図面 (/)

技術 圧密化済み帯状電極板の製造方法、圧密化済み帯状電極板及び電池

出願人 トヨタ自動車株式会社プライムアースEVエナジー株式会社
発明者 林邦彦奥田峻
出願日 2018年11月16日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-215447
公開日 2020年6月4日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-087531
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード プレス工程前 帯状電極板 湿潤粒子 直方体箱状 挿入離脱 混合造粒装置 有底角筒状 ロールプレス装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年6月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

ロールプレスの際に活物質部と露出部との境界近傍集電箔に皺が生じるのを抑制できる圧密化済み帯状電極板の製造方法等を提供すること。

解決手段

圧密化済み帯状電極板1の製造方法は、粒子集合体25を圧延して帯状未乾燥活物質層5x,6xを集電箔3上に形成する未乾燥層形成工程S15,S19と、未乾燥活物質層5x,6xを乾燥させて活物質層5,6を形成する乾燥工程S18,S22と、活物質層5,6をロールプレスして圧密化するプレス工程S23とを備える。粒子集合体25は、固形分における導電粒子12の含有割合をW1として製造した第1湿潤粒子21と、固形分における導電粒子12の含有割合をW1よりも多いW2として製造した第2湿潤粒子23とを混合した混合粒子集合体である。

概要

背景

リチウムイオン二次電池などに用いられる電極板として、帯状集電箔の上に活物質層が形成された帯状電極板が知られている。更に、このような帯状電極板の中には、集電箔の幅方向の少なくとも一方の端部を、活物質層を有さず集電箔が露出する帯状の露出部(集電部)とした電極板がある。例えば特許文献1に、このような形態の帯状電極板が開示されている(特許文献1の図1等を参照)。
この帯状電極板は、例えば以下の手法により製造する。即ち、まず、帯状の集電箔上に帯状に未乾燥活物質層を形成し、その後、この未乾燥活物質層を乾燥させて、活物質層を形成する。その後、活物質層及び集電箔を長手方向に搬送しつつロールプレスして、活物質層を厚み方向にプレス圧密化する。かくして、圧密化済み帯状電極板が出来る。

概要

ロールプレスの際に活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのを抑制できる圧密化済み帯状電極板の製造方法等を提供すること。圧密化済み帯状電極板1の製造方法は、粒子集合体25を圧延して帯状の未乾燥活物質層5x,6xを集電箔3上に形成する未乾燥層形成工程S15,S19と、未乾燥活物質層5x,6xを乾燥させて活物質層5,6を形成する乾燥工程S18,S22と、活物質層5,6をロールプレスして圧密化するプレス工程S23とを備える。粒子集合体25は、固形分における導電粒子12の含有割合をW1として製造した第1湿潤粒子21と、固形分における導電粒子12の含有割合をW1よりも多いW2として製造した第2湿潤粒子23とを混合した混合粒子集合体である。

目的

本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、活物質層及び集電箔を長手方向に搬送してロールプレスする際に、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのを抑制できる圧密化済み帯状電極板の製造方法、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのを抑制した圧密化済み帯状電極板、及び、圧密化済み帯状電極板の活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのが抑制されて信頼性が高い電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

帯状集電箔と、上記集電箔上に上記集電箔の長手方向に延びる帯状に形成され、活物質粒子及び導電粒子を含み、上記集電箔の厚み方向にプレスされて圧密化された活物質層と、を備え、上記長手方向に延びる帯状で、上記厚み方向に上記活物質層を有する活物質部と、上記集電箔の幅方向の端部に位置して上記長手方向に延びる帯状で、上記厚み方向に上記活物質層を有さず上記集電箔が露出した露出部と、からなり、上記活物質層は、上記長手方向に細長く延び、上記導電粒子の含有割合がW1(wt%)である複数の第1細長領域と、上記長手方向に細長く延び、上記導電粒子の含有割合がW1よりも多いW2(wt%)(W2>W1)である複数の第2細長領域とが、ランダム分布する圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、上記活物質粒子、上記導電粒子及び分散媒を含む湿潤粒子集合した粒子集合体を、上記長手方向に圧延して、上記長手方向に延びる帯状の未乾燥活物質層を、上記集電箔上に形成する未乾燥層形成工程と、上記集電箔上の上記未乾燥活物質層を乾燥させて、上記活物質層を形成する乾燥工程と、上記活物質層及び上記集電箔を上記長手方向に搬送しつつロールプレスして、上記活物質層を圧密化するプレス工程と、を備え、上記粒子集合体は、固形分における上記導電粒子の含有割合を上記W1(wt%)として製造した第1湿潤粒子と、固形分における上記導電粒子の含有割合を上記W2(wt%)として製造した第2湿潤粒子と、を混合した混合粒子集合体である圧密化済み帯状電極板の製造方法。

請求項2

請求項1に記載の圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、前記導電粒子は、アセチレンブラック粒子である圧密化済み帯状電極板の製造方法。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、前記第2湿潤粒子の前記導電粒子の前記含有割合W2と前記第1湿潤粒子の上記導電粒子の前記含有割合W1との差ΔW(=W2−W1)が、ΔW≧0.8wt%を満たす圧密化済み帯状電極板の製造方法。

請求項4

請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、前記混合粒子集合体は、前記第1湿潤粒子と前記第2湿潤粒子とが、65:35〜35:65の重量割合で混合されている圧密化済み帯状電極板の製造方法。

請求項5

請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、前記未乾燥層形成工程は、第1ロールとこの第1ロールに平行に配置された第2ロールとの第1ロール間隙に、前記混合粒子集合体を通し圧延して、上記第2ロール上に前記未乾燥活物質層を造膜する造膜工程、及び、上記第2ロールとこの第2ロールに平行に配置された第3ロールとの第2ロール間隙に通した前記集電箔上に、上記第2ロール上の上記未乾燥活物質層を転写する転写工程、を有する圧密化済み帯状電極板の製造方法。

請求項6

帯状の集電箔と、上記集電箔上に上記集電箔の長手方向に延びる帯状に形成され、活物質粒子及び導電粒子を含み、上記集電箔の厚み方向にプレスされて圧密化された活物質層と、を備え、上記長手方向に延びる帯状で、上記厚み方向に上記活物質層を有する活物質部と、上記集電箔の幅方向の端部に位置して上記長手方向に延びる帯状で、上記厚み方向に上記活物質層を有さず上記集電箔が露出した露出部と、からなり、上記活物質層は、上記長手方向に細長く延び、上記導電粒子の含有割合がW1(wt%)である複数の第1細長領域と、上記長手方向に細長く延び、上記導電粒子の含有割合がW1よりも多いW2(wt%)(W2>W1)である複数の第2細長領域とが、ランダムに分布する圧密化済み帯状電極板。

請求項7

請求項6記載の圧密化済み帯状電極板であって、前記導電粒子は、アセチレンブラック粒子である圧密化済み帯状電極板。

請求項8

請求項6または請求項7に記載の圧密化済み帯状電極板であって、前記第2細長領域の前記導電粒子の前記含有割合W2と前記第1細長領域の上記導電粒子の前記含有割合W1との差ΔW(=W2−W1)が、ΔW≧0.8wt%を満たす圧密化済み帯状電極板。

請求項9

請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の圧密化済み帯状電極板であって、前記活物質層は、前記第1細長領域と前記第2細長領域とが、65:35〜35:65の面積割合でランダムに分布している圧密化済み帯状電極板。

