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技術 凍結飲料の解凍時の甘味変化又は色調変化を緩和する方法

出願人 アサヒ飲料株式会社
発明者 吉川徹
出願日 2020年4月13日 (7ヶ月経過) 出願番号 2020-071701
公開日 2020年7月9日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-103325
状態 特許登録済
技術分野 菓子 食品の凍結・冷却及び乾燥 乳製品
主要キーワード 乳たんぱく 基準品 可溶性固形分量 解凍初期 ガラス壜 色調差 カフェラテ 豆乳由来
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

解凍しながら飲用する際の凍結飲料風味差や色調差緩和する方法を提供すること。

解決手段

本発明により、凍結飲料に、タマリンドシードガムグアガム、HMペクチン等の増粘多糖類を含ませることにより、解凍しながら飲用する際の甘味変化や色調変化を緩和する。

概要

背景

近年、シャーベット状又は氷塊状に凍結させた飲料を解凍しながら飲用できる、いわゆる凍結飲料が知られており、特に暑い夏場における需要が高い。
アルコール性飲料及び非アルコール性飲料のいずれも凍結飲料として市場に供給されているが、特に、甘味が付与された非アルコール性飲料の凍結飲料の場合、飲み始めと飲み終わりとの間の風味差が非常に大きい。ヒトが感じ味覚は、口にした物の温度で変化し、甘味は、体温に近い程強く感じ、冷えると弱くなると言われている。しかし、解凍開始直後の凍結飲料の甘味は極端に強く、中盤以降には甘味はほとんど感じられない。
また、乳たんぱく質果汁を含有する非アルコール性凍結飲料の場合、飲料の色調も同様に変化し、飲み始めの液体の色調が濃く、飲み終わりには透明な液体となってしまう。
これまでに、室温または冷蔵で液体としてそのまま飲食することができ、冷凍することにより微細氷結晶均質に含み、ソフトで滑らかな舌触りを持ち合わせたシャーベット状飲料とし、冷凍庫から取り出して長時間経過した後でもPET容器の飲み口からそのまま飲食することが可能であり、しかもソフトで滑らかな舌触りを持ち合わせたPETボトル入り飲料とすることを目的とし、ぶどう糖麦芽等、デキストリンおよび糖アルコールから選ばれる一種以上の糖類と、ペクチンもしくは大豆多糖類または両者を含む多糖類系安定剤とを含有し、これらの配合量が特定の条件をみたす組成物や(特許文献1)、澱粉糖を含む糖類を含有し、糖類のDE値、飲料の可溶性固形分%、飲料の粘度が特定の条件を満たすシャーベット状飲料用組成物が知られている(特許文献2)。
他方、酸性条件下においても、乳原料豆乳由来蛋白成分凝集することなく安定に保持し、飲み口の軽い良好な酸性蛋白飲料を提供することを目的とし、水溶性ヘミセルロースと、タマリンドシードガム及び/又はローカストビーンガムを使用することが知られている(特許文献3)。
しかし、凍結した後、徐々に解凍させながら飲用する凍結飲料について、その風味差や色調差緩和させる方法については知られていない。

概要

解凍しながら飲用する際の凍結飲料の風味差や色調差を緩和する方法を提供すること。本発明により、凍結飲料に、タマリンドシードガム、グアガム、HMペクチン等の増粘多糖類を含ませることにより、解凍しながら飲用する際の甘味変化や色調変化を緩和する。

目的

他方、酸性条件下においても、乳原料や豆乳由来の蛋白成分が凝集することなく安定に保持し、飲み口の軽い良好な酸性蛋白飲料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

凍結飲料に、増粘多糖類を添加することを特徴とする、解凍しながら飲用する際の甘味変化を緩和する方法。

請求項2

増粘多糖類が、タマリンドシードガムグアガム、HMペクチン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。

請求項3

増粘多糖類の含有量が、凍結飲料の全質量を基準として、0.01〜0.4質量%である請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

