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技術 新規の架橋されたポリマー組成物、電力ケーブル絶縁体および電力ケーブル

出願人 ボレアリスエージー
発明者 ペル-オラハグストランドヴィルゴットエングルンドアンニカスメドベルグアンドレアスファルカスカール-オロフオルソン
出願日 2020年2月10日 (1年3ヶ月経過) 出願番号 2020-020942
公開日 2020年6月25日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-097751
状態 未査定
技術分野 電力ケーブル 有機絶縁材料 高分子組成物 絶縁導体(1)
主要キーワード 代表的位置 外側半導体層 作動レベル 関係領域 アンメーター ガウス窓関数 公称圧力 回転チューブ
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課題

高電圧直流HVDC)用途および超高電圧直流(EHVDC)用途において特に有用である架橋されたポリマー組成物電力ケーブル絶縁体および電力ケーブルを提供する。

解決手段

ポリオレフィン過酸化物硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することによって得られる、架橋されたポリマー組成物であって、該架橋されたポリマー組成物が、Z分に相当する酸化誘導時間を有し、かつWppmに相当する量の過酸化物副生成物を含み、ここで、Z1≦Z≦Z2、W1≦W≦W2、およびW≦p−270*Zであり、ここで、Z1は0であり、Z2は60であり、W1は0であり、W2は9500であり、pは18500である。

概要

背景

高圧(HP)法で製造されたポリオレフィンは、ポリマーが高い機械的および/または電気要件を満たさなければならないところの要求の厳しいポリマー用途において広く使用されている。例えば、電力ケーブル用途、特に中電圧(MV)ケーブル用途、ならびに特に高電圧HV)および超高電圧(EHV)ケーブル用途において、ポリマー組成物電気特性がかなり重要である。さらに、重要な電気特性は、交流(AC)ケーブル用途と直流(DC)ケーブル用途との間の場合のように、異なるケーブル用途によって異なりうる。

ケーブルの架橋
典型的な電力ケーブルは、少なくとも、内側半導電層絶縁層および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む。ケーブルは普通、導体上にそれらの層を押出すことによって製造される。次いで、上記層の1つまたは複数におけるポリマー材料は、例えば、ケ−ブルの層におけるポリマーの熱および変形抵抗クリープ特性機械的強度耐薬品性ならびに耐摩耗性を向上させるために、通常架橋される。ポリマーの架橋反応において、ポリマー間の架橋(橋かけ)が、主に形成される。架橋は、例えば、フリーラジカル生化合物、例えば、過酸化物を使用して達成されることができる。フリーラジカル発生剤は、典型的には、導体上にこれらの層が押出される前またはその間に、該層材料中に導入される。層状ケ−ブルの形成後、ケ−ブルは、ラジカル形成およびそれによる架橋反応を開始するために、架橋工程に付される。

過酸化物は、とりわけ、上記ポリマー修飾のためにポリマー産業において使用されている、ごく一般的なフリーラジカル発生化合物である。得られた、過酸化物の分解生成物は、揮発性副生成物を含みうる。該揮発性副生成物は、ケーブルの電気特性に悪影響を与えうるので望ましくない。したがって、揮発性分解生成物、例えばメタン(例えば、ジクミルペルキシドが使用された場合)は、通常、架橋および冷却工程後に最小限に減らされ、または除去される。そのような除去工程は、一般的に、脱気工程として知られている。脱気工程は、時間がかかり、エネルギー消費であり、したがって、ケーブル製造方法において、コストのかかる作業である。

また、使用されるケーブル製造ラインおよび所望の製造スピードは、特に、より大きいサイズの電力ケーブルを製造する場合に、ケーブル材料に制限を与え得る。

電気伝導度
DC電気伝導度は、例えば高電圧直流HVDC)ケーブル用絶縁性材料のための重要な物性である。第1に、この特性の温度および電場依存性は、電場に影響を及ぼすであろう。第2の問題は、内側半導電層と外側半導電層との間を流れる漏洩電流によって絶縁体内に熱が発生することである。この漏洩電流は、電場および絶縁体の電気伝導度に依存する。絶縁性材料の高い伝導度は、高い応力/高い温度条件下で熱暴走さえ招く可能性がある。したがって、該伝導度は、熱暴走を回避するのに十分に低くなければならない。

したがって、HVDCケーブルにおいて、絶縁体は、漏洩電流によって加熱される。特定のケーブル設計の場合、該加熱は、絶縁体の伝導度×(電場)2に比例する。したがって、電圧が増加すると、はるかにより多くの熱が発生することとなる。

例えば直流(DC)電力ケーブルの増加された送電を達成するために電力ケーブルの電圧を増加させるための高い要求があり、例えば、欧州特許出願公開第2499172号明細書は、ポリオレフィンを含み、そしてそれをDC電力ケーブルに適したものにする特性を有するポリマー組成物を提供する。

概要

高電圧直流(HVDC)用途および超高電圧直流(EHVDC)用途において特に有用である架橋されたポリマー組成物、電力ケーブル絶縁体および電力ケーブルを提供する。ポリオレフィンと過酸化物と硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することによって得られる、架橋されたポリマー組成物であって、該架橋されたポリマー組成物が、Z分に相当する酸化誘導時間を有し、かつWppmに相当する量の過酸化物副生成物を含み、ここで、Z1≦Z≦Z2、W1≦W≦W2、およびW≦p−270*Zであり、ここで、Z1は0であり、Z2は60であり、W1は0であり、W2は9500であり、pは18500である。なし

目的

第2の問題は、内側半導電層と外側半導電層との間を流れる漏洩電流によって絶縁体内に熱が発生することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

少なくとも1.7のメルトフローレートMFR)を有しかつポリオレフィン過酸化物硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物架橋することによって得られる、架橋されたポリマー組成物であって、該架橋されたポリマー組成物が、示差走査熱量計DSC)を使用してASTM−D3895、ISO/CD11357およびEN728に従って決定される、Z分に相当する酸化誘導時間を有し、かつHPLCを使用してBTM2222に従って決定されるWppmに相当する量の過酸化物副生成物を含み、ここで、Z1≦Z≦Z2、W1≦W≦W2およびW≦p−270*Zであり、ここで、Z1は0であり、Z2は60であり、W1は0であり、W2は9500であり、pは18500である、ことを特徴とする、上記架橋されたポリマー組成物。

請求項2

Z1が2であり、Z2が20であり、W2が9000であり、pが16000である、請求項1に記載の架橋されたポリマー組成物。

請求項3

該架橋されたポリマー組成物が、ポリオレフィンと過酸化物と硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することによって得られ、ここで、上記過酸化物の量が、ポリマー組成物1kgあたりXmmolの−O−O−に相当し、上記硫黄含有抗酸化剤の量が、ポリマー組成物1kgあたりYmmolの−OHに相当し、ここで、Y1≦Y≦Y2、X≦45および0.9*Y+m≦X≦n−k*Yであり、ここで、Y1は0.50であり、Y2は10であり、mは0.8であり、nは70であり、kは4.7であり、上記ポリマー組成物が、少なくとも1.7のメルトフローレート(MFR)を有し、かつ上記ポリマー組成物が、0.05重量%(wt%)未満の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを含む、請求項1または2に記載の架橋されたポリマー組成物。

請求項4

該ポリマー組成物が該硬化手順に付されたものである、ここで、上記硬化手順の間における上記ポリマー組成物の最高温度が、例えば150℃超、例えば160〜350℃、例えば280℃未満、例えば250℃以下、例えば180℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物。

請求項5

該ポリマー組成物が、0.03重量%(wt%)未満の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物。

請求項6

該ポリオレフィンが、任意的に不飽和であってもよいLDPホモポリマーまたは、エチレンと1つもしくは複数のコモノマーとの任意的に不飽和であってもよいLDPEコポリマーから選択される低密度ポリエチレン(LDPE)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物。

請求項7

該ポリオレフィンが、エチレンと少なくとも1つの多不飽和コモノマーと任意的に1つまたは複数の他のコモノマーとの不飽和LDPEコポリマーであり、ここで、該多不飽和コモノマーは、例えば、少なくとも8個の炭素原子を有しかつ非共役二重結合間に少なくとも4個の炭素を有し、該非共役二重結合のうち少なくとも1つが末端にある炭素直鎖からなり、例えば、上記多不飽和コモノマーは、ジエン、例えば、少なくとも8個の炭素原子を有し、第1の炭素−炭素二重結合が末端にあり、かつ第2の炭素−炭素二重結合が第1の炭素−炭素二重結合と非共役であるジエン、例えば、C8〜C14非共役ジエンまたはそれらの混合物から選択され、例えば、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、またはそれらの混合物から選択され、例えば、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、またはそれらの任意の混合物から選択されるジエンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物。

請求項8

明細書の「決定方法」に記載されたDC伝導度法に従って測定されたとき、45fS/m以下の電気伝導度を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物。

請求項9

明細書の「決定方法」に記載されたDC伝導度法に従って測定されたとき、40fS/m以下、例えば0.01〜38fS/m以下、例えば0.5〜35fS/mの電気伝導度を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物。

請求項10

請求項1〜9のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物を含むことを特徴とする、電力ケーブル絶縁体。

請求項11

請求項1〜9のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物を含むHVDCまたはEHVDC電力ケーブル絶縁体であることを特徴とする、請求項10に記載の電力ケーブル絶縁体。

請求項12

明細書の「決定方法」に記載されたDC伝導度法に従って測定されたとき、45fS/m以下の電気伝導度を有する、請求項10または11に記載の電力ケーブル絶縁体。

請求項13

明細書の「決定方法」に記載されたDC伝導度法に従って測定されたとき、40fS/m以下、例えば0.01〜38fS/m以下、例えば0.5〜35fS/mの電気伝導度を有する、請求項10または11に記載の電力ケーブル絶縁体。

請求項14

請求項1〜9のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物、または請求項10〜13のいずれか一項に記載の電力ケーブル絶縁体を含むことを特徴とする、電力ケーブル

請求項15

請求項10〜13のいずれか一項に記載の電力ケーブル絶縁体を含むHVDCまたはEHVDC電力ケーブルであることを特徴とする、電力ケーブル。

請求項16

少なくとも内側半導電層絶縁層、および外側半導電層によってこの順に囲まれ、そして任意的にスクリーンジャケット層または他の保護層を含む群から選択される1つまたは複数のさらなる層によって囲まれていてもよい導体を含む架橋された電力ケーブル、例えば架橋された直流(DC)電力ケーブルの少なくとも1つの層、例えば少なくとも絶縁層を製造するために、請求項1〜9のいずれか一項に記載の架橋されたポリマー組成物を使用する方法。

技術分野

0001

本発明は、架橋されたポリマー組成物電力ケーブル絶縁体および電力ケーブルに関し、該ポリマー組成物、該架橋されたポリマー組成物、該電力ケーブル絶縁体および該電力ケーブルは、高電圧HV)および超高電圧(EHV)ケーブル用途、例えば、高電圧直流HVDC)用途および超高電圧直流(EHVDC)用途において特に有用でありうる。本発明は、さらに、該架橋されたポリマー組成物の使用に関する。

背景技術

0002

高圧(HP)法で製造されたポリオレフィンは、ポリマーが高い機械的および/または電気要件を満たさなければならないところの要求の厳しいポリマー用途において広く使用されている。例えば、電力ケーブル用途、特に中電圧(MV)ケーブル用途、ならびに特に高電圧(HV)および超高電圧(EHV)ケーブル用途において、ポリマー組成物の電気特性がかなり重要である。さらに、重要な電気特性は、交流(AC)ケーブル用途と直流(DC)ケーブル用途との間の場合のように、異なるケーブル用途によって異なりうる。

0003

ケーブルの架橋
典型的な電力ケーブルは、少なくとも、内側半導電層絶縁層および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む。ケーブルは普通、導体上にそれらの層を押出すことによって製造される。次いで、上記層の1つまたは複数におけるポリマー材料は、例えば、ケ−ブルの層におけるポリマーの熱および変形抵抗クリープ特性機械的強度耐薬品性ならびに耐摩耗性を向上させるために、通常架橋される。ポリマーの架橋反応において、ポリマー間の架橋(橋かけ)が、主に形成される。架橋は、例えば、フリーラジカル生化合物、例えば、過酸化物を使用して達成されることができる。フリーラジカル発生剤は、典型的には、導体上にこれらの層が押出される前またはその間に、該層材料中に導入される。層状ケ−ブルの形成後、ケ−ブルは、ラジカル形成およびそれによる架橋反応を開始するために、架橋工程に付される。

