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技術 修飾された重鎖定常領域を含む抗体

出願人 ブリストル-マイヤーズスクイブカンパニー
発明者 ニルス・ロンバーグアラン・ジェイ・コーマンマーク・ジェイ・セルビーブライアン・シー・バーンハートアーロン・ピー・ヤムニウクモハン・スリニバサンカーラ・エイ・ヘニングミシェル・ミンホア・ハンミン・レイリアン・シュヴァイツァーサンドラ・ブイ・ハッチャーアルビンド・ラジパル
出願日 2020年2月26日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2020-030802
公開日 2020年7月2日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-100645
状態 未査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 医薬品製剤 ペプチド又は蛋白質 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 連続接続 RP領域 中央ヒンジ LSデータ 円二色性分散計 反応材 専門医師 BTL
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図面 (20)

課題

修飾形態の同じ抗体と比較して、抗体の生物学的特性を増強させる、重鎖定常領域またはその機能的に等価な断片を提供する。

解決手段

修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、該修飾された重鎖定常領域が、N末端からC末端の順にCH1ドメインヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含み、該ヒンジがIgGアイソタイプのものであり、CH1、CH2およびCH3ドメインの少なくとも1つが、IgG2アイソタイプのものではない、抗体。

概要

背景

背景
抗体療法は、癌および免疫障害などの疾患の処置において最も開発が進んでいる領域の1つである。それにもかかわらず、治療用抗体による抗原の効率的なターゲティングは、ヘルスケアにおいて依然として大きな課題である。それ故、抗体エンジニアリングが、製薬業界で大きな注目を集めている。この点から、抗体断片抗体薬物複合体ADC)、修飾されたエフェクター領域を有する抗体、および二重特異性抗体などの、新たな改変抗体が数多く出現している。

抗体は、多くの異なる機序を通してその治療特性を促進する。抗体は、標的抗原を直接阻害または活性化することにより、細胞シグナル伝達を制御し得る。抗体は、リガンド受容体への結合を阻害し得る。抗体はまた、例えば、対象の免疫系を強化して感染症または癌と闘うことにより(例えば、T細胞の活性化における共刺激因子として)、免疫応答誘導または阻害し得る。

さらに、抗体介在性細胞表面受容体/抗原の内在化は、治療用抗体の主要な作用機序として認識されている。この場合、抗体は、細胞表面から標的を取り除き、細胞内への内在化を誘導することによりその機能をなくす。実際、抗体療法の先駆的なものの1つが、乳癌処置用トラスツズマブである。トラスツズマブは、ErbB2受容体を標的とし、受容体/抗体の内在化を誘導して、EGFRシグナル伝達を阻害する。しかしながら、抗体は、常に効率的な内在化特性を示す訳ではないため、改善された内在化機能を有する抗体が未だ必要とされている。従って、既知の治療用抗体の内在化を改善する方法が高く望まれている。

概要

修飾形態の同じ抗体と比較して、抗体の生物学的特性を増強させる、重鎖定常領域またはその機能的に等価な断片を提供する。修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、該修飾された重鎖定常領域が、N末端からC末端の順にCH1ドメインヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含み、該ヒンジがIgGアイソタイプのものであり、CH1、CH2およびCH3ドメインの少なくとも1つが、IgG2アイソタイプのものではない、抗体。なし

目的

それにもかかわらず、治療用抗体による抗原の効率的なターゲティングは、ヘルスケアにおいて依然として大きな課題である

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、該修飾された重鎖定常領域が、N末端からC末端の順にCH1ドメインヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含み、該ヒンジがIgGアイソタイプのものであり、CH1、CH2およびCH3ドメインの少なくとも1つが、IgG2アイソタイプのものではない、抗体。

請求項2

該ヒンジが野生型ヒトIgG2ヒンジであるか、または野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗体。

請求項3

該ヒンジが、ジスルフィド結合の形成を減少させる1以上の修飾を含む、請求項1または2に記載の抗体。

請求項4

該ヒンジがアミノ酸置換C219Sを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の抗体。

請求項5

該ヒンジが、配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147のいずれか1つのアミノ酸配列またはこれらの配列のCVEとCPPの間に1〜3個のアミノ酸挿入を含む配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗体。

請求項6

該CH1ドメインがIgG2のCH1ドメインである、請求項1から5のいずれか一項に記載の抗体。

請求項7

該CH1ドメインが、野生型ヒトIgG2のCH1ドメインであるか、または野生型ヒトIgG2のCH1ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体。

請求項8

該IgG2のCH1ドメインが、アミノ酸配列ASTKGPSVFPLAPCSSTSESTAALGCLVKDYFPPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTV(配列番号7)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体。

請求項9

該CH2ドメインがIgG1のCH2ドメインである、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体。

請求項10

該CH2ドメインが、野生型ヒトIgG1のCH2ドメインであるか、または野生型ヒトIgG1のCH2ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗体。

請求項11

該CH2ドメインが、エフェクター機能を低減させるか、または排除する1以上の修飾を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の抗体。

請求項12

該CH2ドメインがアミノ酸置換A330SおよびP331Sを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の抗体。

請求項13

該CH2ドメインが、アミノ酸配列PSVFLFPPKPKDTLMISRTEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTLHDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK(配列番号4)を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の抗体。

請求項14

該CH3ドメインがIgG1のCH3ドメインである、請求項1から13のいずれか一項に記載の抗体。

請求項15

該CH3ドメインが、野生型ヒトIgG1のCH3ドメインであるか、または野生型ヒトIgG1のCH3ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の抗体。

請求項16

CH3ドメインが、アミノ酸配列GQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号5)を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の抗体。

請求項17

該CH3ドメインが、アミノ酸置換E356DおよびM358Lを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の抗体。

請求項18

IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比較して、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の抗体。

請求項19

アゴニスト活性、抗体介在性受容体内在化、ADCC受容体介在性シグナル伝達アンタゴニスト活性免疫調節活性および抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する、請求項18に記載の抗体。

請求項20

N末端からC末端の順にCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、(a)該CH1ドメインが、配列番号7のアミノ酸配列、配列番号7と最大5個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列、または配列番号7と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、C131、R133、E137、S138またはR217のうち少なくとも1個が置換または欠失されておらず;(b)ヒンジが、配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147のいずれか1つのアミノ酸配列、これらの配列のCVEとCPPの間に1〜3個のアミノ酸挿入を含む配列、またはそれらの配列と最大5個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含み、ここで、該ヒンジは、C219およびC220の両方共の置換または欠失を含まない;(c)該抗体は、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する;そして、(d)該修飾された重鎖定常領域は、野生型IgG2定常領域またはC219Sおよび/もしくはC220Sを含むIgG2定常領域ではない、抗体。

請求項21

ヒンジが、アミノ酸配列ERKXCVECPPCPAP(配列番号129)またはERKCXVECPPCPAP(配列番号130)(式中、Xは、システインを除く任意のアミノ酸である。)を含む、請求項20に記載の抗体。

請求項22

ヒンジが、アミノ酸配列ERKSCVECPPCPAP(配列番号131)またはERKCSVECPPCPAP(配列番号132)を含む、請求項21に記載の抗体。

請求項23

P233、V234、A235またはG237の少なくとも1つが、欠失しているか、または別のアミノ酸残基で置換されている、請求項20から22のいずれか一項に記載の抗体。

請求項24

P233、V234、A235およびG237が欠失しているか、または別のアミノ酸残基で置換されている、請求項23に記載の抗体。

請求項25

アミノ酸残基R133、E137、S138およびR217のいずれも、置換または欠失されていない、請求項20から24のいずれか一項に記載の抗体。

請求項26

アミノ酸残基C131、R133、E137、S138およびR217のいずれも、置換または欠失されていない、請求項24に記載の抗体。

請求項27

N192が別のアミノ酸で置換されている、請求項20から26のいずれか一項に記載の抗体。

請求項28

F193が別のアミノ酸で置換されている、請求項20から27のいずれか一項に記載の抗体。

請求項29

野生型IgG1のCH2ドメインと少なくとも95%の配列同一性を有するCH2ドメインを含む、請求項20から28のいずれか一項に記載の抗体。

請求項30

野生型IgG1のCH3ドメインと少なくとも95%の配列同一性を有するCH3ドメインを含む、請求項20から29のいずれか一項に記載の抗体。

請求項31

CH2および/またはCH3ドメインが、野生型IgG1 CH2および/またはCH3ドメインではなく、該抗体が、野生型IgG1よりも強力なエフェクター機能を有する、請求項28から30のいずれか一項に記載の抗体。

請求項32

CH2および/またはCH3ドメインが、野生型IgG1 CH2および/またはCH3ドメインではなく、該抗体が、野生型IgG1よりも弱いエフェクター機能を有する、請求項28から30のいずれか一項に記載の抗体。

請求項33

野生型IgG4のCH2ドメインと少なくとも95%の配列同一性を有するCH2ドメインを含む、請求項20から32のいずれか一項に記載の抗体。

請求項34

野生型IgG4のCH3ドメインと少なくとも95%の配列同一性を有するCH3ドメインを含む、請求項20から33のいずれか一項に記載の抗体。

請求項35

アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する、請求項20から34のいずれか一項に記載の抗体。

請求項36

(a)CH1ドメインが、野生型ヒトIgG2 CH1ドメインであり;(b)ヒンジが、配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147のいずれか1つのアミノ酸配列、またはこれらの配列のCVEとCPPの間に1〜3個のアミノ酸挿入を含む配列を含み;(c)CH2ドメインが、野生型ヒトIgG1 CH2ドメインであるか、または該抗体に増強されたか、もしくは低減されたエフェクター機能を付与する、修飾されたCH2ドメインであり;そして(d)CH3ドメインが、野生型ヒトIgG1 CH3ドメインであるか、または該抗体に増強されたか、もしくは低減されたエフェクター機能を付与する、修飾されたCH3ドメインである、請求項35に記載の抗体。

請求項37

配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つに記載のされたアミノ酸配列、または配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1から36のいずれか一項に記載の抗体。

請求項38

修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、該重鎖定常領域が、配列、配列番号133と最大10個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列、または配列番号133と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むCH1ドメインおよびヒンジを含み、ここで、C131、R133、E137、S138およびR217の少なくとも1つが、別のアミノ酸で置換されていないか、または欠失されておらず;C219およびC220が、別のアミノ酸で置換されているか、または欠失されていてよいが、C219およびC220の両方共が置換または欠失されておらず;1〜3個のアミノ酸が、ヒンジにおけるCVEとCPPの間に挿入されていてよく;ヒンジは、要すれば、C末端に付加アミノ酸、例えばGを含んでよく;アミノ酸P233、V234、A235およびG237の1個またはそれ以上が、別のアミノ酸(例えば、IgG1由来の対応するアミノ酸)で置換されていてよいか、または欠失されていてよく;CH2およびCH3ドメインは、野生型であるか、または修飾されたIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH2およびCH3ドメインであってよく;修飾された重鎖定常領域は、野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重鎖定常ドメインではなく;そして抗体は、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する、抗体。

請求項39

アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性および抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する、請求項38に記載の抗体。

請求項40

アミノ酸C131;R133;E137;S138;R217がいずれも、別のアミノ酸で置換されていないか、または欠失されていない、請求項38または39に記載の抗体。

請求項41

N192および/またはF193が、置換されていないか、またはそれぞれN192Sおよび/またはF193Lである、請求項38から40のいずれか一項に記載の抗体。

請求項42

C219がC219Sである、請求項38から41のいずれか一項に記載の抗体。

請求項43

C220がC220Sである、請求項38から41のいずれか一項に記載の抗体。

請求項44

P233−G237が置換または欠失されている、請求項38から43のいずれか一項に記載の抗体。

請求項45

V234−G237が置換または欠失されている、請求項38から43のいずれか一項に記載の抗体。

請求項46

A235−G237が置換または欠失されている、請求項38から43のいずれか一項に記載の抗体。

請求項47

G237が置換または欠失されている、請求項38から43のいずれか一項に記載の抗体。

請求項48

P233が置換または欠失されている、請求項38から43のいずれか一項に記載の抗体。

請求項49

P233−V234が置換または欠失されている、請求項38から43のいずれか一項に記載の抗体。

請求項50

P233−A235が置換または欠失されている、請求項38から43のいずれか一項に記載の抗体。

請求項51

エフェクター機能を有する、請求項38から50のいずれか一項に記載の抗体。

請求項52

エフェクター機能を有さない、請求項38から50のいずれか一項に記載の抗体。

請求項53

野生型または修飾されたIgG1 CH2ドメインを含む、請求項38から52のいずれか一項に記載の抗体。

請求項54

野生型または修飾されたIgG1 CH3ドメインを含む、請求項38から52のいずれか一項に記載の抗体。

請求項55

修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、該重鎖定常領域が、配列、配列番号7と最大10個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むCH1ドメインを含み、ここで、C131、R133、E137、S138およびR217の少なくとも1つが置換または欠失されておらず;修飾された重鎖定常領域が、野生型IgG2重鎖定常領域、またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重鎖定常ドメインではなく;そして該抗体が、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する、抗体。

請求項56

アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性および抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する、請求項55に記載の抗体。

請求項57

アミノ酸C131;R133;E137およびS138のいずれも、別のアミノ酸で置換されていないか、または欠失されていない、請求項55または56に記載の抗体。

請求項58

N192および/またはF193が置換されていないか、またはそれぞれN192Sおよび/またはF193Lである、請求項55から57のいずれか一項に記載の抗体。

請求項59

エフェクター機能を有する、請求項55から58のいずれか一項に記載の抗体。

請求項60

エフェクター機能を有さない、請求項55から58のいずれか一項に記載の抗体。

請求項61

野生型または修飾されたIgG1 CH2ドメインを含む、請求項55から60のいずれか一項に記載の抗体。

請求項62

野生型または修飾されたIgG1 CH3ドメインを含む、請求項55から61のいずれか一項に記載の抗体。

請求項63

修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、該重鎖定常領域が、配列、または配列番号8と最大5個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含むヒンジを含み、ここで、C219およびC220は、別のアミノ酸で置換されていてよいか、または欠失されていてよいが、C219およびC220の両方共が置換または欠失されておらず;アミノ酸P233、V234、A235およびG237の1個またはそれ以上が、置換または欠失されていてよく;1〜3個のアミノ酸が、ヒンジにおけるCVEとCPPの間に挿入されていてよく;ヒンジは、要すれば、C末端に付加アミノ酸、例えばGを含んでよく;CH2およびCH3ドメインは、野生型であるか、または修飾されたIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH2およびCH3ドメインであってよく;修飾された重鎖定常領域は、野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重鎖定常ドメインではなく;そして抗体は、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する、抗体。

請求項64

アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性および抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する、請求項63に記載の抗体。

請求項65

C219がC219Sである、請求項63から64のいずれか一項に記載の抗体。

請求項66

C220がC220Sである、請求項63から64のいずれか一項に記載の抗体。

請求項67

P233−G237が変異または欠失されている、請求項63から66のいずれか一項に記載の抗体。

請求項68

V234−G237が変異または欠失されている、請求項63から66のいずれか一項に記載の抗体。

請求項69

A235−G237が変異または欠失されている、請求項63から66のいずれか一項に記載の抗体。

請求項70

G237が変異または欠失されている、請求項63から66のいずれか一項に記載の抗体。

請求項71

P233が変異または欠失されている、請求項63から66のいずれか一項に記載の抗体。

請求項72

P233−V234が変異または欠失されている、請求項63から66のいずれか一項に記載の抗体。

請求項73

P233−A235が変異または欠失されている、請求項63から66のいずれか一項に記載の抗体。

請求項74

エフェクター機能を有する、請求項63から73のいずれか一項に記載の抗体。

請求項75

エフェクター機能を有さない、請求項63から73のいずれか一項に記載の抗体。

請求項76

野生型または修飾されたIgG1 CH2ドメインを含む、請求項63から75のいずれか一項に記載の抗体。

請求項77

野生型または修飾されたIgG1 CH3ドメインを含む、請求項63から76のいずれか一項に記載の抗体。

請求項78

修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、該重鎖定常領域がIgG1またはIgG2ヒンジを含み、該ヒンジが1〜7個のアミノ酸を欠き、そして該抗体が、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する、抗体。

請求項79

アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性および抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する、請求項78に記載の抗体。

請求項80

ヒンジが、1〜4個のアミノ酸を欠くIgG2ヒンジである、請求項78または79に記載の抗体。

請求項81

IgG2ヒンジが、アミノ酸C219、C220、V222およびE224を欠く、請求項80に記載の抗体。

請求項82

ヒンジが、アミノ酸S219、C220、D221、K222、T223、H224およびT225を欠くIgG1ヒンジである、請求項78または79に記載の抗体。

請求項83

野生型または修飾されたIgG2 CH1ドメインを含む、請求項78から82のいずれか一項に記載の抗体。

請求項84

野生型または修飾されたIgG1 CH1ドメインを含む、請求項78から82のいずれか一項に記載の抗体。

請求項85

IgG2 CH2ドメインを含む、請求項78から84のいずれか一項に記載の抗体。

請求項86

IgG1 CH2ドメインを含む、請求項78から84のいずれか一項に記載の抗体。

請求項87

IgG2 CH3ドメインを含む、請求項78から86のいずれか一項に記載の抗体。

請求項88

IgG1 CH3ドメインを含む、請求項78から86のいずれか一項に記載の抗体。

請求項89

ヒト抗体またはヒト化抗体、またはそれらの抗原結合部分である、請求項1から88のいずれか一項に記載の抗体。

請求項90

免疫調節関与する抗原に特異的に結合する、請求項1から89のいずれか一項に記載の抗体。

請求項91

共刺激受容体のアゴニストまたは阻害受容体のアンタゴニストである、請求項90に記載の抗体。

請求項92

共刺激受容体が、B7−1、B7−2、CD28、4−1BB、GITR、OX40、ICOS、CD70、CD27、CD40、DR3またはCD28Hからなる群より選択される、請求項91に記載の抗体。