増粘多糖類を含有することを特徴とする、凍結飲料を解凍しながら飲用する際の凍結飲料の甘味変化の緩和剤

請求項5

凍結飲料に、増粘多糖類を添加することを特徴とする、解凍しながら飲用する際の色調変化を緩和する方法。

請求項6

増粘多糖類が、タマリンドシードガム、グアガム、HMペクチン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項5に記載の方法。

請求項7

増粘多糖類の含有量が、凍結飲料の全質量を基準として、0.01〜0.4質量%である請求項5又は6に記載の方法。

請求項8

増粘多糖類を含有することを特徴とする、凍結飲料を解凍しながら飲用する際の凍結飲料の色調変化の緩和剤。

技術分野

0001

本発明は、乳性飲料果汁飲料等の非アルコール性飲料凍結させることにより全体が氷塊状を呈する飲料の解凍時の甘味変化又は色調変化緩和する方法に関する。

背景技術

0002

近年、シャーベット状又は氷塊状に凍結させた飲料を解凍しながら飲用できる、いわゆる凍結飲料が知られており、特に暑い夏場における需要が高い。
アルコール性飲料及び非アルコール性飲料のいずれも凍結飲料として市場に供給されているが、特に、甘味が付与された非アルコール性飲料の凍結飲料の場合、飲み始めと飲み終わりとの間の風味差が非常に大きい。ヒトが感じ味覚は、口にした物の温度で変化し、甘味は、体温に近い程強く感じ、冷えると弱くなると言われている。しかし、解凍開始直後の凍結飲料の甘味は極端に強く、中盤以降には甘味はほとんど感じられない。
また、乳たんぱく質果汁を含有する非アルコール性凍結飲料の場合、飲料の色調も同様に変化し、飲み始めの液体の色調が濃く、飲み終わりには透明な液体となってしまう。
これまでに、室温または冷蔵で液体としてそのまま飲食することができ、冷凍することにより微細氷結晶均質に含み、ソフトで滑らかな舌触りを持ち合わせたシャーベット状飲料とし、冷凍庫から取り出して長時間経過した後でもPET容器の飲み口からそのまま飲食することが可能であり、しかもソフトで滑らかな舌触りを持ち合わせたPETボトル入り飲料とすることを目的とし、ぶどう糖麦芽等、デキストリンおよび糖アルコールから選ばれる一種以上の糖類と、ペクチンもしくは大豆多糖類または両者を含む多糖類系安定剤とを含有し、これらの配合量が特定の条件をみたす組成物や(特許文献1)、澱粉糖を含む糖類を含有し、糖類のDE値、飲料の可溶性固形分%、飲料の粘度が特定の条件を満たすシャーベット状飲料用組成物が知られている(特許文献2)。
他方、酸性条件下においても、乳原料豆乳由来蛋白成分凝集することなく安定に保持し、飲み口の軽い良好な酸性蛋白飲料を提供することを目的とし、水溶性ヘミセルロースと、タマリンドシードガム及び/又はローカストビーンガムを使用することが知られている(特許文献3)。
しかし、凍結した後、徐々に解凍させながら飲用する凍結飲料について、その風味差や色調差を緩和させる方法については知られていない。

