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技術 無線通信システム及び無線通信方法

出願人 株式会社日立国際電気
発明者 大機慎太朗中野雄介
出願日 2019年1月15日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2019-004106
公開日 2020年7月27日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-113911
状態 未査定
技術分野 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等)
主要キーワード 近傍エリア 送信信号列 変更規則 対策技術 UHF 干渉領域 位相差分 列車無線システム
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重要な関連分野

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図面 (4)

課題

通信不能なエリアを低減することが可能な無線通信システムを提供する。

解決手段

共通の送信信号から生成された互いに直交するA系列及びB系列の各信号を別々のアンテナ24,25から同じ周波数送出する複数の基地局装置20を備える。隣接する2つの基地局装置20(例えば、基地局装置20−1と基地局装置20−2)の間で、両方の基地局装置からA系列の信号が到達するエリア41と、両方の基地局装置からB系列の信号が到達するエリア42とが少なくとも部分的に重複しないように、一方の基地局装置(例えば、基地局装置20−1)からA系列の信号を第1態様で出力すると共にB系列の信号を第1態様とは異なる第2態様で出力し、他方の基地局装置(例えば、基地局装置20−2)からA系列の信号を第2態様で出力すると共にB系列の信号を第1態様で出力する。

概要

背景

従来、同一波干渉除去のための技術として送信ダイバーシチが提案されている。その一つとして、共通の送信信号列から互いに直交する2系列の信号を生成し、それらを時間及び空間に分散して配置することによって、送信ダイバーシチを成し遂げる方法が実用されている。

特に、VHF及びUHFといった信号帯域の狭い領域で用いられる技術として、差動時空間ブロック符号(D−STBC;Differential Space-Time Block Coding)がある(例えば、特許文献1を参照)。D−STBCは、共通の送信信号列から、互いに直交する2系列(便宜上、「A系列」及び「B系列」と呼称)の信号を生成し、それらを各々の直前送信信号との位相差分をとることにより、時間方向に分散して送信する。このようにして送信された信号は、無線電波の特性に応じ、複数の伝搬経路を辿って移動局アンテナ加算して入力される。移動局では、A系列及びB系列の合成信号から最も尤度の高い信号を抽出することにで、原信号(送信信号)を取り出すことができる。

この効果を利用した技術として、隣接する2つの基地局において、一方の基地局からA系列の信号を送信し、他方の基地局からB系列の信号を送信して、移動局で各々の受信信号電力を合成させるマクロダイバーシチがある。送信ダイバーシチでない場合は、双方の基地局からの信号が同程度で合成されるエリアでは信号干渉が発生して通信不能となったが、マクロダイバーシチを用いればこのエリアでも通信が可能となる。マクロダイバーシチは、同じ周波数を使用する複数の基地局を所定の経路に沿って配置して線状の通信エリア構築する無線通信システム(例えば、列車無線システム)で使用されることが多い。更に、全ての基地局がA系列の信号及びB系列の信号の両方を送信することで、より通信品質を上げる構成をとったシステムもある。

概要

通信不能なエリアを低減することが可能な無線通信システムを提供する。共通の送信信号から生成された互いに直交するA系列及びB系列の各信号を別々のアンテナ24,25から同じ周波数で送出する複数の基地局装置20を備える。隣接する2つの基地局装置20(例えば、基地局装置20−1と基地局装置20−2)の間で、両方の基地局装置からA系列の信号が到達するエリア41と、両方の基地局装置からB系列の信号が到達するエリア42とが少なくとも部分的に重複しないように、一方の基地局装置(例えば、基地局装置20−1)からA系列の信号を第1態様で出力すると共にB系列の信号を第1態様とは異なる第2態様で出力し、他方の基地局装置(例えば、基地局装置20−2)からA系列の信号を第2態様で出力すると共にB系列の信号を第1態様で出力する。

目的

本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、通信不能なエリアを低減することが可能な無線通信システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

