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図面 (5)

課題

LF処理溶鋼取鍋において、側壁れんが侵食を抑制し、かつ、スラグライン部にライニングされたマグネシアカーボン質れんがの目地溶損を抑制する。

解決手段

カーボン10質量%以上、およびマグネシア80質量%以上を含有するマグネシア−カーボン質れんがを、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成した後に圧縮強度の1/3の圧縮応力負荷し、除荷のれんがの歪が0.5%以下であることを条件として選別する工程と、カーボン5質量%以上、および耐火原料80質量%以上を含有するカーボン含有れんがを、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成した後に0.2MPaの圧縮応力を負荷しながら行った熱膨張率測定における最大値が1400℃以上1600℃未満の温度範囲にあることを条件として選別する工程とを含む、LF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法が提供される。

概要

背景

溶銑スクラップ還元鉄鉄含有ダストから溶製された溶鋼精錬するプロセスにLF処理がある。LF処理とは、溶鋼取鍋内で溶鋼に浮遊する溶融スラグ黒鉛電極を浸漬し、アーク放電を行うことにより溶融スラグを加熱し、加熱されたスラグを介して溶鋼を1600℃以上の温度に加熱しながら、溶融スラグ又は溶鋼に添加したフラックスにより溶鋼を精錬するプロセスのことである。

LF処理では溶鋼取鍋内で1600℃以上の温度の溶鋼をフラックスを用いて精錬することから、溶鋼取鍋に使用される内張り炉材、特に、溶融スラグ、並びに、溶鋼と接触頻度の高い側壁れんが侵食が著しく大きくなる。

そのため、LF処理用溶鋼取鍋の側壁部において溶融スラグに接するスラグライン部には特許文献1〜3に記載の耐食性に優れたマグネシアカーボン質れんが、並びに、溶鋼と接するメタルライン部には特許文献4に記載のマグネシア−アルミナカーボンれんがや、特許文献5に記載のアルミナ−マグネシア−カーボン質耐火物などの耐食性に優れたカーボン含有れんがが使用されるようになった。

溶融スラグに接するスラグライン部にはマグネシア−カーボン質れんがを、溶鋼と接するメタルライン部にカーボン含有れんがをライニングしたLF処理用溶鋼取鍋の側壁部においては、側壁部れんがの侵食は抑制されたものの、スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがの目地溶損が著しく大きくなるという新たな課題が生じてきた。

概要

LF処理用溶鋼取鍋において、側壁部れんがの侵食を抑制し、かつ、スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがの目地溶損を抑制する。カーボン10質量%以上、およびマグネシア80質量%以上を含有するマグネシア−カーボン質れんがを、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成した後に圧縮強度の1/3の圧縮応力負荷し、除荷のれんがの歪が0.5%以下であることを条件として選別する工程と、カーボン5質量%以上、および耐火原料80質量%以上を含有するカーボン含有れんがを、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成した後に0.2MPaの圧縮応力を負荷しながら行った熱膨張率測定における最大値が1400℃以上1600℃未満の温度範囲にあることを条件として選別する工程とを含む、LF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法が提供される。

目的

本発明は、LF処理用溶鋼取鍋において、側壁部れんがの侵食を抑制し、かつ、スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがの目地溶損を抑制することを可能にするLF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法、溶鋼のLF処理方法、およびLF処理用溶鋼取鍋を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

LF処理溶鋼取鍋側壁部のスラグライン部にライニングされるマグネシアカーボン質れんが、および前記側壁部のメタルライン部にライニングされるカーボン含有れんがを選別するLF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法であって、カーボン10質量%以上、およびマグネシア80質量%以上を含有する前記マグネシア−カーボン質れんがを、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成し、前記焼成後のれんがに圧縮強度の1/3の圧縮応力負荷し、前記圧縮応力を除荷した時のれんがの歪が0.5%以下であることを条件として選別する工程と、カーボン5質量%以上、およびアルミナ質マグネシア質スピネル質のうち少なくとも2種類を含む耐火原料80質量%以上を含有する前記カーボン含有れんがを、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成し、前記焼成後のれんがに0.2MPaの圧縮応力を負荷しながら1600℃までの熱膨張率測定を行い、前記熱膨張率測定における熱膨張率最大値が1400℃以上1600℃未満の温度範囲にあることを条件として選別する工程とを含む、LF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法。

請求項2

請求項1に記載のLF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法によって選別されたマグネシア−カーボン質れんがおよびカーボン含有れんがを溶鋼取鍋側壁部のスラグライン部およびメタルライン部にそれぞれライニングする工程と、前記溶鋼取鍋内で溶鋼に浮遊する溶融スラグ黒鉛電極を浸漬し、アーク放電を行うことにより溶融スラグを加熱する工程と、加熱されたスラグを介して溶鋼を1600℃以上の温度に加熱しながら、溶融スラグ又は溶鋼に添加したフラックスにより溶鋼を精錬する工程とを含む、溶鋼のLF処理方法。

