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図面 (7)

課題

患者吸気呼気の間のガス濃度差を正確に測定するためのシステムと方法を提供する。

解決手段

第一採取部10は、第一混合ガスからなる吸気ガスを採取する。第二採取部12は、第二混合ガスからなる呼気ガスを採取する。ガス分析器23は、ガス濃度を測定する。切替弁21は、第一混合ガスと第二混合ガス内ガス成分の濃度が交互に測定されるように、採取された吸気ガスと呼気ガスの分析器23への流れを制御する。湿度制御システム22は、第一混合ガスと第二混合ガスの湿度を所定の湿度値に維持する。算出部は、第一混合ガスと第二混合ガスの間でのガス成分の濃度差を算出する。

概要

背景

臨床医は、混合ガスにおける特定種ガスの濃度を測定し、混合ガス間でその濃度がどのように変化するかを判断するためにその情報を使用することがある。このようなガス濃度測定結果の比較は、患者診断臨床研究において有用でありうる。しかしながら、生体試料における正確なガス濃度の測定は、非常に困難である。気体の条件(温度、圧力、湿度密度など)は、測定誤差の原因になりうる。異なる二つのガス流間における濃度差を測定しようとすると、当該誤差複合的になる。二つのガス間で条件が相違するからである。

湿度は、濃度測定の正確性に影響を与える主要因である。湿度は、ガス濃度を変えるのみならず、ガス密度熱伝導性、および熱容量にも影響を与えるからである。ひいては、センサ精度に影響を及ぼす。例えば、呼気の間、身体が吐出するガスの水蒸気分圧は、常圧および摂氏37度において46mmHgである。ガス温度常温(摂氏20度)まで冷却されると、凝結が生じ、水蒸気分圧は18mmHgとなる。大半のガス分析器は、凝結で生じた水滴貯水槽によって捕集し、相対湿度が30〜100%の範囲内で制御される条件下においてガス濃度を測定する。

人工呼吸器は、ガス供給システムに接続されることが一般的である。よって、吸気ガスは湿度を有しない(相対湿度0%)ことが普通である。吸気(0%)と呼気(30〜100%)の間で生じるこの湿度差は、人工呼吸に供される患者の吸気と呼気の間のガス濃度差を正確に測定する上で大きな障害となる。

呼気中ガス成分濃度吸気中のガス成分濃度の比較に係る正確な測定は、様々な形で有益である。例えば、当該測定は、患者に供給されるガス状物質投与量を決定する上で有用である。ガス状物質の例としては、手術中に使用される麻酔薬や、新治療の研究に用いられる吸入ガス一酸化窒素水素硫化水素など)が挙げられる。また、吸気と呼気の間の酸素濃度差が正確に測定できれば、身体の酸素消費量推定が可能である。酸素消費量は、栄養サポートスポーツ医学心肺機能研究などの様々な分野で使用される。酸素消費量は、身体の総代謝変化を表すからである。しかしながら、従来の測定装置の大半は、酸素消費量を適切にリアルタイム測定することができない。それは主に吸気と呼気の間の濃度差を正確に測定できないことによる。

概要

患者の吸気と呼気の間のガス濃度差を正確に測定するためのシステムと方法を提供する。第一採取部10は、第一混合ガスからなる吸気ガスを採取する。第二採取部12は、第二混合ガスからなる呼気ガスを採取する。ガス分析器23は、ガス濃度を測定する。切替弁21は、第一混合ガスと第二混合ガス内のガス成分の濃度が交互に測定されるように、採取された吸気ガスと呼気ガスの分析器23への流れを制御する。湿度制御システム22は、第一混合ガスと第二混合ガスの湿度を所定の湿度値に維持する。算出部は、第一混合ガスと第二混合ガスの間でのガス成分の濃度差を算出する。

目的

本発明の目的は、患者の吸気と呼気の間のガス濃度差を正確に測定するためのシステムと方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

