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技術 チタンベースの渦巻き計時器ぜんまい

出願人 ニヴァロックス-ファーソシエテアノニム
発明者 クリスチャン・シャルボン
出願日 2019年11月26日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2019-212905
公開日 2020年7月2日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2020-101527
状態 特許登録済
技術分野 ばね 機械時計
主要キーワード 複合バー チタンベース合金 計時器 変形ステップ 二相構造 キュプロニッケル ガルバニック エネルギ貯蔵
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年7月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

解決手段

100%になるまでの残材であるニオブと、質量が厳密に全体の60%より大きく、全体の85%以下であるチタンと、個々の全体における質量が、0から1600ppmの間であり、組み合わせた質量が、0.3%未満である、O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの微量成分とを備える、ステップと、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加え、α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きい、ステップと、カレンダ加工されることが可能なワイヤを得るために線引きするステップと、主ぜんまいを形成するために、最初の巻き取り前に、高音記号の形状で、カレンダ加工またはリングに挿入する、または、ひげぜんまいを形成するために巻き取るステップとを含む。

概要

背景

時計用エネルギ貯蔵ぜんまいの製造には、
−非常に高い弾性限界を得る必要性、
低弾性率を得る必要性、
−製造、特に線引きの容易さ、
−優れた耐疲労性
耐久性
−小さな断面、
局所的な弱さと製造の困難性とを備えた、コアフックスリップぜんまい両端の配置
のように、一見すると両立困難と思われる制約がある。

ひげぜんまい生産は、規則正しいクロメトリ性能を確保するために、ゼロに近い熱弾性係数を得る必要がある、温度補償に関する懸念に集中している。

したがって、これらの点の少なくとも1つ、特に使用される合金機械的強度の改善は、大幅な進歩を意味する。

概要

チタンベース渦巻計時器ぜんまいを提供する。100%になるまでの残材であるニオブと、質量が厳密に全体の60%より大きく、全体の85%以下であるチタンと、個々の全体における質量が、0から1600ppmの間であり、組み合わせた質量が、0.3%未満である、O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの微量成分とを備える、ステップと、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加え、α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きい、ステップと、カレンダ加工されることが可能なワイヤを得るために線引きするステップと、主ぜんまいを形成するために、最初の巻き取り前に、高音記号の形状で、カレンダ加工またはリングに挿入する、または、ひげぜんまいを形成するために巻き取るステップとを含む。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

二相構造を有する渦巻計時器ぜんまいであって、前記渦巻きぜんまいの材料は、ニオブを含む二元チタンベース合金であり、−100%になるまでの残材であるニオブと、−質量割合が厳密に全体の60.0%より大きく、全体の85.0%以下であるチタンと、−O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの他の微量成分とを含み、前記微量成分のおのおのは、全体における質量が、0から1600ppmの間に含まれ、前記微量成分の総和が、質量で0.3%以下であることを特徴とする、渦巻き計時器ぜんまい。

請求項2

前記合金は、質量割合が全体の65.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の渦巻き計時器ぜんまい。

請求項3

前記合金は、質量割合が全体の70.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンを含むことを特徴とする、請求項2に記載の渦巻き計時器ぜんまい。

請求項4

前記合金は、質量割合が厳密に全体の76.0%より大きく、全体の85.0%以下であるチタンを含むことを特徴とする、請求項3に記載の渦巻き計時器ぜんまい。

請求項5

前記合金は、質量割合が全体の80.0%以下であるチタンを含むことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまい。

請求項6

チタンとニオブの合計質量割合は、全体の99.7%から100%の間に含まれることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまい。

請求項7

前記渦巻きぜんまいは、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造を有し、前記α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きいことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまい。