請求項10

請求項6〜請求項9のいずれか一項に記載の圧密化済み帯状電極板を用いた電極体を備える電池

技術分野

0001

本発明は、帯状集電箔と、この集電箔上に集電箔の長手方向に延びる帯状に形成された活物質層とを備える圧密化済み帯状電極板の製造方法、圧密化済み帯状電極板、及び、圧密化済み帯状電極板を用いた電池に関する。

背景技術

0002

リチウムイオン二次電池などに用いられる電極板として、帯状の集電箔の上に活物質層が形成された帯状電極板が知られている。更に、このような帯状電極板の中には、集電箔の幅方向の少なくとも一方の端部を、活物質層を有さず集電箔が露出する帯状の露出部(集電部)とした電極板がある。例えば特許文献1に、このような形態の帯状電極板が開示されている(特許文献1の図1等を参照)。
この帯状電極板は、例えば以下の手法により製造する。即ち、まず、帯状の集電箔上に帯状に未乾燥活物質層を形成し、その後、この未乾燥活物質層を乾燥させて、活物質層を形成する。その後、活物質層及び集電箔を長手方向に搬送しつつロールプレスして、活物質層を厚み方向にプレスし圧密化する。かくして、圧密化済み帯状電極板が出来る。

先行技術

0003

特開2018−041625号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、活物質層及び集電箔を長手方向に搬送してロールプレスすると、帯状電極板のうち、活物質層が形成された活物質部と、集電箔が露出した露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じることがあった。その理由は、以下であると考えられる。即ち、上述の帯状電極板においては、厚み方向に活物質層を有する活物質部と、厚み方向に活物質層を有しない露出部とでは、活物質層の分だけ厚みが異なる。このため、活物質層及び集電箔をロールプレスするとき、厚みの厚い活物質部には大きな圧力が掛かるため、この活物質部では、活物質層及び集電箔が圧縮される共に、集電箔が長手方向及び幅方向に延ばされる。一方、厚みの薄い露出部には殆ど圧力が掛からないため、露出部の集電箔は、長手方向にも幅方向にも殆ど延ばされない。かくして、活物質部内の集電箔は長手方向に延ばされるのに対し、露出部の集電箔は長手方向に延ばされ難いため、この差が活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺となって現れると考えられる。

0005

本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、活物質層及び集電箔を長手方向に搬送してロールプレスする際に、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのを抑制できる圧密化済み帯状電極板の製造方法、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのを抑制した圧密化済み帯状電極板、及び、圧密化済み帯状電極板の活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのが抑制されて信頼性が高い電池を提供するものである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するための本発明の一態様は、帯状の集電箔と、上記集電箔上に上記集電箔の長手方向に延びる帯状に形成され、活物質粒子及び導電粒子を含み、上記集電箔の厚み方向にプレスされて圧密化された活物質層と、を備え、上記長手方向に延びる帯状で、上記厚み方向に上記活物質層を有する活物質部と、上記集電箔の幅方向の端部に位置して上記長手方向に延びる帯状で、上記厚み方向に上記活物質層を有さず上記集電箔が露出した露出部と、からなり、上記活物質層は、上記長手方向に細長く延び、上記導電粒子の含有割合がW1(wt%)である複数の第1細長領域と、上記長手方向に細長く延び、上記導電粒子の含有割合がW1よりも多いW2(wt%)(W2>W1)である複数の第2細長領域とが、ランダム分布する圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、上記活物質粒子、上記導電粒子及び分散媒を含む湿潤粒子集合した粒子集合体を、上記長手方向に圧延して、上記長手方向に延びる帯状の未乾燥活物質層を、上記集電箔上に形成する未乾燥層形成工程と、上記集電箔上の上記未乾燥活物質層を乾燥させて、上記活物質層を形成する乾燥工程と、上記活物質層及び上記集電箔を上記長手方向に搬送しつつロールプレスして、上記活物質層を圧密化するプレス工程と、を備え、上記粒子集合体は、固形分における上記導電粒子の含有割合を上記W1(wt%)として製造した第1湿潤粒子と、固形分における上記導電粒子の含有割合を上記W2(wt%)として製造した第2湿潤粒子と、を混合した混合粒子集合体である圧密化済み帯状電極板の製造方法である。

0007

本発明者が調査した結果、未乾燥形成工程で用いる湿潤粒子の固形分における導電粒子の含有割合W(wt%)に応じて、乾燥工程で形成される(プレス工程前の)活物質層の硬さが異なることが判ってきた。具体的には、湿潤粒子の固形分における導電粒子の含有割合Wが多いほど、乾燥工程で形成される活物質層の硬さが柔らかく、この含有割合Wが少ないほど、乾燥工程で形成される活物質層の硬さが硬くなることが判ってきた。一般に、活物質粒子よりも導電粒子のかさ密度は小さいため(導電粒子のかさ密度は0.04〜0.15g/ml程度)、導電粒子が多いほど、未乾燥活物質層及びプレス工程前の活物質層には、空隙を多く含む。そして、この空隙が応力逃げ場の役割クッションのような役割)を果たすため、導電粒子の含有割合Wが多いほど、活物質層の硬さが低下すると考えられる。

0008

上述の圧密化済み帯状電極板(以下、単に「電極板」ともいう)の製造方法では、未乾燥層形成工程で用いる粒子集合体は、固形分における導電粒子の含有割合をW1(wt%)として製造した第1湿潤粒子と、固形分における導電粒子の含有割合をW1よりも多いW2(wt%)(W2>W1)として製造した第2湿潤粒子とを混合した混合粒子集合体である。このため、未乾燥層形成工程で圧延により形成される未乾燥活物質層、及びこれを乾燥工程で乾燥させた活物質層は、第1湿潤粒子及び第2湿潤粒子をそれぞれ起源とした、それぞれ長手方向に細長く延びた2種類の細長領域(第1細長領域及び第2細長領域)がランダムに(に)分布した形態となる。

0009

前述のように、湿潤粒子の固形分における導電粒子の含有割合Wが多いほど、活物質層の硬さが柔らかく、湿潤粒子の固形分における導電粒子の含有割合Wが少ないほど、活物質層の硬さが硬くなる。このため、導電粒子の含有割合がW1である第1細長領域は、比較的に硬くなり、導電粒子の含有割合がW2(W2>W1)である第2細長領域は、比較的に柔らかくなる。

0010

なお、後に詳述するように、第1細長領域及び第2細長領域は、導電粒子の含有割合W1,W2が異なるために、第1細長領域及び第2細長領域の表面の反射率が異なり、色が違って見える。このため、活物質層の表面の場所的な反射率(色)の違いを調査することにより、当該活物質層において複数の第1細長領域と複数の第2細長領域とがランダムに(斑に)分布していることを確認できる。

0011

このように硬さの異なる第1細長領域及び第2細長領域がランダムに分布した活物質層をプレス工程で長手方向に搬送してロールプレスすると、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのを抑制できる。その理由は、以下であると考えられる。即ち、活物質層の各々の第1細長領域及び第2細長領域は、それぞれ長手方向に長く幅方向に短い。ロールプレスにより、幅方向に延びた線圧を活物質部に掛けると、荷重の多くは、硬さが比較的硬く幅方向に点々と存在する複数の第1細長領域に掛かる。その一方、硬い第1細長領域の幅方向の両側には、柔らかい第2細長領域が存在する。このため、集電箔のうち、硬い第1細長領域の直下に位置する部位は、幅方向には延ばされ易いが、硬い第1細長領域が続く長手方向には延ばされ難い。このため、活物質部全体で見ると、活物質層の硬さが全面にわたり均一な従来の活物質部内の集電箔に比して、ロールプレスによる集電箔の幅方向の延びは大きいが、長手方向の延びは小さい。このため、ロールプレスの際に活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じ難くなったと考えられる。

