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技術 距離速度測定装置および距離速度測定方法

出願人 株式会社リコー
発明者 岩田岳志
出願日 2018年11月30日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-225900
公開日 2020年6月4日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-085867
状態 未査定
技術分野 光レーダ方式及びその細部 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 回路誤差 定電流バイアス回路 送出波 周波数期間 小電力化 距離速度 運転補助システム 周波数変位
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

短時間で測定を行うことが可能な距離速度測定装置および距離速度測定方法を提供する。

解決手段

本発明の距離速度測定装置は、第1の周波数変調連続波発生回路(101、102、104)が第1の周波数変調連続波を生成する。第2の周波数変調連続波発生回路(101、103、105)は、第1の周波数変調連続波に対して一定の周波数差を有する第2の周波数変調連続波を生成する。送出回路(107、108)は、第1の周波数変調連続波を送出する。受信回路(113、114、115)は、対象物からの第1の周波数変調連続波の反射波を受信する。処理回路(109、110、111)は、反射波と第2の周波数変調連続波とから対象物との距離または対象物の相対速度の少なくとも一方を算出するためのビート信号を生成する。

概要

背景

近年、自動車自動運転運転補助システムの研究が進み、センシング手段としての車載レーダが注目されている。車載レーダの中で、FMCWレーダは、対象物との距離と対象物の相対速度を測定できるレーダとして、また、微弱反射波検波できるヘテロダイン方式を用いたレーダとして普及しており、電磁波の指向性アンテナの小型化などの開発が進んでいる。

このような中で、たとえば特許文献1に記載のレーダ装置のように、電磁波をレーザ光に置き換えて、指向性の向上や小型化、小電力化を目指したFMCW Lidarの研究も進められている。

概要

短時間で測定を行うことが可能な距離速度測定装置および距離速度測定方法を提供する。本発明の距離速度測定装置は、第1の周波数変調連続波発生回路(101、102、104)が第1の周波数変調連続波を生成する。第2の周波数変調連続波発生回路(101、103、105)は、第1の周波数変調連続波に対して一定の周波数差を有する第2の周波数変調連続波を生成する。送出回路(107、108)は、第1の周波数変調連続波を送出する。受信回路(113、114、115)は、対象物からの第1の周波数変調連続波の反射波を受信する。処理回路(109、110、111)は、反射波と第2の周波数変調連続波とから対象物との距離または対象物の相対速度の少なくとも一方を算出するためのビート信号を生成する。

目的

本発明の目的は、短時間で測定を行うことが可能な距離速度測定装置および距離速度測定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

第1の周波数変調連続波を生成する第1の周波数変調連続波発生回路と、前記第1の周波数変調連続波に対して一定の周波数差を有する第2の周波数変調連続波を生成する第2の周波数変調連続波発生回路と、前記第1の周波数変調連続波を送出する送出回路と、対象物からの前記第1の周波数変調連続波の反射波を受信する受信回路と、前記反射波と前記第2の周波数変調連続波とから前記対象物との距離または前記対象物の相対速度の少なくとも一方を算出するためのビート信号を生成する処理回路と、を具備する距離速度測定装置

請求項2

前記反射波と前記第1の周波数変調連続波とから第2のビート信号を生成する第2の処理回路をさらに具備する請求項1に記載の距離速度測定装置。

請求項3

周波数変調連続波を生成する周波数変調連続波発生回路と、一定周波数連続波を生成する一定周波数連続波発生回路と、前記周波数変調連続波を送出する送出回路と、対象物からの前記周波数変調連続波の反射波を受信する受信回路と、前記反射波と前記一定周波数連続波とから前記対象物との距離を算出するための第1のビート信号を生成する第1の処理回路と、前記反射波と前記周波数変調連続波とから前記対象物の相対速度を算出するための第2のビート信号を生成する第2の処理回路と、を具備する距離速度測定装置。

請求項4

前記周波数変調連続波発生回路は、正の周波数掃引区間と一定周波数の区間とが交互に繰り返される周波数変調連続波を生成する請求項3に記載の距離速度測定装置。

請求項5

前記一定周波数連続波発生回路は、前記一定周波数連続波を生成するように周波数掃引タイミングおよび傾き周波数範囲が設定された周波数掃引機能付き位相同期回路である請求項3または4に記載の距離速度測定装置。

