図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
概要
ステータコアの内周側に位置するコイルを効果的に冷却すること。コイルが巻回されてステータ20を構成するステータコアは、円環状の磁性体板50と同じく円環状の多孔質体52とが交互に積層されて中空円筒状となっている。磁性体板50および多孔質体52は、同一形状であり、ヨーク26およびティース28の両方が磁性体板50および多孔質体52が積層されて構成されている。上方から冷媒が噴射されると、冷媒が多孔質体52の孔を通過してスロット内に至り、発熱源であるコイルと冷媒が直接接触して熱交換をする。
目的
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
請求項2
請求項1に記載のステータであって、前記ステータコアは、円環状のヨークと、前記ヨークから半径方向内方に伸び、前記コイルが巻回されるティースと、を含み、前記ヨークおよび前記ティースの両方が、複数の前記磁性体板が前記多孔質体を介在させて積層されて構成されている、ステータ。
請求項3
請求項1または2に記載のステータであって、前記磁性体板と、多孔質体とは、同一形状である、ステータ。
請求項4
コイルがステータコアに巻回されて構成された円環状のステータと、前記ステータの内側に所定間隙を隔てて配置され、周縁に近い位置に複数の永久磁石部を有するロータと、を含むモータであって、前記ステータコアは、複数の磁性体板が多孔質体を介在させて積層されて構成され、前記ロータの内側に供給された冷媒が前記多孔質体を通過して、前記ロータの外周から排出される、モータ。
請求項5
請求項3に記載のモータであって、前記永久磁石部は、磁石本体に接して設けられた前記多孔質体を有し、前記ロータの内側に供給された前記冷媒が前記多孔質体を通過して、前記ロータの外周から排出される、モータ。
技術分野
背景技術
0002
車両の駆動用モータなど大出力のモータでは、発熱が大きい。このため、オイル(例えば、ATF:Automatic Transmission Fluid)などの冷媒によってロータ、ステータを冷却する場合が多い。そして、冷媒による冷却を効果的に行うために各種の提案があり、特許文献1では、ステータとケースの間に多孔質体を配置し、ここに冷媒を供給し、ステータの冷却を促進することが提案されている。
先行技術
0003
特開2009−50105号公報
発明が解決しようとする課題
0004
ここで、特許文献1では、ステータコアの外周側を冷媒と接触させることでステータを冷却する。一方、ステータはコイルの発熱により温度が上昇する。このため、ステータコアの内周側に位置するコイルをより効果的に冷却することが望まれる。
課題を解決するための手段
0005
本発明は、コイルがステータコアに巻回されて構成された円環状のステータであって、前記ステータコアは、複数の磁性体板が多孔質体を介在させて積層されて構成されている。
0006
ステータコアは、円環状のヨークと、ヨークから半径方向内方に伸び、コイルが巻回されるティースと、を含み、ヨークおよびティースの両方が複数の磁性体板が多孔質体を介在させて積層されて構成されているとよい。
0007
前記磁性体板と、多孔質体とは、同一形状であるとよい。
0008
また、本発明は、コイルがステータコアに巻回されて構成された円環状のステータと、前記ステータの内側に所定間隙を隔てて配置され、周縁に近い位置に複数の永久磁石部を有するロータと、を含むモータであって、前記ステータコアは、複数の磁性体板が多孔質体を介在させて積層されて構成され、前記ロータの内側に供給された冷媒が前記多孔質体を通過して、前記ロータの外周から排出される。
0009
前記永久磁石部は、磁石本体に接して設けられた多孔質体を有し、前記ロータの内側に供給された冷媒が前記多孔質体を通過して、前記ロータの外周から排出されるとよい。
発明の効果
0010
本発明によれば、ステータコアにおいて、磁性体板間に多孔質体が介在されている。従って、多孔質体を介して冷媒をコイルに供給することができ、冷媒によってステータの効果的な冷却が行える。
図面の簡単な説明
0011
モータの概略構成を示す図である。
ステータコアの斜視図であり、セグメントコイルの挿入方向も示している。
ステータコアにコイルが巻回された状態を示す図である。
ステータコアについての中心軸を通る面での断面図である。
モータの概略構成(他の実施形態)を示す図である。
ロータを軸方向から見た図である。
永久磁石部の構成を示す図であり、(a)は長手方向の正面を示す図であり、(b)はA−A断面図である。
実施例
0012