0012

なお、「圧密化済み帯状電極板」としては、活物質層として、正極活物質粒子を含む正極活物質層を有する帯状正極板、及び、活物質層として、負極活物質粒子を含む負極活物質層を有する帯状負極板が挙げられる。
また、「圧密化済み帯状電極板」としては、幅方向の両端部にそれぞれ露出部が形成された電極板、及び、幅方向のいずれか一方の端部にのみ、露出部が形成された電極板が挙げられる。
また、導電粒子としては、例えば、アセチレンブラックカーボンブラックケッチェンブラックグラフェンカーボンナノファイバーなどの粒子などが挙げられる。

0013

更に、上記の圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、前記導電粒子は、アセチレンブラック粒子である圧密化済み帯状電極板の製造方法とすると良い。

0014

上述の電極板の製造方法では、導電粒子としてアセチレンブラック(AB)粒子を用いているので、活物質層の導電性を良好にできると共に、湿潤粒子における導電粒子(AB粒子)の含有割合W1,W2を異ならせることで、乾燥後の硬さの異なる第1湿潤粒子及び第2湿潤粒子を容易に形成できる。

0015

更に、上記のいずれかに記載の圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、前記第2湿潤粒子の前記導電粒子の前記含有割合W2と前記第1湿潤粒子の上記導電粒子の前記含有割合W1との差ΔW(=W2−W1)が、ΔW≧0.8wt%を満たす圧密化済み帯状電極板の製造方法とすると良い。

0016

第2湿潤粒子の導電粒子の含有割合W2と第1湿潤粒子の導電粒子の含有割合W1との差ΔW(=W2−W1)が小さすぎると、具体的には、差ΔWが0.8wt%よりも小さいと(ΔW<0.8wt%)、プレス工程前の活物質層においてランダムに分布した第1細長領域と第2細長領域との硬さの差が小さくなる。第1細長領域と第2細長領域との硬さの差が小さいほど、活物質層の硬さが全面にわたり均一な従来の活物質層に近づくため、ロールプレスの際に活物質部内の集電箔が長手方向に延びるのを抑制する効果が小さくなって、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのを抑制する効果も小さくなりがちである。

0017

これに対し、上述の電極板の製造方法では、第2湿潤粒子の導電粒子の含有割合W2と第1湿潤粒子の導電粒子の含有割合W1との差ΔWを0.8wt%以上(ΔW≧0.8wt%)としているので、プレス工程前の活物質層における第1細長領域と第2細長領域の硬さの差が十分に大きくなる。このため、ロールプレスの際に活物質部内の集電箔が長手方向に延びるのを抑制する効果が十分に大きくなって、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのをより効果的に抑制できる。更に、導電粒子の含有割合W1,W2の差ΔWは、ΔW≧2.8wt%を満たすのが特に好ましい。

0018

更に、上記のいずれかに記載の圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、前記混合粒子集合体は、前記第1湿潤粒子と前記第2湿潤粒子とが、65:35〜35:65の重量割合で混合されている圧密化済み帯状電極板の製造方法とすると良い。

0019

上述の電極板の製造方法では、混合粒子集合体は、第1湿潤粒子と第2湿潤粒子とが概ね等量(65:35〜35:65の重量割合)で混合されているため、乾燥工程で形成される活物質層も、第1細長領域と第2細長領域とが概ね等量(65:35〜35:65の面積割合)でランダムに分布する。このような活物質層をプレス工程でロールプレスすることで、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのをより適切に抑制できる。

0020

更に、上記のいずれかに記載の圧密化済み帯状電極板の製造方法であって、前記未乾燥層形成工程は、第1ロールとこの第1ロールに平行に配置された第2ロールとの第1ロール間隙に、前記混合粒子集合体を通し圧延して、上記第2ロール上に前記未乾燥活物質層を造膜する造膜工程、及び、上記第2ロールとこの第2ロールに平行に配置された第3ロールとの第2ロール間隙に通した前記集電箔上に、上記第2ロール上の上記未乾燥活物質層を転写する転写工程、を有する圧密化済み帯状電極板の製造方法とすると良い。

0021

上述の電極板の製造方法では、未乾燥層形成工程のうち造膜工程で各湿潤粒子(第1湿潤粒子及び第2湿潤粒子)をそれぞれ長手方向に圧延し、転写工程で未乾燥活物質層を集電箔上に転写する。このため、第1湿潤粒子から形成され、長手方向に細長く延びた第1細長領域と、第2湿潤粒子から形成され、長手方向に細長く延びた第2細長領域とが、ランダムに分布した未乾燥活物質層、更には活物質層を容易に形成できる。

0022

また、他の態様は、帯状の集電箔と、上記集電箔上に上記集電箔の長手方向に延びる帯状に形成され、活物質粒子及び導電粒子を含み、上記集電箔の厚み方向にプレスされて圧密化された活物質層と、を備え、上記長手方向に延びる帯状で、上記厚み方向に上記活物質層を有する活物質部と、上記集電箔の幅方向の端部に位置して上記長手方向に延びる帯状で、上記厚み方向に上記活物質層を有さず上記集電箔が露出した露出部と、からなり、上記活物質層は、上記長手方向に細長く延び、上記導電粒子の含有割合がW1(wt%)である複数の第1細長領域と、上記長手方向に細長く延び、上記導電粒子の含有割合がW1よりも多いW2(wt%)(W2>W1)である複数の第2細長領域とが、ランダムに分布する圧密化済み帯状電極板である。

0023

上述の圧密化済み帯状電極板では、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのが抑制されている。このため、この電極板を用いて電極体を形成し、更に電池を形成すれば、信頼性の高い電池とすることができる。

0024

更に、上記の圧密化済み帯状電極板であって、前記導電粒子は、アセチレンブラック粒子である圧密化済み帯状電極板とすると良い。

0025

上述の電極板では、導電粒子としてアセチレンブラック(AB)粒子を用いているので、活物質層の導電性を良好にできる。

0026

更に、上記のいずれかに記載の圧密化済み帯状電極板であって、前記第2細長領域の前記導電粒子の前記含有割合W2と前記第1細長領域の上記導電粒子の前記含有割合W1との差ΔW(=W2−W1)が、ΔW≧0.8wt%を満たす圧密化済み帯状電極板とすると良い。

0027

上述の電極板では、第2細長領域の導電粒子の含有割合W2と第1細長領域の導電粒子の含有割合W1との差ΔWを0.8wt%以上(ΔW≧0.8wt%)としているので、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのがより効果的に抑制されている。このため、この電極板を用いて電極体を形成し、更に電池を形成すれば、より信頼性の高い電池とすることができる。更に、導電粒子の含有割合W1,W2の差ΔWは、ΔW≧2.8wt%を満たすのが特に好ましい。

0028

更に、上記のいずれかに記載の圧密化済み帯状電極板であって、前記活物質層は、前記第1細長領域と前記第2細長領域とが、65:35〜35:65の面積割合でランダムに分布している圧密化済み帯状電極板とすると良い。

0029

上述の電極板では、活物質層は、第1細長領域と第2細長領域とが概ね等量(65:35〜35:65の面積割合)でランダムに分布しているので、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのがより適切に抑制されている。このため、この電極板を用いて電極体を形成し、更に電池を形成すれば、より信頼性の高い電池とすることができる。