請求項3

カーボン10質量%以上、およびマグネシア80質量%以上を含有し、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成した後に負荷された圧縮強度の1/3の圧縮応力が除荷された時の歪が0.5%以下であるマグネシア−カーボン質れんがで形成された側壁部のスラグライン部のライニングと、カーボン5質量%以上、およびアルミナ質、マグネシア質、スピネル質のうち少なくとも2種類を含む耐火原料80質量%以上を含有し、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成した後に0.2MPaの圧縮応力を負荷しながら行う1600℃までの熱膨張率測定における熱膨張率の最大値が1400℃以上1600℃未満の温度範囲にあるカーボン含有れんがで形成された前記側壁部のメタルライン部のライニングとを備える、LF処理用溶鋼取鍋。

技術分野

0001

本発明は、LF処理に用いられる溶鋼取鍋側壁れんが選別方法、溶鋼のLF処理方法、およびLF処理用溶鋼取鍋に関する。

背景技術

0002

溶銑スクラップ還元鉄鉄含有ダストから溶製された溶鋼を精錬するプロセスにLF処理がある。LF処理とは、溶鋼取鍋内で溶鋼に浮遊する溶融スラグ黒鉛電極を浸漬し、アーク放電を行うことにより溶融スラグを加熱し、加熱されたスラグを介して溶鋼を1600℃以上の温度に加熱しながら、溶融スラグ又は溶鋼に添加したフラックスにより溶鋼を精錬するプロセスのことである。

0003

LF処理では溶鋼取鍋内で1600℃以上の温度の溶鋼をフラックスを用いて精錬することから、溶鋼取鍋に使用される内張り炉材、特に、溶融スラグ、並びに、溶鋼と接触頻度の高い側壁部れんがの侵食が著しく大きくなる。

0004

そのため、LF処理用溶鋼取鍋の側壁部において溶融スラグに接するスラグライン部には特許文献1〜3に記載の耐食性に優れたマグネシアカーボン質れんが、並びに、溶鋼と接するメタルライン部には特許文献4に記載のマグネシア−アルミナカーボンれんがや、特許文献5に記載のアルミナ−マグネシア−カーボン質耐火物などの耐食性に優れたカーボン含有れんがが使用されるようになった。

0005

溶融スラグに接するスラグライン部にはマグネシア−カーボン質れんがを、溶鋼と接するメタルライン部にカーボン含有れんがをライニングしたLF処理用溶鋼取鍋の側壁部においては、側壁部れんがの侵食は抑制されたものの、スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがの目地溶損が著しく大きくなるという新たな課題が生じてきた。

先行技術

0006

特開昭59−107962号公報
特許第2517377号公報
特許第6194257号公報
特開昭56−92160号公報
特開平3−205355号公報

発明が解決しようとする課題

0007

スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがが目地溶損するメカニズムは以下のように考えられている。スラグライン部の下段に位置するメタルライン部には熱膨張率が高いカーボン含有れんががライニングされているため、溶鋼が滞留している溶鋼取鍋の側壁部においては、下段のメタルライン部から上段のスラグライン部にかけて大きな熱応力が発生することになる。スラグライン部に負荷される熱応力は、スラグライン部にライニングされているマグネシア−カーボン質れんが間の目地部に集中することから、目地を構成する前記れんがのコーナー部が熱応力により破壊され、コーナー部が欠損する結果、目地溶損が進行することになる。

0008

そこで、本発明者は、スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがの目地溶損を抑制するには、スラグライン部の下段にライニングされるメタルライン部のカーボン含有れんがの熱膨張を低減し、熱応力(圧縮応力)によるマグネシア−カーボン質れんがのコーナー部の欠損を防止することが有効な対策であると考えた。

0009

そこで本発明は、LF処理用溶鋼取鍋において、側壁部れんがの侵食を抑制し、かつ、スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがの目地溶損を抑制することを可能にするLF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法、溶鋼のLF処理方法、およびLF処理用溶鋼取鍋を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者が鋭意検討した結果、スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがに目地溶損を発生させるれんがコーナー部の欠損度合いの大小は、熱処理を施したれんがに対し、圧縮応力を負荷し、次いで応力除荷した時のれんがの変形量により把握できることを知見した。さらに、メタルライン部にライニングされたカーボン含有れんがの熱応力は、熱処理を施したれんがに対し、0.2MPaの圧縮応力下での1600℃までの温度の熱膨張率曲線から把握できることを知見し、本発明を成すに至った。

