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技術 EGFR依存性疾患またはEGFRファミリーメンバーを標的とする薬剤に対して獲得耐性を有する疾患の治療における2−カルボキサミドシクロアミノウレア誘導体の使用

出願人 ノバルティスアーゲー
発明者 ブラッハマン,サスキアマリアフリッチュ,クリスティンマイラ,ソーブール-マイケルスネル,クリスチャンレネガルシア-エチェベリア,カルロス
出願日 2020年3月26日 (8ヶ月経過) 出願番号 2020-056250
公開日 2020年7月30日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-114849
状態 未査定
技術分野 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード 平均変化量 体積変化量 フリーアクセス グラフ解析 パーハロゲン化 体重変化量 キットオブパーツ 統計的評価
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図面 (7)

課題

上皮成長因子受容体(EGFR依存性疾患、またはEGFRファミリーメンバーを標的とする薬剤に対して獲得耐性を有する疾患の治療方法の提供。

解決手段

前記疾患の治療および治療用医薬組成物を製造するための式(I)の化合物の使用。[式中、Aは、特定のヘテロアリールを表し、R1およびR3は、特定の置換基を表し、R2は、水素を表す。]

概要

背景

GFRチロシンキナーゼドメインにおける体細胞変異は、ゲフィチニブ(Ires
sa(登録商標))またはエルロチニブ(Tarceva(登録商標))などの、EGF
チロシンキナーゼ阻害剤に対する臨床応答に関連している(Paezら, 2004, EGFR mutat
ions in lung cancer: correlation with clinical response to gefitinib therapy, Sc
ience, vol 304, 1497-1500)。上皮成長因子受容体ファミリーは、EGFR1(HE
1またはErb−B1としても知られている)、EGFR2(HER2またはErb−B
2としても知られている)、およびEGFR3(HER3またはErb−B3としても知
られている)、ならびに膜貫通タンパク質であるEGFR4を含む、受容体ERbBフ
ァミリーのメンバーを含む、4つのサブタイプから構成されている。EGFRモジュレー
ターに対する獲得耐性は、初期には治療に対して臨床的応答したが、その後、進行性
腫瘍発症した患者に起こる。EGFRキナーゼ阻害剤に対する応答不良は、二次的な耐
性変異であるT790Mで例示され(Kobayashiら; 2005; EGFR mutation and resistanc
e of non-small cell lung cancer to gefitinib, N.Engl J Med, Vol 352, 786-792)、
これは、慢性骨髄性白血病CML)患者(Gorreら; 2002; Bcr-Abl point mutants iso
lated from patients with imatinib mesylate resistant chronic leukemia remain sen
sitive to inhibitors of the Bcr-Abl chaperone heat shock protein 90, Blood, vol
100, 3041-3044)、またはGIST患者(Antonescuら; 2005; Acquired resistance to
Imatinib in gastrointestinal stromal tumors occurs through secondary gene mutati
on, Clin Cancer Res, Vol 11, 4182-4190)において、Gleevec/Glivecま
たはダサチニブで観察される耐性の変異に類似している。

活性化されたEGFRの下流におけるPI3K経路の活性化の証拠が文献中に存在する
。したがって、マウス胚線維芽細胞におけるPI3K触媒サブユニット(p110)の遺
伝的除去により、細胞はEGFRの活性化型による形質転換に対して耐性にされる(Zhao
ら; 2006; The p110 alpha isoform of PI3K is essential for proper growth factor s
ignaling and oncogenic transformation, PNAS, vol 103, 16296-16300)。EGFRフ
ァミリーの4つのメンバーの1つであり、HER1(EGFR1)のパートナーであるH
ER3(ErbB−3)は、EGFR阻害剤感受性を示す腫瘍中で、しばしば過剰発現
され、これは、構成的PI3Kの動員および活性化と相関がある(Engelmanら; 2005; Er
bB-3 mediates phosphoinositide 3-kinase activity in gefitinib-sensitive non smal
l cell lung cancer cell lines, PNAS vol 102, 3788-3793; Serginaら; 2007; Escape
from HER-family tyrosine kinase inhibitor therapy by the kinase-inactive HER 3;
Nature; vol 445, 437-41)。EGFR増幅およびEGFR阻害剤耐性を保持する腫瘍生
標本ならびに腫瘍細胞系を、遺伝子的および生化学的に特徴付けると、PI3K経路の
構成的活性化状態が明らかとなった(Engelmanら; 2006; Allelic dilution obscures de
tection of a biologically significant resistance mutation in EGFR amplified lung
cancer, The Journal of Clinical Investigation, vol 116, 2695-2706)。

驚くべきことに、国際公開第2010/029082号に記載の特定の2−カルボキサ
ミドシクロアミノウレア誘導体は、単剤として、およびEGFRキナーゼモジュレーター
との組合せで、強力な抗増殖活性、ならびに増幅EGFRおよび/または変異EGFR1
を有する乳癌および胃癌細胞系のin vivo抗腫瘍応答を引き起こすことが見出され
た。したがって、前記化合物は、EGFR依存性疾患の治療に有用である。

概要

上皮成長因子受容体(EGFR)依存性疾患、またはEGFRファミリーメンバーを標的とする薬剤に対して獲得耐性を有する疾患の治療方法の提供。前記疾患の治療および治療用医薬組成物を製造するための式(I)の化合物の使用。[式中、Aは、特定のヘテロアリールを表し、R1およびR3は、特定の置換基を表し、R2は、水素を表す。]なし

目的

効果

実績

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請求項1

EGFR依存性疾患治療のための医薬製剤を製造するための式Iの化合物またはその塩の使用: [式中、Aは、 からなる群から選択されるヘテロアリールを表し;R1は、以下の置換基の1つを表し:(1)非置換または置換の、好ましくは置換のC1〜C7アルキル(ここで前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜9つから独立に選択される:ジュウテリウムフルオロ、または1〜2つの以下の部分:C3〜C5シクロアルキル);(2)任意に置換されているC3〜C5シクロアルキル[ここで前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜4つから独立に選択される:ジュウテリウム、C1〜C4アルキル(好ましくはメチル)、フルオロ、シアノ、アミノカルボニル];(3)任意に置換されているフェニル[ここで前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜2つから独立に選択される:ジュウテリウム、ハロ、シアノ、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルアミノ、ジ(C1〜C7アルキル)アミノ、C1〜C7アルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜C7アルキル)アミノカルボニル、C1〜C7アルコキシ];(4)任意に一置換または二置換されているアミン[ここで前記置換基は、以下の部分から独立に選択される:ジュウテリウム、C1〜C7アルキル(非置換であるか、あるいはジュウテリウム、フルオロ、クロロ、ヒドロキシの群から選択される1つ以上の置換基によって置換されている)、フェニルスルホニル(非置換であるか、あるいは1つ以上、好ましくは1つのC1〜C7アルキル、C1〜C7アルコキシ、ジ(C1〜C7アルキル)アミノ−C1〜C7アルコキシによって置換されている)];(5)置換スルホニル[ここで前記置換基は、以下の部分から選択される:C1〜C7アルキル(非置換であるか、あるいはジュウテリウム、フルオロの群から選択される1つ以上の置換基によって置換されている)、ピロリジノ(非置換であるか、あるいはジュウテリウム、ヒドロキシ、オキソの群から選択される1つ以上の置換基、特に1つのオキソによって置換されている)];(6)フルオロ、クロロ;R2は水素を表し;R3は、(1)水素、(2)フルオロ、クロロ、(3)任意に置換されているメチルを表す(ここで前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜3つから独立に選択される:ジュウテリウム、フルオロ、クロロ、ジメチルアミノ);ただし、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({5−[2−(tert−ブチル)−ピリミジン−4−イル]−4−メチル−チアゾール−2−イル}−アミド)は除く]。

請求項2

前記式Iの化合物が、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)(化合物A)である、請求項1に記載の使用。

請求項3

前記疾患がEGFRモジュレーターによる治療に対して耐性である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の使用。

請求項4

前記EGFRモジュレーターによる治療に対する耐性は、前記EGFRモジュレーターによる治療中に獲得されたものである、請求項3に記載の使用。

請求項5

前記耐性は、タンパク質における1つまたは複数の変異によるものである、請求項3に記載の使用。

請求項6

前記EGFRモジュレーターは、ゲフィチニブエルロチニブラパチニブセツキシマブニモツズマブ、パニツムマブトラスツズマブおよびTDM1からなる群から選択される、請求項3または4に記載の使用。

請求項7

EGFRモジュレーターと一緒での、請求項1〜2のいずれか一項に記載の使用。

請求項8

前記EGFRモジュレーターは、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、NVP−AEE778、ARRY334543、BIRW2992、BMS690514、ペリニブバンデタニブ、AV412、抗EGFRモノクローナル抗体806、抗EGFRモノクローナル抗体−Y90/Re−188、セツキシマブ、パニツムマブ、マツズマブ、ニモツズマブ、ザルツムマブ、ペルツズマブ、MDX−214、CDX110、IMC11F8、ペルツズマブ、トラスツズマブ、Zemab(登録商標)、Her2ワクチンPX1041、ならびにHSP90阻害剤のCNF1010、CNF2024、タネスピマイシンアルベスピマイシン、IPI504、SNX5422およびNVP−AUY922からなる群から選択される、請求項7に記載の使用。

請求項9

治療されるべき疾患が、・非小細胞肺癌頭頸部癌結腸直腸癌乳癌神経膠芽腫を含む悪性脳腫瘍前立腺癌膀胱癌腎細胞癌すい臓癌・子宮頸癌食道癌胃癌卵巣癌または、それらのいずれかの組合せである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。

請求項10

非小細胞肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、乳癌、神経膠芽腫を含む悪性脳腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、腎細胞癌、すい臓癌、子宮頸癌、食道癌、胃癌および/または卵巣癌を治療するために、同時、別個または逐次に使用するための、S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)(化合物A)からなる群から選択される式Iの化合物と、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、NVP−AEE778、ARRY334543、BIRW2992、BMS690514、ペリチニブ、バンデタニブ、AV412、抗EGFRモノクローナル抗体806、抗EGFRモノクローナル抗体−Y90/Re−188、セツキシマブ、パニツムマブ、マツズマブ、ニモツズマブ、ザルツムマブ、ペルツズマブ、MDX−214、CDX110、IMC11F8、ペルツズマブ、トラスツズマブ、TDM1Zemab(登録商標)、Her2ワクチンPX1041、ならびにHSP90阻害剤のCNF1010、CNF2024、タネスピマイシンアルベスピマイシン、IPI504、SNX5422およびNVP−AUY922からなる群から選択されるEGFRモジュレーターと、任意に、少なくとも1種の薬学的に許容される担体との組合せであって、活性成分が、各場合において、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態で存在する組合せ。

請求項11

EGFR依存性疾患またはEGFRモジュレーターによる治療中に耐性を獲得した疾患の治療方法であって、請求項1〜2のいずれか一項に記載の式Iの化合物の治療上有効な量を、それを必要とする温血動物投与することを含む方法。

請求項12

治療されるべき前記疾患が請求項9に記載の疾患である、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記式Iの化合物が、請求項8に記載のEGFRモジュレーターと一緒に投与される、請求項11または12に記載の方法。

請求項14

請求項1〜2のいずれか一項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む、EGFR依存性疾患またはEGFRモジュレーターによる治療中に耐性を獲得した疾患の治療のための医薬製剤。

請求項15

請求項8に記載のEGFRモジュレーターを含む、請求項14に記載の医薬製剤。

技術分野

0001

本発明は、上皮成長因子受容体(EGFR)(HER1またはErb−B1としても知
られているEGFR1、HER2またはErb−B2としても知られているEGFR2、
HER3またはErb−B3としても知られているEGFR3、あるいはEGFR4を含
む)依存性疾患、またはEGFRファミリーメンバーを標的とする薬剤に対して獲得耐性
を有する疾患の治療における、特定の2−カルボキサミドシクロアミノウレア誘導体の新
規使用、前記疾患の治療用医薬組成物を製造するための前記化合物の使用、前記使用の
ための前記化合物とEGFRモジュレーターとの組み合わせ、前記化合物によって前記疾
患を治療する方法、および前記化合物を単独でまたは特にEGFRモジュレーターと組み
合わせて含む、前記疾患の治療用の医薬製剤に関する。

