図面 (/)
課題
解決手段
データ処理装置200は、特定カラー画像50からシアン及びブラックを表す画素の第1位置P102C及び第2位置P201Bを取得する。制御部8は更に、特定カラー画像50の特定エリアSR32からシアンを表す複数の画素の第3位置P301Cを取得する。特定エリアSR32は、像担持体231の回転周期に対応する第1特定長さSL1以上の第2特定長さSl2を副走査方向SD12に有する。制御部8は更に、複数の第3位置P301Cに基づいて、シアンの画素が主走査方向SD11にずれる第1色ずれ量AD1Cを導出する。制御部8は更に、第1位置P102C及び第2位置P201Bと、第1色ずれ量AD1Cとに基づいて、シアン及びブラックの画素が前記主走査方向にずれる第2色ずれ量AD2Cを導出する。
概要
背景
タンデム方式の画像形成装置では、予め定められている周期で回転する複数の像担持体に露光装置により複数色用の静電潜像が形成される。その後、前記複数の像担持体上には、前記複数の静電潜像が現像されることで前記複数色のトナー像が形成される。前記複数色のトナー像は、前記中間転写ベルト上で重ね合わせられる。これにより、カラー画像が形成される。
前記像担持体及び前記露光装置の間の距離は、前記像担持体が回転する周期(以下、回転周期と称する)において変動する場合がある。また、前記回転周期における前記距離の変動は、前記複数の像担持体の間でも互いに異なることがある。そのため、前記画像形成装置では、前記複数色のトナー像は、主走査方向において互いにずれた状態で前記中間転写ベルト上に重ね合わせられる場合がある。
前記画像形成装置では、前記画像形成前に、ずれ検査用に特定カラー画像が前記中間転写ベルト上に形成される。前記特定カラー画像は、副走査方向に並ぶ前記複数色の特定パターンを含む。例えば、関連技術として、前記特定カラー画像を光学的に読み取ることで得られる特定画像データに基づいて、前記複数色の特定パターンの前記主走査方向におけるずれ量が導出され補正される画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
概要
複数色のトナー像を重ね合わせる際に色ずれを低減可能なずれ量を導出する。データ処理装置200は、特定カラー画像50からシアン及びブラックを表す画素の第1位置P102C及び第2位置P201Bを取得する。制御部8は更に、特定カラー画像50の特定エリアSR32からシアンを表す複数の画素の第3位置P301Cを取得する。特定エリアSR32は、像担持体231の回転周期に対応する第1特定長さSL1以上の第2特定長さSl2を副走査方向SD12に有する。制御部8は更に、複数の第3位置P301Cに基づいて、シアンの画素が主走査方向SD11にずれる第1色ずれ量AD1Cを導出する。制御部8は更に、第1位置P102C及び第2位置P201Bと、第1色ずれ量AD1Cとに基づいて、シアン及びブラックの画素が前記主走査方向にずれる第2色ずれ量AD2Cを導出する。
目的
本発明の目的は、タンデム方式により複数色のトナー像を重ね合わせる際に前記トナー像の色ずれを低減可能なずれ量を導出可能なデータ処理装置、及び画像形成装置を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 牽制数
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請求項1
画像データに基づくカラー画像において副走査方向に並ぶ第1特定エリア及び第2特定エリアから、回転可能な複数の像担持体により形成される第1色及び第2色を表す画素の主走査方向における第1位置及び第2位置をそれぞれ取得する第1取得処理部と、前記カラー画像において前記像担持体の周方向の長さである第1特定長さ以上の第2特定長さを前記副走査方向に有する第3特定エリアから、前記第1色を表す複数の画素の前記主走査方向における第3位置を取得する第2取得処理部と、複数の前記第3位置に基づいて、前記第3特定エリアにおいて前記第1色の画素が前記主走査方向にずれる第1色ずれ量を導出する第1導出処理部と、前記第1位置、前記第2位置及び前記第1色ずれ量に基づいて、前記第1特定エリアにおいて前記第1色が前記第2色と前記主走査方向にずれる第2色ずれ量を導出する第2導出処理部と、を備えるデータ処理装置。
請求項2
前記第1導出処理部は、前記主走査方向において両端の前記第3位置の中間位置に基づいて、前記第1色ずれ量を導出する、請求項1に記載のデータ処理装置。
請求項3
前記第2取得処理部は更に、前記カラー画像において前記第3特定エリアから前記主走査方向に離間し且つ前記第2特定長さを前記副走査方向に有する第4特定エリアから、前記第2色を表す複数の画素の前記主走査方向における第4位置を取得し、前記第1導出処理部は更に、複数の前記第4位置に基づいて、前記第4特定エリアにおいて前記第2色の画素が前記主走査方向にずれる第3色ずれ量を導出し、前記第2導出処理部は更に、前記第1位置及び前記第2位置と、前記第1色ずれ量及び前記第3色ずれ量とに基づいて、前記第2色ずれ量を導出する、請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
請求項4
前記第2取得処理部は更に、前記第3特定エリアよりも前記カラー画像において前記主走査方向の中心寄りの位置に予め定められ、前記第2特定長さを前記副走査方向に有する第5特定エリアから、前記第1色を表す複数の画素の主走査方向における第5位置を取得し、前記第1導出処理部は、前記複数の第3位置及び前記複数の第5位置に基づいて、前記第3特定エリアにおいて前記第1色の画素が前記主走査方向にずれる第1色ずれ量を導出する、請求項1〜3のいずれかに記載のデータ処理装置。
請求項5
前記第2導出処理部は、前記第1位置及び前記第3位置に基づいて、前記第3特定エリアにおける前記第1色ずれ量を、前記第1特定エリアにおける前記第1色ずれ量に変換し、変換後の前記第1色ずれ量、前記第1位置及び前記第2位置に基づいて前記第2色ずれ量を導出する、請求項1〜4のいずれかに記載のデータ処理装置。
請求項6
請求項1〜5のいずれかに記載のデータ処理装置を備える、画像形成装置。
技術分野
背景技術
0002
