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技術 免疫関連疾患の治療のための新規組成物と方法

出願人 ジェネンテック,インコーポレイテッド
発明者 クラーク,ヒラリーイートン,ダンゴンザレス,リノ,ジュニア.グロギャン,ジェーン,エル.ハックニー,ジェイソンハーデン,クリスティン,ディー.ユー,シン
出願日 2020年3月2日 (11ヶ月経過) 出願番号 2020-034632
公開日 2020年7月30日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-114211
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 重合ビニリデン ゲート後 プロット線 代替バージョン 多元的 複数年 内セグメント 検索戦略
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図面 (20)

課題

免疫関連疾患診断及び治療のための組成物及び該組成物の使用方法の提供。

解決手段

特定のアミノ酸配列を有する単離されたヒトTIGIポリペプチド、および、試験免疫細胞活性化ないし正常なTreg、メモリー細胞NK細胞又はTFh細胞のいずれであるかを決定する方法であって、試験免疫細胞においてTIGITの発現レベルを評価することと、既知の活性化ないし正常なTreg、メモリーT細胞、NK細胞又はTFh細胞におけるTIGITの発現レベルと比較するか、又は試験免疫細胞でのTIGITの発現レベルを一又は複数の既知の基準TIGIT発現値と比較することとを含む方法。

概要

背景

免疫関連及び炎症疾患は、正常な生理機能では、発作又は傷害に反応して、発作又は傷害からの修復を開始し、外来生物体に対する生得的及び後天的防御を開始するのに重要な、かなり複雑で、多くの場合は多重相互関連した生物学的経路の現れ又は結果である。疾患又は病理は、これらの正常な生理学経路が、反応の強さに直接関連してか、異常な調節又は過度刺激の結果として、自己に対する反応として、又はこれらの組合せとして、更なる発作又は傷害を引き起こすときに生じる。
これらの疾患の発生は、多くの場合、多段階経路及びしばしば多数の異なった生物学的システム/経路に関与しているが、一又は複数のこれら経路の重要な点における介在により改善又は治療効果を有し得る。治療的介在は有害なプロセス/経路の拮抗作用又は有益なプロセス/経路の刺激のいずれかにより生じる。

多くの免疫関連疾患が知られており、広範囲にわたって研究されている。このような疾患には、免疫媒介炎症疾患、非免疫媒介炎症疾患、感染疾患免疫欠損症、異常増殖等が含まれる。
Tリンパ球(T細胞)は哺乳動物免疫反応の重要な成分である。T細胞は主要組織適合性複合体MHC)内の遺伝子によりコードされる自己分子に関連する抗原を認識する。抗原は抗原提示細胞ウイルス感染細胞癌細胞移植片等の表面上のMHC分子と共に提示され得る。T細胞系は宿主哺乳動物の健康を脅かすこれらの改変細胞を除去するものである。T細胞はヘルパーT細胞及び細胞障害性T細胞を含む。ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞上の抗原-MHC複合体の認識に続いて広範囲に増殖する。またヘルパーT細胞は種々のサイトカイン、例えばリンホカイン分泌し、これはB細胞、細胞障害性T細胞、及び免疫反応に寄与している種々の他の細胞の活性化において中心的な役割を担っている。ヘルパーT細胞の他のサブカテゴリ濾胞性ヘルパーT細胞(TFh)である(概要のためにVineusa et al., Nat. Rev. Immunol. 5: 853-865 (2005)を参照のこと)。CXC-ケモカインレセプター5の特徴的な発現によって検出可能であり(Schaerli et al., J. Exp. Med. 192: 1553-62 (2000))、これらの細胞はIL−10とおそらくIL−21を生産することが明らかとされた。TFh細胞は胚中心B細胞を助けるものであり、特にB細胞の生存および増殖を補助し、B細胞と共に培養する間に抗体産生を強力に誘導する。また、それらは免疫寛容導入に関係していた。

調節T細胞(Treg)は、自己反応免疫応答阻害に重要な役割を持ち、腫瘍組織などの慢性炎症の部位に見られることが多い、ヘルパーT細胞のサブセットである(Wang, H.Y. & Wang, R.F., Curr Opin Immunol 19, 217-23 (2007))。Tregsは、CD25、CLTA4、GITR及びニューロフィリン−1の高い細胞表面発現により表現型的に定められ(Read, S., Malmstrom, V. & Powrie, F., J Exp Med 192, 295-302 (2000);Sakaguchi, S., et al., J Immunol 155, 1151-64 (1995);Takahashi, T. et al., J Exp Med 192, 303-10 (2000);McHugh, R.S. et al., Immunity 16, 311-23 (2002);Bruder, D. et al., Eur J Immunol 34, 623-30 (2004))、そして、転写因子FOXP3の制御下にある(Hori, S., Nomura, T. & Sakaguchi, S., Science 299, 1057-61 (2003))。Tregsは、接触依存性メカニズムサイトカイン産生により活性化T細胞に対してその抑制的機能を果たす(Fehervari, Z. & Sakaguchi, Curr Opin Immunol 16, 203-8 (2004))。また、Tregsは、樹状細胞(DC)上のリガンドとの直接的な相互作用、例えばインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の誘導を誘発するDC上のB7分子とCTLA4との相互作用(Fallarino, F. et al., Nat Immunol 4, 1206-12 (2003))、およびCD40Lライゲーション(Serra, P. et al., Immunity 19, 877-89 (2003))によって、免疫応答を調整する。DCは、自己又は非自己の抗原に対する免疫又は耐性を誘導することができる専門的な抗原提示細胞である。DC拡張した(DC-expanded)Tregsはインビトロアロ反応性応答を抑制し(Yamazaki, S. et al., Proc Natl Acad Sci U S A 103, 2758-63 (2006);Ahn, J.S., Krishnadas, D.K. & Agrawal, Int Immunol 19, 227-37 (2007))、養子導入した場合、適切なTregsはNOD.scidマウス糖尿病を妨げ(Tarbell, K.V. et al., J Exp Med 199, 1467-77 (2004))、又は実験的に喘息を誘導した(Lewkowich, I.P. et al. J Exp Med 202, 1549-61 (2005))。また、DC上のリガンドとTregsとの特定の相互作用は、マウスでのGITRの嵌入といった抑制的機能を無効にしうることから(Shimizu, J., et al., Nat Immunol 3, 135-42 (2002))、Treg機能の調整時にDCに多元的な役割があることが示唆される。

分子CTLA4およびGITRは、CD28−B7内に定められるリガンド、及びTNFスーパーファミリ同時刺激/同時抑制の分子それぞれの代表である(Greenwald, R.J., et al., Annu Rev Immunol 23, 515-48 (2005))。これらの分子は、Tregs上で高いが、一般的に活性化されたT細胞では上方制御されている。Treg細胞で発現される新規共刺激分子を探索するために、探索を行い、Igドメイン及び免疫レセプターチロシンベースの活性化又は阻害性(ITAM/ITIM)モチーフの両方を持つ、T細胞で特異的に発現される遺伝子を同定した(Abbas, A.R. et al., Genes Immun 6, 319-31 (2005))。これら2つのゲノムワイドバイオインフォマティックス探索方策交わりにより、Igドメイン膜貫通ドメイン及び2つの推定上の免疫レセプターチロシン阻害性モチーフをコードするタンパク質との新規の細胞表面結合タンパク質が同定された(出典明記によって本明細書中に援用される、米国公開特許US20040121370を参照)。TIGIT(T細胞−Ig及びITIMドメイン)と称されるタンパク質が、T細胞、特にTreg及びメモリー細胞サブセット並びにNK細胞上で発現されることが示された。免疫障害、特に自己免疫障害対処するための新規の治療法および治療方法が求められている。本明細書において、出願人は、TIGIT結合パートナーを同定し、これら結合パートナーとのTIGIT相互作用やT細胞成熟や活性に対する解明されたTIGIT作用により調節される免疫障害のための新規の組成物検出方法及び治療方法を提供する。

概要

免疫関連疾患の診断及び治療のための組成物及び該組成物の使用方法の提供。特定のアミノ酸配列を有する単離されたヒトTIGITポリペプチド、および、試験免疫細胞が活性化ないし正常なTreg、メモリーT細胞、NK細胞又はTFh細胞のいずれであるかを決定する方法であって、試験免疫細胞においてTIGITの発現レベルを評価することと、既知の活性化ないし正常なTreg、メモリーT細胞、NK細胞又はTFh細胞におけるTIGITの発現レベルと比較するか、又は試験免疫細胞でのTIGITの発現レベルを一又は複数の既知の基準TIGIT発現値と比較することとを含む方法。なし

目的

本明細書において、出願人は、TIGIT結合パートナーを同定し、これら結合パートナーとのTIGIT相互作用やT細胞成熟や活性に対する解明されたTIGIT作用により調節される免疫障害のための新規の組成物、検出方法及び治療方法を提供する

効果

実績

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請求項1

試験免疫細胞活性化ないし正常なTreg、メモリー細胞NK細胞又はTFh細胞のいずれであるかを決定する方法であって、試験免疫細胞においてTIGITの発現レベルを評価することと、既知の活性化ないし正常なTreg、メモリーT細胞、NK細胞又はTFh細胞におけるTIGITの発現レベルと比較するか、又は試験免疫細胞でのTIGITの発現レベルを一又は複数の既知の基準TIGIT発現値と比較することとを含む方法。

請求項2

ヒトTIGITのアミノ酸位67に対応するアミノ酸位のアラニン、ヒトTIGITのアミノ酸位74に対応するアミノ酸位のグリシン、ヒトTIGITのアミノ酸位114に対応するアミノ酸位のプロリン、およびヒトTIGITのアミノ酸位116に対応するアミノ酸位のグリシン、の一又は複数を含むアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド

請求項3

ポリペプチドがPVR、PVRL1、PVRL2、PVRL3、PVRL4、TIGIT、CD96又はCD226ではない、請求項2に記載のポリペプチド。

請求項4

ポリペプチドが、ヒトTIGITのアミノ酸位54に対応するアミノ酸位にバリンイソロイシンおよびロイシンから選択されるアミノ酸、ヒトTIGITのアミノ酸位55に対応するアミノ酸位にセリンおよびスレオニンから選択されるアミノ酸、ヒトTIGITのアミノ酸位56に対応するアミノ酸位にグルタミン、ヒトTIGITのアミノ酸位112に対応するアミノ酸位にスレオニン、およびヒトTIGITのアミノ酸位113に対応するアミノ酸位にフェニルアラニンおよびチロシンから選択されるアミノ酸、の一又は複数をさらに含む、請求項2又は3に記載のポリペプチド。

請求項5

ポリペプチドが、a.アミノ酸位54にバリンおよびイソロイシンから選択されるアミノ酸−アミノ酸位55にセリンおよびスレオニンから選択されるアミノ酸−アミノ酸位56にグルタミン、b.位置67にアラニン−アミノ酸位68〜73の各位に任意のアミノ酸−アミノ酸位74にグリシン、及び、c.アミノ酸位112にスレオニン−アミノ酸位113にフェニルアラニン及びチロシンから選択されるアミノ酸−アミノ酸位114にプロリン−アミノ酸位115に任意のアミノ酸−アミノ酸位116にグリシンから選択される一又は複数の構造サブモチーフを更に含み、ここでアミノ酸位の番号がヒトTIGITのアミノ酸位置に対応するものである、請求項2又は3に記載のポリペプチド。

請求項6

試験ポリペプチドTLファミリのポリペプチドのメンバーであるか否かを決定する方法であって、試験ポリペプチドのアミノ酸配列をTLPファミリのポリペプチドの一又は複数のメンバーのアミノ酸配列と整列配置することと、試験ポリペプチドのアミノ酸配列における請求項2に記載のいずれかのアミノ酸の有無を評価することとを含む方法。

請求項7

請求項2に記載されるアミノ酸の少なくとも一を含むアミノ酸配列を有する、一又は複数の配列データベース中のタンパク質を同定することによる、TLPタンパク質ファミリの一又は複数のメンバーを同定する方法。

請求項8

TLPファミリメンバーの一又は複数の保存された領域又は実質的に保存された領域と特異的に相互作用する単離された薬剤

請求項9

薬剤がTLPファミリメンバーの発現及び/又は活性のアンタゴニストである、請求項8に記載の薬剤。

請求項10

アンタゴニストが小分子阻害剤阻害性抗体ないしその抗原結合性断片アプタマー阻害性核酸および阻害性ポリペプチドから選択される、請求項9に記載の薬剤。

請求項11

薬剤がTLPファミリメンバーの発現及び/又は活性のアゴニストである、請求項8に記載の薬剤。

請求項12

薬剤が、アゴナイズ的抗体ないしその抗原結合断片、アゴナイズ的ペプチド、及びPVRが媒介するPVR及び/又はTIGITの細胞内シグナル伝達へのTIGIT結合を活性化する小分子ないしタンパク質から選択される、請求項11に記載の薬剤。

請求項13

推定TLPファミリメンバーのポリペプチドを請求項8に記載の薬剤と接触させ、推定TLPファミリメンバーへの薬剤の結合を決定することによる、一又は複数のTLPファミリメンバーの同定又は検出方法

請求項14

一又は複数のPVR、PVRL3およびPVRL2へのTIGITの結合を調整することを含む、免疫系機能および/または活性の調整方法

請求項15

列番号:23〜28又は配列番号:31〜36に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも一のHVRを含む、抗TIGIT抗体ないしその断片。

請求項16

抗体軽鎖が配列番号:21又は29に示すアミノ酸配列を含む、請求項15に記載の抗TIGIT抗体ないしその抗原結合断片。

請求項17

抗体重鎖が配列番号:22又は30に示すアミノ酸配列を含む、請求項15に記載の抗TIGIT抗体ないしその抗原結合断片。

請求項18

抗体軽鎖が配列番号:21又は29に示すアミノ酸配列を含み、抗体重鎖が配列番号:22又は30に示すアミノ酸配列を含む、請求項15に記載の抗TIGIT抗体ないしその抗原結合断片。

請求項19

抗体が、ヒト化抗体キメラ抗体二重特異性抗体、ヘテロコンジュゲート抗体およびイムノトキシンから選択される、請求項15に記載の抗TIGIT抗体ないしその抗原結合断片。

請求項20

少なくとも一のHVRは、配列番号:23〜28又は31〜36のいずれかに示すHVRと少なくとも90%同一である、請求項15に記載の抗TIGIT抗体ないしその抗原結合断片。

請求項21

軽鎖および/または重鎖が、それぞれ配列番号:21あるいは29又は22あるいは30に示すアミノ酸と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項16又は17に記載の抗TIGIT抗体ないしその断片。

請求項22

インビボ又はインビトロで、TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、又はTIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニストの少なくとも一を投与することを含む、CD226−PVR相互作用及び/又はCD96−PVR相互作用の調節方法

請求項23

TIGIT又はTIGITの発現及び/又は活性のアゴニストが投与され、CD226−PVR相互作用及び/又はCD96−PVR相互作用が阻害される、請求項22に記載の方法。

請求項24

TIGIT発現及び/又は活性のアンタゴニストが投与され、CD226−PVR相互作用及び/又はCD96−PVR相互作用が刺激される、請求項22に記載の方法。

請求項25

TIGIT及び/又はPVRの発現及び/又は活性を調整することによる、または、PVRに結合するTIGITによって媒介される細胞内シグナル伝達を調整することによる、免疫細胞機能および/または活性の調整方法。

請求項26

調整が、TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアゴニストにてインビトロ又はインビボの細胞を処理することによる、又はPVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を刺激することによる、一又は複数の免疫細胞の増殖か又は一又は複数の免疫細胞による炎症誘発性サイトカイン放出を低減ないし阻害することである、請求項25に記載の方法。

請求項27

調整が、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストにてインビトロ又はインビボの細胞を処理することによる、又はPVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を阻害することによる、一又は複数の免疫細胞の増殖か又は一又は複数の免疫細胞による炎症誘発性サイトカイン放出を増加ないし刺激することである、請求項25に記載の方法。

請求項28

インビトロ又はインビボで、TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアゴニストを投与することによるか又は、PVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を刺激することによる、免疫応答阻害方法

請求項29

インビトロ又はインビボで、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストを投与することによるか又は、PVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を阻害することによる、免疫応答の増強ないし刺激方法

請求項30

インビトロ又はインビボでTIGIT又はPVRの発現及び/又は活性を調節することによる、免疫細胞からのサイトカイン産生の種類及び/又は量の調節方法。

請求項31

炎症誘発性サイトカイン産生が、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストを投与することによってか又は、PVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を阻害することによって刺激される及び/又は増強される、請求項30に記載の方法。

請求項32

炎症誘発性サイトカイン産生が、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアゴニストを投与することによってか又は、PVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を刺激することによって阻害される、請求項30に記載の方法。

請求項33

TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、又はPVRの発現及び/又は活性のアゴニストにより一又は複数の免疫細胞を処理することを含む、一又は複数の免疫細胞のERK経路による細胞内シグナル伝達及び/又はERリン酸化の刺激方法。

請求項34

検体の異常な免疫細胞応答に関連する免疫関連疾患診断方法であって、被検体からの試料におけるTIGITの発現及び/又は活性を評価することと、TIGITのその発現及び/又は活性をTIGITの発現及び/又は活性の対照量あるいは正常被検体の試料におけるTIGITの発現及び/又は活性の量と比較することとを含む方法。