背景技術

0002

EGFRのチロシンキナーゼドメインにおける体細胞変異は、ゲフィチニブ(Ires
sa(登録商標))またはエルロチニブ(Tarceva(登録商標))などの、EGF
チロシンキナーゼ阻害剤に対する臨床応答に関連している(Paezら, 2004, EGFR mutat
ions in lung cancer: correlation with clinical response to gefitinib therapy, Sc
ience, vol 304, 1497-1500)。上皮成長因子受容体ファミリーは、EGFR1(HER
1またはErb−B1としても知られている)、EGFR2(HER2またはErb−B
2としても知られている)、およびEGFR3(HER3またはErb−B3としても知
られている)、ならびに膜貫通タンパク質であるEGFR4を含む、受容体ERbBフ
ァミリーのメンバーを含む、4つのサブタイプから構成されている。EGFRモジュレー
ターに対する獲得耐性は、初期には治療に対して臨床的応答したが、その後、進行性
腫瘍発症した患者に起こる。EGFRキナーゼ阻害剤に対する応答不良は、二次的な耐
性変異であるT790Mで例示され(Kobayashiら; 2005; EGFR mutation and resistanc
e of non-small cell lung cancer to gefitinib, N.Engl J Med, Vol 352, 786-792)、
これは、慢性骨髄性白血病CML)患者(Gorreら; 2002; Bcr-Abl point mutants iso
lated from patients with imatinib mesylate resistant chronic leukemia remain sen
sitive to inhibitors of the Bcr-Abl chaperone heat shock protein 90, Blood, vol
100, 3041-3044)、またはGIST患者(Antonescuら; 2005; Acquired resistance to
Imatinib in gastrointestinal stromal tumors occurs through secondary gene mutati
on, Clin Cancer Res, Vol 11, 4182-4190)において、Gleevec/Glivecま
たはダサチニブで観察される耐性の変異に類似している。

0003

活性化されたEGFRの下流におけるPI3K経路の活性化の証拠が文献中に存在する
。したがって、マウス胚線維芽細胞におけるPI3K触媒サブユニット(p110)の遺
伝的除去により、細胞はEGFRの活性化型による形質転換に対して耐性にされる(Zhao
ら; 2006; The p110 alpha isoform of PI3K is essential for proper growth factor s
ignaling and oncogenic transformation, PNAS, vol 103, 16296-16300)。EGFRフ
ァミリーの4つのメンバーの1つであり、HER1(EGFR1)のパートナーであるH
ER3(ErbB−3)は、EGFR阻害剤感受性を示す腫瘍中で、しばしば過剰発現
され、これは、構成的PI3Kの動員および活性化と相関がある(Engelmanら; 2005; Er
bB-3 mediates phosphoinositide 3-kinase activity in gefitinib-sensitive non smal
l cell lung cancer cell lines, PNAS vol 102, 3788-3793; Serginaら; 2007; Escape
from HER-family tyrosine kinase inhibitor therapy by the kinase-inactive HER 3;
Nature; vol 445, 437-41)。EGFR増幅およびEGFR阻害剤耐性を保持する腫瘍生
標本ならびに腫瘍細胞系を、遺伝子的および生化学的に特徴付けると、PI3K経路の
構成的活性化状態が明らかとなった(Engelmanら; 2006; Allelic dilution obscures de
tection of a biologically significant resistance mutation in EGFR amplified lung
cancer, The Journal of Clinical Investigation, vol 116, 2695-2706)。

0004

驚くべきことに、国際公開第2010/029082号に記載の特定の2−カルボキサ
ミドシクロアミノウレア誘導体は、単剤として、およびEGFRキナーゼモジュレーター
との組合せで、強力な抗増殖活性、ならびに増幅EGFRおよび/または変異EGFR1
を有する乳癌および胃癌細胞系のin vivo抗腫瘍応答を引き起こすことが見出され
た。したがって、前記化合物は、EGFR依存性疾患の治療に有用である。

0005

本発明は、EGFR依存性疾患(特に悪性腫瘍)またはEGFRの獲得耐性に推進され
る疾患の治療のための式Iの化合物(本明細書では「化合物I」と呼ぶ)またはその塩の
使用に関する:

0006

[式中、
Aは、

0007

からなる群から選択されるヘテロアリールを表し、
R1は、以下の置換基の1つを表し:(1)非置換または置換の、好ましくは置換C1
〜C7アルキル(ここで前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜9つから
独立に選択される:ジュウテリウムフルオロ、または1〜2つの以下の部分:C3〜C
シクロアルキル);(2)任意に置換されているC3〜C5シクロアルキル[ここで前
記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜4つから独立に選択される:ジュウ
テリウム、C1〜C4アルキル(好ましくはメチル)、フルオロ、シアノ、アミノカルボ
ニル];(3)任意に置換されているフェニル[ここで前記置換基は、以下の部分の1つ
以上、好ましくは1〜2つから独立に選択される:ジュウテリウム、ハロ、シアノ、C1
〜C7アルキル、C1〜C7アルキルアミノ、ジ(C1〜C7アルキル)アミノ、C1〜
C7アルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜C7アルキル)アミノカルボニル、C1〜C
アルコキシ];(4)任意に一置換または二置換されているアミン[ここで前記置換基
は、以下の部分から独立に選択される:ジュウテリウム、C1〜C7アルキル(非置換で
あるか、あるいはジュウテリウム、フルオロ、クロロ、ヒドロキシの群から選択される1
つ以上の置換基によって置換されている)、フェニルスルホニル(非置換であるか、ある
いは1つ以上、好ましくは1つのC1〜C7アルキル、C1〜C7アルコキシ、ジ(C1
〜C7アルキル)アミノ−C1〜C7アルコキシによって置換されている)];(5)置
スルホニル[ここで前記置換基は、以下の部分から選択される:C1〜C7アルキル(
非置換であるか、あるいはジュウテリウム、フルオロの群から選択される1つ以上の置換
基によって置換されている)、ピロリジノ(非置換であるか、あるいはジュウテリウム、
ヒドロキシ、オキソの群から選択される1つ以上の置換基、特に1つのオキソによって置
換されている)];(6)フルオロ、クロロ;
R2は水素を表し;
R3は、(1)水素、(2)フルオロ、クロロ、(3)任意に置換されているメチルを
表す(ここで前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜3つから独立に選択
される:ジュウテリウム、フルオロ、クロロ、ジメチルアミノ);
ただし、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({5−[2−(
tert−ブチル)−ピリミジン−4−イル]−4−メチル−チアゾール−2−イル}−
アミド)は除く]。

0008

本発明はさらに、EGFR依存性疾患もしくは悪性腫瘍、またはEGFRモジュレータ
ーに対して獲得耐性を有する疾患の治療のための医薬製剤を製造するための、上で定義し
た式Iの化合物、またはその塩の使用に関する。

0009

本発明はさらに、EGFR依存性疾患もしくは悪性腫瘍、またはEGFRモジュレータ
ーに対して獲得耐性を有する疾患を治療するための式Iの化合物の、他の活性化合物、例
えば、国際公開第2010/029082号に開示の組合せパートナーとの組合せでの使
用に関する。EGFRファミリー標的剤が最も好ましい。

0010

本発明はさらに、例えば、非小細胞肺癌頭頸部癌結腸直腸癌、乳癌、神経膠芽腫
含む悪性脳腫瘍前立腺癌膀胱癌腎細胞癌すい臓癌、子宮頸癌食道癌胃癌、お
よび/または卵巣癌を含むEGFR依存性疾患を治療するために、同時、別個または逐次
に使用するための、式Iの化合物と、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、NVP
AEE778、ARRY334543、BIRW2992、BMS690514、ペリ
ニブバンデタニブ、AV412、抗EGFRモノクローナル抗体806、抗EGFR
モノクローナル抗体−Y90/Re−188、セツキシマブパニツムマブマツズマブ
ニモツズマブ、ザルツムマブ、ペルツズマブ、MDX−214、CDX110、IM
11F8、ペルツズマブ、トラスツズマブTDM1、Zemab(登録商標)、Her
ワクチンPX1041、ならびにHSP90阻害剤のCNF1010、CNF2024
タネスピマイシンアルベスピマイシン、IPI504、SNX5422およびNVP
−AUY922からなる群から選択されるEGFRモジュレーターと、任意に、少なくと
も1種の薬学的に許容される担体とを含む組合せであって、活性成分が、各場合において
遊離形態または塩の形態で存在する組合せに関する。

0011

別の実施形態では、本発明は、EGFR依存性疾患または悪性腫瘍、好ましくは、EG
Rモジュレーターによる治療中に、前記EGFRキナーゼモジュレーターに対する耐性
を獲得した悪性腫瘍を治療する方法であって、式Iの特定の2−カルボキサミドシクロア
ミノウレア誘導体、特に好ましくは、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−ア
ミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル
エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)(化合物A)、ま
たは薬学的に許容されるその塩の治療上有効な量を、単独でまたはEGFRモジュレータ
ーと組み合わせて、それを必要とする温血動物投与することを含む方法に関する。

0012

さらなる実施形態では、本発明は、式Iの化合物、特に好ましくは、(S)−ピロリ
ン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−ト
リフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イ
ル}−アミド)(化合物A)、またはその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容され
る担体を、単独でまたはEGFRモジュレーターと組み合わせて含む、EGFR依存性疾
患、またはEGFRモジュレーターによる治療中に耐性を獲得した疾患の治療用の医薬
剤に関する。

0013

さらなる実施形態では、本発明は、EGFR依存性疾患、またはEGFRモジュレータ
ーによる治療中に耐性を獲得した疾患を治療するための、式Iの化合物、特に好ましくは
、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2
−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−
チアゾール−2−イル}−アミド)(化合物A)、またはその塩の使用に関する。

図面の簡単な説明

0014

PIK3CA変異体、およびErbB2増幅乳癌細胞BT474に対する、化合物Aの抗腫瘍活性を示す図である。
同所性PIK3CA変異体、およびErbB2増幅乳癌細胞系BT474を有するマウスにおける、ビヒクルおよび化合物Aの治療群平均体重を示す図である。図1および図2におけるin vivo試験について、BT474同所性異種移植片を有する雌の胸腺欠損マウスを、図示した用量および計画で、化合物Aまたはビヒクルによって治療した。治療は、腫瘍細胞移植後16日目に開始し、11日連続で継続した。腫瘍体積の変化量に関する統計は、一元配置ANOVA、事後Dunnett法(ビヒクル対照に対して*p<0.05)によって実施された。
PIK3CA変異体、およびErbB2増幅乳癌細胞系BT474に対する、化合物A12.5mg/kg、25mg/kgおよび50mg/kg(p.o.、q24h(すなわち、24時間ごと))の用量応答抗腫瘍活性を示す図である。図3のin vivo試験について、BT474同所性異種移植片を有する雌の胸腺欠損マウスを、12.5mg/kg(p.o.)、25mg/kg(p.o.)、または50mg/kg(p.o.)の用量および計画で、化合物Aまたはビヒクルによって治療した。治療は、腫瘍細胞移植後14日目に開始し、14日連続で継続した。腫瘍体積の変化量に関する統計は、一元配置ANOVA、事後Dunnett法(ビヒクル対照に対して*p<0.05)によって実施された。
ErbB2増幅胃癌細胞系NCI−N87に対する、化合物Aの抗腫瘍活性を示す図である。
皮下ErbB2増幅胃癌細胞系NCI−N87を有するマウスにおける、ビヒクルおよび化合物Aの治療群の平均体重を示す図である。図3および図4におけるin vivo試験について、NCI−N87皮下異種移植片を有する雌の胸腺欠損マウスを、図示した用量および計画で、化合物Aまたはビヒクルによって治療した。治療は、腫瘍細胞移植後25日目に開始し、21日連続で継続した。腫瘍体積の変化量に関する統計は、一元配置ANOVA、事後Dunnett法(ビヒクル対照に対して*p<0.05)によって実施された。
PIK3CA変異体、およびErbB2増幅乳癌細胞系BT474に対する、ビヒクル、化合物Aの単剤12.5mg/kg(p.o.、1日1回)、トラスツズマブの単剤3mg/kg(i.p.、週に3回)、および化合物Aとトラスツズマブとの組合せの抗腫瘍活性、ならびに同所性PIK3CA変異体およびErbB2増幅乳癌細胞系BT474を有するマウスにおける、ビヒクル、化合物Aの単剤、トラスツズマブの単剤、および化合物Aとトラスツズマブとの組合せの治療群の補正後の平均体重変化量(個々の動物それぞれについて百分率で表される、測定日の体重と11日目の初期体重[どちらも初期の腫瘍重量を差し引くことによって補正済み]との間の比によって表される)を示す図である。値は平均±SEMであり、サンプルサイズ(1群あたりn=7〜10匹のマウス)。(*p<0.05、ビヒクル対照群と比較して有意性のある阻害、#:p<0.05、単剤治療と比較すると有意性のある阻害(マンホイットニー順位和検定、ns:有意性がない)。
PIK3CA変異体、およびErbB2増幅乳癌細胞系BT474に対する、ビヒクル、化合物Aの単剤50mg/kg(p.o.、1日1回)、トラスツズマブの単剤10mg/kg(i.p.、1日3回)、および化合物Aとトラスツズマブとの組合せの抗腫瘍活性、ならびに同所性PIK3CA変異体およびErbB2増幅乳癌細胞系BT474を有するマウスにおける、ビヒクル、化合物Aの単剤、トラスツズマブの単剤、および化合物Aとトラスツズマブとの組合せの治療群の補正後の平均体重変化量(個々の動物それぞれについて百分率で表される、測定日の体重と12日目の初期体重[どちらも初期の腫瘍重量を差し引くことによって補正済み]との間の比によって表される)を示す図である。値は平均±SEMであり、サンプルサイズ(1群あたりn=9〜10匹のマウス)。(*p<0.05、ビヒクル対照群と比較して有意性のある阻害、#:p<0.05、単剤治療と比較すると有意性のある阻害(マンホイットニー順位和検定)。

