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技術 フェノチアジン誘導体を含有するカルボキシル基含有アクリルゴム組成物

出願人 ユニマテック株式会社
発明者 齋藤智
出願日 2019年1月16日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2019-005154
公開日 2020年7月27日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-111705
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード ゴム製ホース 高熱効率化 高粘性液体 有機二塩基酸 級モノアミン化合物 ジアザビシクロアルケン化合物 一次架橋 硬度変化
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この項目の情報は公開日時点(2020年7月27日)のものです。
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課題

アクリルゴム耐熱性、特に高温環境下における耐圧縮永久歪特性を向上させることができる新規老化防止作用を有する化合物を含有するアクリルゴム組成物の提供。

解決手段

カルボキシル基含有アクリルゴム100重量部に対して、(A)下記一般式〔I〕で表されるフェノチアジン誘導体0.1〜5重量部(R1:炭素数1〜20の一価脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基、R・Ar:アラルキル基であり、そのRは炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基である)、(B)上記フェノチアジン誘導体のSを酸化したフェノチアジン誘導体0.1〜5重量部、(C)カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋剤0.1〜3重量部、(D)カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋促進剤0.1〜5重量部を含有してなるカルボキシル基含有アクリルゴム組成物

概要

背景

地球温暖化対策としてCO2排出量規制に代表される環境規制が一層厳しくなる傾向にある。その対応策として、自動車エンジンには高出力化高熱効率化および排出ガスの低減および無害化が要求され、エンジンルーム内の温度は上昇する傾向にある。それに伴い、その周辺で使用されるゴム材料にはさらなる耐熱性の向上が求められている。

具体例として、エンジン燃費改善を目的としたターボチャージャーステムを搭載した車両の普及が進んでいる。このターボチャージャーからインタークーラーやエンジンに導かれる空気は高温高圧であることから、これを輸送するゴム製ホース材料には高い耐熱性が求められている。

このように、自動車のエンジンに使用されるゴム材料の使用環境高温化や長寿命化の要求に伴い、適切な老化防止剤ゴム製品部材に添加して耐熱性を向上させることが一般的に行われている。

アクリルゴムの場合にあっても、寿命延長の目的から老化防止剤として、フェノール系老化防止剤アミン系老化防止剤が用いられている。アミン系老化防止剤としてジフェニルアミン系老化防止剤があり、その代表例として4,4′-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが挙げられる。

また、近年ではゴム材料の老化防止剤としてフェノチアジン系老化防止剤が有効であることが、多数の特許文献に記載されている。

特許文献1には、加硫特性機械的特性および熱老化特性にすぐれ、防振ゴム用途に特に好適なゴム材料として、(A)ジエン系ゴム、(B)ビスマレイミド化合物および(C)下記フェノチアジン化合物を含有するものが記載されている。

R1、R2:水素原子芳香族環置換されてもよい
C1〜C8のアルキル基
アルコキシ基ハロゲン原子シアノ基
R3:水素原子、C1〜C6の鎖状または環状のアルキル基
ビニル基芳香族基
m、n:0〜2
5位の硫黄原子が-S(=O)-または-SO2-であるフェノチアジン化合物も知られており、例えば特許文献2〜4に記載されている。

特に、特許文献4には、下記一般式で示される縮合複素環化合物およびそれを含有する有機材料組成物が記載されており、酸化的、熱的あるいは光誘発性崩壊を受け易いポリマー等の有機材料に対し、高い加工安定性、耐熱性、長寿命を付与することが可能であると述べられている。

Y:化学的単結合、−S(=O)-、-SO2-
Ra、Rb:置換基を有してもよいC1〜C30有機基
Za、Zb:化学的な単結合、-SO2-
X1、X2:水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基
、-OR1、-O-CO-R1、-CO-OR1、-O-CO-OR1、-NR2R3、
-NR2-CO-R1、-CO-NR2R3、-O-CO-NR2R3、
n、m:0〜2、ただし、いずれか一方は0ではない

概要

アクリルゴムの耐熱性、特に高温環境下における耐圧縮永久歪特性を向上させることができる新規老化防止作用を有する化合物を含有するアクリルゴム組成物の提供。カルボキシル基含有アクリルゴム100重量部に対して、(A)下記一般式〔I〕で表されるフェノチアジン誘導体0.1〜5重量部(R1:炭素数1〜20の一価脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基、R・Ar:アラルキル基であり、そのRは炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基である)、(B)上記フェノチアジン誘導体のSを酸化したフェノチアジン誘導体0.1〜5重量部、(C)カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋剤0.1〜3重量部、(D)カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋促進剤0.1〜5重量部を含有してなるカルボキシル基含有アクリルゴム組成物。なし

目的

Y:化学的な単結合、−S(=O)-、-SO2-
Ra、Rb:置換基を有してもよいC1〜C30有機基
Za、Zb:化学的な単結合、-SO2-
X1、X2:水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基
、-OR1、-O-CO-R1、-CO-OR1、-O-CO-OR1、-NR2R3、
-NR2-CO-R1、-CO-NR2R3、-O-CO-NR2R3、
n、m:0〜2、ただし、いずれか一方は0ではない





特開2015−227402号公報
特開2015−137322号公報
特開2015−137323号公報
WO 2011/093443 A1
特開2010−235955号公報






