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技術 車載用オーディオ装置

出願人 ヤマハ株式会社
発明者 本地由和平野克也
出願日 2018年12月20日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-238592
公開日 2020年7月2日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-102702
状態 未査定
技術分野 ステレオ配置 可聴帯域変換器の回路等
主要キーワード 倍振動 コンパクトディスクプレイヤー 座席レイアウト スピーカー配置 基本振動 リアライト 車室上方 低域再生能力
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

ある特定の周波数付近音域について不自然定位感になるのを抑える。

解決手段

車室内において進行方向に対し前部に設けられたスピーカー12FL、12FRと、車室内であってスピーカー12FL、FRより下方に設けられたウーハー14と、入力信号に対し、カットオフ周波数fcを有するHPF210でフィルタリングした信号を、スピーカー12FL、12FRに向けてそれぞれ出力し、入力信号に対し、カットオフ周波数fcを有するLPF220でフィルタリングした信号を、ウーハー14に向けてそれぞれ出力する処理部200と、を含む。

概要

背景

車室内音源再生するオーディオ装置には、座席リスナーに適切な音を聴取させる必要がある。このため、例えばメインスピーカーを各座席に対応して設けるとともに、ウーハーを複数の座席で共用される位置に設ける技術が知られている(例えば特許文献1参照)。

概要

ある特定の周波数付近音域について不自然定位感になるのを抑える。車室内において進行方向に対し前部に設けられたスピーカー12FL、12FRと、車室内であってスピーカー12FL、FRより下方に設けられたウーハー14と、入力信号に対し、カットオフ周波数fcを有するHPF210でフィルタリングした信号を、スピーカー12FL、12FRに向けてそれぞれ出力し、入力信号に対し、カットオフ周波数fcを有するLPF220でフィルタリングした信号を、ウーハー14に向けてそれぞれ出力する処理部200と、を含む。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車室内において進行方向に対し前部に設けられた2つの第1スピーカーと、前記車室内であって前記第1スピーカーより下方に設けられた少なくとも1つの第2スピーカーと、入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するハイパスフィルターフィルタリングした信号を、前記複数の第1スピーカーに向けてそれぞれ出力し、前記入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第2スピーカーに向けてそれぞれ出力する処理部と、を含む車載用オーディオ装置

請求項2

車室内において進行方向に対し中部から後部までの範囲に設けられた2つの第1スピーカーと、前記車室内であって前記第1スピーカーより下方に設けられた少なくとも1つの第2スピーカーと、入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するハイパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第1スピーカーに向けてそれぞれ出力し、前記入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第2スピーカーに向けてそれぞれ出力する処理部と、を含む車載用オーディオ装置。

請求項3

前記第2スピーカーは、平面視でアクセルペダルから後部座席までの範囲に設けられる請求項1または2に記載の車載用オーディオ装置。

請求項4

前記第2スピーカーは、前記後部座席に設けられる請求項3に記載の車載用オーディオ装置。

請求項5

前記第2スピーカーは、センターピラーに設けられる請求項3に記載の車載用オーディオ装置。

請求項6

前記カットオフ周波数は、80Hz以上250Hz未満である請求項1または2に記載の車載用オーディオ装置。

技術分野

0001

本発明は、例えば車載用オーディオ装置に関する。

背景技術

0002

車室内音源再生するオーディオ装置には、座席リスナーに適切な音を聴取させる必要がある。このため、例えばメインスピーカーを各座席に対応して設けるとともに、ウーハーを複数の座席で共用される位置に設ける技術が知られている(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2012−10094号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記技術では、条件によってステレオ定位感が損なわれる、という問題が指摘された。

課題を解決するための手段

0005

本発明の一態様に係る車載用オーディオ装置は、車室内において進行方向に対し前部に設けられた2つの第1スピーカーと、前記車室内であって前記第1スピーカーより下方に設けられた少なくとも1つの第2スピーカーと、入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するハイパスフィルターフィルタリングした信号を、前記複数の第1スピーカーに向けてそれぞれ出力し、前記入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第2スピーカーに向けてそれぞれ出力する処理部と、を含む。