タンデム方式の画像形成装置では、予め定められている周期で回転する複数の像担持体に露光装置により複数色用の静電潜像が形成される。その後、前記複数の像担持体上には、前記複数の静電潜像が現像されることで前記複数色のトナー像が形成される。前記複数色のトナー像は、前記中間転写ベルト上で重ね合わせられる。これにより、カラー画像が形成される。
0003
前記像担持体及び前記露光装置の間の距離は、前記像担持体が回転する周期(以下、回転周期と称する)において変動する場合がある。また、前記回転周期における前記距離の変動は、前記複数の像担持体の間でも互いに異なることがある。そのため、前記画像形成装置では、前記複数色のトナー像は、主走査方向において互いにずれた状態で前記中間転写ベルト上に重ね合わせられる場合がある。
0004
前記画像形成装置では、前記画像形成前に、ずれ検査用に特定カラー画像が前記中間転写ベルト上に形成される。前記特定カラー画像は、副走査方向に並ぶ前記複数色の特定パターンを含む。例えば、関連技術として、前記特定カラー画像を光学的に読み取ることで得られる特定画像データに基づいて、前記複数色の特定パターンの前記主走査方向におけるずれ量が導出され補正される画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
先行技術
0005
特開2002−139880号公報
発明が解決しようとする課題
0006
前記複数の特定パターンの前記副走査方向長さが、前記回転周期に対応する長さよりも短い場合、前記特定画像データが前記回転周期全域における前記距離の変動量を含まない場合がある。したがって、前記特定パターンに基づき導出された前記ずれ量が補正された後の画像形成において、前記中間転写ベルト上で前記複数色のトナー像を重ね合わせた場合に、前記複数色のトナー像の間に主走査方向におけるずれが現れるおそれがある。
0007
本発明の目的は、タンデム方式により複数色のトナー像を重ね合わせる際に前記トナー像の色ずれを低減可能なずれ量を導出可能なデータ処理装置、及び画像形成装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
0008
本発明の一の局面に係るデータ処理装置は、第1取得処理部、第2取得処理部、第3導出処理部、及び第2導出処理部を備える。前記第1取得処理部は、画像データに基づくカラー画像において副走査方向に並ぶ第1特定エリア及び第2特定エリアから、回転可能な複数の像担持体により形成される第1色及び第2色を表す画素の主走査方向における第1位置及び第2位置をそれぞれ取得する。前記第2取得処理部は、前記カラー画像において前記像担持体の周方向の長さである第1特定長さ以上の第2特定長さを前記副走査方向に有する第3特定エリアから、前記第1色を表す複数の画素の前記主走査方向における第3位置を取得する。前記第1導出処理部は、複数の前記第3位置に基づいて、前記第3特定エリアにおいて前記第1色の画素が前記主走査方向にずれる第1色ずれ量を導出する。前記第2導出処理部は、第1導出処理部と、前記第1位置、前記第2位置及び前記第1色ずれ量に基づいて、前記第1特定エリアにおいて前記第1色が前記第2色と前記主走査方向にずれる第2色ずれ量を導出する。
0009
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記データ処理装置を備える。
発明の効果
0010
本発明の各局面によれば、タンデム方式により複数色のトナー像を重ね合わせる際に前記トナー像の色ずれを低減可能なずれ量を導出する導出可能なデータ処理装置、及び画像形成装置を提供することができる。
図面の簡単な説明
0011
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す模式図である。
図2は、図1に示す画像形成部の詳細な構成を示す模式図である。
図3Aは、図1に示すLSUの詳細な構成を示す模式図である。
図3Bは、図1に示すLSU及び像担持体を上方から見た時の模式図である。
図4は、図1に示す画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図5は、図4に示す検査用画像データが表す特定カラー画像を示す模式図である。
図6は、図5に示す基準画像及び第2検査用画像を示す模式図である。
図7は、本発明の一実施形態に係るデータ処理装置の構成を示すブロック図である。
図8は、図7に示すデータ処理装置の処理を示すフローチャートである。
図9は、第1位置及び第2位置を示す模式図である。
図10は、第3位置及び第4位置を示す模式図である。
図11は、第5位置及び第6位置を示す模式図である。
図12は、副走査方向位置に対する第3位置を示すグラフである。
図13は、副走査方向位置に対する第1差分位置を示すグラフである。
図14は、図8に示す変換処理の内容を示す図である。
実施例
0012
以下添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
0014
図1において、画像形成装置100は、プリンター、ファクシミリ、コピー機又は複合機である。前記複合機は、プリント機能、ファクシミリ機能及びコピー機能等、複数の機能を有する。画像形成装置100は、給送部1、画像形成部2、排出部3、及び制御部4を備える。
0015
給送部1は、収容部11、搬送路12、及び複数のローラー対13等を備える。収容部11は、カセット又はトレイ等であり、画像形成装置100の筐体5の下端寄りの位置に設けられる。収容部11には、未印刷のシート(用紙等)S10が収容される。搬送路12は、筐体5において後端寄りの位置を通過し収容部11から排出部3に至る。排出部3は、筐体5の上寄りの位置に設けられる排出トレイ等である。複数のローラー対13は、搬送路12上の複数の位置に設けられ、収容部11内のシートSを排出部3に向けて搬送する。
0016
画像形成部2は、タンデム方式及び電子写真方式の画像形成部であり、筐体5において収容部11と排出部3との間の位置に設けられる。画像形成部2は、画像データに基づく画像を形成し、搬送路12上の二次転写位置TP12で前記画像をシートS10上に転写する。画像形成部2は更に、シートS10上に画像を定着させた後、印刷物S11として搬送路12の下流側へと送り出す。
