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図面 (4)

課題

所望のアミノ酸の産生を増強するために操作された組換え微生物、ならびに関連するバイオマスの提供。

解決手段

L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸および天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸作動可能に連結された発現制御配列をコードする外因性核酸からなる群から選択される第1の外因性核酸を含む組換えC1代謝微生物であって、該組換えC1代謝微生物が、天然ガス由来炭素供給材料を所望のL−アミノ酸に変換することができ、該組換えC1代謝微生物のδ13Cが−30‰未満である、組換えC1代謝微生物。

概要

背景

背景
飼料添加物の使用により、動物飼料利用効率における進歩は、過去数十年間にわたって達成されてきた。このような添加される物質は、動物飼料組成物の栄養含有量エネルギー含有量および/または闘病特性を増加させる。商業的動物生産業者にとって大きくなりつつある課題は、穀物コスト高騰である。コスト高騰は、一部には、バイオ燃料および人間用の食物の使用のための穀物の競争需要によるものである。飼料生産に利用できる土地限界と相まって、穀物およびタンパク質成分のコスト高騰により、有益な栄養および闘病特性を有する代替的な低コスト動物飼料生成物が、極めて望ましくなろう。

概要

所望のアミノ酸の産生を増強するために操作された組換え微生物、ならびに関連するバイオマスの提供。L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸および天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸作動可能に連結された発現制御配列をコードする外因性核酸からなる群から選択される第1の外因性核酸を含む組換えC1代謝微生物であって、該組換えC1代謝微生物が、天然ガス由来炭素供給材料を所望のL−アミノ酸に変換することができ、該組換えC1代謝微生物のδ13Cが−30‰未満である、組換えC1代謝微生物。なし

目的

本発明は、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸および天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸に作動可能に連結された発現制御配列をコードする外因性核酸からなる群から選択される第1の外因性核酸を含む組換えC1代謝微生物であって、該組換えC1代謝微生物が、天然ガス由来の炭素供給材料を所望のL−アミノ酸に変換することができ、該組換えC1代謝微生物のδ13Cが−30‰未満である、組換えC1代謝微生物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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この技術が所属する分野

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請求項1

本明細書に記載の発明。

技術分野

0001

配列表の参照
37C.F.R.§1.821に従い、コンピュータ可読形式CRF)で、EFS−Webを経由して、ファイル名200606_415WO_SEQUENCE_LISTING.txtとして本明細書と共に電子的に提出された「配列表」は、本明細書中に参考として援用される。配列表の電子コピーは、2015年1月16日に作成されており、ディスクにおけるサイズは、851キロバイトである。

0002

発明の分野
本開示は、アミノ酸の増強された産生のための新規微生物と、アミノ酸の増強された産生のために操作された代謝経路を含む組換えC1代謝微生物に由来する飼料生成物、ならびに関連する組成物および方法に関する。

背景技術

0003

背景
飼料添加物の使用により、動物飼料利用効率における進歩は、過去数十年間にわたって達成されてきた。このような添加される物質は、動物飼料組成物の栄養含有量エネルギー含有量および/または闘病特性を増加させる。商業的動物生産業者にとって大きくなりつつある課題は、穀物コスト高騰である。コスト高騰は、一部には、バイオ燃料および人間用の食物の使用のための穀物の競争需要によるものである。飼料生産に利用できる土地限界と相まって、穀物およびタンパク質成分のコスト高騰により、有益な栄養および闘病特性を有する代替的な低コスト動物飼料生成物が、極めて望ましくなろう。

課題を解決するための手段

0004

第一の実施形態では、本発明は、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸および天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸作動可能に連結された発現制御配列をコードする外因性核酸からなる群から選択される第1の外因性核酸を含む組換えC1代謝微生物であって、該組換えC1代謝微生物が、天然ガス由来炭素供給材料を所望のL−アミノ酸に変換することができ、該組換えC1代謝微生物のδ13Cが−30‰未満である、組換えC1代謝微生物を提供する。

0005

別の実施形態では、本発明の組換えC1代謝微生物は、貯蔵(cache)ポリペプチドをコードする第2の外因性核酸をさらに含む。さらなる実施形態では、本発明は、本発明の組換えC1代謝微生物の培養物に由来するバイオマスと、本発明のバイオマスを含む組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明のバイオマスから抽出された1または複数のアミノ酸を含むアミノ酸組成物を提供する。

0006

なおさらなる実施形態では、本発明は、本発明のバイオマスまたはアミノ酸組成物を含む動物飼料を提供する。いくつかの実施形態では、動物飼料は、植物由来の材料、動物由来の材料および微生物由来の材料からなる群から選択される添加物をさらに含む。

0007

なおさらなる実施形態では、本発明は、所望のL−アミノ酸を産生する方法であって、天然ガス由来の炭素供給材料の存在下、所望のL−アミノ酸の産生に十分な条件下で、本発明の組換えC1代謝微生物を培養する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、L−アミノ酸は、−30‰未満のδ13Cを示す。

0008

追加的な実施形態では、本発明は、L−アミノ酸富化バイオマスを産生する方法であって、天然ガス由来の炭素供給材料の存在下、組換えC1代謝微生物からバイオマスへの成長の促進に十分な条件下で、培養培地において本発明の組換えC1代謝微生物を培養する工程を含む方法を提供する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸および天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸に作動可能に連結された発現制御配列をコードする外因性核酸からなる群から選択される第1の外因性核酸を含む組換えC1代謝微生物であって、該組換えC1代謝微生物が、天然ガス由来の炭素供給材料を所望のL−アミノ酸に変換することができ、該組換えC1代謝微生物のδ13Cが−30‰未満である、組換えC1代謝微生物。
(項目2)
前記第1の外因性核酸が、L−アミノ酸生合成酵素をコードする、項目1に記載の組換えC1代謝微生物。
(項目3)
貯蔵ポリペプチドをコードする第2の外因性核酸をさらに含む、項目1〜2のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目4)
前記天然ガス由来の供給材料が、天然ガスである、項目1〜3のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目5)
前記天然ガス由来の供給材料が、メタンである、項目1〜3のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目6)
前記組換えメタン資化性微生物が、天然のC1代謝微生物によって産生されるものよりも少なくとも約10%大きいレベルで、前記所望のL−アミノ酸を産生する能力を含む、項目1〜5のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目7)
メタン資化性菌である、項目1〜6のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目8)
前記第1の外因性核酸が、リシン生合成酵素トリプトファン生合成酵素、メチオニン生合成酵素、システイン生合成酵素およびトレオニン生合成酵素からなる群から選択されるL−アミノ酸生合成酵素をコードする、項目1〜7のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目9)
前記所望のL−アミノ酸が、リシンであり、前記第1の外因性核酸が、リシン感受性アスパルトキナーゼIII(lysC)、アスパラギン酸キナーゼアスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(asd)、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(dapA)、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ(dapB)、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2,6−カルボン酸N−スクシニルトランスフェラーゼ(dapD)、アセチルオルニチン/スクシニルジアミノピメリン酸アミノトランスフェラーゼ(argD)、スクシニルジアミノピメリン酸デスクニラーゼ(dapE)、スクシニルジアミノピメリン酸トランスアミナーゼ、ジアミノピメリン酸エピメラーゼ(dapF)およびジアミノピメリン酸(diaminopimetatae)ジカルボキシラーゼ(lysA)からなる群から選択されるリシン生合成酵素をコードする、項目8に記載の組換えC1代謝微生物。
(項目10)
前記第1の外因性核酸が、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(dapA)をコードする、項目9に記載の組換えC1代謝微生物。
(項目11)
前記所望のL−アミノ酸が、L−メチオニンであり、前記第1の外因性核酸が、ホモセリンO−スクシニルトランスフェラーゼ(metA)、シスタチオニンガンマ−シンターゼ(metB)、タンパク質MalY、シスタチオニンベータリアーゼ(metC)、B12依存性メチオニンシンターゼ(metH)および5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸−ホモシステインS−メチルトランスフェラーゼ(metE)からなる群から選択されるメチオニン生合成酵素をコードする、項目8に記載の組換えC1代謝微生物。
(項目12)
前記L−アミノ酸が、L−システインであり、前記第1の外因性核酸が、セリンアセチルトランスフェラーゼ(CysE)、システインシンターゼAおよびシステインシンターゼBからなる群から選択されるシステイン生合成酵素をコードする、項目8に記載の組換えC1代謝微生物。
(項目13)
前記所望のL−アミノ酸が、L−トレオニンであり、前記第1の外因性核酸が、アスパラギン酸トランスアミナーゼPLP依存性アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸キナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼホモセリンキナーゼおよびトレオニンシンターゼからなる群から選択されるトレオニン生合成酵素をコードする、項目8に記載の組換えC1代謝微生物。
(項目14)
前記所望のL−アミノ酸が、L−トリプトファンであり、前記第1の外因性核酸が、コリスミ酸ピルビン酸リアーゼ(ubiC)、アントラニル酸シンターゼ構成成分I(trpE)、アントラニル酸シンターゼ構成成分II(trpG)、アントラニル酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(trpD)、ホスホリボシルアントラニル酸イソメラーゼ(trpC)、トリプトファン生合成タンパク質(trpC)、N−(5’−ホスホリボシル)アントラニル酸イソメラーゼ(trpF)、インドール−3−グリセロールリン酸シンターゼ、トリプトファンシンターゼアルファ鎖(trpA)およびトリプトファンシンターゼベータ鎖(trpB)からなる群から選択されるトリプトファン生合成酵素をコードする、項目8に記載の組換えC1代謝微生物。
(項目15)
前記第1の外因性核酸が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148および150からなる群から選択される参照配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するL−アミノ酸生合成酵素をコードする、項目1〜7のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目16)
前記第1の外因性核酸が、天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸に作動可能に連結された発現制御配列をコードする、項目1および3〜7のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目17)
前記第1の外因性核酸の配列が、前記組換えC1代謝微生物からの最適な発現のためにコドン最適化されている、項目1〜16のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目18)
前記第2の外因性核酸の配列が、前記組換えC1代謝微生物からの最適な発現のためにコドン最適化されている、項目3〜16のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目19)
前記第1の外因性核酸が、L−アミノ酸生合成酵素をコードし、該第1の外因性核酸が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147および149からなる群から選択される参照配列と少なくとも85%同一である核酸配列を含む、項目1〜7のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目20)
−35‰未満のδ13Cを示す、項目1〜19のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。
(項目21)
項目1〜20のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物の培養物に由来するバイオマス。
(項目22)
前記バイオマスのδ13Cが、−30‰未満である、項目21に記載のバイオマス。
(項目23)
前記バイオマスのδ13Cが、−35‰未満である、項目21に記載のバイオマス。

図面の簡単な説明

0009

図1は、実施例4に記載されているリシン生合成オペロンから個々の遺伝子を過剰発現するMethylococcus capsulatus Bath株における細胞外L−リシン産生のレベルの図による描写提示する。培養物の光学密度OD600nm)で割った、表示遺伝子を異種性発現する株の細胞上清において検出された細胞外L−リシンの濃度を、株毎に示す。遺伝子型キー(Genotype key)34および1067はそれぞれ、空のプラスミドコントロールおよび同じプロモーター文脈で無関係の遺伝子(蛍光タンパク質)を発現するコントロールである。グラフは、表示遺伝子の過剰発現が、空のプラスミドコントロール(遺伝子型キー34)および無関係の遺伝子(緑色蛍光タンパク質)を発現するコントロールを上回る細胞外L−リシンの増加をもたらすことを示す。

0010

図2は、実施例5に記載されている同じ貯蔵タンパク質(高リシン含有量ポリペプチド)をそれぞれコードする、異なるコドン最適化された配列を異種性発現する株の細胞バイオマスサンプルにおいて検出された細胞関連L−リシンの濃度の図による描写を提示する。遺伝子型キー34は、空のプラスミドコントロールである。バーは、各実験遺伝子型における8クローン平均値を表す。

0011

図3は、実施例6に記載されているリシンリッチ貯蔵ポリペプチド(HighK)およびdapAを異種性発現する株の培養物由来の乾燥重量バイオマスにおいてアッセイした細胞関連L−リシンのレベルの図による描写を提示する。バーは、各実験遺伝子型の8クローンの平均値を表す。実験株1186〜1193における全HighK遺伝子は、同じアミノ酸配列をコードするが、異なるコドン使用を有する。グラフは、これらの遺伝子の共発現が、様々な増強された細胞関連L−リシン産生をもたらすことを示す。

0012

図4は、実施例6に記載されているリシンリッチ貯蔵ポリペプチド(HighK)およびdapAを異種性発現する株の培養上清サンプルにおいて検出された細胞外L−リシンのレベルの図による表現を提示する。バーは、各実験遺伝子型の8クローンの平均値を表す。グラフは、遺伝子の組合せの発現が、クローンの各セット由来の平均値に基づき、コントロール(遺伝子型キー1067)の8〜23倍の間の細胞外L−リシンをもたらすことを示す。

0013

詳細な説明
本開示は、エネルギー源として相対的に低コストの炭素供給材料を利用する能力を有する新規組換えC1代謝微生物を提供し、加えて、望ましい関連するバイオマス、栄養生成物、組成物を提供する。本発明の組換え微生物は、商業的に望ましいL−アミノ酸の増強された産生のために操作される。このような組換え微生物ならびにこれに由来するバイオマスおよびL−アミノ酸組成物は、動物(例えば、家畜魚類家禽などのような)と共に培養または発酵される微生物のための栄養源として有用である。

0014

1つの実施形態では、本発明は、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸および天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸に作動可能に連結された発現制御配列をコードする外因性核酸からなる群から選択される外因性核酸を含む組換えC1代謝微生物であって、天然ガス炭素供給材料を所望のL−アミノ酸に変換することができ、−30‰未満、多くの場合、−35‰未満のδ13Cを示す組換えC1代謝微生物を提供する。典型的には、組換えC1代謝微生物は、非光合成C1代謝微生物であり、より典型的には、メタン資化性微生物である。

