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課題

鉄を含有する金属粒子を水に分散させた金属粒子水分散体において、金属粒子の安定分散及び鉄の酸化抑制を実現する。

解決手段

ニッケルコバルト、錫、モリブデンから選択される少なくとも一種の金属と、鉄との合金からなる金属粒子を、分散剤を加えた水に分散させる。

概要

背景

電子機器の小型化や薄型化に伴い、金属材料微細配置技術や薄膜形成技術、微細接合技術が検討されている。例えば、微細且つ緻密な電子機器の製造において、プリンテッドエレクトロニクス製造技術の開発が進んでいる。係る技術は、平均粒子径が100nm以下の金属粒子溶媒中に分散させたインクを調製し、インクジェット印刷法スクリーン印刷法で微細なパターン形状塗布形成することで電子機器を製造する技術である。また、金属粒子を微粒子化すると、低温焼成機能が発現し、金属粒子同士が焼結すると同時に被接合材表面と結合する特性(非特許文献1参照)を利用した接合剤としての検討もされており、金属粒子は様々な工業材料への利用が有望視されている。金属粒子に使用される金属としては、銀粒子銅粒子での検討が多くなされており、例えば、特許文献1では、銅粒子を用いた金属粒子インクが提案されている。インクジェット印刷法に適用するインクの場合、金属粒子の平均分散粒子径が500nmを超えるとインクジェットヘッドノズル目詰まり等が発生するため、安定して印刷するためには平均分散粒子径は300nm以下が望ましいとされている。しかしながら、実際は微粒子化が進むことで表面エネルギーが増加して金属粒子が凝集し易くなる、という技術課題があり、微粒子化するほどインクジェットノズル内での凝集粒子の目詰まりによる吐出エラーを引き起こすことが懸念される。
また金属粒子水分散体に用いられる主溶媒としては、作業環境への負荷地球環境への負荷をともに低減させる観点から水が求められている。しかしながら、水は金属表面を酸化させ易く、微粒子化が進むとさらに金属の表面積が増加し、酸化が促進され金属酸化物を形成することが分かっており金属自身の特性が変化してしまう。特に使用用途が多い鉄については銀や銅よりも酸化しやすく、安定的な鉄粒子の水分散体を製造するのは困難が多かった。特許文献2には、金属粒子を鉄からなるコアを銀などで覆ったコアシェル型として水に分散させた金属粒子水分散体が開示されている。

概要

鉄を含有する金属粒子を水に分散させた金属粒子水分散体において、金属粒子の安定分散及び鉄の酸化抑制を実現する。ニッケルコバルト、錫、モリブデンから選択される少なくとも一種の金属と、鉄との合金からなる金属粒子を、分散剤を加えた水に分散させる。なし

目的

本発明の課題は、鉄を含有する金属粒子を水に分散させた金属粒子水分散体において、金属粒子の安定分散及び鉄の酸化抑制を実現することにある

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ニッケルコバルト、錫、モリブデンから選択される少なくとも一種の金属と、鉄との合金からなり、動的光散乱法による平均粒子径D50が1乃至250nmである金属粒子と、水と、分散剤と、を含むことを特徴とする金属粒子水分散体

請求項2

前記金属粒子に含まれる鉄と、鉄以外の金属とのモル比が7:3乃至1:9であることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子水分散体。

請求項3

前記金属粒子と、前記分散剤との質量比が1:0.5乃至1:5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属粒子水分散体。

請求項4

前記分散剤が、脂肪酸塩アルキルベンゼンスルホン酸塩アルキルスルホン酸塩ポリカルボン酸塩のいずれか一つを少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属粒子水分散体。

請求項5

前記脂肪酸塩がラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸ミリストレイン酸パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸エライジン酸バクセン酸ガドレイン酸エイコセン酸、エルカ酸ネルボン酸、の塩のいずれか一つを少なくとも含むことを特徴とする請求項4に記載の金属粒子水分散体。

請求項6

請求項1乃至5に記載の金属粒子水分散体と界面活性剤水溶性有機溶媒とを含むことを特徴とするインク

請求項7

前記界面活性剤が下記一般式(1)であらわされる化合物であることを特徴とする請求項6に記載のインク。(一般式(1)において、R1乃至R4はそれぞれ独立に炭素数1乃至3のアルキル基であり、x及びyはそれぞれ独立に1乃至5であり、m+nは0乃至20である。)

