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技術 非水電解液二次電池

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 林邦彦前原賢一
出願日 2018年12月11日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-232035
公開日 2020年6月18日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-095835
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質 電池のセパレータ 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 内側頂点 箱型筐体 立方体形 評価試験用 非電解液 コンディショニング処理 初期抵抗 中心厚み
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

捲回電極体からの非水電解液の排出に伴う電池性能劣化を防止し得る非水電解液二次電池の提供。

解決手段

電極が捲回軸周りに捲回された捲回電極体20を備える非水電解液二次電池。該捲回電極体は、上記捲回軸と直交する横断面において、長手方向の両端部であって、外表面が曲面からなる2つのR部22a(b)と、両R部22a(b)に挟まれているF部24とを有する。中心から最も離れた上記2つのR部22a(b)それぞれの外側湾曲頂点P,P’を結ぶ直線P−P’に沿って、上記2つのR部22a(b)において最も内側となる内側頂点V,V’を結ぶ直線V−V’の長さをAとする。上記内側頂点Vと、該頂点Vに近い方の上記外側湾曲頂点Pまでの厚みV−PをDとしたとき、A/(A+D)が、0.64〜0.92である。ここで、上記捲回電極体を構成する正極活物質層多孔度が10〜50vol%である。

概要

背景

パソコン携帯端末等のいわゆるポータブル電源あるいは車両駆動用電源として、非水電解液二次電池需要が近年ますます高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車ハイブリッド自動車等の車両の駆動用出力電源として好ましく用いられている。

この種の二次電池の一つの典型的な例として、扁平形状の捲回電極体を備えた例が挙げられる。一般的には、該捲回電極体の捲回軸と直交する横断面において、その長手方向の両端部には、外表面が曲面である2つのR部と、両R部に挟まれている長手方向の中央部分であって、2つの表面を有するF部とが存在する。該捲回電極体は、典型的には、正極および負極(以下、正負について特に区別しないときは「電極」という。)が、セパレータを介して捲回された構成をしている。かかる非水電解液二次電池では、負極に形成された負極活物質層および正極に形成された正極活物質層(以下、正負について特に区別しないときは「活物質層」という。)がセパレータを挟んで対向するように配置されている。
この種の非水電解液二次電池は、一般的に、上記捲回電極体の内部に非水電解液が保持されており、該非水電解液に含まれる電荷担体(例えばリチウムイオン)が、正極活物質を含む正極活物質層と負極活物質を含む負極活物質層との間を行き来することによって、充電および放電が行われる。負極活物質層に着目すると、充電時には負極活物質層中に電荷担体が吸蔵され、放電時には充電時に吸蔵された電荷担体が負極活物質層中から非水電解液中に放出される。

概要

捲回電極体からの非水電解液の排出に伴う電池性能劣化を防止し得る非水電解液二次電池の提供。電極が捲回軸の周りに捲回された捲回電極体20を備える非水電解液二次電池。該捲回電極体は、上記捲回軸と直交する横断面において、長手方向の両端部であって、外表面が曲面からなる2つのR部22a(b)と、両R部22a(b)に挟まれているF部24とを有する。中心から最も離れた上記2つのR部22a(b)それぞれの外側湾曲頂点P,P’を結ぶ直線P−P’に沿って、上記2つのR部22a(b)において最も内側となる内側頂点V,V’を結ぶ直線V−V’の長さをAとする。上記内側頂点Vと、該頂点Vに近い方の上記外側湾曲頂点Pまでの厚みV−PをDとしたとき、A/(A+D)が、0.64〜0.92である。ここで、上記捲回電極体を構成する正極活物質層の多孔度が10〜50vol%である。

目的

本発明は、上述した扁平形状の捲回電極体を備えた非水電解液二次電池に関する課題を解決するべく創出されたものであり、ハイレート充放電を繰り返した場合であっても扁平形状の捲回電極体からの非水電解液の排出を抑制し、かつ該捲回電極体に非水電解液の浸透性を付与し、非水電解液の排出にともなう電池性能の劣化を防止し得る非水電解液二次電池の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

