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技術 油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具

出願人 三菱電機ビルテクノサービス株式会社
発明者 小田敦中馬崇内野芳郁江見哲夫山内啓太
出願日 2019年1月28日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-012152
公開日 2020年8月6日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-117378
状態 未査定
技術分野 エレベータの種類及び形式 エレベーターの保守安全及び検査装置
主要キーワード 金属製バンド 固定梁 タンク上方 プラグ部材 作動油内 給油配管 ワイヤ製 パッキン部材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

タンク底部に設置したパッキン部材の確認及び交換を行う作業を容易かつ短時間で行うことを可能にする油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具を提供する。

解決手段

油圧式エレベーターを作動させる作動油を収容するタンクの底部に連結された給油配管の周囲に配置されたパッキン部材を確認又は交換するためのタンク油抜取り用器具70は、底部に連結された給油配管の上方領域にある作動油をタンク内の他の領域にある作動油から区画するように、給油配管の周囲において底部に圧接される筒状の区画部材72と、区画部材72を底部に押し付ける押し付け機構74とを備える。

概要

背景

従来、油圧式エレベーターが知られている。油圧式エレベーターでは、タンクに収容されている作動油ポンプによって油圧アクチュエータシリンダ内送り込んでプランジャを上昇させると、プランジャの上端に配置された滑車に巻き掛けられたロープが連結されているかご昇降路内で上昇移動する。他方、油圧アクチュエータのシリンダに連結されている戻り配管を介して作動油をシリンダからタンクに戻すと、プランジャが下降して、昇降路内でかごが下降移動する。

このような油圧式エレベーターでは、作動油の漏れを防止するためにタンクや油圧アクチュエータなどに複数のパッキン部材が用いられている。これらのパッキン部材は、例えばゴム等の弾性材料によって形成されており、経時的な劣化が避けられないため、適宜に確認又は取替えが必要になる。

例えば、特許文献1には、油圧式エレベーターの保守において、油圧アクチュエータのシリンダとプランジャとの間をシールするパッキン等を交換するための方法が記載されている。

概要

タンク底部に設置したパッキン部材の確認及び交換を行う作業を容易かつ短時間で行うことを可能にする油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具を提供する。油圧式エレベーターを作動させる作動油を収容するタンクの底部に連結された給油配管の周囲に配置されたパッキン部材を確認又は交換するためのタンク油抜取り用器具70は、底部に連結された給油配管の上方領域にある作動油をタンク内の他の領域にある作動油から区画するように、給油配管の周囲において底部に圧接される筒状の区画部材72と、区画部材72を底部に押し付ける押し付け機構74とを備える。

目的

本発明の目的は、タンク底部に設置したパッキン部材の確認及び交換を行う作業を容易かつ短時間で行うことを可能にする油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

油圧式エレベーターを作動させる作動油を収容するタンクの底部に連結された給油配管の周囲に配置されたパッキン部材を確認又は交換するためのタンク油抜取り用器具であって、前記底部に連結された前記給油配管の上方領域にある作動油を前記タンク内の他の領域にある作動油から区画するように、前記給油配管の周囲において前記底部に圧接される筒状の区画部材と、前記区画部材を前記底部に押し付ける押し付け機構と、を備えることを特徴とする、油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具。

請求項2

前記区画部材において前記底部に圧接される下端部には弾性シール部材が取り付けられている、請求項1に記載の油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具。

請求項3

前記タンクの上部には固定梁が設けられており、前記押し付け機構は前記固定梁に係合されることによって前記区画部材に対する押し付け力を生じさせる、請求項1又は2に記載の油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具。

請求項4

前記押し付け機構は、一端部が前記区画部材に連結され、他端部に雄ネジ部を有する棒状部材と、前記雄ネジ部に螺合されたナットとを含み、前記固定梁に対して前記ナットが圧接されるように前記雄ネジ部上で締め付けられることよって前記棒状部材に押し付け力を生じさせる、請求項3に記載の油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具。

請求項5

前記固定梁には前記棒状部材を嵌め込む切欠部が形成されている、請求項4に記載の油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具。

請求項6

前記区画部材は、前記底部に連結された前記給油配管の開口部をプラグ部材で塞いだ状態で設置される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具。