0015

このような実施形態では、本発明の組換え微生物は、よりコストのかかる炭水化物や、より高い評価の栄養素と比較して、相対的に低コストで豊富資源である天然ガス由来の供給材料(例えば、天然ガスまたは例えば、メタンなどの、天然ガスに由来するC1基質)を変換するように操作される。本明細書中で使用する場合、用語「天然ガス由来の供給材料」は、天然ガス、または天然ガスから単離された(C1基質を含む)もしくは天然ガスから変換された(例えば、シンガス(syngas))構成成分のいずれかをいう。

0016

用語「天然ガス」は、本明細書において、従来プロセス(例えば、浸透性貯留層掘削および水攻法)または非従来プロセス(例えば、低いガス透過性を有する層(formation)の水圧破砕、水平掘削または傾斜掘削)によって得ることができる天然起源ガス混合物をいう。ガス混合物は、メタンおよび他のC1化合物を含む他の化合物ならびに他の軽質アルカンガス(例えば、エタンプロパンブタンペンタンなどのような)、二酸化炭素窒素硫化水素など、ならびにこれらの組合せで構成されている。非従来型天然ガスは、例えば、砂岩または炭酸塩に形成されるタイトガスサンド(tight gas sand)、石炭鉱床に形成され石炭粒子吸着される炭層メタン細粒頁岩に形成され粘土粒子に吸着されるまたは小孔もしくは微細穴(microfracture)内に保持されるシェールガス、海洋および永久凍土下などの場所において低温高圧で形成される天然ガスおよび水の結晶性組合せであるメタンハイドレートなどの供給源から得ることができる。

0017

本明細書中で使用する場合、「C1基質」または「C1化合物」は、炭素−炭素結合欠く任意の炭素含有分子または炭素含有組成物をいう。例示的なC1基質には、シンガス、メタン、メタノールホルムアルデヒドギ酸またはその塩、一酸化炭素、二酸化炭素、メチル化アミン(例えば、メチルアミンジメチルアミントリメチルアミンなど)、メチル化チオール、メチルハロゲン(例えば、ブロモメタンクロロメタンヨードメタンジクロロメタンなど)、シアン化物、またはその任意の組み合わせが含まれる。

0018

本発明の一定の実施形態では、天然ガス由来の供給材料は多くの場合、天然ガス、天然ガス由来のC1基質またはシンガスである。典型的には、C1基質は、メタンである。供給材料として天然ガス由来の炭素基質を利用した本発明の組換えC1代謝微生物は、より詳細に本明細書の以下に記載する、特有同位体炭素サイン(signature)を示す。この特有の同位体炭素サインは、かかる組換え微生物の生成物(例えば、バイオマス、L−アミノ酸、L−アミノ酸組成物など)によっても示される。

0019

本明細書中で使用する場合、用語「C1代謝微生物」または「C1代謝非光合成微生物」は、C1基質をエネルギー源としてか、エネルギーおよびバイオマスのその主要な供給源として使用する能力を有する任意の微生物をいい、この微生物は他の炭素基質(糖および複合糖質など)をエネルギーおよびバイオマスのために使用してもしなくても良い。例えば、C1代謝微生物は、C1基質(メタンまたはメタノールなど)を酸化することができる。C1代謝微生物には、細菌(メタン資化性菌およびメチロトローフ菌(methylotroph)など)および酵母が含まれる。一定の実施形態では、C1代謝微生物には光合成微生物藻類など)が含まれない。いくつかの実施形態では、C1代謝微生物は、その唯一のエネルギー源がC1基質であることを意味する「偏性C1代謝微生物」であろう。さらなる実施形態では、C1代謝微生物(例えば、メタン資化性菌)を、C1基質供給材料の存在下で(すなわち、エネルギー源としてC1基質を使用して)培養するであろう。

0020

本発明の組換えC1代謝微生物は、L−アミノ酸生合成(AB)酵素コード核酸またはその発現の操作により、所望のL−アミノ酸の増強された産生のために操作される。用語「L−アミノ酸生合成酵素」および「AB酵素」は、組換え宿主C1代謝微生物によるL−アミノ酸の産生に関与する酵素をいうように、本明細書において互換的に使用される。

0021

1つの実施形態では、本発明は、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸および天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸に作動可能に連結された発現制御配列をコードする外因性核酸からなる群から選択される第1の外因性核酸を含む組換えC1代謝微生物を提供する。典型的には、組換えC1代謝微生物のδ13Cは、より詳細に本明細書の以下に記載する通り、−30‰未満である。通常、組換えC1代謝微生物は、メタン資化性微生物である。

0022

いくつかの実施形態では、本発明の組換えC1代謝微生物は、貯蔵ポリペプチドをコードする第2の外因性核酸をさらに含む。本明細書中で使用する場合、用語「貯蔵ポリペプチド」は、(1)少なくとも約10アミノ酸残基の長さであり、(2)アミノ酸配列におけるアミノ酸残基の総数の、少なくとも10%(種による)のレベルでの増強を目標とするL−アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。典型的には、貯蔵ポリペプチドは、AB(アミノ酸生合成)酵素ではない。

0023

貯蔵ポリペプチドは、実施例において実証される通り、本発明の組換えC1代謝微生物における所望のL−アミノ酸の増強された産生を容易にするために有用である。いくつかの実施形態では、貯蔵ポリペプチドのアミノ酸配列は、(1)少なくとも約10アミノ酸残基(amino residue)の長さ、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450または少なくとも約500アミノ酸残基の長さとなることができ、(2)アミノ酸配列におけるアミノ酸残基の総数の、少なくとも約10%(種による)のレベル、またはアミノ酸配列におけるアミノ酸残基の総数の、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%、少なくとも約26%、少なくとも約27%、少なくとも約28%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約31%、少なくとも約32%、少なくとも約33%、少なくとも約34%、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約41%、少なくとも約42%、少なくとも約43%、少なくとも約44%、少なくとも約45%、少なくとも約46%、少なくとも約47%、少なくとも約48%、少なくとも約49%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%のレベルでの増強を目標としたL−アミノ酸を含むことができる。本発明の実施において用いられる貯蔵ポリペプチドは、天然起源のポリペプチドまたは非天然起源のポリペプチドとなり得る。貯蔵ポリペプチドをコードする第2の外因性核酸は、典型的には、組換え宿主C1代謝微生物からの最適な発現のためにコドン最適化される。例示的な貯蔵ポリペプチドは、実施例5および6に示されているS9Aファミリーペプチダーゼ(配列番号152)である。Methylococcus capsulatus Bathからの最適な発現のためにコドン最適化されたS9Aファミリーペプチダーゼをコードする核酸配列は、配列番号152、154、156、158、160、162、164および166として示されている。本明細書中で使用する場合、用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーをいうように互換的に使用される。

0024

業者は、総アミノ酸含有量の少なくとも10%が所望のL−アミノ酸であるタンパク質を探索することにより、本発明における使用に適切な貯蔵ポリペプチドを容易に同定することができる。これは、例えば、目的の生物由来のあらゆるタンパク質に対して、例えばGENBANK(ワールドワイドウェブ、ncbi.nlm.nih.gov/genbank/)などの配列データベースクエリーし、続いてタンパク質毎に[所望のアミノ酸の出現]/[タンパク質配列長さ]の比を算出することにより行うことができる。この解析の結果をこの比に基づきフィルタリングおよびソートして、適切なタンパク質を見出すことができる。

0025

本発明の実施において用いられるAB酵素および貯蔵ポリペプチドをコードする外因性核酸は、典型的には、組換え宿主C1代謝微生物からの最適な発現のためにコドン最適化される。これらは、宿主C1微生物に対し異種性の種に本来備わっている酵素またはタンパク質をコードすることができるか、あるいは天然に存在するポリペプチドの変異体(すなわち、バリアント)をコードすることができる。第1の外因性核酸が、AB酵素をコードする場合、外因性核酸は、L−リシン、L−トリプトファン、L−メチオニン、L−システイン、L−トレオニン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−フェニルアラニン、L−バリン、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−グリシン、L−オルニチン、L−プロリン、L−セリンおよびL−チロシンからなる群から選択されるL−アミノ酸の生合成に関与するAB酵素をコードする核酸となり得る。いくつかの実施形態では、L−アミノ酸は、L−リシン、L−トリプトファン、L−メチオニン、L−システイン、L−トレオニンなどからなる群から選択される。いくつかの例では、L−アミノ酸は、L−リシン、L−トリプトファン、L−メチオニン、L−システインおよびL−トレオニンからなる群から選択される。適切な外因性核酸は、次のものからなる群から選択されるL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸を含む:
(i)例えば、リシン感受性アスパルトキナーゼIII(lysC)、アスパラギン酸キナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(asd)、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(dapA)、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ(dapB)、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2,6−カルボン酸N−スクシニルトランスフェラーゼ(dapD)、アセチルオルニチン/スクシニルジアミノピメリン酸アミノトランスフェラーゼ(argD)、スクシニルジアミノピメリン酸デスクシニラーゼ(desuccinylase)(dapE)、スクシニルジアミノピメリン酸トランスアミナーゼ、ジアミノピメリン酸エピメラーゼ(dapF)、ジアミノピメリン酸ジカルボキシラーゼ(dicarboxylase)(lysA)などのような、L−リシン生合成酵素;
(ii)例えば、コリスミ酸−ピルビン酸リアーゼ(ubiC)、アントラニル酸シンターゼ構成成分I(trpE)、アントラニル酸シンターゼ構成成分II(trpG)、アントラニル酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(trpD)、ホスホリボシルアントラニル酸イソメラーゼ(trpC)、トリプトファン生合成タンパク質(trpC)、N−(5’ホスホリボシル)アントラニル酸イソメラーゼ(trpF)、インドール−3−グリセロールリン酸シンターゼ、トリプトファンシンターゼアルファ鎖(trpA)、トリプトファンシンターゼベータ鎖(trpB)などのような、L−トリプトファン生合成酵素;
(iii)例えば、ホモセリンO−スクシニルトランスフェラーゼ(metA)、シスタチオニンガンマ−シンターゼ(metB)、タンパク質MalY、シスタチオニンベータ−リアーゼ(metC)、B12依存性メチオニンシンターゼ(metH)、5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸−ホモシステインS−メチルトランスフェラーゼ(metE)などのような、L−メチオニン生合成酵素;
(iv)セリンアセチルトランスフェラーゼ(CysE)、システインシンターゼA、システインシンターゼBなどからなる群から選択されるL−システイン生合成酵素;および(v)例えば、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、PLP依存性アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸キナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼなどのような、L−トレオニン生合成酵素。

0026

上記の酵素は、例えば、大腸菌およびCorynebacterium glutamicumなどの、微生物を含む多数の異種性の種に見出すことができる。一定の特異的な実施形態では、外因性核酸は、本明細書の以下に記載の表Aに示す配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148または150のうちいずれか1つの配列を有するL−アミノ酸生合成酵素をコードする。上記の通り、外因性核酸は、典型的には、組換えC1代謝微生物からの最適な発現のためにコドン最適化される。これらのAB酵素をコードする例示的な核酸配列も表Aに示す。これらの核酸配列は、Methylococcus capsulatus Bathにおける発現のためにコドン最適化されている。

0027

0028

本発明の実施に用いられる適切な外因性核酸は、例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148または150のうちいずれか1つに相当する参照配列などの、参照または親野生型ポリペプチド配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるバリアントAB酵素配列をコードする核酸を含むが、ただし、該バリアントが、目的のL−アミノ酸生合成酵素活性を保持することを条件とする。一定の実施形態では、AB酵素バリアントポリペプチドは、参照または親野生型AB酵素と比べて、所定の位置に少なくとも1つのアミノ酸置換(例えば、1、2、3、5、6、7、8、9、または10またはそれを超えるか、20、25または30までの置換)を含むが、ただし、バリアントが、目的のAB酵素活性を保持することを条件とする。AB酵素バリアントポリペプチドは、1または複数の保存的置換をさらに含むことができる。「保存的置換」は、当該分野で、あるアミノ酸の、類似の性質を有する別のアミノ酸への置換と認識されている。例示的な保存的置換は、当該分野で周知である(例えば、本明細書中に参考として援用される、WO97/09433号,p.10;Lehninger,Biochemistry,2nd Edition;Worth Publishers,Inc.NY:NY(1975),pp.71−77;Lewin,Genes IV,Oxford University Press,NY and Cell Press,Cambridge,MA(1990),p.8を参照のこと)。

0029

かかるバリアント酵素をコードする適切な外因性核酸を作製するための方法について、より詳細に本明細書の以下に記載する。

0030

2つまたはそれより多くの核酸配列間またはアミノ酸配列間の「同一率(%)」は、2つまたはそれより多くの配列のアラインメントを最適にするために導入する必要があるギャップ数および各ギャップの長さを考慮した配列によって共有される同一の位置の数の関数(すなわち、同一率(%)=同一の位置の数/位置の総数×100)である。2つまたはそれより多くの配列の間の配列の比較および同一率(%)の決定を、数学アルゴリズムBLASTおよびGapped BLASTプログラムなど)をそのデフォルトパラメーターで使用して行うことができる(例えば、本明細書に参考として援用される、Altschulら,J.Mol.Biol.215:403,1990;ワールドワイドウェブのncbi.nlm.nih.gov/BLASTでのBLASTNも参照のこと)。