0030

また、他の態様は、上記のいずれかに記載の圧密化済み帯状電極板を用いた電極体を備える電池である。

0031

この電池は、前述の圧密化済み帯状電極板、即ち、活物質部と露出部との境界近傍で集電箔に皺が生じるのが抑制された電極板を用いている。このため、信頼性の高い電池とすることができる。なお、電極体としては、前述の圧密化済み帯状電極板を帯状のまま用いて形成した円筒状や扁平状の捲回型電極体や、圧密化済み帯状電極板を矩形状等の所定形状に切断して用いた積層型電極体が挙げられる。

図面の簡単な説明

0032

実施形態に係る電池の斜視図である。
実施形態に係る電極体の斜視図である。
実施形態に係る電極体の展開図である。
実施形態に係る圧密化済み帯状正極板の斜視図である。
実施形態に係る圧密化済み帯状正極板のうち、第1正極活物質層(或いは第2正極活物質層)の部分拡大平面図である。
実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。
実施形態に係る正極板製造工程サブルーチンのフローチャートである。
実施形態に係りロールプレス装置を用いて集電箔上に未乾燥活物質層を形成する様子を示す説明図である。

実施例

0033

以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態に係る電池100の斜視図を示す。また、図2に電池100を構成する電極体120の斜視図を、図3に電極体120の展開図を示す。なお、以下では、電池100の縦方向BH、横方向CH及び厚み方向DHを、図1に示す方向と定めて説明する。
この電池100は、ハイブリッドカープラグインハイブリッドカー電気自動車等の車両などに搭載される角型で密閉型のリチウムイオン二次電池である。この電池100は、角型の電池ケース110と、この内部に収容された扁平状捲回型の電極体120及び電解液105と、電池ケース110に支持された正極端子部材150及び負極端子部材160等から構成される(図1参照)。

0034

このうち電池ケース110は、直方体箱状で金属(本実施形態ではアルミニウム)からなる。この電池ケース110は、上側のみが開口した有底角筒状ケース本体部材111と、このケース本体部材111の開口を閉塞する形態で溶接された矩形板状のケース蓋部材113とから構成される。ケース蓋部材113には、アルミニウムからなる正極端子部材150がケース蓋部材113と絶縁された状態で固設されている。この正極端子部材150は、電池ケース110内で電極体120(図2及び図3も参照)のうち、圧密化済み帯状正極板(圧密化済み帯状電極板)1(以下、単に「正極板1」ともいう)に接続し導通する一方、ケース蓋部材113を貫通して電池外部まで延びている。また、ケース蓋部材113には、銅からなる負極端子部材160がケース蓋部材113と絶縁された状態で固設されている。この負極端子部材160は、電池ケース110内で電極体120のうち、圧密化済み帯状負極板131(以下、単に「負極板131」ともいう)に接続し導通する一方、ケース蓋部材113を貫通して電池外部まで延びている。

0035

電極体120(図1図3参照)は、扁平状をなし、横倒しにした状態で電池ケース110内に収容されている。この電極体120は、正極板1及び負極板131を、一対の帯状のセパレータ141,143を介して重ねて、軸線AX周りに扁平状に捲回した扁平状捲回型の電極体である。
このうち正極板1について、別途図4に斜視図を示し、図5に第1正極活物質層5(或いは第2正極活物質層6)の部分拡大平面図を示す。なお、以下では、正極板1及びこれを構成する正極集電箔3の長手方向EH、幅方向FH及び厚み方向GHを、図4及び図5に示す方向と定めて説明する。

0036

この正極板1は、長手方向EHに延びる帯状のアルミニウム箔からなる正極集電箔3を有する。この正極集電箔3の幅方向FHの一方側FH1(図3中、上方、図4中、左上方)の端部3tを除いて、正極集電箔3の第1主面3a上には、第1正極活物質層5が長手方向EHに帯状に形成されている。また、正極集電箔3の端部3tを除いて、正極集電箔3の反対側の第2主面3b上にも、第2正極活物質層6が長手方向EHに帯状に形成されている。これら第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6は、それぞれ厚み方向GHにプレスされて圧密化されている。

0037

正極板1のうち、幅方向FHの一方側FH1の端部1mは、長手方向EHに延びる帯状で、厚み方向GHに第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6を有さず、正極集電箔3が露出した正極露出部1mとなっている。電池100を構成した状態で、この正極露出部1mには、前述の正極端子部材150が溶接されている。一方、正極板1のうち、幅方向FHの一方側FH1の端部1mを除く他方側FH2の部位は、長手方向EHに延びる帯状で、厚み方向GHに第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6を有する正極活物質部1nとなっている。

0038

第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6は、それぞれ、正極活物質粒子11、導電粒子12及び結着剤13から構成されている。本実施形態では、正極活物質粒子11は、リチウムイオン挿入離脱可能な正極活物質粒子、具体的には、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の1つであるリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物粒子である。また、導電粒子12は、炭素系材料からなる炭素系導電粒子、具体的には、アセチレンブラック(AB)粒子である。また、結着剤13は、ポリフッ化ビニリデンPVDF)である。正極活物質粒子11、導電粒子12及び結着剤13の重量割合は、第1正極活物質層5の全体(或いは第2正極活物質層6の全体)で見ると、活物質粒子:導電粒子:結着剤=94.5:4.0:1.5である。

0039

第1正極活物質層5は、図5に模式的に示すように、複数の第1細長領域5cと複数の第2細長領域5dとが、ランダムに(斑に)分布している。第1正極活物質層5における第1細長領域5cと第2細長領域5dの面積割合は、65:35〜35:65の範囲内、本実施形態では、50:50である。各々の第1細長領域5c及び第2細長領域5dは、それぞれ長手方向EHに細長く延びている。第2細長領域5dにおける導電粒子12の含有割合W2は、第1細長領域5cにおける導電粒子12の含有割合W1よりも多く(W2>W1)、かつ、これらの含有割合W1,W2の差ΔW(=W2−W1)は、ΔW≧0.8wt%、更にはΔW≧2.8wt%である。本実施形態では、導電粒子12の含有割合W1=2.2wt%、含有割合W2=5.8wt%、差ΔW=5.8−2.2=3.6wt%となっている。

0040

なお、第1細長領域5cは、導電粒子12の含有割合W1が少ない(W1=2.2wt%)代わりに、正極活物質粒子11の含有割合が多く(本実施形態では96.3wt%)なっている。一方、第2細長領域5dは、導電粒子12の含有割合W2が多い(W2=5.8wt%)代わりに、正極活物質粒子11の含有割合が少なく(本実施形態では92.7wt%)なっている。他方、結着剤13の含有割合は、第1細長領域5cにおいても第2細長領域5dにおいても、1.5wt%である。

0041

同様に、第2正極活物質層6も、それぞれ長手方向EHに細長く延びる複数の第1細長領域6cと複数の第2細長領域6dとが、ランダムに(斑に)分布している。また、第1正極活物質層5と同様に、第2正極活物質層6における第1細長領域6cと第2細長領域6dの面積割合は、50:50である。また、第1細長領域6cにおける導電粒子12の含有割合W1はW1=2.2wt%、第2細長領域6dにおける導電粒子12の含有割合W2はW2=5.8wt%、これらの含有割合W1,W2の差ΔWはΔW=3.6wt%である。

