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課題

ジスルフィド含有ポリペプチド組換え生産中におけるジスルフィド結合還元を防止するための方法の提供。

解決手段

チャイニーズハムスター卵巣(CHO)組換型ホスト細胞培養物中で抗体を発現することと、細胞培養物生産段階に続いて、処理中の抗体中のジスルフィド結合の還元を防止するために、組換型ホスト細胞の収集前の細胞培養液を空気でスパージングすることとを含み、空気スパージングが、収集前の細胞培養液中の溶存酸素(dO2)の量が少なくとも10%空気で飽和されるまで継続される、抗体を生産するための方法。

概要

背景

バイオテクノロジー産業では、薬学的利用には様々なタンパク質組換えDNA技術を使用して生産することを必要とする。一般に、組換えタンパク質は、所望のタンパク質をコードする核酸を含む組換えプラスミドの挿入によって対象のタンパク質を生産するために操作された、哺乳動物細胞のような真核生物細胞、又は細菌細胞のような原核生物細胞の何れかを使用して、細胞培養によって生産される。タンパク質が生物学的に活性であるためには、その三次構造を含むタンパク質のコンフォメーションがその精製と単離の間、維持されなければならず、タンパク質の複数の官能基が分解から保護されなければならない。
哺乳動物細胞は、主に正しく折り畳まれ組み立てられた異種タンパク質を生産するその能力と、翻訳後修飾のその能力のため、臨床用途のための哺乳動物タンパク質の生産のための優位な系になった。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、及び例えばマウスミエローマ(NS0)、ベビーハムスター腎臓(BHK)、ヒト胚腎臓(HEK-293)及びヒト網膜細胞、例えばヒト網膜細胞から単離されたPER.C6(登録商標)細胞株のような様々な他の哺乳動物源から得られた細胞株は、ヒト糖鎖修飾特性をもたらすが、ヒトの生理適合する抗体を自然に生産することができ、生物製剤製品の製造のための規制機関によって承認されている。

通常、生産サイクルを開始するために、少数形質転換組換え宿主細胞を数日の間、培養して増殖させる(例えば図23を参照)。細胞がひとたび数回の複製を受ければ、それらを、発酵を受ける準備がされた大きな容器に移す。細胞が増殖される培地及び生産サイクル中に存在する酸素窒素及び二酸化炭素のレベルは、生産プロセスに対して顕著な影響を持ちうる。増殖パラメーターが特に各細胞株に対して決定され、これらのパラメーターは最適な増殖と生産条件保証するために頻繁に測定される。
細胞が十分な数まで増殖したとき、それらを大規模製造タンクに移し、長期間にわたって増殖させる。プロセスのこの点で、組換えタンパク質を収集することができる。典型的には、細胞を操作してポリペプチド細胞培養培地中分泌させるので、精製工程における最初の工程は培地から細胞を分離することである。典型的には、収集は、収集細胞培養液(HCCF)を生産するために遠心分離濾過を含む。ついで、培地について、細胞片、望まれないタンパク質、塩、無機質又は他の望ましくない元素を除去する数種の更なる精製工程を実施する。精製プロセス終わりには、組換えタンパク質は高度に純粋であり、ヒトの治療用途に適している。

このプロセスはこれまでの数十年にわたって多くの研究と改良の主題となっているが、組換えタンパク質の生産は尚も困難なしにはできない。よって、例えば、ジスルフィド結合を有するポリペプチド、特に抗体のような鎖内ジスルフィド結合を含む多鎖ポリペプチド組換え生産中に、必要な生物学的活性を持つ正しく折り畳まれたポリペプチドを生産するためには、製造、回収及び精製プロセスを通してジスルフィド結合を保護し保持することが必須である。

概要

ジスルフィド含有ポリペプチドの組換え生産中におけるジスルフィド結合の還元を防止するための方法の提供。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)組換型ホスト細胞培養物中で抗体を発現することと、細胞培養物生産段階に続いて、処理中の抗体中のジスルフィド結合の還元を防止するために、組換型ホスト細胞の収集前の細胞培養液を空気でスパージングすることとを含み、空気スパージングが、収集前の細胞培養液中の溶存酸素(dO2)の量が少なくとも10%空気で飽和されるまで継続される、抗体を生産するための方法。なし

目的

典型的には、細胞を操作してポリペプチドを細胞培養培地中に分泌させるので、精製工程における最初の工程は培地から細胞を分離することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

組換え宿主細胞中で発現されるポリペプチドにおけるジスルフィド結合還元を防止する方法であって、組換え宿主細胞の収集前又は収集培養液チオレドキシン阻害剤を補充することを含む方法。

請求項2

上記チオレドキシン阻害剤を収集前培養液に添加する請求項1に記載の方法。

請求項3

上記チオレドキシン阻害剤を収集培養液に添加する請求項1に記載の方法。

請求項4

上記チオレドキシン阻害剤がチオレドキシンの直接阻害剤である請求項1に記載の方法。

請求項5

上記チオレドキシン阻害剤がアルキル−2−イミダゾリルジスルフィド又はナフトキノンスピロケタール誘導体である請求項4に記載の方法。

請求項6

上記チオレドキシン阻害剤がチオレドキシンレダクターゼ特異的阻害剤である請求項1に記載の方法。

請求項7

上記チオレドキシン阻害剤が金錯体である請求項6に記載の方法。

請求項8

上記金錯体がオーロチオグルコース(ATG)又は金チオリンゴ酸塩ATM)である請求項7に記載の方法。

請求項9

上記ATG又は上記ATMを、約0.1mMと約1mMの間の濃度で添加する請求項8に記載の方法。

請求項10

上記ATG又は上記ATMを、上記収集前又は収集培養液中のチオレドキシンレダクターゼ濃度の少なくとも約4倍の濃度で添加する請求項8に記載の方法。

請求項11

上記チオレドキシン阻害剤が金属イオンである請求項1に記載の方法。

請求項12

上記金属イオンが、Hg2+、Cu2+、Zn2+、Co2+、及びMn2+からなる群から選択される請求項11に記載の方法。

請求項13

上記金属イオンが、硫酸銅の形態で存在するCu2+である請求項12に記載の方法。

請求項14

上記硫酸銅が、五水和物形態又は無水物形態である請求項13に記載の方法。

請求項15

上記硫酸銅を、約5mMと約100mMの間の濃度で添加する請求項13に記載の方法。

請求項16

上記硫酸銅を、約10mMと約80mMの間の濃度で添加する請求項13に記載の方法。

請求項17

上記硫酸銅を、約15mMと約50mMの間の濃度で添加する請求項13に記載の方法。

請求項18

上記硫酸銅を、上記収集前又は収集培養液中のチオレドキシン濃度の少なくとも約2倍の濃度で添加する請求項13に記載の方法。

請求項19

上記チオレドキシン阻害剤がG6PDの阻害剤としてである請求項1に記載の方法。

請求項20

上記チオレドキシン阻害剤が、ピリドキサール5’−リン酸,1フルオロ−2,4ジニトロベンゼンデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)及びエピアンドロステロン(EA)からなる群から選択される請求項19に記載の方法。

請求項21

上記DHEAを、約0.05mMと約5mMの間の濃度で添加する請求項20に記載の方法。

請求項22

上記DHEAを、約0.1mMと約2.5mMの間の濃度で添加する請求項20に記載の方法。

請求項23

上記チオレドキシン阻害剤が、ヘキソキナーゼ活性の阻害剤である請求項1に記載の方法。

請求項24

上記チオレドキシン阻害剤が金属イオンのキレート剤である請求項23に記載の方法。

請求項25

金属イオンの上記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸EDTA)である請求項24に記載の方法。

請求項26

上記EDTAを、約5mMと約60mMの間の濃度で添加する請求項25に記載の方法。

請求項27

上記EDTAを、約10mMと約50mMの間の濃度で添加する請求項25に記載の方法。

請求項28

上記EDTAを、約20mMと約40mMの間の濃度で添加する請求項25に記載の方法。

請求項29

上記チオレドキシン阻害剤が、ソルボース−1−リン酸、ポリリン酸、6−デオキシ−6−フルオログルコース、2−C−ヒドロキシメチルグルコースキシロース、及びリキソースからなる群から選択される請求項23に記載の方法。

請求項30

上記チオレドキシン阻害剤が、シスチンシステイン、又は酸化グルタチオンである請求項1に記載の方法。

請求項31

上記シスチン、システイン、又は酸化グルタチオンを、上記収集前又は収集培養液中の上記ポリペプチドの濃度の少なくとも約40倍の濃度で添加する請求項30に記載の方法。

請求項32

上記チオレドキシン阻害剤が、チオレドキシンレダクターゼに特異的に結合するsiRNA、アンチセンスヌクレオチド、又は抗体である請求項1に記載の方法。

請求項33

上記チオレドキシン阻害剤が、チオレドキシン活性阻害間接的に生じさせる手段である請求項1に記載の方法。

請求項34

上記手段が、上記組換え宿主細胞の収集培養液への空気散布である請求項33に記載の方法。

請求項35

上記手段が、上記組換え宿主細胞の収集培養液のpHを低下させることである請求項33に記載の方法。

請求項36

上記組換え宿主細胞の収集培養液へ空気散布する工程を更に含む請求項1から33の何れか一項に記載の方法。

請求項37

上記組換え宿主細胞の収集培養液のpHを低下させる工程を更に含む請求項1から33の何れか一項に記載の方法。

請求項38

上記ポリペプチドが、抗体又は抗体の生物学的に機能的な断片である請求項1に記載の方法。

請求項39

上記抗体断片が、抗体断片から形成されたFab、Fab′、F(ab′)2、scFv、(scFv)2、dAb、相補性決定領域(CDR)断片、直鎖抗体単鎖抗体分子ミニボディダイアボディ、及び多重特異的抗体から選択される請求項38に記載の方法。

請求項40

上記抗体又は抗体断片が、治療用抗体又はその生物学的に機能的な断片である請求項38に記載の方法。

請求項41

上記治療用抗体が、抗HER2抗体;抗CD20抗体;抗IL−8抗体;抗VEGF抗体抗CD40抗体,抗CD11a抗体;抗CD18抗体;抗IgE抗体;抗Apo−2レセプター抗体;抗組織因子(TF)抗体;抗ヒトα4β7インテグリン抗体抗EGFR抗体抗CD3抗体抗CD25抗体抗CD4抗体抗CD52抗体;抗Fcレセプター抗体;抗癌胎児抗原CEA)抗体;乳房上皮細胞に対する抗体;結腸癌細胞に結合する抗体;抗CD38抗体;抗CD33抗体;抗CD22抗体抗EpCAM抗体;抗GpIIb/IIIa抗体;抗RSV抗体;抗CMV抗体;抗HIV抗体;抗肝炎抗体;抗CA125抗体;抗αvβ3抗体;抗ヒト腎細胞癌抗体;抗ヒト17−1A抗体;抗ヒト結腸直腸腫瘍抗体;GDガングリオシドに対する抗ヒトメラノーマ抗体R24;抗ヒト扁平上皮癌;及び抗ヒト白血球抗原HLA)抗体,及び抗HLADR抗体からなる群から選択される請求項40に記載の方法。

請求項42

上記治療用抗体が、HERレセプター、VEGF、IgE、CD20、CD11a、CD40、又はDR5に結合する抗体である請求項40に記載の方法。

請求項43

上記HERレセプターがHER1及び/又はHER2である請求項42に記載の方法。

請求項44

HERレセプターがHER2である請求項43に記載の方法。

請求項45

上記治療用抗体が、配列番号16、17、18、及び19からなる群から選択される重鎖及び/又は軽鎖可変ドメイン配列を含む請求項44に記載の方法。

請求項46

上記治療用抗体が、CD20に結合する抗体である請求項42に記載の方法。

請求項47

上記治療用抗体が、配列番号1から15からなる群から選択される重鎖及び/又は軽鎖可変ドメイン配列を含む請求項46に記載の方法。

請求項48

上記治療用抗体が、VEGFに結合する抗体である請求項42に記載の方法。

請求項49

上記治療用抗体が、配列番号20から25からなる群から選択される重鎖及び/又は軽鎖可変ドメイン配列を含む請求項48に記載の方法。

請求項50

上記治療用抗体が、CD11aに結合する抗体である請求項42に記載の方法。

請求項51

上記治療用抗体が、配列番号26から29からなる群から選択される重鎖及び/又は軽鎖可変ドメイン配列を含む請求項50に記載の方法。

請求項52

上記治療用抗体がDR5レセプターに結合する請求項42に記載の方法。

請求項53

上記治療用抗体が、Apomabs1.1、2.1、3.1、4.1、5.1、5.2、5.3、6.1、6.2、6.3、7.1、7.2、7.3,8.1、8.3、9.1、1.2、2.2、3.2、4.2、5.2、6.2、7.2、8.2、9.2、1.3、2.2、3.3、4.3、5.3、6.3、7.3、8.3、9.3,及び25.3からなる群から選択される請求項52に記載の方法。

請求項54

上記治療用抗体がApomab8.3又はApomab7.3である請求項52に記載の方法。

請求項55

上記治療用抗体がApomab7.3である請求項54に記載の方法。

請求項56

上記ポリペプチドが治療用ポリペプチドである請求項1に記載の方法。

請求項57

治療用ポリペプチドが、ヒト成長ホルモン及び成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子副甲状腺ホルモン甲状腺刺激ホルモンリポタンパク質;α−1−アンチトリプシンインスリンA鎖;インスリンB鎖プロインスリン卵胞刺激ホルモンカルシトニン黄体形成ホルモングルカゴン;第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、及びフォン・ヴィルブランド因子等の凝固因子プロテインC等の抗凝固因子心房性ナトリウム利尿因子;肺サーファクタントウロキナーゼ又はヒト尿もしくは組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)等のプラスミノーゲン活性化因子;ボンベシントロンビンヘモポイエチン増殖因子腫瘍壊死因子−α及びβ;エンケファリナーゼ;RANTES(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質MIP−1−α);ヒト血清アルブミン等の血清アルブミンミュラー管抑制因子レラキシンA鎖;レラキシンB鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;β−ラクタマーゼ等の微生物タンパク質DNアーゼ;IgE;CTLA−4等の細胞傷害性Tリンパ球抗原(CTLA);インヒビンアクチビン血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモン又は増殖因子の受容体プロテインA又はD;リウマチ因子;骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、又は−6(NT−3、NT−4、NT−5、又はNT−6)、又はNGF−β等の神経成長因子等の神経栄養因子;血小板由来増殖因子(PDGF);aFGF及びbFGF等の線維芽細胞増殖因子表皮増殖因子(EGF);TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4又はTGF−β5を含む、TGF−α及びTGF−β等のトランスフォーミング増殖因子インスリン様増殖因子−I及びII(IGF−I及びIGF−II);デス(1−3)−IGF−I(脳IGF−I);インスリン様増殖因子結合タンパク質;CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD34、及びCD40等のCDタンパク質エリスロポイエチン骨誘導因子イムノトキシン骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン−α、−β、−γ等のインターフェロン;コロニー刺激因子CSF)、例えばM−CSF、GM−CSF及びG−CSF;インターロイキン(IL)、例えばIL−1からIL−10;スーパーオキシドジスムターゼT細胞受容体表面膜タンパク質崩解促進因子;例えばAIDSエンベロープタンパク質等のウイルス抗原輸送タンパク質ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質インテグリン、例えばCD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA−4及びVCAM;腫瘍関連抗原、例えばHER2、HER3又はHER4レセプター;及び上記ポリペプチドの断片からなる群から選択される請求項56に記載の方法。

請求項58

上記組換え宿主細胞が真核生物宿主細胞である請求項1に記載の方法。

請求項59

上記真核生物宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である請求項58に記載の方法。

請求項60

上記哺乳動物宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である請求項59に記載の方法。

請求項61

組換え宿主細胞が原核生物宿主細胞である請求項1に記載の方法。

請求項62

原核生物宿主細胞が細菌細胞である請求項61に記載の方法。

請求項63

細菌細胞が大腸菌細胞である請求項62に記載の方法。

技術分野

0001

本発明はジスルフィド含有ポリペプチド組換え生産中におけるジスルフィド結合還元を防止するための方法及び手段に関する。特に、本発明は、組換え宿主細胞培養物から、抗体を含むジスルフィド含有ポリペプチドの収集の間におけるジスルフィド結合の還元の防止に関する。