0015

別段の指定がない限り、本明細書では、以下の一般的な定義に当てはまるものとする:

0016

ハロゲン」(または「ハロ」)とは、フッ素臭素塩素またはヨウ素、とりわけフ
ッ素、塩素を意味する。ハロゲンによって置換されているアルキル基ハロアルキル)な
どのハロゲン置換基および部分は、モノ−、ポリ−またはパーハロゲン化されていてもよ
い。

0017

ヘテロ原子」とは、炭素および水素以外の原子、好ましくは窒素(N)、酸素(O)
または硫黄(S)、とりわけ窒素である。

0018

炭素含有基、部分または分子は、1〜7個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜
4個、最も好ましくは1個または2個の炭素原子を含有する。2個以上の炭素原子を有す
る基または部分を含有する任意の非環式炭素は、直鎖であるか、または分岐している。

0019

接頭語「低級」または「C1〜C7」は、最大7個以下、特に最大4個以下の炭素原子
を有する基を意味し、問題の基は直鎖であるか、あるいは単一または複数の枝分かれで分
岐している。

0020

「アルキル」とは、直鎖または分岐鎖アルキル基のことを言い、好ましくは直鎖または
分岐鎖C1〜12アルキルを表し、とりわけ好ましくは直鎖または分岐鎖C1〜7アルキ
ルを表し、例えばメチル、エチル、n−またはイソプロピル、n−、イソ、sec−また
はtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルn−オクチル、n−
ノニルn−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルであり、とりわけ好ましくは、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、およびn−ブチルならびにイソブチルである
。アルキルは非置換であってもよく、または置換されていてもよい。例示的な置換基には
、以下に限定されないが、ジュウテリウム、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロおよびアミノ
が含まれる。置換アルキルの一例はトリフルオロメチルである。シクロアルキルもまた、
アルキルの置換基であってもよい。こうした場合の一例は、(アルキル)−シクロプロピ
ルまたはアルカンジイルシクロプロピル、例えば−CH2−シクロプロピルの部分であ
る。C1〜C7アルキルは好ましくは、1つ以上7つ以下、好ましくは1つ以上4つ以下
を有するアルキルであり、直鎖であるか、または分岐しており、好ましくは低級アルキル
は、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどのブチル、n−プ
ピルもしくはイソプロピルなどのプロピル、エチル、または好ましくはメチルである。

0021

「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「アルコキシカルボニル」、「アルコキシ
カルボニルアルキル」、「アルキルスルホニル」、「アルキルスルホキシル」、「アル
キルアミノ」、「ハロアルキル」のような他の基の各アルキル部分は、「アルキル」の上
記定義において記載したものと同じ意味を有するものとする。

0022

「アルカンジイル」とは、異なる2個の炭素原子によって部分に結合している、直鎖ま
たは分岐鎖アルカンジイル基のことを言い、それは好ましくは直鎖または分岐鎖C1〜1
2アルカンジイルを表し、とりわけ好ましくは、直鎖または分岐鎖C1〜6アルカンジイ
ルを表し、例えばメタンジイル(−CH2−)、1,2−エタンジイル(−CH2−CH
2−)、1,1−エタンジイル((−CH(CH3)−)、1,1−、1,2−、1,3
プロパンジイルおよび1,1−、1,2−、1,3−、1,4−ブタンジイルであり、
とりわけ好ましくは、メタンジイル、1,1−エタンジイル、1,2−エタンジイル、1
,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイルである。

0023

アルケンジイル」とは、異なる2個の炭素原子によって分子に結合している、直鎖ま
たは分岐鎖アルケンジイル基のことを言い、それは好ましくは直鎖または分岐鎖C2〜6
アルカンジイルを表し、例えば−CH=CH−、−CH=C(CH3)−、−CH=CH
−CH2−、−C(CH3)=CH−CH2−、−CH=C(CH3)−CH2−、−C
H=CH−C(CH3)H−、−CH=CH−CH=CH−、−C(CH3)=CH−C
H=CH−、−CH=C(CH3)−CH=CH−であり、とりわけ好ましくは、−CH
=CH−CH2−、−CH=CH−CH=CH−である。アルケンジイルは置換されてい
てもよく、または非置換であってもよい。

0024

「シクロアルキル」とは、1炭素環あたり3〜12個の環原子を有する、飽和または部
分的に飽和している単環式縮合多環式、またはスピロ多環式の炭素環のことを言う。シ
クロアルキル基の実例には、以下の部分:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ルおよびシクロヘキシルが含まれる。シクロアルキルは非置換であってもよく、または置
換されていてもよく、例示的な置換基は、アルキルについての定義で提示されており、ま
たアルキル自体(例えばメチル)も含む。−(CH3)シクロプロピルのような部分は、
置換シクロアルキルと見なされる。

0025

アリール」とは、6個以上の炭素原子を有する芳香族単環式環系(すなわち環形成
原子は炭素だけ)のことを言い、アリールは、フェニルまたはナフチル、好ましくはフェ
ニルなどの、好ましくは6〜14個の環炭素原子、より好ましくは6〜10個の環炭素原
子を有する芳香族部分である。アリールは非置換でもよく、あるいは以下に記載の非置換
または置換ヘテロシクリル、特にピロリジノなどのピロリジニル、オキソピロリジノなど
のオキソピロリジニル、C1〜C7アルキルピロリジニル、2,5−ジ−(C1〜C7ア
ルキル)−ピロリジノなどの2,5−ジ−(C1〜C7アルキル)ピロリジニル、テトラ
ヒドロフラニルチオフェニル、C1〜C7アルキルピラゾリジニル、ピリジニル、C1
〜C7アルキルピペリジニルピペリジノ、アミノまたはN−モノ−もしくはN,N−ジ
−[低級アルキル、フェニル、C1〜C7アルカノイルおよび/またはフェニル−低級ア
ルキル)−アミノにより置換されているピペリジノ、非置換または環炭素原子により結合
しているN−低級アルキル置換ピペリジニル、ピペラジノ、低級アルキルピペラジノ、モ
ルホリノ、チオモルホリノ、S−オキソ−チオモルホリノまたはS,S−ジオキソチオモ
ルホリノ;C1〜C7アルキル、アミノ−C1〜C7アルキル、N−C1〜C7アルカノ
イルアミノ−C1〜C7アルキル、N−C1〜C7アルカンスルホニル−アミノ−C1〜
C7アルキル、カルバモイル−C1〜C7アルキル、[N−モノ−またはN,N−ジ−(
C1〜C7アルキル)−カルバモイル]−C1〜C7アルキル、C1〜C7アルカンスル
フィニル−C1〜C7アルキル、C1〜C7アルカンスルホニル−C1〜C7アルキル、
フェニル、ナフチル、モノ−〜トリ−[C1〜C7アルキル、ハロ、および/またはシア
ノ]−フェニルまたはモノ−〜トリ−[C1〜C7アルキル、ハロ、および/またはシア
ノ]−ナフチル;C3〜C8シクロアルキル、モノ−〜トリ−[C1〜C7アルキルおよ
び/またはヒドロキシ]−C3〜C8シクロアルキル;ハロ、ヒドロキシ、低級アルコ
シ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、(低級アルコキシ)−低級アルコキシ−低級アル
コキシ、ハロ−C1〜C7アルコキシ、フェノキシナフチルオキシ、フェニル−または
ナフチル−低級アルコキシ;アミノ−C1〜C7アルコキシ、低級アルカノイルオキシ
ベンゾイルオキシナフトイルオキシ、ホルミル(CHO)、アミノ、N−モノ−もしく
はN,N−ジ−(C1〜C7アルキル)−アミノ、C1〜C7アルカノイルアミノ、C1
〜C7アルカンスルホニルアミノカルボキシ、低級アルコキシカルボニル、例えばベン
ルオキシカルボニルなどのフェニル−またはナフチル−低級アルコキシカルボニル;ア
セチル、ベンゾイル、ナフトイルなどのC1〜C7アルカノイル、カルバモイル、N−モ
ノ−またはN,N−二置換カルバモイルなどのN−モノ−またはN,N−二置換カルバ
イル(ここで置換基は、低級アルキル、(低級アルコキシ)−低級アルキルおよびヒドロ
キシ−低級アルキルから選択される);アミジノグアニジノウレイドメルカプト
低級アルキルチオ、フェニル−またはナフチルチオ、フェニル−またはナフチル−低級ア
ルキルチオ、低級アルキル−フェニルチオ、低級アルキル−ナフチルチオ、ハロ−低級ア
ルキルメルカプト、スルホ(−SO3H)、低級アルカンスルホニル、フェニル−または
ナフチル−スルホニル、フェニル−またはナフチル−低級アルキルスルホニル、アルキル
フェニルスルホニル、トリフルオロメタンスルホニルなどのハロ−低級アルキルスルホニ
ル;スルホンアミドベンゾスルホンアミド、アジド、アジド−C1〜C7アルキル、特
にアジドメチル、C1〜C7アルカンスルホニル、スルファモイル、N−モノ−もしくは
N,N−ジ−(C1〜C7アルキル)−スルファモイル、モルホリノスルホニル、チオモ
ルホリノスルホニル、シアノおよびニトロ[ここで、置換アルキル(または、同様に本明
細書で述べた置換アリールヘテロシクリルなど)の置換基または置換基の部分としての
上記のフェニルまたはナフチルの各々(フェニキシまたはナフトキシ中においても同様)
は、それ自体、非置換であるか、あるいはハロ、トリフルオロメチルなどのハロ−低級ア
ルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アジド、アミノ、N−モノ−もしくはN,N−ジ
−(低級アルキルおよび/もしくはC1〜C7アルカノイル)−アミノ、ニトロ、カルボ
キシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、ならびに/またはスルファ
イルから独立して選択される、1つ以上、例えば3つまで、好ましくは1つまたは2つの
置換基によって置換されている]からなる群から独立して選択される1つ以上、好ましく
は3つまで、より好ましくは2つまでの置換基によって置換されていてもよい。

0026

「ヘテロシクリル」とは、不飽和(=1つまたは複数の環内に最大可能数の共役二重結
合を有する)、飽和、または部分的に飽和しているヘテロ環式基のことを言い、好ましく
は単環式であるか、または本発明のより広範な態様では、二環式三環式もしくはスピロ
環式環であり、3〜24個、より好ましくは4〜16個、最も好ましくは5〜10個、最
も好ましくは5個または6個の環原子を有しており、ここで、1個または複数、好ましく
は1〜4個、特に1個または2個の環原子はヘテロ原子である(したがって、残りの環原
子は炭素である)。結合している環(すなわち、分子に連結している環)は、好ましくは
4〜12個、特に5〜7個の環原子を有する。用語ヘテロシクリルはヘテロアリールも含
む。ヘテロ環式基(ヘテロシクリル)は、非置換であってもよく、あるいは置換アルキル
について上記で定義した置換基からなる群、および/または以下の置換基:オキソ(=O
)、チオカルボニル(=S)、イミノ(=NH)、イミノ−低級アルキルの1つもしくは
複数から独立して選択される、1つ以上、特に1〜3つの置換基によって置換されていて
もよい。さらに、ヘテロシクリルは、特にオキシラニルアジリニル、アジリジニル、1
,2−オキサチオラニル、チエニル(=チオフェニル)、フラニル、テトラヒドロフラ
ル、ピラニル、チオピラニル、チアトレニル、イソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、
クロメニル、2H−ピロリル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イ
ミダゾリジニル、ベンズイミダゾリルピラゾリルピラジニル、ピラゾリジニル、チア
リルイソチアゾリルジチアゾリル、オキサゾリルイソキサゾリルピリジル、ピ
ラジニル、ピリミジニル、ピペリジニル、ピペラジニルピリダジニルモルホリニル
チオモルホリニル、(S−オキソまたはS,S−ジオキソ)−チオモルホリニル、インド
リジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、特に1,4−ジアゼパニル、イソインドリル、3
H−インドリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、クマリルインダゾリルトリアゾ
リル、テトラゾリルプリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、テトラ
ヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリルデカヒドロキノリル、オクタヒドロイソキ
ノリル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニ
ル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、キナゾリニル、シン
ノリニル、プテリジニルカルバゾリルベータ−カルボリニル、フェナントリジニル、
アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フラザニル、フェナジニル、フェノ
チアジニル、フェノキサジニル、クロメニル、イソクロマニル、クロマニル、ベンゾ[1
,3]ジオキソール−5−イルおよび2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6
−イルからなる群から選択されるヘテロシクリル基であり、これらの基の各々は非置換で
あるか、あるいは置換アリールについて上記で述べたもの、および/または以下の置換基
:オキソ(=O)、チオカルボニル(=S)、イミノ(=NH)、イミノ−低級アルキル
の1つ以上から選択される、1つ以上、好ましくは3つまでの置換基によって置換されて
いる。