0011

本発明のある観点によれば、LF処理用溶鋼取鍋側壁部のスラグライン部にライニングされるマグネシア−カーボン質れんが、および側壁部のメタルライン部にライニングされるカーボン含有れんがを選別するLF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法であって、カーボン10質量%以上、およびマグネシア80質量%以上を含有するマグネシア−カーボン質れんがを、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成し、焼成後のれんがに圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷し、圧縮応力を除荷した時のれんがの歪が0.5%以下であることを条件として選別する工程と、カーボン5質量%以上、およびアルミナ質マグネシア質スピネル質のうち少なくとも2種類を含む耐火原料80質量%以上を含有するカーボン含有れんがを、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成し、焼成後のれんがに0.2MPaの圧縮応力を負荷しながら1600℃までの熱膨張率測定を行い、熱膨張率測定における熱膨張率の最大値が1400℃以上1600℃未満の温度範囲にあることを条件として選別する工程とを含む、LF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法が提供される。

0012

本発明の別の観点によれば、上記のLF処理用溶鋼取鍋側壁部れんがの選別方法によって選別されたマグネシア−カーボン質れんがおよびカーボン含有れんがを溶鋼取鍋側壁部のスラグライン部およびメタルライン部にそれぞれライニングする工程と、溶鋼取鍋内で溶鋼に浮遊する溶融スラグに黒鉛電極を浸漬し、アーク放電を行うことにより溶融スラグを加熱する工程と、加熱されたスラグを介して溶鋼を1600℃以上の温度に加熱しながら、溶融スラグ又は溶鋼に添加したフラックスにより溶鋼を精錬する工程とを含む、溶鋼のLF処理方法が提供される。

0013

本発明のさらに別の観点によれば、カーボン10質量%以上、およびマグネシア80質量%以上を含有し、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成した後に負荷された圧縮強度の1/3の圧縮応力が除荷された時の歪が0.5%以下であるマグネシア−カーボン質れんがで形成された側壁部のスラグライン部のライニングと、カーボン5質量%以上、およびアルミナ質、マグネシア質、スピネル質のうち少なくとも2種類を含む耐火原料80質量%以上を含有し、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成した後に0.2MPaの圧縮応力を負荷しながら行う1600℃までの熱膨張率測定における熱膨張率の最大値が1400℃以上1600℃未満の温度範囲にあるカーボン含有れんがで形成された側壁部のメタルライン部のライニングとを備える、LF処理用溶鋼取鍋が提供される。

発明の効果

0014

本発明により、LF処理用溶鋼取鍋側壁部スラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがの目地溶損を抑制するための側壁部れんがを、より効率的、効果的に得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

LF処理用溶鋼取鍋の断面図である。
本発明の一実施形態に係るカーボン含有れんがの選別工程の条件を満たすアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの熱膨張率変化を示すグラフである。
図2と同じアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがについて、焼成後に圧縮応力を負荷せず大気圧下で熱膨張率を測定した結果を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係るカーボン含有れんがの選別工程の条件を満たさないアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの熱膨張率変化を示すグラフである。

0016

図1は、本発明の一実施形態に係るLF処理用溶鋼取鍋の断面図である。LF処理用溶鋼取鍋1では、鉄皮2の内側の側壁部に耐火物れんががライニングされる。具体的には、側壁部のスラグライン部3にはマグネシア−カーボン質れんががライニングされ、側壁部のメタルライン部4にはカーボン含有れんががライニングされる。ここで、スラグライン部3は、LF処理用溶鋼取鍋1の使用時において主としてスラグに接触する部分であり、メタルライン部4は、LF処理用溶鋼取鍋1の使用時において主として溶鋼に接触する部分である。本実施形態では、スラグライン部3にライニングされるマグネシア−カーボン質れんがと、メタルライン部4にライニングされるカーボン含有れんがとを、以下で説明するような選別工程によって選別する。

0017

(マグネシア−カーボン質れんがの選別工程)
本発明の一実施形態におけるマグネシア−カーボン質れんがの選別工程は、マグネシア−カーボン質れんがに対して、還元雰囲気中1600℃で当該れんがを3時間焼成する熱処理工程と、前記熱処理後のれんがに対して、熱処理後れんがの圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷し、次いでこの圧縮応力を除荷する工程と、応力除荷後のれんがの変形量によって、れんががLF処理用溶鋼取鍋側壁部のスラグライン部にライニングされたときのコーナー部の欠損度合いを評価する工程とを含む。なお、本実施形態では、LF処理用溶鋼取鍋側壁部のスラグライン部用れんがとして、耐食性と耐熱スポーリング性の観点から、カーボンの含有量が10質量%以上であり、かつ、マグネシアの含有量が80質量%以上であるマグネシア−カーボン質れんがを選別対象とする。

