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図面 (5)

課題

α−ENaCが関連する疾病または障害治療または予防に有効な治療法を提供する。

解決手段

本発明は、α−ENaCの発現を調節するための組成物および方法、より詳しくは、化学修飾オリゴヌクレオチドによるα−ENaC発現のダウンレギュレーションに関する。

概要

背景

RNA干渉または「RNAi」は、二本鎖RNA(dsRNA)を蠕虫に導入した際に遺伝子発現遮断することができるという発見表現するためにFireと共同研究者らが最初に造り出した言葉である(Fire et al., Nature 391:806-811, 1998)。短いdsRNAは、脊椎動物を含む多くの生物において遺伝子特異的な転写サイレンシングを導き、遺伝子機能を研究するための新たなツールを提供している。この技術は最近度々、総説されている(例えば、出典明示により本明細書の一部とされるNovina, C.D:, and Sharp, P., Nature 2004, 430:161、およびSandy, P., et al., Biotechniques 2005, 39:215参照)。

環境と身体の境界にある粘膜表面は多くの防御機構進化させてきた。このような先天的防御基本型は、これらの表面を液体洗うことである。一般に、粘膜表面上の液層の量は、しばしば水(および対陽イオン)と結びついた陰イオン(Cl−および/またはHCO3−)分泌を反映する上皮液体分泌と、しばしば水と対陰イオン(Cl−および/またはHCO3−)と結びついたNa+吸収を反映する上皮液体吸収との間のバランスを反映する。粘膜表面の多くの疾病は、分泌(少なすぎる)と吸収(相対的に多すぎる)との間のアンバランスによって作り出される粘膜表面の保護液が少なすぎることによって引き起こされる。これらの粘膜機能不全の特徴である塩輸送プロセス欠陥は、粘膜表面の上皮層に帰する。粘膜表面の保護液層を補充する1つのアプローチは、Na+チャネルにより媒介される液体吸収を遮断することにより、この系の「バランスを取り戻す」ことである。Na+および液体の吸収の律速段階を媒介する上皮タンパク質は上皮Na+チャネル(ENaC)である。α−ENaCは、上皮の表層側、すなわち、粘膜表面と環境の境界に位置する。α−ENaCにより媒介されるNa+媒介液体吸収の阻害は、治療有用性を達成する可能性がある。よって、ヒトおよび動物において、α−ENaCが関連する疾病または障害(例えば嚢胞性繊維症)の治療または予防のために有効な治療、特に効率の高い治療を開発する必要がある。高い有効性のための1つの必要条件は、有効成分の生理学的環境での分解が速すぎないことである。

概要

α−ENaCが関連する疾病または障害の治療または予防に有効な治療法を提供する。本発明は、α−ENaCの発現を調節するための組成物および方法、より詳しくは、化学修飾オリゴヌクレオチドによるα−ENaC発現のダウンレギュレーションに関する。なし

目的

本発明は、薬剤吸入鼻腔内投与または気管投与により、対象、例えばヒトなどの哺乳類においてα−ENaCレベルを低下させるのに有用な特定の組成物および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

表1A〜1Dに示される薬剤(ND8285〜ND10788と呼称される薬剤)のいずれか1つのセンス鎖列と1個、2個または3個のヌクレオチドだけが異なる少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むセンス鎖と、表1A〜1Dに示される薬剤(ND8285〜ND10788と呼称される薬剤)のいずれか1つのアンチセンス配列と1、2または3個のヌクレオチドだけが異なる少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むアンチセンス鎖とを含む、iRNA剤

請求項2

表1A〜1Dに示される薬剤(ND8285〜ND10788と呼称される薬剤)のいずれか1つのセンス鎖配列と1個、2個または3個のヌクレオチドだけが異なる少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むセンス鎖と、表1A〜1Dに示される薬剤(ND8285〜ND10788と呼称される薬剤)のいずれか1つのアンチセンス配列と少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含むアンチセンス鎖とを含み、iRNA剤とともにインキュベートされていない細胞に比べてα−ENaCの発現を20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%を超えて低下させる、iRNA剤。

請求項3

一鎖当たりにそれぞれ1個、2個または3個のヌクレオチドだけが他のヌクレオチドにより置換されていること以外は表1A〜1Dに示される薬剤(ND8285〜ND10788と呼称される薬剤)のいずれかの配列の1つと本質的に同一である、少なくとも16個、17個または18個のヌクレオチドの配列をそれぞれ含むセンス鎖とアンチセンス鎖を含むとともに、細胞におけるα−ENaC発現の量を低下させる能力を本質的に保持している、iRNA剤。

請求項4

ND-8302、ND-8332、ND-8348、ND-8356、ND-8357、ND-8373、ND-8381、ND-8396、ND-8450およびND-8453から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のiRNA剤。

請求項5

ND-8356、ND-8357およびND-8396から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のiRNA剤。

請求項6

アンチセンスRNA鎖が30以下のヌクレオチド長であり、iRNA剤の二本鎖領域が15〜30ヌクレオチド対の長さである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のiRNA剤。

請求項7

iRNA剤に生体サンプルにおいて高い安定性を持たせる修飾を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のiRNA剤。

請求項8

ホスホロチオエートまたは2'−修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のiRNA剤。

請求項9

少なくとも1つの5'−ウリジンアデニン−3'(5'−ua−3')ジヌクレオチド(ここで、ウリジンは2'−修飾ヌクレオチドである);少なくとも1つの5'−ウリジン−グアニン−3'(5'−ug−3')ジヌクレオチド(ここで、5'−ウリジンは2'−修飾ヌクレオチドである);少なくとも1つの5'−シチジン−アデニン−3'(5'−ca−3')ジヌクレオチド(ここで、5'−シチジンは2'−修飾ヌクレオチドである);または少なくとも1つの5'−ウリジン−ウリジン−3'(5'−uu−3')ジヌクレオチド(ここで、5'−ウリジンは2'−修飾ヌクレオチドである)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のiRNA剤。

請求項10

前記2'−修飾が、2'−デオキシ、2'−デオキシ−2'−フルオロ、2'−O−メチル、2'−O−メトキシエチル(2'−O−MOE)、2'−O−アミノプロピル(2'−O−AP)、2'−O−ジメチルアミノエチル(2'−O−DMAOE)、2'−O−ジメチルアミノプロピル(2'−O−DMAP)、2'−O−ジメチルアミノエチルオキシエチル(2'−O−DMAEOE)および2'−O−N−メチルアセトアミド(2'−O−NMA)からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のiRNA剤。

請求項11

1〜4個の不対ヌクレオチドを有するヌクレオチドオーバーハングを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のiRNA剤。

請求項12

前記ヌクレオチドオーバーハングが2個または3個の不対ヌクレオチドを有する、請求項11に記載のiRNA剤。

請求項13

前記ヌクレオチドオーバーハングがiRNA剤のアンチセンス鎖の3'末端にある、請求項11に記載のiRNA剤。

請求項14

上皮受容体リガンドを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のiRNA剤。

請求項15

の細胞による取り込みに関して標的化される、請求項1〜5のいずれかに記載のiRNA剤。

請求項16

α−ENaC発現により少なくとも部分的に媒介される病理プロセスを有するヒト対象処置する方法であって、iRNA剤がセンス鎖を含み、該センス鎖が、請求項1〜5のいずれか一項に示される薬剤のいずれか1つのセンス鎖配列と1個、2個または3個のヌクレオチドだけが異なる少なくとも15個の連続するヌクレオチドを含む、方法。

請求項17

iRNA剤が対象の細胞または組織におけるα−ENaC発現のレベルを低下させるのに十分な量で投与される、請求項16に記載の方法。

請求項18

a)請求項1〜5のいずれか一項に記載のiRNA剤と、b)薬学上許容される担体を含む、医薬組成物

請求項19

嚢胞性繊維症罹患しているヒト対象を処置する方法であって、該対象に治療上有効な量の請求項1〜5のいずれか一項に記載のiRNA剤を投与することを含む、方法。

請求項20

ドル症候群に罹患しているヒト対象を処置する方法であって、該対象に治療上有効な量の請求項1〜5のいずれか一項に記載のiRNA剤を投与することを含む、方法。

請求項21

ヒト対象において高血圧症および/または腎不全を治療および/または予防する方法であって、該対象に治療上有効な量の請求項1〜5のいずれか一項に記載のiRNA剤を投与することを含む、方法。

請求項22

ヒト対象において電解質平衡異常を治療および/または予防する方法であって、該対象に治療上有効な量の請求項1〜5のいずれか一項に記載のiRNA剤を投与することを含む、方法。

技術分野

0001

本発明は、ENaC媒介気道イオン輸送の分野ならびにα−ENaC発現を調節するための組成物および方法に関し、より具体的には、吸入鼻腔内投与によっておよび鼻道局所投与されるか、または例えば静注により全身投与される、RNA干渉を介したオリゴヌクレオチドによるα−ENaCのダウンレギュレーションに関する。

背景技術

0002

RNA干渉または「RNAi」は、二本鎖RNA(dsRNA)を蠕虫に導入した際に遺伝子発現遮断することができるという発見表現するためにFireと共同研究者らが最初に造り出した言葉である(Fire et al., Nature 391:806-811, 1998)。短いdsRNAは、脊椎動物を含む多くの生物において遺伝子特異的な転写サイレンシングを導き、遺伝子機能を研究するための新たなツールを提供している。この技術は最近度々、総説されている(例えば、出典明示により本明細書の一部とされるNovina, C.D:, and Sharp, P., Nature 2004, 430:161、およびSandy, P., et al., Biotechniques 2005, 39:215参照)。

0003

環境と身体の境界にある粘膜表面は多くの防御機構進化させてきた。このような先天的防御基本型は、これらの表面を液体洗うことである。一般に、粘膜表面上の液層の量は、しばしば水(および対陽イオン)と結びついた陰イオン(Cl−および/またはHCO3−)分泌を反映する上皮液体分泌と、しばしば水と対陰イオン(Cl−および/またはHCO3−)と結びついたNa+吸収を反映する上皮液体吸収との間のバランスを反映する。粘膜表面の多くの疾病は、分泌(少なすぎる)と吸収(相対的に多すぎる)との間のアンバランスによって作り出される粘膜表面の保護液が少なすぎることによって引き起こされる。これらの粘膜機能不全の特徴である塩輸送プロセス欠陥は、粘膜表面の上皮層に帰する。粘膜表面の保護液層を補充する1つのアプローチは、Na+チャネルにより媒介される液体吸収を遮断することにより、この系の「バランスを取り戻す」ことである。Na+および液体の吸収の律速段階を媒介する上皮タンパク質は上皮Na+チャネル(ENaC)である。α−ENaCは、上皮の表層側、すなわち、粘膜表面と環境の境界に位置する。α−ENaCにより媒介されるNa+媒介液体吸収の阻害は、治療有用性を達成する可能性がある。よって、ヒトおよび動物において、α−ENaCが関連する疾病または障害(例えば嚢胞性繊維症)の治療または予防のために有効な治療、特に効率の高い治療を開発する必要がある。高い有効性のための1つの必要条件は、有効成分の生理学的環境での分解が速すぎないことである。

0004

本発明は、薬剤の吸入、鼻腔内投与または気管投与により、対象、例えばヒトなどの哺乳類においてα−ENaCレベルを低下させるのに有用な特定の組成物および方法を提供する。

0005

本発明は具体的には、α−ENaCの少なくとも15個以上の連続するヌクレオチドからなる、またはそれらから本質的になる、またはそれらを含むiRNA剤、より具体的には、表1A〜1Dに示される配列の1つに由来する少なくとも15個以上の連続するヌクレオチドを含む薬剤を提供する。該iRNA剤は好ましくは、一鎖当たり30個未満のヌクレオチド、例えば、表1A〜1Dに示されるものなどの21〜23個のヌクレオチドを含む。二本鎖iRNA剤は平滑末端か、またはより好ましくは、該薬剤の一方または双方の3'末端から1〜4個のヌクレオチドのオーバーハングを有し得る。

0006

さらに、iRNA剤は天然に存在するリボヌクレオチドサブユニットのみを含んでもよいし、あるいは該薬剤に含まれる1個以上のリボヌクレオチドサブユニットの糖、リン酸基または塩基に1以上の修飾を含むように合成することもできる。iRNA剤は、例えばコレステロールなどの薬剤の安定性分布または細胞取り込みを改良するよう選択されたリガンドと結合するようにさらに修飾することもできる。iRNA剤はさらに単離形態であってもよいし、あるいは本明細書に記載されている方法に用いる、特に、肺もしくは鼻道送達用に製剤された、または非経腸投与(parental administration)用に製剤された医薬組成物としての医薬組成物の一部であってもよい。該医薬組成物は1種以上のiRNA剤を含んでよく、いくつかの態様では、それぞれα−ENaC遺伝子の異なるセグメントに向けられた2種以上のiRNA剤を含む。

0007

本発明の一局面は、少なくとも1個の非天然核酸塩基を含む二本鎖オリゴヌクレオチドに関する。特定の態様では、該非天然核酸塩基はジフルオロトリルニトロインドリル、ニトロピロリルまたはニトロイミダゾリルである。好ましい態様では、該非天然核酸塩基はジフルオロトリルである。特定の態様では、二本鎖オリゴヌクレオチドを含む2本のオリゴヌクレオチド鎖の一方だけが非天然核酸塩基を含む。特定の態様では、二本鎖オリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖の双方が独立して非天然核酸塩基を含む。

0008

本発明はさらに、細胞においてα−ENaCmRNAのレベルを低下させる方法を提供する。このような方法は、以下にさらに記載される通り、対象に本発明のiRNA剤の1種を投与するステップを含む。本方法は、細胞において標的RNAを選択的に分解するために、RNA干渉に関わる細胞機構を利用し、細胞を本発明のiRNA剤の1種と接触させる工程からなる。このような方法は細胞に直接行うこともできるし、あるいは本発明のiRNA剤/医薬組成物の1種を対象に投与することにより、哺乳類対象に行うこともできる。細胞における標的RNAの減少は、産生されるコードタンパク質の量の減少をもたらし、そして、生物においては、上皮電位差の低下、液体吸収の減少および粘膜絨毛クリアランスの増加をもたらす。

0009

本発明の方法および組成物は、例えば、前記方法およびiRNA剤組成物は本明細書に記載のいずれの用量および/または製剤でも、ならびに本明細書に記載のいずれの投与経路でも使用可能である。

0010

本発明の1以上の態様の詳細を、添付の図面および以下の説明で示す。本発明の他の特徴、目的および利点は本明細書、図面および特許請求の範囲から明らかとなる。本願は、引用されている参照文献、特許および特許出願の全体を、全ての目的のために、出典明示により包含する。

図面の簡単な説明

0011

クローニングされたカニクイザルα−EnaCのpXoon構築物制限消化マップ
カニクイザルα−EnaCのタンパク質およびDNA配列
カニクイザルα−EnaCのタンパク質およびDNA配列
カニクイザルα−EnaCのタンパク質およびDNA配列
推定オフ標的およびオン標的認識部位のAY535007デュアルルシフェラーゼリポーター構築物へのクローニング。フラグメントは19ntの推定標的部位および5'末端と3'末端の双方の10ntのフランキング配列からなる。

0012

発明の特定の好ましい態様の詳細な説明
説明を容易にするため、「ヌクレオチド」または「リボヌクレオチド」とは、本明細書では、RNA剤の1個以上のモノマーサブユニットを指して用いられる場合がある。本明細書において用語「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」の使用は、修飾RNAまたはヌクレオチドサロゲートの場合、以下にさらに記載される通り、修飾ヌクレオチド、または、1個以上の位置のサロゲート置換部分も指す。