第一混合ガスからなる吸気ガス採取するように構成された第一採取部と、第二混合ガスからなる呼気ガスを採取するように構成された第二採取部と、ガス濃度を測定するように構成されたガス分析器と、前記第一混合ガスと前記第二混合ガス内ガス成分の濃度が交互に測定されるように、採取された前記吸気ガスと前記呼気ガスの前記分析器への流れを制御する切替弁と、前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの湿度を所定の湿度値に維持する湿度制御システムと、前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの間でのガス成分の濃度差を算出するように構成された演算部と、を備えている、システム

請求項2

前記第一ガス採取部は、人工呼吸器の吸気ガス回路に接続され、前記第二ガス採取部は、前記人工呼吸器の排気ポートあるいは呼気ガス回路に接続される、請求項1に記載のシステム。

請求項3

前記第一ガス採取部は、呼吸マスクの第一逆止弁を備える吸気ガス回路に接続され、前記第二ガス採取部は、前記呼吸マスクの第二逆止弁を備える呼気ガス回路に接続される、請求項1に記載のシステム。

請求項4

前記湿度制御システムは、膜乾燥ユニット冷却乾燥ユニット、および乾燥剤の少なくとも一つを備えている、請求項1に記載のシステム。

請求項5

前記湿度制御システムは、膜乾燥ユニットであり、前記膜乾燥ユニットに使用されるパージガスは、ガス供給システムからの乾燥ガスガスタンクからの乾燥ガス、および乾燥剤によって乾燥された乾燥ガスの少なくとも一つである、請求項4に記載のシステム。

請求項6

前記湿度制御システムは、冷却乾燥ユニットであり、前記冷却乾燥ユニットは、前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの温度を下20℃以下に低下させる、請求項4に記載のシステム。

請求項7

前記ガス分析器は、少なくとも酸素濃度二酸化炭素濃度を測定し、前記演算部は、酸素濃度差と二酸化炭素濃度差を算出する、請求項1に記載のシステム。

請求項8

前記演算部は、算出された前記濃度差に基づいて呼吸商RQ)も算出するように構成されている、請求項7に記載のシステム。

請求項9

前記吸気ガスと前記呼気ガスの少なくとも一方の流量を測定するフローセンサをさらに備えており、前記算出部は、測定された前記濃度差と前記流量に基づいて、酸素消費量(VO2)と二酸化炭素産生量VCO2)も算出するように構成されている、請求項7に記載のシステム。

請求項10

前記フローセンサは、熱センサ湿度センサ、および圧力センサを備えている、請求項9に記載のシステム。

請求項11

前記第一ガス採取部は、第一ガス混合室を備えており、前記第二ガス採取部は、第二ガス混合室を備えている、請求項1に記載のシステム。

請求項12

第一混合ガスからなる吸気ガスを採取し、第二混合ガスからなる呼気ガスを採取し、前記第一混合ガスと前記第二混合ガス内のガス成分の濃度が交互に測定されるように、採取された前記吸気ガスと前記呼気ガスの分析器への流れを制御し、前記ガス成分の測定に先立って前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの湿度を所定の湿度値に維持し、前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの間でのガス成分の濃度差を算出する、方法。

請求項13

前記第一ガス採取部を人工呼吸器の吸気ガス回路に接続し、前記第二ガス採取部を前記人工呼吸器の排気ポートまたは呼気ガス回路に接続する、請求項12に記載の方法。

請求項14

呼吸マスクの第一逆止弁を備える吸気ガス回路に前記第一ガス採取部を接続し、前記呼吸マスクの第二逆止弁を備える呼気ガス回路に前記第二ガス採取部を接続する、請求項12に記載の方法。

請求項15

前記湿度は、膜乾燥ユニット、冷却乾燥ユニット、および乾燥剤の少なくとも一つを備えた湿度制御システムによって維持される、請求項12に記載の方法。

請求項16

前記湿度制御システムは、膜乾燥ユニットであり、前記膜乾燥ユニットに使用されるパージガスは、ガス供給システムからの乾燥ガス、ガスタンクからの乾燥ガス、および乾燥剤によって乾燥された乾燥ガスの少なくとも一つである、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記湿度制御システムは、冷却乾燥ユニットであり、前記冷却乾燥ユニットは、前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの温度を零下20℃以下に低下させる、請求項12に記載の方法。

