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技術 電気音響変換器

出願人 ヤマハ株式会社
発明者 土橋優宮田智矢
出願日 2018年11月29日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-223178
公開日 2020年6月4日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-088710
状態 未査定
技術分野 可聴帯域変換器の細部 I (筐付等) 可聴帯域用圧電型電気機械変換器 可聴帯域変換器の細部(特性を得るもの) ヘッドホーン・イヤホーン
主要キーワード 電磁方式 内側空 開口端補正 ヘルムホルツ共鳴 外側空間 イヤーピース ドライバユニット 断面積比
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

圧電素子振動体として用いる電気音響変換器において、振動体の両面から放射される音波を有効に利用できるようにする。

解決手段

筐体10と、該筐体内に設けられ、多孔質膜22と該多孔質膜22を挟む一対の電極24−1および24−2とを有する圧電素子で構成された振動体20と、筐体10の内側空間を電極24−1側の第1の空間110−1と電極24−2側の第2の空間110−2とに分離する隔壁30と、筐体の外側空間に開口する音波放射口60と第1の空間110−1とを連通させる第1の管50−1と、音波放射口60と第2の空間110−2とを連通させる第2の管50−2と、を備えたイヤホン1Aを提供する。

概要

背景

外部から与えられる音信号音波形を表す電気信号)に応じて振動体振動させ、当該音信号に応じた音波を出力する電気音響変換器が一般に知られている。例えば、特許文献1には、振動体として圧電素子を備えた電磁方式ツイータ2と、ダイナミック方式のウーハ3とを有し、ツイータ2およびウーハ3の各々から出力される音を同じ放音部から出力するイヤホンが開示されている。

概要

圧電素子を振動体として用いる電気音響変換器において、振動体の両面から放射される音波を有効に利用できるようにする。筐体10と、該筐体内に設けられ、多孔質膜22と該多孔質膜22を挟む一対の電極24−1および24−2とを有する圧電素子で構成された振動体20と、筐体10の内側空間を電極24−1側の第1の空間110−1と電極24−2側の第2の空間110−2とに分離する隔壁30と、筐体の外側空間に開口する音波放射口60と第1の空間110−1とを連通させる第1の管50−1と、音波放射口60と第2の空間110−2とを連通させる第2の管50−2と、を備えたイヤホン1Aを提供する。

目的

本発明は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、圧電素子を振動体として用いる電気音響変換器において、振動体の両面から放射される音波を有効に利用することを可能にする技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

筐体と、前記筐体内に設けられ、多孔質膜と前記多孔質膜を挟む一対の電極とを有する圧電素子と、前記筐体の内側空間を前記圧電素子の一方の電極側の第1の空間と他方の電極側の第2の空間とに分離する隔壁と、前記筐体の外側空間に開口する音波放射口と前記第1の空間とを連通させる第1の管と、前記音波放射口と前記第2の空間とを連通させる第2の管と、を備えた電気音響変換器

請求項2

前記第1の空間の容積と前記第2の空間の容積とが異なることを特徴とする請求項1に記載の電気音響変換器。

請求項3

前記第1の管の断面積と前記第2の管の断面積とが異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気音響変換器。

請求項4

前記第1の管と前記第2の管のうちの一方に吸音材が設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の電気音響変換器。

請求項5

前記第1の空間および前記第2の空間の容積比と前記第1の管および前記第2の管の断面積の比の少なくとも一方が可変である請求項1または請求項2に記載の電気音響変換器。

技術分野

0001

本発明は、スピーカイヤホンヘッドホンなどの電気音響変換器に関する。

背景技術

0002

外部から与えられる音信号音波形を表す電気信号)に応じて振動体振動させ、当該音信号に応じた音波を出力する電気音響変換器が一般に知られている。例えば、特許文献1には、振動体として圧電素子を備えた電磁方式ツイータ2と、ダイナミック方式のウーハ3とを有し、ツイータ2およびウーハ3の各々から出力される音を同じ放音部から出力するイヤホンが開示されている。