0013

本明細書において「RNA剤」は、非修飾RNA、修飾RNAまたはヌクレオシドサロゲートであり、これらはそれぞれ本明細書に記載されているか、またはRNA合成分野において周知のものである。多くの修飾RNAおよびヌクレオシドサロゲートが記載されているが、好ましい例は、非修飾RNAよりも大きなヌクレアーゼ分解耐性を有するものを含む。好ましい例は、2'糖修飾一本鎖オーバーハング、好ましくは3'一本鎖オーバーハングにおける修飾、または特に一本鎖であるならば、1個以上のリン酸基またはリン酸基1個以上の類似体を含む5'修飾を有するものが挙げられる。

0014

本明細書において「iRNA剤」(「干渉RNA剤」の省略形)とは、標的遺伝子、例えば、ENaC遺伝子SCNN1Aの発現をダウンレギュレーションし得るRNA剤である。理論に縛られるものではないが、iRNA剤は、当技術分野でRNAiと呼ばれる場合がある標的mRNAの転写後切断、または転写前もしくは翻訳前機構を含むいくつかの機構の1個以上によって作用し得る。

0015

本明細書において「dsiRNA剤」(「二本鎖iRNA剤」の省略形)とは、鎖内ハイブリダイゼーション二本鎖構造の領域を形成できる、1個を超える、好ましくは2個の鎖を含むiRNA剤である。本明細書において「鎖」とは、ヌクレオチド(天然に存在しないまたは修飾ヌクレオチドを含む)の連続配列を指す。これらの2個以上の鎖は別個分子であってもよいし、またはそれぞれ別個の分子の一部を形成していてもよく、あるいはそれらは例えばリンカー、例えばポリエチレングリコールリンカー共有結合的に相互接続して1個の分子を形成してもよい。少なくとも1個の鎖は、標的RNAに十分相補的な領域を含み得る。このような鎖は「アンチセンス鎖」と呼ばれる。dsRNA剤の第二の鎖は、アンチセンス鎖と相補的な領域を含み、「センス鎖」と呼ばれる。しかしながら、ds iRNA剤はまた、少なくとも部分的に自己相補的であり、二本鎖領域を含む、例えばヘアピンまたはパンハンドル構造を形成する一RNA分子からも形成できる。後者は本明細書では、短鎖ヘアピンRNAまたはshRNAと呼ばれる。このような場合、「鎖」とは、同じRNA分子の別の領域に相補的なRNA分子の領域の1個を指す。

0016

哺乳類細胞では、長鎖dsiRNA剤は多くの場合有害なインターフェロン応答を誘発し得るが、短鎖ds iRNA剤は、少なくとも細胞および/または宿主に有害な程度までにはインターフェロン応答を誘発しない(Manche et al., Mol. Cell. Biol. 12:5238, 1992; Lee et al., Virology 199:491, 1994; Castelli et al., J. Exp. Med. 186:967, 1997; Zheng et al., RNA 10:1934, 2004; Heidel et al., Nature Biotechnol. 22 1579)。本発明のiRNA剤は、正常な哺乳類細胞において有害な非特異的インターフェロン応答を誘発しないよう十分短い分子を含む。よって、iRNA剤を含む組成物(例えば、本明細書に記載されている通りに製剤されたもの)の対象への投与を用いて、インターフェロン応答を回避しつつ、対象においてα−ENaCの発現を低下させることができる。有害なインターフェロン応答を誘発しないよう十分に短い分子は本明細書ではsiRNA剤またはsiRNAと呼ばれる。本明細書において「siRNA剤」または「siRNA」とは、哺乳類、特にヒト細胞において有害なインターフェロン応答を誘発しないよう十分に短いiRNA剤、例えばds iRNA剤を指し、例えば、それは60個未満、好ましくは、50個、40個または30個未満のヌクレオチド対の二本鎖領域を有する。

0017

dsiRNA剤およびsiRNA剤を含む、本明細書に記載されている単離されたiRNA剤は、例えばRNA分解によりα−ENaC発現の低下を媒介する。便宜上、このようなRNAはまた、本明細書においてサイレンシングされるRNAとも呼ばれる。このような核酸はまた、「標的RNA」、場合によっては「標的RNA分子」または場合によっては「標的遺伝子」とも呼ばれる。

0018

本明細書において「RNAiを媒介する」とは、配列特異的に標的遺伝子をサイレンシングする薬剤の能力を指す。「標的遺伝子をサイレンシングする」とは、該薬剤と接触していないときに標的遺伝子の特定の産物を含有および/または発現する細胞が、該薬剤と接触していない同等の細胞と比べて、該薬剤と接触したときはこのような遺伝子産物を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%少なくしか含まないおよび/または発現しないプロセスを意味する。このような標的遺伝子の産物は例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)、タンパク質または調節エレメントであり得る。

0019

本明細書において「相補的」とは、本発明の化合物と標的RNA分子、例えばα−ENaCmRNAの間で安定かつ特異的な結合が生じるような十分な相補性の程度を示すために使用される。特異的結合には、特異的結合が望まれる条件下、すなわち、in vivoアッセイもしくは治療的処置の場合には生理学的条件下、またはin vitroアッセイの場合にはアッセイが行われる条件下で、オリゴマー化合物と非標的配列との非特異的結合を回避するのに十分な相補性程度が必要である。非標的配列は一般に、少なくとも2個、3個または4個のヌクレオチドで標的配列と異なる。

0020

本明細書において、iRNA剤は、そのiRNA剤が細胞において標的RNAによりコードされるタンパク質の生産を低下させるならば、標的RNA、例えば標的mRNA(例えば、α−ENaC mRNA)と「十分相補的」である。iRNA剤はまた標的RNAと「厳密に相補的」であってもよく、例えば、標的RNAとiRNA剤はアニーリングして、好ましくは、厳密に相補的な領域においてもっぱらワトソンクリック塩基対からなるハイブリッドを形成する。「十分相補的」なiRNA剤は、標的α−ENaC RNAと厳密に相補的な内部領域(例えば、少なくとも10個のヌクレオチド)を含み得る。さらに、いくつかの態様では、iRNA剤は、一ヌクレオチドの違いを特異的に識別する。この場合、iRNA剤は、一ヌクレオチドの違い(例えば、7ヌクレオチド以内)の領域に厳密な相補性が見られる場合にのみRNAiを媒介する。好ましいiRNA剤は表1A〜1Dに示されるセンス配列およびアンチセンス配列に基づくか、またはそれらからなるか、またはそれらを含む。

0021

本明細書において第一のヌクレオチド配列を第二のヌクレオチド配列と比較して表す際に用いる「本質的に同一」とは、第一のヌクレオチド配列が、1個、2個または3個までのヌクレオチド置換(例えば、アデノシンウラシルで置換)を除き、第二のヌクレオチド配列と同一であることを意味する。本明細書において、表1A〜1DのiRNA剤の1個に由来するが、ヌクレオチドの欠失、付加または置換によりそれとは同一でないiRNA剤を指して用いる「培養ヒト細胞においてα−ENaC発現を阻害する能力を本質的に保持する」とは、誘導されたiRNA剤が、それが由来する表1A〜1DのiRNA剤の阻害活性より20%以上低くない阻害活性を有することを意味する。例えば、培養ヒト細胞中に存在するα−ENaCmRNAの量を70%低下させる表1A〜1DのiRNA剤に由来するiRNA剤はそれ自体、培養ヒト細胞においてα−ENaC複製を阻害する能力を本質的に保持するとみなされるためには、培養ヒト細胞中に存在するmRNAの量を少なくとも50%低下させ得る。所望により、本発明のiRNA剤は培養ヒト細胞中に存在するα−ENaC mRNAの量を少なくとも50%低下させ得る。

0022

本明細書において「対象」とは、α−ENaCにより媒介される障害に対する処置を受ける哺乳類生物を指す。対象は、ウシウママウスラットイヌブタヤギまたは霊長類などのいずれの哺乳類であってもよい。好ましい態様において、対象はヒトである。

0023

iRNA剤の設計および選択
本明細書において「α−ENaC発現に関連する障害」とは、(1)α−ENaCの存在により少なくとも部分的に媒介され、また、(2)その転帰がα−ENaC存在のレベルを低下させることにより影響を受け得る何らかの生物学的または病理学的状態を指す。α−ENaC発現に関連する特定の障害を以下に示す。

0024

本発明は、α−ENaCを標的とするiRNA剤の設計、合成および生成、ならびにin vitroにおけるiRNA剤と共にインキュベートした後の培養細胞におけるα−ENaC遺伝子のサイレンシングの証明、およびその結果としてのα−ENaC媒介障害に対する保護効果に基づくものである。

0025

iRNA剤は、配列情報および所望の特徴に基づいて合理的に設計することができる。
例えば、iRNA剤は候補二本鎖の相対的融解温度に従って設計することができる。一般に、二本鎖は、アンチセンス鎖の3'末端よりもアンチセンス鎖の5'末端の融解温度が低くなければならない。

0026

本発明は、1種以上のα−ENaC転写物を標的とするsiRNAおよび/またはshRNAを含有する組成物を提供する。

0027

選択される特定の遺伝子標的に関して、本発明に従って用いるためのsiRNAまたはshRNAの設計は、好ましくはある特定の指針に従う。また、多くの場合では、本発明に従って細胞へ送達される該薬剤は、有効な抑制剤となる前に1個以上のプロセシング工程を受けてもよく(さらなる考察は下記を参照);このような場合、当業者ならば、関連薬剤が好ましくは、そのプロセシングに必要とされ得る配列を含むように設計されることが分かるであろう。

0028

上皮ナトリウムチャネルの機能不全により媒介される疾病には、上皮膜を通過する液体容積の調節に関連する疾病が含まれる。例えば、気道表面液容積は粘膜絨毛クリアランスおよび肺の健康の維持の鍵となるレギュレーターである。上皮ナトリウムチャネルの遮断は、気道上皮粘膜側における液体蓄積を促進し、それにより、粘液クリアランスを促進し、呼吸器組織(肺気道を含む)における粘液およびの蓄積を防ぐ。このような疾病としては、嚢胞性繊維症、原発性腺毛ジスキネジア慢性気管支炎慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息気道感染(急性および慢性ウイルスおよび細菌)および肺癌などの呼吸器系疾病が含まれる。上皮ナトリウムチャネルの遮断により媒介される疾病はまた、上皮を通過する異常な液体調節に関連する、おそらく、それらの表面での保護表面液の異常な生理学を含む呼吸器系疾患以外の疾病、例えば、口内乾燥症(口渇)または乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sire)(ドライアイ)を含む。さらに、腎臓における上皮ナトリウムチャネルの遮断は、利尿を促進し、それにより降圧効果を誘発するために使用可能であろう。
本発明の処置は対症的または予防的であり得る。

0029

喘息には、内因性(非アレルギー性)喘息と外因性(アレルギー性)の双方の喘息、軽度喘息、中度喘息、重度喘息、気管支炎性喘息、運動誘発喘息職業性喘息および細菌感染後に誘発される喘息が含まれる。喘息の処置はまた、喘鳴症状を示し、大きな医学的懸念の確立された患者カテゴリーである「喘鳴小児」と診断された、または診断可能な、また、現在では初期または早期喘息患者と同定されることが多い、例えば4または5歳未満の対象の処置を含むとも理解すべきである。(便宜上、この特定の喘息症状は「喘鳴小児症候群」と呼ばれる。)

0030

喘息の処置における予防有効性は、例えば急性喘息性発作もしくは気管支収縮性発作などの症候性発作の頻度もしくは重篤度の軽減、肺機能の改善または気道過敏性の改善により証明される。それはまたさらに、例えば抗炎症治療(例えばコルチコステロイド)または気管支拡張治療などの対症療法、すなわち症候性発作が起こった際にそれを制限もしくは阻止するため、またはその制限もしくは阻止を意図した治療の必要性の低減によって証明され得る。喘息における予防的利益は特に「モーニングディッピング(Morning dipping)」を受けやすい対象において明白となろう。「モーニング・ディッピング」は、喘息患者のかなりの割合で共通の、例えば午前4〜6時、すなわち前に投与された対症的喘息治療から通常相当離れた時点での喘息発作を特徴とする認知された喘息症状である。

0031

慢性閉塞性肺疾患には、慢性気管支炎またはそれに関連する呼吸困難気腫ならびにその他の薬物治療、特に、その他の吸入薬物治療の結果である気道過敏性の増悪が含まれる。本発明はまた、例えば、急性、アラキジン酸性、カタル性クループ性、慢性または結核性気管支炎を含むいずれのタイプまたは起源の気管支炎の処置にも適用可能である。

0032

本明細書に示される結果に基づけば、本発明は、培養細胞において、また、対象、例えば哺乳類、例えばヒトにおいて、α−ENaC発現を低下させるiRNA剤を提供する。
表1A〜1Dは、表Aに示される標準的な命名省略形に基づき、α−ENaCを標的とする例示的iRNA剤を示す。

0033

表1Aの配列番号305〜608、表1Bおよび表1Dの配列番号1519〜1644は、3'末端と末端から2番目チミジン間の1つのホスホロチオエート結合の他には、ヌクレオチド修飾を含まないsiRNAを挙げたものである。表1A〜1Dの残りの配列番号は、センス鎖では、ピリミジン塩基を含む全ヌクレオチドが2'−O−メチル修飾ヌクレオチドであり、アンチセンス鎖では、5'−ua−3'の配列構成の全ウリジンならびに5'−ca−3'の配列構成の全シチジンが2'−O−メチル修飾ヌクレオチドであるsiRNAを挙げたものである。

0034

これらの結果に基づき、本発明は特に、表1A〜1Dに示される薬剤のセンス鎖配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを有するセンス鎖と、表1A〜1Dに示される薬剤のアンチセンス配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチドを有するアンチセンス鎖を含むiRNA剤を提供する。

0035

表1A〜1Dに示されるiRNA剤は、標的配列と相補的または同一の、19ヌクレオチド長の二鎖および3'−TTオーバーハングからなる。本発明は、これらの配列に由来する少なくとも15個または少なくとも16個、17個もしくは18個もしくは19個の連続するヌクレオチドを含む薬剤を提供する。しかしながら、これらの長さは最適である可能性があるが、iRNA剤はこれらの長さに限定されるものではない。当業者ならば、ある長さの範囲内で、有効性は鎖長よりもむしろヌクレオチド配列に関わるので、より長い、またはより短いiRNA剤も同様に有効であり得ることを十分に知っている。例えば、Yang, et al., PNAS 99:9942-9947 (2002)は、21〜30塩基対の長さのiRNA剤では同等の有効性であることを証明している。他にも、およそ15塩基対の長さにまで減らしたiRNA剤により遺伝子の有効なサイレンシングが示されている(Byrom, et al., “Inducing RNAi with siRNA Cocktails Generated byRNaseIII” Tech Notes 10(1), Ambion, Inc., Austin, TX)。

0036

よって、表1A〜1Dに示される配列の1つに由来するiRNA剤の作製のために、表1A〜1Dに示される配列から15〜19個の間のヌクレオチドの部分配列を選択することが可能であり、本発明により意図される。あるいは、表1A〜1Dに示される配列の1つ、またはこれらの薬剤の1つに由来する15個の連続するヌクレオチドを含む薬剤に、必ずしも必要ではないが好ましくは、付加されるヌクレオチドが例えばα−ENaCなどの標的遺伝子の個々の配列と相同となるように、1個または数個のヌクレオチドを付加することもできる。例えば、これらの薬剤の1つに由来する最初の15ヌクレオチドを、α−ENaCmRNAにおいてこれらの配列の5'側に見られる8ヌクレオチドと組み合わせて、センス鎖およびアンチセンス鎖に23ヌクレオチドを有する薬剤を得ることができる。このような誘導iRNA剤は全て、それらが培養ヒト細胞においてα−ENaC複製阻害能を本質的に保持している限り、本発明のiRNA剤に含まれる。