背景技術

0002

バイオテクノロジー産業では、薬学的利用には様々なタンパク質組換えDNA技術を使用して生産することを必要とする。一般に、組換えタンパク質は、所望のタンパク質をコードする核酸を含む組換えプラスミドの挿入によって対象のタンパク質を生産するために操作された、哺乳動物細胞のような真核生物細胞、又は細菌細胞のような原核生物細胞の何れかを使用して、細胞培養によって生産される。タンパク質が生物学的に活性であるためには、その三次構造を含むタンパク質のコンフォメーションがその精製と単離の間、維持されなければならず、タンパク質の複数の官能基が分解から保護されなければならない。
哺乳動物細胞は、主に正しく折り畳まれ組み立てられた異種タンパク質を生産するその能力と、翻訳後修飾のその能力のため、臨床用途のための哺乳動物タンパク質の生産のための優位な系になった。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、及び例えばマウスミエローマ(NS0)、ベビーハムスター腎臓(BHK)、ヒト胚腎臓(HEK-293)及びヒト網膜細胞、例えばヒト網膜細胞から単離されたPER.C6(登録商標)細胞株のような様々な他の哺乳動物源から得られた細胞株は、ヒト糖鎖修飾特性をもたらすが、ヒトの生理適合する抗体を自然に生産することができ、生物製剤製品の製造のための規制機関によって承認されている。

0003

通常、生産サイクルを開始するために、少数形質転換組換え宿主細胞を数日の間、培養して増殖させる(例えば図23を参照)。細胞がひとたび数回の複製を受ければ、それらを、発酵を受ける準備がされた大きな容器に移す。細胞が増殖される培地及び生産サイクル中に存在する酸素窒素及び二酸化炭素のレベルは、生産プロセスに対して顕著な影響を持ちうる。増殖パラメーターが特に各細胞株に対して決定され、これらのパラメーターは最適な増殖と生産条件保証するために頻繁に測定される。
細胞が十分な数まで増殖したとき、それらを大規模製造タンクに移し、長期間にわたって増殖させる。プロセスのこの点で、組換えタンパク質を収集することができる。典型的には、細胞を操作してポリペプチド細胞培養培地中分泌させるので、精製工程における最初の工程は培地から細胞を分離することである。典型的には、収集は、収集細胞培養液(HCCF)を生産するために遠心分離濾過を含む。ついで、培地について、細胞片、望まれないタンパク質、塩、無機質又は他の望ましくない元素を除去する数種の更なる精製工程を実施する。精製プロセス終わりには、組換えタンパク質は高度に純粋であり、ヒトの治療用途に適している。

0004

このプロセスはこれまでの数十年にわたって多くの研究と改良の主題となっているが、組換えタンパク質の生産は尚も困難なしにはできない。よって、例えば、ジスルフィド結合を有するポリペプチド、特に抗体のような鎖内ジスルフィド結合を含む多鎖ポリペプチドの組換え生産中に、必要な生物学的活性を持つ正しく折り畳まれたポリペプチドを生産するためには、製造、回収及び精製プロセスを通してジスルフィド結合を保護し保持することが必須である。

0005

本発明は、一般に、組換え宿主細胞中で発現されるポリペプチドにおけるジスルフィド結合の還元を防止する方法であって、組換え宿主細胞の収集前又は収集培養液チオレドキシン又はチオレドキシン様タンパク質阻害剤を補充することを含む方法に関する。
一実施態様では、チオレドキシン阻害剤が収集前培養液に添加される。
他の実施態様では、チオレドキシン阻害剤が収集培養液添加される。
更なる実施態様では、チオレドキシン阻害剤はチオレドキシンの直接阻害剤である。
全ての実施態様において、チオレドキシン阻害剤は、例えば、アルキル−2−イミダゾリルジスルフィド又はナフトキノンスピロケタール誘導体でありうる。
更なる実施態様では、チオレドキシン阻害剤は、チオレドキシンレダクターゼ特異的阻害剤である。
また更なる実施態様では、チオレドキシン阻害剤は金錯体であり、ここで、金錯体は、例えばオーロチオグルコース(ATG)又は金チオリンゴ酸塩ATM)でありうる。効果的な阻害濃度は変動し得、典型的には約0.1mM及び1mMの間である。同様に、最小の有効阻害濃度はポリペプチドの性質及び全体の状況に依存して変動し、典型的にはATG又はATG濃度が収集前又は収集培養液中のチオレドキシン濃度の少なくとも約4倍である場合に達する。

0006

本発明のこの態様の他の実施態様では、チオレドキシン阻害剤は金属イオンであり、ここで、金属イオンは、限定するものではないが、Hg2+、Cu2+、Zn2+、Co2+、及びMn2+からなる群から選択されうる。金属イオンが硫酸銅の形態で添加される場合、有効阻害濃度は一般に、約5μMと約100μMの間、又は約10μMと約80μMの間、又は約15μMと約50μMの間である。硫酸銅の最小阻害濃度もまた変動するが、典型的には、硫酸銅が、収集前又は収集培養液中のチオレドキシン濃度の少なくとも約2倍の濃度で添加される場合に達する。

0007

異なった実施態様では、チオレドキシン阻害剤は酸化剤、例えばG6PDの阻害剤、例えば、ピリドキサール5’−リン酸、1フルオロ−2,4ジニトロベンゼンデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)又はエピアンドロステロン(EA);シスチン又はシステインである。DHEAの典型的な有効阻害剤濃度は約0.05mMと約5mMの間、又は約0.1mMと約2.5mMの間である。
更なる実施態様では、チオレドキシン阻害剤は、限定するものではないが、金属イオンのキレーター、例えばエチレンジアミン四酢酸EDTA)を含むヘキソキナーゼ活性の阻害剤である。EDTAが典型的には添加され、約5mMと約60mMの間、又は約10mMと約50mMの間、又は約20mMと約40mMの間の濃度で効果的である。

0008

他の好ましい実施態様では、ヘキソキナーゼ活性の阻害剤は、ソルボース−1−リン酸、ポリリン酸、6−デオキシ−6−フルオログルコース、2−C−ヒドロキシメチルグルコースキシロース、及びリキソースからなる群から選択される。他の阻害剤には、シスチン、システイン、及び酸化グルタチオンが含まれ、これらは典型的には、収集前又は収集培養液中の当該ポリペプチド濃度の少なくとも約40倍の濃度で添加される。

0009

また更なる実施態様では、チオレドキシン阻害剤は、チオレドキシンレダクターゼに特異的に結合するsiRNA、アンチセンスヌクレオチド、又は抗体である。
他の実施態様では、チオレドキシン阻害剤は、チオレドキシン活性阻害間接的に生じせしめる手段である。この実施態様は、例えば、組換え宿主細胞の収集培養液の空気スパージング、及び/又は組換え宿主細胞の収集培養液のpHを低下させることを含む。
様々な実施態様では、チオレドキシン活性を阻害するための間接的な手段、例えば空気スパージング及び/又はpHの低減は、上に列挙したもののような直接的なチオレドキシン阻害剤の使用と組み合わせることができる。
全ての実施態様において、ポリペプチドは、例えば、抗体、又は抗体の生物学的に機能的な断片でありうる。代表的な抗体断片は、Fab、Fab′、F(ab′)2、scFv、(scFv)2、dAb、相補性決定領域(CDR)断片、直鎖状抗体、単鎖抗体分子ミニボディダイアボディ、及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
治療用抗体は、限定するものではないが、抗HER2抗体;抗CD20抗体;抗IL−8抗体;抗VEGF抗体抗CD40抗体、抗CD11a抗体;抗CD18抗体;抗IgE抗体;抗Apo−2レセプター抗体;抗組織因子(TF)抗体;抗ヒトα4β7インテグリン抗体抗EGFR抗体抗CD3抗体抗CD25抗体抗CD4抗体抗CD52抗体;抗Fcレセプター抗体;抗癌胎児抗原CEA)抗体;乳房上皮細胞に対する抗体;結腸癌細胞に結合する抗体;抗CD38抗体;抗CD33抗体;抗CD22抗体抗EpCAM抗体;抗GpIIb/IIIa抗体;抗RSV抗体;抗CMV抗体;抗HIV抗体;抗肝炎抗体;抗CA125抗体;抗αvβ3抗体;抗ヒト腎細胞癌抗体;抗ヒト17−1A抗体;抗ヒト結腸直腸腫瘍抗体;GDガングリオシドに対する抗ヒトメラノーマ抗体R24;抗ヒト扁平上皮癌;及び抗ヒト白血球抗原HLA)抗体、及び抗HLADR抗体を含む。
他の実施態様では、治療用抗体は、HERレセプター、VEGF、IgE、CD20、CD11a、CD40、又はDR5に結合する抗体である。
更なる実施態様では、HERレセプターは、HER1及び/又はHER2、好ましくはHER2である。HER2抗体は、例えば、配列番号16、17、18、及び19からなる群から選択される重鎖及び/又は軽鎖可変ドメイン配列を含みうる。
他の実施態様では、治療用抗体はCD20に結合する抗体である。抗CD20抗体は、例えば、配列番号1から15からなる群から選択される重鎖及び/又は軽鎖可変ドメイン配列を含みうる。
また別の実施態様では、治療用抗体はVEGFに結合する抗体である。抗VEGF抗体は、例えば、配列番号20から25からなる群から選択される重鎖及び/又は軽鎖可変ドメイン配列を含みうる。
更なる実施態様では、治療用抗体はCD11aに結合する抗体である。抗CD11a抗体は、例えば、配列番号26から29からなる群から選択される重鎖及び/又は軽鎖可変ドメイン配列を含みうる。
更なる実施態様では、治療用抗体は、DR5レセプターに結合する。抗DR5抗体は、例えば、Apomabs1.1、2.1、3.1、4.1、5.1、5.2、5.3、6.1、6.2、6.3、7.1、7.2、7.3,8.1、8.3、9.1、1.2、2.2、3.2、4.2、5.2、6.2、7.2、8.2、9.2、1.3、2.2、3.3、4.3、5.3、6.3、7.3、8.3、9.3、及び25.3からなる群から選択され得、好ましくはApomab8.3又はApomab7.3、最も好ましくはApomab7.3である。

0010

本発明の方法の他の実施態様では、組換え宿主細胞中で発現されるポリペプチドは治療用ポリペプチドである。例えば、治療用ポリペプチドは、ヒト成長ホルモン及び成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子副甲状腺ホルモン甲状腺刺激ホルモンリポタンパク質;α−1−アンチトリプシンインスリンA鎖;インスリンB鎖プロインスリン卵胞刺激ホルモンカルシトニン黄体形成ホルモングルカゴン;第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、フォン・ヴィルブランド因子等の凝固因子プロテインC等の抗凝固因子心房性ナトリウム利尿因子;肺サーファクタントウロキナーゼ又はヒト尿もしくは組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)等のプラスミノーゲン活性化因子;ボンベシントロンビンヘモポイエチン増殖因子腫瘍壊死因子−α及びβ;エンケファリナーゼ;RANTES(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1−α);ヒト血清アルブミン等の血清アルブミンミュラー管抑制因子レラキシンA鎖;レラキシンB鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;β−ラクタマーゼ等の微生物タンパク質DNアーゼ;IgE;CTLA−4等の細胞傷害性Tリンパ球抗原(CTLA);インヒビンアクチビン血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモン又は増殖因子の受容体プロテインA又はD;リウマチ因子;骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、又は−6(NT−3、NT−4、NT−5、又はNT−6)、又はNGF−β等の神経成長因子等の神経栄養因子;血小板由来増殖因子(PDGF);aFGF及びbFGF等の線維芽細胞増殖因子表皮増殖因子(EGF);TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4又はTGF−β5を含む、TGF−α及びTGF−β等のトランスフォーミング増殖因子インスリン様増殖因子−I及びII(IGF−I及びIGF−II);デス(1−3)−IGF−I(脳IGF−I);インスリン様増殖因子結合タンパク質;CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD34、及びCD40等のCDタンパク質エリスロポイエチン骨誘導因子イムノトキシン骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン−α、−β、−γ等のインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えばM−CSF、GM−CSF及びG−CSF;インターロイキン(IL)、例えばIL−1からIL−10;スーパーオキシドジスムターゼT細胞受容体表面膜タンパク質崩解促進因子;例えばAIDSエンベロープのタンパク質等のウイルス抗原輸送タンパク質ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質インテグリン、例えばCD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA−4及びVCAM;腫瘍関連抗原、例えばHER2、HER3又はHER4レセプター;及び上記ポリペプチドの断片からなる群から選択されうる。

0011

全ての実施態様において、組換え宿主細胞は、真核生物宿主細胞、例えば哺乳動物宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞でありうる。
全ての実施態様において、組換え宿主細胞はまた原核生物宿主細胞、例えば限定するものではないが大腸菌細胞を含む細菌細胞でありうる。