請求項18

前記ガス分析器は、少なくとも酸素濃度と二酸化炭素濃度を測定するものであり、前記ガス濃度差として酸素濃度差と二酸化炭素濃度差の算出を行なう、請求項12に記載の方法。

請求項19

算出された前記濃度差に基づいて呼吸商(RQ)の算出も行なう、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記吸気ガスと前記呼気ガスの少なくとも一方の流量を測定し、測定された前記濃度差と前記流量に基づいて、酸素消費量(VO2)と二酸化炭素産生量(VCO2)の算出も行なう、請求項18に記載の方法。

技術分野

0001

本願は、2018年10月17日に提出された米国特許仮出願62/746,641号の優先権に係る利益を主張し、その全ての内容を本願の一部を構成するものとして援用する。

0002

本発明は、ガス濃度の測定に関連しており、特に異なった混合ガスの間での複数のガス成分の濃度を測定および比較するシステムおよび方法に関連している。

背景技術

0003

臨床医は、混合ガスにおける特定種のガスの濃度を測定し、混合ガス間でその濃度がどのように変化するかを判断するためにその情報を使用することがある。このようなガス濃度の測定結果の比較は、患者診断臨床研究において有用でありうる。しかしながら、生体試料における正確なガス濃度の測定は、非常に困難である。気体の条件(温度、圧力、湿度密度など)は、測定誤差の原因になりうる。異なる二つのガス流間における濃度差を測定しようとすると、当該誤差複合的になる。二つのガス間で条件が相違するからである。

0004

湿度は、濃度測定の正確性に影響を与える主要因である。湿度は、ガス濃度を変えるのみならず、ガス密度熱伝導性、および熱容量にも影響を与えるからである。ひいては、センサ精度に影響を及ぼす。例えば、呼気の間、身体が吐出するガスの水蒸気分圧は、常圧および摂氏37度において46mmHgである。ガス温度常温(摂氏20度)まで冷却されると、凝結が生じ、水蒸気分圧は18mmHgとなる。大半のガス分析器は、凝結で生じた水滴貯水槽によって捕集し、相対湿度が30〜100%の範囲内で制御される条件下においてガス濃度を測定する。

0005

人工呼吸器は、ガス供給システムに接続されることが一般的である。よって、吸気ガスは湿度を有しない(相対湿度0%)ことが普通である。吸気(0%)と呼気(30〜100%)の間で生じるこの湿度差は、人工呼吸に供される患者の吸気と呼気の間のガス濃度差を正確に測定する上で大きな障害となる。

0006

呼気中ガス成分濃度吸気中のガス成分濃度の比較に係る正確な測定は、様々な形で有益である。例えば、当該測定は、患者に供給されるガス状物質投与量を決定する上で有用である。ガス状物質の例としては、手術中に使用される麻酔薬や、新治療の研究に用いられる吸入ガス一酸化窒素水素硫化水素など)が挙げられる。また、吸気と呼気の間の酸素濃度差が正確に測定できれば、身体の酸素消費量推定が可能である。酸素消費量は、栄養サポートスポーツ医学心肺機能研究などの様々な分野で使用される。酸素消費量は、身体の総代謝変化を表すからである。しかしながら、従来の測定装置の大半は、酸素消費量を適切にリアルタイム測定することができない。それは主に吸気と呼気の間の濃度差を正確に測定できないことによる。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、患者の吸気と呼気の間のガス濃度差を正確に測定するためのシステムと方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一実施形態に係るシステムは、
第一混合ガスからなる吸気ガスを採取するように構成された第一採取部と、
第二混合ガスからなる呼気ガスを採取するように構成された第二採取部と、
ガス濃度を測定するように構成されたガス分析器と、
前記第一混合ガスと前記第二混合ガス内のガス成分の濃度が交互に測定されるように、採取された前記吸気ガスと前記呼気ガスの前記分析器への流れを制御する切替弁と、
前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの湿度を所定の湿度値に維持する湿度制御システムと、
前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの間でのガス成分の濃度差を算出するように構成された演算部と、
を備えている。