0042

ここで、第1正極活物質層5(または第2正極活物質層6)における第1細長領域5c及び第2細長領域5d(第1細長領域6c及び第2細長領域6d)の分布状態は、正極板1の第1正極活物質層5(または第2正極活物質層6)の表面を写したグレースケール画像により調査することができる。
導電粒子12であるAB粒子は、極めて反射率が低い。一方、正極活物質粒子11は、ニッケルコバルトを含み、反射率が高い。従って、第1正極活物質層5(または第2正極活物質層6)の表面のうち、導電粒子12が多く正極活物質粒子11が少ない部分ほど、反射率が低く黒っぽく見える一方、導電粒子12が少なく正極活物質粒子11が多い部分ほど、反射率が高く白っぽく見える。つまり、第1細長領域5c,6cは、導電粒子12が少なく正極活物質粒子11が多いため、表面が白っぽく見える。一方、第2細長領域5d,6dは、導電粒子12が多く正極活物質粒子11が少ないため、表面が黒っぽく見える。そこで、第1正極活物質層5(または第2正極活物質層6)の表面を写したグレースケール画像を調査することにより、第1細長領域5c,6c及び第2細長領域5d,6dの分布状態を確かめることができる。

0043

次に、負極板131について説明する(図3参照)。この負極板131は、長手方向IHに延びる帯状の銅箔からなる負極集電箔133を有する。この負極集電箔133の幅方向JHの他方側JH2(図3中、下方)の端部133tを除いて、負極集電箔133の第1主面133a上には、第1負極活物質層135が長手方向IHに帯状に形成されている。また、負極集電箔133の端部133tを除いて、負極集電箔133の反対側の第2主面133bにも、第2負極活物質層136が長手方向IHに帯状に形成されている。これら第1負極活物質層135及び第2負極活物質層136は、それぞれ厚み方向にプレスされて圧密化されている。

0044

また、これら第1負極活物質層135及び第2負極活物質層136は、それぞれ、負極活物質粒子、結着剤及び増粘剤から構成されている。第1負極活物質層135及び第2負極活物質層136は、前述の第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6とは異なり、各構成成分(負極活物質粒子、結着剤及び増粘剤)の含有割合が全面にわたり均一となっている。

0045

負極板131のうち、幅方向JHの他方側JH2の端部131mは、長手方向IHに延びる帯状で、厚み方向に第1負極活物質層135及び第2負極活物質層136を有さず、負極集電箔133が露出した負極露出部131mとなっている。電池100を構成した状態で、この負極露出部131mには、前述の負極端子部材160が溶接されている。一方、負極板131のうち、幅方向JHの他方側JH2の端部131mを除く一方側JH1の部位は、長手方向IHに延びる帯状で、厚み方向に第1負極活物質層135及び第2負極活物質層136を有する負極活物質部131nとなっている。

0046

本実施形態の圧密化済み帯状正極板1では、後述するように、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に皺が生じるのが抑制されている。このため、この正極板1を用いた電極体120を備える電池100は、信頼性の高い電池とすることができる。

0047

また、本実施形態の正極板1では、導電粒子12としてAB粒子を用いているので、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6の導電性を良好にできる。
また、本実施形態の正極板1の第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6では、第2細長領域5d,6dの導電粒子12の含有割合W2と第1細長領域5c,6cの導電粒子12の含有割合W1との差ΔW(=W2−W1)を0.8wt%以上、更には2.8wt%以上(本実施形態ではΔW=3.6wt%)としているので、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に皺が生じるのがより効果的に抑制されている。このため、この正極板1を用いた電極体120を備える電池100は、より信頼性の高い電池とすることができる。

0048

また、本実施形態では、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6は、第1細長領域5c,6cと第2細長領域5d,6dとが概ね等量(65:35〜35:65の面積割合)でランダムに分布しているので、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に皺が生じるのがより効果的に抑制されている。このため、この正極板1を用いた電極体120を備える電池100は、より信頼性の高い電池とすることができる。

0049

次いで、圧密化済み帯状正極板1の製造方法、及び、これを用いた電池100の製造方法について説明する(図6図8参照)。まず「正極板製造工程S1」において、圧密化済み帯状正極板1を製造する。即ち、正極板製造工程S1の「粒子集合体製造工程S11」(図7参照)において、2種類の湿潤粒子(第1湿潤粒子21及び第2湿潤粒子23)からなる混合粒子集合体25を製造する。

0050

粒子集合体製造工程S11の「第1湿潤粒子形成工程S12」において、第1湿潤粒子21を形成する。具体的には、材料の混合及び造粒を行うことが可能な攪拌混合造粒装置(不図示)を用いて、正極活物質粒子11と、導電粒子12と、結着剤13を分散媒14に分散させた結着剤分散液とを混合し、造粒することにより、これらの粘土状合物からなる第1湿潤粒子21を形成する。第1湿潤粒子21の平均粒径は、2mm程度である。本実施形態では、前述のように、正極活物質粒子11はリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物粒子であり、導電粒子12はAB粒子であり、結着剤13はPVDFである。また、分散媒14として、N−メチルピロリドン(NMP)を用いた。

0051

また、この第1湿潤粒子21の形成では、正極活物質粒子11、導電粒子12、結着剤13及び分散媒14の重量割合を、正極活物質粒子:導電粒子:結着剤:分散媒=96.3:2.2:1.5:20.0とした。従って、第1湿潤粒子21の固形分における正極活物質粒子11の含有割合は96.3wt%であり、第1湿潤粒子21の固形分における導電粒子12の含有割合W1はW1=2.2wt%である。

0052

また別途、粒子集合体製造工程S11の「第2湿潤粒子形成工程S13」において、第2湿潤粒子23を形成する。具体的には、同様な攪拌式混合造粒装置(不図示)を用いて、正極活物質粒子11と、導電粒子12と、結着剤13を分散媒14に分散させた結着剤分散液とを混合し、造粒することにより、これらの粘土状混合物からなる第2湿潤粒子23を形成する。この第2湿潤粒子23の平均粒径も、2mm程度である。また、正極活物質粒子11、導電粒子12、結着剤13及び分散媒14は、第1湿潤粒子21の形成と同様なものをそれぞれ用いた。

0053

但し、この第2湿潤粒子23の形成では、正極活物質粒子11、導電粒子12、結着剤13及び分散媒14の重量割合を、正極活物質粒子:導電粒子:結着剤:分散媒=92.7:5.8:1.5:20.0とした。従って、第2湿潤粒子23の固形分における正極活物質粒子11の含有割合は、第1湿潤粒子21の場合(96.3wt%)よりも少なく、92.7wt%である。また、第2湿潤粒子23の固形分における導電粒子12の含有割合W2は、第1湿潤粒子21の場合(W1=2.2wt%)よりも多く、W2=5.8wt%である。

0054

次に、粒子集合体製造工程S11の「混合工程S14」において、第1湿潤粒子21と第2湿潤粒子23を、65:35〜35:65の重量割合(本実施形態では50:50の重量割合)で混合し、混合粒子集合体25を得る。