0006

本発明の一態様に係る車載用オーディオ装置は、車室内において進行方向に対し中部から後部までの範囲に設けられた2つの第1スピーカーと、前記車室内であって前記第1スピーカーより下方に設けられた少なくとも1つの第2スピーカーと、入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するハイパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第1スピーカーに向けてそれぞれ出力し、前記入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第2スピーカーに向けてそれぞれ出力する処理部と、を含む。

図面の簡単な説明

0007

第1実施形態に係るオーディオ装置の構成を示すブロック図である。
オーディオ装置におけるHPFおよびLPF周波数特性を示す図である。
オーディオ装置におけるスピーカーの配置を示す平面図である。
オーディオ装置における再生周波数の特性を示す図である。
オーディオ装置におけるウーハーの配置の別例を示す図である。
オーディオ装置におけるウーハーの配置の別例を示す図である。
第2実施形態に係るオーディオ装置の構成を示すブロック図である。
オーディオ装置におけるスピーカーの配置を示す平面図である。
第3実施形態に係るオーディオ装置の構成を示すブロック図である。
オーディオ装置におけるスピーカーの配置を示す平面図である。
スピーカーの好ましい設置例を示す図である。
スピーカーの好ましい設置例を示す図である。

実施例

0008

本発明の実施形態に係るオーディオ装置について図面を参照して説明する。
実施形態に係るオーディオ装置は、乗用車などの車両に搭載される。このオーディオ装置には、複数の実施形態が想定されるので、まず、第1実施形態に係るオーディオ装置について説明する。

0009

<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るオーディオ装置10aの電気的な構成を示すブロック図である。この図に示されるように、オーディオ装置10aは、ヘッドユニット100、スピーカー12FL、12FR、12RL、12RR、ウーハー14Lおよび14Rを含む。このうち、ヘッドユニット100は、信号取得部110、音量調節部120および処理部200、増幅部AMP)130を含む。

0010

信号取得部110は、図示省略された音源からの信号、すなわちオーディオ装置10aによって出力すべき音を示す入力信号を取得する。音源の例としては、コンパクトディスクプレイヤーや、デジタルオーディオプレイヤースマートフォンなどが挙げられる。なお、入力信号はステレオ信号であり、左チャネル用のL信号と、右チャネル用のR信号とを含む。また、信号取得部110は、無線または有線のいずれによって入力信号を取得しても良いし、デジタルまたはアナログで取得しても良い。アナログの入力信号を取得する場合には、後段信号処理のために、図示省略された変換器によりデジタルに変換される。

0011

音量調節部120は、図示省略されたスライダーや、つまみ、スイッチなどによって、出力される音量を調整するものであり、具体的には、入力信号の振幅を調整する。

0012

処理部200は、例えばDSP(Digital Signal Processor)であり、HPF(High Pass Filter)210、LPF(Low Pass Filter)220、遅延器212F、212R、222、イコライザー214F、214R、224、エフェクター216F、216Rおよび226を含む。
なお、処理部200は、DSPではなく、マイクロコンピューターによって実現しても良い。すなわち、処理部200の一部または全部の処理については、DSPやマイクロコンピューターなどで区分することなく、実現することが可能である。

0013

図2は、HPF210およびLPF220の周波数特性を示す図である。この図に示されるように、HPF210は、音量調整された入力信号のうち、カットオフ周波数fc未満の成分を減衰させ、LPF220は、音量調整された入力信号のうち、カットオフ周波数fc以上の成分を減衰させる。このため、HPF210の周波数特性とLPF220の周波数特性とは、カットオフ周波数fcにおいてクロスオーバーしている。ここで、本実施形態では、カットオフ周波数fcを200Hzとするが、その理由については後述する。

0014

なお、HPF210およびLPF220の各々は、音量調整された入力信号のL信号およびR信号のそれぞれについてフィルター処理を実行する。また、HPF210からのL信号およびR信号は、それぞれフロント用の信号と、リア用の信号とに分岐されて出力される。