0037

iRNA剤のアンチセンス鎖は、14、15、16、17、18、19、25、29、40または50ヌクレオチド長以上でなければならない。それは60、50、40または30ヌクレオチド長以下でなければならない。好ましい範囲は15〜30、17〜25、19〜23および19〜21ヌクレオチド長である。

0038

iRNA剤のセンス鎖は、14、15、16、17、18、19、25、29、40または50ヌクレオチド長以上でなければならない。それは60、50、40または30ヌクレオチド長以下でなければならない。好ましい範囲は15〜30、17〜25、19〜23および19〜21ヌクレオチド長である。

0039

iRNA剤の二本鎖部分は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40または50ヌクレオチド対以上の長さでなければならない。それは60、50、40または30ヌクレオチド対以下の長さでなければならない。好ましい範囲は15〜30、17〜25、19〜23および19〜21ヌクレオチド対の長さである。

0040

一般に、本発明のiRNA剤は、そのiRNA剤またはそのフラグメントがα−ENaC遺伝子のダウンレギュレーションを媒介し得るに十分α−ENaCmRNAと相同であり、そしてヌクレオチドの観点で十分な長さの領域を含む。iRNA剤と標的遺伝子の間に完全な相補性がある必要はないが、その一致は、iRNA剤またはその切断産物が例えばα−ENaC mRNAのRNAi切断により配列特異的サイレンシングを指令できるよう十分なものでなければならない。

0041

よって、本発明のiRNA剤は、培養ヒト細胞におけるα−ENaC発現を阻害する能力を本質的に保持しながら、一鎖当たりにそれぞれ1個、2個または3個を超えないヌクレオチドが他のヌクレオチドにより置換(例えば、アデノシンがウラシルで置換)されていること以外は表1A〜1Dの配列の1つと、以下に定義されるように本質的に同一である少なくとも16個、17個または18個のヌクレオチドの配列をそれぞれ含むセンス鎖とアンチセンス鎖を含む。よって、これらの薬剤は、標的α−ENaC配列に対して、またはセンス鎖とアンチセンス鎖の間に1個、2個または3個の塩基のミスマッチが導入されていること以外は、表1A〜1Dの配列の1つと同一である少なくとも15個のヌクレオチドを有する。特にアンチセンス鎖においては、標的α−ENaCRNA配列に対するミスマッチは、その末端領域において最も許容性が高く、存在する場合には、末端領域、例えば、5'および/または3'末端の6、5、4または3ヌクレオチド以内に存在するのが好ましく、センス鎖の5'末端またはアンチセンス鎖の3'末端の6、5、4または3ヌクレオチド以内に存在するのが最も好ましい。センス鎖は、分子の全体的二本鎖特徴を維持するのに十分アンチセンス鎖と相補的でありさえすればよい。

0042

センス鎖およびアンチセンス鎖は、iRNA剤が分子の一方または双方の末端に一本鎖または不対領域を含むように選択されることが好ましい。よって、iRNA剤は、好ましくは、オーバーハング、例えば1または2個の5'または3'オーバーハング、好ましくは、2〜3ヌクレオチドの3'オーバーハングを含むように対合したセンス鎖とアンチセンス鎖を含む。ほとんどの態様は3'オーバーハングを有する。好ましいiRNA剤は、iRNA剤の一方または双方の末端に、1〜4または好ましくは2もしくは3ヌクレオチド長の一本鎖オーバーハング、好ましくは3'オーバーハングを有する。これらのオーバーハングは、一方の鎖が他方よりも長いためか、または同じ長さの2本の鎖が互い違いになっているためであり得る。オーバーハングを形成する不対ヌクレオチドはリボヌクレオチドであり得るか、またはデオキシリボヌクレオチド、好ましくはチミジンであり得る。5'末端は好ましくはリン酸化され、またはリン酸化されていなくてもよい。

0043

この二本鎖領域に好ましい長さは、15〜30ヌクレオチド長の間、最も好ましくは、18、19、20、21、22および23ヌクレオチド長、例えば上述のsiRNA剤の範囲である。siRNA剤は長鎖dsRNA由来の天然ダイサープロセシング産物(Dicer processed products)と長さおよび構造を模倣できる。siRNA剤の二鎖が連結、例えば、共有結合している態様も含まれる。必要な二本鎖領域をもたらすヘアピンまたはその他の一本鎖構造および好ましくは3'オーバーハングも本発明の範囲内である。

0044

候補iRNA剤の評価
上述の通り、本発明は、α−ENaCの阻害剤として有用なsiRNAを同定するための系を提供する。上述の通り、shRNAは細胞内でプロセシングされてshRNAの基幹構造と同じ配列を有する二本鎖部分を有するsiRNAをもたらすため、この系はα−ENaCの阻害剤として有用なshRNAを同定するのにも等しく有用である。説明のために、この章ではsiRNAについて述べるが、この系は対応するshRNAも包含する。具体的には、本発明は、α−ENaC活性の阻害を標的とするsiRNAの作製の成功を示す。本明細書に記載されている技術および試薬は、他の遺伝子または遺伝子領域を標的とする可能性のある新規なsiRNAを設計するために容易に適用し、本明細書に記載の通りα−ENaCの阻害におけるそれらの活性を試験することができる。

0045

本発明の種々の態様では、可能性のあるα−ENaC阻害剤を、候補siRNAを細胞に(例えば、外的投与によるか、またはsiRNAの内的合成を指令するベクターもしくは構築物を細胞に導入することによる)、または肺もしくは鼻腔投与により実験動物に導入することによって、内的α−ENaC発現の抑制に関して試験することができる。あるいは、可能性のあるα−ENaC阻害剤は、α−ENaC−発現プラスミドとともに候補siRNAの一時的同時トランスフェクションによりin vitroで試験することもできる。
その後、候補siRNAの、標的転写物レベルを低下させる、および/または上皮電位差または気道表面液体吸収などのα−ENaC活性の1個以上の側面または特徴を阻害または抑制する能力を評価する。

0046

発明のsiRNA組成物が送達された細胞または実験動物(試験細胞/動物)を、本発明の組成物を受容していない類似のまたは同等な細胞または実験動物(対照細胞/動物、例えば、siRNAを受容していないか、または緑色蛍光タンパク質(GFP)などの非内因性転写物を標的とするsiRNAのような対照siRNAを受容した細胞/動物)と比較することができる。本発明のsiRNAが試験細胞タイプ/種との配列交差反応性を有するならば、試験細胞/動物のイオン輸送表現型を対照細胞/動物の表現型と比較できる。
α−ENaCタンパク質および短絡電流(in vitroまたはex vivo)の生産を、試験細胞/動物と対照細胞/動物とで比較してもよい。ex vivo上皮電位差またはin vivo粘膜絨毛(mucocilliary)クリアランスまたは全身磁気共鳴画像法(MRI)を含むα−ENaC活性の他の特徴も同様に比較することができる。一般に、試験細胞/動物および対照細胞/動物は同種のものであり、細胞では、類似または同一の細胞タイプのものである。例えば、同じ細胞系統に由来する細胞を比較することができる。試験細胞が一次細胞である場合には、一般に、対照細胞も一次細胞である。

0047

例えば、候補siRNAのα−ENaC活性阻害能は好都合には、(i)候補siRNAを細胞に送達すること、(ii)α−ENaCmRNAの発現レベルを内的に発現される対照遺伝子に対して評価すること、(iii)siRNAの存在下で生じたin vitro細胞モデルアミロライド感受性電流をsiRNAの不在下で生じた量と比較することによって決定することができる。このアッセイは、α−ENaC活性に間接的に影響を及ぼし得るすべての標的転写物を標的とするsiRNAの試験にも使用可能であり、ENaCチャネルサブユニットをコードする転写物を標的とするsiRNAに限定されない。

0048

候補siRNAの、標的転写物のレベルを低下させる能力は、例えば、ノーザンブロット、ヌクレアーゼ保護アッセイ、プローブハイブリダイゼーション、逆転写(RT)−PCRリアルタイムRT−PCR、マイクロアレイ分析などを用いて標的転写物の量を測定することにより評価することができる。候補siRNAの、標的転写物によりコードされるポリペプチドの産生を阻害する(転写レベルまたは転写後レベルのいずれかにおいて)能力は、限定されるものではないが、ウエスタンブロットイムノアッセイELISAフローサイトメトリータンパク質マイクロアレイなどを含む種々の抗体に基づくアプローチを用いて測定することができる。一般に、標的転写物または標的転写物によりコードされるポリペプチドのいずれかの量を測定する方法が使用可能である。

0049

一般に、特定の好ましいα−ENaC iRNA阻害剤は、標的転写物レベルを、その阻害剤の不在下で(例えば、その阻害因子欠く同等な対照細胞において)呈されるレベルに対し、少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約4倍、より好ましくは少なくとも約8倍、少なくとも約16倍、少なくとも約64倍またはそれ以上の程度まで低下させる。
一般に、特定の好ましいα−ENaC iRNA阻害剤は、阻害剤を含まない対照細胞よりも阻害剤を含む細胞で活性が少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約4倍、より好ましくは少なくとも約8倍、少なくとも約16倍、少なくとも約64倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍またはいっそう高い程度で低くなるほどENaCチャネル活性を阻害する。

0050

特定の好ましいα−ENaC iRNA阻害剤は、ENaCチャネル活性をsiRNAの投与および細胞の感染後、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、少なくとも96時間、少なくとも120時間、少なくとも144時間または少なくとも168時間阻害する。特定の好ましいα−ENaC阻害剤は、α−ENaC活性を、siRNAの投与後少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間または少なくとも60時間阻止する(すなわち、検出不能なレベルにまで低下させる)または有意に低下させる。本発明の種々の態様によれば、α−ENaC活性の有意な低下は、siRNAの不在下で生じるレベルのおよそ90%未満への低下、siRNAの不在下で生じるレベルのおよそ75%未満への低下、siRNAの不在下で生じるレベルのおよそ50%未満への低下、siRNAの不在下で生じるレベルのおよそ25%未満への低下、またはsiRNAの不在下で生じるレベルのおよそ10%未満への低下である。α−ENaC活性の低下は、限定されるものではないが、in vitroにおけるアミロライド感受性の短絡電流測定、ex vivoにおける上皮電位差またはin vivoにおける粘膜絨毛(mucocilliary)クリアランスまたは全身/肺MRIを含む好適ないずれの方法を用いて測定してもよい。

0051

iRNA剤の安定性試験、修飾および再試験
候補iRNA剤は、安定性、例えば、そのiRNA剤が対象の体内に導入されたときなどのエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼによる切断に対するその感受性に関して評価することができる。修飾、特に切断、例えば対象の体内に見られる成分による切断に対して感受性のある部位を同定するための方法を使用することができる。このような方法は、例えば血清血漿、痰、脳脊髄液または細胞もしくは組織ホモジネートなどの単離されたin vitro生物媒体とともにインキュベートした後に、またはin vivoにおいて対象を候補iRNA剤と接触させた後に候補iRNA剤の分解により形成される最も豊富なフラグメントの単離および同定、それによる切断を受けやすい部位の同定を含む。このような方法は例えば、限定されるものではないが、2005年5月27日出願の国際特許出願公報WO2005115481の中にある。

0052

切断感受性のある部位が同定されれば、例えば、切断部位への2'−修飾、例えば2'−O−メチル基の導入により、その可能性のある切断部位が切断耐性となる、さらなるiRNA剤を設計および/または合成することができる。このさらなるiRNA剤を安定性に関して再試験することができ、iRNA剤が所望の安定性を示すことが判明するまでこのプロセスを繰り返せばよい。

0053

in vivo試験
α−ENaC遺伝子発現を阻害し得ることが確認されたiRNA剤を動物モデル(例えば、マウス、ラット、モルモットまたは霊長類などの哺乳類)でin vivo機能性に関して試験することができる。例えば、iRNA剤を動物に投与し、そのiRNA剤をその生体分布、安定性およびそのα−ENaC発現阻害能またはα−ENaCにより少なくとも部分的に媒介される生物プロセスまたは病理プロセスを調節する能力に関して評価することができる。

0054

iRNA剤は注射によるなど、標的組織に直接投与することもできるし、またはiRNA剤はヒトに投与する場合と同様にして動物モデルに投与することができる。好ましくは、iRNA剤は、鼻腔内投与、吸入または気管内投与などにより、対象の気道に送達される。

0055

iRNA剤はまたその細胞内分布に関して評価することもできる。この評価は、iRNA剤が細胞に取り込まれたどうかを判定することを含み得る。この評価はまた、iRNA剤の安定性(例えば半減期)を判定することも含み得る。in vivoにおけるiRNA剤の評価は、追跡可能なマーカー(例えば、フルオレセインなどの蛍光マーカー;35S、32P、33Pまたは3Hなどの放射性標識金粒子;または免疫組織化学用の抗原粒子)とコンジュゲートしたiRNA剤を用いることで容易にすることができる。

0056

iRNA剤は、α−α−ENaC発現をダウンレギュレーションするその能力に関して評価することができる。in vivoにおけるα−ENaC遺伝子発現のレベルは例えばin situハイブリダイゼーションにより、またはiRNA剤曝露前後の組織からのRNAの単離により測定することができる。組織を採取するために動物を犠牲にする必要がある場合には、非処置対照動物を比較に用いる。α−ENaC RNAは、限定されるものではないが、RT−PCR、ノーザンブロット、分岐DNAアッセイまたはRNAアーゼ保護アッセイを含むいずれの所望の方法によっても検出可能である。その代わりに、またはその上に、α−ENaC遺伝子発現を、ウエスタンブロット分析またはiRNA剤で処理した組織抽出物に対する免疫染色を行うことでモニタリングすることができる。

0057

可能性のあるα−ENaC阻害剤は、開発された種々の動物モデルのいずれを用いても試験可能である。候補siRNA、宿主細胞内でこのようなsiRNAの合成を指令することができる構築物もしくはベクター、または候補siRNAを含むように加工もしくは操作された細胞を含む組成物を動物に投与することができる。この組成物の、α−ENaC発現を抑制する、および/またはENaC依存性表現型を改変する、および/または可能性のあるα−ENaC阻害剤を受容してない動物に比べてそれらの重篤度を緩和する能力を評価する。このような方法には、限定されるものではないが、ENaC依存性表現型についてマウス、ラット、モルモット、ヒツジおよび非ヒト霊長類モデルが含まれ、これらは全て当技術分野で公知であり、可能性のあるα−ENaC治療薬の有効性を試験するために用いられる。

0058

候補となる治療用siRNA剤を同定するために発明された系を用い、好適な治療薬がDuplex識別名ND-8302、ND-8332、ND-8348、ND-8356、ND-8357、ND-8373、ND-8381、ND-8396、ND-8450およびND-8453から、より好適にはND-8356、ND-8357およびND-8396から選択される。