共通の送信信号から生成された互いに直交する第1系列及び第2系列の各信号を別々のアンテナから同じ周波数送出する複数の基地局を備えた無線通信システムにおいて、隣接する2つの基地局間で、両方の基地局から前記第1系列の信号が到達するエリアと、両方の基地局から前記第2系列の信号が到達するエリアとが少なくとも部分的に重複しないように、一方の基地局から前記第1系列の信号を第1態様で出力すると共に前記第2系列の信号を前記第1態様とは異なる第2態様で出力し、他方の基地局から前記第1系列の信号を前記第2態様で出力すると共に前記第2系列の信号を前記第1態様で出力することを特徴とする無線通信システム。

請求項2

請求項1に記載の無線通信システムにおいて、前記第1態様と前記第2態様の相違は、各信号を別々に送出する2つのアンテナの出力レベルの相違であることを特徴とする無線通信システム。

請求項3

請求項2に記載の無線通信システムにおいて、前記基地局は、前記2つのアンテナの少なくとも一方の出力レベルを変動させる機能を有することを特徴とする無線通信システム。

請求項4

請求項1に記載の無線通信システムにおいて、前記第1態様と前記第2態様の相違は、各信号を別々に送出する2つのアンテナの種別又は高さの相違であることを特徴とする無線通信システム。

請求項5

請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無線通信システムにおいて、前記第1系列の信号を前記第1態様で出力すると共に前記第2系列の信号を前記第2態様で出力する基地局と、前記第1系列の信号を前記第2態様で出力すると共に前記第2系列の信号を前記第1態様で出力する基地局とを、所定の経路に沿って交互に配置したことを特徴とする無線通信システム。

請求項6

共通の送信信号から生成された互いに直交する第1系列及び第2系列の各信号を別々のアンテナから同じ周波数で送出する複数の基地局により実施される無線通信方法において、隣接する2つの基地局間で、両方の基地局から前記第1系列の信号が到達するエリアと、両方の基地局から前記第2系列の信号が到達するエリアとが少なくとも部分的に重複しないように、一方の基地局から前記第1系列の信号を第1態様で出力すると共に前記第2系列の信号を前記第1態様とは異なる第2態様で出力し、他方の基地局から前記第1系列の信号を前記第2態様で出力すると共に前記第2系列の信号を前記第1態様で出力することを特徴とする無線通信方法。

技術分野

0001

本発明は、無線通信システムにおける同一波干渉対策技術に関するものである。

背景技術

0002

従来、同一波干渉除去のための技術として送信ダイバーシチが提案されている。その一つとして、共通の送信信号列から互いに直交する2系列の信号を生成し、それらを時間及び空間に分散して配置することによって、送信ダイバーシチを成し遂げる方法が実用されている。

0003

特に、VHF及びUHFといった信号帯域の狭い領域で用いられる技術として、差動時空間ブロック符号(D−STBC;Differential Space-Time Block Coding)がある(例えば、特許文献1を参照)。D−STBCは、共通の送信信号列から、互いに直交する2系列(便宜上、「A系列」及び「B系列」と呼称)の信号を生成し、それらを各々の直前送信信号との位相差分をとることにより、時間方向に分散して送信する。このようにして送信された信号は、無線電波の特性に応じ、複数の伝搬経路を辿って移動局アンテナ加算して入力される。移動局では、A系列及びB系列の合成信号から最も尤度の高い信号を抽出することにで、原信号(送信信号)を取り出すことができる。

0004

この効果を利用した技術として、隣接する2つの基地局において、一方の基地局からA系列の信号を送信し、他方の基地局からB系列の信号を送信して、移動局で各々の受信信号電力を合成させるマクロダイバーシチがある。送信ダイバーシチでない場合は、双方の基地局からの信号が同程度で合成されるエリアでは信号干渉が発生して通信不能となったが、マクロダイバーシチを用いればこのエリアでも通信が可能となる。マクロダイバーシチは、同じ周波数を使用する複数の基地局を所定の経路に沿って配置して線状の通信エリア構築する無線通信システム(例えば、列車無線システム)で使用されることが多い。更に、全ての基地局がA系列の信号及びB系列の信号の両方を送信することで、より通信品質を上げる構成をとったシステムもある。

