図面 (/)

技術 シミュレーション装置、シミュレーション方法、及びプログラム

出願人 住友重機械工業株式会社
発明者 坂井公則
出願日 2018年12月11日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-231799
公開日 2020年6月18日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-095400
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード くりこみ 連続体モデル エネルギ保存の法則 代表粒子 バネマス 形状定義データ 弾性エネルギ メッシュ分割処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年6月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

解析時間を短縮することが可能なシミュレーション装置を提供する。

解決手段

シミュレーション対象物の形状を定義する形状定義データ、及びシミュレーション対象物をメッシュ分割するときのメッシュサイズに関するメッシュ分割条件が入力部に入力される。処理部が、入力部に入力された形状定義データ及びメッシュ分割条件に基づいて、シミュレーション対象物をメッシュ分割し、生成されたメッシュの節点粒子を配置し、粒子の間の相互作用ポテンシャルに基づいて粒子の状態を時間発展させる。処理部は、粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、粒子の間の距離に応じて異ならせる。

概要

背景

分子動力学法、繰り込み群分子動力学法等の動的陽解法を用いる機構構造解析では、計算を発散させないためにメッシュサイズ(粒子間距離)に応じた時間刻み幅以下で時間発展を行うことが好ましい。メッシュサイズが小さいほど(粒子間距離が短いほど)、好ましい時間刻み幅は小さくなる。解析対象の系のメッシュサイズが場所によって異なっている場合、系内の最も小さなメッシュサイズに合わせて時間刻み幅を小さくしなければならない。このため、演算量が増え、解析時間が長くなってしまう。

下記の特許文献1に、サルコメア内の分子運動と、筋肉連続体モデル連成させて解析を行う生体シミュレーション装置が開示されている。サルコメアモデルモンテカルロシミュレーション処理の時間刻み幅と、連続体モデルの有限要素解析の時間刻み幅とは異なっている。

概要

解析時間を短縮することが可能なシミュレーション装置を提供する。シミュレーション対象物の形状を定義する形状定義データ、及びシミュレーション対象物をメッシュ分割するときのメッシュサイズに関するメッシュ分割条件が入力部に入力される。処理部が、入力部に入力された形状定義データ及びメッシュ分割条件に基づいて、シミュレーション対象物をメッシュ分割し、生成されたメッシュの節点粒子を配置し、粒子の間の相互作用ポテンシャルに基づいて粒子の状態を時間発展させる。処理部は、粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、粒子の間の距離に応じて異ならせる。

目的

本発明の目的は、解析時間を短縮することが可能なシミュレーション装置、シミュレーション方法、及びプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

シミュレーション対象物の形状を定義する形状定義データ、及びシミュレーション対象物をメッシュ分割するときのメッシュサイズに関するメッシュ分割条件が入力される入力部と、前記入力部に入力された前記形状定義データ及び前記メッシュ分割条件に基づいて、シミュレーション対象物をメッシュ分割し、生成されたメッシュの節点粒子を配置し、前記粒子の間の相互作用ポテンシャルに基づいて前記粒子の状態を時間発展させる処理部とを有し、前記処理部は、前記粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、前記粒子の間の距離に応じて異ならせるシミュレーション装置

請求項2

前記処理部は、前記シミュレーション対象物の弾性の程度を表す物性値、前記シミュレーション対象物の密度、及び生成されたメッシュの形状に基づいて前記粒子の間の相互作用ポテンシャル及び前記粒子の質量を決定し、前記粒子の間の相互作用ポテンシャル及び前記粒子の質量から求まる固有振動周期に基づいて粒子ペアごとに前記時間刻み幅を決定する請求項1に記載のシミュレーション装置。

請求項3

前記シミュレーション対象物が複数の物体を含み、前記処理部は、時間発展によって前記物体の間で接触があったか否かを判定し、前記物体の間で接触があったと判定された場合、接触箇所に配置されている前記粒子の質量及び相互作用ポテンシャルから求まる固有振動の周期に基づいて、接触箇所に位置する前記粒子について前記時間刻み幅を決定する請求項1または2に記載のシミュレーション装置。