0009

一実施形態においては、前記第一ガス採取部は、人工呼吸器の吸気ガス回路に接続され、前記第二ガス採取部は、前記人工呼吸器の排気ポートあるいは呼気ガス回路に接続される。

0010

一実施形態においては、前記第一ガス採取部は、呼吸マスクの第一逆止弁を備える吸気ガス回路に接続され、前記第二ガス採取部は、前記呼吸マスクの第二逆止弁を備える呼気ガス回路に接続される。

0011

一実施形態においては、前記湿度制御システムは、膜乾燥ユニット冷却乾燥ユニット、および乾燥剤の少なくとも一つを備えている。

0012

一実施形態においては、前記湿度制御システムは、膜乾燥ユニットであり、前記膜乾燥ユニットに使用されるパージガスは、ガス供給システムからの乾燥ガスガスタンクからの乾燥ガス、および乾燥剤によって乾燥された乾燥ガスの少なくとも一つである。

0013

一実施形態においては、前記湿度制御システムは、冷却乾燥ユニットであり、前記冷却乾燥ユニットは、前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの温度を下20℃以下に低下させる。

0014

一実施形態においては、前記ガス分析器は、少なくとも酸素濃度二酸化炭素濃度を測定し、前記演算部は、酸素濃度差と二酸化炭素濃度差を算出する。

0015

一実施形態においては、前記演算部は、算出された前記濃度差に基づいて呼吸商RQ)も算出するように構成されている。

0016

一実施形態においては、前記吸気ガスと前記呼気ガスの少なくとも一方の流量を測定するフローセンサをさらに備えており、前記算出部は、測定された前記濃度差と前記流量に基づいて、酸素消費量(VO2)と二酸化炭素産生量VCO2)も算出するように構成されている。

0017

一実施形態においては、前記フローセンサは、熱センサ湿度センサ、および圧力センサを備えている。

0018

一実施形態においては、前記第一ガス採取部は、第一ガス混合室を備えており、前記第二ガス採取部は、第二ガス混合室を備えている。

0019

本発明の一実施形態に係る方法においては、
第一混合ガスからなる吸気ガスを採取し、
第二混合ガスからなる呼気ガスを採取し、
前記第一混合ガスと前記第二混合ガス内のガス成分の濃度が交互に測定されるように、採取された前記吸気ガスと前記呼気ガスの分析器への流れを制御し、
前記ガス成分の測定に先立って前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの湿度を所定の湿度値に維持し、
前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの間でのガス成分の濃度差を算出する。

0020

一実施形態に係る方法においては、前記第一ガス採取部を人工呼吸器の吸気ガス回路に接続し、前記第二ガス採取部を前記人工呼吸器の排気ポートまたは呼気ガス回路に接続する。

0021

一実施形態に係る方法においては、呼吸マスクの第一逆止弁を備える吸気ガス回路に前記第一ガス採取部を接続し、前記呼吸マスクの第二逆止弁を備える呼気ガス回路に前記第二ガス採取部を接続する。

0022

一実施形態においては、前記湿度は、膜乾燥ユニット、冷却乾燥ユニット、および乾燥剤の少なくとも一つを備えた湿度制御システムによって維持される。

0023

一実施形態においては、前記湿度制御システムは、膜乾燥ユニットであり、前記膜乾燥ユニットに使用されるパージガスは、ガス供給システムからの乾燥ガス、ガスタンクからの乾燥ガス、および乾燥剤によって乾燥された乾燥ガスの少なくとも一つである。

0024

一実施形態においては、前記湿度制御システムは、冷却乾燥ユニットであり、前記冷却乾燥ユニットは、前記第一混合ガスと前記第二混合ガスの温度を零下20℃以下に低下させる。