請求項8

金属粉末層を形成する工程と、前記金属粉末層に、予め取得した造形対象物スライスデータに基づいて、金属粒子を含有するインクを付与する工程と、を複数回繰り返して積層体を形成した後、前記積層体を、前記インクに含まれる金属粒子が溶融或いは焼結する温度に加熱して前記インクを付与された領域の前記金属粉末一体化し、次いで、前記インクを付与されていない領域の金属粉末を除去し、3次元造形物を得る3次元造形方法であって、前記インクが請求項6又は7に記載のインクであることを特徴とする3次元造形方法。

請求項9

前記3次元造形物を、前記金属粉末が溶融或いは焼結する温度まで加熱することを特徴とする請求項8に記載の3次元造形方法。

技術分野

0001

本発明は鉄を含有する金属粒子を水に分散させた金属粒子水分散体と、該金属粒子水分散体を用いてなるインク、該インクを用いた3次元造形方法に関する。

背景技術

0002

電子機器の小型化や薄型化に伴い、金属材料微細配置技術や薄膜形成技術、微細接合技術が検討されている。例えば、微細且つ緻密な電子機器の製造において、プリンテッドエレクトロニクス製造技術の開発が進んでいる。係る技術は、平均粒子径が100nm以下の金属粒子を溶媒中に分散させたインクを調製し、インクジェット印刷法スクリーン印刷法で微細なパターン形状塗布形成することで電子機器を製造する技術である。また、金属粒子を微粒子化すると、低温焼成機能が発現し、金属粒子同士が焼結すると同時に被接合材表面と結合する特性(非特許文献1参照)を利用した接合剤としての検討もされており、金属粒子は様々な工業材料への利用が有望視されている。金属粒子に使用される金属としては、銀粒子銅粒子での検討が多くなされており、例えば、特許文献1では、銅粒子を用いた金属粒子インクが提案されている。インクジェット印刷法に適用するインクの場合、金属粒子の平均分散粒子径が500nmを超えるとインクジェットヘッドノズル目詰まり等が発生するため、安定して印刷するためには平均分散粒子径は300nm以下が望ましいとされている。しかしながら、実際は微粒子化が進むことで表面エネルギーが増加して金属粒子が凝集し易くなる、という技術課題があり、微粒子化するほどインクジェットノズル内での凝集粒子の目詰まりによる吐出エラーを引き起こすことが懸念される。
また金属粒子水分散体に用いられる主溶媒としては、作業環境への負荷地球環境への負荷をともに低減させる観点から水が求められている。しかしながら、水は金属表面を酸化させ易く、微粒子化が進むとさらに金属の表面積が増加し、酸化が促進され金属酸化物を形成することが分かっており金属自身の特性が変化してしまう。特に使用用途が多い鉄については銀や銅よりも酸化しやすく、安定的な鉄粒子の水分散体を製造するのは困難が多かった。特許文献2には、金属粒子を鉄からなるコアを銀などで覆ったコアシェル型として水に分散させた金属粒子水分散体が開示されている。