0055

次に、「第1未乾燥層形成工程S15」において(図7参照)、上述の混合粒子集合体25を長手方向EHに圧延して、長手方向EHに延びる帯状の第1未乾燥活物質層5xを正極集電箔3上に形成する。この第1未乾燥層形成工程S15は、ロールプレス装置200を用いて行う(図8参照)。このロールプレス装置200は、3本のロール、具体的には、第1ロール210と、この第1ロール210に第1ロール間隙G1を介して平行に配置された第2ロール220と、この第2ロール220に第2ロール間隙G2を介して平行に配置された第3ロール230とを有する。これら第1ロール210〜第3ロール230には、それぞれロールを回転駆動させるモータ(不図示)が連結されている。また、ロールプレス装置200は、第1ロール210と第2ロール220との第1ロール間隙G1の上方に、第1湿潤粒子21及び第2湿潤粒子23からなる混合粒子集合体25を、この第1ロール間隙G1に向けて供給する集合体供給部240を有する。

0056

第1未乾燥層形成工程S15を行うにあたり、第1ロール210〜第3ロール230を、図8中に矢印で示す回転方向にそれぞれ回転させる。即ち、第1ロール210及び第3ロール230は、同じ回転方向(本実施形態では時計回り)に回転させ、第2ロール220は、これらとは逆方向(本実施形態では反時計回り)に回転させる。また、第1ロール210の周速Vaよりも第2ロール220の周速Vbを速くし、更に第2ロール220の周速Vbよりも第3ロール230の周速Vcを速くする(Va<Vb<Vc)。

0057

まず第1未乾燥層形成工程S15のうち「第1造膜工程S16」において、第1ロール210と第2ロール220との第1ロール間隙G1に、混合粒子集合体25を通し圧延して、第2ロール220上に第1未乾燥活物質層5xを造膜する。具体的には、集合体供給部240内の混合粒子集合体25が、第1ロール210と第2ロール220の第1ロール間隙G1に向けて供給され、第1ロール210及び第2ロール220で圧延され、膜状の第1未乾燥活物質層5xとなって図8中、下方に押し出され、第2ロール220上に造膜される。この第2ロール220上の第1未乾燥活物質層5xは、第3ロール230側に向けて搬送される。

0058

続いて、第1未乾燥層形成工程S15のうち「第1転写工程S17」において、第2ロール220と第3ロール230との第2ロール間隙G2に通した正極集電箔3上に、第2ロール220上の第1未乾燥活物質層5xを転写する。具体的には、供給ロール(不図示)から引き出した正極集電箔3を第3ロール230に巻き付けて、第3ロール230で正極集電箔3を搬送する。第3ロール230によって搬送された正極集電箔3は、第2ロール220と第3ロール230との間で第2ロール220上の第1未乾燥活物質層5xと接触する。そして、第2ロール220と第3ロール230との間で、第1未乾燥活物質層5xが正極集電箔3の第1主面3a上に転写され、正極集電箔3の第1主面3a上に第1未乾燥活物質層5xが連続的に形成される。なお、この正極集電箔3上に第1未乾燥活物質層5xを有する帯状正極板を、未乾燥片側正極板1xともいう。

0059

続いて、「第1乾燥工程S18」において、正極集電箔3上の第1未乾燥活物質層5xを乾燥させて、第1正極活物質層5を形成する。具体的には、この未乾燥片側正極板1xを乾燥装置(不図示)内に搬送し、未乾燥片側正極板1xのうち第1未乾燥活物質層5xに熱風を吹き付け、第1未乾燥活物質層5x中に残っている分散媒14を蒸発させて、第1正極活物質層5を形成する。なお、この正極集電箔3上に第1正極活物質層5を有する帯状正極板を、片側正極板1yともいう。

0060

続いて、「第2未乾燥層形成工程S19」において、前述の第1未乾燥層形成工程S15と同様に、「第2造膜工程S20」及び「第2転写工程S21」を行って、混合粒子集合体25を長手方向EHに圧延し、長手方向EHに延びる帯状の第2未乾燥活物質層6xを正極集電箔3の第2主面3b上に形成する。即ち、前述のロールプレス装置200を用い、第2造膜工程S20において、混合粒子集合体25を圧延して第2ロール220上に第2未乾燥活物質層6xを造膜する。続いて、第2転写工程S21において、第2ロール220上の第2未乾燥活物質層6xを、第3ロール230で搬送される片側正極板1yのうち、正極集電箔3の第2主面3b上に転写する。これにより、正極集電箔3の第1主面3a上に乾燥済みの第1正極活物質層5を有し、正極集電箔3の第2主面3b上に未乾燥の第2未乾燥活物質層6xを有する片乾燥両側正極板1zが形成される。

0061

続いて、「第2乾燥工程S22」において、前述の第1乾燥工程S18と同様にして、正極集電箔3上の第2未乾燥活物質層6xを乾燥させて、第2正極活物質層6を形成する。具体的には、片乾燥両側正極板1zを乾燥装置(不図示)内に搬送し、片乾燥両側正極板1zのうち第2未乾燥活物質層6xに熱風を吹き付けて、第2正極活物質層6を形成する。これにより、正極集電箔3、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6を有する、圧密化前の圧密化前正極板1wが形成される。

0062

続いて、「プレス工程S23」において、上述の圧密化前正極板1wをロールプレス装置(不図示)で長手方向EHに搬送しつつロールプレスすることにより、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6をそれぞれ厚み方向GHにプレスして圧密化する。これにより、切断前の切断前正極板1vが形成される。

0063

続いて、「切断工程S24」において、切断前正極板1vを幅方向FHの中央で長手方向EHに沿って切断(2分割)する。かくして、図4に示した圧密化済み帯状正極板1が得られる。

0064

また別途、「負極板製造工程S2」(図6参照)において、圧密化済み帯状負極板131を製造する。前述の正極板1の製造では、2種類の湿潤粒子(第1湿潤粒子21及び第2湿潤粒子23)からなる混合粒子集合体25を用いた。これに対し、負極板131の製造では、1種類の湿潤粒子のみからなる負極用の粒子集合体を用意する。具体的には、材料の混合及び造粒を行うことが可能な攪拌式混合造粒装置(不図示)を用いて、負極活物質粒子と結着剤と増粘剤と分散媒とを混合し、造粒することにより、これらの粘土状混合物からなる湿潤粒子が集合した粒子集合体を得る。

0065

次に、図8に示したロールプレス装置200と同様のロールプレス装置により、この粒子集合体を圧延して、第1未乾燥活物質層を負極集電箔133の第1主面133a上に形成する。続いて、負極集電箔133上の第1未乾燥活物質層を乾燥させて、第1負極活物質層135を形成する。続いて、同様のロールプレス装置を用いて、第2未乾燥活物質層を負極集電箔133の第2主面133b上に形成する。続いて、負極集電箔133上の第2未乾燥活物質層を乾燥させて、第2負極活物質層136を形成する。続いて、第1負極活物質層135、第2負極活物質層136及び負極集電箔133をロールプレスすることにより、第1負極活物質層135及び第2負極活物質層136をそれぞれ厚み方向にプレスして圧密化する。続いて、この負極板を幅方向の中央で長手方向に沿って切断(2分割)する。かくして、圧密化済み帯状負極板131が得られる。

0066

次に、「電極体形成工程S3」(図6参照)において、正極板1及び負極板131を、別途用意した一対のセパレータ141,143を介して互いに重ねて、軸線周りに捲回し(図3参照)、扁平状に圧縮して(図2参照)、扁平状捲回型の電極体120を形成する。

0067

次に、「電池組立工程S4」において、電池100を組み立てる。具体的には、ケース蓋部材113を用意し、これに正極端子部材150及び負極端子部材160を固設する(図1参照)。その後、正極端子部材150及び負極端子部材160を、電極体120の正極板1及び負極板131にそれぞれ溶接する。その後、この電極体120をケース本体部材111内に挿入すると共に、ケース本体部材111の開口をケース蓋部材113で塞ぐ。そして、ケース本体部材111とケース蓋部材113とを溶接して電池ケース110を形成する。