0018

先ず、前記熱処理工程は、マグネシア−カーボン質れんががLF処理用溶鋼取鍋で使用環境に曝された時にれんが組織脆弱化する現象を反映させるために行う。

0019

使用前のマグネシア−カーボン質れんがは、マグネシア粒子間、カーボン粒子間、並びに、マグネシア粒子とカーボン粒子との間が、結合剤であるフェノール樹脂重縮合反応で形成されたカーボン結合により結び付けられた形で組織を形成している。このような結合形態で組織を形成しているマグネシア−カーボン質れんがに、還元雰囲気中で熱処理を施すと、カーボン結合が部分的に切断され、マグネシア−カーボン質れんがの組織が脆弱化する。この熱処理により、LF処理用溶鋼取鍋で使用中のれんがに生じる組織変化再現できる。

0020

マグネシア−カーボン質れんがの焼成は、還元雰囲気中で行う。還元雰囲気としたのは、マグネシア−カーボン質れんがに含有されるカーボンの酸化を抑制するためであり、Arガス等の非酸化性ガスを用いることもできるが、一般的には、隔壁箱中にマグネシア−カーボン質れんがを入れ、コークス粉充填することで還元雰囲気とすることでよい。

0021

焼成温度は、LF処理用溶鋼取鍋における使用温度と同じ1600℃とする。使用温度とは、LF処理中のれんが温度である。保持時間は3時間が好ましく、昇温速度は5℃/分が好ましいが、これに限定されるものではない。

0022

次に、熱処理後のれんがの圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷し、次いでこの圧縮応力を除荷する工程は、LF処理用溶鋼取鍋での使用時にメタルライン部から上段のスラグライン部に負荷される熱応力によるマグネシア−カーボン質れんがのコーナー部の欠損性を評価するために行う。

0023

本発明者は、鋭意検討した結果、LF処理用溶鋼取鍋における使用時にメタルライン部から上段のスラグライン部に負荷される熱応力を模擬するために、熱処理後のれんがに対して、熱処理後れんがの圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷し、次いで応力を除荷した後のれんがの歪によって、前記れんがのコーナー部の欠損度合を評価できることを見出した。

0024

圧縮応力を負荷する方法としては、例えばJIS A 1149「コンクリート静弾性係数試験方法」に準拠した方法が、顕著にマグネシア−カーボン質れんがのコーナー部の欠損度合を反映できるため好ましいが、これに限定されるものではない。

0025

本実施形態における熱処理後れんがに対する圧縮応力の負荷では、前記JIS法を適用する際の最大負荷応力として、同一寸法、同一熱処理を行ったれんがを少なくとも一つ以上作製し、事前に圧縮強度を測定しておき、当該圧縮強度の1/3の応力を最大負荷応力とする。

0026

本発明者の知見によれば、熱処理後のれんがに対して負荷する圧縮応力が前記熱処理後れんがの圧縮強度の概ね1/3未満では、れんがは弾性変形する結果、除荷後に変形が残らないため、前記れんがのコーナー部の欠損度合を適切に評価することが難しい。一方、熱処理後のれんがに対して負荷する圧縮応力が前記熱処理後れんがの圧縮強度の概ね1/3超では、除荷後の変形が著しく大きくなる結果、れんがの種類に依らず変形量が同等となるために、やはり前記れんがのコーナー部の欠損度合を適切に評価することが難しい。

0027

次いで、圧縮応力除荷後のれんがの歪によって、前記れんがのLF処理用溶鋼取鍋での使用時におけるコーナー部の欠損度合いを評価する。

0028

本実施形態において、熱処理後のれんがに対して圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷し、次いで圧縮応力を除荷した後のれんがの変形量は、組織が脆弱化したマグネシア−カーボン質れんがの熱応力による破壊のし易さを表現している。つまり、変形量が大きいほど、熱処理後のマグネシア−カーボン質れんがが、圧縮応力(熱応力)により壊れやすくなると考えられる。この変形量と前記れんがのコーナー部の欠損度合いには相関があるため、変形量によって、マグネシア−カーボン質れんがの目地溶損の原因となるれんがコーナー部の欠損度合の評価を行うことができる。

0029

発明者は鋭意検討した結果、還元雰囲気中で1600℃で3時間焼成したマグネシア−カーボン質れんがに、前記れんがの圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷し、次いで応力を除荷した時のれんがの変形量が、LF処理用溶鋼取鍋側壁部におけるスラグライン部にライニングされたマグネシア−カーボン質れんがの目地溶損の発生の有無と良い相関が得られ、特に、歪が0.5%以下である場合に、マグネシア−カーボン質れんがの目地溶損が顕著に抑制されることを知見した。