0004

過酸化物は、とりわけ、上記ポリマー修飾のためにポリマー産業において使用されている、ごく一般的なフリーラジカル発生化合物である。得られた、過酸化物の分解生成物は、揮発性副生成物を含みうる。該揮発性副生成物は、ケーブルの電気特性に悪影響を与えうるので望ましくない。したがって、揮発性分解生成物、例えばメタン(例えば、ジクミルペルキシドが使用された場合)は、通常、架橋および冷却工程後に最小限に減らされ、または除去される。そのような除去工程は、一般的に、脱気工程として知られている。脱気工程は、時間がかかり、エネルギー消費であり、したがって、ケーブル製造方法において、コストのかかる作業である。

0005

また、使用されるケーブル製造ラインおよび所望の製造スピードは、特に、より大きいサイズの電力ケーブルを製造する場合に、ケーブル材料に制限を与え得る。

0006

電気伝導度
DC電気伝導度は、例えば高電圧直流(HVDC)ケーブル用絶縁性材料のための重要な物性である。第1に、この特性の温度および電場依存性は、電場に影響を及ぼすであろう。第2の問題は、内側半導電層と外側半導電層との間を流れる漏洩電流によって絶縁体内に熱が発生することである。この漏洩電流は、電場および絶縁体の電気伝導度に依存する。絶縁性材料の高い伝導度は、高い応力/高い温度条件下で熱暴走さえ招く可能性がある。したがって、該伝導度は、熱暴走を回避するのに十分に低くなければならない。

0007

したがって、HVDCケーブルにおいて、絶縁体は、漏洩電流によって加熱される。特定のケーブル設計の場合、該加熱は、絶縁体の伝導度×(電場)2に比例する。したがって、電圧が増加すると、はるかにより多くの熱が発生することとなる。

0008

例えば直流(DC)電力ケーブルの増加された送電を達成するために電力ケーブルの電圧を増加させるための高い要求があり、例えば、欧州特許出願公開第2499172号明細書は、ポリオレフィンを含み、そしてそれをDC電力ケーブルに適したものにする特性を有するポリマー組成物を提供する。

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、低下された伝導度を有する代替のポリマー組成物を見出す継続的必要性が依然として存在する。そのようなポリマー組成物はまた、適切には、要求の厳しい電力ケーブルの実施形態に必要な優れた機械的特性を有するべきである。

課題を解決するための手段

0010

本発明の目的の1つは、ポリオレフィンと過酸化物と硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することにより得られ、電力ケーブル、例えばDC電力ケーブルに適した驚くほどに有利な特性を有する、代替の架橋されたポリマー組成物を提供することである。

0011

本発明のさらなる目的は、本発明の架橋されたポリマー組成物を含む電力ケーブル絶縁体を提供することである。

0012

本発明の別の目的は、本発明の架橋されたポリマー組成物または電力ケーブル絶縁体を含む電力ケーブル、例えば直流(DC)電力ケーブルを提供することである。

0013

本発明のさらなる目的は、架橋された電力ケーブル、例えば架橋された直流(DC)電力ケーブルの少なくとも1つの層、例えば少なくとも絶縁層を製造するための、本発明の架橋されたポリマー組成物の使用である。

0014

本発明およびそのさらなる目的は、本明細書において詳細に記載され、規定される。

実施例

0015

本発明は、少なくとも1.7g/10分のメルトフローレートMFR2)を有するポリオレフィンと、過酸化物と、硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することによって得られる、架橋されたポリマー組成物であって、該架橋されたポリマー組成物が、示差走査熱量計DSC)を使用してASTM−D3895、ISO/CD11357およびEN728に従って決定される、Z分に相当する酸化誘導時間を有し、かつHPLCを使用してBTM2222に従って決定されるWppmに相当する量の過酸化物副生成物を含み、ここで、
Z1≦Z≦Z2、W1≦W≦W2、およびW≦p−270*Zであり、ここで、
Z1は0であり、Z2は60であり、W1は0であり、W2は9500であり、pは18500である、
ことを特徴とする、上記架橋されたポリマー組成物を提供する。
なお、本明細書は、特には、ポリオレフィンと過酸化物とフェノール系の硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することによって得られる、架橋されたポリマー組成物であって、該架橋されたポリマー組成物が、示差走査熱量計(DSC)を使用してASTM−D3895、ISO/CD11357およびEN728に従って決定される、Z分に相当する酸化誘導時間を有し、かつHPLCを使用してBTM2222に従って決定されるWppmに相当する量の過酸化物副生成物を含み、ここで、
Z1≦Z≦Z2、W1≦W≦W2およびW≦p−270*Zであり、ここで、
Z1は0であり、Z2は60であり、W1は0であり、W2は9000であり、pは18500であり、
上記ポリオレフィンが、1.7〜2.3g/10分のメルトフローレート(MFR2)を有し、かつ
上記ポリマー組成物が、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを0.03重量%(wt%)未満しか含んでおらず、
上記ポリオレフィンが、任意的に不飽和であってもよいLDPホモポリマーまたは、エチレンと1つもしくは複数のコモノマーとの任意的に不飽和であってもよいLDPEコポリマーから選択される低密度ポリエチレン(LDPE)であり、かつ
上記ポリマー組成物が、架橋促進剤を含まない
ことを特徴とする、上記架橋されたポリマー組成物をも開示する。

0016

該架橋されたポリマー組成物は、ポリオレフィンと、上記、下記または特許請求の範囲に規定された量の過酸化物副生成物とを含み、かつ上記、下記または特許請求の範囲に規定された酸化誘導時間を有する。該架橋されたポリマー組成物は、硫黄含有抗酸化剤の存在下で過酸化物を使用するラジカル反応によって架橋されたものである。該架橋されたポリマー組成物は、典型的なネットワーク、とりわけ、当分野で周知のポリマー間架橋(橋かけ)を有する。

0017

示差走査熱量計(DSC)を使用してASTM−D3895、ISO/CD11357およびEN728に従って決定される酸化誘導時間法は、「決定方法」に記載される。

0018

過酸化物副生成物の量は、HPLCを使用してBTM2222に従って決定されるWppmに対応する。

0019

本明細書においてメルトフローレート(MFR)は、MFR2(2.16kg、190℃)を意味することに留意されたい。

0020

本発明の架橋されたポリマー組成物は、少なくとも1.7のメルトフローレート(MFR2)を有するポリオレフィンと、過酸化物と、硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することによって得られうるものであり、ここで、過酸化物の量は、ポリマー組成物1kgあたりXmmolの−O−O−に相当し、硫黄含有抗酸化剤の量は、ポリマー組成物1kgあたりYmmolの−OHに相当し、ここで、「ポリマー組成物1kgあたりYmmolの−OH」における「−OH」は、フェノール性OHであると理解され、
Y1≦Y≦Y2、X≦45、および0.9*Y+m≦X≦n−k*Yであり、ここで、
Y1は0.50であり、Y2は10であり、mは0.8であり、nは70であり、kは4.7であり、
上記ポリオレフィンは、少なくとも1.7g/10分のメルトフローレート(MFR2)を有し、かつ
上記ポリマー組成物は、0.05wt%未満の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを含む。

0021

本明細書に記載されるであろう、本発明の架橋されたポリマー組成物のサブグループ、特性および実施形態は、本明細書に記載された本発明の電力ケーブル絶縁体および電力ケーブルに、同等にまたは独立して適用される。

0022

本発明のさらなる実施形態は、本明細書に記載されたポリマー組成物を架橋することによって得られる架橋されたポリマー組成物を開示する。

0023

本発明のさらなる実施形態は、本明細書に記載されたポリマー組成物を硬化手順に付し、上記硬化手順の間に上記ポリマー組成物が架橋されることを含む方法において得られる架橋されたポリマー組成物を開示する。

0024

架橋は、周知の通り、架橋剤の種類に応じて選択される高められた温度で行われることができる。例えば、150℃を超える温度、例えば、160〜350℃が典型的であるが、それらに限定されない。

0025

本発明のさらなる実施形態は、ポリマー組成物が硬化手順に付されたものであり、上記手順の間における上記ポリマー組成物の最高温度が、例えば150℃超、例えば160〜350℃、例えば280℃未満、例えば250℃以下、または例えば180℃以下であるところの架橋されたポリマー組成物を開示する。

0026

本発明のさらなる実施形態は、ポリマー組成物が硬化手順に付されたものであり、上記手順の間における上記ポリマー組成物の最高温度が、270℃以下、260℃以下、250℃以下、240℃以下、230℃以下、220℃以下、210℃以下、200℃以下、190℃以下、または180℃以下であるところの架橋されたポリマー組成物を開示する。

0027

さらに、本発明のさらなる実施形態は、ポリマー組成物が硬化手順に付されたものであり、上記手順の間における上記ポリマー組成物の最高温度が、270℃以下、265℃以下、260℃以下、255℃以下、250℃以下、245℃以下、240℃以下、235℃以下、230℃以下、225℃以下、220℃以下、215℃以下、210℃以下、205℃以下、200℃以下、195℃以下、190℃以下、185℃以下、または180℃以下であるところの架橋されたポリマー組成物を開示する。

0028

本発明のさらなる実施形態は、ポリマー組成物が硬化手順に付されたものであり、上記手順の間における上記ポリマー組成物の最高温度が、250℃以下、245℃以下、240℃以下、235℃以下、230℃以下、225℃以下、220℃以下、215℃以下、210℃以下、205℃以下、200℃以下、195℃以下、190℃以下、185℃以下、または180℃以下であるところの架橋されたポリマー組成物を開示する。

0029

本発明のさらなる実施形態は、ポリマー組成物が硬化手順に付されたものであり、上記手順の間における上記ポリマー組成物の最高温度が180℃以下であるところの架橋されたポリマー組成物を開示する。

0030

さらに、本発明のさらなる実施形態は、ポリマー組成物が硬化手順に付されたものであり、上記手順の間における上記ポリマー組成物の最高温度が、少なくとも150℃、または少なくとも160℃であるところの架橋されたポリマー組成物を開示する。

0031

本発明の架橋されたポリマー組成物は、適切には、ポリオレフィンと過酸化物と硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することによって得られうるものであり、ここで、過酸化物の量は、ポリマー組成物1kgあたりXmmolの−O−O−に相当し、硫黄含有抗酸化剤の量は、ポリマー組成物1kgあたりYmmolの−OHに相当し、ここで、XおよびYは、本明細書に規定した通りのものであり、上記ポリマー組成物は、0.05wt%未満の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを含み、そして硬化手順に付され、上記手順の間におけるポリオレフィンと過酸化物と硫黄含有抗酸化剤との反応混合物の最高温度は、280℃未満、例えば250℃以下、または、例えば180℃以下である。

0032

予期せぬことに、本発明の架橋されたポリマー組成物が、ASTM−D3895、ISO/CD11357およびEN728に従って決定される、Z分に相当する酸化誘導時間を有し、かつHPLCを使用してBTM2222に従って決定されるWppmに相当する量の過酸化物副生成物を含む(ここで、ZおよびWは、本明細書に規定した通りのものである)場合に、該ポリマー組成物の電気伝導度は、低下する、すなわち、低くなる。該ポリマー組成物の電気伝導度は、電力ケーブルに適した従来のポリマー材料の電気伝導度と比較して低下されている。

0033

予期せぬことに、架橋されたポリマー組成物が、Z分に相当する酸化誘導時間を有し、かつWppmに相当する量の過酸化物副生成物を含む(ここで、ZおよびWは、本明細書に規定した通りのものである)場合に、上記架橋されたポリマー組成物の電気伝導度は、電力ケーブルに適した従来のポリマー材料の電気伝導度と比較して低下されている、すなわち、より低い。