0059

iRNAの化学
本明細書では、単離されたiRNA剤、例えば、α−ENaC遺伝子の発現を阻害するためのRNAiを媒介するdsRNA剤を記載する。

0060

本明細書で述べられるRNA剤には、それ以外の点では修飾されていないRNAならびに例えば有効性を改良するために修飾されたRNAおよびヌクレオシドサロゲートのポリマーが含まれる。非修飾RNAは、核酸の成分、すなわち、糖、塩基およびリン酸部分が天然に見られるものと、好ましくは、ヒト体内に天然に見られるものと同じまたは本質的に同じである分子を指す。この用語は、稀なまたは通常ではないが、天然に存在する修飾RNAとしてのRNAを指している(例えば、Limbach et al. Nucleic AcidsRes. 22: 2183-2196, 1994参照)。しばしば修飾RNAと呼ばれる(明らかに、それらは一般に転写後修飾の結果であるため)このような稀なまたは通常でないRNAは、本明細書で用いる非修飾RNAという用語の範囲内にある。本明細書において修飾RNAは、核酸の1個以上の成分、すなわち、糖、塩基およびリン酸部分が天然に見られるものとは異なる、好ましくはヒト体内に見られるものとは異なる分子を指す。それらは修飾「RNA」と呼ばれるが、もちろん修飾のためにRNAではない分子も含む。ヌクレオシドサロゲートは、リボリン酸主鎖が、塩基を適正な空間関係で提供可能とする非リボリン酸構築物で置換され、その結果、ハイブリダイゼーションがリボリン酸主鎖で見られるものと実質的に同様となった分子(例えば、リボリン酸主鎖の非電荷ミミックス)である。上記の例を本明細書で述べる。

0061

本明細書に記載されている修飾は、本明細書に記載されている二本鎖RNAおよびRNA様分子、例えばiRNA剤のいずれに組み込むこともできる。iRNA剤のアンチセンスおよびセンス鎖の一方または双方を修飾することが望まれることがある。核酸はサブユニットまたはモノマーのポリマーであるので、下記の修飾の多くは核酸内で繰り返される部分に存在する(例えば、塩基またはリン酸部分またはリン酸部分の非連結酸素の修飾)。
いくつか場合には、修飾は核酸の全ての対象位置に存在するが、多くの場合、実際にはほとんどの場合には、そうでない。例として、修飾は3'または5'末端の位置にのみ存在してもよいし、末端領域、例えば、末端ヌクレオチドまたは鎖の最後の2、3、4、5もしくは10ヌクレオチドの位置のみに存在してもよい。修飾は二本鎖領域に存在しても、一本鎖領域に存在しても、またはその双方であってもよい。例えば、非連結O位におけるホスホロチオエート修飾は一方または双方の末端のみに存在してもよく、末端領域、例えば、末端ヌクレオチドまたは鎖の最後の2、3、4、5もしくは10ヌクレオチドの位置のみに存在してもよく、あるいは二本鎖および一本鎖領域、特に末端に存在してもよい。同様に、修飾はセンス鎖、アンチセンス鎖または双方に存在し得る。いくつかの場合では、センス鎖とアンチセンス鎖は同じ修飾または同じ種類の修飾を有するが、他の場合では、センス鎖とアンチセンス鎖は異なる修飾を有し、例えばいくつかの場合では、一方の鎖、例えばセンス鎖のみを修飾することが望まれる場合がある。

0062

iRNA剤への修飾の導入のための2つの主要な目的は、生体環境における分解に対するそれらの安定化と薬理学的特性、例えば、薬力学的特性の改良(以下で詳しく述べる)である。iRNA剤の糖、塩基または主鎖に対する他の好適な修飾は、2004年1月16日出願のPCT出願番号PCT/US2004/01193に記載されている。iRNA剤は、2004年4月16日出願のPCT出願番号PCT/US2004/011822に記載されている塩基などの非天然塩基を含み得る。iRNA剤は、非炭水化物環式担体分子などの非天然糖も含み得る。iRNA剤で用いるための非天然糖の特徴の例は、2003年4月16日出願のPCT出願番号PCT/US2004/11829に記載されている。

0063

iRNA剤は、ヌクレアーゼ耐性を増強するのに有用なヌクレオチド間結合(例えば、キラルホスホロチオエート結合)を含み得る。それに加えて、またはその代わりに、iRNA剤は、ヌクレアーゼ耐性の増強するためのリボースミミックを含み得る。ヌクレアーゼ耐性を増強するためのヌクレオチド間結合およびリボースミミックの例は、2004年3月8日出願のPCT出願番号PCT/US2004/07070に記載されている。

0064

iRNA剤は、オリゴヌクレオチド合成のためにリガンドコンジュゲートモノマーサブユニットおよびモノマーを含み得る。モノマーの例は2004年8月10日出願の米国出願番号10/916,185に記載されている。

0065

iRNA剤は、2004年3月8日出願のPCT出願番号PCT/US2004/07070に記載されているものなどのZXY構造を有し得る。

0066

iRNA剤は、両親媒性部分と複合体を形成させることができる。iRNA剤とともに用いるための両親媒性部分の例は、2004年3月8日出願のPCT出願番号PCT/US2004/07070に記載されている。

0067

別の態様では、iRNA剤はモジュール複合体(modular complex)を特徴とする送達剤と複合体を形成することができる。この複合体は、(a)縮合剤(例えば、イオン的または静電気的相互作用を介して核酸を誘引し得る、例えば結合し得る薬剤);(b)融合誘導因子(例えば、融合および/または細胞膜を経た輸送が可能な薬剤);および(c)標的基、例えば、細胞または組織標的化薬剤、例えば、レクチン糖タンパク質、脂質または特殊な細胞種と結合するタンパク質、例えば抗体のうち1個以上(好ましくは2個以上、より好ましくは3個全て)と連結された担体剤を含み得る。送達剤と複合体を形成したiRNA剤は、2004年3月8日出願のPCT出願番号PCT/US2004/07070に記載されている。

0068

iRNA剤は、iRNA二本鎖のセンス配列とアンチセンス配列の間などに非標準対合を有し得る。非標準iRNA剤の特徴の例は、2004年3月8日出願のPCT出願番号PCT/US2004/07070に記載されている。

0069

ヌクレアーゼ耐性の増強
iRNA剤、例えば、α−ENaCを標的とするiRNA剤は、増強されたヌクレアーゼ耐性を有し得る。

0070

耐性を増強する1つの方法は、2004年5月4日出願の米国出願番号60/559,917に記載されている通り、切断部位を同定し、そのような部位を切断を阻害するように改変することである。例えば、ジヌクレオチド5'−ua−3'、5'−ca−3'、5'−ug−3'、5'−uu−3'または5'−cc−3'は切断部位として使用され得る。特定の態様では、iRNA剤の全てのピリミジンはセンス鎖、アンチセンス鎖または両鎖において2'−修飾を有し、従って、このiRNA剤は増強されたエンドヌクレアーゼ耐性を有する。ヌクレアーゼ耐性の増強はまた、2005年5月27日出願の国際出願番号PCT/US2005/01893に記載されている通り、5'ヌクレオチドを修飾して、例えば、少なくとも1つの5'−ウリジン−アデニン−3'(5'−ua−3')ジヌクレオチド(ここで、ウリジンは2'−修飾ヌクレオチドである);少なくとも1つの5'−シチジン−アデニン−3'(5'−ca−3')ジヌクレオチド(ここで、5'−シチジンは2'−修飾ヌクレオチドである);少なくとも1つの5'−ウリジン−グアニン−3'(5'−ug−3')ジヌクレオチド(ここで、5'−ウリジンは2'−修飾ヌクレオチドである);少なくとも1つの5'−ウリジン−ウリジン−3'(5'−uu−3')ジヌクレオチド(ここで、5'−ウリジンは2'−修飾ヌクレオチドである);または少なくとも1つの5'−シチジン−シチジン−3'(5'−cc−3')ジヌクレオチド(ここで、5'−シチジンは2'−修飾ヌクレオチドである)を得ることにより達成することができる。iRNA剤は、このようなジヌクレオチドを少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも5つ含み得る。特に好ましい態様では、センス鎖、アンチセンス鎖または両鎖における配列モチーフ5'−ua−3'および5'−ca−3'の全ての場合において5'ヌクレオチドは修飾ヌクレオチドである。好ましくは、センス鎖、アンチセンス鎖または両鎖における配列モチーフ5'−ua−3'、5'−ca−3'および5'−ug−3'の全ての場合において5'ヌクレオチドは修飾ヌクレオチドである。より好ましくは、センス鎖における全てのピリミジンヌクレオチドは修飾ヌクレオチドであり、アンチセンス鎖における配列モチーフ5'−ua−3'および5'−ca−3'の全ての場合において5'ヌクレオチドは修飾ヌクレオチドであり、または配列モチーフ5'−ug−3'の全ての場合においてアンチセンス鎖は5'−ua−3'および5'−ca−3'モチーフのいずれも含まない。

0071

好ましくは、2'−修飾ヌクレオチドは、例えば、2'−修飾リボースユニットを含み、例えば、2'−ヒドロキシル基(OH)はいくつかの異なる「オキシ」または「デオキシ置換基で修飾または置換することができる。

0072

「オキシ」−2'ヒドロキシル基修飾の例としては、アルコキシまたはアリールオキシ(OR、例えば、R=H、アルキルシクロアルキルアリールアラルキルヘテロアリールまたは糖);ポリエチレングリコール(PEG)、O(CH2CH2O)nCH2CH2OR;2'ヒドロキシルが、例えばメチレン橋により同じリボース糖の4'炭素に接続されている「ロック」核酸(LNA);O−アミンおよびアミノアルコキシ、O(CH2)nアミン、(例えば、アミン=NH2;アルキルアミノジアルキルアミノヘテロシクリルアミノアリールアミノジアリールアミノヘテロアリールアミノまたはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミンポリアミノ)が挙げられる。メトキシエチル基(MOE)のみを含有するオリゴヌクレオチド(OCH2CH2OCH3、PEG誘導体)は強固なホスホロチオエート修飾で修飾されたものに匹敵するヌクレアーゼ安定性を示すことが注目される。

0073

「デオキシ」修飾は水素(すなわち、部分的dsRNAのオーバーハング部分に特に関連するものであるデオキシリボース糖);ハロ(例えば、フルオロ);アミノ(例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノまたはアミノ酸);NH(CH2CH2NH)nCH2CH2−アミン(アミン=NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノまたはジヘテロアリールアミノ)、−NHC(O)R(R=アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖)、シアノ;メルカプト;アルキル−チオ−アルキル;チオアルコキシ;およびアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニルおよびアルキニル(所望によりアミノ官能基で置換されていてもよい)を含む。

0074

好ましい置換基は2'−メトキシエチル、2'−OCH3、2'−O−アリル、2'−C−アリルおよび2'−フルオロである。

0075

オリゴヌクレオチド主鎖にフラノース糖を含めることも、エンドヌクレアーゼによる切断を低下させ得る。iRNA剤は3'陽イオン基を含ませることにより、または3'末端において3'−3'結合を用いてヌクレオシドを逆転させることによりさらに修飾することができる。もう1つの選択肢において、3'末端をアミノアルキル基で遮断することができる(例えば、3' C5−アミノアルキルdT)。その他の3'コンジュゲートは3'−5'エキソヌクレアーゼによる切断を阻害することができる。特定の理論に縛られるものではないが、ナプロキセンまたはイブプロフェンなどの3'コンジュゲートは、エキソヌクレアーゼがオリゴヌクレオチドの3'末端に結合することを立体的に遮断することによりエキソヌクレアーゼによる切断を阻害することができる。短いアルキル鎖アリール基または複素環式コンジュゲートまたは修飾糖(D−リボース、デオキシリボース、グルコースなど)であっても3'−5'−エキソヌクレアーゼを遮断することができる。

0076

ヌクレアーゼによる切断はまたリン酸リンカー修飾、例えば、ホスホロチオエート結合の導入によっても阻害することができる。よって、好ましいiRNA剤は、通常は酸素によって占められている非架橋位にヘテロ原子を含む修飾リン酸基の特定のキラル形態に関して富化された、または純粋なヌクレオチドダイマーを含む。ヘテロ原子はS、Se、Nr2またはBr3であり得る。ヘテロ原子がSである場合、富化されたまたはキラル的に純粋なSp結合が好ましい。富化されたとは、少なくとも70%、80%、90%、95%または99%の好ましい形態を意味する。修飾リン酸結合は、iRNA剤の5'または3'末端位付近、好ましくは5'末端位に導入される場合、エキソヌクレアーゼによる切断の阻害に特に有効である。

0077

5'コンジュゲートもまた、5'−3'エキソヌクレアーゼによる切断を阻害することができる。特定の理論に縛られるものではないが、ナプロキセンまたはイブプロフェンなどの5'コンジュゲートは、エキソヌクレアーゼがオリゴヌクレオチドの5'末端に結合することを立体的に遮断することによりエキソヌクレアーゼによる切断を阻害し得る。短いアルキル鎖、アリール基または複素環式コンジュゲートまたは修飾糖(D−リボース、デオキシリボース、グルコースなど)であっても3'−5'−エキソヌクレアーゼを遮断することができる。

0078

iRNA剤は、二本鎖iRNA剤が少なくとも一方の末端に一本鎖ヌクレオチドオーバーハングを含むとき増強されたヌクレアーゼ耐性を持ち得る。好ましい態様では、ヌクレオチドオーバーハングは1〜4個、好ましくは2〜3個の不対ヌクレオチドを含む。好ましい態様では、末端ヌクレオチド対のすぐ隣にあるこの一本鎖オーバーハングの不対ヌクレオチドはプリン塩基を含み、この末端ヌクレオチド対はG−C対であるか、最後の4つの相補的ヌクレオチド対のうち少なくとも2つはG−C対である。さらなる態様では、ヌクレオチドオーバーハングは1または2個の不対ヌクレオチドを有してよく、例示的態様では、ヌクレオチドオーバーハングは5'−gc−3'である。好ましい態様では、ヌクレオチドオーバーハングはアンチセンス鎖の3'末端にある。一態様では、iRNA剤はアンチセンス鎖の3'末端にモチーフ5'−cgc−3'を含み、その結果、2−ntオーバーハング5'−gc−3'が形成される。

0079

よって、iRNA剤は、例えば、対象の体内に見られるヌクレアーゼ、例えば、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼによる分解を阻害するための修飾を含み得る。これらのモノマーを本明細書ではNRM、すなわち、ヌクレアーゼ耐性促進モノマー(Nuclease Resistance promoting Monomers)と呼び、対応する修飾をNRM修飾と呼ぶ。多くの場合では、これらの修飾は、例えば、タンパク質、例えば輸送タンパク質、例えば血清アルブミンまたはRISCメンバーと相互作用する能力、または第一の配列と第二の配列の、互いに二本鎖を形成する能力もしくは別の配列、例えば標的分子と二本鎖を形成する能力など、iRNA剤のその他の特性も同様に調節する。

0080

1種以上の異なるNRM修飾をiRNA剤に、またはiRNA剤の配列に導入することができる。NRM修飾は配列中、またはiRNA剤において1回を超えて使用することができる。

0081

NRM修飾には、末端にのみ置くことができるものと任意の位置で機能できるものが含まれる。NRM修飾にはハイブリダイゼーションを阻害できるものがあり、従って、末端領域でのみ使用することが好ましく、特にアンチセンス鎖では、それらを切断部位で、または対象配列または遺伝子を標的とする配列の切断領域内で使用しないことが好ましい。
それらは、センス鎖では、dsiRNA剤の二鎖間で十分なハイブリダイゼーションが維持される限り、どこに使用してもよい。いくつかの態様では、標的外サイレンシングを最小限にすることができるので、NRMをセンス鎖の切断部位または切断領域に置くことが望ましい。

0082

ほとんどの場合、NRM修飾は、それらがセンス鎖に含まれるかアンチセンス鎖に含まれるかによって違った分布がなされる。アンチセンス鎖上にある場合、エンドヌクレアーゼ切断と干渉する、または阻害する修飾は、RISC媒介切断を受ける領域、例えば、切断部位または切断領域に挿入すべきでない(出典明示により本明細書の一部とされるElbashir et al., 2001, Genes and Dev. 15: 188に記載の通り)。標的の切断は20または21ntのアンチセンス鎖の中程、またはアンチセンス鎖と相補的な標的mRNA上の最初のヌクレオチドの約10もしくは11ヌクレオチド上流で起こる。本明細書において切断部位とは、標的上、またはそれとハイブリダイズするiRNA剤鎖上の切断部位のいずれかの側にあるヌクレオチドを指す。切断領域とは、いずれかの配向の、切断部位(cleavagee site)の1、2または3ヌクレオチド内のヌクレオチドを意味する。