請求項35

被検体の異常な免疫細胞応答に関連する免疫関連疾患の重症度評価方法であって、被検体からの試料におけるTIGITの発現及び/又は活性を評価することと、TIGITのその発現及び/又は活性をTIGITの発現及び/又は活性の対照量あるいは正常被検体の試料におけるTIGITの発現及び/又は活性の量と比較することとを含む方法。

請求項36

被検体のTIGITの発現及び/又は活性を調整することを含む、被検体の異常な免疫細胞応答に関する免疫関連疾患の予防方法

請求項37

被検体のTIGITの発現及び/又は活性を調整することを含む、被検体の異常な免疫細胞応答に関する免疫関連疾患の重症度の治療ないし低減方法

請求項38

免疫関連疾患が、乾癬関節炎炎症性腸疾患又は癌から選択される、請求項34から37のいずれか一に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、免疫関連疾患診断および治療のために有用な組成物および方法に関する。

背景技術

0002

免疫関連及び炎症疾患は、正常な生理機能では、発作又は傷害に反応して、発作又は傷害からの修復を開始し、外来生物体に対する生得的及び後天的防御を開始するのに重要な、かなり複雑で、多くの場合は多重相互関連した生物学的経路の現れ又は結果である。疾患又は病理は、これらの正常な生理学経路が、反応の強さに直接関連してか、異常な調節又は過度刺激の結果として、自己に対する反応として、又はこれらの組合せとして、更なる発作又は傷害を引き起こすときに生じる。
これらの疾患の発生は、多くの場合、多段階経路及びしばしば多数の異なった生物学的システム/経路に関与しているが、一又は複数のこれら経路の重要な点における介在により改善又は治療効果を有し得る。治療的介在は有害なプロセス/経路の拮抗作用又は有益なプロセス/経路の刺激のいずれかにより生じる。

0003

多くの免疫関連疾患が知られており、広範囲にわたって研究されている。このような疾患には、免疫媒介炎症疾患、非免疫媒介炎症疾患、感染疾患免疫欠損症、異常増殖等が含まれる。
Tリンパ球(T細胞)は哺乳動物免疫反応の重要な成分である。T細胞は主要組織適合性複合体MHC)内の遺伝子によりコードされる自己分子に関連する抗原を認識する。抗原は抗原提示細胞ウイルス感染細胞癌細胞移植片等の表面上のMHC分子と共に提示され得る。T細胞系は宿主哺乳動物の健康を脅かすこれらの改変細胞を除去するものである。T細胞はヘルパーT細胞及び細胞障害性T細胞を含む。ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞上の抗原-MHC複合体の認識に続いて広範囲に増殖する。またヘルパーT細胞は種々のサイトカイン、例えばリンホカイン分泌し、これはB細胞、細胞障害性T細胞、及び免疫反応に寄与している種々の他の細胞の活性化において中心的な役割を担っている。ヘルパーT細胞の他のサブカテゴリ濾胞性ヘルパーT細胞(TFh)である(概要のためにVineusa et al., Nat. Rev. Immunol. 5: 853-865 (2005)を参照のこと)。CXC-ケモカインレセプター5の特徴的な発現によって検出可能であり(Schaerli et al., J. Exp. Med. 192: 1553-62 (2000))、これらの細胞はIL−10とおそらくIL−21を生産することが明らかとされた。TFh細胞は胚中心B細胞を助けるものであり、特にB細胞の生存および増殖を補助し、B細胞と共に培養する間に抗体産生を強力に誘導する。また、それらは免疫寛容導入に関係していた。

0004

調節T細胞(Treg)は、自己反応免疫応答阻害に重要な役割を持ち、腫瘍組織などの慢性炎症の部位に見られることが多い、ヘルパーT細胞のサブセットである(Wang, H.Y. & Wang, R.F., Curr Opin Immunol 19, 217-23 (2007))。Tregsは、CD25、CLTA4、GITR及びニューロフィリン−1の高い細胞表面発現により表現型的に定められ(Read, S., Malmstrom, V. & Powrie, F., J Exp Med 192, 295-302 (2000);Sakaguchi, S., et al., J Immunol 155, 1151-64 (1995);Takahashi, T. et al., J Exp Med 192, 303-10 (2000);McHugh, R.S. et al., Immunity 16, 311-23 (2002);Bruder, D. et al., Eur J Immunol 34, 623-30 (2004))、そして、転写因子FOXP3の制御下にある(Hori, S., Nomura, T. & Sakaguchi, S., Science 299, 1057-61 (2003))。Tregsは、接触依存性メカニズムサイトカイン産生により活性化T細胞に対してその抑制的機能を果たす(Fehervari, Z. & Sakaguchi, Curr Opin Immunol 16, 203-8 (2004))。また、Tregsは、樹状細胞(DC)上のリガンドとの直接的な相互作用、例えばインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の誘導を誘発するDC上のB7分子とCTLA4との相互作用(Fallarino, F. et al., Nat Immunol 4, 1206-12 (2003))、およびCD40Lライゲーション(Serra, P. et al., Immunity 19, 877-89 (2003))によって、免疫応答を調整する。DCは、自己又は非自己の抗原に対する免疫又は耐性を誘導することができる専門的な抗原提示細胞である。DC拡張した(DC-expanded)Tregsはインビトロアロ反応性応答を抑制し(Yamazaki, S. et al., Proc Natl Acad Sci U S A 103, 2758-63 (2006);Ahn, J.S., Krishnadas, D.K. & Agrawal, Int Immunol 19, 227-37 (2007))、養子導入した場合、適切なTregsはNOD.scidマウス糖尿病を妨げ(Tarbell, K.V. et al., J Exp Med 199, 1467-77 (2004))、又は実験的に喘息を誘導した(Lewkowich, I.P. et al. J Exp Med 202, 1549-61 (2005))。また、DC上のリガンドとTregsとの特定の相互作用は、マウスでのGITRの嵌入といった抑制的機能を無効にしうることから(Shimizu, J., et al., Nat Immunol 3, 135-42 (2002))、Treg機能の調整時にDCに多元的な役割があることが示唆される。

0005

分子CTLA4およびGITRは、CD28−B7内に定められるリガンド、及びTNFスーパーファミリ同時刺激/同時抑制の分子それぞれの代表である(Greenwald, R.J., et al., Annu Rev Immunol 23, 515-48 (2005))。これらの分子は、Tregs上で高いが、一般的に活性化されたT細胞では上方制御されている。Treg細胞で発現される新規共刺激分子を探索するために、探索を行い、Igドメイン及び免疫レセプターチロシンベースの活性化又は阻害性(ITAM/ITIM)モチーフの両方を持つ、T細胞で特異的に発現される遺伝子を同定した(Abbas, A.R. et al., Genes Immun 6, 319-31 (2005))。これら2つのゲノムワイドバイオインフォマティックス探索方策交わりにより、Igドメイン膜貫通ドメイン及び2つの推定上の免疫レセプターチロシン阻害性モチーフをコードするタンパク質との新規の細胞表面結合タンパク質が同定された(出典明記によって本明細書中に援用される、米国公開特許US20040121370を参照)。TIGIT(T細胞−Ig及びITIMドメイン)と称されるタンパク質が、T細胞、特にTreg及びメモリー細胞サブセット並びにNK細胞上で発現されることが示された。免疫障害、特に自己免疫障害対処するための新規の治療法および治療方法が求められている。本明細書において、出願人は、TIGIT結合パートナーを同定し、これら結合パートナーとのTIGIT相互作用やT細胞成熟や活性に対する解明されたTIGIT作用により調節される免疫障害のための新規の組成物、検出方法及び治療方法を提供する。

0006

本発明は、ヒトを含む哺乳動物の免疫関連疾患の診断と治療に有用な組成物および方法に関する。本発明は、ある種の免疫細胞の増殖及び機能のネガティブ調節に関与するタンパク質の同定に基づく。免疫関連疾患は、免疫応答を抑制するかまたは上げることによって治療されうる。免疫応答を亢進する分子は抗原への免疫応答を刺激するかまたは強化する。免疫応答を刺激する分子は、免疫応答の亢進により利益を得る場合に治療上用いられうる。あるいは、免疫応答を抑制するか又は抗原への免疫応答を減弱ないし低減する分子(例えば中和抗体)は、免疫応答の減弱により利益を得る場合(例えば炎症)に治療上用いられうる。本明細書において、出願人は、TIGIT(「T細胞−Ig及びITIMドメイン」の略)タンパク質がポリオウイルスレセプター(PVR、CD155としても知られる)及び新規に解明されたタンパク質ファミリー種種の他のメンバーに特異的に結合すること、そしてこのTIGIT−PVR相互作用がT細胞活性化及び増殖をネガティブに制御することを示す。したがって、TIGITポリペプチド、そのアゴニストおよびそのアンタゴニスト、並びにPVRポリペプチド、そのアゴニストおよびそのアンタゴニストは、免疫関連疾患及び炎症性疾患の治療のための医薬及び薬物の調製に有用である。また、本発明は、免疫関連疾患及び炎症性疾患の治療方法、並びに免疫関連疾患及び炎症性疾患の状態を検出及び評価するための方法及び組成物を提供する。

0007

一実施態様では、本発明は、以下のアミノ酸:ヒトTIGITのアミノ酸位67に対応するアミノ酸位のアラニン、ヒトTIGITのアミノ酸位74に対応するアミノ酸位のグリシン、ヒトTIGITのアミノ酸位114に対応するアミノ酸位のプロリン、およびヒトTIGITのアミノ酸位116に対応するアミノ酸位のグリシン、の一又は複数を含むアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドを提供する。一態様では、ポリペプチドは、PVR、PVRL1、PVRL2、PVRL3、PVRL4、TIGIT、CD96又はCD226でない。他の態様では、ポリペプチドは、ヒトTIGITのアミノ酸位54に対応するアミノ酸位にバリンイソロイシンおよびロイシンから選択されるアミノ酸、ヒトTIGITのアミノ酸位55に対応するアミノ酸位にセリンおよびスレオニンから選択されるアミノ酸、ヒトTIGITのアミノ酸位56に対応するアミノ酸位にグルタミン、ヒトTIGITのアミノ酸位112に対応するアミノ酸位にスレオニン、およびヒトTIGITのアミノ酸位113に対応するアミノ酸位にフェニルアラニンおよびチロシンから選択されるアミノ酸、の一又は複数をさらに含む。他の態様では、ポリペプチドは、
a.アミノ酸位54にバリンおよびイソロイシンから選択されるアミノ酸−アミノ酸位55にセリンおよびスレオニンから選択されるアミノ酸−アミノ酸位56にグルタミン、
b.位置67にアラニン−アミノ酸位68〜73の各位に任意のアミノ酸−アミノ酸位74にグリシン、及び、
c.アミノ酸位112にスレオニン−アミノ酸位113にフェニルアラニン及びチロシンから選択されるアミノ酸−アミノ酸位114にプロリン−アミノ酸位115に任意のアミノ酸−アミノ酸位116にグリシン、
から選択される一又は複数の構造サブモチーフを更に含み、ここでアミノ酸位の番号がヒトTIGITのアミノ酸位置に対応するものであり、ただしポリペプチドのアミノ酸の絶対的な番号付けは異なりうる。

0008

他の実施態様では、本発明は、試験ポリペプチドがTLPファミリのポリペプチドのメンバーであるか否かを決定する方法であって、試験ポリペプチドのアミノ酸配列をTLPファミリのポリペプチドの一又は複数のメンバーのアミノ酸配列と整列配置することと、試験ポリペプチドのアミノ酸配列における、ヒトTIGITのアミノ酸位67に対応するアミノ酸位のアラニン、ヒトTIGITのアミノ酸位74に対応するアミノ酸位のグリシン、ヒトTIGITのアミノ酸位114に対応するアミノ酸位のプロリン、およびヒトTIGITのアミノ酸位116に対応するアミノ酸位のグリシンの一又は複数の有無を評価することとを含む方法を提供する。他の実施態様では、本発明は、ヒトTIGITのアミノ酸位67に対応するアミノ酸位のアラニン、ヒトTIGITのアミノ酸位74に対応するアミノ酸位のグリシン、ヒトTIGITのアミノ酸位114に対応するアミノ酸位のプロリン、およびヒトTIGITのアミノ酸位116に対応するアミノ酸位のグリシンから選択される少なくとも一のアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、一又は複数の配列データベース中のタンパク質を同定することによる、TLPタンパク質ファミリの一又は複数のメンバーを同定する方法を提供する。

0009

他の実施態様では、本発明は、TLPファミリメンバーの一又は複数の保存された、ないしは実質的に保存された領域と特異的に相互作用する単離された薬剤を提供する。一態様では、薬剤は、TLPファミリメンバーの発現及び/又は活性のアンタゴニストである。他の態様では、アンタゴニストは、小分子阻害剤阻害性抗体ないしその抗原結合性断片アプタマー阻害性核酸および阻害性ポリペプチドから選択される。他の態様では、薬剤は、TLPファミリメンバーの発現及び/又は活性のアゴニストである。他の態様では、薬剤は、アゴナイズ的抗体ないしその抗原結合断片、アゴナイズ的ペプチド、及びPVRが媒介するPVR及び/又はTIGITの細胞内シグナル伝達へのTIGIT結合を活性化する小分子ないしタンパク質から選択される。他の実施態様では、本発明は、推定TLPファミリメンバーのポリペプチドを上記の少なくとも一の薬剤と接触させ、推定TLPファミリメンバーへの少なくとも一の薬剤の結合を決定することによる、一又は複数のTLPファミリメンバーの同定又は検出方法を提供する。

0010

他の実施態様では、本発明は、試験免疫細胞が活性化ないし正常なTreg、メモリーT細胞、NK細胞又はTFh細胞のいずれであるかを決定する方法であって、試験免疫細胞においてTIGITの発現レベルを評価することと、既知の活性化ないし正常なTreg、メモリーT細胞、NK細胞又はTFh細胞におけるTIGITの発現レベルと比較するか、又は試験免疫細胞でのTIGITの発現レベルを一又は複数の既知の基準TIGIT発現値と比較することとを含む方法を提供する。他の実施態様では、本発明は、PVR、PVRL3およびPVRL2の一又は複数へのTIGITの結合を調整することを含む、免疫系の機能および/または活性の調整方法を提供する。

0011

他の実施態様では、本発明は、配列番号:23〜28に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも一のHVRを含む抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、配列番号:31〜36に示すアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含む少なくとも一のHVRを含む抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、抗体軽鎖が配列番号:21に示すアミノ酸配列を含む抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、抗体軽鎖が配列番号:29に示すアミノ酸配列を含む抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、抗体重鎖が配列番号:22に示すアミノ酸配列ないしその一部を含む抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、抗体重鎖が配列番号:30に示すアミノ酸配列ないしその一部を含む抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、抗体軽鎖が配列番号:21に示すアミノ酸配列ないしその一部を含み、抗体重鎖が配列番号:22に示すアミノ酸配列ないしその一部を含む抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、抗体軽鎖が配列番号:29に示すアミノ酸配列ないしその一部を含み、抗体重鎖が配列番号:30に示すアミノ酸配列ないしその一部を含む抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、抗体軽鎖が配列番号:50に示すヌクレオチド配列ないしその一部によってコードされる抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。他の実施態様では、本発明は、抗体重鎖が配列番号:51に示すヌクレオチド配列ないしその一部によってコードされる抗TIGIT抗体ないしその断片を提供する。一態様では、本発明の抗体ないしその抗原結合断片は、ヒト化抗体キメラ抗体二重特異性抗体、ヘテロコンジュゲート抗体およびイムノトキシンから選択される。

0012

他の態様では、本発明の少なくとも一のHVRは、配列番号:23〜28のいずれかに示すHVRに、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である。他の態様では、本発明の少なくとも一のHVRは、配列番号:31〜36のいずれかに示すHVRに、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である。他の態様では、本発明の抗体ないし抗原結合断片の軽鎖は、配列番号:21に示すアミノ酸配列に、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なアミノ酸配列を含む。他の態様では、本発明の抗体ないし抗原結合断片の軽鎖は、配列番号:29に示すアミノ酸配列に、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なアミノ酸配列を含む。他の態様では、本発明の抗体ないし抗原結合断片の重鎖は、配列番号:22に示すアミノ酸配列に、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なアミノ酸配列を含む。他の態様では、本発明の抗体ないし抗原結合断片の重鎖は、配列番号:30に示すアミノ酸配列に、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なアミノ酸配列を含む。他の態様では、本発明の抗体ないし抗原結合断片は、配列番号:21に示すアミノ酸配列に、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号:22に示すアミノ酸配列に、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。他の態様では、本発明の抗体ないし抗原結合断片は、配列番号:29に示すアミノ酸配列に、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号:30に示すアミノ酸配列に、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一なアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。

0013

他の実施態様では、本発明は、インビボ又はインビトロで、TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、又はTIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニストの少なくとも一を投与することを含む、CD226−PVR相互作用及び/又はCD96−PVR相互作用の調節方法を提供する。一態様では、TIGIT又はTIGITの発現及び/又は活性のアゴニストが投与され、CD226−PVR相互作用及び/又はCD96−PVR相互作用が阻害又は遮断される。他の態様では、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニストが投与され、CD226−PVR相互作用及び/又はCD96−PVR相互作用が刺激される。