しかしながら、上記何れの技術をもってしても、近年のアクリルゴム材料に対する耐熱要求を満たすものではなく、特に耐圧縮永久歪特性についてはさらなる向上が望まれている

効果

実績

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請求項1

カルボキシル基含有アクリルゴム100重量部に対して、(A) 下記一般式〔I〕で表されるフェノチアジン誘導体0.1〜5重量部(ここで、R1は炭素数1〜20の一価脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基であり、Ar・Rはアラルキル基であり、そのRは炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基である)(B) 下記一般式〔II〕で表されるフェノチアジン誘導体 0.1〜5重量部(ここで、R2は炭素数4〜20の一価の炭化水素基で、カルボニル基に対してα位の炭素が3級炭素であり、Ar・Rはアラルキル基であり、そのRは炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基である)(C) カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋剤 0.1〜3重量部(D) カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋促進剤0.1〜5重量部を含有してなるカルボキシル基含有アクリルゴム組成物

請求項2

カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋剤が多価アミン化合物またはその誘導体である請求項1記載のカルボキシル基含有アクリルゴム組成物。

請求項3

多価アミン化合物またはその誘導体がヘキサメチレンジアミンヘキサメチレンジアミンカーバメート、4,4′-ジアミノジフェニルエーテルまたは2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニルプロパンである請求項2記載のカルボキシル基含有アクリルゴム組成物。

請求項4

カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋促進剤がグアニジン化合物ジアザビシクロアルケン化合物またはその有機酸塩、または脂肪族3級モノアミン化合物である請求項1記載のカルボキシル基含有アクリルゴム組成物。

請求項5

グアニジン化合物が1,3-ジフェニルグアニジンまたは1,3-ジ-o-トリルグアニジンである請求項4記載のカルボキシル基含有アクリルゴム組成物。

請求項6

ジアザビシクロアルケン化合物またはその有機酸塩が1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンまたはその有機酸塩である請求項4記載のカルボキシル基含有アクリルゴム組成物。

技術分野

0001

本発明は、フェノチアジン誘導体を含有するカルボキシル基含有アクリルゴム組成物に関する。さらに詳しくは、アクリルゴム耐熱性、特に高温環境下における耐圧縮永久歪特性を向上させることのできるフェノチアジン誘導体を含有するカルボキシル基含有アクリルゴム組成物に関する。

背景技術

0002

地球温暖化対策としてCO2排出量規制に代表される環境規制が一層厳しくなる傾向にある。その対応策として、自動車エンジンには高出力化高熱効率化および排出ガスの低減および無害化が要求され、エンジンルーム内の温度は上昇する傾向にある。それに伴い、その周辺で使用されるゴム材料にはさらなる耐熱性の向上が求められている。

0003

具体例として、エンジン燃費改善を目的としたターボチャージャーステムを搭載した車両の普及が進んでいる。このターボチャージャーからインタークーラーやエンジンに導かれる空気は高温高圧であることから、これを輸送するゴム製ホース材料には高い耐熱性が求められている。

0004

このように、自動車のエンジンに使用されるゴム材料の使用環境高温化や長寿命化の要求に伴い、適切な老化防止剤ゴム製品部材に添加して耐熱性を向上させることが一般的に行われている。

0005

アクリルゴムの場合にあっても、寿命延長の目的から老化防止剤として、フェノール系老化防止剤アミン系老化防止剤が用いられている。アミン系老化防止剤としてジフェニルアミン系老化防止剤があり、その代表例として4,4′-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが挙げられる。

0006

また、近年ではゴム材料の老化防止剤としてフェノチアジン系老化防止剤が有効であることが、多数の特許文献に記載されている。

0007

特許文献1には、加硫特性機械的特性および熱老化特性にすぐれ、防振ゴム用途に特に好適なゴム材料として、(A)ジエン系ゴム、(B)ビスマレイミド化合物および(C)下記フェノチアジン化合物を含有するものが記載されている。

R1、R2:水素原子芳香族環置換されてもよい
C1〜C8のアルキル基
アルコキシ基ハロゲン原子シアノ基
R3:水素原子、C1〜C6の鎖状または環状のアルキル基
ビニル基芳香族基
m、n:0〜2
5位の硫黄原子が-S(=O)-または-SO2-であるフェノチアジン化合物も知られており、例えば特許文献2〜4に記載されている。

0008

特に、特許文献4には、下記一般式で示される縮合複素環化合物およびそれを含有する有機材料組成物が記載されており、酸化的、熱的あるいは光誘発性崩壊を受け易いポリマー等の有機材料に対し、高い加工安定性、耐熱性、長寿命を付与することが可能であると述べられている。

Y:化学的単結合、−S(=O)-、-SO2-
Ra、Rb:置換基を有してもよいC1〜C30有機基
Za、Zb:化学的な単結合、-SO2-
X1、X2:水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、ニトロ基
、-OR1、-O-CO-R1、-CO-OR1、-O-CO-OR1、-NR2R3、
-NR2-CO-R1、-CO-NR2R3、-O-CO-NR2R3、
n、m:0〜2、ただし、いずれか一方は0ではない

先行技術

0009

特開2015−227402号公報
特開2015−137322号公報
特開2015−137323号公報
WO 2011/093443 A1
特開2010−235955号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、上記何れの技術をもってしても、近年のアクリルゴム材料に対する耐熱要求を満たすものではなく、特に耐圧縮永久歪特性についてはさらなる向上が望まれている。本発明の目的は、アクリルゴムの耐熱性、特に高温環境下における耐圧縮永久歪特性を向上させることができる新規老化防止作用を有する化合物を含有するアクリルゴム組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

かかる本発明の目的は、カルボキシル基含有アクリルゴム100重量部に対して、
(A) 下記一般式〔I〕で表されるフェノチアジン誘導体0.1〜5重量部

(ここで、R1は炭素数1〜20の一価脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基であり、R・Arはアラルキル基であり、そのRは炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基である)
(B) 下記一般式〔II〕で表されるフェノチアジン誘導体 0.1〜5重量部