0031

上に示す通り、本発明の実施に用いられる外因性核酸は、C1代謝微生物における発現のためにコドン最適化することができる。組換えタンパク質の発現は、その元の宿主の外部では困難であり得る。例えば、異なる細菌種間でコドン使用頻度偏りの変動が認められている(本明細書中に参考として援用される、Sharpら,Nucl.Acids.Res.33:1141,2005)。組換えタンパク質の過剰発現は、その天然の宿主内でさえも困難であり得る。一定の実施形態では、本明細書中に記載の宿主に導入すべき核酸を、宿主への導入前に、タンパク質発現が有効であるかまたは増強されることを確実にするためにコドン最適化に供することができる。コドン最適化とは、非天然DNA分子によってコードされるポリペプチドを変更することなく宿主の典型的なコドン使用頻度を反映するための形質転換前の遺伝子または核酸のコード領域中のコドンの変更をいう。異種宿主中の最適な遺伝子発現のためのコドン最適化法は、以前に記載されている(例えば、Welchら,PLoS One 4:e7002,2009;Gustafssonら,Trends Biotechnol.22:346,2004;Wuら,Nucl.Acids Res.35:D76,2007;Villalobosら,BMCBioinformatics 7:285,2006;米国特許出願公開第2011/0111413号および同第2008/0292918号(その方法の開示全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。本発明の実施における使用に適切なAB酵素をコードする外因性核酸は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147および149からなる群から選択される核酸参照配列と少なくとも約85%同一の核酸配列を有する核酸を含む。本発明の実施における使用に適切なCB酵素をコードする例示的な外因性核酸は、例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147および149のうちいずれか1つなどの、Methylococcus capsulatus Bathにおける最適な発現のためにコドン最適化された配列を含む。

0032

同様に、ポリペプチドバリアントをコードする本開示の外因性核酸分子を、上述の文献(米国特許第8,005,620号;Gustafssonら;Welchら;Villalobosら;Minshullら(これらはすべて本明細書中に参考として援用される))に記載の系統発生学ベースの方法を使用してデザインすることができる。

0033

L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸は、相当するL−アミノ酸生合成酵素活性を有するまたは保持するポリペプチド、ポリペプチド断片ペプチドまたは融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。基質から生成物へと変換するポリペプチドの能力を測定することにより、ポリペプチドが特定の活性を有するかどうかを決定する方法が当該分野で公知である。

0034

いくつかの実施形態では、外因性核酸は、天然の炭水化物生合成酵素をコードする核酸に作動可能に連結された発現制御配列をコードする。典型的には、発現制御配列は、天然のL−アミノ酸生合成酵素の過剰発現をもたらす配列である。

0035

第1の外因性核酸は、AB酵素をコードする場合、典型的には、外因性発現制御配列に作動可能に連結される。外因性発現制御配列を、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸に作動的に連結して、所望のL−アミノ酸の産生を増強することができる。外因性発現制御配列は、典型的には、C1代謝微生物宿主細胞からの最適な発現のためにコドン最適化される。

0036

いくつかの実施形態では、第1の外因性核酸は、天然のL−アミノ酸生合成酵素をコードする核酸に作動可能に連結された発現制御配列をコードする。例示的な発現制御配列は、本明細書の以下に記載するプロモーターを含む。このような実施形態では、天然のL−アミノ酸生合成酵素の発現は典型的に増加する(すなわち、過剰発現する)。増加された発現または活性は、野生型(天然または非遺伝子操作)コントロールまたは参照微生物のレベルを上回って増加している遺伝子またはタンパク質の発現または活性を含む。遺伝子またはタンパク質は、通常は発現することも活性であることもない微生物で発現または活性がある場合、過剰発現されている。遺伝子またはタンパク質は、発現または活性が野生型コントロール微生物または参照微生物内よりも組換え微生物内で、より広範にまたはより長期間存在する場合、過剰発現されている。本明細書中で使用する場合、「過剰発現する」および「過剰発現」は、遺伝子またはタンパク質についていう場合、該遺伝子またはタンパク質の発現または活性の増加を意味する。用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「遺伝子」は、一本鎖型または二本鎖型のいずれかの核酸残基(例えば、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド)のポリマーをいうように本明細書において互換的に使用される。

0037

本明細書で上記の外因性核酸に加えて、本発明の組換えC1代謝微生物は、所望のL−アミノ酸の産生を増強するさらなる遺伝子改変を含むことができる。例えば、本発明の組換えC1代謝微生物は、L−アミノ酸生合成酵素によって利用される同じ基質のうち1または複数を利用する、または基質として所望のL−アミノ酸を利用する内因性酵素(すなわち、「競合する」内因性酵素)をコードする内因性核酸に作動的に連結された外因性発現制御配列をさらに含むことができる。これを行って、競合する内因性酵素を下方制御することができる。

0038

いくつかの実施形態では、競合する内因性酵素を変異させて、その活性を欠失または減弱させることにより、競合する内因性酵素活性を低下または阻害することが望ましい場合がある。「阻害する」または「阻害された」は、本明細書中で使用する場合、コントロールの、内因性の、または基準の分子と比較した、標的遺伝子の発現における、または標的分子の活性における直接的または間接的な変更、減少、下方制御、抑止または欠失をいい、ここで変更、減少、下方制御または抑止は、統計的に、生物学的に、産業的に、または臨床的に有意である。

0039

C1代謝微生物における内因性遺伝子機能を下方制御、不活性化ノックアウトまたは欠失するための種々の方法は、当該分野で公知である。例えば、標的化遺伝子破壊は、遺伝子下方制御に有効な方法であり、外因性ポリヌクレオチド構造遺伝子に挿入されて、転写破壊する。破壊しようとする標的宿主遺伝子の部分に対し高度な相同性を有する配列に挟まれる外因性挿入DNA(例えば、遺伝的マーカー)を含む遺伝的カセットが、宿主C1代謝微生物に導入される。外因性DNAは、天然のDNA複製機構を介して標的宿主遺伝子を破壊する。メタン資化性細菌を含むC1代謝微生物において欠失/挿入変異体を構築するための対立遺伝子交換は、例えば、これら全て本明細書中に参考として援用される、Toyama and Lidstrom、Microbiol.144:183、1998;Stoylarら、Microbiol.145:1235、1999;Aliら、Microbiol.152:2931、2006;Van Dienら、Microbiol.149:601、2003;Martin and Murrell、FEMS Microbiol.Lett.127:243、2006に記載されている。例えば、炭水化物合成経路などの、他の経路に関与する酵素を下方制御のために標的化して、L−アミノ酸生合成における宿主微生物代謝活性に集中することもできる。

0040

よって、組換えC1代謝微生物は、増強されたレベルで所望のL−アミノ酸を産生する能力を有するように操作することができる。このような実施形態のいくつかでは、天然ガス由来の供給材料(例えば、天然ガス、メタンなど)の存在下、少なくとも1セットの培養条件下で培養される場合、組換えC1代謝微生物は、天然のC1代謝微生物によって産生されるレベルよりも少なくとも約10%大きく、天然のC1代謝微生物によって産生されるレベルの最大約2倍、最大約3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100倍および最大約500または約1000倍のレベルで所望のL−アミノ酸を産生する。他の実施形態では、天然ガス由来の供給材料の存在下、少なくとも1セットの培養条件下で培養される場合、組換えC1代謝微生物は、天然のC1代謝微生物によって産生されるレベルよりも少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%大きく、天然のC1代謝微生物によって産生されるレベルの最大約2倍、最大約3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100倍から約500または約1000倍のレベルで所望のL−アミノ酸を産生する。典型的には、天然ガス由来の供給材料の存在下、少なくとも1セットの培養条件下で培養される場合、本発明の組換えC1代謝微生物による所望のL−アミノ酸の産生の増強されたレベルは、天然のC1代謝微生物の少なくとも約2倍、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100倍である。

0041

微生物内での外因性核酸の組換え発現方法は当該分野で周知である。かかる方法は、例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(2001);およびAusubelら,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Baltimore,MD(1999)(これらはすべて本明細書中に参考として援用される)中に記載されており、見出すことができる。酵素をコードする核酸分子またはその機能的断片の遺伝子改変により、その天然に存在する状態から変化した組換え細胞生化学的能力または代謝能力を付与することができる。

0042

本明細書中で使用する場合、用語「内因性」および「天然の」は、酵素、化合物または活性などの、核酸、ポリペプチドをいう場合、宿主細胞内に通常存在する核酸、ポリペプチド、化合物または活性をいう。用語「同種」または「ホモログ」は、宿主細胞、種、または株で見いだされるかまたは由来する分子または活性と同一または類似する分子または活性である外因性(非天然)供給源由来の分子または活性をいう。

0043

本明細書中で使用する場合、核酸分子、構築物、または配列を言及する場合の用語「異種」および「外因性」は、発現される細胞には天然にない核酸分子もしくは核酸分子配列の一部、変化または変異した、宿主細胞に天然にある核酸分子もしくは核酸分子の一部、または類似の条件下における天然の発現レベルと比較して発現が変化した核酸分子をいう。例えば、異種調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー)を使用して、天然または培養において通常発現する遺伝子または核酸分子と異なる方法で遺伝子または核酸分子の発現を調節することができる。一定の実施形態では、異種核酸分子は天然の宿主細胞遺伝子と同種であり得るが、変化した発現レベルを有し得るか、または異なる配列を有するか、またはその両方である。他の実施形態では、異種または外因性の核酸分子は、宿主細胞または宿主ゲノムに対して内因性でない可能性があるが、その代わりに接合、形質転換、トランスフェクション、またはエレクトロポレーションなどによって宿主細胞に付加されたかもしれず、付加した分子が宿主ゲノムに取り込まれ得るか、または染色体外遺伝子材料(例えば、プラスミドまたは他の自己複製ベクター)として存在することができる。用語「異種性」は、生物をいう場合、宿主細胞とは異なる種をいう。

0044

一定の実施形態では、1つを超える異種または外因性の核酸分子を、個別の核酸分子としてか、ポリシストロン性の核酸分子としてか、融合タンパク質をコードする単一の核酸分子としてか、またはその任意の組み合わせとして宿主細胞に導入することができ、これを依然として1つを超える異種または外因性の核酸と見なすことができる。例えば、C1代謝微生物を、1または複数の本明細書中に開示のL−アミノ酸生合成酵素をコードする同一または異なり得る2つまたはそれより多くの異種または外因性の核酸分子を発現するように改変することができる。一定の実施形態では、L−アミノ酸生合成酵素コードポリヌクレオチド分子の複数のコピーを、宿主細胞に導入し、これは、同じL−アミノ酸生合成酵素コードポリヌクレオチドまたは異なるL−アミノ酸生合成酵素コードポリヌクレオチドの2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれを超えるコピーであり得る。

0045

宿主細胞および形質転換方法
本発明の実施において、本明細書で上記の外因性核酸は、C1代謝微生物である宿主細胞へと形質転換される。用いられるC1代謝微生物は、天然であるか、適応させた株であるか(例えば、親株と比較して成長速度が改善され、総バイオマス収量が増加した株を選択するための発酵を実施する)または目的のL−アミノ酸生合成酵素を産生するか、または過剰発現するように、かつ/または成長速度を増加させるように、組換えによって改変することができる。典型的には、C1代謝微生物は、非光合成C1微生物である(例えば、藻類または植物ではない)。

0046

一定の実施形態では、本開示は、Methylomonas、Methylobacter、Methylococcus、Methylosinus、Methylocystis、Methylomicrobium、Methanomonas、Methylophilus、Methylobacillus、Methylobacterium、Hyphomicrobium、Xanthobacter、Bacillus、Paracoccus、Nocardia、Arthrobacter、RhodopseudomonasまたはPseudomonasなどの、原核生物または細菌であるC1代謝微生物を用いる。

0047

さらなる実施形態では、用いられるC1代謝細菌は、メタン資化性菌またはメチロトローフ菌である。例示的なメタン資化性菌は、Methylomonas、Methylobacter、Methylococcus、Methylosinus、Methylocystis、Methylomicrobium、Methanomonas、Methylocellaまたはこれらの組合せを含む。例示的なメチロトローフ菌は、Methylobacterium extorquens、Methylobacterium radiotolerans、Methylobacterium populi、Methylobacterium chloromethanicum、Methylobacterium nodulansまたはこれらの組合せを含む。本明細書中で使用する場合、用語「メチロトローフ性細菌」は、少なくとも1つの炭素を含み、且つ炭素−炭素結合を含まない任意の形態(例えば、固体液体気体)の任意の化合物を酸化することができる任意の細菌をいう。一定の実施形態では、メチロトローフ性細菌は、メタン資化性菌であり得る。例えば、「メタン資化性細菌」は、炭素およびエネルギーの供給源としてメタンを酸化する能力を有し、メタンが炭素およびエネルギーの主な供給源であり得る任意のメチロトローフ性細菌をいう。例示的なメタン資化性細菌には、Methylomonas、Methylobacter、Methylococcus、Methylosinus、Methylocystis、Methylomicrobium、またはMethanomonasが含まれる。

0048

メタン資化性細菌は、その炭素同化経路および内部膜構造に基づいて3群に分類される:タイプI(ガンマプロテオバクテリア)、タイプII(アルファプロテオバクテリア綱、およびタイプX(ガンマプロテオバクテリア綱)。タイプIメタン資化性菌は炭素同化のためにリブロース一リン酸(RuMP)経路を使用するのに対して、タイプIIメタン資化性菌はセリン経路を使用する。タイプXメタン資化性菌はRuMP経路を使用するが、セリン経路の酵素も低レベルで発現する。本発明の実施に用いられるメタン資化性細菌は、炭素およびエネルギー源のためにC1基質のみを利用できる偏性メタン資化性菌と、炭素およびエネルギー源としていくつかの多炭素基質を利用する能力を天然に有する通性メタン資化性菌とを含む。