0083

このような修飾は、センス鎖またはアンチセンス鎖の末端領域、例えば、末端位または末端の2、3、4または5箇所に導入することができる。

0084

テザードリガンド(tethered ligands)
iRNA剤の特性(その薬理学的特性を含む)は、例えば、リガンド、例えばテザードリガンドの導入により影響を与え、調整することができる。さらに、iRNA剤の薬理学的特性は、iRNA剤の薬理学的特性は、iRNA剤がテザードリガンドを有するか、テザードリガンドをまさに有する(does have)かのいずれかの場合にiRNA剤の製剤にリガンドを組み込むことによって改善することができる。

0085

広範な物(entities)、例えばリガンドをiRNA剤につなぎ、あるいは例えばリガンドコンジュゲートモノマーサブユニットの担体に対する製剤コンジュゲートまたは添加剤として使用することができる。例はリガンドコンジュゲートモノマーサブユニットに関して以下に記載され、好ましいものに過ぎず、物はiRNA剤の他の位置にも結合させることができる。

0086

好ましい部分は、介在テザーを介して直接または間接的に担体に、好ましくは共有結合的に結合されるリガンドである。好ましい態様では、該リガンドは介在テザーを介して担体に結合される。リガンドまたはテザーリガンドは、そのリガンドコンジュゲートモノマーが成長中の鎖に組み込まれるときには、リガンドコンジュゲートモノマー上に存在してもよい。いくつかの態様では、該リガンドは、「前駆体」リガンドコンジュゲートモノマーサブユニットが成長中の鎖に組み込まれた後に、「前駆体」リガンドコンジュゲートモノマーサブユニットに組み込まれ得る。例えば、アミノ末端化テザー、例えばTAP−(CH2)nNH2を有するモノマーを成長中のセンスまたはアンチセンス鎖に組み込むことができる。次に、その後の操作において、すなわち、前駆体モノマーサブユニットを鎖に組み込んだ後に、親電子基、例えばペンタフルオロフェニルエステルまたはアルデヒド基を有するリガンドを、そのリガンドの親電子基を前駆体リガンドコンジュゲートモノマーサブユニットテザーの末端求核基と結合させることにより、前駆体リガンドコンジュゲートモノマーと結合させることができる。

0087

好ましい態様では、リガンドは、それが組み込まれるiRNA剤の分布、標的化または寿命を変化させる。好ましい態様では、リガンドは、例えばこのようなリガンドが存在しない種に比べて、選択される標的、例えば、分子、細胞もしくは細胞種、コンパートメント(例えば細胞もしくはまたは器官コンパートメント)、組織、器官または身体の領域に対する親和性の増強をもたらす。

0088

好ましいリガンドは、輸送、ハイブリダイゼーションおよび特異性特性を改善することができ、また、結果として生じた天然もしくは修飾オリゴリボヌクレオチドまたは本明細書に記載されているモノマーのいずれかの組合せを含むポリマー分子、および/または天然もしくは修飾リボヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を改善することもできる。

0089

リガンドは一般に、例えば取り込みの増進のための治療薬改質剤;例えば分布をモニタリングするための診断用化合物またはリポーター基;架橋剤;ヌクレアーゼ耐性付与部分;および天然または非通常核酸塩基を含み得る。一般例としては、親油性分子、脂質、レクチン、ステロイド(例えば、ウバオール、ヘシゲニン、ジゴスゲニン)、テルペン(例えば、トリテルペン、例えば、サルササポゲニンフリーリンエピフリーデラノール誘導化リトコール酸)、ビタミン、炭水化物(例えば、デキストランプルランキチンキトサン合成ポリマー(例えば、オリゴラクテート15マー)および天然ポリマー(例えば、低分子量および中分子量)ポリマー、イヌリンシクロデキストリンまたはヒアルロン酸)、タンパク質、タンパク質結合剤インテグリン標的分子、ポリカチオンペプチドポリアミンおよびペプチドミミックスが挙げられる。他の例としては、葉酸、またはトランスフェリンなどの上皮細胞受容体リガンドが挙げられる。

0090

リガンドは、天然または組換えまたは合成分子、例えば合成ポリマー、例えば合成ポリアミノ酸であり得る。ポリアミノ酸の例としては、ポリリジン(PLL)、ポリL−アスパラギン酸、ポリL−グルタミン酸スチレンマレイン酸無水コポリマー、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)コポリマー、ジビニルエーテル−マレイン酸無水コポリマー、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー(HMPA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ(2−エチルアクリル酸)、N−イソプロピルアクリルアミドポリマーまたはポリホスファジンが挙げられる。ポリアミンの例としては、ポリエチレンイミン、ポリリジン(PLL)、スペルミンスペルミジン、ポリアミン、擬似ペプチド−ポリアミン、ペプチドミメティックポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニンアミジンプロタミン、陽イオン部分、例えば陽イオン脂質、陽イオンポルフィリン、ポリアミンの第四級塩またはαヘリックスペプチドが挙げられる。

0091

リガンドとしては、標的化基、例えば、細胞または組織を標的とする薬剤、例えば、チロトロピンメラトロピン界面活性剤Aタンパク質、ムチン炭水化物、グリコシル化ポリアミノ酸、トランスフェリン、ビスホスホネートポリグルタミン酸ポリアスパラギン酸またはArg−Gly−Asp(RGD)ペプチドまたはRGDペプチドミメティックも含み得る。

0092

リガンドは、タンパク質、例えば、糖タンパク質、リポタンパク質、例えば、低密度リポタンパク質(LDL)、またはアルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)、またはペプチド、例えば、共リガンドに対して特異的親和性を有する分子、または抗体、例えば、癌細胞内皮細胞もしくは骨細胞などの特定の細胞種に結合する抗体であり得る。リガンドはまた、ホルモンおよびホルモン受容体を含んでもよい。それらは非ペプチド種、例えば、補因子、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン、多価マンノースまたは多価フコースも含み得る。

0093

リガンドは、例えば、細胞の細胞骨格崩壊させることにより、例えば、細胞の微小管マイクロフィラメントおよび/または中間径フィラメントを崩壊させることにより、細胞へのiRNA剤の取り込みを高めることのできる薬剤などの物質であり得る。この薬剤は例えば、タキソンビンクリスチンビンブラスチンサイトカラシン、ノコダゾール、ジャプラキノリド(japlakinolide)、ラトランクリン(latrunculin)A、ファロイジン(phalloidin)、スウィンライド(swinholide)A、インダノシン(indanocine)、ミオセルビン(myoservin)、テトラサイクリンであり得る。

0094

一態様において、リガンドは脂質または脂質系分子である。このような脂質または脂質系分子は血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン(HSA)に結合することが好ましい。HSA結合リガンドは、標的組織、例えば、肝臓実質細胞を含む肝臓組織へのコンジュゲートの分布を可能とする。HSAと結合し得る他の分子もリガンドとして使用することができる。例えば、ネプロキシンまたはアスピリンが使用可能である。脂質または脂質系リガンドは、(a)コンジュゲートの分解耐性を高め、(b)標的細胞または細胞膜への標的化または輸送を増大させ、かつ/または(c)血清タンパク質、例えばHSAへの結合を調節するために使用することができる。

0095

脂質系リガンドは、標的組織に対するコンジュゲートの結合を調節、例えば制御するために使用することができる。例えば、HSAに比較的強く結合する脂質または脂質系リガンドは腎臓を標的としにくく、従って、体内から排除されにくい。

0096

好ましい態様では、脂質系リガンドはHSAと結合する。好ましくは、それは、そのコンジュゲートが好ましくは非腎臓組織に分布するよう十分な親和性でHSAと結合する。
しかしながら、その親和性は、HSA−リガンド結合が逆転できないほど強いものではないことが好ましい。

0097

別の局面において、リガンドは、標的細胞、例えば増殖中の細胞によって取り込まれる部分、例えばビタミンまたは栄養素である。これらは、例えば悪性または非悪性型(例えば癌細胞)の望ましくない細胞増殖を特徴とする障害を処置するために特に有用である。
ビタミンの例としては、ビタミンA、EおよびKが挙げられる。ビタミンの他の例としては、ビタミンB、例えば、葉酸、B12、リボフラビンビオチンピリドキサールまたは癌細胞により取り込まれる他のビタミンまたは栄養素が挙げられる。

0098

別の局面において、リガンドは細胞浸透剤、好ましくはヘリックス細胞浸透剤である。
好ましくは、この薬剤は両親媒性である。薬剤の例としては、tatまたはアンテナペディア(antennapedia)などのペプチドがある。薬剤がペプチドである場合、それは、ペプチジルミメティックインバートマー(invertoma)、非ペプチドまたは擬似ペプチド結合、およびD−アミノ酸の使用を含め、修飾することができる。ヘリックス剤は好ましくは、親油相と疎油相を有するα−ヘリックス剤であるのが好ましい。細胞浸透剤はiRNA剤と共有結合させることもできるし、あるいはiRNA−ペプチド複合体の一部とすることもできる。

0099

5'−リン酸修飾
好ましい態様において、iRNA剤は5'リン酸化されているか、または5'プライム末端にホスホリル類似体を含む。アンチセンス鎖の5'−リン酸修飾は、RISC媒介遺伝子サイレンシング適合するものを含む。好適な修飾としては、5'−一リン酸((HO)2(O)P−O−5');5'−二リン酸((HO)2(O)P−O−P(HO)(O)−O−5');5'−三リン酸((HO)2(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5');5'−グアノシンキャップ(7−メチル化または非メチル化)(7m−G−O−5'−(HO)(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5');5'−アデノシンキャップ(Appp)、および任意の修飾または非修飾ヌクレオチドキャップ構造(N−O−5'−(HO)(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5');5'−一チオリン酸(ホスホロチオエート;(HO)2(S)P−O−5');5'−一ジチオリン酸(ホスホジチオエート;(HO)(HS)(S)P−O−5')、5'−ホスホロチオレート((HO)2(O)P−S−5');酸素/硫黄置換一リン酸、二リン酸および三リン酸の任意のさらなる組合せ(例えば、5'−α−チオ三リン酸、5'−γ−チオ三リン酸など)、5'−ホスホルアミデート((HO)2(O)P−NH−5'、(HO)(NH2)(O)P−O−5')、5'−アルキルホスホネート(R=アルキル=メチル、エチル、イソプロピルプロピルなど、例えば、RP(OH)(O)−O−5'−、(OH)2(O)P−5'−CH2−)、5'−アルキルエーテルホスホネート(R=アルキルエーテル=メトキシメチル(MeOCH2−)、エトキシメチルなど、例えば、RP(OH)(O)−O−5'−)が含まれる。

0100

センス鎖は、センス鎖を不活性化し、活性なRISCの形成を妨げ、それにより標的外効果を潜在的に軽減するようを修飾することができる。これは、例えば、5'−O−メチルリボヌクレオチドによる修飾など、センス鎖の5'−リン酸化を妨げる修飾により達成することができる(Nykanen et al., (2001)ATPrequirements and small interfering RNA structure in the RNA interference pathway. Cell 107, 309-321参照)。例えば、単に5'−OHをO−MeではなくHで置換することによるなど、リン酸化を妨げる他の修飾も使用可能である。あるいは、5'リン酸に大きな嵩高の基を付加し、それを回転させてホスホジエステル結合としてもよい。

0101

非天然核酸塩基
ニトロピロリルおよびニトロインドリルは、ユニバーサル塩基として知られる化合物種のメンバーである非天然核酸塩基である。ユニバーサル塩基は、オリゴヌクレオチド二本鎖の融解挙動または活性に実質的に影響を及ぼさずに4つの天然塩基のいずれかを置換することができる化合物である。天然核酸塩基に関連する安定化、水素結合相互作用とは対照的に、3−ニトロピロリル核酸塩基を含むオリゴヌクレオチド二本鎖が積層相互作用によって安定化されているに過ぎないと仮定される。ニトロピロリル核酸塩基との有意な水素結合相互作用が存在しないことで、特異的相補塩基に対する特異性が回避される。さらに、種々の報告から、4−、5−および6−ニトロインドリルが4つの天然塩基に対して極めて小さな特異性しか示さないことが確認される。興味深いことに、5−ニトロインドリルを含むオリゴヌクレオチド二本鎖は、4−ニトロインドリルおよび6−ニトロインドリルを含む対応するオリゴヌクレオチドよりも安定であった。1−(2'−O−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−ニトロインドール製造手順はGaubert, G.; Wengel, J. Tetrahedron Letters 2004, 45, 5629に記載されている。本発明に従う他のユニバーサル塩基としては、ヒポキサンニルイソイノシニル、2−アザ−イノシニル、7−デアザ−イノシニル、ニトロイミダゾリル、ニトロピラゾリル、ニトロベンズイミダゾリル、ニトロインダゾリル、アミノインドリルピロロピリミジニルおよびその構造的誘導体が挙げられる。合成手順を含め、ニトロピロリル、ニトロインドリルおよび上述のその他のユニバーサル塩基のより詳細な考察については、Vallone et al., Nucleic AcidsResearch, 27(17):3589-3596 (1999);Loakes et al., J. Mol. Bio., 270:426-436 (1997); Loakes et al., Nucleic Acids Research, 22(20):4039-4043 (1994); Oliver et al., Organic Letters, Vol. 3(13):1977-1980 (2001); Amosova et al., Nucleic Acids Research, 25(10):1930-1934 (1997); Loakes et al., Nucleic Acids Research, 29(12):2437-2447 (2001); Bergstrom et al., J. Am. Chem. Soc., 117:1201-1209 (1995); Franchetti et al., Biorg. Med. Chem. Lett. 11:67-69 (2001);およびNair et al., Nucelosides, Nucleotides & Nucleic Acids, 20(4-7):735-738 (2001)を参照。

0102

ジフルオロトリルは、ユニバーサル塩基として機能する非天然核酸塩基である。ジフルオロトリルは、天然核酸塩基チミン同配体である。チミンとは違い、ジフルオロトリルはいずれの天然塩基に対しても検知できる選択性を示さない。ユニバーサル塩基として機能し、かつ、本発明に従う他の芳香族化合物としては、4−フルオロ−6−メチルベンズイミダゾールおよび4−メチルベンズイミダゾールがある。さらに、比較的疎水性のイソカルボスチリリル誘導体3−メチルイソカルボスチリリル、5−メチルイソカルボスチリリルおよび3−メチル−7−プロピニルイソカルボスチリリルは、天然塩基だけを含むオリゴヌクレオチド配列に比べてオリゴヌクレオチド二本鎖のわずかな脱安定化を引き起こすだけのユニバーサル塩基である。本発明で意図される他の非天然核酸塩基としては、7−アザインドリル、6−メチル−7−アザインドリル、イミジゾピリジニル、9−メチル−イミジゾピリジニル、ピロロピリジニル、イソカルボスチリリル、7−プロピニルイソカルボスチリリル、プロピニル−7−アザインドリル、2,4,5−トリメチルフェニル、4−メチルインドリル、4,6−ジメチルインドリル、フェニルナフタレニルアントラセニル、フェナントラセニル、ピレニルスチルベニル、テトラセニル、パンタセニルおよびその構造的誘導体が挙げられる。合成手順を含め、ジフルオロトリル、4−フルオロ−6−メチルベンズイミダゾール、4−メチルベンズイミダゾールおよび上述のその他の非天然塩基のより詳細な考察については、Schweitzer et al., J. Org. Chem., 59:7238-7242 (1994); Berger et al., Nucleic AcidsResearch, 28(15):2911-2914 (2000); Moran et al., J. Am. Chem. Soc., 119:2056-2057 (1997); Morales et al., J. Am. Chem. Soc., 121:2323-2324 (1999); Guckian et al., J. Am. Chem. Soc., 118:8182-8183 (1996); Morales et al., J. Am. Chem. Soc., 122(6):1001-1007 (2000); McMinn et al., J. Am. Chem. Soc., 121:11585-11586 (1999); Guckian et al., J. Org. Chem., 63:9652-9656 (1998); Moran et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 94:10506-10511 (1997); Das et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans., 1:197-206 (2002); Shibata et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans., 1:1605-1611 (2001); Wu et al., J. Am. Chem. Soc., 122(32):7621-7632 (2000); O'Neill et al., J. Org. Chem., 67:5869-5875 (2002); Chaudhuri et al., J. Am. Chem. Soc., 117:10434-10442 (1995);および米国特許第6,218,108号参照。