請求項93

阻害受容体が、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1およびTIM−4からなる群より選択される、請求項91に記載の抗体。

請求項94

抗原がCD73またはCD39である、請求項90に記載の抗体。

請求項95

共刺激受容体に特異的に結合し、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項96

共刺激受容体が、GITR、OX40、4−1BB、CD28、ICOS、CD40L、CD27または任意の他のTNFRスーパーファミリーメンバーである、請求項95に記載の抗体。

請求項97

同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、増強されたか、または改変されたアゴニスト活性を示す、請求項95または96に記載の抗体。

請求項98

細胞表面分子に特異的に結合し、該細胞表面分子の抗体介在性内在化を誘発する抗体であって、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項99

細胞表面分子がCD73である、請求項98に記載の抗体。

請求項100

同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、増強されたか、または改変された内在化特性を有する、請求項98または99に記載の抗体。

請求項101

阻害受容体に特異的に結合する抗体であって、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項102

阻害受容体が、CTLA−4、PD−1、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1およびTIM−4である、請求項101に記載の抗体。

請求項103

IgG1重鎖定常領域を有する同じ抗体と比べて、より強力な、または改変されたアンタゴニスト活性を示すか、または新たな活性を付与する、請求項101または102に記載の抗体。

請求項104

細胞表面分子に特異的に結合し、細胞内シグナル伝達を誘発する抗体であって、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項105

細胞内シグナル伝達が、アゴニスト活性、アンタゴニスト活性、細胞表面分子の内在化、またはADCCを仲介する、請求項104に記載の抗体。

請求項106

同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、より強力な細胞内シグナル伝達を誘発する、請求項104または105に記載の抗体。

請求項107

細胞表面分子に特異的に結合し、高分子量の抗体−細胞表面分子複合体の形成を誘発する抗体であって、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項108

同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、高分子量複合体の形成を誘発する、請求項107に記載の抗体。

請求項109

細胞表面分子に特異的に結合し、細胞表面分子のクラスター化またはオリゴマー化を誘発する抗体であって、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む、抗体。

請求項110

同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、細胞表面分子のよりクラスター化またはオリゴマー化を誘発する、請求項109に記載の抗体。

請求項111

第二の結合特異性を有する分子に連結された、請求項1から110のいずれか一項に記載の抗体を含む二重特異性分子

請求項112

第二の薬剤に連結された、請求項1から111のいずれか一項に記載の抗体を含む免疫複合体

請求項113

請求項1から112のいずれか一項に記載の抗体、二重特異性分子または免疫複合体、および担体を含む、組成物

請求項114

1つ以上のさらなる治療剤をさらに含む、請求項113に記載の組成物。

請求項115

さらなる治療剤が免疫系を刺激する、請求項114に記載の組成物。

請求項116

治療剤が、チェックポイント阻害剤のアンタゴニストまたは共刺激受容体である、請求項115に記載の組成物。

請求項117

修飾された重鎖定常領域を含む抗体の製造方法であって、該抗体が、CH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを、N末端からC末端の順に含み、以下の工程:(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではない、ヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を提供し;(b)該ヒンジおよび/またはCH1ドメインを、それぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置換する工程を含む、方法。

請求項118

細胞による抗体の内在化を増大させる方法であって、(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではない、ヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を提供する工程;(b)該ヒンジおよび/またはCH1ドメインを、それぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置換する工程を含む、方法。

請求項119

抗体の内在化が、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体、例えばIgG1定常領域を含む抗体の内在化と比べて増大される、請求項118に記載の方法。

請求項120

抗体のアゴニスト活性を増大させる方法であって、(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではない、ヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を提供する工程;(b)該ヒンジおよび/またはCH1ドメインを、それぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置換する工程を含む、方法。

請求項121

アゴニスト活性が、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体、例えばIgG1定常領域を含む抗体のアゴニスト活性と比べて増強される、請求項120に記載の方法。

請求項122

IgG2ヒンジが、野生型ヒトIgG2ヒンジであるか、または野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項117から121のいずれか一項に記載の方法。

請求項123

CH1、CH2またはCH3ドメインの少なくとも1つを、それぞれ異なるアイソタイプのCH1、CH2またはCH3ドメインで置換する工程を含む、請求項117から122のいずれか一項に記載の方法。

請求項124

(a)CH1ドメインをIgG2 CH1ドメインで置換する工程;(b)CH2ドメインをIgG1 CH2ドメインで置換する工程;および/または(c)CH3ドメインをIgG1 CH3ドメインで置換する工程を含む、請求項117から123のいずれか一項に記載の方法。

請求項125

(a)CH1ドメインを、野生型ヒトIgG2 CH1ドメイン、またはそれと少なくとも95%の配列同一性を有するドメインで置換する工程;(b)CH2ドメインを、野生型ヒトIgG1 CH2ドメイン、またはそれと少なくとも95%の配列同一性を有するドメインで置換する工程;および/または(c)CH3ドメインを、野生型ヒトIgG1 CH3ドメイン、またはそれと少なくとも95%の配列同一性を有するドメインで置換する工程を含む、請求項117から124のいずれか一項に記載の方法。

請求項126

重鎖定常領域を、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つを含む修飾された重鎖定常領域、または配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168と少なくとも95%の配列同一性を有する領域で置換する工程を含む、請求項117から125のいずれか一項に記載の方法。

請求項127

ヒンジが、ジスルフィド結合の形成を減少させる修飾を含む、請求項117から126のいずれか一項に記載の方法。

請求項128

ヒンジがアミノ酸置換C219Sを含む、請求項117から127のいずれか一項に記載の方法。

請求項129

ヒンジが、配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147のいずれか1つに記載のアミノ酸配列、またはこれらの配列のCVEとCPPの間に1〜3個のアミノ酸挿入を含む配列を含む、請求項117から128のいずれか一項に記載の方法。

請求項130

CH1ドメインが、アミノ酸配列ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTV(配列番号7)を含む、請求項117から129のいずれか一項に記載の方法。

請求項131

CH2ドメインが、エフェクター機能を低減または除くように修飾されている、請求項117から130のいずれか一項に記載の方法。

請求項132

CH2ドメインが、アミノ酸置換A330SおよびP331Sを含む、請求項117から131のいずれか一項に記載の方法。

請求項133

CH2ドメインが、アミノ酸配列PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK(配列番号4)を含む、請求項117から132のいずれか一項に記載の方法。

請求項134

CH2ドメインが、アミノ酸置換A330SおよびP331Sを含む、請求項117から133のいずれか一項に記載の方法。

請求項135

CH3ドメインが、アミノ酸配列GQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号5)を含む、請求項117から134のいずれか一項に記載の方法。

請求項136

請求項117から135のいずれか一項に記載の方法により産生される、抗体またはその抗原結合部分。

請求項137

ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項136に記載の抗体またはその抗原結合部分。

請求項138

請求項1から110、136および137のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分を投与することを含む、対象の処置法

請求項139

1以上のさらなる治療剤を投与する工程をさらに含む、請求項138に記載の方法。

請求項140

該治療剤が免疫系を刺激する、請求項139に記載の方法。

請求項141

該治療剤が、チェックポイント阻害剤または共刺激分子である、請求項140に記載の方法。

請求項142

請求項111から116のいずれか一項に記載の組成物、二重特異性分子、または免疫複合体を投与することを含む、対象の処置法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2014年11月21日出願の米国仮特許出願第62/083,021号に基づく優先権の利益を主張する。本明細書を通して引用される特許、特許出願および引用文献の内容は、その全体を引用により本明細書中包含させる。

背景技術

0002

背景
抗体療法は、癌および免疫障害などの疾患の処置において最も開発が進んでいる領域の1つである。それにもかかわらず、治療用抗体による抗原の効率的なターゲティングは、ヘルスケアにおいて依然として大きな課題である。それ故、抗体エンジニアリングが、製薬業界で大きな注目を集めている。この点から、抗体断片抗体薬物複合体ADC)、修飾されたエフェクター領域を有する抗体、および二重特異性抗体などの、新たな改変抗体が数多く出現している。

0003

抗体は、多くの異なる機序を通してその治療特性を促進する。抗体は、標的抗原を直接阻害または活性化することにより、細胞シグナル伝達を制御し得る。抗体は、リガンド受容体への結合を阻害し得る。抗体はまた、例えば、対象の免疫系を強化して感染症または癌と闘うことにより(例えば、T細胞の活性化における共刺激因子として)、免疫応答誘導または阻害し得る。

0004

さらに、抗体介在性細胞表面受容体/抗原の内在化は、治療用抗体の主要な作用機序として認識されている。この場合、抗体は、細胞表面から標的を取り除き、細胞内への内在化を誘導することによりその機能をなくす。実際、抗体療法の先駆的なものの1つが、乳癌処置用トラスツズマブである。トラスツズマブは、ErbB2受容体を標的とし、受容体/抗体の内在化を誘導して、EGFRシグナル伝達を阻害する。しかしながら、抗体は、常に効率的な内在化特性を示す訳ではないため、改善された内在化機能を有する抗体が未だ必要とされている。従って、既知の治療用抗体の内在化を改善する方法が高く望まれている。

0005

概要
本発明は、修飾されていない形態の同じ抗体と比べて抗体の生物学的特性を増強する、重鎖定常領域(“修飾された重鎖定常領域”とも言う)またはその機能的に等価な断片を提供する。例えば、かかる修飾された定常領域を含む抗体は、内在化および/またはアゴニスト活性もしくはアンタゴニスト活性の増大を示す。従って、本発明の抗体は、元の修飾されていない抗体の最適化バージョンである。具体的には、修飾された重鎖定常領域は、IgGヒンジおよび3つの定常ドメイン(すなわち、CH1、CH2およびCH3ドメイン)を含み、ここで、該定常領域ドメインの1以上は、非IgG2ヒトアイソタイプ(例えば、IgG1、IgG3またはIgG4)またはその機能的に等価な断片である。修飾された定常領域は、対応する野生型アミノ酸配列、または例えば、ヒンジまたはCH1、CH2、CH3ドメイン内に野生型アミノ酸配列と比較して1つもしくは複数の(例えば、1から10個、もしくはそれ以上の)アミノ酸置換または欠失を有する、その変異体、を含み得る。従って、ヒンジおよび/または各定常ドメインのアミノ酸配列は、対応する野生型アミノ酸配列と少なくとも約80%、85%、90%、95%、またはそれ以上(すなわち、96%、97%、98%、99%、または100%)同一である。

0006

一態様において、修飾された重鎖定常領域は、野生型ヒトIgG2ヒンジ、または野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。ヒンジは、例えば、ジスルフィド結合の形成を減少させる、さらなる修飾をさらに含み得る。一態様において、ヒンジは、野生型ヒトIgG2ヒンジと比較して、アミノ酸置換C219Sを含む。ある態様において、ヒンジは、配列番号8、21〜23、126〜132および134〜147のいずれかに記載のアミノ酸配列またはCVEとCPPの間に1〜3個のアミノ酸挿入を含むこれらの配列の1つを含む。

0007

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG2 CH1ドメイン、例えば、野生型ヒトIgG2 CH1ドメイン、または野生型ヒトIgG2 CH1ドメインのアミノ酸配列(配列番号7)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。

0008

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG1 CH2ドメイン、例えば、野生型ヒトIgG1 CH2ドメイン、または野生型ヒトIgG1 CH2ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。CH2ドメインは、(例えば、エフェクター機能を低下または排除する)さらなる修飾を含み得る。ある態様において、CH2ドメインは、野生型完全長ヒトIgG1 CH2と比較して、アミノ酸置換A330SおよびP331Sを含む。ある態様において、CH2ドメインは配列番号24を含む。

0009

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG1 CH3ドメイン、例えば、野生型ヒトIgG1 CH3ドメイン、または野生型ヒトIgG1 CH3ドメインのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。CH3ドメインは、特定のアロタイプを付与するためのさらなる修飾をさらに含み得る。一態様において、CH3ドメインは、異なるアロタイプの野生型完全長ヒトIgG1と比較して、位置356にアミノ酸残基Eおよび位置358にアミノ酸Mを含む。ある態様において、CH3ドメインは配列番号5を含む。

0010

特定の態様において、抗体は、修飾された重鎖定常領域を含み、ここで、(a)CH1ドメインは、さらなる修飾を含むか、もしくは含まない、野生型ヒトIgG2 CH1ドメインまたは野生型IgG1 CH1ドメインであり、(b)ヒンジは、C219S置換を含むか、もしくは含まない野生型IgG2ヒンジであり、(c)CH2ドメインは、さらなる修飾を含むか、もしくは含まない、野生型ヒトIgG1 CH2ドメインまたは野生型IgG2 CH2ドメインであり、そして(d)CH3ドメインは、位置356にアミノ酸Eおよび位置358にアミノ酸Mを含むか、もしくは含まない、野生型ヒトIgG1 CH3ドメインまたは野生型ヒトIgG2 CH3ドメインである。特定の態様において、修飾された重鎖定常領域は、例えば、配列番号26〜37および78〜93のいすれか1つに記載された、本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。

0011

本発明の抗体(すなわち、修飾された定常領域を有する抗体)は、完全ヒト抗体またはヒト化抗体であってもよく、さらに修飾された重鎖定常領域を有さない同じ抗体と比較して、1つまたはそれ以上の増強されたまたは改変された特性を示し得る。これらの特性は、増加または改変された細胞による内在化、アゴニスト活性、大きな架橋複合体の形成、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性および抗腫瘍活性;または、例えば、アゴニスト活性である新たな特性の付与を含み得る。

0012

本発明の修飾された定常領域を含む二重特異性分子および免疫複合体、ならびに抗体、二重特異性抗体、または免疫複合体および許容される医薬担体を含む組成物もまた提供される。かかる組成物はまた、1つまたは複数のさらなる治療剤、例えば、チェックポイント阻害剤共刺激分子、抗CD39抗体、または抗A2AR抗体などの免疫系を刺激する薬剤を含み得る。

0013

修飾された重鎖定常領域を含む抗体を作製するための方法もまた、提供される。本明細書で提供されるすべての方法には、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体と比較して、細胞による抗体の内在化を増加させる方法、および抗体のアゴニスト活性を増加させる方法が含まれる。そのような方法は、IgG2ヒンジではないヒンジを有する抗体を提供する工程、および該ヒンジをIgG2ヒンジ(例えば、野生型ヒトIgG2ヒンジであるヒンジ、野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するヒンジ、またはジスルフィド結合の形成を減少させる修飾を有するヒンジ、例えば、アミノ酸置換C219Sを有するヒンジ)で置換する工程を含む。一態様において、抗体の内在化は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強または増加され、結果として、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上のT1/2の減少がもたらされる。ある態様において、アゴニスト活性は、エフェクターT細胞における増加したサイトカイン放出または増加した増殖;Tregの関与がTregの機能を低下させる場合、低下したT調節細胞活性;または、増加したTregの枯渇、により定義されるように、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増加または増大される。

0014

ある態様において、この方法は、CH1、CH2またはCH3ドメインの少なくとも1つを、異なるアイソタイプのCH1、CH2またはCH3ドメインで置換する工程をさらに含む。そのような置換には、例えば、(a)CH1ドメインの、IgG1 CH1ドメインまたはIgG2 CH1ドメインでの置換;(b)CH2ドメインの、IgG1 CH2ドメインまたはIgG2 CH2ドメインでの置換;および/または、(b)CH3ドメインの、IgG1 CH3ドメインまたはIgG2 CH3ドメインでの置換(ここで、置換ドメインは、野生型配列、または野生型配列と少なくとも95%の配列同一性を有する配列を有する)が含まれる。ある態様において、CH1ドメインは、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含む。ある態様において、CH2ドメインは、エフェクター機能を低減または排除するために改変され、例えば、CH2ドメインは、アミノ酸置換A330SおよびP331S(配列番号24)を含む。ある態様において、CH3ドメインは、位置356にアミノ酸残基Eおよび位置358にアミノ酸Mを含む(配列番号5)。

0015

本明細書に記載の方法は、修飾された重鎖定常領域を含む抗体、二重特異性分子または免疫複合体を投与することにより対象を処置する方法を含む。1つまたは複数のさらなる治療剤、例えば、チェックポイント阻害剤などの免疫系を刺激する治療剤、共刺激分子もまた、同時に投与されてよい。

0016

本発明は、N末端からC末端の順にCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含む修飾された重鎖定常領域を含む抗体であって、(a)該CH1ドメインが、配列番号7のアミノ酸配列、配列番号7と最大5個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列、または配列番号7と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、ここで、C131、R133、E137、S138またはR217のうち少なくとも1個が置換または欠失されておらず;(b)ヒンジが、配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147のいずれか1つのアミノ酸配列、これらの配列のCVEとCPPの間に1〜3個のアミノ酸挿入を含む配列、またはこれらの配列と最大5個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含み、ここで、該ヒンジは、C219およびC220の両方共の置換または欠失を含まない;(c)該抗体は、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する;そして、(d)該修飾された重鎖定常領域は、野生型IgG2定常領域またはC219Sおよび/もしくはC220Sを含むIgG2定常領域ではない、抗体を提供する。ヒンジは、アミノ酸配列ERKXCVECPPCPAP(配列番号129)またはERKCXVECPPCPAP(配列番号130)を含んでいてよく、ここで、Xは、システインを除く任意のアミノ酸である。例えば、ヒンジは、アミノ酸配列ERKSCVECPPCPAP(配列番号131)またはERKCSVECPPCPAP(配列番号132)を含んでいてよい。特定の態様において、アミノ酸残基P233、V234、A235およびG237の少なくとも1つ、または全ては、欠失されているか、または別のアミノ酸残基、例えば、IgG1ヒンジにおける対応するアミノ酸で置換されている。ある態様において、アミノ酸残基R133、E137、S138およびR217のいずれも、またはC131、R133、E137、S138およびR217のいずれも、置換または欠失されていない。ある態様において、N192および/またはF193は、別のアミノ酸で置換されている。抗体は、野生型IgG1のそれと少なくとも95%の配列同一性を有するCH2ドメインを含んでいてよい。抗体は、野生型IgG1のそれと少なくとも95%の配列同一性を有するCH3ドメインを含んでいてよい。ある態様において、CH2および/またはCH3ドメインは、野生型IgG1 CH2および/またはCH3ドメインではなく、抗体は、野生型IgG1よりも強力なエフェクター機能を有する。ある態様において、CH2および/またはCH3ドメインは、野生型IgG1 CH2および/またはCH3ドメインではなく、抗体は、野生型IgG1よりも効力の低いエフェクター機能を有する。ある態様において、抗体は、野生型IgG1またはIgG4のそれと少なくとも95%の配列同一性を有するCH2ドメインおよび/またはCH1ドメインを含む。ある態様において、抗体は、アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する。