先行技術

0003

特開2018−7220号公報

発明が解決しようとする課題

0004

スピーカにおける振動体として、多孔質膜と当該多孔質膜を挟む一対の電極とからなる圧電素子を用いることが提案されている。多孔質膜と多孔質膜を挟む一対の電極とからなる圧電素子では両電極間に与えられる電圧に応じて多孔質膜がその厚さ方向に膨張または収縮し、これにより圧電素子が振動する。このため、当該圧電素子を用いたスピーカでは、振動体の設置態様によっては、振動体の両面から音波が放射されるが、従来、一方の面から放射される音波しか利用されていない。

0005

本発明は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、圧電素子を振動体として用いる電気音響変換器において、振動体の両面から放射される音波を有効に利用することを可能にする技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために本発明は、筐体と、前記筐体内に設けられ、多孔質膜と前記多孔質膜を挟む一対の電極とを有する圧電素子と、前記筐体の内側空間を前記圧電素子の一方の電極側の第1の空間と他方の電極側の第2の空間とに分離する隔壁と、前記筐体の外側空間に開口する音波放射口と前記第1の空間とを連通させる第1の管と、前記音波放射口と前記第2の空間とを連通させる第2の管と、を備えた電気音響変換器を提供する。

0007

より好ましい態様の電気音響変換器では、前記第1の空間の容積と前記第2の空間の容積とが異なることを特徴とする。

0008

別の好ましい態様の電気音響変換器では、前記第1の管の断面積と前記第2の管の断面積とが異なることを特徴とする。

0009

別の好ましい態様の電気音響変換器では、前記第1の管と前記第2の管のうちの一方に吸音材が設けられていることを特徴とする。

0010

別の好ましい態様の電気音響変換器では、前記第1の空間および前記第2の空間の容積比と前記第1の管および前記第2の管の断面積の比の少なくとも一方が可変であることを特徴とする。

図面の簡単な説明

0011

本発明の第1実施形態によるイヤホン1Aの構成例を示す断面図である。
同イヤホン1Aの構成例を示す断面図である。
同イヤホン1Aの構成例を示す断面図である。
本発明の第2実施形態によるイヤホン1Bの構成例を示す断面図である。
本発明の第2実施形態によるイヤホン1Cの構成例を示す断面図である。
本発明の第3実施形態によるイヤホン1Dの構成例を示す断面図である。
本発明の第3実施形態によるイヤホン1Eの構成例を示す断面図である。
本発明の第4実施形態によるイヤホン1Fの構成例を示す断面図である。
本発明の第4実施形態によるイヤホン1Gの構成例を示す断面図である。
本発明の第4実施形態によるイヤホン1Hの構成例を示す断面図である。
本発明の第4実施形態によるイヤホン1Iの構成例を示す断面図である。
変形例(3)によるイヤホン1Jの構成例を示す断面図である。
変形例(3)によるイヤホン1Kの構成例を示す断面図である。
変形例(4)によるイヤホンの構成例を示す断面図である。

実施例

0012

以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1図3は、本発明の電気音響変換器の第1実施形態によるイヤホン1Aの構成例を示す断面図である。図2図1におけるZZ´線に沿った平面による断面図であり、図3図1におけるYY´線に沿った平面による断面図である。図1図3に示すように、イヤホン1Aは、筐体10、振動体20、隔壁30、および管50を有する。

0013

筐体10は、樹脂により中空円筒状に形成された部材である。筐体10の円形の2つの端面のうちの一方には、管50が装着される貫通孔が設けられている。管50は、筐体10とユーザの耳孔に挿入されるイヤーピースとを接続する部材である。管50は、筐体10と同様に樹脂により形成されている。なお、図1では、イヤーピースの図示は省略されている。以下、他の図面においてもイヤーピースの図示は省略されている。

0014

振動体20は、外部から与えられる音信号に応じて振動する圧電素子である。図1および図3に示すように、振動体20は、筐体10の内径よりも小さい直径の扁平な円盤状に形成されている。振動体20は、図1に示すように、多孔質膜22と多孔質膜22を挟む一対の電極24−1および24−2と、を有する。以下では、電極24−1および24−2の一方から他方に向かう方向を多孔質膜22の厚さ方向と呼ぶ。図1図3では、Z方向が多孔質膜22の厚さ方向となっている。なお、振動体20の平面形状、すなわち、Z方向から見た形状は、円形には限定されず、楕円形であってもよく、また、四角形五角形などの多角形であってもよい。