0015

説明を再び図1に戻すと、遅延器212Fは、HPF210から分岐したフロント用の信号を遅延させ、イコライザー214Fは、遅延器212Fで遅延された信号の周波数特性を調整する。同様に、遅延器212Rは、HPF210から分岐したリア用の信号を遅延させ、イコライザー214Rは、遅延器212Rで遅延された信号の周波数特性を調整する。遅延器222は、LPF220の出力用の信号を遅延させ、イコライザー224は、遅延器222で遅延された信号の周波数特性を調整する。
なお、遅延器212F、212Rおよび222における遅延量や、イコライザー214F、214Rおよび224における周波数特性については、音像定位音質を適切に調整することができるように、ユーザーによって設定可能となっている。

0016

エフェクター216Fは、イコライザー214Fから出力される信号に、ユーザー等によって選択されたリバーブエコーなどの効果を付与する。同様に、エフェクター216Rは、イコライザー214Rから出力される信号に効果を付与し、エフェクター226は、イコライザー224から出力される信号に効果を付与する。

0017

増幅部130は、本実施形態では、エフェクター216F、216Rおよび226の出力信号、具体的には、フロントレフト(FL)、フロントライト(FR)、リアレフト(RL)、リアライト(RR)、低域レフトおよび低域ライトの6チャネルの信号の各々を、それぞれ増幅する。

0018

スピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRの各々は、低域から高域までの音域を再生する、いわゆるフルレンジ型のスピーカーであり、第1スピーカーの例である。ウーハー14Lおよび14Rの各々は、低音域を再生するスピーカーであり、第2スピーカーの例である。

0019

図3は、スピーカーの配置を示す平面図であり、オーディオ装置10aが搭載される車両1aを平面視して示す図である。
ここで、車両1aは、例えば右ハンドルであって、4ドアーの4(または5)人乗りセダンである。詳細には、車両1aには、前部にドアー71および72、後部にドアー73および74を有し、前部に運転席51および助手席52が設けられ、後部に座席53および54が設けられている。なお、車両1aにおいて、運転席51の前部にはステアリング22、アクセルペダル24およびブレーキペダル26が設けられている。

0020

スピーカー12FLおよび12FRは、車両前側に設けられ、スピーカー12RLおよび12RRの車両後側に設けられる。詳細には、スピーカー12FLおよび12FRは、例えばダッシュボード32に設けられ、このうち、スピーカー12FLは、進行方向に向かって左側に、スピーカー12FRは、同方向に向かって右側に、例えばそれぞれ放音方向が車室中心に向かうように、設けられている。また、スピーカー12RLおよび12RRは、例えばトランクルーム34の上部に設けられ、このうち、スピーカー12RLは、進行方向に向かって左側に、スピーカー12RRは、同方向に向かって右側に、例えばそれぞれ放音方向が車室中心に向かうように設けられている。なお、前部のスピーカー12FLおよび12FRと、後部のスピーカー12RLおよび12RRとは、ほぼ同じ高さに設けられる。

0021

ウーハー14Lは、放音方向が車室中心に向かうように、例えば車両1aにおいて進行方向に向かって左側であって、車室の前後方向の中心付近に設けられている。具体的には、ウーハー14Lは、前部右側のドアー72の後部、後部右側のドアー74の前部、または、センターピラー36Lに設けられる。なお、図3では、ウーハー14Lが、センターピラー36Lに設けられた例を示している。
同様に、ウーハー14Rは、放音方向が車室中心に向かうように、例えば車両1aにおいて進行方向に向かって右側であって、車室の前後方向の中心付近に設けられている。具体的には、ウーハー14Rは、前部左側のドアー71の後部、後部左側のドアー73の前部、または、センターピラー36Rに設けられる。なお、図3では、ウーハー14Rが、センターピラー36Rに設けられた例を示している。
このように、ウーハー14Lおよび14Rは、スピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRよりも低い位置に設けられる。

0022

なお、ヘッドユニット100は、図3では省略されているが、例えばインストルメントパネルの中央部に設けられ、ワイヤーハーネスを介して、スピーカー12FL、12FR、12RL、12RR、ウーハー14Lおよび14Rにそれぞれ接続される。