請求項4

シミュレーション対象物の形状をメッシュ分割し、生成されたメッシュの節点に粒子を配置し、前記粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、前記粒子の間の距離に応じて異ならせて、前記粒子の間の相互作用ポテンシャルに基づいて前記粒子の状態を時間発展させるシミュレーション方法

請求項5

シミュレーション対象物の形状を定義する形状定義データ、及びシミュレーション対象物をメッシュ分割するときのメッシュサイズに関するメッシュ分割条件を取得する機能と、前記形状定義データ及び前記メッシュ分割条件に基づいて、シミュレーション対象物をメッシュ分割し、生成されたメッシュの節点に粒子を配置し、前記粒子の間の相互作用ポテンシャルに基づいて前記粒子の状態を時間発展させる機能と、前記粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、前記粒子の間の距離に応じて異ならせる機能とコンピュータに実行させるプログラム

技術分野

背景技術

0002

分子動力学法、繰り込み群分子動力学法等の動的陽解法を用いる機構構造解析では、計算を発散させないためにメッシュサイズ(粒子間距離)に応じた時間刻み幅以下で時間発展を行うことが好ましい。メッシュサイズが小さいほど(粒子間距離が短いほど)、好ましい時間刻み幅は小さくなる。解析対象の系のメッシュサイズが場所によって異なっている場合、系内の最も小さなメッシュサイズに合わせて時間刻み幅を小さくしなければならない。このため、演算量が増え、解析時間が長くなってしまう。

0003

下記の特許文献1に、サルコメア内の分子運動と、筋肉連続体モデル連成させて解析を行う生体シミュレーション装置が開示されている。サルコメアモデルモンテカルロシミュレーション処理の時間刻み幅と、連続体モデルの有限要素解析の時間刻み幅とは異なっている。

先行技術

0004

特開2014−149649号公報

発明が解決しようとする課題

0005

従来例において、動的陽解法を用いた連続体モデルの有限要素解析の時間刻み幅は連続体モデルのメッシュサイズに依らず一定である。このため、最も小さなメッシュサイズに対応して時間刻み幅を短くしなければならず、解析時間を短縮することが困難である。

0006

本発明の目的は、解析時間を短縮することが可能なシミュレーション装置、シミュレーション方法、及びプログラムを提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一観点によると、
シミュレーション対象物の形状を定義する形状定義データ、及びシミュレーション対象物をメッシュ分割するときのメッシュサイズに関するメッシュ分割条件が入力される入力部と、
記入力部に入力された前記形状定義データ及び前記メッシュ分割条件に基づいて、シミュレーション対象物をメッシュ分割し、生成されたメッシュの節点粒子を配置し、前記粒子の間の相互作用ポテンシャルに基づいて前記粒子の状態を時間発展させる処理部と
を有し、
前記処理部は、前記粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、前記粒子の間の距離に応じて異ならせるシミュレーション装置が提供される。

0008

本発明の他の観点によると、
シミュレーション対象物の形状をメッシュ分割し、生成されたメッシュの節点に粒子を配置し、
前記粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、前記粒子の間の距離に応じて異ならせて、前記粒子の間の相互作用ポテンシャルに基づいて前記粒子の状態を時間発展させるシミュレーション方法が提供される。

0009

本発明のさらに他の観点によると、
シミュレーション対象物の形状を定義する形状定義データ、及びシミュレーション対象物をメッシュ分割するときのメッシュサイズに関するメッシュ分割条件を取得する機能と、
前記形状定義データ及び前記メッシュ分割条件に基づいて、シミュレーション対象物をメッシュ分割し、生成されたメッシュの節点に粒子を配置し、前記粒子の間の相互作用ポテンシャルに基づいて前記粒子の状態を時間発展させる機能と、
前記粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、前記粒子の間の距離に応じて異ならせる機能と
コンピュータに実行させるプログラムが提供される。