0030

そこで、本実施形態では、除荷後のれんがの歪が0.5%以下であるときに、マグネシア−カーボン質れんがのLF処理用溶鋼取鍋での使用時においてコーナー部の欠損が許容可能な範囲であると評価し、この条件を満たすマグネシア−カーボン質れんがを選別する。

0031

本実施形態において、マグネシア−カーボン質れんがに使用されるマグネシアには、電融マグネシア海水マグネシア天然産マグネシアなどが含まれる。また、カーボンには、天然の鱗状黒鉛土状黒鉛人造黒鉛ピッチメソフェーズカーボン無煙炭カーボンブラックなどが含まれる。さらにその他の成分として、例えば、カーボンの酸化防止や耐火物の熱間強度付与などの目的で、アルミニウムシリコン、アルミニウムマグネシウム合金などの金属や合金、並びに、炭化ホウ素などのホウ化物のような金属間化合物を必要に応じて添加することが可能である。マグネシア−カーボン質れんがが下記のようなカーボンおよびマグネシアの含有量を有する限りにおいて、上記のようなその他の成分は本発明の効果に影響するものではない。

0032

(カーボン含有れんがの選別工程)
次に、本発明の一実施形態におけるカーボン含有れんがの選別工程は、カーボン含有れんがに対して、還元雰囲気中1600℃で当該れんがを3時間焼成する熱処理工程と、前記熱処理後のれんがに対して、0.2MPaの圧縮応力下で1600℃までの熱膨張率を測定する工程と、前記熱膨張率曲線からカーボン含有れんがの熱応力特性を評価する工程とを含む。

0033

先ず、前記熱処理工程は、マグネシア−カーボン質れんがの選別工程と同様に、カーボン含有れんががLF処理用溶鋼取鍋で使用環境に曝された時にれんが組織が脆弱化する現象を再現するために行う。

0034

カーボン含有れんがの焼成は、還元雰囲気中で行う。還元雰囲気としたのは、カーボン含有れんがに含有されるカーボンの酸化を抑制するためであり、Arガス等の非酸化性ガスを用いることもできるが、一般的には、隔壁箱中にカーボン含有れんがを入れ、コークス粉を充填することで還元雰囲気とすることでよい。

0035

焼成温度は、LF処理用溶鋼取鍋における使用温度と同じ1600℃とする。使用温度とは、LF処理中のれんが温度である。保持時間は3時間が好ましく、昇温速度は5℃/分が好ましいが、これに限定されるものではない。

0036

本実施形態では、LF処理用溶鋼取鍋側壁部のメタルライン部用れんがとして、カーボン5質量%以上、およびアルミナ、マグネシア、スピネルの3種類の耐火原料の中で少なくとも2種類の耐火原料が合計80質量%以上含まれているカーボン含有れんがを選別対象とする。このようなカーボン含有れんがは、具体的にはアルミナ−マグネシア−カーボン質れんが、アルミナ−スピネル−カーボン質れんが、またはマグネシア−スピネル−カーボン質れんがのいずれかに該当する。

0037

この中で、アルミナ−スピネル−カーボン質れんがやマグネシア−スピネル−カーボン質れんがの様にスピネルを含有するカーボン含有れんがは、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成すると、スピネルとカーボンが還元反応を起こし、スピネルが蒸発する結果、空隙が生成する可能性がある。一方で、アルミナ−マグネシア−カーボン質れんがは、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成すると、アルミナとマグネシアとの反応によりスピネルが生成し、更に生成したスピネルがカーボンと還元反応を起こし、スピネルが蒸発する結果、空隙が生成する可能性がある。この様に、本実施形態で選別対象になるカーボン含有れんがは、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成すると、空隙を生成する可能性を有する。上記のような熱処理工程により、LF処理用溶鋼取鍋で使用中のれんがに生じる組織変化、すなわち空隙の生成を再現できる。

0038

本発明者は、鋭意検討した結果、LF処理用溶鋼取鍋における使用時にメタルライン部にライニングされているカーボン含有れんがから上段のスラグライン部に負荷される熱応力は、還元雰囲気中で1600℃で3時間以上で焼成されたカーボン含有れんがの0.2MPaの圧縮応力下での1600℃までの熱膨張率測定にて得られた熱膨張率曲線から見積もることができることを見出した。

0039

0.2MPaの圧縮応力下における1600℃までの熱膨張率を測定する方法としては、JIS R 2209:2207「耐火れんが荷重軟化点の試験方法」に準拠した方法が、効果的にカーボン含有れんがの熱応力を見積もることができるため好ましいが、これに限定されるものではない。0.2MPaの圧縮応力下において1600℃までの熱膨張率を測定する理由は、LF処理用溶鋼取鍋側壁部のメタルライン部にライニングされるカーボン含有れんがは、上端拘束された状態で使用されるため、カーボン含有れんが自体が発生する熱応力の反作用として圧縮応力を受けながら、1600℃の温度に曝されて使用されるからである。