0017
制御部4は、CPU等であるプロセッサー、ROM等であるプログラム格納部、及びRAM等である作業領域を含む。前記プロセッサーは、前記プログラム格納部に予め記憶されるプログラムを前記作業領域を使って実行する。これにより、制御部4は、画像形成装置100の各部を統括的に制御する。なお、制御部4は、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)又はDSP(Digital Signal Processor)などの電子回路であってもよい。
0018
次に、画像形成部2のより詳細な構成について説明する。画像形成部2は、図1に示すように、4個の画像形成ユニット21,22,23,24、2個の光走査ユニット(以下、LSUと称する)25,26、中間転写ユニット27、二次転写部28及び定着部29を備える。
0019
画像形成ユニット21〜24は、前記上下方向及び前記左右方向において互いに同じ位置に配置される。画像形成ユニット21〜24は、前方側から後方側に向かって画像形成ユニット21,22,23,24の順に等間隔で並ぶ。なお、画像形成部2は、複数個の画像形成ユニットを備えていればよい。
0020
画像形成ユニット21,22,23,24は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色に対応して設けられる。画像形成ユニット21は、図2に示すように、像担持体211、帯電部212、現像部213及び一次転写部214等を備える。
0021
像担持体211は、円筒形状を有する感光体ドラム等である。像担持体211は、筐体5内で前記左右方向に延在し、回転方向RD11(枠F1内を参照)に回転可能に筐体5に支持される。回転方向RD11は右方向からの平面視で時計回りである。像担持体211が回転する周期(以下、回転周期と称する)は予め定められる。
0023
像担持体211の周面の露光位置EP11(枠F1内を参照)には光L1が走査される。これにより、像担持体211の周面には、イエロー用の静電潜像が形成される。露光位置EP11は、帯電位置CP11よりも回転方向RD11の下流側の位置である。光L1は、前記画像データに基づき変調された光であり、LSU25(図1を参照)から出射される。
0024
現像部213は、像担持体211の周面上の現像位置DP11(枠F1内を参照)で像担持体211の周面に沿って延在する。現像位置DP11は、対応する露光位置EP11よりも回転方向RD11の下流側の位置である。現像部213は、イエローのトナーを現像位置DP11に供給する。これにより、像担持体211の周面にはイエローのトナー像が形成される。
0025
一次転写部214は、像担持体211の周面上の一次転写位置TP11(枠F1内を参照)から上方向に離間する位置で前記左右方向に延在する。一次転写位置TP11は、具体的に、現像位置DP11よりも回転方向RD11の下流側の位置であり、且つ像担持体211の上端の位置である。一次転写部214と像担持体211との間には、中間転写ベルト271が介在する。一次転写部214は、像担持体211に形成されたトナー像を中間転写ベルト271に転写する。
0026
画像形成ユニット22は、像担持体221、帯電部222、現像部223及び一次転写部224等を備える。画像形成ユニット23は、像担持体231、帯電部232、現像部233及び一次転写部234等を備える。画像形成ユニット24は、像担持体241、帯電部242、現像部243及び一次転写部244等を備える。画像形成ユニット22,23,24は、画像形成ユニット21との比較において、(1)前記前後方向に異なる位置に配置される点、(2)像担持体221,231,241の露光位置EP12,EP13,EP14に光L2,L3,L4が走査される点、及び(3)マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像を形成する点で相違する。そのため、画像形成ユニット22〜24の詳細な構成の説明を控える。
0027
図1において、LSU25は、露光位置EP11,EP12に光L1,L2をそれぞれ走査する。LSU26は、露光位置EP13,EP14に光L3,L4をそれぞれ走査する。
0029
駆動ローラー272及び従動ローラー273は、筐体5(図1を参照)内において、像担持体211〜241よりも上方の位置で前記前後方向に互いに離間する。駆動ローラー272及び従動ローラー273は、前記左右方向に延在し、前記左右方向に延在する軸心の周りを回転可能に筐体5に支持される。中間転写ベルト271は、無端ベルトであり、駆動ローラー272及び従動ローラー273に張架される。中間転写ベルト271は、駆動ローラー272の回転により、回転方向RD12に回転する。中間転写ベルト271の回転中、中間転写ベルト271の外周面に、像担持体211,221,231,241に形成された前記4色分のトナー像が重ね合わせされる。これにより、前記外周面にはカラー画像が形成される。中間転写ベルト271は、前記カラー画像を担持しつつ二次転写位置TP12に向けて搬送する。二次転写位置TP12は、各一次転写位置TP11よりも回転方向RD12の下流側の位置であり、中間転写ベルト271及び二次転写部28が互いに対向する位置である。
0030
二次転写部28は、二次転写ローラー等であり、二次転写位置TP12で前記左右方向に沿って延在し、中間転写ベルト271を挟んで従動ローラー273と対向する。シートS10は、二次転写位置TP12で斜め上向きの搬送方向FD1に搬送される。二次転写部28は、二次転写位置TP12で、中間転写ベルト271により担持される前記カラー画像をシートS10(図1を参照)に転写する。
0031
図1において、定着部29は、搬送路12上で二次転写位置TP12よりも下流側の位置に設けられる。定着部29は、定着ローラー及び加圧ローラーを備え、二次転写部28でシートS10上の前記トナーを加熱及び加圧する。これにより、前記カラー画像はシートS10上に定着される。定着部29は、前記カラー画像が定着されたシートS10を印刷物S11として搬送路12の下流方向へと送り出す。
