水を繰り返し、成形体を作製した。作製した成形体をシリコン型から取り出し、歯科技工用ポーセレン焼成炉エスマットスリム(松風製)を用いて、真空焼成1回、大気焼成1回の計2回行った。得られた2回焼成物の両端を研磨し平行面を出して、5×5×20mmの大きさに調整した試料試験体として測定した。
(ペーストの作製)
表1及び表2に記載のガラス粉末、疎水化微粒子シリカ、有機溶剤をペースト組成になるように撹拌脱泡装置で混合して実施例1〜12及び比較例1〜11のペーストを製造した(wt%表記)。
(フロー値の評価)
実施例及び比較例の各ペーストを23℃の恒温室に1時間放置した。放置後、ガラス板上に0.3±0.03gの範囲でペーストを測り取り、上から別のガラス板をかぶせ20g分銅を乗せた。分銅を乗せてから30秒後に分銅を取り外してペーストが円状に広がった直径の最長直径最短直径を測定し、これらの平均長さをフロー値とした。
3mm未満:築盛は可能であり、塗布は困難を伴うが可能である。
3-20mm:塗布が可能で築盛も可能である。
20mmより大きい:塗布は可能であるが、0.1mm厚さ以上の築盛ができない。
20mmまでのフロー値のものが、臨床上使用可能である。

0025

(試験体の作製)
ジルコニア製の板(10.0×10.0×2.0mm)の10.0×10.0mmの面にで実施例及び比較例の各ペーストを、0.1mmの厚さで全面に塗布し、歯科技工用ポーセレン焼成炉エステマットスリム(松風製)を用いて、表1に記載の温度と時間で真空焼成を行い、焼成物を試験体とした。
(塗布性の評価)前記、試験体の作製時に、塗布性を評価した。評価基準を以下に示す。
○:均一なガラスの層を作製することが出来ていた。
×:均一でなく部分的にジルコニア面が露出していた。

0026

(気泡、炭化の確認)
実施例及び比較例の各ペーストを、ジルコニア製の板(10.0×10.0×2.0mm)に1.0mm厚で塗布し、歯科技工用ポーセレン焼成炉エステマットスリム(松風製)を用いて、真空焼成を行い、焼成物を試験体とした。作製した試験体を目視により評価した。
○:透明性のあるガラス層の状態である。
×:気泡の発生による白濁、炭化による黒変が生じた。

0027

(ペースト分離の確認)
実施例及び比較例の各ペーストを、5mLガラス瓶に3g量り取りフタをしめて、50℃に設定した恒温器に投入し、7日間静置後、恒温器から取り出したガラス瓶に入ったペーストを試験体とした。この試験体を目視により保存安定性を評価した。
○:混合後の状態からほとんど変化がない。
×:有機溶剤が表面に浮き上がる、または底部でガラス粉末の沈降、など液と粉とが分離していた。

0028

<実施例1〜22、比較例1〜16>
実施例、比較例で用いた各組成:
ガラス粉末は、SiO2、Al2O3、K2O、その他成分から成り、軟化点(Ts)が575℃のカリアルミノシリケートガラスを用いて、一般的な粉砕機にて粉砕し、平均粒子径が0.5μm、1μm、5μm、20μm、26μmのガラス粉末を作製し使用した。
疎水化微粒子シリカ及び親水性微粒子シリカはRX50、R974、R812、#50、#200、#300(日本アエロジル社製)、YA050C、YA100C(株式会社アドマッテクス社製)用いた。
有機溶剤は、エタノール(bp=89℃)、プロピレングリコール(bp=188.2℃)、1,3-ブタンジオール(bp=204℃)、安息香酸ベンジル(bp=324℃)を用いた。

0029

0030

0031

0032

すべての実施例において、すぐれた塗布性を示し、また、焼成後も透明であり、すぐれた保存安定性を示した。
一方で、比較例1-6、9-10、13-14、16では、焼成後の表面が不均一な面であったことからすぐれた塗布性を得られなかった。比較例7、11では、焼成後に炭化による黒変まやは気泡による白濁が確認できたため、焼成後の透明性が得られなかった。また、比較例2-6、10、13、15-16では、保存安定性試験によりペーストに分離が生じたため、すぐれた保存安定性が得られなかった。比較例8、12については、均一なペーストが作製できなかった。

実施例

0033

以上の結果から、本発明の歯科用陶材ペーストは、すぐれた塗布性、焼成後も透明であり、経年劣化によるペーストの保存安定性を満足する良好な結果を示した。これは、表面処理により疎水化された疎水化微粒子シリカを含有し、かつ粒子径を制御したガラス粉末と適した有機溶媒を組み合わせてペースト化したことが起因しているものと考えられる。
よって、本発明の歯科用陶材ペーストは、従来のペースト組成物の塗布性、透明性、ペースト性状を長期間維持可能な保存安定性を飛躍的に改善したものである。

0034

本発明により提供される歯科用陶材ペーストは、長期間ペースト状態を維持でき、優れた塗布性有し、焼成時に有機成分または高分子成分の影響による炭化や気泡がほとんど発生しないものであり、歯科分野の修復治療において、様々な歯冠修復物への応用が可能である。

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