0003

特開2008−13466号公報
特開2007−063662号公報

先行技術

0004

金属ナノ粒子を用いた接合技術」表面技術、Vol.59,No.7,2008、第443〜447頁

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記した従来の金属粒子水分散体においては、分散安定性に乏しい場合があり、また、鉄が含まれる金属粒子は、水中に分散した場合にすぐに酸化してしまい、物性の変化や分散の不安定化など安定分散が難しい場合があった。
本発明の課題は、鉄を含有する金属粒子を水に分散させた金属粒子水分散体において、金属粒子の安定分散及び鉄の酸化抑制を実現することにある。また、本発明の課題は、該金属粒子水分散体を用いて印刷特性に優れたインクを提供すること、さらには、該インクを用いた3次元造形方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明の第一は、ニッケルコバルト、錫、モリブデンから選択される少なくとも一種の金属と、鉄との合金からなり、動的光散乱法による平均粒子径D50が1乃至250nmである金属粒子と、水と、分散剤と、を含むことを特徴とする金属粒子水分散体である。
本発明の第二は、本発明の第一の金属粒子水分散体と界面活性剤水溶性有機溶媒とを含むことを特徴とするインクである。
本発明の第三は、金属粉末層を形成する工程と、前記金属粉末層上に、予め取得した造形対象物スライスデータに基づいて、金属粒子を含有するインクを付与する工程と、を複数回繰り返して積層体を形成した後、
前記積層体を、前記インクに含まれる金属粒子が溶融或いは焼結する温度に加熱して前記インクを付与された領域の前記金属粉末一体化し、次いで、
前記インクを付与されていない領域の金属粉末を除去し、造形物を得る3次元造形方法であって、
前記インクが本発明の第二のインクであることを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明によれば、鉄と鉄以外の特定の金属とを含む金属粒子を分散剤を用いて水に分散させることで、鉄の酸化が抑制され、微粒子でも安定した金属粒子水分散体が得られる。よって、係る金属粒子水分散体を用いて、インクジェット印刷にも好ましく適用されるインクを提供することができ、係るインクを用いて、安定した3次元造形方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の3次元造形法に用いられる3次元造形装置の模式図である。

0009

本発明の金属粒子水分散体は、ニッケル、コバルト、錫、モリブデンの少なくとも一種と、鉄との合金からなり、動的光散乱法(DLS)による平均粒子径Dが1乃至250nmである金属粒子を、分散剤を用いて水に分散させたことに特徴を有する。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対して適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれる。

0010

〔金属粒子水分散体〕
以下、本発明における金属粒子水分散体の構成について説明する。
本発明の金属粒子水分散体は、水中に、鉄を含有する金属粒子を分散剤で被覆して分散させた構成である。本発明に係る金属粒子は、鉄塩と、ニッケル、コバルト、錫、モリブデンから選択される少なくとも一つの元素を含む金属塩(鉄塩以外の金属塩)と、の混合物還元することによって得られる。また、最初に鉄塩を還元剤により還元した後、鉄塩以外の金属塩を添加してさらに還元剤を添加することによっても得ることができる。

0011

鉄塩としては、Fe(II)、Fe(III)を含むものであれば限定されない。例としては、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、硫酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、アセチルアセトナト鉄などが挙げられる。
ニッケル元素を含む金属塩としては、Ni(II)を含むものであれば限定されない。例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル硝酸ニッケル炭酸ニッケル酢酸ニッケルニッケルカルボニルアセチルアセトナトニッケルなどが挙げられる。
コバルト元素を含む金属塩としては、Co(II)を含むものであれば限定されない。例えば塩化コバルト臭化コバルト硫酸コバルト硝酸コバルト炭酸コバルト酢酸コバルトオクタカルボニルコバルトアセチルアセトナトコバルトなどが挙げられる。
錫元素を含む金属塩としては、Sn(II)を含むものであれば限定されない。例えば、塩化錫臭化錫硫酸錫硝酸錫、炭酸錫、酢酸錫、アセチルアセトナト錫などが挙げられる
モリブデン元素を含む金属塩としては、Mo(II)、Mo(III)、Mo(IV)、Mo(V)を含むものであれば限定されない。例えば、塩化モリブデン(III)乃至(V)、臭化モリブデン(III)などが挙げられる。

0012

ニッケル、コバルト、錫、モリブデンは、鉄よりも酸化還元電位が高い。よって、本発明において、鉄の酸化が抑制されるメカニズムは、これら金属との合金とすることによって、金属粒子と水中の酸素との反応が鉄のみの粒子よりも緩やかになるためであると考えられる。また、鉄以外の金属が含まれることで、金属粒子において鉄元素露出している表面積が減少し、物理的にも酸素と接しにくくなることも要因と考えられる。本発明において、鉄以外の金属による鉄の酸化抑制効果を得る上で、金属粒子に含まれる鉄と鉄以外の金属との比率は、モル比で7:3乃至1:9であることが好ましい。よって、鉄塩と、鉄塩以外の金属塩とを還元する際には、最終的に得られる金属粒子に含まれる鉄と鉄以外の金属とのモル比が上記範囲となるように調整することが望ましい。

0013

還元時に用いる還元剤としては、一般的に金属の還元に用いられる還元剤を用いることができる。例として、ホウ素化水素ナトリウム、ホウ素化水素リチウム、ホウ素化水素カリウム水素化ナトリウム水素化リチウムヒドラジンアスコルビン酸などが挙げられる。還元剤濃度は高いほうが好ましく、1質量%以上、室温での飽和溶液以下とすることが好ましい。