0032
次に、LSU25のより詳細な構成について説明する。LSU25は、図3Aに示すように、ハウジング250、二個の光源251A,251B、ポリゴンミラー252及びポリゴンモーター253を備える。LSU25は更に、光源251Aに対応して2個のfθレンズ254A、3個の折り返しミラー256A、及び透光部材259Aを備える。LSU25は更に、光源251Bに対応して2個のfθレンズ254B、3個の折り返しミラー256B、及び透光部材259Bを備える。
0033
光源251A,251Bは、レーザーダイオード等である。光源251A,251Bは、ハウジング250内において前記前後方向に互いに離間する位置に設けられる。光源251A,251Bは、前記画像データで変調された光を、ハウジング250内で光源251A,251Bよりも左方向に設けられるポリゴンミラー252に向けて出射する。
0034
ポリゴンミラー252は、前記上下方向からの平面視で多角形状を有し、前記複数の偏向面を有する。ポリゴンミラー252は、ポリゴンモーター253から供給される回転駆動力により、前記上下方向に沿う回転軸253A周りに回転する。この回転により、ポリゴンミラー252は、光源251A,251Bから前記複数の偏向面の各々への入射される光を前方及び後方に向けて順次偏向するとともに主走査方向SD11に等角速度で走査する。
0035
主走査方向SD11は、具体的に、前記左右方向である。また、以下、主走査方向SD11に直交する方向を副走査方向SD12と称する。副走査方向SD12は、回転方向RD11(図2を参照)とは逆方向である。また、副走査方向SD12は、シートS10では搬送方向FD1と逆方向であり、主走査方向SD11は、シートS10では搬送方向FD1と直交する方向である(図5を参照)。
0036
2個のfθレンズ254Aは、ハウジング250内に設けられ、ポリゴンミラー252により前方向に偏向された光を、露光位置EP11(図2を参照)上で主走査方向SD11に等速で走査される光に変換する。3個の折り返しミラー256Aは、2個のfθレンズ254Aを通過した光を透光部材259Aへ案内する。
0037
2個のfθレンズ254Bは、ハウジング250内に設けられ、ポリゴンミラー252により後方向に偏向された光を、露光位置EP12(図2を参照)上で主走査方向SD11に等速で走査される光に変換する。3個の折り返しミラー256Bは、2個のfθレンズ254Bを通過した光を透光部材259Bへ案内する。
0038
ハウジング250の上面には、主走査方向SD11に長いスリット250A,250Bが前記前後方向に間隔をあけて形成される。透光部材259A,259Bは、透光性材料から作製される板状の部材であり、スリット250A,250Bをそれぞれ塞ぐ。透光部材259A,259Bに案内された光は、光L1,L2として露光位置EP11,EP12(図2を参照)で主走査方向SD11に走査され結像する。光L1,L2が結像する主走査方向SD11における位置(即ち、像高)Hは、図3Bに示すように、偏向角θ1,θ2に対応する。偏向角θ1,θ2は、2個のfθレンズ254A,254Bの光軸AX1と光L1,L2とがなす角であり、ポリゴンミラー252の回転により変化する。像高Hは、光軸AX1と像担持体211,221の252周面との交点位置を原点Oとする。
0039
LSU26は、LSU25と比較すると、図1に示すように、(1)筐体5内で前記前後方向において異なる位置に配置される点、及び(2)ポリゴンミラーにより偏向角θ3,θ4で偏向される光L3,L4を露光位置EP13,EP14(図2を参照)で主走査方向SD11に走査する点で相違する。そのため、LSU26の詳細な構成の説明を控える。
0040
像担持体211及びLSU25の間の距離は、光路上で透光部材259Aに最も近い折り返しミラー256Aの反射角が一定であったとしても、像担持体211の前記回転周期において変動することがある。前記回転周期における距離変動は、像担持体211の回転振れによりにより生じることがある。像担持体221及びLSU25の間の距離、並びに各像担持体231,241及びLSU26の間の距離もまた変動することがある。また、前記回転周期における前記距離の変動(以下、単に距離変動と称する)は、複数の像担持体211,221,231,241の間でも互いに異なることがある。そのため、画像形成装置100では、4色分のトナー像は、主走査方向SD11において互いにずれた状態で中間転写ベルト271の外周面上に重ね合わせられる場合がある。
0041
ところで、上述の関連技術に係る画像形成装置では、画像形成前にずれ検査用に特定カラー画像が前記中間転写ベルト上に形成される。前記特定カラー画像は、副走査方向に並ぶ前記複数色の特定パターンを含む。前記画像形成装置では、前記特定カラー画像を光学的に読み取ることで得られる特定画像データに基づいて、前記複数色の特定パターンの前記主走査方向におけるずれ量が導出され補正される。
0042
前記複数の特定パターンの前記副走査方向長さが、前記回転周期に対応する長さよりも短い場合、前記特定画像データが前記回転周期全域における前記距離の変動量を含まない場合がある。したがって、前記特定パターンに基づき導出された前記ずれ量が補正された後の画像形成において、前記中間転写ベルト上で前記複数色のトナー像を重ね合わせた場合に、前記複数色のトナー像の間に主走査方向におけるずれが現れるおそれがある。
0043
それに対し、本実施形態に係るデータ処理装置200は、タンデム方式の画像形成装置100において複数色のトナー像を重ね合わせる際に前記複数のトナー像の色ずれを低減可能なずれ量を導出することが可能である。
0045
画像データ5は、前記ずれ検査用の特定カラー画像50を表し、像担持体211,221,231,241(図2を参照)に前記回転振れが生じないという想定の下で生成される。画像形成装置100は、工場出荷前の調整工程で、画像データ5に基づいて画像形成を実行する。前記画像形成により得られる印刷物(以下、特定印刷物と称する)S11には、特定カラー画像50(図5を参照)が形成される。特定カラー画像50は、本発明におけるカラー画像の一例である。
0046