正極活物質を含む正極活物質層を有する長尺シート状の正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する長尺なシート状の負極が、長尺なシート状のセパレータを介在させつつ重ね合わされ捲回軸周りに捲回された捲回電極体と、非水電解液とを備える非水電解液二次電池であって、前記捲回電極体は扁平形状であり、前記捲回軸と直交する横断面において、長手方向の両端部であって、外表面が曲面からなる2つのR部と、両R部に挟まれている長手方向の中央部分であって2つの表面を有するF部と、を有するものであり、前記捲回電極体の前記横断面において、中心から最も離れた前記2つのR部それぞれの外表面上にある外側湾曲頂点P,P’を結ぶ直線P−P’を扁平中央線Lと規定したとき、前記捲回電極体の前記横断面において、前記扁平中央線Lに沿って、前記2つのR部において最も内側となる正極または負極の内側頂点V,V’を結ぶ直線V−V’の長さをF部長辺長さAとし、一方の前記内側頂点Vと、該頂点Vに近い方の前記外側湾曲頂点Pまでの厚みV−PをR部中心厚みDとしたとき、A/(A+D)が、0.64以上0.92以下であり、ここで、前記正極活物質層の多孔度が10vol%以上50vol%以下である、非水電解液二次電池。

技術分野

0001

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池に関する。詳しくは、非水電解液二次電池の捲回電極体の構造に関する。

背景技術

0002

パソコン携帯端末等のいわゆるポータブル電源あるいは車両駆動用電源として、非水電解液二次電池の需要が近年ますます高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車ハイブリッド自動車等の車両の駆動用出力電源として好ましく用いられている。

0003

この種の二次電池の一つの典型的な例として、扁平形状の捲回電極体を備えた例が挙げられる。一般的には、該捲回電極体の捲回軸と直交する横断面において、その長手方向の両端部には、外表面が曲面である2つのR部と、両R部に挟まれている長手方向の中央部分であって、2つの表面を有するF部とが存在する。該捲回電極体は、典型的には、正極および負極(以下、正負について特に区別しないときは「電極」という。)が、セパレータを介して捲回された構成をしている。かかる非水電解液二次電池では、負極に形成された負極活物質層および正極に形成された正極活物質層(以下、正負について特に区別しないときは「活物質層」という。)がセパレータを挟んで対向するように配置されている。
この種の非水電解液二次電池は、一般的に、上記捲回電極体の内部に非水電解液が保持されており、該非水電解液に含まれる電荷担体(例えばリチウムイオン)が、正極活物質を含む正極活物質層と負極活物質を含む負極活物質層との間を行き来することによって、充電および放電が行われる。負極活物質層に着目すると、充電時には負極活物質層中に電荷担体が吸蔵され、放電時には充電時に吸蔵された電荷担体が負極活物質層中から非水電解液中に放出される。

先行技術

0004

特開2018−85180号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、上述したような構成の捲回電極体を備える非水電解液二次電池の課題の一つとして、充放電を行った際の活物質層の膨張収縮が挙げられる。
活物質の膨張収縮に伴って、捲回電極体の内部にあった非水電解液が該捲回電極体の外部に押し出される場合がある。また、扁平形状の捲回電極体の場合、上記R部に膨張収縮の応力が集中しやすい。本発明者らは、とりわけ当該部位から非水電解液が排出されやすく、また、ここに非水電解液が保持されにくい場合があることを突き止めた。
扁平形状の捲回電極体の外部に排出された非水電解液は、例えば該捲回電極体の構成部材等から、再び該捲回電極体の内部に含浸浸透)しなければ該捲回電極体内部の電池反応に電荷担体を供給できず、これに起因して電池容量が低下するおそれがある。これは電池抵抗を上昇させ、電池性能を低下させる原因になり得るため、好ましくない。