発明の効果

0010

粒子の状態を時間発展させる時間刻み幅を、前記粒子の間の距離に応じて異ならせることにより、解析時間を短縮することが可能になる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、実施例によるシミュレーション装置のブロック図である。
図2は、本実施例によるシミュレーション方法のフローチャートである。
図3は、固有周期Pと、時間刻み幅Δtとの関係の一例を示すグラフである。
図4は、第1ループL1〜第4ループL4を実行するタイミングチャートである。
図5は、シミュレーション対象物の形状から生成されたメッシュの複数の節点に配置した複数の粒子の一例を示す図である。
図6は、ステップS6(図2)の詳細な手順を示すフローチャートである。
図7は、第1ループL1の処理(図6のステップS67)の手順を示すフローチャートである。
図8Aは、ステップS66(図6)の処理の手順を示すフローチャートであり、図8Bは、ステップS64(図6)の処理の手順を示すフローチャートである。
図9は、ステップS62(図6)の処理の手順を示すフローチャートである。
図10Aは、シミュレーション対象の2つの物体形状モデルを示す図であり、図10Bは、2つの物体が接触した状態の形状モデルを示す図である。
図11Aは、検証モデルの概略斜視図であり、図11Bは、検証モデルの固定されていない方の端部の位置の時間変化シミュレーション結果を示すグラフである。
図12は、物体内相互作用計算、及び位置、速度計算に要した1タイムステップあたりの計算時間を、実施例と比較例とで対比させて示すグラフである。

実施例

0012

図1図12を参照して実施例によるシミュレーション装置、シミュレーション方法について説明する。

0013

図1は、実施例によるシミュレーション装置のブロック図である。実施例によるシミュレーション装置は、入力部20、処理部21、出力部22、及び記憶部23を含む。入力部20から処理部21にシミュレーション条件等が入力される。さらに、オペレータから入力部20に各種指令コマンド)等が入力される。入力部20は、例えば通信装置リムーバブルメディア読取装置キーボード等で構成される。

0014

処理部21は、入力されたシミュレーション条件及び指令に基づいてシミュレーション対象物の形状をメッシュ分割し、メッシュの節点に仮想的に粒子を配置して分子動力学法によるシミュレーションを行う。さらに、シミュレーション結果を出力部22に出力する。シミュレーション結果には、シミュレーション対象物の形状の時間的変化を表す情報が含まれる。処理部21は、例えばコンピュータを含み、くりこみ群分子動力学法によるシミュレーションをコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶部23に記憶されている。出力部22は、通信装置、リムーバブルメディア書込み装置ディスプレイ等を含む。

0015

図2は、本実施例によるシミュレーション方法のフローチャートである。図2に示した各ステップの処理は、処理部21(図1)が記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。

0016

まず、処理部21は、シミュレーション対象物の形状を定義する形状定義データ、シミュレーション対象物の物性値密度弾性の程度を表す物性値等)、シミュレーションの初期条件境界条件、メッシュ分割条件等を取得する(ステップS1)。これらのデータは入力部20に入力され、処理部21が入力部20から取得する。形状定義データを取得すると、処理部21は形状定義データで定義される形状をメッシュ分割条件に基づいてメッシュ分割することにより、形状モデルを生成する(ステップS2)。メッシュ分割処理には、例えば公知のメッシュ分割アルゴリズムを使用することができる。本実施例では、シミュレーション対象物をテトラメッシュに分割する。

0017

メッシュが生成されると、処理部21は、メッシュの節点に仮想的に粒子を配置し、各粒子に質量を付与し、粒子間の相互作用ポテンシャルを決定する(ステップS3)。粒子の質量は、例えば、シミュレーション対象物の密度と、粒子の分布とに基づいて、形状モデルの密度がシミュレーション対象物の密度と同一になるように決定する。例えば、シミュレーション対象物の密度が均一である場合、粒子の分布密度が高い領域では粒子の質量が相対的に小さくなり、粒子の分布密度が低い領域では粒子の質量が相対的に大きくなる。