0040

図2は、本実施形態に係るカーボン含有れんがの選別工程の条件を満たすアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの熱膨張率変化を示すグラフである。具体的には、還元雰囲気中1600℃で3時間焼成されたアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの0.2MPaの圧縮応力下での1600℃までの熱膨張率の測定結果が示されている。図2のグラフにおいて、アルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの熱膨張率は、温度が約1450℃まで上昇する過程で増大し、約1450℃で最大となり、約1450℃から1600℃までさらに上昇する過程では減少していることが分かる。約1450℃以上の温度で熱膨張率が減少する理由は以下の通りである。約1450℃以上の温度では、アルミナやマグネシアの各原料不可避的に含まれる不純物成分溶け出し、アルミナやマグネシアの各原料粒子表面に液相を生成する。その結果、アルミナやマグネシアの各原料粒子とカーボンとの間で形成されていたカーボン結合が完全に破断され、アルミナやマグネシアの各原料粒子は移動し易い状態になる。そして、還元雰囲気中で1600℃で3時間で焼成されたアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの組織に、スピネルの蒸発により生成された空隙が存在すると、アルミナやマグネシアの各原料粒子が0.2MPaの圧縮応力の作用で、スピネルが蒸発した空隙に移動するために、収縮が生じる結果、熱膨張率が減少することになる。

0041

ここで、カーボン含有れんがの熱応力は、熱膨張率と弾性率の積に比例することから、図2のグラフに示されるような約1450℃以上の温度での熱膨張率の減少は、熱応力の低減に繋がることになる。なお、スピネルの蒸発により生成した空隙の中でも、アルミナやマグネシアの各原料粒子が移動できない程の小さな空隙は空隙のまま残存し、弾性率の低減、ひいては熱応力の低減に寄与する。

0042

図3は、図2と同じアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがについて、還元雰囲気中で1600℃で3時間焼成した後、圧縮応力を負荷せず大気圧下で1600℃まで熱膨張率を測定した結果を示すグラフである。図3のグラフにおいて、アルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの熱膨張率は、温度が1600℃に到達するまで増大し続けていることが分かる。上記で図2および図3に示した例から、カーボン含有れんがの評価においては、LF処理用溶鋼取鍋での使用時と同様に力学的に拘束された条件下、即ち本実施形態のような圧縮応力条件下で熱膨張率を測定することによって、熱応力の影響を正確に見積もることができることがわかる。

0043

図4は、本実施形態に係るカーボン含有れんがの選別工程の条件を満たさないアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの熱膨張率変化を示すグラフである。具体的には、還元雰囲気中1600℃で3時間焼成されたアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの、0.2MPaの圧縮応力下で1600℃までの熱膨張率の測定結果が示されている。図4のグラフにおいて、アルミナ−マグネシア−カーボン質れんがの熱膨張率は、温度が約1350℃まで上昇する過程で増大し、約1350℃で最大となり、約1350℃から1600℃までさらに上昇する過程では減少していることがわかる。1600℃での熱膨張率は、図2の例のアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがとほぼ同等の値である。従って、図4の例のアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがは、熱応力の最大値だけを考慮すれば、メタルライン部用のれんがとして適切と評価される。しかしながら、発明者が鋭意検討した結果、図4の例のような熱膨張挙動を示すれんがは、耐食性に劣ることがわかった。具体的には、図4の例のレンガは、温度が約1350℃からさらに上昇する過程で熱膨張率が減少しているが、その原因は、アルミナやマグネシアの各原料に不可避的に含まれる不純物成分以外に配合される低融点の原料であると考えられる。このように、アルミナ−マグネシア−カーボン質れんがに低融点の原料が配合されると、熱応力の最大値は本実施形態に係るカーボン含有れんがの選別工程により選別されるアルミナ−マグネシア−カーボン質れんがと同等になる場合はあるものの、低融点原料が配合されているために熱応力が最大になる温度が使用時の温度よりも低くなりすぎ、結果として耐食性に劣る欠点を有する。

0044

以上の例で説明したように、発明者は、鋭意検討した結果、還元雰囲気中1600℃で3時間以上焼成したカーボン含有れんがの、0.2MPaの圧縮応力下で1600℃までの熱膨張率測定において得られる熱膨張率曲線において、1400℃以上1600℃未満の温度範囲に熱膨張率の最大値がある場合に、LF処理用溶鋼取鍋側壁部のメタルライン部にライニングするカーボン含有れんがとして、熱膨張特性と耐食性に問題ないと評価できることを知見した。