先行技術

0005

特開2012−134729号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上述した従来の技術では、全ての基地局がA系列の信号とB系列の信号の両方を送信した場合に、確率的にはより通信品質が良くなることが期待される。しかしながら、2つの基地局からのA系列の信号同士が互いに同レベル干渉し、かつB系列の信号同士も互いに同レベルで干渉する可能性を厳密には排除できない問題がある。この問題について、図3を参照して説明する。

0007

図3の上部に示す従来の無線通信システムは、中央装置110と、基地局装置120と、移動局装置130とを備えている。基地局装置120は、移動局装置130(例えば、列車に搭載された端末局)が移動する所定の経路(例えば、線路)に沿った線状の通信エリアをカバーすべく、ある程度の間隔を置いて複数台が配置される。図3では、基地局装置120−1〜120−3の3台が配置されている。

0008

中央装置110は、共通の送信信号を複数の基地局装置120に送出する。
基地局装置120は、制御部121と、第1送信機122と、第2送信機123と、第1アンテナ124と、第2アンテナ125とを備える。制御部121は、中央装置110から受信した送信信号をA系列及びB系列の各々直交する時空間符号信号に変換し、A系列の信号を第1送信機122に出力し、B系列の信号を第2送信機123に出力する。第1送信機122は、A系列の信号を所定レベル増幅し、第1アンテナ124より空間へ所定の周波数で送出する。第2送信機123は、B系列の信号を所定レベルに増幅し、第2アンテナ125より空間へ所定の周波数で送出する。A系列の信号増幅レベルとB系列の信号増幅レベルは同じであり、また、A系列の送信数周波数とB系列の送信周波数も同じである。

0009

図3の下部には、各地点におけるA系列の信号の受信レベル及びB系列の信号の受信レベルを個別に示してある。同図に示すように、従来例に係る無線通信システムでは、移動局装置130がどの位置にいても、A系列の信号の受信レベルとB系列の信号の受信レベルとが略同じになる。その結果、隣接する2つの基地局装置の中間付近のエリア141(両方の基地局装置からの信号が到達するエリア)では、各基地局装置からのA系列の信号同士が同レベルで干渉し、B系列の信号同士も同レベルで干渉する可能性がある。このため、エリア141において通信不能となってしまう場合があり得る。

0010

本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、通信不能なエリアを低減することが可能な無線通信システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するために、本発明では、無線通信システムを以下のように構成した。
すなわち、本発明に係る無線通信システムは、共通の送信信号から生成された互いに直交する第1系列及び第2系列の各信号を別々のアンテナから同じ周波数で送出する複数の基地局を備え、隣接する2つの基地局間で、両方の基地局から第1系列の信号が到達するエリアと、両方の基地局から第2系列の信号が到達するエリアとが少なくとも部分的に重複しないように、一方の基地局から第1系列の信号を第1態様で出力すると共に第2系列の信号を第1態様とは異なる第2態様で出力し、他方の基地局から第2系列の信号を第2態様で出力すると共に第2系列の信号を第1態様で出力することを特徴とする。

0012

このように、本発明に係る無線通信システムでは、各基地局で第1系列の出力態様と第2系列の信号の出力態様に意図的な相違を与えると共に、隣接する基地局間では出力態様の相違が逆になるよう構成してある。これにより、隣接する基地局間で、第1系列の信号が干渉するエリアと第2系列の信号が干渉するエリアとの重複が低減又は回避されるので、通信不能なエリアの削減を実現できる。また、第1系列の信号と第2系列の信号との合成による送信ダイバーシチ効果を得ることもできるので、通信品質を向上させる効果も期待できる。