(ここで、R2は炭素数4〜20の一価の炭化水素基で、カルボニル基に対してα位の炭素が3級炭素であり、R・Arはアラルキル基であり、そのRは炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基である)
(C) カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋剤 0.1〜3重量部
(D) カルボキシル基含有アクリルゴム用架橋促進剤0.1〜5重量部
を含有してなるカルボキシル基含有アクリルゴム組成物によって達成される。

発明の効果

0012

本発明によって、カルボキシル基含有アクリルゴムの耐熱性、特に高温条件下における耐圧縮永久歪特性を向上させ得るフェノチアジン誘導体を含有するカルボキシル基含有アクリルゴムが提供される。また、従来のジフェニルアミン系老化防止剤と比較して、高温環境下におけるアクリルゴム架橋物破断時伸びの低下を抑制することもできる。

0013

一般式〔I〕で表されるフェノチアジン誘導体において、R1は一価の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の一価の芳香族炭化水素基である。具体的には、
メチル基エチル基、n-プロピル基n-ブチル基、n-ペンチル基n-ヘキシル基、n-ヘプチル基n-オクチル基、n-ノニル基、n-ウンデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘプタデシル基、
イソプロピル基、2-ブチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、4-ヘプチル基、2-オクチル基、3-オクチル基、4-オクチル基、
第3ブチル基、1,1-ジメチル-1-プロピル基、1,1-ジメチル-1-ブチル基、1,1-ジメチル-1-ペンチル基、1,1-ジメチル-1-ヘキシル基、3-メチル-3-ペンチル基、3-エチル-3-ペンチル基、3-メチル-3-ヘキシル基、
シクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基、
1-メチル-1-シクロペンチル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、
1-アダマンチル基等の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、
フェニル基ナフチル基アントラニル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられる。
特に炭素数が4〜20であり、カルボニル基に対してα位の炭素が3級炭素である一価の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば第3ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチル-1-ブチル基、1,1-ジメチル-1-ペンチル基、1,1-ジメチル-1-ヘキシル基、3-メチル-3-ペンチル基、3-エチル-3-ペンチル基、3-メチル-3-ヘキシル基、1-メチル-1-シクロペンチル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、1-アダマンチル基等が好ましい基として挙げられる。

0014

一般式〔I〕のAr・Rで表されるアラルキル基において、Arとしては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。そのRとしては炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素基であり、具体例としてメチレン基エチリデン基、1-プロピリデン基、2-プロピリデン基、1-ブチリデン基が挙げられる。Ar・Rとしては、α,α-ジメチルベンジル基が好ましい。

0015

かかる化合物、特にアラルキル基がα,α-ジメチルベンジル基を有する化合物は、特許文献4記載の方法によって、

を製造した後、10位のNH基をN-アシル化することにより容易に製造することができる。

0016

アシル化剤としてはカルボン酸塩化物等のカルボン酸ハライドまたはカルボン酸無水物を用いることができる。アシル化剤としてカルボン酸塩化物を使用する場合、その使用量は、化合物CD-S 1モルに対して約1〜10モル、好ましくは約1〜2モルの範囲である。

0017

反応に際しては、ピリジントリエチルアミン等の活性水素を有しない含窒素塩基性化合物共存下で行うのが好ましい。含窒素塩基性化合物の使用量は、カルボン酸塩化物1モルに対して、約1〜10モル、好ましくは約1〜5モルである。

0018

反応溶媒としては、ジクロロメタンクロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンテトラヒドロフラン等を用いることができる。また、ピリジンを溶媒として用いることができる。ピリジンを溶媒として用いる場合、その使用量はカルボン酸塩化物1モルに対して、10モル以上用いてもよい。

0019

反応は約0〜150℃で行われるが、反応速度、カルボン酸塩化物の沸点および溶媒の沸点等を考慮して適宜調整される。

0020

アシル化剤としてカルボン酸無水物を使用する場合、その使用量は、化合物CD-S 1モルに対して約1〜100モル、好ましくは約1〜50モルの範囲である。

0021

反応に際しては、ピリジン、トリエチルアミン等の活性水素を有しない含窒素塩基性化合物の共存下で行うのが好ましい。含窒素塩基性化合物の使用量は、化合物CD-S 1モルに対して、約1〜10モル、好ましくは約1〜5モルである。

0022

反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を用いることができるが、カルボン酸無水物を溶媒として用いることもできる。

0023

反応は約0〜150℃で行われるが、反応速度、溶媒およびカルボン酸無水物の沸点等を考慮して適宜調整される。

0024

一般式〔II〕で表されるフェノチアジン誘導体において、R2は炭素数4〜20の一価の炭化水素基で、カルボニル基に対してα位の炭素が3級炭素である。具体的には、
第3ブチル基、1,1-ジメチル-1-プロピル基、1,1-ジメチル-1-ブチル基、1,1-ジメチル-1-ペンチル基、1,1-ジメチル-1-ヘキシル基、3-メチル-3-ペンチル基、3-エチル-3-ペンチル基、3-メチル-3-ヘキシル基、
1-メチル-1-シクロペンチル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、
1-アダマンチル基、
α,α-ジメチルベンジル基、トリフェニルメチル基、1,1-ジフェニル-1-エチル基等が挙げられる。

0025

一般式〔II〕においてAr・Rはアラルキル基を示し、一般式〔I〕のAr・Rと同義である。

0026

一般式〔II〕で表されるフェノチアジン誘導体は、例えばAr・Rがα,α-ジメチルベンジル基の場合、化合物CD-Sを製造した後、前記と同様の方法により10位のアミノ基をN-アシル化し、次いで5位の硫黄原子を過酸化水素酢酸等の酸化剤により酸化することにより、容易に製造することができる。また、N-アシル化反応酸化反応とを逆の順序の方法とすることもできる。