0103

iRNA剤の細胞への輸送
特定の理論に縛られるものではないが、コレステロールコンジュゲートiRNA剤とリポタンパク質の特定の構成要素(例えば、コレステロール、コレステロールエステルリン脂質)の化学的類似性は、iRNA剤と血中のリポタンパク質(例えば、LDL、HDL)との会合および/またはiRNA剤と、コレステロールに対する親和性を有する細胞成分、例えば、コレステロール輸送経路の成分との相互作用をもたらし得る。リポタンパク質ならびにそれらの構成要素は細胞により、種々の能動的および受動的輸送機構、例えば、限定されるものではないが、LDL受容体結合LDLのエンドサイトーシススカベンジャー受容体Aとの相互作用を介した酸化またはそれ以外の修飾を受けたLDLエンドサイトーシス、肝臓におけるスカベンジャー受容体B1により媒介されるHDLコレステロールの取り込み、飲細胞作用またはABC(ATP結合カセット)輸送体タンパク質、例えば、ABC−A1、ABC−G1もしくはABC−G4による膜を介したコレステロール輸送によって処理される。従って、コレステロールコンジュゲートiRNA剤は、例えば肝臓細胞など、このような輸送機構を有する細胞によって助長される取り込みを享受し得る。本発明はそれ自体、iRNA剤を、例えば受容体などの特定の細胞表面成分を発現する細胞に標的化するための(このような成分(例えばコレステロール)の天然リガンドをiRNA剤にコンジュゲートさせるか、または化学部分(例えばコレステロール)を該成分(例えば、LDL、HDL)の天然リガンドと会合もしくは結合するiRNA剤にコンジュゲートさせることによる)根拠および一般法を提供する。

0104

他の態様
iRNA剤は、in vivoにおいて細胞で、例えば、細胞に送達された外因性DNA鋳型から産生させることができる。例えば、DNA鋳型はベクターに導入し、遺伝子治療ベクターとして使用することができる。遺伝子治療ベクターは、例えば、静注、局所投与(米国特許第5,328,470号)または定位注射(例えば、Chen et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:3054-3057, 1994参照)により対象に送達することができる。遺伝子治療ベクター医薬製剤許容される希釈液中の遺伝子治療ベクターを含むことができ、あるいは遺伝子送達ビヒクル包埋された徐放性マトリックスを含むことができる。例えばDNA鋳型は、iRNA剤のトップストランドを含む転写物を産生するものとiRNA剤のボトムストランドを含む転写物を産生スルものの2つの転写ユニットを含み得る。これらの鋳型が転写されると、iRNA剤は産生され、遺伝子サイレンシングを媒介するsiRNA剤フラグメントへとプロセシングされる。

0105

製剤
本発明はまた、本発明のdsRNA化合物を含む医薬組成物および製剤も含む。本発明の医薬組成物は、局所処置が望まれるか全身処置が望まれるか、および処置される領域によっていくつかの方法で投与することができる。投与は局所投与、肺投与(例えばネブライザーによるものを含む、例えば粉末またはエアゾールの吸入または吹送による)、気管内投与、鼻腔内投与、上皮および経皮投与経口投与または非経腸投与であり得る。非経腸投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内もしくは筋肉内注射もしくは注入;または頭蓋内、例えば、くも膜下腔内または脳室内投与が含まれる。

0106

局所投与用の医薬組成物および製剤としては、経皮パッチ軟膏ローションクリームゲル滴剤坐剤噴霧剤、液体および粉末を含み得る。従来の医薬担体水性、粉末または油性基剤増粘剤などが必要または望まれる場合がある。被覆されたコンドーム手袋なども有用であり得る。好ましい局所用製剤としては、本発明のdsRNAが脂質、リポソーム脂肪酸脂肪酸エステル、ステロイド、キレート剤および界面活性剤などの局所送達剤と混合されているものが含まれる。好ましい脂質およびリポソームとしては、中性(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンDOPE、ジミリストリルホスファチジルコリンDMPC、ジステアロイルホスファチジルコリン)、陰性(例えば、ジミリストリルホスファチジルグリセロール=DMPG)および陽性(例えば、ジオレオイルテトラメチルアミノプロピル=DOTAPおよびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン=DOTMA)、例えば、(+/−)−N−(3−アミノプロピル)−N,N−ジメチル−2,3−ビス(ドデシルオキシ)−1−プロパンアミニウムブロミド=GAP−DLRIE)が含まれる。本発明のdsRNAはリポソーム内封入してもよいし、あるいはそれらと、特に陽イオン性リポソームと複合体を形成させてもよい。あるいは、dsRNAは脂質、特に陽イオン性脂質と複合体を形成させてもよい。好ましい脂肪酸およびエステルとしては、限定されるものではないが、アラキドン酸オレイン酸エイコサン酸ラウリン酸カプリル酸カプリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸リノール酸リノレン酸、ジカプリン酸、トリカプリン酸、モノオレイン、ジラウリングリセリル1−モノカプリン酸、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチンアシルコリンまたはC1−10アルキルエステル(例えば、イソプロピルミリステートIPM)、モノグリセリドジグリセリドまたはその薬学上許容される塩が挙げられる。局所用製剤は、1999年5月20日出願の米国特許出願第09/315,298号に詳細に記載されており、これを出典明示によりそのまま本明細書に包含させる。

0107

経口投与用の組成物および製剤としては、粉末または顆粒マイクロ粒子ナノ粒子、水もしくは非水性媒体中の懸濁液もしくは溶液カプセル剤、ゲル、カプセル剤、サシェ剤、錠剤またはミニタブレットが含まれる。増粘剤、香味剤希釈剤乳化剤分散補助剤または結合剤が望まれる場合がある。好ましい経口製剤は、本発明のdsRNAが1以上の浸透促進剤、界面活性剤およびキレート剤と組み合わせて投与されるものである。好ましい界面活性剤としては、脂肪酸および/またはエステルまたはその塩、胆汁酸および/またはその塩が挙げられる。好ましい胆汁酸/塩としては、ケノデオキシコール酸(CDCA)およびウルソデオキシケノデオキシコール酸(UDCA)、コール酸デヒドロコール酸デオキシコール酸グルコール酸、グリコール酸グリコデオキシコール酸、タウロコール酸タウロデオキシコール酸、ナトリウムタウロ−24,25−ジヒドロ−フシデートおよびナトリウムグリコジヒドロフシデートが挙げられる。好ましい脂肪酸としては、アラキドン酸、ウンデカン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプリン酸、トリカプリン酸、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1−モノカプリン酸、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリンまたはモノグリセリド、ジグリセリドまたはその薬学上許容される塩(例えば、ナトリウム)が挙げられる。また、浸透促進剤の組合せ、例えば、脂肪酸/塩と胆汁酸/塩の組合せも好ましい。特に好ましい組合せは、ラウリン酸のナトリウム塩とカプリン酸およびUDCAである。さらなる浸透促進剤としては、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテルが挙げられる。本発明のdsRNAは、噴霧乾燥粒子を含む顆粒形態で経口送達してもよいし、あるいは複合体を形成させてミクロ粒子またはナノ粒子としてもよい。dsRNA複合体形成剤としては、ポリアミノ酸;ポリイミンポリアクリレートポリアルキルアクリレートポリオキシエタンポリアルキルシアノアクリレート陽イオン化ゼラチン、アルブミン、デンプンアクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)およびデンプン;ポリアルキルシアノアクリレート;DEAE誘導化ポリイミン、ポルランセルロースおよびデンプンが挙げられる。特に好ましい複合体形成剤としては、キトサン、N−トリメチルキトサン、ポリ−L−リシンポリヒスチジンポリオルニチン、ポリスペルミン、プロタミン、ポリビニルピリジン、ポリチオジエチルアミノメチルエチレンP(TDAE)、ポリアミノスチレン(例えば、p−アミノ)、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソヘキシルシアノアクリレート)、DEAE−メタクリレート、DEAE−ヘキシルアクリレート、DEAE−アクリルアミド、DEAE−アルブミンおよびDEAE−デキストラン、ポリメチルアクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(DL−乳酸−コ−グリコール酸(PLGA)、アルギネート、およびポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。dsRNAの経口製剤およびそれらの製法は、米国出願第08/886,829号(1997年7月1日出願)、第09/108,673号(1998年7月1日出願)、第09/256,515号(1999年2月23日出願)、第09/082,624号(1998年5月21日出願)および第09/315,298号(1999年5月20日出願)に記載されており、これらはそれぞれ引用することによりそのまま本明細書の一部とされる。

0108

経腸、くも膜下腔内または脳室内投与用の組成物および製剤は無菌水溶液を含んでよく、また、バッファー、希釈剤およびその他の好適な添加剤、例えば、限定されるものではないが、浸透促進剤、担体化合物およびその他の薬学上許容される担体または賦形剤も含み得る。

0109

本発明の医薬組成物としては、限定されるものではないが、溶液、エマルションおよびリポソーム含有製剤を含む。これらの組成物は、限定されるものではないが、既製の液体、自己乳化固体および自己乳化半固体を含む種々の成分から作製することができる。

0110

本発明の医薬製剤は、好都合には単位投与形で提供してもよく、製薬業界で周知の通常の技術に従って製造することができる。このような技術としては、有効成分を医薬担体または賦形剤と会合させるステップを含む。一般に、これらの製剤は、有効成分を液体担体または微粉固体担体またはその双方と均一かつ緊密に会合させた後、必要に応じて生成物成形することにより製造される。

0111

本発明の組成物は、限定されるものではないが、錠剤、カプセル剤、ゲルカプセル剤液体シロップソフトゲル、坐剤および浣腸などの、可能性のある多くの投与形のいずれにも調剤することができる。本発明の組成物はまた、水性、非水性または混合媒体中の懸濁液として調剤することもできる。水性懸濁液はさらに、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムソルビトールおよび/またはデキストランをはじめとする、懸濁液の粘度を増す物質を含んでもよい。懸濁液はまた安定剤を含んでもよい。

0112

本発明の一態様では、医薬組成物は泡沫として調剤し、使用してもよい。医薬泡沫としては、限定されるものではないが、エマルション、マイクロエマルション、クリーム、ゼリーおよびリポソームなどの製剤を含む。性質は基本的に類似するが、これらの製剤は最終産物の成分および粘稠度が異なる。このような組成物および製剤の製法は一般に製薬および調剤分野の当業者に知られており、本発明の組成物の製剤に適用することができる。

0113

エマルション
本発明の組成物はエマルションとして製造および調剤することができる。エマルションは一般に、一方の液体が他方の液体中に、通常は0.1μm径を超える液滴の形態で分散している不均一系である(Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199; Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., Volume 1, p. 245; Block in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 2, p. 335; Higuchi et al., in Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1985, p. 301)。エマルションは多くの場合、緊密に混合し、互いに分散した2つの不混和液体相を含む二相系である。一般に、エマルションは、油中水(w/o)または水中油(o/w)型のいずれかであり得る。水相が多量の油性相中に微粉となり、微細な液滴として分散している場合には、得られる組成物は油中水(w/o)エマルションと呼ばれる。あるいは、油相が多量の水相中に微粉となり、微細な液体として分散している場合には、得られる組成物は水中油(o/w)エマルションと呼ばれる。エマルションは、分散相の他、付加的成分および薬剤(水相もしくは油相中の溶液として、またはそれ自体別個の相として提供することができる)を含んでもよい。必要に応じて、乳化剤、安定剤、色素および抗酸化剤などの医薬賦形剤がエマルション中に存在してもよい。医薬エマルションはまた、例えば、油中水中油(o/w/o)および水中油中水(w/o/w)エマルションなどの2相を超える相からなる多重エマルションであってもよい。このような複合体製剤は多くの場合、単純な二相エマルションが提供できない特定の利点を提供する。o/wエマルションの個々の油滴が小さな水滴を封入している多重エマルションはw/o/wエマルションをなす。同様に、油性の連続相中で安定化された水の小球に封入された油滴の系は、o/w/oエマルションとなる。

0114

エマルションは熱力学的安定性がほとんど、または全く無いことを特徴とする。多くの場合、エマルションの分散相または不連続相は、外部相または連続相に良好に分散し、乳化剤の手段またはその製剤の粘度によってこの形態に維持される。エマルション型軟膏基剤およびクリームの場合のように、これらのエマルション相のいずれかは半固体または固体であってよい。エマルションを安定化する他の手段は乳化剤の使用を必要とし、これらの乳化剤はエマルションのいずれかの相に組み込むことができる。乳化剤は広く、合成界面活性剤天然乳化剤、吸収基剤および微細分散固体の4つのカテゴリーに分類することができる(Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199)。

0115

界面活性剤としても知られる合成界面活性剤はエマルションの製剤に広く適用可能であることが分かっており、文献に総説されている(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 285; Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., 1988, volume 1, p. 199)。
界面活性剤は一般に両親媒性であり、親水性部分と疎水性部分を含む。界面活性剤の親水性と疎水性の比率は親水性/親油性バランス(HLB)、製剤の製造において界面活性剤を分類および選択する際の有用なツールとなる。界面活性剤は親水基の性質に基づいて、非イオン性陰イオン性陽イオン性および両性の異なる種類に分類することができる(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 285)。

0116

エマルション製剤に用いられる天然に存在する乳化剤としては、ラノリン蜜蝋ホスファチドレシチンおよびアラビアガムが挙げられる。吸収基剤は親水性の特性を有し、従って、無水ラノリンおよび親水性ワセリンなどのように、水を吸収してw/oエマルションを形成してなお半固体粘稠度を保持することができる。微粉固体は、特に界面活性剤との組合せにおいて、また、粘稠な製剤において良好な乳化剤として使用されている。これらには、重金属水酸化物などの極性無機固体ベントナイトアタパルジャイトヘクトライトカオリンモンモリロナイトコロイドケイ酸アルミニウムおよびコロイドケイ酸マグネシウムアルミニウムなどの非膨潤性粘土顔料、ならびに炭素または三ステアリン酸グリセリルなどの非極性固体が含まれる。

0117

また、多様な非乳化材料もエマルション製剤に含まれ、エマルションの特性に寄与する。これらには脂肪、油、ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール脂肪エステル保湿剤親水性コロイド保存剤および抗酸化剤が含まれる(Block, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 335; Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199)。

0118

親水性のコロイドまたはヒドロコロイドとしては、多糖類(例えば、アラビアガム、寒天アルギン酸カラギーナングアーガムカラヤガムおよびトラガカントガム)、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシプロピルセルロース)などの天然ガムおよび合成ポリマー、ならびに合成ポリマー(例えば、カルボマーセルロースエーテルおよびカルボキシビニルポリマー)が含まれる。これらは水に分散するか、または水中で膨潤し、分散相の液滴の周囲に強固な界面フィルムを形成することにより、また、外部相の粘度を増すことによりエマルションを安定化するコロイド溶液を形成する。