図面の簡単な説明

0012

透析実験透析バッグ内のオクレリズマブ(rhuMAb2H7−変異体A)がインキュベーション期間中にインタクトなまま残ったことを証明するバイオアナライザー分析から得られたゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。
透析実験:透析バッグ外のオクレリズマブがインキュベーション期間中に還元されたことを示すバイオアナライザー分析から得られたゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。これは、図に示されたインタクトな抗体(〜150kDa)の消失と抗体断片の形成によって証明される。48時間の時点(レーン7)で、還元された抗体は、おそらくは収集細胞培養液(HCCF)中での還元活性喪失の結果として再酸化されたようである。28kDaマーカーの直ぐ上に見えバンド抗体軽鎖から生じている。インキュベーション開始前にHCCF中に有意な量の遊離軽鎖が既に存在していた。HCCF中における過剰な遊離軽鎖及び軽鎖二量体の存在は、オクレリズマブ生産細胞株に典型的である。
透析実験からの遊離チオールレベル:リン酸緩衝生理食塩水PBS)中の精製オクレリズマブは透析バッグ内にあり、オクレリズマブを含むHCCFはバッグ外にあった。透析バッグ内(ボックス印)及び透析バッグ外(菱形印)の遊離チオールは数時間以内に比較できる量に達したが、これは、透析バッグ内と透析バッグ外との間でのHCCF中の小分子成分の良好な交換を示している。
チオレドキシン系及び抗体還元に関与する他の反応:チオレドキシン(Trx)、チオレドキシンレダクターゼ(TrxR)及びNADPHを含むチオレドキシン系は、タンパク質中のジスルフィド結合の還元のための水素供与体系として機能する。Trxはチオール−ジスルフィド交換を通して多くの酸化還元反応触媒するCXXC活性部位モチーフを有する小単量体タンパク質である。酸化TrxはTrxRを介してNADPHによって還元されうる。ついで、還元Trxはタンパク質中のジスルフィドの還元を触媒することができる。チオレドキシン系に必要とされるNADPHはペントースリン酸経路及び解糖における反応を介して提供される。
チオレドキシン系のインビトロ活性:PBS中の0.1mMのTrxR(ラット肝臓)、5mMのTrx(ヒト)、及び1mMのNADPHと共にインタクトなオクレリズマブ(1mg/mL)をインキュベートすると、オクレリズマブの還元が生じ、オクレリズマブは21時間以内に完全に還元したことを証明するバイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。
オーロチオグルコースにより阻害されるチオレドキシン系のインビトロ活性:上記の図5注釈に記載されたものと同じ反応混合物にオーロチオグルコース(ATG)を添加すると、オクレリズマブの還元が効果的に阻害される。これは、バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像によって見られる(各レーンが時点を表す)。
金チオリンゴ酸により阻害されるチオレドキシン系のインビトロ活性:上記の図5の注釈に記載されたものと同じ反応混合物に1mMの濃度で金チオリンゴ酸(ATM)を添加すると、オクレリズマブの還元が効果的に阻害される。これは、バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像に見られる(各レーンが時点を表す)。
チオレドキシン系のインビトロ活性:10mMのヒスチジン硫酸バッファー中の0.1mMのTrxR(ラット肝臓)、5mMのTrx(ヒト)、及び1mMのNADPHと共にインタクトなオクレリズマブ(1mg/mL)をインキュベートすると、1時間以内にオクレリズマブの還元が生じることを示すバイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。
CuSO4により阻害されるチオレドキシン系のインビトロ活性:図8の注釈に記載されたものと同じ反応混合物に50μMの濃度でCuSO4を添加すると、バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像に見られるようにオクレリズマブの還元が効果的に阻害される(各レーンが時点を表す)。
オクレリズマブの還元:3Lの発酵槽から生成されたホモジナイズされたHCCFを使用するインキュベーション実験でオクレリズマブが還元されることを示すバイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。
オーロチオグルコースによるHCCF中のオクレリズマブ還元の阻害:図10に示すインキュベーション実験で使用されたものと同じHCCFに1mMのオーロチオグルコースを添加すると、オクレリズマブの還元が効果的に阻害されることを示すバイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。
金チオリンゴ酸によるHCCF中のオクレリズマブ還元の阻害:図10に示すインキュベーション実験で使用されたものと同じHCCFに1mMの金チオリンゴ酸を添加すると、オクレリズマブの還元が効果的に阻害されることを示すバイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。
HCCF中での還元活性の消失:数回の凍結融解サイクルを受けたオクレリズマブの大規模製造実験の一つ(「ベータ」実験)からのHCCFはインキュベーション実験で使用したときオクレリズマブの還元を示さなかった。これは、バイオアナライザー分析(各レーンが時点を表す)によって示され、同じ発酵バッチからの新鮮融解されたHCCFに先に見られた抗体還元と対比することができる。
NADPHの添加により回復されるHCCF中の消失還元活性:図13において上述した条件下で還元活性が失われたHCCF中に5mMの濃度でNADPHを添加した後、オクレリズマブの還元がバイオアナライザーアッセイにおいて再び観察された(各レーンが時点を表す)。
グルコース−6−リン酸の添加により回復されるHCCF中の消失還元活性:図13において上述した処理のために還元活性が失われたHCCF中に10mMの濃度でG6Pを添加した後、オクレリズマブの還元がバイオアナライザーアッセイにおいて再び観察された(各レーンが時点を表す)。
オクレリズマブ還元:大規模製造実験(「アルファ」実験)からのHCCFを使用するインキュベーション実験でオクレリズマブが還元されることを示すバイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。
EDTAはオクレリズマブの還元を阻害する:図16において還元活性が証明されたHCCFにEDTAが20mMの濃度で添加されたアルファ実験からのHCCFを使用するインキュベーション実験でオクレリズマブの還元が阻害されることを示すバイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像(各レーンが時点を表す)。
グルコース−6−リン酸の添加により回復されるがEDTAによる還元阻害のない「ベータ実験」HCCF中の消失還元活性:還元活性が失われているHCCF(図13参照)中に5mM及び20mMのEDTA濃度でG6Pを添加した後、オクレリズマブの還元がバイオアナライザーアッセイにおいて観察された(各レーンが時点を表す)。図17に示された結果と異なり、EDTAの存在はオクレリズマブの還元を阻止しなかった。
オクレリズマブの還元の阻害:(i)EDTAの添加、(ii)CuSO4の添加、又は(iii)5.5へのpHの調節による。独立に使用した(1)EDTAの添加、(2)CuSO4の添加、及び(3)5.5へのpHの調節の3通りの異なった方法の全てがオクレリズマブの還元の阻害に効果的であった。これは、プロテインA溶離プール中にほぼ100%のインタクトな(150kDa)抗体が残ったことを示す定量バイオアナライザーの結果によって証明された。これに対して、オクレリズマブは、20時間のHCCF保持時間後にコントロールHCCF中で完全に還元された。
空気スパージングによるオクレリズマブの還元の阻害:HCCFへの空気スパージングはオクレリズマブジスルフィド結合還元の阻害に効果的であった。これは、プロテインA溶離プール中にほぼ100%のインタクトな(150kDa)抗体が残ったことを示す定量バイオアナライザー結果によって証明された。これに対して、オクレリズマブは、5時間の窒素スパージング後にコントロールHCCF中で完全に還元された。
抗Her2抗体(トラスツズマブ)のVL(配列番号24)アミノ酸配列を示す。
抗Her2抗体(トラスツズマブ)のVH(配列番号25)アミノ酸配列を示す。
典型的な大規模製造プロセスの幾つかの工程を示す概略図である。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+1mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+1mMのATG。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+0.6μMのATG(6:1 ATG:TrxR)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+0.4μMのATG(4:1 ATG:TrxR)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+0.2μMのATG(2:1 ATG:TrxR)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+0.1mMの金チオリンゴ酸(ATM)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+0.01mMの金チオリンゴ酸(ATM)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+20μMのCuSO4(4:1 Cu2+:Trx)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+10μMのCuSO4(2:1 Cu2+:Trx)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+5μMのCuSO4(1:1 Cu2+:Trx)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+532μMのシスタミン(20:1 シスタミン:2H7ジスルフィド)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+266μMのシスタミン(10:1 シスタミン:2H7ジスルフィド)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+133μMのシスタミン(5:1 シスタミン:2H7ジスルフィド)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+26.6μMのシスタミン(1:1 シスタミン:2H7ジスルフィド)。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)(pH=7.6)+2.6mMシスチン。
バイオアナライザー分析からのゲル様デジタル画像:2H7(変異体A)+1mMのNADPH+5μMのチオレドキシン+10mMのヒスチジン硫酸中の0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ(組換え体)+2.6mMのGSSG酸化型グルタチオン)。
再構築された酵素還元系。1mg/mlの2H7(変異体A)+10μg/mLのヘキソキナーゼ、50μg/mLのグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、5μMのチオレドキシン、0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ、2mMのグルコース、0.6mMのATP、2mMのMg2+、及びpH=7.38の50mMのヒスチジン硫酸バッファー中の2mMのNADP。
チオレドキシン系はNADPHを必要とする。1mg/mlの2H7(変異体A)+5μMのチオレドキシン、0.1μMのチオレドキシンレダクターゼ、及びpH=7.38の50mMのヒスチジン硫酸バッファー中の2mMのNADP。

0013

I.定義
本発明において、一般に、又は任意の特定のタンパク質又は抗体に関して、抗体を含むタンパク質について、「還元」なる用語は、そのタンパク質又は抗体の一又は複数のジスルフィド結合の還元を指すために使用される。よって、例えば、「オクレリズマブ還元」なる用語は、「オクレリズマブジスルフィド結合還元」なる用語と交換可能に使用され、「抗体(Ab)還元」なる用語は「抗体(Ab)ジスルフィド結合還元」なる用語と交換可能に使用される。
「還元」又は「ジスルフィド結合還元」なる用語は、最も広義に使用され、完全な及び部分的な還元、及び抗体のようなタンパク質中に存在する鎖内又は鎖間のジスルフィド結合の幾らか又は全ての還元を含む。

0014

「タンパク質」とは、鎖長が三次及び/又は四次構造のより高いレベルを生産するのに十分であるアミノ酸の配列を意味する。これは、「ペプチド」又はそのような構造を持たない他の小分子量薬とは区別される。典型的には、ここでのタンパク質は少なくとも約15−20kD、好ましくは少なくとも約20kDの分子量を有するであろう。ここでの定義範囲に含まれるタンパク質の例には、あらゆる哺乳動物タンパク質、特に、治療用及び診断用タンパク質、例えば治療用及び診断用抗体、一般に、一又は複数の鎖間及び/又は鎖内ジスルフィド結合を含む多鎖ポリペプチドを含む、一又は複数のジスルフィド結合を含むタンパク質が含まれる。

0015

治療用タンパク質」又は「治療用ポリペプチド」なる用語は、その適応症又は作用機序にかかわらず、疾患の治療に使用されるタンパク質を意味する。治療用タンパク質がクリニックにおいて有用であるためには、それが多量に製造されなければならない。治療用タンパク質又は他のタンパク質の「製造スケール」の生産は、製造されるタンパク質及び需要に応じて、約400Lから約80000Lの範囲の細胞培養を利用する。典型的には、そのような製造スケールの生産は、約400Lから約25000Lの細胞培養サイズを利用する。この範囲内において、特手の細胞培養サイズ、例えば4000L、約6000L、約8000、約10000、約12000L、約14000L、又は約16000Lが利用される。

0016

「治療用抗体」なる用語は疾患の治療に使用される抗体を意味する。治療用抗体は様々な作用機序を有しうる。治療用抗体は抗原に結合し、抗原に関連した標的の正常な機能を中和しうる。例えば、癌の生存に必要とされるタンパク質の活性を阻止するモノクローナル抗体細胞死を引き起こす。他の治療用抗体は抗原に結合し、抗原に関連した標的の正常な機能を活性化させうる。例えば、モノクローナル抗体は細胞上のタンパク質に結合しアポトーシスシグナル惹起させうる。また他のモノクローナル抗体は疾患組織にのみ発現される標的抗原に結合しうる;モノクローナル抗体への毒性ペイロード(有効な薬剤)、例えば化学療法剤又は放射性剤コンジュゲーションは、疾患組織への毒性ペイロードの特異的送達のための薬剤をつくり、健康な組織への害を減少させることができる。治療用抗体の「生物学的に機能的な断片」は、インタクトな抗体に起因する生物学的機能の幾らか又は全てとはいかないまでも少なくとも一つを示し、該機能は標的抗原への特異的結合を少なくとも含む。

0017

診断タンパク質」という用語は、疾患の診断に使用されるタンパク質を意味する。
「診断用抗体」なる用語は、疾患のための診断用試薬として使用される抗体を意味する。診断用抗体は、特定の疾患に特に関連し、又はそこでの発現増加を示す標的抗原に結合しうる。診断用抗体は、例えば、患者からの生体試料、又は患者における腫瘍のような疾患部位診断画像における標的を検出するために使用することができる。診断用抗体の「生物学的に活性な断片」は、インタクトな抗体に起因する生物学的機能の幾らか又は全てとはいかないまでも少なくとも一つを示し、該機能は標的抗原への特異的結合を少なくとも含む。
「精製された」は、分子が、それが含まれている試料の少なくとも80−90重量%の濃度で試料中に存在することを意味する。

0018

精製される抗体を含むタンパク質は好ましくは本質的に純粋であり、望ましくは本質的に均質(つまり汚染タンパク質等が含まれていない)である。
「本質的に純粋な」タンパク質は、組成物全重量に基づいて少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約95重量%のタンパク質を含むタンパク質組成物を意味する。
「本質的に均質な」タンパク質は、組成物の全重量に基づいて少なくとも約99重量%のタンパク質を含むタンパク質組成物を意味する。
上で述べたように、ある実施態様では、タンパク質は抗体である。「抗体」(Abs)及び「免疫グロブリン」(Igs)は同じ構造的特徴を有している糖タンパク質である。抗体は特定の抗原に対して結合特異性を示すが、免疫グロブリンは抗体と抗原特異性を一般に欠く他の抗体様分子の双方を含む。 後者の種類のポリペプチドは、例えば、リンパ系によって低レベルで、ミエローマによって増加したレベルで生産される。

0019

「抗体」なる用語は最も広義に使用され、特にモノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物二重特異性抗体、ダイアボディ、及び短鎖分子、例えばscFv分子、並びに抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2、及びFv)を包含する。
ここで使用される「モノクローナル抗体」なる用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を意味する、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、少量で存在しうる可能な変異、例えば自然に生じる変異を除いて、同一である。よって、「モノクローナル」との修飾詞は、別々の抗体の混合物ではないものとしての抗体の特性を示している。ある実施態様では、かかるモノクローナル抗体は、標的に結合するポリペプチド配列を含む抗体を典型的に含み、ここで標的結合ポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列からの単一の標的結合ポリペプチド配列の選択を含む方法によって得られたものである。例えば、選択プロセスは、例えばハイブリドーマクローンファージクローン、又は組換えDNAクローンのプールのような複数のクローンからの独特のクローンの選択でありうる。選択された標的結合配列は、例えば標的に対する親和性を改善するため、標的結合配列をヒト化するため、細胞培養におけるその生産を改善するため、インビボでのその免疫原性を低減するため、多重特異性抗体を作製する等のために更に改変され得、改変された標的結合配列を含む抗体もまた本発明のモノクローナル抗体であることが理解されなければならない。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体調製物は、それらが典型的には他の免疫グロブリンによって汚染されていない点が有利である。

0020

「モノクローナル」との形容詞は、抗体の実質的に均一な集団から得られているという抗体の特性を示しており、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないと解してはならない。例えば、本発明において使用されるモノクローナル抗体は、様々な技術、例えば、ハイブリドーマ法(例えばKohler 等, Nature, 256:495 (1975);Harlow 等., Antibodies: A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2版 1988);Hammerling 等, Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681, (Elsevier, N.Y., 1981))、組換えDNA法(例えば、米国特許第4816567号参照)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackson 等, Nature, 352:624-628 (1991);Marks 等, J. Mol. Biol., 222:581-597 (1991);Sidhu 等, J. Mol. Biol. 338(2):299-310 (2004);Lee 等, J.Mol.Biol.340(5):1073-1093 (2004);Fellouse, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 101(34):12467-12472 (2004);及びLee 等 J. Immunol. Methods284(1-2):119-132 (2004))、及びヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子又はヒト免疫グロブリン遺伝子座の一部又はすべてを含む動物のヒト様抗体又はヒト抗体を産生するための技術(例えば、国際公開第98/24893号;国際公開第96/34096号;国際公開第96/33735号;国際公開第91/10741号;Jakobovits 等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:2551 (1993);Jakobovits 等, Nature, 362:255-258 (1993);Bruggemann 等, Year in Immuno., 7:33 (1993);米国特許第5545807号;同第5545806号;同第5569825号;同第5625126号;同第5633425号;同第5661016号;Marks 等, Bio/Technology, 10: 779-783 (1992);Lonberg 等, Nature, 368: 856-859 (1994);Morrison, Nature, 368: 812-813 (1994);Fishwild 等, Nature Biotechnology, 14: 845-851 (1996);Neuberger, Nature Biotechnology, 14: 826 (1996);及びLonberg and Huszar, Intern. Rev. Immunol., 13: 65-93 (1995))によって作製されうる。

0021

ここでのモノクローナル抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種由来の抗体、あるいは特定の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一であるか又は相同性があり、鎖の残りの部分が他の種由来の抗体、あるいは他の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一であるか又は相同性がある「キメラ」抗体、並びにそれらが所望の生物活性を有する限りかかる抗体の断片を特に含む(米国特許第4816567号;及びMorrison等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855(1984))

0022

非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」型とは、非ヒト免疫グロブリンから得られた最小配列を含むキメラ抗体である。一実施態様では、ヒト化抗体は、レシピエント高頻度可変領域の残基が、マウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類のような所望の特異性、親和性及び/又は能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)の高頻度可変領域の残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある場合には、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見出されない残基を含みうる。これらの修飾は抗体の特性を更に洗練するためになされうる。一般に、ヒト化抗体は、全て又は実質的に全ての高頻度可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全て又は実質的に全てのFR領域がヒト免疫グロブリン配列である、少なくとも一つ、典型的には二つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、場合によっては、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含む。更なる詳細は、Jones等, Nature 321, 522-525(1986);Riechmann等, Nature 332, 323-329(1988);及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2, 593-596(1992)を参照のこと。また次の概説記事及びそこに引用された文献も参照のこと:Vaswani及びHamilton, Ann. Allergy, Asthma & Immunol. 1:105-115 (1998);Harris, Biochem. Soc. Transactions 23:1035-1038 (1995);Hurle及びGross, Curr. Op. Biotech. 5:428-433 (1994)。ヒト化抗体には、抗体の抗原結合領域が、対象の抗原でマカクザル免疫化することによって産生した抗体由来のものであるPrimatized(商標)抗体が含まれる。