0027

アリールアルキル」とは、アルキル基(例えばメチルまたはエチル基)を介して分子
と結合しているアリール基を意味し、好ましくはフェネチルまたはベンジル、特にベンジ
ルである。同様に、シクロアルキル−アルキルおよびヘテロシクリル−アルキルは、アル
キル基によって分子に結合しているシクロアルキル基、またはアルキル基によって分子に
結合しているヘテロシクリル基を表す。各例において、アリール、ヘテロシクリル、シク
ロアルキルおよびアルキルは、上記で定義した通りに置換されていてもよい。

0028

「治療」には、予防的(防止的)および治療的治療、ならびに疾患または障害の進行の
遅延が含まれる。本明細書で使用する用語「進行の遅延」とは、治療されるべき増殖性
患の前段階または早期にある患者への組合せの投与を意味し、例えば、これらの患者にお
いて対応する疾患の前形態が診断され、あるいはこれらの患者が、例えば医療治療中の状
態または事故に起因する状態にあり、こうした状態下において対応する疾患が発症する可
能性が高い。

0029

「上皮成長因子受容体依存性疾患」または「EGFR依存性疾患」とは特に、有益に(
例えば、1つ以上の症状の寛解、疾患の開始の遅延、疾患からの一時的または完全な治癒
まで)、上皮成長因子受容体ファミリーのメンバー(ここで、治療されるべき疾患の中に
は、癌または腫瘍疾患などの増殖性疾患が含まれてよい)の阻害に応答する障害または悪
性腫瘍である。上皮成長因子受容体ファミリーは、4つのメンバー:EGFR1(HER
1またはErb−B1としても知られている)、EGFR2(HER2またはErb−B
2としても知られている)、EGFR3(HER3またはErb−B3としても知られて
いる)、およびEGFR4から構成されている。

0030

「医薬製剤」または「医薬組成物」とは、哺乳類に発症する特定の疾患または状態を予
防、治療または管理するために、哺乳類、例えばヒトに投与されるべき少なくとも1種の
治療用化合物を含有する混合物または溶液のことを言う。

0031

「薬学的に許容される」とは、過度の毒性、刺激アレルギー応答および妥当な利益/
リスク比と一致する他の問題となる合併症がなく、正しい医療判断の範囲内で、哺乳動物
、特にヒトの組織との接触に適している化合物、材料、組成物および/または剤形のこと
を言う。

0032

「塩」(これが意味するのは「またはその塩(or salts thereof)」あるいは「または
その塩(or a salt thereof)」である)は、単独または式(I)の遊離化合物との混合
物で存在することができ、好ましくは薬学的に許容される塩である。こうした塩は、例え
塩基性窒素原子を有する式(I)の化合物から、好ましくは有機酸または無機酸との酸
付加塩、特に薬学的に許容される塩として形成される。適切な無機酸は、例えば塩酸、硫
酸またはリン酸などのハロゲン酸である。適切な有機酸は、例えばフマル酸またはメタン
スルホン酸などのカルボン酸またはスルホン酸である。分離または精製目的で、薬学的に
許容されない塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。治
療用途に関しては、薬学的に許容される塩または遊離化合物だけが用いられ(必要に応じ
て、医薬製剤の形態で)、したがって、これらが好ましい。遊離形態の新規化合物とそれ
らの塩(例えば、新規化合物の精製または同定において中間体として使用することができ
る塩を含む)の形態のものとの間の密接な関係を考慮すると、上記および下記における遊
離化合物に対するいかなる言及も、適切かつ好都合に対応する塩にも言及するものとして
理解されたい。式(I)の化合物の塩は,好ましくは薬学的に許容される塩であり、薬学
的に許容される塩を形成する適切な対イオンは、当分野で公知である。

0033

「組合せ」とは、1回投与量単位形態の固定した組合せ、または併用投与向けの固定し
ない組合せ(またはキットオブパーツ(kit of parts))のいずれかのことを言い、後者
の場合、式(I)の化合物および組合せパートナー(例えば、以下に説明する他の薬物、
治療剤」または「助剤(co-agent)」とも呼ぶ)を同時に独立して投与してもよく、ま
たは、特に、組合せパートナーが、協同効果、例えば相乗効果を示すことが可能な時間間
隔内に別個に投与してもよい。本明細書で利用される用語「併用投与」などは、それを必
要とする単一の対象(例えば、患者)への、選択された組合せパートナーの投与を包含
ることを意味し、薬剤を同じ投与経路によって、または同時に必ずしも投与しない治療計
画を含むものと意図される。用語「固定した組合せ」とは、活性成分、例えば式(I)の
化合物および組合せパートナーをどちらも、単一の実体または投与量の形態で、同時に患
者に投与することを意味する。「固定しない組合せ」または「キットオブパーツ」という
用語は、活性成分、例えば式(I)の化合物および組合せパートナーの両方を、別個の実
体として、同時に、一斉に、または逐次に、特定の時間制限なしに患者に投与することを
意味し、ここでこうした投与は、患者の体内において2種の化合物の治療上有効なレベル
をもたらす。後者はまた、カクテル療法、例えば、3種以上の活性成分の投与にも当ては
まる。

0034

「治療上有効な」とは、好ましくは、増殖性疾患の進行に対して、治療的に、またはよ
り広範な意味においては予防的に有効である量に関する。

0035

本発明は、上皮成長因子受容体(EGFR)ファミリーメンバー(HER1またはEr
b−B1としても知られているEGFR1、HER2またはErb−B2としても知られ
ているEGFR2、HER3またはErb−B3としても知られているEGFR3、およ
びEGFR4を含む)依存性疾患の治療における特定の2−カルボキサミドシクロアミノ
ウレア誘導体の単独または組合せでの使用に関する。

0036

本発明に適した特定の2−カルボキサミドシクロアミノウレア誘導体、それらの調製お
よびそれを含有する適切な医薬製剤は、国際公開第2010/029082号に記載され
ており、式Iの化合物またはその塩を含む:

0037

[式中、
Aは、

0038

からなる群から選択されるヘテロアリールを表し、
R1は、以下の置換基の1つを表し:(1)非置換または置換の、好ましくは置換のC
1〜C7アルキル(ここで前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜9つか
ら独立に選択される:ジュウテリウム、フルオロ、または1〜2つの以下の部分:C3〜
C5シクロアルキル);(2)任意に置換されているC3〜C5シクロアルキル[ここで
前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜4つから独立に選択される:ジュ
ウテリウム、C1〜C4アルキル(好ましくはメチル)、フルオロ、シアノ、アミノカル
ボニル];(3)任意に置換されているフェニル[ここで前記置換基は、以下の部分の1
つ以上、好ましくは1〜2つから独立に選択される:ジュウテリウム、ハロ、シアノ、C
1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルアミノ、ジ(C1〜C7アルキル)アミノ、C1
〜C7アルキルアミノカルボニル、ジ(C1〜C7アルキル)アミノカルボニル、C1〜
C7アルコキシ];(4)任意に一置換または二置換されているアミン[ここで前記置換
基は、以下の部分から独立に選択される:ジュウテリウム、C1〜C7アルキル(非置換
であるか、あるいはジュウテリウム、フルオロ、クロロ、ヒドロキシの群から選択される
1つ以上の置換基によって置換されている)、フェニルスルホニル(非置換であるか、あ
るいは1つ以上、好ましくは1つのC1〜C7アルキル、C1〜C7アルコキシ、ジ(C
1〜C7アルキル)アミノ−C1〜C7アルコキシによって置換されている)];(5)
置換スルホニル[ここで前記置換基は、以下の部分から選択される:C1〜C7アルキル
(非置換であるか、あるいはジュウテリウム、フルオロの群から選択される1つ以上の置
換基によって置換されている)、ピロリジノ(非置換であるか、あるいはジュウテリウム
、ヒドロキシ、オキソの群から選択される1つ以上の置換基、特に1つのオキソによって
置換されている)];(6)フルオロ、クロロ;
R2は水素を表し;
R3は、(1)水素、(2)フルオロ、クロロ、(3)任意に置換されているメチルを
表す(ここで前記置換基は、以下の部分の1つ以上、好ましくは1〜3つから独立に選択
される:ジュウテリウム、フルオロ、クロロ、ジメチルアミノ);
ただし、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({5−[2−(
tert−ブチル)−ピリミジン−4−イル]−4−メチル−チアゾール−2−イル}−
アミド)は除く]。

0039

式Iの化合物の定義において使用される基および記号は、国際公開第2010/029
082号に開示されている意味であり、その公報は参照により本出願に組み込まれている

0040

本発明の好ましい化合物は、具体的に国際公開第2010/029082号に記載され
ている化合物である。

0041

本発明の非常に好ましい化合物は、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−ア
ミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−
エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)(化合物A)、ま
たは薬学的に許容されるその塩である。(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−
アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル
−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)の合成は、例え
ば、国際公開第2010/029082号において、実施例15として記載されている。

0042

EGFR1(HER1またはErb−B1としても知られている)、EGFR2(HE
R2またはErb−B2としても知られている)、およびEGFR3(HER3またはE
rb−B3としても知られている)、ならびにEGFR4を含む受容体のERbBファ
リーは、細胞増殖性障害、または癌において過剰発現することが多い。ErbB2(HE
R2)は、乳癌、卵巣癌および胃癌で過剰発現することが多い。ErbB2に対する有効
な治療手法は存在するものの、増幅/過剰発現したHER2を患う患者の50%は、トラ
スツズマブなどのErbB2モジュレーターに応答しない。乳癌BT474およびHBC
x−5細胞系、および胃癌NCI−N87細胞系は、in vivoでErbB2増幅お
よび高い腫瘍形成能を有する有用なモデルである。式Iの化合物などのPI3K阻害剤の
抗腫瘍活性は、ErbB2に推進される腫瘍モデルの両方に対して試験される。

0043

意外なことに、化合物Aを投与すると、両モデルにおいて、in vivoの腫瘍成長
阻害を引き起こす。ErbB2増幅を含有するまたは含有しない乳房CRCおよびす
臟の細胞系のパネルでは、化合物Aは細胞増殖を減少させ、BT474乳癌モデルではG
I50の中央値が139±82nMとなり、HCC1954乳癌モデルではGI50の中
央値が687±132nMとなり、ErbB2を過剰発現した細胞系のどちらにおいても
細胞死を誘発する。

0044

雌の胸腺欠損ヌードマウスにおける同所的に移植されたBT474乳癌異種移植片モデ
ルでは、化合物Aは、ビヒクル治療群と比較して、12.5、25および50mg/kg
の用量によって治療した化合物Aの群において、統計的に有意な抗腫瘍効果を生じている
(p<0.05、ANOVA、事後Dunnett法)。最初の実験において、50mg
/kgで1日1回経口投与(p.o.)された化合物Aは、ビヒクル(平均腫瘍変化量3
15.1±16.4mm3)と比較して、−29.7±15.6mm3の腫瘍体積の平均
腫瘍変化を生じており、23.0%の退縮である(p<0.01、ANOVAおよび事後
Dunnett法)(図1を参照されたい)。2番目の実験において、12.5、25お
よび50mg/kgで1日1回経口投与された化合物Aは、ビヒクル(腫瘍体積の平均変
化量557.7±79.0mm3)と比較して、それぞれ171.8±33.0mm3(
p<0.01、ANOVAおよび事後Dunnett法)、95.5±26.5mm3(
p<0.01、ANOVAおよび事後Dunnett法)、および20.8±15.9m
m3(P<0.01、ANOVAおよび事後Dunnett法)の腫瘍体積の平均変化
生じている(図3を参照されたい)。

0045

ビヒクル治療群(0.1±1.2%)および化合物A治療群(それぞれ、1.4±1.
2%および−1.2±1.2%)について、平均体重変化量に統計的有意性がないことに
よって実証されているように、12.5および25mg/kgで化合物Aの耐容性はよい
。しかし、2つの実験において、化合物A50mg/kgによって治療された群は、10
.6±4.1%(p<0.05、対応のあるt−検定を使用)および8.2±2.6%(
p<0.05、対応のあるt−検定を使用)という、統計的に有意な平均体重変化量を示
している(図2を参照されたい)。