0027

酸化反応に用いられる酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸過酢酸、酢酸/過酸化水素が用いられる。酸化剤の使用量は、アシル化CD-S(一般式〔I〕においてR1をR2に置き換えた化合物)1モルに対して、約2〜10モル用いられる。

0028

反応溶媒としては、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒ヘキサンオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロベンゼン等の含塩素系溶媒、酢酸等が用いられる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上組合せて用いることができる。

0029

反応は、約50〜150℃、好ましくは約80〜120℃の範囲で行われる。

0030

次に、本発明のフェノチアジン誘導体化合物〔I〕および〔II〕を含有するアクリルゴム組成物について説明する。

0031

カルボキシル基含有アクリルゴム組成物は、カルボキシル基含有アクリルゴムに、このフェノチアジン誘導体〔I〕および〔II〕、カルボキシル基含有アクリルゴム用の架橋剤およびカルボキシル基含有アクリルゴム用の架橋促進剤を配合することにより形成される。

0032

フェノチアジン誘導体〔I〕と〔II〕とは、カルボキシル基含有アクリルゴム100重量部に対しそれぞれ約0.1〜5重量部の割合で用いられるが、好ましくは〔I〕と〔II〕の配合部数の合計が、カルボキシル基含有アクリルゴム100重量部に対して約0.1〜5重量部の範囲である。フェノチアジン誘導体がこれより少ないと、アクリルゴム架橋物に十分な耐熱性および耐圧縮永久歪特性を付与できない。また、フェノチアジン誘導体をこれより多く用いても、アクリルゴム架橋物の耐熱性および耐圧縮永久歪特性を向上させることはできず、不経済である。

0033

また、フェノチアジン誘導体〔I〕および〔II〕の配合部数の比率は、アクリルゴム架橋物の耐熱老化特性および耐圧縮永久歪特性を考慮して決められ、好ましくは
0.1 ≦ 〔I〕の配合部数/〔II〕の配合部数 ≦ 10 である。

0034

アクリルゴムとしては、カルボキシル基含有アクリルゴム、エポキシ基含有アクリルゴム活性塩素基含有アクリルゴムが挙げられるが、特にカルボキシル基含有アクリルゴムが好ましい。

0035

一般的に入手可能なアクリルゴムとして、具体的には、日本ゼオン製品のニポールARシリーズ電気化学工業製品デンカERシリーズ、NOK製品のノックスタイトシリーズ、デュポン社製品のVamacシリーズ等を挙げることができる。

0036

カルボキシル基含有アクリルゴムは、アルキルアクリレートおよびアルコキシアルキルアクリレートの少なくとも一種を共重合成分とし、これにカルボキシル基含有不飽和化合物を共重合させたものである。

0037

アルキルアクリレートとしては、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートが用いられる。例えばメチルアクリレートエチルアクリレート、n-プロピルアクリレートイソプロピルアクリレートn-ブチルアクリレートイソブチルアクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-シアノエチルアクリレート等が用いられ、好ましくはエチルアクリレート、n-ブチルアクリレートが用いられる。

0038

アルコキシアルキルアクリレートとしては、炭素数2〜8のアルコキシアルキル基を有するアルコキシアルキルアクリレートが用いられる。例えばメトキシメチルアクリレートエトキシメチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエチルアクリレート等が用いられ、好ましくは2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレートが用いられる。

0039

これらのアルキルアクリレートまたはアルコキシアルキルアクリレートは、モノマー混合物中約60〜99.9重量%、好ましくは約80〜99重量%の割合で共重合反応に用いられ、共重合反応の重合反応率が90%以上では、モノマー混合割合がほぼ共重合割合となる。

0040

カルボキシル基含有不飽和化合物としては、例えばアクリル酸メタアクリル酸等の一塩基酸不飽和化合物マレイン酸フマル酸イタコン酸シトラコン酸等の二塩基酸不飽和化合物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ-n-ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノ-n-ブチル等の二塩基酸不飽和化合物モノエステルが用いられる。好ましくは、マレイン酸モノ-n-ブチル、フマル酸モノ-n-ブチルが用いられる。

0041

これらのカルボキシル基含有不飽和化合物は、モノマー混合物中約0.1〜10重量%、好ましくは約1〜5重量%の割合で用いられる。

0042

以上の成分以外に、約20重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で上記アクリレートと共重合可能エチレン性不飽和化合物を共重合させたものでも良い。例えばエチレン性不飽和化合物としては、スチレンα-メチルスチレン、4-メチルスチレンアクリル酸アミド酢酸ビニルシクロヘキシルアクリレートベンジルアクリレート塩化ビニル塩化ビニリデンアクリロニトリルエチルビニルエーテルブチルビニルエーテルエチレンプロピレンブタジエンイソプレンクロロプレン等が挙げられる。

0043

カルボキシル基含有アクリルゴムの架橋剤としては、多価アミン化合物またはその誘導体が用いられる。具体的には脂肪族多価アミン化合物、脂肪族多価アミン化合物の炭酸塩、アミノ基が有機基で保護された脂肪族多価アミン化合物または芳香族多価アミン化合物を用いることができる。

0044

例えば、脂肪族多価アミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミンが挙げられる。また、脂肪族多価アミン化合物の炭酸塩としては、ヘキサメチレンジアミンカーバメートが挙げられる。アミノ基が有機基で保護された脂肪族多価アミンとしては、N,N′-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミンまたは特許文献5に開示された化合物が挙げられる。