0013

ここで、各基地局で第1系列の信号の出力態様と第2系列の信号の出力態様に意図的な相違を与える仕組みは、種々の構成により実現することができる。
一例として、第1系列の信号を送出するアンテナの出力レベルと第2系列の信号を送出するアンテナの出力レベルを相違させることで実現できる。すなわち、一方のアンテナの出力を他方のアンテナの出力より減電力又は増電力とすることで実現できる。この場合、各基地局が、2つのアンテナの少なくとも一方の出力レベルを変動させる機能を有する構成としてもよい。
また、別の例として、第1系列の信号を送出するアンテナの種別と第2系列の信号を送出するアンテナの種別を相違させることで実現できる。
また、更に別の例として、第1系列の信号を送出するアンテナの高さと第2系列の信号を送出するアンテナの高さを相違させることで実現できる。

0014

なお、第1系列の信号を第1態様で出力すると共に第2系列の信号を第2態様で出力する基地局と、第1系列の信号を第2態様で出力すると共に第2系列の信号を第1態様で出力する基地局とを、所定の経路に沿って交互に配置することで、その経路に沿った線状の通信エリアを有する無線通信システムでも効果を得ることができる。

発明の効果

0015

本発明によれば、通信不能なエリアを低減することが可能な無線通信システムを提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
本発明の一実施形態に係る無線通信システムの変形例を示す図である。
従来例に係る無線通信システムの構成例を示す図である。

実施例

0017

本発明の一実施形態に係る無線通信システムについて、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成例を示してある。図1の上部に示す無線通信システムは、中央装置10と、基地局装置20と、移動局装置30とを備えている。基地局装置20は、移動局装置30(例えば、列車に搭載された端末局)が移動する所定の経路(例えば、線路)に沿った線状の通信エリアをカバーすべく、ある程度の間隔を置いて複数台が配置される。図1では、基地局装置20−1〜20−3の3台が配置されている。

0018

中央装置10は、共通の送信信号を複数の基地局装置20に送出する。
基地局装置20は、制御部21と、第1送信機22と、第2送信機23と、第1アンテナ24と、第2アンテナ25と、減衰器26とを備える。制御部21は、中央装置10から受信した送信信号をA系列及びB系列の各々直交する時空間符号信号に変換し、A系列の信号を第1送信機22に出力し、B系列の信号を第2送信機23に出力する。第1送信機22は、A系列の信号を所定レベルに増幅し、第1アンテナ24より空間へ所定の周波数で送出する。第2送信機23は、B系列の信号を所定レベルに増幅し、第2アンテナ25より空間へ所定の周波数で送出する。A系列の信号増幅レベルとB系列の信号増幅レベルは同じであり、また、A系列の送信数周波数とB系列の送信周波数も同じである。

0019

減衰器26は、A系列又はB系列の信号が入力され、信号の電力レベル減衰させて出力する。減衰器26は、A系列側の第1送信機22と第1アンテナ24の間、または、B系列側の第2送信機23と第2アンテナ25の間のいずれかに挿入される。A系列側に減衰器26を有する基地局装置20と、B系列側に減衰器26を有する基地局装置20とは、所定の経路に沿って交互に配置される。

0020

図1では、左側の基地局装置20−1にはA系列側に減衰器26が挿入され、中央の基地局装置20−2にはB系列側に減衰器26が挿入され、右側の基地局装置20−3にはA系列側に減衰器26が挿入されている。したがって、基地局装置20−1ではA系列の信号がB系列の信号に比べて減電力となり、基地局装置20−2ではB系列の信号がA系列の信号に比べて減電力となり、基地局装置20−3ではA系列の信号がB系列の信号に比べて減電力となる。

0021

図1の下部には、各地点におけるA系列の信号の受信レベル及びB系列の信号の受信レベルを個別に示してある。以下では、基地局装置20−1と、これに隣接する基地局装置20−2とに着目して説明する。
基地局装置20−1においては、B系列の信号は第2アンテナ25より送出され、所定エリアをカバーする。また、A系列の信号は第1アンテナ24より送出されるが、その手前の減衰器26により弱められて送出される。このため、基地局装置20−1のA系列の信号がカバーするエリアは、B系列の信号がカバーするエリアより狭くなる。

0022

基地局装置20−2においては、A系列の信号は第1アンテナ24より送出され、所定エリアをカバーする。また、B系列の信号は第2アンテナ25より送出されるが、その手前の減衰器26により弱められて送出される。このため、基地局装置20−2のB系列の信号がカバーするエリアは、A系列の信号がカバーするエリアより狭くなる。