0023

「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のものに相当する、及び/又はここに開示されたヒト抗体を製造する何れかの技術を使用して製造されたアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、特に非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除く。
「親和性成熟」抗体とは、改変を持たない親抗体と比較し、抗原に対する抗体の親和性に改良を生じせしめるその一又は複数のCDRs/HVRsに一又は複数の変化を有するものである。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモル又はピコモルでさえの親和性を有する。親和性成熟抗体は、当該分野において知られている方法によって生産される。Marks等 Bio/Technology 10:779-783(1992)は、VH及びVLドメインシャッフリングによる親和性成熟について記載している。CDR/HVR及び/又はフレームワーク残基のランダム突然変異誘発は、Barbas等, Proc Nat Acad. Sci, USA 91: 3809-3813(1994);Schier等, Gene 169:147-155(1995);Yelton等, J. Immunol. 155:1994-2004(1995);Jackson等, J. Immunol. 154(7):3310-9(1995);及びHawkins等, J. Mol. Biol. 226:889-896(1992)に記載されている。

0024

抗体の「可変領域」又は「可変ドメイン」とは、抗体の重鎖又は軽鎖のアミノ末端ドメインを意味する。重鎖の可変ドメインは「VH」と呼ばれることもある。軽鎖の可変ドメインは「VL」と呼ばれることもある。これらのドメインは一般に抗体の最も可変の部分であり、抗原結合部位を含む。
「可変」という用語は、可変ドメインのある部位が、抗体間で配列が広範囲に異なっており、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合性及び特異性に使用されているという事実を意味する。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメインにわたって一様には分布していない。それは、軽鎖及び重鎖の可変ドメインの両方の相補性決定領域(CDR)又は高頻度可変領域(HVR)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、βシート構造を結合し、ある場合にはその一部を形成するループを形成する、3つのCDRにより連結されたβシート配置を主にとる4つのFR領域をそれぞれ含んでいる。各鎖のCDRは、FRにより近接して保たれ、他の鎖のCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, National Institute of Health, Bethesda, MD (1991)を参照)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関連しているものではないが、様々なエフェクター機能、例えば抗体依存性細胞傷害性への抗体の関与を示す。

0025

任意の脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に区別される型の一つに割り当てられる。
重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、抗体(免疫グロブリン)は異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンには5つの主たるクラス:IgAIgD、IgE、IgG及びIgMがあり、それらの幾つかは更にサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4、IgA1、及びIgA2に分けられる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれa、d、e、g及びmと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び3次元構造はよく知られており、例えばAbbas等, Cellular and Mol. Immunology, 4版(2000)に一般に記載されている。抗体は、抗体と一又は複数の他のタンパク質又はペプチドとの共有又は非共有結合によって形成された大きな融合分子の一部であってもよい。

0026

「完全長抗体」、「インタクトな抗体」及び「全抗体」という用語は、ここでは交換可能に使用され、以下に定義する抗体断片ではなく、その実質的にインタクトな形態の抗体を指す。該用語は、特にFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
「抗体断片」は、インタクトな抗体の一部のみを含み、その一部は、インタクトな抗体に存在する場合にその一部に通常関連する機能の少なくとも一で、多くは殆どないしは全てを保持する。一実施態様では、抗体断片はインタクトな抗体の抗原結合部位を含み、よって抗原結合能を保持している。他の実施態様では、抗体断片は、例えばFc領域を含み、インタクトな抗体に存在する場合にFc領域に通常関連する生物学的な機能の一つ、例えばFcRn結合、抗体半減期の調節、ADCC機能及び補体結合を保持する。一実施態様では、抗体断片は、インタクトな抗体と実質的に同様のインビボ半減期を有する一価抗体である。例えば、このような抗体断片は、インビボ安定性を断片に与えることができるFc配列に結合した抗原結合アームを含んでいてもよい。

0027

抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれ、各々単一の抗原結合部位を持つ2つの同一の抗原結合断片と、その名称が容易に結晶化する能力を反映している残りの「Fc」断片を生成する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有するが、抗原に尚も架橋可能なF(ab')2断片が生成される。
Fab断片は重鎖及び軽鎖可変ドメインを含み、また軽鎖の定常ドメインと重鎖の第一定常ドメイン(CH1)を含む。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に数残基が付加されている点でFab断片と相違する。Fab'-SHは、ここでは定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を持つFab'を表す。F(ab')2抗体断片は、元々は、その間にヒンジシステインを有するFab'断片の対として生成された。抗体断片の他の化学的結合もまた知られている。

0028

「Fv」は、完全な抗原結合部位を含む最小抗体断片である。一実施態様では、二本鎖Fv種は、緊密に非共有的に結合した一つの重鎖と一つの軽鎖の二量体からなる。単鎖Fv(scFv)種では、一つの重鎖及び一つの軽鎖可変ドメインが、軽鎖及び重鎖が二本鎖Fv種におけるものに類似した「二量体」構造で結合できるように可撓性ペプチドリンカーによって共有的に結合されうる。各可変領域の3つのCDRが相互作用してVH−VL二量体の表面に抗原結合部位を定めるのはこの配置においてである。まとめると、6つのCDRが抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRしか含まないFvの半分)でさえも抗原を認識しそれに結合する能力を持つが、結合部位全体よりは低い親和性でである。
「単鎖Fv」又は「scFv」抗体断片は、抗体のVH及びVLドメインを含み、ここで、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖内に存在する。一般には、scFvポリペプチドは、scFVが抗原結合のために望ましい構造を形成するのを可能にするポリペプチドリンカーをVH及びVLドメイン間に更に含む。scFvの概説については、Pluckthun, The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)を参照のこと。

0029

「ダイアボディ(diabodies)」という用語は、2つの抗原結合部位を有する小抗体断片を指し、その断片は同じポリペプチド鎖(VH−VL)において軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖上で二つのドメイン間での対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用して、ドメインを他の鎖の相補的ドメインと強制的に対形成させ、二つの抗原結合部位をつくり出す。ダイアボディは二価又は二重特異的でありうる。ダイアボディは、例えば、欧州特許出願公開第404097号;国際公開第93/11161号;Hudson等, (2003) Nat. Med. 9:129-134;及びHollinger等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)に、より十分に記載されている。トリアディ(triabodies)及びテトラボディ(tetrabodies)もまたHudson等, (2003) Nat. Med. 9:129-134に記載されている。

0030

抗体は、限定するものではないが、HERレセプターファミリーメンバー、例えばHER1(EGFR)、HER2、HER3及びHER4;CDタンパク質、例えばCD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD21、CD22、及びCD34;細胞接着分子、例えばLFA−1、Mol、p150、95、VLA−4、ICAM−1、VCAM及びav/p3インテグリン、例えばそのα又はβサブユニット(例えば抗CD11a、抗CD18又は抗CD11b抗体);増殖因子、例えば血管内皮増殖因子(VEGF);IgE;血液型抗原;flk2/flt3レセプター;肥満(OB)レセプター;及びプロテインCを含む任意のタンパク質に結合しうる。他の例示的なタンパク質は、ヒト成長ホルモン(hGH)及び牛成長ホルモン(bGH)を含む成長ホルモン(GH);成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α−1−アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、フォン・ヴィルブランド因子等の凝固因子;プロテインC等の抗凝固因子;心房性ナトリウム利尿因子;肺サーファクタント;ウロキナーゼ又はヒト尿もしくは組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)等のプラスミノーゲン活性化因子;ボンベシン;トロンビン;ヘモポイエチン増殖因子;腫瘍壊死因子−α及びβ;エンケファリナーゼ;RANTES(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1−α);ヒト血清アルブミン(HSA)等の血清アルブミン;ミュラー管抑制因子;レラキシンA鎖;レラキシンB鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;β−ラクタマーゼ等の微生物タンパク質;DNアーゼ;IgE;CTLA−4等の細胞傷害性Tリンパ球抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモン又は増殖因子の受容体;プロテインA又はD;リウマチ因子;骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、又は−6(NT−3、NT−4、NT−5、又はNT−6)、又はNGF−β等の神経成長因子等の神経栄養因子;血小板由来増殖因子(PDGF);aFGF及びbFGF等の線維芽細胞増殖因子;表皮増殖因子(EGF);TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4又はTGF−β5を含む、TGF−α及びTGF−β等のトランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様増殖因子−I及びII(IGF−I及びIGF−II);デス(1−3)−IGF−I(脳IGF−I);インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBPs);エリスロポイエチン(EPO);トロンボポエチンTPO);骨誘導因子;イムノトキシン;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン−α、−β、−γ等のインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えばM−CSF、GM−CSF及びG−CSF;インターロイキン(IL)、例えばIL−1からIL−10;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩解促進因子(DAF);例えばAIDSエンベロープのタンパク質等のウイルス抗原;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;イムノアドヘシン;抗体;及び上記リストのポリペプチドの何れかの生物学的に活性な断片又は変異体を含む。

0031

抗体の「生物学的に機能的な断片」は、インタクトな抗体に存在する場合、その部分に通常は付随する機能の少なくとも一つ、また多くは幾らか又は全てをその部分が保持しているインタクトな抗体の一部のみを含む。一実施態様では、抗体の生物学的に機能的な断片はインタクトな抗体の抗原結合部位を含み、よって抗原に結合する能力を保持する。他の実施態様では、抗体の生物学的に機能的な断片は、例えば、Fc領域を含むものは、インタクトな抗体に存在する場合、Fc領域に通常は付随する生物学的機能の少なくとも一つ、例えばFcRn結合、抗体半減期調節、ADCC機能及び補体結合を保持する。一実施態様では、抗体の生物学的に機能的な断片は、インタクトな抗体と実質的に同様なインビボ半減期を有している一価抗体である。例えば、抗体のそのような生物学的に機能的な断片は、断片にインビボ安定性を付与し得るFc配列に連結された抗原結合アームを含みうる。

0032

「チオレドキシン阻害剤」及び「Trx阻害剤」という用語は交換可能に使用され、チオレドキシン活性の阻害に効果的であるあらゆる薬剤及び手段を含む。よって、チオレドキシン(Trx)阻害剤は、Trx、G6PD及び/又はヘキソキナーゼ酵素系の任意の成分をブロックするあるあらゆる薬剤及び手段を含む。この文脈で、「阻害」は、チオレドキシン活性の完全な除去(ブロッキング)及び低減と、結果的に抗体のようなタンパク質におけるジスルフィド結合の還元の完全な又は部分的な排除を含む。
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され及び単離され及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、抗体の診断又は治療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク様又は非タンパク溶質が含まれる。ある実施態様では、抗体は、(1)例えばローリー法で測定したときに95重量%より多くの抗体まで、ある実施態様では99重量%より多くの抗体まで、(2)例えばスピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに充分な程度に、あるいは、(3)例えばクーマシーブルーあるいは銀染色を用いた還元又は非還元条件下でのSDS-PAGEにより均一になるまで、精製される。抗体の自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないため、単離された抗体には、組換え細胞内のインサイツ抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも一の精製工程により調製される。

0033

「プロテインA」と「ProA」という用語はここでは交換可能に使用され、その天然源から回収されるプロテインA、合成的に(例えば、ペプチド合成あるいは組換え技術により)産生されるプロテインA、及びFc領域のようなCH2/CH3領域を持つタンパク質と結合する能力を保持しているその変異体を包含する。プロテインAはRepligen、GE Healthcare及びFermatechから商業的に購入することができる。プロテインAは一般に固相担体材料上に固定化される。「ProA」なる用語もまたプロテインAが共有結合したクロマトグラフィー固体担体マトリックスを含むアフィニティクロマトグラフィー樹脂又はカラムを意味する。
「クロマトグラフィー」なる用語は、混合物中の興味ある溶質が、混合物の個々の溶質が移動相の影響下で固定媒質を通って移動する速度の差の結果として、又は結合及び溶離プロセスで、他の溶質から分離されるプロセスを意味する。

0034

「アフィニティクロマトグラフィー」及び「プロテインアフィニティクロマトグラフィー」なる用語はここでは交換可能に使用され、興味あるタンパク質又は興味ある抗体が可逆的かつ特異的に生体分子特異的リガンドに結合されるタンパク質分離技術を意味する。好ましくは、生体分子特異的リガンドはクロマトグラフィー固相材料に共有的に結合させられ、溶液がクロマトグラフィー固相材料に接触すると溶液中の興味あるタンパク質に到達できる。興味あるタンパク質(例えば抗体、酵素、又はレセプタータンパク質)はクロマトグラフィー工程中、生体分子特異的リガンド(例えば抗原、基質コファクター、又はホルモン)に対するその特異的な結合親和性を保持する一方、混合物中の他の溶質及び/又はタンパク質はリガンドには顕著には又は特異的には結合しない。固定化リガンドへの興味あるタンパク質の結合により、汚染タンパク質又はタンパク質不純物クロマトグラフィー媒質を通過することが可能になる一方、興味あるタンパク質は固相材料上の固定リガンドに特異的に結合したままである。ついで、興味ある特異的に結合したタンパク質を、低pH、高pHの固定リガンド、高濃度塩、競合リガンド等から活性形態で除去し、先にカラムを通過させられた汚染タンパク質又はタンパク質不純物を含まない溶離バッファーと共にクロマトグラフィーカラムを通過させる。そのそれぞれの特異的結合タンパク質、例えば抗体を精製するためのリガンドとして任意の成分を使用することができる。
「非アフィニティクロマトグラフィー」及び「非アフィニティ精製」なる用語は、アフィニティクロマトグラフィーが利用されない精製プロセスを意味する。非アフィニティクロマトグラフィーは、興味ある分子(例えばタンパク質、例えば抗体)と固相マトリックスの間の非特異的相互作用に依存するクロマトグラフィー技術を含む。

0035

カチオン交換樹脂」は負に荷電し、よって固相の上又は中を通過する水溶液中のカチオンと交換される遊離のカチオンを有する固相を意味する。固相に結合してカチオン交換樹脂を形成する負に荷電したリガンドは、例えば、カルボキシレート又はスルホネートでありうる。市販のカチオン交換樹脂は、カルボキシ-メチル-セルロースアガロース上に固定化されたスルホプロピル(SP)(例えば、SP-SEPHAROSEFASTFLOW(商品名)又はSP-SEPHAROSE HIGHPERFORMANCE(商品名)、GE Healthcare製)及びアガロース上に固定化されたスルホニル(例えば、S-SEPHAROSE FAST FLOW(商品名)、GE Healthcare製)を含む。「混合モードイオン交換樹脂」は、カチオン性アニオン性、及び疎水性部分で共有的に修飾された固相を意味する。市販の混合モードイオン交換樹脂は、シリカゲル固相担体マトリックスに結合した弱いカチオン交換基低濃度アニオン交換基、及び疎水性リガンドを含むBAKERBOND ABX(商品名) (J.T. Baker, Phillipsburg, NJ)である。
ここで用いられる「アニオン交換樹脂」は、正に荷電し、例えばそれに結合した第4級アミノ基等の一又は複数の正荷電リガンドを有する固相を意味する。市販のアニオン交換樹脂は、DEAEセルロースQAE SEPHADEX(商品名)及びFAST Q SEPHAROSE(商品名)(GE Healthcare)を含む。

0036

「バッファー」は、その酸−塩基結合成分の作用によりpH変化に抗する緩衝溶液である。例えばバッファーの所望のpHに応じて使用できる様々なバッファーが、Buffers. A Guide for the Preparation and Use of Buffers in Biological Systems, Gueffroy, D.,編, Calbiochem Corporation (1975)に記載されている。一実施態様では、バッファーは、約2から約9の範囲のpH、あるいは約3から約8、あるいは約4から約7、あるいは約5から約7のpHを有する。この範囲内にpHを調節するバッファーの例は、MES、MOPS、MOPSO、トリス、HEPES、リン酸塩酢酸塩クエン酸塩コハク酸塩、及びアンモニウムバッファー、並びにこれらの組み合わせを含む。
負荷バッファー」は、対象とするポリペプチド分子及び一又は複数の汚染物質を含む組成物をイオン交換樹脂に充填するのに使用するものである。負荷バッファーは、対象とするポリペプチド分子(及び一般に一又は複数の汚染物質)がイオン交換樹脂に結合するような、又は対象とするタンパク質がカラムを流れる一方、不純物が樹脂に結合するような、伝導率及び/又はpHを有する。