請求項6

前記第1の周波数変調連続波と前記第2の周波数変調連続波とから前記第1の周波数変調連続波と前記第2の周波数変調連続波との周波数差を含むデータを生成する第2の処理回路をさらに具備する請求項1または2に記載の距離速度測定装置。

請求項7

前記周波数変調連続波と前記一定周波数連続波とから前記周波数変調連続波と前記一定周波数連続波との周波数差を含むデータを生成する第3の処理回路をさらに具備する請求項3〜5のいずれか1項に記載の距離速度測定装置。

請求項8

前記ビート信号の値が負の値とならないように前記第2の周波数変調連続波が前記第1の周波数変調連続波に対して有する前記一定の周波数差が設定される請求項1、2または6に記載の距離速度測定装置。

請求項9

前記送出回路は、周波数変調連続波を光信号に変換して放射し、前記受信回路は、対象物によって反射した光信号を受光して電気信号に変換する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の距離速度測定装置。

請求項10

電子装置によって実行される距離速度測定方法であって、第1の周波数変調連続波を生成するステップと、前記第1の周波数変調連続波に対して一定の周波数差を有する第2の周波数変調連続波を生成するステップと、前記第1の周波数変調連続波を送出するステップと、対象物からの前記第1の周波数変調連続波の反射波を受信するステップと、前記反射波と前記第2の周波数変調連続波とから前記対象物との距離または前記対象物の相対速度の少なくとも一方を算出するためのビート信号を生成するステップと、を具備する距離速度測定方法。

技術分野

0001

本発明は、距離速度測定装置および距離速度測定方法に関する。

背景技術

0002

近年、自動車自動運転運転補助システムの研究が進み、センシング手段としての車載レーダが注目されている。車載レーダの中で、FMCWレーダは、対象物との距離と対象物の相対速度を測定できるレーダとして、また、微弱反射波検波できるヘテロダイン方式を用いたレーダとして普及しており、電磁波の指向性アンテナの小型化などの開発が進んでいる。

0003

このような中で、たとえば特許文献1に記載のレーダ装置のように、電磁波をレーザ光に置き換えて、指向性の向上や小型化、小電力化を目指したFMCW Lidarの研究も進められている。

発明が解決しようとする課題

0004

FMCW Lidarは、周波数変調連続波である送出波と反射波との周波数差から対象物との距離を求める。また、FMCW Lidarは、ドップラ効果による周波数シフトによって生じる、掃引の傾きが正の場合における送出波と反射波との周波数差と、掃引の傾きが負の場合における送出波と反射波との周波数差との違いから対象物の相対速度を求める。

0005

ところで、対象物の相対速度が小さいほど、ドップラ効果による周波数シフトは小さくなる。一般に、波形の測定には、最低でも1周期分以上は必要と考えられるため、周波数シフトが小さいほど、測定時間が長くなってしまう。
周波数シフトを大きくする方法として、送出波の高周波化が考えられる。しかし、たとえば、車載用FMCWレーダにおいては、24GHzまたは77GHzのミリ波規格として定められている。また、FMCW Lidarにおいては、LDの動作速度が、現状2GHz程度となっている。したがって、送出波の高周波化には限界がある。

0006

本発明の目的は、短時間で測定を行うことが可能な距離速度測定装置および距離速度測定方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決するために、本発明の距離速度測定装置は、第1の周波数変調連続波を生成する第1の周波数変調連続波発生回路と、前記第1の周波数変調連続波に対して一定の周波数差を有する第2の周波数変調連続波を生成する第2の周波数変調連続波発生回路と、前記第1の周波数変調連続波を送出する送出回路と、対象物からの前記第1の周波数変調連続波の反射波を受信する受信回路と、前記反射波と前記第2の周波数変調連続波とから前記対象物との距離または前記対象物の相対速度の少なくとも一方を算出するためのビート信号を生成する処理回路とを具備する。