0014

他の実施態様では、本発明は、TIGIT及び/又はPVRの発現及び/又は活性を調整することによる、または、PVRに結合するTIGITによって媒介される細胞内シグナル伝達を調整することによる、免疫細胞機能および/または活性の調整方法を提供する。一態様では、調整は、TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアゴニストにてインビトロ又はインビボの細胞を処理することによる、又はPVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を刺激することによる、一又は複数の免疫細胞の増殖か又は一又は複数の免疫細胞による炎症誘発性サイトカイン放出を低減ないし阻害することである。他の態様では、調整は、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストにてインビトロ又はインビボの細胞を処理することによる、又はPVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を阻害することによる、一又は複数の免疫細胞の増殖か又は一又は複数の免疫細胞による炎症誘発性サイトカイン放出を増加ないし刺激することである。

0015

他の実施態様では、本発明は、インビトロ又はインビボで、TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアゴニストを投与することによるか又は、PVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を刺激することによる、免疫応答の阻害方法を提供する。他の実施態様では、本発明は、インビトロ又はインビボで、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストを投与することによるか又は、PVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を阻害することによる、免疫応答の増強ないし刺激方法を提供する。他の実施態様では、本発明は、インビトロ又はインビボでTIGIT又はPVRの発現及び/又は活性を調節することによる、免疫細胞からのサイトカイン産生の種類及び/又は量の調節方法を提供する。一態様では、炎症誘発性サイトカイン産生は、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストを投与することによってか又は、PVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を阻害することによって刺激される及び/又は増強される。他の態様では、炎症誘発性サイトカイン産生は、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、PVRの発現及び/又は活性のアゴニストを投与することによってか又は、PVRに結合するTIGITが媒介する細胞内シグナル伝達を刺激することによって阻害される。

0016

他の実施態様では、本発明は、TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、又はPVRの発現及び/又は活性のアゴニストにより一又は複数の免疫細胞を処理することを含む、一又は複数の免疫細胞のERK経路による細胞内シグナル伝達及び/又はERリン酸化の刺激方法を提供する。

0017

他の実施態様では、本発明は、被検体の異常な免疫細胞応答に関連する免疫関連疾患の診断方法であって、被検体からの試料におけるTIGITの発現及び/又は活性を評価することと、TIGITのその発現及び/又は活性をTIGITの発現及び/又は活性の対照量及び/又は正常被検体の試料におけるTIGITの発現及び/又は活性の量と比較することとを含む方法を提供する。一態様では、免疫関連疾患は、乾癬関節炎炎症性腸疾患又は癌から選択される。他の態様では、癌は乳癌である。他の実施態様では、本発明は、被検体の異常な免疫細胞応答に関連する免疫関連疾患の重症度評価方法であって、被検体からの試料におけるTIGITの発現及び/又は活性を評価することと、TIGITのその発現及び/又は活性をTIGITの発現及び/又は活性の対照量及び/又は正常被検体の試料におけるTIGITの発現及び/又は活性の量と比較することとを含む方法を提供する。一態様では、免疫関連疾患は、乾癬、関節炎、炎症性腸疾患又は癌から選択される。他の態様では、癌は乳癌である。他の実施態様では、本発明は、被検体のTIGITの発現及び/又は活性を調整することを含む、被検体の異常な免疫細胞応答に関連する免疫関連疾患の予防方法を提供する。一態様では、免疫関連疾患は、乾癬、関節炎、炎症性腸疾患又は癌から選択される。他の態様では、癌は乳癌である。他の実施態様では、本発明は、被検体のTIGITの発現及び/又は活性を調整することを含む、被検体の異常な免疫細胞応答に関する免疫関連疾患の重症度の治療ないし低減方法を提供する。一態様では、免疫関連疾患は、乾癬、関節炎、炎症性腸疾患又は癌から選択される。他の態様では、癌は乳癌である。

図面の簡単な説明

0018

ヒト、マウス、アカゲザルおよびイヌのTIGITタンパク質配列アラインメントを示す。陰線は、3又は4つの種での同一アミノ酸を含む位置を示す。シグナル配列破線で示し、免疫グロブリンVセットドメイン二重線で示し、Nグリコシル化部位を必須部位の上に細い線で示し、膜貫通ドメインは太線で示し、推定伸長ITIMモチーフを二重の破線で示す。ヒトTIGITは、アカゲザル、イヌおよびマウスの配列とそれぞれ88%、67%および58%の同一性を有する。
示されたPVRファミリタンパク質のIgVドメインのタンパク質配列のアラインメントを示す。配列間の類似性共有する側鎖は性質に従って印を付す。V-フレームフィンガープリント残基(●)とPVR関連のフィンガープリント残基(残基を囲む厚線)。比較するために、非PVRファミリメンバーの6つのIgVドメイン配列(水平線で示す)をアラインメントする。
同上。
実施例2に記載のように、様々なタンパク質に結合するTIGIT-Fc(薄い灰色の線)又はコントロールFcタンパク質(黒線)の能力を評価するための、バイオセンサー分析の結果を示す。番号1−8はそれぞれ、ESAM、OTOR、TEK、TNFRSF10C、IGFBP4、PVR、IL−19およびTEKを表す。
実施例2に記載のように、固定されたTIGIT-Fcへの様々なFc融合タンパク質の結合を評価するための、バイオセンサーアッセイの結果を示す。
実施例2に記載のように、レセプター発現しているCHO安定性形質移入体へのビオチン化Fc-融合タンパク質の結合を評価するための、FACS分析の結果を示す。
同上。
同上。
同上。
同上。
同上。
実施例2に記載のように、TIGIT-FcとPVRを発現するCHO細胞との間の結合のKdを決定するための、ある代表的なラジオリガンド結合実験の結果を示す。
実施例2に記載のように、TIGIT、PVR、CD226およびCD96間の競合結合試験の結果を示すグラフを示す。
実施例2に記載のように、TIGIT又はCD226へのPVR結合を遮断する抗PVR抗体の能力を評価する実験の結果を示す。図7Aは、10倍モル過剰量の抗体D171の存在下(点線)又は非存在下(実線)での、CD226又はTIGITを発現するCHO形質移入体へのビオチン化PVR-Fcの結合を示す。一致したアイソタイプコントロール抗体の結果は陰影をつけた領域で示す。図7Bは、CD226-Fc又はTIGIT-Fcをロードしたバイオセンサへの、PVR-Fc(上方線)又はバッファ(下方線)の結合を示す。中央の線は、PVR-Fcへの曝露の前に抗体D171にて遮断したCD226-Fc又はTIGIT-FcをプレロードしたバイオセンサへのPVR-Fc結合を示す。
実施例2(A)に記載されるように、様々な免疫細胞種におけるTIGIT発現データ(左パネル)又はCD226発現データ(右パネル)を示す。
実施例2(A)に記載されるように、扁桃Tfh細胞におけるTIGIT及びICOSのmRNA発現RTPCR分析を示す。
実施例3に記載されるように、細胞表面のTIGITに結合する抗TIGIT抗体10A7の能力を試験する実験の結果を示す。図9Aは、安定性293-TIGIT細胞株への抗TIGIT抗体10A7の結合(実線)と、PVR-Fcの存在下でのその結合の排除(点線)を示す。灰色の領域は、アイソタイプ一致のコントロール抗体の結合を示す。図9Bは、TIGITがGITR+CD4T細胞においてFoxP3と共発現することを示すFACS分析の結果を示す。示されるデータは2つの独立した実験の代表である。
実施例3に記載のように、mRNA分析によって、または、細胞表面での結合試験によって、TIGIT発現を評価する実験の結果を示す。
実施例2(A)に記載のように、休止ないし活性化(1日又は2日間)CD4+CD45RA+(左パネル)又はCD4+CD45RO+T細胞(右パネル)上でのTIGIT及びCD226の発現を決定するための、フローサイトメトリー実験の結果を示す。
同上。
イーブCD4+CD45RA+細胞におけるTIGITのmRNAレベルと比較したときの、PBMCからエクスビボで直接分類された異なる種類の免疫細胞におけるTIGITのmRNAの倍数変化を示す棒グラフを示す。
非刺激細胞と比較したときの、抗CD3および抗CD28にて1日又は2日間活性化した、分類したCD4+CD45RO+、CD4+CD45RA+及びCD4+CD25hiTreg細胞又は、IL−2にて1日間活性化した分類したCD56+NK細胞におけるTIGITのmRNAレベルの倍数変化を示す棒グラフを示す。示されたFACSプロットはある代表実験からのものであり、RT−PCR値は3つのドナーの平均である。
CD25−ヒトPBMC細胞がTIGIT発現を欠くことを示すFACSアッセイの結果を示す。
低い又は高い量のCD25を発現するヒトPBMC細胞におけるTIGITの細胞表面発現を評価するFACS実験の結果を示し、TIGITの発現がFOXP3の発現と相関することを示す。
抗CD3及び抗CD28にて24時間活性化した分類したCD4+CD25hiT細胞におけるTIGIT発現を評価するFACS実験(左パネル)と、休止又は活性化CD25−又はCD25hiCD4+細胞におけるTIGITのmRNAレベルの補完的RT−PCR分析の結果を示す。
実施例2(A)に記載のように、休止ないし活性化(1日又は2日間)CD25、CD25+、CD45RA+、CD45RO+細胞におけるTIGIT又はCD226の発現の倍数変化を示すグラフである。
実施例3に記載のように、T細胞上のTIGIT発現の安定性を評価するための、フローサイトメトリ実験の結果を示す。
実施例3に記載のように、様々な濃度の抗CD3に曝した、分類したTIGIT+およびTIGIT−細胞におけるTIGIT発現を評価するための、プレートベースのアッセイの結果を示す。
実施例5に記載のように、BおよびT細胞を欠損しているscidマウスにおいてIL−10、IL−12p40およびIL−12p70産生を調整するTIGITの能力を評価する実験の結果を示すプロット線を示す。
同上。
同上。
実施例2(A)に記載のように、IL-17-産生Tヘルパー細胞とIL-2-産生Tヘルパー細胞上のTIGIT発現を評価するための、フローサイトメトリ実験の結果を示す。各パネルのデータは、異なるドナーのPBMCを用いた代表的な実験である。
実施例3に記載のように、疾患組織試料におけるTIGITの発現レベルを評価するmRNA分析の結果を示す。最も右のパネルは、関節リウマチ滑膜組織から入手した分類した細胞からの発現データである。PVRおよびCD226の発現はこれらの試料では検出不可能であった。
正常試料と比較して、コラーゲン誘導関節炎のマウスモデルから様々な時点で採取した組織におけるTIGIT(上方パネル)又はCD226(下方パネル)の発現を評価するRT−PCR実験の結果を示す。
実施例3に記載のように、喘息およびコントロールのアカゲザルからの組織試料における、TIGIT、PVRおよびCD226の発現レベルを評価するmRNA分析の結果を示す。
正常又は癌性の細胞におけるTIGITの発現レベル(上方パネル)又は、様々な胸部腫瘍試料におけるCD4の発現(下方パネル)を評価するmRNA分析の結果を示す。
実施例3に記載のように、様々な癌試料における、TIGIT(図18B)の発現レベルを評価するmRNA分析の結果を示す。下方パネルは、様々な割合の腫瘍細胞を含有する癌試料における、TIGITの発現のレベルを示す。全パネル中の囲み統計学的に有意なデータを表す。
実施例3に記載のように、様々な癌試料における、PVR(図18C)の発現レベルを評価するmRNA分析の結果を示す。下方パネルは、様々な割合の腫瘍細胞を含有する癌試料における、PVRの発現のレベルを示す。全パネル中の囲みは統計学的に有意なデータを表す。
実施例3に記載のように、様々な癌試料における、CD226(図18D)の発現レベルを評価するmRNA分析の結果を示す。下方パネルは、様々な割合の腫瘍細胞を含有する癌試料における、CD226の発現のレベルを示す。全パネル中の囲みは統計学的に有意なデータを表す。
実施例4に記載のように、T細胞活性化に対するTIGITの効果を評価する実験の結果を示す。
CD14+単球、iMDDCおよびMDDC上のPVR発現を評価するFACSアッセイの結果を示す。抗PVR実験は陰線なしで示し、アイソタイプ一致のコントロールを灰色で示す。
細胞増殖に対するTIGIT-Fcの効果を評価する、TNFα成熟したDC及び単離したCD4+T細胞を使用したインビトロMLRアッセイの結果を示す。アスタリスクを付したデータはp<0.001を有する。
自己由来CD11c+DC及び抗TIGIT抗体10A7(黒バー)又はアイソタイプコントロール(白バー)の存在下で可溶性抗CD3によって活性化したCD4+T細胞における、[3H]-チミジン取込(cpm)によるT細胞増殖(左パネル)及びELISAによるIFN-γ産生(右パネル)を評価する実験の結果を示す。単一アスタリスクはp<0.01を示し、二重アスタリスクはp<0.001を示す。
100μg/mlのTIGIT-Fc(灰色バー)又はアイソタイプコントロール(白バー)の存在下で、自己由来CD11c+DCおよび可溶性抗CD3にて活性化されたナイーブCD4+CD25−T細胞における増殖とIFN-γ産生を評価する実験の結果を示す。単一アスタリスクはp<0.01を示し、二重アスタリスクはp<0.001を示す。
実施例4に記載のように、MLRアッセイにおける、TIGIT−T細胞増殖を阻害する分類されたTIGIT+T細胞の能力を評価する実験の結果を示す。
図21Aは、実施例4に記載のように、抗TIGIT抗体(10A7)の有無の下での他のT細胞およびAPCの増殖に対するTIGIT+Tregの効果、並びにこれらの細胞群におけるIFNγ及びIL−10の産生を評価する増殖アッセイの結果を示す。図21Bは、実施例4Aに記載のように、TIGIT−Tregと比較したときの、ナイーブT細胞増殖に対するTIGIT+Tregsの効果を評価する増殖アッセイの結果を示す。
実施例5に記載のように、成熟されたiMDDCおよびDCにおけるサイトカイン産生を調整するTIGITの能力を評価する実験の結果を示す。
iMDDC、TNFαにて刺激したiMDDC、CD40Lにて刺激したiMDDC、LPSにて刺激したiMDDC、又はPam3CSK4にて刺激したiMDDCにおけるIL−10又はIL−12p40の産生を測定するELISAアッセイの結果を示す。示される結果は3つの実験の平均である。各パネルの線は3つの異なるドナーそれぞれのデータを表す。
同上。
同上。
細胞表面成熟マーカーであるHLA-DR、CD80、CD83およびCD86の発現を測定するためのFACS分析の結果を示す。値は平均蛍光強度(MFI)として表し、示されるデータは3つのドナーの代表である。
TNFα成熟したMDDC又はLPS成熟したMDDCからの他の炎症誘発性サイトカイン産生に対するTIGIT効果を測定する実験のデータを示す。示されるデータは3つの実験の代表である。実施例5に記載のように、IL-6、IL12p70およびIL-18のレベルはLUMINEX分析にて決定した。
実施例5に記載のように、TIGIT.Fc又はアイソタイプ一致のコントロールに応答したiMDDCでのTGFβ分泌の相対量を表すグラフを示す。
実施例6に記載のように、PVRによる下流のシグナル伝達の活性化に対するTIGIT処置の効果を評価する実験の結果を示す。図23Aは、TIGIT又はコントロールにて処置したPVRのチロシンリン酸化状態のウエスタンブロット分析を示す。図23Bは、TIGIT-Fc、TIGIT-Fc-DANA又はコントロールによるiMDDCの処置の際の、ERK二量体化状態のウエスタンブロット分析を示す。図23Cは、TIGIT処置iMDDCとコントロール処置iMDDCにおける活性化と総β-カテニンとのウエスタンブロット分析を示す。
実施例6に記載のように、TNFα成熟したMDDCにおけるIL−12p40産生のTIGIT誘導性減少に対する、様々な下流のシグナル伝達分子の遮断の効果を評価する実験の結果を示す。図24Aは、IL−12p40産生のTIGIT-Fc又はTIGIT-Fc-DANAが誘導する減少に対する、MAPキナーゼ阻害因子の影響を試験している実験の結果のグラフを示す。図24Bは、TNFα成熟MDDCからのIL−12p40産生のTIGITが媒介する減少に対する、抗TIGIT抗体(10A7)、抗IL−10抗体又は抗CD32抗体の影響を評価している実験の結果のグラフを示す。
実施例7に記載のように、T細胞活性化に対するTIGIT-Fc処置の影響を評価している実験の結果を表す。TIGIT-Fc又はコントロール抗体にて処置したTNFα/CD40L成熟MDDC培養物又はiMDDC培養物によって/において誘導された、T細胞増殖(図25A)及びIL−2産生(図25B)の量を評価している実験のデータのグラフ。
実施例7に記載のように、活性化されたヒトMDDCにおけるILTの発現に対する、TIGIT-Fc処置の影響を評価している実験の結果を示す。
実施例7に記載のように、マウスにおける遅延型過敏症応答に対するTIGIT処置の効果を評価している実験の結果を示す。
ブタクサ抗体、TIGIT-Fc又はCTLA4にて処置した野生型又はIL−10ノックアウトマウスからの腫脹データを表すグラフを示す。
TIGIT-Fc-、CTLA4-Fc-又はコントロール-処置したマウスの脾細胞の、KLH再刺激に対する増殖応答を表しているデータを示す。データは応答±標準偏差として示す(1群当たりn=3;インビトロ想起アッセイは3通りのウェルで行った)。
TIGIT-Fc、TIGIT-Fc-DANA又は抗TIGIT抗体10A7にて処置した野生型マウスの耳腫脹データを表すグラフを示す。
野生型(図27D)のTIGIT-Fc処置マウスの脾細胞の、KLH再刺激に対する増殖応答を示しているグラフを示す。
IL−10ノックアウト(図27E)のTIGIT-Fc処置マウスの脾細胞の、KLH再刺激に対する増殖応答を示しているグラフを示す。
KLHにて2日間再活性化させた野生型(図27F)のTIGIT-Fc処置マウスから単離した脾細胞の培養物上清におけるIL−2又はIFN-γのレベルを示しているグラフを示す。データは平均±s.d.として示す(1群当たりn=3;インビトロ想起は3通りのウェルで実施した)。アスタリスクはp<0.001を示す。
KLHにて2日間再活性化させたIL−10ノックアウト(図27G)のTIGIT-Fc処置マウスから単離した脾細胞の培養物上清におけるIL−2又はIFN-γのレベルを示しているグラフを示す。データは平均±s.d.として示す(1群当たりn=3;インビトロ想起は3通りのウェルで実施した)。アスタリスクはp<0.001を示す。
qRT−PCR(n=8)によって決定されるように、TIGIT-Fc及びアイソタイプコントロールにて処置した野生型ないしIL−10欠損マウスのCD11c+脾細胞からの、IL−10(左パネル)、IL−12/23p40(中央のパネル)及びIL−12p35(右パネル)の相対的mRNAレベルを示すグラフを示す。また、WT CD11c枯渇脾細胞からのIL-10mRNAレベルはコントロールとして決定した。データは、免疫化されていないマウスの対応するmRNAレベルと比較して任意のmRNAレベルを表す。アスタリスクはp<0.05を示す。
実施例4(B)に記載のように、TIGIT特異的なsiRNAによるTIGIT発現のノックダウンの効果を評価する実験の結果を示す。
コントロールsiRNAに対するTIGITノックダウン効率のqRT−PCR分析の結果を示す。CTLA4mRNAレベルは非標的コントロールとして決定した。
siRNAコントロールおよびsiRNATIGITにて処置した細胞における表面TIGIT発現のFACS分析を示す(表7にまとめる)。
siRNAコントロールないしsiRNATIGIT(図27C)の存在下での、プレート結合した抗CD3単独ないし抗CD3と抗CD28にて活性化させたCD4+CD45RO+ヒトT細胞の細胞増殖のFACS分析の結果を示す。
siRNAコントロールないし抗TIGIT抗体10A7(図27D)の存在下での、プレート結合した抗CD3単独ないし抗CD3と抗CD28にて活性化させたCD4+CD45RO+ヒトT細胞の細胞増殖のFACS分析の結果を示す。
2日間の培養の後の図28Cのアッセイにおいて用いた細胞からのサイトカイン産生の分析の結果を示す。示されるデータは4つの個体ドナーと実験の代表である。
様々な細胞種及び様々な処置でのCD226の発現を評価している実験の結果を示す。
抗CD226を用いた、休止ないし抗CD3と抗CD28にて活性化した(1日及び2日)分類したナイーブCD4+CD45RA+細胞(上パネル)又はメモリーCD4+CD45RO+細胞(下パネル)上での、CD226の表面発現を示すFACS分析の結果を示す。
刺激していない細胞と比較したときの、抗CD3と抗CD28にて1日又は2日間活性化させた分類したCD4+CD45RO+、CD4+CD45RA+及びCD8+細胞、及びIL−2とIL−15にて1日間活性化させた分類したCD56+NK細胞における、mRNAレベルの倍数増加を示すグラフである。
ナイーブCD4+CD45RA+細胞と比較したCD4+、CD8+、CD4+CD45RO+、CD4+CD25hiTregs、NK及びCD11c+DC細胞群の指標として、qRT−PCRによって決定される、PBMCからエクスビボで直接分類した細胞における様々な細胞マーカーの相対的なmRNAレベルを示す。示されるデータは3つのドナーのデータの平均を表す。
抗CD4、抗CD25及び抗CD226にて染色した総ヒトPBMC群から採取したゲートしたCD4+細胞における、CD226とCD25の共発現を決定するためのFACS分析の結果を示す。示されるプロットは2つのドナーの代表である。
PBMCから単離した活性化及び休止CD4+CD25−及びCD4+CD25hi細胞におけるTIGIT及びCD226のmRNAレベルを示すグラフを示す。mRNAレベルは、休止CD4+CD25−細胞の倍数変化として表し、2つのドナーのデータの平均である。
実施例8に記載のように、TIGIT欠損マウスにおいて機能的な免疫細胞を評価している実験の結果を示す。
野生型抗原提示細胞の非存在下(左パネル)又は存在下(中央パネル)での、TIGIT欠損(TIGIT.KO)T細胞と野生型T細胞の増殖を比較するグラフを示す。右パネルは、TIGIT.KO抗原提示細胞の存在下での野生型T細胞に対するTIGIT.KO T細胞の割合を比較するグラフを示す。
TIGIT.KOと野生型のT細胞におけるIFNγおよびIL−4のレベルを評価しているFACSアッセイの結果を示す。
TIGIT.KO又は野生型のT細胞の上清における示されたサイトカインの測定されたレベルを示しているグラフである。