先行技術

0003

特開2007-330216号公報
特開2008-11835号公報
特開2006-217831号公報

発明が解決しようとする課題

0004

凍結した飲料を解凍しながら飲む際には、飲み始めと飲み終わりとの間の風味差や色調差は、飲料中可溶性固形分量が多いほど大きい。そこで、改善方法としては飲料に含まれる可溶性固形分量を低減することが考えられる。しかし、可溶性固形分量が少なすぎると、飲み応えが乏しく、風味上好ましくない。また、特に酸性乳飲料等の乳たんぱく質含有飲料の場合には、可溶性固形分量を低減させると、乳たんぱく質が不安定になってしまうことが知られている。これは、可溶性固形分として含まれる糖や食物繊維等が乳たんぱく安定化剤として作用し得るが、これらが除かれるためであると考えられる。従って、可溶性固形分量を低減する方法以外の方法であって、酸性乳飲料のみならず、非アルコール性飲料の種類を問わずに適用可能な方法を検討する必要がある。
そこで、本発明は、解凍しながら飲用する際の凍結飲料の風味差や色調差を緩和する方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らが鋭意検討した結果、凍結飲料に、増粘多糖類を含ませることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明により、以下の方法を提供する:
1. 凍結飲料に、増粘多糖類を添加することを特徴とする、解凍しながら飲用する際の甘味変化を緩和する方法。
2. 増粘多糖類が、タマリンドシードガム、グアガム、HMペクチン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる前記1項に記載の方法。
3. 増粘多糖類の含有量が、凍結飲料の全質量を基準として、0.01〜0.4質量%である前記1又は2項に記載の方法。
4. 増粘多糖類を含有することを特徴とする、凍結飲料を解凍しながら飲用する際の凍結飲料の甘味変化の緩和剤
5. 凍結飲料に、増粘多糖類を添加することを特徴とする、解凍しながら飲用する際の色調変化を緩和する方法。
6. 増粘多糖類が、タマリンドシードガム、グアガム、HMペクチン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる前記5項に記載の方法。
7. 増粘多糖類の含有量が、凍結飲料の全質量を基準として、0.01〜0.4質量%である前記5又は6項に記載の方法。
8. 増粘多糖類を含有することを特徴とする、凍結飲料を解凍しながら飲用する際の凍結飲料の色調変化の緩和剤。

発明の効果

0006

本発明によれば、解凍しながら飲用する際の凍結飲料の風味差や色調差を緩和することができる。特に、解凍開始直後の甘味の変化及び色調の変化を緩和することができる。

図面の簡単な説明

0007

比較例1及び実施例1〜3の飲料のBrixの経時変化を示す。
比較例2及び実施例4〜5の飲料のBrixの経時変化を示す。
比較例1及び実施例1〜3の飲料の官能評価の経時変化を示す。
比較例2及び実施例4〜5の飲料の官能評価の経時変化を示す。
比較例1及び実施例1〜2の飲料の色調(ΔE値)の経時変化を示す。
比較例2及び実施例4〜5の飲料の色調(ΔE値)の経時変化を示す。
比較例3及び実施例6の飲料のBrixの経時変化を示す。
比較例3及び実施例6の飲料の官能評価の経時変化を示す。
比較例4及び実施例7〜9の飲料のBrixの経時変化を示す。
比較例4及び実施例7〜9の飲料の官能評価の経時変化を示す。
比較例4及び実施例10〜13の飲料のBrixの経時変化を示す。
比較例4及び実施例10〜13の飲料の官能評価の経時変化を示す。
比較例4及び実施例10、11、13の飲料の色調(ΔE値)の経時変化を示す。

0008

〔凍結飲料〕
本発明の凍結飲料は、家庭用又は商業用冷凍庫で凍結処理することにより、全体が硬い氷塊を形成し、解凍中に、氷塊の表面から融け出した液体と未解凍の氷塊とに分離する飲料である。この凍結物は、スプーンですくえるようなシャーベット状でもソフトアイス状でもない。解凍は、冷蔵庫中に放置することにより、室温において放置することにより、又は加温することにより行うことができる。
本発明が対象とする凍結飲料は非アルコール性飲料であり、ビールワインウイスキー等の酒類を含まない。具体的には、乳性飲料、例えば乳製品乳酸菌飲料乳酸菌飲料;果汁飲料、例えば天然果汁、果汁入り清涼飲料野菜飲料、例えばトマトジュース野菜汁と果汁とのミックスジュース、例えばミルクティーコーヒー、例えばカフェラテスポーツドリンク等が挙げられる。
本発明の凍結飲料は、氷塊を含んだ状態で飲用できるため、通常の冷蔵飲料より長時間冷たい状態で飲用することができる。