請求項8

前記渦巻きぜんまいは、主ぜんまいであることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまい。

請求項9

前記渦巻きぜんまいは、ひげぜんまいであることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまい。

請求項10

渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法であって、−ニオブとチタンとを含む二元合金から、ブランク生産するステップであって、前記ブランクは、−100%になるまでの残材であるニオブと、−質量割合が厳密に全体の60.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンと、−O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの他の微量成分とを含み、前記微量成分のおのおのは、全体における質量が、0から1600ppmの間に含まれ、前記微量成分の総和が、質量で0.3%以下である、ステップと、−前記合金の構造全体ベータになるように、所定の直径での事前ベータ焼入れ処理と、その後、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加えることを含む、変形/析出熱処理シーケンス一連ペアを、前記合金に適用することとを含む処理サイクルを実行するステップであって、前記α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きく、弾性限界は1000MPa以上であり、弾性率は60GPaよりも大きく、80GPa以下である、ステップと、−ローラ圧縮またはワインダアーバの入口断面と適合する、または、リングへの挿入と適合する、円形断面かつ長方形形状に非成形圧延されたワイヤを得るために線引きするステップと、−主ぜんまいを形成するために、最初の巻き取り前に、高音記号の形状のコイルを形成する、またはひげぜんまいを形成するために巻き取る、または主ぜんまいを形成するためにリングに挿入して熱処理するステップとが、連続して実施されることを特徴とする、渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項11

最後の変形相は、平坦な非成形圧延の形態で実行され、最後の熱処理は、カレンダ加工、またはリングへの挿入、または巻き取りがなされた前記ぜんまいに対して実行されることを特徴とする、請求項10に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項12

ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加えることを含む、変形/析出熱処理シーケンスのペアが、前記合金に対して行われ、前記α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きく、弾性限界は、2000MPa以上であり、前記処理サイクルは、合金の構造全体がベータになるように、所定の直径での事前ベータ焼入れ処理と、その後の、前記変形/析出熱処理シーケンスの一連のペアとを含み、各変形は、1から5の間に含まれる所定の変形率で実行され、相の全シリーズにわたる変形の全体的な蓄積は、1から14の間に含まれる合計変形率を与え、前記変形/析出熱処理シーケンスのペアは、毎回、α相Tiの析出熱処理を含むことを特徴とする、請求項10に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項13

前記ベータ焼入れは、真空下で700°Cから1000°Cの間に含まれる温度で、5分から2時間の間に含まれる持続時間行われる溶体化処理であり、その後ガス冷却が行われることを特徴とする、請求項12に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項14

前記ベータ焼入れは、真空下において800°Cで1時間行われる溶体化処理であり、その後ガス冷却が行われることを特徴とする、請求項13に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項15

変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、350°Cから700°Cの間に含まれる温度で、1時間から80時間の間に含まれる持続時間の析出処理を含むことを特徴とする、請求項10から請求項14のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項16

変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、380°Cから650°Cの間に含まれる温度で、1時間から10時間の間に含まれる持続時間の析出処理を含むことを特徴とする、請求項15に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項17

変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、450°Cにおいて、1時間から12時間の間の持続時間の析出処理を含むことを特徴とする、請求項16に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項18

前記方法は、1から5の間の前記変形/析出熱処理シーケンスのペアを含むことを特徴とする、請求項10から請求項17のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項19

前記変形/析出熱処理シーケンスの第1のペアは、断面が少なくとも30%減少した第1の変形を含むことを特徴とする、請求項10から請求項18のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項20

前記変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、前記第1のペアを除いて、断面が少なくとも25%減少した2つの析出熱処理間の1つの変形を含むことを特徴とする、請求項19に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項21

前記合金ブランクの生産後、前記線引きする前に、引っ張り、線引き、および非成形圧延によって前記ワイヤの成形を容易にするために、銅、ニッケルキュプロニッケル、キュプロマンガン、金、銀、ニッケル−リンNi−P、およびニッケル−ボロンNi−B等から選択される延性材料表面層が、前記ブランクに追加され、前記線引き後、または前記非成形圧延後、またはその後のカレンダ加工または巻き取りまたはリングへの挿入動作の後、延性材料の前記層は、エッチングによって前記ワイヤから除去されることを特徴とする、請求項10から請求項20のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項22