0017

ある態様において、抗体は、修飾された重鎖定常領域を含み、ここで、(a)CH1ドメインは、野生型ヒトIgG2 CH1ドメインであり;(b)ヒンジは、配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147のいずれか1つのアミノ酸配列、またはこれらの配列のCVEとCPPの間に1〜3個のアミノ酸挿入を含む配列を含み;(c)CH2ドメインは、野生型ヒトIgG1 CH2ドメインであるか、または該抗体に増強されたか、もしくは低減されたエフェクター機能を付与する、修飾されたCH2ドメインであり;そして、(d)CH3ドメインは、野生型ヒトIgG1 CH3ドメインであるか、または該抗体に増強されたか、もしくは低減されたエフェクター機能を付与する、修飾されたCH3ドメインである。修飾された重鎖定常ドメインは、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つに記載のアミノ酸配列、または配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。

0018

ある態様において、抗体は、修飾された重鎖定常領域を含み、ここで該重鎖定常領域は、配列




配列番号133と最大10個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列、または配列番号133と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むCH1ドメインおよびヒンジを含み、ここで、(i)C131、R133、E137、S138およびR217の少なくとも1つが、別のアミノ酸で置換されていないか、または欠失されておらず;(ii)C219およびC220が、別のアミノ酸で置換されているか、または欠失されていてよいが、C219およびC220の両方共が置換または欠失されておらず;(iii)1〜3個のアミノ酸が、ヒンジにおけるCVEとCPPの間に挿入されていてよく;(iv)ヒンジは、要すれば、C末端に付加アミノ酸、例えばGを含んでよく;(v)アミノ酸P233、V234、A235およびG237の1個またはそれ以上が、別のアミノ酸(例えば、IgG1由来の対応するアミノ酸)で置換されていてよいか、または欠失されていてよく;(vi)CH2およびCH3ドメインは、野生型であるか、または修飾されたIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH2およびCH3ドメインであってよく;(vii)修飾された重鎖定常領域は、野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重鎖定常ドメインではなく;そして、(viii)抗体は、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する。ある態様において、抗体は、アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する。ある態様において、アミノ酸C131;R133;E137;S138;R217のいずれも、別のアミノ酸で置換されていないか、または欠失されていない。ある態様において、N192および/またはF193は、置換されていないか、またはそれぞれN192Sおよび/またはF193Lである。ある態様において、C219はC219Sであり、C220はC220Sであり、P233−G237は、置換または欠失されている;V234−G237は、置換または欠失されている;A235−G237は、置換または欠失されている;G237は、置換または欠失されている;P233は、置換または欠失されている;P233−V234は、置換または欠失されている;または、P233−A235は、置換または欠失されている。抗体は、エフェクター機能を有していてもよいか、またはエフェクター機能を欠いていてもよい。抗体は、野生型または修飾されたIgG1 CH2ドメインおよび/または野生型または修飾されたIgG1 CH3ドメインを含み得る。

0019

ある態様において、抗体は、修飾された重鎖定常領域を含み、ここで、該重鎖定常領域は、配列




配列番号7と最大10個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列、または配列番号7と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列、を含むCH1ドメインを含み、ここで、(i)C131、R133、E137、S138およびR217の少なくとも1つが置換または欠失されておらず;(ii)修飾された重鎖定常領域が、野生型IgG2重鎖定常領域、またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重鎖定常ドメインではない;そして、(iii)該抗体が、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する。抗体は、アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する。ある態様において、アミノ酸C131;R133;E137およびS138はいずれも、別のアミノ酸で置換されていないか、または欠失されていない。ある態様において、N192および/またはF193は、置換されていないか、またはそれぞれN192Sおよび/またはF193Lである。抗体は、エフェクター機能を有していてもよいか、またはエフェクター機能を欠いていてもよい。抗体は、野生型または修飾されたIgG1 CH2ドメインおよび/または野生型または修飾されたIgG1 CH3ドメインを含み得る。

0020

抗体は、修飾された重鎖定常領域を含んでいてよく、ここで、重鎖定常領域は、配列




または配列番号8と最大5個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列、を含むヒンジを含み、ここで、(i)C219およびC220は、別のアミノ酸で置換されていてよいか、または欠失されていてよいが、C219およびC220の両方共が置換または欠失されておらず;(ii)アミノ酸P233、V234、A235およびG237の1個またはそれ以上が、置換または欠失されていてよく;(iii)1〜3個のアミノ酸が、ヒンジにおけるCVEとCPPの間に挿入されていてよく;(iv)ヒンジは、要すれば、C末端に付加アミノ酸、例えばGを含んでよく;(v)CH2およびCH3ドメインは、野生型であるか、または修飾されたIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH2およびCH3ドメインであってよく;(vi)修飾された重鎖定常領域は、野生型IgG2重鎖定常領域またはC219SもしくはC220Sを有する野生型IgG2重鎖定常ドメインではなく;そして、(vii)抗体は、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する。抗体は、アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有する。ある態様において、C219はC219Sであり、C220はC220Sであり、P233−G237は、置換または欠失されている;V234−G237は、置換または欠失されている;A235−G237は、置換または欠失されている;G237は、置換または欠失されている;P233は、置換または欠失されている;P233−V234は、置換または欠失されている;または、P233−A235は、置換または欠失されている。抗体は、エフェクター機能を有していてもよいか、またはエフェクター機能を欠いていてもよい。抗体は、野生型または修飾されたIgG1 CH2ドメインおよび/または野生型または修飾されたIgG1 CH3ドメインを含み得る。

0021

修飾された重鎖定常領域を有する抗体であって、該重鎖定常領域が、IgG1またはIgG2ヒンジを含み、ヒンジが1〜7個のアミノ酸を欠き、そして抗体が、IgG1ヒンジおよびCH1ドメインを含む同じ抗体と比べて、少なくとも1つの増強された特性または新たに付与された特性を有する、抗体もまた提供される。抗体は、アゴニスト活性、抗体介在性の受容体内在化、ADCC、受容体介在性シグナル伝達、アンタゴニスト活性、免疫調節活性または抗腫瘍活性から選択される少なくとも1つの増強された特性;または、アゴニスト活性である、新たに付与された特性を有し得る。ヒンジは、1〜4個のアミノ酸、例えば、アミノ酸C219、C220、V222およびE224を欠くIgG2ヒンジであり得る。ヒンジは、アミノ酸S219、C220、D221、K222、T223、H224およびT225を欠くIgG1ヒンジである。抗体は、野生型または修飾されたIgG2 CH1ドメイン;野生型または修飾されたIgG1 CH1ドメイン、およびIgG1、IgG2またはIgG4 CH2ドメイン、およびIgG1、IgG2またはIgG4 CH3ドメインを含み得る。

0022

修飾された重鎖定常領域を有する抗体は、ヒト抗体またはヒト化抗体、またはその抗原結合部分であり得る。ある態様において、抗体は、免疫調節に関与する抗原に特異的に結合する。抗体は、共刺激受容体のアゴニストまたは阻害受容体のアンタゴニストであり得る。例えば、抗体は、例えば、B7−1、B7−2、CD28、4−1BB、GITR、OX40、ICOS、CD70、CD27、CD40、DR3およびCD28Hからなる群より選択される共刺激受容体に結合してよいか、または抗体は、例えば、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1およびTIM−4からなる群より選択される阻害受容体に結合してよい。抗原は、内在化が必要とされる抗原、例えば、CD73であり得る。抗原はCD39であり得る。

0023

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、共刺激受容体、例えば、GITR、OX40、4−1BB、CD28、ICOS、CD40、CD27またはすべての他のTNFRスーパーファミリーメンバーに特異的に結合し、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む。ある態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含まない抗体と比べて、増強または改変されたアゴニスト活性を示す。

0024

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、細胞表面分子、例えば、CD73に特異的に結合し、抗体介在性の細胞表面分子の内在化を誘発し、そして配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む。ある態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、増強または改変された内在化特性を有する。

0025

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、阻害受容体、例えば、CTLA−4、PD−1、LAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM−1およびTIM−4に特異的に結合し、そして、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む。ある態様において、抗体は、IgG1重鎖定常領域を有する同じ抗体と比べて、より強力な、または改変されたアンタゴニスト活性を示すか、または新たな活性を付与する。

0026

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、細胞表面分子に特異的に結合し、細胞内シグナル伝達を誘発し、ここで、該抗体は、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む。ある態様において、細胞内シグナル伝達は、アゴニスト活性、アンタゴニスト活性、細胞表面分子の内在化、またはADCCを仲介する。ある態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、より強力な細胞内シグナル伝達を誘発する。

0027

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、細胞表面分子に特異的に結合し、高分子量の抗体−細胞表面分子複合体の形成を誘発し、ここで、該抗体は、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む。ある態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、より高分子量複合体の形成を誘発する。

0028

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、細胞表面分子に特異的に結合し、細胞表面分子のクラスター化またはオリゴマー化を誘発し、ここで、該抗体は、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168からなる群より選択される修飾された重鎖定常領域を含む。ある態様において、抗体は、同じ可変領域および軽鎖を有するが、IgG1重鎖定常領域を含む抗体と比べて、細胞表面分子のクラスター化またはオリゴマー化をより誘発する。

0029

本発明は、第2の結合特異性を有する分子に連結された修飾された重鎖定常領域を含む抗体を含む二重特異性分子もまた提供する。本発明は、第2の薬物に連結された、修飾された重鎖定常領域を含む抗体を含む免疫複合体もまた提供する。本明細書に記載の抗体、二重特異性または免疫複合体ならびに担体を含む組成物もまた、提供される。組成物は、1つまたは複数のさらなる治療剤を含んでいてよく、例えば、治療剤が免疫系を刺激し、例えば、チェックポイント阻害剤または共刺激受容体のアンタゴニストである。

0030

本発明はまた、N末端からC末端の順にCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含む、修飾された重鎖定常領域を含む抗体の製造方法であって、(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではない、ヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を提供する工程;および、(b)該ヒンジおよび/またはCH1ドメインを、それぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置換する工程、を含む方法を提供する。本発明はさらに、細胞による抗体の内在化を増大させる方法であって、(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではない、ヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を提供する工程;および、(b)該ヒンジおよび/またはCH1ドメインを、それぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置換する工程、を含む方法を提供する。抗体の内在化は、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体、例えばIgG1定常領域を含む抗体の内在化と比べて増大され得る。また、抗体のアゴニスト活性を増大させる方法であって、(a)IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインではない、ヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体を提供する工程;および、(b)該ヒンジおよび/またはCH1ドメインを、それぞれIgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインで置換する工程、を含む方法を提供する。アゴニスト活性は、非IgG2アイソタイプのヒンジを含む同じ抗体、例えばIgG1定常領域を含む抗体のアゴニスト活性と比べて増強され得る。IgG2ヒンジは、野生型ヒトIgG2ヒンジであるか、または野生型ヒトIgG2ヒンジのアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでいてよく、例えば、表4に記載の配列であってよい。方法は、CH1、CH2またはCH3ドメインの少なくとも1つを、それぞれ異なるアイソタイプのCH1、CH2またはCH3ドメインで置換する工程を含み得る。方法は、(a)CH1ドメインをIgG2 CH1ドメインで置換する工程;(b)CH2ドメインをIgG1 CH2ドメインで置換する工程;および/または(c)CH3ドメインをIgG1 CH3ドメインで置換する工程、を含み得る。方法は、(a)CH1ドメインを、野生型ヒトIgG2 CH1ドメイン、またはそれと少なくとも95%の配列同一性を有するドメインで置換する工程;(b)CH2ドメインを、野生型ヒトIgG1 CH2ドメイン、またはそれと少なくとも95%の配列同一性を有するドメインで置換する工程;および/または(c)CH3ドメインを、野生型ヒトIgG1 CH3ドメイン、またはそれと少なくとも95%の配列同一性を有するドメインで置換する工程、を含み得る。方法は、重鎖定常領域を、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つを含む修飾された重鎖定常領域、または配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168と少なくとも95%の配列同一性を有する領域で置換する工程を含み得る。ヒンジは、ジスルフィド結合の形成を低減または改変させる修飾を含み得る。ヒンジは、アミノ酸置換C219Sを含み得る。ヒンジは、配列番号8、21〜23、126〜132または134〜147のいずれか1つに記載のアミノ酸配列、またはこれらの配列のCVEとCPPの間に1〜3個のアミノ酸挿入を含む配列を含み得る。CH1ドメインは、アミノ酸配列
ASTKGPSVFPLAPCSSTSESTAALGCLVKDYFPPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTV(配列番号7)
を含み得る。CH2ドメインは、エフェクター機能を低減または除くように修飾され得る。CH2ドメインは、アミノ酸置換A330SおよびP331Sを含み得る。CH2ドメインは、アミノ酸配列
PSVFLFPPKPKDTLMISRTEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTLHDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK(配列番号4)
を含み得る。CH2ドメインは、アミノ酸置換A330SおよびP331Sを含み得る。CH3ドメインは、アミノ酸配列
GQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号5)
を含み得る。

0031

本明細書に記載の、例えば、上記の方法により産生される抗体、またはその抗原結合部分、例えば、ヒトまたはヒト化抗体もまた提供される。対象、例えば、癌を有する対象を、本明細書に記載の抗体のいずれかで処置する方法もまた、本明細書中に包含される。該方法は、1以上のさらなる治療剤、例えば、免疫系を刺激する治療剤を投与する工程をさらに含む。例えば、治療剤は、チェックポイント阻害剤または共刺激分子を標的とし得る。方法は、本明細書に記載の組成物、二重特異性分子、または免疫複合体を投与することを含み得る。

図面の簡単な説明

0032

図1Aは、H2228細胞(非小細胞肺癌細胞株)における以下の抗体によるCD73の抗体介在性の内在化の動態を示す:11F11、4C3、6D11、4C3Vk1軽鎖を有するCD73.3−IgG1.1f(“3−Vh−hHC−IgG1.1f/4C3Vk1”)、11F11 Vk2軽鎖を有するCD73.4−IgG2CS(“4−Vh−hHC−IgG2−C219S/11F11−Vk2”)、CD73.10−IgG2CS(“CD73.10−Vh−hHC−IgG2−C219S”)、CD73.10−IgG2CS−IgG1.1f(“CD73.10−Vh−hHC−IgG2−C219S−IgG1.1f”)、およびH2228細胞におけるCD73.10−IgG1.1f(“CD73.10−Vh−hHC−IgG1.1f”)抗体。11F11(IgG2アイソタイプである)、CD73.4−IgG2CS、CD73.10−IgG2CSおよびCD73.10−IgG2CS−IgG1.1f抗体は、他の試験抗体(IgG1アイソタイプである)よりも速くかつより高度に内在化される。図1Bは、H2228細胞で得られたものと同様の結果を示す、HCC15細胞(非小細胞肺癌腫細胞株)における、図1Aに示されるものと同じ抗体の抗体介在性のCD73内在化の動態を示す。図1Cは、H2228およびHCC15細胞で得られたものと同様の結果を示す、Calu6細胞における、図1Aおよび1Bに示されるものと同じ抗体、ならびにCD73.11−IgG2CS(“11−Vh−hVC−IgG2−C219S”)の抗体介在性のCD73内在化の動態を示す。図1Dは、H2228、HCC15、およびCalu6細胞で得られたものと同様の結果を示す、NCI−2030細胞(非小細胞肺癌腫細胞株)における、図1Cに示されるものと同じ抗体の抗体介在性のCD73内在化の動態を示す。図1Eは、フローサイトメトリーによって測定される、Calu6細胞における示された抗体の抗体介在性のCD73内在化の動態を示す。図1Fは、フローサイトメトリーによって測定される、NCI−H292細胞(粘膜類表皮癌細胞株)における示された抗体の抗体介在性のCD73内在化であって、該抗体を用いた細胞の最初のインキュベーション後に抗体を洗浄しなかった場合の動態を示す。図1Gは、Calu6細胞における示された抗体の抗体介在性の経時的CD73内在化を示す、示された抗体で処理したCalu6細胞におけるCD73内在化の割合を示す。図1Hは、NCI−H292細胞における示された抗体の抗体介在性の経時的CD73内在化を示す、示された抗体で処理したNCI−H292細胞における経時的CD73内在化の割合を示す。図1Iは、SNU−C1細胞における示された抗体の抗体介在性の経時的CD73内在化を示す、示された抗体で処理したSNU−C1細胞(結腸癌細胞株)における経時的CD73内在化の割合を示す。図1Jは、NCI−H1437細胞における示された抗体の抗体介在性の経時的CD73内在化を示す、示された抗体で処理したNCI−H1437細胞(非小細胞肺癌腫細胞株)における経時的CD73内在化の割合を示す。