0018

粒子間の相互作用ポテンシャルとして、例えばバネマスモデルのポテンシャルを用いる。バネ定数決定方法は、例えば特開2009−37334号公報に詳しく説明されている。ここでは、バネ定数の決定方法について簡単に説明する。

0019

まず、テトラメッシュの節点に配置された粒子のボロノイ多面体解析を行う。ボロノイ多面体を構成する複数の界面のうち粒子iと粒子jとを両端とする線分を横切る界面の面積をSijで表す。シミュレーション対象物のヤング率と面積Sijとからバネ定数kijを決定することができる。

0020

次に、バネで相互に接続されている2つの粒子(粒子ペア)ごとに、固有振動周期(固有周期)を算出する(ステップS4)。一般的に、粒子ペアを構成する2つの粒子の質量は同一ではないため、一方の粒子を固定した状態における固有周期と、他方の粒子を固定した状態における固有周期とは異なる。粒子のペアの固有周期として、例えば、2つの固有周期のうち短い方の固有周期の値を採用する。

0021

処理部21は、ステップS4で算出された固有周期に基づいて、粒子ペアごとに、粒子の状態の時間発展の演算を行う際の時間刻み幅を決定する(ステップS5)。固有周期が短いほど、一定時間に粒子の状態が大きく変化する。粒子の状態の変化を精度よく解析するために、固有周期が短いほど時間刻み幅を短くするとよい。例えば、時間刻み幅は、固有周期の1/20以上1/10以下の範囲から選択するとよい。1つの形状モデルに対して、複数の時間刻み幅が定義される。

0022

時間刻み幅が決定されると、処理部21は、決定された時間刻み幅で粒子の状態の変化を解析する(ステップS6)。具体的には、運動方程式解くことにより粒子の速度と位置の時間変化を求める。解析が終了すると、解析結果を出力部22(図1)に出力する(ステップS7)。

0023

図3は、固有周期Pと、時間刻み幅Δtとの関係の一例を示すグラフである。横軸は固有周期Pを表し、縦軸は時間刻み幅Δtを表す。例えば、固有周期PがP1未満、P1以上P2未満、P2以上P3未満、及びP3以上のとき、それぞれ時間刻み幅Δtを、Δt1、Δt2、Δt3、及びΔt4とする。ここで、Δt1<Δt2<Δt3<Δt4の大小関係成立する。さらに、Δt4はΔt3の整数倍であり、Δt3はΔt2の整数倍であり、Δt2はΔt1の整数倍である。

0024

固有周期PがP3以上の粒子ペアについては、時間刻み幅Δt4で第4ループL4の処理を実行することにより、粒子間に働く力の計算、及び速度の時間発展を行う。固有周期PがP2以上P3未満の粒子ペアについては、時間刻み幅Δt3で第3ループL3の処理を実行する。固有周期PがP1以上P2未満の粒子ペアについては、時間刻み幅Δt2で第2ループL2の処理を実行する。固有周期PがP1未満の粒子ペアについては、時間刻み幅Δt1で第1ループL1の処理を実行する。

0025

図4は、第1ループL1〜第4ループL4を実行するタイミングチャートである。第1ループL1の処理は、時間刻み幅Δt1ごとに実行される。言い換えると、第1ループL1の処理を1回実行すると、時間刻み幅Δt1だけ時間発展する。この時間発展の累積が時間刻み幅Δt2だけ増加するごとに、第2ループL2の処理が実行される。時間発展の累積が時間刻み幅Δt3だけ増加するごとに、第3ループL3の処理が実行される。時間発展の累積が時間刻み幅Δt4だけ増加するごとに、第4ループL4の処理が実行される。時間刻み幅Δt1だけ時間発展させる1回の処理を1つのタイムステップということとする。