0045

芳香族多価アミン化合物としては、4,4′-メチレンジアニリンm-フェニレンジアミンp-フェニレンジアミン、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,3,5-ベンゼントリアミン、4,4′-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4′-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニルプロパン、4,4′-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。

0046

上記に挙げた多価アミン化合物を単独で用いてもよいし、二つ以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、4,4′-ジアミノジフェニルエーテルおよび2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンが好ましい。

0047

上記架橋剤は、アクリルゴム100重量部に対して約0.1〜3重量部用いられる。架橋剤の配合量がこれより少ないと架橋が不十分となり、架橋物機械的物性の低下および架橋速度の低下を招く。架橋剤の配合量がこれよりも多いと、架橋が過度に進行し架橋物の弾性の低下および耐圧縮永久歪特性の悪化を招く場合がある。

0048

カルボキシル基含有アクリルゴムの架橋促進剤としては、グアニジン化合物ジアザビシクロアルケン化合物またはその有機酸塩、脂肪族3級モノアミン化合物が用いられる。

0049

グアニジン化合物としては、テトラメチルグアニジンテトラエチルグアニジン、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン等が挙げられる。好ましくは、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジンまたはそれらの組み合わせである。

0050

ジアザビシクロアルケン化合物としては、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンが好ましい。1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンの有機酸塩に用いられる有機酸としては、有機一塩基酸または有機二塩基酸が挙げられる。

0051

有機一塩基酸としては、n-ヘキサン酸、n-ヘプタン酸n-オクタン酸、2-エチルヘキサン酸n-カプリン酸、n-ラウリン酸p-トルエンスルホン酸フェノール等が挙げられる。有機二塩基酸としては、アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ウンデカン二酸ドデカン二酸テレフタル酸オルトフタル酸フタル酸等が挙げられる。好ましくは、炭素数6〜18のモノカルボン酸またはジカルボン酸が好ましい。

0052

脂肪族3級モノアミン化合物としては、トリ-n-オクチルアミン、トリ-2-エチルヘキシルアミン、トリ-n-デシルアミン、トリ-n-ドデシルアミン、トリ-n-テトラデシルアミン、トリ-n-ヘキサデシルアミン、トリ-n-オクタデシルアミン、N,N-ジメチルデシルアミン、N,N-ジメチルウンデシルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルテトラデシルアミン、N,N-ジメチルヘキサデシルアミン、N,N-ジメチルオクタデシルアミン等が挙げられ、特にN,N-ジメチルデシルアミン、N,N-ジメチルウンデシルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルテトラデシルアミン、N,N-ジメチルヘキサデシルアミン、N,N-ジメチルオクタデシルアミンが好ましい。

0053

上記架橋促進剤は、アクリルゴム100重量部に対して約0.1〜5重量部、好ましくは約0.3〜3重量部用いられる。架橋促進剤がこれより少ないと、架橋速度の著しい低下、架橋後のアクリルゴムの機械的物性の低下および熱老化後の機械的物性の低下を招くことがある。一方、これより多く用いられると、アクリルゴムの圧縮永久歪特性の悪化を招くことがある。

0054

カルボキシル基含有アクリルゴム組成物には必要に応じて、例えば充填剤加工助剤可塑剤軟化剤、他の老化防止剤、着色剤、安定剤、接着助剤離型剤導電性付与剤熱伝導性付与剤、表面非粘着剤粘着付与剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤難燃剤紫外線吸収剤耐油性向上剤スコーチ防止剤滑剤等の各種添加剤を配合することができる。

0057

可塑剤としては、例えばエポキシ樹脂フタル酸誘導体やセバシン酸誘導体、軟化剤としては、例えば潤滑油プロセスオイルコールタールヒマシ油ステアリン酸カルシウム、老化防止剤としては、例えばフェニレンジアミン類フォスフェート類、キノリン類クレゾール類フェノール類ジチオカルバメート金属塩等が挙げられる。

0058

カルボキシル基含有アクリルゴム組成物の調製は、前記カルボキシル基含有アクリルゴムに、架橋剤、架橋促進剤および必要に応じて使用されるその他の配合剤などを配合し、バンバリーミキサー加圧ニーダーオープンロール等を用いて混和することでできる。それの架橋は、約120〜250℃、約1〜60分間の一次架橋および必要に応じて約120〜200℃、約1〜20時間のオーブン架橋(二次架橋)が行われる。

0059

次に、実施例について本発明を説明する。

0060

参考例1
3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノチアジン〔CD-S〕の製造
マグネット攪拌子温度計窒素ガス導入口と排出口および還流冷却管を備えた容量500mlの四口フラスコに、フェノチアジン 59.8g(0.3モル)、p-トルエンスルホン酸1.44gおよびトルエン280mlを投入し、80℃に昇温した後、α-メチルスチレン70.9g(0.6モル)を加え、窒素ガス雰囲気下で1時間反応させた。

0061

反応混合物を室温まで冷却した後、減圧下でトルエンを留去し、紫色固体状反応生成物132gを得た。これを600〜800mlのエタノール再結晶することにより、薄紫色の結晶として粗製CD-S 90g(収率69%)が得られた。さらに、この粗CD-S 20gをエタノールで再結晶し、無色鱗片状の結晶として精製CD-S 18gを得た。

0062

参考例2
10-ヘキサノイル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノチアジン〔CD-S-He〕の製造
マグネット攪拌子を備えた容量300mlの三口フラスコに、粗製CD-S 20.0g(45.9ミリモル)、ジクロロメタン75ml、ピリジン6.0gおよびヘキサノイルクロリド7.41g(55.1ミリモル)を順次投入し、室温下で1時間反応させた。