0046

雌の胸腺欠損ヌードマウスにおける皮下NCI−N87異種移植片モデルでは、実験
において、化合物Aは、ビヒクル(p<0.05、ANOVA)と比較して、化合物A治
療群において統計的に有意な抗腫瘍効果を生じており、退縮は11%である(図4を参照
されたい)。50mg/kgの用量で1日1回経口投与(p.o.)された化合物A治療
群は、ビヒクル(腫瘍体積の平均変化量694.0±93.5mm3)と比較して、−1
1.8±17.2mm3の腫瘍体積の平均変化量を生じている(p<0.01、ANOV
Aおよび事後Dunnett法)。50mg/kgの用量での化合物A。実験において、
化合物A50mg/kgによって治療した群について、平均体重変化量に統計的有意性が
ない(3.8±2.1%)ことによって実証されているように、化合物Aの耐容性はよい
図5を参照されたい)。

0047

したがって、式Iの化合物、特に化合物Aは、このようなEGFR依存性疾患、特に悪
性腫瘍、またはEGFRファミリーメンバーの獲得耐性に推進される疾患の治療に有用で
ある。EGFR活性の調節異常への分子リンク確立されたまたはその可能性がある疾患
または悪性腫瘍は、例えば、「Mendelsohn and Baselga; Status of Epidermal Growth F
actor Receptor Antagonists in the Biology and Treatment of Cancer, Journal of Cl
inical Oncology, 2787-2799」;「Mendelsohn and Baselga; Epidermal Growth Factor R
eceptor Targeting in Cancer, Seminars in Oncology, Vol 33, 369-385」; Irmerら, 2
007, EGFR kinase domain mutations-functional impact and relevance for lung cance
r therapy, Oncogene, 1-9; Roche-Limaら, EGFR targeting of solid tumors; Cancer C
ontrol, 2007, Vol 14 (3), 295-304)に記載されており、これらはすべて(その中に引
用されている参考文献を含む)、参照により本出願に組み込まれている。

0048

本発明によれば、式Iの化合物、特に化合物Aによって、以下のEGFR依存性疾患、
特に悪性腫瘍を治療するのが好ましい:
・非小細胞肺癌
・頭頸部癌
・結腸直腸癌
・乳癌
・神経膠芽腫を含む悪性脳腫瘍
・前立腺癌
・膀胱癌
・腎細胞癌
・すい臓癌
・子宮頸癌
・食道癌
・胃癌
・卵巣癌
または、それらの任意の組合せ。

0049

さらに、本発明は、EGFR依存性疾患または悪性腫瘍の治療のための医薬製剤を製造
するための、上記の式Iの化合物またはその塩の使用に関する。

0050

一実施形態では、本発明は、EGFR依存性疾患もしくは悪性腫瘍、またはEGFRフ
ァミリーメンバーを標的とする他の化合物に対して獲得耐性を有する疾患の治療のための
医薬製剤を製造するための、式Iの化合物、特に、(S)−ピロリジン−1,2−ジカル
ボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1
−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)(化
合物A)、またはその塩の使用に関する。

0051

本発明によるEGFRファミリーのメンバーを標的とする化合物には、EGFRファミ
リーのキナーゼモジュレーター、EGFR発現レベルを変化させる、または腫瘍細胞内
EGFRファミリーメンバーの発現に関係した細胞免疫応答を引き出す化合物が含まれる
。本明細書で使用する場合、用語「EGFRモジュレーター」とは、EGFR活性または
EGFRシグナル伝達経路を、直接的または間接的に調節する生体分子または小分子であ
る化合物または薬物を意味するものとする。直接的または間接的な調節には、EGFR活
性もしくはEGFRシグナル伝達経路の活性化または阻害が含まれる。一態様では、阻害
とは、例えばEGFなどのEGFRリガンドへのEGFRの結合形成を阻害することを言
う。別の態様では、阻害とは、EGFRのキナーゼ活性の阻害のことを言う。

0052

EGFRモジュレーターによる治療に対する耐性は、前記EGFRモジュレーターによ
る治療中に獲得される可能性があり、またはそのタンパク質における1つ以上の変異によ
ることもある。

0053

好ましいEGFRモジュレーターは、EGFRの機能活性の阻害剤としてそれらの活性
を示す。本発明によるEGFRファミリーのメンバーを標的とする化合物としては、ゲフ
ィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、NVP−AEE778、ARRY334543、
BIRW2992、BMS690514、ペリチニブ、バンデタニブ、AV412、抗E
GFRモノクローナル抗体806、抗EGFRモノクローナル抗体−Y90/Re−18
8、セツキシマブ、パニツムマブ、マツズマブ、ニモツズマブ、ザルツムマブ、ペルツズ
マブ、MDX−214、CDX110、IMC11F8、ペルツズマブ、トラスツズマブ
、TDM1、Zemab(登録商標)、Her2ワクチンPX1041、ならびにHSP
90阻害剤のCNF1010、CNF2024、タネスピマイシンアルベスピマイシン
、IPI504、SNX5422およびNVP−AUY922が挙げられるが、それらに
限定されない。

0054

EGFRモジュレーターには、例えばEGFR特異的リガンド、小分子EGFR阻害剤
、およびEGFRモノクローナル抗体が含まれる。一態様では、EGFRモジュレーター
は、EGFR活性を阻害し、かつ/またはEGFRシグナル伝達経路を阻害する。別の態
様では、EGFRモジュレーターは、EGFR活性を阻害し、かつ/またはEGFRシグ
ナル伝達経路を阻害するEGFRモノクローナル抗体である。

0055

EGFRモジュレーターには、生体分子または小分子が含まれる。生体分子には、分子
量が450を超える、単糖アミノ酸、およびヌクレオチドのすべての脂質およびポリマ
ーが含まれる。したがって、生体分子には例えば、オリゴ糖および多糖オリゴペプチド
ポリペプチドペプチド、およびタンパク質、ならびにオリゴヌクレオチドおよびポリ
ヌクレオチドが含まれる。オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドには例えば、DN
AおよびRNAが含まれる。

0056

生体分子は、さらに上記の分子のいずれかの誘導体も含まれる。例えば、生体分子の誘
導体には、オリゴペプチド、ポリペプチド、ペプチドおよびタンパク質の脂質およびグリ
コシ化誘導体が含まれる。

0057

生体分子の誘導体には、さらにオリゴ糖および多糖の脂質誘導体、例えばリポ多糖が含
まれる。最も典型的には、生体分子は抗体、または抗体の機能的等価物である。抗体の機
能的等価物は、抗体の結合特性匹敵する結合特性を有しており、EGFRを発現する細
胞の成長を阻害する。こうした機能的等価物は例えば、キメラ化ヒト化、および一本鎖
抗体、ならびにそれらの断片が含まれる。

0058

抗体の機能的等価物には、抗体の可変または超可変領域アミノ酸配列と実質的に同じ
アミノ酸配列を有するポリペプチドも含まれる。他の配列と本質的に同じであるが、1つ
以上の置換、付加、および/または欠失によってその他の配列と異なるアミノ酸配列は、
等価な配列と見なされる。配列中、好ましくは50%未満、より好ましくは25%未満、
さらにより好ましくは10%未満のアミノ酸残基数が、タンパク質に対して置換されてお
り、タンパク質に付加されており、またはタンパク質から欠失している。

0059

抗体の機能的等価物は、好ましくはキメラ化またはヒト化抗体である。キメラ化抗体は
非ヒト抗体の可変領域およびヒト抗体定常領域を含む。ヒト化抗体は、非ヒト抗体の
超可変領域(CDR)を含む。超可変領域以外の可変領域、例えばフレームワーク可変領
域、およびヒト化抗体の定常領域は、ヒト抗体のものである。

0060

非ヒト抗体の適切な可変領域および超可変領域は、モノクローナル抗体が作製されるあ
らゆる非ヒト哺乳動物によって産生される抗体に由来することができる。ヒト以外の哺乳
動物の適切な例には、例えば、ウサギラット、マウス、ウマヤギまたは霊長類が含ま
れる。

0061

機能的等価物には、抗体全体の結合特性と同じであるか、またはこれに匹敵する結合特
性を有する抗体の断片がさらに含まれる。抗体の適切な断片には、EGFRチロシンキナ
ーゼに特異的に結合するのに十分な超可変(すなわち、相補性決定)領域の一部を含み、
こうした受容体を発現する細胞の成長を阻害するのに十分なEGFRチロシンキナーゼに
対する親和性を有する、あらゆる断片が含まれる。

0062

そのような断片には、例えば、Fab断片またはF(ab’).sub.2断片の一方
または両方を含有することができる。好ましくは、抗体断片は、抗体全体の6つの相補性
決定領域すべてを含有するが、こうした領域をすべてよりも少なく(3、4、または5つ
のCDRなど)含有する機能的断片も含まれる。

0063

一態様では、断片は一本鎖抗体またはFv断片である。一本鎖抗体は、相互連結してい
リンカーを有するまたは有さない状態で、軽鎖の可変領域に結合している抗体の重鎖
可変領域を少なくとも含むポリペプチドである。したがって、Fv断片は抗体結合部位
体を含む。こうした鎖は、細菌中または真核細胞中で産生することができる。

0064

抗体および機能的等価物は、IgGIgMIgAIgDまたはIgEなどの任意
クラスの免疫グロブリンおよびそれらのサブクラスのメンバーとすることができる。

0065

上で議論した生体分子に加えて、本発明において有用なEGFRモジュレーターは、小
分子とすることもできる。生体分子ではないいずれの分子も、本明細書では小分子と見な
される。小分子のいくつかの例には、有機化合物有機金属化合物有機および有機金属
化合物の塩、糖、アミノ酸ならびにヌクレオチドが含まれる。小分子は、それらの分子量
が450Da以下であることを除いて、他の点では生体分子と見なされうる分子をさらに
含む。したがって、小分子は、分子量が450Da以下である脂質、オリゴ糖、オリゴ
プチドおよびオリゴヌクレオチド、ならびにそれらの誘導体とすることができる。

0066

とりわけ、本発明は、式Iの化合物、特に化合物Aまたはその塩の使用による、EGF
Rファミリーメンバーに依存しまたはEGFRモジュレーターによる治療中に耐性を獲得
した疾患または悪性腫瘍の治療に関する。治療時に耐性が生じ得る、考えられるEGFR
モジュレーターには、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、セツキシマブ
、ニモツズマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、およびTDM1が挙げられる。

0067

さらなる実施形態では、本発明は、EGFR依存性疾患もしくは悪性腫瘍、またはEG
FRモジュレーターに対して獲得耐性を有する疾患(「EGFR獲得耐性疾患」)を治療
するための式(I)の化合物の、他の活性化合物、例えば、国際公開第2010/029
082号に開示の組合せパートナーとの組合せでの使用に関する。本発明のこの態様につ
いてさらに好ましい組合せパートナーは、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、N
VP−AEE778、ARRY334543、BIRW2992、BMS690514、
ペリチニブ、バンデタニブ、AV412、抗EGFRモノクローナル抗体806、抗EG
FRモノクローナル抗体−Y90/Re−188、セツキシマブ、パニツムマブ、マツ
マブ、ニモツズマブ、ザルツムマブ、ペルツズマブ、MDX−214、CDX110、I
MC11F8、ペルツズマブ、トラスツズマブ、TDM1、Zemab(登録商標)、H
er2ワクチンPX1041、ならびにHSP90阻害剤のCNF1010、CNF20
24、タネスピマイシンアルベスピマイシン、IPI504、SNX5422およびN
VP−AUY922などのEGFRファミリー標的薬剤であるが、それらに限定されない

0068

さらなる実施形態では、本発明はまた、例えば、非小細胞肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌
、乳癌、神経膠芽腫を含む悪性脳腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、腎細胞癌、すい臓癌、子宮頸
癌、食道癌、胃癌、および/または卵巣癌を含むEGFR依存性疾患を治療するために、
同時、別個または逐次に使用するための、式Iの化合物、特に(S)−ピロリジン−1,
2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオ
ロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−ア
ミド)(化合物A)と、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、NVP−AEE77
8、ARRY334543、BIRW2992、BMS690514、ペリチニブ、バン
デタニブ、AV412、抗EGFRモノクローナル抗体806、抗EGFRモノクローナ
ル抗体−Y90/Re−188、セツキシマブ、パニツムマブ、マツズマブ、ニモツズマ
ブ、ザルツムマブ、ペルツズマブ、MDX−214、CDX110、IMC11F8、ペ
ルツズマブ、トラスツズマブ、TDM1、Zemab(登録商標)、Her2ワクチンP
X1041、ならびにHSP90阻害剤のCNF1010、CNF2024、タネスピマ
イシンアルベスピマイシン、IPI504、SNX5422およびNVP−AUY92
2からなる群から選択されるEGFRモジュレーターと、任意に、少なくとも1種の薬学
的に許容される担体とを含む組合せであって、活性成分が、各場合において、遊離の形態
または塩の形態で存在する、組合せにも関する。