0049

本発明の実施に用いられる例示的な通性メタン資化性菌は、Methylocella、MethylocystisおよびMethylocapsaのいくつかの種(例えば、Methylocella silvestris、Methylocella palustris、Methylocella tundrae、Methylocystis daltona SB2株、Methylocystis bryophilaおよびMethylocapsa aurea KYG)、Methylobacterium organophilum(ATCC27,886)、Methylibium
petroleiphilumまたはこれらの高成長バリアントを含む。本発明の実施において有用な例示的な偏性メタン資化性細菌は、Methylococcus capsulatus Bath(NCIMB 11132)、Methylomonas sp.16a(ATCCPTA2402)、Methylosinus trichosporium OB3b(NRRL B−11,196)、Methylosinus sporium(NRRL B−11,197)、Methylocystis parvus(NRRL B−11,198)、Methylomonas methanica(NRRL B−11,199)、Methylomonas albus(NRRL B−11,200)、Methylobacter capsulatus Y(NRRL B−11,201)、Methylomonas flagellata sp.AJ−3670(FERM P−2400)、Methylacidiphilum infernorum、Methylacidiphilum fumariolicum、Methylomicrobium alcaliphilum、Methyloacida kamchatkensisまたはこれらの高成長バリアントを含む。

0050

本発明の実施において有用な適切なC1代謝微生物は、例えば、Clostridium、Moorella、Pyrococcus、Eubacterium、Desulfobacterium、Carboxydothermus、Acetogenium、Acetobacterium、Acetoanaerobium、Butyribaceterium、Peptostreptococcusなどのような、シンガス代謝細菌を含む。例示的なシンガス代謝細菌は、Clostridium autoethanogenum、Clostridium ljungdahli、Clostridium ragsdalei、Clostridium carboxydivorans、Butyribacterium methylotrophicum、Clostridium woodii、Clostridium neopropanologenなどを含む。

0051

本発明の実施において有用な他の適切なC1代謝微生物は、例えば、Candida、Yarrowia、Hansenula、Pichia、Torulopsis、Rhodotorulaなどを含む酵母などのような、真核生物を含む。

0052

本開示の各微生物を、成長を助けることができる異種生物を有する単離培養物として成長させることができるか、またはこれらの細菌のうちの1つもしくはそれより多くを混合培養物が生成されるように組み合わせることができる。なおさらなる実施形態では、本開示のC1代謝非光合成微生物は、偏性C1代謝非光合成微生物、例えば、偏性メタン資化性菌または偏性メチロトローフ菌である。

0053

上記C1代謝微生物のうちの任意の1つを親または参照の宿主細胞として使用して、本開示の組換えC1代謝微生物を作製することができる。本明細書中で使用する場合、「組換え(体)」は、少なくとも1つの遺伝子変化を有するかまたは異種核酸分子の導入によって改変されている、天然に存在しない、生物、微生物、細胞、核酸分子、またはベクターをいうか、あるいは内因性の核酸分子または遺伝子の発現を調節することができるように変化した細胞をいう。組換え(体)はまた、1つまたは複数のかかる改変を有する細胞由来の細胞または細胞の子孫である細胞をいう。遺伝子変化には、例えば、タンパク質もしくは酵素をコードする発現可能な核酸分子を導入する改変、または他の核酸分子の付加、欠失、置換、もしくは細胞の遺伝子材料の他の機能的変化が含まれる。例えば、組換え細胞は、天然の細胞(すなわち、非改変細胞または野生型細胞)内に同一形態で見出されない遺伝子もしくは他の核酸分子を発現し得るか、または内因性遺伝子(そうでない場合には、過剰発現、過小発現、最小発現するか、または全く発現しない可能性があるような遺伝子)の変化した発現パターンを提供し得る。

0054

本明細書中に記載の任意の組換えC1代謝微生物またはメタン資化性細菌を、新規または増強された活性(例えば、酵素活性)を有する宿主を得るために少なくとも1つの外因性核酸を含むように形質転換することができるか、あるいは当該分野で公知の種々の方法のうちの任意のものを使用して内因性遺伝子機能を除去または実質的に低下させるように遺伝子改変することができる。

0055

形質転換とは、核酸分子(例えば、外因性または異種の核酸分子)の宿主細胞への導入をいう。形質転換された宿主細胞は、外因性または異種の核酸分子を染色体外に保有することができるか、染色体内に組み込むことができる。宿主細胞ゲノムへの組み込みおよびベクターの自己複製により、一般に、形質転換された核酸分子が遺伝的に安定に遺伝することとなる。形質転換された核酸分子を含む宿主細胞を、「天然に存在しない」または「遺伝子操作された」または「組換え」または「形質転換された」または「トランスジェニック」細胞(例えば、細菌)という。

0056

C1代謝微生物(例えば、メタン資化性細菌)内での異種核酸の発現に有用な発現系および発現ベクターは公知である。

0057

C1代謝細菌のエレクトロポレーションは本明細書中に記載されており、例えば、Toyamaら,FEMS Microbiol.Lett.166:1,1998;Kim and Wood,Appl.Microbiol.Biotechnol.48:105,1997;Yoshidaら,Biotechnol.Lett.23:787,2001,および米国特許出願公開第2008/0026005号に以前に記載されている。

0058

ドナー細胞レシピエント細胞との直接的接触を含む特定のタイプの形質転換をいう細胞接合は、C1代謝細菌への核酸分子の移入のためにより頻繁に使用されている。細菌接合は、相互に密接して接触させた「ドナー」細胞および「レシピエント」細胞の混合を含む。接合は、新規に合成されたドナー核酸分子がレシピエント細胞に一方向性に移入される、ドナー細菌とレシピエント細菌との間の細胞質連結の形成によって生じる。接合反応におけるレシピエントは、ドナー細菌からの水平伝播によって核酸を受容することができる任意の細胞である。接合反応におけるドナーは、接合性プラスミド接合性トランスポゾン、または可動化プラスミドを含む細菌である。ドナープラスミド物理的移入は、自己伝達性プラスミドによるか、または「ヘルパー」プラスミドの補助によって行うことができる。C1代謝細菌に関する接合は本明細書中に記載されており、Stolyarら,Mikrobiologiya 64:686,1995;Motoyamaら,Appl.Micro.Biotech.42:67,1994;Lloydら,Arch.Microbiol.171:364,1999;PCT公開第02/18617号;およびAliら,Microbiol.152:2931,2006に以前に記載されている。

0059

本発明の実施における使用に適切な発現制御配列は、例えば、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、リプレッサーインデューサーなどを含む。本発明の実施における使用に適切なプロモーターは、構成的、漏出(leaky)または誘導性であり得、かつ用いられている宿主細胞に本来備わっているかまたは備わっていない可能性がある。例示的なプロモーターは、ピルビン酸デカルボキシラーゼ(PDC)プロモーター、デオキシキシルロースリン酸シンターゼプロモーター、メタノールデヒドロゲナーゼプロモーター(MDH)(例えば、Methylococcus capsulatus Bath(Acc.No.MCA0779)由来のmxaF遺伝子の上流遺伝子間領域におけるプロモーターまたはM.extorquens由来のMDHプロモーター(Springerら、FEMS Microbiol.Lett.160:119(1998)を参照)など)、ヘキスロース(hexulose)6−リン酸シンターゼプロモーター、リボソームタンパク質S16プロモーター、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼプロモーター、セリン−グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼプロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼプロモーター、T5プロモーター、Trcプロモーター、PHA合成のためのプロモーター(Foellnerら、Appl.Microbiol.Biotechnol.40:284、1993)、ピルビン酸デカルボキシラーゼプロモーター(Tokuhiroら、Appl.Biochem.Biotechnol.131:795、2006)、lacオペロンPlacプロモーター(Toyamaら、Microbiol.143:595、1997)、Ptrc(Brosiusら、Gene 27:161、1984)などのハイブリッドプロモーター、メチロトローフ菌(EP 296484)、メタン資化性菌における天然のプラスミドから同定されたプロモーターなどを含む。

0060

その上、外因性核酸分子の高発現のための適切な同種(homologous)または異種プロモーターを利用することができる。例えば、米国特許第7,098,005号は、C1代謝細菌における異種性コード核酸のメタンまたはメタノールの存在下で高度に発現するためのプロモーターの使用を記載している。

0061

一定の実施形態では、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸の発現制御が、非天然起源のC1代謝微生物の成長速度の最適化に望ましい場合があり、種々の炭素源条件における細菌成長を改善することができる。これは、誘導性プロモーター系の使用により達成することができる。

0062

一定の実施形態では、AB酵素をコードする核酸は、誘導性プロモーターに作動的に連結される。本発明の実施に用いられる誘導性プロモーター系は、当該分野で公知のものを含み、テトラサイクリン誘導性プロモーター系;IPTG/lacオペロン誘導性プロモーター系、熱ショック誘導性プロモーター系;金属応答性プロモーター系;硝酸塩誘導性プロモーター系;光誘導性プロモーター系;エクジソン誘導性プロモーター系、メチロトローフ細菌およびメタン資化性細菌における使用のための記載されている誘導性/調節可能な系(例えば、本明細書中に参考として援用される米国特許出願公開第2010/0221813号を参照)などを含む。例えば、1つの実施形態では、非天然起源のC1代謝微生物(例えば、メタン資化性菌、メチロトローフ菌)は、(1)lacOオペレーター配列に挟まれるプロモーターに作動的に連結された、AB酵素をコードする外因性核酸および(2)構成的プロモーター(例えば、ヘキスロース−6−リン酸シンターゼプロモーター)に作動的に連結された、lacIリプレッサータンパク質をコードする外因性核酸を含む。LacIリプレッサータンパク質が、LDHまたは他のプロモーターに挟まれるlacOオペレーター配列に結合して、転写を防止すると、誘導が開始される。IPTGは、lacIリプレッサーに結合し、lacO配列からこれを放出させ、転写を可能にする。誘導性プロモーター系を使用することにより、インデューサーの添加により乳酸合成を制御することができる。

0063

本発明の実施に用いられる発現系および発現ベクターは、例えば、1または複数の翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写終結部位ポリアデニル化シグナル制限酵素部位多重クローニング部位、他のコードセグメントなどの、遺伝子エレメントを必要に応じて含有する。一定の実施形態では、プロモーターおよび/またはコドン最適化(より詳細に本明細書で上記)は、宿主メタン資化性細菌における1または複数の炭水化物生合成酵素をコードする外因性ポリヌクレオチドの高度な構成的発現のために使用される。宿主メタン資化性細菌における外因性核酸の発現制御を利用することもできる。例えば、米国特許出願公開第2010/0221813号に記載されているメチロトローフ細菌およびメタン資化性細菌における組換えタンパク質発現の誘導性/調節可能な系を例えば使用することができる。

0064

一定の実施形態では、プロモーターまたはコドン最適化(より詳細に本明細書で上記)は、宿主メタン資化性細菌における1または複数のL−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性ポリヌクレオチドの高度な構成的発現のために使用される。宿主メタン資化性細菌における外因性核酸の発現制御を利用することもできる。例えば、米国特許出願公開第2010/0221813号などに記載のメチロトローフ性細菌およびメタン資化性細菌における組換えタンパク質発現の誘導性/調節可能な系を使用することができる。

0065

所望のL−アミノ酸を産生する方法
本発明は、天然ガス由来の炭素供給材料の存在下、L−アミノ酸の産生に十分な条件下で組換えC1代謝微生物を培養する工程を含む、L−アミノ酸を産生する方法であって、上記C1代謝微生物が、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸を含む方法を提供する。典型的には、天然ガス由来の炭素供給材料は、天然ガス、メタンまたはシンガスである。本発明の微生物の培養に適した例示的な条件を実施例に記載する。

0066

種々の培養方法を、本明細書中に記載の微生物のために使用することができる。例えば、C1代謝微生物(メタン資化細菌またはメチロトローフ細菌など)を、バッチ培養または連続培養法によって成長させることができる。一定の実施形態では、培養物を、制御培養ユニット発酵槽バイオリアクター中空繊維セルなど)で成長させる。一般に、対数期の細胞は、しばしば、いくつかのシステムにおいて目的の生成物または中間体大量生産を担うのに対して、他のシステムでは静止期または指数期後の生産を得ることができる。

0067

古典的なバッチ培養法は、培養液組成培養開始時に設定し、培養プロセス中には変更しない閉鎖系である。すなわち、培養プロセス開始時に1つまたはそれより多くの最適な微生物で培養液を接種し、次いで、いかなる物質も系に添加することなく成長させる。本明細書中で使用する場合、「バッチ」培養は、最初に添加した特定の炭素源量が不変であることに関するのに対して、pHおよび酸素濃度などの因子の制御を培養中にモニタリングおよび変更することができる。バッチ系では、系の代謝産物およびバイオマス組成物は、培養終了時まで絶えず変化する。バッチ培養物内で、細胞(例えば、メチロトローフ菌などの細菌)は、一般に、静的な誘導期から高成長の対数増殖期移行し、成長速度が低下または停止する定常期に移行するであろう(条件が変化しない場合、最終的に細胞は死滅するであろう)。

0068

フェッドバッチ系は、培養が進行するにつれて目的の炭素基質を漸増的に添加する標準的なバッチ系のバリエーションである。フェッドバッチ系は、細胞代謝が異化代謝産物抑制によって阻害されている可能性が高い場合、および培地中の基質量が制限されることが望ましい場合に有用である。フェッドバッチ系内の実際の基質濃度を測定することが困難であるので、pH、溶存酸素、および老廃物ガスの分圧などの測定可能な因子の変化に基づいて推定する。バッチ培養法およびフェッドバッチ培養法は、当該分野で一般的であり、且つ公知である(例えば、Thomas D.Brock,Biotechnology:A Textbook of Industrial Microbiology,2nd Ed.(1989)Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA;Deshpande,Appl.Biochem.Biotechnol.36:227,1992を参照のこと)。