発明の効果

0008

本発明によれば、短時間で測定を行うことが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

第1実施形態の距離速度測定装置の構成の一例を示すブロック図。
一般的なFMCW Lidarの構成の一例を示す図。
一般的なFMCW Lidarにおける参照波および反射波とそれらの周波数差との関係を示す第1の図(対象物が停止している場合)。
一般的なFMCW Lidarにおける参照波および反射波とそれらの周波数差との関係を示す第2の図(対象物が動いている場合)。
第1実施形態の距離速度測定装置の動作を説明するための第1のタイミング図(相対速度0km/hの場合)。
第1実施形態の距離速度測定装置の動作を説明するための第2のタイミング図(相対速度0km/hではない場合)。
第1実施形態の距離速度測定装置の動作手順を示すフローチャート
第2実施形態の距離速度測定装置の構成の一例を示すブロック図。
第3実施形態の距離速度測定装置の構成の一例を示すブロック図。
第3実施形態の距離速度測定装置の動作を説明するためのタイミング図。
第4実施形態の距離速度測定装置の構成の一例を示すブロック図。

実施例

0010

以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る距離速度測定装置の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態においては、本発明の距離速度測定装置が、レーザ光を用いるFMCW Lidarとして実現されていることを想定する。なお、FMCW Lidarに限らず、本発明の距離速度測定装置は、周波数連続変調波を用いる様々な種類のレーダとして実現することが可能である。また、以下、対象物との距離とは、距離速度測定装置と対象物との間の距離を意味し、対象物の相対速度とは、距離速度測定装置から対象物を観たときの速度である距離速度測定装置に対する対象物の相対速度を意味するものとする。

0011

この距離速度測定装置は、基準発振器(Xtal:水晶発振器)101と、周波数掃引機能(ランプ機能)付き位相同期回路PLL1_RAMP)102と、電圧制御発振器VCO1)104とで構成される第1の周波数変調連続波発生回路を有する。また、この距離速度測定装置は、基準発振器101と、周波数掃引機能付き位相同期回路(PLL2_RAMP)103と、電圧制御発振器(VCO2)105とで構成される第2の周波数変調連続波発生回路を有する。

0012

第1の周波数変調連続波発生回路の出力は、コンデンサ106を介して定電流バイアス回路(Bias)107からの直流バイアス電流と共にレーザダイオード(LD)108に印加して送出波a1を出力する。一方、第2の周波数変調連続波発生回路の出力は、参照波a2として乗算回路MIX)111に加えられる。

0013

ここで、まず、比較例として、図2から図5を参照して、一般的なFMCW Lidarの構成と、当該一般的なFMCW Lidarが距離および相対速度を測定する手法とについて説明する。
図2は、一般的なFMCW Lidarの構成の一例を示す図である。

0014

FMCW Lidarの送出光は、線形の周波数変調連続波であり、基準発振器(Xtal:水晶発振器)901と、周波数掃引機能付き位相同期回路(PLL_RAMP)902と、電圧制御発振器(VCO)903とによって生成される。そして、生成された線形の周波数変調連続波は、送出波b1としてレーザダイオード(LD)906に加えられ、光信号に変換されて外部へ送出されるものと、参照波b2として乗算回路909に加えられるものとに分かれる。

0015

外部へ送出された光信号のうち、対象物に当たり反射した光信号は、反射波b3としてアバランシェフォトダイオードAPD)912で受光され、電気信号に変換されて乗算回路(MIX)909で参照波b2と乗算される。この時、反射波b3には、対象物との距離による時間遅れが生じている。また、対象物が動いている場合においては、ドップラ効果による周波数シフトも生じている。そのため、乗算回路909から得られるビート信号(反射波と参照波との乗算信号)には、参照波b2と反射波b3との周波数差が含まれている。そこで、周波数解析を行って周波数差を求めることで、対象物との距離と対象物の相対速度を求めることができる。

0016

図3およびと図4は、一般的なFMCW Lidarにおける参照波b2および反射波b3とそれらの周波数差との関係を示す図である。
図3は、対象物が停止している場合であり、図3(A)に示すように、参照波b2に対して反射波b3の周波数は、対象物との間の往復に要する時間遅れている。周波数掃引の傾きが一定なので、図3(B)に示すように、周波数差c1(参照波−反射波)は、一定周波数となり、この周波数差から対象物との距離を求めることができる。

0017

一方、図4は、対象物が動いている場合であり、図4(A)において符号c2で示すように、距離による遅れに加えて、ドップラ効果によって周波数がシフトしている。このため、図4(B)に示すように、周波数差c1は、掃引の傾きが正の場合と負の場合とで異なり、この正負傾き時の周波数差の違いから相対速度を求めることができる。