0015

多孔質膜22は、圧電材料で構成されている。電極24−1および24−2の一方は接地されており、他方には音信号に応じた電圧が印加される。多孔質膜22は、電極24−1および24−2間に与えられる電圧に応じて厚さ方向に膨張または収縮する。より具体的には、電極24−1および24−2間に挟まれた多孔質膜22の領域は、電24−1および24−2間に与えられる電圧に応じて、厚さ方向の中心から電極24−1および24−2側に向かう方向に膨張し、或いは電極24−1および24−2側から厚さ方向の中心に向かう方向に収縮する。これにより、振動体20が振動し、電極24−1および24−2の外側の空間に音波が放射される。

0016

多孔質膜22を構成する圧電材料は、例えばポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等に多数の扁平な気孔を形成し、例えばコロナ放電等によって扁平な気孔の対向面を分極して帯電させることによって圧電特性を付与したものである。多孔質膜22の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、多孔質膜22の平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、200μmがより好ましい。多孔質膜22の平均厚さが前記下限に満たない場合、多孔質膜22の強度が不十分となるおそれがある。逆に、多孔質膜22の平均厚さが前記上限を超える場合、多孔質膜22の変形幅が小さくなり、出力音圧が不十分となるおそれがある。

0017

電極24−1および24−2は、多孔質膜22の両面に積層される。以下、電極24−1と電極24−2とを区別する必要がない場合には、「電極24」と表記する。電極24の材質としては、導電性を有するものであればよく、例えばアルミニウム、銅、ニッケル等の金属や、カーボン等が挙げられる。電極24の平均厚さとしては、特に限定されず、積層方法にもよるが、例えば0.1μm以上30μm以下とすることができる。電極24の平均厚さが前記下限に満たない場合、電極24の強度が不十分となるおそれがある。逆に、電極24の平均厚さが前記上限を超える場合、多孔質膜22の振動を阻害するおそれがある。電極24の多孔質膜22への積層方法としては、特に限定されず、例えば金属の蒸着、カーボン導電インク印刷銀ペースト塗布乾燥等が挙げられる。

0018

隔壁30は、図1に示すように、第1部材32と、第2部材34と、第3部材36とにより構成されている。第1部材32は、図2に示すように、筐体10の内径と同じ直径を有する扁平な円盤状に形成された部材である。第2部材34は、図3に示すように、X方向の長さが筐体10の内径と同じ矩形状に形成された板状部材である。そして、第3部材は、平面形状が図3に示す形状に形成された板状部材である。第1部材32、第2部材34および第3部材36の各々も、筐体10と同様に樹脂により形成されている。

0019

第1部材32には、図2に示すように、直径方向の両端に略楕円形状の切り欠き320が設けられている。図1図3に示すように、第1部材32の略円形の2つの面の一方には、一方の切り欠き320から他方の切り欠き320に向かう方向(Z方向)の中間に、当該方向と直交するように第2部材34が接着剤等により取り付けられている。また、第1部材の他方の面にはZ方向の中間に当該方向と直交するように、第3部材36が接着剤等により取り付けられている。なお、本実施形態では、第1部材32、第2部材34および第3部材36を各々別個の部材として隔壁30を構成したが、これら3つの部材の全部または幾つかを一体成型して隔壁30を構成してもよい。

0020

第2部材34には、振動体20を取り付けるための貫通孔が設けられおり、図1および図3に示すように、振動体20はリング状の弾性部材40を介して第2部材34の上記貫通孔に取り付けられる。弾性部材40を介して第2部材34の貫通孔に振動体20を取り付けるのは、振動体20の厚さ方向の振動を阻害しないようにするためである。図1および図3に示すように、振動体20は、隔壁30に、より厳密には隔壁30の第2部材34に、取り付けられた状態で筐体10内に設けられる。

0021

筐体10の内側空間(振動体20の設けられた側の空間)は、振動体20の取り付けられた隔壁30により、空間100−1、100−2、100−3および100−4の4つの空間に分割される。空間100−2と空間100−4は、他方の切り欠き320を介して互いに連通する。以下では、一方の切り欠き320を介して互いに連通する空間100−1および100−3より成る空間を「第1の空間110−1」と呼び、他方の切り欠き320を介して互いに連通する空間100−2および100−4より成る空間を「第2の空間110−2」と呼ぶ。本実施形態では、第1の空間110−1と第2の空間110−2は略同一の形状を有し、かつ略同一の容積を有する。つまり、隔壁30は、図1に示すように、筐体10の内側空間を振動体20の一方の電極24−1側の第1の空間110−1と他方の電極24−2側の第2の空間110−2とに分離する。