0069

連続培養は、規定培養培地をバイオリアクターに連続的に添加する一方で、処理のために同量使用済み(「馴化」)培地を同時に除去するという意味で「開放」系である。連続培養は、一般的に、細胞が主に対数増殖期にあるように細胞の液相密度を高度に一定に維持する。あるいは、連続培養を、固定化細胞(例えば、バイオフィルム)を使用して実施することができ、この培養は、炭素および栄養素を連続的に添加し、価値のある生成物、副生成物、および廃棄物を細胞集団から連続的に取り出す。細胞固定化を、天然材料合成材料、またはその組み合わせから構成される広範な固体支持体を使用して行うことができる。

0070

連続培養または半連続培養により、細胞成長または最終生成物の濃度に影響を及ぼす1つまたはそれより多くの因子を調整可能である。例えば、1つの方法は、限定された栄養素を固定された比率で維持することができ(例えば、炭素源、窒素)、経時的に他の全てのパラメーターを変化させることが可能である。他の実施形態では、成長に影響を及ぼすいくつかの因子を連続的に変化させることができる一方で、培地混濁度によって測定される細胞濃度を一定に保つ。連続培養系の目的は、培養条件を定常状態に維持する一方で、培地除去に起因する細胞喪失細胞成長速度との平衡を保つことである。生成物の形成速度を最大にするための連続培養プロセスおよび技術のための栄養素および成長因子調整方法は、当該分野で周知である(Brock,1992を参照のこと)。

0071

液相バイオリアクター(例えば、撹拌槽充填ベッド、1液相、2液相、ホローファイバーメンブレン)は、当該分野で周知であり、非天然起源の微生物および生体触媒の成長に使用することができる。

0072

気相バイオリアクターを使用することにより、生物学的生産のための基質は、非天然起源の微生物、その細胞ライセートまたは無細胞画分によって、液体からではなくガスから吸収される。微生物による気相バイオリアクターの使用は、当該分野で公知である(例えば、米国特許第2,793,096号;同第4,999,302号;同第5,585,266号;同第5,079,168号;および同第6,143,556号;米国法定発明登録制度(U.S. Statutory Invention Registration)H1430;米国特許出願公開第2003/0032170号;Emerging Technologies in Hazardous Waste Management III、1993、Tedder and Pohland編、411〜428頁)。例示的な気相バイオリアクターは、単一パスシステム、閉ループポンプシステムおよび流動床反応器を含む。気相バイオリアクターを利用することにより、メタンまたは他のガス状基質は、例えば、モノオキシゲナーゼ活性を有するポリペプチドによるバイオ変換に容易に利用できる。一定の実施形態では、ガスをL−アミノ酸に変換するための方法は、気相バイオリアクター内で行われる。さらなる実施形態では、気体をL−アミノ酸に変換するための方法は、流動床反応器内で行われる。流動床反応器において、流体(すなわち、気体または液体)は、微生物が付着し成長することができる粒子床キャリア、通常、砂、顆粒状活性炭または珪藻土を上向きに通される。流体速度は、粒子床キャリアおよび付着した微生物が懸濁されるようなものである(すなわち、床流動化)。粒子床キャリアに付着した微生物は、流体中を自由に循環し、微生物への流体中の基質の有効物質移動(effective mass transfer)と、微生物成長の増加を可能にする。例示的な流動床反応器は、管型反応器および完全混合型反応器を含む。微生物のバイオフィルムによる流動床反応器の使用は、当該分野で公知である(例えば、Pflugerら、Bioresource Technol.102:9919、2011;Fennellら、Biotechnol、Bioengin.40:1218、1992;Ruggeriら、Water Sci.Technol.29:347、1994;米国特許第4,032,407号;同第4,009,098号;同第4,009,105号;および同第3,846,289号)。

0073

本開示に記載されている組換えC1代謝微生物は、単離された純粋な培養物として成長させることができる、あるいは成長に役立ち得る異種性非C1代謝微生物(複数可)またはC1代謝微生物の1または複数の異なる株もしくは種を組み合わせて、混合培養物を作製することができる。

0074

一定の実施形態では、本発明のL−アミノ酸は、細胞成長の特定の期(例えば、誘導期、対数期、定常期または死滅期)において産生される。C1代謝微生物の成長および維持よりもむしろ、供給材料由来の炭素がL−アミノ酸に変換されることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される非天然起源のC1代謝微生物(例えば、メタン資化性菌、メチロトローフ菌)は、低〜中程度の細胞密度(OD600)まで培養され、続いてL−アミノ酸の産生が開始される。いくつかの実施形態では、L−アミノ酸は、メタン資化性細菌がもはや分裂していないまたは非常にゆっくり分裂している間に産生される。いくつかの実施形態では、L−アミノ酸は、定常期の間のみに産生される。いくつかの実施形態では、L−アミノ酸は、対数期および定常期の間に産生される。

0075

本明細書に提供される組換えC1代謝微生物(例えば、メタン資化性菌、メチロトローフ菌)によって産生されたL−アミノ酸を含む発酵槽組成物は、生物学的発酵プロセスに関連する他の有機化合物をさらに含むことができる。例えば、発酵の生物学的副生成物は、アルコールエポキシドアルデヒドケトンエステルまたはこれらの組合せのうち1または複数を含むことができる。一定の実施形態では、発酵槽組成物は、次のアルコール:メタノール、エタノールブタノールまたはプロパノールのうち1または複数を含有することができる。H2O、CO、CO2、CO N2、H2、O2ならびにメタン、エタン、プロパンおよびブタンなどの未利用の炭素供給材料などの、他の化合物が、発酵槽オフガスに存在することもできる。

0076

一定の実施形態では、本明細書に提供される組換えC1代謝微生物(例えば、メタン資化性菌、メチロトローフ菌)は、約0.001g/L(培養物)〜約500g/L(培養物)の本発明のL−アミノ酸を産生する。いくつかの実施形態では、産生されるL−アミノ酸の量は、約1g/L(培養物)〜約100g/L(培養物)である。いくつかの実施形態では、産生されるL−アミノ酸の量は、約0.001g/L、0.01g/L、0.025g/L、0.05g/L、0.1g/L、0.15g/L、0.2g/L、0.25g/L、0.3g/L、0.4g/L、0.5g/L、0.6g/L、0.7g/L、0.8g/L、0.9g/L、1g/L、2.5g/L、5g/L、7.5g/L、10g/L、12.5g/L、15g/L、20g/L、25g/L、30g/L、35g/L、40g/L、45g/L、50g/L、60g/L、70g/L、80g/L、90g/L、100g/L、125g/L、150g/L、175g/L、200g/L、225g/L、250g/L、275g/L、300g/L、325g/L、350g/L、375g/L、400g/L、425g/L、450g/L、475g/L、または500g/Lである。

0077

生成物
本発明は、本発明の組換えC1代謝細胞に加えて他の有用な生成物を提供する。1つの実施形態では、本発明は、本発明の組換えC1代謝微生物の培養物に由来するバイオマスを提供する。特異的な実施形態では、本発明は、組換えC1代謝微生物を含むバイオマスであって、該組換えC1代謝微生物が、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸を含み、該組換えC1代謝微生物が、天然ガス由来の供給材料を所望のL−アミノ酸に変換することができるバイオマスを提供する。さらなる実施形態では、本発明は、組換えC1代謝微生物を含むバイオマスであって、該組換えC1代謝微生物が、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸を含み、該組換えC1代謝微生物が、メタンを所望のL−アミノ酸に変換することができるバイオマスを提供する。

0078

本明細書中で使用する場合、「バイオマス」は、細胞全体(whole cell)、溶解細胞、または細胞外物質などのうちの1つまたはそれより多くを含み得る生物起源有機材料をいう。例えば、培養微生物(例えば、細菌または酵母の培養物)から回収した材料はバイオマスとみなされ、これは、細胞、細胞膜、細胞の細胞質、封入体、培養培地内に分泌または排出された生成物、またはその任意の組み合わせを含み得る。一定の実施形態では、バイオマスは、本開示のC1代謝微生物が成長した培養培地と共に本開示のC1代謝微生物を含む。他の実施形態では、バイオマスは、C1基質(例えば、天然ガス、メタンなど)で成長した培養物から回収した本開示のC1代謝微生物(細胞全体または溶解細胞またはその両方)を含む。さらなる他の実施形態では、バイオマスは、C1基質で培養したC1代謝微生物の培養物由来の使用済み培地上清を含む。かかる培養物を再生可能資源と見なすことができる。本発明のバイオマスは、所望のL−アミノ酸のレベルに関して富化される。

0079

細胞成長のための天然ガス由来の基質と共に提供される本発明の組換えC1代謝微生物は、そのδ13C値によって表されるそのカーボンフィンガープリント(fingerprint)に関して特有である(かかる組換えC1代謝微生物に由来する生成物として)。背景として、安定同位体測定および物質収支アプローチは、メタンのグローバルソースおよびシンクを評価するために広く使用されている(Whiticar andFaber,Org.Geochem.10:759,1986;Whiticar,Org.Geochem.16:531,1990を参照のこと)。酸化量を決定するために残留メタンのδ13C値を使用するために、メタンの微生物酸化に原因する同位体分留度を知ることが必要である。例えば、好気性メタン資化性菌は、特異的酵素であるメタンモノオキシゲナーゼ(methane monoxygenase(MMO))によってメタンを代謝することができる。メタン資化性菌は、メタンをメタノールに変換し、その後にホルムアルデヒドに変換する。ホルムアルデヒドを、CO2にさらに酸化して還元等価物NADH)の形態で細胞にエネルギーを供給することができるか、または光合成生物における炭素同化経路と直接的に類似するRuMPサイクルまたはセリンサイクル(Hanson and Hanson,Microbiol.Rev.60:439,1996)のいずれかによってバイオマスに組み込むことができる。より詳細には、タイプIメタン資化性菌は、バイオマス合成のためにRuMP経路を使用して完全にCH4に由来するバイオマスを生成するのに対して、タイプIIメタン資化性菌は、50〜70%のCH4由来の細胞炭素および30〜50%のCO2由来の細胞炭素を同化するセリン経路を使用する(Hanson and Hanson,1996)。炭素同位体組成の測定方法は、例えば、Templetonら(Geochim.Cosmochim.Acta 70:1739,2006)(その方法全体が本明細書中で参考として援用される)に示されている。実施例2は、異なるC1代謝微生物の細胞における安定炭素同位体分布特徴付けについて記載する。実施例に記載されている通り、細胞の高度に負のδ13C値は、このような細胞から抽出された化合物のδ13C値において同様に反映された。本明細書に記載されている本発明の生成物(すなわち、本発明の組換えC1代謝微生物(本明細書で上記の通り)、それに由来する関連するバイオマスおよびL−アミノ酸および組成物)のδ13Cは、実施例3に実証される通り、使用したC1基質の供給源および純度に応じて変動し得る。

0080

一定の実施形態では、本発明の組換えC1代謝微生物ならびにそれに由来する関連するバイオマスおよびL−アミノ酸および組成物は、−30‰未満、−31‰未満、−32‰未満、−33‰未満、−34‰未満、−35‰未満、−36‰未満、−37‰未満、−38‰未満、−39‰未満、−40‰未満、−41‰未満、−42‰未満、−43‰未満、−44‰未満、−45‰未満、−46‰未満、−47‰未満、−48‰未満、−49‰未満、−50‰未満、−51‰未満、−52‰未満、−53‰未満、−54‰未満、−55‰未満、−56‰未満、−57‰未満、−58‰未満、−59‰未満、−60‰未満、−61‰未満、−62‰未満、−63‰未満、−64‰未満、−65‰未満、−66‰未満、−67‰未満、−68‰未満、−69‰未満または−70‰未満のδ13Cを示す。

0081

一定の実施形態では、本発明の組換えC1代謝微生物ならびにそれに由来する関連するバイオマスおよびL−アミノ酸および組成物は、約−35‰〜約−50‰、−45‰〜約−35‰または約−50‰〜約−40‰または約−45‰〜約−65‰または約−60‰〜約−70‰または約−30‰〜約−70‰のδ13Cを示す。

0082

さらなる実施形態では、C1代謝非光合成微生物バイオマスは、約−30‰未満のδ13Cを有するか、または約−40‰〜約−60‰の範囲である。一定の実施形態では、バイオマスは使用済み培地と共に組換えC1代謝非光合成微生物を含むか、またはバイオマスは組換えC1代謝非光合成微生物の培養物由来の使用済み培地上清組成物を含み、ここで、バイオマスのδ13Cは約−30‰未満である。一定の他の実施形態では、L−アミノ酸組成物をバイオマス(このバイオマスは、培養物由来の使用済み培地と共に組換えC1代謝非光合成微生物を含み得る)または組換えC1代謝非光合成微生物の培養物由来の使用済み培地上清組成物から抽出または濃縮する。

0083

一定の実施形態では、C1代謝微生物由来のL−アミノ酸組成物(必要に応じてC1代謝微生物バイオマス由来の抽出物または単離物であり得る)は、組成物の重量の少なくとも約50%〜約80%の水素原子酸素原子および炭素原子を含み、ここで、組成物のδ13Cは、約−35‰未満または約−36‰未満または約−37‰未満または約−38‰未満または約−39‰未満または約−40‰未満である。一定の実施形態では、それに由来するL−アミノ酸組成物は、水素原子、酸素原子および炭素原子を有する分子を含み、ここで、水素原子、酸素原子および炭素原子は、組成物の重量の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%であり、組成物のδ13Cは約−30‰〜約−70‰の範囲であるか、細胞密度が約−5‰〜約−20‰増加するにつれてバイオマス中のδ13Cは減少するか、バイオマスのδ13Cは、銅の存在下または非存在下で培養した場合に、同時に産生されたCO2のものより平均で5‰〜15‰高い。