請求項7

前記タンク内の他の領域から区画された前記区画部材の内側の作動油は手動ポンプにより抜き取り可能である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具。

請求項8

前記給油配管の周囲からのパッキン部材の取り外しは、前記区画部材の内側の作動油を抜き取った後に前記プラグ部材を取り外した状態で行われる、請求項6又は7に記載の油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具。

技術分野

0001

本発明は、油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具係り、特に、タンクの底部に連結された給油配管上方領域にある作動油を抜き取るための器具に関する。

背景技術

0002

従来、油圧式エレベーターが知られている。油圧式エレベーターでは、タンクに収容されている作動油をポンプによって油圧アクチュエータシリンダ内送り込んでプランジャを上昇させると、プランジャの上端に配置された滑車に巻き掛けられたロープが連結されているかご昇降路内で上昇移動する。他方、油圧アクチュエータのシリンダに連結されている戻り配管を介して作動油をシリンダからタンクに戻すと、プランジャが下降して、昇降路内でかごが下降移動する。

0003

このような油圧式エレベーターでは、作動油の漏れを防止するためにタンクや油圧アクチュエータなどに複数のパッキン部材が用いられている。これらのパッキン部材は、例えばゴム等の弾性材料によって形成されており、経時的な劣化が避けられないため、適宜に確認又は取替えが必要になる。

0004

例えば、特許文献1には、油圧式エレベーターの保守において、油圧アクチュエータのシリンダとプランジャとの間をシールするパッキン等を交換するための方法が記載されている。

先行技術

0005

特開2017−52610号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記油圧式エレベーターでは、作動油を貯留するタンクの底部に連結される給油配管の開口部の周囲に例えばゴム製のパッキン部材が配置されることがある。この場合、タンク内のパッキン部材が長期間の使用により経時劣化して脆くなると、パッキン部材から分離したが給油配管に吸い込まれることがある。そうすると、タンクと油圧アクチュエータとの間の給油配管に設けられている給油用電磁弁詰まり、その結果、油圧アクチュエータの動作不良を引き起こす可能性がある。

0007

そのため、タンク内のパッキン部材についても適宜に確認して交換する必要がある。しかしながら、パッキン部材はタンク内の底部に位置するため不透明の作動油の存在によってタンク上方からでは目視で確認できない。したがって、保守作業者が作動油に手を入れてパッキン部材に触れることでパッキン部材の状態を確認しようとすると、タンクの底部に沈殿している異物作動油内に浮遊して給油配管内に入ってしまう恐れがあり、この場合にも給油用電磁弁の動作不良の原因となり得る。

0008

そこで、タンク内の作動油を一旦抜いた状態としてタンク底部のパッキン部材を確認及び交換できるようにすることが考えられるが、この場合、電動ポンプ延長コードリール、多数の容器などを準備しなければならず、且つ、タンク内の作動油を全て抜く作業に長時間を要することなる。

0009

本発明の目的は、タンク底部に設置したパッキン部材の確認及び交換を行う作業を容易かつ短時間で行うことを可能にする油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具は、油圧式エレベーターを作動させる作動油を収容するタンクの底部に連結された給油配管の周囲に配置されたパッキン部材を確認又は交換するためのタンク油抜取り用器具であって、前記底部に連結された前記給油配管の上方領域にある作動油を前記タンク内の他の領域にある作動油から区画するように、前記給油配管の周囲において前記底部に圧接される筒状の区画部材と、前記区画部材を前記底部に押し付ける押し付け機構と、を備えることを特徴とする。

0011

この構成によれば、区画部材の内側にある作動油だけを抜き取ることで、タンク底部に設置されたパッキンを確認及び交換することができる。したがって、タンク内の作動油の全てを一旦抜く場合に比べて、作業が容易かつ短時間で行うことができ、作業効率が大幅に向上する。

0012

本発明に係る油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具において、前記区画部材において前記底部に圧接される下端部には弾性シール部材が取り付けられているのが好ましい。これにより、区画部材とタンク底部との間から区画部材の内側に作動油が浸入するのを確実に防止できる。

0013

また、本発明に係る油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具において、前記タンクの上部には固定梁が設けられており、前記押し付け機構は前記固定梁に係合されることによって前記区画部材に対する押し付け力を生じさせてもよい。この構成によれば、タンク上部に設けた固定梁を用いることで、区画部材をタンク底部に強固に押し付けることができ、区画部材の内側への作動油の浸入を確実に防止できる。