特定カラー画像50は、図4に示すように、4組の第1検査用画像51〜54、1組の基準画像55、及び2組の第2検査用画像56,57を含む。
0047
第1検査用画像51は、6個の線状画像61〜66を含む。線状画像61は、ブラック画像61B1、シアン画像61C、マゼンタ画像61M、イエロー画像61Y及びブラック画像61B2を含む。ブラック画像61B1,61B2は、ブラック単色の線状画像であり、特定エリアSR11,SR15内に表される。シアン画像61C、マゼンタ画像61D及びイエロー画像61Yは、シアン単色、マゼンタ単色及びイエロー単色の線状画像であり、特定エリアSR12,SR13,SR14に形成される。
0048
特定エリアSR11〜SR15は、副走査方向SD12に長い線状形状を有する。特定エリアSR11〜SR15は、主走査方向SD11における位置P11で、副走査方向SD12に沿って特定エリアSR11,SR12,SR13,SR14,SR15の順番で並ぶ。位置P11は、中心線CL1から特定距離SL11だけ離間方向SD11Aに離れた位置である。中心線CL1は、特定印刷物S11の主走査方向SD11における中心を通過する線である。離間方向SD11Aは、主走査方向SD11において中心線CL1から離れる方向である。特定エリアSR11〜SR15は、像担持体211,221,231,241(図2を参照)に回転振れが発生しない場合(以下、理想的な状態と称する)では、主走査方向SD11において互いに同じ位置を有するが、特定印刷物S11では主走査方向SD11に互いにずれることがある。
0049
ここで、主走査方向SD11において前記回転周期に対応する長さを第1特定長さSL1とする。換言すると、第1特定長さSL1は、像担持体211,221,231,241の周面の回転方向RD11における長さである。特定エリアSR11〜SR15の副走査方向SD12への各長さTL3は第1特定長さSL1よりも短い。
0050
線状画像62,63,64,65,66は、理想的な状態、線状画像61,62,63,64,65を、主走査方向SD11において中心線CL1に近づく近接方向SD11Bに特定間隔SG1だけ平行にそれぞれ移動させた画像である。
0051
第1検査用画像52は、特定印刷物S11において、第1検査用画像51と、中心線CL1との間の位置に形成される。第1検査用画像52は、理想的な状態では、第1検査用画像51を近接方向SD11Bに平行移動させた画像である。第1検査用画像53,54は、理想的な状態では、中心線CL1を基準として第1検査用画像52,51と対象な関係を有する画像である。
0052
基準画像55及び第2検査用画像56は、副走査方向SD12における位置P21から第1特定長さSL1に相当する距離だけ副走査方向SD12に離間する。位置P21は、第1検査用画像51〜54において副走査方向SD12の上流側の端部の位置である。基準画像55及び第2検査用画像56は、理想的な状態では、副走査方向SD12における位置P22から第1特定長さSL1以上の第2特定長さSL2だけ副走査方向SD12に延びる。位置P22は、位置P21から副走査方向SD12に第1特定長さSL1だけ離間する位置である。
0053
具体的に、基準画像55は、図6に示すように、5個の線状画像71〜75を含む。線状画像71,75は、ブラックのベタ画像であり、特定エリアSR21,SR25内にそれぞれ表される。線状画像72,73,74は、シアン、マゼンタ、イエローのベタ画像であり、本発明における第5特定エリアの一例である特定エリアSR22,SR23,SR24内にそれぞれ表される。
0054
特定エリアSR21〜SR25の各々は、線状形状を有し、理想的な状態では、位置P22から副走査方向SD12に第2特定長さSL2を有する。特定エリアSR21〜SR25は、特定エリアSR31〜SR35よりも中心線CL1寄り且つ主走査方向SD11において第1検査用画像52,53(図5を参照)の間の位置で、副走査方向SD12に沿って延在する。特に、特定エリアSR21は、中心線CL1から特定距離SL12だけ離れた位置P31で副走査方向SD12に沿って延びる。特定エリアSR22,SR23,SR24,SR25は、特定エリアSR21,SR22,SR23,SR24から主走査方向SD11に特定間隔SG2をあけて並ぶ。しかし、特定エリアSR21〜SR25は、前記距離変動により、副走査方向SD12に平行とはならずにうねる。
0055
第2検査用画像56は、図5に示すように、主走査方向SD11において、第1検査用画像51,52の間の位置に表される。第2検査用画像56は、図6に示すように、5個の線状画像81〜85を含む。線状画像81,85は、ブラックのベタ画像であり、本発明における第4特定エリアの一例である特定エリアSR31,SR35内にそれぞれ形成される。線状画像82,83,84は、シアン、マゼンタ、イエローのベタ画像であり、本発明における第3特定エリアの一例である特定エリアSR32,SR33,SR34内にそれぞれ形成される。特定エリアSR31〜SR35は、理想的な状態では、特定エリアSR21〜SR25を、主走査方向SD11において中心線CL1から離れる離間方向に平行移動させたエリアである。
0056
図5において、第2検査用画像57は、中心線CL1を基準として第2検査用画像56と対象な関係を有する画像である。
0058
画像読取部6は、フラットベッド型のスキャナー等であり、コンタクト部及びキャリッジ等を含む。画像読取部6は、前記コンタクト部上にユーザーによりセットされた特定印刷物S11を前記キャリッジにより光学的に読み取り、特定カラー画像50を表す特定画像データ58(図8を参照)を生成する。特定画像データ58は、主走査方向SD11及び副走査方向SD12の各々に並ぶ画素毎に、色の値及び位置を含む。前記画素の位置は、主走査方向SD11における位置、及び副走査方向SD12における位置を含む。
0060
制御部8は、CPU等であるプロセッサー、ROM等であるプログラム格納部、及び作業領域を有するRAM等であるメモリを含む。前記プロセッサーは、前記プログラム格納部に予め記憶されるプログラムを前記メモリの作業領域を使って実行する。これにより、制御部8は、画像読取部6及び出力部7を統括的に制御する。なお、制御部8は、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)又はDSP(Digital Signal Processor)などの電子回路であってもよい。