0045

なお、本実施形態では、LF処理用溶鋼取鍋側壁部のメタルライン部用れんがとして、カーボンの含有量が5質量%以上であり、かつ、アルミナ、マグネシア、スピネルの3種類の耐火原料の中で少なくとも2種類の耐火原料を合計した含有量が80質量%以上であるカーボン含有れんがを選別対象とする。上述のように、本実施形態のカーボン含有れんがは、アルミナ−マグネシア−カーボン質れんが、アルミナ−スピネル−カーボン質れんが、および、マグネシア−スピネル−カーボン質れんがのいずれかに該当する。カーボン含有れんがに使用されるアルミナには、電融アルミナ焼結アルミナなどが可能である。マグネシアには、電融マグネシア、海水マグネシア、天然産マグネシアなどが使用される。スピネルには焼結スピネル電融スピネルなどが使用され、スピネルの組成としては正スピネル以外に、アルミナリッチスピネル、マグネシアリッチスピネルを選択することが可能である。また、カーボンには、天然の鱗状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛、ピッチ、メソフェーズカーボン、無煙炭、カーボンブラックなどが使用される。さらにその他成分として、例えば、カーボンの酸化防止や耐火物の熱間強度付与などの目的で、アルミニウム、シリコン、アルミニウムマグネシウム合金などの金属や合金、並びに、炭化ホウ素などのホウ化物のような金属間化合物を必要に応じて添加してもよい。

0046

以下に本発明の実施例を示す。
LF処理用溶鋼取鍋側壁部のスラグライン部用マグネシア−カーボン質れんがと、メタルライン部用カーボン含有れんがの組合せ例(例1〜例9)を表1に示す。なお、例5において、スラグライン部用マグネシア−カーボン質れんがは特許第6194257号公報に記載のれんがを模したものであり、メタルライン部用カーボン含有れんがは特開平3−205355号公報に記載のれんがを模したものである。

0047

0048

各例における試験方法について、以下で説明する。
マグネシア−カーボン質れんが、並びに、カーボン含有れんがの焼成は、直径50mm×高さ100mmの円柱状に切り出した各々のれんがを隔壁箱中に充填したコークス粉中に埋め込み、電気炉所定温度に加熱することで行った。

0049

還元雰囲気中で焼成したマグネシア−カーボン質れんがの圧縮強度は、JIS R 2206−1:2007「耐火れんがの圧縮強さの試験方法」に準拠して測定した。また、還元雰囲気中で焼成したマグネシア−カーボン質れんがへの圧縮応力の負荷は、JIS A 1149「コンクリートの静弾性係数試験方法」に準拠して行った。歪は次式から算出した。
歪(%)=(圧縮応力負荷前のれんがの高さ−圧縮応力負荷後のれんがの高さ)/(0.01×圧縮応力負荷前のれんがの高さ)

0050

還元雰囲気中で焼成したカーボン含有れんがの0.2MPaの圧縮応力下における1600℃迄の熱膨張率を測定は、JIS R 2209:2207「耐火れんがの荷重軟化点の試験方法」に準拠して行った。

0051

カーボン含有れんがの耐食性は、侵食材としてLF処理後のスラグを用いた回転侵食炉法により評価した。耐食性の評価試料は、カーボン含有れんがから切出して作製した。回転侵食炉法は、回転侵食炉内に、前記評価試料を内張りし、評価試料の表面温度が1650℃に到達した時点で、炉内にスラグを投入し30分経過後に溶融したスラグを排出し、新たにスラグを投入するという操作を4回繰り返すことにより試験を行った。試験後に試料を切断し、切断面における最大侵食深さを測定することにより耐食性を評価した。耐食性指数は、例6のメタルライン部用カーボン含有れんがの最大侵食深さを100とする指数であり、耐食性指数が小さい程、耐食性に優れることを意味する。

0052

スラグライン部用マグネシア−カーボン質れんがの目地溶損の有無や目地部の損耗速度、並びに、メタルライン部用カーボン含有れんがの損耗速度については、容量270トンのLF処理用溶鋼取鍋側壁部のスラグライン部およびメタルライン部に例1〜例9の各れんがをライニングして30チャージの溶鋼のLF処理を行い、稼働中の目地溶損の有無を目視観察によって判定すると共に、30チャージ処理後のマグネシア−カーボン質れんが、並びに、カーボン含有れんがの残存厚みから損耗速度を算出した。

0053

例1〜例4のスラグライン部用マグネシア−カーボン質れんがは、還元雰囲気中1600℃で3時間焼成後に、還元焼成後の前記れんがの圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷した後の歪が0.5%以下であるという条件を満たす。また、例1〜例4のメタルライン部用カーボン含有れんがは、還元雰囲気中1600℃で3時間焼成後に、0.2MPaの圧縮応力下で測定された熱膨張率曲線において、熱膨張率の最大値が1400℃以上1600℃未満の温度範囲にある。これらのれんがは、LF処理用溶鋼取鍋側壁部において実炉使用しても、侵食が抑制され、かつ、スラグライン部の目地溶損が解消されていることから、本発明に係る選別方法が、LF処理用溶鋼取鍋側壁部にライニングするために適切なれんがの組み合わせを正しく選別できていることがわかる。