0069

とりわけ、本発明は、非小細胞肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、乳癌、神経膠芽腫を含む
悪性脳腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、腎細胞癌、すい臓癌、子宮頸癌、食道癌、胃癌、および
卵巣癌を治療するために、同時、別個または逐次に使用するための、2(S)−ピロリジ
ン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−ト
リフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イ
ル}−アミド)からなる群から選択される式Iの化合物と、ゲフィチニブ、エルロチニブ
、ラパチニブ、セツキシマブ、ニモツズマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、およびT
DM1からなる群から選択されるEGFRモジュレーターと、任意に、少なくとも1種の
薬学的に許容される担体との組合せであって、活性成分が、各場合において、遊離形態ま
たは薬学的に許容される塩の形態で存在する、組合せに関する。

0070

別の実施形態では、本発明は、EGFR依存性疾患または悪性腫瘍、好ましくは、EG
FRモジュレーターによる治療中に、前記EGFRキナーゼモジュレーターに対する耐性
を獲得した悪性腫瘍を治療する方法であって、式Iの特定の2−カルボキサミドシクロア
ミノウレア誘導体、特に好ましくは、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−ア
ミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−
エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イル}−アミド)(化合物A)、ま
たは薬学的に許容されるその塩の治療上有効な量を、単独でまたはEGFRモジュレータ
ーと組み合わせて、それを必要とする温血動物に投与することを含む方法に関する。

0071

この方法により治療されるべき疾患は、優先的には、非小細胞肺癌、頭頸部癌、結腸
腸癌、乳癌、神経膠芽腫を含む悪性脳腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、腎細胞癌、すい臓癌、子
癌、食道癌、胃癌、および卵巣癌である。

0072

さらなる実施形態では、本発明は、式Iの化合物、特に好ましくは、(S)−ピロリジ
ン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2−(2,2,2−ト
リフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−チアゾール−2−イ
ル}−アミド)(化合物A)、またはその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容され
る担体を、単独でまたはEGFRモジュレーターと組み合わせて含む、EGFR依存性疾
患、またはEGFRモジュレーターによる治療中に耐性を獲得した疾患の治療のための医
薬製剤に関する。

0073

この医薬製剤によって治療されるべき疾患は、優先的には、非小細胞肺癌、頭頸部癌、
結腸直腸癌、乳癌、神経膠芽腫を含む悪性脳腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、腎細胞癌、すい臓
癌、子宮頸癌、食道癌、胃癌、および卵巣癌である。

0074

さらなる実施形態では、本発明は、EGFR依存性疾患、またはEGFRモジュレータ
ーによる治療中に耐性を獲得した疾患を治療するための、式Iの化合物、特に好ましくは
、(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸2−アミド1−({4−メチル−5−[2
−(2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチル−エチル)−ピリジン−4−イル]−
チアゾール−2−イル}−アミド)(化合物A)、またはその塩の使用に関する。

0075

この化合物の単独、またはEGFRモジュレーターとの組合せによって治療されるべき
疾患は、優先的には、非小細胞肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、乳癌、神経膠芽腫を含む悪
脳腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、腎細胞癌、すい臓癌、子宮頸癌、食道癌、胃癌、および
癌である。

0076

式(I)の化合物はまた、既知治療方法、例えば、ホルモン投与、または特に放射線
と組み合わせて有利に使用されてもよい。式(I)の化合物は、特に放射線療法に感受性
の乏しい腫瘍の治療のために、放射線増感剤として特に使用してもよい。

0077

本発明による治療は、症候的または予防的であってもよい。

0078

式Iの化合物は、単独で、または1つ以上の他の治療用化合物と組み合わせて投与する
ことができ、可能な組合せ療法は、固定した組合せの形態、あるいは、時間差を設けて、
または互いに独立して与えられる本発明の化合物および1つ以上の他の治療用化合物の投
与、あるいは、固定した組合せおよび1つ以上の他の治療用化合物の併用投与とすること
ができる。

0079

活性成分の投与量は、患者のタイプ、人種年齢、体重、性別、および医療状態、治療
されるべき状態の重症度、投与経路、患者の腎臓および肝臓機能、ならびに用いられる特
定の化合物を含む種々の要因で決まる。通常の技能を有する医師臨床医または獣医師
、状態の進行を予防、反撃または抑止するために必要な薬物の有効な量を、容易に決め、
処方することができる。有効性を得る範囲内で薬物の濃度を達成する最適精度には、標的
部位への薬物アベイラビリティ(drug's availability)の動力学に基づいた計画が必要
である。これには、薬物の分布平衡および排出に関する検討が必要である。

0080

本発明の化合物は、任意の従来の経路により、とりわけ非経口的に、例えば注射可能な
溶液もしくは懸濁液の形態で、経腸的に、例えば経口的に、例としては錠剤もしくはカプ
セル剤の形態で、局所的に、例としてはローション剤ゲル剤軟膏剤もしくはクリーム
剤の形態で、または、経鼻もしくは座剤の形態で投与されてもよい。局所投与としては、
例えば、皮膚への投与がある。局所投与の別の形態としては、眼への投与がある。少なく
とも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤と共に、本発明の化合物を含む医薬組成
物は、薬学的に許容される担体または賦形剤と混合することによって、従来の様式で製造
されてもよい。

0081

医薬組成物は、局所投与、経腸投与、例えば、経口投与もしくは直腸投与、または非経
口投与に適しており無機または有機の固体または液体でもよい薬学的に許容される担体と
一緒に、上記の障害の1つの治療において有効な量の式Iの化合物、またはその塩を含む
。賦形剤、例えばラクトース、デキシトロース、マニトール、および/もしくはグリセロ
ール、ならびに/または滑沢剤および/もしくはポリエチレングリコールと一緒に、活性
成分を含む、経口投与ために使用される医薬組成物、特に、錠剤またはゼラチンカプセル
剤がある。錠剤は、結合剤、例えばマグネシウムアルミニウムシリケートトウモロコシ
小麦もしくは米デンプンなどのデンプンゼラチンメチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン、必要に応じて、崩壊
剤、例えばデンプン、寒天アルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩、お
よび/または発泡剤混合物、あるいは吸着剤着色剤香味剤および甘味剤を含んでもよ
い。本発明の薬理活性化合物を、非経口的に投与可能な組成物の形態、または輸液の形態
で使用することも可能である。医薬組成物は、滅菌してもよく、ならびに/あるいは添加
剤、例えば、防腐剤安定化剤、湿潤化合物、および/または乳化剤溶解剤浸透圧
調節するための塩、および/または緩衝液を含んでもよい。本発明の医薬組成物は、必要
に応じて他の薬理活性物質を含んでよく、それ自体既知の様式で、例を挙げると従来の
混合法顆粒化法、糖剤化法、溶解法または凍結乾燥法により調製され、1種または複数
種の活性成分をおよそ1%〜99%、特におよそ1%〜およそ20%含む。

0082

以下の実施例は、上記の本発明を例示するが、それらは本発明の範囲を決して限定する
意図はない。本発明の医薬的組合せの有益な効果は、関連技術における当業者にそれ自体
公知の他の試験モデルによっても決定することができる。

0083

実施例1−BT474乳癌異種移植片モデルにおける化合物Aの効果
実験は、治療開始時においておよそ8〜12週齢の雌HsdNpa:胸腺欠損ヌード
nuマウスで実施された。動物はすべて、食物および水へのフリーアクセスを伴って、M
akrolonタイプIIIケージ(1ケージあたり最大10動物)中において、最適化
された衛生状態の下に収容された。

0084

BT−474細胞は、ヒトの乳管癌細胞、およびPIK3CA変異K111Nで増幅し
たErbB2であるが、これを10%の熱不活化FCS、2mMのL−グルタミン、1m
ピルビン酸ナトリウム補給した4.5g/lグルコースを含有するDMEM培養培地
において成長させて、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃でインキュベートした。細胞培
用試薬は、BioConcept(Allschwil、スイス)から購入された。

0085

動物の右側の3番目の乳腺に、Matrigel(BD # 34234)1mg/m
lを含有するHBSS(Sigma、#H8264)30μl中の3×106個の細胞を
同所的に注射することによって、BT−474腫瘍をin vivoで定着させた。腫瘍
がおよそ130mm3の平均サイズに達したとき(細胞注射後14〜16日目)、有効性
試験を開始した。腫瘍が150〜250mm3のサイズに達したとき(細胞注射後22日
目)、PK/PD実験を実施した。細胞を注射した日に、0.025の17βエストラ
オールペレットは、Forene(登録商標)吸入麻酔下、各実験動物の左側腹部の皮下
に埋め込まれている。

0086

化合物Aを、NMP/PEG300/Solutol HS15/水(10:30:2
0:40体積%)中で配合した。化合物を、NMP中に完全に溶かした。次に、PEG3
00および液化Solutolを添加した(各試薬の添加後、順にボルテックスしながら
)。動物へ投与する直前に水を添加した。化合物Aまたはビヒクルを、10ml/kgの
体積で経口投与した。

0087

腫瘍体積を測径器(caliper)で測定し、式:長さ×直径2×π/6に従って決定した
。抗腫瘍活性は、T/C%(治療動物の腫瘍体積の平均変化量/対照動物の腫瘍体積の平
均変化量)×100として表される。退縮(%)は、式((治療終了時の平均腫瘍体積
治療開始時の平均腫瘍体積)/治療開始時の平均腫瘍体積)×100に従って算出された
。体重および腫瘍体積は、週に2度記録された。

0088

適用可能な場合、データは平均±SEMとして示される。すべての試験について、有意
性レベルをp<0.05に設定した。腫瘍体積については、一元配置ANOVA、その後
にDunnett検定を使用して治療群とビヒクル対照群との間の比較を行った。治療期
間の開始と終了との間の群内の体重変化量の有意性レベルは、対応のあるt−検定を使用
して決定された。治療群とビヒクル対照群との間のデルタ体重の比較は、一元配置ANO
VA、その後に事後Dunnett検定によって実施された。

0089

最初の実験では、BT−474同所性異種移植片の腫瘍を有するヌードマウスに、化合
物Aを50mg/kgの用量で、毎日経口投与した。ビヒクル対照は、NMP/PEG3
00/Solutol HS15/水(10:30:20:40体積%)の混合物10m
l/kgを、毎日、経口投与を受ける動物からなった。最初の実験において、50mg/
kgで1日1回経口投与された化合物Aは、ビヒクル(平均腫瘍変化量315.1±16
.4mm3)と比較して、−29.7±15.6mm3の腫瘍体積の平均腫瘍変化量を生
じており、退縮は23.0%である(p<0.01、ANOVAおよび事後Dunnet
t法)。

0090

2番目の実験では、BT−474同所性異種移植片の腫瘍を有するヌードマウスに、化
合物Aを12.5、25および50mg/kgの用量で、毎日経口投与した。ビヒクル対
照は、NMP/PEG300/Solutol HS15/水(10:30:20:40
体積%)の混合物10ml/kgを、毎日、経口投与を受ける動物からなった。化合物A
は、12.5、25および50mg/kgの用量によって治療した化合物Aの群において
、ビヒクル治療群と比較すると統計的に有意な抗腫瘍効果を生じている(p<0.05、
ANOVA、事後Dunnett法)(図1を参照されたい)。2番目の実験において、
12.5、25および50mg/kgで1日1回、経口投与された化合物Aは、ビヒクル
(腫瘍体積の平均変化量557.7±79.0mm3)と比較して、それぞれ171.8
±33.0mm3(p<0.01、ANOVAおよび事後Dunnett法)、95.5
±26.5mm3(p<0.01、ANOVAおよび事後Dunnett法)、および2
0.8±15.9mm3(P<0.01、ANOVAおよび事後Dunnett法)の腫
瘍体積の平均変化量を生じている(図3を参照されたい)。

0091

ビヒクル治療群(0.1±1.2%)および化合物A治療群(それぞれ、1.4±1.
2%および−1.2±1.2%)について、平均体重変化量に統計的有意性がないことに
よって実証されているように、12.5および25mg/kgで化合物Aの耐容性はよか
った。しかし、2つの実験において、化合物A50mg/kgによって治療された群は、
10.6±4.1%(p<0.05、対応のあるt−検定を使用)および8.2±2.6
%(p<0.05、対応のあるt−検定を使用)という、統計的に有意な平均体重変化量
を示した(図2を参照されたい)。