0014

鉄塩及び鉄塩以外の金属塩の還元時に添加剤を加えることで、還元によって生成する金属粒子の形状や粒子径を制御することができる。その理由として、還元剤によって成長している結晶表面にこれらの添加剤が吸着することで、結晶成長阻害し、金属粒子の1次粒子径を抑制するためと考えられる。添加剤としては、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メタノールピロリドン、N−エタノールピロリドン、ポリビニルピロリドンPVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、脂肪酸塩から選ばれる1種又は2種以上の化合物が挙げられる。これらの添加剤は0.1乃至10質量%含まれていることが好ましい。添加剤として含まれるPVP又はPEGの質量平均分子量は1000以上100000以下の範囲内が好ましい。また、分子量分布の異なるPVP又はPEGを複数混合して添加することが好ましい。
還元時の溶媒としては主として脱イオン水アルコール類が使用される。アルコール類としては例えばメタノール、エタノール、プロパノールイソプロパノールなどが挙げられ、1種又は2種以上を用いてもよく、脱イオン水と混合して使用してもよい。

0016

これらのイオン物質カウンターイオンとしては、ナトリウムイオンカリウムイオン、及び下記一般式(A)で記載される化合物であることが好ましい。このような有機アミン系のカウンターイオンを用いた場合、金属粒子水分散体をインクなどにしてパターン描画した後、加熱・焼結によって除去可能であるため、金属としての性能をより大きく発現することが可能となり、好ましい。

0017

0018

上記一般式(A)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、−H,−CH3,−CH2CH3,−CH2CH2CH3,−CH2CH2CH2CH3,−CH2OH,−CH2CH2OH,−CH2CH2CH2OHのいずれかである。

0019

これらの分散剤のうち、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩アルキルスルホン酸塩ポリカルボン酸塩から選択される1種以上の分散剤を用いることが好ましい。また、脂肪酸塩としては、ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸ミリストレイン酸パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸エライジン酸バクセン酸ガドレイン酸エイコセン酸、エルカ酸ネルボン酸、の塩のいずれか一つを少なくとも含むことが好ましい。

0020

分散剤の濃度は0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下が特に好ましい。分散剤が0.1質量%以上で金属粒子の分散性が良好となり、酸化の抑制も十分となる。また、分散処理に適した適度な粘度の範囲として30質量%以下が好ましい。
また、金属粒子と、分散剤の質量比が1:0.5乃至1:5であることが好ましい。金属粒子に対する分散剤の質量比は少なすぎると金属粒子の分散が不十分で粗大粒子が残るおそれがあり、多すぎると金属粒子の分散が不安定となる。

0021

本発明における金属粒子は、DLSによる平均粒子径D50(50%累積体積粒子径)が5nm以上250nm以下である。D50が5nm以上で、金属粒子の表面積が適度な範囲となり、十分な酸化防止作用が保持され、D50が250nm以下で金属粒子の比重が適度な範囲となり、分散状態を保つことができる。

0022

〔金属粒子水分散体の製造方法〕
続いて、本発明の金属粒子水分散体の製造方法について例示するが、係る方法に限定されるものではない。

0023

溶液調製工程〉
先ず、上記で示した鉄塩及び鉄塩以外の金属塩を所望のモル比にて脱イオン水又は/及びアルコール類中に完全に溶解させ、原料溶液Aを得る。鉄塩及び鉄塩以外の金属塩の濃度は合計して0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。この時、鉄塩及び鉄塩以外の金属塩の溶液は別々の容器に溶解させ、原料溶液A−1、原料溶液A−2としてもよい。
さらに別の容器中に還元剤を脱イオン水又は/及びアルコール類中に完全に溶解させ、還元剤溶液Bを得る。還元剤の量は、使用する鉄塩及び鉄塩以外の金属塩の合計に対してモル濃度で1倍以上20倍以下とすることが好ましい。
ここで、PVPなどの添加剤は原料溶液A、還元剤溶液Bいずれに添加してもよい。還元剤溶液Bは還元剤の高濃度の溶液とすることが望ましいので、原料溶液Aに添加することが好ましい。