0061
また、制御部8は、複数の処理部として、第1取得処理部8A、第2取得処理部8B、第1導出処理部8C及び第2導出処理部8Dを備える。具体的に、制御部8は、前記プロセッサーが前記プログラムを実行することで、前記複数の処理部として機能する。
0062
第1取得処理部8Aは、特定カラー画像50において副走査方向SD12に並ぶ特定エリアSR11,SR14(図5を参照)から、前記回転周期で回転する像担持体211,241(図2を参照)により形成されるイエロー及びブラックを表す画素の主走査方向SD11における第1位置P101Y及び第2位置P201B(図9を参照)をそれぞれ取得する。
0063
特定カラー画像50は、本発明におけるカラー画像の例である。特定エリアSR14は、本発明の第1特定エリアの例である。特定エリアSR11は、本発明における第2特定エリアの一例である。イエローは、本発明における第1色の例である。ブラックは、本発明における第2色の例である。また、像担持体211は、本発明における第1像担持体の例であり、像担持体241は、本発明における第2像担持体の例である。
0064
第2取得処理部8Bは、特定カラー画像50において第2特定長さSL2(図5を参照)を副走査方向SD12に有する特定エリアSR34(図10を参照)から、イエローを表す複数の画素の主走査方向SD11における第3位置P301Y(図10を参照)を取得する。なお、特定エリアSR34は、本発明における第3特定エリアの例である。
0065
第1導出処理部8Cは、複数の第3位置P301Yに基づいて、特定カラー画像50においてイエローを表す複数の画素が主走査方向SD11にずれる第1色ずれ量AD1Y(図8を参照)を導出する。第1色ずれ量AD1Yは、第2検査用画像56において対応色の画素の位置が、前記理想的な状態における画素の位置に対して主走査方向SD11においてずれる量を示す。
0066
第2導出処理部8Dは、第1位置P101Y及び第2位置P201Bと、第1色ずれ量AD1Yとに基づいて、特定カラー画像50において、イエローがブラックと主走査方向SD11においてずれる第2色ずれ量AD2Y(図8を参照)を導出する。第2色ずれ量AD2Yは、具体的に、線状画像61が形成される主走査方向位置において、イエローの画素のブラックの画素に対する色ずれ量を示す。
0067
第1導出処理部8Cは、主走査方向SD11において両端の第3位置P301Y(図13を参照)の中間位置に基づいて、第1色ずれ量AD1Yを導出する。
0068
第2取得処理部8Bは更に、特定カラー画像50の特定エリアSR31において、ブラックを表す複数の画素の主走査方向SD11における第4位置P401B(図10を参照)を特定エリアSR31から取得する。特定エリアSR31は、特定カラー画像50において特定エリアSR34から主走査方向SD11に離間し、且つ副走査方向SD12において第2特定長さSL2を有する。
0069
第1導出処理部8Cは更に、複数の第4位置P401Bに基づいて、特定エリアSR31においてブラックの画素が主走査方向にずれる第3色ずれ量AD3Bを導出する。第3色ずれ量AD3Bは、具体的に、特定エリアSR31においてブラックの画素の位置が、前記本来の画素の位置に対して主走査方向SD11においてずれる量を示す。
0070
第2導出処理部8Dは更に、第1位置P101Y、第2位置P201B、第1色ずれ量AD1Y及び第3色ずれ量AD3Bに基づいて、第2色ずれ量AD2Yを導出する。
0071
第2取得処理部8Bは更に、特定エリアSR24(図11を参照)から、イエローを表す複数の画素の主走査方向SD11における第5位置P501Y(図11を参照)を取得する。特定エリアSR24は、特定カラー画像50において、特定エリアSR34(図10を参照)よりも主走査方向SD11の中心寄りの位置寄りに予め定められ、第2特定長さSL2を副走査方向SD11に有する。
0072
第1導出処理部8Cは、複数の第3位置P301Y及び複数の第5位置P501Yに基づいて、特定カラー画像50においてイエローの画素が主走査方向SD11にずれる第1色ずれ量DA1Yをそれぞれ導出する。
0073
第2導出処理部8Dは、第1位置P101Y及び第3位置P301Yに基づいて、特定エリアSR34における第1色ずれ量AD1Yを、特定エリアSR14における第1色ずれ量AD1Yに変換し、変換後の第1色ずれ量AD1Y、第1位置P101Y及び第2位置P201Yに基づいて第2色ずれ量AD2Yを導出する。
0074
以下、データ処理装置200による各処理を、図8〜図14を参照してより具体的に説明する。なお、以下では、イエロー画像61Y(即ち、特定エリアSR14)における画素がブラック画像61B1(即ち、特定エリアSR11)の画素に対してずれている量を示す第2色ずれ量AD2Yを導出する処理を詳細に説明する。
0075
図8のステップS101で、制御部8は、前記調整工程の担当者により画像読取部6にセットされた特定印刷物S11から特定画像データ58を画像読取部6から取得し、前記RAMに記憶する(ステップS101)。特定画像データ58は、主走査方向SD11及び副走査方向SD12の各々に並ぶ画素の色の値及び位置の情報を含む。また、前記画素の位置は各々、前記主走査方向位置及び前記副走査方向位置により特定される。
0076
次に、制御部8は、ステップS102で、特定画像データ58に対するパターン認識処理等により、特定画像データ58から特定エリアSR11,SR14に含まれる画素の情報を抽出する。次に、制御部8は、ステップS103で、特定画像データ58から特定エリアSR21,SR24,SR25に含まれる画素の情報を抽出する。次に、制御部8は、ステップS104で、特定画像データ58から特定エリアSR31,SR34に含まれる画素の情報を抽出する。
0077