0023

このような構成において、スピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRからは、入力信号のうち、カットオフ周波数fc以上の信号が音に変換されて出力され、ウーハー14Lおよび14Rからは、入力信号のうち、カットオフ周波数fc未満の信号が音に変換されて出力される。

0024

<カットオフ周波数>
ここで、本実施形態において、HPF210およびLPF220のカットオフ周波数fcの意義について説明する。
便宜的に、ウーハー14Lおよび14Rを有さず、入力信号のうち、低域がHPF210によってカットされないで、スピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRの各々に供給される構成、すなわち、入力信号をフルレンジ型のスピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRで出力する構成を想定する。なお、当該構成では、遅延、イコライング、エフェクト等の設定については考慮しないものとする。

0025

まず、左側のスピーカー12FL、12RLから発せられる音について着目する。左側のスピーカー12FL、12RLから発せられた音は、車室内右側に向かって出力され、車室の右端(主に右側のドアー71、73)で反射する。
このため、車室内では、スピーカー12FL、12RLからの出力音反射音とが合成されるので、ある周波数の音について、車室の左端および右端を「節」とする定在波定常波)が発生する傾向にある。
ここで、車両1aの車幅が平均的な1.7mであって、音速が340m/sである場合、車室内における定在波の周波数は、2倍振動(1波長)であれば、200Hzになる。なお、実際には、200〜250Hz程度の周波数帯域で定在波が発生することになる。

0026

一般に、オーディオ装置においては、理想的には、全ての周波数帯域が正面方向の高い位置から再生されるようにスピーカーが配置されることが望ましい。しかしながら、現実的には、このような配置は、スペースの限られた車室内では困難である。その理由については、次の通りである。
再生周波数帯域が、200〜250Hz程度以下の低域を担うスピーカーは、ある程度の口径および容積が必要であるので、車室内で自由にレイアウトすることが難しい。このため、上記のようなスピーカーは、容積を確保しやすいドアー内部に設けられることが多い。
上述したように、一般的な車室内では、定在波の支配的な周波数帯域の上端は200?250Hz程度であり、この周波数帯域では、スピーカー配置の工夫や各種の信号処理を駆使しても、特に定位の制御が困難である。
定在波の支配的な周波数帯域を含む広い周波数帯域を再生するスピーカーは、定在波の支配的な周波数以外でも、音源に含まれる一つまとまった楽器としての定位の制御などが非常に困難である。例えば、バスドラムベースのような低音楽器でも、その音色を構成する成分としては、高い周波数成分までを有しており、周波数により音像定位が乱れることは、一つの楽器としての定位のまとまりが悪くなることを意味する。
一方、再生周波数帯域の下端が200?250Hz程度であれば、スピーカーの小型化が可能となるので、レイアウトの自由度も高くなる結果、理想的な場所への配置が比較的容易である。
また、低音楽器などにおいても、概ね200Hz以上の周波数帯域が再生されている場所に、それよりも低い周波数も含めた音の全体がまとまって定位するという、聴覚上の特性がある。

0027

これらの理由により、容積が必要であって、音像定位への影響が少なく、かつ、概ね200Hz未満の低音域を再生するウーハー14R、14Lを車両1aの下方に配置する一方、音像定位を定め、かつ、概ね200Hz以上の音域を再生するスピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRを、ウーハー14L、14Rよりも上方であって、理想的な位置に配置することにより、定位感が不自然とならないようにすることが可能となる。

0028

本実施形態では、具体的な処理として、まず入力信号のうち、200Hz未満の周波数域をHPF210によってカットして、スピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRの各々に供給する構成とした。この構成によって、小型化されたスピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRを理想的な位置に配置することが容易となるので、着座位置によって定位感が不自然とならないようにすることが可能となる。
ただし、このままでは、スピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRの各々は、低域再生能力がないに等しい。そこで次に、本実施形態では、当該200Hz未満の周波数域を、LPF220によって通過させて、ウーハー14Lおよび14Rによって再生する構成としている。
したがって、本実施形態によれば、低域再生能力を確保した上で、不自然な定位感となってしまう、という不都合を解消することが可能となる。