0034

Z分に相当する酸化誘導時間を有しかつWppmに相当する量の過酸化物副生成物を含む(ここで、ZおよびWは、本明細書に規定した通りのものである)本発明の架橋されたポリマー組成物は、驚いたことに、
少なくとも1.7g/10分のメルトフローレート(MFR2)を有するポリオレフィンと、過酸化物と、硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋すること、ここで、過酸化物の量は、ポリマー組成物1kgあたりXmmolの−O−O−に相当し、硫黄含有抗酸化剤の量は、ポリマー組成物1kgあたりYmmolの−OHに相当し、ここで、XおよびYは、本明細書に規定した通りのものであり、該ポリマー組成物は、0.05wt%未満の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを含む、および/または
硬化手順に付すこと、ここで上記手順の間におけるポリオレフィンと過酸化物と硫黄含有抗酸化剤との反応混合物の最高温度は280℃未満である
によって得られた。

0035

本発明の架橋されたポリマー組成物は、とりわけ、低下された、すなわち、低い電気伝導度として表される電気特性を有し、それによって、例えば、電力ケーブル、例えばDC電力ケーブルの絶縁層における所望でない熱形成が最小化されることができる。本発明は、特に、DC電力ケーブルに有利である。

0036

さらに、短い酸化誘導時間は、フェノール基の濃度が低いことを意味する。しかし、それは、このことが、必ずしも、乏しい熱酸化耐性と関連しなければならない必要はないことを示している。酸化誘導時間に限定的に寄与するが、依然として酸化に対して材料を十分に保護することができる、硫黄含有抗酸化剤が存在する。

0037

電気伝導度は、本明細書では、「決定方法」に記載されたDC伝導度法に従って測定される。本明細書で互換的に使用される「低下された」または「低い」電気伝導度は、上記DC伝導度法から得られる値が低い、すなわち、低下されていることを意味する。

0038

該架橋されたポリマー組成物の低い電気伝導度は、とりわけ、電力ケーブルにおいて、例えば、ACまたはDC電力ケーブルにおいて、例えば直流(DC)電力ケーブルにおいて、例えば低電圧(LV)、中電圧(MV)、高電圧(HV)または超高電圧(EHV)DC電力ケーブルにおいて、例えば任意の電圧で、例えば320kV超で作動するDC電力ケーブル、例えばEHVDCケーブルにおいて、非常に有利である。

0039

さらに、該架橋されたポリマー組成物の電気伝導度は、驚いたことに、従来の方法により架橋された非脱気ポリマー組成物の電気伝導度と比較して、架橋後に揮発性副生成物を除去しなくても、すなわち脱気しなくても低い。したがって、所望ならば、該架橋されたポリマー組成物を含有する架橋ケーブルの脱気工程は、ケーブル製造方法の間にかなり短縮されおよび/またはそれほど厳しくない条件で行われることができ、そのことは、製造効率を当然向上させる。したがって、所望ならば、ケーブル製造の間の脱気工程は、短縮されることができる。

0040

さらなる実施形態において、Z2が40分または30分である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物が開示される。

0041

さらなる実施形態において、Z2が25、22、20、18、16、15、14、12、10、9、または8である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物が開示される。

0042

本発明のさらなる実施形態は、Z2が15である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0043

本発明のさらなる実施形態は、Z2が15、14、12、10、9、または8である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0044

さらに、本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が20である、Z1が2でありZ2が20である、Z1が3でありZ2が20である、またはZ1が4でありZ2が20である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0045

さらに、本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が18である、Z1が2でありZ2が18である、Z1が3でありZ2が18である、またはZ1が4でありZ2が18である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0046

本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が16である、Z1が2でありZ2が16である、Z1が3でありZ2が16である、またはZ1が4でありZ2が16である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0047

本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が15である、Z1が2でありZ2が15である、Z1が3でありZ2が15である、またはZ1が4でありZ2が15である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0048

本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が14である、Z1が2でありZ2が14である、Z1が3でありZ2が14である、またはZ1が4でありZ2が14である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0049

本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が12である、Z1が2でありZ2が12である、Z1が3でありZ2が12である、またはZ1が4でありZ2が12である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0050

本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が10である、Z1が2でありZ2が10である、Z1が3でありZ2が10である、またはZ1が4でありZ2が10である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0051

さらに、本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が9である、Z1が2でありZ2が9である、Z1が3でありZ2が9である、またはZ1が4でありZ2が9である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0052

本発明のさらなる実施形態は、Z1が1でありZ2が8である、Z1が2でありZ2が8である、Z1が3でありZ2が8である、またはZ1が4でありZ2が8である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0053

本発明のさらなる実施形態は、W1が、50、100、200、300、400、または500である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0054

本発明のさらなる実施形態は、W1が50である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0055

本発明のさらなる実施形態は、W2が、9400、9300、9200、9100、9050、または9000である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0056

さらに、本発明のさらなる実施形態は、W2が9000である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0057

本発明のさらなる実施形態は、pが、17000、16500、または16000である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0058

さらに、本発明のさらなる実施形態は、pが16000である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0059

本発明のさらなる実施形態は、Z1が2であり、Z2が20であり、W2が9000であり、pが16000である、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0060

さらなる実施形態において、本発明の架橋されたポリマー組成物は、少なくとも1.7g/10分のメルトフローレート(MFR2)を有するポリオレフィンと、過酸化物と、硫黄含有抗酸化剤とを含むポリマー組成物を架橋することによって得られ、ここで、過酸化物の量は、ポリマー組成物1kgあたりXmmolの−O−O−に相当し、硫黄含有抗酸化剤の量は、ポリマー組成物1kgあたりYmmolの−OHに相当し、ここで、「ポリマー組成物1kgあたりYmmolの−OH」における「−OH」は、フェノール性OHであると理解され、
Y1≦Y≦Y2、X≦45および0.9*Y+m≦X≦n−k*Yであり、ここで、
Y1は0.50であり、Y2は10であり、mは0.8であり、nは70であり、kは4.7であり、
上記ポリマー組成物は、0.05wt%未満の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを含む。

0061

さらに、上記ポリマー組成物が架橋される場合、過酸化物と架橋されるものは、該ポリマー組成物、またはポリマー組成物に含まれるポリオレフィンでありうると理解される。

0062

「ポリマー組成物1kgあたりmmolの−O−O−」という単位は、本明細書において、架橋前にポリマー組成物から測定されたときの、ポリマー組成物1kgあたりの過酸化物官能基含有量(mmol)を意味する。例えば、ポリマー組成物1kgあたり35mmolの−O−O−は、ポリマー組成物の総量(100wt%)に基づいて0.95重量%の周知のジクミルペルオキシドに相当する。

0063

本発明のさらなる実施形態において、Y1は、0.50、1.0、1.5、2.0、2.5、または3.0である。

0064

本発明のさらなる実施形態において、Y2は、10、9.8、9.6、9.4、9.2、9.0、8.8、8.6、8.4、8.2、8.0、7.8、7.6、7.4、7.2、7.0、6.8、6.6、6.5、6.4、6.2、6.1、または6.0である。

0065

本発明のさらなる実施形態において、X≦45、X≦40、X≦38、またはX≦35である。

0066

本発明のさらなる実施形態において、mは、0.8、1.0、1.5、2.0、2.5、または3.0である。

0067

本発明のさらなる実施形態において、nは、70、68、66、65、62、または60である。

0068

本発明のさらなる実施形態において、kは、4.7、4.8、4.9、または5.0である。

0069

本発明のさらなる実施形態において、Y1は2.0であり、Y2は9.0であり、X≦35、およびmは3.0であり、nは65であり、kは4.7である。

0070

本発明のさらなる実施形態において、Y1は2.0であり、Y2は8.0であり、X≦35、およびmは3.0であり、nは65であり、kは4.7である。

0071

本発明のさらなる実施形態において、Y1は2.0であり、Y2は7.0であり、X≦35、およびmは3.0であり、nは65であり、kは4.7である。

0072

本発明のさらなる実施形態において、Y1は2.0であり、Y2は6.0であり、X≦35、およびmは3.0であり、nは65であり、kは4.7である。

0073

本発明のさらなる実施形態において、nは、59、55、50、48、または45である。

0074

本発明のさらなる実施形態において、mは5.0でありかつnは65である、mは7.0でありかつnは65である、mは10.0でありかつnは65である、またはmは15でありかつnは65である。

0075

本発明のさらなる実施形態において、mは17でありかつnは64である。

0076

本発明のさらなる実施形態において、mは10.0でありかつnは65である。

0077

本発明のさらなる実施形態において、mは12.0でありかつnは63である、mは14.0でありかつnは61である、mは16.0でありかつnは59である、またはmは18.0でありかつnは57である。

0078

本発明のさらなる実施形態において、mは12.0でありかつnは61である、mは14.0でありかつnは59である、mは16.0でありかつnは57である、またはmは18.0でありかつnは55である。

0079

本発明のさらなる実施形態において、mは14.0でありかつnは63である、mは16.0でありかつnは61である、mは18.0でありかつnは59である、またはmは20.0でありかつnは57である。

0080

さらに、該ポリオレフィンは不飽和であり得、ここで、過酸化物含有量不飽和度に依存しうる。

0081

本発明のさらなる実施形態において、mが10.0でありかつnが60である、本明細書に記載されたポリマー組成物が開示される。

0082

本発明のさらなる実施形態において、Y1が2でありかつY2が6.5である、本明細書に記載されたポリマー組成物が開示される。

0083

本発明のさらなる実施形態において、Y1が2.5でありかつY2が6.0である、本明細書に記載されたポリマー組成物が開示される。

0084

さらに、本発明のさらなる実施形態は、1.7〜2.3g/10分のメルトフローレート(MFR2)を有するポリオレフィンと、過酸化物と、硫黄含有抗酸化剤とを含む、本明細書に記載されたポリマー組成物を開示する。

0085

本発明のさらなる実施形態は、0.03wt%未満の2,4−ジフェニル4−メチル−1−ペンテンを含むところの本明細書に記載されたポリマー組成物を架橋することによって得られる、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。

0086

本発明のさらなる実施形態において、0.01wt%未満の2,4−ジフェニル4−メチル−1−ペンテンを含むところの本明細書に記載されたポリマー組成物を架橋することによって得られる、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物が開示される。

0087

本発明のさらなる実施形態において、2,4−ジフェニル4−メチル−1−ペンテンを含まないところの本明細書に記載されたポリマー組成物を架橋することによって得られる、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物が開示される。

0088

さらに、本発明のさらなる実施形態は、いかなる架橋促進剤もいかなるスコーチ遅延添加剤も含まないところの本明細書に記載されたポリマー組成物を架橋することによって得られる、本明細書に記載された架橋されたポリマー組成物を開示する。上記架橋促進剤は、本明細書におけるこの文脈において、低分子量架橋促進剤であると理解される。

0089

本発明のさらなる実施形態において、架橋可能なポリマー組成物である、本明細書に記載されたポリマー組成物が開示される。

0090

本明細書に記載された表現「過酸化物の量は、ポリマー組成物1kgあたりXmmolの−O−O−に相当する」、「硫黄含有抗酸化剤の量は、ポリマー組成物1kgあたりYmmolの−OHに相当する」、および2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの量は、架橋前のポリマー組成物が、ポリオレフィン、過酸化物、および硫黄含有抗酸化剤を上記量で含有することを意味する。

0091

さらに、本発明のさらなる実施形態は、いかなる架橋促進剤もいかなるスコーチ遅延添加剤も含まない本明細書に記載されたポリマー組成物を架橋することによって得られる、架橋されたポリマー組成物を開示する。

0092

本発明は、さらに、1つまたは複数の層によって囲まれた導体を含む架橋された電力ケーブル絶縁体、例えば架橋された直流(DC)電力ケーブル絶縁体に向けられ、ここで、上記層の少なくとも1つが、本明細書に記載された本発明の架橋されたポリマー組成物を含む。

0093

さらに、本発明は、架橋された電力ケーブル絶縁体、例えば架橋された直流(DC)電力ケーブル絶縁体、例えば架橋されたHVDCまたはEHVDC電力ケーブル絶縁体に向けられ、ここで、上記絶縁体が、本明細書に記載された本発明の架橋されたポリマー組成物を含む。

0094

本発明は、さらに、1つまたは複数の層によって囲まれた導体を含む架橋された電力ケーブル、例えば架橋された直流(DC)電力ケーブルに向けられ、ここで、上記層の少なくとも1つが、本明細書に記載された本発明の架橋されたポリマー組成物を含む。