0018

ところで、以上のような相対速度測定のためのドップラ効果による周波数シフトは、以下の(式1)で求めることができる。
ドップラ効果による周波数シフト=2×相対速度÷波長…(式1)
また、(式1)中の波長は、以下の(式2)で求まる。

0019

波長=光の速さ÷参照波の周波数…(式2)
ここで、この(式1)、(式2)にて、相対速度を1km/h(0.28m/s)、参照波の周波数を2GHzとして、ドップラ効果による周波数シフトを計算する。
波長=(3×108)÷(2×109)=0.15m
ドップラ効果による周波数シフト=2×0.28÷0.15≒3.73Hz
このように、相対速度が1km/h(0.28m/s)と遅い場合、ドップラ効果による周波数シフトとして得られる周波数は低いものとなる。そして、相対速度が遅ければ遅いほど、周波数シフトは小さくなってしまう。

0020

一般に、波形の測定には、信号のオフセット誤差や波形歪など考慮すると、最低でも1周期分以上は必要と考えられるため、ドップラ効果による周波数シフトが3.73Hzであれば、270ms(1/3.73Hz)の測定時間が必要となる。
測定時間を短縮するためには、ドップラ効果による周波数シフトを大きくする必要があるが、ドップラ効果による周波数シフトの大きさは、(式1)、(式2)によると、参照波の周波数に依存する。本実施形態で想定するFMCW Lidarにおいては、LDの動作速度が、現状2GHz程度となっており、参照波の高周波化には限界がある。

0021

そこで、本実施形態の距離速度測定装置は、このように相対速度が遅い場合など、対象物の相対速度に左右されることなく、短時間で相対速度を測定することができる仕組みを備えたものであり、以下、この点について詳述する。
図1戻り、本実施形態の距離速度測定装置の説明を続ける。

0022

周波数掃引機能付き位相同期回路102および周波数掃引機能付き位相同期回路103は、周波数掃引タイミングや傾き周波数範囲などを、データを書き込むことで容易に制御することができる。また、これらが基準発振器101を共有することで、タイミング誤差温度特性経年誤差などが小さくなるようにしている。発光部としてはレーザダイオード(LD)108を用いている。受光部は、アバランシェフォトダイオード(APD)114を用いて、このアバランシェフォトダイオード114と抵抗器113および抵抗器115とで構成している。コンデンサ112を介して転送される受信信号(反射波a3)の処理回路は、参照波a2および反射波a3が与えられる乗算回路111、ローパスフィルタLPF)110および可変ゲインアンプVGA)109で構成している。受信信号の処理回路からの出力はアナログ−デジタル変換回路ADC)を含む信号処理部116へ入力され、信号処理部116において距離や相対速度の算出等の処理が行われる。

0023

レーザダイオード108としては、端面発光型レーザ垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)等を用いることができる。特にVCSELは、小型・高集積化が容易であり、端面発光型レーザよりも高周波駆動に適するという点で有利である。

0024

図5および図6は、本実施形態の距離速度測定装置の動作を説明するためのタイミング図である。
図5は、送出波の周波数と反射波の周波数のピークが同じである、ドップラ効果による周波数シフトが無い相対速度0km/hの場合である。
図5(A)中、符号a1が、第1の周波数変調連続波発生回路の出力による送出波を示し、符号a2が、第2の周波数変調連続波発生回路の出力による参照波を示す。本実施形態の距離速度測定装置の構成において、送出波a1の周波数に対し、乗算回路111の参照波a2の周波数は、一定周波数(fb0)高い周波数を設定している。また、符号a3が示す反射波は、対象物との距離に応じて、送出波a1から時間遅延する。図5(B)は、参照波a2と反射波a3との差周波数であるビート信号d1(fb)を表している。送出波a1の周波数が増加する上り変調期間におけるビート信号d1の周波数(fb1)と、送出波a1の周波数が減少する下り変調期間におけるビート信号d1の周波数(fb2)との間には、送出波a1と参照波a2の差周波数fb0を含む、以下の(式3)、(式4)の関係がある。

0025

fb1=fb0+fr …(式3)
fb2=fb0−fr …(式4)
ここで、frは、反射波の遅延時間τに基づく周波数である。
図5(B)中、fb1とfb2の中間値破線)が、送出波a1と参照波a2の差周波数fb0を示している。