0026

図5は、シミュレーション対象物の形状から生成されたメッシュの複数の節点に配置した複数の粒子の一例を示す図である。図5に示した複数の粒子から複数の粒子ペアが定義され、複数の粒子ペアにそれぞれ固有周期に基づいて第1ループL1〜第4ループL4のいずれかが対応付けられる。例えば、粒子ペアAB、BCに第1ループL1が対応付けられている。粒子ペアBD、BE、CEに第2ループL2が対応付けられている。粒子ペアDE、DFに第3ループL3が対応付けられている。粒子ペアEF、EGに第4ループL4が対応付けられている。

0027

第1ループL1(図4)のみを実行するタイムステップでは、粒子ペアAB及びBCについて、粒子の速度の時間発展、及び力の計算を行う。第1ループL1及び第2ループL2(図4)を実行するタイムステップでは、さらに、粒子ペアBD、BE、及びCEについても、粒子の速度の時間発展、及び力の計算を行う。第1ループL1、第2ループL2、及び第3ループL3(図4)を実行するタイムステップでは、さらに、粒子ペアDE、及びDFについても、粒子の速度の時間発展、及び力の計算を行う。第1ループL1〜第4ループL4の全てを実行するタイムステップでは、さらに粒子ペアEF、及びEGについても、粒子の速度の時間発展、及び力の計算を行う。

0028

図6は、粒子の状態の変化を解析する処理(図2のステップS6)の詳細な手順を示すフローチャートである。以下の説明において、適宜、図5を参照する。

0029

シミュレーションの演算終了条件が満たされるまで、第4ループL4の処理を実行する。演算終了条件として、例えばタイムステップ数、演算時間等が与えられる。演算終了条件が満たされない場合には、まず、第4ループL4の処理対象となる粒子ペアEF、及びEG(図5)に含まれる粒子E、F、Gについて運動方程式を解き、時間刻み幅Δt4の1/2だけ速度を時間発展させる(ステップS61)。

0030

ステップS61を実行した後、第3ループL3の処理対象となる粒子ペアDE、及びDF(図5)に含まれる粒子D、E、Fについて運動方程式を解き、時間刻み幅Δt3の1/2だけ各粒子の速度を時間発展させる(ステップS63)。ここで、ステップS61で速度を時間発展させた粒子、例えば粒子E、Fについては、時間発展後の最新の速度を、さらに時間発展させる。以降の速度の時間発展の処理においても同様に、最新の速度をさらに時間発展させる。

0031

ステップS63を実行した後、第2ループL2の処理対象となる粒子ペアBD、BE、及びCE(図5)に含まれる粒子B、C、D、Eについて運動方程式を解き、時間刻み幅Δt2の1/2だけ各粒子の速度を時間発展させる(ステップS63)。

0032

ステップS65を実行した後、全ての粒子について第1ループL1の処理を実行する(ステップS67)。第1ループL1の処理の詳細については、後に図7を参照して説明する。

0033

第1ループL1の処理(タイムステップ)を複数回繰り返して、ステップS65以降の時間発展の累積値がΔt2だけ増加すると、第2ループL2の後処理を実行する(ステップS66)。第2ループL2の後処理(ステップS66)では、時間刻み幅Δt2の1/2だけ速度をさらに時間発展させる。第2ループL2の後処理(ステップS66)については、後に図8Aを参照して詳細に説明する。このように、速度の時間発展を時間刻み幅の1/2ずつ実行する方法は、速度ベルレ法と呼ばれる。

0034

第2ループL2の処理を複数回繰り返して、ステップS63以降の時間発展の累積値がΔt3だけ増加すると、第3ループL3の後処理を実行する(ステップS64)。第3ループL3の後処理(ステップS64)では、時間刻み幅Δt3の1/2だけ速度をさらに時間発展させる。第3ループL3の後処理(ステップS64)については、後に図8Bを参照して詳細に説明する。

0035

第3ループL3の処理を複数回繰り返した後、ステップS61以降の時間発展の累積値がΔt4だけ増加すると、第4ループL4の後処理を実行する(ステップS62)。第4ループL4の後処理(ステップS62)では、時間刻み幅Δt4の1/2だけ速度をさらに時間発展させる。第4ループL4の後処理(ステップS62)については、後に図9を参照して詳細に説明する。