0037

中間バッファー」は、対象とするポリペプチド分子の溶離に先立って、一又は複数の汚染物質をイオン交換樹脂から溶離するのに使用される。中間バッファーの伝導率及び/又はpHは、一又は複数の不純物はイオン交換樹脂から溶離されるが、対象とするポリペプチドの有意な量は溶離されないものである。
洗浄バッファー」なる用語は、ここで用いられる場合、対象とするポリペプチド分子の溶離に先立って、イオン交換樹脂を洗浄又は再平衡化するのに使用されるバッファーを意味する。簡便には、洗浄バッファー及び負荷バッファーは同じであってもよいが、そうである必要はない。

0038

「溶離バッファー」は、対象とするポリペプチドを固相から溶離するのに使用される。溶離バッファーの伝導率及び/又はpHは、対象とするポリペプチドがイオン交換樹脂から溶離されるものである。
再生バッファー」は、イオン交換樹脂を再生して再利用できるようにするのに使用される。再生バッファーは、実質的に全ての汚染物質と対象とするポリペプチドをイオン交換樹脂から除去するのに必要な伝導率及び/又はpHを有する。

0039

ここで使用される「実質的に同様の」又は「実質的に同じ」なる用語は、当業者が、2つの値の差異が、該値(例えばKd値)により測定される生物学的特徴の範囲内において生物学的及び/又は統計的有意性がほとんどないか又はないとみなすように、2つの数値間(例えば一方は本発明の抗体で、他方は参照/比較抗体に関連)に十分に高度な類似性があることを示す。前記2つの値の差異は、参照/比較値関数として、例えば約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、及び/又は約10%未満である。
ここで使用される「実質的に減少」、又は「実質的に異なる」という語句は、当業者が2つの数値(一般に、分子に関連するもの、及び参照/比較分子に関連する他のもの)の差異に、該値(例えばKd値)によって測定される生物学的性質上統計学的に有意であると認められるほど、2つの数値が有意に異なっていることを意味する。前記2つの値間の差異は、参照/比較分子の値の関数として、例えば約10%より大きく、約20%より大きく、約30%より大きく、約40%より大きく、及び/又は約50%より大きい。

0040

ここで使用される「ベクター」なる用語は、それが結合している他の核酸を輸送可能な核酸分子を指すことを意図している。ベクターの一タイプは、そこに付加的なDNAセグメントが結合されてもよい環状の二重鎖DNAを意味する「プラスミド」である。他のタイプのベクターはファージベクターである。他のタイプのベクターは、付加的なDNAセグメントがウイルスゲノムに結合されうるウイルスベクターである。ある種のベクターは、それらが導入される宿主細胞において自律複製可能である(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞へ導入されると、宿主細胞のゲノムに結合可能で、それにより宿主ゲノムと共に複製される。更に、ある種のベクターは、それらが作用可能に連結されている遺伝子の発現に対するものであり得る。そのようなベクターをここで「組換え発現ベクター」又は単に「発現ベクター」と言う。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしばプラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」及び「ベクター」は、プラスミドがベクターの最も一般的に使用される形態であるので、交換可能に使用することができる。

0041

参照ポリペプチド配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」とは、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした後の、参照ポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用することによって得られる。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社の著作であり、ソースコードは米国著作権ワシトンD.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN−2はジェネンテック社、サウスサンフランシスコカリフォルニアから公的に入手可能であり、又はソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN−2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標)V4.0Dでの使用のためにコンパイルされなければならない。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され変動しない。

0042

アミノ酸配列比較のために用いるALIGN−2の状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対してある程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN−2のA及びBのプログラムのアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。
アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。特に断らない限り、ここで使用する全ての%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN−2比較コンピュータプログラムを用いた直ぐ上の段落に記載されたようにして得られる。

0043

「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、参照D因子コード配列ヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある様々な方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。ついで、配列同一性は、より長い配列に対して計算され、つまり、たとえ短い配列が長い配列の一部と100%の配列同一性を示しても、全体の配列同一性は100%未満である。

0044

「治療」とは、治癒的処置及び予防的又は防止的手段の両方を意味する。治療が必要な者とは、既に疾患に罹っている者、並びに疾患が防止されるべき者を含む。ここでの「治療」は、疾患及び特定の疾患の徴候及び症状の軽減を包含する。
「疾患」はタンパク質で治療することで恩恵を得るあらゆる症状のことである。これには、当該疾患に哺乳動物を罹患させる素因になる病理状態を含む、慢性及び急性の疾患又は病気が含まれる。ここで治療されるべき疾患の非限定的な例は癌腫及びアレルギーを含む。
治療の目的での「哺乳動物」は、ヒト、非ヒト高等霊長類、他の脊椎動物、家畜及び農業用動物、及び動物園スポーツ、又はペット動物、例えばイヌウマネコウシなどを含む哺乳類分類される任意の動物を意味する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
干渉RNA」又は「低分子干渉RNA(siRNA)」は、標的遺伝子の発現を低減させる約30ヌクレオチド長未満の二本鎖RNA分子である。干渉RNAは既知の方法を使用して同定され、合成され(Shi Y., Trendsin Genetics 19(1):9-12 (2003),国際公開第2003056012号及び国際公開第2003064621号)、siRNAライブラリーは例えばDharmacon, Lafayette, Coloradoから商業的に入手できる。しばしば、siRNAは遺伝子の5’端を標的とするために成功裏に設計され得る。

0045

II.本発明の組成物及び方法
本発明の実施には、別段記載しない限り、一般的な分子生物学の技術等を使用するが、これは当業者の技量の範囲内である。かかる技術は文献に十分に説明されている。例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, (J. Sambrook等, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989);Current Protocols in Molecular Biology (F. Ausubel等編, 1987最新版);Essential Molecular Biology (T. Brown編, IRL Press 1991);Gene Expression Technology (Goeddel編, Academic Press 1991);Methodsfor Cloning and Analysis of Eukaryotic Genes (A. Bothwell等編, Bartlett Publ. 1990);Gene Transfer and Expression (M. Kriegler, Stockton Press 1990);Recombinant DNA Methodology II (R. Wu等編, Academic Press 1995);PCR: A Practical Approach (M. McPherson等., IRL Press at Oxford University Press 1991);Oligonucleotide Synthesis (M. Gait編, 1984);Cell Culture for Biochemists (R. Adams編, Elsevier Science Publishers 1990);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. Miller及びM. Calos編, 1987);Mammalian Cell Biotechnology (M. Butler編, 1991);Animal Cell Culture (J. Pollard等編, Humana Press 1990);Culture of Animal Cells, 2版 (R. Freshney等編, Alan R. Liss 1987);Flow Cytometry and Sorting (M. Melamed等編, Wiley-Liss 1990);シリーズMethods in Enzymology (Academic Press, Inc.);Wirth M.及びHauser H. (1993);Immunochemistry in Practice, 3版, A. Johnstone及びR. Thorpe, Blackwell Science, Cambridge, MA, 1996;Techniques in Immunocytochemistry, (G. Bullock及びP. Petrusz編, Academic Press 1982, 1983, 1985, 1989);Handbook of Experimental Immunology, (D. Weir 及びC. Blackwell編);Current Protocols in Immunology (J. Coligan等編 1991);Immunoassay (E. P. Diamandis及びT.K. Christopoulos編, Academic Press, Inc., 1996);Goding (1986) Monoclonal Antibodies: Principles and Practice (2版) Academic Press, New York;Ed Harlow及びDavid Lane, Antibodies A laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1988;Antibody Engineering, 2版(C. Borrebaeck編, Oxford University Press, 1995);及びシリーズAnnual Review of Immunology;シリーズ Advances in Immunologyを参照のこと。

0046

1.ジスルフィド結合の還元の防止
本発明は、組換え生産中におけるタンパク質のジスルフィド結合の還元を防止するための方法に関する。特に、本発明は、発酵に続くプロセシング中における組換えタンパク質のジスルフィド結合の還元を防止するための方法に関する。本発明の方法は、例えば製造規模におけるように、ジスルフィド結合含有タンパク質大規模生産に対して特に貴重である。一実施態様では、本発明の方法は、5000Lを超える規模の大規模のタンパク質生産に有用である。

0047

ジスルフィド結合を含む組換えタンパク質の製造中に生産される収集細胞培養液(HCCF)のプロセシング中にジスルフィド結合の還元が生じることが実験的に見出されている。典型的には、この還元は、細胞溶解後、特に収集操作中の機械的細胞溶解後、それが例えば、全細胞溶解の約30%から約70%、又は約40%から約60%、又は約50% から約60%のようなある閾値に達するときに観察される。この閾値は、製造されるタンパク質の性質(例えば抗体)、組換え宿主、生産系、使用される生産パラメータ等に応じて変動し、実験的に即座に決定することができる。
理論的には、かかる還元は、製造プロセス中の様々な因子及び条件から生じるかも知れず、様々な還元剤によって引き起こされるかも知れない。本発明は、この還元の根本的な原因がHCCF中の活性なチオレドキシン(Trx)又はチオレドキシン様系であるという認識に少なくとも部分的に基づいている。

0048

Trx、チオレドキシンレダクターゼ(TrxR)及びNADPHからなるTrx酵素系は、タンパク質中のジスルフィド結合の還元に対する水素供与系である。Trxは、チオール−ジスルフィド交換を通して多くの酸化還元反応を触媒するCXXC活性部位モチーフを有する小単量体タンパク質である。酸化されたTrxはTrxRを介してNADPHによって還元されうる。還元されたTrxはついでタンパク質中のジスルフィドの還元を触媒することができる。チオレドキシン系に必要とされるNADPHは、ペントースリン酸経路及び解糖の反応を介して提供される。ここに提示された結果は、Trx系の活性に必要とされるNADPHがグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)活性によってもたらされ、これが、ヘキソキナーゼによってグルコース及びATPからNADPHを生産することを証明している(図4参照)。これらの細胞性酵素(Trx系、G6PD、及びヘキソキナーゼ)はその基質と共に、細胞溶解時にCCF中に放出され、還元を生じさせる。従って、ジスルフィドの還元は、Trx酵素系又はG6PD及びヘキソキナーゼ活性のような活性なTrx系のための成分を提供する上流の酵素系の阻害剤によって防止されうる。

0049

これらの酵素系の更なる詳細、又はタンパク質生産の他の詳細に関しては、例えば、Babson, A.L.及びBabson, S.R. (1973) Kinetic Colorimetric Measurement of Serum Lactate Dehydrogenase Activity. Clin. Chem. 19: 766-769;Michael W. Laird等, “Optimization ofBLyS Production and Purification from Eschericia coli,” Protein Expression and Purification 39:237-246 (2005);John C. Joly等, “Overexpression of Eschericia coli Oxidoreductases Increases Recombinant Insulin-like Growth Factor-I Accumulation,” Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:2773-2777 (March 1998);Dana C. Andersen等, “Production Technologies for Monoclonal Antibodies and Their Fragments,” Current Opinion in Biotechnology 15:456-462 (2004);Yariv Mazor等, “Isolation of Engineered, Full-length Antibodies from Libraries Expressed in Escherichia coli,” Nature Biotech. 25, 563 - 565 (01 Jun 2007);Laura C. Simmons等, “Expression of Full-length Immunoglobulins in Escherichia coli: Rapid and Efficient Production of Aglycosylated Antibodies,” Journal of Immunological Methods263:133-147 (2002);Paul H. Bessette等, “Efficient Folding of Proteins with Multiple Disulfide Bonds in the Escherichia coli cytoplasm,” Proc. Natl. Acad. Sci. 96(24):13703-08 (1999);Chaderjian, W.B., Chin, E.T., Harris, R.J.,及びEtcheverry, T.M., (2005) “Effect of copper sulfate on performance of a serum-free CHO cell culture process and the level of free thiol in the recombinant antibody expressed,” Biotechnol. Prog. 21: 550-553;Gordon G., Mackow M.C., 及びLevy H.R., (1995) “On the mechanism of interaction of steroids with human glucose 6-phosphate dehydrogenase,” Arch. Biochem. Biophys. 318: 25-29;Gromer S., Urig S.,及びBecker K., (2004) “TheTrx System - From Science to Clinic,” Medicinal Research Reviews, 24: 40-89;Hammes G.G.及びKochavi D., (1962a) “Studies of the Enzyme Hexokinase. I. Steady State Kinetics at pH 8,” J. Am. Chem. Soc. 84:2069-2073;Hammes G.G.及びKochavi D., (1962b) “Studies of the Enzyme Hexokinase. III. The Role of the Metal Ion,” J. Am. Chem. Soc. 84:2076-2079;Johansson C., Lillig C.H.,及びHolmgren A., (2004) “Human Mitochondrial Glutaredoxin Reduces S-Glutathionylated Proteins with High Affinity Accepting Electrons from Either Glutathione or Thioredoxin Reductase,” J. Biol. Chem. 279:7537-7543;Legrand, C., Bour, J.M., Jacob, C. , Capiaumont J., Martial, A., Marc, A., Wudtke, M., Kretzmer, G., Demangel, C., Duval, D.,及びHache J., (1992) “Lactate Dehydrogenase (LDH) Activity of the Number of Dead Cells in the Medium of Cultured Eukaryotic Cells as Marker,” J. Biotechnol., 25: 231-243;McDonald, M.R., (1955) “Yeast Hexokinase :ATP+ Hexose --> Hexose-6-phosphate +ADP,” Methods in Enzymology, 1: 269-276, Academic Press, NY;Sols, A., DelaFuente, G., Villar-Palasi, C.,及びAsensio, C., (1958) “Substrate Specificity and Some Other Properties of Bakers' Yeast Hexokinase,” Biochim Biophys Acta 30: 92-101;Kirkpatrick D.L., Kuperus M., Dowdeswell M., Potier N., Donald L.J., Kunkel M., Berggren M., Angulo M.,及びPowis G., (1998) “Mechanisms of inhibition of the Trx growth factor system by antitumor 2-imidazolyl disulfides,” Biochem. Pharmacol. 55: 987-994; Kirkpatrick D.L.,Watson S.,Kunkel M., Fletcher S., Ulhaq S.,及びPowis G., (1999) “Parallel syntheses of disulfide inhibitors of the Trx redox system as potential antitumor agents,” Anticancer Drug Des. 14: 421-432;Milhausen, M.,及びLevy, H.R., (1975) “Evidence for an Essential Lysine in G6PD from Leuconostoc mesenteroides,” Eur. J. Biochem. 50: 453-461;Pleasants, J.C., Guo, W.,及びRabenstein, D.L., (1989) “A comparative study of the kinetics of selenol/diselenide and thiol/disulfide exchange reactions,” J. Am. Chem. Soc. 111: 6553-6558;Whitesides, G.M., Lilburn, J.E.,及びSzajewski, R.P., (1977) “Rates of thiol disulfide interchange reactions between mono- and dithiols and Ellman’s reagent,” J. Org. Chem. 42: 332-338;及びWipf P., Hopkins T.D., Jung J.K., Rodriguez S., Birmingham A., Southwick E.C., Lazo J.S.,及びPowis G, (2001) “New inhibitors of the Trx-TrxR system based on naphthoquinone spiroketalnatural product lead,” Bioorg. Med. Chem. Lett. 11: 2637-2641を参照のこと。

0050

本発明の一態様によれば、ジスルフィド結合還元は、Trx、G6PD及びヘキソキナーゼ酵素系の任意の成分をブロックすることによって、防止することができる。これらの酵素系の阻害剤をここでは集合的に「チオレドキシン阻害剤」又は「Trx阻害剤」と呼ぶ。Trx阻害剤は典型的には、組換え宿主細胞と培養培地を含む細胞培養液(CCF)に、及び/又は収集後に遠心分離、濾過、又は類似の分離方法によって得られる収集細胞培養液(HCCF)に加えられる。HCCFはインタクトな宿主細胞を欠くが、典型的には、続く精製工程で除去される宿主細胞タンパク質及び他の汚染物質を含んでいる。よって、Trx阻害剤は、収集前及び/又は収集中、好ましくは収集前に加えることができる。
あるいは、又は加えて、空気スパージング又はpH調節のような、他の非特異的方法をまた使用して、組換えタンパク質の組換え生産中に発酵後に、ジスルフィド結合還元を防止することができる。ここで考えられるある種の還元阻害方法は次の表1に列挙する。