0006

かかる充放電時における、捲回電極体の内部に非水電解液を保持させる手段として、捲回電極体を収容する箱型筐体(即ち、電池ケース)の形態および捲回電極体の寸法を調整することにより非水電解液が排出されにくい構造の捲回電極体を作製することが挙げられる(特許文献1)。しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の技術には、非水電解液の排出防止構造はあるものの、当該捲回電極体への非水電解液の含浸(浸透)のしやすさについては、改善の余地があることが確認された。
そこで、本発明は、上述した扁平形状の捲回電極体を備えた非水電解液二次電池に関する課題を解決するべく創出されたものであり、ハイレートで充放電を繰り返した場合であっても扁平形状の捲回電極体からの非水電解液の排出を抑制し、かつ該捲回電極体に非水電解液の浸透性を付与し、非水電解液の排出にともなう電池性能の劣化を防止し得る非水電解液二次電池の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を実現すべく、本発明により、正極活物質を含む正極活物質層を有する長尺シート状の正極と、負極活物質を含む負極活物質層を有する長尺なシート状の負極が、長尺なシート状のセパレータを介在させつつ重ね合わされ捲回軸の周りに捲回された捲回電極体と、非水電解液とを備える非水電解液二次電池が提供される。
ここに開示される非水電解液二次電池では、上記捲回電極体は扁平形状であり、上記捲回軸と直交する横断面において、長手方向の両端部であって、外表面が曲面からなる2つのR部と、両R部に挟まれている長手方向の中央部分であって2つの表面を有するF部と、を有する。
そして、上記捲回電極体の上記横断面において、中心から最も離れた上記2つのR部それぞれの外表面上にある外側湾曲頂点P,P’を結ぶ直線P−P’を扁平中央線Lと規定したとき、上記捲回電極体の上記横断面において、上記扁平中央線Lに沿って、上記2つのR部において最も内側となる正極または負極の内側頂点V,V’を結ぶ直線V−V’の長さをF部長辺長さAとし、一方の上記内側頂点Vと、該頂点Vに近い方の上記外側湾曲頂点Pまでの厚みV−PをR部中心厚みDとすると、A/(A+D)が、0.64以上0.92以下である。
また、上記正極活物質層の多孔度が10vol%以上50vol%以下である。

0008

かかる構成の非水電解液二次電池では、上記扁平形状の捲回電極体の積層面の形状および上記正極活物質層の多孔度によって、該捲回電極体の上記R部へ集中しやすい膨張収縮の応力を緩和できる。これによって、当該膨張収縮によっても電解液が上記捲回電極体から排出されにくくなり、かつ非電解液が上記捲回電極体の内部に効率的に浸透できるようになる。この結果、上記捲回電極体の内部には非水電解液が保持されやすくなるため、膨張収縮を繰り返しても電池容量は小さくならず、電池抵抗の上昇を抑制できる。これにより、当該非水電解液二次電池の電池性能の低下を防止することができる。

図面の簡単な説明

0009

一実施形態に係る非水電解液二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。
一実施形態に係る非水電解液二次電池の捲回電極体の層構造を示す模式図である。
一実施形態に係る非水電解液二次電池の捲回電極体の横断面を模式的に示す断面図である。
一実施形態に係る非水電解液二次電池のハイレート充放電サイクル試験の結果を示すグラフである。

実施例

0010

以下、図面を適宜参照しながら、ここで開示される二次電池の好適な実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、該分野における従来技術に基づく当業者設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、各図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。