0023

この結果、基地局装置20−1からのA系列の信号と基地局装置20−2からのA系列の信号との両方が到達するエリア41は、これら基地局の中間よりやや基地局装置20−1側の位置となる。また、基地局装置20−1からのB系列の信号と基地局装置20−2からのB系列の信号との両方が到達するエリア42は、これら基地局の中間よりやや基地局装置20−2側の位置となる。

0024

したがって、基地局装置20−1と基地局装置20−2の間のエリアを移動する移動局装置30は、基地局装置20−1の近傍エリアでは、基地局装置20−1から送出されたA系列の信号とB系列の信号との合成により送信ダイバーシチ効果が得られる。また、エリア41では、基地局装置20−1からのA系列の信号と基地局装置20−2からのA系列の信号との干渉によりA系列の信号は失われる可能性があるが、基地局装置20−1からのB系列の信号を受信できるため、送信信号を復調できる。また、エリア41とエリア42の間では、基地局装置20−1からのB系列の信号と基地局装置20−2からのA系列の信号との合成により送信ダイバーシチ効果が得られる。また、エリア42では、基地局装置20−1からのB系列の信号と基地局装置20−2からのB系列の信号との干渉によりB系列の信号は失われる可能性があるが、基地局装置20−2からのA系列の信号を受信できるため、送信信号を復調できる。また、基地局装置20−2の近傍エリアでは、基地局装置20−2から送出されたA系列の信号とB系列の信号との合成により送信ダイバーシチ効果が得られる。

0025

このように、A系列の信号の干渉領域とB系列の信号の干渉領域を意図的にずらすことで、基地局間のどの位置においても信号の受信を正常に行える効果が見込まれる。なお、本例では、A系列の信号の干渉領域とB系列の信号の干渉領域が全く重なり合わないように構成しているが、一部が重なり合わないように構成するだけでも、通信不能なエリアを削減する効果を得ることができる。

0026

また、本例では、A系列側の第送信機22とB系列側の第2送信機23が同じ電力レベルに信号増幅を行った後に、片方の信号を減衰器26により減衰させているが、これら送信機22,23の一方が他方よりも電力レベルの増幅量を小さくする(或いは大きくする)構成によっても、第1アンテナ24からのA系列の信号の出力レベルと第2アンテナ25からの系列のB信号の出力レベルを相違させることが可能である。つまり、第1アンテナ24又は第2アンテナ25の少なくとも一方の出力レベルを変動させればよい。

0027

ここで、各基地局装置20の特定の系統(A系列側又はB系列側)に挿入される減衰器26は、減衰量が固定であってもよいし、減衰量が可変であってもよい。減衰器26による減衰量を可変にすること、すなわち、A系列又はB系列の一方の信号の出力レベルを可変にすることは、所定の経路に沿って移動局装置30が移動するシステム(例えば、列車無線システム)において特に有効である。

0028

A系列又はB系列の一方の信号の出力レベルを可変にする効果について説明する。A系列の信号の干渉領域とB系列の信号の干渉領域とをずらす対策だけでは、どうしても特定の狭いポイントで信号の受信レベルの落ち込みが発生することがある。列車無線システムでは、通常はこのようなポイントは列車が一瞬で通り抜けてしまうので特に問題はない。しかしながら、何らかの理由により列車が干渉領域内で停車し、しかも速やかに運行再開できない場合に問題となりかねない。

0029

そこで、例えば、減衰器26の減衰量を時間の経過に伴って緩やかに変動させる。これにより、図1の例であれば、エリア41,42がゆっくりとした時間で左右にずれることになる。その結果、移動局装置30が特定のポイントで停止した場合に、一時的に通信できなくても少し待つことで通信できるようになり、通信を再開することができる。この手法は、減衰器26の挿入がない系統を各々の基地局装置20が有する構成において特に有効である。

