図面 (/)

技術 電極

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 林邦彦田中佑季子
出願日 2019年1月18日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2019-006754
公開日 2020年7月30日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-115441
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質 電気二重層コンデンサ等
主要キーワード バインダ粉末 ヒータロール 曲げ試験機 フーリエ変換赤外分光 リチウムニッケルマンガン系複合酸化物 曲げ荷重 自立膜 キャスト膜
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年7月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

極性有機溶媒を用いずに製造することができ、かつ十分な柔軟性を有する電極を提供する。

解決手段

ここに開示される電極は、少なくとも活物質およびバインダを含む。前記バインダは、ポリフッ化ビニリデンを含む。前記バインダのFT−IRスペクトルにおいて、1210cm−1付近ピークAと、1275cm−1付近のピークBとの強度比(A/B)は、3.60以上5.92以下である。前記電極の厚さは、205μm以上994μm以下である。

概要

背景

近年、リチウムイオン二次電池等の電池は、パソコン携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車EV)、ハイブリッド自動車HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。

リチウムイオン二次電池等の電池は、正負電極を備える。電極の典型的な一態様は、活物質バインダとを含む。バインダの材料としては、ポリフッ化ビニリデンが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、電極を製造するに際し、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドン等の極性有機溶媒に溶解させた溶液を作製し、この溶液に他の電極構成物投入してスラリーを作製し、その後、このスラリーを金属箔上に塗布して乾燥させる工程を実施することが開示されている。

概要

極性有機溶媒を用いずに製造することができ、かつ十分な柔軟性を有する電極を提供する。ここに開示される電極は、少なくとも活物質およびバインダを含む。前記バインダは、ポリフッ化ビニリデンを含む。前記バインダのFT−IRスペクトルにおいて、1210cm−1付近ピークAと、1275cm−1付近のピークBとの強度比(A/B)は、3.60以上5.92以下である。前記電極の厚さは、205μm以上994μm以下である。

目的

特開2006−172887号公報






環境負荷の観点から、N−メチルピロリドン等の極性有機溶媒の使用を控えることが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも活物質およびバインダを含む電極であって、前記バインダは、ポリフッ化ビニリデンを含み、前記バインダのFT−IRスペクトルにおいて、1210cm−1付近ピークAと、1275cm−1付近のピークBとの強度比(A/B)が、3.60以上5.92以下であり、厚さが、205μm以上994μm以下である、ことを特徴とする電極。

技術分野

0001

本発明は、電極に関する。より詳しくは、本発明は、活物質バインダとを含む電極に関する。

背景技術

0003

リチウムイオン二次電池等の電池は、正負の電極を備える。電極の典型的な一態様は、活物質とバインダとを含む。バインダの材料としては、ポリフッ化ビニリデンが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、電極を製造するに際し、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドン等の極性有機溶媒に溶解させた溶液を作製し、この溶液に他の電極構成物投入してスラリーを作製し、その後、このスラリーを金属箔上に塗布して乾燥させる工程を実施することが開示されている。

先行技術

0004

特開2006−172887号公報

発明が解決しようとする課題

0005

環境負荷の観点から、N−メチルピロリドン等の極性有機溶媒の使用を控えることが望まれている。また、極性有機溶媒を使用しない場合には、コスト的にも有利な場合がある。しかしながら、N−メチルピロリドン等の極性有機溶媒を用いてスラリー化塗料化)しない場合には、電極の柔軟性が十分に得られないという問題がある。
そこで本発明の目的は、極性有機溶媒を用いずに製造することができ、かつ十分な柔軟性を有する電極を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

ここに開示される電極は、少なくとも活物質およびバインダを含む。前記バインダは、ポリフッ化ビニリデンを含む。ここで、前記バインダのFT−IRスペクトルにおいて、1210cm−1付近ピークAと、1275cm−1付近のピークBとの強度比(A/B)は、3.60以上5.92以下である。前記電極の厚さは、205μm以上994μm以下である。
このような構成によれば、極性有機溶媒を用いずに製造することができ、かつ十分な強度を有する電極を提供することができる。

図面の簡単な説明

0007

実施例で評価した実施例1および比較例1で使用したポリフッ化ビニリデンのFT−IRスペクトルである。

実施例

0008

以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電極の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。

0009

なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子包含する用語である。

0010

本実施形態に係る電極は、少なくとも活物質と、バインダとを含む。
活物質は、正極活物質であっても負極活物質であってもよく、好ましくは正極活物質である。
正極活物質の例としては、リチウム複合酸化物が挙げられる。リチウム複合酸化物の例としては、リチウムニッケル系複合酸化物リチウムコバルト系複合酸化物リチウムマンガン系複合酸化物リチウムニッケルマンガン系複合酸化物(例、LiNi0.5Mn1.5O4)、リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物(例、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)等が挙げられる。
負極活物質の例としては、黒鉛ハードカーボンソフトカーボン等の炭素材料などが挙げられる。