前記線引き後、実際のぜんまいが、カレンダ加工または巻き取りまたはリングへの挿入によって生産される前に、前記ワイヤが平坦に延ばされることを特徴とする、請求項21に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

請求項23

延性材料の前記表面層を堆積して、ピッチが一定であり、ストリップの厚さの倍数ではないぜんまいを形成することを特徴とする、請求項21または請求項22に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。

技術分野

0001

本発明は、渦巻計時器ぜんまい、特に、二相構造を有する主ぜんまいまたはひげぜんまいに関する。

0002

本発明はまた、渦巻き計時器ぜんまいの製造方法に関する。

0003

本発明は、計時器ぜんまい、特に、主ぜんまいまたはモータぜんまいまたは打ち込みぜんまいなどのエネルギ貯蔵ぜんまい、または、ひげぜんまいなどの振動子ぜんまいの製造分野に関する。

背景技術

0004

時計用のエネルギ貯蔵ぜんまいの製造には、
−非常に高い弾性限界を得る必要性、
低弾性率を得る必要性、
−製造、特に線引きの容易さ、
−優れた耐疲労性
耐久性
−小さな断面、
局所的な弱さと製造の困難性とを備えた、コアフックスリップぜんまい両端の配置
のように、一見すると両立困難と思われる制約がある。

0005

ひげぜんまいの生産は、規則正しいクロメトリ性能を確保するために、ゼロに近い熱弾性係数を得る必要がある、温度補償に関する懸念に集中している。

0006

したがって、これらの点の少なくとも1つ、特に使用される合金機械的強度の改善は、大幅な進歩を意味する。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、特定の材料の選択に基づいて新しいタイプの渦巻き計時器ぜんまいを定義し、適切な製造方法を開発することを提案する。

課題を解決するための手段

0008

この目的のために、本発明は、請求項1に記載の二相構造を有する渦巻き計時器ぜんまいに関する。

0009

本発明はまた、請求項10に記載のそのような渦巻き計時器ぜんまいの製造方法に関する。

0010

本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0011

図1は、初めて巻かれる前の、本発明による渦巻きぜんまいである主ぜんまいの概略平面図である。
図2は、本発明による渦巻きぜんまいであるひげぜんまいの概略図である。
図3は、本発明による方法の主要な動作のシーケンスを表す図である。

実施例

0012

本発明は、二相構造を有する渦巻き計時器ぜんまいに関する。

0013

本発明によれば、この渦巻きぜんまいの材料は、ニオブを含むチタンベース二元合金である。

0014

有利な変形実施形態では、この合金は、
− 100%になるまでの残材であるニオブと、
質量割合が厳密に全体の60.0%より大きく、全体の85.0%以下であるチタンと、
− O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの他の微量成分とを含み、これら微量成分のおのおのは、全体における質量が、0から1600ppmの間に含まれ、これら微量成分の総和が、質量で0.3%以下である。

0015

特に、この合金は、質量割合が全体の65.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンを含む。

0016

特に、この合金は、質量割合が全体の70.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンを含む。特に、さらに、代替として、この合金は、質量割合が全体の70.0%以上で、全体の75.0%以下であるチタンを含む。

0017

特に、さらに、別の代替として、この合金は、質量割合が厳密に全体の76.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンを含む。

0018

特に、この合金は、質量割合が全体の80.0%以下であるチタンを含む。

0019

特に、さらに、この合金は、質量割合が厳密に全体の76.0%より大きく、全体の78.0%以下であるチタンを含む。

0020

有利なことに、この渦巻きぜんまいは、β相体心立方ニオブおよびα相六方最密チタンを含む二相微細構造を有する。特に、この渦巻きぜんまいは、ニオブおよびβ相チタンの固溶体体心立方構造)と、ニオブおよびα相チタンの固溶体(六方最密構造)とからなる二相構造を有し、α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きい。