0119

エマルションは多くの場合、微生物の増殖を容易に支持し得る炭水化物、タンパク質、ステロールおよびホスファチドなどのいくつかの成分を含むことから、これらの製剤には多くの場合、保存剤が配合されている。エマルション製剤に含まれる慣用保存剤としては、メチルパラベンプロピルパラベン第四級アンモニウム塩塩化ベンザルコニウムp−ヒドロキシ安息香酸エステルおよびホウ酸が挙げられる。エマルション製剤には、製剤の劣化を防ぐために一般に抗酸化剤も加えられる。用いられる抗酸化剤は、トコフェロール、アルキル没食子酸塩ブチル化ヒドロキシアニソールブチル化ヒドロキシトルエンなどのフリーラジカルスカベンジャー、またはアスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤、ならびにクエン酸酒石酸およびレシチンなどの抗酸化剤共力剤であり得る。

0120

皮膚、経口および非経腸経路によるエマルション製剤の適用およびそれらの製造方法は文献に総説されている(Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199)。
経口送達用のエマルション製剤は、製剤が容易なこと、ならびに吸収およびバイオアベイラビリティの観点からの有効性のために極めて広く用いられている(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 245; Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199)。o/wエマルションとして一般に経口投与されているものとしては、鉱油緩下薬脂溶性ビタミンおよび高脂栄養調製物がある。

0121

本発明の一態様では、dsRNAおよび核酸の組成物がマイクロエマルションとして製剤される。マイクロエマルションは、単一の光学的に等方性熱力学的に安定な液体溶液である水、油および両親媒性化合物の系として定義することができる(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 245)。一般にマイクロエマルションは、まず、界面活性剤水溶液に油を分散させ、次に、十分量の第四の成分、一般に中間的な鎖長のアルコールを加えて透明な系を形成させることにより作製される系である。よって、マイクロエマルションはまた、表面活性分子の界面フィルムにより安定化された2種類の不混和性の液体の熱力学的に安定で、等方性的に透明な分散物としても記載されている(Leung and Shah, in: Controlled Release of Drugs: Polymers and Aggregate Systems, Rosoff, M., Ed., 1989,VCH Publishers, New York, pages 185-215)。マイクロエマルションは一般に、油、水、界面活性剤、補助界面活性剤および電解質を含む3〜5種類の成分の組合せによって製造される。マイクロエマルションが油中水(w/o)であるか水中油(o/w)型であるかは、用いる油および界面活性剤の特性および界面活性剤分子の極性ヘッド炭化水素テールの構造および幾何学的充填によって異なる(Schott, in Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1985, p. 271)。

0122

位相図を用いる現象学的アプローチが広範に研究され、当業者にマイクロエマルションをいかに調製すればよいかという包括的知識をもたらしている(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 245; Block, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 335)。通常のエマルションに比べて、マイクロエマルションは自発的に形成される熱力学的に安定な液滴の製剤において水に不溶な薬剤を可溶化するという利点を与える。

0123

マイクロエマルションの製造に用いられる界面活性剤としては、限定されるものではないが、イオン性界面活性剤非イオン性界面活性剤、Brij 96、ポリオキシエチレンオレイルエーテルポリグリセロール脂肪酸エステルテトラグリセロールモノラウレート(ML310)、テトラグリセロールモノオレエート(MO310)、ヘキサグリセロールモノオレエート(PO310)、ヘキサグリセロールペンタオレエート(PO500)、デカグリセロールモノカプレート(MCA750)、デカグリセロールモノオレエート(MO750)、デカグリセロールセキオレエート(SO750)、デカグリセロールデカオレエート(DAO750)の単独または補助界面活性剤との組合せを含む。補助界面活性剤、通常にはエタノール1−プロパノールおよび1−ブタノールなどの短鎖アルコールは、界面活性剤フィルム浸透し、その結果、界面活性剤分子の周囲に生じる空隙のために不良フィルムを作り出すことにより界面の流動性を増すのに役立つ。しかしながら、マイクロエマルションは補助界面活性剤を用いずに製造してもよく、アルコール不含自己乳化マイクロエマルション系は当技術分野で公知である。水相は一般に、限定されるものではないが、水、薬剤水溶液、グリセロール、PEG300、PEG400、ポリグリセロールプロピレングリコールおよびエチレングリコール誘導体であり得る。油相は、限定されるものではないが、Captex 300、Captex 355、CapmulMCM、脂肪酸エステル、中鎖(C8−C12)モノ、ジおよびトリグリセリド、ポリオキシエチル化グリセリル脂肪酸エステル、脂肪アルコール、ポリグリコール化グリセリド飽和ポリグリコール化C8−C10グリセリド植物油およびシリコーンオイルなどの物質を含む。

0124

マイクロエマルションは薬剤の可溶化および薬剤の吸収の増強の観点から特に注目される。脂質系マイクロエマルション(o/wおよびw/oの双方)は、ペプチドを含む薬剤の経口バイオアベイラビリティを高めることが提示されている(Constantinides et al., Pharmaceutical Research, 1994, 11, 1385-1390; Ritschel, Meth. Find. Exp. Clin. Pharmacol., 1993, 13, 205)。マイクロエマルションは、薬剤可溶化の向上、酵素的加水分解からの薬剤の保護、界面活性剤により誘発される膜の流動性と浸透性の変化による薬剤吸収の増強の可能性、製造の容易さ、固体投与形に優る経口投与の容易さ、臨床効力の向上および毒性の軽減という利点を与える(Constantinides et al., Pharmaceutical Research, 1994, 11, 1385-1390; Ritschel, Meth. Find. Exp. Clin. Pharmacol., 1993, 13, 205)。多くの場合、マイクロエマルションは、それらの成分を周囲温度一緒にした際に自発的に形成され得る。これは熱不安定性の薬剤、ペプチドまたはdsRNAを調剤する際に特に有利であり得る。また、マイクロエマルションは、化粧適用および医薬適用の双方の有効生物の経皮送達にも有効となっている。本発明のマイクロエマルション組成物および製剤は消化管からのdsRNAおよび核酸の全身吸収を容易にし、ならびに消化管、口腔およびその他の投与領域内でのdsRNAおよび核酸の局部的細胞取り込みを向上させる。

0125

本発明のマイクロエマルションはまた、製剤の特性を改良するため、また、本発明のdsRNAおよび核酸の吸収を促進するために、モノステアリン酸ソルビタン(Grill 3)、らブラゾールおよび浸透促進剤などの付加的成分および添加剤を含んでもよい。本発明のマイクロエマルションに用いられる浸透促進剤は、界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート剤および非キレート非界面活性剤の5つの広いカテゴリーの1つに属するものとして分類することができる(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, p. 92)。これらの各種は上記に述べられている。

0126

リポソーム
研究され、薬剤の調剤に用いられているマイクロエマルションの他にも多くの組織化された界面活性剤構造がある。これらには、単層ミセル二層および小胞が含まれる。リポソームなどの小胞は、薬剤送達の観点からそれらが与える特異性および作用期間のために多大な関心が寄せられている。本発明において「リポソーム」とは、球状二層または二層に配置された両親媒性脂質からなる小胞を意味する。

0127

リポソームは、親油性物質から形成された膜と水性の内部を有する単層または多層の小胞である。この水性部分に送達される組成物が含まれる。陽イオン性リポソームは細胞壁と融合し得るという利点を有する。非陽イオン性リポソームは、細胞膜と効率的には融合できないが、in vivoにおいてマクロファージにより取り込まれる。

0128

無傷な哺乳類の皮膚を通過するために、脂質小胞は、好適な経皮勾配の影響下で、各50nm未満の径の一連の微細な孔を通過しなければならない。従って、変形性が高く、このような微細な孔を通過し得るリポソームを使用することが望ましい。

0129

リポソームのさらなる利点としては、天然リン脂質から得られたリポソームは生体適合性および生分解性があること;リポソームは広範な水溶性および脂溶性薬剤を組み込むことができること;リポソームはそれらの内部コンパートメントに封入された薬剤を代謝および分解から保護することが含まれる(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 245)。リポソーム製剤の製造において重要な観点は、脂質表面電荷、小胞サイズおよびリポソームの水性容積である。

0130

リポソームは、作用部位へ有効成分を輸送および送達するのに有用である。リポソーム膜生体膜と構造的に類似しているので、リポソームを組織に適用すると、リポソームが細胞膜と合体し始め、リポソームと細胞の合体が進行するにつれ、リポソームの内容物が細胞へ移り、そこで有効剤が作用し得る。

0131

リポソーム製剤は、多くの薬剤の送達様式として集中的な研究の対象となっている。局所投与では、リポソームは他の製剤に優るいくつかの利点をもたらすという証拠が増えている。このような利点としては、投与された薬剤の高い全身吸収に関連する副作用の軽減、投与された薬剤の所望の標的における蓄積の増大、ならびに親水性および疎水性双方の多様な薬剤を皮膚に投与することができることが挙げられる。

0132

いくつかの報告で、リポソームは高分子量DNAを含む薬剤を皮膚へ送達できることが詳説されている。鎮痛薬、抗体、ホルモンおよび高分子量DNAを含む化合物が皮膚へ投与されてきた。大多数の適用で、上面表皮の標的化という結果が得られている。

0133

リポソームは2つの大きな種類に属する。陽イオン性リポソームは正電荷を有するリポソームであり、負電荷を有するDNA分子と相互作用して安定な複合体を形成する。正電荷を有するDNA/リポソーム複合体は負電荷を有する細胞表面に結合し、エンドソームにおいてインターナライズされる。このエンドソーム内の酸性pHにより、リポソームは崩壊し、それらの内容物を細胞の細胞質へと放出する(Wang et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 1987, 147, 980-985)。

0134

pH感受性または負電荷を有するリポソームは、DNAと複合体を形成するというよりそれを捕捉する。DNAと脂質はどちらも同じ電荷を有するので、複合体形成ではなく反発が生じる。それにも関わらず、いくらかのDNAはこれらのリポソームの水性内部に捕捉される。pH感受性リポソームは、チミジンキナーゼ遺伝子をコードするDNAを培養細胞単層に送達するために使用されてきた。標的細胞において外来遺伝子の発現が検出された(Zhou et al., Journal of Controlled Release, 1992, 19, 269-274)。

0135

リポソーム組成物の1つの主要なタイプとしては、天然由来のホスファチジルコリン以外のリン脂質を含む。中性リポソーム組成物は、例えば、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)から形成可能である。陰イオン性リポソーム組成物は一般にジミリストリルホスファチジルグリセロールから形成され、陰イオン性膜融合リポソームは主としてジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から形成される。別のタイプのリポソーム組成物は、例えば、大豆PCおよびPCなどのホスファチジルコリン(PC)から形成される。また別のタイプはリン脂質および/またはホスファチジルコリンおよび/またはコレステロールの混合物から形成される。

0136

いくつかの研究で、リポソーム薬製剤の皮膚への局所送達が評価されている。インターフェロンを含有するリポソームをモルモットの皮膚に塗布したところ、他の手段による(例えば、溶液またはエマルションとしての)インターフェロンの送達が有効でなかったにもかかわらず、皮膚ヘルペス潰瘍の軽減がもたらされた(Weiner et al., Journal of Drug Targeting, 1992, 2, 405-410)。さらに、付加的研究で、水性系を用いたインターフェロンの投与に対して、リポソーム製剤の一部として投与されるインターフェロンの有効性を検討し、リポソーム製剤が水性投与よりも優れていたとの結論が得られている(du Plessis et al., Antiviral Research, 1992, 18, 259-265)。

0137

また、非イオン性リポソームを、皮膚への薬剤の送達におけるそれらの有用性を決定するために、特に、非イオン性界面活性剤およびコレステロールを含む系において試験した。Novasome.TM.I(グリセリルジラウレート/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)およびNovasome.TM.II(グリセリルジステアレート/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)を含む非イオン性リポソーム製剤を用いて、シクロスポリンAマウス皮膚真皮へ送達した。結果は、このような非イオン性リポソーム系が皮膚の種々の層へのシクロスポリンAの沈着の促進に有効であったことを示した(Hu et al. S.T.P.Pharma. Sci., 1994, 4, 6, 466)。

0138

リポソームはまた、「立体的に安定化された」リポソームを含み、この用語は本明細書において、リポソームに組み込んだ際に、このような特殊な脂質を欠いたリポソームよりも循環寿命の延長をもたらす、1以上の特殊な脂質を含むリポソームを指す。立体的に安定化されたリポソームの例として、リポソームの小胞形成脂質部分の一部が、(A)モノシアロガングリオシドGm1などの1以上の糖脂質を含むもの、または(B)ポリエチレングリコール(PEG)部分などの1以上の親水性ポリマー誘導体化されたものがある。特定の理論に縛られるものではないが、当技術分野では、少なくとも、ガングリオシド、スフィンゴミエリンまたはPEG誘導体化脂質を含有する立体的に安定化されたリポソームでは、これらの立体的に安定化されたリポソームの延長された循環半減期網内皮系(RES)の細胞への取り込みの低下に由来していると考えられる(Allen et al., FEBSLetters, 1987, 223, 42; Wu et al., Cancer Research, 1993, 53, 3765)。

0139

1個以上の糖脂質を含む種々のリポソームが当技術分野で公知である。Papahadjopoulos et al. (Ann. N.Y. Acad. Sci., 1987, 507, 64)は、モノシアロガングリオシドGm1、ガラクトセレブロシド硫酸およびホスファチジルイノシトールがリポソームの血中半減期を改善可能であることを報告している。これらの知見はGabizon et al. (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 1988, 85, 6949)によって解説されている。米国特許第4,837,028号およびWO88/04924(双方ともAllen et al.)は、(1)スフィンゴミエリン、および(2)ガングリオシドGm1またはガラクトセレブロシド硫酸エステルを含むリポソームを開示している。米国特許第5,543,152号(Webb et al.)は、スフィンゴミエリンを含むリポソームを開示している。1,2−sn−ジミリストリルホスファチジルコリンを含むリポソームはWO97/13499(Lim et al)に開示されている。

0140

1個以上の親水性ポリマーで誘導体化された脂質を含む多くのリポソームおよびその製造方法が当技術分野で公知である。Sunamoto et al. (Bull. Chem. Soc. Jpn., 1980, 53, 2778)は、PEG部分を含む非イオン性洗剤2C1215Gを含むリポソームを記載している。Illum et al. (FEBSLett., 1984, 167, 79)は、ポリスチレン粒子ポリマーグリコール親水性コーティングすると、血中半減期が有意に延長されたと述べている。ポリアルキレングリコール(例えばPEG)のカルボキシル基の付加により修飾された合成リン脂質がSears(米国特許第4,426,330号および同第4,534,899号)により記載されている。Klibanov et al. (FEBS Lett., 1990, 268, 235)は、PEGまたはステアリン酸PEGで誘導体化されたホスファチジルエタノールアミン(PE)を含むリポソームが血中循環半減期に有意な延長をもたらすことを証明する実験を記載している。Blume et al.(Biochimica et Biophysica Acta, 1990, 1029, 91)は、このような知見を例えば、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)とPEGの組合せから形成されたDSPE−PEGなどの他のPEG誘導体化リン脂質に拡張した。外表に共有結合PEG部分を有するリポソームが、Fisherの欧州特許第EP0445131B1号およびWO90/04384に記載されている。1〜20モル%のPEG誘導体化PEを含有するリポソーム組成物およびその使用方法がWoodle et al.(米国特許第5,013,556号および同第5,356,633号)およびMartin et al.(米国特許第5,213,804号および欧州特許第EP0496813B1号)により記載されている。いくつかの他の脂質ポリマーコンジュゲートを含むリポソームがWO91/05545および米国特許第5,225,212号(双方ともMartin et al.)およびWO94/20073(Zalipsky et al.)に開示されている。PEG修飾セラミド脂質を含むリポソームがWO96/10391(Choi et al)に記載されている。米国特許第5,540,935号(Miyazaki et al.)および米国特許第5,556,948号(Tagawa et al.)は、それらの表面において官能性部分でさらに誘導体化可能なPEG含有リポソームを記載している。