0025

一実施形態においては、前記ガス分析器は、少なくとも酸素濃度と二酸化炭素濃度を測定するものであり、前記ガス濃度差として酸素濃度差と二酸化炭素濃度差の算出を行う。

0026

一実施形態に係る方法においては、算出された前記濃度差に基づいて呼吸商(RQ)の算出も行なう。

0027

一実施形態に係る方法においては、前記吸気ガスと前記呼気ガスの少なくとも一方の流量を測定し、測定された前記濃度差と前記流量に基づいて、酸素消費量(VO2)と二酸化炭素産生量(VCO2)の算出も行なう。

0028

本発明に係る上記のものを含む特徴は、本発明の趣旨を例示する以降の詳細な説明と添付の図面においてより詳細に示される。

図面の簡単な説明

0029

本発明に係る実施形態例の特徴と利点は、以降の詳細な説明を以下に列挙する添付の図面とともに参照することによって、よりよく理解されうる。

0030

混合ガス間の濃度差を測定する従来のシステムを示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る生体機能測定システムを示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る膜乾燥ユニットを示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る冷却乾燥ユニットを示すブロック図である。
本発明の別実施形態に係る生体機能測定システムを示すブロック図である。
本発明の別実施形態に係る生体機能測定システムを示すブロック図である。

実施例

0031

本発明の一実施形態に係るガス濃度測定システムは、異なる供給源または供給流からのガスが交互にガス成分濃度測定センサを通過する前に、当該ガスの湿度が所定値をとるようリアルタイムに制御する(1mmHg水圧、2mmHg水圧、3mmHg水圧、20mmHg水圧など)。複数のセンサを用いる場合に生じうる誤差伝搬は、単一のセンサにより取得されたガス濃度値間の差異を算出することによって低減される。これにより、現在入手可能な他のあらゆるガス濃度測定システムよりも正確なガス濃度測定が可能とされる。

0032

図1は、二つの異なる混合ガス間における、特定のガス濃度の差異(吸気エア呼気エア間における酸素濃度差など)を測定・算出するシステム100を示すブロック図である。システム100は、二つの異なるガス(ガス1、ガス2)の流れにおける特定のガスの濃度を測定するので、二つのセンサセットを備えている。具体的には、システム100は、第一センサセット110と第二センサセット120を備えている。第一センサセット110は、ガス1に係るデータを取得するために使用される。第二センサセット120は、ガス2に係るデータを取得するために使用される。第一センサセット110は、第一温度計112、第一湿度計114、および第一ガス分析器116を含んでいる。第二センサセット120は、第二温度計122、第二湿度計124、および第二ガス分析器126を含んでいる。システム100は、各センサセットにおける複数のセンサの各々が個別に使用されることによって誤差伝搬を生じ、正確性を低下させている。

0033

上記の二重センサシステムに係る誤差を低減するために、本発明の実施形態例に係るガス濃度差を測定するシステムは、唯一のガス分析器を用いる。これにより、異なる混合ガス内のガス濃度が同じ湿度条件下で測定されうる。

0034

図2は、本発明の一実施形態例に係る、二つの異なる混合ガス間における特定のガス濃度の差異を測定・算出するシステム1を示すブロック図である。本発明において、システム1は、人工呼吸器50による人工呼吸に供されている患者に用いられる。人工呼吸器50は、吸気ポート51、呼気ポート52、排気ポート53、吸気ガス回路54、および呼気ガス回路55を備えている。システム1は、第一ガス採取部10と第二ガス採取部12を備えている。第一ガス採取部10は、人工呼吸器50の吸気ガス回路54に接続されている。第二ガス採取部12は、人工呼吸器50の呼気ガス回路55または排気ポートに接続されている。第一ガス採取部10は、人工呼吸中の患者の吸気ガスを採取するように構成されうる。第二ガス採取部12は、当該患者の呼気ガスを採取するように構成されうる。システム1は、ガス濃度測定モジュール20をさらに備えている。ガス濃度測定モジュール20は、切替弁21、湿度制御システム22、ガス分析器23、演算部24、ポンプ25、および表示部26を備えている。切替弁21は、吸気ガスと呼気ガスを交互にガス濃度測定モジュール20へ導く。切替弁21は、ソレノイド弁気圧弁、または機械弁手動または電動)により実現されうる。