0033

図2は、抗CD3(プレートコーティングした)およびCD28−活性化ヒトCD4T細胞に対する示された抗ヒトGITR抗体の結合動態およびグラフからの対応するEC50値を示す。
図3A−Cは、異なる重鎖定常領域を有する可溶性抗ヒトGITR抗体で刺激したドナーCD4T細胞からのIFN−γおよびIL−2の分泌を示す。図3Aは、OKT3発現CHO細胞および種々の濃度のIgG2−IgG1定常領域を有する抗ヒトGITR抗体で刺激したドナーCD4T細胞からのIFN−γ分泌を示す。図3Bは、OKT3発現CHO細胞および種々の濃度のIgG1重鎖定常ドメインまたはIgG2−IgG1ハイブリッド重鎖定常ドメインで刺激したドナーCD4T細胞からのIL−2分泌を示す。図3Cは、OKT3発現CHO細胞および種々の濃度の図3AおよびBにおける抗体のエフェクターを欠く(effectorless)バージョン(IgG1.1)で刺激したドナーCD4T細胞からのIL−2分泌を示す。
図4は、示された抗ヒトGITR抗体:ハイブリドーマ抗GITR(IgG2)およびIgG1f、IgG1.1(エフェクター機能を欠く)、またはIgG2ヒンジを有するキメラのような組換え誘導体の増加量の存在下での、抗CD3モノクローナル抗体でコーティングしたプレート上で培養した3A9−hGITR細胞からのIL−2分泌を示す。
図5A−Dは、抗体/抗原複合体のサイズに対するIgG2ヒンジの効果を示す。図5A−Cは、hCD73−hisと異なる定常領域を含む抗体CD73.4の複合体について、SECクロマトグラムデータ、DLSデータおよびMALSデータを示す。図5Dは、図5CにおけるMALSにより決定された質量に由来するhCD73−his/mAb複合体の図式モデルを示す。

0034

図6は、CD73/mAb複合体についてのSEC−MALSデータを示す。
図7は、CD73/mAb複合体についてのDLSデータを示す。
図8Aは、Calu6細胞における示された抗体の抗体介在性の経時的CD73内在化を示す、示された抗体で処理されたCalu6細胞におけるCD73内在化の経時的割合を示す。図8Bは、Calu6細胞における示された抗体の抗体介在性の経時的CD73内在化を示す、示された抗体で処理されたNCI−H292細胞におけるCD73内在化の経時的割合を示す。図8Cは、0、5、15または30分間、5μg/mlの示された抗体で処理されたCalu6細胞表面上のCD73レベルを示す。
図9は、示された定常領域を有する抗GITR抗体の存在下での、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+T細胞により分泌されるIL−2レベルを示す。
図10は、示された抗体のそれぞれの添加の1、4または21時間後の、抗体介在性のCD73内在化の割合を示す。各抗体の棒グラフは、21時間(左)、4時間(中央)および1時間(右)の順に示されている。

0035

図11Aは、hCD73−hisと、異なる定常領域配列を含む16個の異なるCD73.4抗体の1:1モル複合体の、SECクロマトグラムデータのオーバーレイを示す。図11Bは、示される4つの異なる溶出種を含む、図10Aのクロマトグラムの11〜19.5分のクロマトグラムデータの拡大を示す。図11Cは、16個の異なる抗体/CD73−his複合体についてプロットした、図11Bのピーク2に対するUVクロマトグラムシグナル領域の割合を示す。データは、ピーク面積が大きい順に左から右に並べられている。
図12は、抗hisFab捕捉FcγR−hisタンパク質に結合する抗体を示す。結合応答は、1:1のmAb:FcγR結合化学量論仮定すると、理論的Rmaxの割合としてプロットされる。各抗体の棒グラフは、スライド下部に提供される色の凡例により示される。
図13は、抗his Fab捕捉FcgR−hisタンパク質に結合する抗体を示す。結合応答は、1:1のmAb:FcγR結合化学量論と仮定すると、理論的Rmaxの割合としてプロットされる。各抗体の棒グラフは、スライド下部に提供される色の凡例により示される。
図14Aは、抗his Fab捕捉FcγR−hisタンパク質に結合する抗体を示す。結合応答は、1:1のmAb:FcγR結合化学量論と仮定すると、理論的Rmaxの割合としてプロットされる。各抗体の棒グラフは、スライド下部に提供される色の凡例により示される。図14Bは、抗his Fab捕捉FcγR−hisタンパク質に結合する抗体を示す。結合応答は、1:1のmAb:FcγR結合化学量論と仮定すると、理論的Rmaxの割合としてプロットされる。各抗体の棒グラフは、スライド下部に提供される色の凡例により示される。
図15は、抗GITR抗体の内在化の時間経過分析を示す。

0036

図16Aは、0時間での、GITRおよび早期エンドソームマーカーEEA2の共局在分析を示す。図16Bは、時間30および120分での、GITRおよび早期エンドソームマーカーEEA2の共局在分析を示す。図16Cは、全染色と比べて共局在ピクセル強度の割合としてプロットされる、図16AおよびBに示されるエンドソーム共局在の定量の結果を示す。
図17Aは、示される抗GITR抗体で処理したCD8+T細胞におけるNFkBシグナル伝達の活性化を示す。図17Bは、示される抗GITR抗体で処理したCD4+T細胞におけるNFkBシグナル伝達の活性化を示す。
図18は、示される抗GITR抗体で処理したCD4+T細胞におけるP38活性化を示す。
図19は、立体構造A、BまたはA/Bを有するIgG2抗体におけるジスルフィド結合の形状を示す。
図20Aは、異なる濃度の示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下での、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+T細胞により分泌されるIL−2レベルを示す。図20Bは、5μg/mlの示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下での、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+T細胞により分泌されるIL−2レベルを示す(図20Aと同じ実験)。図20Cは、1.25μg/mlの示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下での、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+T細胞により分泌されるIL−2レベルを示す(図20Aと同じ実験)。図20Dは、0.313μg/mlの示される定常領域を有する抗GITR抗体の存在下での、CHO−OKT3細胞と共培養したCD4+T細胞により分泌されるIL−2レベルを示す(図20Aと同じ実験)。

0037

詳細な説明
本発明は、抗体がIgG2ヒンジを含むとき、非IgG2ヒンジを含む同じ抗体と比べて(または、IgG1定常領域を含む同じ抗体と比べて)、抗体の以下の特性:(i)内在化;(ii)アゴニスト機能;(iii)受容体介在性の細胞内シグナル伝達;(iv)ADCC;および、(v)抗体/抗原複合体の重量が、増加または改変されるという発見に、少なくとも部分的に基づく。加えて、抗体のこれらの増強または改変された特性は、該抗体が、IgG2ヒンジに加えて、IgG2 CH1ドメインを含むときに、さらに増強または改変される。IgG2 CH1ドメインを有するが、IgG2ヒンジを有さない抗体が、IgG1 CH1ドメインを有する同じ抗体と比べて増強または改変された活性を有することも観察されている。特定の作用機序に限定されることなく、IgG2ヒンジの増強された効果は、抗体/抗原複合体のサイズの増加と相関することが見いだされている。抗体がIgG2ヒンジを有するとき、抗体/抗原複合体のサイズの増加は、他のアイソタイプのものと比べてIgG2ヒンジの高剛性に起因し得る。さらに、IgG2ヒンジおよびCH1ドメインの特定の領域またはアミノ酸残基が修飾されて、一方で、他のものは好ましくは修飾されずに、増強または改変された活性を維持することができることが示されている。

0038

本明細書にさらに記載するとおり、増強または修飾された活性を抗体(またはその抗原結合領域)に与えるこれらの修飾された重鎖定常領域は、エフェクター機能を有し得る。従って、抗体はIgG2ヒンジおよび/またはCH1ドメインによって付与される有利な特性を有し、また、エフェクター機能を有するように作製され得ることが示された。

0039

本発明はまた、IgG1またはIgG2抗体中のヒンジの特定の部分の欠失が、IgG1定常領域を有する抗体と比べて、増強または改変された特性を有する抗体をもたらすという発見に少なくとも一部基づいている。

0040

従って、本発明は、(i)抗体の抗原結合領域に増強または改変された特性を付与する修飾された重鎖定常領域を有する抗体およびそれらの使用法、ならびに(ii)非IgG2ヒンジおよび/またはCH1ドメインを含む抗体のある生物学的特性、例えば内在化、アゴニズムおよびアンタゴニズムを増強または改変する方法であって、抗体の非IgG2ヒンジおよび/またはCH1ドメインを、IgG2ヒンジおよび/またはIgG2 CH1ドメインもしくはその部分で置換することを含む方法を提供する。

0041

本発明は、異なる定常領域を有する同じ抗体と比べて、抗体、例えば、非IgG2ヒンジおよび/または非IgG2 CH1ドメインを有する抗体の特定の生物学的特性を増強する“修飾された重鎖定常領域”を提供する。修飾された重鎖定常領域の例としては、IgG2ヒンジ、CH1ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインが挙げられ、ここで、これらの定常ドメインの少なくとも1つは、IgG2アイソタイプのものではなく、例えば、IgG1、IgG3またはIgG4のものであり得る。ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG2ヒンジならびにIgG1 CH2およびCH3ドメインを含む。ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG2 CH1ドメインおよびIgG2ヒンジを含む。ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG2 CH1ドメイン、IgG2ヒンジ、IgG1 CH2ドメインおよびIgG1 CH3ドメインを含む。修飾された重鎖定常領域は、野生型IgG1と同様のエフェクター機能を有し得るか、または野生型IgGと比べて、低減または増強されたエフェクター機能を有するように作製され得る。修飾された重鎖定常領域は、野生型CH1、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメイン、あるいはそれらの変異体、例えば、対応する野生型ドメインと比較して1個以上のアミノ酸置換、欠失もしくは付加を有する、および/または対応する野生型配列と少なくとも90%またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する、CH1、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメインを含んでいてよい。

0042

定義
本明細書の記載をより容易に理解し得るようにするため、特定の用語を最初に定義する。さらなる定義は、詳細な説明の全体にわたって記載される。

0043

本明細書で用いる用語“抗体”は、全長抗体およびそのすべての抗原結合断片(例えば、ヒンジを含む抗原結合断片、ヒンジおよびCH1ドメインを含む抗原結合断片、ヒンジおよびCH2ドメインを含む抗原結合断片、またはヒンジ、CH2ドメインおよびCH3ドメインの一部を含む抗原結合断片)またはその単鎖抗体を含み得る。一態様において、“抗体”は、タンパク質、例えば、ジスルフィド結合により内部で連結された少なくとも2つの重鎖(H)および2つの軽鎖(L)を含む糖タンパク質、またはその抗原結合部分を意味する。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書中、VHと略す)および重鎖定常領域からなる。特定の天然IgG、IgDおよびIgA抗体において、重鎖定常領域は、ヒンジ、CH1ドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインからなる。特定の天然抗体において、各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書中、VLと略す)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。VHおよびVL領域はさらに、相補性決定領域(CDR)と称される変異性の高い領域に細分され、その間には、フレームワーク領域(FR)と称されるより保存性の高い領域が存在している。各VHおよびVLは、3個のCDRと4個のFRで構成され、アミノ末端からカルボキシ末端へFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序で配置されている。該重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的な補体系の第1成分(C1q)が含まれる、免疫グロブリン宿主組織または因子への結合を媒介することができる。

0044

免疫グロブリンは、IgA分泌型IgA、IgGおよびIgMを含むが、それらに限定されない、周知のアイソタイプのいずれかに由来し得る。IgGアイソタイプは、特定の種のサブタイプに分けられ、ヒトではIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4、マウスではIgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3に分けられる。ある態様において、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG1またはIgG2サブタイプのものである。免疫グロブリン、例えば、ヒトIgG1には、せいぜい数個のアミノ酸が互いに異なる幾つかのアロタイプが存在する。“抗体”には、一例として、天然抗体および非天然抗体の両方;モノクローナルおよびポリクローナル抗体;キメラおよびヒト化抗体;ヒトおよび非ヒト抗体;完全合成抗体;および単鎖抗体が含まれ得る。

0045

ある態様において、抗体の重鎖は、C末端リシン;C末端グリシン(C末端リシンを欠く)を含むか、またはGKを欠くか、もしくはKを欠く。本明細書に記載の修飾された重鎖定常領域を含む抗体に言及するとき、抗体は、C末端GKまたはKを有するか、あるいは、GKまたはKを欠く、提供された配列を含み得る。

0046

アミノ酸の番号付けは、KabatのEUインデックス(Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, MD)に従い、および米国特許出願第2008/0248028号の図3c−3fに従っている。

0047

本明細書で用いる用語、抗体の“抗原結合部分”は、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つまたは複数の断片を意味する。抗体の抗原結合部分は、“ヒンジ含有抗原結合部分”であり得る。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体の断片によって実行可能であることが示されている。用語、本明細書に記載の抗体の“抗原結合部分”に包含される結合断片の例には、(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片;(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなる、dAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544−546);および、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)または必要に応じて合成リンカーによって連結され得る2つ以上の単離されたCDRの組み合わせ、が含まれる。さらに、Fv断片の2個のドメインであるVLおよびVHは、別個の遺伝子によりコードされているが、それらは、組換え法を用いて、一本のタンパク質鎖として作製できる合成リンカーにより連結でき、ここで、VLおよびVH領域は対となって、一本鎖Fv(scFv)として公知の一価の分子を形成する;例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423−426;および、 Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照のこと。このような一本鎖抗体もまた、抗体の“抗原結合部分”に包含されることが意図される。これらの、および他の可能性のある構築物は、Chan & Carter (2010) Nat. Rev. Immunol. 10:301に記載されている。これらの抗体断片は、当業者に公知の常套法を用いて入手可能であり、該断片は、無傷の抗体と同様の方法で有用性についてスクリーニングされる。抗原結合部分は、組換えDNA技術により、または無傷の免疫グロブリンの酵素的切断または化学的切断により、産生され得る。

0048

可変ドメインの“CDR”は、Kabat、Chothia、KabatおよびChothiaの両方の組み合わせ、AbM定義、接触定義(contact definition)、および/もしくはコンフォメーション定義(conformational definition)、または当技術分野で周知の任意のCDR決定法に従って同定される、超可変領域内のアミノ酸残基である。抗体のCDRは、Kabatらによって最初に定義された超可変領域として同定され得る。例えば、Kabat et al., 1992, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., Public Health Service, NIH, Washington D.Cを参照のこと。CDRの位置は、Chothiaらによって最初に記載された構造的ループ構造としても同定され得る。例えば、Chothiaらの、1989, Nature 342:877−883を参照のこと。CDR同定のための他の手法には、KabatとChothiaとの間であり、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェア(現在はAccelrys(登録商標))を使用して誘導される“AbM定義”、または、MacCallumらの、1996, J. Mol. Biol., 262:732−745に記載の、観察された抗原接触に基づくCDRの“接触定義”が含まれる。本明細書中でCDRの“コンフォメーション定義”と言う別の手法では、CDRの位置は、抗原結合に対してエンタルピー的寄与を行う残基として同定され得る。例えば、Makabe et al., 2008, Journal of Bio;ogical Chemistry, 283:1156−1166を参照のこと。さらに他のCDR境界定義は、上記手法のうちの1つに厳密には従わない場合があるが、それにもかかわらず、Kabat CDRの少なくとも一部分と重複する。ただし、これらは、特定の残基や残基の群、またはCDR全体さえもが、抗原結合に顕著な影響を与えないという予測または実験的発見に鑑みて、短縮または伸長されている場合がある。本明細書で用いるCDRとは、手法の組合せを含めた、当技術分野で公知の任意の手法によって定義されたCDRを意味し得る。本明細書で用いる方法は、これらの手法のうちの任意のものに従って定義されたCDRを利用し得る。2以上のCDRを含有する任意の所定の態様において、CDRは、Kabat、Chothia、その拡張、AbM定義、接触定義、および/またはコンフォメーション定義のうちの任意のものに従って定義され得る。

0049

本明細書で用いる“アイソタイプ”は、重鎖定常ドメイン遺伝子によってコードされている抗体クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgE抗体)を意味する。各野生型ヒトIgG定常領域(全てのドメイン、すなわち、CH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含む)の完全長アミノ酸配列は、オンライン利用可能なUniProtデータベース内に登録されており、例えば、P01857(IgG1)、P01859(IgG2)、P01860(IgG3)、およびP01861(IgG4)、またはそれらの異なるアロタイプ(それぞれ、配列番号1、6、11および16)である。本明細書で用いる、重鎖定常領域の1つのドメイン、例えば、ヒンジは、該ドメインが、それぞれのアイソタイプの対応するドメインのアミノ酸配列、またはその変異体を有する(他のアイソタイプのものとよりも、それぞれのアイソタイプの対応するドメインにより高い相同性を有する)場合、“IgG1アイソタイプ”、“IgG2アイソタイプ”、“IgG3アイソタイプ”または“IgG4アイソタイプ”のものである。

0050

“アロタイプ”は、特定のアイソタイプ群内の天然変異体であって、数個のアミノ酸のみが異なる変異体(例えば、Jefferies et al. (2009) mAbs 1:1を参照のこと)を意味する。本明細書に記載の抗体は、すべてのアロタイプのものであり得る。

0051

“野生型”タンパク質またはその部分は、天然に見いだされるタンパク質の1つのバージョンである。野生型タンパク質、例えば、重鎖定常領域のアミノ酸配列は、それが天然ような、タンパク質のアミノ酸配列である。アロタイプの違いによって、野生型タンパク質に対して2以上のアミノ酸配列が存在し得る。例えば、天然ヒトIGg1重鎖定常領域のいくつかのアロタイプが存在する(例えば、Jeffries et al. (2009) mAbs 1:1を参照のこと)。