0019

TIGITは免疫機能予測されるモジュレーターとして同定された(例として、出典明記によって本明細書中に援用される米国公開特許US20040121370を参照のこと)。本明細書において、出願人は、TIGITが、ポリオウイルスレセプター(PVR、NECL5又はCD155としても知られる)、PVR様タンパク質1−4(PVRL1−4)、CD96およびCD226を含む免疫関連タンパク質の新規に記載されたファミリーのメンバーであることを示す。出願人は、メンバーが免疫の調節及び機能に役割を有するこの新規なファミリの保存された構造的成分を示し、更なるファミリメンバーを同定するための方法を提供する。

0020

出願人は、TIGITがPVRと強く結合し、PVRL3(別名ネクチン-3又はCD113)およびPVRL2(別名ネクチン-2又はCD112)に小さいKdで結合することを示す。PVRは、樹状細胞(DC)、並びにFDC、線維芽細胞内皮細胞、及びいくつかの腫瘍細胞上で高く発現される細胞表面レセプターである(Sakisaka, T. & Takai, Y., Curr Opin Cell Biol 16, 513-21 (2004);Fuchs, A. & Colonna, M., Semin Cancer Biol 16, 359-66 (2006))。出願人は、TIGITが主に様々な活性化されたT細胞、特に調節T細胞(Treg)、メモリーT細胞、NK細胞および濾胞性Tヘルパー細胞(Tfh)に発現することをmRNAおよびFACS分析によって示す。本明細書において記述される試験は、DC上のPVRとTIGITとの相互作用を示し、この結合相互作用がDC機能、特にサイトカイン産生を調整することを示唆する。TIGITが結合したヒトのDCは、高いレベルのIL−10と僅かな炎症誘発性サイトカイン(例えばIL−12p40およびIL−12p70)を分泌した。未成熟T細胞にTIGITが結合すると(TIGIT融合コンストラクトを使用して評価される)、T細胞活性化および増殖が阻害された。特に、この阻害はERK阻害剤がある場合に逆転したことから、ERK活性化がDC活性を調整するTIGITの機能において重要な工程でありうることを示唆する。出願人は、本明細書において、TIGIT+T細胞が他のTIGIT−T細胞だけでなく、免疫細胞の混合種群に存在する場合には抗原提示細胞の増殖を抑制すること、そして、混合物中にブロック抗TIGIT抗体が含まれると観察される抑制は大きく低減するのでTIGIT自体がこの抑制効果の原因であることを示す。

0021

本明細書において示されるように、TIGITは、正常コントロール組織と比較して、関節炎、乾癬、炎症性腸疾患および乳癌組織において発現が増加される。また、出願人は、TIGIT融合タンパク質が遅延型過敏症インビボアッセイにおいてインビトロのヒトのT細胞応答とマウスのT細胞活性化を阻害したことを示すことによって、免疫応答を調節するTIGITの能力を直接示す。TIGITが有意に成熟DCを変更し、未成熟DCを僅かにしか変更しなかったことから、いったんDCが完全に活性化された抗原提供細胞になると、TIGIT−PVR相互作用は調節免疫応答を微調整するのに重要であることを示唆する。本明細書において提示される実験は、TIGITがDCでのIL−10を誘導することによる阻害性フィードバックループによってT細胞活性化を阻害するメカニズムを示唆する。したがって、本発明はさらに、特定のサブセットのサイトカイン又は特定のサブセットの免疫細胞を調節することによる、免疫機能を調節する新規の方法を提供する。これら及び他の態様の本発明は、以下により詳細に記述される。

0022

I.定義
「TIGITポリペプチド」、「TIGITタンパク質」および「TIGIT」なる用語は、本明細書において交換可能に用いられ、本明細書において記述されるように特定のポリペプチド配列を指す。本明細書において記述されるTIGITポリペプチドは、ヒト組織ないしは非ヒト生物の組織といった、様々な供与源から単離してもよいし、または組換え又は合成方法によって調製されてもよい。一実施態様では、TIGITポリペプチドは、配列番号:1−4のいずれかに示すアミノ酸を有する。「TIGITポリペプチド」に関する本明細書中のすべての開示は、各々のポリペプチドを個々に並びにまとめて指す。例えば、〜の調製、〜の精製、〜の誘導体、〜へないしはに対する抗体の形成、〜の投与、〜を含有する組成物、〜を有する疾患の治療などの記載は、本発明の各々のポリペプチドに別々に関連する。また、「TIGITポリペプチド」、「TIGITタンパク質」又は「TIGIT」なる用語には、本明細書において開示されるかまたは当分野で公知のTIGITポリペプチドの変異体が含まれる。

0023

天然配列TIGITポリペプチド」は、天然由来の対応するTIGITポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでいる。このような天然配列TIGITポリペプチドは、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段により生産することもできる。「天然配列TIGITポリペプチド」という用語には、特に、特定のTIGITポリペプチドの自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる。本発明の種々の実施態様において、ここに開示されている天然配列TIGITポリペプチドは、完全長アミノ酸配列を含有する成熟又は完全長天然配列ポリペプチドである。しかし、関連する図に開示されているTIGITポリペプチドは、該図においてアミノ酸位置1と称されているメチオニン残基で開始することが示されている一方で、図のアミノ酸位置1より上流又は下流のいずれかに位置する他のメチオニン残基が、TIGITポリペプチドの開始アミノ酸残基として用いられることも考えられるし可能である。

0024

TIGITポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、膜貫通及び細胞質ドメインを実質的に有しないTIGITポリペプチドの形態を意味する。通常、TIGITポリペプチドECDは、それらの膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満、好ましくはそのようなドメインを0.5%未満しか持たない。本発明のTIGITポリペプチドについて同定された任意の膜貫通ドメインは、疎水性ドメインのその型を同定するために当該分野において日常的に使用される基準に従い同定されることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な境界は変わり得るが、ここで同定されたドメインのいずれかの末端から約5アミノ酸を超えない可能性が高い。従って、TIGITポリペプチド細胞外ドメインは、場合によっては、膜貫通ドメイン/細胞外ドメインの境界のいずれかの末端から約5を超えないアミノ酸を含みうるし、付着のシグナルペプチドを有する又は有しないそのようなポリペプチド及びそれらをコードする核酸は、本発明において考慮される。一実施態様では、TIGIT ECDは配列番号:1に示すヒトTIGITタンパク質のアミノ酸1−139を包含する。

0025

本明細書中に開示される様々なTIGITポリペプチドの「シグナルペプチド」のおよその位置は、当分野で公知の方法を用いて同定されうる。例えば、配列番号:1に示すヒトTIGITポリペプチドのシグナル配列は、アミノ酸1−15にわたると予測される(例として米国公開特許20040121370を参照)。しかしながら、シグナルペプチドのC末端境界は変化してもよいが、本明細書中で最初に同定したシグナルペプチドのC末端境界のいずれかの端でおよそ5以下が異なる可能性が高く、このときシグナルペプチドのC末端境界は、アミノ酸配列エレメントの種類を同定するために当分野で関連的に用いられる基準に従って同定されてよい(例として、Nielsen et al., Prot. Eng. 10: 1-6 (1997)及びvon Heinje et al., Nucl. Acids. Res. 14: 4683-4690 (1986))。さらに、場合によって、分泌されたポリペプチドからのシグナル配列の切断は完全に一定ではないので、2以上の分泌された部分が生じる。シグナルペプチドが本明細書中で同定されたシグナルペプチドのC末端境界のいずれかの端でおよそ5以下のアミノ酸内で切断されている成熟ペプチド及びこれをコードするポリヌクレオチドは、本発明によって考慮される。

0026

「TIGITポリペプチド変異体」とは、上記又は下記に定義されるように、ここに開示される完全長天然配列TIGITポリペプチド、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くTIGITポリペプチド配列、シグナルペプチド有無のここに開示されたTIGITポリペプチドの細胞外ドメイン又は完全長TIGITポリペプチド配列の他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する活性TIGITポリペプチドを意味する。このようなTIGITポリペプチド変異体には、例えば、完全長天然アミノ酸配列のN-又はC-末端において一つ又は複数のアミノ酸残基が付加、もしくは欠失されたTIGITポリペプチドが含まれる。通常、TIGITポリペプチド変異体は、ここに開示される完全長天然配列TIGITポリペプチド、ここに開示されたシグナルペプチドを欠くTIGITポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示されたTIGITポリペプチドの細胞外ドメイン又は完全長TIGITポリペプチド配列の特に同定された他の断片と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約83%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約86%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約87%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約89%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約93%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約96%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、或いは少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そして、或いは少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有している。通常は、TIGIT変異体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、或いは少なくとも約20アミノ酸長、或いは少なくとも約30アミノ酸長、或いは少なくとも約40アミノ酸長、或いは少なくとも約50アミノ酸長、或いは少なくとも約60アミノ酸長、或いは少なくとも約70アミノ酸長、或いは少なくとも約80アミノ酸長、或いは少なくとも約90アミノ酸長、或いは少なくとも約100アミノ酸長、或いは少なくとも約150アミノ酸長、或いは少なくとも約200アミノ酸長、或いは少なくとも約300アミノ酸長、又はそれ以上である。

0027

ここに定義されるTIGITポリペプチドに対してここで同定されている「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、TIGITポリペプチドのアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアのような公に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードが公的に入手可能である配列比較プログラムALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社によって作製され、ソースコードは米国著作権ワシトンD.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2もまた、ジェネンテック社、サウスサンフランシスコカリフォルニアから公的に入手可能である。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。

0028

アミノ酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(或いは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%アミノ酸配列同一性の計算の例として、表1及び2に、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の「TIGIT」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一性の計算方法を示す。「TIGIT」は対象となる仮説的TIGITポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」は対象となる「TIGIT」ポリペプチドが比較されているポリペプチドのアミノ酸配列を表し、そして「X」、「Y」及び「Z」の各々は異なった仮説的アミノ酸残基を表している。

0029

表1
対象のタンパク質XXXXXXXXXXXXXXX (長さ=15アミノ酸)
比較タンパク質 XXXXXYYYYYYY (長さ=12アミノ酸)
%アミノ酸配列同一性=
(ALIGN−2によって決定される2つのポリペプチド配列間の同一に一致するアミノ酸残基の数)÷(対象のタンパク質のアミノ酸残基の総数)=5÷15=33.3%
表2
対象のタンパク質 XXXXXXXXXX (長さ=10アミノ酸)
比較タンパク質 XXXXXYYYYYYZZYZ (長さ=15アミノ酸)
% アミノ酸配列同一性=
(ALIGN−2によって決定される2つのポリペプチド配列間の同一に一致するアミノ酸残基の数)÷(対象のタンパク質のアミノ酸残基の総数)=5÷10=50%

0030

特に断らない限りは、ここでの全ての%アミノ酸配列同一性値は、前段及び表1と2に記載のようにALIGN-2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%アミノ酸配列同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altschul等, Methodsin Enzymology 266:460-480 (1996))を用いて決定してもよい。更に、殆どのWU-BLAST-2検索パラメータ初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU-BLAST-2が用いられた場合には、%アミノ酸配列同一性値は、(a)天然TIGITポリペプチドから誘導された配列を有する対象とするTIGITポリペプチドのアミノ酸配列と、対象とする比較アミノ酸配列(即ち、対象とするTIGITポリペプチドが比較されるTIGITポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2によって決定した一致する同一アミノ酸残基の数を、(b)対象とするTIGITポリペプチドの残基の総数で除した商によって決定される。例えば、「アミノ酸配列Bに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を持つ又は持っているアミノ酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、アミノ酸配列Aが対象である比較アミノ酸配列であり、アミノ酸配列Bが対象であるTIGITポリペプチドのアミノ酸配列である。

0031

また、%アミノ酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI-BLAST2(Altschul等, Nucleic AcidsRes. 25:3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI-BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe-値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。
アミノ酸配列比較にNCBI-BLAST2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(或いは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のA及びBのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。