0095

さらに、本発明は、少なくとも内側半導電層、絶縁層、および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む架橋された電力ケーブル、例えば架橋された直流(DC)電力ケーブル、例えば架橋されたHVDCまたはEHVDC電力ケーブルに向けられ、ここで、少なくとも1つの層、例えば絶縁層が、本明細書に記載された本発明の架橋されたポリマー組成物を含む。

0096

本発明は、さらに、1つまたは複数の上記層に囲まれた導体を含む、架橋された電力ケーブル、例えば、架橋された直流(DC)電力ケーブルに向けられ、ここで、上記層の少なくとも1つが、本明細書に記載される本発明の架橋されたポリマー組成物を含む。

0097

さらに、本発明は、少なくとも内側半導電層、絶縁層、および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む架橋された電力ケーブル、例えば架橋された直流(DC)電力ケーブル、例えば架橋されたHVDCまたはEHVDC電力ケーブルに向けられ、ここで、少なくとも1つの層、例えば絶縁層が、本明細書に記載された本発明の架橋されたポリマー組成物を含む。

0098

さらに、本発明の架橋されたポリマー組成物、または本発明の電力ケーブル絶縁体は、架橋後に、「決定方法」に記載されたDC伝導度法に従って測定されたとき、45fS/m以下の電気伝導度を有する。本発明の架橋されたポリマー組成物、または本発明の電力ケーブル絶縁体は、「決定方法」に記載されたDC伝導度法に従って測定されたとき、さらなる実施形態において40fS/m以下の電気伝導度、さらなる実施形態において0.01〜38fS/mの電気伝導度、さらなる実施形態において0.5〜35fS/mの電気伝導度を有する。

0099

本発明のさらなる実施形態において、本発明の架橋されたポリマー組成物、または本発明の電力ケーブル絶縁体は、本明細書に規定された、ならびにその例示されたサブグループおよびその実施形態を包含する架橋された低密度ポリエチレン(LDPE)ポリマーを含み、「決定方法」に記載されたDC伝導度法に従って測定されたとき、0.01〜45fS/m、例えば0.01〜40fS/m、例えば0.01〜38fS/m、例えば0.01〜35fS/mの電気伝導度、0.01〜45fS/m、例えば0.01〜40fS/m、例えば0.01〜38fS/m、例えば0.01〜35fS/mの電気伝導度、0.1〜45fS/m、例えば0.1〜40fS/m、例えば0.1〜38fS/m、例えば0.1〜35fS/mの電気伝導度、1〜45fS/m、例えば1〜40fS/m、例えば1〜38fS/m、例えば1〜35fS/mの電気伝導度を有する。

0100

ポリオレフィン成分
架橋されたポリマー組成物に適したポリオレフィン成分の以下に例示された実施形態、特性およびサブグループは、それらが、架橋されたポリマー組成物の例示された実施形態をさらに規定するために任意の順序または組合せで使用されることができるように一般化できる。さらに、与えられた説明は、架橋される前のポリオレフィンにも当てはまることが明らかである。

0101

ポリオレフィンという用語は、オレフィンホモポリマーおよびオレフィンと1つまたは複数のコモノマーとのコポリマーの両方を意味する。周知のように、「コモノマー」は、共重合可能コモノマー単位を指す。

0102

ポリオレフィンは、電気ケーブル、例えば電力ケーブルの層、例えば絶縁層におけるポリマーとして適した任意のポリオレフィン、例えば任意の従来のポリオレフィンであることができる。

0103

ポリオレフィンは、例えば、市販のポリマーであることができ、または化学文献に記載された既知重合法に従ってまたはそれと同様にして調製されることができる。

0104

さらに、ポリオレフィンは、適切には、高圧法で製造されたポリエチレン、例えば、高圧法で製造された低密度ポリエチレンLDPEでありうる。LDPEポリマーの意味は周知であり、文献に記載されている。LDPEという用語は、低密度ポリエチレンの略語であるが、該用語は、密度範囲を限定するものでないと理解され、低密度中密度およびより高い密度を有するLDPE様高圧(HP)ポリエチレンを包含する。LDPEという用語は、オレフィン重合触媒の存在下で製造されたPEと比較される典型的な特徴、例えば、異なる分枝構造を有するHPポリエチレンの性質のみを表し、区別する。

0105

上記ポリオレフィンとしてのLDPEは、エチレンの低密度ホモポリマー(本明細書ではLDPEホモポリマーと呼ぶ)またはエチレンと1つまたは複数のコモノマーとの低密度コポリマー(本明細書ではLDPEコポリマーと呼ぶ)でありうる。LDPEコポリマーの1または複数のコモノマーは、適切には、上記または以下で規定された、極性コモノマー非極性コモノマー、または極性コモノマーと非極性コモノマーとの混合物から選択されうる。さらに、上記ポリオレフィンとしての上記LDPEホモポリマーまたはLDPEコポリマーは、任意的に不飽和であってもよい。

0106

上記ポリオレフィンとしてのLDPEコポリマーのための極性コモノマーとして、ヒドロキシル基アルコキシ基カルボニル基カルボキシル基エーテル基もしくはエステル基またはこれらの混合を含有するコモノマーが使用されることができる。さらなる実施形態において、カルボキシルおよび/またはエステル基を含有するコモノマーが、上記極性コモノマーとして使用される。さらなる実施形態において、LDPEコポリマーの極性コモノマーは、アクリレートメタクリレートもしくはアセテートまたはそれらの任意の混合物の群から選択される。上記LDPEコポリマーに存在する場合には、極性コモノマーは、例えば、アクリル酸アルキルメタクリル酸アルキルもしくは酢酸ビニル、またはそれらの混合物の群から選択されうる。さらなる実施形態において、上記極性コモノマーは、アクリル酸C1〜C6アルキルメタクリル酸C1〜C6アルキル、または酢酸ビニルから選択されうる。さらなる実施形態において、上記極性LDPEコポリマーは、エチレンとアクリル酸C1〜C4アルキル、例えばアクリル酸メチルエチルプロピルもしくはブチル、または酢酸ビニル、あるいはそれらの任意の混合物とのコポリマーである。

0107

上記ポリオレフィンとしてのLDPEコポリマーのための非極性コモノマーとして、上記で規定された極性コモノマー以外のコモノマーが使用されることができる。さらなる実施形態において、非極性コモノマーは、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基を含有するコモノマー以外である。例示される非極性コモノマーの一群は、モノ不飽和(=1つの二重結合)コモノマー、例えばオレフィン、例えばα−オレフィン、例えばC3〜C10α−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン1−オクテン、1−ノネン;多不飽和(=2つ以上の二重結合)コモノマー;シラン基含有コモノマー;またはそれらの任意の混合物を含み、適切には、それらからなりうる。上記多不飽和コモノマーは、不飽和LDPEコポリマーに関連して、以下にさらに記載される。

0108

LDPEポリマーがコポリマーである場合、それは、適切には、0.001〜50wt%、例えば0.05〜40wt%、35wt%未満、例えば30wt%未満、例えば25wt%未満の1つまたは複数のコモノマーを含む。

0109

架橋されたポリマー組成物、適切にはそのポリオレフィン成分、例えばLDPEポリマーは任意的に不飽和であってもよい。すなわち、架橋されたポリマー組成物、適切にはポリオレフィン、例えばLDPEポリマーは、炭素炭素二重結合を含みうる。「不飽和」は、本明細書において、ポリマー組成物、適切にはポリオレフィンが、(ポリマー組成物の架橋前に)炭素原子1000個あたり少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、または少なくとも0.4の総量の、炭素−炭素二重結合/炭素原子1000個を含有することを意味する。

0110

周知の通り、不飽和は、とりわけ、ポリオレフィン、低分子量(Mw)化合物、例えば架橋促進剤もしくはスコーチ遅延剤、またはそれらの任意の組合せによって、架橋されたポリマー組成物に付与され得る。二重結合の総量は、本明細書において、不飽和に寄与することが知られ、意図的に添加される供給源から決定される二重結合を意味する。不飽和を付与するために使用されるように2種以上の上記二重結合源が選択される場合には、架橋されたポリマー組成物中の二重結合の総量は、上記二重結合源に存在する二重結合の合計を意味する。定量的赤外線(FTIR)決定を可能にするために、各選択された供給源に関して、較正用の特徴的なモデル化合物が使用されることは明らかである。

0111

二重結合の測定は、架橋の前に行われる。

0112

ポリマー組成物が、架橋の前に不飽和である場合には、不飽和が、少なくとも不飽和のポリオレフィン成分由来であることが適切である。例えば、不飽和のポリオレフィンは、不飽和ポリエチレン、例えば、不飽和LDPEポリマー、例えば、不飽和LDPEホモポリマーまたは不飽和LDPEコポリマーである。多不飽和コモノマーが、上記不飽和ポリオレフィンとしてのLDPEポリマーに存在する場合には、LDPEポリマーは、不飽和LDPEコポリマーである。

0113

本発明の実施形態において、用語「炭素−炭素二重結合の総量」は、不飽和ポリオレフィンから規定され、別段の指定のない限り、存在するならば、ビニル基ビニリデン基およびtrans−ビニレン基由来の二重結合の合計量を指す。当然、ポリオレフィンは、必ずしも上記3種類の二重結合をすべて含むとは限らない。しかし、上記3種類のいずれかは、存在する場合、「炭素−炭素二重結合の総量」の計算に入れられる。各種類の二重結合の量は、「決定方法」に示されたように測定される。

0114

LDPEホモポリマーが不飽和である場合には、不飽和は、例えば連鎖移動剤(CTA)、例えばプロピレンによって、および/または重合条件によって付与され得る。LDPEコポリマーが不飽和である場合には、不飽和は、以下の手段、すなわち、連鎖移動剤(CTA)、1つまたは複数の多不飽和コモノマーまたは重合条件の1つまたは複数によって付与され得る。選択された重合条件、例えばピーク温度および圧力が、不飽和レベルに影響を与え得ることは周知である。不飽和LDPEコポリマーの場合には、それは、適切には、エチレンと少なくとも1つの多不飽和コモノマーおよび任意的に他のコモノマー、例えばアクリレートまたはアセテートコモノマーから適切に選択される極性コモノマーとの不飽和LDPEコポリマーである。例えば、不飽和LDPEコポリマーは、エチレンと少なくとも1つの多不飽和コモノマーとの不飽和LDPEコポリマーである。

0115

不飽和ポリオレフィンに適した多不飽和コモノマーは、例えば、少なくとも8個の炭素原子を有しかつ非共役二重結合間に少なくとも4個の炭素を有し、上記非共役二重結合のうち少なくとも1は末端にある炭素直鎖からなり、例えば、上記多不飽和コモノマーは、ジエン、好ましくは、少なくとも8個の炭素原子を有し、第1の炭素−炭素二重結合が末端にあり、かつ第2の炭素−炭素二重結合が第1の炭素−炭素二重結合と非共役であるジエンである。例示されるジエンは、C8〜C14非共役ジエンまたはそれらの混合物から選択され、例えば、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、またはそれらの混合物から選択される。ジエンは、例えば、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、またはそれらの任意の混合物から選択されるが、上記ジエンに限定されない。

0116

例えば、プロピレンがコモノマーもしくは連鎖移動剤(CTA)またはその両方として使用されることができ、それによって、C−C二重結合の総量、例えばビニル基の総量に寄与できることは、周知である。本明細書において、コモノマーとしても作用できる化合物、例えば、プロピレンが、二重結合をもたらすCTAとして使用された場合には、上記共重合性コモノマーは、コモノマー含有量の計算に入れられない。

0117

ポリオレフィン、例えばLDPEポリマーが不飽和である場合には、それは、例えば、存在するならば、ビニル基、ビニリデン基およびtrans−ビニレン基に由来する炭素−炭素二重結合を炭素原子1000個あたり0.1超、0.2超、0.3超、0.4超、または0.5超の総量で有する。該ポリオレフィンに存在する炭素−炭素二重結合の量の上限は、限定されないが、例えば、炭素原子1000個あたり5.0未満、例えば、炭素原子1000個あたり3.0未満でありうる。