0011

本明細書において「非水電解液二次電池」とは、電解液を構成する溶媒非水系溶媒(即ち有機溶媒)を主として構成された二次電池をいう。ここで「二次電池」は、充放電可能で所定の電気エネルギーを繰り返し取り出し得る蓄電装置をいう。例えば、非水電解液中のアルカリ金属イオン電荷の移動を担うリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池等は、ここでいう非水電解液二次電池に包含される典型例である。
「電極体」とは、正極、負極、および正負極間にセパレータとして機能し得る多孔質絶縁層を含む電池の主体を成す構造体をいう。「正極活物質」または「負極活物質」は、電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン二次電池においてはリチウムイオン、ナトリウムイオン二次電池においてはナトリウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な化合物(正極活物質または負極活物質)をいう。

0012

以下、非水電解液二次電池の典型例として、捲回電極体および非水電解液を電池ケースに収容した構成のリチウムイオン二次電池に対して本発明を適用する場合を主として本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。

0013

図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体が、非水電解液とともに扁平な角型(箱形)形状の電池ケース30に収容された構成を有する。
電池ケース30は、上端開放された扁平な直方体形状の電池ケース本体32と、その開口部を塞ぐ蓋体34とを備える。電池ケース30の上面(すなわち蓋体34)には、捲回電極体の正極と電気的に接続する外部接続用正極端子42、および捲回電極体の負極と電気的に接続する負極端子44が設けられている。蓋体34にはまた、従来のリチウムイオン二次電池の電池ケースと同様に、電池ケース30の内部で発生したガスを電池ケース30の外部に排出するための安全弁36が備えられている。
電池ケース30の材質としては、アルミニウム等の金属材料ポリイミド樹脂等の樹脂材料が挙げられる。ケースの形状(容器の外形)は、例えば円形円筒形コイン形ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等であってもよい。

0014

図2に示すように、捲回電極体20は、長尺なシート状のアルミニウム等の金属製の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極50と、長尺状の銅等の金属製の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極60とを、長尺なシート状のセパレータ70を介して重ね合わせて長尺方向に捲回し扁平形状に成形されている。
捲回電極体20の捲回軸方向における中央部分には、捲回コア部分(すなわち、正極50の正極活物質層54と、負極60の負極活物質層64と、セパレータ70とが密に積層された部分)が形成されている。また、捲回電極体20の捲回軸方向の両端部では、正極50における正極活物質層非形成部52aおよび負極60における負極活物質層非形成部62aが、それぞれ捲回コア部分から外方にはみ出ている。かかる正極活物質層非形成部52aおよび負極活物質層非形成部62aには、正極集電板および負極集電板がそれぞれ付設され、正極端子42(図1参照)および負極端子44(図1参照)とそれぞれ電気的に接続される。

0015

捲回軸方向に直交する横断面を示した図3から明らかなように、本実施形態に係る捲回電極体20は、その横断面の長手方向の両端部であって外表面が湾曲面からなる2つのR部22a,22bと、両R部22a,22bに挟まれている長手方向の中央部分であって2つの表面を有するF部24とを有する、扁平形状の捲回電極体である。

0016

捲回電極体20の横断面において、該横断面の中心から最も離れた2つのR部22a,22bそれぞれの外表面上にある外側湾曲頂点P,P’を結ぶ直線P−P’を扁平中央線Lと規定する。
また、上記横断面において、扁平中央線Lに沿って、2つのR部22a,22bにおいて最も内側となる正極または負極の内側頂点V,V’を結ぶ直線V−V’の長さをF部の長辺長さAとする。さらに、一方の内側頂点Vと、該頂点Vに近い方の外側湾曲頂点Pまでの厚みV−P(内側頂点V’と、該頂点V’に近い方の外側湾曲頂点P’までの厚みV’−P’でもよい)をR部中心厚みDとする。このとき、好ましくは、(A+D)に対するAの比(割合)、即ちA/(A+D)が、0.64以上0.92以下(例えば0.88以上0.92以下)となるように設定する。