0084

天然ガス由来の供給材料の存在下で培養された一部のC1代謝微生物のδ13Cの特徴付けを本明細書の以下に記載の実施例において例示する。

0085

本発明は、本発明の組換えC1代謝微生物、関連するバイオマスおよび/またはL−アミノ酸組成物を含む動物飼料をさらに提供する。本発明の実施において企図される通り、動物飼料は、家畜飼料(例えば、ブタ飼料ウシ飼料、ヒツジ飼料などのような)、家禽飼料(例えば、ニワトリ飼料、シチメンチョウ飼料などのような)または魚類飼料(例えば、サケ飼料、甲殻類(shell fish)飼料などのような)となり得る。動物飼料は、例えば、植物由来の材料(例えば、トウモロコシオオムギオートムギ、イネ、ライムギコムギソルガム醸造使用済み穀粒などのような、穀物に由来する材料;および例えば、アルファルファクローバエンドウマメマメ(bean)、レンズマメダイズなどのような、マメ科植物に由来する材料を含む)、動物由来の材料(例えば、魚粉など)および/または微生物由来の材料(例えば、細菌、酵母または藻類となり得る、例えば異種性微生物由来のバイオマスを含む)などの、添加物をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、植物由来の材料添加物は、ダイズミールまたはエンドウマメタンパク質である。

0086

さらなる実施形態では、本発明は、本発明の組換えC1代謝微生物、関連するバイオマスおよび/またはL−アミノ酸組成物を含む培養物または発酵培地を提供する。典型的には、培養物または発酵培地は、炭水化物(例えば、糖その他)および/または水をさらに含む。追加的な実施形態では、本発明は、本発明の培養物または発酵培地および第2の微生物を含む細胞培養組成物を提供する。典型的には、第2の微生物は、細菌、酵母または藻類細胞である。

0087

本発明の実施形態は、次の項目を含む:

0088

1.組換えC1代謝微生物の培養物に由来するバイオマスであって、該組換えC1代謝微生物が、L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸を含み、該C1代謝微生物が、天然ガス由来の炭素供給材料をL−アミノ酸に変換することができ、該バイオマスのδ13Cが、−40‰未満であるバイオマス。

0089

2.前記組換えC1代謝微生物が、非光合成C1代謝微生物である、実施形態1に記載のバイオマス。

0090

3.前記外因性核酸が、リシン生合成酵素、トリプトファン生合成酵素、メチオニン生合成酵素、システイン生合成酵素およびトレオニン生合成酵素からなる群から選択される酵素をコードする、実施形態1〜2のいずれかに記載のバイオマス。

0091

4.前記外因性核酸が、リシン感受性アスパルトキナーゼIII(lysC)、アスパラギン酸キナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(asd)、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(dapA)、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ(dapB)、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2,6−カルボン酸N−スクシニルトランスフェラーゼ(dapD)、アセチルオルニチン/スクシニルジアミノピメリン酸アミノトランスフェラーゼ(argD)、スクシニルジアミノピメリン酸デスクシニラーゼ(dapE)、スクシニルジアミノピメリン酸トランスアミナーゼ、ジアミノピメリン酸エピメラーゼ(dapF)およびジアミノピメリン酸(diaminopimetate)ジカルボキシラーゼ(lysA)からなる群から選択されるリシン生合成酵素をコードする、実施形態1〜3のいずれかに記載のバイオマス。

0092

5.前記L−アミノ酸が、L−リシンである、実施形態4に記載のバイオマス。

0093

6.前記外因性核酸が、コリスミ酸−ピルビン酸リアーゼ(ubiC)、アントラニル酸シンターゼ構成成分I(trpE)、アントラニル酸シンターゼ構成成分II(trpG)、アントラニル酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(trpD)、ホスホリボシルアントラニル酸イソメラーゼ(trpC)、トリプトファン生合成タンパク質(trpC)、N−(5’ホスホリボシル)アントラニル酸イソメラーゼ(trpF)、インドール−3−グリセロールリン酸シンターゼ、トリプトファンシンターゼアルファ鎖(trpA)およびトリプトファンシンターゼベータ鎖(trpB)からなる群から選択されるトリプトファン生合成酵素をコードする、実施形態1〜3のいずれかに記載のバイオマス。

0094

7.前記L−アミノ酸が、L−トリプトファンである、実施形態6に記載のバイオマス。

0095

8.外因性核酸が、ホモセリンO−スクシニルトランスフェラーゼ(metA)、シスタチオニンガンマ−シンターゼ(metB)、タンパク質MalY、シスタチオニンベータ−リアーゼ(metC)、B12依存性メチオニンシンターゼ(metH)および5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸−ホモシステインS−メチルトランスフェラーゼ(metE)からなる群から選択されるメチオニン生合成酵素をコードする、実施形態1〜3のいずれかに記載のバイオマス。

0096

9.前記L−アミノ酸が、L−メチオニンである、実施形態8に記載のバイオマス。

0097

10.前記外因性核酸が、セリンアセチルトランスフェラーゼ(CysE)、システインシンターゼAおよびシステインシンターゼBからなる群から選択されるシステイン生合成酵素をコードする、実施形態1〜3のいずれかに記載のバイオマス。

0098

11.前記L−アミノ酸が、L−システインである、実施形態10に記載のバイオマス。

0099

12.前記外因性核酸が、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、PLP依存性アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸キナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼおよびトレオニンシンターゼからなる群から選択されるトレオニン生合成酵素をコードする、実施形態1〜3のいずれかに記載のバイオマス。

0100

13.前記L−アミノ酸が、L−トレオニンである、実施形態12に記載のバイオマス。

0101

14.前記外因性核酸が、大腸菌およびC.glutamicumからなる群から選択される微生物に対し内因性のL−アミノ酸生合成酵素をコードする、実施形態1〜13のいずれかに記載のバイオマス。

0102

15.前記外因性核酸が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148または150のうちいずれか1つからなる群から選択されるL−アミノ酸生合成酵素配列をコードする、実施形態1〜2のいずれかに記載のバイオマス。

0103

16.前記外因性核酸の配列が、前記組換えC1代謝微生物からの最適な発現のためにコドン最適化されている、実施形態1〜15のいずれかに記載のバイオマス。

0104

17.前記L−アミノ酸生合成酵素をコードする前記外因性核酸が、発現制御配列に作動的に連結されている、実施形態1〜16のいずれかに記載のバイオマス。

0105

18.前記発現制御配列が、外因性発現制御配列である、実施形態17に記載のバイオマス。

0106

19.前記C1代謝微生物が、内因性酵素活性の欠失をさらに含む、実施形態1〜18のいずれかに記載のバイオマス。

0107

20.前記C1代謝微生物が、メタン資化性菌である、実施形態1〜19のいずれかに記載のバイオマス。

0108

21.前記メタン資化性菌が、Methylomonas、Methylobacter、Methylococcus、Methylosinus、Methylocystis、Methylomicrobium、Methanomonas、Methylocella、またはMethylocapsaである、実施形態20に記載のバイオマス。

0109

22.前記メタン資化性菌が、Methylococcus capsulatus Bath株、Methylomonas methanica 16a(ATCCPTA2402)、Methylosinus trichosporium OB3b(NRRL B−11,196)、Methylosinus sporium(NRRL B−11,197)、Methylocystis parvus(NRRL B−11,198)、Methylomonas methanica(NRRL B−11,199)、Methylomonas albus(NRRL B−11,200)、Methylobacter capsulatus(NRRL B−11,201)、Methylobacterium organophilum(ATCC 27,886)、Methylomonas sp AJ−3670(FERM P−2400)、Methylocella silvestris、Methylocella palustris(ATCC 700799)、Methylocella tundrae、Methylocystis daltona SB2株、Methylocystis bryophila、Methylocapsa aurea KYG、Methylacidiphilum infernorum、Methylibium petroleiphilum、およびMethylomicrobium alcaliphilumからなる群から選択される、実施形態20に記載のバイオマス。

0110

23.前記天然ガス由来の炭素供給材料が、天然ガス、シンガス、メタン、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸、一酸化炭素、二酸化炭素、シアン化物、メチルアミン、メチルチオール、メチルハロゲンおよびこれらのいずれかの組合せまたは2つもしくはそれ超からなる群から選択される、実施形態1〜22のいずれか一実施形態に記載のバイオマス。

0111

24.前記天然ガス由来の炭素供給材料が、天然ガスである、実施形態23に記載のバイオマス。

0112

25.前記天然ガス由来の炭素供給材料が、メタンである、実施形態23に記載のバイオマス。

0113

26.前記天然ガス由来の炭素供給材料が、シンガスである、実施形態23に記載のバイオマス。

0114

27.前記C1代謝微生物が、シンガス代謝細菌である、実施形態23に記載のバイオマス。

0115

28.前記シンガス代謝細菌が、Clostridiumautoethanogenum、Clostridium ljungdahli、Clostridium ragsdalei、Clostridium carboxydivorans、Butyridbacterium methylotrophicum、Clostridium woodii、およびClostridium neopropanologenからなる群から選択される、実施形態27に記載のバイオマス。

0116

29.前記バイオマスのδ13Cが、−50‰未満である、実施形態1〜28のいずれかに記載のバイオマス。

0117

30.L−アミノ酸を含む組成物であって、−40‰未満のδ13Cを示す組成物。

0118

31.前記L−アミノ酸が、L−リシン、L−トリプトファン、L−メチオニン、L−システインおよびL−トレオニンからなる群から選択される、実施形態30に記載の組成物。

0119

32.実施形態1〜29のいずれかに記載のバイオマスまたは実施形態30〜31のいずれかに記載の組成物を含む動物飼料。

0120

33.植物由来の材料をさらに含む、実施形態32に記載の動物飼料。

0121

34.前記植物由来の材料が、ダイズミールおよびエンドウマメタンパク質からなる群から選択される、実施形態33に記載の動物飼料。

0122

35.実施形態1〜27のいずれかに記載のバイオマスまたは実施形態40〜42のいずれかに記載の組成物を含む培養物または発酵培地。

0123

36.L−アミノ酸生合成酵素をコードする外因性核酸を含む組換えC1代謝微生物であって、該C1代謝微生物が、天然ガス由来の炭素供給材料をL−アミノ酸に変換することができ、該バイオマスのδ13Cが、−40‰未満である組換えC1代謝微生物。

0124

37.前記組換えC1代謝微生物が、非光合成C1代謝微生物である、実施形態36に記載の組換えC1代謝微生物。

0125

38.前記外因性核酸が、リシン生合成酵素、トリプトファン生合成酵素、メチオニン生合成酵素、システイン生合成酵素およびトレオニン生合成酵素からなる群から選択される酵素をコードする、実施形態36〜37のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0126

39.前記外因性核酸が、リシン感受性アスパルトキナーゼIII(lysC)、アスパラギン酸キナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ(asd)、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(dapA)、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ(dapB)、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2,6−カルボン酸N−スクシニルトランスフェラーゼ(dapD)、アセチルオルニチン/スクシニルジアミノピメリン酸アミノトランスフェラーゼ(argD)、スクシニルジアミノピメリン酸デスクシニラーゼ(dapE)、スクシニルジアミノピメリン酸トランスアミナーゼ、ジアミノピメリン酸エピメラーゼ(dapF)およびジアミノピメリン酸(diaminopimetate)ジカルボキシラーゼ(lysA)からなる群から選択されるリシン生合成酵素をコードする、実施形態36〜38のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0127

40.前記L−アミノ酸が、L−リシンである、実施形態39に記載の組換えC1代謝微生物。

0128

41.前記外因性核酸が、コリスミ酸−ピルビン酸リアーゼ(ubiC)、アントラニル酸シンターゼ構成成分I(trpE)、アントラニル酸シンターゼ構成成分II(trpG)、アントラニル酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(trpD)、ホスホリボシルアントラニル酸イソメラーゼ(trpC)、トリプトファン生合成タンパク質(trpC)、N−(5’ホスホリボシル)アントラニル酸イソメラーゼ(trpF)、インドール−3−グリセロールリン酸シンターゼ、トリプトファンシンターゼアルファ鎖(trpA)およびトリプトファンシンターゼベータ鎖(trpB)からなる群から選択されるトリプトファン生合成酵素をコードする、実施形態36〜38のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0129

42.前記L−アミノ酸が、L−トリプトファンである、実施形態41に記載の組換えC1代謝微生物。

0130

43.外因性核酸が、ホモセリンO−スクシニルトランスフェラーゼ(metA)、シスタチオニンガンマ−シンターゼ(metB)、タンパク質MalY、シスタチオニンベータ−リアーゼ(metC)、B12依存性メチオニンシンターゼ(metH)および5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸−ホモシステインS−メチルトランスフェラーゼ(metE)からなる群から選択されるメチオニン生合成酵素をコードする、実施形態36〜38のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0131

44.前記L−アミノ酸が、L−メチオニンである、実施形態43に記載の組換えC1代謝微生物。

0132

45.前記外因性核酸が、セリンアセチルトランスフェラーゼ(CysE)、システインシンターゼAおよびシステインシンターゼBからなる群から選択されるシステイン生合成酵素をコードする、実施形態36〜38のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0133

46.前記L−アミノ酸が、L−システインである、実施形態45に記載の組換えC1代謝微生物。

0134

47.前記外因性核酸が、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、PLP依存性アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸キナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼおよびトレオニンシンターゼからなる群から選択されるトレオニン生合成酵素をコードする、実施形態36〜38のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0135

48.前記L−アミノ酸が、L−トレオニンである、実施形態47に記載の組換えC1代謝微生物。

0136

49.前記外因性核酸が、大腸菌およびC.glutamicumからなる群から選択される微生物に対し内因性のL−アミノ酸生合成酵素をコードする、実施形態36〜48のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0137

50.前記外因性核酸が、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148および150のうちいずれか1つからなる群から選択されるL−アミノ酸生合成酵素配列をコードする、実施形態36〜37のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0138

51.前記外因性核酸の配列が、前記組換えC1代謝微生物からの最適な発現のためにコドン最適化されている、実施形態36〜50のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0139