0118

いくつかの実施形態、例えば、少ない過酸化物含有量でより高い架橋レベルが望ましい実施形態では、不飽和LDPE中の、存在するならば、ビニル基、ビニリデン基およびtrans−ビニレン基に由来する炭素−炭素二重結合の総量は、適切には、炭素原子1000個あたり0.50より多く、適切には、炭素原子1000個あたり0.60より多い。そのようなより多い量の二重結合は、例えば、速いケーブル製造スピードが望ましい場合、および/または、例えば所望の最終用途および/またはケーブル製造方法に依存して発生しうる垂れの問題および/または変形を最小限にするもしくは回避することが望ましい場合に適切である。本発明の「少ない」過酸化物含有量と組み合わせられたより多い二重結合含有量はまた、要求の非常に厳しい機械的特性および/または耐熱性が、層、例えば絶縁層の材料に必要とされるケーブルの実施形態、例えばDC電力ケーブルにおいて適切である。

0119

さらに、ポリオレフィンは、例えば、不飽和であり、少なくともビニル基を含有し、ビニル基の総量は、例えば、炭素原子1000個あたり0.01超、例えば、炭素原子1000個あたり0.05超、例えば、炭素原子1000個あたり0.08超、例えば、炭素原子1000個あたり0.11超である。さらに、ビニル基の総量は、例えば、炭素原子1000個あたり4.0より少ない。架橋前のポリオレフィンは、例えば、炭素原子1000個あたり0.20超、例えば炭素原子1000個あたり0.30超、例えば炭素原子1000個あたり0.40超の総量のビニル基を含有する。いくつかの要求の厳しい実施形態において、例えば電力ケーブル、例えばDC電力ケーブルでは、少なくとも1つの層、例えば絶縁層が、炭素原子1000個あたり0.50超の総量のビニル基を含有するLDPEポリマー、例えば、LDPEコポリマーを含む。

0120

不飽和は、さらに、低い伝導度と機械的特性との上記所望のバランスに寄与することを示している。本発明の実施形態において、架橋されたポリマー組成物のポリオレフィンは、エチレンと少なくとも1つの多不飽和コモノマー、例えば、上記で規定されたジエン、および任意的に他のコモノマーとの不飽和LDPEコポリマーであり、存在するならば、上記で規定された、ビニル基、ビニリデン基およびtrans−ビニレン基に由来する炭素−炭素二重結合の総量を有し、例えば、上記で規定されたビニル基の総量を有する。上記不飽和LDPEコポリマーは、例えば、電力ケーブル、例えばDC電力ケーブルの絶縁層の架橋されたポリマー組成物の電気伝導度をさらに低下させるための方法に非常に有用である。

0121

典型的には、および適切には、ワイヤおよびケーブル(W&C)用途において、ポリオレフィン、例えばLDPEポリマーの密度は、860kg/m3より高い。ポリオレフィン、例えばLDPEポリマー(エチレンホモまたはコポリマー)の密度は、例えば、960kg/m3以下であり、例えば、900〜945kg/m3である。ポリオレフィン例えば、LDPEポリマーのMFR2(2.16kg、190℃)は、例えば、0.01〜50g/10分、例えば0.1〜20g/10分、例えば0.2〜10g/10分である。

0122

したがって、本発明のポリオレフィンは、例えば、フリーラジカル開始重合によって高圧で製造される(高圧(HP)ラジカル重合と呼ぶ)。HP反応器は、例えば、周知の管状反応器もしくはオートクレーブ反応器、または管状反応器とオートクレーブ反応器との混合であることができる。本発明の実施形態において、HP反応器は、管状反応器である。ポリオレフィンは、例えば、上記で規定された、不飽和LDPEホモポリマーまたはエチレンと1つまたは複数のコモノマーとの不飽和LDPEコポリマーである。本発明の方法によって得ることができるLDPEポリマーは、例えば、上記または以下に規定された有利な電気特性をもたらす。高圧(HP)重合および、所望の最終用途に応じてポリオレフィンの他の特性をさらに適応させるためのプロセス条件の調整は、周知であり、文献に記載されており、当業者によって容易に使用されることができる。適切な重合温度は、400℃までの範囲、例えば80〜350℃の範囲であり、圧力は、70MPaから、例えば100〜400MPa、例えば100〜350MPaである。圧力は、少なくとも圧縮工程および/または管状反応器の後に測定されることができる。温度は、全工程中のいくつかの時点で測定されることができる。

0123

分離後、得られたポリマーは、典型的には、ポリマー溶融物の形態であり、それは、通常、HP反応器系に連結して配置されたペレット化部分、例えば造粒押出機において混合され、そしてペレット化される。任意的に、添加剤、例えば硫黄含有抗酸化剤が、架橋されたポリマー組成物をもたらすように既知のやり方でこの混合機に添加されることができる。

0124

エチレン(コ)ポリマーの高圧ラジカル重合による製造のさらなる詳細は、とりわけ、the Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Vol.6 (1986), pp 383-410およびEncyclopedia of Materials: Science and Technology, 2001 Elsevier Science Ltd.:“Polyethylene: High-pressure, R. Klimesch, D. Littmann and F.-O. Mahling pp. 7181-7184に見出されることができる。

0125

エチレンの不飽和LDPEコポリマーが調製される場合には、周知の通り、C−C二重結合含有量は、不飽和LDPEコポリマーに望ましいC−C二重結合の性質および量に応じて、例えば、1つまたは複数の多不飽和コモノマー、連鎖移動剤、プロセス条件、またはそれらの任意の組合せの存在下で、例えば、モノマー、例えばエチレンと多不飽和コモノマーおよび/または連鎖移動剤との間の所望の供給比を使用して、エチレンを重合することにより調整されることができる。とりわけ国際公開第93/08222号パンフレットは、エチレンと多不飽和モノマーとの高圧ラジカル重合を説明している。その結果、不飽和は、ランダム共重合法においてポリマー鎖に沿って均一に分布することができる。また、例えば、国際公開第96/35732号パンフレットは、エチレンとある種の多不飽和α,ω−ジビニルシロキサンとの高圧ラジカル重合を説明している。

0126

ポリマー組成物
架橋前の架橋されたポリマー組成物、すなわちポリマー組成物は、硫黄含有抗酸化剤の存在下で、少なくとも1種の過酸化物を含み、ここで、上記ポリオレフィンが、少なくとも1.7g/10分のメルトフローレート(MFR2)を有し、かつ上記ポリマー組成物が0.05wt%未満の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在を有し、ここで上記「少なくとも1種の」過酸化物は、少なくとも1つの−O−O−結合を含有する。

0127

当然、2種以上の異なる過酸化物生成物がポリマー組成物において使用される場合には、上記、下記または特許請求の範囲に規定されたポリマー組成物1kgあたりの−O−O−の量(mmol)は、各過酸化物生成物のポリマー組成物1kgあたりの−O−O−の量の合計である。適切な有機過酸化物の非制限的な例として、ジ−tert−アミルペルオキシド、2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジ(tert−ブチル)ペルオキシド、ジクミルパーペルオキシド、ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルペルオキシベンゾエートジベンゾイルペルオキシド、ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、またはそれらの任意の混合物が挙げられ得る。さらに、過酸化物は、例えば、2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ジ(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジ(tert−ブチル)ペルオキシド、またはそれらの混合物から選択される。さらに、過酸化物は、例えば、ジクミルペルオキシドである。

0128

さらに、架橋前に、ポリマー組成物は、ポリオレフィンおよび過酸化物に加えて、硫黄含有抗酸化剤を含有する。

0129

さらに、架橋前に、ポリマー組成物は、0.05wt%未満の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを含有する。

0130

さらに、架橋前に、ポリマー組成物は、ポリオレフィン、過酸化物、硫黄含有抗酸化剤に加えて、さらなる成分、例えばポリマー成分および/または添加剤、例示的添加剤、例えば、ポリマー分野で知られている安定化剤加工助剤難燃剤水トリー防止剤、酸またはイオン補足剤無機フィラーおよび電圧安定化剤を含有しうる。添加剤の使用量は、従来のものであり、当業者に周知であり、例えば、本明細書にすでに記載されている通りである。

0131

該ポリマー組成物は、典型的には、該ポリマー組成物に存在するポリマー成分の総重量に対して少なくとも50wt%、例えば少なくとも60wt%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも75%、例えば80〜100wt%、例えば85〜100wt%のポリオレフィンを含む。例示されるポリマー組成物は、唯一のポリマー成分としてのポリオレフィンからなる。その表現は、該ポリマー組成物が、唯一のポリマー成分としてのポリオレフィン以外に、さらなるポリマー成分を含有しないことを意味する。しかし、本明細書において、該ポリマー組成物は、任意的に担体ポリマーとの混合物、すなわち、いわゆるマスターバッチで添加されうる、ポリマー成分以外のさらなる成分、例えば、すでに本明細書に記載された添加剤と一致する添加剤を含みうることが理解されるべきである。

0132

ポリマー組成物は、適切には、唯一のポリオレフィン成分として、任意的に架橋前に不飽和でありうるポリオレフィン、例えばポリエチレン、例えばLDPEホモポリマーまたはコポリマーからなる。

0133

本発明の最終使用および最終用途
本発明の新規の架橋されたポリマー組成物は、ポリマーの種々の最終用途において非常に有用である。該架橋されたポリマー組成物の例示される使用は、W&C用途、例えば、電力ケーブルの1つまたは複数の層におけるものである。

0134

電力ケーブルは、任意の電圧で作動する、典型的には1kVより高い電圧で作動する、エネルギーを伝送するケーブルであると規定される。電力ケーブルにかけられる電圧は、交流(AC)、直流(DC)、または過渡インパルス)であることができる。本発明の架橋されたポリマー組成物は、320kVより高い電圧で作動する電力ケーブルに非常に適し、そのようなケーブルは、高電圧(HV)電力ケーブルおよび超高電圧(EHV)電力ケーブルを包含し、EHVケーブルは、当分野で周知である通り、はるかにより高い電圧で作動する。前述の用語は、周知の意味を有し、したがって、そのようなケーブルの作動レベルを示す。HVDCおよびEHVDC電力ケーブルについて、作動電圧は、本明細書において、接地高電圧ケーブルの導体との間の電圧として規定される。典型的に、HVDCおよびEHVDC電力ケーブルは、40kV以上の電圧で、さらには50kV以上の電圧で作動する。非常に高い電圧で作動する電力ケーブルは、EHVDC電力ケーブルとして当技術分野で知られており、それは、実際には、900kVと高くあり得るが、これに限定されない。

0135

架橋されたポリマー組成物は、上記で規定された、ACまたはDC電力ケーブル、例えば直流(DC)電力ケーブル、例えば320kVより高い電圧で作動するDC電力ケーブル、例えば周知のHVDCまたはEHVDC電力ケーブルのための層の材料としての使用に非常に適する。

0136

電力ケーブル、例えばDC電力ケーブルの絶縁層は、例えば上記で規定された架橋可能な不飽和LDPEコポリマーを含む。

0137

用語「導体」は、本明細書の上記および下記において、導体が1つまたは複数のワイヤを含むことを意味する。さらに、ケーブルは、1つまたは複数のそのような導体を含みうる。例えば、導体は、電気伝導体であり、1つまたは複数の金属ワイヤを含む。

0138

周知の通り、ケーブルは任意的に、さらなる層、例えば絶縁層または存在するならば外側半導電層を囲む層、例えば、スクリーンジャケット層、他の保護層もしくはそれらの任意の組合せを含むことができる。

0139

本発明はまた、1つまたは複数の層、例えば少なくとも絶縁層、例えば少なくとも内側半導電層、絶縁層、および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む、上記または特許請求の範囲に規定された電力ケーブル、例えばDC電力ケーブル、例えばHVDCまたはEHVDC電力ケーブルの製造方法を提供する。上記方法は、1つまたは複数の層を導体上に施与する工程を含み、ここで、少なくとも1つの層、例えば絶縁層が、本明細書に記載された本発明の架橋されたポリマー組成物を含む。

0140

本発明の電力ケーブル製造方法の実施形態において、電力ケーブルは、
(a)本明細書に規定された架橋可能なポリマー組成物を用意し、そして混合する、例えば押出機において溶融混合すること、
(b)工程(a)から得られたポリマー組成物の少なくとも溶融混合物を、例えば(共)押出によって、導体上に施与して、1つまたは複数の層、例えば少なくとも絶縁層を形成すること、および
(c)少なくとも上記ポリマー組成物を架橋すること、ここで、本発明の架橋されたポリマーが、上記少なくとも1つの層、例えば絶縁層に含まれる、
によって製造される。