0029

本実施形態の再生特性について図4を参照して説明する。この図の破線(1)で示されるように、ウーハーが存在せず、フルレンジ型のスピーカーのみの構成であると、低域側の周波数域における音圧不足する。一方、二点鎖線(2)で示されるように、フルレンジ型のスピーカーが存在せず、ウーハーのみの構成であると、中高域側の音圧が不足する。
これに対して、本実施形態では、実線(3)で示されるように、中高域を、フルレンジ型のスピーカー(12FL、12FR、12RLおよび12RR)が再生し、低域を、ウーハー(14L、14R)が再生するので、低域側が不足することもない。
なお、図4では横軸の周波数が対数目盛で示されている。

0030

また、本実施形態によれば、定位感が不自然となる現象が抑えられるので、車両1aの座席レイアウトが変更したときでも、安定した定位感が得られることになる。この例については後述する。

0031

上述したように一般にウーハーは、低域再生能力を持たせるために口径および容積が大きくなるが、車室内に設置スペースを確保しやすい下方に配置しても、低域の音の指向性が低いので、定位感が損なわれることはない。

0032

<カットオフ周波数の範囲>
車室内で発生する定在波は、車室の幅(進行方向に対して垂直方向の長さ)に依存する。車室の幅が仮に、1.98m〜1.45mの範囲であれば、具体的には、最大のセダンから、軽自動車までの車室の幅であれば、定在波の周波数(2倍振動)は、172Hz〜234Hzの範囲にわたる。
なお、定在波の周波数は、基本振動半波長)であれば、半分の86Hz〜117Hzの範囲にわたる。また、音速は、気圧や、温度、湿度等によっても変化し、定在波の発生方向も、車幅方向に限られず、様々である。このため、定在波の周波数範囲は、上記範囲よりも拡がりを持つ。
このため、これらの諸事情を考慮すると、カットオフ周波数fcは、80Hz以上250Hz未満の範囲で設定されることが好ましい。

0033

<フルレンジ型のスピーカーの他の設置場所
フルレンジ型のスピーカー12FLおよび12FRについては、ダッシュボード32以外の地点に設けても良い。例えばスピーカー12FLをAピラー37Lに、スピーカー12FRをAピラー37Rに、それぞれ設けても良い。

0034

同様に、スピーカー12RLおよび12RRについては、トランクルーム34以外の地点に設けても良い。例えば、図5に示されるように、スピーカー12RLをセンターピラー36Lに、好ましくはセンターピラー36Lの上方に、スピーカー12RRをセンターピラー36Rに、好ましくはセンターピラー36Rの上方に、放音方向が後部の座席53、54に向かうようにそれぞれ設けても良い。
また、スピーカー12RL、12RRについては、センターピラー36L、36Rではなく、ドアー74、73の窓枠の上部、あるいはドアー74、73付近天井に設けても良い。

0035

<ウーハーの他の設置場所>
ウーハー14L(14R)についてはセンターピラー36L(36R)以外の地点に設けても良い。例えば、ウーハー14L(14R)についてはセンターピラー36L(36R)近くの床面に設けても良い。

0036

また例えば、図5に示されるように、ウーハー14Lについては後部左側のドアー74に、ウーハー14Rについては後部右側のドアー73に、それぞれ設けても良い。特に図示しないが、ウーハー14Lについては前部左側のドアー72に、ウーハー14Rについては前部右側のドアー71に、それぞれ設けても良い。

0037

また、図6に示されるように、ウーハー14Lについては後部左側の座席54に、放音方向が例えば車室上方に向かうように設けても良い。同様に、ウーハー14Rについては後部左側の座席53に、放音方向が例えば車室上方に向かうように設けても良い。

0038

最小構成
低域再生能力を確保した上で、着座位置によって特定の周波数付近の音域の定位感が不自然とならないようにする、という観点からいえば、フルレンジ型のスピーカーは、前部に2個、後部2個の計4個ではなく、いずれかに2個あれば良いと考えられる。また、フルレンジ型のスピーカーの放音方向についても車室中心に向かう方向である必要はなく、着座するリスナーに向かえば十分と考えられる。
ウーハーについても、低域側の指向性が低いので、1個で十分であるとも考えられる。
そこで次に、フルレンジ型のスピーカーを2個、ウーハーを1個とした第2および第3実施形態について説明する。