0032

「TIGITポリヌクレオチド」及び「TIGITヌクレオチド」なる用語は、本明細書中で交換可能に用いられ、TIGITポリペプチドをコードする特定のポリヌクレオチド配列を指す。これらのポリヌクレオチドは、DNA又はRNAあるいはDNAとRNAの両方を含んでよい。本明細書中に記載されるTIGITポリヌクレオチドは、ヒト組織又は非ヒト生物からの組織といった様々な供与源から単離されても、又は組み換えないし合成方法によって調製されてもよい。「TIGITポリヌクレオチド」に関する本明細書中のすべての開示は、各々のポリヌクレオチドを個々に並びにまとめて指す。例えば、〜の調製、〜の精製、〜の誘導体、〜の投与、〜を含有する組成物、〜を有する疾患の治療などの記載は、本発明の各々のポリペプチドに別々に関連する。また、「TIGITポリヌクレオチド」及び「TIGITヌクレオチド配列」なる用語には、本明細書において開示されるTIGITポリヌクレオチドの変異体が含まれる
「天然配列TIGITポリヌクレオチド」は、天然由来の対応するTIGITポリヌクレオチドと同じ核酸配列を有するポリヌクレオチドを含む。このような天然配列TIGITポリヌクレオチドは、天然から単離されてもよいし、組換え又は合成手段によって製造されてもよい。「天然配列TIGITポリヌクレオチド」なる用語には、特に、特定のTIGITポリペプチドの自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体をコードするポリヌクレオチドが含まれる。本発明の種々の実施態様において、ここに開示されている天然配列TIGITポリヌクレオチドは、完全長核酸配列を含有する成熟又は完全長天然配列ポリヌクレオチドである。

0033

「TIGIT変異体ポリヌクレオチド」又は「TIGIT変異体核酸配列」とは、下記に定義されるように、活性TIGITポリペプチドをコードする核酸分子であり、ここに開示する完全長天然配列TIGITポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠いた完全長天然配列TIGITポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するTIGITポリペプチドの細胞外ドメイン、又は完全長TIGITポリペプチド配列の他の任意の断片をコードする核酸配列と少なくとも約80%の核酸配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子を意味する。通常、TIGIT変異体ポリヌクレオチドは、完全長天然配列TIGITポリペプチド配列、シグナルペプチドを欠いた完全長天然配列TIGITポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないTIGITポリペプチドの細胞外ドメイン、又は完全長TIGITポリペプチド配列の他の任意の断片をコードする核酸配列と、少なくとも約80%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約81%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約82%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約83%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約84%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約85%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約86%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約87%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約88%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約89%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約90%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約91%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約92%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約93%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約94%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約95%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約96%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約97%の核酸配列同一性、或いは少なくとも約98%の核酸配列同一性、そして、或いは少なくとも約99%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド配列を含まない。

0034

通常は、TIGIT変異体ポリヌクレオチドは、少なくとも約30ヌクレオチド長、或いは少なくとも約60ヌクレオチド長、或いは少なくとも約90ヌクレオチド長、或いは少なくとも約120ヌクレオチド長、或いは少なくとも約150ヌクレオチド長、或いは少なくとも約180ヌクレオチド長、或いは少なくとも約210ヌクレオチド長、或いは少なくとも約240ヌクレオチド長、或いは少なくとも約270ヌクレオチド長、或いは少なくとも約300ヌクレオチド長、或いは少なくとも約450ヌクレオチド長、或いは少なくとも約600ヌクレオチド長、或いは少なくとも約900ヌクレオチド長、又はそれ以上である。

0035

ここで同定されるTIGITコード核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、対象のTIGIT核酸配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN、ALIGN−2又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアのような公に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用することにより達成可能である。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社によって作製され、ソースコードは米国著作権庁、ワシントンD.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2はジェネンテック社、サウスサンフランシスコ,カリフォルニアから好適に入手可能であり、公的に入手可能なソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標) V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。

0036

核酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(或いは、与えられたアミノ酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さがアミノ酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。この方法を用いた%核酸配列同一性の計算の例として、表3及び4に「比較DNA」と称される核酸配列の「TIGIT-DNA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。「TIGIT-DNA」は対象となる仮説的TIGITコード化核酸配列を表し、「比較DNA」は対象となる「TIGIT-DNA」核酸分子が比較されている核酸配列を表し、そして「N」、「L」及び「V」の各々は異なった仮説的アミノ酸残基を表している。

0037

表3
対象のDNANNNNNNNNNNNNNN (長さ=14ヌクレオチド)
比較DNA NNNNNNLLLLLLLLLL (長さ=16ヌクレオチド)
%核酸配列同一性=
(ALIGN−2によって決定される2つの核酸配列間の同一に一致するヌクレオチドの数)÷(対象のDNAのヌクレオチドの総数)=6÷14=42.9%
表4
対象のDNA NNNNNNNNNNNN (長さ=12ヌクレオチド)
比較DNA NNNNLLLVV (長さ=9ヌクレオチド)
%核酸配列同一性=
(ALIGN−2によって決定される2つの核酸配列間の同一に一致するヌクレオチドの数)÷(対象のDNAのヌクレオチドの総数)=4÷12=33.3%

0038

特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は、直上のパラグラフ及び表3と4に示したようにALIGN-2配列比較コンピュータプログラムを用いて得られる。しかしながら、%核酸配列同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータプログラム(Altschul等, Methodsin Enzymology 266:460-480 (1996))を用いて決定してもよい。更に、殆どのWU-BLAST-2検索パラメータは初期値に設定される。初期値に設定されない、即ち調節可能なパラメータは以下の値に設定する:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62。WU-BLAST-2が用いられた場合、%核酸配列同一性値は、(a)天然配列TIGITポリペプチドコード化核酸から誘導された配列を有する対象とするTIGITポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列と、対象とする比較核酸配列(即ち、対象とするTIGITポリペプチドコード化核酸分子が比較されるTIGITポリペプチド変異体であってもよい配列)との間の、WU-BLAST-2によって決定した一致する同一核酸残基の数を、(b)対象とするTIGITポリペプチドコード化核酸分子のヌクレオチドの総数で除した商によって決定される。例えば、「核酸配列Bに対して少なくとも80%の核酸配列同一性を持つ又は持っている核酸配列Aを含んでなるポリペプチド」という表現では、核酸配列Aが対象とする比較核酸配列であり、核酸配列Bが対象とするTIGITポリペプチドコード化核酸分子の核酸配列である。

0039

また、%核酸配列同一性は、配列比較プログラムNCBI-BLAST2(Altschul等, Nucleic AcidsRes. 25:3389-3402 (1997))を用いて決定してもよい。NCBI-BLAST2配列比較プログラムは、http://www.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードでき、又は別な方法で米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランドから得ることができる。NCBI-BLAST2は幾つかの検索パラメータを使用し、それら検索パラメータの全ては初期値に設定され、例えば、unmask=可、鎖=全て、予測される発生=10、最小低複合長=15/5、マルチパスe-値=0.01、マルチパスの定数=25、最終ギャップアラインメントのドロップオフ=25、及びスコアリングマトリクス=BLOSUM62を含む。

0040

核酸配列比較にNCBI-BLAST2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(或いは、与えられた核酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムNCBI-BLAST2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアの核酸残基の数であり、ZはDの全核酸残基数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。
他の実施態様では、TIGIT変異体ポリペプチドヌクレオチドは、活性TIGITポリペプチドをコードし、好ましくはストリンジェンシーハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、ここに開示する完全長TIGITポリペプチドをコードするヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする核酸分子である。TIGIT変異体ポリペプチドは、TIGIT変異体ポリヌクレオチドにコードされるものであってもよい。

0041

「単離された」とは、ここで開示された種々のポリペプチドを記述するために使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質溶質が含まれる。好ましい実施態様において、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端或いは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、或いは、(2)クーマシーブルー或いは好ましくは銀染色を用いた非還元或いは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される。単離されたポリペプチドには、ポリペプチドの自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのタンパク質が含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも一つの精製工程により調製される。
「単離された」TIGITポリペプチドコード化核酸は、同定され、ポリペプチドをコードする核酸の天然源に通常付随している少なくとも一つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である。単離されたポリペプチドコード化核酸分子は、天然に見出される形態或いは設定以外のものである。ゆえに、単離されたポリペプチドコード化核酸分子は、天然の細胞中に存在する特定のポリペプチドコード化核酸分子とは区別される。しかし、単離されたポリペプチドコード化核酸分子は、例えば、核酸分子が天然細胞のものとは異なった染色体位置にあるポリペプチドを通常発現する細胞に含まれるポリペプチドコード化核酸分子を含む。

0042

「コントロール配列」という表現は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に結合し」ている。例えば、プレ配列或いは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に参画するプレタンパク質として発現されているなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用可能に結合している。一般的に、「作用可能に結合している」とは、結合したDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプター或いはリンカーが使用される。

0043

「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗TIGITモノクローナル抗体又は本明細書中に記載するいずれか他のポリペプチドを特異的に結合する抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、多エピトープ特異性を持つ抗TIGIT抗体ないし抗体組成物一本鎖抗TIGIT抗体ないし他の抗体、及び抗TIGIT抗体ないし他の抗体の断片を包含している(下記参照)。ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、構成する個々の抗体が、少量存在しうる自然に生じる可能性のある突然変異を除いて同一である集団から得られる抗体を称する。
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に決定され、一般的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に、プローブが長くなると適切なアニーリングのための温度が高くなり、プローブが短くなると温度は低くなる。ハイブリダイゼーションは、一般的に、相補的鎖がその融点に近いがそれより低い環境に存在する場合における変性DNAの再アニールする能力に依存する。プローブとハイブリダイゼーション可能な配列との間の所望の相同性の程度が高くなると、使用できる相対温度が高くなる。その結果、より高い相対温度は、反応条件をよりストリンジェンシーにするが、低い温度はストリンジェンシーを低下させる。更に、ストリンジェンシーは塩濃度に逆比例する。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーの更なる詳細及び説明は、Ausubel等, Current protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience Publishers, (1995)を参照のこと。

0044

ここで定義される「ストリンジェンシー条件」又は「高度のストリンジェンシー条件」は、(1)洗浄のために低イオン強度及び高温度を用いるもの、例えば、50℃において0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを用いるもの;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤を用いるもの、例えば、42℃において50%(v/v)ホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファーに750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムを添加したもの;又は(3)42℃において50%ホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5×デンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%のデキストラン硫酸を用い、42℃において0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中で、55℃において50%ホルムアミド中で洗浄した後、55℃においてEDTAを含む0.1×SSCからなる高ストリンジェンシー洗浄を用いるものによって同定できる。

0045

「中程度のストリンジェンシー条件」は、Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, New York: Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されているように特定され、上記のものよりストリンジェンシーが低い洗浄液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度のストリンジェンシー条件は、20%ホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハード液、10%デキストラン硫酸、及び20mg/mLの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中の37℃での終夜インキュベーション後に、37〜50℃にて1×SSC中でフィルター洗浄を行うという条件である。プローブ長などの因子に必要に応じて適合させるには、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかは当業者であれば分かるであろう。

0046

エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」に融合した対象のポリペプチド(ある非限定的な例として、TIGITポリペプチド)を含んでなるキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープ、又は幾つかの他の試薬によって同定できるエピトープを提供するに十分な数の残基を有しているが、その長さは融合するポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。
ここで用いられる「イムノアドヘシン」なる用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインとを結合した抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を持ち、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(即ち「異種の」)アミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含む。イムノアドヘシン分子のアドシン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリガンドの結合部位を含む隣接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG-1、IgG-2、IgG-3又はIgG-4サブタイプIgA(IgA-1及びIgA-2を含む)、IgEIgD又はIgMなどの任意の免疫グロブリンから得ることができる。

0047

ここでの目的に対する「活性な」又は「活性」とは、そのポリペプチドの天然又は天然に生じる形態の生物学的及び/又は免疫学的活性(先の例では、TIGIT活性)を保持するポリペプチド(非限定的な例として、TIGITポリペプチド)の形態を意味し、ここで、「生物学的」活性とは、天然又は天然に生じるポリペプチドが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生産を誘発する能力以外の、天然又は天然に生じるポリペプチドによって引き起こされる生物機能(阻害又は刺激)を意味し、「免疫」活性とは、天然又は天然に生じるポリペプチドが保持する抗原性エピトープ(先の例では、TIGIT抗原性エピトープ)に対する抗体の生産を誘発する能力を意味する。

0048

「アプタマー」なる用語は、ポリペプチドなどの標的分子に結合することができる核酸分子を指す。例えば、本発明のアプタマーは、TIGITポリペプチド、又はTIGITの発現を調節するシグナル経路内の分子に特異的に結合することができる。アプタマーの生成および治療的使用は当分野において十分に確立されている。例として、加齢性黄斑変性症の治療については、米国特許第5475096号及びMacugen(登録商標)(Eyetech, New York)の治療効率を参照のこと。
「アンタゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然ポリペプチド生物学的活性を阻止、阻害、又は中和する任意の分子を指す。同様に「アゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然ポリペプチドの生物学的活性を模倣する任意の分子を指す。好適なアゴニスト又はアンタゴニスト分子は特に、アゴニスト又はアンタゴニスト抗体又は抗体断片、天然ポリペプチドの断片又はアミノ酸配列変異体、ペプチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド有機小分子、などを含む。ポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストの同定方法は、ポリペプチドを候補アンタゴニスト又はアゴニストと接触させ、ポリペプチドに正常に関連している一又は複数の生物学的活性の変化を測定することを含んでもよい。

0049

「TIGITアンタゴニスト」及び「TIGIT活性又はTIGIT発現のアンタゴニスト」なる用語は、交換可能に用いられ、TIGITコード核酸の転写ないし翻訳を低減するか又はTIGITポリペプチド活性を阻害するかないしはブロックする、又はその両方によって、TIGITの正常な機能を干渉する化合物を指す。TIGITアンタゴニストの例には、限定するものではないが、アンチセンスポリヌクレオチド、干渉RNA、触媒RNA、RNA−DNAキメラ、TIGIT特異的アプタマー、抗TIGIT抗体、抗TIGIT抗体のTIGIT結合断片、TIGIT結合小分子、TIGIT結合ペプチド、及びTIGIT(限定するものではないが、場合によって一又は複数の他のドメインと融合した、一又は複数のTIGITリガンドのTIGIT結合断片を含む)を特異的に結合し、TIGITアンタゴニストとTIGITとの相互作用によりTIGITの活性又は発現の低減又は停止を生じさせる他のポリペプチドが含まれる。場合によって、TIGITアンタゴニストが他のTIGIT活性に作用することなく1つのTIGIT活性を中和しうることは、当分野の技術者に理解されている。例えば、本明細書中のある方法に使用するための望ましいTIGITアンタゴニストは、例えば他のいずれかのTIGIT相互作用に影響しないか又は最小限の影響で、PVR相互作用、PVRL3相互作用又はPVRL2相互作用のうちの一つに応答してTIGIT活性を中和するTIGITアンタゴニストである。

0050

「PVRアンタゴニスト」及び「PVR活性又はPVR発現のアンタゴニスト」なる用語は、交換可能に用いられ、PVRコード核酸の転写ないし翻訳を低減するか又はPVRポリペプチド活性を阻害するかないしはブロックする、又はその両方によって、PVRの正常な機能を干渉する化合物を指す。PVRアンタゴニストの例には、限定するものではないが、アンチセンスポリヌクレオチド、干渉RNA、触媒RNA、RNA−DNAキメラ、PVR特異的アプタマー、抗PVR抗体、抗PVR抗体のPVR結合断片、PVR結合小分子、PVR結合ペプチド、及びPVR(限定するものではないが、場合によって一又は複数の他のドメインと融合した、一又は複数のPVRリガンドのPVR結合断片を含む)を特異的に結合し、PVRアンタゴニストとPVRとの相互作用によりPVRの活性又は発現の低減又は停止を生じさせる他のポリペプチドが含まれる。場合によって、PVRアンタゴニストが他のPVR活性に作用することなく1つのPVR活性を中和しうることは、当分野の技術者に理解されている。例えば、本明細書中のある方法に使用するための望ましいPVRアンタゴニストは、PVR−CD96及び/又はPVR−CD226の相互作用に影響することなく、TIGIT相互作用に応答してPVR活性を中和するPVRアンタゴニストである。

0051

「TIGITアゴニスト」及び「TIGIT活性又はTIGIT発現のアゴニスト」なる用語は、交換可能に用いられ、TIGITコード核酸の転写ないし翻訳を増加させることにより、及び/又はTIGIT発現又はTIGIT活性を阻害する分子の活性を妨げるかないしはブロックすることにより、及び/又は正常なTIGIT活性を亢進させる(限定するものではないが、TIGITの安定性を亢進させる又は一又は複数の標的リガンドへのTIGITの結合を亢進させることを含む)ことによって、TIGITの正常な機能を亢進させる又は刺激する化合物を指す。例えば、TIGITアゴニストは、抗体、抗原結合断片、アプタマー、干渉RNA、小分子、ペプチド、アンチセンス分子、及び他の結合ポリペプチドから選択されてよい。他の例では、TIGITアゴニストは、アプタマー、干渉RNA、又はTIGIT阻害性分子の転写および/または翻訳に干渉するアンチセンス分子から選択されるポリヌクレオチドであってよい。場合によって、TIGITアゴニストが他のTIGIT活性に影響することなく1つのTIGIT活性をアゴナイズしうることは、当分野の技術者に理解されている。例えば、本明細書中のある方法に使用するための望ましいTIGITアゴニストは、例えば他のいずれかのTIGIT相互作用に影響しないか又は最小限の影響で、PVR相互作用、PVRL3相互作用又はPVRL2相互作用のうちの一つに応答してTIGIT活性をアゴナイズするTIGITアゴニストである。