0051

0052

本発明の方法において使用される「Trx阻害剤」には、限定するものではないが、(1)Trxの直接阻害剤、例えばアルキル−2−イミダゾリルジスルフィド及び関連化合物(例えば、1メチルプロピル−2−イミダゾリルジスルフィド) (Kirkpatrick等., 1998及び1999,上掲)及びナフトキノンスピロケタール誘導体(例えばパルマルマイシンCP1) (上掲のWipf 等, 2001);(2)金錯体を含むTrxRの特異的阻害剤、例えばオーロチオグルコース(ATG)及び金チオリンゴ酸塩(ATM)(例えばGromer等, 2004の概説を参照)で、これはTrxRの不可逆的阻害剤の例である;(3)金属イオン、例えばHg2+、Cu2+、Zn2+、Co2+、及びMn2+で、これはチオール及びセレノールと容易に錯体を形成し、よってTrxR又はTrxの阻害剤として本発明の実施態様において使用することができる;(4)G6PDの阻害剤、例えば、ピリドキサール5’−リン酸及び1フルオロ−2,4ジニトロベンゼン(上掲のMilhausen及びLevy 1975)、ある種のステロイド、例えばデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)及びエピアンドロステロン(EA)(上掲のGordon等, 1995);及び(4)ヘキソキナーゼ活性(よってG6PDに対するG6Pの生産)の阻害剤、例えば、金属イオン、例えばMg2+のキレート剤、例えばEDTA、及びSH基、ソルボース−1−リン酸、ポリリン酸、6−デオキシ−6−フルオログルコース、2−C−ヒドロキシ−メチルグルコース、キシロース及びリキソースと反応する化合物(Sols等, 1958, 上掲; McDonald, 1955, 上掲)が含まれる;更なるヘキソキナーゼ阻害剤は「ヘキソキナーゼ阻害剤との発明の名称の米国特許第5854067号に開示されている。これらの阻害剤は例示のためだけのものであることが理解される。他のTrx阻害剤は存在し、本発明の方法において、単独で又は様々な組合せで使用することができる。

0053

本発明の方法で使用される「Trx阻害剤」はまた組換え生産された抗体又はタンパク質の還元が、生産キャンペーン中の様々な点でのTrx系、ペントースリン酸経路又はヘキソキナーゼの酵素の量を減少させることによって低減又は防止されうる試薬を含む。ある実施態様では、この酵素量の減少は、標的siRNAs、アンチセンスヌクレオチド、又は抗体の使用によって達成することができる。CHO細胞に見出される遺伝子に対する標的siRNAs又はアンチセンスヌクレオチドを設計するため、これらの遺伝子配列は、異なった生物における酵素を標的とする配列を選択するために公的データベースから入手できる。大腸菌及びマウスTrx系の遺伝子の例については以下の実施例9を参照のこと。

0054

上で検討した阻害剤を使用することに加えて、本発明のある実施態様では、HCCF中の酸化還元電位を維持するためにHCCFに空気をスパージングすることによって精製される組換えタンパク質の還元を防止することがまたできる。これは、Trx及びTrxRの還元形態を連続的に酸化することによって、グルコース、G6P及びNADPHを枯渇させることができる非直接型手段である。HCCFタンクの空気スパージングは、例えば、約100リットルから約200リットル、例えば、150リットル/分の空気流で実施することができる。空気スパージングは、飽和エンドポイントパーセントに達するまで実施することができる;例えば、空気スパージングは、HCCFが空気で約100%飽和されるまで継続することができ、あるいはHCCRが空気で約30%飽和されるまで、あるいは空気での約100%飽和から約30%飽和までの間になるまで継続することができる。所望の阻害効果に必要とされる溶存酸素(dO2)の最小量はまた製造される抗体又は他の組換えタンパク質に依存する。よって、例えば、約10%のdO2(又は連続流に対して約10sccm)は抗体2H7(変異体A)の生産中に所望の効果を有する一方、Apomabはより高い(約30%)dO2を必要とするかも知れない。

0055

更なる実施態様では、組換えタンパク質の還元を阻止するために使用可能な他の非直接型方法はHCCFのpHの低下である。この実施態様は、低pH値での特に遅いチオール-ジスルフィド交換を利用する(上掲のWhitesides等, 1977;上掲のPleasants等, 1989)。違って、Trx系の活性は6以下のpH値で有意に低く、よってオクレルズマブのような組換えタンパク質の還元を阻害することができる。
非直接型アプローチはまた互いに及び/又は一又は複数のTrx阻害剤の使用と組み合わせることもできる。

0056

ジスルフィド結合の還元は、好ましくは収集前のCCFに又は収集直後のHCCF中に、一又は複数のTrx阻害剤を使用し、及び/又は細胞培養プロセスの完了後に非直接型アプローチを適用することによって、阻害(つまり、部分的に又は完全にブロック)することができる。最適な時間及び適用様式及び有効量は、精製されるタンパク質の性質、組換え宿主細胞、及び使用される特定の生産方法に依存する。最適なパラメータの決定は当業者の技量の範囲である。
例えば、哺乳動物細胞培養プロセス、例えばここの実施例に記載されたCHO抗体生産プロセスでは、硫酸銅(五水和物又は無水物形態のCuSO4)をTrx阻害剤として使用する場合、それは、約5μMから約100μM、例えば約10μMから約80μM、好ましくは約15μMから約50μMの濃度範囲でCCF又はHCCFに補充するために添加できる。幾つかの細胞培養物は銅(例えば、ここでの実施例で使用されたCHO細胞培養物では約0.04μMのCuSO4)を既に含んでいるので、この量は、銅に加えて、あるならば、細胞培養中に既に存在している。任意の銅(II)塩を、溶解度が問題でない限り、CuSO4の代わりに使用することができる。例えば、酢酸銅及び塩化銅は、共に水に可溶性であり、CuSO4の代わりに使用することができる。最小有効濃度はまた製造される抗体及び阻害剤が使用される段階に依存しうる。よって、例えば、硫酸銅が溶解前に添加される場合、抗体2H7(変異体A)では、最小有効濃度は約30μMであり、Apomabでは約75μMであり、抗体変異体C(表2を参照)では約50μMである。硫酸銅がCC培地に添加される場合、抗体2H7(変異体A)では、最小有効濃度は約15μMであり、Apomabでは約25μMであり、抗体変異体Cでは約20μMである。一つの典型的な最小CuSO4阻害剤濃度は2×Trx濃度(又はTrx均等物)である。

0057

EDTAは、細胞溶解度合い、使用される組換え宿主細胞、及び生産プロセスの他のパラメータに応じて、広い濃度範囲で使用することができる。例えば、CHO又は他の哺乳動物宿主細胞を使用する場合、EDTAは、典型的には、細胞溶解度合いに応じて、約5mMから約60mM、例えば約10mMから約50mM、又は約20mMから約40mMの濃度で添加することができる。低い細胞溶解度合いでは、低濃度のEDTAが十分であるが、約75%−100%の細胞溶解では、必要とされるEDTA濃度は高く、例えば、約20mMから約40mMである。最小有効濃度はまた生産される抗体にまた依存しうる。よって、例えば、抗体2H7(変異体A)では、最小有効EDTA濃度は約10mMである。
Trx阻害剤としてのDHEAは典型的には低い濃度で、例えば約0.05mMから約5mM、好ましくは約0.1mMから約2.5mMの濃度範囲で有効である。
他のTrx阻害剤、例えばオーロチオグルコース(ATG)及び金チオリンゴ酸塩(ATM)はジスルフィド結合の還元をμM濃度範囲で阻害する。よって、例えば、ATG又はATMは、約0.1mMから約1mMの濃度で添加されうる。最小阻害濃度は実際の条件に応じて変動するが、ATG及びATMでは、典型的には約4×TrxR濃度である。
全ての阻害剤は過剰量で使用することができ、従って系中のTrx又はTrxRの量は必ずしも分かる必要はない。

0058

好ましい実施態様では、製造方法において使用される哺乳動物宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(Urlaub等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216 (1980))である。他の哺乳動物宿主細胞には、限定するものではないが、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7,ATCCCRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Graham等, J. Gen Virol., 36:59 (1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK,ATCC CCL 10);マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243-251 (1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76,ATCC CRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA,ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞BRL3A,ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT060562,ATCC CCL51);TRI細胞(Mather 等, Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982));MRC5細胞;FS4細胞;ヒトヘパトーマ株(Hep G2);及びミエローマ又はリンパ腫細胞(例えばY0,J558L,P3及びNS0細胞)(米国特許第5807715号を参照)が含まれる。

0059

ここでのポリペプチドの生産のために好ましい宿主細胞はCHO細胞株DP12(CHO K1 dhfr-)である。これは実験室での実施で広く使用されている最もよく知られているCHO細胞株の一つである(例えば、1989年3月15日公開の欧州特許出願公開第0307247号を参照)。また、他のCHO−K1(dhfr-)細胞株が知られ、本発明の方法で使用することができる。
ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質を製造するために使用される哺乳動物宿主細胞は、様々な培地で培養することができる。市販培地、例えばハム(Ham)のF10(Sigma)、最小必須培地((MEM),Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、及びダルベッコの改良イーグル培地(DMEM,Sigma)が宿主細胞の培養に好適である。また、その全ての開示が出典明示によりここに援用されるHam及びWallace (1979), Meth. in Enz. 58:44、Barnes及びSato (1980), Anal. Biochem. 102:255、米国特許第4767704号;同第4657866号;同第4927762号;又は同第4560655号;国際公開第90/03430号;国際公開第87/00195号;米国特許再発行第30985号;又は米国特許第5122469号に記載された培地の何れかも宿主細胞のための培養培地として使用することができる。これらの培地は何れも、ホルモン及び/又は他の増殖因子(例えばインスリン、トランスフェリン、又は表皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウムカルシウムマグネシウム及びリン酸塩)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオシド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシン(商品名)薬)、微量元素(最終濃度マイクロモル範囲で通常存在する無機化合物として定義される)及びグルコース又は同等のエネルギー源を必要に応じて補充することができる。任意の他の必要な補充物質もまた当業者に知られている適切な濃度で含めることができる。培養条件、例えば温度、pH等々は、発現のために選ばれた宿主細胞について以前から用いられているものであり、当業者には明らかであろう。

0060

CHOのような哺乳動物細胞における組換え抗体の生産、回収及び精製のためのプロトコルは次の工程を含みうる:
細胞を撹拌タンクバイオリアクターシステムで培養することができ、流加培養法を用いる。好ましい流加培養では、哺乳動物宿主細胞と培養培地を最初に培養容器に供給し、培養中に培養物へ更なる培養栄養素を連続的に又は離散した増分で供給し、培養の終了前に周期的な細胞及び/又は産物の収集を行うか行わない。流加培養法は、例えば、周期的に(細胞及び培地を含む)全培養物が除去され新鮮な培地に置き換えられる半連続流加培養を含みうる。流加培養法は、(細胞及び全ての培養栄養分を含む)細胞培養のための全ての成分が培養プロセスの開始時点で培養容器に供給される単純なバッチ培養法とは区別される。流加培養法は、上清がプロセス中培養容器から除去されない限りにおいて潅流培養とも更に区別できる(潅流培養では、細胞は例えばマイクロキャリアへの固着化、被包、濾過等によって培地に拘束され、培養培地は連続的又は断続的に培養容器に導入され、除去される)。

0061

更に、培養の細胞は、特定の宿主細胞及び考慮される特定の生産計画に適している任意のスキーム又はルーチンに従って増殖させることができる。従って、単一工程又は複数工程培養手順を用いることができる。単一工程培養では、宿主細胞は培養環境中に播種され、細胞培養の単一生産段階中でプロセスが用いられる。あるいは、多段階培養法を使用することができる。多段階培養法では、細胞は多くの工程又は段階で培養されうる。例えば、細胞は、おそらくは貯蔵から除去された細胞が増殖及び高生存率を促進するのに適した培地中に播種される第一工程又は増殖段階で増殖されうる。細胞は宿主細胞培養物への新鮮培地の添加によって適切な期間、増殖段階に維持されうる。

0062

ある実施態様では、細胞培養の増殖段階において哺乳動物細胞の増殖を亢進させるための流加培養又は連続細胞培養条件が案出されうる。増殖段階において、細胞は増殖を最大にする条件下及び期間、増殖させる。培養条件、例えば温度、pH、溶存酸素(dO2)等は特定の宿主で使用されるものであり、当業者には明らかであろう。一般に、pHは、酸(例えばCO2)又は塩基(例えばNa2CO3又はNaOH)の何れかを使用して約6.5と7.5の間のレベルに調節される。CHO細胞のような哺乳動物細胞を培養するために適した温度範囲は、約30℃から38℃であり、適切なdO2は空気飽和の5−90%である。
特定の段階で、細胞を使用して、細胞培養の生産段階又は工程で播種することができる。あるいは、上に記載したように、生産段階又は工程は播種又は増殖段階又は工程と連続的であってもよい。

0063

細胞培養の生産段階における細胞培養環境は典型的には制御される。よって、糖タンパク質が生産される場合、哺乳動物宿主細胞の細胞特異的生産性に影響する因子を、所望のシアル酸含量が得られた糖タンパク質で達成されるように操作することができる。好ましい態様では、細胞培養プロセスの生産段階に、細胞培養の生産段階のパラメーターをかみ合わせる細胞培養の遷移段階先行する。このプロセスの更なる詳細は、その全体の開示が出典明示によりここに明示的に援用される米国特許第5721121号及びChaderjian等, Biotechnol. Prog. 21(2):550-3 (2005)に見出される。

0064

発酵に続いてタンパク質は精製される。細胞片からのタンパク質の精製の手順は最初はタンパク質の発現部位に依存する。幾つかのタンパク質は細胞から回り増殖培地中に直接分泌させることができる;他のものは細胞内に生産される。後者のタンパク質では、精製プロセスの最初の工程は、細胞の溶解を含み、これは、機械的剪断浸透圧ショック、又は酵素処理を含む様々な方法によってなすことができる。そのような破壊は細胞の全内容物ホモジネート中に放出し、またその小さいサイズのために除去するのが難しい細胞内断片をつくり出す。これらは分画遠心法又は濾過によって一般に除去される。同じ問題が、小規模でではあるが、細胞の自然死及び細胞内宿主細胞タンパク質及びタンパク質製造実験の過程で成分の放出のために、直接分泌されたタンパク質の場合でも生じる。

0065

興味あるタンパク質を含む清澄な溶液がひとたび得られれば、細胞によって製造される他のタンパク質からのその分離は、通常は異なったクロマトグラフィー技術の組合せを使用して試みられる。これらの技術はその電荷疎水性度、又はサイズに基づいてタンパク質の混合物を分離する。数種の異なったクロマトグラフィー樹脂がこれらの技術のそれぞれに対して利用でき、関連する特定のタンパク質に対して精製スキームを正確に仕立てることが可能である。これら分離法の各々の本質は、タンパク質を、長いカラムを異なった速度で移動させることができ、それらがカラムを更に通過するにつれて増加する物理的分離を達成し、又は選択的に分離媒質に固着し、ついで異なった溶媒差次的に溶離されることである。ある場合には、所望のタンパク質は、不純物がカラムに特異的に付着し、対象のタンパク質が付着しない場合に不純物から分離させられ、つまり、対象のタンパク質は「通過画分」中に存在する。よって、哺乳動物宿主細胞の細胞培養からの組換えタンパク質の精製は一又は複数のアフィニティ(例えばプロテインA)及び/又はイオン交換クロマトグラフィー工程を含みうる。

0066

イオン交換クロマトグラフィーは、タンパク質の精製に一般的に使用されるクロマトグラフィー技術である。イオン交換クロマトグラフィーでは、溶質の表面上の荷電パッチが、回りのバッファーのイオン強度が低い場合、クロマトグラフィーマトリックスに付着した反対の電荷によって吸引される。溶離は、イオン交換マトリックス荷電部位について溶質と競合させるためにバッファーのイオン強度(つまり、伝導度)を増加させることによって一般に達成される。pHを変化させて溶質の電荷を変えることは溶質の溶離を達成する他の方法である。伝導度又はpHの変化は、徐々(勾配溶離)か段階的(段階溶離)でありうる。過去では、これらの変化は、漸進的であった;つまりpH又は伝導度は単一の方向に増加又は減少させられる。
治療用抗体の工業的精製の更なる詳細については、その全体の開示が出典明示によりここに明示的に援用されるFahrner 等, Biotechnol. Genet. Eng. Rev. 18:301-27 (2001)を例えば参照のこと。