0063

得られた反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、その有機層無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下でろ液から揮発成分を留去し、次いでn-ヘキサンで再結晶し、無色の結晶としてCD-S-He 20.4g(収率83%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3、δ ppm):0.82 (t、3H、J=6.9Hz、-CH2CH2CH2CH2CH3)
1.21 (m、4H、-CH2CH2CH2CH2CH3)
1.57 (quin、J=7.2Hz、2H、-CH2CH2CH2CH2CH3)
1.66 (s、12H、-C(CH3)2-)
2.45 (t、J=7.2Hz、2H、-CH2CH2CH2CH2CH3)
7.11〜7.38 (m、16H)

0064

参考例3
10-ピバロイル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノチアジン〔CD-S-PIV〕の製造
マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量300mlの三口フラスコに、粗製CD-S 68.6g(157ミリモル)、ピリジン63gおよびピバロイルクロリド24.6g(204ミリモル)を順次投入し、120℃で1.5時間反応させた。

0065

反応終了後、減圧下で反応混合物からピリジンを留去した後、残留物にジクロロメタン150ml加えた。ジクロロメタン溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下でろ液から揮発成分を留去し、次いでエタノールから再結晶し、無色の結晶としてCD-S-PIV 67.7g(収率83%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3、δ ppm):1.11 (s、9H、-C(CH3)3)
1.66 (s、12H、-C(CH3)2-)
7.11〜7.30 (m、14H)
7.46(d, J=8.1Hz, 2H)

0066

参考例4
10-(2,2-ジメチルブチリル)-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノチアジン〔CD-S-DMB〕の製造
マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量300mlの三口フラスコに、粗製CD-S 40.0g(91.8ミリモル)、ピリジン40gおよび2,2-ジメチルブチリルクロリド16.0g(119ミリモル)を順次投入し、120℃で2時間反応させた。

0067

反応終了後、減圧下で反応混合物からピリジンを留去した後、残留物をジクロロメタン100mlに溶解させた。ジクロロメタン溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、減圧下でろ液から揮発成分を留去し、次いでn-ヘキサンから再結晶し、無色の結晶としてCD-S-DMB 34.3g(収率70%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3、δ ppm):0.92 (t、 J=7.5Hz、3H、-C(CH3)2CH2CH3)
1.00 (s、6H、-C(CH3)2CH2CH3)
1.57 (q、J=7.5Hz、2H、-C(CH3)2CH2CH3)
1.66 (s、12H、-C(CH3)2-)
7.11〜7.30 (m、14H)
7.43(d, =8.4Hz, 2H)

0068

参考例5
3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノチアジン-5,5-ジオキシド〔CD-SO2〕の製造
マグネット攪拌子、温度計、窒素ガス導入口と排出口および還流冷却管を備えた容量500mlの四口フラスコに、フェノチアジン 24.9g(0.125モル)、p-トルエンスルホン酸0.6gおよびトルエン115mlを投入し、80℃に昇温した後、α-メチルスチレン29.5g(0.25モル)を加え、窒素ガス雰囲気下で1時間反応させた。

0069

次に、反応混合物に酢酸30gを加えた後、30%過酸化水素水42.5gを5回に分けて加え、さらに80℃で2時間反応させた。内容物を室温まで冷却し、静置した後、上層トルエン層を500mlのメタノール中に注いだ。室温で一夜放置後、淡黄色の結晶として粗製CD-SO2 42.5g(収率72%)を得た。これをエタノールで再結晶し、淡黄色の針状結晶38g(収率65%)を得た。

0070

参考例6
10-ピバロイル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノチアジン-5,5-ジオキシド〔CD-SO2-PIV〕の製造
マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量500mlの三口フラスコに、粗製CD-S 68.7g(158ミリモル)、ピバロイルクロリド24.8g(206ミリモル)およびピリジン60gを順次投入し、120℃で2時間反応させた。得られた反応混合物から減圧下でピリジンを留去し、次いで残留物をジクロロメタン150mlに溶解させた。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液300mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液から揮発性成分を減圧留去し、赤色の高粘性液体81.7gを得た。

0071

この高粘性液体をトルエン250mlに溶解し、マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量1000mlの三口フラスコ中に投入した。次いで、酢酸80gおよび30%過酸化水素水107gを順次投入し、100℃で2時間反応させた。

0072

内容物を室温まで冷却した後、上層のトルエン層を取出し、減圧下で揮発性物質を留去した。得られた赤色の高粘性液体89gを、エタノール/トルエン(容積比9:1)混合溶媒で再結晶し、無色の針状結晶としてCD-SO2-PIV 70.3g(収率81%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3、δ ppm):1.22 (s、9H、-C(CH3)3)
1.71 (s、12H、-C(CH3)2-)
7.19〜7.30 (m、12H)
7.42 (d、J=9.0Hz、2H)
8.03 (d、J=1.8Hz、2H)

0073

参考例7
10-(2,2-ジメチルブチリル)-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノチアジン-5,5-ジオキシド〔CD-SO2-DMB〕の製造
マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量500mlの三口フラスコに、粗製CD-S 67.2g(154ミリモル)、2,2-ジメチルブチリルクロリド26.8g(199ミリモル)およびピリジン65gを順次投入し、120℃で2時間反応させた。得られた反応混合物から減圧下でピリジンを留去し、次いで残留物をジクロロメタン150mlに溶解させた。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液300mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液から揮発性成分を減圧留去し、赤色の高粘性液体89.7gを得た。