0009

〔増粘多糖類〕
本発明に用いる増粘多糖類としては、食品や飲料に用いることが出来る増粘多糖類であれば特に制限無く用いることができるが、特にタマリンドシードガム、グアガム及びHMペクチンが好ましい。タマリンドシードガム、グアガムがより好ましい。増粘多糖類は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用しても良い。
タマリンドシードガムとは、タマリンドの種子から抽出される増粘多糖類である。例えば、「ビストップD-2033(三栄源エフエフアイ(株))」等を使用できる。
グアガムとは、グア豆由来の増粘多糖類である。例えば、「VIDOCREMA(ユニテックフーズ(株))」等を使用できる。
HMペクチンとは、主に柑橘類から抽出される多糖類である。例えば、「YM-115-LJ(三晶(株))」等を使用できる。
増粘多糖類の量は、凍結飲料の全質量を基準として、0.01〜0.4質量%となる量で本発明の凍結飲料に含まれるのが好ましい。より好ましくは0.05〜0.3質量%であり、さらに好ましくは、0.08〜0.2質量%が好ましい。本発明の凍結飲料が果汁飲料の場合、果汁由来のHMペクチンの量と、添加する増粘多糖類の量との合計量がこの範囲になるのが好ましい。凍結飲料中の増粘多糖類の量がこの範囲にあると、飲み始めと飲み終わりとの間の風味差や色調差を充分に緩和することができ、かつ、解凍しながら飲用する際に、粘度が高すぎることなく、充分な止性を有した飲料とできるので好ましい。
増粘多糖類を凍結飲料に添加した後、凍結飲料中で増粘多糖類が均一に分散するようにするのが好ましい。添加後、放置することにより自発的に拡散させてもよいし、攪拌機を用いて撹拌混合してもよい。

0010

本発明の凍結飲料は、さらに、甘味料や、果汁や野菜汁、乳、酸味料等の各種添加剤などを含んでも良い。但し、洋酒や和酒等の酒類を含まない。

0011

〔甘味料〕
本発明の凍結飲料には、甘味料として、砂糖果糖、ぶどう糖、乳糖麦芽糖等の単糖二糖、またはオリゴ糖エリスリトールマルチトール等の糖アルコール等、果糖ぶどう糖液糖等の異性化糖を配合することができる。甘味料としては、スクラロースアスパルテームアセスルファムカリウムステビア等の高甘味度甘味料を使用しても良い。甘味料は、一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
凍結飲料中の可溶性固形分量が多いほど、飲み始めと飲み終わりとの間の風味差、特に甘味差や、飲料の色調差が顕著に現れるため、甘味料の一部又は全部を、高甘味度甘味料に置き換えることで飲料中の可溶性固形分の絶対量を減らすのが望ましい。この観点からは、甘味料としては、高甘味度甘味料の方が好ましい。高甘味度甘味料としては、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム及びこれらの二種以上の混合物が好ましい。
本発明の凍結飲料中の甘味料の量は、乳性飲料、果汁飲料等の飲料の種類にあわせて、また、消費者嗜好を考慮して、当業者であれば適宜設定できるが、凍結飲料中の可溶性固形分量が15以下となるように設定するのが好ましい。ここで、可溶性固形分量は、Brix(Bx)とも称され、詳しくは、20℃における糖用屈折計示度であり、20℃で測定した可溶性固形分量をいう。ストレート飲料希釈せずにそのまま飲用する飲料)は、Bxが1〜15であるものが多いが、本発明の凍結飲料としても、Bxがこの範囲のものを問題無く製造することができる。しかし、上で述べたとおり、Bxが低い方が、風味差、色調差が小さくなるため、Bxは1〜10であるのがより好ましく、3〜8であるのがさらに好ましい。
なお、Bxは、屈折計(例えば、デジタル屈折計Rx-5000、アタゴ社製)を使用して測定することができる。
〔果汁、野菜汁〕
本発明の凍結飲料に用いる果汁や野菜汁としては、特に限定されないが、例えば、レモングレーフルーツ、オレンジ、いちご、もも、ぶどう、りんごパイナップルマンゴートマト、にんじん、キャベツレタスセロリ、かぼちゃ等の混濁あるいはこれらを清澄させた透明汁、これらの各抽出エキス、各濃縮物、及びこれらの少なくとも1種を乳酸菌等によって発酵させたもの、又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。