0024

〈還元工程〉
還元を行う際に、析出する金属粒子の酸化反応を抑制するために、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。不活性ガスとしては窒素アルゴン等の不活性ガスが例示される。原料溶液Aを水浴中で30℃以上70℃以下に撹拌下で加温し、還元剤溶液Bを0.05mL/秒以上5.0mL/秒以下の速度で原料溶液Aに滴下する。滴下直後から黒色の金属粒子懸濁液が得られる。反応時間はその懸濁液が十分に得られる程度の時間行うことが好ましい。
溶液調製工程にて別々の容器に原料溶液A−1とA−2とを調製した場合には、原料溶液A−1の還元中に原料溶液A−2を混合してもよいし、原料溶液A−1の還元が完了した後、原料溶液A−2を混合しさらに還元を行ってもよい。

0025

洗浄工程〉
還元が終了した懸濁液を脱イオン水で洗浄する。洗浄方法としては、デカンテーション遠心法限外濾過などいずれの方法も用いることができる。洗浄は、除去した溶液に含まれる還元剤又は還元剤の構成元素の濃度が100ppm以下になるまで行う。洗浄後、高濃度の金属粒子ペーストが得られる。

0026

〈金属粒子の分散工程〉
得られた金属粒子ペーストに分散剤、添加剤、溶媒を加えて十分に撹拌後、分散を行う。分散は超音波撹拌超音波ホモジナイザージェットミルビーズミルローターステーターホモジナイザーナノマイザー等の方法又はこれらの方法の組み合わせにて行う。分散条件は特に制限はなく、実際に使用する装置によって異なるが、処理対象とする金属粒子の種類・濃度、分散剤の種類・濃度など処理量に応じて、均一な分散液が形成されるように適宜設定すればよい。また、分散後に過剰な分散剤を洗浄により除去してもよい。

0027

〔インク〕
以下、本発明におけるインクの構成について説明する。
本発明のインクは、前述した本発明の金属粒子水分散体と界面活性剤と水溶性有機溶媒とを含み、これらの添加によって金属粒子水分散体にインクとしての適性を付与することが可能となる。また、必要に応じて各種添加剤、樹脂粒子を含む。例えばインクジェットに用いるインクの場合、液物性である粘度、表面張力、pHは上記界面活性剤、水溶性有機溶媒、添加剤の添加によって使用するインクジェットヘッドに合わせて適宜調整を行えばよい。また、樹脂粒子を含有することによりインク付与媒体への密着性結着性耐擦過性を上げることができる。

0028

〈水及び水溶性有機溶媒〉
本発明のインクに含まれる水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量は、インク全質量を基準として、30質量%以上90質量%以下であることが好ましい。本発明において、「水溶性有機溶媒」とは、「水に対する20℃における溶解度が200g/L以上である有機溶媒」を意味する。水溶性有機溶媒としては、インクに使用可能なものとして公知のものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類アルキレングリコール類ポリエチレングリコール類含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。インク中における水溶性有機溶媒の含有量が、インク全質量を基準として、70質量%以下であることが好ましく、2質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。水溶性有機溶媒としては、グリセリンエチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールテトラエチレングリコール重量平均分子量が10,000以下であるポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールジグリセロール、2−ピロリドンから選択される少なくとも何れかの水溶性有機溶媒を含有することが好ましい。

0029

〈界面活性剤〉
本発明のインクは、さらに界面活性剤を含む。界面活性剤としては従来公知のものを何れも用いることができるが、中でもノニオン性界面活性剤であるアセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物フッ素系界面活性剤シリコン系界面活性剤が好ましい。

0030

中でも、アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物を用いることがより好ましい。特に、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられる。

0031

上記一般式(1)において、R1乃至R4はそれぞれ独立に炭素数1乃至3のアルキル基であり、x及びyはそれぞれ独立に1乃至5であり、m+nは0乃至20である。

0032

アセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物としては、例えば、Surfynol 104、440、465(以上、エアプロダクツ社製)、アセチレノールE40、E60、E100(以上、川研ファインケミカル社製)、Dynol 604、607、800、810(以上、エアプロダクツ社製)などが挙げられる。