0141

例えば、この実施形態において、内側半導電層、絶縁層、および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む、本発明のDC電力ケーブル、例えばHVDC電力ケーブルが製造され、ここで、上記方法は、下記工程:
(a)内側半導電層のために、ポリマーとカーボンブラックと任意的にさらなる成分とを含む、第1の架橋可能な半導電性組成物を用意し、そして混合する、例えば押出機において溶融混合する工程、
絶縁層のために、本発明の架橋可能なポリマー組成物を用意し、そして混合する、例えば押出機において溶融混合する工程、
外側半導体層のために、例えば、架橋可能なであり、ポリマーとカーボンブラックと任意的にさらなる成分とを含む、第2の半導電性組成物を用意し、そして混合する、例えば押出機において溶融混合する工程、
(b)内側半導電層を形成するための、工程(a)から得られた第1の半導電性組成物の溶融混合物
絶縁層を形成するための、工程(a)から得られた本発明のポリマー組成物の溶融混合物、および
外側半導電層を形成するための、工程(a)から得られた第2の半導電性組成物の溶融混合物
を、例えば共押出によって、導体上に施与する工程、ならびに
(c)得られたケーブルの絶縁層のポリマー組成物、内側半導電層の半導電性組成物、および外側半導電層の半導電性組成物の1つまたは複数、例えば少なくとも絶縁層のポリマー組成物、例えば絶縁層のポリマー組成物、内側半導電層の半導電性組成物、および外側半導電層の半導電性組成物を、架橋条件で架橋する工程、ここで、本発明の架橋されたポリマーが絶縁層に含まれる、
を含む。

0142

第1および第2の半導電性組成物のポリマーは、例えば、本発明の架橋されたポリマー組成物に関して記載されたポリオレフィンである。第1および第2の半導電性組成物のポリマーは、例えば、本発明のポリマー組成物に関して記載されたポリオレフィンである。

0143

さらに、第1および第2の半導電性組成物のカーボンブラックは、電気伝導性である任意のカーボンブラックでありうる。カーボンブラックは、適切には、以下の特性、すなわち、a)少なくとも5nmの、ASTMD3849−95aによる数平均粒径として規定される一次粒子サイズ、b)ASTM D1510による、少なくとも30mg/gのヨウ素価、c)ASTM D2414に従って測定される、少なくとも30ml/100gの油吸収値、のうちの1つまたは複数を有しうる。適切なカーボンブラックの非制限的な例は、ファーネスブラックおよびアセチレンブラックを含む。

0144

ファーネスブラックの群の一例は、28nm以下の一次粒子サイズを有する。平均一次粒子サイズは、ASTMD3849−95aに従って測定された数平均粒径として規定される。このカテゴリーのファーネスブラックは、例えば、ASTM D1510による60〜300mg/gのヨウ素価を有しうる。さらに、(このカテゴリーの)油吸収値は、例えば、ASTM D2414に従って測定されうる、50〜225ml/100g、例えば50〜200ml/100gでありうる。

0145

ファーネスブラックの群の別の例は、28nmより大きい一次粒子サイズを有する。平均一次粒子サイズは、ASTMD3849−95aによる数平均粒径として規定される。このカテゴリーのファーネスブラックは、例えば、ASTM D1510による30〜200mg/gのヨウ素価を有しうる。さらに、(このカテゴリーの)油吸収値は、例えば、ASTM D2414に従って測定された、80〜300ml/100gでありうる。

0146

他の適切なカーボンブラックは、任意の他の方法によって作製されることができ、またはさらに処理されることができる。上記第1および第2の半導電性組成物に適したカーボンブラックは、例えば、その清浄度を特徴としうる。したがって、それらの適切なカーボンブラックの群は、ASTMD1506に従って測定された0.2wt%未満の灰含有量、ASTM D1514による30ppm未満の325メッシュ篩残留物、およびASTM D1619による1wt%未満の総硫黄を有しうる。

0147

ファーネスカーボンブラックは、ファーネス型反応器において製造される周知のカーボンブラックのタイプについての、一般的に認識された用語である。カーボンブラック、その調製法、および反応器の例として、例えば、Cabotの欧州特許出願公開第629222号明細書、米国特許第4391789号明細書、米国特許第3922335号明細書および米国特許第3401020号明細書が参照される。ASTMD1765−98bに記載されている商業的なファーネスカーボンブラックのグレードの例として、とりわけ、N351、N293およびN550が挙げられ得る。

0148

ファーネスカーボンブラックは、半導電性組成物に適しうる別の適切なカーボンブラックのタイプであるアセチレンカーボンブラックと通常区別される。アセチレンカーボンブラックは、例えば米国特許第4340577号明細書に記載されている通り、アセチレン不飽和炭化水素との反応によるアセチレンブラック法において製造される。

0149

適切なアセチレンブラックの群は、20nmより大きい、例えば、20〜80nmの粒子サイズを有しうる。平均一次粒子サイズは、ASTMD3849−95aによる数平均粒径と規定される。さらに、このカテゴリーの適切なアセチレンブラックは、ASTM D1510による30〜300mg/g、例えば、30〜150mg/gのヨウ素価を有する。さらに、(このカテゴリーの)油吸収値は、例えば、80〜300ml/100g、例えば、100〜280ml/100gであり得、これは、ASTM D2414に従って測定される。アセチレンブラックは、一般的に認識された用語であり、非常によく知られており、例えばDenkaによって供給される。

0150

さらに、上記第1および第2の半導電性組成物は、例えば、同じでありうる。

0151

溶融混合は、得られた混合物の少なくとも主要なポリマー成分の融点を超えた混合を意味し、典型的には、ポリマー成分の融点または軟化点を少なくとも10〜15℃超える温度で行われる。

0152

用語「(共)押出」は、本明細書においては、当技術分野で周知の通り、2つ以上の層の場合には、それらの層が、別々の工程において押出されることができる、または、上記層の少なくとも2つもしくはすべてが、同じ押出工程において共押出されることができることを意味する。用語「(共)押出」は、本明細書においては、すべてのまたは一部の層が、1つまたは複数の押出ヘッドを使用して、同時に形成されることも意味する。例えば、三重押出(triple extrusion)は、3つの層を形成するのに使用されることができる。2つ以上の押出ヘッドを使用して層が形成される場合には、例えば、層は、2つの押出ヘッド、すなわち、内側半導電層、および絶縁層の内側部分を形成する第1のヘッド、ならびに、絶縁層の外側、および外側半導電層を形成する第2のヘッドを使用して押出されることができる。

0153

周知の通り、ポリマー組成物、ならびに任意的なおよび例示された第1および第2の半導電性組成物は、ケーブル製造方法の前または間に製造されることができる。さらに、ポリマー組成物、ならびに任意的なおよび例示された第1および第2の半導電性組成物は、それぞれ独立に、ケーブル製造方法の(溶融)混合工程a)に導入される前に、その成分の一部またはすべてを含むことができる。

0154

用意されたポリマー組成物、ならびに、例示された第1および第2の半導電性組成物の混合工程(a)は、例えば、ケーブル押出機において行われる。ケーブル製造方法の工程a)は、任意的に、例えばケーブル製造ラインのケーブル押出機に先行して連結されて配置されたミキサーにおける、別個の混合工程を含みうる。先行する別個のミキサーにおける混合は、成分の外部加熱(外部源による加熱)を用いて、または用いずに混合することにより行われることができる。過酸化物、硫黄含有抗酸化剤、ならびに本発明のポリマー組成物の、および任意的なおよび例示された第1および第2の半導電性組成物の任意的なさらなる成分、例えばさらなる添加剤の一部または全部が、ケーブル製造方法の間にポリオレフィンに添加される場合には、上記添加は、混合工程(a)の間の任意の段階で、例えばケーブル押出機に先行する任意的な別個のミキサーで、またはケーブル押出機の任意の段階で行うことができる。過酸化物、硫黄含有抗酸化剤、および任意的な添加剤の添加は、そのままで、適切には液体形態で、または周知のマスターバッチで、および混合工程(a)の間の任意の段階で、同時にまたは別々に為されることができる。

0155

本発明の実施形態において、過酸化物、硫黄含有抗酸化剤、および、例えば、任意的なさらなる成分、例えば添加剤は、ポリマー組成物が、ケーブル製造方法およびその製造ラインにおいて使用される前に、少なくともポリマー組成物にすでに存在する。過酸化物および硫黄含有抗酸化剤は、ペレットが該方法の工程(a)に供給される前に、ポリオレフィンまたはポリマー組成物のペレットに与えられることができる。過酸化物および硫黄含有抗酸化物は、例えば、ポリオレフィンおよび任意的なさらなる成分と一緒に溶融混合されることができ、次いで、溶融混合物は、ペレット化される、または、例えばポリオレフィンもしくはポリマー組成物の固体ペレットに添加される、例えば含浸されることができる。過酸化物および硫黄含有抗酸化剤は、例えば、液体状態で添加される。すなわち、過酸化物および硫黄含有抗酸化剤は、当業者に周知のように、周囲温度で液体形態であることができ、または、それらの融点もしくはガラス転移点より上に予熱される、または、担体媒体に溶解される。この実施形態における任意的な添加剤の添加は、過酸化物および硫黄含有抗酸化剤について上述したように為されることができる。

0156

ポリマー組成物、ならびに任意的な第1および第2の半導電性組成物は、例えば、ケーブル製造方法に与えられる場合、粉末、粒、またはペレットの形態で使用されうる。ペレットは、任意のサイズおよび形状のものであることができる。

0157

さらに、ポリマー組成物の溶融混合物は、例えば、溶融混合工程から得られ、唯一のポリマー成分として本発明のポリオレフィンからなりうる。上記任意的なおよび例示された添加剤は、そのままで、または担体ポリマーとの混合物として、すなわち、いわゆるマスターバッチの形態でポリマー組成物に添加されることができる。

0158

ケーブル製造方法の実施形態において、架橋可能な電力ケーブル、例えば、架橋可能なDC電力ケーブル、例えば、架橋可能なHVDC電力ケーブルが製造され、ここで、絶縁層は、架橋可能なポリオレフィン、任意的に、例えば、不飽和LDPEホモまたはコポリマー、および上記および下記に示した量の過酸化物および硫黄含有抗酸化剤を含むポリマー組成物を含み、次いで、得られたケーブルの絶縁層における架橋可能なポリオレフィンは、架橋条件で、工程c)において架橋される。例えば、この実施形態において、架橋された電力ケーブル、例えば架橋されたDC電力ケーブル、例えば架橋されたHVDC電力ケーブルが製造され、それは、第1の半導電性組成物を含む、例えばそれからなる内側半導電層、上記で規定されたポリマー組成物を含む、例えばそれからなる絶縁層、および任意的に、例えば第2の半導電性組成物を含む、例えばそれからなる外側半導電層に囲まれた導体を含み、ここで、少なくとも絶縁層のポリマー組成物、ならびに任意的に、例えば、内側半導電層の第1の半導電性組成物および外側半導電層の第2の半導電性組成物の少なくとも1つ、例えば両方は、工程(c)において架橋条件で架橋される。絶縁層のポリマー組成物の架橋は、上記でまたは特許請求の範囲で規定された量の過酸化物の存在下で行われ、内側半導電層の第1の半導電性組成物の任意的な架橋は、架橋剤の存在下で、例えばフリーラジカル発生剤、例えば過酸化物の存在下で行われる。

0159

架橋剤は、架橋工程c)への導入前に、任意的な第1および第2の半導電性組成物にすでに存在することができ、または、架橋工程の間に導入されることができる。過酸化物は、例えば、任意的な上記第1および第2の半導電性組成物のための架橋剤として使用され、そして組成物が上記で記載されたケーブル製造方法で使用される前に、例えば半導電性組成物のペレットに含められる。

0160

架橋は、すでに上記で記載された温度、すなわち、上記ポリマー組成物が架橋される硬化手順の下での上記ポリマー組成物の最高温度で行われることができる。

0161

処理温度および装置は、当技術分野で周知であり、例えば、従来のミキサーおよび押出機、例えば、単軸または二軸押出機が、本発明の方法に適している。

0162

本発明は、1つまたは複数の層、例えば、少なくとも絶縁層によって、例えば、少なくとも内側半導電層、絶縁層、および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む、架橋された電力ケーブル、例えば架橋されたDC電力ケーブル、例えば架橋されたHVDCまたはEHVDC電力ケーブルをさらに提供する。ここで、少なくとも絶縁層が、上記または特許請求の範囲で規定された架橋されたポリマー組成物またはそのサブグループもしくは実施形態のいずれかを含む。任意的に、内側半導電性組成物および外側半導電性組成物の1つまたは両方、例えば両方が架橋される。