0052

Fc領域”(結晶性断片領域)または“Fcドメイン”または“Fc”は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)上に位置するFc受容体または古典的な補体系の第一成分(C1q)への結合を含む、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介する、抗体の重鎖のC末端領域を意味する。従って、アイソタイプIgGの抗体のFc領域は、第一の定常領域免疫グロブリンドメイン(CH1)を欠く、抗体の重鎖定常領域を含む。IgG、IgAおよびIgD抗体アイソタイプにおいて、Fc領域は、抗体の2つの重鎖のぞれぞれにCH2およびCH3定常ドメインを含む;IgMおよびIgEFc領域は、それぞれのポリペプチド鎖内に3つの重鎖定常ドメイン(CHドメイン2−4)を含む。IgGに関して、Fc領域は、ヒンジ、CH2およびCH3からなる免疫グロブリンドメインを含む。本発明の目的に関して、Fc領域は、アミノ酸216で開始し、アミノ酸447で終わるように定義され、ここで番号付けは、KabatのEUインデックス(Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, MD)に従い、および米国特許出願第2008/0248028号の図3c−3fに従っている。Fcは、アロタイプ変異体を含む、天然(または、天然か、または野生型)Fc、または例えば、1、2、3、4、5、1−5、1−10または5−10またはそれ以上のアミノ酸変異、例えば、置換、付加または欠失を含む、変異型Fc(例えば、非天然Fc)を含む。例えば、変異多がFcは、野生型Fcと少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。修飾された、または変異されたFcは、増強(増大)または低減されたエフェクター機能および/または半減期を有し得る。CH2およびCH3領域は、エフェクター機能およびFcRn結合の主要部位である。Fcは、分離して、またはFc含有タンパク質ポリペプチド、例えば、“Fc融合タンパク質”とも言う“Fc領域を含む結合タンパク質”(例えば、抗体またはイムノアドヘシン)の文脈でも、この領域を意味し得る。

0053

“エフェクター機能”とは、抗体Fc領域とFc受容体またはリガンドとの相互作用、またはそれから生じる生化学的事象を意味する。“エフェクター機能”の例には、Clq結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、FcγR介在性エフェクター機能、例えばADCCおよび抗体依存性細胞介在性食作用(ADCP)、および細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方制御が含まれる。そのようなエフェクター機能は、一般的に、結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と連結されるFc領域を必要とする。

0054

“Fc受容体”または“FcR”は、免疫グロブリンのFc領域に結合する受容体である。IgG抗体に結合するFcRは、これらの受容体の対立遺伝子変異体および選択的スプライシング型を含む、FcγRファミリーの受容体を含む。FcγRファミリーは、3種の活性型(マウスでは、FcγRI、FcγRIII、およびFcγRIV;ヒトでは、FcγRIA、FcγRIIA、およびFcγRIIIA)および1つの阻害型(FcγRIIB)受容体からなる。ヒトFcγRの種々の特性を表1にまとめる。天然の(innate)エフェクター細胞タイプの大部分は、1以上の活性型FcγRおよび阻害型FcγRIIBを共発現しており、一方で、マウスおよびヒトにおいて、ナチュラルキラー(NK)細胞は、1つの活性型Fc受容体(マウスではFcγRIIIおよびヒトではFcγRIIIA)を選択的に発現するが、阻害型FcγRIIBは発現しない。ヒトIgG1は、ほとんどのヒトFc受容体に結合し、それが結合する活性型Fc受容体のタイプに関してマウスIgG2aと同等と考えられる。

0055

0056

“ヒンジ”、“ヒンジドメイン”または“ヒンジ領域”または“抗体ヒンジ領域”は、CH1ドメインをCH2ドメインに結合し、ヒンジの上部、中央、および下部を含む、重鎖定常領域のドメインを意味する(Roux et al. J. Immunol. 1998 161:4083)。ヒンジは、抗体の結合領域とエフェクター領域との間の柔軟性の様々なレベルを提供し、また2つの重鎖定常領域間の分子間ジスルフィド結合のための部位を提供する。本明細書で用いるヒンジは、全てのIgGアイソタイプについて、Glu216から開始し、Gly237で終わる(Roux et al., 1998 J Immunol 161:4083)。野生型IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4ヒンジの配列を表2に示す。

0057

0058

用語“ヒンジ”は、野生型ヒンジ(例えば、表3に記載のもの)、ならびにその変異体(例えば、非天然ヒンジまたは修飾されたヒンジ)を含む。例えば、用語“IgG2ヒンジ”は、表3に示すような野生型IgG2ヒンジ、ならびに1、2、3、4、5、1〜3、1〜5、3〜5個および/または多くとも5、4、3、2または1個の変異、例えば、置換、欠失または付加を有する変異体を含む。IgG2ヒンジ変異体の例には、IgG2ヒンジが含まれ、それは、1、2、3個または4個全てのシステイン(C219、C220、C226およびC229)が別のアミノ酸に置換されている。特定の態様において、IgG2ヒンジは、C219XまたはC220X置換を含み、ここで、Xは、システインを除くすべてのアミノ酸である。IgG2ヒンジは、置換を含んでいてよく、それは、単独で、または重鎖もしくは軽鎖の他の領域における1つ以上の置換と共に、該ヒンジを含む抗体を形態AまたはBにすることができる(例えば、Allen et al. (2009) Biochemistry 48:3755)。ある態様において、ヒンジは、少なくとも2つのアイソタイプからの配列を含むハイブリッドヒンジである。例えば、ヒンジは、1つのアイソタイプ由来の上部、中央または下部のヒンジ、および1以上の他のアイソタイプ由来の残りの部分のヒンジを含んでいてよい。例えば、ヒンジは、IgG2/IgG1ヒンジであってもよく、例えば、IgG2の上部および中央ヒンジならびにIgG1の下部ヒンジを含んでいてもよい。ヒンジは、エフェクター機能を有し得るか、またはエフェクター機能を失い得る。例えば、野生型IgG1の下部ヒンジは、エフェクター機能を提供する。

0059

“非IgG2”ヒンジは、IgG2アイソタイプ由来ではないヒンジを意味する。

0060

用語“CH1ドメイン”は、重鎖定常ドメインにおいて可変ドメインをヒンジに連結する重鎖定常領域を意味する。本明細書で用いる、CH1ドメインは、A118から開始し、V215で終わる。用語“CH1ドメイン”には、野生型CH1ドメイン(例えば、配列番号2のIgG1および配列番号7のIgG2を有する;表3)、ならびにその変異体(例えば、非天然CH1ドメインまたは修飾されたCH1ドメイン)が含まれる。例えば、用語“CH1ドメイン”には、野生型CH1ドメイン、および1、2、3、4、5、1〜3、1〜5、3〜5個および/または多くとも5、4、3、2または1個の変異、例えば、置換、欠失または付加を含むその変異体が含まれる。CH1ドメインの例には、抗体の生物学的活性、例えばADCC、CDCまたは半減期などを修飾する変異を有するCH1ドメインが含まれる。抗体の生物学的活性に影響を与えるCH1ドメインに対する修飾は、本明細書に記載される。

0061

用語“CH2ドメイン”は、重鎖定常ドメインにおいてヒンジをCH3ドメインに連結する重鎖定常領域を意味する。本明細書で用いる、CH2ドメインは、P238から開始し、K340で終わる。本明細書で用いる用語“CH2ドメイン”には、野生型CH2ドメイン(例えば、配列番号4のIgG1を有する;表3)、ならびにその変異体(例えば、非天然CH2ドメインまたは修飾されたCH2ドメイン)が含まれる。例えば、用語“CH2ドメイン”には、野生型CH2ドメイン、および1、2、3、4、5、1〜3、1〜5、3〜5個および/または多くとも5、4、3、2または1個の変異、例えば、置換、欠失または付加を含むその変異体が含まれる。CH2ドメインの例には、抗体の生物学的活性、例えばADCC、CDCまたは半減期などを修飾する変異を有するCH2ドメインが含まれる。ある態様において、CH2ドメインは、エフェクター機能を低減する、置換A330S/P331Sを含む。抗体の生物学的活性に影響を与えるCH2ドメインに対する他の修飾は、本明細書に記載される。

0062

用語“CH3ドメイン”は、重鎖定常ドメインにおいてCH2ドメインのC末端に位置する重鎖定常領域を意味する。本明細書で用いる、CH3ドメインは、G341から開始し、K44で終わる。用語“CH3ドメイン”には、野生型CH3ドメイン(例えば、配列番号5のIgG1を有する;表3)、ならびにその変異体(例えば、非天然CH3ドメインまたは修飾されたCH3ドメイン)が含まれる。例えば、用語“CH3ドメイン”には、野生型CH3ドメイン、および1、2、3、4、5、1〜3、1〜5、3〜5個および/または多くとも5、4、3、2または1個の変異、例えば、置換、欠失または付加を含むその変異体が含まれる。CH3ドメインの例には、抗体の生物学的活性、例えばADCC、CDCまたは半減期などを修飾する変異を有するCH3ドメインが含まれる。抗体の生物学的活性に影響を与えるCH3ドメインに対する他の修飾は、本明細書に記載される。

0063

0064

本明細書で用いる用語“モノクローナル抗体”は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性および親和性を示す抗体、または全ての抗体が特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示す複数の抗体組成物を意味する。一般的に、かかるモノクローナル抗体は、単一の細胞または抗体をコードする核酸から誘導され、意図的に配列変化を導入することなく伝播され得る。従って、用語“ヒトモノクローナル抗体”は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列由来の可変および任意の定常領域を有するモノクローナル抗体を意味する。一態様において、ヒトモノクローナル抗体は、例えば、トランスジェニックまたは染色体導入(transchromosomal)非ヒト動物(例えば、ヒト重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニックマウス)から得られたB細胞を、不死化細胞と融合させて得られる、ハイブリドーマにより産生される。

0065

本明細書で用いる用語“組換えヒト抗体”は、組換え手段によって製造、発現、作製または単離される全てのヒト抗体を含み、例えば、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子によるトランスジェニックもしくは染色体導入である動物(例えば、マウス)、またはそれから作製されたハイブリドーマより単離される抗体、(b)抗体を発現させるために形質転換された宿主細胞から、例えばトランスフェクトーマ(transfectoma)などから単離される抗体、(c)組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリから単離される抗体、ならびに(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む、その他のいかなる手段によっても、製造、発現、作製または単離される抗体である。そのような組換えヒト抗体は、特定のヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列を利用し、該生殖細胞遺伝子によりコードされる可変および定常領域を含むが、例えば、抗体の成熟中に起こる、その後の再構成および変異も含む。当技術分野で公知の通り(例えば、Lonberg (2005) Nature Biotech. 23(9):1117−1125を参照のこと)、可変領域は、抗原結合ドメインを含み、それは、外来抗原に対する抗体の特異性を形成するために再構成される種々の遺伝子によってコードされている。再構成に加えて、可変領域は、外来抗原に対する抗体の親和性を増加するために複数の単一アミノ酸を変化(体細胞性変異または超突然変異(hypermutation)と称される)させることによりさらに修飾され得る。定常領域は、抗原に対するさらなる応答において変化し得る(すなわち、アイソタイプスイッチ)。従って、抗原に対する応答として軽鎖および重鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする、再構成および体細胞性変異した核酸配列は、元の生殖細胞系配列と同一ではないが、その代わりに、実質的に同一または類似であり得る(すなわち、少なくとも80%の同一性を有する)。

0066

“ヒト”抗体(HuMAb)は、フレームワーク領域およびCDR領域の両方がヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する、可変領域を有する抗体を意味する。さらに、抗体が定常領域を含むとき、該定常領域もまた、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する。本明細書に記載の抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基を含む(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的変異誘発またはインビボでの体細胞変異による変異)。しかしながら、本明細書で用いる用語“ヒト抗体”は、別の哺乳動物種、例えばマウスの生殖細胞系に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列移植されている抗体を含むことを意図しない。用語“ヒト”抗体および“完全ヒト”抗体は、同義的に使用されている。

0067

ヒト化”抗体は、非ヒト抗体のCDRドメイン外のアミノ酸のいくつか、大部分または全てが、ヒト免疫グロブリンに由来する対応するアミノ酸で置換されている、抗体を意味する。抗体のヒト化形態の一態様において、CDRドメイン外の幾つか、大部分または全てのアミノ酸は、ヒト免疫グロブリン由来のアミノ酸で置換されており、一方、1以上のCDR領域内の幾つか、大部分または全てのアミノ酸は変化していない。アミノ酸の少しの付加、欠失、挿入、置換または修飾は、それらが特定の抗原に結合する該抗体の能力を無効にしない限り、許容される。“ヒト化”抗体は、元の抗体と同程度の抗原特異性を保持する。

0068

キメラ抗体”は、可変領域がある種に由来し、そして定常領域が別の種に由来する抗体、例えば、可変領域がマウス抗体に由来し、そして定常領域がヒト抗体に由来する抗体を意味する。

0069

“二重特異性”または“二機能性(bifunctional)”抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖対を有する人工ハイブリッド抗体であって、それは、異なる抗原に対する特異性を有する2つの抗原結合部位を生じる。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’断片の連結を含む種々の方法によって製造することができる。例えば、Songsivilai & Lachmann, Clin. Exp. Immunol. 79:315−321 (1990); Kostelny et al., J. Immunol. 148, 1547−1553 (1992)を参照のこと。

0070

語句“抗原を認識する抗体”および“抗原に対して特異的な抗体”は、本明細書中、用語“抗原に対して特異的に結合する抗体”と互換的に使用される。

0071

本明細書で用いる、“単離された抗体”は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を意味することが意図される(例えば、抗原“x”に特異的に結合する単離された抗体は、抗原“x”以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、抗原“x”のエピトープに特異的に結合する単離された抗体は、異なる種に由来する他の抗原“x”タンパク質に対する交差反応性を有していてもよい。

0072

本明細書で用いる、“アゴニスト抗体”は、共刺激受容体のアゴニストである抗体、例えば、タンパク質の活性を刺激することにより、対象の免疫系(または免疫応答)を増強することができる抗体を意味し、すなわち、免疫細胞、例えばT細胞を刺激する抗体、例えばB7−1、B7−2、CD28、4−1BB(CD137)、4−1BBL、GITR、ICOS、ICOS−L、OX40、OX40L、CD70、またはCD27、DR3、またはCD28Hタンパク質である。ある態様において、アゴニスト抗体は、阻害受容体の活性を増強する抗体、例えば、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、またはLAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、CD73、PD1H、LAIR1、TIM−1、またはTIM−4であって、それにより免疫応答を阻害する。

0073

本明細書で用いる、“アンタゴニスト抗体”は、免疫細胞、例えばT細胞上の阻害シグナルのアンタゴニストである抗体、例えば、T細胞活性化を阻害するたんぱく質を阻害または遮断することができる抗体(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)を意味し、例えば、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、またはLAG−3、TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、CD73、PD1H、LAIR1、TIM−1、またはTIM−4であり、それにより免疫応答を刺激する。特定の態様において、アンタゴニスト抗体は、刺激性受容体の活性を阻害する抗体、例えば、B7−1、B7−2、CD28、4−1BB(CD137)、4−1BBL、GITR、ICOS、ICOS−L、OX40、OX40L、CD70、またはCD27、DR3、またはCD28Hであり、それにより免疫応答を阻害する。

0074

アゴニストおよびアンタゴニスト抗体の両方は、抗原特異的T細胞応答の増幅、または抗原特異的T細胞応答の阻害(免疫チェックポイント調節因子)をもたらし得る。

0075

用語“エピトープ”または“抗原決定基”は、免疫グロブリンまたは抗体が特異的に結合する抗原(例えば、GITR)上の部位を意味する。タンパク質抗原内のエピトープは、連続するアミノ酸(通常、線形エピトープ)またはタンパク質の三次元折り畳みによって形成される連続しないアミノ酸(通常、立体構造エピトープ)の両方から形成され得る。連続するアミノ酸から形成されるエピトープは一般的に、常にではないが、変性溶媒への暴露により保持されるが、一方、三次元の折り畳みで形成されるエピトープは一般的に、変性溶媒での処理により失われる。エピトープは一般的に、独特の空間的立体構造中に少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個のアミノ酸を含む。どのエピトープが所定の抗体に結合されるかを決定する方法(すなわち、エピトープマッピング)は、当技術分野でよく知られており、例えば、免疫ブロットおよび免疫沈降アッセイが含まれ、ここで、重複または連続するペプチドの所定の抗体との反応性試験する。エピトープの空間的立体構造を決定する方法には、当技術分野の、および本明細書に記載の技術が含まれ、例えば、x線結晶学2次元核磁気共鳴およびHDX−MS(例えば、Epitope MappingProtocols in Methodsin Molecular Biology, Vol. 66, G. E. Morris, Ed. (1996)を参照のこと)である。

0076

ある物に対して本明細書で用いる用語“天然”は、当該物が天然に見いだされ得るという事実を意味する。例えば、天然の供給源から単離することができ、実験室内でヒトにより意図的に改変されていない生物ウイルスを含む)中に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然に存在する。

0077

“ポリペプチド”は、少なくとも2つの連続的に連結されたアミノ酸残基を含む鎖であって、鎖の長さに上限はない鎖を意味する。タンパク質中の1以上のアミノ酸残基は、例えば、グリコシル化リン酸化またはジスルフィド結合などの、これらに限定されない、修飾を含み得る。“タンパク質”は、1以上のポリペプチドを含み得る。

0078

本明細書で用いる用語“核酸分子”は、DNA分子およびRNA分子を含むことを意図する。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であってもよく、cDNAであってもよい。

0079

例えば、保存的ヌクレオチドおよびアミノ酸置換、ならびに、ヌクレオチドおよびアミノ酸付加および欠失を含む、本明細書に記載の配列の“保存的配列修飾”もまた提供される。例えば、修飾は、配列番号1〜74中に当技術分野で公知の標準的技術によって、例えば部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発によって、導入され得る。保存的配列修飾には、保存的アミノ酸置換が含まれ、ここで、該アミノ酸残基は、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されている。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニンヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸グルタミン酸)、非電荷極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギングルタミンセリンスレオニンチロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニンバリンロイシンイソロイシンプロリンフェニルアラニンメチオニン)、ベータ分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。

0080

一態様において、重鎖定常領域またはそのドメインのアミノ酸配列修飾は、重鎖定常領域の特定の特性を改変したり、無効にしたりしない。これらの特性には、例えば、ヒンジの剛性(rigidity or stiffness)、ならびに抗体のアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性が含まれる。ある態様において、重鎖定常領域またはそのドメインのアミノ酸配列修飾は、重鎖定常領域の特定の特性を変更し、または無効にする。