52.前記L−アミノ酸生合成酵素をコードする前記外因性核酸が、発現制御配列に作動的に連結されている、実施形態36〜51のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0140

53.前記発現制御配列が、外因性発現制御配列である、実施形態52に記載の組換えC1代謝微生物。

0141

54.前記C1代謝微生物が、内因性酵素活性の欠失をさらに含む、実施形態36〜53のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0142

55.前記C1代謝微生物が、メタン資化性菌である、実施形態36〜54のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0143

56.前記メタン資化性菌が、Methylomonas、Methylobacter、Methylococcus、Methylosinus、Methylocystis、Methylomicrobium、Methanomonas、Methylocella、またはMethylocapsaである、実施形態55に記載の組換えC1代謝微生物。

0144

57.前記メタン資化性菌が、Methylococcus capsulatus Bath株、Methylomonas methanica 16a(ATCCPTA2402)、Methylosinus trichosporium OB3b(NRRL B−11,196)、Methylosinus sporium(NRRL B−11,197)、Methylocystis parvus(NRRL B−11,198)、Methylomonas methanica(NRRL B−11,199)、Methylomonas albus(NRRL B−11,200)、Methylobacter capsulatus(NRRL B−11,201)、Methylobacterium organophilum(ATCC 27,886)、Methylomonas sp AJ−3670(FERM P−2400)、Methylocella silvestris、Methylocella palustris(ATCC 700799)、Methylocella tundrae、Methylocystis daltona SB2株、Methylocystis bryophila、Methylocapsa aurea KYG、Methylacidiphilum infernorum、Methylibium petroleiphilum、およびMethylomicrobium alcaliphilumからなる群から選択される、実施形態55に記載の組換えC1代謝微生物。

0145

58.前記天然ガス由来の炭素供給材料が、天然ガス、シンガス、メタン、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸、一酸化炭素、二酸化炭素、シアン化物、メチルアミン、メチルチオール、メチルハロゲンおよびこれらのいずれかの組合せまたは2つもしくはそれ超からなる群から選択される、実施形態36〜57のいずれか一実施形態に記載の組換えC1代謝微生物。

0146

59.前記天然ガス由来の炭素供給材料が、天然ガスである、実施形態58に記載の組換えC1代謝微生物。

0147

60.前記天然ガス由来の炭素供給材料が、メタンである、実施形態58に記載の組換えC1代謝微生物。

0148

61.前記天然ガス由来の炭素供給材料が、シンガスである、実施形態58に記載の組換えC1代謝微生物。

0149

62.前記C1代謝微生物が、シンガス代謝細菌である、実施形態61に記載の組換えC1代謝微生物。

0150

63.前記シンガス代謝細菌が、Clostridiumautoethanogenum、Clostridium ljungdahli、Clostridium ragsdalei、Clostridium carboxydivorans、Butyridbacterium methylotrophicum、Clostridium woodii、およびClostridium neopropanologenからなる群から選択される、実施形態62に記載の組換えC1代謝微生物。

0151

64.前記バイオマスのδ13Cが、−50‰未満である、実施形態36〜63のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物。

0152

65.L−アミノ酸を産生する方法であって、天然ガス由来の炭素供給材料の存在下、該L−アミノ酸の産生に十分な条件下で、実施形態36〜64のいずれかに記載の組換えC1代謝微生物を培養する工程を含む方法。

0153

66.実施形態65に記載の方法によって産生されるL−アミノ酸であって、−40‰未満のδ13Cを示すL−アミノ酸。

0154

本発明の上記および他の態様は、次の非限定的な実施例に関連してより十分に理解することができる。

0155

実施例1
C1代謝微生物のための培養条件およびバイオリアクター条件

0156

例示的な本開示のC1代謝微生物(メタン資化性菌、メチロトローフ菌、Clostridia)を、チューブバイアルボトルプレート、またはバイオリアクター(発酵)内で培養した。種々の微生物についての成長条件、培地、および炭素源を、本実施例中に記載する。

0157

Methylosinus trichosporium OB3b株(NCIMB 11131);Methylomonas sp.16a株(ATCCPTA−2402);またはMethylomonas methanica
血清ボトルのために、細菌を、ヒギンス最少硝酸塩培地(NSM;Cornishら,J.Gen.Microbiol.130:2565,1984;Parkら,Biotechnol.Bioeng.38:423,1991)またはMM−W1培地中にて30℃で培養した。上部空間の組成を、メタン:空気の体積比を1:1に調整した。ボトルを200〜250rpmの速度で振盪した。あるいは、培養物を、1:1(v/v)メタン:空気ガス混合物を含む気密チャンバー中またはメタノール蒸気の存在下(パラフィルム密封プレートの蓋内の0.5mLメタノールによる)で成長させた1.5%w/v寒天を含むNSM−培地プレート上または0.5%メタノールを補足したNSM−培地プレート上に維持した。プレートを逆さにして30℃の加湿チャンバー中でインキュベートした。

0158

使用したNSM培地の組成は以下であった:1.0gのMgSO4・7H2O、0.20gのCaCl2・6H2O、2.0mlのキレート鉄溶液(0.1gのクエン酸鉄(III)アンモニウム、または0.5gの塩化鉄(III);0.2gのEDTAナトリウム塩;0.3mlの濃HCl;100.0mlの蒸留脱イオンH2O)、1.0gのKNO3、0.5mlの微量元素溶液(500.0mgのEDTA、200.0mgのFeSO4・7H2O、10.0mgのZnSO4・7H2O、3.0mgのMnCl2・4H2O、30.0mgのH3BO3、20.0mgのCoCl2・6H2O、1.0mgのCaCl2・2H2O、2.0mgのNiCl2・6H2O、3.0mgのNa2MoO4・2H2O、1.0Lの蒸留水)、0.272gのKH2PO4、0.717gのNa2HPO4・12H2O、必要に応じて12.5gの精製寒天(例えば、Oxoid L28またはBacto(商標)寒天;プレート作製時に使用)、1.0Lの蒸留脱イオン水(pHを6.8に調整し、121℃で15分間オートクレーブする)。

0159

発酵について、1Lの滅菌限定培地MM−W1を含む2リットルのバイオリアクターに、メタンおよび空気の1:1(v/v)混合物を供給したMM−W1で成長させた血清ボトルバッチ培養物(10〜20%v/v)由来の細胞を接種した。使用したMM−W1の培地組成は以下であった:0.8mMのMgSO4・7H2O、10mMのNaNO3、0.14mMのCaCl2、1.2mMのNaHCO3、2.35mMのKH2PO4、3.4mMのK2HPO4、20.7μMのNa2MoO4・2H2O、1μMのCuSO4・5H2O、10μMのFeIII−Na−EDTA、および1mL/リットルの微量金属溶液(1リットルあたり500mgのFeSO4・7H2O、400mgのZnSO4・7H2O、20mgのMnCl2・7H2O、50mgのCoCl2・6H2O、10mgのNiCl2・6H2O、15mgのH3BO3、250mgのEDTAを含む)。培地をオートクレーブし、冷却した後に、リン酸塩重炭酸塩、およびFeIII−Na−EDTAを添加した。一定の発酵において、重炭酸塩を0.1%(w/v)まで添加した。反応器の内容物を、オーバーヘッドインペラーを使用して750rpmの一定速度で撹拌した。培養物に約60mL/分〜約120mL/分でスパージする一定量のメタンを供給し、その一方で、約40%〜約80%の溶存酸素レベル(培地の空気飽和と比較して)を維持するために約10〜100mL/分の可変速度濃縮酸素(少なくとも85%)を供給した。

0160

バイオリアクター内の温度を30℃に維持し、約4時間毎〜約24時間毎に(およそ5OD単位のOD600増加に相当する)他の添加物と共に培養物への0.5MのNaOHおよび0.5MのHClの自動添加を使用してpHを7.1±0.1に維持した。他の添加を、金属添加(最終濃度が10μMのCuSO4、5μMのFeSO4、5μMのFeIII−Na−EDTA)と栄養素添加(5.75mMのKxHyPO4、10mMのNaNO3)との間で交互に行った。これらの条件下で、20超のOD600まで、約2.7〜約3.3グラム乾燥細胞重量/リットル/日の有効なバイオマス生成速度の本質的に線形の成長が認められた。培養バイオマス遠心分離によって収集し、MM−W1培地で1回洗浄し、回収したバイオマスを−80℃で冷凍するか、または細胞成分の分画(例えば、脂質抽出)のために直ちに使用した。

0161

バイオマス生産性を維持し、発酵のシャットダウンおよびスタートアップに関連する時間(すなわち、ターンアラウンドタイムまたはリードタイム)を短縮させるために、半連続発酵アプローチも適用することができる。

0162

培養密度が定常期に近づいた時(しかし、定常期に入る前)、細菌バイオマスの収集をおよそ12〜24時間間隔で行った。バイオリアクター体積の約半分を、遠心分離ポンプによって別個容器に移すことによって除去した。次いで、バイオリアクターの光学密度がその初期値のおよそ半分であるように、等体積の滅菌または再利用した培地を該リアクターに戻した。単一の発酵ラン中に複数サイクルの成長およびバイオマス回収を行うことができるように、バイオリアクター発酵を上記プロトコールにしたがって継続した。

0163

Methylococcus capsulatus Bath(NCIMB 11132)
細菌を、ヒギンス最少硝酸塩培地(NSM)またはMM−W1培地を含む血清ボトル中にて42℃で培養した。上部空間の組成を、メタン:空気の体積比を1:1に調整した。ボトルを200〜250rpmの速度で振盪した。あるいは、培養物を、1:1(v/v)メタン:空気ガス混合物を含む気密チャンバー中で成長させた1.5%w/v寒天で固化させたNSM−培地プレート上に維持した。プレートを逆さにして42℃のチャンバー中でインキュベートした。

0164

発酵について、1.25Lの滅菌培地MMF1.1を含む3リットルのバイオリアクターに、メタンおよび空気の1:1(v/v)混合物を補充した同一の培地中で成長させた血清ボトルバッチ培養物(10〜20%v/v)由来の細胞を接種した。培地MMF1.1の組成は以下であった:0.8mMのMgSO4・7H2O、40mMのNaNO3、0.14mMのCaCl2、6mMのNaHCO3、4.7mMのKH2PO4、6.8mMのK2HPO4、20.7μMのNa2MoO4・2H2O、6μMのCuSO4・5H2O、10μMのFeIII−Na−EDTA、および1mL/リットルの微量金属溶液(1リットルあたり500mgのFeSO4・7H2O、400mgのZnSO4・7H2O、20mgのMnCl2・7H2O、50mgのCoCl2・6H2O、10mgのNiCl2・6H2O、15mgのH3BO3、250mgのEDTAを含む)。培地をオートクレーブし、冷却した後に、リン酸塩、重炭酸塩、およびFeIII−Na−EDTAを添加した。反応器の内容物を、オーバーヘッドインペラーを使用して750rpmの一定速度で撹拌した。培養物に約60〜約200mL/分でスパージする一定量のメタンを供給し、その一方で、濃縮酸素(85%超)を15〜90mL/分の可変速度で供給し、溶存酸素レベル(培地の空気飽和と比較して)を10%未満に維持した。

0165

バイオリアクター内の温度を44℃に維持し、3〜6時間毎に(OD5到達後のおよそ3〜5OD単位のOD600の増加に相当する)銅および鉄(5μMのCuSO4、5μMのFeSO4、10μMのFeIII−Na−EDTA最終濃度)の培養物への添加と共に0.5MのNaOHおよび0.5MのHClの自動添加を使用してpHを7.0±0.1に維持した。これらの条件下で、10超のOD600まで、5グラム乾燥細胞重量/リットル/日超の有効なバイオマス生成速度で本質的に線形の成長が認められた。培養バイオマスを遠心分離によって収集し、細胞をMM−W1培地で1回洗浄し、細胞ペレットを−80℃で冷凍するか、または細胞成分の分画のために直ちに使用した。

0166

栄養の枯渇を、発酵中増殖収率を制限し得る問題と認識した。栄養素(主に窒素およびリン酸塩)の制限を回避するために、培養物のOD600が5を超えた後に2倍濃縮のMMF1.1から構成される栄養素の供給を開始した。培養体積を拡大しながら洗い流しを回避し、且つOD増加を維持するために、培養物の成長速度のおよそ半分に対応する希釈率栄養供給を開始した。単一の発酵ラン中に複数サイクルの成長およびバイオマス回収を行うことができるように、バイオリアクター発酵を上記プロトコールにしたがって継続した。

0167

Methylobacterium extorquensまたはMethylosinus trichosporium OB3b株(NCIMB 11131)
細菌を、0.5%メタノールを補充したヒギンス最少硝酸塩培地(NSM)を含むチューブ中にて30℃で培養する。チューブを200〜250rpmの速度で振盪する。あるいは、培養物を、メタノール蒸気の存在下(パラフィルム密封プレートの蓋内の0.5mLメタノールによる)で成長させた1.5%w/v寒天を含むか、または0.5%メタノールを補充したNSM−培地プレート上に維持する。プレートを逆さにして通常大気下にて30℃の加湿チャンバー中でインキュベートする。

0168

発酵について、1Lの限定培地MM−W1を含む2リットルのバイオリアクターに、培養チューブバッチ培養物由来の細胞(10〜20%v/v)を接種する。MM−W1の培地組成は上記の通りであった。反応器の内容物を、オーバーヘッドインペラーを使用して800rpmの一定速度で撹拌する。培養物に、最終濃度0.5%までの初期ボーラスのメタノールおよび可変量のメタノール供給材料を供給し、一方で、60〜90%の溶存酸素レベル(培地の空気飽和と比較して)を維持するために30〜100mL/分の可変速度で純酸素を供給した。