0163

本発明は、少なくとも1つの層、例えば少なくとも内側半導電層、絶縁層および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む架橋された電力ケーブル、例えば架橋された(DC)電力ケーブル、例えば架橋されたHVDCまたはEHVDC電力ケーブルの少なくとも1つの層、例えば少なくとも絶縁層における、上記または特許請求の範囲で規定された架橋されたポリマー組成物またはその例示されたサブグループもしくは実施形態のいずれかの使用をさらに提供する。

0164

本発明は、少なくとも1つの層、例えば少なくとも内側半導電層、絶縁層および外側半導電層によってこの順に囲まれた導体を含む架橋された電力ケーブル、例えば架橋された(DC)電力ケーブル、例えば架橋されたHVDCまたはEHVDC電力ケーブルの少なくとも1つの層、例えば少なくとも絶縁層を製造するための、上記または特許請求の範囲で規定された架橋されたポリマー組成物またはその例示されたサブグループもしくは実施形態のいずれかの使用も提供する。

0165

電力ケーブル、例えばDCケーブル、例えばHVDCまたはEHVDC電力ケーブルの絶縁層の厚さは、該ケーブルの絶縁層の横断面から測定された場合、典型的には2mm以上、例えば少なくとも3mm、少なくとも5〜100mm、例えば5〜50mmである。

0166

決定方法
説明または実験の部において特に断りのない限り、特性の決定のために以下の方法が使用された。
wt%:重量%

0167

酸化誘導時間(OIT)法
OIT試験は、示差走査熱量計(DSC)を使用してASTM−D3895、ISO/CD11357およびEN728に従って実施される。試験される該材料(すなわち、本発明の架橋されたポリマー組成物)の直径5mmおよび重さ5〜6mgの円形サンプルが、室温でDSCに導入され、サンプルは、窒素雰囲気中で200℃(20℃/分)まで加熱される。200℃で等温で安定させて5分後、気体は、窒素から酸素に変えられる。酸素の流速は、窒素と同じ、50ml/分である。これらの条件下で、安定化剤は、完全に使い果たされるまで、時間をかけて消費される。この時点で、ポリマーサンプル(すなわち、本発明の架橋されたポリマー組成物)は、分解し(degrade)または酸化して、追加の熱を放出する(発熱反応)。

0168

酸化誘導時間(OIT)は、酸素の導入から、安定化剤が使い果たされたときに発生する発熱反応についての変曲開始点(onset inflection point)までに測定された時間として規定される。したがって、OITは、材料の熱安定性尺度である。各条件について、平行測定が実施され、平均値が算出される。

0169

HPLCを用いた過酸化物副生成物の測定方法
過酸化物副生成物は、BTM2222に従って測定される。
およそ1gの約1mm厚さの圧縮成型プラーク(plaque)が、イソプロパノールとシクロヘキサンとの1:1(重量)混合物に72℃で2時間浸される。濾過後、C18−HPLCカラム、例えばZorbax C18−SB(150×4.6mm)に10μLが注入される。過酸化物副生成物は、以下のグラジエントを使用して分離される。

0170

0171

UV検出器は、200nmでの信号を記録する。個々の物質、例えばジクミルペルオキシドならびに副生成物(アセトフェノンクミルアルコールおよびα−メチルスチレン)の定量化は、ピーク面積を使用する外部較正に基づく。
Wt%:重量%

0172

メルトフローレート
メルトフローレート(MFR)は、ISO1133に従って決定され、g/10分で示される。MFRは、ポリマーの流動性、したがって、加工性指標である。メルトフローレートが高いほど、ポリマーの粘度が低い。MFRは、ポリエチレンについて、190℃で決定され、種々の荷重、例えば、2.16kg(MFR2)または21.6kg(MFR21)で決定されうる。

0173

密度
密度は、ISO1183−2に従って測定された。サンプル調製は、ISO1872−2の表3Q(圧縮成型)に従って行われた。

0174

コモノマー含有量
a)NMR分光法による直鎖状低密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレンにおけるα−オレフィン含有量の定量:
コモノマー含有量は、基本的割り当ての後、定量的13C核磁気共鳴(NMR)分光法によって決定された(J. Randall JMS - Rev. Macromol. Chem. Phys., C29(2&3), 201-317(1989))。実験パラメーターが、この特定の業務のための定量的スペクトルの測定を確実にするために調整された。

0175

特に、溶液状態のNMR分光法が、Bruker AvanceIII400分光計を使用して用いられた。ヒートブロックおよび回転チューブオーブンを利用して140℃で10mmサンプル管において約0.200gのポリマーを2.5mlの重水素化テトラクロロエテンに溶解することにより、均一なサンプルが調製された。NOE(powergated)を伴うプロトンデカップリングされた13C単一パルスNMRスペクトルは、以下の取得パラメーター:90°のフリップ角、4回のダミースキャントランジェント数4096、1.6sのアクイジションタイム、20kHzのスペクトル幅、125℃の温度、二準位WALTZプロトンデカップリングスキームおよび3.0sの緩和遅延を使用して記録された。得られたFIDは、以下の処理パラメーター:32kデータポイントへのゼロ充填、およびガウス窓関数を使用するアポダイゼーション;自動ゼロ次および一次位補正、ならびに関係領域に限定された5次多項式を使用する自動基線補正を使用して処理された。

0176

当技術分野で周知の方法に基づいて代表的位置シグナルの積分の簡単な補正された比を使用して、量が算出された。

0177

b)低密度ポリエチレンにおける極性コモノマーのコモノマー含有量
(1)6wt%超の極性コモノマー単位を含有するポリマー
コモノマー含有量(wt%)は、定量的核磁気共鳴(NMR)分光法によって較正されるフーリエ変換赤外分光法(FTIR)の決定に基づき既知のやり方で決定された。下記に、エチレン−アクリル酸エチル、エチレン−アクリル酸ブチル、およびエチレン−アクリル酸メチルの極性コモノマー含有量の決定が例示されている。ポリマーのフィルムサンプルが、FTIR測定のために作製された。0.5〜0.7mmの厚さが、エチレン−アクリル酸ブチルおよびエチレン−アクリル酸エチルのために使用され、0.10mmのフィルム厚さが、6wt%超の量のエチレン−アクリル酸メチルのために使用された。フィルムは、Specacフィルムプレスを使用して、150℃で約5トンで1〜2分間プレスされ、次いで、制御のないやり方で、冷水で冷却された。得られたフィルムサンプルの正確な厚さが測定された。

0178

FTIRによる分析の後、吸光度モードにおけるベースラインが、分析されるピークのために引かれた。コモノマーについての吸光度ピークが、ポリエチレンの吸光度ピークによって正規化された(例えば、3450cm−1でのアクリル酸ブチルまたはアクリル酸エチルについてのピーク高さを、2020cm−1でのポリエチレンのピーク高さで割った)。NMR分光法の較正手順が、文献に十分記載され、下記で説明される従来の方法で行われた。

0179

アクリル酸メチルの含有量の決定のために、0.10mmの厚さのフィルムサンプルが作製された。分析後、3455cm−1でのアクリル酸メチルについてのピークの最大吸光度から2475cm−1でのベースラインの吸光度が差し引かれた(Aアクリル酸メチル−A2475)。次いで、2660cm−1でのポリエチレンのピークの最大吸光度ピークから、2475cm−1でのベースラインの吸光度値が差し引かれた(A2660−A2475)。次いで、文献に十分記載されている従来のやり方で、(Aアクリル酸メチル−A2475)と(A2660−A2475)との比が算出された。

0180

重量%は、計算によってモル%に変換されることができる。それは、文献に十分記載されている。

0181

NMR分光法によるポリマー中のコポリマー含有量の定量
コノモマー含有量が、基本的割り当ての後、定量的核磁気共鳴(NMR)分光法によって決定された(例えば、“NMR Spectra of Polymers and Polymer Additives”, A. J. Brandolini and D. D. Hills, 2000, Marcel Dekker, Inc. New York)。実験パラメーターが、この特定の業務のための定量的スペクトルの測定を確実にするために調整された(例えば、“200 and More NMR Experiments: A Practical Course”, S. Berger and S. Braun, 2004, Wiley-VCH, Weinheim)。当技術分野で既知のやり方で代表的位置のシグナルの積分の簡単な補正された比を使用して、量が算出された。

0182

(2)6wt%以下の極性コモノマー単位を含有するポリマー
コモノマー含有量(wt%)は、定量的核磁気共鳴(NMR)分光法によって較正されるフーリエ変換赤外分光法(FTIR)の決定に基づき既知のやり方で決定された。下記に、エチレン−アクリル酸ブチルおよびエチレン−アクリル酸メチルの極性コモノマー含有量の決定が例示されている。FTIR測定のために、0.05〜0.12mmの厚さのフィルムサンプルが、上記方法1)に記載された通りに作製された。得られたフィルムサンプルの正確な厚さが測定された。

0183

FTIRによる分析の後、吸光度モードにおけるベースラインが、分析されるピークのために引かれた。コモノマーのためのピーク(例えば、1164cm−1でのアクリル酸メチルおよび1165cm−1でのアクリル酸ブチル)の最大吸光度から、1850cm−1でのベースラインの吸光度値が差し引かれた(A極性コモノマー−A1850)。次いで、2660cm−1でのポリエチレンのピークの最大吸光度ピークから、1850cm−1でのベースラインの吸光度値が差し引かれた(A2660−A1850)。次いで、(A極性コモノマー−A1850)と(A2660−A1850)との比が算出された。NMR分光法の較正手順が、文献に十分記載された従来のやり方で、上記方法1)に記載された通りに行われた。

0184

重量%は、計算によってモル%に変換されることができる。それは、文献に十分記載されている。

0185

PENTペンシルニアノッチ試験)
低速亀裂成長に対する耐性が、ISO16241:2005に従って(いくつかの変更を有する)、ペンシルバニアノッチ試験(PENT)を使用して評価された。

0186

各材料の圧縮成型されたプラークが、以下の手順に従って製造された。顆粒が、密閉金型において、180℃で15分間、加圧されることなく加熱された。加熱が止められ、1.7MPaの公称圧力が12.5時間かけられ、その間にサンプルおよび金型放置され、自然に冷えていった。
試験片の寸法:60mm×25mm×10mm
・主要なノッチ:3.5mmの深さ
サイドノッチ:0.7mmの深さ
・試験片の試験温度:70℃
試験応力(ノッチのない断面積をもとに算出):2.0MPa
・1つの材料あたり2つの試験片
破壊までの時間が記録され、2つの試験片の平均が計算された。

0187

結晶化度および溶融温度
結晶化度および溶融温度が、TA Instruments Q2000を使用するDSCにより測定された。使用された温度プログラムは、30℃で開始し、180℃まで加熱し、180℃で2分間等温にし、次いで、−15℃まで冷却し、−15℃で2分間等温にし、次いで、180℃まで加熱するというものであった。加熱および冷却速度は、10℃/分である。

0188

架橋されるサンプルは、すべて、180℃で10分間架橋され、次いで、一晩かけて、70℃で減圧下で脱気され、すべての過酸化物副生成物を除去してから、結晶化度および溶融温度が測定された。

0189

溶融温度Tmは、サンプルへの熱流が最大となる温度である。

0190

結晶性度合いである結晶化度%=100×ΔHf/ΔH100%、ここで、PEの場合、ΔH100%(J/g)は290.0である(L. Mandelkem, Macromolecular Physics, Vol. 1-3, Academic Press, New York 1973, 1976 & 1980)。結晶化度の評価は、20℃から行われた。

0191

DC伝導度法
プラークは、試験ポリマー組成物のペレットから圧縮成型される。最終のプラークは、試験ポリマー組成物からなり、1mmの厚さおよび260mmの直径を有する。