0081

抗体および/または定常領域の特性を無効にする、および無効にしない、アミノ酸の保存的置換を同定する方法は、当技術分野でよく知られており、例えば、実施例部分に記載の通りに実施する。

0082

核酸について、用語“実質的に相同”は、最適に整列させて比較した場合に、2つの核酸またはその中の指定した配列が、適当なヌクレオチドの挿入または欠失を伴っても、少なくとも約80%のヌクレオチド、通常少なくとも約90%から95%、およびより好ましくは少なくとも約98%から99.5%のヌクレオチドが同一であることを意味する。あるいは、実質的な相同性は、セグメントが鎖の相補体に、選択的ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするときに存在する。

0083

ポリペプチドについて、用語“実質的に相同”は、最適に整列させて比較した場合に、2つのポリペプチドまたはその指定した配列が、適当なアミノ酸挿入または欠失を伴っても、少なくとも約80%のアミノ酸、通常少なくとも約90%から95%、およびより好ましくは少なくとも約98%から99.5%のアミノ酸が同一であることを意味する。

0084

2つの配列間の同一性パーセントは、配列が最適に整列されるとき、該配列によって共有される同一な位置の数の関数であり(すなわち、同一性%=同一である位置の数/位置の総数×100)、ここで、最適アライメントは、ギャップの数および各ギャップの長さを考慮して決定されており、それらは2つの配列の最適アライメントのために導入される必要がある。配列の比較および2つの配列間の同一性%の決定は、限定されないが、以下に例示するような数学アルゴリズムを用いて達成され得る。

0085

2つのヌクレオチド配列間の同一性%は、GCソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを用い(http://www.gcg.comで利用可能)、NWSgapdna.CMPマトリクス、および40、50、60、70、または80のギャップ重み、および1、2、3、4、5、または6の長さ重みを用いて決定することができる。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の同一性%はまた、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE. Meyers and W. Miller (CABIOS, 4:11−17 (1989))のアルゴリズムを用い、残基重み表(weight residue table)PAM120、ギャップ長ペナルティ12、およびギャップペナルティ4を用いて決定することができる。加えて、2つのアミノ酸配列間の同一性%は、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(http://www.gcg.comで利用可能)に組み込まれたNeedleman and Wunsch(J. Mol. Biol. 48:444−453 (1970))アルゴリズムを用い、Blossum62マトリクスまたはPAM250マトリクス、および16、14、12、10、8、6、または4のギャップ重み、および1、2、3、4、5、または6の長さ重みを用いて決定することができる。

0086

本明細書に記載の核酸およびタンパク質配列は、“クエリー配列”としてさらに使用することができ、例えば、関連配列を同定するために公的データベースに対する検索を実行する。かかる検索は、Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403−10に記載のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)を用いて実行可能である。BLASTヌクレオチド探索は、本明細書に記載の核酸分子に等価なヌクレオチド配列を得るために、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12として実行することができる。BLASTタンパク質探索は、本明細書に記載のタンパク質分子に等価なアミノ酸配列を得るために、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3として実行することができる。比較のためのギャップアライメントを得るためには、Altschul et al., (1997) Nucleic AcidsRes. 25(17):3389−3402に記載のGapped BLASTが利用可能である。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、対応するプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる。www.ncbi.nlm.nih.govを参照のこと。

0087

本明細書で用いる、用語“抗原”は、タンパク質、ペプチド、またはハプテンなどの、すべての天然または合成の免疫原性物質を意味する。抗原は、完全長または成熟タンパク質、またはその断片であってもよい。

0088

“免疫応答”は、外来物に対する脊椎動物における生物学的応答であって、これらの物に対して、およびそれらにより引き起こされる疾患から生物を保護する応答を意味する。免疫応答は、免疫系の細胞(例えば、Tリンパ球Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ好酸球マスト細胞樹状細胞または好中球)およびこれらの細胞により産生される可溶性巨大分子(抗体、サイトカイン、および補体を含む)の作用、または病原体侵入している脊椎動物体、病原体に感染した細胞または組織、癌または他の異常な細胞、または自己免疫もしくは病的炎症の場合、正常なヒト細胞または組織の、選択的標的化、それへの結合、その損傷、その破壊、および/またはそれからの排除をもたらす肝臓の作用により仲介される。免疫反応には、例えばT細胞、例えばエフェクターT細胞またはTh細胞、例えばCD4+またはCD8+T細胞の活性化または阻害、またはTreg細胞の阻害が含まれる。

0089

免疫モジュレーター”または“免疫調節剤”は、薬物、例えば、シグナル伝達経路の成分を意味し、それは免疫応答の変調、制御または調節に関与し得る。免疫応答の“変調”、“制御”または“調節”とは、免疫系の細胞またはかかる細胞(例えば、エフェクターT細胞)の活性におけるすべての変化を意味する。そのような変調には、種々の細胞タイプの数の増減、これらの細胞の活性の増減、または免疫系内で発生し得るすべての他の変化によって顕在化し得る免疫系の刺激または抑制が含まれる。阻害性および刺激性の免疫モジュレーターの両方が同定されており、それらの幾つかは、腫瘍微小環境中で増強された機能を有し得る。好ましい態様において、免疫モジュレーターは、T細胞表面に配置されている。“免疫モジュレーター標的”または“免疫調節標的”は、物質、薬物、部分、化合物または分子により結合の標的とされる免疫モジュレーターであり、そしてそれらの結合によりその活性が変化する免疫モジュレーターである。免疫モジュレーター標的には、例えば、細胞表面の受容体(“免疫モジュレーター受容体”)および受容体リガンド(“免疫モジュレーターリガンド”)が含まれる。

0090

免疫療法”は、免疫応答を誘導する、抑制する、または他の変調することを含む方法による、疾患に罹患している、罹患するリスクのある、または再発するリスクのある対象の処置を意味する。

0091

免疫刺激療法”または“免疫賦活療法”は、例えば、癌の処置のために、対象において免疫応答の増加(誘導または増強)をもたらす治療を意味する。

0092

内因性の免疫応答を増強する”は、対象における既存の免疫応答の有効性および効力を増加することを意味する。この有効性および効力の増加は、例えば、内因性の宿主免疫応答を抑制する機序を克服すること、または内因性の宿主免疫応答を増強する機序を刺激することによって、達成され得る。

0093

“Tエフェクター”(“Teff”)細胞は、細胞溶解活性を有するT細胞(例えば、CD4+およびCD8+T細胞)ならびにサイトカインを分泌し、直接他の免疫細胞を活性化するTヘルパー(Th)細胞を意味するが、調節性T細胞(Treg細胞)は含まれない。

0094

本明細書で用いる、用語“連結”は、2以上の分子の結合を意味する。連結は、共有結合または非共有結合であり得る。連結はまた、遺伝子的(すなわち、組換え融合)であり得る。かかる連結は、化学的結合および組換えタンパク質産生などの当技術分野で認識されている多様な技術を用いて達成することができる。

0095

本明細書で用いる、“投与”は、当業者に公知の種々の方法および送達方法を用いる、対象への治療薬を含む組成物の物理的導入を意味する。本明細書に記載の抗体の好ましい投与経路には、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、脊髄または他の非経腸投与経路、例えば注射または点滴が含まれる。本明細書で用いる用語“非経腸投与”は、通常は注射による、限定されないが、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内嚢内眼窩内心臓内、皮内、経気管、皮下、関節内、被膜下、くも膜下脊髄内硬膜外および胸骨内注射および点滴、ならびにインビボでのエレクトロポレーションを含む、経腸投与および局所投与以外の投与様式を意味する。あるいは、本明細書に記載の抗体は、局所上皮または粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、経口、直腸下または局所投与などの、非経張経路を介して投与され得る。投与はまた、例えば、1回、複数回、および/または長期間に1回以上の回数で行われ得る。

0096

本明細書で用いる、用語“T細胞介在性応答”は、エフェクターT細胞(例えば、CD8+細胞)およびヘルパーT細胞(例えば、CD4+細胞)を含む、T細胞によって媒介される応答を意味する。T細胞介在性応答には、例えば、T細胞の細胞傷害性および増殖が含まれる。

0097

本明細書で用いる、用語“細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答”とは、細胞傷害性T細胞により誘導される免疫応答を意味する。CTL応答は、CD8+T細胞によって主に媒介される。

0098

本明細書で用いる用語“阻害する”または“阻止する”(例えば、その受容体またはその後の細胞内応答に対するリガンドの阻害/阻止を意味する)は、互換的に用いられ、部分的および完全な阻害/阻止の両方を包含している。いくつかの態様において、抗体は、例えば本明細書にさらに記載の通りに決定される、少なくとも約50%、例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%、結合を阻害する。

0099

本明細書で用いる“癌”は、身体における異常細胞の制御不能な増殖によって特徴付けられる疾患の広範な群を意味する。無制御の細胞分裂は、悪性腫瘍または隣接組織浸潤する細胞の形成をもたらす可能性があり、リンパ系または血流を介して身体の離れた部分に転移をもたらし得る。

0100

本明細書で用いる用語“処置する(treat)”、“処置(treating)”および“処置(treatment)”は、症状、合併症病状または疾患に関係する生化学的徴候の進行、進展重症度または再発を逆転緩和、改善、阻害もしくは遅延または防止する目的で、対象に実行される介入またはプロセスのすべての形態、または対照への活性剤の投与を意味する。予防は、疾患を有しない対象への投与、疾患の発生の防止、または疾患が発生した場合にはその影響を最小限にすることを意味する。

0101

血液学的悪性腫瘍”には、リンパ腫白血病骨髄腫またはリンパ系悪性腫瘍、ならびに脾臓およびリンパ節の癌が含まれる。リンパ腫の例としては、B細胞リンパ腫およびT細胞リンパ腫の両方が挙げられる。B細胞リンパ腫には、ホジキンリンパ腫およびほとんどの非ホジキンリンパ腫の両方が含まれる。B細胞リンパ腫の限定しない例には、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫粘膜関連リンパ組織リンパ腫、小細胞リンパ球性リンパ腫慢性リンパ球性白血病と重複)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、バーキットリンパ腫、大縦隔B細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症(Waldenstroem macroglobulinemia)、結節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓周辺帯リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症が含まれる。T細胞リンパ腫の限定しない例としては、節外性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫未分化大細胞型リンパ腫、および血管免疫T細胞リンパ腫が挙げられる。血液悪性腫瘍はまた、例えば限定されないが、二次性白血病、慢性リンパ性白血病急性骨髄性白血病慢性骨髄性白血病急性リンパ芽球性白血病などの白血病が含まれる。血液悪性腫瘍はさらに、例えば限定されないが、多発性骨髄腫およびくすぶり型多発性骨髄腫などの骨髄腫を含む。他の血液学的および/またはB細胞もしくはT細胞関連癌は用語“血液悪性腫瘍”に包含される。

0102

用語“有効用量”または“有効投与量”は、所望の効果が達成されるか、または少なくとも部分的に達成されるのに十分な量として定義される。薬剤または治療剤の“治療的有効量”または“治療的有効投与量”は、単独で、または別の治療薬と組み合わせて使用される場合、疾患症状の重症度の低下によって明らかになる疾患の緩解、疾患の症状のない期間の頻度持続時間の増加、または疾患の苦痛による障害もしくは身体障害の防止、を促進する薬剤の任意の量である。薬物の“予防的有効量”または“予防的有効投与量”は、疾患の発症または疾患の再発のリスクのある対象に単独で、または別の治療薬と組み合わせて投与されるとき、該疾患の発症または再発を阻害する薬剤の量である。疾患の緩解を促進するか、または疾患の発症もしくは再発を阻害する治療剤または予防剤の能力を、当業者に公知の種々の方法を用いて、例えば、臨床試験中のヒト対象において、ヒトにおける有効性を予測する動物モデル系において、またはインビトロアッセイで薬剤の活性をアッセイすることによって、評価することができる。

0103

一例として、抗癌剤は、対象において癌の進行を遅延させるか、または癌の緩解を促進する薬剤である。好ましい態様において、治療的有効量の薬剤は、癌を除去するところまで癌の緩解を促進する。“癌の緩解を促進する”とは、の薬剤を、単独で、または抗腫瘍剤と併用して投与することにより、腫瘍増殖またはサイズの減少、腫瘍壊死、少なくとも1つの疾患症状の重症度の低下、疾患症状のない期間の頻度および期間の増加、疾患の苦痛による障害もしくは身体障害の予防、または患者における疾患症状の他の改善をもたらすことを意味する。薬理効果は、患者において癌の緩解を促進する薬剤の能力を意味する。生理的安全性は、薬剤の投与によってもたらされる、毒性、または細胞、臓器および/または生物レベルでの他の有害な生理的作用有害作用)が許容できるくらい低レベルであることを意味する。

0104

腫瘍の処置のための一例として、薬剤の治療的有効量または投与量は、好ましくは未処置対象と比較して、少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、およびさらにより好ましくは少なくとも約80%、細胞増殖または腫瘍増殖を阻害する。最も好ましい態様において、薬剤の治療的有効量または投与量は、細胞増殖または腫瘍増殖を完全に阻害し、すなわち、好ましくは、細胞増殖または腫瘍増殖を100%阻害する。腫瘍増殖を阻害する化合物の能力は、以下に記載のアッセイを用いて評価することができる。あるいは、組成物のこの特性は、細胞増殖を阻害する化合物の能力を調べることによって評価することができ、かかる阻害は、当業者に公知のアッセイによってインビトロで測定することができる。本明細書に記載の他の好ましい態様において、腫瘍緩解が観察され得て、少なくとも約20日、より好ましくは少なくとも約40日、またはさらにより好ましくは少なくとも約60日継続されてよい。

0105

用語“患者”および“対象”は、予防的処置または治療的処置のいずれかを受けるヒトまたは非ヒト動物を意味する。例えば、本明細書に記載の方法および組成物は、癌を有する対象に使用され得る。用語“非ヒト動物”には、例えば、哺乳動物および非哺乳動物の全ての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長動物ヒツジイヌウシニワトリ両生類爬虫類などが含まれる。

0106

本明細書に記載の種々の面は、以下の小節にさらに詳しく記載される。

0107

I.修飾された重鎖定常領域
本明細書に記載の“修飾された重鎖定常領域”は、抗体中に存在するとき、非IgG2ヒンジを含む抗体、例えばIgG1抗体のような、修飾された重鎖定常領域を有さない同じ抗体と比べて、抗体のすべての生物学的特性または特徴を増強または改変するものである。抗体の生物学的特性の増加または改変には、
(a)細胞による内在化の増加または改変;
(b)アゴニスト活性の増加または改変;
(c)アンタゴニスト活性またはブロッキング活性の増加または改変;
(d)ADCCの増強;
(d)新たな特性の付与;
(e)シグナル伝達の増加または改変;
(f)より大きな抗体/抗原架橋複合体の形成;
(g)標的細胞表面分子のクラスター化またはオリゴマー化の増加;
(h)免疫応答の刺激の増加または増強;および/または
(i)免疫応答の阻害の増加
が含まれる。

0108

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、かつ例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、抗体依存性受容体(またはリガンドもしくは表面分子)の内在化をより効率的に仲介し、例えば、該抗体は、標的または表面分子(例えば、受容体またはリガンド)を内在化し、および/または抗体が細胞膜上のその標的と結合した後、それ自体を細胞内へより迅速に、および/または高い程度の内在化させる。抗体の内在化の速度および程度は、例えば実施例に示すように決定され得る。例えば実施例に示される通り、例えば、内在化のT1/2により測定されるような内在化の速度は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強または増加され得て、結果として、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上のT1/2の減少となる。例えば、10分のT1/2を有するにも関わらず、修飾された重鎖定常領域は、内在化の速度を増加させることができ、それによりT1/2を5分に低下させる(すなわち、内在化の速度を2倍に増加する、またはT1/2を半分に減少させる)。“T1/2”は、抗体を細胞に添加した時点から測定される、最大内在化の半分が達成されるまでの時間として定義される。ある態様において、T1/2は、少なくとも10分、30分または1時間低減される。内在化の最大レベルは、抗体濃度または時間に対してプロットされる内在化を示すグラフの水平化(プラトー)時点での内在化のレベルであり得る。修飾された重鎖定常領域は、抗体の内在化の最大レベルを少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増加させ得る。抗体、修飾された重鎖定常領域を含む抗体およびそれを含まない同じ抗体などの異なる抗体の内在化効率を比較する別の方法は、それらの所定の抗体濃度(例えば、100nM)および/または所定の時間(例えば、2分、5分、10分または30分)での内在化のレベルを比較することである。内在化レベルの比較はまた、内在化のEC50レベルを比較することによっても行われる。抗体の内在化のレベルは、所定の(対照)抗体、例えば、本明細書に記載の抗体、例えば、11F11またはCD73.4−IgG2CS−IgG1の内在化レベルに対する比較と定義され得て、かつ所定の(対照)抗体で得られた値の割合として示され得る。これらの方法のいずれか1つにより比較されるとき、内在化の程度は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増大され得る。

0109

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まないで、かつ例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、より強力なアゴニスト活性を有する。ある態様において、増強されたアゴニスト活性は、標的分子、例えばGITR、または免疫応答、例えばT細胞活性を刺激もしくは共刺激する他の分子の刺激活性を増強する。ある態様において、増強されたアゴニスト活性は、免疫応答、例えばT細胞活性を阻害する標的分子(例えば、チェックポイント阻害剤)の阻害活性を増強する。T細胞活性を調節する抗体の増強されたアゴニスト活性は、例えば実施例に記載の通りに、例えば、抗体と接触されたT細胞からのIFN−γまたはIL−2分泌のレベルを測定することにより、決定することができる。刺激性標的へ結合する抗体のアゴニスト活性は、増加したサイトカイン放出またはエフェクターT細胞の増加した増殖;Treg上の係合がTreg機能を低下させる場合、減少したT調節細胞活性;または、Tregの増加した枯渇によって定義されるように、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。例えば、修飾された重鎖定常領域を含む刺激性標的に結合する抗体で刺激された細胞からのIFN−γまたはIL−2分泌の量は、修飾された重鎖定常領域を含まない同じ抗体で刺激されたT細胞のそれよりも、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上高い。阻害性標的に結合する抗体のアゴニスト活性は、低下したサイトカイン放出またはエフェクターT細胞の低下した増殖;増加したT調節細胞;または、Tregの減少した枯渇により定義されるように、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。例えば、修飾された重鎖定常領域を含む阻害性標的に結合する抗体で刺激されたT細胞からのIFN−γまたはIL−2分泌の量は、修飾された重鎖定常領域を含まない同じ抗体で刺激されたT細胞のそれよりも、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上低い。