0026

一方、図6は、相対速度0km/hではない場合である。この場合、図6(A)に示すように、相対速度による周波数変化を含んでおり、反射波a3には、距離に応じて生じる時間遅延に加えて、符号d2で示すように、ドップラ効果による周波数の正負方向のシフトが起こっている。そして、図6(B)に示す、上り変調期間のビート周波数fb1と、下り変調期間のビート周波数fb2との間には、以下の(式5)、(式6)の関係がある。

0027

fb1=fb0+fr−fd …(式5)
fb2=fb0−fr−fd …(式6)
ここで、fdはドップラシフト周波数である。
この例では、ドップラ効果により、正方向へ周波数シフトが起こり、送出波a1の周波数のピークよりも反射波a3の周波数のピークが高い値となっている。図5の相対速度0の場合に比べて、ドップラ効果による正のシフト分、ビート周波数は低くなる。

0028

次に、本実施形態の距離速度測定装置における、測定対象物との距離Rと相対速度vの算出方法を説明する。
光速をcとすると、反射波a3の遅延時間τは、τ=2R/cで表される。さらに、送出波a1の繰り返し周波数をfm、送出波a1の周波数変位幅をΔfとすると、周波数frは、
fr=τ・Δf・2fm
fr=4R・Δf・fm/c
で表される。

0029

従って、(式5)、(式6)から、fr=(fb1−fb2)/2であるので、ビート信号d1から距離Rを決定することができる。
また、送出波a1の中心周波数をf0とすると、ドップラシフト周波数は、以下の(式7)、(式8)で表される。
fd=2v・f0/c …(式7)
v=c・fd/2f0 …(式8)
(式5)、(式6)から、fd=fb0−(fb1+fb2)/2であるので、ビート信号d1から相対速度vを決定することができる。

0030

以上からわかるように、本実施形態の距離速度測定装置においては、相対速度が0または0に近い場合でも、fb0を適切に設定することで、fdを実用的な時間で測定可能な周波数にすることができる。このため、測定時間が測定対象物との相対距離に左右されることなく、短い時間で相対速度の測定を行うことができる。

0031

なお、本実施形態では、ビート周波数(fb)が負の値にならないようにfb0を設定することが好ましい。つまり、0Hzでの折り返しが発生しないようにfb0を設定することが好ましい。ビート周波数は、対象物との距離や対象物の相対速度に依存するため、測定対象とするレンジによってfb0を変化させればよい。

0032

また、参照波a2の周波数は、送出波a1の周波数に対して負の方向にシフトさせてもよく、この時は「送出波a1−参照波a2」として周波数差を得ればよい。
図7は、本実施形態の距離速度測定装置の動作手順を示すフローチャートである。
本実施形態の距離速度測定装置においては、第1の周波数変調連続波(送出波)を生成するとともに(ステップS1)、この第1の周波数変調連続波に対して一定の周波数差を有する第2の周波数変調連続波(参照波)を生成する(ステップS2)。

0033

距離速度測定装置は、第1の周波数変調連続波を送出し(ステップS3)、対象物からの第1の周波数変調連続波の反射波を受信する(ステップS4)。そして、距離速度測定装置は、反射波と第2の周波数変調連続波を乗算してビート信号を生成する(ステップS5)。

0034

以下、距離速度測定装置は、ステップS1〜ステップS4の手順によって得たビート信号を周波数解析して反射波と第2の周波数変調連続波との周波数差を算出し(ステップS6)、反射波と第2の周波数変調連続波との周波数差から対象物との距離・相対速度を算出する(ステップS7)。

0035

以上のように、本実施形態の距離速度測定装置においては、送出波と参照波との間に一定の周波数差を与えることで、ビート信号として得られる周波数範囲を設定することができる。これにより、本実施形態の距離速度測定装置は、対象物の相対速度に左右されることなく、短時間で相対速度を測定することができる。

0036

(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る距離速度測定装置の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態と同様、本実施形態においても、本発明の距離速度測定装置が、レーザ光を用いるFMCW Lidarとして実現されていることを想定する。また、前述したように、FMCW Lidarに限らず、本発明の距離速度測定装置は、周波数連続変調波を用いる様々な種類のレーダとして実現することが可能である。ここでは、第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用い、それらについての重複する説明を省略する。