0022

図1に示すように管50は、隔壁30の第3部材36によって、略同じ管長を有し、かつ略同一の断面積を有する第1の管50−1および第2の管50−2の2つの管に分割される。第1の管50−1は、外側空間に開口する音波放射口60と第1の空間110−1とを連通させる。第2の管50−2は、音波放射口60と第2の空間110−2とを連通させる

0023

本実施形態のイヤホン1では、電極24−1および24−2の一方を接地し、他方に音信号に応じた電圧を与えると振動体20が振動し、電極24−1側の面と電極24−2側の面とから当該音信号に応じた同相の音波が放射される。振動体20の電極24−1側の面から放射される音波は第1の空間110−1および第1の管50−1を介して音波放射口60から外部空間へ放射される。一方、振動体20の電極24−2側の面から放射される音波は第2の空間110−2および第2の管50−2を介して音波放射口60から外部空間へ放射される。

0024

振動体20の電極24−1側の面と電極24−2側の面から放射される各音波は同相であり、かつ両音波の伝搬する音響空間の形状は略同じであるから、振動体20の一方の面から放射されユーザのに至る音の周波数特性と、他方の面から放射されユーザの耳に至る音の周波数特性とは等しくなる。例えば、前者の周波数特性がピークディップのない平坦な周波数特性であれば、後者の音の周波数特性も同様に平坦になる。本実施形態のイヤホン1では、両者の音が音波放射口60において重ね合わされることで、一方の面からの放射音を利用する従来のイヤホンに比較して出力(音量)が2倍の特性を得ることが可能となる。

0025

以上説明したように、本実施形態のイヤホン1Aによれば、振動体20の両面から放射される音波を有効に利用し、一方の面からの放射音のみを利用する従来のイヤホンに比較して2倍の出力を得ることが可能になる。

0026

(第2実施形態)
図4図5は、本発明の第2実施形態によるイヤホンの構成例を示す断面図である。図4および図5においては図1におけるものと同じ構成要素には図1におけるものと同じ符号が付されている。本実施形態のイヤホンでは、振動体20の一方の面と他方の面から放射される各音波の伝搬する2つの音響空間の形状が異なっており、この点が第1実施形態のイヤホン1Aと異なる。

0027

具体的には、図4に示すイヤホン1Bでは、第1の管50−1の断面積に比較して第2の管50−2の断面積が小さくなるように第3部材36はZ方向に偏らせて設けられている。これに対して、図5に示すイヤホン1Cでは、第1の管50−1の断面積と第2の管50−2の断面積は等しいものの、空間100−1の容積が空間100−2の容積よりも小さくなるように、すなわち、第1の空間110−1の容積が第2の空間110−2の容積よりも小さくなるように、第2部材34はZ方向に偏らせて設けられている。このように、振動体20一方の面と他方の面から放射された音波が各々伝搬する2つの音響空間の形状を異ならせた理由は次の通りである。

0028

イヤホンでは、再生対象の音信号やユーザの趣向によって、高低域を強調させたいなど、いくらかの調整が必要になることが多い。図4に示す構造とすることで、断面積を拡大させた第1の管50−1側では高域反射が小さくなるため、より高域の特性が強調された放射音を放射することができる。これに対して、断面積を縮小させた第2の管50−2側では、高域の反射が強く、相対的に低域をより透過させる。このため、イヤホン1Bの音波放射口60では、第1実施形態のイヤホン1Aに比較して相対的に中域が低下し、より低域と高域を強調した特性を実現することができる。なお、第1の管50−1と第2の管50−2のうちの一方の断面積を第1実施形態における断面積から変化させること無く、他方の断面積を変化させることで、低域のみ、もしくは高域のみ強調することも可能である。

0029

図4示すイヤホン1Bでは、第1の管50−1の断面積と第2の管50−2の断面積の調整により、高域および低域の強調を実現した。これに対して、図5に示すイヤホン1Cでは、第1の空間110−1の容積と第2の空間110−2の容積の調整により、同様の音質調整が実現される。その理由は次の通りである。