0052

「PVRアゴニスト」及び「PVR活性又はPVR発現のアゴニスト」なる用語は、交換可能に用いられ、PVRコード核酸の転写ないし翻訳を増加させることにより、及び/又はPVR発現又はPVR活性を阻害する分子の活性を妨げるかないしはブロックすることにより、及び/又は正常なPVR活性を亢進させる(限定するものではないが、PVRの安定性を亢進させる又は一又は複数の標的リガンドへのPVRの結合を亢進させることを含む)ことによって、PVRの正常な機能を亢進させる又は刺激する化合物を指す。例えば、PVRアゴニストは、抗体、抗原結合断片、アプタマー、干渉RNA、小分子、ペプチド、アンチセンス分子、及び他の結合ポリペプチドから選択されてよい。他の例では、PVRアゴニストは、アプタマー、干渉RNA、又はPVR阻害性分子の転写および/または翻訳に干渉するアンチセンス分子から選択されるポリヌクレオチドであってよい。場合によって、PVRアゴニストが他のPVR活性に影響することなく1つのPVR活性をアゴナイズしうることは、当分野の技術者に理解されている。例えば、本明細書中のある方法に使用するための望ましいPVRアゴニストは、例えばPVR−CD96ないしはPVR−CD226の結合相互作用に影響しないか又は最小限の影響で、TIGIT相互作用に応答してPVR活性をアゴナイズするか又はPVRに干渉する際にTIGITを模倣するPVRアゴニストである。

0053

「治療」とは、治癒的処置、予防的療法及び防止的療法の両方を意味し、患者は標的とする病理学的状態又は疾患を防止又は低下(減少)させられる。治療が必要なものとは、既に疾患に罹っているもの、並びに疾患に罹りやすいもの又は疾患が予防されるべきものを含む。
慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式での薬剤を投与し、初期の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理である。
治療の対象のための「哺乳動物」は、ヒト、家庭及び農業用動物動物園スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコウシウマヒツジブタウサギなどを含む哺乳類に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
一又は複数の治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。

0054

ここで用いられる「担体」は、製薬的許容されうる担体、賦形剤、又は安定化剤を含み、用いられる用量及び濃度でそれらに暴露される細胞又は哺乳動物に対して非毒性である。生理学的に許容されうる担体は、水性pH緩衝溶液であることが多い。生理学的に許容されうる担体の例は、リン酸塩クエン酸塩、及び他の有機酸塩のバッファー;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミンゼラチン、又は免疫グロブリン;疎水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギンアルギニン又はリシングルコースマンノース又はデキストランを含む単糖類二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤マンニトール又は祖ルビトール等の糖アルコールナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商品名)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商品名)を含む。

0055

「抗体断片」は、原型の抗体の一部、好ましくは原型の抗体の抗原結合又は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);直鎖状抗体(Zapata等, Protein Eng. 8(10):1057-1062 [1995]);一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる二つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab’)2断片を生じ、それは二つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。この配置において各ドメインの三つのCDRが相互作用してVH−VLに量体の表面に抗原結合部位を決定する。正しくは、6つのCDRが抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な三つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。

0056

またFab断片は、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)も含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域からの一つ又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab’断片と相違する。ここで、Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基遊離チオール基を持つFab’を表す。F(ab’)2抗体断片は、最初はFab’断片の対として生成され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる二つの明らかに異なる型の一方に分類される。

0057

それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは異なるクラスに分類できる。免疫グロブリンの五つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、それらの幾つかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2に分類される。
「一本鎖Fv」又は「sFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含む抗体断片を含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、sFvが抗原結合とって望ましい構造の形成を可能にする、VH及びVLドメイン間のポリペプチドリンカーを更に含む。sFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)のPluckthunを参照のこと。

0058

「ダイアボディ(diabodies)」という用語は、二つの抗原結合部位を持つ小型の抗体断片を指し、その断片は同じポリペプチド鎖(VH-VL)内で軽鎖可変ドメイン(VL)に結合した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖の二つのドメイン間に対形成するには短すぎるリンカーを用いることにより、ドメインは強制的に他の鎖の相補的ドメインと対形成して二つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、EP404,097;WO93/11161;及びHollinger等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)に、より十分に記載されている。

0059

「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され分離及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、その抗体の診断又は治療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。ある実施態様において、抗体は、(1)ローリー法で測定した場合95%を越える抗体、最も好ましくは99重量%を越えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端或いは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、或いは、(3)限定するものではないがクーマシーブルー或いは銀染色といった色素又は染色を用いた非還元或いは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される。単離された抗体には、抗体の自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも一つの精製工程により調製される。
「特異的に結合する」抗体、又は特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ特異的な抗体とは、他のポリペプチド又はポリペプチドエピトープとは実質的に結合せずに、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープへ結合するものである。

0060

本明細書中で使用される「高頻度可変領域」、「HVR」又は「HV」なる用語は、配列が高頻度に変化する、及び/又は構造的に定まったループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体は6つのHVR、つまり、VHに3つ(H1、H2、H3)、及びVLに3つ(L1、L2、L3)を含む。天然の抗体では、H3及びL3は6つのHVRのうちで最も高い多様性を示す、特にH3は抗体に良好な特異性を与える際に特有の役割を果たすように思われる。例として、Xu等 (2000) Immunity 13:37-45;Methodsin Molecular Biology 248:1-25 (Lo, ed., Human Press, Totowa, NJ)のJohnson and Wu (2003)を参照。実際、重鎖のみからなる天然に生じるラクダ科の抗体は機能的であり、軽鎖が無い状態で安定である。Hamers-Casterman等 (1993) Nature 363:446-448;Sheriff等 (1996) Nature Struct. Biol. 3:733-736。
多数のHVRの描写が使用され、ここに含まれる。カバット相補性決定領域(CDR)は配列変化に基づいており、最も一般的に使用されている(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))。Chothiaは、代わりに構造的ループの位置に言及している(Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。AbM HVRは、カバットHVRとChothia構造的ループとの間の妥協を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアにより使用される。「接触」HVRは、利用できる複合体結晶構造の分析に基づく。これらHVRのそれぞれからの残基を以下に示す。
ループ カバット AbM Chothia 接触
L1 L24-L34 L24-L34 L26-L32 L30-L36
L2 L50-L56 L50-L56 L50-L52 L46-L55
L3 L89-L97 L89-L97 L91-L96 L89-L96
H1 H31-H35B H26-H35B H26-H32 H30-H35B (カバット番号付け)
H1 H31-H35 H26-H35 H26-H32 H30-H35 (Chothia番号付け)
H2 H50-H65 H50-H58 H53-H55 H47-H58
H3 H95-H102 H95-H102 H96-H101 H93-H101

0061

HVRは、次のような「伸展したHVR」を含んでもよい、即ち、VLの24−36又は24−34(L1)、46−56又は50−56(L2)及び89−97又は89−96(L3)と、VHの26−35(H1)、50−65又は49−65(H2)及び93−102、94−102、又は95−102(H3)である。可変ドメイン残基には、これら各々を規定するために、上掲のKabat等に従って番号を付した。
フレームワーク」又は「FR」残基は、ここで定義されるHVR以外の可変ドメイン残基である。

0062

「カバット(Kabat)による可変ドメイン残基番号付け」又は「カバットに記載のアミノ酸位番号付け」なる用語及びその異なる言い回しは、上掲のKabat et al.の抗体の編集の軽鎖可変ドメイン又は重鎖可変ドメインに用いられる番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを用いると、実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのFR又はHVR内の短縮又は挿入に相当する2、3のアミノ酸又は付加的なアミノ酸を含みうる。例えば、重鎖可変ドメインには、重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えばカバットによる残基82a、82b及び82cなど)と、H2の残基52の後に単一アミノ酸の挿入(Kabatによる残基52a)を含んでもよい。残基のKabat番号は、「標準の」カバット番号付け配列によって抗体の配列の相同領域アライメントすることによって与えられる抗体について決定してもよい。
カバット番号付けシステムは一般に、可変ドメイン内の残基を指す場合に用いられる(軽鎖のおよそ残基1−107及び重鎖の残基1−113)(例えばKabat et al., Sequences of Immunological Interest. 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991))。「EU番号付けシステム」又は「EUインデックス」は一般に、イムノグロブリン重鎖定常領域を指す場合に用いられる(例えば上掲のKabat et al.において報告されたEUインデックス)。「カバットにおけるEUインデックス」はヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。本明細書中で特に明記しない限り、抗体の可変ドメイン内の残基番号の参照は、カバット番号付けシステムによって番号付けする残基を意味する。本明細書中で特に明記しない限り、抗体の定常ドメイン内の残基番号の参照は、EU番号付けシステムによって番号付けする残基を意味する(例えば、米国特許仮出願第60/640323号のEU番号付けに関する図を参照のこと)。

0063

「親和性成熟した」抗体は、その一又は複数のHVRに一又は複数の変更を有する抗体であって、そのような変更を有しない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性を向上させる。一実施態様では、親和性成熟した抗体は、標的抗原に対して、ナノモル単位の、さらにはピコモル単位の親和性を有する。親和成熟抗体は、当技術分野において既知のある方法により生産されうる。例えば、Marks等は、Bio/Technology, 10:779-783(1992年)において、VHドメインとVLドメインのシャフリングによる親和成熟を開示している。HVR及び/又はフレームワーク残基のランダム突然変異誘発が、例としてBarbas et al. Proc Nat. Acad. Sci, USA 91:3809-3813 (1994);Schier et al. Gene 169:147-155 (1995);Yelton et al. J. Immunol. 155:1994-2004 (1995);Jackson et al., J. Immunol. 154(7): 3310-9 (1995);及びHawkins et al, J. Mol. Biol. 226:889-896 (1992)に開示されている。

0064

「遮断(ブロッキング)」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害するか又は低減するものである。ある遮断抗体又はアンタゴニスト抗体は、実質的又は完全に、抗原の生物学的活性を阻害する。本明細書中で用いる「アゴニスト抗体」は、対象のポリペプチドの機能的な活性の少なくとも一を部分的ないし完全に模倣する抗体である。
「標識」なる語は、ここで用いられる場合、「標識」抗体が生成されるように、抗体に直接又は間接的に抱合している検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は、それ自身検出可能でもよく(例えば、放射性標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物の化学変換を触媒してもよい。

0065

固相」とは、本発明の抗体がそれに付着することのできる非水性マトリクスを意味する。ここに意図する固相の例は、部分的又は全体的に、ガラス(例えば、孔制御ガラス)、多糖類(例えばアガロース)、ポリアクリルアミドポリスチレンポリビニルアルコール及びシリコーンから形成されたものを含むがこれらには限定されない。或る種の実施態様では、内容に応じて、固相はアッセイプレートのウェルを構成することができ;その他では精製カラム(例えばアフィニティークロマトグラフィーカラム)とすることもできる。また、この用語は、米国特許第4275149号に記載されたような、別個粒子の不連続な固相も包含する。
リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小型の小胞であり、哺乳動物への薬物(本明細書中に記載のポリペプチド又はその抗体など)の輸送に有用である。リポソームの成分は、通常は生体膜の脂質配列に類似する二層形式に配列させる。
「小分子」とは、ここで、約500ダルトン未満の分子量を持つと定義される。

0066

「免疫関連疾患」という用語は、哺乳動物の免疫系の構成成分が哺乳動物の病的状態を引き起こし、媒介し、或いは寄与する疾患を意味する。また、免疫反応の刺激又は処置が、疾患の進行に対して改善的な効果を有するような疾患をも含む。この用語には、免疫媒介炎症性疾患、非免疫媒介炎症性疾患、感染性疾患免疫不全性疾患腫瘍形成等が含まれる。
「T細胞媒介疾患」という用語は、T細胞が哺乳動物の病的状態を直接、又は間接に媒介する、或いは寄与する免疫関連疾患を意味する。T細胞媒介疾患は、細胞媒介効果、リンホカイン媒介効果等、そして例えば、T細胞によって分泌されたリンホカインによってB細胞が刺激された場合に、B細胞と関連している効果にさえも関連している。

0067

免疫関連疾患及び炎症性疾患は、免疫又はT細胞媒介性のものを含み、本発明により治療可能である。それらの疾患には、全身性エリテマトーデスリウマチ様関節炎若年性慢性関節炎脊椎関節症全身性硬化症強皮症)、特発性炎症性筋疾患皮膚筋炎多発性筋炎)、シェーグレン症候群全身性血管炎サルコイドーシス自己免疫性溶血性貧血免疫性汎血球減少症発作性夜間血色素尿)、自己免疫性血小板減少症(特発的血小板減少性紫斑病、免疫媒介血小板減少症)、甲状腺炎グレーブ疾患、ハシモト甲状腺炎、若年性リンパ性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎)、真性糖尿病、免疫性腎臓疾患糸状体腎炎尿細管間質性腎炎)、中枢及び末梢神経系の脱髄性疾患、例えば多発性硬化症、特発性脱髄性多発神経障害、又はギランバレー症候群、及び慢性炎症脱髄性多発神経障害、肝胆道疾患、例えば感染性肝炎(A、B、C、D、E型肝炎及びその他の非肝性ウイルス)、自己免疫慢性活性肝炎原発性胆汁性肝硬変肉芽腫性肝炎、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患(IBD)(潰瘍性大腸炎クローン病)、グルテン感受性腸疾患、フィップル疾患、自己免疫性又は免疫媒介性皮膚疾患水泡性皮膚疾患、多形滲出性紅斑接触皮膚炎、乾癬、アレルギー性疾患、喘息、アレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎食物過敏症蕁麻疹免疫学的疾患好酸球肺炎特発性肺線維症高感受性間質性肺炎移植片拒絶及び移植片対宿主病を含む移植関連疾患が含まれる。AIDS(HIV感染)、A、B、C、D、及びE型肝炎等、細菌感染症真菌感染症原生動物感染症、及び寄生虫感染症といったウイルス性疾患を含む感染性疾患もまた免疫及び/又は炎症性の成分及び/又は病因でありうる。

0068

いくつかの皮膚疾患は、異常な免疫応答及び自己免疫状態に関連する。乾癬のような疾患は、皮膚水疱形成、皮膚白点形成、浮腫および皮膚タンパク質に結合する自己抗体の存在といった特徴がある。本出願では、実験によりTIGIT発現が正常皮膚に対して乾癬皮膚では上方制御されることを決定する。TIGITの発現および/または活性の調節は、乾癬の症状又は根本的な原因を治療する際に有用となりうる。

0069

炎症性腸疾患(「IBD」)という用語は、腸管(腸)に炎症を起こし、時に反復性腹痛又は下痢を起こす原因不明慢性炎症性障害一群を意味する。米国におけるIBDの罹患率は、人口10万人あたり約200人と推定されている。IBD患者は、潰瘍性大腸炎(「UC」)を伴うグループ、及びクローン病(「CD」)を伴うグループの、2つの主要グループに分けられる。
UC患者には、主に結腸粘膜の炎症性反応が見られる。通常炎症は均一且つ連続的で、部分的にしろ途中に正常粘膜は見られない。陰窩上皮および粘膜下、並びに表面の粘膜細胞に、好中球浸潤による炎症反応が起こっている。通常最終的にこのような状況は上皮の損傷へと進行し、上皮細胞が失われてその結果複数の潰瘍形成繊維症異形成、及び縦方向大腸退縮が起こる。
CDは、炎症が腸壁の全ての層に亘る点でUCとは異なり、またリンパ節だけでなく腸管壁にも炎症が起こる。CDは、口から肛門までに亘る、消化管のいずれの部分にも起こり得る。この疾病不連続性であることが多く、つまり腸の重症部分と明らかに疾病を有さない領域とが分離している。CDではまた、腸壁が厚くなり、閉塞に繋がることがあり得る。加えて、瘻孔及び亀裂が珍しくない。

0070

臨床的に、IBDは、慢性の予測不能な経過に繋がることが多い多様な症状を特徴とする。観血的な下痢、及び腹痛は、多くの場合発熱と体重減少を伴う。重度疲労感と同様に貧血も多い。関節痛から急性関節炎に亘る関節症状や、肝機能の異常も一般にIBDと関連しているとされる。また、IBD患者が大腸癌にかかる危険は平均より大きい。IBDの急性の「発作」が起こっている間は、仕事やその他の日常活動は通常不可能であり、患者が入院することも多い。
IBDの原因は依然として不明であるが、遺伝、感染、及び免疫的感受性等の複数の要因が関係していると思われている。IBDは白人に多く、特にユダヤ系の白人に多い。症状が慢性的炎症性の性質であることにより、感染的原因の可能性に対する熱心な調査が急ぎ行われた。急性炎症を刺激する薬剤が見つかったものの、IBDに関連して慢性的炎症の原因となるものは見つかっていない。IBDが自己免疫性疾患であるという仮説は、関節炎など前述したようにIBDが腸以外に症状を有すること、並びに、免疫反応を抑制することが知られている副腎性グルココルチコイドシクロスポリン及びアザチオプリン等の治療薬によりIBDにポジティブな反応が見られることが既知であることにより支持されている。加えて、胃腸管は、身体の他のどの器官よりも、連続的に食物由来のタンパク質、細菌性副産物(LPS)等の抗原性物質の可能性に曝されている。