0014

この場合、前記押し付け機構は、一端部が前記区画部材に連結され、他端部に雄ネジ部を有する棒状部材と、前記雄ネジ部に螺合されたナットとを含み、前記固定梁に対して前記ナットが圧接されるように前記雄ネジ部上で締め付けられることよって前記棒状部材に押し付け力を生じさせてもよい。この構成によれば、雄ネジ部を設けた棒状部材と、雄ネジ部に螺合させたナットという簡易な構成な押し付け機構によって区画部材を強固に押し付けることができ、区画部材の内側への作動油の浸入を確実に防止できる。

0015

また、この場合、前記固定梁には前記棒状部材を嵌め込む切欠部が形成されていてもよい。この構成によれば、押し付け機構の棒状部材を固定梁の切欠部に嵌め込んだ状態とすることで、棒状部材が固定梁に安定して支持された状態で区画部材に押し付け力を生じさせることができる。

0016

また、本発明に係る油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具において、前記区画部材は、前記底部に連結された前記給油配管の開口部をプラグ部材で塞いだ状態で設置されてもよい。この構成によれば、作業中に例えばネジ、ナット等が給油配管内に入り込まないようにできる。

0017

また、本発明に係る油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具において、前記タンク内の他の領域から区画された前記区画部材の内側の作動油は手動ポンプにより抜き取り可能であってもよい。この構成によれば、電動ポンプや、当該電動ポンプに電源を供給するための延長コードリールなどが不要となり、準備や作業を容易なものにすることができる。

0018

さらに、本発明に係る油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具において、前記給油配管の周囲からのパッキン部材の取り外しは、前記区画部材の内側の作動油を抜き取った後に前記プラグ部材を取り外した状態で行われてもよい。この構成によれば、プラグ部材を取り外してパッキン部材を露出させた状態とすることで、パッキン部材の確認及び交換を行うことができる。

発明の効果

0019

本発明に係る油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具によれば、タンク底部に設置したパッキン部材の確認及び交換する作業を容易かつ短時間で行うことができる。

図面の簡単な説明

0020

油圧式エレベーターの全体構成を示す図である。
作動油を収容したタンクを示す図である。
第1給油配管の開口部を塞ぐプラグ部材を示す斜視図である。
本実施形態のタンク油抜取り用器具を示す斜視図である。
プラグ部材で給油配管の開口部を塞いだ状態を示す図である。
タンク油抜取り用器具を配置した状態を示す図である。
タンク油抜取り用器具の区画部材の内側にある作動油を抜き取る様子を示す図である。
タンク油抜取り用器具の区画部材の内側にある作動油を抜き取った後にプラグ部材を取り外した状態を示す図である。
給油配管の開口部の周囲からパッキンを取り外した状態を示す図である。

実施例

0021

以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。

0022

図1は、本発明の一実施形態であるタンク油抜取り用器具が適用される油圧式エレベーター10の概略構成を示す図である。油圧式エレベーター10は、建物内を上下方向に延伸する空間からなる昇降路12内を昇降移動するかご14を有する。かご14には、建物のエレベーター乗場16に設置される乗場扉18に対向する側壁部にかご扉20が設けられている。

0023

かご14の下部には、板状または枠状の支持部材22が固定されている。支持部材22には、例えばワイヤ製の複数のロープ24の各一方の端部が連結固定されている。なお、図1においては、ロープ24が1本の実線で示されているが、複数のロープ24は図1の奥行き方向に並んで配置されている。

0024

昇降路12の底部26には、油圧アクチュエータ28が立設されている。油圧アクチュエータ28は、円筒状をなすシリンダ30と、シリンダ30内に下端側が挿入されてシリンダ30の上端部から上方へ突出するプランジャ32とを備える。

0025

昇降路12の底部26または昇降路12に隣接して設けられる機械室34には、作動油を貯留するタンク36と、タンク36から作動油をシリンダ30内に高圧供給するためのポンプ38が設置されている。タンク36の底部とポンプ38とは、第1給油配管37によって接続されている。ポンプ38とシリンダ30の下部とを接続する第2給油配管39には、給油用電磁弁40が配置されている。また、シリンダ30の下部に接続されてシリンダ30から排出される作動油をタンク36へ戻すための戻り配管41には、排油電磁弁42が配置されている。なお、第1給油配管37が本発明の給油配管に相当する。