0030

第1実施形態のイヤホン1Aでは、第1の空間110−1をキャビティとし、第1の管50−1をネックとするヘルムホルツ共鳴(以下、第1のヘルムホルツ共鳴)が発生するとともに、第2の空間110−2をキャビティとし、第2の管50−2をネックとするヘルムホルツ共鳴(以下、第2のヘルムホルツ共鳴)が発生する。前述したように、第1実施形態のイヤホン1Aでは、第1の空間110−1の容積と第2の空間110−2の容積は略等しく、第1の管50−1の断面積と第2の管50−2の断面積も略等しい。したがって第1実施形態にイヤホン1Aにおける第1のヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数と第2のヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数は略等しくなる。例えば、第1の空間110−1および第2の空間110−2の各々の容積をV、第1の管50−1および第2の管50−2の各々の断面積をSとすると、上記第1および第2のヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数f0は以下の式(1)により表される。なお、以下の式(1)においてlはネックの長さ、cは音速、δは開口端補正値であり、ネックの開口の直径がdである場合、δ≒0.8×dとなる。

0031

図5に示すイヤホン1Cにおいても、同様に第1および第2のヘルムホルツ共鳴が発生する。但し、図5に示すイヤホン1Cでは、第1の空間110−1の容積がイヤホン1Aにおける第1の空間110−1の容積よりも小さくなっている。このため、イヤホン1Cにおける第1のヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数は第1実施形態における共鳴周波数f0よりも高域側にシフトする。一方、図5に示すイヤホン1Cでは、第2の空間110−2の容積がイヤホン1Aにおける第2の空間110−2の容積よりも大きくなっているため、イヤホン1Cにおける第2のヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数は第1実施形態における共鳴周波数f0よりも低域側にシフトする。このため、図5に示すイヤホン1Cによっても、イヤホン1Bと同様に、より低域と高域を強調した特性を実現することができる。

0032

以上説明したように、本実施形態によれば、振動体20の両面から放射される音波を有効に利用しつつ、特定の周波数帯域の音質調整が可能になる。

0033

加えて、本実施形態によれば、低音域から高音域に亙る広帯域一貫した音響特性を実現することが可能になるといった効果も奏される。従来のイヤホンでは、周波数帯域毎に異なる種類のドライバユニットを用いることがあったが、各ドライバユニット本来の振動特性が異なるため、クロスオーバ帯域不自然さを生じる(例えば、低音域と高音域のドライバユニットの素材が異なる場合は低音域と高音域の音の余韻が一致しないなど)といった不具合があった。これに対して、本実施形態では、周波数帯域毎に異なる種類のドライバユニットを用いないため、低音域から高音域に亙る広帯域で一貫した音響特性を実現することが可能になる。また、本実施形態によれば、周波数帯域毎に異なる種類のドライバを用いないため、イヤホンの小型化および低コスト化が可能になる。

0034

(第3実施形態)
図6図7は、本発明の第3実施形態によるイヤホンの構成例を示す断面図である。図6および図7においても、図1におけるものと同じ構成要素には図1におけるものと同じ符号が付されている。図1図6とを比較すれば明らかなように、図6に示すイヤホン1Dは、不織布等で形成された吸音材70が第1の管50−1に詰められている点が第1実施形態のイヤホン1Aと異なる。また、図7図5とを比較すれば明らかなように、図7に示すイヤホン1Eは、第2の管50−2の断面積が第1の管50−1の断面積よりも小さくなるように構成されている点と、第2の管50−2に吸音材70が詰められている点が第2実施形態のイヤホン1Cと異なる。

0035

管50に吸音材を詰めることは、管50における断面積を小さくすることと等価である。したがって、本実施形態によれば、第1の管50−1と第2の管50−2の何れか一方に吸音材を詰めることで、特定の周波数帯域の音質を簡便に微調整することが可能になる。なお、本実施形態においても、振動体20の両面から放射される音波を有効に利用できることは第1実施形態と同様であり、周波数帯域毎に異なる種類のドライバを用いないため、低音域から高音域に亙る広帯域で一貫した音響特性を実現できること、およびイヤホンの小型化および低コスト化を図れることは第2実施形態と同様である。本実施形態では、第1の管50−1と第2の管50−2の何れか一方に吸音材70を詰める場合について説明したが、両方に詰めてもよい。