0092

実施例2−NCI−N87胃癌異種移植片モデルにおける化合物Aの効果
実験は、治療開始時においておよそ8〜12週齢の雌HsdNpa:胸腺欠損ヌード−
nuマウスで実施された。動物はすべて、食物および水へのフリーアクセスを伴って、M
akrolonタイプIIIケージ(1ケージあたり最大10動物)中において、最適化
された衛生状態の下に収容された。

0093

NCI−N87細胞(米国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection
)から入手)は、胃を起源とする増幅したErbB2であるが、これを10%の熱不活化
FCS、2mMのL−グルタミンおよび1mMピルビン酸ナトリウムを補給した4.5g
/lグルコースを含有するDMEM培養培地において成長させた。細胞を、5%CO2の
加湿雰囲気中、37℃でインキュベートした。細胞をトリプシン(0.25w/v%)−
EDTA(0.53mM)によって採取し、培養培地(添加物を有する)中に再懸濁して
Casy(登録商標)システムにより計数した。細胞培養用試薬は、BioConcep
t(Allschwil、スイス)から購入された。

0094

NCI−N87腫瘍を、外套針によって雌HsdNpa:胸腺欠損ヌード−nuマウス
に皮下移植されたおよそ40mgの断片から定着させた。腫瘍がおよそ110mm3のサ
イズに達したとき(移植後25日目)、治療を開始した。

0095

化合物Aを、NMP/PEG300/Solutol HS15/水(10:30:2
0:40体積%)中で配合した。化合物を、NMP中に完全に溶かした。次に、PEG3
00および液化Solutolを添加した(各試薬の添加後、順にボルテックスしながら
)。動物へ投与する直前に水を添加した。

0096

腫瘍体積を測径器(caliper)で測定し、式:長さ×直径2×π/6に従って決定した
。抗腫瘍活性は、T/C%(治療動物の腫瘍体積の平均変化量/対照動物の腫瘍体積の平
均変化量)×100として表される。退縮(%)は、式((治療終了時の平均腫瘍体積−
治療開始時の平均腫瘍体積)/治療開始時の平均腫瘍体積)×100に従って算出された
。体重および腫瘍体積は、週に2度記録された。

0097

適用可能な場合、データは平均±SEMとして示される。すべての試験について、有意
性レベルをp<0.05に設定した。腫瘍体積については、治療群とビヒクル対照群との
間の比較を、一元配置ANOVA、その後にDunnett検定を使用して行った。治療
期間の開始と終了との間の群内の体重変化量の有意性レベルは、対応のあるt−検定を使
用して決定された。治療群とビヒクル対照群との間のデルタ体重の比較は、一元配置AN
OVA、その後に事後Dunnett検定によって実施された。

0098

化合物Aを50mg/kgの用量で、NCI−N87腫瘍を有する動物に毎日、経口投
与した。治療は、腫瘍細胞移植後18日目に開始し、20日間連続で継続した。ビヒクル
対照は、NMP/PEG300/Solutol HS15/水(10:30:20:4
0体積%)の混合物の経口投与を毎日受ける動物からなった。化合物Aは、統計的に有意
な抗腫瘍効果(p<0.05、ANOVA)を生じており、退縮は11%であった。ビヒ
クル(腫瘍体積の平均変化量694.0±93.5mm3)と比較すると、化合物Aは、
−11.8±17.2mm3(p<0.01、ANOVAおよび事後Dunnett法)
という腫瘍体積の平均変化量を生じた。実験において、50mg/kgの化合物Aによっ
て治療した群について、平均体重変化量に統計的有意性がない(3.8±2.1%)こと
によって実証されているように、化合物Aの耐容性はよかった(図4および図5を参照さ
れたい)。

0099

実施例3−BT474乳癌異種移植片モデルにおける化合物Aとトラスツズマブとの組
合せの効果
実験は、治療開始時においておよそ8〜12週齢の雌HsdNpa:胸腺欠損ヌード−
nuマウスで実施された。動物はすべて、食物および水へのフリーアクセスを伴って、M
akrolonタイプIIIケージ(1ケージあたり最大10動物)中において、最適化
された衛生状態の下に収容された。

0100

BT−474細胞は、ヒトの乳管癌細胞、およびPIK3CA変異K111Nで増幅し
たErbB2であるが、これを10%の熱不活化FCS、2mMのL−グルタミン、1m
Mピルビン酸ナトリウムを補給した4.5g/lグルコースを含有するDMEM培養培地
において成長させて、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃でインキュベートした。細胞培
養用試薬は、BioConcept(Allschwil、スイス)から購入された。

0101

動物の右側の3番目の乳腺に、Matrigel(BD # 34234)1mg/m
lを含有するHBSS(Sigma、#H8264)30μl中の3×106個の細胞を
同所的に注射することによって、BT−474腫瘍をin vivoで定着させた。腫瘍
がおよそ130mm3の平均サイズに達したとき(細胞注射後14日目)、有効性実験を
開始した。細胞を注射した日に、0.025の17βエストラジオールペレットは、Fo
rene(登録商標)吸入麻酔下、各実験動物の左側腹部の皮下に埋め込まれている。

0102

化合物Aを、NMP/PEG300/Solutol HS15/水(10:30:2
0:40体積%)中で配合した。化合物を、NMP中に完全に溶かした。次に、PEG3
00および液化Solutolを添加した(各試薬の添加後、順にボルテックスしながら
)。動物へ投与する直前に水を添加した。化合物Aまたはビヒクルを、10ml/kgの
体積で経口投与した。トラスツズマブをPBS中で再構成し、3mg/kgの濃度で、週
あたり3回腹腔内投与した。

0103

腫瘍体積を測径器で測定し、式:長さ×直径2×π/6に従って決定した。抗腫瘍活性
は、T/C%(治療動物の腫瘍体積の平均変化量/対照動物の腫瘍体積の平均変化量)×
100として表される。退縮(%)は、式[(治療終了時の平均腫瘍体積−治療開始時の
平均腫瘍体積)/治療開始時の平均腫瘍体積]sy×100に従って算出された。体重およ
び腫瘍体積は、週に2度記録された。

0104

適用可能な場合、データは平均±SEMとして示される。すべての試験について、有意
性レベルをp<0.05に設定した。腫瘍体積については、一元配置ANOVAその後に
Dunnett検定を使用して、治療群とビヒクル対照群との間の比較を行った。治療期
間の開始と終了との間の群内の体重変化量の有意性レベルは、対応のあるt−検定を使用
して決定された。治療群とビヒクル対照群との間のデルタ体重の比較は、一元配置ANO
VA、その後に事後Dunnett検定によって実施された。

0105

さらに、薬物の相互作用見積もりを、Clarke R., Breast Cancer Res. Treat (1997)
46:255-278に記載の方法を使用して行った。これは腫瘍体積の変化量に適用されており
、限られたデータから相互作用を推定するのに有用であることが知られていた。Clar
keにより記載された方法に準拠:化合物A、BまたはABの組合せ(対照群Cで)の場
合、計算値AB/C>A/C×B/Cの場合、拮抗予想され、AB/C=A/C×B/
Cの場合、付加的な効果が予想され、A×B/C<A/C×B/Cの場合、相乗効果が予
想される。

0106

化合物Aを単剤として、12.5mg/kgの用量で、BT−474腫瘍を有する動物
に毎日、経口投与した。単剤としてのトラスツズマブを、週あたり3回、3mg/kgの
腹腔内注射として投与した。化合物Aは、T/C21.5%で、統計的に有意な抗腫瘍効
果(p<0.05、ANOVA)を生じた。トラスツズマブもまた、T/C35.8%で
、統計的に有意な抗腫瘍効果(p<0.05、ANOVA)を生じた。Clarke R., Breas
t Cancer Res. Treat (1997) 46:255-278によって記載された方法による組合せの相互作
用の解析は、単剤と比較すると、毎日12.5mgと週あたり3回3mg/kgとの組合
せは、相乗的な抗腫瘍効果があることを示した(図6を参照されたい)。

0107

0108

しかし、この組合せは、単剤(マンホイットニー順位和検定)としての化合物Aと統計
的な差があるだけに過ぎず、単剤としてのトラスツズマブとは差がなかった。顕著な体重
減少が観察されなかったので、治療の耐容性はよかった。

0109

化合物Aを単剤として、50mg/kgの用量で、BT−474腫瘍を有する動物に毎
日、経口投与した。単剤としてのトラスツズマブを、週あたり3回、10mg/kgの腹
腔内注射として投与した。化合物Aは、統計的に有意な抗腫瘍効果(p<0.05、マン
ホイットニー順位和検定)を生じた。トラスツズマブもまた、統計的に有意な抗腫瘍効果
(p<0.05、マンホイットニー順位和検定)を生じた。Clarke R., Breast Cancer R
es. Treat (1997) 46:255-278によって記載された方法による組合せの相互作用の解析は
、単剤と比較すると、毎日50.0mgの化合物Aと週あたり3回10mg/kgのトラ
スツズマブとの組合せは、相乗的な抗腫瘍効果があることを示した(図7を参照されたい
)。

0110

顕著な体重減少が、単剤としての化合物A、または化合物Aとトラスツズマブとの組合
せで観察された(それぞれ、約12%および約10%)。

0111

実施例4−NCI−N87胃癌異種移植片モデルにおける、化合物A単独、および化合
物Aとトラスツズマブとの組合せの効果
実験は、治療開始時においておよそ7〜8週齢であり体重(BW)範囲が14.7〜2
1.2gである雌CB17 SCIDマウス(Fox Chase SCID(登録商標
)、CB17/Icr−Prkdcscid、Charles River)で実施され
た。すべての動物に、水(逆浸透、Cl 1ppm)、ならびに18.0%粗タンパク質
、5.0%粗脂肪および5.0%粗繊維からなるNIH 31 Modified an
d Irradiated Lab Diet(登録商標)を自由摂取させた。マウスを
、21〜22℃および湿度40〜60%において、12時間の光周期照射された静的マ
イクロアイソレーター中のEnrich−o’cobs(商標)Laboratory
Animal Beddingに収容した。

0112

NCI−N87細胞(米国培養細胞系統保存機関から入手)は、胃を起源としErbB
2が増幅されているが、これを10%のウシ胎児血清、2mMグルタミン、100ユニ
ト/mLのペニシリンGナトリウムおよび100μg/mL硫酸ストレプトマイシンを補
給したRPMI−1640培地において、指数関数的に成長する培養物として維持した。
腫瘍細胞は、5%CO2および95%空気の雰囲気中、37℃の湿度の高いインキュベー
タ内の組織培養フラスコ中で培養された。細胞をトリプシン(1×)によって採取し、5
0%Matrigelを有する冷リン酸緩衝生理食塩水中に、5×107個の細胞/mL
の濃度で懸濁した。各マウスに、1×107個の細胞(0.2mLの細胞懸濁液)を、右
側腹部に皮下注射した。腫瘍体積を測径器で測定し、式:幅2×長さ/2に従って決定し
、1mgが腫瘍体積1mm3に相当するという仮定をして腫瘍重量を推定した。腫瘍移植
(研究の1日目)後9日目に、それぞれ126〜320mm3の腫瘍体積を有するマウス
を、群の平均腫瘍体積が231〜239mm3となる、8匹のマウスの12群に振り分け
た。

0113

化合物Aを、NMP/PEG300/Solutol HS15/脱イオン水(10:
30:20:40体積%)中で配合した。化合物を、NMP中に完全に溶かした。次に、
PEG300および液化Solutolを添加した(各試薬の添加後、順にボルテックス
しながら)。動物へ投与する前に水を添加した。新鮮な投与用溶液を毎週調製し、4℃で
保管して光から保護した。

0114

投与日ごとに、生理食塩水(ビヒクル2)でトラスツズマブ(Herceptin(登
録商標)、Genentech、21mg/mL)を新たに希釈した。

0115

治療は、腫瘍細胞移植後9日目に開始し、30日間連続(または、腫瘍体積=2000
mm3になるまで)で継続した。化合物Aを、NCI−N87腫瘍を有する動物に1日1
回経口投与し、トラスツズマブを4週間、週に2回、腹腔内注射(i.p.)によって投
与した。対照(群1)は、1日1回経口(p.o.)によるNMP/PEG300/So
lutol HS15/水(10:30:20:40体積%)の混合物(ビヒクル1)、
および4週間、週に2回の腹腔内注射(i.p.)による生理食塩水(ビヒクル2)を受
ける動物からなった。組合せ療法については、トラスツズマブは化合物Aの後30分以内
に投与された。投与体積(10mL/kgは、前週のBWを持ち越す週末を除いて、投与
日に決定された各動物の重量に対して計られた。群2〜4は、それぞれ12.5、25お
よび50mg/kgの化合物Aによる単独療法を受けた。群5および6は、それぞれ3お
よび10mg/kgのトラスツズマブによる単独療法を受けた。群7〜9は、それぞれ1
2.5、25および50mg/kgの化合物Aを、各々3mg/kgのトラスツズマブと
組み合わせて受けた。群10〜12は、それぞれ12.5、25および50mg/kgの
化合物Aを、各々10mg/kgのトラスツズマブと組み合わせて受けた。群4、9およ
び12は、早期に止めた。体重は、各治療日(週末を除く)の1〜5日目、その後は、研
究の終了まで週に2回記録された。