0021

ぜんまいの生産に適したこのタイプの構造を得るには、熱処理によりα相の一部を析出させる必要がある。

0022

チタンの含有量が多いほど、熱処理によって析出できるα相の最大割合が高くなり、これが、高い割合のチタンを求める動機である。

0023

特に、チタンとニオブの合計質量割合は、全体の99.7%から100%の間に含まれる。

0024

特に、酸素の質量割合は、全体の0.10%以下、または全体の0.085%以下である。

0025

特に、タンタルの質量割合は、全体の0.10%以下である。

0026

特に、炭素の質量割合は、全体の0.04%以下、特に全体の0.020%以下、または全体の0.0175%以下である。

0027

特に、鉄の質量割合は、全体の0.03%以下、特に全体の0.025%以下、または全体の0.020%以下である。

0028

特に、窒素の質量割合は、全体の0.02%以下、特に全体の0.015%以下、または全体の0.0075%以下である。

0029

特に、水素の質量割合は、全体の0.01%以下、特に全体の0.0035%以下、または全体の0.0005%以下である。

0030

特に、ニッケルの質量割合は、全体の0.01%以下である。

0031

特に、シリコンの質量割合は、全体の0.01%以下である。

0032

特に、ニッケルの質量割合は、全体の0.01%以下、特に全体の0.16%以下である。

0033

特に、延性材料または銅の質量割合は、全体の0.01%以下、特に全体の0.005%以下である。

0034

特に、アルミニウムの質量割合は、全体の0.01%以下である。

0035

この渦巻きぜんまいは、1000MPa以上の弾性限界を有する。

0036

特に、渦巻きぜんまいは、1500MPa以上の弾性限界を有する。

0037

特に、さらに、渦巻きぜんまいは、2000MPa以上の弾性限界を有する。

0038

有利なことに、この渦巻きぜんまいは、60GPaより高く、80GPa以下の弾性率を有する。

0039

製造中に適用される処理に応じて、このように決定された合金は、特に弾性限界が1500MPa以上の場合に、弾性限界が1000MPa以上のひげぜんまいまたは主ぜんまいである渦巻きぜんまいの生産を可能にする。

0040

ひげぜんまいへの適用には、そのようなひげぜんまいを組み込んだ腕時計の使用中に温度の変動があっても、クロノメトリック性能を維持できる特性が必要である。したがって、合金の熱弾性係数(英語ではTEC)は非常に重要である。合金の冷間加工されたβ相は、強い正の熱弾性係数を有し、強い負の熱弾性係数を有するα相の析出により、二相合金はゼロに近い熱弾性係数になり、これは、特に有利である。CuBeまたはニッケル銀で製造されたてん輪でクロノメトリック振動子を形成するには、+/−10ppm/°Cの熱弾性係数を達成する必要がある。合金の熱弾性係数と、ひげぜんまいおよびてん輪の膨張係数とをリンクする式は次の通りである。
CT=dM/dT=((1/2E)(dE/dT)−β+(3/2)α)×86400(s/J°C))
変数MおよびTは、それぞれ率および温度である。Eはひげぜんまいのヤング率であり、この式では、E、β、およびαは°C-1で表される。CTは振動子の温度係数(通常、英語ではTC)であり、(1/E.dE/dT)はひげぜんまい合金の熱弾性係数、βはてん輪の膨張係数、αはひげぜんまいの膨張係数である。