特定印刷物S11は前記コンタクト部に斜めにセットされる場合がある。そのため、制御部8は、次に、特定エリアSR11,SR14,SR21,SR24,SR31,SR34に含まれる画素の情報に対して補正処理を実行する(ステップS105)。具体的に、制御部8は、特定エリアSR21,SR25に含まれる情報(特に、画素の位置)に基づき、線状画像71,75の副走査方向SD12に対する斜行度を導出する。制御部8は、前記斜行度が許容範囲外である場合に、特定エリアSR11,SR14,SR21,SR24,SR31,SR34に含まれる画素の位置情報を、前記斜行度が許容範囲内に収まるように補正する。なお、画像読取部6においてレンズ等は光学的な歪みを有する場合、又は特定印刷物S11が変形している場合がある。ステップS105では、前記歪み又は前記変形が補正されてもよい。
0078
次に、制御部8は、ステップS106で、第1取得処理部8Aとして機能し、第1位置P101Y及び第2位置P201B(図9を参照)を取得する。
0079
ステップS106において、第1取得処理部8Aは、具体的には、図9に示すように、特定エリアSR14内において副走査方向SD12の位置P41Cを有する画素の情報を、イエロー用の特定画素611Yの情報として取得する。同様に、特定エリアSR11内において副走査方向D12の位置P41Bを有する画素の情報が特定画素611Bの情報として取得される。位置P41Y,P41Bは予め定められている。また、特定画素611Y,611Bの情報は、主走査方向SD11における第1位置P101Y,第2位置P201Bを含む。
0080
次に、制御部8は、ステップS107で、第2取得処理部8Bとして機能し、複数の第3位置P301Y及び第4位置P401B(図10を参照)の情報を取得する。
0081
具体的に、第2取得処理部8Bは、ステップS107で、特定エリアSR31,SR34において、複数の部分特定エリアSR41B,SR41Y(図10を参照)に含まれる情報を取得する。複数の部分特定エリアSR41Bの各々は、特定エリアSR31において副走査方向SD12に第3特定長さSL13を有する線状のエリアであり、特定間隔SG3をあけて副走査方向SD12に並ぶ。副走査方向SD12に最上流側の部分特定エリアSR41Bは、位置P41Bから第1特定長さSL1だけ離間する位置P42Bを含む。複数の部分特定エリアSR41Yは、特定エリアSR34において、副走査方向SD12に第3特定長さSL13を有する線状のエリアであり、特定間隔SG3をあけて副走査方向SD12に並ぶ。副走査方向SD12に最上流側から4番目の部分特定エリアSR41Yは、位置P41Yから第1特定長さSL1だけ離間する位置P42Yを含む。
0082
第2取得処理部8Bは、ステップS107で更に、各部分特定エリアSR41Y,SR41Bに含まれる画素の情報から、イエロー用の複数の第3位置P301Y、及びブラック用の複数の第4位置P401Bを取得する。各複数の第3位置P301Y,及び複数の第4位置P401Bは、図10に示すように、対応する部分特定エリアSR41C,SR41M,SR41Y,SR41Bの中心等に位置する画素の主走査方向における位置である。
0083
次に、制御部8は、ステップS108で、第2取得処理部8Bとして機能し、第5位置P501Y及び第6位置P601B(図11を参照)の情報を取得する取得処理を実行する。
0084
具体的に、ステップS108で、第2取得処理部8Bは、図11に示すように、複数の部分特定エリアSR51B,SR51Yに含まれる情報を取得する。複数の部分特定エリアSR51B,SR51Yは、特定エリアSR21,SR24において、副走査方向SD12に第3特定長さSL13を有する線状のエリアであり、特定間隔SG3をあけて副走査方向SD12に並ぶ。
0085
第2取得処理部8Bは、ステップS108で更に、各部分特定エリアSR51Y,SR51Bの中心等に位置する画素の主走査方向位置を、複数の第5位置P501Y及び複数の第6位置P601Bとして取得する。
0086
複数の第3位置P301Yは、理想的な状態では副走査方向位置により変動しない。しかし、前記距離変動に起因して、複数の第3位置P301Yは、本来の画素位置に対し、図12において黒塗りの丸で示すように副走査方向位置により変動するずれを含む。換言すると、図12は、前記本来の画素位置に対する複数の第3位置P301Yにおける色ずれ量を示している。なお、図12では、前記本来の画素位置はゼロで示されている。また、図12において黒塗りの四角でプロットされるように、複数の第5位置P501Yは、本来の画素位置に対し副走査方向位置により変動するずれを含む。また、像担持体211による回転振れの量は、主走査方向SD11の中央寄りの位置と、主走査方向SD11の端部寄りの位置とで比較すると、前記端部寄りの位置の方が大きい。それゆえ、複数の第5位置P501Yの色ずれ量の方が、複数の第3位置P301Yよりも本来の画素位置(即ち、ゼロの位置)寄りの位置で変動する傾向にある。
0087
次に、制御部8は、図8のステップS108で、第2取得処理部8Bとして機能する。第2取得処理部8Bは、複数の第3位置P301Y及び複数の第5位置P501Yの情報の中から、互いに同じ副走査方向位置における第3位置P301Y及び第5位置P501Yの組を選択する。第2取得処理部8Bは、前記組毎に、第3位置P301Y及び第5位置P501Yの差分である第1差分位置P701Yを導出する。複数の第1差分位置P701Yは、図13において黒塗りの三角でプロットされるように、副走査方向位置により変動する。
0088
次に、制御部8は、図8のステップS109で、第1導出処理部8Cとして機能し、第1色ずれ量AD1Y及び第3色ずれ量AD3Bを導出する。
0089
ステップS109で、第1導出処理部8Cは、具体的には、図13に示すように、主走査方向SD11において両端に位置する2個の第1差分位置P701Y(図13では最大値及び最小値と示される)の中間差分位置P702Yを導出する。
0090
第1導出処理部8Cは、ステップS109で更に、副走査方向SD12の位置P42Yに対応する第1差分位置P701Yを取得する。次に、第1導出処理部8Cは、位置P42Yに対応する第1差分位置P701Yと、中間差分位置P702Yとの差分値を、第3位置P301Yの本来の位置に対する第1色ずれ量AD1Yとして導出する。同様に、第1導出処理部8Cは、主走査方向SD11における両端の第1差分位置P701Bの中間差分位置P702Bと、位置P42Bに対応する第1差分位置P701Bとの差分値を、第3色ずれ量AD3Bとして導出する。