0071

さらに、重度の潰瘍性大腸炎を持つ患者では、特に疾病が複数年に亘る場合、大腸癌の危険が大きく上昇する。大量出血、慢性的衰弱性の病気、大腸の穿孔、又は癌の危険のため、約20〜25%のIBD患者に最終的に大腸切除手術が必要になる。他の形態の医学的処置が失敗した場合、或いは、ステロイド副作用や他の薬物適用により患者の健康が脅かされる場合にも手術が行われる場合がある。手術は侵襲性であり、劇的に人生を変えるので、あまり望ましい治療方式ではなく、通常は最後の処置である。この疾病に対する理解を深め、治療を可能にするための実験を行い、正常組織と比較した場合にCDとUCの両方においてTIGITが上方制御されることが確認された。TIGITの発現及び/又は活性の調整は一又は複数のIBDの形態の治療に有用であろう。

0072

リウマチ様関節炎(RA)は、主に複数の関節の滑膜に関連する慢性全身性自己免疫炎症疾患であり、結果として関節軟骨に傷害が生じる。病原はTリンパ球依存性であり、リウマチ因子、自己IgGに対する自己抗体の生成に付随し、結果として滑液及び血液において高レベルに達する免疫複合体を生成する。関節中のこれらの複合体は、滑膜中へのリンパ球及び単球の顕著な浸潤と、続いての顕著な滑膜変化を誘発し;多数の好中球の添加により同様の細胞で浸潤されるならば、関節空間/液でもしかりである。罹患組織は、多くの場合対称的なパターンで、主に関節である。しかしながら、2つの主な形態の関節外疾患もまた生じる。一形態は進行中の進行性関節疾患及び肺線維症の典型的病巣、血管炎、及び皮膚潰瘍を伴う関節外障害の発生である。関節外疾患の第2の形態はいわゆるフェルティー症候群であり、これは、RA疾患過程末期、時には関節疾患が鎮静した後に生じ、好中球減少血小板減少及び肥大の存在に関与する。これには、梗塞、皮膚潰瘍及び壊疽の形成を伴う複数の器官において血管炎が付随する。多くの場合、患者には、発病している関節上にある皮下組織リウマチ様小結節発達し;その小結節は、末期には混合炎症細胞浸潤に包囲された壊死性中心を有する。RAにおいて生じる可能性のある他の徴候には:心外膜炎胸膜炎冠動脈炎、肺線維症を伴う間質性肺炎、乾性角結膜炎、及びリウマチ様小結節が含まれる。

0073

若年性慢性関節炎は、多くの場合16未満で発症する慢性特発性炎症疾患である。その表現型はRAといくつかの類似点があり;リウマチ因子が陽性である患者の中には若年性リウマチ様関節炎に分類されるものもいる。この疾患は3つの主要なカテゴリー:小関節(pauarticular)、多関節及び全身性に細分類される。関節炎は重度で典型的には破壊的であり、関節強直症及び遅延成長に至る。他の徴候には慢性前部ブドウ膜炎及び全身性アミロイド症が含まれる。

0074

「有効量」とは、特に定まった目的を達成することを引き起こすポリペプチド及び/又はアゴニスト/アンタゴニストの濃度又は量である。ポリペプチド又はアゴニスト又はアンタゴニストの「有効量」は経験的に決定されうる。更には、「治療的有効量」とは、定まった治療的有効量を達成するために効果的なポリペプチド及び/又はアゴニスト/アンタゴニストの濃度又は量である。また、この量は経験的に決定されうる。
ここで用いられる「細胞傷害性剤」は、細胞の機能を阻害又は抑制し、及び/又は細胞破壊を起こす物質を意味する。この用語は、放射性同位元素(例えば、I131、I125、Y90及びRe186)、化学治療薬、及び細菌、真菌、植物又は動物由来酵素活性毒素又はその断片を意味する。

0075

化学療法剤」は、癌の治療に有用な化合物である。化学療法剤の例には、アドリアマイシンドキソルビシンエピルビシン5-フルオロウラシルシトシンアラビノシド(「Ara-C」)、シクロホスファミドチオテパブスルファンタキソイド類、例えばパクリタキセル(タキソール, Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, NJ)及びドセタキセル(docetaxel)(タキソテール(Taxotere), Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France)、トキソテール、メトトレキセートシスプラチンメルファランビンブラスチンブレオマイシンエトポシドイホスファミドマイトマイシンCミトキサントロンビンクリスチンビノレルビン(vinorelbine)、カルボプラチン、テニポシド(teniposide)、ダウノマイシンカルミノマイシン(carminomycin)、アミノプテリンダクチノマイシンマイトマイシンエスペラミシン(esperamicins)(米国特許第4675187号参照)、メルファラン、及び他の関連したナイトロジェンマスタードが含まれる。またこの定義には、腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように働くホルモン剤、例えばタモキシフェン及びオナプリストーン(onapristone)も含まれる。

0076

ここで使用される場合の「増殖阻害剤」とは、インビトロ又はインビボのいずれかにおいて、特にここで同定された任意の遺伝子を過剰発現する細胞の増殖を阻害する化合物又は組成物を指すものである。よって、増殖阻害剤とは、S期におけるそのような遺伝子の過剰発現細胞のパーセンテージを有意に低減させるものである。増殖阻害剤の例には、細胞分裂周期の進行をブロックする薬剤(S期以外の場所において)、例えばG1停止及びM期停止を誘発する薬剤が含まれる。伝統的なM期ブロッカーには、ビンカ(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、タキソール、及びトポIIインヒビター、例えばドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンが含まれる。G1を停止させるこれらの薬剤、例えばDNAアルキル化剤、例えばタモキシフェン、プレドニソン、ダカーバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル、及びara-CがS期停止へ波及する。更なる情報は、例えば、Murakamiらにより「細胞分裂周期の調節、オンコジーン、及び抗新生物薬(Cell cycle regulation, oncogene, and antineoplastic drugs)」と題された、癌の分子的基礎(The Molecular Basis of Cancer)、Mendelsohn及びIsrael編、第1章(WB Saunders;Philadelphia, 1995)、特に13頁に見出すことができる。

0077

「サイトカイン」という用語は、一つの細胞集団から放出されるタンパク質であって、他の細胞に対して細胞間メディエータとして作用するものの包括的な用語である。このようなサイトカインのある例としては、リンフォカインモノカイン、及び伝統的なポリペプチドホルモンを挙げることができる。サイトカインには、例えば、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモン、及びウシ成長ホルモン副甲状腺ホルモンチロキシンインスリンプロインスリンリラクシン;プロリラクシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)のような糖タンパク質ホルモン副甲状腺刺激ホルモン(TSH)、及び黄体形成ホルモン(LH);肝臓成長因子繊維芽細胞成長因子プロラクチン胎盤ラクトゲン腫瘍壊死因子-α及び-β;ミュラー阻害物質;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチドインヒビンアクチビン血管内皮成長因子インテグリントロンボポエチン(TPO);NGF−β等の神経成長因子血小板成長因子;TGF-αあるいはTGF-βのような形質転換成長因子(TGF);インスリン様成長因子-I及び-II;エリスロポイエチン(EPO);オステオインダクティブ因子;インターフェロン-α、-β、及び-γのようなインターフェロン;マクロファージCSF(M-CSF)のようなコロニー刺激因子(CSF);顆粒球マクロファージCSF(GM−CSF)及び顆粒球CSF(G-CSF);IL-1、IL-1a、IL-2、IL-3、 IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、 IL-8、IL-9、IL-11、IL-12、又はIL-17等のインターロイキン(IL);腫瘍壊死因子、例えばTNF-α又はTNF-β;及びLIF及びキットリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が含まれる。ここで使用される場合、サイトカインなる用語は天然源由来あるいは組換え細胞培養由来のタンパク質及び天然配列サイトカインの生物的に活性な等価物を含む。

0078

ここで用いられる「イムノアドヘシン」なる用語は、異種タンパク質(「アドヘシン」)の結合特異性と免疫グロブリン定常ドメインとを結合した抗体様分子を指す。構造的には、イムノアドヘシンは、所望の結合特異性を持ち、抗体の抗原認識及び結合部位以外である(即ち「異種の」)アミノ酸配列と、免疫グロブリン定常ドメイン配列との融合物を含む。イムノアドヘシン分子のアドへシン部分は、典型的には少なくともレセプター又はリガンドの結合部位を含む隣接アミノ酸配列である。イムノアドヘシンの免疫グロブリン定常ドメイン配列は、IgG-1、IgG-2、IgG-3又はIgG-4サブタイプ、IgA(IgA-1及びIgA-2を含む)、IgE、IgD又はIgMなどの任意の免疫グロブリンから得ることができる。
ここで用いられる「炎症性細胞」という用語は、単核細胞、好酸球、マクロファージ、及び多形核球好中球(PMN)等の炎症性反応を増強する細胞を意味する。

0079

II.本発明の組成物及び方法
TIGITは免疫機能の予測されるモジュレーターとして同定された(例として、出典明記によって本明細書中に援用される米国公開特許US20040121370を参照のこと)。本明細書において、出願人は、TIGITが、ポリオウイルスレセプター(PVR、NECL5又はCD155としても知られる)、PVR様タンパク質1−4(PVRL1−4)、CD96およびCD226を含む、「TIGIT様タンパク質」(TLP)ファミリと称する免疫関連タンパク質の新規に記載されたファミリーのメンバーであることを示す。出願人は、メンバーが免疫の調節及び機能に役割を有するこの新規なTLPファミリの保存された構造的成分を示し、更なるファミリメンバーを同定するための方法を提供する。PVRL1−4およびPVRは共通のドメインアーキテクチャ(IgV−IgC−IgV)を共有するのに対して、CD226およびCD96は膜近位のIgVドメインを欠いている。これら8つのタンパク質の細胞内セグメントは、PVRL1−3間で共有されるafadin結合モチーフの外で、互いに限られた類似性を示し、PVRL4はこの配列を欠いているが、afadinを結合することが知られている。NECL-1の関連するIgVドメインの結晶構造に基づいて(Dong, X. et al., J Biol Chem 281, 10610-7 (2006))、第一及び第3のモチーフは、それぞれBとCの間およびFとGβ-鎖の間のヘアピンループにあることが予測される。これら2つのループは、IgVホールドの一端で互いに隣接している。第二のモチーフは、NECL−1のためのホモ二量体界面の一部を形成するのに関与するC'とC''β鎖を含む。ゆえに、これら配列のモチーフは、PVRファミリメンバー間で観察される特定のホモおよびヘテロ型の相互作用において機能しうる。

0080

TLPファミリは、アラニン67、グリシン74、プロリン114およびグリシン116を含む多くの完全に保存されたアミノ酸を含む。さらに、TLPファミリは、位置54にバリン、イソロイシンおよびロイシンから選択されるアミノ酸、位置55にセリンおよびスレオニンから選択されるアミノ酸、位置56にグルタミン、位置112にスレオニン、および位置113にフェニルアラニンおよびチロシンから選択されるアミノ酸を含む、実質的に保存されている(例えばファミリメンバーの多くに見られるが、すべてのファミリメンバーに見られるわけではない)いくつかのアミノ酸を含む。また、TLPファミリのメンバーは、3つの構造的サブモチーフ:バリン/イソロイシン54−セリン/スレオニン55−グルタミン56;アラニン67−X68−73−グリシン74(Xは任意のアミノ酸である);及び、スレオニン112−フェニルアラニン/チロシン113−プロリン114−X115−グリシン116(Xは任意のアミノ酸である)を含む。上で使用する番号付けはヒトTIGITタンパク質配列に関するものであり、これらの保存された残基の相対的な位置やTLPタンパク質ファミリの異なるメンバーにあるモチーフがヒトTIGIT配列のこれらアミノ酸の位置と同一であるが、他のTLPファミリのこれら残基の絶対的な番号付けは異なりうることは、当分野の技術者は理解している。

0081

免疫の調節および機能に同定されたTLPファミリメンバーが関与しているので、このタンパク質ファミリの他のメンバーも免疫の調節及び機能に関与しているようである。したがって、本発明は、ポリペプチドの配列を、一又は複数の先に同定したファミリメンバーの配列に整列配置することと、先に同定した完全に保存された残基、先に同定された実質的に保存された残基及び/又は先に同定された構造上のサブモチーフの、あるタンパク質配列における有無を評価することによる、あるポリペプチドがTLPファミリのメンバーであるか否かを決定する方法を提供する。また、本発明は、アミノ酸配列に先に同定した完全に保存された残基、先に同定された実質的に保存された残基及び/又は先に同定された構造上のサブモチーフが含まれているタンパク質について、一又は複数の配列データベースを検索することによる、TLPタンパク質ファミリの他のメンバーの同定方法を提供する。

0082

また、本明細書において出願人によるTLPファミリの同定は、TLPファミリの共通の構造的特徴によりTLPファミリの2以上のメンバーは同じように調節されうるという可能性を示唆する。例えば、各々のTLPファミリメンバーで保存された及び実質的に保存されたアミノ酸残基とサブモチーフが各タンパク質の一又は複数のドメインでこれらファミリメンバーに類似の三次元構造を生じさせている場合、これら類似の三次元構造は、同時に、2以上のTLPファミリメンバー又はすべてのTLPファミリメンバーを同時に調節するために標的とされうる。したがって、本発明はまた、TLPファミリメンバーのこのような保存された又は実質的に保存された領域と特異的に相互作用する薬剤(「TLP相作用剤」)を提供する。このような薬剤を用いて、候補タンパク質がTLP相互作用剤と相互作用するか否かを評価することによってTLPファミリの一又は複数の更なるメンバーを同定してよい。候補タンパク質のTLP相互作用剤との相互作用は、タンパク質がTLPファミリメンバーでありうることを示す。TLP相互作用剤はTLP活性を調整しうる。例えば、TLP相互作用剤は、限定するものではないが、小分子阻害因子、阻害性抗体ないしその抗原結合断片、アプタマーおよび阻害性ペプチドを含む、TLP活性のアンタゴニストであってよい。他の例では、TLP相互作用剤は、限定するものではないが、アゴナイズ抗体ないしその抗原結合断片、アゴナイズペプチド、及びTLPタンパク質の構造を安定化してTLPタンパク質活性を容易にさせる小分子を含む、TLP活性のアゴニストであってよい。TLP相互作用剤は、当分野で公知の様々な方法、例えば本明細書において記述されるスクリーニング法を用いて同定されうる。

0083

出願人は、TIGITが主に様々な活性化されたT細胞、特に扁桃腺組織から単離した調節T細胞(Treg)、メモリーT細胞、NK細胞および濾胞性B細胞ヘルパーT細胞(Tfh)に発現することをmRNAおよびFACS分析によって示す。ゆえに、本発明は、細胞がTIGITを発現するか否かに基づく、選択された細胞がTreg、メモリーT細胞、NK細胞又はTFh細胞であるか否かを識別する方法を提供する。また、本発明は、当分野で公知及び/又は本明細書中に記載されるいずれかの精製方法(非限定的な例としてフローサイトメトリー)を用いて、TIGITを発現しない他の種類の免疫細胞からTreg、メモリーT細胞、NK細胞及びTFh細胞を精製するためにTIGITを使用する方法を提供する。また、出願人は、これらの細胞群の中で活性化されたTregsにおいて最も高いTIGIT発現が生じることを示す。ゆえに、本発明はまた、一又は複数のコントロール試料でのTIGITの発現レベルと比較したTIGITの発現レベルに基づいて、ある細胞が活性化されたTregsであるか否かを同定する方法を提供する(ここで、コントロール試料は例示的なT細胞サブセット群からの既定値でってもよいし、コントロール試料は活性化されたTreg、非活性化Treg、ナイーブT細胞、メモリーT細胞、NK細胞、TFh細胞又は他のT細胞群といった既知の細胞サブ集団からの他の試料であってもよい)。また、一又は複数のコントロール活性化ないしは非活性化Treg試料におけるTIGIT発現レベルと比較して、又は既知の活性化ないしは非活性化のTreg細胞群における既定のTIGIT発現値と比較して、TIGITの発現レベルを決定することによる、あるTreg細胞が活性化されているか否かを決定する方法も提供される。さらに、細胞において発現されるTIGITの量を用いて他の細胞から細胞を分離する、当分野で公知及び/又は本明細書中に記載されるいずれかの精製方法(非限定的な例として、フローサイトメトリー)を用いて、他のT細胞から活性化されたTregを別々に単離する方法を提供する。

0084

出願人は、TIGITがPVRと強く結合し、PVRL3(別名ネクチン-3又はCD113)およびPVRL2(別名ネクチン-2又はCD112)に小さいKdで結合することを示す。出願人によって例証されるように、PVRに結合するTIGITはCD226及びCD96といった2つの他のリガンドとPVRとの相互作用を遮断し、CD226は、PVR−CD226相互作用のTIGITよりも効果の低い、TIGIT−PVR相互作用の阻害因子である。出願人は、細胞表面に発現されるPVRに対するTIGIT又はTIGIT融合タンパク質の結合を阻害する抗TIGIT抗体(例えば本明細書において記述される抗TIGIT抗体10A7)を製造した。出願人は、さらに、10A7とは異なるTIGIT上のエピトープ特異性を有する、本明細書中に記載の抗体1F4といった他の抗体を製造した。特に、CD226は、TIGITを高く発現する細胞種であるTregs又はTFhでは有意に発現されない。