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。
0013
「モータの構成」
図1は、モータ10の概略構成を示す図である。このようにモータ10は、ロータ12とステータ20をケース60内に備えている。
0014
ロータ12は、ベアリング(図示せず)等を介してケース60に対して回転可能に支持されているロータ軸14に固定されたロータコア16を有する。ロータコア16は、円筒状であり、外周に近い位置に、軸方向に伸びる複数の永久磁石部18が配設されている。
0015
ステータ20は、円環状であって内周側がロータ12の外周と対向するようにケース60に保持されている。また、ステータ20は、ステータコア22と、ステータコア22の内周側に設けられたティースに巻回されるコイル24を有する。図1において、コイル24は、ステータコア22から軸方向に突出するコイルエンドのみが示されている。
0017
本実施形態においては、ロータ12、ステータ20に冷媒(オイル)を循環してこれらを冷却する冷却装置30を有している。すなわち、ケース60内底部に溜まった冷媒は、必要に応じて冷却した後、ポンプ32によって、ロータ12とステータ20に供給される。ロータ軸14の内部には、軸方向の伸びる流路34が設けられており、この流路34には、半径方向に伸びる流路36を介しロータコア16内において軸方向に伸び両端が開放する流路38が接続されている。このため、ポンプ32によって流路34に冷媒を供給することで、冷媒がロータコア16内を流れた後ロータコア16から出てケース60内底部に戻る。
0018
なお、この例では、ロータコア16における軸方向の流路38から冷媒が流出するようにしたが、これに限らず、ロータコア16の周面に至る半径方向の流路を設け、ここから冷媒をステータ20に向けて流出するようにしてもよい。これによってステータ20に内側から冷媒を供給することができ、冷媒をステータ20に供給することもできる。
0019
また、ステータコア22の上方には、下側に複数の吐出口を有する冷却管40が設けられている。このため、ポンプ32によって冷却管40に冷媒を供給することで、冷媒がステータコア22およびコイル24に降りかかり、ケース60内底部に戻る。
0020
このように、冷却装置30によって、ロータ12、ステータ20が冷却される。
0021
「ステータコアの構成」
図2は、ステータコア22の斜視図である。ステータコア22は、円環状のヨーク26と、ヨーク26から半径方向内方に突出する複数のティース28を有している。そして、U字型のセグメントコイル24aの一対の脚をティース28間に形成されたスロットにそれぞれ挿入した後、ステータコア22から突出した先端を折り曲げ、他のセグメントコイル24aに接続することでコイル24を形成する。なお、ヨーク26は3か所において半径方向外側に膨らんでおり、ここにボルト締め用の穴22aが形成されている。
0022
図3は、ステータコア22にコイル24が巻回された状態を示す図である。セグメントコイル24aの両脚がステータコア22の2つスロットにそれぞれ挿入され、セグメントコイル24aの先端が他のセグメントコイル24aの先端と接続されることで、3相のコイル24が形成される。
0023
図4は、ステータコア22についての中心軸を通る面での断面図である。このように、ステータコア22は、磁性体板50を、多孔質体52を介在させて積層して構成されている。すなわち、円環状の磁性体板50と同じく円環状の多孔質体52が交互に積層されて中空円筒状となっている。この実施形態において、磁性体板50および多孔質体52は、同一形状であり、ヨーク26およびティース28の両方が磁性体板50および多孔質体52が積層されて構成されている。図4においては、上部および下部が断面であり、中間部ではティース28の先端が内側から見えている。なお、ステータコア22の強度を十分なものとして、スロットを狭めないためには、多孔質体52を磁性体板50と同一形状とすることが好ましいが、多孔質体52は適当数の穴を設けたりして、冷媒の流通を容易にしてもよい。
0024
ここで、磁性体板50は、通常のステータコアに用いられる表面に絶縁皮膜が形成された電磁鋼板などが好適である。多孔質体52は、内部に冷媒が流通できるように、連続気孔を有するものが採用される。多孔質体52は、多孔質合成樹脂、多孔質セラミック、多孔質ガラス、多孔質金属など各種のものが採用できる。多孔質金属としては、各種のものが市販されており、適宜選択して使用することができる。特に、多孔質金属として、シート状のものを用いれば、その加工が容易である。
0025