0036

(第4実施形態)
図8図11は、本発明の第4実施形態によるイヤホンの構成例を示す断面図である。図8に示すイヤホン1Fは、以下の3つの点が第1実施形態のイヤホン1Aと異なる。第1に、隔壁30に代えて隔壁30´を設けた点である。図8図5とを対比すれば明らかなように、隔壁30´は、振動体20の嵌め込まれる貫通孔を有していない点と断面形状が略L字形に構成されている点とが隔壁30と異なる。本実施形態のイヤホン1Fでは、筐体10の内側空間は隔壁30´によって空間100−1と、空間100−1よりも容積の小さい空間100−2に分割される。

0037

第2の相違点は、振動体20の一方の面(具体的では、電極24−1側の面)が空間100−1および空間100—2の各々に向かうように振動体20が設けられている点である。なお、図8における弾性部材40´は、振動体20の厚さ方向の振動を阻害することなく、振動体20と隔壁30´の端部との隙間を塞ぐ部材である。そして、第3の相違点は、管50が第1の管50−1と第2の管50−2とに分割されていない点である。管50は空間100−1を音波放射口60に連通させるとともに、空間100−2を音波放射口60に連通させる。

0038

図8に示す構成とすることで、イヤホン1Fにおける空間100−1側では高域の反射が小さく、高域の特性が強調された放射音を放射することができる。逆に、空間100−2側では、高域の反射が強く、相対的に低域をより透過させる。このため、両方の放射音が重ね合わされる音波放射口60では、第1実施形態のイヤホン1Aに比較して相対的に中域が低下し、より低域と高域を強調した特性を実現することができる。

0039

また、本実施形態のイヤホン1Fにおいても、ヘルムホルツ共鳴が発生する。具体的には、イヤホン1Fでは、空間100−1をキャビティとし、管50をネックとする第1のヘルムホルツ共鳴が発生するとともに、空間100−2をキャビティとし、管50をネックとする第2のヘルムホルツ共鳴が発生する。前述したように、空間100−1の容積は、空間100−2の容積よりも大きいのであるから、第1のヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数は第2のヘルムホルツ共鳴の共鳴周波数よりも低くなる。この観点から見ても、本実施形態のイヤホン1Fによれば、第2実施形態のイヤホン1Cと同様に、特定の周波数帯域の音質調整が可能になる。加えて、本実施形態では、周波数帯域毎に異なる種類のドライバを用いないため、低音域から高音域に亙る広帯域で一貫した音響特性を実現することが可能になり、また、イヤホンの小型化および低コスト化を実現することができる。

0040

図9に示すイヤホン1Gは、空間100−1に向かう領域が空間100−2に向かう領域よりも広くなるように、振動体20をZ方向に偏らせて筐体10内に設置した点がイヤホン1Fと異なる。図9に示すイヤホン1Gによっても、イヤホン1Fと同様に、特定の周波数帯域の音質調整が可能になるといった効果、低音域から高音域に亙る広帯域で一貫した音響特性を実現するといった効果、イヤホンの小型化および低コスト化が可能になるといった効果が奏される。

0041

図10に示すイヤホン1Hは、板状の隔壁30´´と吸音材70とにより、空間100−2が区画されている点がイヤホン1Fと異なり、図11に示すイヤホン1Iは、隔壁30´と吸音材70とにより空間100−2が区画されている点がイヤホン1Fと異なる。これらイヤホンIHおよび1Iによっても、特定の周波数帯域の音質調整が可能になるといった効果、低音域から高音域に亙る広帯域で一貫した音響特性を実現するといった効果、イヤホンの小型化および低コスト化が可能になるといった効果が奏される。

0042

(変形)
以上本発明の第1〜第4実施形態について説明したが、これら実施形態に以下の変形を加えても勿論よい。
(1)上記各実施形態では、イヤホンへの本発明の適用例を説明した。しかし、本発明の適用対象電気音響変換機器はイヤホンには限られず、ヘッドホン型スピーカであってもよい。