0067

哺乳動物宿主細胞に加えて、他の真核生物を組換えタンパク質の発現のための宿主細胞として使用することができる。一般的なパン酵母又はサッカロミセス・セレヴィシアのような酵母宿主細胞中での発現に対しては、好適なベクターには、2ミクロンプラスミドに基づくエピソーム的に複製するベクター、組込み型ベクター、及び酵母人工染色体(YAC)ベクターが含まれる。異種タンパク質の組換え生産に適した他の酵母には、シゾサッカロミセス・ポンベ(Beach及びNurse (1981), Nature 290: 140; 1985年5月2日公開のEP139383);例えばK.ラクチス(MW98−8C,CBS683,CBS4574;Louvencourt等, J. Bacteriol., 737 (1983))、K.フラジリス(ATCC12424)、K.ブルガリクス(ATCC16045)、K.ウィケラミイ(ATCC24178)、K.ワルチイ(ATCC56,500)、K.ドロソフィラルム(ATCC36,906;Van den Berg等, Bio/Technology, 8: 135 (1990))、K.サーモトレランス及びK.マルキシアナスのようなクルイベロミセス宿主(米国特許第4943529号;Fleer等, Bio/Technology, 2: 968 975 (1991));ヤローウィア(欧州特許出願公開第402226号);ピチアパストリス(欧州特許出願公開第183070号;Sreekrishna等, J. Basic Microbiol., 28: 265 278 (1988));カンジダトリコデルマ・リーシア(欧州特許出願公開第244234号);ニューロスポラクラッサ(Case等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259 5263 (1979)); シュワニオマイセス(Schwanniomyces)、例えばシュワニオマイセス・オクシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)(1990年10月31日公開の欧州特許出願公開第394538号);及び例えばニューロスポラ、ペニシリウム、トリポクラジウム(1991年1月10日公開の国際公開第91/00357号)のような糸状菌、及びA.ニジュランス(Ballance等, Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284 289 (1983);Tilburn等, Gene, 26: 205 221 (1983);Yelton等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 1470 1474 (1984))及びA.ニガー(Kelly及びHynes,EMBO J., 4: 475 479 (1985))のようなアスペルギルス宿主である。メチロトローフ酵母はここでは適しており、限定するものではないが、ハンゼヌラ、カンジダ、クロエケラ、ピキア、サッカロミセス、トルロプシス及びロドトルラからなる属から選択されるメタノールで増殖可能な酵母が含まれる。このクラスの酵母の例である特定の種のリストは、C. Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs, 269 (1982)に見出すことができる。列挙された及び他の酵母のための発現系は当該分野でよく知られており、及び/又は商業的に入手可能である。

0068

SF9細胞のような昆虫宿主細胞での発現に対しては、好適なベクターにはバキュロウイルスベクターが含まれる。植物宿主細胞、特にタバコのような双子葉植物宿主における発現に対しては、好適な発現ベクターにはアグロバクテリウムツメファシエンスTiプラスミドに由来するベクターが含まれる。

0069

本発明の方法はまた原核生物宿主細胞の培養にも拡張される。本発明によって保護される抗体及び他のタンパク質を発現するために適した原核生物宿主細胞は、古細菌及び真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体を含む。有用な細菌の例には、エシェリキア属(例えば大腸菌)、バシラス属(例えば枯草菌)、エンテロバクター属シュードモナス種(例えば緑膿菌)、ネズミチフス菌霊菌(Serratia marcescans)、クレブシエラ属プロテウス属赤痢菌根粒菌、ビトレオシラ(Vitreoscilla)又はパラコッカス(Paracoccus)が含まれる。一実施態様では、グラム陰性菌が使用される。大腸菌株の例には、大腸菌W3110(Bachmann, Cellular and Molecular Biology, vol. 2 (Washington, D.C.: American Society for Microbiology, 1987), pp. 1190-1219;ATCC寄託番号27325)及びその派生体、例えば遺伝子型W3110 ΔfhuA(ΔtonA) ptr3 lac Iq lacL8 ΔompTΔ(nmpc-fepE) degP41 kanRを有する株33D3 (米国特許第5639635号)が含まれる。他の株及びその派生体、例えば大腸菌294(ATCC31446)、大腸菌B、大腸菌1776(ATCC31537)及び大腸菌RV308(ATCC31608)もまた適切である。これらの例は限定ではなく例示的なものである。定まった遺伝子型を有する上述の細菌の何れかの派生体を構築する方法は当該分野で知られており、例えばBass等, Proteins, 8:309-314 (1990)に記載されている。細菌細胞中でのレプリコン複製能を考慮して適した細菌を選択することが一般に必要である。例えば、pBR322、pBR325、pACYC177、又はpKN410のようなよく知られたプラスミドを使用してレプリコンを供給する場合、大腸菌、セラシア属、又はサルモネラ種を宿主として好適に用いることができる。典型的には、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌しなければならず、望ましくは更なるプロテアーゼ阻害剤を細胞培養中に導入することができる。

0070

非哺乳動物宿主細胞培養物から組換えタンパク質を生産、回収及び精製する方法は当該分野でよく知られている。ポリペプチドが非哺乳動物細胞、例えば菌類又は大腸菌等の微生物において生産される場合、ポリペプチドは細胞内又は細胞膜周辺腔で回収される(Kipriyanov及びLittle, Molecular Biotechnology, 12: 173-201 (1999); Skerra及びPluckthun, Science, 240: 1038-1040 (1988))。よって、細胞溶解等の抽出法によりタンパク質を細胞から細胞外培地中に放出することが必要である。そのような破壊により、細胞の内容物全体がホモジネート中へと放出され、加えて小さすぎることにより除去が困難な細胞内断片が生成される。これらは一般に分画遠心法又は濾過により除去される。

0071

細胞溶解は、典型的にはホモジナイゼーション又はヘッドミル等の機械的破壊技術を用いて達成される。対象のタンパク質は一般に効率的に遊離されるが、そのような技術には幾つかの欠点がある(Engler, Protein Purification Process Engineering, Harrison編, 37-55 (1994))。処理の間にしばしば温度が上昇し、タンパク質の不活性化が起こる場合がある。更に、得られた懸濁液が幅広スペクトルの汚染タンパク質、核酸及び多糖類を含む。核酸及び多糖類により溶液の粘度が増大し、引き続いて行われる遠心分離、クロスフロー濾過、又はクロマトグラフィーによる処理が困難となる可能性がある。これら汚染物質が対象のタンパク質と複雑に関連することにより、精製プロセスが複雑化し、その結果十分な産生量が得られない場合がある。微生物発酵ブロス又はホモジネートからの異種性ポリペプチドの改良された精製法は、例えば、その全開示が出典明示によりここに明示的に援用される米国特許第7169908号に記載されている。

0072

ここに記載される発酵、回収及び精製法は例示的な目的のみのものであることを強調する。本発明の方法は、組換えタンパク質の生産、回収及び精製のために開発された任意の製造方法と組み合わせることができる。

0073

2.抗体
好ましい実施態様では、本発明の方法は、治療用及び診断用抗体を含む抗体の鎖間及び/又は鎖内ジスルフィド結合の還元を防止するために使用される。本発明の範囲内の抗体には、限定されるものではないが、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))を含む抗HER2抗体(Carter等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285-4289 (1992)、米国特許第5725856号);CD20抗体、例えば米国特許第5736137号におけるようなキメラ抗CD20「C2B8」(リツキサン(登録商標))、米国特許第5721108号におけるような2H7抗体のキメラ又はヒト化変異体、又はトシツモマブ(BEXXAR(登録商標));抗IL-8(St John等, Chest, 103:932 (1993)、及び国際公開第95/23865号);抗VEGF抗体、例として、ヒト化及び/又は親和性成熟した抗VEGF抗体、例えばヒト化抗VEGF抗体huA4.6.1アバスチン(登録商標)(Kim等, Growth Factors, 7:53-64 (1992)、1998年10月15日公開の国際公開第96/30046号及び同第98/45331号);抗PSCA抗体(国際公開第01/40309号);抗CD40抗体、例えばS2C6及びそのヒト化変異体(国際公開第00/75348号);抗CD11a抗体(米国特許第5622700号、国際公開第98/23761号、Steppe等, Transplant Intl. 4:3-7 (1991)及びHourmant等, Transplantation 58:377-380 (1994));抗IgE(Presta等, J. Immunol. 151:2623-2632 (1993)、及び国際公開第95/19181号);抗CD18(1997年4月22日発行の米国特許第5622700号、又は1997年7月31日公開の国際公開第97/26912号);抗IgE(E25,E26及びE27を含む;1998年2月3日発行の米国特許第5714338号、又は1992年2月25日発行の米国特許第5091313号、1993年3月4日公開の国際公開第93/04173号、又は1998年6月30日出願の国際出願第PCT/US98/13410号、米国特許第5714338号);抗Apo−2レセプター抗体(1998年11月19日公開の国際公開第98/51793号);抗TNF−α抗体、例えばcA2(REMICADE(登録商標))、CDP571及びMAK−195(1997年9月30日発行の米国特許第5672347号、Lorenz等, J. Immunol. 156(4):1646-1653 (1996)、及びDhainaut等, Crit. Care Med. 23(9):1461-1469 (1995)を参照);抗組織因子(TF)(1994年11月9日に権利付与された欧州特許第0420937号B1);抗ヒトα4β7インテグリン(1998年2月19日公開の国際公開第98/06248号);抗EGFR(1996年12月19日公開の国際公開第96/40210号の、キメラ化又はヒト化の225抗体);抗CD3抗体、例えばOKT3(1985年5月7日発行の米国特許第4515893号);抗CD25又は抗tac抗体、例としてCHI-621(SIMULECT(登録商標))及びZENAPAX(登録商標)(1997年12月2日発行の米国特許第5693762号を参照);抗CD4抗体、例えばcM-7412抗体(Choy等 Arthritis Rheum 39(1): 52-56 (1996));抗CD52抗体、例えばCAMPATH-1H(Riechmann等 Nature 332:323-337 (1988));抗Fcレセプター抗体、例えばGraziano等 J. Immunol. 155(10): 4996-5002 (1995)に記載のFcγRIに対するM22抗体;抗癌胎児性抗原(CEA)抗体、例えばhMN-14 (Sharkey等 Cancer Res. 55(23Suppl): 5935s-5945s (1995));胸部上皮細胞に対する抗体、例としてhuBrE-3、hu-Mc3及びCHL6(Ceriani等 Cancer Res. 55(23): 5852s-5856s (1995);及びRichman等 Cancer Res. 55(23 Supp): 5916s-5920s (1995));結腸癌細胞と結合する抗体、例えばC242(Litton等 Eur J. Immunol. 26(1): 1-9 (1996));抗CD38抗体、例えばAT13/5(Ellis等 J. Immunol. 155(2): 925-937 (1995));抗CD33抗体、例えばHuM195(Jurcic等 Cancer Res 55(23 Suppl): 5908s-5910s (1995))及びCMA-676又はCDP771;抗CD22抗体、例えばLL2又はLymphoCide(Juweid等, Cancer Res 55(23 Suppl):5899s-5907s (1995));抗EpCAM抗体、例えば17-1A(PANOREX(登録商標));抗GpIIb/IIIa抗体、例えばアブシキマブ(abciximab)又はc7E3Fab(REOPRO(登録商標));抗RSV抗体、例えばMEDI-493(SYNAGIS(登録商標));抗CMV抗体、例えばPROTOVIR(登録商標);抗HIV抗体、例えばPRO542;抗肝炎抗体、例えば抗HepB抗体OSTAVIR(登録商標);抗CA125抗体 OvaRex;抗イディオタイプGD3エピトープ抗体BEC2;抗αvβ3抗体VITAXIN(登録商標);抗ヒト腎臓細胞上皮癌抗体、例えばch-G250;ING-1;抗ヒト17-1A抗体(3622W94);抗ヒト結腸直腸腫瘍抗体(A33);GD3ガングリオシドに対する抗ヒトメラノーマ抗体R24;抗ヒト扁平上皮癌(SF-25);及び抗ヒト白血球抗原(HLA)抗体、例えばSmart ID10及び抗HLADR抗体オンコリン(Oncolym)(Lym-1)が含まれる。ここでの抗体に対する好ましい標的抗原は、HER2レセプター、VEGF、IgE、CD20、CD11a、及びCD40である。
これらの抗体の多くが、癌を含む様々な疾患を治療するために臨床実務において広く使用されている。
ある特定の実施態様では、本発明の方法は、次の抗体及び組換えタンパク質の生産のために使用される。

0074

抗CD20抗体
リツキシマブ(リツキサン(登録商標))は、CD20抗原に対する遺伝子操作されたキメラマウスヒトモノクローナル抗体である。リツキシマブは1998年4月7日に発行された米国特許第5736137号(Anderson等)において「C2B8」と呼ばれている抗体である。リツキシマブは、再発性又は難治性の軽度又はろ胞性の、CD20が陽性B細胞非ホジキンリンパ腫を患ってる患者に対して効能がある。インビトロの作用機序の研究では、リツキシマブはヒト補体に結合し、補体依存性細胞障害(CDC)によりリンパ系B細胞系を溶解することが証明されている(Reff等, Blood 83(2):435-445(1994))。また、抗体依存性細胞障害(ADCC)のアッセイでは、有意な活性を有する。より最近では、リツキシマブはトリチウム化チミジン導入アッセイにおいて抗増殖効果を有し、直接アポトーシス誘導するが、他の抗CD20抗体ではこのようなことはないことが示されている(Maloney等, Blood 88(10):637a(1996))。また、リツキシマブと化学療法剤と毒素との相乗作用が実験的に観察されている。特にリツキシマブは、ドキソルビシン、CDDP、VP-16、ジフテリア毒素及びリシン細胞毒性効果に対して薬剤耐性を有するヒトB細胞リンパ腫細胞系を感作させる(Demidem等, Cancer Chemotherapy & Radiopharmaceuticals 12(3):177-186(1997))。インビボでの前臨床的研究では、リツキシマブは、カニクイザル末梢血リンパ節及び骨髄からのB細胞を、おそらくは補体及び細胞媒介性プロセスにより涸渇させることが示されている(Reff等, Blood 83(2):435-445(1994))。