多孔質体52として、絶縁材料を用いる場合、磁性体板50の絶縁被覆を省略することができる。多孔質体52に金属を用いる場合、例えばアルミなどを採用できる。磁性体板50に絶縁皮膜を形成しておけば、多孔質体52を導電材としてもその表面に絶縁皮膜を形成する必要はないが、絶縁皮膜を設けてもよい。
0027
このようなステータコア22を利用したステータ20においては、例えば上方から冷媒が噴射されると、その冷媒が多孔質体52の孔を通過してスロット内に至る。従って、発熱源であるコイル24と冷媒が直接接触して熱交換する。このため、冷媒によりステータ20を効果的に冷却することができる。また、多孔質体52の内部に冷媒が流動するだけでなく、多孔質体52の両面に接する磁性体板50の表面にも接触する。従って、ステータ20の全体を効果的に冷却することができる。なお、上述したように、ロータ12の外周面から冷媒を放出するように構成すると、放出された冷媒がステータ20の多孔質体52の内周側にも供給される。従って、ロータ12から放出された冷媒がステータ20の多孔質体52内に侵入し、ステータ20の効果的な冷却も行える。
0028
「他の構成例」
ロータ12において冷媒の流路を変更した他の実施形態について説明する。図5は、モータの概略構成を示す図であり、図6はロータ12を軸方向から見た図である。このように、ロータ軸14内に軸方向に伸びる流路34が設けられており、ここから半径方向外側に向けて複数の流路36が設けられる。この流路36は、ロータ軸14内からロータコア16内にまで伸び、ロータコア16内を軸方向に伸びる流路38に接続される。
0029
流路38には、さらに半径方向外周側に伸びる複数の流路70が接続されている。この流路70は、流路38を軸方向に伸びる複数の磁石孔72に接続する。そして、磁石孔72には外周端まで半径方向に伸び、外周に開口する複数の流路74が接続されている。従って、流路38からの冷媒は、流路70、磁石孔72、流路74を通り、ロータコア16から半径方向に吐出し、対向するステータ20の内周側に吹きかけられる。なお、磁石孔72に内には、それぞれ永久磁石部18が挿入されているが、この永久磁石部18は多孔質体を有しており冷媒は通過可能になっている。ここで、この例では流路38の軸方向両端部は、閉じられており、磁石孔72に冷媒が流れるが、各流路の流量を適切に維持するように、流路38の両端を開口してもよい。
0030
図7は、永久磁石部18の構成を示す図であり、(a)は長手方向の正面を示す図であり、(b)はA−A断面図である。この例において、永久磁石部18は磁石本体80と多孔質体82とから構成されている。すなわち、四角柱状の永久磁石部18の4側面を覆う(囲繞する)ように、多孔質体82が設けられている。従って、磁石孔72の内側面と永久磁石部18の外側面の間には多孔質体82が位置している。この多孔質体82は、上述した多孔質体52と同様の材質のものとできる。
0031
ここで、図6に示すように、磁石孔72は、ここに挿入される永久磁石部18より若干大きく形成されている。特に、周方向の両端部には、軸方向に伸びる空隙がある。この空隙には接着剤(高温に強いエポキシ系接着剤など)などを挿入してもよいし、ここを空隙のままにしてもよい。空隙のままにした場合には、軸方向の端部において、ロータコア16を構成する複数枚の磁性体板(例えば電磁鋼板)をかしめることで永久磁石部18を抜けないようにするストッパ部を設けるとよい。
0032
このような構成によれば、磁石本体80と磁石孔72との間には多孔質体82が介在する。流路70から供給される冷媒は、多孔質体82を通過して、流路74を介し外側に排出される。
0033
ロータ12においては、永久磁石部18の発熱が大きい。本実施形態によれば、多孔質体82を介し、磁石本体80に冷媒が直接接触する。従って、ロータ12を冷媒によって効果的に冷却することができる。
0034
そして、本実施形態においては、流路74から放出される冷媒は、ステータ20の内周側に吹き付けられる。従って、コイル24の内周側に直接供給される。さらに、上述したようにステータコア22は多孔質体52を有している。従って、ティース28の内周側に当たった冷媒の一部は、多孔質体52の内部に至ることができる。従って、ロータ12の流路74から放出される冷媒によって、ステータ20を効果的に冷却することができる。
0035
10モータ、12ロータ、14ロータ軸、16ロータコア、18永久磁石部、20ステータ、22ステータコア、22a 穴、24コイル、24aセグメントコイル、26ヨーク、28ティース、30冷却装置、32ポンプ、34,36,38,70,74流路、40冷却管、50磁性体板、52多孔質体、60ケース、72磁石孔、80磁石本体、82 多孔質体。
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