0110

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、より強力なアンタゴニスト活性または遮断活性を有する。抗体の増強されたアンタゴニスト活性は、例えば、T細胞活性化の条件を含む状況において、サイトカイン放出および/または増殖を測定することにより、決定することができる。アンタゴニスト活性は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。

0111

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、増強したADCC活性を有する。増強されたADCCは、当技術分野で公知の方法に従って決定され得る。ADCCは、少なくとも10%、30%、50%、2倍、5倍またはそれ以上増強され得る。

0112

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、より大きな抗体/抗原架橋複合体を形成する能力を有する。複合体を形成する能力は、例えば実施例に記載の通りに、決定され得る。修飾された重鎖定常領域を含む抗体を用いて形成される抗体/抗原複合体は、修飾された重鎖定常領域を含まない同じ抗体を用いて形成される複合体よりも、少なくとも50%、2倍、3倍、5倍または10倍大きい。ある態様において、少なくとも2,000kDa;3,000kDa;5000kDa;10,000kDa、50,000kDaまたは100,000kDaの複合体が、修飾された重鎖定常領域を有する抗体を用いて形成される。

0113

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、細胞表面上の標的分子のより多くのクラスター化またはオリゴマー化を誘導する。クラスター化およびオリゴマー化の程度は、例えば、抗体/抗原複合体のサイズを測定することにより、決定することができる。

0114

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、より高いレベルまたは異なるタイプのシグナルまたはシグナル伝達を誘導する。シグナル伝達は、シグナル伝達経路における1以上のタンパク質の活性化レベルを決定することによりモニタリングされ得る。ある態様において、シグナル伝達は、例えば実施例に記載の通り、シグナル伝達タンパク質、例えば、NKkBまたはp38の活性(またはリン酸化)を測定することにより決定される。修飾された重鎖定常領域を含む抗体によって誘発されるシグナル伝達は、修飾された重鎖定常領域を含まない同じ抗体によるシグナル伝達よりも、少なくとも10%、20%、50%、2倍、5倍またはそれ以上高いか、または低い。例えば、刺激分子(例えば、GITR)に結合し、かつ修飾された重鎖定常領域を含む抗体により誘発されるシグナル伝達は、IgG1重鎖を有する同じ抗体により得られるシグナル伝達よりも、少なくとも10%増強され得る。例えば、NKkBまたはp38活性(例えば、リン酸化)のEC50は、少なくとも50%、2倍、5倍またはそれ以上低減され得る。

0115

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、免疫応答または免疫系を刺激または増強する増大した能力を有する。免疫応答または免疫系を刺激する増大した能力は、T細胞共刺激受容体の増強されたアゴニスト活性および/または阻害性受容体の増強されたアンタゴニスト活性をもたらし得る。免疫応答または免疫系を刺激する増大された能力は、免疫応答を測定するアッセイ、例えば、サイトカインまたはケモカイン放出、細胞溶解活性(標的細胞上で直接またはCD107aもしくはグランザイムを介して間接的に決定される)および増殖の変化を測定するアッセイにおいて、活性のEC50または最大レベルの増加倍に反映され得る。免疫応答または免疫系活性を刺激する能力は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増大され得る。

0116

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、増大した抗増殖活性または抗腫瘍活性を有する。抗体の増強した抗腫瘍活性は、該抗体で処理された動物において、例えば腫瘍の増殖により決定され得る。抗腫瘍活性は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。抗腫瘍活性は、例えば、低下した腫瘍の増殖速度および完全な腫瘍の緩解により明らかになる、例えば腫瘍量の減少により、測定することができる。

0117

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、修飾された重鎖定常領域を含まず、例えばIgG1重鎖を含む同じ抗体と比べて、免疫応答または免疫系を阻害または抑制する増加した能力を有する。免疫応答または免疫系を阻害または抑制する増加した能力は、T細胞共刺激受容体の増強されたアンタゴニスト活性および/または阻害性受容体の増強されたアゴニスト活性をもたらし得る。免疫応答または免疫系を刺激する増加した能力は、免疫応答を測定するアッセイ、例えば、サイトカインまたはケモカイン放出、細胞溶解活性(標的細胞上で直接的に、またはCD107aもしくはグランザイムの検出を介して間接的に決定される)および増殖の変化を測定するアッセイにおいて、EC50または活性の最大レベルの増加倍に反映され得る。免疫応答または免疫系活性の阻害または抑制能力は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍またはそれ以上増強され得る。

0118

ある態様において、修飾された重鎖定常領域またはその部分、例えばヒンジは、他の重鎖定常領域、例えばIgG1、IgG2、IgG3および/またはIgG4重鎖定常領域と比べて、より剛性である。例えば、修飾された重鎖定常領域は、天然重鎖定常領域またはそのヒンジよりも剛性であるか、または天然重鎖定常領域またはそのヒンジよりも剛性である部分、例えばヒンジを有する非天然重鎖定常領域である。重鎖定常領域またはその部分、例えばヒンジの剛性(rigidity)は、例えば、コンピュータモデリング電子顕微鏡法核磁気共鳴(NMR)のような分光法X線結晶学(B−因子)、または沈降速度分析超遠心分離(AUC)により、ヒンジを含む抗体の回転半径を測定または比較することにより、決定することができる。あるいは、重鎖定常領域またはその部分の剛性は、例えば本明細書にさらに記載する通り、抗体/抗原複合体のサイズを測定することにより決定することができる。

0119

修飾された重鎖定常領域を含み、かつ当技術分野で公知の方法および本明細書に記載の方法に従って決定される増強された機能特性を示す抗体は、同じ抗体であるが、異なる重鎖定常領域を有する抗体で見られる活性と比較して、特定の活性に対して統計的に有意な差異に関係することが理解され得る。

0120

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG2アイソタイプのヒンジ(“IgG2ヒンジ”)ならびにCH1、CH2およびCH3ドメインを含む。ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG2ヒンジならびにCH1、CH2およびCH3ドメイン(ここで、CH1、CH2およびCH3ドメインの少なくとも1つは、IgG2アイソタイプではない)を含む。ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG2ヒンジならびにCH1、CH2およびCH3ドメイン(ここで、重鎖定常ドメインは、野生型IgG2定常領域ではないか、またはアミノ酸219もしくは220に変異を有するIgG2定常領域ではない)を含む。IgG2ヒンジは、野生型IgG2ヒンジ、例えば、野生型ヒトIgG2ヒンジ(例えば、配列番号8のもの)またはその変異体であってよい。ただし、該IgG2ヒンジは、非IgG2ヒンジを含むか、またはIgG1重鎖を含む同じ抗体の活性と比較して、増強した活性を該抗体に付与する能力を保持する。ある態様において、IgG2ヒンジ変異体は、野生型IgG2ヒンジと同様の剛性(rigidity or stiffness)を保持する。ヒンジの剛性は、例えば、コンピュータモデリング、電子顕微鏡法、核磁気共鳴(NMR)のような分光法、X線結晶学(B−因子)、または沈降速度分析超遠心分離(AUC)により、ヒンジを含む抗体の回転半径を測定または比較することにより、決定することができる。ヒンジは、ヒンジを含む抗体が、異なるヒンジ、例えばIgG1ヒンジを有する同じ抗体の値とは、5%、10%、25%、50%、75%または100%未満異なる、上記の試験の1つから得られた値を有する場合、別のヒンジの剛性と比較して同様の、またはそれより高い剛性を有する。当業者は、これらの試験結果を解釈することにより、ヒンジが、別のヒンジの剛性と少なくとも同様の剛性を有するかどうかを、該試験から決定することができる。

0121

ヒトIgG2ヒンジ変異体の一例は、4つのシステイン残基(すなわち、C219、C220、C226およびC229)の1つまたは複数の別のアミノ酸での置換を含むIgG2ヒンジである。システインはセリンで置換され得る。IgG2ヒンジの一例は、C219X変異またはC220X変異(ここで、Xは、セリン以外の任意のアミノ酸である。)を含むヒトIgG2ヒンジである。任意の態様において、IgG2ヒンジは、C219XおよびC220X置換の両方を含まない。任意の態様において、IgG2ヒンジは、C219SまたはC220Sを含むが、C219SおよびC220Sの両方ともを同時には含まない。使用可能な他のIgG2ヒンジ変異体には、C220、C226および/またはC229置換、例えばC220S、C226SまたはC229S変異(C219S変異と組み合わされ得る)を含むヒトIgG2ヒンジが含まれる。IgG2ヒンジは、ヒンジの部分が、別のアイソタイプのものである(すなわち、それは、キメラまたはハイブリットヒンジである)IgG2ヒンジであってもよい。ただし、キメラヒンジの剛性は、野生型IgG2ヒンジと少なくとも同様の剛性である。例えば、IgG2ヒンジは、下部ヒンジ(表2に定義の通り)がIgG1アイソタイプのもの、例えば、野生型IgG1下部ヒンジであるIgG2ヒンジであってよい。

0122

“ハイブリッド”または“キメラ”ヒンジは、ヒンジの連続するアミノ酸の半分以上が特定のアイソタイプ由来である場合、そのアイソタイプであると称される。例えば、IgG2の上部および中央ヒンジならびにIgG1の下部ヒンジを有するヒンジは、IgG2ハイブリッドヒンジであると考えられる。

0123

ある態様において、抗体は、表4に記載の配列、例えば、以下のアミノ酸配列:8、21、22、23、126−129および134〜147のうち1つを含むIgG2ヒンジを含む、修飾された重鎖定常領域を含む。ある態様において、ヒンジは、配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、4つのアミノ酸P233、V234、A235およびG237(C末端の4つのアミノ酸“PVAG”(配列番号148)に対応する)の1、2、3個または全てのアミノ酸が、欠失されるか、または別のアミノ酸、例えば、IgG1ヒンジのC末端のアミノ酸(ELLG(配列番号150)またはELLGG(配列番号151)で置換されている。ある態様において、ヒンジは、配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、V234、A235およびG237は、欠失されているか、または別のアミノ酸で置換されている。ある態様において、ヒンジは、配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、A235およびG237は、欠失されているか、または別のアミノ酸で置換されている。ある態様において、ヒンジは、配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、G237は、欠失されているか、または別のアミノ酸で置換されている。ある態様において、ヒンジは、配列番号8、21、126、134または135を含み、ここで、V234およびA235は、欠失されているか、または別のアミノ酸で置換されている。IgG2中のPVAG(配列番号143)のIgG1ヒンジの対応するアミノ酸での置換、すなわち(ELLG(配列番号150)またはELLGG(配列番号151)での置換)により得られる配列番号22または138を有するハイブリッドヒンジまたはその変異体(例えば、表4参照)は、IgG2ヒンジの利点およびIgG1ヒンジのエフェクターを有するヒンジを提供する。

0124

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、表4の配列の1つ、例えば、配列番号8、21、22、23、127−132および134−141からなるか、または本質的にそれからなるヒンジを含み、ある態様において、さらなるヒンジアミノ酸残基を含まない。

0125

0126

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、表4に記載のIgG2ヒンジを含み、ここで、1〜5、1〜3、1〜2または1個のアミノ酸が、アミノ酸残基CVEとCPPの間に挿入されている。ある態様において、THTまたはGGGが挿入されている。ある態様において、1、1〜2または1〜3個のアミノ酸が、ヒンジとCH2ドメインの間に挿入されていてよい。例えば、追加のグリシンが、ヒンジとCH2ドメインの間に挿入されていてよい。

0127

任意の態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG1またはIgG2定常領域であり、ここで、ヒンジは、1〜10個のアミノ酸の欠失を含む。実施例に記載の通り、アミノ酸残基SCDKTHT(S219、C220、D221、K222、T223、H224およびT225;配列番号149)を欠くIgG1抗体は、野生型IgG1定常領域を有する同じ抗体よりも効率のよい抗体介在性のCD73の内在化を付与した。同様に、IgG2抗体の文脈において、アミノ酸残基CCVE(C219、C220、V222およびE224;配列番号170)を欠くIgG2抗体は、野生型IgG1定常領域を有する同じ抗体よりも効率のよい抗体介在性のCD73内在化を付与した。従って、本発明は、修飾された重鎖定常領域を提供し、ここで、ヒンジは、IgG1抗体について残基S219、C220、D221、K222、T223、H224およびT225、およびIgG2抗体について残基C219、C220、V222およびE224から選択される1、2、3、4、5、6または7個のアミノ酸残基の欠失を含む。

0128

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG1またはIgG2アイソタイプの野生型CH1ドメイン(それぞれ“IgG1 CH1ドメイン”または“IgG2 CH1ドメイン”)であるCH1ドメインを含む。アイソタイプIgG3およびIgG4のCH1ドメイン(それぞれ“IgG3 CH1ドメイン”および“IgG2 CH1ドメイン”)もまた使用可能である。CH1ドメインはまた、野生型CH1ドメインの変異体、例えば野生型IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH1ドメインの変異体であり得る。CH1ドメインの変異体の例としては、A114C、C131Sおよび/またはT173Cが挙げられる。CH1ドメイン、例えばIgG2 CH1ドメインは、置換C131Sを含んでいてよく、該置換は、IgG2抗体またはIgG2 CH1およびヒンジを有する抗体にB型(またはコンフォメーションB)をもたらす。

0129

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG2アイソタイプのCH1ドメインを含む。ある態様において、CH1ドメインは、野生型IgG2 CH1ドメインであり、例えばアミノ酸配列:




を有する。ある態様において、CH1ドメインは、配列番号7の変異体であり、配列番号7と比べて1〜10、1〜5、1〜2または1個のアミノ酸置換または欠失を含む。実施例にさらに記載する通り、IgG2 CH1ドメインまたはその変異体は、IgG1抗体と比べて抗体に増強された特性を付与し、該抗体がIgG2ヒンジも含むとき、さらにより増強された特性を付与することが本明細書に記載されている。ある態様において、IgG2 CH1変異体は、以下のアミノ酸残基:C131、R133、E137およびS138の1つまたは複数でのアミノ酸置換または欠失を含まず、ここで、アミノ酸残基は、上記の配列番号7に太字および下線を付して示されている。例えば、修飾された重鎖定常領域は、R133、E137およびS138のいずれも、別のアミノ酸で置換されていないか、または欠失されておらず、またはC131、R133、E137およびS138のいずれも別のアミノ酸で置換されていないか、または欠失されていない、IgG2 CH1ドメインを含み得る。ある態様において、C131は別のアミノ酸で置換されており、例えば、C131Sであり、置換は、抗体がコンフォメーションBを採る要因となる。修飾された重鎖定常領域を有するコンフォメーションAおよびコンフォメーションBの抗体の両方は、IgG1定常領域を有する同じ抗体と比較して、増強された活性を有することが本明細書に記載されている。

0130

ある態様において、N192および/またはF193(上記の配列番号7において斜体および下線を付した残基として示す)は、IgG1中の別のアミノ酸、例えば、対応するアミノ酸で置換されており、すなわち、N192Sおよび/またはF193Lである。

0131

ある態様において、IgG2 CH1ドメインの1または複数のアミノ酸残基は、IgG4中の対応するアミノ酸残基で置換されている。例えば、N192はN192Sであり得る;F193はF193Lであり得る;C131はC131Kであり得る;および/またはT214はT214Rであり得る。

0132

抗体は、IgG2 CH1ドメインまたはその変異体およびIgG2ヒンジまたはその変異体を含む修飾された重鎖定常領域であり得る。ヒンジおよびCH1ドメインは、本明細書に記載のIgG2ヒンジおよびIgG2 CH1ドメインの組合せであり得る。ある態様において、IgG2 CH1およびヒンジは、以下のアミノ酸配列




、または多くとも1〜10個のアミノ酸がそれとは異なるアミノ酸配列を含む。アミノ酸変異体は、上記のヒンジおよびCH1ドメインに記載の通りである。

0133

ある態様において、抗体は、少なくとも1つのIgG2ヒンジ、および要すれば、IgG2 CH1ドメインもしくはその断片または該ヒンジおよび/またはCH1ドメインの誘導体を含み、該抗体は、フォーム(またはコンフォメーション)Aを採る(例えば、Allen et al. (2009) Biochemistry 48:3755を参照のこと)。ある態様において、抗体は、少なくとも1つのIgG2ヒンジ、および要すれば、IgG2 CH1ドメインもしくは断片または該ヒンジおよび/またはCH1ドメインの誘導体を含み、該抗体が、フォームBを採る(例えば、Allen et al. (2009) Biochemistry 48:3755を参照のこと)。

0134

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプの野生型CH2ドメイン(それぞれ、“IgG1 CH2ドメイン”、“IgG2 CH2ドメイン”、“IgG3 CH2ドメイン”または“IgG4 CH2ドメイン”)であるCH2ドメインを含む。CH2ドメインはまた、野生型CH2ドメインの変異体、例えば、野生型IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH2ドメインの変異体であり得る。CH2ドメインの変異体の例には、抗体のFc領域の生物学的活性、例えばADCCまたはCDCを改変するか、または抗体の半減期もしくはその安定性を改変する変異体が含まれる。一態様において、CH2ドメインは、A330Sおよび/またはP331S変異を有するヒトIgG1 CH2ドメインであり、ここで、CH2ドメインは、変異を含まない同じCH2変異体と比較して、低下したエフェクター機能を有する。CH2ドメインは、増強されたエフェクター機能を有し得る。CH2ドメインは、以下の変異:SE(S267E)、SELF(S267E/L328F)、SDIE(S239D/I332E)、SEFF、GASDALIE(G236A/S239D/A330L/I332E)の1つ以上、および/または以下のアミノ酸:E233、G237、P238、H268、P271L328およびA330における1つ以上の変異を含み得る。他の変異は、本明細書の他の箇所にさらに記載されている。