0091
なお、第1導出処理部8Cは、ステップS109で、主走査方向SD11における両端の第3位置P301Yの中間位置P801Y(図12を参照)を導出してもよい。この場合、第1導出処理部8Cは、副走査方向SD12の位置P42Yに対応する第3位置P301Yと、中間位置P801Yとの差分値を、第1色ずれ量AD1Cの別の例として導出してもよい。この場合、第1導出処理部8Cは、第3色ずれ量AD3Bについても同様に導出する。
0092
図5及び図6に示すように、特定カラー画像50において、線状画像61は、第2検査用画像56と主走査方向SD11において異なる位置に形成される。そのため、第3位置P301Yに基づく第1色ずれ量AD1Yは、第1位置P101Yに対応していない。同様に、第4位置P401Bに基づく第3色ずれ量AD3Bは、第2位置P201Bに対応していない。また、図14に示すように、像担持体211に入射する光L3の偏向角θ3は、像高Hが大きくなるほど程、概ね線形に増加する。
0093
制御部8は、図8のステップS110で、第2導出処理部8Dとして機能し、第3位置P301Yに基づく第1色ずれ量AD1Yを、第1位置P101Yに対応する第1色ずれ量AD1Yに変換する。また、第4位置P401Bに基づく第3色ずれ量AD3Bを、第2位置P201Bに対応する第3色ずれ量AD3Bに変換する。
0094
具体的に、第2導出処理部8Dは、線状画像84において位置P42Yに対応する第3位置P301Y(図10を参照)、及びイエロー画像61Yにおいて位置P41Y(図9を参照)の中心線CL1に対する距離SL14,SL15(図14を参照)を導出する。また、変換後の第3色ずれ量AD3BをYとし、変換前の第3色ずれ量AD3をXとする。この場合、第2導出処理部8Dは、Y=X×SL15/SL14を演算することで、第1位置P101Yに基づく第1色ずれ量AD1Yを導出する。第2導出処理部8Dは、変換後の第1色ずれ量AD1Yを第1位置P101Yに加算して、第1位置P101Yを補正する。同様に、第4位置P401Bに基づく第3色ずれ量AD3Bは第2位置P201Bに対応する第3色ずれ量AD3Bに変換される。その後、第2位置P201Bに変換後の第3色ずれ量AD3Bが加算され、第2位置P201Bが補正される。
0095
次に、制御部8は、図8のステップS111で、第2導出処理部8Dとして機能する。第2導出処理部8Dは、補正後の第1位置P101Yから補正後の第2位置P201Bを減算して、イエロー用の第2色ずれ量AD2Yを導出する。
0096
ステップS102〜S111の処理は、マゼンタ画像61M及びシアン画像61Cに対しても同様に実行され、その結果、マゼンタ画像61M及びシアン画像61C(即ち、特定エリアSR13,SR12)における画素がブラック画像61B1(即ち、特定エリアSR11)の画素に対してずれている量を示す第2色ずれ量AD2M,AD2Cが導出される。また、ステップS102〜S111の処理は、他の第1検査用画像52〜54に対しても同様に実行される。
0097
次に、制御部8は、ステップS112で、イエロー用、マゼンタ用及びシアン用の第2色ずれ量AD2Y,AD2M,AD2Cを表示部7に表示する。前記検査者は、第2色ずれ量AD2Y,AD2M,AD2Cを解消するように、画像形成部2においてイエロー、マゼンタ、シアンのトナー像を形成するタイミング等を調整する。
0098
本実施形態では、第1色ずれ量AD1Cは、像担持体211の前記回転周期に対応する第1特定長さSL1以上の第2特定長さSL2の特定エリアSR24,SR34に基づき導出される。特定エリアSR24,SR34に含まれる画素の主走査方向位置は、像担持体211の回転方向RD11における全域におけるLSU25及び像担持体211の間の距離の変動量を含むことになる。そのため、特定エリアSR24に基づく第1色ずれ量AD1Cは、第1特定長さSL1未満の長さの特定パターンに基づく色ずれ量よりも正確なずれ量を示す。同様の理由により、第1色ずれ量AD1M,AD1C及び第3色ずれ量AD3Bもまた正確なずれ量を示す。本実施形態では、第1色ずれ量AD1Y,AD1M,AD1C及び第3色ずれ量AD3Bに基づき、第2色ずれ量AD2Y,AD2M,AD2Cが導出される。画像形成装置100では、第2色ずれ量AD2Y,AD2M,AD2Cに基づいて、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が形成されるタイミングが調整される。そのため、出荷後の画像形成装置100が実行する画像形成において、中間転写ベルト271上で前記複数色のトナー像が重ね合わされた場合に、各色のトナー像の間の主走査方向SD11におけるずれを低減することができる。
0099
なお、前記実施形態では、制御部8が前記複数の処理部(即ち、第1取得処理部8A、第2取得処理部8B、第1導出処理部8C及び第2導出処理部8D)を備えている例を説明した。しかし、これに限らず、制御部4が前記複数の処理部を備えていてもよい。この場合、制御部4は、画像形成装置100が備える画像読取装置から特定画像データ58を取得することが可能である。
0100
また、前記実施形態では、特定画像データ58がシートS10に転写された特定カラー画像50を表す画像データである例を説明した。しかし、これに限らず、特定画像データ58は、中間転写ベルト271に転写された特定カラー画像50の表す画像データであってもよい。この場合、画像読取部6は、筐体5(図1を参照)において、全ての一次転写位置TP11から回転方向RD12の下流側に特定距離だけ隔てた位置で、特定カラー画像50を読み取る。
0101
100画像形成装置
2画像形成部
211,221,231,241像担持体
25,26光走査装置(LSU)
4 制御部
200データ処理装置
6画像読取部
7 出力部
8 制御部
8A 第1取得処理部
8B 第2取得処理部
8C 第1導出処理部
8D 第2導出処理部
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