0026

油圧アクチュエータ28のプランジャ32の上端部には、滑車44が回転可能に取り付けられている。また、プランジャ32の上端部近傍には、反らせ車46が滑車44の斜め下方位置で回転可能に支持されている。

0027

かご14の支持部材22には、ロープ24の一方端部が連結されている。ロープ24は、滑車44の上側に巻き掛けられて、反らせ車46によりガイドされて鉛直下方に延伸している。ロープ24の他方端部は、昇降路12の底部26に連結固定されている。

0028

機械室34(または昇降路12の底部26)には、制御盤50が設置されている。制御盤50は、エレベーター10全体について統括的な制御を実行する機能を有する。具体的には、制御盤50は、ポンプ38の動作を制御し、給油用電磁弁40及び排油用電磁弁42の開閉制御などを行う。制御盤50は、制御プログラムを実行する例えばCPU等の処理部、及び、制御プログラム、制御パラメータ閾値計測データ等を記憶する例えば、ROM、RAM等の記憶部を含んで構成される。

0029

上記の構成からなる油圧式エレベーター10では、制御盤50の制御によってポンプ38が駆動され且つ給油用電磁弁40が開弁されると、タンク36内の作動油が第1給油配管37を介してポンプ38に吸い込まれ、ポンプ38から第2給油配管39を介して油圧アクチュエータ28のシリンダ30内に圧送される。これにより、油圧アクチュエータ28のプランジャ32が押し上げられて滑車44が上昇移動し、その結果、滑車44に巻き掛けられたロープ24によってかご14が引き上げられて上昇移動する。かご14が指定された上層階乗場16に到着すると、制御盤50はポンプ38を停止させると共に給油用電磁弁40を閉弁する。

0030

他方、かご14が指定された下層階(図示せず)に下降移動するとき、制御盤50は排油用電磁弁42を開弁する。これにより、シリンダ30内の作動油が戻り配管41を介してタンク36に戻り、その結果、プランジャ32が下降してかご14が下降移動する。かご14が指定された下層階の乗場に到着すると、制御盤50は、排油用電磁弁42を閉弁する。

0031

図2は、作動油を収容したタンク36を示す図である。図3は、第1給油配管37の開口部を塞ぐプラグ部材60を示す斜視図である。図2に示すように、タンク36内には、油圧アクチュエータ28を作動させる作動油が収容されている。タンク36の底部36aには、第1給油配管37の上端部及び戻り配管41の上端部がタンク36内に突出した状態で連結されている。

0032

タンク36の上部には、固定梁52が設けられている。固定梁52は、例えば、金属製の長尺部材によって好適に構成される。図2では、固定梁52の両端部がタンク36の両側の側壁に固定される例を示す。ただし、これに限定されるものではなく、固定梁52は、タンク36を支持する支持部材(図示せず)に固定されてもよい。

0033

固定梁52には、複数の切欠部53a,53bが形成されている。各切欠部53a,53bは、固定梁52の縁部から平面視で例えばU字状に切り込まれて形成されている。切欠部53aには、フィルター部材54の一部を構成する棒状部55が嵌り込んでいる。棒状部55には両側に突出部56が設けられており、この突出部56が固定梁52の下面に係合することによって、フィルター部材54が下方に押し付けられた状態で設置されている。

0034

フィルター部材54は、第1給油配管37の上端の開口部を覆って設けられる円盤状のフィルター部57と、フィルター部57の中央部に下端部が連結された棒状部55と、フィルター部57の下面外周縁部に円環状に設けられた例えばゴム製のパッキン部58とを有する。

0035

タンク36の底部36aに連結された第1給油配管37の上端部の周囲には、例えばゴム等によって形成される円環状のパッキン部材59が配置されており、このパッキン部材59にフィルター部57のパッキン部58が圧接されている。この構成によって、タンク36内の作動油は、ポンプ38が作動したとき、フィルター部材54のフィルター部57を介して第1給油配管37に吸い込まれるため、フィルター部57によって作動油中に含まれる異物等が第1給油配管37からポンプ38や給油用電磁弁40に進入するのを抑制することができる。