0074

この高粘性液体をトルエン250mlに溶解し、マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量1000mlの三口フラスコ中に投入した。次いで、酢酸80gおよび30%過酸化水素水105gを順次投入し、100℃で2時間反応させた。

0075

内容物を室温まで冷却した後、上層のトルエン層を取出し、減圧下で揮発性物質を留去した。得られた赤色の高粘性液体88.9gを、600mlのエタノールで再結晶し、無色の針状結晶としてCD-SO2-DMB 62.0g(収率75%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3、δ ppm):0.86 (t、J=7.2Hz、3H、- C(CH3)2-CH2-CH3)
1.11 (s、6H、-C(CH3)2-CH2-CH3)
1.68 (q、J=7.2Hz、2H、-C(CH3)2-CH2-CH3)
1.71 (s、12H、-C(CH3)2-)
7.13〜7.30 (m、12H)
7.46 (d、J=9.0Hz、2H)
8.02 (d、J=2.1Hz、2H)

0076

参考例8
10-(1-アダマンタンカルボニル)-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェノチアジン-5,5-ジオキシド〔CD-SO2-Ad〕の製造
マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量500mlの三口フラスコに、粗製CD-S 30g(68.8ミリモル)、1-アダマンタンカルボニルクロリド17.8g(89.6ミリモル)およびピリジン30gを順次投入し、120℃で2時間反応させた。得られた反応混合物から減圧下でピリジンを留去し、次いで残留物をジクロロメタン100mlに溶解させた。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液150mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液から揮発性成分を減圧留去し、赤色の高粘性液体44.8gを得た。

0077

この高粘性液体をトルエン170mlに溶解し、マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量500mlの三口フラスコ中に投入した。次いで、酢酸45gおよび30%過酸化水素水60gを順次投入し、100℃で2時間反応させた。

0078

内容物を室温まで冷却した後、上層のトルエン層を取出し、減圧下で揮発性物質を留去した。得られた赤色の高粘性液体49.2gをエタノール/トルエン(容積比1:1)混合溶媒で再結晶し、無色の結晶としてCD-SO2-Ad 30g(収率69%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3、δ ppm):1.62 (s、6H、CHa2)
1.72 (s、12H、-C(CH3)2-)
1.87 (d、J=2.7Hz、6H、CHb2)
1.96 (s、3H、CHc)
7.16〜7.30 (m、14H)
8.06 (d、J=2.1Hz、2H)

0079

実施例1
カルボキシル基含有アクリルゴム100重量部
(ユニマテック製品ノックスタイトPA-522HF、Tg:-31℃)
FEFカーボンブラック(東海カーボン製品シーストGSO) 55 〃
ステアリン酸(ミヨシ油脂製品TST) 1 〃
ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸0.5 〃
(東邦化学工業製品フォスファノールRL-210)
ステアリルアミン(n-オクタデシルアミン) 1 〃
(花王ケミカル製品ファーミン80S)
架橋促進剤A 1 〃
(Safic-Alcan社製品Vulcofac ACT55)
ヘキサメチレンジアミンカーバメート0.6 〃
(ユニマテック製品ケミノックスAC6F)
CD-S-He 1 〃
CD-SO2-DMB 1 〃
以上の各成分の内、カルボキシル基含有アクリルゴム、FEFカーボンブラック、ステアリン酸およびポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸を、バンバリーミキサーで混和した。得られた混和物に、所定量の残りの各成分をオープンロールで混和し、アクリルゴム組成物を得た。これを、100トンプレス成形機により、180℃で8分間の一次架橋(圧縮成形)および175℃で4時間のオーブン架橋(二次架橋)を行い、厚さ約2mmのシート状架橋物および直径約29mm、高さ約12.5mmの円柱状の架橋物を得た。

0080

アクリルゴム組成物の架橋特性およびその架橋物の物性を、次のようにして測定した。
ムーニースコーチ試験:JIS K6300準拠(125℃)
東洋精機製作所製ムーニービスコメーターAM-3を用い、最小ムーニー粘度
(ML min)とスコーチ時間(t5)の値を測定
架橋試験:JIS K6300-2準拠(180℃、12分間)
東洋精機製作所製ロータレスレオメータRLR-3使を用い、ML、MH、tc
(10)およびtc(90)の値を測定
ML:最小トルク
MH:最大トルク
tc(10):架橋トルクがML+(MH-ML)×0.1に達するまでに要する時間
tc(90):架橋トルクがML+(MH-ML)×0.9に達するまでに要する時間
常態物性:JIS K6251、JIS K6253準拠
空気加熱老化試験:JIS K6257準拠(175℃:500時間、185℃:500時間)
圧縮永久歪:JIS K6262準拠(175℃、70時間、500時間)

0081

実施例2
実施例1において、架橋促進剤Aの代りに、架橋促進剤B(1,3-ジ-o-トリルグアニジン、大内新興化学工業製品ノクセラーDT)が2重量部用いられた。

0082

実施例3
実施例2において、CD-SO2-DMBの代りに、同量(1重量部)のCD-SO2-Adが用いられた。

0083

実施例4
実施例2において、ヘキサメチレンジアミンカーバメートの代りに、同量(0.6重量部)の4,4′-ジアミノジフェニルエーテル(東京化成工業製品)が用いられ、ステアリルアミンが用いられなかった。

0084

実施例5
実施例1において、CD-S-HeおよびCD-SO2-DMBの代りに、それぞれ同量(1重量部)のCD-S-PIVおよびCD-SO2-PIVが用いられた。

0085

実施例6
実施例1において、CD-S-Heの代りに、同量(1重量部)のCD-S-DMBが用いられた。

0086

得られた結果は、カルボキシル基含有アクリルゴム、FEFカーボンブラック、ステアリン酸およびポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸以外の各成分量と共に、次の表1に示される。