0012

〔乳〕
凍結飲料は、牛乳山羊乳乳、馬乳等の獣乳豆乳等の植物乳等を加えて乳含有飲料としても良く、乳の使用に際しては単独もしくは2種以上の混合物を用いることができ、中でも牛乳の使用が一般的である。また、乳原料の形態は特に限定されず、生乳、全脂乳、脱脂乳あるいは乳清等を用いることができ、また、粉乳濃縮乳から還元した乳、加糖練乳脱脂加糖練乳などの練乳類も使用できる。
本明細書において、乳性飲料は、乳固形分を3%以上とした乳製品と、乳固形分を3%未満とした清涼飲料水とを含む。
ここで、凍結飲料が乳含有飲料の場合、乳蛋白の安定化を図るために大豆多糖類、寒天セルロース等の安定化剤を添加することが望ましい。なかでも、大豆多糖類が好ましい。安定化剤の含有量は、凍結飲料のBxが1〜15となるように設定するのが好ましい。具体的には、凍結飲料の全質量を基準として、0.01〜0.5質量%が好ましい。さらに好ましくは、0.05〜0.2質量%である。

0013

〔その他添加剤〕
凍結飲料には、クエン酸酒石酸リンゴ酸乳酸コハク酸フマル酸フィチン酸リン酸等の酸味料;クエン酸三ナトリウム炭酸水素ナトリウムリン酸二水素ナトリウム等のpH調整剤香料食塩等のミネラル類;乳酸菌、酵母等を添加してもよい。

0014

容器
凍結飲料を容れる容器は、凍結時の膨張圧に耐え得る容器であれば、材料も形態も特に限定されない。流通や飲用のしやすさを考慮して、容器材料は、特にペットボトルアルミパウチが好ましい。また、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)製のプラスチック容器でも良く、ガラス壜スチール缶でも良い。

0015

〔比較例1、2および実施例1〜5〕
試作方法
表1に示す配合量で、以下に示す方法により酸性乳性飲料を調製した。
脱脂粉乳を水に溶解し、3wt%大豆多糖類水溶液、果糖ぶどう糖液糖を添加し均一になるように攪拌した。次いで10wt%クエン酸水溶液および10wt%乳酸水溶液を添加し十分に攪拌した後、1wt%アスパルテーム溶液、1wt%アセスルファムカリウム水溶液、1wt%スクラロース水溶液を添加し、1wt%増粘多糖類溶液を添加し、十分に攪拌した。次にイオン交換水を用いて全量を9.5kgとした後に、10wt%クエン酸三ナトリウム水溶液でpHを3.60に調整し、香料を加え、イオン交換水を用いて全量を10kgとした後に均質化処理を行い、調合液を調整した。得られた調合液を加熱殺菌した後に、500mlPETボトルにホットパック充填し、室温まで水冷してその後に-20℃の冷凍室で一晩冷凍し、凍結酸性乳性飲料を製造した。

0016

評価方法
一晩冷凍した各サンプルを室温下で逆さに向けて置き、100mlずつの区画(1〜5)に分割採取し、Bxおよび色調の変化を測定し、各区画の風味差を評価した。
風味評価開発担当者5名による官能評価を実施した。風味の評価指標は甘味とした。
水準冷蔵保管品を基準とし、区画1、3および5の風味を以下のように点数化した。
-3点:基準品よりかなり甘味が弱い
-2点:基準品よりやや甘味が弱い
-1点:基準品よりわずかに甘味が弱い
0点:基準品と同じ甘さ
1点:基準品よりわずかに甘味が強い
2点:基準品よりやや甘味が強い
3点:基準品よりかなり甘味が強い

0017

また、色調の変化は、分光測色計(KONICAMINOLTA社製)で各区画の色調(L*a*b*値)を各々測定し、測定した色調および次式に基づいて、区画1から区画5までのL*a*b*値差(ΔE*(ab))を算出することにより、溶け始めからの色調変化を求めた。

L*a*b*色差(ΔE*(ab))=〔(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2〕1/2 (式)