0116

抗腫瘍活性は、T/C%(治療動物の腫瘍体積の平均変化量/対照動物の腫瘍体積の平
均変化量)×100として表される。40%以下のT/C値を達成する治療は、治療活性
が潜在的にあると分類されると考えられる。治療有効性は退縮応答の数値からも決定する
ことができる:(a)部分退縮(PR)は、腫瘍が、研究における3回連続の測定につい
てその開始1日目の体積の50%以下であり、かつこれらの3回の測定の1回または複数
について13.5mm3以上であったことを示し、(b)完全退縮(CR)は、腫瘍体積
が、研究中の3回連続の測定について13.5mm3未満であったことを示す。

0117

適用可能な場合、データは平均±SEMとして示される。統計およびグラフ解析は、W
indows(登録商標)用のPrism3.03(GraphPad)によって実施さ
れた。すべての試験について、差の有意性レベルはBartlett検定によるANOV
Aを使用して行われ、事後Dunnett多重比較検定は、各薬物治療群ついての平均変
化量を群1についての平均値と比較した。等しい分散性に対するBartlett検定が
有意差(P=0.0401)を示した場合、群を、非パラメトリックKruskal−W
allis検定により比較し、この検定は、体積変化量の中央値(P<0.0001)の
間で有意差を示した。薬物治療群および群1についての体積変化量の中央値の間の差の有
意性を、Dunn多重比較検定により事後解析した。両側統計解析はP=0.05で行わ
れた。Prismは検定結果を、P>0.05で有意性がない(ns)、0.01<P≦
0.05で有意性がある(「*」の記号で表す)、0.001<P≦0.01で非常に有
意性がある(「**」の記号で表す)、およびP≦0.001でかなり有意性がある(「
***」の記号で表す)、としてまとめる。

0118

事後Dunn多重比較検定によるKruskal−Wallisで算出された統計的有
意性により、以下の結果を得た:

0119

0120

化合物Aと3mg/kgのトラスツズマブとの組合せによって治療された群7〜9につ
いて、群7は、群2および5(P<0.01)における対応する単独療法よりも、かなり
強い阻害を生じた。群8および9は、最終的な群のサイズが小さいので、統計的評価から
除外された。

0121

化合物Aと10mg/kgのトラスツズマブとの組合せによって治療された群10〜1
2について、群10は、群2における化合物Aの単独療法および群6におけるトラスツズ
マブの単独療法よりも、かなり強い活性を生じた。群11は、有意な活性(P<0.00
1)および6つの部分退縮を生じた。群6の組合せは、群3における化合物Aの単独療法
、および群6におけるトラスツズマブの単独療法より著しく優れていた。群12は、最終
的な群のサイズが小さいので、統計的評価から除外された。

0122

実施例5−HBCx−5乳癌異種移植片モデルにおける、化合物A単独、および化合物
Aとトラスツズマブとの組合せの効果
実験は、およそ8〜10週齢であり体重がおよそ19〜25グラムである雌HSD:
欠損ヌード−Foxn1nuマウスで実施された。研究前の6日間、食物および水への
自由なアクセスを伴ってマウスを慣れさせた。体重減少が治療の最初の日と比較して15
%に達するとき、DietGel(登録商標)を動物に提供した。

0123

マウスは、各群10匹のマウスを含む5群に分けた。治療は、HBCx−5異種移植片
腫瘍の移植後34日目に開始した。HBCx−5は原発性乳癌に由来する異種移植片であ
る。それは、野生型TP53を有しRB発現が高くHER2を過剰発現している管腺癌
ある。異種移植片を移植するために、塩酸ケタミン100mg/kgおよびキシラジン
0mg/kgによりマウスに麻酔をかけた。無菌技術を使用して、3mmの腫瘍断片をマ
ウス肩甲骨間3mmに移植した。平均腫瘍体積および範囲が治療群間で統計的に類似す
るように、腫瘍体積に応じて動物を無作為に分けた。投与の開始時において、週あたり3
回、腫瘍を測径器で測定した。腫瘍は式:=幅2×長さ/2を使用して計算された。腫瘍
サイズおよび体重は、治療期間中、週あたり3回測定された。実験の予定エンドポイント
は6週の治療期であり、追跡期はなかった。

0124

化合物Aを、0.5%メチルセルロース(Sigma Aldrich、St.Lou
is、MO)中に、mg/mlで懸濁した。これをボルテックス撹拌および超音波処理
より、均質にした。懸濁液を7日間4℃で保管し、光から保護した。トラスツズマブ(H
erceptin(登録商標)、Roche)溶液1mg/mlを各投与日に調製した。
投与直前に、注射用滅菌水で21mg/mlのストック溶液を1mg/mlに希釈した。
カペシタビン(Xeloda(登録商標)、Roche)540mg/mlを4℃に維持
し、光から保護した。カペシタビンペレットを粉砕し、0.9%NaCl中に懸濁した。

0125

化合物Aを単独でまたはトラスツズマブと組み合わせて、42日間、50mg/kgで
経口栄養(p.o.)によって毎日投与した。トラスツズマブは、6週間、週1回、10
mg/kgで(i.p.)投与された。用量は、各注射時に体重で調節された。

0126

カペシタビンは、2週間、週あたり5回(すなわち、5日連続の投与日/週)、540
mg/mlで経口栄養(p.o.)によって投与された。1週の休みの後、2回目の治療
サイクルを実施した。

0127

抗腫瘍活性は、T/C%(治療動物の腫瘍体積の平均変化量/対照動物の腫瘍体積の平
均変化量)×100として表される。統計解析のために、腫瘍体積および相対体重を使用
した。群比較は、治療群と対照群との間で、Mann Whitneyの非パラメトリッ
ク検定を使用して実施された。

0128

この研究において、50mg/kgの単剤として投与された化合物Aは、HBCx−5
乳房異種移植片モデルについて有意な抗腫瘍活性を実証した(T/C=17.57%、p
<0.001)。10mg/kgの単剤で投与されたトラスツズマブは、いかなる有意な
抗腫瘍活性(T/C−81.44%)も実証しなかった。化合物A50mg/kgとトラ
スツズマブ10mg/kgとの組合せは、有意な抗腫瘍活性(T/C−19.44%、p
<0.001)を実証した。しかし、併用投与の抗腫瘍活性は、化合物A単剤と顕著な差
はなかった。部分退縮または完全退縮は観察されなかった。

0129

単独でまたはトラスツズマブと組み合わせて使用された化合物Aの耐容性はよかった。
最初の投与の10日後、最大体重減少9.5%に達し、これが研究の終了まで安定した。
この体重減少は顕著だが、許容可能であった。顕著な体重減少は、トラスツズマブ単独で
は観察されなかった。化合物Aをトラスツズマブと組み合わせて投与したとき、顕著では
あるが容認できる7.9%の体重減少が観察された。

0130

40mg/kgの単剤として投与されたカペシタビンは、HBCx−5乳房異種移植片
モデルにおいて、非常に活性が高かった(T/C=9.03%、p<0.001)。カペ
タビンは、9.1%という顕著で一時的な体重減少を誘発した。

0131

実施例6−NCI−N87胃癌異種移植片モデルにおける、化合物A単独、および化合
物Aとラパチニブとの組合せの効果
実施例4に記載した研究プロトコルを使用して、NCI−N87胃癌CB17 SCI
Dマウス異種移植片モデルにおいて化合物Aの効果を、単独療法として、およびラパチニ
ブと組合せて研究した。雌CB17 SCIDマウス(Fox Chase SCID(
登録商標)、CB17/Icr−Prkdcscid、Charles River)は
、研究の1日目において10週齢であり15.8〜21.9gの体重(BW)範囲を有し
ていた。NCI−N87細胞を、トリプシン(5×)により採取した。腫瘍移植(研究の
1日目)後8日目に、個々の腫瘍体積が88〜196mm3であるマウスを、群の平均腫
瘍体積が143〜149mm3となる、10匹のマウスの10群に振り分けた。

0132

実施例4で使用されたトラスツズマブにかえて、ラパチニブ(Tykerb(登録商標
)、GlaxoSmithKline、250mg錠剤)を、投与用に0.5%ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース:0.1%Tween(登録商標)80:99.4%脱イオ
ン水(ビヒクル2)中に懸濁した。新鮮なラパチニブ懸濁液を週に1回調製し、4℃で保
管して光から保護した。

0133

治療は、腫瘍細胞移植後8日目に開始し、59日間連続、または腫瘍体積=1000m
m3になるまで継続した。NCI−N87腫瘍を有する動物に、化合物Aを1日1回経口
投与し、ラパチニブを21日間1日2回(b.i.d.)または21日間1日1回のどち
らかで、経口投与した。b.i.d.の投与スケジュールの場合、最初の用量を1日目の
午後に与え、最後の用量を22日目の午前に与えた。組合せ療法については、ラパチニブ
は、化合物Aの後30分以内に投与された。投与体積(10mL/kgは、前週のBWを
持ち越す週末を除いて、投与日に決定された各動物の重量に対して計られた。対照(群1
)は、1日1回経口(p.o.)によるNMP/PEG300/Solutol HS1
5/水(10:30:20:40体積%)の混合物(ビヒクル1)、および1日1回経口
による0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース:0.1%Tween(登録商標)
80:99.4%脱イオン水(ビヒクル2)を受ける動物からなった。群2および3は、
それぞれ12.5および25mg/kgの化合物Aによる単独療法を受けた。群4は、b
.i.dの50mg/kgでのラパチニブ単独療法を受けた。群5および6は、1日1回
、それぞれ100および150mg/kgのラパチニブによる単独療法を受けた。群7お
よび8は、1日1回のそれぞれ12.5および25mg/kgの化合物Aを、各々1日1
回のラパチニブと組み合わせて受けた。群9は、1日1回の化合物A12.5mg/kg
を、b.i.dのラパチニブ50mg/kgと組み合わせて受けたが、この場合、化合物
Aは、ラパチニブの午後の投与と一緒に投与された。群10は、1日1回の化合物A12
.5mg/kgを、1日1回のラパチニブ150mg/kgと組み合わせて受けた。群7
、8、9および10の治療は、早期に終了した。体重は、各治療日(週末を除く)の1〜
5日目、その後は、研究の終了まで週に2回記録された。

0134

適用可能な場合、データは平均±SEMとして示される。その新生物がエンドポイント
の体積(1000mm3)に達したとき、または研究の最後の日(59日目)に、各動物
安楽死させた。エンドポイントまでの時間(TTE)は、式:TTE=(log10(
エンドポイントの体積)−b)/mによって算出される(式中、TTEは日数で表され、
エンドポイント体積はmm3においてであり、bは切片であり、mは対数変換された腫瘍
成長のデータセット線形回帰によって得られる直線の傾きである)。治療有効性は腫瘍
成長遅延(Tumor Growth Delay)(TGD)から決定され、これは対照群と比較した治療
群についての、エンドポイントまでの時間(TTE)の中央値の増加分(TGD=T−C
)(日数で表される)として、または対照群のTTEの中央値の百分率(%TGD=((
T−C)/C)×100)として定義された(式中、T=治療群についてのTTEの中央
値であり、C=指定対照群についてのTTEの中央値である)。

0135

統計およびグラフ解析は、Windows(登録商標)用のPrism3.03(Gr
aphPad)によって実施された。すべての試験について、差の有意性レベルはBar
tlett検定によるANOVAを使用して行われ、事後のDunnett多重比較検定
は、各薬物治療群ついての平均変化量を群1についての平均値と比較した。生存は、Ka
plan−Meier法によって解析された。エンドポイントまでの時間(TTE)の値
に基づいて、2群の全生存経験間の差の有意性を解析するために、ログランク検定を用い
た。両側統計解析はP=0.05で行われた。Prismは検定結果を、P>0.05で
有意性がない(ns)、0.01<P≦0.05で有意性がある(「*」の記号で表す)
、0.001<P≦0.01で非常に有意性がある(「**」の記号で表す)、およびP
≦0.001でかなり有意性がある(「***」の記号で表す)、としてまとめる。

0136

ログランク検定で算出された統計的有意性により、以下の結果が得られた:

実施例

0137

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