表1
実-1 実-2 実-3 実-4 実-5 実-6
〔成分量〕
ステアリルアミン1 1 1 1 1
架橋促進剤A 1 1 1
架橋促進剤B 2 2 2
ヘキサメチレンジアミンカーバメート0.6 0.6 0.6 0.6 0.6
4,4′-ジアミノジフェニルエーテル0.6
CD-S-He 1 1 1 1
CD-S-PIV 1
CD-S-DMB 1
CD-SO2-PIV 1
CD-SO2-DMB 1 1 1 1
CD-SO2-Ad 1

測定値
ムーニー・スコーチ試験(125℃)
ML min (pts) 34 31 31 35 38 38
t5 (分) 7.1 8.6 8.7 12.3 6.6 6.9
架橋試験(180℃)
tc(10) (分) 0.63 0.73 0.72 1.30 0.66 0.65
tc(90) (分) 6.74 6.79 6.71 8.31 6.90 6.87
ML (N・m) 0.14 0.14 0.13 0.13 0.15 0.14
MH(N・m) 0.62 0.61 0.62 0.64 0.62 0.63
常態物性
硬度(Duro A) 62 59 59 64 61 61
100%モジュラス(MPa) 3.3 3.0 3.1 4.2 2.9 3.1
破断強度(MPa) 11.1 10.6 9.9 11.6 11.2 11.0
破断時伸び(%) 270 300 270 260 280 270
熱老化試験(175℃、500時間)
硬度変化(Duro A) +7 +4 +5 +8 +6 +6
100%モジュラス変化 (%) -25 -31 -27 -21 -17 -20
破断強度変化 (%) -36 -38 -33 -29 -39 -37
破断時伸び変化 (%) +15 +13 +19 +4 +7 +11
熱老化試験(185℃、500時間)
硬度変化 (Duro A) +14 +16 +16 +14 +14 +15
100%モジュラス変化 (%) -16 -15 -13 -19 -15 -17
破断強度変化 (%) -49 -53 -49 -47 -52 -50
破断時伸び変化 (%) -4 -10 +0 -12 -7 -10
圧縮永久歪
175℃、70時間 (%) 18 19 19 15 18 18
175℃、500時間 (%) 38 37 36 30 38 38

0087

比較例1
実施例1において、CD-S-HeおよびCD-SO2-Adの代りに、4,4′-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業製品ノクラックCD)が2重量部用いられた。

0088

比較例2
実施例1において、CD-S-HeおよびCD-SO2-Adの代りに、CD-SO2が2重量部用いられた。

0089

比較例3
比較例1において、架橋促進剤Aの代りに、架橋促進剤Bが2重量部用いられた。

0090

比較例4
比較例2において、架橋促進剤Aの代りに、架橋促進剤Bが2重量部用いられた。

0091

比較例5
比較例3において、ステアリルアミンおよびヘキサメチレンジアミンカーバメートが用いられず、4,4′-ジアミノジフェニルエーテルが2重量部用いられた。

0092

比較例6
比較例4において、ステアリルアミンおよびヘキサメチレンジアミンカーバメートが用いられず、4,4′-ジアミノジフェニルエーテルが0.6重量部用いられた。

実施例

0093

得られた結果は、カルボキシル基含有アクリルゴム、FEFカーボンブラック、ステアリン酸およびポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸以外の各成分量と共に、次の表2に示される。

表2
比較例
1 2 3 4 5 6
〔成分量〕
ステアリルアミン1 1 1 1
架橋促進剤A 1 1
架橋促進剤B 2 2 2 2
ヘキサメチレンジアミンカーバメート0.6 0.6 0.6 0.6
4,4′-ジアミノジフェニルエーテル0.6 0.6
4,4′-ビス(α,α-ジメチルベンジル) 2 2 2
ジフェニルアミン
CD-SO2 2 2 2

〔測定値〕
ムーニー・スコーチ試験(125℃)
ML min (pts) 30 33 26 30 32 34
t5 (分) 7.0 7.3 8.6 8.2 13 14.8
架橋試験(180℃)
tc(10) (分) 0.63 0.68 0.72 0.72 1.30 1.30
tc(90) (分) 6.79 6.99 6.80 6.65 8.29 8.40
ML (N・m) 0.13 0.14 0.13 0.14 0.12 0.13
MH(N・m) 0.61 0.62 0.60 0.61 0.62 0.62
常態物性
硬度(Duro A) 62 62 59 60 60 62
100%モジュラス(MPa) 3.0 3.3 2.9 3.5 3.6 4.1
破断強度(MPa) 10.8 10.9 10.2 10.3 11.0 11.5
破断時伸び(%) 260 270 300 280 260 240
熱老化試験(175℃、500時間)
硬度変化(Duro A) +4 +6 +1 +3 +10 +9
100%モジュラス変化 (%) -17 -25 -41 -39 -17 -18
破断強度変化 (%) -41 -40 -47 -37 -33 -29
破断時伸び変化 (%) +15 +7 +13 +14 +8 +8
熱老化試験(185℃、500時間)
硬度変化 (Duro A) +19 +15 +21 +13 +18 +16
100%モジュラス変化 (%) +41 -25 +7 -38 +18 -29
破断強度変化 (%) -43 -63 -49 -60 -42 -53
破断時伸び変化 (%) -35 -4 -30 -4 -31 -8
圧縮永久歪
175℃、70時間 (%) 24 25 22 21 16 17
175℃、500時間 (%) 40 44 38 41 32 36

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