0036

図7は、第1ループL1の処理(図6のステップS67)の手順を示すフローチャートである。まず、第1ループL1の処理対象となる粒子ペアAB、及びBC(図5)に含まれる粒子A、B、Cについて運動方程式を解き、時間刻み幅Δt1の1/2だけ速度を時間発展させる(ステップS671)。次に、全ての粒子の位置を、各粒子の最新の速度に基づいて時間刻み幅Δt1だけ時間発展させる(ステップS672)。

0037

全ての粒子の位置を時間発展させた後、物体間の接触の有無を判定する(ステップS673)。例えば、シミュレーション対象物が複数の物体で構成されている場合、同一の物体内の粒子の間には、ステップS3(図2)で決定した相互作用ポテンシャルに基づく力が作用する。異なる物体の粒子の間には、物体が接触していない状態では力は作用しない。ところが、2つの物体が接触すると、物体の接触箇所に位置する粒子の間で力を及ぼし合う。ステップS673で物体間の接触があったと判定された場合には、次のタイムステップにおいて、物体の接触箇所に位置する粒子に対して、異なる物体の粒子間に作用する相互作用ポテンシャルを導入して速度及び位置を時間発展させる。物体間の接触の判定、及び異なる物体の粒子間の相互作用ポテンシャルについては、後に図11A及び図11Bを参照して説明する。

0038

次に、粒子の時間発展後の位置に基づいて、粒子に作用する力を計算する(ステップS674)。このとき、粒子間の相互作用ポテンシャルに基づいて生じる力については、第1ループL1の処理対象の粒子ペアAB及びBC(図5)についてのみ計算する。また、重力や境界条件として与えられた荷重等の外力が作用する粒子については、これらの外力を計算する。第2ループL2〜第4ループL4の処理対象の粒子ペアについては、相互作用ポテンシャルに基づく力の計算は行わない。各粒子について運動方程式を解く際には、当該粒子に作用する力を合成した合成力に基づいて計算を行う。

0039

粒子に作用する力が求まると、第1ループL1の処理対象となる粒子ペアAB及びBCを構成する粒子A、B、Cの各々について運動方程式を解き、時間刻み幅Δt1の1/2だけ粒子の速度を時間発展させる(ステップS675)。ステップS671とステップS675とで、それぞれ粒子の速度が時間刻み幅Δt1の1/2ずつ時間発展するため、粒子の速度は時間刻み幅Δt1だけ時間発展することになる。

0040

図8Aは、ステップS66(図6)の処理の手順を示すフローチャートである。まず、粒子に作用する力を計算する(ステップS661)。このとき、粒子間の相互作用ポテンシャルに基づいて生じる力については、第2ループL2の処理対象の粒子ペアBD、BE、及びCE(図5)についてのみ計算する。粒子に作用する力が求まると、第2ループL2の処理対象となる粒子ペアBD、BE、及びCE(図5)を構成する粒子B、C、D、Eの各々について運動方程式を解き、時間刻み幅Δt2の1/2だけ粒子の速度を時間発展させる(ステップS662)。ステップS65(図6)とステップS662との2つのステップで、粒子の速度が時間刻み幅Δt2だけ時間発展することになる。

0041

図8Bは、ステップS64(図6)の処理の手順を示すフローチャートである。ステップS66の場合と同様に、第3ループL3の処理対象の粒子ペアDE及びDF(図5)について力を計算する(ステップS641)。その後、第3ループL3の処理対象となる粒子ペアDE及びDF(図5)を構成する粒子D、E、Fの各々について運動方程式を解き、時間刻み幅Δt3の1/2だけ粒子の速度を時間発展させる(ステップS642)。ステップS63(図6)とステップS642との2つのステップで、粒子の速度が時間刻み幅Δt3だけ時間発展することになる。