0169

バイオリアクター内の温度を30℃に維持し、上記の金属および栄養素の添加と共に0.5MのNaOHおよび1MのHClの自動添加を使用してpHを7.1±0.1に維持した。これらの条件下で、20超のOD600まで、2.7〜3.3グラム乾燥細胞重量/リットル/日の有効なバイオマス生成速度で本質的に線形の成長が認められた。培養バイオマスを遠心分離によって収集し、細胞をMM−W1培地で1回洗浄し、細胞ペレットを−80℃で冷凍するか、または胞成分の分画のために直ちに使用した。

0170

バイオマス生産性を維持し、発酵のシャットダウンおよびスタートアップに関連する時間(すなわち、ターンアラウンドタイムまたはリードタイム)を短縮させるために、半連続発酵アプローチも適用することができる。

0171

培養密度が定常期に近づいた時(しかし、定常期に入る前)、蓄積した細菌バイオマスの収集をおよそ12〜24時間間隔で行った。バイオリアクター体積の約半分を、遠心分離ポンプによって別個の容器に移すことによって除去した。次いで、バイオリアクターの光学密度がその初期値のおよそ半分であるように、等体積の新鮮なまたは再利用した培地を該リアクターに戻した。単一の発酵ラン中に複数サイクルの成長およびバイオマス回収が行われるように、バイオリアクター発酵を上記プロトコールにしたがって継続した。

0172

Clostridium autoethanogenumおよびClostridium ljungdahlii
Clostridium細菌を、ブチルゴム栓および200kPaの鉄鋼排ガスを有するプラスチックコーティングした500ml−Schott Duran(登録商標)GL45ボトル内の100mLの改変PETC培地(ATCC培地1754)中にて37℃で嫌気的に培養する。600nmでの光学密度(OD600)の測定によって成長をモニタリングする。

0173

改変PETC培地は、(1リットルあたり)1gのNH4Cl、0.4gのKCl、0.2gのMgSO4・7H2O、0.8gのNaCl、0.1gのKH2PO4、20mgのCaCl2・2H2O、10mlの微量元素溶液(以下を参照のこと)、10mlのウォルフビタミン溶液(以下を参照のこと)、2gのNaHCO3、および1mgのレサズリンを含む。pHを5.6に調整後、培地をボイルし、嫌気的に分注し、121℃で15分間オートクレーブする。鉄鋼所排ガス(組成:44%CO、32%N2、22%CO2、2%H2)または等価な合成混合物を炭素源として使用する。培地は最終pHが5.9であり、濃度0.008%(w/v)のシステイン−HClおよびNa2Sで還元する。

0174

微量元素溶液は、1リットルあたり2gのニトリロ三酢酸残存成分の添加前にKOHでpH6に調整済み)、1gのMnSO4、0.8gのFe(SO4)2(NH4)2・6H2O、0.2gのCoCl2・6H2O、0.2mgのZnSO4・7H2O、20mgのCuCl2・2H2O、20mgのNiCl2・6H2O、20mgのNa2MoO4・2H2O、20mgのNa2SeO4、および20mgのNa2WO4を含む。

0175

ウォルフスビタミン溶液(Wolinら、J.Biol.Chem.238:2882、1963)は、(1リットルあたり)2mgのビオチン、2mgの葉酸、10mgの塩酸ピリドキシン、5mgのチアミン−HCl、5mgのリボフラビン、5mgのニコチン酸、5mgのD−(+)−パントテン酸カルシウム、0.1mgのビタミンB12、5mgのp−アミノ安息香酸、および5mgのチオクト酸を含む。

0176

a.Clostridium autoethanogenumの発酵
Clostridium autoethanogenumの発酵を、例えば、米国特許出願公開第2011/0300593号に記載の方法に類似の方法を使用して行う。簡潔に述べれば、1.3Lの溶液A(3.083gのNH4Ac;0.61gのMgCl2・6H2O;0.294gのCaCl2・2H2O;0.15gのKCl;0.12gのNaCl(任意);これらを蒸留水で1Lにする)を含む2リットルのバイオリアクターに、N2ガスをスパージする。H3PO4の85%溶液(2.025mL、30mM)を添加し、濃NH4OH水溶液を使用してpHを5.3に調整する。次いで、13.5mLの溶液B(20.0mgのビオチン;20.0mgの葉酸;10.0mgのピリドキシンHCl;50.0mgのチアミン・HCl;50.0mgのリボフラビン;50.0mgのニコチン酸;50.0mgのD−(*)−パントテン酸カルシウム;50.0mgのビタミンB12;50.0mgのp−アミノ安息香酸;50.0mgのチオクト酸;これらを蒸留水で1Lにする)を添加し、溶液にN2ガスをスパージする。溶液の酸化還元電位(ORP)がおよそ−200mVに低下するまで塩化クロム(II)を添加し、ここで、レサズリン(1.35mLの2g/L溶液)を添加する。多硫化ナトリウム(5.4mLの3M溶液、以下を参照のこと)を添加し、溶液にN2をスパージし、次いでCO含有ガス(1%H2;13%N2;71%CO;15%CO2)をスパージする。金属硫化物溶液(150mL、以下を参照のこと)を添加し、およそ5%(v/v)のレベルの活発に成長しているC.autoethanogenum培養物の接種前にこの溶液をさらに30分間スパージする。

0177

多硫化ナトリウム溶液を、Na2S(93.7g、0.39mol)および200mlのH2Oを充填した500mlフラスコ中に調製する。塩が溶解するまで溶液を撹拌し、硫黄(25g、0.1mol)を一定のN2流下で添加する。室温で2時間の撹拌後、多硫化ナトリウム溶液(Naに関して約4Mおよび硫黄に関して約5M)(現時点で透明な赤褐色の液体)をN2パージした血清ボトルに移し、アルミニウム箔包む

0178

クロム(II)溶液を、不活性ガス下で作業し、その後に所望の生成物を適切な貯蔵フラスコに移すための気密性の入口および出口を取り付けた1L三つ口フラスコ中で調製する。フラスコに、CrCl3・6H2O(40g、0.15mol)、亜鉛顆粒[20メッシュ](18.3g、0.28mol)、水銀(13.55g、1mL、0.0676mol)、および500mLの蒸留水を充填する。N2で1時間のフラッシング後、混合物を約80℃に加温して反応を開始させる。一定のN2流下で2時間の撹拌後、混合物を室温に冷却し、さらに48時間連続的に撹拌する(この時間までに反応混合物濃青色溶液に変化する)。溶液をN2パージした血清ボトルに移し、さらなる使用のために4℃で保存する。

0179

金属硫化物溶液を、約950mLの溶液Aを1L発酵槽に添加し、N2ガスをスパージすることによって調製する。85%H3PO4溶液(1.5mL、30mM)を添加し、濃NH4OH水溶液を使用してpHを5.3に調整する。溶液B(10mL)を添加し、溶液にN2をスパージする。溶液の酸化還元電位(ORP)がおよそ−200mVに低下するまで塩化クロム(II)を添加し、ここで、レサズリン(1mLの2g/L溶液)を添加する。溶液C(1/10;10mlのFeCl3;5mlのCoCl2;5mlのNiCl2;1mlのH3BO3;1mlのNa2MoO4;1mlのMnCl2;1mlのNa2WO4;1mlのZnCl2;1mlのNa2SeO3;1Lの培地中)を添加し、次いで、多硫化ナトリウム(2mLの3M溶液)を添加し、次いで、この溶液にN2ガスをスパージする。

0180

ポリスルフィドの存在下でのバッチ条件下におけるC.autoethanogenumによるCOを含む基質の発酵により、蓄積速度が実質的に増加し、2〜3日間の期間にわたっておよそ4g/Lのバイオマスが最終的に蓄積される。例えば、約1日間の短期の誘導期後、バイオマスは、およそ36時間の発酵にわたって約0.5g/Lから少なくとも3.5g/Lまで増加し得る。さらに、酢酸塩はポリスルフィドの存在下で成長期中に生成されず(バッチ発酵で典型的に見出されるように)、一定の環境下でいくつかの酢酸塩が消費される。したがって、発酵槽内の酢酸塩の正味の量が減少する。培養バイオマスを遠心分離によって収集し、細胞を培地中で1回洗浄し、細胞ペレットを−80℃で凍結するか、または細胞成分の分画のために直ちに使用した。

0181

バイオマス生産性を維持し、発酵のシャットダウンおよびスタートアップに関連する時間(すなわち、ターンアラウンドタイムまたはリードタイム)を短縮させるために、半連続発酵アプローチも適用することができる。

0182

培養密度が定常期に近づいた時(しかし、定常期に入る前)、蓄積した細菌バイオマスの収集をおよそ12〜24時間間隔で行った。バイオリアクター体積の約半分を、遠心分離ポンプによって別個の容器に移すことによって除去した。次いで、バイオリアクターの光学密度がその初期値のおよそ半分であるように、等体積の新鮮なまたは再利用した培地を該リアクターに戻した。単一の発酵ラン中に複数サイクルの成長およびバイオマス回収が行われるように、バイオリアクター発酵を上記プロトコールにしたがって継続した。

0183

b.Clostridium ljungdahliiの発酵
Clostridium ljungdahliiの発酵を、例えば、米国特許第5,173,429号および同第5,593,886号に記載の方法に類似の方法を使用して行う。簡潔に述べれば、バッチ発酵を、C.ljungdahliiの生物学的に純粋な培養物を使用して行う。培地((1)KH2PO4 3.00g/L、K2HPO4 3.00g/L、(NH4)2SO4 6.00g/L、NaCl 6.00g/L、MgSO4・2H2O 1.25g/Lを含む80.0mLの塩;(2)1.0gの酵母エキス;(3)1.0gのトリプチケース;(4)FeCl2・4H2O 1500mg、ZnSO4・7H2O 100mg、MnCl2・4H2O 30mg、H3BO3 300mg、CoCl2・6H2O 200mg、CuCl2・H2O 10mg、NiCl2・6H2O 20mg、NaMoO4・2H2O 30mg、Na2SeO3 10mgを含み、蒸留水で1Lにした3.0mlのPFN(Pfenning)微量金属溶液;(5)塩酸ピリドキサール10mg、リボフラビン50mg、塩酸チアミン50mg、ニコチン酸(Nictotinic acid)50mg、Ca−D−パントテイナート50mg、リポ酸60mg、p−アミノ安息香酸50mg、葉酸20mg、ビオチン20mg、シアノコバラミン50mgを含み、蒸留水で1Lにした10.0mlのビタミンB群;(6)0.5gのシステインHCl;(7)0.06gのCaCl2・2H2O;(8)2.0gのNaHCO3;(9)1.0mLのレサズリン(0.01%);および(10)920.0mLの蒸留水)の調製を、80%窒素および20%CO2の雰囲気下で嫌気的に行う。発酵中の培地のpHを制御し、HClで5.0に維持する。必要な場合、滅菌10%NaOH溶液または1.0%酢酸溶液を使用してpHを調整する。培地を157.5mL血清ボトルに移し、ブチルゴム栓およびアルミニウムシール密封する。次いで、ボトルを121℃で20分間オートクレーブする。

0184

実験開始のおよそ48時間前に、種培養物を、上記と類似のボトル中でC.ljungdahliiの保存培養物から調製する。種培養物を振盪恒温器中にて37℃で成長させ、100rpmで振盪した。還元溶液(2.0mlのNa2S(2.5%溶液)および2.0mlのシステイン−HCl(3.5%溶液))を培養物に添加し、これを振盪恒温器中に約15分間入れて完全に酸素を除去し、温度馴化させる。生物の生物学的に純粋な培養物の単離に使用される手順と異なり、メタンインヒビターの添加はバッチ発酵で必要ない。

0185

C.ljungdahliiを使用した発酵を、栄養培地を含むNew Brunswick Scientific Bioflow IIc 2.5リットル発酵槽中にて37℃で行い、1.5リットルの流体レベルを一定に維持する一方で、およそ500cm3/分の速度でガスを導入しながら流体を最大1,000回転/分までの可変速度で撹拌する。最適なガス保持時間は、3分間の範囲である。ガス供給は、細菌によるその取り込みによって異なり、これは細胞密度の関数でもある。

0186

培養密度が静止期に近づいた時(しかし、静止期に入る前)、蓄積した細菌バイオマスの収集をおよそ12〜24時間間隔で行った。バイオリアクター体積の約半分を、遠心分離ポンプによって別個の容器に移すことによって除去した。次いで、バイオリアクターの光学密度がその初期値のおよそ半分であるように、等体積の新鮮なまたは再利用した培地を該リアクターに戻した。単一の発酵ラン中に複数サイクルの成長およびバイオマス回収が行われるように、バイオリアクター発酵を上記プロトコールにしたがって継続した。

0187

実施例2
C1代謝微生物由来の脂質中の安定炭素同位体分布
M.trichosporiumのバイオマスおよび脂質画分の乾燥サンプルを、IsoPrime100 IRMS(Isoprime,Cheadle,UK)を取り付けたCHNOS元素分析器(vario ISOTOPE cube,Elementar,Hanau,Germany)を使用した元素分析器/連続フロー同位体比質量分析によって、炭素および窒素含有量(%乾燥重量)、ならびに炭素(13C)および窒素(15N)安定同位体比について分析した。発酵槽または血清ボトルで培養したメタン資化性バイオマスのサンプルを遠心分離し、脱イオン水に再懸濁し、0.2〜2mgの炭素(約0.5〜5mg乾燥細胞重量)に対応する体積を5×9mmスズカプセル(Costech Analytical Technologies,Inc.,Valencia,CA)に移し、80℃で24時間乾燥させた。同様に、事前に抽出した脂質画分をクロロホルムに懸濁し、0.1〜1.5mgの炭素を含む体積をスズカプセルに移し、80℃で24時間蒸発乾固させた。0.1mgの炭素を含む標準によって信頼性の有るδ13C値を得た。

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