0035

湿度制御システム22は、ガス濃度測定モジュール20を通過するガス流の湿度を特定の値または所定の範囲内に維持するために、当該湿度の上昇と下降の少なくとも一方をフィードバック測定に基づいて実現する要素を含みうる。例えば、湿度制御システム22は、膜乾燥ユニット、冷却乾燥ユニット、または乾燥剤を備えうる。

0036

図3は、本発明の一実施形態例に係る膜乾燥ユニット300を示すブロック図である。周知のように、膜乾燥ユニット300は、膜乾燥器302、乾燥ガス通路304、および採取ガス通路306を備えている。本発明の実施形態例における使用に適当な膜乾燥器としては、サンセップ登録商標膜式ガスドライヤ(日本所在のAGCエンジニアリング社製)、およびナフィオン(登録商標)管を用いたガス試料乾燥器(米国、ニュージャージー州、レイクウッド所在のパーマピュア社製)が挙げられる。実施形態においては、乾燥ガス(あるいはパージガス)は、ガス供給システム、ガスタンク、および乾燥材(ガスは乾燥済みとされる)の少なくとも一つから供給されうる。

0037

図4は、本発明の一実施形態例に係る冷却乾燥ユニット400を示すブロック図である。周知のように、冷却乾燥ユニット400は、冷流体循環システム402、採取ガス通路404、およびリザーバ406を備えている。本発明の実施形態例における使用に適当な冷却乾燥ユニットとしては、F25−ME加熱/冷却サーキュレータ(米国、ペンシルベニア州、アレンタウン所在のジュラボSA社製)、およびMX07R−20冷却/加熱槽(米国、イリノイ州、ナイルズ所在のポリサエンス社製)が挙げられる。実施形態においては、冷却乾燥ユニット400は、採取ガスの温度を20℃以下に降下させうる。5℃に冷却されたガスは、常圧における水性ガス分圧容量を6.9mmHg(相対湿度15〜40%)に保持する。比較例として、−20℃のガスは、水の分圧を1.1mmHg(相対湿度2〜6%)に保持する。酸素センサは、湿度に敏感である。湿度変化は、熱伝導率と熱容量を変化させ、ひいてはセンサの正確性に影響を及ぼす。よって、センサを通過するガスの湿度は、低域に保持されることが好ましい。

0038

前述のように、乾燥剤もまた、ガス濃度測定モジュール20に流入する試料ガスを乾燥させるために使用されうる。乾燥剤の例としては、モンモリロナイト粘土シリカゲル分子篩炭カルシウム分子篩硫酸カルシウムが挙げられる。

0039

ガス分析器23は、吸気ガスと呼気ガスにおける少なくとも酸素濃度と二酸化炭素濃度を測定するように構成されている。ガス分析器23は、例えば、赤外線ガス分析器でありうる。より具体的には、酸素を検出する場合は、常磁性センサ、電子ガルニセンサ、ジルコニアセンサ、蛍光消光に基づくファイバ光学センサ、またはレーザ吸収分光が使用されうる。二酸化炭素を検出する場合は、化学センサ非分散赤外分光(NDIR)、またはフーリエ変換赤外分光(FTIR)が使用されうる。