0041

本発明はさらに、以下のステップが連続して実施されることを特徴とする、渦巻き計時器ぜんまいの製造方法に関する。
−ニオブとチタンとを含む合金からブランクを生産するステップ(10)であって、ブランクは、ニオブを含む二元チタンベース合金であって、
− 100%になるまでの残材であるニオブと、
−質量割合が厳密に全体の60.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンと、
− O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの他の微量成分とを含み、前記微量成分のおのおのは、全体における質量が、0から1600ppmの間に含まれ、前記微量成分の総和が、質量で0.3%以下である、ステップ(10)。
− ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加えることからなる変形/析出熱処理シーケンスのペアを、前記合金に適用するステップ(20)であって、α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きく、弾性限界は1000MPa以上であり、弾性率は60GPaよりも大きく、80GPa以下である、ステップ(20)。
ローラ圧縮またはワインダアーバの入口断面と適合し、主ぜんまいの場合には、さらなる処理動作のために、巻き取られてリングに挿入される準備ができた、円形断面かつ長方形形状に非成形圧延されたワイヤを得るために線引きするステップ(30)。
− 主ぜんまいを形成するために、最初の巻き取り前に、高音記号の形状のコイルを形成する、またはひげぜんまいを形成するために巻く、または主ぜんまいを形成するためにリングに挿入して熱処理するステップ(40)。

0042

特に、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理(22)と交互に行われる変形(21)を加えることを含む、変形/析出熱処理シーケンスのペアが、この合金に適用され(20)、α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きく、弾性限界は、2000MPa以上である。特に、この場合、処理サイクルは、合金の構造全体ベータになるように、所定の直径における事前ベータ焼入れ処理(15)と、その後の、変形/析出熱処理シーケンスの一連のペアとを含む。

0043

これら変形/析出熱処理シーケンスのペアでは、各変形は、1から5の間に含まれる所定の変形率で実行され、変形率は、従来式2ln(d0/d)に一致し、d0は、最後のベータ焼入れの直径であり、dは、冷間加工ワイヤの直径である。一連の相全体にわたる変形の全体的な蓄積は、1から14の間に含まれる合計変形率を与える。変形/析出熱処理シーケンスの全ペアは、毎回、α相Tiの析出熱処理(300〜700°C、1h〜30h)を含む。

0044

ベータ焼入れを含むこの方法の変形は、特に主ぜんまいの製造に適している。特に、このベータ焼入れは、真空下で700°Cから1000°Cの間に含まれる温度で、5分から2時間の間に含まれる持続時間行われる溶体化処理であり、その後ガス冷却が行われる。

0045

特に、さらに、ベータ焼入れは、真空下において800°Cで、1時間行われる溶体化処理であり、その後ガス冷却が行われる。

0046

変形/析出熱処理シーケンスのペアに戻り、特に、変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、350°Cから700°Cの間に含まれる温度で、1時間から80時間の間に含まれる持続時間の析出熱処理を含む。特に、この持続時間は、380°Cから650°Cの間に含まれる温度で、1時間から10時間の間に含まれる。特に、さらに、この持続時間は、380°Cの温度で、1時間から12時間である。好ましくは、たとえば、350°Cから500°Cの間に含まれる温度で、15時間から75時間の間に含まれる持続時間実行される熱処理である、長時間の熱処理が適用される。たとえば、熱処理は、350°Cにおいて75時間から400時間、400°Cにおいて25時間、または480°Cにおいて18時間適用される。

0047

特に、この方法は、1から5、好ましくは3から5の、変形/析出熱処理シーケンスのペアを含む。

0048

特に、変形/析出熱処理シーケンスの第1のペアは、断面が少なくとも30%減少した第1の変形を含む。

0049

特に、変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、第1のペアを除いて、断面が少なくとも25%減少した2つの析出熱処理間の1つの変形を含む。

0050

特に、前記合金ブランクの生産後、線引き前に、追加のステップ25において、引っ張り、線引き、および非成形圧延によって成形を容易にするために、銅、ニッケル、キュプロニッケル、キュプロマンガン、金、銀、ニッケル−リンNi−P、およびニッケル−ボロンNi−B等から選択される延性材料の表面層がブランクに追加される。線引き後、または非成形圧延後、またはその後のカレンダ加工、圧縮または巻き取り動作、または主ぜんまいの場合にはリングへの挿入および熱処理の後、ステップ50において、延性材料の層は、特にエッチングによってワイヤから除去される。

0051

主ぜんまいについては、実際には、リングへの挿入と熱処理によって製造を実行することが可能であり、リングへの挿入が、カレンダ加工に代わる。主ぜんまいは一般に、リングへの挿入後、またはカレンダ加工後に熱処理される。