0011

本実施形態においては、バインダは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。当該バインダのFT−IRスペクトルにおいて、1210cm−1付近のピークAと、1275cm−1付近のピークBとの強度比(A/B)は、3.60以上5.92以下である。
PVDFには、α型、β型、およびγ型(または、I型II型、およびIII型)の三種類の結晶構造が存在することが知られている。1210cm−1付近のピークAは、PVDFのα型の結晶構造に由来するものであり、1275cm−1付近のピークBは、PVDFのβ型の結晶構造に由来するものである。よって、ピークAとピークBとの強度比を3.60以上5.92以下の範囲に調整することは、PVDFのα型の結晶構造とβ型の結晶構造との比を調整するという技術的意義を有する。
ピークAとピークBとの強度比(A/B)が上記範囲を外れると、電極の柔軟性が不十分となって成形が困難となる。
なお、PVDF合成時に、溶媒から析出させる際の溶媒の種類によってPVDFの結晶性が変わることが知られている。したがって、上記の2つのピークの強度比(A/B)を3.60以上5.92以下に調整するには、PVDF合成時の溶媒の種類を適切に選択する等の方法を行えばよい。あるいは、PVDFを適切な溶媒に溶解させた後、再結晶化させてもよい。
FT−IRスペクトルは、公知方法に従ってフーリエ変換赤外分光測定を行うことにより得ることができる。
バインダは、ASTM−D1238に準拠して、230℃で2.18kgの荷重下で測定されるメルトフローレートが、35g/10分以上であることが好ましい。バインダのメルトフローレートが、35g/10分以上であると、極性有機溶媒を用いずに電極を製造することがより容易になる。

0012

本実施形態に係る電極は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、活物質およびバインダ以外の成分を含有していてもよい。このような成分の例としては、導電材等が挙げられる。
導電材の例としては、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックファーネスブラックケッチェンブラック等)、コークス、黒鉛の炭素材料が挙げられ、カーボンブラックが好ましい。

0013

本実施形態において活物質の含有量は、本発明の効果が得られる限り特に制限はないが、電極中(すなわち、電極の全重量に対して)、70質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
本実施形態においてバインダの含有量は、本発明の効果が得られる限り特に制限はないが、電極中、1質量%以上15質量%以下が好ましく、3質量%以上10質量%以下がより好ましい。

0014

本実施形態においては、電極の厚さが205μm以上994μm以下である。電極の厚さが205μm未満だと、電極の柔軟性が不十分となり、(特に曲げに対して)破断しやすくなる。一方、電極の厚さが994μmを超えても、電極の柔軟性が不十分となり、(特に曲げに対して)破断しやすくなる。

0015

以上のような構成の本実施形態に係る電極は、極性有機溶媒を用いずに製造することができ、かつ十分な柔軟性を有する。
そこで、本実施形態に係る電極の製造方法について説明する。本実施形態に係る電極は、好適には、活物質とバインダとの混合粉体を調製する工程(混合粉体調製工程)と、当該混合粉体を、ヒータロールを用いてプレス成形する工程(プレス成形工程)とを含む製造方法であって、当該バインダは、ポリフッ化ビニリデンを含み、当該バインダのFT−IRスペクトルにおいて、1210cm−1付近のピークAと、1275cm−1付近のピークBとの強度比(A/B)が、3.60以上5.92以下であり、得られる電極の厚さが、205μm以上994μm以下である製造方法によって、製造することができる。以下、当該製造方法について詳細に説明するが、本実施形態に係る電極の製造方法は、当該製造方法に限定されるものではない。

0016

混合粉体調製工程においては、まず活物質粒子粉末と、バインダ粉末とを用意する。このバインダ粉末は、PVDFを含み、FT−IRスペクトルにおいて、1210cm−1付近のピークAと、1275cm−1付近のピークBとの強度比(A/B)が3.60以上5.92以下である。次いで、これらを均一に混合する。混合方法については、混合粉体が得られる限り特に制限がない。混合は、乾式混合でも湿式混合でもよく、公知の混合装置撹拌装置を使用して行うことができる。

0017

プレス成形工程は、例えば、一対のヒータロールのロール間に、上記工程により得られた混合粉体を供給する。そして、この混合粉体を例えば、150℃以上190℃以下(好ましくは160℃以上180℃以下)の温度で熱ロールプレスして、205μm以上994μm以下の範囲内の所望の厚さに成形(言い換えると成膜)することにより行うことができる。