0042

図9は、ステップS62(図6)の処理の手順を示すフローチャートである。ステップS66の場合と同様に、第4ループL4の処理対象の粒子ペアEF及びEG(図5)について力を計算する(ステップS621)。その後、第4ループL4の処理対象となる粒子ペアEF及びEG(図5)を構成する粒子E、F、Gの各々について運動方程式を解き、時間刻み幅Δt4の1/2だけ粒子の速度を時間発展させる(ステップS622)。ステップS61(図6)とステップS622との2つのステップで、粒子の速度が時間刻み幅Δt4だけ時間発展することになる。

0043

ステップS622の後、シミュレーション対象の系の持つエネルギを計算する(ステップS623)。エネルギには、粒子の運動エネルギ、粒子ペアの弾性エネルギ、物体間の接触エネルギ、及び外部と系との間で入出力された入出力エネルギが含まれる。エネルギ保存の法則により、これらのエネルギの合計はほぼ一定になる。逆に、これらのエネルギの合計がほぼ一定であるならば、シミュレーション結果が正常であると推認される。

0044

ステップS623の後、シミュレーション結果を出力部22(図1)に出力する。出力部22に出力される情報には、例えばシミュレーション対象物の形状の時間変化、代表粒子の位置の時間変化、ステップS623で求められたエネルギの時間変化等を含めるとよい。

0045

次に、図10A及び図10Bを参照して物体間の接触の有無を判定する方法(図7のステップS673)について説明する。

0046

図10Aは、シミュレーション対象の2つの物体の形状モデルを示す図である。一方の物体30の形状モデルが複数の粒子31の集合体で表され、他方の物体40の形状モデルが複数の粒子41の集合体で表されている。物体30と物体40とが接触していないときは、一方の物体30を構成する粒子31と、他方の物体40を構成する粒子41とは、相互作用を及ぼさない。

0047

2つの物体30、40が接触したか否かは、例えば、一方の物体30の表面と他方の物体40の表面との距離に関する情報に基づいて判定することができる。

0048

図10Bは、物体30と物体40とが接触した状態の形状モデルを示す図である。2つの物体30、40の表面間の距離が、図10Aの場合よりも短い。

0049

次に、2つの物体30、40が相互に接触した場合に、一方の物体30の形状モデルを構成する粒子31と、他方の物体40の形状モデルを構成する粒子41とが及ぼしあう相互作用について説明する。

0050

物体30と40とが接触している場合、接触箇所の近傍の粒子31と41との間に斥力が作用するように、相互作用ポテンシャルとしてバネマスポテンシャルを適用する。バネ定数は、物体間の食い込み量(計算誤差)をどこまで許容できるかによって決まる。計算誤差を許容できる場合には、バネ定数を小さくすることができる。

0051

各粒子の速度を時間発展させるときに、接触箇所の近傍の粒子31と41とについて、相互作用ポテンシャルを考慮する。時間発展させる時間刻み幅Δtは、同一物体内の粒子ペアと同様に固有周期に基づいて決定する。粒子31と41とのペアについて速度の時間発展の計算、及び力の計算を、固有周期に基づいて、第1ループL1〜第4ループL4のいずれのループで行うかが決定される。

0052

次に、上記実施例の優れた効果について説明する。
上記実施例では、シミュレーション対象の形状モデルを構成する複数の粒子に基づく粒子ペアごとに、時間発展の時間刻み幅を固有周期に応じて設定している。粒子間の距離が長い領域では、粒子の分布密度が小さくなるため、粒子の各々に割り振られる質量が大きくなる。このため、固有周期は長くなる。すなわち、粒子ペアの固有周期は、粒子間の距離に依存する。従って、上記実施例において時間刻み幅を固有周期に応じて設定することは、粒子間の距離に応じて時間刻み幅を設定しているともいえる。

0053

このように、1つの形状モデル内で粒子間の距離が相対的に長い粒子ペアについては時間刻み幅を大きくしているため、全体としての計算負荷を軽減することができる。さらに、時間刻み幅を粒子ペアの固有周期に基づいて決定しているため、試行錯誤的に時間刻み幅を決定する場合に比べて、好ましい時間刻み幅を容易に決定することができる。