0030

減衰器26による減衰の変更量や変更タイミングは、予め定められた変更規則に従って常時行ってもよい。この場合、減衰器26による減衰の変更は、各々の基地局装置20が個別に実行してもよく、中央装置10による制御に従って実行してもよい。また、減衰器26による減衰の変更は、手動により(例えば、列車の運転手などの指示により)、任意のタイミングで任意の変更量で行ってもよい。
なお、A系列又はB系列の一方の信号の出力レベルを可変する仕組みは、減衰器26以外で各系列の信号の出力レベルを調整する構成に適用しても構わない。また、A系列又はB系列の両方の信号の出力レベルを可変としてもよい。

0031

なお、上記の例では、A系列又はB系列の少なくとも一方の信号の出力レベルを調整することで、各系列の信号の出力態様を意図的に相違させているが、各系列の信号の出力態様に相違を与える仕組みは他の構成により実現することもできる。例えば、A系列の信号を送出する第1アンテナ24の種別とB系列の信号を送出する第2アンテナ24の種別とを相違させる構成としてもよい。アンテナの種別の相違によってアンテナの指向性配置パターンが変化し、その結果、移動局装置30における各信号の受信レベルの相違(干渉領域の変化)が生じる。また、図2に変形例を示すように、第1アンテナ24の高さと第2アンテナ24の高さとを相違させる構成としてもよい。このような構成によっても、移動局装置30における各信号の受信レベルの相違(干渉領域の変化)がもたらされる。もちろん、各系列の信号の出力態様に相違を与え得る上記構成の幾つかを組み合わせることも可能である。

0032

以上説明したように、本例の無線通信システムは、共通の送信信号から生成された互いに直交するA系列及びB系列の各信号を別々のアンテナ24,25から同じ周波数で送出する複数の基地局装置20を備えている。そして、隣接する2つの基地局装置20(例えば、基地局装置20−1と基地局装置20−2)の間で、両方の基地局装置からA系列の信号が到達するエリア41と、両方の基地局装置からB系列の信号が到達するエリア42とが少なくとも部分的に重複しないように、一方の基地局装置(例えば、基地局装置20−1)からA系列の信号を第1態様で出力すると共にB系列の信号を第1態様とは異なる第2態様で出力し、他方の基地局装置(例えば、基地局装置20−2)からA系列の信号を第2態様で出力すると共にB系列の信号を第1態様で出力する構成となっている。

0033

このような構成によれば、隣接する基地局間で、A系列の信号が干渉するエリアとB系列の信号が干渉するエリアとの重複を低減又は回避することができるので、通信不能なエリアの削減を実現することが可能となる。しかも、A系列の信号とB系列の信号との合成が可能なエリアでは送信ダイバーシチ効果も得られるので、通信品質を向上させることも可能となる。

0034

以上、本発明について実施例に基づいて詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された無線通信システムに限定されるものではなく、上記以外の無線通信システムにも広く適用できることは言うまでもない。例えば、上記の説明は、D−STBC方式の無線通信システムを想定したものであるが、STBC方式などの他の方式の無線通信システムにも適用することが可能である。また、本発明に係る無線通信システムは、一例として、列車無線システムに適用すると効果的であるが、所定の経路を移動する移動局(例えば、高速道路走行する自動車)と通信する他の無線通信システムでも当然に有効である。また、本発明は、移動局の移動が想定される経路に沿った線状の通信エリアを確保する無線通信システムに限定されず、2つの基地局間における同一波干渉対策技術として利用することが可能である。

0035

また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法や方式、そのような方法や方式を実現するためのプログラム、そのプログラムを記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。

0036

本発明は、共通の送信信号から生成された互いに直交する第1系列及び第2系列の各信号を別々のアンテナから同じ周波数で送出する複数の基地局を備えた種々の無線通信システムに利用することができる。

0037

10,110:中央装置、 20,120:基地局装置、 30,130:移動局装置、 21,121:制御部、 22,122:A系列側の送信機、 23,123:B系列側の送信機、 24,124:A系列側のアンテナ、 25,125:B系列側のアンテナ、 26:減衰器

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