0054

一方、例5のスラグライン部用マグネシア−カーボン質れんがは、還元雰囲気中1600℃で3時間焼成後に、還元焼成後の前記れんがの圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷した後の歪が0.5%以下であるという条件を満たさない。また、例5のメタルライン部用カーボン含有れんがは、還元雰囲気中1600℃で3時間焼成後に、0.2MPaの圧縮応力下で測定された熱膨張率曲線において、温度が1600℃の時に熱膨張率の最大値が観測されているため、本発明の選別方法の条件を満たさない。これらのれんがをLF処理用溶鋼取鍋側壁部において実炉使用した場合に、スラグライン部の目地溶損が発生していることから、本発明に係る選別方法が、LF処理用溶鋼取鍋側壁部にライニングするために不適切なれんがの組み合わせを正しく選別できていることがわかる。

0055

例6では、スラグライン部用マグネシア−カーボン質れんがは例3と同じであるが、メタルライン部用カーボン含有れんがは、還元雰囲気中1600℃で3時間焼成後に、0.2MPaの圧縮応力下で測定された熱膨張率曲線において、温度が1600℃の時に熱膨張率の最大値が観測されているため、本発明の選別方法の条件を満たさない。これらのれんがをLF処理用溶鋼取鍋側壁部において実炉使用した場合に、スラグライン部の目地溶損は解消されているが、メタルライン部の侵食が大きく、損耗速度が高くなっていることから、本発明に係る選別方法が、LF処理用溶鋼取鍋側壁部にライニングするために不適切なれんがの組み合わせを正しく選別できていることがわかる。

0056

例7では、スラグライン部用マグネシア−カーボン質れんがは例4と同じであるが、メタルライン部用カーボン含有れんがは、熱膨張率を低減することを目的に、低融点原料である珪酸ナトリウムが配合されているため、還元雰囲気中1600℃で焼成後に、0.2MPaの圧縮応力下で測定された熱膨張率曲線において、1600℃での熱膨張率は例3のカーボン含有れんがのそれと同等であるも、熱膨張率の最大値が観測される温度は1350℃であり、本発明の選別基準満足しない。これらのれんがをLF処理用溶鋼取鍋側壁部において実炉使用した場合に、スラグライン部の目地溶損は解消されているが、メタルライン部の侵食が大きく、損耗速度が高くなっていることから、本発明に係る選別方法が、LF処理用溶鋼取鍋側壁部にライニングするために不適切なれんがの組み合わせを正しく選別できていることがわかる。

0057

例8では、スラグライン部用マグネシア−カーボン質れんがは例5と同じであり、メタルライン部用カーボン含有れんがは例3と同じである。例8では、マグネシア−カーボン質れんがの還元雰囲気中での焼成温度を1600℃ではなく1500℃とした。この場合、例5と同じ、すなわちスラグライン部用として不適切なマグネシア−カーボン質れんがであっても、還元焼成後の前記れんがの圧縮強度の1/3の圧縮応力を負荷した後の歪が0.5%以下になるため、条件を満たすと判定される。その結果、LF処理用溶鋼取鍋側壁部において実炉使用した場合に、スラグライン部の目地溶損が発生している。例8は、本発明に係る選別方法の条件を逸脱すると、スラグライン部で目地溶損を発生させるれんがコーナー部の欠損度合が正確に評価されないため、LF処理用溶鋼取鍋側壁部にライニングするために不適切なれんがの組み合わせを正しく選別することができなくなることを示している。

0058

例9では、スラグライン部用マグネシア−カーボン質れんが、並びに、メタルライン部用カーボン含有れんががいずれも例1と同じである。例9では、還元雰囲気中で焼成されたマグネシア−カーボン質れんがに負荷する圧縮応力を、前記焼成後のれんがの圧縮強度の1/3ではなく2/3とした。この場合、例1と同じ、すなわちスラグライン部用として適切なマグネシア−カーボン質れんがであっても、除荷後の歪が0.5%を超えるため、条件を満たさないと判定される。例9は、本発明に係る選別方法の条件を逸脱すると、スラグライン部で目地溶損を発生させるれんがコーナー部の欠損度合が正確に評価されないため、LF処理用溶鋼取鍋側壁部にライニングするために適切なれんがの組み合わせを正しく選別することができなくなることを示している。

実施例

0059

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0060

1…LF処理用溶鋼取鍋、2…鉄皮、3…スラグライン部、4…メタルライン部。

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