0036

固定梁52のもう1つの切欠部53bには、プラグ部材60が吊り下げ支持されている。プラグ部材60は、例えば、ポンプ38や給油用電磁弁40等のメンテナンス時に第1給油配管37の開口部を塞ぐために用いられるものであり、油圧式エレベーター10の設置現場には常備されている。図3は、第1給油配管37の開口部を塞ぐプラグ部材60を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、プラグ部材60は、第1給油配管37の上端の開口部を塞ぐための円盤状の平板66と、平板66の中央部に下端部が連結された棒状部62と、平板66の下面外周縁部に円環状に設けられた例えばゴム製のパッキン部68とを有する。棒状部62の上端部の両側には、突出部64が設けられている。プラグ部材60は、フィルター部材54においてフィルター部57を円盤状の平板66に代えたものと同様に構成されている。図2に示すように、プラグ部材60は、棒状部62が固定梁52の切欠部53bに嵌り込んだ状態で突出部64が固定梁52の上面に係合することによって固定梁52に吊り下げておくことができる。

0037

図4は、本実施形態のタンク油抜取り用器具70を示す斜視図である。タンク油抜取り用器具70は、油圧式エレベーター10を作動させる作動油を収容するタンク36の底部36aに連結された第1給油配管37の周囲に配置されたパッキン部材59を確認及び交換するために用いられる器具である。

0038

図4に示すように、タンク油抜取り用器具70は、区画部材72と、押し付け機構74とを備える。区画部材72は、例えば、円筒状の樹脂製パイプによって好適に構成される。区画部材72の内径は、タンク36の底部36aに設置されたパッキン部材59の外径よりも大きい。区画部材72は、タンク36の底部36aに連結された第1給油配管37の上方領域にある作動油をタンク36内の他の領域にある作動油から区画するように第1給油配管37の周囲において底部36aに圧接されるものである。

0039

区画部材72の下端には、例えばゴム製の弾性シール部材76が取り付けられているのが好ましい。これにより、区画部材72がタンク36の底部36aに圧接されたとき、区画部材72の外側から内側に作動油が侵入するのを確実に防止することができる。弾性シール部材76は、例えば、金属製バンドを巻いて区画部材72に固定されてもよいし、或いは、接着固定されてもよい。

0040

押し付け機構74は、一端部が区画部材72に連結され、他端部に雄ネジ部78を有する棒状部材80と、雄ネジ部78に螺合されたナット82a,82bを含む。押し付け機構74の棒状部材80の下端は、門型ブラケット部材84を介して例えばボルト及びナットにより区画部材72の上端部に連結されている。押し付け機構74は、固定梁52の下面に対して下側のナット82aが圧接されるように雄ネジ部78上で締め付けられることよって棒状部材80に押し付け力を生じさせることができる。なお、上側のナット82bは、下側のナット82aとの間に固定梁52を挟むように締め付けることで、棒状部材80が固定梁52に安定して保持された状態にできる。

0041

続いて、図5〜9を参照して、上記構成からなるタンク油抜取り用器具70を用いてタンク36の底部36aに設置されたパッキン部材59を確認及び交換する作業について説明する。

0042

まず、パッキン部材59の確認等を行う作業者は、図5に示すように、フィルター部材54を取り外して、その代わりにプラグ部材60を用いて第1給油配管37の上端開口部を塞ぐ。このとき、プラグ部材60の棒状部62の上端部が切欠部53aに嵌め込まれて、その突出部64が固定梁52の下面に係合させることで棒状部62によって平板66が第1給油配管37の上端部に圧接される。また、このとき、プラグ部材60のパッキン部68がパッキン部材59に圧接されることによって両者間がシールされて作動油が第1給油配管37に流れるのが阻止される。

0043

次に、作業者は、図6に示すように、タンク油抜取り用器具70の区画部材72をタンク36の底部36aに配置されたパッキン部材59の周囲に設置する。このとき、押し付け機構74において雄ネジ部78に対する下側のナット82aの螺合位置を上方へ移動させるようにナット82aを固定梁52の下面上で締め付けることによって棒状部材80に下方への押し付け力Fが生じる。その結果、区画部材72の下端にある弾性シール部材76が底部36aに圧接され、区画部材72の下端において外側から内側への作動油の流入が阻止される。このようにしてタンク油抜取り用器具70が設置されることで、タンク36内において第1給油配管37の上方領域にある作動油が区画部材72によってタンク36内の他の領域にある作動油から区画される。