0054

また、上記実施例では、2つの物体の接触を考慮し、接触箇所に適用する時間発展の時間刻み幅を、物体内の粒子ペアに適用する時間刻み幅と同様の方法で決定している。このため、機構構造系の多体接触に関するシミュレーションに上記実施例を適用する場合にも、計算負荷を軽減させることができる。

0055

次に、図11A〜図12を参照して、上記実施例の効果を検証するために行ったシミュレーションについて説明する。

0056

図11Aは、検証モデルの概略斜視図である。一方向に長い板状部材長手方向の一方の端部50を固定し、他方の端部51に厚さ方向の荷重52を印加し、板状部材の形状の時間変化をシミュレーションした。すなわち、検証モデルとして、片持ち梁構造の先端に荷重52を印加するというモデルを採用した。固定された方の端部50の近傍においてメッシュサイズを相対的に小さくした。メッシュの節点(粒子)の個数は15,283個であり、粒子ペアの個数は93,740個であった。

0057

粒子の状態を時間発展させる3つの異なる時間刻み幅を設定した。時間刻み幅を、短い順にΔt1、Δt2、Δt3と表記する。時間刻み幅Δt2、Δt3を、それぞれΔt1の2倍、4倍とした。粒子ペアの約60%に時間刻み幅Δt3を適用し、約25%に時間刻み幅Δt2を適用することが可能であった。残りの約15%の粒子ペアに時間刻み幅Δt1が適用される。比較のために、全ての粒子ペアに時間刻み幅Δt1を適用した比較例によるシミュレーションも行った。

0058

図11Bは、検証モデルの固定されていない方の端部51(図11A)の位置の時間変化のシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は時間を単位「ms」で表し、縦軸は位置を単位「mm」で表す。図11Bのグラフにおいて、中実丸記号及び白抜きの丸記号は、それぞれ実施例及び比較例によるシミュレーション結果を示す。両者の丸記号はほぼ重なっており、実施例においても比較例と同等の精度が得られていることが確認された。

0059

図12は、物体内相互作用の計算、及び位置、速度の計算に要した1タイムステップあたりの計算時間を、実施例と比較例とで対比させて示すグラフである。物体内相互作用の計算は、粒子ペアごとに行う力の計算(図7のステップS674、図8AのステップS661、図8BのステップS641、図9のステップS621)に相当する。位置、速度計算は、速度の時間発展、及び位置の時間発展を行う計算に相当する。

0060

一例として図5に示したモデルの場合、粒子Eは、第2ループL2に対応する粒子ペアCE、BE、第3ループL3に対応する粒子ペアDE、及び第4ループL4に対応する粒子ペアEF、EGに含まれている。このため、粒子Eの速度の時間発展については、第2ループL2、第3ループL3、及び第4ループL4の全てで実行される。従って、位置、速度の時間発展を行う処理では、実施例の計算時間が比較例の計算時間より長くなっている。

0061

物体内相互作用の計算では、多くの粒子ペアについて時間刻み幅が長くなるため、実施例の計算時間が比較例の計算時間の約40%まで短くなっている。位置、速度の更新まで含めた全体の計算時間については、実施例の計算時間が比較例の計算時間の約46%であった。実施例によるシミュレーション方法を適用することにより、比較例と比べて計算時間を短くできることが確認された。

0062

次に、上記実施例の変形例について説明する。
上記実施例では固有周期に基づく時間刻み幅Δtとして、4種類の時間刻み幅Δt1、Δt2、Δt3、及びΔt4を用いたが、時間刻み幅は2種類以上にすればよい。

0063

上述の実施例は例示であり、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。

0064

20 入力部
21 処理部
22 出力部
23 記憶部
30、40シミュレーション対象の物体
31、41粒子
50 固定された端部
51荷重が印加される端部
52 荷重

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

この 技術と関連性が強い技術

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い法人

該当するデータがありません

この 技術と関連性が強い人物

該当するデータがありません

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