0075

CD20抗体に関する特許及び特許文献には、米国特許第5776456号、同第5736137号、同第6399061号、及び同第5843439号、並びに米国特許出願第2002/0197255Al号、米国特許出願第2003/0021781A1号、米国特許出願第2003/0082172A1号、米国特許出願第2003/0095963A1号、米国特許出願第2003/0147885A1号(Anderson等);米国特許第6455043B1号及び国際公開第00/09160号(Grillo-Lopez,A.);国際公開第00/27428号(Grillo-Lopez及びWhite);国際公開第00/27433号(Grillo-Lopez及びLeonard);国際公開第00/44788号(Braslawsky等);国際公開第01/10462号(Rastetter,W.);国際公開第01/10461号(Rastetter及びWhite);国際公開第01/10460号(White及びGrillo-Lopez);米国特許出願第2002/0006404号及び国際公開第02/04021号(Hanna及びHariharan);米国出願第2002/0012665Al号及び国際公開第01/74388号(Hanna,N.);米国出願第2002/0009444A1号及び国際公開第01/80884号(Grillo-Lopez,A.);国際公開第01/97858号(White,C.);米国出願第2002/0128488A1号及び国際公開第02/34790号(Reff,M.);国際公開第02/060955号(Braslawsky等);国際公開第02/096948号(Braslawsky等);国際公開第02/079255号(Reff及びDavies);米国特許第6171586B1号及び国際公開第98/56418号(Lam等);国際公開第98/58964号(Raju,S.);国際公開第99/22764号(Raju,S.);国際公開第99/51642号、米国特許第6194551B1号、米国特許第6242195B1号、米国特許第6528624B1号及び米国特許第6538124号(Idusogie等);国際公開第00/42072号(Presta,L.);国際公開第00/67796号(Curd等);国際公開第01/03734号(Grillo-Lopez等);米国出願第2002/0004587A1号及び国際公開第01/77342号(Miller及びPresta);米国出願第2002/0197256号(Grewal,I.);米国出願第2003/0157108A1号(Presta,L.);米国特許第6090365B1号、第6287537B1号、第6015542号、第5843398号及び第5595721号(Kaminski等);米国特許第5500362号、第5677180号、第5721108号、及び第6120767号(Robinson等);米国特許第6410391B1号(Raubitschek等);米国特許第6224866B1号及び国際公開第00/20864号(Barbera-Guillem,E.);国際公開第01/13945号(Barbera-Guillem,E.);国際公開第00/67795号(Goldenberg);米国出願第2003/01339301A1号及び国際公開第00/74718号(Goldenberg及びHansen);国際公開第00/76542号(Golay等);国際公開第01/72333号(Wolin及びRosenblatt);米国特許第6368596B1号(Ghetie等);米国出願第2002/0041847Al号(Goldenberg,D.);米国出願第2003/0026801A1号(Weiner及びHartmann);国際公開第02/102312号(Engleman,E.);米国出願第2003/0068664A1号(Albitar等);国際公開第03/002607号(Leung,S);国際公開第03/049694号及び米国出願第2003/0185796A1号(Wolin等);国際公開第03/061694号(Sing及びSiegall);米国出願第2003/0219818A1号(Bohen等);米国出願第2003/0219433A1号及び国際公開第03/068821号(Hansen等)が含まれ、その各々が出典明示によりここに取り込まれる。また、米国特許第5849898号及び欧州特許出願第330191号(Seed等);米国特許第4861579号及び欧州特許出願第332865A2号(Meyer及びWeiss);米国特許第4861579号(Meyer等)及び国際公開第95/03770号(Bhat等)を参照のこと。

0076

リツキシマブを用いた治療法に関する文献には、Perotta及びAbuel 「Response of chronic relapsingITPof 10 years duration to Rituximab」 Abstract # 3360 Blood 10(1)(part 1-2): p. 88B (1998);Stashi等 「Rituximab chimeric anti-CD20 monoclonal antibody treatment for adults with chronic idopathic thrombocytopenic purpura」 Blood 98(4):952-957 (2001);Matthews, R. 「Medical Heretics」 New Scientist (7 April, 2001);Leandro等 「Clinical outcome in 22 patients with rheumatoid arthritis treated with B lymphocyte depletion」 Ann Rheum Dis 61:833-888 (2002);Leandro等 「Lymphocyte depletion in thrumatoid arthritis: early evidence for safety, efficacy and dose response. Arthritis and Rheumatism 44(9): S370 (2001);Leandro等 「An open study of B lymphocyte depletion in systemic lupus erythematosus」, Arthritis & Rheumatism 46(1):2673-2677 (2002);Edwardsand Cambridge 「Sustained improvement in rheumatoid arthritis following a protocol designed to deplete B lymphocytes」 Rhematology 40:205-211 (2001);Edwards等 「B-lymphocyte depletion therapy in rheumatoid arthritis andotherautoimmune disorders」 Biochem. Soc. Trans. 30(4):824-828 (2002);Edwards等 「Efficacy and safety of Rituximab, a B-cell targeted chimeric monoclonal antibody: A randomized, placebo controlled trial in patients with rheumatoid arthritis. Arthritis and Rheumatism 46(9): S197 (2002);Levine and Pestronk 「IgMantibody-related polyneuropathies: B-cell depletion chemotherapy using Rituximab」 Neurology 52: 1701-1704 (1999);DeVita等 「Efficacy of selective B cell blockade in the treatment of rheumatoid arthritis」 Arthritis & Rheumatism 46:2029-2033 (2002);Hidashida等 「Treatment ofDMARD-Refractory rheumatoid arthritis with rituximab.」 Presented at the Annual Scientific Meeting of the American College of Rheumatology; Oct 24-29; Ne Orleans, LA 2002;Tuscano, J. 「Successful treatment of Infliximab-refractory rheumatoid arthritis with rituximab」 Presented at the Annual Scientific Meeting of the American College of Rheumatology; Oct 24-29; New Orleans, LA 2002が含まれる。Sarwal 等 N. Eng. J. Med. 349(2):125-138 (July 10, 2003)では、DNAマイクロアレイプロファイリングによって同定される急性の腎臓同種異系移植片拒絶反応における分子不均一性報告されている。

0077

様々な実施態様において、本発明はヒト化2H7抗CD20抗体を含有する薬学的組成物を提供する。特定の実施態様では、ヒト化2H7抗体は表2に挙げられた抗体である。

0078

表2の抗体変異体A、B及びIの各々は、軽鎖可変配列(VL):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYMHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWSFNPPTFGQGTKVEIKR(配列番号1);及び
重鎖可変配列(VH):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSS(配列番号2)
を含む。

0079

表2の抗体変異体C、D、F及びGの各々は、軽鎖可変配列(VL):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYLHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWAFNPPTFGQGTKVEIKR(配列番号3)、及び
重鎖可変配列(VH):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSASYWYFDVWGQGTLVTVSS(配列番号4)
を含む。

0080

表2の抗体変異体Hは、配列番号3(上記)の軽鎖可変配列(VL)及び重鎖可変配列(VH):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSYRYWYFDVWGQGTLVTVSS(配列番号5)
を含む。

0081

表2の抗体変異体A、B及びIの各々は、完全長軽鎖配列
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYMHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWSFNPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号6)
を含む。

0082

表2の変異体Aは、完全長重鎖配列
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号7)
を含む。

0083

表2の変異体Bは完全長重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIAATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号8)
を含む。

0084

表2の変異体Iは完全長重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNAALPAPIAATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号15)
を含む。

0085

表2の抗体変異体C、D、F、G及びHは、完全長軽鎖配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYLHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWAFNPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号9)
を含む。

0086

表2の変異体Cは完全長重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSASYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIAATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号10)
を含む。

0087

表2の変異体Dは、完全長重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSASYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)
を含む。

0088

表2の変異体Fは、完全長重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSASYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNAALPAPIAATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号12)
を含む。

0089

表2の変異体Gは、完全長重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSASYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNAALPAPIAATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHWHYTQKSLSLSPGK(配列番号13)
を含む。

0090

表2の変異体Hは、完全長重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSYRYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNAALPAPIAATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号14)
を含む。

0091

ある実施態様では、本発明のヒト化2H7抗体はIgGFcにおいてアミノ酸改変を更に含み、野生型IgG Fcを有する抗体よりもヒトFcRnに対して少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、より好ましくは少なくとも100倍、好ましくは少なくとも125倍、更により好ましくは少なくとも150倍から約170倍、増加した結合親和性を示す。
IgGのNグリコシル化部位はCH2ドメインのAsn297である。本発明のヒト化2H7抗体組成物はFc領域を有する先のヒト化2H7抗体の何れかの組成物を含み、組成物中の抗体の約80−100%(好ましくは約90−99%)はフコース欠損し、糖タンパク質のFc領域に結合した成熟コア炭水化物構造を含む。このような組成物はヒトIgGと相互作用する際にFc(RIIIA(V158)ほど効果的ではないが、Fc(RIIIA(F158)への結合を驚くほど改善することがここで証明された。Fc(RIIIA(F158)は正常で健康なアメリカ黒人及び白人において、Fc(RIIIA(V158)より一般的である。Lehrnbecher等 Blood 94:4220 (1999)参照。歴史的には、最も一般的に使用される工業的宿主の一つであるチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)において生産された抗体は、約2から6%をフコシル化されていない集団に含む。YB2/0及びLec13は、しかしながら、78から98%の非フコシル化種を持つ抗体を生産できる。Shinkawa等 J Bio. Chem. 278 (5), 3466-347 (2003)は、YB2/0及びLec13細胞で生産された抗体は、少ないFUT8活性を有し、インビトロで有意に増加したADCC活性を示すことを報告している。減少したフコース量の抗体の生産はまた例えばLi等, (GlycoFi) 「Optimization of humanized IgGs in glycoengineered Pichia pastoris」Nature Biologyオンライン刊行物22 Jan. 2006;Niwa R.等, Cancer Res. 64(6):2127-2133 (2004);米国出願公開第2003/0157108号(Presta);米国特許第6602684号及び米国出願公開第2003/0175884号 (Glycart Biotechnology);米国出願公開第2004/0093621号、米国出願公開第2004/0110704号、米国出願公開第2004/0132140号(全て協和発酵工業)に記載されている。

0092

二重特異性ヒト化2H7抗体は、抗体の1本のアームが本発明のヒト化2H7抗体のH及び/又はL鎖の抗原結合領域を少なくとも有し、他のアームは第二抗原に対してV領域結合特異性を有する抗体を包含する。具体的な実施態様では、第二抗原は、CD3、CD64、CD32A、CD16、NKG2D又は他のNK活性化リガンドからなる群から選択される。

0093

抗HER2抗体
マウスHER2抗体4D5の組換えヒト化体(huMAb4D5-8、rhuMAb HER2、トラスツズマブ又はハーセプチン(登録商標);米国特許第5821337号)は、広範な抗癌治療を前に受けたHER2過剰発現転移性乳癌を持つ患者において臨床的に活性であった(Baselga等, J. Clin. Oncol. 14:737-744(1996))。トラスツズマブは、腫瘍がHER2タンパク質を発現する転移性乳癌を有する患者の治療のために、1998年9月25日、食品医薬品局から販売許可を受けた。2006年11月には、FDAは、HER2陽性リンパ節陽性乳癌患者アジュバント療法のための、ドキソルビシン、シクロホスファミド及びパクリタキセルを含む治療法の一部としてハーセプチンを承認した。

0094

一実施態様では、抗HER2抗体は次のVL及びVHドメイン配列を含む:
ヒト化2C4型574抗体VL(配列番号16)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVSIGVAWYQQKPGKAPKLLIYSASYRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYIYPYTFGQGTKVEIK
及びヒト化2C4型574抗体VH(配列番号17)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFTDYTMDWVRQAPGKGLEWVADVNPNSGGSIYNQRFKGRFTLSVDRSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARNLGPSFYFDYWGQGTLVTVSS。

0095

他の実施態様では、抗HER2抗体は、それぞれ図21及び図22に示されるようなトラスツズマブのVL(配列番号18)及びVH(配列番号19)ドメイン配列を含む。
様々な性質を持つ他のHER2 抗体は、Tagliabue等, Int. J. Cancer 47:933-937 (1991);McKenzie等, Oncogene 4:543-548 (1989);Maier等, Cancer Res. 51:5361-5369 (1991);Bacus等, Molecular Carcinogenesis 3:350-362 (1990);Stancovski等, PNAS (USA) 88:8691-8695 (1991);Bacus等, Cancer Research 52:2580-2589 (1992);Xu等, Int. J. Cancer 53:401-408 (1993);国際公開第94/00136号;Kasprzyk等, Cancer Research 52:2771-2776 (1992);Hancock等, Cancer Res. 51:4575-4580 (1991);Shawver等, Cancer Res. 54:1367-1373 (1994);Arteaga等, Cancer Res. 54:3758-3765 (1994);Harwerth等, J. Biol. Chem. 267:15160-15167 (1992);米国特許第5783186号;及びKlapper等, Oncogene 14:2099-2109 (1997)に記載されている。

0096

抗VEGF抗体
抗VEGF抗体は、例えば次の配列を含みうる:
一実施態様では、抗VEGF抗体は次のVL配列(配列番号20):
DIQMTQTTSSLSASLGDRVI ISCSASQDIS NYLNWYQQKP DGTVKVLIYF TSSLHSGVPS RFSGSGSGTD YSLTISNLEP EDIATYYCQQ YSTVPWTFGG GTKLEIKR;及び
次のVH配列(配列番号21):
EIQLVQSGPE LKQPGETVRI SCKASGYTFT NYGMNWVKQAPGKGLKWMGW INTYTGEPTY AADFKRRFTFSLETSASTAYLQISNLKNDDTATYFCAKYP HYYGSSHWYF DVWGAGTTVTVSS
を含む。

0097

他の実施態様では、抗VEGF抗体は次のVL配列(配列番号22):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVT ITCSASQDIS NYLNWYQQKP GKAPKVLIYFTSSLHSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ YSTVPWTFGQ GTKVEIKR;及び
次のVH配列(配列番号23):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRLSCAASGYTFT NYGMNWVRQAPGKGLEWVGW INTYTGEPTY AADFKRRFTFSLDTSKSTAY LQMNSLRAED TAVYYCAKYP HYYGSSHWYF DVWGQGTLVTVSS
を含む。

0098

第三の実施態様では、抗VEGF抗体は次のVL配列(配列番号24):
DIQLTQSPSSLSASVGDRVT ITCSASQDIS NYLNWYQQKP GKAPKVLIYFTSSLHSGVPS RFSGSGSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ YSTVPWTFGQ GTKVEIKR; 及び
次のVH配列(配列番号25):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRLSCAASGYDFTHYGMNWVRQAPGKGLEWVGW INTYTGEPTY AADFKRRFTFSLDTSKSTAY LQMNSLRAED TAVYYCAKYP YYYGTSHWYF DVWGQGTLVTVSS
を含む。

0099

抗CD11a抗体
ヒト化抗CD11a抗体であるエファリズマブ又はラプティバ(登録商標)(米国特許第6037454号)は、乾癬の治療について2003年10月27日に食品医薬品局から承認を受けた。一実施態様は、以下のHuMHM24のVL及びVH配列を含んでなる抗ヒトCD11a抗体を提供する:
VL(配列番号26):
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASKTISKYLAWYQQKPGKAPKLLIYSGSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQHNEYPLTFGQGTKVEIKR;及び
VH(配列番号27):
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYSFTGHWMNWVRQAPGKGLEWVGMIHPSDSETRYNQKFKDRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGIYFYGTTYFDYWGQGTLVTVSS。

0100

抗ヒトCD11a抗体は、配列番号27のVHと、
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASKTISKYLAWYQQKPGKAPKLLIYSGSTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQHNEYPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号28)
の配列を有するHuMHM24の完全長L鎖、又は、
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYSFTGHWMNWVRQAPGKGLEWVGMIHPSDSETRYNQKFKDRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARGIYFYGTTYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号29)
の配列を有するH鎖と共に上記のL鎖を含みうる。

0101

DR5レセプターに対する抗体(抗DR5抗体)もまた本発明に従って製造することができる。かかる抗DR5抗体は特にPCT公開公報第2006/083971号に開示された全ての抗体変異体、例えばApomabs1.1、2.1、3.1、4.1、5.1、5.2、5.3、6.1、6.2、6.3、7.1、7.2、7.3、8.1、8.3、9.1、1.2、2.2、3.2、4.2、5.2、6.2、7.2、8.2、9.2、1.3、2.2、3.3、4.3、5.3、6.3、7.3、8.3、9.3、及び25.3と命名された抗DR5抗体、特にApomab8.3及びApomab7.3、好ましくはApomab7.3を含む。国際公開第2006/083971号の全内容は出典明示により明示的にここに援用される。

0102

3.他のジスルフィド含有タンパク質
抗体に加えて、本発明の方法は、ジスルフィド結合を含む他のポリペプチドの製造において有用性を見出す。かかるポリペプチドの代表的な例には、限定するものではないが、次の治療用タンパク質が含まれる:心筋梗塞の治療のための血栓溶解剤である組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PAs)、例えばヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(htPA,アルテプラーゼ,ACTIVASE(登録商標))、単回ボーラス投与のための延長半減期及びフィブリン特異性を有するht−PA変異体であるTNKアーゼ(商標);小児及び成人における成長ホルモン欠乏症の治療のための組換えヒト成長ホルモン(rhGH,ソマトロピン,NUTROPIN(登録商標),PROTROPIN(登録商標));及び嚢胞性線維症(CF)の治療のための組換えヒトデオキシリボヌクレアーゼI(DNase I)。

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