0039

<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係るオーディオ装置10bの電気的な構成を示すブロック図である。この図に示されるオーディオ装置10bが図1に示されるオーディオ装置10aと比較して相違する点は、次の通りである。すなわち、オーディオ装置10bは、オーディオ装置10aと比較して、第1に、リア用の信号を処理する系統を有しない点、第2に、加算器230を有する点、および、第3に、ウーハーへの信号を処理する系統が1チャネルである点で相違する。

0040

加算器230は、音量調節部120によって音量調整された入力信号のL信号およびR信号を加算して出力する。このため、LPF220、遅延器222、イコライザー224およびエフェクター226は、1チャネル分の処理で済む。

0041

図8は、第2実施形態におけるスピーカーの配置を示す平面図であり、図3と同様に、車両1bを平面視して示す図である。この図に示されるように、スピーカー12FLおよび12FRは設けられるが、スピーカー12RLおよび12RRは設けられない。また、ウーハー14は、例えば運転席51および助手席52の間の床面に、放音方向が例えば車室上方に向かうように、設けられている。
なお、上述したようにウーハー14によって再生される低域の指向性は低いので、ウーハー14は、必ずしも車室のセンターではなく、左側または右側に寄って設けられても良いし、後部の座席53、54の付近に設けられても良いし、また、床面ではなく、座面に設けられても良いし、センターピラー36Rまたは36Lに設けられても良い。

0042

第2実施形態によれば、低域再生能力を確保した上で、着座位置によって特定の周波数付近の音域の定位感が不自然とならないようにすることができる、という第1実施形態と同様な効果を、より少ないスピーカーによって奏することが可能となる。このため、第2実施形態は、第1実施形態と比較して低コスト化および低重量化という面において有利となる。

0043

<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係るオーディオ装置10cの電気的な構成を示すブロック図である。この図に示されるオーディオ装置10cが図1に示されるオーディオ装置10aと比較して相違する点は、次の通りである。すなわち、オーディオ装置10cは、オーディオ装置10aと比較して、第1に、フロント用の信号を処理する系統を有しない点、第2に、加算器230を有する点、および、第3に、ウーハーへの信号を処理する系統が1チャネルである点で相違する。

0044

図10は、第3実施形態におけるスピーカーの配置を示す平面図であり、図3と同様に、車両1cを平面視して示す図である。この図に示されるように、スピーカー12RLおよび12RRは設けられるが、スピーカー12FLおよび12FRは設けられない。
第3実施形態において、スピーカー12RLおよび12RRは、第1実施形態における図3の位置、または、図5の位置に設けられる。なお、図10においては、あたかも図3の位置および図5の位置の両方に設けられているかのように示されているが、これは説明便宜のためであり、実際にはどちらか一方の位置に設けられれば十分である。
このように、スピーカー12RLおよび12RRについては、車両の前後方向でみたときに、車室内における中部から、具体的には、センターピラー36L、36Rから、トランクルーム14を含む後部までの範囲に設けられる。
また、ウーハー14は、例えば第2実施形態と同様に設けられる。

0045

第3実施形態によれば、第1実施形態と同様な効果を、第2実施形態と同様に、より少ないスピーカーによって奏することが可能となる。このため、第3実施形態においても、第1実施形態と比較して低コスト化および低重量化という面において有利となる。

0046

<その他>
近年では、いわゆる三列シートの車両が登場している。そこで、このような車両におけるスピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRの好ましい設置例について説明する。

0047

図11は、三列シートの車両1dにおいてスピーカー12FL、12FR、12RLおよび12RRの設置される例を示す図である。この図に示される車両1dは、前部の座席51、52および後部の座席53、54に加えて中部の座席55、56を有する。この中部の座席55、56は、図11では進行方向を向いているが、転換可能である。転換すれば、中部の座席55、56は、図12に示されるように後方方向を向く。