0068

次に、「注液封止工程S5」において、ケース蓋部材113に設けられた注液孔113hを通じて電池ケース110内に電解液105を注液し、電解液105を電極体120内に含浸させる。その後、封止部材117で注液孔113hを封止する。
次に、「検査工程S6」において、この電池100について各種検査初充電を行う。かくして、電池100が完成する。

0069

(実施例及び比較例)
次いで、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。実施例4として、実施形態と同様の混合粒子集合体25を用いて、実施形態と同様にして圧密化済み帯状正極板1を製造した。即ち、表1に示すように、実施例4では、固形分における導電粒子12の含有割合W1をW1=2.2wt%として製造した第1湿潤粒子21と、固形分における導電粒子12の含有割合W2をW2=5.8wt%として製造した第2湿潤粒子23とを、50:50の重量割合で混合した混合粒子集合体25を用いた。含有割合W1,W2の差ΔW(=W2−W1)は、ΔW=5.8−2.2=3.6wt%である。そして、第1細長領域5c,6c及び第2細長領域5d,6dがそれぞれ正極集電箔3の長手方向EHに延びる形態に、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6を形成した。

0070

0071

更に、実施例1〜3,5,6として、第1湿潤粒子21の固形分における導電粒子12の含有割合W1、及び、第2湿潤粒子23の固形分における導電粒子12の含有割合W2を、実施例4の含有割合W1,W2とは異ならせた混合粒子集合体25をそれぞれ用意し、それ以外は実施例4と同様(実施形態と同様)にして正極板1を製造した。具体的には、実施例1では、含有割合W1=3.6wt%、含有割合W2=4.4wt%とした(ΔW=0.8wt%)。また、実施例2では、含有割合W1=3.2wt%、含有割合W2=4.8wt%とした(ΔW=1.6wt%)。また、実施例3では、含有割合W1=2.6wt%、含有割合W2=5.4wt%とした(ΔW=2.8wt%)。また、実施例5では、含有割合W1=2.0wt%、含有割合W2=6.0wt%とした(ΔW=4.0wt%)。また、実施例6では、含有割合W1=1.6wt%、含有割合W2=6.4wt%とした(ΔW=4.8wt%)。

0072

更に、実施例7,8として、第1湿潤粒子21と第2湿潤粒子23との混合割合を異ならせた混合粒子集合体25を用いて正極板1を製造した。具体的には、実施例7では、含有割合W1=2.2wt%、含有割合W2=5.0wt%として(ΔW=2.8wt%)、第1湿潤粒子21と第2湿潤粒子23との混合割合を35:65とした。また、実施例8では、含有割合W1=2.2wt%、含有割合W2=6.7wt%として(ΔW=4.5wt%)、第1湿潤粒子21と第2湿潤粒子23との混合割合を60:40とした。

0073

一方、比較例1として、1種類の湿潤粒子のみからなる粒子集合体を用意し、それ以外は実施形態と同様にして正極板を製造した。具体的には、固形分における導電粒子12の含有割合W1をW1=4.0wt%として製造した湿潤粒子のみからなる粒子集合体を用いた。この比較例1では、粒子集合体をなす湿潤粒子が1種類のみであるため、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6は、全面にわたり導電粒子12の含有割合が均一となる。

0074

また、比較例2では、実施例2と同じ混合粒子集合体25(含有割合W1=3.2wt%、含有割合W2=4.8wt%、混合割合50:50)を用意した。また、比較例3では、実施例4と同じ混合粒子集合体25(含有割合W1=2.2wt%、含有割合W2=5.8wt%、混合割合50:50)を用意した。また、比較例4では、実施例6と同じ混合粒子集合体25(含有割合W1=1.6wt%、含有割合W2=6.4wt%、混合割合50:50)を用意した。但し、これら比較例2〜4では、混合粒子集合体25をなす第1湿潤粒子21及び第2湿潤粒子23をそれぞれ、長手方向EHではなく、幅方向FHに圧延することにより、第1細長領域5c,6c及び第2細長領域5d,6dがそれぞれ、長手方向EHではなく、幅方向FHに延びる形態に、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6を形成した。

0075

次に、実施例1〜8及び比較例1〜4の各正極板1について、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に皺が生じているか否かをそれぞれ調査した。その結果、実施例3〜8の各正極板1では、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に、皺が全く生じていなかった(表1の皺評価において「◎」印で示す)。また、実施例1,2の各正極板1では、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に、小さな皺(皺の深さが30μm未満)しか生じていなかった(表1の皺評価において「○」印で示す)。一方、比較例1〜4の各正極板1では、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に、大きな皺(皺の深さが30μm以上)が生じていた(表1の皺評価において「×」印で示す)。

0076

このような結果を生じた理由は、以下であると考えられる。即ち、まず比較例1では、プレス工程S23で正極板1をロールプレスしたとき、厚みの厚い正極活物質部1nには大きな圧力(線圧)が掛かるため、この正極活物質部1nでは、第1正極活物質層5、第2正極活物質層6及び正極集電箔3が圧縮される共に、正極集電箔3が長手方向EH及び幅方向FHに延ばされる。一方、厚みの薄い正極露出部1mには殆ど圧力が掛からないため、正極露出部1mの正極集電箔3は、長手方向EHにも幅方向FHにも殆ど延ばされない。かくして、正極活物質部1n内の正極集電箔3は長手方向EHに延ばされるのに対し、正極露出部1mの正極集電箔3は長手方向EHに延ばされ難いため、この差により正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に、大きな皺が生じたと考えられる。

0077

また、比較例2〜4でも、プレス工程S23前の正極板1の第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6において、第1細長領域5c,6cは、導電粒子12の含有割合が少ない(W1である)ために比較的に硬く、第2細長領域5d,6dは、導電粒子12の含有割合が多い(W2である)ために比較的に柔らかい状態となっている。しかし、比較例2〜4では、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6の第1細長領域5c,6c及び第2細長領域5d,6dは、それぞれ幅方向FHに長く長手方向EHに短い。

0078

プレス工程S23でロールプレスにより、幅方向FHに延びた線圧が、正極活物質部1nのうち幅方向FHに伸びた硬い第1細長領域5c,6cに掛かると、正極集電箔3のうち、この第1細長領域5c,6cの直下に位置する部位は、硬い第1細長領域5c,6cの長手方向EHの前後には、柔らかい第2細長領域5d,6dが存在するため、長手方向EHには延ばされ易いが、硬い第1細長領域5c,6cが続く幅方向FHには延ばされ難い。このため、正極活物質部1nの全体で見ると、ロールプレスによる正極集電箔3の幅方向FHの伸びは小さいが、長手方向EHの延びは大きい。かくして、正極活物質部1n内の正極集電箔3は長手方向EHに延ばされるのに対し、正極露出部1mの正極集電箔3は長手方向EHに延ばされ難いため、この差により正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に、大きな皺が生じたと考えられる。

0079

これに対し、実施例1〜8では、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6の第1細長領域5c,6c及び第2細長領域5d,6dは、それぞれ長手方向EHに長く幅方向FHに短い。プレス工程S23でロールプレスにより、幅方向FHに延びた線圧を正極活物質部1nに掛けると、荷重の多くは、硬さが比較的硬く幅方向FHに点々と存在する複数の第1細長領域5c,6cに掛かる。その一方、硬い第1細長領域5c,6cの幅方向FHの両側には、柔らかい第2細長領域5d,6dが存在する。