0044

続いて、作業者は、図7に示すように、手動ポンプ90を用いて区画部材72の内側にある作動油を抜き取って、例えばペール缶等の容器92に移す。容器92は20リットル程度の容量があれば、1つの容器92だけで区画部材72の内側の作動油を全て収容することができる。

0045

区画部材72の内側から作動油を抜き取った後、作業者は、図8に示すように、区画部材72の内側からプラグ部材60を取り外す。これにより、区画部材72の内側下部においてパッキン部材59が露出した状態になる。その結果、作業者は、パッキン部材59を目視により劣化状態を確認することができ、交換が必要と判断されれば図9に示すようにパッキン部材59を取り外して新品と交換することができる。

0046

パッキン部材59の確認及び交換が終了すると、作業者は、図2に示すようにフィルター部材54で第1給油配管37の上端開口部を覆った状態とした後、タンク油抜取り用器具70の区画部材72をゆっくりと持ち上げて取り除く。そして、容器92に一旦抜き取った作動油をタンク36に戻すことで作業が完了する。

0047

上述したように、本実施形態の油圧式エレベーターのタンク油抜取り用器具70によれば、区画部材72の内側にある作動油だけを抜き取ることで、タンク36の底部36aに設置されたパッキン部材59を確認及び交換することができる。したがって、タンク36内の作動油の全てを一旦抜く場合に比べて、作業を容易かつ短時間で行うことができ、作業効率が大幅に向上する。

0048

実際に、タンク36内の全ての作動油を一旦抜き出してパッキン部材59を確認する作業を、約10個のペール缶、電動ポンプ、延長コードリールなどを予め準備して行ったところ、作業員2人で3時間(作業員1人で換算すれば6時間)を要した。これに対し、本実施形態のタンク油抜取り用器具70を用いて同じ作業を行ったところ、予め準備するものはタンク油抜取り用器具70と手動ポンプ90ぐらいで準備が容易であり、また、作業自体も作業員1人だけで0.5時間で行うことができ、作業効率が大幅に向上することが確認できた。

0049

なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。

0050

10油圧式エレベーター、12昇降路、16エレベーター乗場、18乗場扉、20かご扉、22支持部材、24ロープ、26 (昇降路の)底部、28油圧アクチュエータ、30シリンダ、32プランジャ、34機械室、36タンク、36a (タンクの)底部、37 第1給油配管、38ポンプ、39 第2給油配管、40給油用電磁弁、41戻り配管、42排油用電磁弁、44滑車、46 反らせ車、50制御盤、52固定梁、53a,53b切欠部、54フィルター部材、55,62 棒状部、56,64 突出部、57フィルター部、58,68パッキン部、59パッキン部材、60プラグ部材、66平板、70 タンク油抜取り用器具、72区画部材、74押し付け機構、76弾性シール部材、78雄ネジ部、80棒状部材、82a,82bナット、84ブラケット部材、90手動ポンプ、92容器、F押し付け力。

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    【課題】エレベータを遠隔で点険する際に、階層におけるドア付近に滞在する人にかごの到着及びその後の戸開を予測させ、ドアの開閉を伴う試運転を行うことができる遠隔監視システムを提供する。【解決手段】建物の複... 詳細

  • 三菱電機株式会社の「 作業指示支援装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】昇降機を管理するための基本情報である作業基準情報(D111〜D119)および昇降機に取り付けられたセンサー(A1〜A5)から取得される昇降機稼動情報(D121)を格納する情報格納部(... 詳細

  • 株式会社日立ビルシステムの「 作業支援装置、昇降機システム及び作業支援方法」が 公開されました。( 2020/09/17)

    【課題】昇降機の故障復旧作業時に、作業支援を行う時間を最適化して、復旧作業時間の短縮を図る。【解決手段】昇降機の故障状態データを取得するデータ管理部211と、故障状態データから故障の原因機器を推定する... 詳細

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