0135

ある態様において、修飾された重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプの野生型CH3ドメイン(それぞれ、“IgG1 CH3ドメイン”、“IgG2 CH3ドメイン”、“IgG3 CH3ドメイン”または“IgG4 CH3ドメイン”)であるCH3ドメインを含む。CH3ドメインはまた、野生型CH3ドメインの変異体、例えば、野生型IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH3ドメインの変異体であり得る。CH3ドメインの変異体の例には、抗体のFc領域の生物学的活性、例えばADCCまたはCDCを改変するか、または抗体の半減期もしくはその安定性を改変する変異体が含まれる。

0136

一般的に、CH1、ヒンジ、CH2またはCH3ドメインの変異体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の変異、および/または多くとも10、9、8、7、6、5、4、3、2または1個の変異、または1〜10または1〜5個の変異を含んでよいか、または対応する野生型ドメイン(それぞれ、CH1、ヒンジ、CH2、またはCH3ドメイン)と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでよい。ただし、重鎖定常領域は、必要な生物学的活性を保持する特定の変異体を含む。

0137

表5は、ヒトCH1、ヒンジ、CH2および/またはCH3ドメインを含むヒト重鎖定常領域を記載しており、ここで各ドメインが、野生型ドメインまたは重鎖定常領域に所望の生物学的活性を提供するその変異体のいずれかである。表5の何も記載されていないセルは、ドメインが存在するか、または存在しないことを示し、存在するとき、何れかのアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のものであり得る。例えば、表5における重鎖定常領域1を含む抗体は、少なくとも1つのIgG2ヒンジを含む重鎖定常領域を含む抗体であり、それは、CH1、CH2および/またはCH3ドメインを含んでもよく、存在するとき、CH1、CH2および/またはCH3ドメインは、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプのものである。表5から理解される別の例として、重鎖定常領域8を含む抗体は、IgG1 CH1ドメイン、およびIgG2ヒンジ、IgG1 CH2ドメインを含み、CH3ドメインを含むか、または含まなくてよく、存在するとき、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプであり得る、重鎖定常領域を含む抗体である。

0138

0139

ある態様において、表5に示す重鎖定常領域を含む抗体は、特定の重鎖定常領域を含まない、重鎖定常領域を含む同じ抗体またはIgG1定常領域を含む同じ抗体と比較して、増強された生物学的活性を有する。

0140

ある態様において、非IgG2ヒンジおよび/または非IgG2 CH1ドメインを含む抗体の生物学的活性を改善する方法は、非IgG2ヒンジおよび/または非IgG2 CH1ドメインを含む抗体を提供する工程、および非IgG2ヒンジおよび非IgG2 CH1ドメインを、それぞれIgG2ヒンジおよびIgG2 CH1ドメインで置換する工程を含む。修飾された重鎖定常領域を含まない抗体の生物学的活性を改善する方法は、修飾された重鎖定常領域を含まない抗体を提供する工程、およびその重鎖定常領域を修飾された重鎖定常領域で置換する工程を含み得る。

0141

修飾された重鎖定常領域の例を表6に提供し、それは、ドメインのそれぞれの識別情報を記載する。

0142

0143

ある態様において、抗体は、配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137のいずれか1つを含むIgG2ヒンジまたはその変異体、例えば、(i)配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137のいずれか1つと、1、2、3、4または5個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる、アミノ酸配列;(ii)配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137のいずれか1つと、多くとも5、4、3、2または1個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる、アミノ酸配列;(iii)配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137のいずれか1つと、1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる、アミノ酸配列、および/または(iv)配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136または137のいずれか1つと少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、アミノ酸配列であって、ここで、(i)−(iv)のいずれかにおいて、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であってよく、修飾された重鎖定常領域は、別の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域、または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾された重鎖定常領域と比較して、増強された生物学的活性を有する、アミノ酸配列を含むIgG2ヒンジを含む修飾された重鎖定常領域を含む。

0144

ある態様において、ヒンジは、配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137のいずれか1つの変異体である配列(ここで、R217(野生型IgG2ヒンジ(配列番号8)の第二のアミノ酸は欠失されていないか、または別のアミノ酸で置換されていない)を含む。ヒンジが、配列番号8、21、22、23、126〜132、134〜136および137のいずれか1つの変異体である任意の態様において、該ヒンジは、野生型IgG2の剛性と同様の剛性を有する。

0145

ある態様において、抗体は、配列番号2を含むIgG1 CH1ドメインもしくは配列番号7を含むIgG2 CH1ドメイン、または配列番号2もしくは7の変異体(ここで、変異体は、(i)配列番号2もしくは7と1、2、3、4または5個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列番号2もしくは7と、多くとも5、4、3、2または1個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列番号2もしくは7と、1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる、および/または(iv)配列番号2もしくは7と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、(i)−(iv)のいずれかにおいて、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であってよく、修飾された重鎖定常領域は、別の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域、または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾された重鎖定常領域と比較して、増強された生物学的活性を有する)を含む修飾された重鎖定常領域を含む。

0146

ある態様において、抗体は、配列番号4もしくは24、または配列番号4もしくは24の変異体(ここで、変異体は、(i)配列番号4もしくは24と1、2、3、4または5個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(ii)配列番号4もしくは24と、多くとも5、4、3、2または1個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる;(iii)配列番号4もしくは24と、1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なる、および/または(iv)配列番号4もしくは24と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、(i)−(iv)のいずれかにおいて、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であってよく、修飾された重鎖定常領域は、別の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域、または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾された重鎖定常領域と比較して、増強された生物学的活性を有する)を含むIgG1 CH2ドメインを含む修飾された重鎖定常領域を含む。

0147

ある態様において、抗体は、配列番号5、または配列番号5の変異体(ここで、変異体は、(i)配列番号5と、1、2、3、4または5個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり;(ii)配列番号5と、多くとも5、4、3、2または1個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり;(iii)配列番号5と、1〜5、1〜3、1〜2、2〜5または3〜5個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり、および/または(iv)配列番号5と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、(i)−(iv)のいずれかにおいて、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であってよく、修飾された重鎖定常領域は、別の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域、または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾された重鎖定常領域と比較して、増強された生物学的活性を有する)を含むIgG1 CH3ドメインを含む修飾された重鎖定常領域を含む。

0148

修飾された重鎖定常領域はまた、上記のCH1、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインの組合せを含む。

0149

ある態様において、抗体は、本明細書に記載の修飾された重鎖定常領域または本明細書に記載の修飾された重鎖定常領域の変異体を含み、ここで、変異体は、(i)本明細書に記載の修飾された重鎖定常領域と1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり;(ii)本明細書に記載の修飾された重鎖定常領域と、多くとも10、9、8、7、6,5、4、3、2または1個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり;(iii)本明細書に記載の修飾された重鎖定常領域と、1〜5、1〜3、1〜2、2〜5、3〜5、1〜10または5〜10個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり、および/または(iv)本明細書に記載の修飾された重鎖定常領域と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、(i)−(iv)のいずれかにおいて、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であってよく、修飾された重鎖定常領域は、別の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域、または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾された重鎖定常領域と比較して、増強された生物学的活性を有する。

0150

ある態様において、抗体は、配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つまたは配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つの変異体を含む修飾された重鎖定常領域を含み、ここで、変異体は、(i)配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つと、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり;(ii)配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つと、多くとも10、9、8、7、6,5、4、3、2または1個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり;(iii)配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つと、1〜5、1〜3、1〜2、2〜5、3〜5、1〜10または5〜10個のアミノ酸置換、付加または欠失により異なり、および/または(iv)配列番号26〜37、54〜56、78〜125および152〜168のいずれか1つと、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、(i)−(iv)のいずれかにおいて、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であってよく、修飾された重鎖定常領域は、別の重鎖定常領域、例えば、非IgG2ヒンジを含む重鎖定常領域、または非IgG2ヒンジを含む同じ修飾された重鎖定常領域と比較して、増強された生物学的活性を有する。

0151

修飾された重鎖定常領域は、(i)野生型重鎖定常領域と比較して、類似の、減少した、または増加したエフェクター機能(例えば、FcγRへの結合)を有するか、または(ii)野生型重鎖定常領域と比較して、類似の、低下した、または増加した半減期(またはFcRn受容体への結合)を有し得る。

0152

II.修飾された重鎖定常領域を有する抗体およびその標的抗原
修飾された重鎖定常領域は、広範な抗体、例えば内在化を必要とする抗体(例えば、抗体薬物複合体(ADC)、および抗CD73抗体)、アゴニスト活性を必要とする抗体(例えば、免疫応答を調整する、例えば、T細胞活性を刺激するのに有効な抗体、例えばアゴニスト抗GITR抗体)、アンタゴニスト活性を必要とする抗体(例えば、免疫応答、例えば、T細胞活性化を阻害するタンパク質を阻害または阻止する抗体、例えばアンタゴニストPD−1抗体)、ADCCを必要とする抗体、シグナル伝達を必要とする抗体、または抗腫瘍活性を必要とする抗体に使用可能である。例えば、細胞表面阻害受容体の内在化は、その受容体(複数可)と相互作用するその能力を制限し、細胞機能(複数可)を低下させ得る。

0153

一態様において、修飾された重鎖定常ドメインを含む抗体は、例えば、それらが細胞表面に結合するとき、受容体介在性のエンドサイトーシスを誘導することにより、活性のためにその内在化を必要とする抗体(例えば、細胞表面受容体に特異的な抗体)である。そのような抗体は、塗料摘要のための薬剤、毒物酵素またはDNAの標的化送達のためのビークルとして使用可能である。従って、これらの抗体の内在化特性の増加は、望ましい。有効な内在化から利益を得ることができる抗体の例は、抗体薬物複合体である。抗体の内在化特性を測定するための種々のアッセイが、当技術分野で公知であり、本明細書に記載されている。これらのアッセイは、内在化をモニターするために、洗浄アッセイまたはクエンチベースのアッセイに使用することができる抗体標識のための広範な色素を利用する。抗体内在化はまた、蛍光ラベルによる無洗浄アッセイでモニターすることもできる。

0154

一態様において、修飾された重鎖定常ドメインを含む抗体は、活性のために、それらが結合する抗原例えば、受容体またはリガンドなどの細胞表面分子の内在化を必要とする、抗体である。従って、生物学的(例えば、治療的)活性の下方制御を必要とする細胞表面タンパク質に対する抗体は、本明細書に記載の修飾された重鎖定常領域を使用することができる。

0155

ある態様において、修飾された重鎖定常ドメインを含む抗体は、細胞表面分子に結合し、細胞表面分子、例えば、免疫細胞、例えばT細胞、Teff細胞、Th1細胞、Th2細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、Treg細胞、樹状細胞、マクロファージ、単球ランゲルハンス細胞NK細胞骨髄由来サプレッサー細胞、B細胞または任意の他の免疫細胞上の細胞表面分子の生物学的活性をアゴナイズまたはアンタゴナイズする。細胞表面分子は、阻害性分子、例えば、共刺激性分子(例えば、GITR、OX40、CD137、CD40、ICOSおよび他のTNFRファミリーメンバー)であってよく、抗体は、活性をさらに刺激し得る(アゴニスト抗体)か、または抗体は、活性を阻害し得る(アンタゴニスト抗体)。細胞表面分子は、阻害分子(例えば、CTLA−4、PD−1、PD−L1、LAG−3、TIM−3)であってよく、抗体は、活性をさらに刺激する(アゴニスト抗体)か、または抗体は、活性を阻害してよい(アンタゴニスト抗体)。

0156

ある態様において、修飾された重鎖定常ドメインを含む抗体は、例えばT細胞からのIL−2および/またはIFN−γ分泌を誘導することにより、例えば、対象の免疫系を高める刺激性(または共刺激性)分子のアゴニスト抗体(例えば、抗GITR抗体)である。他のアゴニスト抗体は、APCを活性化し、抗腫瘍細胞応答を促進し、および/またはT細胞免疫のない状態で癌を制御する可能性を有する細胞傷害性骨髄細胞を促進することが示されている。刺激性分子のアゴニスト抗体は、抗CTLA−4または抗PD−1などの負の免疫チェックポイントを阻止する阻害性分子のアンタゴニスト抗体とは異なる。T細胞増殖などのアゴニスト活性は、当技術分野で公知の種々の方法を用いて測定することができる。

0157

ある態様において、修飾された重鎖定常ドメインを含む抗体は、抗CTLA−4または抗PD−1抗体などの負の免疫チェックポイントを阻止または阻害することにより、例えば、活性化T細胞上に発現する阻害性受容体を標的とすることにより、対象の免疫応答を増強する、チェックポイント阻害剤のアンタゴニスト抗体である。T細胞増殖の阻害などのアンタゴニスト活性は、当技術分野で公知の種々の方法を用いて測定することができる。

0158

一態様において、抗体は、(i)共刺激受容体のアゴニスト、または(ii)例えば、T細胞に対する阻害シグナルのアンタゴニストであり、両方とも、抗原特異的T細胞応答(免疫チェックポイント調節因子)の増強をもたらし得る。ある態様において、抗体は、(i)共刺激受容体のアンタゴニスト、または(ii)例えばT細胞に対する阻害シグナルのアゴニストである。ほとんどの共刺激分子および共阻害分子は、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーであり、修飾された重鎖定常領域を有する抗体は、それらのいずれかに結合し得る。共刺激受容体または共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの1つの重要なファミリーは、B7ファミリーであり、B7−1、B7−2、B7−H1(PD−L1)、B7−DC(PD−L2)、B7−H2(ICOS−L)、B7−H3、B7−H4、B7−H5(VISTA)、およびB7−H6が含まれ、そして修飾された重鎖定常領域を有する抗体は、それらの何れかに結合し得る。共刺激受容体または共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの別のファミリーは、同族のTNF受容体(TNFR)ファミリーメンバーに結合する分子のTNFファミリーであり、CD40およびCD40L、OX−40、OX−40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4−1BBL、CD137、TRAIL/Apo2−L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTα、LTβ、LTβR、リンホトキシンα 1β2FAS、FASL(CD178)、DR3(TNFRSF25)、RELT、DR6、TROY、NGFR(例えば、Tansey (2009) Drug Discovery Today 00:1を参照のこと)が含まれる。従って、本明細書に記載の抗体は、これらの表面分子のいずれかに結合することができ、それらは、例えば、(i)T細胞活性化を阻害するIgSFファミリーもしくはB7ファミリーもしくはNFRファミリーのタンパク質のアゴニストまたはアンタゴニスト(または、阻害剤もしくは阻止剤)、またはT細胞活性化を阻害するサイトカイン(例えば、IL−6、IL−10、TGF−β、VEGF;“免疫抑制サイトカイン”)のアンタゴニスト、および/または(ii)例えば癌などの増殖性疾患を処置するための、免疫応答を調節する、例えば刺激するための、T細胞活性化を刺激する、IgSFファミリー、B7ファミリーもしくはTNFファミリーの刺激性受容体、またはサイトカインの刺激性受容体の、アゴニストまたはアンタゴニストであり得る。

0159

従って、改変された重鎖定常ドメインを有する抗体は、以下の薬剤の1つとして使用され得る:
(1)B7−1、B7−2、CD28、4−1BB(CD137)、4−1BBL、GITR、ICOS、ICOS−L、OX40、OX40L、CD70、CD27、CD40、DR3またはCD28Hなどの、例えば、T細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニスト;または、
(2)上記の通り、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2およびLAG−3などのT細胞活性化を阻害するタンパク質(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)、および以下のタンパク質のいずれか:TIM−3、ガレクチン9、CEACAM−1、BTLA、CD69、ガレクチン−1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、CD73、PD1H、LAIR1、TIM−1、TIM−4、CD39、のアンタゴニスト(阻害剤または阻止剤)。

0160

他の抗体には、NK細胞上の阻害受容体のアンタゴニストおよびNK細胞上の活性化受容体のアゴニスト、例えば、KIR、TIGIT、NKG2Aが含まれる。

0161

一般的に、修飾された重鎖定常領域からの利点を有し得る抗体には、例えば、正の共刺激受容体を連結するアゴニスト抗体、阻害性受容体を介してシグナル伝達を遮断するブロッキング抗体、アンタゴニスト抗体、および抗体抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に増加させる抗体、腫瘍微小環境内の異なる免疫抑制経路を克服する(例えば、阻害剤性受容体の関与を遮断する(例えば、PD−L1/PD−1相互作用)、Tregを枯渇または阻害する(例えば、抗CD25モノクローナル抗体、IDO等の代謝酵素を阻害する、またはT細胞アネルギー(anergy)または疲弊(exhaustion)を逆行/阻止する)抗体、および腫瘍部位での自然免疫の活性化および/または炎症を誘発する抗体が含まれる。阻害性受容体の増加した内在化は、可能性のある阻害剤をより低レベルに変換することができる。

0162

ある態様において、修飾された重鎖定常領域を含む抗体は、治療剤と複合体形成して、抗体薬物複合体(ADC)などの免疫複合体を形成する抗体であり、ここで、免疫複合体は、その活性のために内在化を必要とする。ADCにおいて、抗体は、ADCを癌細胞上の抗原などのその抗原を発現する標的細胞に指向するための標的化薬剤として機能する。この場合において、抗原は、腫瘍関連抗原であってよく、すなわち、癌細胞により独自に発現されるか、または過剰に発現される抗原であり得る。一旦、薬剤が放出されると、標的細胞内またはその周辺のいずれかで、治療剤として作用する。癌治療におけるADCの作用機序および使用に関する文献としては、Schrama et al., Nature Rev. Drug Disc. 2006, 5, 147を参照のこと。

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