0043

(2)上記第4実施形態における振動体は、圧電材料として多孔質膜を用いた圧電素子には限定されず、圧電材料としてチタン酸ジルコン酸鉛PZT)等を用いた圧電素子(すなわち、片面のみに出力可能な圧電素子)であってもよく、ボイスコイルにより駆動される振動板であってもよい。

0044

(3)上記第4実施形態では、筐体の内側空間が1つの隔壁により2つの空間に分割されていたが、2つ以上の隔壁により筐体の内側空間が3つ以上の空間に分割されてもよい。要は、筐体と前記筐体の内側空間を、少なくとも1つの空間の容積が他の空間の容積とは異なる複数の空間に分割する1または複数の隔壁と、前記筐体内に設けられ、一方の面が前記複数の空間に向かう振動板と、前記筐体の外側空間に開口する音波放射口と前記複数の空間の各々とを連通させる管と、を備えた電気音響変換器であればよい。少なくとも1つの空間の容積が異なっていれば、少なくとも2つの周波数帯域の音質調整が可能になるからである。

0045

例えば、図12に示すイヤホン1Jでは、筐体10内の空間が隔壁30´−1および30´−2により、各々容積の異なる空間100−1、空間100−2および空間100−3の3つの空間に分割されている。なお、図12における弾性部材40´−1は、振動体20の厚さ方向の振動を阻害することなく、振動体20と隔壁30´−1の端部との隙間を塞ぐ部材であり、弾性部材40´−2は、振動体20の厚さ方向の振動を阻害することなく、振動体20と隔壁30´−2の端部との隙間を塞ぐ部材である。図12に示すように、筐体10の内側空間を各々容積の異なる3つの空間に分割することで、3つの周波数帯域の音質を調整することが可能になる。

0046

また、一方の面が上記複数の空間に向かう振動板は一枚である必要はなく、図13に示すように複数であってもよい。図13に示すイヤホン1Kでは、空間100−1に一方の面が向かう振動板として振動体20−1が、空間100−2に一方の面が向かう振動板として振動体20−2が、空間100−3に一方の面が向かう振動板として振動体20−3が、夫々設けられている。振動体20−1、振動体20−2および振動体30−3の各々では、筐体10の内壁面に取り付けられている面側の電極が接地されており、他方の電極に音信号に応じた電圧が与えられる。これにより、振動体20−1、振動体20−2および振動体30−3の各々から同相の音波が放射される。同様に、図8図11に示すイヤホン1F〜1Eの各々についても、空間100−1に向う振動板と空間100−2に向かう振動板とが夫々別個の振動板であってもよい。

0047

(4)各々がヘルムホルツ共鳴器におけるキャビティの役割を果たす複数の空間の容積比と各々がヘルムホルツ共鳴器におけるネックの役割を果たす複数の管の断面積比の少なくとも一方が可変になるように上記各実施形態のイヤホンを構成してもよい。このような態様のイヤホンであれば、当該イヤホンのユーザの趣向に応じて特定の周波数帯域の音質を当該ユーザに微調整させることが可能になる。

0048

例えば、第1実施形態のイヤホン1Aであれば、第1の管50−1と第2の管50−2の何れか一方に音波放射口60側から吸音材を詰め込むこと断面積を調整することができる。また、第4実施形態のイヤホン1Fであれば、図14に示すように、隔壁30´を第1部材32´と板状部材32´に対して垂直かつ図14のY方向に摺動可能に設けられた第2部材34´とで構成し、筐体10に設けられた貫通孔80を介して筐体10の外部へ突出する棒状部材90の一端を第2部材34´に接続し、棒状部材90の他端につまみ部材92を接続して構成しておけば、つまみ部材92を矢印Y´の方向に押し込む或いは矢印Yの方向に引き出すことで、空間100−2の容積を増減させることが可能になる。第1実施形態のイヤホン1Aについても同様に第1の空間110−1と第2の空間110−2の何れか一方の容積を可変に構成することが可能である。

0049

1A〜1K…イヤホン、10…筐体、20…振動体、22…多孔質膜、24,24−1,24−2…電極、30,30´…隔壁、50…管、50−1…第1の管、50−2…第2の管、60…音波放射口、70…吸音材、100−1,100−2.100−3.100−4…空間、110−1…第1の空間、110−2…第2の空間。

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