0018

以上のようにして、極性有機溶媒を用いることなく(すなわち、ドライプロセスにより)、電極を作製することができる。ドライプロセスにおいては、成膜した時点で高い柔軟性が必要となる。これに対し、本実施形態に係る電極は、ピークAとピークBとの強度比および厚さが適正化されているために、十分な柔軟性を有し、ドライプロセスによる成膜が可能である。
また、プレス成形の容易さの観点から、上述の方法で測定されるバインダのメルトフローレートが、35g/10分以上であることが好ましい。

0019

以上のようにして、本実施形態に係る電極を自立膜として作製することができる。したがって、本実施形態に係る電極は、集電体を有していなくてもよい。よって、本実施形態に係る電極を自立膜として構成して電池に用いた場合には、電池のエネルギー密度を向上させることができる。
本実施形態に係る電極は、リチウムイオン二次電池等の電池に用いることができる。以下、例として本実施形態に係る電極を用いたリチウムイオン二次電池について具体的に説明する。

0020

リチウムイオン二次電池は、例えば、本実施形態に係る電極である正極と、負極と、当該正負極の間に介在するセパレータとが積層された電極体を有する。負極とセパレータは公知の構成を有していてよい。また、正極を公知の構成とし、負極を本実施形態に係る電極とする形態や、正極および負極の両方が本実施形態に係る電極である形態も可能である。
当該電極体は、非水電解液と共に電池ケースに収容されている。非水電解液には、リチウムイオン二次電池に用いられている公知のものを使用することができる。

0021

あるいは、リチウムイオン二次電池は、例えば、本実施形態に係る電極である正極と、負極と、当該正負極の間に介在する固体電解質とを有する。これらが、電池ケースに収容されている。負極および固体電解質は公知の構成を有していてよい。
また、正極を公知の構成とし、負極を本実施形態に係る電極とする形態や、正極および負極の両方が本実施形態に係る電極である形態も可能である。

0022

以上のようにして構成されリチウム二次電池は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池は、複数個直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。

0023

以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。

0024

<正極の作製>
(比較例1:スラリー塗工法
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(LNCM)粉末と、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(以下、「PVDF(A)」)粉末と、導電材としてアセチレンブラック(AB)粉末(DENKA社製「HS100L」)とを用意した。これらをLNCM:PVDF:AB:=91:5:4の質量比で、分散機を用いて、N−メチルピロリドン(NMP)中で混合し、正極スラリーを得た。
得られた正極スラリーをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥し、プレスすることによって正極を作製した。

0025

(実施例1:乾式成膜法
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(LNCM)粉末と、バインダとしてPVDF(A)粉末と、導電材としてアセチレンブラック(AB)粉末(DENKA社製「HS100L」)とを用意した。これらを、LNCM:PVDF(A):AB:=91:5:4の質量比で、撹拌装置を用いて混合し、混合粉体を得た。
次いで、この混合粉体を、一対のヒータロール間に供給し、170℃で熱ロールプレス処理を行って正極を作製した。

0026

(実施例2および比較例2:乾式成膜法)
ヒータロール間のギャップを変更して成膜される正極の厚さを変更した以外は実施例1と同様にして、正極を作製した。

0027

(実施例3および4:乾式成膜法)
PVDF(A)に変えて、製造条件の異なるPVDF(B)およびPVDF(C)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、正極を作製した。

0028

<バインダの評価>
正極の作製と同様の条件で、使用した各PVDFのキャスト膜を作製した。得られたキャスト膜を試料に用いて、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)TENSORII(Bruker社製)を用いて、FT−IRスペクトルを測定した。参考として、実施例1および比較例1として評価するPVDFのFT−IRスペクトルを図1に示す。
得られたFT−IRスペクトルより、1210cm−1付近のピークAと、1275cm−1付近のピークBの強度比(A/B)を求めた。結果を表1に示す。
また、ASTM−D1238に準拠して、230℃で2.18kgの荷重下で使用した各PVDFのメルトフローレート(MFR)を求めた。結果を表1に示す。

0029

<電極の柔軟性評価
柔軟性の評価として、上記作製した各正極について、曲げ試験機を用いて所定の折り曲げ荷重印加した際の破断の有無を調べた。破断がなかったものを合格とし、破断があったものを不合格とした。結果を表1に示す(なお、表1では、合格を「○」、不合格を「×」と記している)。

0030

0031

表1の結果より、バインダとしてPVDFを用い、当該バインダのFT−IRスペクトルにおける1210cm−1付近のピークAと、1275cm−1付近のピークBとの強度比(A/B)が、3.60以上5.92以下であり、かつ厚さが205μm以上994μm以下である場合に、柔軟性に優れる電極を、極性有機溶媒を使用することなく製造できることがわかる。
すなわち、本実施形態によれば、極性有機溶媒を用いずに製造することができ、かつ十分な柔軟性を有する電極を提供することができることがわかる。

0032

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