0085

これらの所見によって裏付けられるように、本発明は、TIGIT−PVR相互作用、TIGIT−PVRL2相互作用及びTIGIT−PVRL3相互作用のアゴニスト及びアンタゴニスト、並びにこのアゴニスト及びアンタゴニストを用いたインビトロ又はインビボでのTIGIT−PVR結合、TIGIT−PVRL2結合及びTIGIT−PVRL3結合の調節方法を提供する。また、インビトロ又はインビボでTIGIT(PVR結合の競合物質)又は抗TIGIT抗体ないしはその抗原結合断片を投与することによる、CD226−PVR相互作用及び/又はCD96−PVR相互作用の調節方法を提供する。さらに、本発明は、アゴナイズ及びアンタゴナイズする抗TIGIT抗体及びその断片、特に抗TIGIT抗体10A7及び1F4と、抗TIGIT抗体10A7及び/又は1F4のCDRを含む代替的種類の抗体を包含する。

0086

本明細書において記述される試験は、DC上のPVRとTIGITとの相互作用を示し、この結合相互作用がDC機能、特にサイトカイン産生を調整することを示唆する。PVRは、樹状細胞(DC)、並びにFDC、線維芽細胞、内皮細胞、及びいくつかの腫瘍細胞上で高く発現されることが知られている細胞表面レセプターである(Sakisaka, T. & Takai, Y., Curr Opin Cell Biol 16, 513-21 (2004);Fuchs, A. & Colonna, M., Semin Cancer Biol 16, 359-66 (2006))。TIGITが結合したヒトのDCは、IL−10を高レベルに分泌したが、炎症誘発性及び他のサイトカイン(例えばIL−12p40、IL−12p70、IL−6、IL−18およびIFNγ)は僅かにしか分泌しなかった。TIGITはIL−23といった特定のサイトカインの産生には作用しなかった。TIGIT結合時のこのサイトカインの歪みは、TNFα又はCD40/LPSによって刺激された細胞にのみ観察され、TLR2−又はPam3CSK4−刺激細胞では観察されなかったことから、TIGITは免疫系がDC機能を微調節しうる一つの手段であることを示唆する。未成熟T細胞にTIGITが結合すると(TIGIT融合コンストラクトを使用して評価される)、T細胞活性化および増殖が阻害された。しかしながら、TIGIT処置は、未成熟単核球由来DC(iMDDC)の成熟能には影響せず、この細胞の成熟を直接誘導しなかったとりわけ、この阻害はERK阻害因子の存在下で逆転したことから、ERK活性化は、TIGITのDC活性を調節する機能において重要な工程であることを示す。実際に、出願人は、PVRにTIGITが結合すると、PVRのリン酸化とpERK単量体でなくpERK二量体のリン酸化の増加が生じることを示す。これは、例えばp38細胞内シグナル伝達経路が細胞のTIGIT−Fc処理により調節されなかったので、一般的な作用ではなかった。出願人は、本明細書において、TIGIT+T細胞が他のTIGIT−T細胞だけでなく、免疫細胞の混合種群に存在する場合には抗原提示細胞の増殖も抑制することを示す。出願人はさらに、実験に抗TIGIT抗体又は抗PVR抗体を含めると、観察される増殖の抑制、DCサイトカイン産生の調節、及び他の免疫細胞の増殖の抑制が大幅に低減したので、TIGIT−PVR相互作用が先に観察された効果を媒介することを示す。まとめると、本出願人によって示されたデータは、TIGITが免疫応答をネガティブに調節することによって免疫系のフィードバック機構を提供することを示唆する。

0087

したがって、本発明は、TIGIT又はPVRの発現および/または活性を調整することによる免疫細胞(例えばDC)機能を調整する方法を提供する。例えば、インビトロ又はインビボで、TIGIT、TIGITの発現および/または活性のアゴニスト又はPVRの発現および/または活性のアゴニストにて免疫細胞を処置することによる、免疫細胞(例えばDC又は抗原提示細胞)の増殖の低減ないし阻害方法が提供される。また、インビトロ又はインビボで、TIGITの発現および/または活性のアンタゴニスト又はPVRの発現および/または活性のアンタゴニストにて免疫細胞を処置することによる、免疫細胞(例えばDC又は抗原提示細胞)の増殖の増加方法が提供される。また、本発明は、TIGITの発現および/または活性のアンタゴニスト又はPVRの発現および/または活性のアンタゴニストを投与することによる免疫応答の増加/刺激方法を提供する。同様に、TIGIT、TIGITの発現および/または活性のアゴニスト又はPVRの発現および/または活性のアゴニストを投与することによる、免疫応答の低減/阻害方法が提供される。

0088

また、本発明は、TIGIT又はPVRの発現及び/又は活性を調節することによる、免疫細胞(例えばDC)からのサイトカイン産生の種類および/または量の調節方法を提供する。具体的には、本発明は、インビトロ又はインビボで、TIGIT、TIGITの発現および/または活性のアゴニスト又はPVRの発現および/または活性のアゴニストにて細胞を処置することによる、免疫細胞、例えばDCによるIL−10産生を増やす方法を提供する。また、インビトロ又はインビボで、TIGIT、TIGITの発現および/または活性のアゴニスト又はPVRの発現および/または活性のアゴニストにて細胞を処置することによる、免疫細胞、例えばDCによる炎症誘発性サイトカイン産生及び/又は放出を低減する方法が提供される。同様に、インビトロ又はインビボで、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト又はPVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストにて細胞を処置することによる、免疫細胞、例えばDCによるIL−10産生を低減させる方法も提供される。本発明は、さらに、インビトロ又はインビボで、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト又はPVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストにて細胞を処置することによる、免疫細胞、例えばDCによる炎症誘発性サイトカイン産生及び/又は放出を増加させる方法を提供する。また、TIGIT、TIGITの発現及び/又は活性のアゴニスト、又はPVRの発現及び/又は活性のアゴニストにより細胞を処理することによる、一又は複数の細胞におけるERK経路による細胞内シグナル伝達及び/又はERKリン酸化の刺激方法が提供される。同様に、本発明は、TIGITの発現及び/又は活性のアンタゴニスト、又はPVRの発現及び/又は活性のアンタゴニストにより細胞を処理することによる、一又は複数の細胞におけるERK経路による細胞内シグナル伝達及び/又はERKリン酸化を阻害する又は低減させる方法を提供する。

0089

本明細書において示されるように、TIGITは、正常コントロール組織と比較して、関節炎、乾癬、炎症性腸疾患および乳癌組織において発現が増加される。乳癌組織に関して、出願人は、TIGITの発現が腫瘍細胞自体と相関するのではなく、むしろ腫瘍中のCD4+免疫細胞浸潤物と相関することを示す。また、出願人は、TIGIT融合タンパク質が遅延型過敏症インビボアッセイにおいてインビトロのヒトのT細胞応答とマウスのT細胞活性化を阻害したことを示すことによって、免疫応答を調節するTIGITの能力を直接示す。したがって、本発明は、被検体からの試料におけるTIGITの発現及び/又は活性を評価することと、その発現及び/又は活性をTIGITの発現及び/又は活性の対照量あるいは正常被検体の試料におけるTIGITの発現及び/又は活性の量と比較することによる、被検体の異常な免疫細胞応答に関連する疾患/障害の診断方法を提供する。また、本発明は、被検体からの試料におけるTIGITの発現及び/又は活性を評価することと、その発現及び/又は活性をTIGITの発現及び/又は活性の対照量あるいは正常被検体の試料におけるTIGITの発現及び/又は活性の量と比較することによる、被検体の異常な免疫細胞応答に関連する疾患ないし障害(すなわち免疫関連疾患)の重症度の評価方法を提供する。また、TIGITの発現及び/又は活性を調節することによる、異常な免疫細胞応答に関連する疾患ないし障害(すなわち免疫関連疾患)の予防方法が提供される。さらに、TIGITの発現及び/又は活性を調節することによる、異常な免疫細胞応答に関連する疾患ないし障害(すなわち免疫関連疾患)の重症度の治療ないし低減方法が提供される。TIGITのネガティブ調節活性疾患状態に貢献する場合には、TIGITの発現および/または活性の調節は、(すなわち、TIGITアンタゴニスト又はPVRアンタゴニストによって)TIGITの活性および/または発現を阻害するという形態を取ってよい。例えば、DC増殖の増加および/またはDCによる炎症誘発性サイトカイン産生の増加が望ましい場合には、TIGITの発現および/または活性を中和する(アンタゴナイズする)ことが望ましい。疾患状態を制御するためにTIGITのネガティブ調節活性が望ましい場合には、TIGITの発現および/または活性の調節は、(すなわち、TIGIT、TIGITアゴニスト又はPVRアゴニストを投与することによって)TIGITの発現及び/又は活性を活性化するないしは増加させるという形態を取ってよい。例えば、DC増殖の減少および/またはDCによる炎症誘発性サイトカイン放出の減少が望ましい場合には、TIGITの発現および/または活性をアゴナイズすることが望ましい。これら及び他の本発明の態様は、以下により詳細に記述される。

0090

A.完全長TIGITポリペプチド
本発明は、TIGITポリペプチドとして本出願において称されるポリペプチドをコードする単離されたヌクレオチド配列を提供する。特に、以降の本明細書中及び実施例中にさらに詳細に開示されるように、様々なTIGITポリペプチドをコードするcDNAが同定され、単離された。本発明は本発明の方法に有用な他のポリペプチド(すなわちPVR)も提供すること、そして、TIGITポリペプチドの創造、製造、標識、翻訳後修飾、使用の方法又は他の態様について具体的に記載された本明細書中のいずれの記載もTIGITでない他のポリペプチドにも適用できることは、当分野の技術者は理解している。

0091

B.TIGITポリペプチド変異体
ここに記載した完全長天然配列TIGITポリペプチドに加えて、TIGIT変異体も調製できると考えられる。TIGIT変異体は、TIGITポリヌクレオチドに適当なヌクレオチド変化を導入することにより、及び/或いは所望のTIGITポリペプチドを合成することにより調製できる。当業者は、ポリペプチドのグリコシル化部位の数又は位置の変化或いは膜固着特性の変化などのアミノ酸変化がTIGITポリペプチドの翻訳後プロセスを変えうることを理解するであろう。
天然完全長配列TIGIT又はここに記載したTIGITポリペプチドの種々のドメインにおける変異は、例えば、米国特許第5364934号に記載されている保存的及び非保存的変異についての任意の技術及び指針を用いてなすことができる。変異は、結果として天然配列TIGITと比較してTIGITポリペプチドのアミノ酸配列が変化するTIGITポリペプチドをコードする一又は複数のコドン置換、欠失及び/又は挿入であってよい。場合によっては、変異は少なくとも一のアミノ酸のTIGITの一又は複数のドメインの任意の他のアミノ酸による置換である。いずれのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与えることなく挿入、置換又は欠失されるかの指針は、TIGITの配列を相同性の知られたタンパク質分子の配列と比較し、相同性の高い領域内でなされるアミノ酸配列変化を最小にすることによって見出される。アミノ酸置換は、一のアミノ酸の類似した構造及び/又は化学特性を持つ他のアミノ酸での置換、例えばロイシンのセリンでの置換、即ち保存的アミノ酸置換の結果とすることができる。挿入及び欠失は、場合によっては1から5のアミノ酸の範囲内とすることができる。許容される変異は、配列においてアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作製し、得られた変異体を完全長又は成熟天然タンパク質によって提示された活性について試験することにより決定される。

0092

また、TIGITポリペプチド断片がここに提供される。このような断片は、例えば、完全長天然タンパク質と比較した際に、N-末端又はC-末端で切断されてもよく、又は内部残基を欠いていてもよい。或る種の断片は、TIGITポリペプチドの所望の生物学的活性に必須ではないアミノ酸残基を欠いている。
TIGIT断片は、多くの従来技術の任意のものによって調製してよい。所望のペプチド断片化学合成してもよい。代替的方法は、酵素的消化、例えば特定のアミノ酸残基によって決定される部位のタンパク質を切断することが知られた酵素でタンパク質を処理することにより、或いは適当な制限酵素でDNAを消化して所望の断片を単離することによるTIGIT断片の生成を含む。更に他の好適な技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅することを含む。DNA断片の所望の末端を決定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマーで用いられる。好ましくは、TIGITポリペプチド断片は、ここに開示した天然TIGITポリペプチドと少なくとも一の生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。
ある実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換と題して表5に示す。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表5に例示的置換と名前を付けた又は以下にアミノ酸分類で更に記載するように、より実質的な変化が導入され生成物スクリーニングされる。

0093

表5

0094

ポリペプチドの機能及び免疫学的同一性の実質的修飾は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩を維持しながら、それらの効果において実質的に異なる置換基を選択することにより達成される。天然に生じる残基は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, Pro;及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。

0095

非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とする。また、そのように置換された残基は、保存的置換部位、好ましくは残された(非保存)部位に導入されうる。
変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャンニング、及びPCR突然変異誘発といったこの分野で知られた方法を用いてなすことができる。部位特異的突然変異誘発[Carter等, Nucl. AcidsRes., 13:4331 (1986);Zoller等, Nucl. Acids Res., 10:6487 (1987)]、カセット突然変異誘発[Wells等, Gene, 34:315 (1985)]、制限的選択突然変異誘発[Wells等, Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317:415 (1986)]又は他の知られた技術をクローニングしたDNAに実施して変異体DNAを作製することもできる。

0096

また、隣接配列に沿って一つ又は複数のアミノ酸を同定するのにスキャンニングアミノ酸分析を用いることができる。好ましいスキャンニングアミノ酸は比較的小さく、中性のアミノ酸である。そのようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、及びシステインを含む。アラニンは、ベータ炭素を越える側鎖を排除し変異体の主鎖構造を変化させにくいので、この群の中で典型的に好ましいスキャンニングアミノ酸である[Cunningham及びWells, Science, 244:1081-1085 (1989)]。また、アラニンは最もありふれたアミノ酸であるため典型的には好ましい。更に、それは埋もれた及び露出した位置の両方に見られることが多い[Creighton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.); Chothia, J. Mol. Biol., 150:1(1976)]。アラニン置換が十分な量の変異体を生じない場合は、アイソテリック(isoteric)アミノ酸を用いることができる。

0097

C.TIGITの修飾
TIGITポリペプチドの共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の一つの型は、ポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、TIGITポリペプチドの選択された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることである。二官能性試薬での誘導体化が、例えばTIGITポリペプチドを、抗TIGIT抗体の精製方法に用いる水不溶性支持体マトリクス又は表面に架橋させるのに有用であり、またその逆も可である。通常用いられる架橋剤は、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタングルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3’-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタン等の二官能性マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)-ジチオプロピイミダート等の試薬を含む。
他の修飾は、グルタミニル及びアスパラギニル残基の各々対応するグルタミル及びアスパルチル残基への脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular TIGITperties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp.79-86 (1983)]、N末端アミンアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基アミド化を含む。

0098

本発明の範囲内に含まれるTIGITポリペプチドの共有結合的修飾の他の型は、ポリペプチドの天然グリコシル化パターンの変更を含む。「天然グリコシル化パターンの変更」とは、天然配列TIGITに見られる一又は複数の炭水化物部分の欠失(存在するグリコシル化部位の除去又は化学的及び/又は酵素的手段によるグリコシル化の削除のいずれかによる)、及び/又は天然配列TIGITに存在しない一又は複数のグリコシル化部位の付加をここでは意味する。更に、この語句は、天然タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含み、そこには、存在する種々の炭水化物部分の性質及び特性の変化も含まれる。
ポリペプチドへのグリコシル化部位の付加はアミノ酸配列の変更を伴ってもよい。この変更は、例えば、一又は複数のセリン又はトレオニン残基の天然配列ポリペプチド(O-結合グリコシル化部位)への付加、又は置換によってなされてもよい。ポリペプチドアミノ酸配列は、場合によっては、DNAレベルでの変化、特に、ポリペプチドをコードするDNAを予め選択された塩基において変異させ、所望のアミノ酸を翻訳するようにコドンを生成することによって変更されてもよい。

0099

ポリペプチド上に炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、グリコシドのポリペプチドへの化学的又は酵素的結合による。このような方法は、この技術分野において、例えば、1987年9月11日に公開されたWO87/05330、及びAplin及びWriston,CRCCrit. Rev. Biochem., pp. 259-306 (1981)に記載されている。
ポリペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的又は酵素的に、或いはグルコシル化の標的として提示されたアミノ酸残基をコードするコドンの変異的置換によってなすことができる。化学的脱グリコシル化技術は、この分野で知られており、例えば、Hakimuddi等, Arch. Biochem. Biophys., 259:52 (1987)により、及びEdge等, Anal. Biochem., 118: 131 (1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura等, Meth. Enzymol. 138:350 (1987)に記載されているように、種々のエンド及びエキソグリコシダーゼを用いることにより達成される。
本明細書中で開示されるポリペプチドの共有結合的修飾の他の型は、ポリペプチドの、種々の非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンの一つへの、米国特許第4640835号;第4496689号;第4301144号;第4670417号;第4791192号又は第4179337号に記載された方法での結合を含む。
また、本発明のポリペプチドは、他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列に融合したポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法で修飾してもよい。

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