なお、上記式中、L*は、明度を表す。A*は、赤方向の色度を表す。B*は、黄方向の色度を表す。(ΔE*(ab))は変色の程度を表す(図では「ΔE」と示す。)。

0018

0019

結果を図1〜6に示す。
比較例1および2では、溶けはじめ(区画1)のBxがかなり高く、経時的なBx変化が大きかった(図1および2)。実施例1〜5では、比較例1および2と比較して解凍初期のBxが低く抑えられており、経時的なBx変化が小さかった。
また、風味評価においても、実施例1〜5は解凍初期の甘味が和らぎ、比較例1および2と比較して経時的な変化が小さかった(図3および4)。
さらに、色調に関しては、比較例1および2と比較して、実施例1〜5では区画1からの変化率が小さかった(図5および6)。

0020

〔比較例3、実施例6〕
表2に示す配合量で、実施例1と同様の方法で凍結用酸性乳性飲料を調製した。
一晩冷凍した各サンプルを室温下で逆さに向けて置き、100mlずつの区画(1〜5)に分割採取し、Bxを測定し、風味評価を実施した。風味評価は、開発担当者5名による官能評価を実施し、各水準の冷蔵保管品を基準とし、区画1、3、4および5の風味を以下のように点数化した。
-5点:基準品より極めて甘味が弱い
-4点:基準品よりかなり甘味が弱い
-3点:基準品より甘味が弱い
-2点:基準品よりやや甘味が弱い
-1点:基準品よりわずかに甘味が弱い
0点:基準品と同じ甘さ
1点:基準品よりわずかに甘味が強い
2点:基準品よりやや甘味が強い
3点:基準品より甘味が強い
4点:基準品よりかなり甘味が強い
5点:基準品より極めて甘味が強い

0021

0022

<結果>
結果を図7図8に示す。
比較例3では、溶けはじめ(区画1)のBxがかなり高く、経時的なBx変化が大きかった(図7)。実施例6では、比較例3と比較して解凍初期のBxが低く抑えられており、経時的なBx変化が小さかった。
また、風味評価においても、実施例6は解凍初期の甘味が和らぎ、比較例3と比較して経時的な変化が小さかった(図8)。

0023

〔比較例4、実施例7〜9〕
表3に示す配合量で、以下に示す方法によりぶどう果汁飲料を調製した。
6倍濃縮ぶどう果汁を水に溶解し、10wt%クエン酸水溶液を添加し十分に攪拌した後、1wt%アスパルテーム溶液を添加した。その後に1wt%増粘多糖類溶液を添加し、十分に攪拌した。次にイオン交換水を用いて全量を9.5kgとした後に、10wt%クエン酸三ナトリウム水溶液でpHを3.25に調整し、香料を加え、イオン交換水を用いて全量を10kgとし、調合液を調整した。得られた調合液を加熱殺菌した後に、500mlPETボトルにホットパック充填し、室温まで水冷してその後に-20℃の冷凍室で一晩冷凍し、凍結用ぶどう果汁飲料を製造した。
一晩冷凍した各サンプルを室温下で逆さに向けて置き、100mlずつの区画(1〜5)に分割採取し、実施例6と同様の方法で評価を実施した。

0024

0025

<結果>
結果を図9図10に示す。
比較例4では、溶けはじめ(区画1)のBxがかなり高く、経時的なBx変化が大きかった(図9)。実施例7〜9では、比較例4と比較して解凍初期のBxが低く、経時的なBx変化が小さかった。
また、風味評価においても、実施例7〜9は比較例4と比較して解凍初期の甘味が和らぎ、経時的な変化が小さかった(図10)。

0026

〔実施例10〜13〕
表4に示す配合量で、実施例7〜9と同様の方法でぶどう果汁飲料を調製した。
一晩冷凍した各サンプルを室温下で逆さに向けて置き、100mlずつの区画(1〜5)に分割採取し、実施例6と同様の方法で評価を実施した。
また、比較例4、実施例10、11、および13については色調変化も測定した。

0027

実施例

0028

<結果>
結果を図11図13に示す。
実施例10〜13では、比較例4と比較して解凍初期のBxが低く、経時的なBx変化が小さかった(図11)。
また、風味評価においても、実施例10〜13は比較例4と比較して解凍初期の甘味が和らぎ、経時的な変化が小さかった(図12)。
さらに、色調変化についても実施例10、11、13では比較例4と比較して緩和されていた(図13)。

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