0037

本実施形態の距離速度測定装置においては、図1に示した第1実施形態の距離速度測定装置の構成に対して、乗算回路(MIX)203、ローパスフィルタ(LPF)202および可変ゲインアンプ(VGA)201で構成される受信信号の処理回路を追加する(破線で囲まれた部分)。乗算回路203には、第1の周波数変調連続波発生回路の出力が参照波a2−2として加えられる。

0038

つまり、乗算回路203によって得られるビート信号は、図2から図5を参照して説明した一般的なFMCW Lidarで得られるビート信号と同じである。すなわち、本実施形態の距離速度測定装置においては、第1実施形態で説明した測定方法で得られるビート信号と、従来通りの測定方法で得られるビート信号との2種類のビート信号を得られるようにしている。具体的には、本実施形態の距離速度測定装置は、測定状態に応じて、2種類のビート信号のうちの一方を選択できるようにしている。

0039

第1実施形態で説明した測定方法においては、周波数掃引機能付き位相同期回路102と周波数掃引機能付き位相同期回路103との差周波数の誤差が測定結果に含まれる可能性がある。そこで、本実施形態の距離速度測定装置における信号処理部116は、たとえば、測定時間に問題がない場合(相対速度が十分に速い等)においては、従来通りの測定方法を選択(乗算回路203の出力を使用)し、一方、相対速度が小さい場合においては、第1実施形態で説明した測定方法を選択(乗算回路111の出力を使用)することなどを可能とする。

0040

また、本実施形態の距離速度測定装置における信号処理部116は、距離計測においては、従来通りの測定方法を選択(乗算回路203の出力を使用)し、一方、相対速度計測においては、第1実施形態で説明した測定方法を選択(乗算回路111の出力を使用)することなども可能となる。

0041

このように、本実施形態の距離速度測定装置においては、参照波の周波数が異なる2つのビート信号が得られ、さらに、たとえば相対速度計測用途と距離計測用途とで使い分けるなど、最適なビート信号を適応的に選択することができるようになる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。

0042

図9は、本実施形態に係る距離速度測定装置の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態および第2実施形態と同様、本実施形態においても、本発明の距離速度測定装置が、レーザ光を用いるFMCW Lidarとして実現されていることを想定する。また、前述したように、FMCW Lidarに限らず、本発明の距離速度測定装置は、周波数連続変調波を用いる様々な種類のレーダとして実現することが可能である。ここでは、第1実施形態および第2実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用い、それらについての重複する説明を省略する。

0043

本実施形態の距離速度測定装置においては、図8に示した第2実施形態の距離速度測定装置の構成に対して、周波数掃引機能付き位相同期回路103に代えて周波数掃引機能を持たない位相同期回路(PLL2)301を配置する変更を施している。なお、前述したように、周波数掃引機能付き位相同期回路103は、周波数掃引タイミングや傾き周波数範囲などを、データを書き込むことで容易に制御することができるので、第2実施形態の距離速度測定装置における第2の周波数変調連続波発生回路を、一定周波数連続波発生回路として使用するようにしてもよい。

0044

距離測定の場合は、送出波a1が対象物に当たり反射波a3として受光するまでの時間の遅延を測定するので、周波数掃引とする必要がある。一方、相対速度測定の場合は、ドップラ効果による周波数シフトの測定になるので、周波数掃引とする必要はない。そこで、本実施形態の距離速度測定装置においては、従来通りの測定方法で得られるビート信号に加えて取得するビート信号を得るための参照波a2−3を、制御が単純で周波数安定性が望める一定周波数連続波とする。

0045

図10は、このような構成を有する本実施形態の距離速度測定装置の動作を説明するためのタイミング図である。
本実施形態の距離速度測定装置においては、図10(A)に示すように、乗算回路111の参照波a2−3を、乗算回路203の参照波a2−2より高い一定の周波数に設定する。また、乗算回路203の参照波a2−2を、正の周波数掃引と一定周波数との繰り返しとする。

0046

そして、本実施形態の距離速度測定装置の場合、図10(B1)において符号d1−2で示す乗算回路203の参照波(a2−2)−反射波(a3)では、周波数掃引期間で距離の測定を行うこととする(e1:距離の測定ポイント)。また、図10(B2)において符号d1−3で示す乗算回路111の参照波(a2−3)−反射波(a3)では、一定周波数期間で相対速度の測定を行うこととする(e2:相対速度の測定ポイント)。