0192

最終のプラークは、130℃で600秒間、20MPaでプレス成型することにより作製される。その後、温度が高められ、5分後に180℃または250℃に達する。次いで、温度は、180℃または250℃で1000秒間一定に保たれ、その間に、プラークは、試験ポリマー組成物に存在する過酸化物によって完全に架橋される。最後に、温度は、圧力が開放されたとき、室温に達するまで、15℃/分の冷却速度で下げられる。

0193

試験サンプルに電圧をかけるために、高電圧源が、上方電極に接続される。サンプルを通って得られた電流が、エレクトロメーター/ピコアンメーターで測定される。測定セルは、一定の湿度レベルを維持するために乾燥圧縮空気循環する加熱オーブン内に置かれる真鍮電極を有する3電極系である。

0194

測定電極の直径は、100mmである。電極の丸い端部からのフラッシュオーバーを回避するために、予防措置が行われている。

0195

印加電圧は、30kVDCであり、これは、30kV/mmの平均電場を意味する。温度は70℃であった。プラークを通る電流は、24時間続く実験全体にわたって記録された。24時間後の電流が、絶縁体の伝導度を算出するために使用された。

0196

この方法および伝導度測定のための測定手順の概略図は、下記のシンポジウムで与えられた出版物に完全に記載されている。
・Nordic Insulation Symposium 2009 (Nord-IS 09), Gothenburg, Sweden, June 15-17, 2009, page 55-58: Olsson et al, “Experimental determination of DC conductivity for XLPE insulation”
・Nordic Insulation Symposium 2013 (Nord-IS 13), Trondheim, Norway, June 9-12, 2013, page 161-164: Andersson et al, “Comparison of test setups for high field conductivity ofHVDC insulation materials”

0197

ポリマー組成物またはポリマーにおける二重結合の量の決定方法
A)IR分光法による炭素−炭素二重結合の量の定量
炭素−炭素二重結合(C=C)の量を定量するために、定量的赤外(IR)分光法が使用された。較正は、既知の構造の代表的低分子量モデル化合物中のC=C官能基モル吸光係数事前の決定により達成された。

0198

これらの基の各々の量(N)は、
N=(A×14)/(E×L×D)
(式中、Aは、ピーク高さとして規定される最大吸光度であり、Eは、当該の基のモル吸光係数(l・mol−1・mm−1)であり、Lは、フィルム厚さ(mm)であり、Dは、材料の密度(g・cm−1)である)
によって、炭素原子1000個あたりの炭素−炭素二重結合の数(C=C/1000C)として規定された。

0199

炭素原子1000個あたりのC=C結合の総量は、個々のC=C含有成分のNを合計することによって算出されることができる。

0200

ポリエチレンサンプルの場合、固体状態赤外スペクトルは、FTIR分光計(Perkin Elmer 2000)を使用して、圧縮成型された薄い(0.5〜1.0mm)フィルムについて4cm−1の分解能で記録され、吸収モードで分析された。

0201

すべての定量は、910〜960cm−1のC=C−H面外変角の吸収を使用して行われた。吸収の特定の波数は、不飽和含有種の化学構造に依存した。

0202

1)0.4wt%超の極性コモノマーを有するポリエチレンコポリマーを除く、ポリエチレンホモポリマーおよびコポリマーを含むポリマー組成物
ポリエチレンについて、3種類のC=C含有官能基が定量された。各々は、特徴的な吸収を有し、個々の吸光係数をもたらす異なるモデル化合物に対して較正された。
・E=13.13l・mol−1・mm−1を与える1−デセンデカ−1−エン]に基づく910cm−1によるビニル(R−CH=CH2)
・E=18.24l・mol−1・mm−1を与える2−メチル−1−ヘプテン[2−メチルヘプタ−1−エン]に基づく888cm−1によるビニリデンRR’C=CH2)
・E=15.14l・mol−1・mm−1を与えるtrans−4−デセン[(E)−デカ−4−エン]に基づく965cm−1によるtrans−ビニレン(R−CH=CH−R’)

0203

0.4wt%未満の極性コモノマーを有するポリエチレンホモポリマーまたはコポリマーについて、約980〜840cm−1で線形ベースライン補正が適用された。

0204

2)0.4wt%超の極性コモノマーを有するポリエチレンコポリマーを含むポリマー組成物
0.4wt%超の極性コモノマーを有するポリエチレンコポリマーについて、2種類のC=C含有官能基が定量された。各々は、特徴的な吸収を有し、個々の吸光係数をもたらす異なるモデル化合物に対して較正された。
・E=13.13l・mol−1・mm−1を与える1−デセン[デカ−1−エン]に基づく910cm−1によるビニル(R−CH=CH2)
・E=18.24l・mol−1・mm−1を与える2−メチル−1−ヘプテン[2−メチルヘプタ−1−エン]に基づく888cm−1によるビニリデン(RR’C=CH2)

0205

EBA:
ポリ(エチレン−コ−アクリル酸ブチル)(EBA)系について、約920〜870cm−1で線形ベースライン補正が適用された。

0206

EMA:
ポリ(エチレン−コ−アクリル酸メチル)(EMA)系について、約930〜870cm−1で線形ベースライン補正が適用された。

0207

3)不飽和低分子量分子を含むポリマー組成物
低分子量C=C含有種を含む系について、該低分子量種自体におけるC=C吸収のモル吸光係数を使用する直接の較正が行われた。

0208

B)IR分光法によるモル吸光係数の定量
モル吸光係数は、ASTMD3124−98およびASTM D6248−98に示された手順に従って決定された。溶液状態の赤外スペクトルは、0.1mm光路長液体セルを備えたFTIR分光計(Perkin Elmer 2000)を使用して4cm−1の解像度で記録された。

0209

モル吸光係数(E)は、
E=A/(C×L)
(式中、Aは、ピーク高さとして規定される最大吸光度であり、Cは、濃度(mol・l−1)であり、Lは、セルの厚さ(mm)である)
によって、l・mol−1・mm−1として決定された。

0210

少なくとも3つの、二硫化炭素(CS2)中の0.18mol・l−1溶液が使用され、モル吸光係数の平均値が決定された。a,w−ジビニルシロキサンについて、モル吸光係数は、<insert small molecule here(ここに小分子を挿入)>のものと同等であると推定された。

0211

ポリマー組成物またはポリマーにおける二重結合の量の決定方法の代替的記載
IR分光法による炭素−炭素二重結合の量の定量
炭素−炭素二重結合(C=C)の量を定量するために、定量的赤外(IR)分光法が使用された。特に、固体状態の透過FTIR分光法が使用された(Perkin Elmer 2000)。較正は、既知の構造の代表的低分子量モデル化合物中のC=C官能基のモル吸光係数の事前の決定により達成された。

0212

所与のC=C官能基含有種の量(N)は、
N=(A×14)/(E×L×D)
(式中、Aは、ピーク高さとして規定される最大吸光度であり、Eは、当該の基のモル吸光係数(l・mol−1・mm−1)であり、Lは、フィルム厚さ(mm)であり、Dは、材料の密度(g・cm−1)である)
によって、炭素原子1000個あたりの炭素−炭素二重結合の数(C=C/1000C)として規定された。

0213

不飽和含有系について、3種類のC=C含有官能基が考慮された。各々は、特徴的なC=C−H面外変角振動モードを有し、個々の吸光係数をもたらす異なるモデル化合物に対して較正された。
・E=13.13l・mol−1・mm−1を与える1−デセン[デカ−1−エン]に基づく約910cm−1によるビニル(R−CH=CH2)
・E=18.24l・mol−1・mm−1を与える2−メチル−1−ヘプテン[2−メチルヘプタ−1−エン]に基づく約888cm−1によるビニリデン(RR’C=CH2)
・E=15.14l・mol−1・mm−1を与えるtrans−4−デセン[(E)−デカ−4−エン]に基づく約965cm−1によるtrans−ビニレン(R−CH=CH−R’)

0214

この吸収の特定の波数は、該種の特定の化学構造に依存した。非脂肪族不飽和基が述べられたとき、モル吸光係数は、脂肪族小分子類似体を使用して決定された、関連する脂肪族不飽和基のものと同じであると解された。

0215

モル吸光係数は、ASTMD3124−98およびASTM D6248−98に示された手順に従って決定された。溶液状態の赤外スペクトルは、0.1mm光路長の液体セルを備えたFTIR分光計(Perkin Elmer 2000)を使用して4cm−1の解像度で標準溶液に対して記録された。モル吸光係数(E)は、
E=A/(C×L)
(式中、Aは、ピーク高さとして規定される最大吸光度であり、Cは、濃度(mol・l−1)であり、Lは、セルの厚さ(mm)である)
によって、l・mol−1・mm−1として決定された。少なくとも3つの、二硫化炭素(CS2)中の0.18mol・l−1溶液が使用され、モル吸光係数の平均値が決定された。

0216

実験の部
本発明の例および比較例のポリマーの調製
すべてのポリマーは、高圧反応器において製造された低密度ポリエチレンであった。CTA供給に関して、例えば、PA含有量は、リットル/時またはkg/時として示されることができ、検算のために0.807kg/リットルのPAの密度を使用していずれかの単位に変換されることができる。

0217

LDPE1:
エチレンが、再循環されたCTAと共に、中間の冷却を伴って5段階プレ圧縮機および2段階ハイパー圧縮機において圧縮されて約2628barの初期反応圧力に達した。合計の圧縮機処理量は、約30トン/時であった。圧縮機領域では、1.89g/10分のMFRを維持するために、約4.9リットル/時のプロピオンアルデヒド(PA、CAS番号:123−38−6)が連鎖移動剤としてのプロピレン約81kg/時と一緒に添加された。ここではまた、1,7−オクタジエンが、27kg/時の量で反応器に添加された。圧縮された混合物は、内径約40mmおよび全長1200mを有するフロント供給2ゾーン管状反応器の予熱セクションで157℃まで加熱された。イソドデカンに溶解された市販のペルオキシドラジカル開始剤の混合物が、予熱器のすぐ後に、発熱重合反応が約275℃のピーク温度に達するのに十分な量で注入され、その後、約200℃に冷却された。それに続く第2のピーク反応温度は、264℃であった。反応混合物は、キックバルブによって減圧され、冷却され、そしてポリマーが未反応ガスから分離された。

0218

LDPE2:
エチレンが、再循環されたCTAと共に、中間の冷却を伴って5段階プレ圧縮機および2段階ハイパー圧縮機において圧縮されて約2904barの初期反応圧力に達した。合計の圧縮機処理量は、約30トン/時であった。圧縮機領域では、1.89g/10分のMFRを維持するために、約105kg/時のプロピレンが連鎖移動剤として添加された。ここでまた、1,7−オクタジエンが、62kg/時の量で上記反応器に添加された。圧縮された混合物は、内径約40mmおよび全長1200mを有するフロント供給3ゾーン管状反応器の予熱セクションで159℃まで加熱された。イソドデカンに溶解された市販の過酸化物ラジカル開始剤の混合物が、予熱器のすぐ後に、発熱重合反応が約289℃のピーク温度に達するのに十分な量で注入され、その後、約210℃に冷却された。それに続く第2および第3のピーク反応温度は、それぞれ、283℃および262℃であり、合間に225℃に冷却された。反応混合物は、キックバルブによって減圧され、冷却され、そしてポリマーが未反応ガスから分離された。

0219

本発明の実施例1〜9、参照例1(架橋されていない)および参照例2〜9(従来の量の過酸化物により架橋された、先行技術のポリマー組成物である)の架橋されたポリマー組成物の成分ならびに該組成物の特性および実験結果が、表1に示される。使用された添加剤は、市販されている。
過酸化物:DCP=ジクミルペルオキシド(CAS番号80−43−3)
硫黄含有抗酸化剤:4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)(CAS番号96−69−5)。
添加剤:2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(CAS番号、6362−80−7)。

0220

DCPの量は、ポリマー組成物1kgあたりの−O−O−官能基の含有量mmolで示される。上記量は、括弧内に重量%(wt%)としても示される。

0221

0222

0223

表1は、本発明の架橋されたポリマー組成物(実施例1〜18)の電気伝導度が、参照例2〜9と比較して、顕著に低下していることを示す。

0224

実施例1および6のPENTとして表される機械的特性は、共に3340時間超であり、それぞれ1635時間超および795時間超である参照例8および9のPENTレベル匹敵するレベルのままである。

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