0040

演算部24は、メモリユニットプロセッサを備えるコンピュータハードウェア要素でありうる。メモリは、プロセッサが読み取り可能なコードを記憶している。当該コードがプロセッサにより読み取られると、下記のパラメータの少なくとも一つを算出する動作が遂行される。
酸素濃度差(吸気と呼気の間)
二酸化炭素濃度差(呼気と吸気の間)
呼吸商(RQ)
酸素消費量(VO2)
二酸化炭素産生量(VCO2)
呼吸商(RQ)は、測定された酸素濃度差と二酸化炭素濃度差に基づいて算出されうる。酸素消費量(VO2)と二酸化炭素産生量(VCO2)は、濃度差、および吸気ガスと呼気ガスの少なくとも一方の流量に基づいて算出されうる。酸素消費量(VO2)と二酸化炭素産生量(VCO2)を算出するために、図5に示される別実施形態例に係るシステム500は、ガスの流量を測定するフローセンサ560をさらに備えうる。フローセンサ560は、ガスの温度を測定する熱センサ、ガスの湿度を測定する湿度センサ、およびガスの圧力を測定する圧力センサを備えている。前述の実施形態と同様に、システム500は、人工呼吸器550を備えている。人工呼吸器550は、吸気ポート551、呼気ポート552、排気ポート553、吸気ガス回路554、および呼気ガス回路555を備えている。システム500は、第一ガス採取部510と第二ガス採取部512を備えている。第一ガス採取部510は、人工呼吸器550の吸気ガス回路554に接続されている。第二ガス採取部512は、人工呼吸器550の呼気ガス回路555と排気ポート553のいずれかに接続されている。第一ガス採取部510は、人工呼吸中の患者の吸気ガスを採取するように構成されうる。第二ガス採取部512は、当該患者の呼気ガスを採取するように構成されうる。システム500は、ガス濃度測定モジュール520をさらに備えている。ガス濃度測定モジュール520は、切替弁521、湿度制御システム522、ガス分析器523、演算部524、ポンプ525、および表示部526を備えている。切替弁521は、吸気ガスと呼気ガスを交互にガス濃度測定モジュール520へ導く。切替弁521は、ソレノイド弁、気圧弁、または機械弁(手動または電動)により実現されうる。

0041

図2に示されるように、システム1は(図示を省略するがシステム500も)、第一ガス採取部10内に吸気ガスを収集するための混合室と、第二ガス採取部12内に呼気ガスを収集するための混合室とを備えうる。

0042

図6は、本発明の一実施形態例に係る、二つの異なる混合ガス間での特定のガス濃度の差異を測定・算出するシステム600を示すブロック図である。システム600は、自発的に呼吸している患者(すなわち、人工呼吸器の支援なしに呼吸している患者)と協働するように構成されている点を除き、システム1と同様の要素を備えている。患者には、人工呼吸器ではなく呼吸マスク656が装着されうる。呼吸マスク656は、吸気ガス回路654と呼気ガス回路655を備えている。第一ガス採取部610は、第一逆止弁657を備える吸気ガス回路654に接続されうる。第二ガス採取部612は、第二逆止弁658を備える呼気ガス回路655に接続されうる。これにより、吸気ガスと呼気ガスが相互に分離された状態が維持される。システム600は、ガス測定モジュール620をさらに備えている。ガス測定モジュール620は、切替弁621、湿度制御システム622、ガス分析器623、演算部624、ポンプ625、および表示部626を備えている。切替弁621は、吸気ガスと呼気ガスを交互にガス濃度測定モジュール620へ導く。先の実施形態を参照して説明したように、ガス濃度測定モジュール620は、ガス濃度差、RQ、VO2、VCO2、および患者に供給されるガス状物質(麻酔ガス、一酸化窒素、水素、硫化水素など)の投与量を算出するように構成されうる。