0017

捲回電極体20の正極50、負極60、セパレータ70を構成する材料、部材は従来の一般的な非水電解液二次電池と同様のものを使用可能である。
正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、好適例として、層状系リチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。例えば、構成元素として少なくともLi,Ni,CoおよびMnを含む層状構造(典型的には、六方晶系に属する層状岩塩型構造)のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiNi0.38Co0.32Mn0.3O2)が好ましい。

0018

正極活物質層54全体に占める正極活物質の割合は、おおよそ60質量%以上(典型的には60質量%以上、70質量%以上)とすることが適当であり、通常はおおよそ82質量%〜99質量%であることが好ましい。
正極活物質層54の多孔度(多孔率空孔率)は、例えば10〜50vol%(例えば20〜40vol%)であることが好ましい。正極活物質層54がこのような性状を満たすことにより、正極活物質層54内に適度な空隙を保つことができ、非水電解液を十分に浸透させることができる。なお、本明細書において「多孔度」とは、水銀ポロシメータの測定によって得られた全細孔容積(cm3)を活物質層の見かけ体積(cm3)で除して100を掛けた値をいう。

0019

正極活物質層54には、必要に応じて導電助剤結合剤バインダ)などを含有してもよい。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、気相成長炭素ケッチェンブラックなどが挙げられる。正極活物質層54全体に占める導電助剤の割合は、おおよそ0.5質量%以上(典型的には、1質量%以上)とすることが適当であり、通常はおおよそ20質量%以下(典型的には、18質量%以下)であることが好ましい。
また、バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴムSBR)、ポリフッ化ビニリデンPVdF)、ブチルゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ABR)等が挙げられる。正極活物質層54全体に占めるバインダの割合は、おおよそ0.1質量%以上(典型的には、0.5質量%以上)とすることが適当であり、通常はおおよそ5.0質量%以下(典型的には、3.0質量%以下)であることが好ましい。

0020

負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば、天然黒鉛石墨)や人工黒鉛などの黒鉛系材料グラファイトメソカーボンマイクロビーズカーボンブラックの様な炭素系負極活物質シリコーンおよびスズならびにこれらの化合物が挙げられる。

0021

負極活物質層64には、必要に応じて上述する導電助剤、結合剤(バインダ)などを含有してもよい。なお、その他、増粘剤等の添加剤を適宜使用することもでき、例えば増粘剤としてはカルボキシメチルセルロースCMC)やメチルセルロース(MC)が挙げられる。

0022

セパレータシート70としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステルセルロースポリアミド等の樹脂から成る多孔性シートフィルム)が挙げられる。該多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。

0023

非水電解液としては、典型的には、非水溶媒(有機溶媒)中に支持塩(即ち、電解質)を含有する非水電解液を用いることができる。
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネートDMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびエチルメチルカーボネートEMC)等のうちの1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
支持塩としては、例えばLiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム化合物リチウム塩)の1種または2種以上を用いることができる。特に好ましくは、LiPF6を用いる。

0024

上述した各種の材料、部材を用いてリチウムイオン二次電池100を製造する。リチウムイオン二次電池100は、上述した扁平形状の捲回電極体の横断面の形状および正極活物質層54の構成によって、捲回電極体20の充放電時においてもR部22aおよび22bに集中しやすい膨張収縮の応力を緩和することができる。このことによって、当該膨張収縮による非水電解液の排出が抑制され、かつ非電解液の捲回電極体20への浸透性が改善される。この結果、捲回電極体20の内部に非水電解液が保持されやすくなり、捲回電極体20がハイレート充放電によって膨張収縮を繰り返しても、リチウムイオン二次電池100の電池容量は小さくならず、電池抵抗の上昇を防止できる。したがって、本発明によって当該電池の良好な電池性能を維持することができる。

0025

また、捲回電極体の外部に排出された非水電解液によって、使用状態によっては、負極活物質層64上に電荷担体に由来する物質(例えば金属リチウム)が析出する場合がある。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100では、捲回電極体20からの非水電解液の排出が抑制されているため、負極活物質層64上における金属リチウム等の析出を防止することができる。