0080

このため、正極集電箔3のうち、第1細長領域5c,6cの直下に位置する部位は、幅方向FHには延ばされ易いが、硬い第1細長領域5c,6cが続く長手方向EHには延ばされ難い。このため、正極活物質部1nの全体で見ると、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6の硬さが全面にわたり均一な比較例1の正極活物質部1n内の正極集電箔3に比して、ロールプレスによる正極集電箔3の幅方向FHの延びは大きいが、長手方向EHの延びは小さい。このため、ロールプレスの際に正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に皺が生じ難くなったと考えられる。

0081

また、実施例1,2の各正極板1よりも実施例3〜8の各正極板1で更に皺が生じなくなったのは、第2湿潤粒子23の導電粒子12の含有割合W2と第1湿潤粒子21の導電粒子12の含有割合W1との差ΔWが特に大きく、差ΔWが2.8wt%以上であったためと考えられる。即ち、含有割合W1,W2の差ΔWをΔW≧2.8wt%とすると、プレス工程S23前の第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6における第1細長領域5c,6cと第2細長領域5d,6dの硬さの差が特に大きくなる。このため、プレス工程S23で正極活物質部1n内の正極集電箔3が長手方向EHに延びるのを抑制する効果が特に大きくなって、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に皺が生じるのを特に効果的に抑制できたと考えられる。

0082

以上で説明したように、圧密化済み帯状正極板1の製造方法では、未乾燥層形成工程(第1未乾燥層形成工程S15及び第2未乾燥層形成工程S19)で用いる粒子集合体25は、固形分における導電粒子12の含有割合をW1(wt%)として製造した第1湿潤粒子21と、固形分における導電粒子12の含有割合をW1よりも多いW2(wt%)(W2>W1)として製造した第2湿潤粒子23とを混合した混合粒子集合体である。このため、第1未乾燥層形成工程S15及び第2未乾燥層形成工程S19で圧延により形成される第1未乾燥活物質層5x及び第2未乾燥活物質層6x、及び、これらを第1乾燥工程S118及び第2乾燥工程S22で乾燥させた第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6は、第1湿潤粒子21及び第2湿潤粒子23をそれぞれ起源とした、それぞれ長手方向EHに細長く延びた2種類の細長領域(第1細長領域5c,6c及び第2細長領域5d,6d)がランダムに(斑に)分布した形態となる。

0083

前述のように、導電粒子12の含有割合が少なく、含有割合W1である第1細長領域5c,6cは、比較的に硬くなり、導電粒子12の含有割合が多く、含有割合W2(W2>W1)である第2細長領域5d,6dは、比較的に柔らかくなる。このように硬さの異なる第1細長領域5c,6c及び第2細長領域5d 6dがランダムに分布した第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6をプレス工程S23で長手方向EHに搬送してロールプレスすると、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で皺が生じるのを抑制できる。

0084

また、正極板1の製造方法では、導電粒子12としてAB粒子を用いているので、第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6の導電性を良好にできる。加えて、第1湿潤粒子21及び第2湿潤粒子23における導電粒子(AB粒子)12の含有割合W1,W2(wt%)を異ならせることで、乾燥後の硬さの異なる第1湿潤粒子21及び第2湿潤粒子23を、第1湿潤粒子形成工程S12及び第2湿潤粒子形成工程S13で容易に形成できる。

0085

また、正極板1の製造方法では、第2湿潤粒子23の導電粒子12の含有割合W2と第1湿潤粒子21の導電粒子12の含有割合W1との差ΔWを0.8wt%以上、更には2.8wt%以上としているので、プレス工程S23前の第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6における第1細長領域5c,6cと第2細長領域5d,6dの硬さの差が十分に大きくなる。このため、ロールプレスの際に正極活物質部1n内の正極集電箔3が長手方向EHに延びるのを抑制する効果が十分に大きくなって、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に皺が生じるのをより効果的に抑制できる。

0086

また、正極板1の製造方法では、混合粒子集合体25は、第1湿潤粒子21と第2湿潤粒子23とが概ね等量(65:35〜35:65の重量割合)で混合されているため、第1乾燥工程S18及び第2乾燥工程S22で形成される第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6も、第1細長領域5c,6cと第2細長領域5d,6dとが概ね等量(65:35〜35:65の面積割合)でランダムに分布する。このような第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6をロールプレスすることで、正極活物質部1nと正極露出部1mとの境界BY近傍で正極集電箔3に皺が生じるのをより適切に抑制できる。

0087

また、正極板1の製造方法では、第1未乾燥層形成工程S15の第1造膜工程S16及び第2未乾燥層形成工程S19の第2造膜工程S20で、各湿潤粒子(第1湿潤粒子21及び第2湿潤粒子23)をそれぞれ長手方向EHに圧延し、第1転写工程S17及び第2転写工程S21で第1未乾燥活物質層5x及び第2未乾燥活物質層6xを正極集電箔3上に転写する。このため、第1湿潤粒子21から形成され、長手方向EHに細長く延びた第1細長領域5c,6cと、第2湿潤粒子23から形成され、長手方向EHに細長く延びた第2細長領域5d,6dとが、ランダムに分布した第1未乾燥活物質層5x及び第2未乾燥活物質層6x、更には第1正極活物質層5及び第2正極活物質層6を容易に形成できる。

0088

以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、圧密化済み帯状正極板1の製造に本発明を適用したが、圧密化済み帯状負極板131の製造に本発明を適用することもできる。

0089

また、実施形態の電池100では、電極体120として、圧密化済み帯状正極板1を帯状のまま用いて形成した扁平状捲回型の電極体120を例示したが、これに限られない。例えば、電池100の電極体は、圧密化済み帯状正極板1を長手方向EHに所定間隔毎に切断して矩形状の正極板を形成すると共に、矩形状の負極板及びセパレータをそれぞれ複数用意し、各々矩形状の複数の正極板と複数の負極板とをセパレータを介して交互に積層した積層型の電極体としてもよい。

0090

1圧密化済み帯状正極板(圧密化済み帯状電極板,正極板)
1n正極活物質部
1m 正極露出部(端部)
3正極集電箔
5 第1正極活物質層
5x 第1未乾燥活物質層
6 第2正極活物質層
6x 第2未乾燥活物質層
5c,6c 第1細長領域
5d,6d 第2細長領域
11正極活物質粒子
12導電粒子
13結着剤
14分散媒
21 第1湿潤粒子
23 第2湿潤粒子
25混合粒子集合体(粒子集合体)
100電池
120電極体
131 圧密化済み帯状負極板(負極板)
200ロールプレス装置
210 第1ロール
220 第2ロール
230 第3ロール
G1 第1ロール間隙
G2 第2ロール間隙
EH (正極集電箔及び正極板の)長手方向
FH (正極集電箔及び正極板の)幅方向
GH(正極集電箔及び正極板の)厚み方向
BY境界
S1 正極板製造工程
S11 粒子集合体製造工程
S12 第1湿潤粒子形成工程
S13 第2湿潤粒子形成工程
S14 混合工程
S15 第1未乾燥層形成工程
S16 第1造膜工程
S17 第1転写工程
S18 第1乾燥工程
S19 第2未乾燥層形成工程
S20 第2造膜工程
S21 第2転写工程
S22 第2乾燥工程
S23プレス工程

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