0048

図11および図12に示されるように、スピーカー12FL、12FRについては、図5等に示された第1実施形態と同様な位置について設けられる。スピーカー12RLは、進行方向に向かって左側に、スピーカー12RRは、同方向に向かって右側に、例えば放音方向が、座席56、55の向きにかかわらず、当該座席56、55のリスナーに向かうように、それぞれ設けられている。また、スピーカー12RLとスピーカー12RRは、天井またはドアの窓枠の上部など、リスナーの位置より上方に設置することが好ましい。
なお、図11および図12では、ウーハー14(14L、14R)が示されていないが、車両の前後方向でみたときに、アクセルペダル24が設けられる地点から後部の座席53、54まで領域に設けられるのが好ましい。

0049

図11に示されるように、中部の座席55、56が進行方向を向く場合には、フロント側を主とし、リア側を従として、すなわち、フロント側をリア側よりも重きを置いた配分とし、図12に示されるように、中部の座席55、56が後方方向を向く場合には、フロント側を従とし、リア側を主として、すなわち、フロント側をリア側よりも重きを置いた配分に変更可能としても良い。
上述した実施形態等によれば、着座位置によって定位感が不自然とならないので、例えば中部の座席55、56が転換しても、当該座席のリスナーへの定位感を損なわれずに済む。

0050

<付記>
上述した実施形態等から、例えば以下のような態様が把握される。

0051

<態様1>
本発明の好適な態様1に係るオーディオ装置は、車室内において進行方向に対し前部に設けられた2つの第1スピーカーと、前記車室内であって前記第1スピーカーより下方に設けられた少なくとも1つの第2スピーカーと、入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するハイパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第1スピーカーに向けてそれぞれ出力し、前記入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第2スピーカーに向けてそれぞれ出力する処理部と、を含む。
態様1によれば、良好な低域再生能力を確保した上で、着座位置によって特定の周波数付近の音域の定位感が不自然とならないようにすることが可能となる。

0052

<態様2>
態様2に係るオーディオ装置は、車室内において進行方向に対し中部から後部までの範囲に設けられた2つの第1スピーカーと、前記車室内であって前記第1スピーカーより下方に設けられた少なくとも1つの第2スピーカーと、入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するハイパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第1スピーカーに向けてそれぞれ出力し、前記入力信号に対し、所定のカットオフ周波数を有するローパスフィルターでフィルタリングした信号を、前記複数の第2スピーカーに向けてそれぞれ出力する処理部と、を含む。
態様2によれば、良好な低域再生能力を確保した上で、着座位置によって特定の周波数付近の音域の定位感が不自然とならないようにすることが可能となる。

0053

<態様3>
態様3に係るオーディオ装置は、上記態様1または2に係るオーディオ装置において、前記第2スピーカーは、平面視でアクセルペダルから後部座席までの範囲に設けられる。態様3によれば、第2スピーカーについては、第1スピーカーと比較して自由に設けることができる。

0054

<態様4>
態様4に係るオーディオ装置は、上記態様3に係るオーディオ装置において、前記第2スピーカーは、前記後部座席に設けられる。態様3によれば、第2スピーカーについては、第1スピーカーと比較して自由に設けることができる。

0055

<態様5>
態様5に係るオーディオ装置は、上記態様3に係るオーディオ装置において、前記第2スピーカーは、センターピラーに設けられる。態様5によれば、第2スピーカーが前部座席と後部座席との間に位置することになる。

0056

<態様6>
態様6に係るオーディオ装置は、上記態様1または2に係るオーディオ装置において、上記カットオフ周波数は、80Hz以上250Hz未満である。態様6によれば、車室内で定在波が発生しにくくなるので、当該定在波の周波数付近の音域の定位感が不自然とならないようにすることが可能となる。

0057

1a、1b、1c…車両、12FL、12FR、12RL、12RR…スピーカー(第1スピーカー)、14L、14R…ウーハー(第2スピーカー)、24…アクセルペダル、32…ダッシュボード、34…トランクルーム、36L、36R…センターピラー、53、54…座席(後部座席)、200…処理部、210…HPF、220…LPF。

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