0026

以下、本発明に関するいくつかの試験例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<試験例1:リチウムイオン二次電池の構築
正極活物質粉末として、LiNi0.38Co0.32Mn0.30O2(LNCM)を用意した。かかるLNCMと、導電材としてABと、バインダとしてPVdFとを、LNCM:AB:PVdF=90.4:8.1:1.5の重量比となるように混練機投入し、N−メチルピロリドン(NMP)中で混練して、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、アルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布し、乾燥後にプレスすることによって、正極を作製した。なお、水銀ポロシメータで測定した本実施例のサンプル1〜14に係る正極活物質層の多孔度(vol%)は、表1に示されている。
負極活物質粉末として天然黒鉛を用意した。かかる天然黒鉛と、バインダとしてSBRと、増粘剤としてCMCとを、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1の重量比となるように混練機に投入し、イオン交換水中で混練して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、銅箔(負極集電体)の両面に塗布し、乾燥後にプレスすることによって、負極を作製した。

0027

上記で作製した正極と負極とを、PEおよびPPからなる3層構造(PP/PE/PP)で厚み20μmのセパレータシート2枚を介して長尺方向に重ね合わせ、成形後の各々のサンプルに係るA/(A+D)が表1に示す値になるように、市販の捲回機によって捲回張力を適宜調整しつつ長尺方向に捲回し、扁平形状に成形して捲回電極体を作製した。
次に、得られた捲回電極体を電池ケースの内部に収容し、電池ケースの開口部から非水電解液を注入した。非水電解液としては、ECとDMCとEMCとLiPF6とを、EC:DMC:EMC:LiPF6=30:28:28:14の重量比で含む混合液を用いた。そして、該開口部を封止し、評価試験用リチウムイオン二次電池(即ち、サンプル1〜14)を得た。

0028

0029

<ハイレート充放電サイクル試験:IV抵抗の測定>
例1〜例14に係るリチウムイオン二次電池について、コンディショニング処理後、25℃の環境下、各評価試験用電池のSOC(state of charge)を80%に調整し、200Aで10秒間充電した後で放電する、ハイレートでの矩形波充放電を500サイクル実施した。そして、かかる充放電サイクル試験前におけるIV抵抗(電池の初期抵抗)と充放電サイクル試験後におけるIV抵抗から抵抗上昇率を算出した。ここで、抵抗上昇率は、「充放電サイクル試験後のIV抵抗/充放電サイクル試験前のIV抵抗」により求めた。
当該試験結果を、表1および図4に示す。ここで、図4中、各評価試験用電池の抵抗上昇率は括弧内に示されており、この数値が1であるものは、抵抗の上昇がなかったことを表している。

0030

表1および図4に示す結果から明らかなように、正極活物質層の多孔度を10vol%以上50vol%以下に調整し、かつ、A/(A+D)を0.64以上0.92以下に調整したサンプル1〜6に係るリチウムイオン電池においては、正極活物質層の多孔度およびA/(A+D)をかかる範囲内に設定していないサンプル7〜14のリチウムイオン電池と比較して、電池抵抗の上昇を抑制することができた。
以上の結果から、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、ハイレートサイクル特性(即ち、良好な電池性能の維持)に優れた特徴を有する。

0031

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。その場合においても、以上に例示した効果と同様の効果が発揮され得る。

0032

20 捲回電極体
22a(b) R部
24 F部
30電池ケース
32 電池ケース本体
34蓋体
36安全弁
42正極端子
44負極端子
50 正極(正極シート
52正極集電体
52a正極活物質層非形成部
54 正極活物質層
60 負極(負極シート
62負極集電体
62a負極活物質層非形成部
64 負極活物質層
70セパレータ
100リチウムイオン二次電池
P,P’ 外側湾曲頂点
V,V’内側頂点
L 扁平中央線
A F部の長辺長さ
D R部中心厚み

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