0047

このように、本実施形態の距離速度測定装置においては、相対速度測定時は一定周波数での制御として周波数掃引誤差をなくすことで、さらに、測定精度測定速度との両立を可能とする。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。

0048

図11は、本実施形態に係る距離速度測定装置の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態から第3実施形態と同様、本実施形態においても、本発明の距離速度測定装置が、レーザ光を用いるFMCW Lidarとして実現されていることを想定する。また、前述したように、FMCW Lidarに限らず、本発明の距離速度測定装置は、周波数連続変調波を用いる様々な種類のレーダとして実現することが可能である。ここでは、第1実施形態から第3実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用い、それらについての重複する説明を省略する。

0049

本実施形態の距離速度測定装置においては、図1に示した第1実施形態の距離速度測定装置の構成に対して、乗算回路(MIX)403、ローパスフィルタ(LPF)402および可変ゲインアンプ(VGA)401で構成される補正用データの生成部を追加する(破線で囲まれた部分)。乗算回路403には、第1の周波数変調連続波発生回路の出力(a1)と第2の周波数変調連続波発生回路の出力(a2)とが加えられる。

0050

つまり、本実施形態の距離速度測定装置においては、第1実施形態で説明した測定方法での測定データ(参照波a2および反射波a3の差周波数を含むデータ)を生成し、信号処理部のアナログ−デジタル変換回路(ADC1)へ出力する。さらに、乗算回路403により第1の周波数変調連続波発生回路の出力(送出波)a1と第2の周波数変調連続波発生回路の出力(参照波)a2との周波数差を含む補正用データを生成し、信号処理部のアナログ−デジタル変換回路(ADC2)へ出力する。ADC1からの出力およびADC2からの出力に基づき、信号処理部116において距離や相対速度の算出が行われる。

0051

本実施形態の距離速度測定装置においては、送出波a1および参照波a2との周波数差を含む補正用データを信号処理部116に入力しているので、この補正用データに基づき、測定データの補正を行うことができる。電圧制御発振器104と電圧制御発振器105とは、周波数掃引機能付き位相同期回路102や周波数掃引機能付き位相同期回路103でフィードバック制御しているが、アナログ電圧値で調整するため、揺らぎが生じる可能性がある。揺らぎが生じると、その周波数がビート信号(ビート周波数)に現れてしまうため、この揺らぎを補正できることが好ましい。

0052

本実施形態の距離速度測定装置においては、電圧制御発振器104と電圧制御発振器105との周波数差を、測定データと同期的に出力される補正用データで計測できるため、測定データに含まれる揺らぎを補正することができる。
このように、本実施形態の距離速度測定装置においては、相対速度と距離に関係なく周波数差を測定することで、さらに、回路誤差などによる影響を低減することができる。

0053

なお、本実施形態では、第1実施形態の距離速度測定装置の構成に対して、電圧制御発振器104の出力と電圧制御発振器105の出力とを乗算する乗算回路403その他を追加したが、第2実施形態の距離速度測定装置の構成または第3実施形態の距離速度測定装置の構成に対して、電圧制御発振器104の出力と電圧制御発振器105の出力とを乗算する乗算回路403その他を追加するようにしてもよい。この場合においても、回路誤差などによる影響をキャンセルすることができる。

0054

以上のように、ここで示したいくつかの実施形態の距離速度測定装置においては、2つの連続波発生回路を設け、それぞれの出力を送出波と参照波とに使い分ける。また、これら2つの連続波発生回路を、予め送出波と参照波との間で一定の周波数差を持つように制御する。これにより、相対速度0km/hかつ距離0mの状態でも、ビート信号に予め与えていた送出波と参照波との周波数差が生じ、この周波数差を基点として、相対速度や距離によって周波数が変化することになる。これにより、対象物の相対速度に左右されることなく、短時間で相対速度を測定することが実現される。

0055

なお、以上のいくつかの実施形態の説明は、発明の範囲を限定することを意図するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形、変更を行うことができる。

0056

101…基準発振器、102,103…周波数掃引機能付き位相同期回路、104,105…電圧制御発振器、106,112…コンデンサ、107…定電流バイアス回路、108…レーザダイオード、109,201,401…可変ゲインアンプ、110,202,402…ローパスフィルタ、111,203,403…乗算回路、113,115…抵抗器、114…アバランシェフォトダイオード、116…信号処理部、301…位相同期回路。

先行技術

0057

特開2015−129646号公報

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