0052

通常、ひげぜんまいは、巻き取り後にも熱処理される。

0053

特に、最後の変形相は、平坦な非成形圧延の形態をとり、最後の熱処理は、圧延された、またはリングへ挿入された、または巻き取られたぜんまいに対して実行される。特に、線引き後、実際のぜんまいがカレンダ加工または巻き取りまたはリングへの挿入によって生産される前に、ワイヤが平坦に延ばされる。

0054

変形例では、延性材料の表面層を堆積して、ピッチストリップの厚さの倍数ではないひげぜんまいを形成する。別の変形例では、延性材料の表面層が堆積されて、ピッチが可変のぜんまいを形成する。

0055

したがって、特定の時計用途では、延性材料または銅が、所定の時間に堆積されて、引っ張りおよび線引きによるワイヤの成形が容易になり、0.3から1ミリメートルである最終直径で、ワイヤの厚さが10から500マイクロメートルを維持することができる。延性材料または銅の層は、特にエッチングによってワイヤから除去され、その後、実際のぜんまいが生産される前に平坦に延ばされる。

0056

延性材料または銅の追加は、ガルバニックまたは機械的なプロセスである場合があり、その後、粗い直径のニオブ−チタン合金バーに取り付けられ、その後、複合バーを変形させるステップ中に薄められる、延性材料または銅のスリーブまたはチューブとなる。

0057

この層は、特にエッチングにより、シアン化物または酸ベース溶液である、たとえば硝酸で除去することができる。

0058

したがって、本発明は、典型的にはチタンの質量が60%のニオブ−チタン合金で製造された渦巻きぜんまいを生産することを可能にする。

0059

変形ステップ熱処理ステップの適切な組合せにより、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む、非常に薄く、層状の二相微細構造(特に、ナノメートルの微細構造)を得ることが可能となる。α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きい。この合金は、ワイヤに対して少なくとも1000MPaよりも大きい、または1500MPaよりも大きい、さらには2000MPaよりも大きい非常に高い弾性限界と、60GPaから80GPaのオーダの非常に低い弾性率とを組み合わせる。この特性の組合せは、主ぜんまいまたはひげぜんまいに非常に適している。このニオブ−チタン合金は、延性材料または銅で容易にコーティングでき、線引きによる変形を大幅に促進する。

0060

このような合金は知られており、磁気共鳴イメージングデバイス粒子加速器などの超伝導体の製造に使用されているが、時計には使用されていない。その薄い二相微細構造は、物理的理由から超伝導体の場合に望まれ、合金の機械的特性を改善するという歓迎すべき副作用を有する。

0061

そのような合金は、主ぜんまいを生産するのに特に適しており、ひげぜんまいを生産するのにも適している。

0062

本発明を実施するために上述したタイプのニオブとチタンを含む二元合金は、渦巻ワイヤとして使用することもでき、エリンバと同様の効果があり、腕時計の通常の動作温度範囲内で熱弾性係数が実質的にゼロであり、温度補償ひげぜんまいの製造のために、特に、60%から最大85%までの質量割合のチタンを有するニオブ−チタン合金のために適している。

0063

10ニオブとチタンとを含む合金からブランクを生産するステップ
15 所定の直径における事前ベータ焼入れ処理
20 ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加えることからなる変形/析出熱処理シーケンスのペアを、前記合金に適用するステップ
21 変形
22 熱処理
30ローラ圧縮またはワインダアーバの入口断面と適合し、主ぜんまいの場合には、さらなる処理動作のために、巻き取られてリングに挿入される準備ができた、円形断面かつ長方形形状に非成形圧延されたワイヤを得るために線引きするステップ
40 主ぜんまいを形成するために、最初の巻き取り前に、高音部記号の形状のコイルを形成する、またはひげぜんまいを形成するために巻く、または主ぜんまいを形成するためにリングに挿入して熱処理するステップ

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