0043

本発明の有利性を例示するために、実施例と比較例を以下に示す。

0044

比較例
人工呼吸器(AVEA ventilation system;米国、カリフォルニア州、ヨーバリンダ所在のケアフュージョン社製)により動作される試験(QuickLung Breather;米国、ピッツバーグ所在のインマルメディカル社製)の吸気と呼気における酸素と二酸化炭素の濃度差を測定するために、ダグラスバッグ法を用いた。容量50Lのポリ塩化ビニルPVC)製バッグ(Douglas Bag;米国、マサチューセッツ州、ホリストン所在のハーバードアレイタス社製)と、容量3.8Lのポリフッ化ビニルデン(PVDF)製バッグ(Dual-Valve Kynar PVDF Bag;米国、イリノイ州、ヴァーモンヒルズ所在のコールパーマーカイナー社製)を用意した。呼気ガスと吸気ガスを、それぞれ容量50LのPVC製バッグと容量3.8LのPVDF製バッグへ連続的に捕集した。容量50LのPVC製バッグを人工呼吸器の排気ポートに接続することにより、全ての呼気ガスをバッグ内に捕集した。吸気ガスの一部(流量の10〜15%)を、人工呼吸回路に付加されたアダプタポートから容量3.8LのPVDF製バッグへ捕集した。呼気ガスと吸気ガスは同時に捕集され、総ガス捕集時間は試験ごとに7〜8分とした。ガス捕集の完了後、封止された二つのバッグを、冷凍庫(FUM 21SVCRWW;米国、ケンタッキー州ルイスヴィレ所在のジェネラルエレクトリック社製)内で冷凍した。バッグ表面と試料ガスの温度をモニタし、当該温度が零下20℃に達した後にガス濃度測定を開始した。二つの採取チューブを用意し、各バッグについて冷凍庫内に配置した。冷凍庫外に設置されたガス分析器で、当該チューブを通じて外部から呼気ガスと吸気ガスをそれぞれ取得した。三方ストッパを二つの採取チューブとガス分析器に接続し、ガス分析器が常に二つの試料ガスの一方を取得できるようにした。具体的には、三方向ストッパのガス流れ方向を変更することにより、ガス分析器へ入力される試料ガスを切り替えた。ガス濃度の測定に使用したガス分析器は、日本の東京都に所在の日本光電工業社製GF−210Rモデルであった。

0045

実施例
比較例と同じ試験肺、人工呼吸器、およびガス分析器を、吸気と呼気における二酸化炭素と酸素の濃度の測定に用いたが、ダグラスバッグ法を用いる代わりに、二つのチャンバ(吸気ガスと呼気ガスについて一つずつ)、各チャンバ内の湿度値を等しくする湿度制御システム、単一のガス分析器、および各チャンバからガス分析器へのガス流を制御する切替弁を備えたシステムを用いた。これは、湿度制御を伴うリアルタイム測定という概念の実証試験である。二つの独立した容量250mLのガラス容器を用意した。これらのガラス容器を、ドライアイスコンテナ内で凍結させた。呼気ガスと吸気ガスを人工呼吸回路に付加された採取ポートを通じて人工呼吸回路から直接採取した。呼気(排気)ガスは一方のガラス容器を通過させ、吸気ガスは他方のガラス容器を通過させた。ガス分析器をガス流の下流側に接続することにより、凍結容器によって湿度が制御された後のガスをガス分析器で採取した。ガス採取量は、ガス分析器により毎分200mLに制御した。ガス流の方向を三方向ストッパで切り替えることにより、ガス分析器がいずれかのガス試料を採取できるようにした。人工呼吸回路に水槽を付加することによって、吸気ガスを加湿した。上記の試験設定に基づいて吸気ポートにおいて測定された湿度値は0%未満(検出限界以下)であり、呼気ポートにおいて測定された湿度値は40〜70%であった。凍結容器を通過した後の両ガス試料の湿度は、0%未満と同レベルであった。

0046

下記の表1は、比較例と実施例についての比較試験結果を示している。試験は三度行なった。FIO2は、吸気ガスにおける酸素濃度(%)を表している。FEO2は、呼気ガスにおける酸素濃度(%)を表している。FECO2は、呼気ガスにおける二酸化炭素濃度(%)を表している。RQは、FECO2/(FIO2−FEO2)で算出された値を表している。

0047

0048

表1に示すように、実施例の結果はダグラスバッグ法を用いて得られた比較例の結果に近い。したがって、実施例の結果は正確であると言える。これより、人工呼吸回路から直接に収集されたガス試料の濃度のリアルタイム測定値が、定常状態における測定値(従来のダグラスバッグ法で測定されたガス濃度値)と同等であることが判る。

0049

これまで詳細に説明してきた本発明の実施形態に様々な改変が可能であることは、当業者にとって明らかである。本発明の趣旨は広く解釈されるべきものであって、上記の説明に限定されるものではない。

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