0141

当技術分野で知られている核酸を含むリポソームの数は限られている。Thierry et al.のWO96/40062は、リポソームに高分子量核酸を封入する方法を開示している。
Tagawa et al.の米国特許第5,264,221号はタンパク質結合リポソームを開示し、このようなリポソームの内容物がdsRNAを含み得ると断定している。Rahman et al.の米国特許第5,665,710号は、リポソームにオリゴデオキシヌクレオチドを封入する特定の方法を記載している。Love et al.のWO97/04787は、raf遺伝子を標的とするdsRNAを含むリポソームを開示している。

0142

トランスファーソームは、さらに別のタイプのリポソームであり、変形性の高い脂質凝集物であり、薬剤送達ビヒクル魅力ある候補である。トランスファーソームは、その液滴よりも小さい孔へ容易に浸透することができるような変形性の高い脂質液滴ということができる。トランスファーソームは、それらが用いられる環境に適合可能であり、例えば、それらは自己至適化性(皮膚の孔の形状に適合)、自己修復性であり、多くの場合、断片化することなくそれらの標的に到達し、多くの場合自己装填性である。トランスファーソームを作製するには、標準的なリポソーム組成物に表面エッジアクチベーター、通常には界面活性剤を添加することができる。トランスファーソームは皮膚に血清アルブミンを送達するために用いられてきた。トランスファーソームにより媒介される血清アルブミンの送達は、血清アルブミンを含有する溶液の皮下注射と同様に有効であることが示されている。

0143

界面活性剤は、エマルション(マイクロエマルションを含む)およびリポソームなどの製剤における広い適用が見出されている。天然および合成双方の多くの異なるタイプの界面活性剤の特性を分類およびランク付けする最も一般的な方法は、親水性/親油性バランス(HLB)に使用によるものである。親水基(「ヘッド」としても知られる)の性質は、製剤に用いられる種々の界面活性剤を分類するのに最も有用な手段を提供する(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., 1988, p. 285)。

0144

界面活性剤分子がイオン化されていなければ、それは非イオン性界面活性剤として分類される。非イオン性界面活性剤は、医薬品および化粧品に広く適用が見出され、広範なpH値で使用可能である。一般に、それらのHLB値は、それらの構造に応じて2〜約18の範囲である。非イオン性界面活性剤としては、エチレングリコールエステルプロピレングリコールエステルグリセリルエステルポリグリセリルエステル、ソルビタンエステルスクロースエステルおよびエトキシル化エステルなどの非イオン性エステルが挙げられる。脂肪アルコールエトキシレートプロポキシル化アルコールおよびエトキシル化/プロポキシル化ブロックポリマーなどの非イオン性アルカノールアミドおよびエーテルもこの種類に含まれる。ポリオキシエチレン界面活性剤がこの非イオン性界面活性剤種の最も一般的なメンバーである。

0145

界面活性剤分子が水に溶解または分散したときに負電荷を有するならば、その界面活性剤は陰イオン性として分類される。陰イオン性界面活性剤としては、石鹸などのカルボン酸塩ラクチル酸アシル、アミノ酸のアシルアミド、硫酸エステル(硫酸アルキルおよびエトキシル化硫酸アルキルなど)、スルホン酸塩(スルホン酸アルキルベンゼンなど)、イセチオン酸アシル、タウリン酸およびスルホコハク酸アシル、およびリン酸塩が挙げられる。陰イオン性界面活性剤種の最も重要なメンバーは硫酸アルキルおよび石鹸である。

0146

界面活性剤分子が水に溶解または分散したときに正電荷を有するならば、その界面活性剤は陽イオン性として分類される。陽イオン性界面活性剤としては、第四級アンモニウム塩およびエトキシル化アミンが挙げられる。第四級アンモニウム塩が最も用いられているこの種のメンバーである。

0147

界面活性剤分子が正電荷または負電荷のいずれかを有する能力を持つならば、その界面活性剤は両性として分類される。両性界面活性剤としては、アクリル酸誘導体置換アルキルアミド、N−アルキルベタインおよびホスファチドが挙げられる。

0148

薬品、製剤およびエマルションにおける界面活性剤の使用についての総説がある(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., 1988, p. 285)。

0149

浸透促進剤
一態様では、本発明は、核酸、特に、dsRNAの、動物の皮膚への効率的な送達を果たすために種々の浸透促進剤を用いる。ほとんどの薬剤はイオン化形態と非イオン化形態の双方で溶液中に存在する。しかしながら、通常、脂質可溶性または親油性の薬剤だけが細胞膜を容易に通過する。非親油性薬剤であっても、通過させる膜を浸透促進剤で処置すると、細胞膜を通過し得ることが発見された。非親油性薬剤の細胞膜を経た拡散補助する他、浸透促進剤はまた親油性薬剤の浸透性も高める。

0150

浸透促進剤は5つの広いカテゴリー、すなわち、界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート剤および非キレート非界面活性剤の1つに属するものとして分類することができる(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, p.92)。上述の各浸透促進剤種を以下にさらに詳細に記載する。

0151

界面活性剤:本発明に関して、界面活性剤(または「表面活性剤」)は、水溶液に溶解した際に、その溶液の表面張力またはその水溶液と別の液体との間の界面張力を低減する化学物質であり、その結果、粘膜を介したdsRNAの吸収が高まる。胆汁酸塩および脂肪酸の他、これらの浸透促進剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテルおよびポリオキシエチレン−20−セチルエーテル(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, p.92)、およびFC−43などの過フッ化化学エマルション(Takahashi et al., J. Pharm. Pharmacol., 1988, 40, 252)が含まれる。

0152

脂肪酸:浸透促進剤として働く種々の脂肪酸およびそれらの誘導体としては、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸(n−デカン酸)、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプリン酸、トリカプリン酸、モノオレイン(1−モノオレオイル−rac−グリセロール)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセロール1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、それらのC1−C10アルキルエステル(例えば、メチル、イソプロピルおよびt−ブチル)、ならびにそれらのモノ−およびジ−グリセリド(すなわち、オレエート、ラウレート、カプレート、ミリステートパルミテート、ステアレート、リノレートなど)が挙げられる(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carryier Systems, 1991, p.92; Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1990, 7, 1-33; El Hariri et al., J. Pharm. Pharmacol., 1992, 44, 651-654)。

0153

胆汁酸塩:胆汁の生理学的役割は脂質および脂溶性ビタミンの分散および吸収を促進することである(Brunton, Chapter 38 in: Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Ed., Hardman et al. Eds., McGraw-Hill, New York, 1996, pp. 934-935)。種々の天然胆汁酸塩およびそれらの合成誘導体が浸透促進剤として働く。よって、「胆汁酸塩」とは、胆汁の天然成分ならびにそれらの合成誘導体のいずれをも含む。本発明の胆汁酸塩としては、例えば、コール酸(またはその薬学上許容されるナトリウム塩、コール酸ナトリウム)、デヒドロコール酸(デヒドロコール酸ナトリウム)、デオキシコール酸(デオキシコール酸ナトリウム)、グルコール酸(グルコール酸ナトリウム)、グリコール酸(グリココール酸ナトリウム)、グリコデオキシコール酸(グリコデオキシコール酸ナトリウム)、タウロコール酸(タウロコール酸ナトリウム)、タウロデオキシコール酸(タウロデオキシコール酸ナトリウム)、ケノデオキシコール酸(ケノデオキシコール酸ナトリウム)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、タウロ−24,25−ジヒドロ−フシジン酸ナトリウム(STDHF)、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウムおよびポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(POE)が挙げられる(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, page 92; Swinyard, Chapter 39 In: Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., Gennaro, ed., Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1990, pages 782-783; Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1990, 7, 1-33; Yamamoto et al., J. Pharm. Exp. Ther., 1992, 263, 25; Yamashita et al., J. Pharm. Sci., 1990, 79, 579-583)。

0154

キレート剤:本発明に関して用いられるキレート剤は、それと複合体を形成することにより溶液から金属イオンを取り除く化合物と定義することができ、その結果、粘膜を介したdsRNAの吸収が高まる。それらの本発明の浸透促進剤としての使用に関しては、最もよく特徴付けられたDNAヌクレアーゼは触媒作用二価の金属イオンを必要とし、従って、キレート剤によって阻害されることから、キレート剤はDNアーゼ阻害剤としても働くという付加的利点を有する(Jarrett, J. Chromatogr., 1993, 618, 315-339)。本発明のキレート剤としては、限定されるものではないが、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、クエン酸、サリチル酸塩(例えば、サリチル酸ナトリウム、5−メトキシサリチレートおよびホモニレート)、コラーゲンのN−アシル誘導体、β−ジケトンラウレス−9およびN−アミノアシル誘導体(エナミン)が挙げられる(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, page 92; Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1990, 7, 1-33; Buur et al., J. Control Rel., 1990, 14, 43-51)。

0155

非キレート非界面活性剤:本明細書において、非キレート非界面活性型浸透促進化合物は、キレート剤または界面活性剤として有意な活性は示さないが、消化系粘膜を介したdsRNAの吸収を促進する化合物として定義することができる(Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1990, 7, 1-33)。この種の浸透促進剤としては、例えば、不飽和環尿素、1−アルキル−および1−アルケニルアザシクロアルカノン誘導体(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, page 92);ならびにジクロフェナクナトリウムインドメタシンおよびフェニルブタゾンなどの非ステロイド系抗炎症薬(Yamashita et al., J. Pharm. Pharmacol., 1987, 39, 621-626)が挙げられる。

0156

また、細胞レベルでdsRNAの取り込みを促進する薬剤も、本発明の医薬およびその他の組成物に加えることができる。例えば、リポフェクチン(Junichi et al, 米国特許第5,705,188号)などの陽イオン性脂質、陽イオン性グリセロール誘導体、ならびにポリリジン(Lollo et al., PCT出願WO97/30731)およびその他のペプチドなどのポリ陽イオン分子もdsRNAの細胞取り込みを促進することが知られている。

0157

エチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのグリコール類、2−ピロールなどのピロール類、アゾン類、ならびにリモネンおよびメントンなどのテルペン類を含む他の薬剤も投与する核酸の浸透を促進するために使用可能である。

0158

担体
本発明のある特定の組成物はまた、製剤に担体化合物も含む。本明細書において「担体化合物」または「担体」とは、不活性である(すなわち、それ自体生物活性を持たない)が、生物活性を有する核酸のバイオアベイラビリティを、例えば、生物学的に活性な核酸を分解するか、または循環からのその除去を促進することで低下させるin vivoプロセスによって核酸と認識される核酸、またはその類似体を指し得る。核酸と担体化合物を、一般には後者の物質を過剰にして同時投与すると、おそらくは担体化合物と核酸間の共通の受容体をめぐる競合のために、肝臓、腎臓またはその他の循環外貯蔵庫回収される核酸量実質的減少がもたらされ得る。例えば、肝臓組織における部分的ホスホロチオエートdsRNAの回収は、それがポリイノシン酸デキストラン硫酸ポリシチジン酸または4−アセトアミド−4'イソチオシアノ−スチルベン−2,2'−ジスルホン酸と同時投与される場合には減少され得る(Miyao et al., Antisense Res. Dev., 1995, 5, 115-121; Takakura et al., Antisense & Nucl. Acid Drug Dev., 1996, 6, 177-183)。

0159

賦形剤
担体化合物とは対照的に、「医薬担体」または「賦形剤」は、1以上の核酸を動物に送達するための薬学上許容される溶媒沈殿防止剤または他の任意の薬理学的に不活性なビヒクルである。賦形剤は液体または固体であってよく、計画された投与様式を念頭に置いて、所定の医薬組成物の核酸およびその他の成分と組み合わせた際に、所望の嵩、粘稠度などをもたらすように選択される。典型的な医薬としては、限定されるものではないが、結合剤(例えば、アルファー化トウモロコシデンプンポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど);増量剤(例えば、ラクトースおよびその他の糖、微晶質セルロースペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウムエチルセルロース、ポリアクリレートまたはリン酸水素ナトリウムなど);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムタルクシリカコロイド二酸化ケイ素、ステアリン酸、金属ステアリン酸塩硬化植物油、コーンスターチ、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム酢酸ナトリウムなど);崩壊剤(例えば、デンプン、グリコール酸ナトリウムデンプンなど);および湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)が挙げられる。

0160

核酸と有害な反応をしない非非経腸投与(non-parenteral administration)に好適な薬学上許容される有機または無機賦形剤が本発明の組成物を調剤するにために使用可能である。好適な薬学上許容される担体としては、限定されるものではないが、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘稠パラフィンヒドロキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンなどが挙げられる。

0161

核酸の局所投与用製剤は、無菌および非無菌水溶液、アルコールなどの一般溶媒中の非水溶液、液体もしくは固体油性基剤中の核酸の溶液を含み得る。これらの溶液はまたバッファー、希釈剤およびその他の好適な添加剤を含み得る。核酸と有害な反応をしない非非経腸投与(non-parenteral administration)に好適な薬学上許容される有機または無機賦形剤が使用可能である。

0162

好適な薬学上許容される賦形剤としては、限定されるものではないが、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘稠パラフィン、ヒドロキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンなどが挙げられる。

0163

気道送達のための医薬組成物
本発明の別の局面は、特に、嚢胞性繊維症の処置のための、iRNA剤の気道送達を提供する。気道には、中咽頭および喉頭を含む上気道と、それに続く、気管とそれに続く気管支および細気管支への分岐を含む下気道が含まれる。上下気道は導管気道と呼ばれる。
その後、気管支末端は呼吸細気管支に分岐し、これは次に最終の呼吸器系領域である肺胞または肺深部に至る。導管気道の上皮は、α−ENaC iRNA剤などのiRNA剤の送達のための吸入用治療エアゾールの主な標的である。

0164

送達組成物は、分散物内の組成物、好ましくはiRNA剤が肺に到達し得るように患者による分散物の吸入により送達することができ、肺でそれは例えば肺胞領域から血液循環中へ容易に吸収され得る。肺送達は全身送達と肺の疾病を処置するための局所送達の双方に有効であり得る。

0165

肺送達は、霧状、エアゾール状、ミセルおよび乾燥粉末系製剤の使用を含む種々のアプローチにより達成することができ、吸入による投与は経口および/または経鼻であり得る。送達は液体ネブライザー、エアゾール系吸入器、および乾燥粉末分散デバイスを用いて達成することができる。定量デバイスが好ましい。アトマイザーまたは吸入器を用いる利点の1つは、これらのデバイス自己完結型であるので、コンタミネーションの可能性が最小となることである。乾燥粉末分散デバイス、例えば、乾燥粉末として容易に調剤可能な薬剤を送達する。iRNA組成物はそれ自体凍結乾燥粉末または噴霧乾燥粉末として、または好適な粉末担体と組み合わせて安定に保存可能である。吸入用組成物の送達は、タイマー用量カウンター時間計測デバイス、またはデバイスに組み込んだ際、エアゾール薬剤の投与中に患者に対する用量輸送、コンプライアンスモニタリングおよび/または投与誘発(dose trigerring)を可能とするタイムインジケーターを含み得る投与調時エレメントにより媒介され得る。

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