0033

界面活性剤の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上1.5質量%以下であることがより好ましい。0.1質量%以上で十分な大きさのドット径が得られ、描画部を良好に埋めることができる。また、3.0質量%以下で記録媒体への浸透が浅くなり、金属粒子が記録媒体深く浸透してしまうことで金属濃度局所的に低下するのを防止することができる。

0034

これらの界面活性剤は2種類以上組み合わせて添加しても良い。特にアセチレングリコール等のエチレンオキサイド付加物とフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を組みわせることで、記録媒体に対する濡れ性を大きくする効果が得られる。

0035

〈添加剤〉
本発明のインクは、必要に応じて、上記以外の界面活性剤、pH調整剤防錆剤防腐剤防黴剤酸化防止剤還元防止剤蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、アセチルトコフェロール尿酸没食子酸グルタチオングリシングリシルグリシンシステイン塩酸塩などを用いることが好ましい。pH調整剤としては、緩衝能を有するアミン化合物を用いることが好ましく、中でもN−ブチルジエタノールアミンを用いることが好ましい。

0036

〈樹脂粒子〉
本発明のインクは、必要に応じて樹脂粒子を含有してもよい。本発明において、「樹脂粒子」とは、粒径を有する状態で溶媒中に分散して存在する樹脂を意味する。
本発明において、樹脂粒子のDLSによる平均粒子径D50(50%累積体積粒子径)は、1nm以上200nm以下であることが好ましい。また、5nm以上100nm以下であることがより好ましい。本発明において、樹脂粒子の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。0.1質量%より小さいと、インク付与媒体への密着性、結着性、耐擦過性などの向上効果が十分に得られない場合がある。また、10.0質量%より大きいと、インクの吐出安定性などが十分に得られない場合がある。
樹脂粒子の種類としてはポリアクリル酸系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子を好適に用いることができる。

0037

〔3次元造形方法〕
本発明の3次元造形方法は、上記した本発明のインクを用いることを特徴とし、下記の工程(1)乃至工程(4)を有する。
工程(1):金属粉末層を形成する工程
工程(2):予め取得された造形対象物のスライスデータに基づいて、金属粉末層の所望の領域(造形領域)にインクを付与する工程
工程(3):インクに含まれる金属粒子が溶融或いは焼結する温度まで、金属粉末層を加熱し、造形領域の金属粉末を金属粒子によって固定し、一体化する工程
工程(4):造形領域外の金属粉末を除去する工程

0038

上記の工程(1)乃至(4)を行うことにより、金属粉末層1層分の厚みを有するシート状(又は板状)の造形物を形成することができ、上記工程(1)乃至(4)を繰り返すことによって、1層ずつ積層して3次元造形物を得ることができる。また、工程(1)乃至(3)を繰り返した後に工程(4)を行うことにより、ハングオーバーを有する3次元造形物を得ることもできる。さらに、工程(1)と(2)とを複数回繰り返して積層体を形成した後、工程(3)と(4)とを行うことで、1回の加熱工程でハングオーバーを有する3次元造形物を形成することができる。以下に各工程について詳細に説明する。

0039

造形を開始する前に、造形装置又は外部装置(例えばパーソナルコンピュータなど)によって、造形対象物の3次元形状データから、各層を形成するためのスライスデータが生成されているものとする。3次元形状データとしては、3次元CAD、3次元モデラー、3次元スキャナなどで作成されたデータを用いることができ、例えば、STLファイルなどを好ましく利用できる。スライスデータは、造形対象物の3次元形状を所定の間隔(厚み)でスライスして得られるデータであり、断面の形状、層の厚み、材料の配置などの情報を含むデータである。層の厚みは造形精度に影響するため、要求される造形精度や造形に用いる粒子の粒子径に応じて層の厚みを決めると良い。

0040

〈工程(1)〉
工程(1)では、造形対象物のスライスデータに基づき、金属粉末層が形成される。本明細書では、複数の金属粉末粒子集合体を「金属粉末」と称し、複数の金属粉末粒子を層状(シート状)に成形したものを「金属粉末層」と称し、複数の金属粉末層を積層したものを「積層体」と称す。本工程の段階では、金属粉末層を構成する個々の金属粉末粒子は固定されていないが、金属粉末粒子間に作用する付着力により金属粉末層の形態は保持される。

0041

金属粉末粒子として使用可能な金属としては、例えば、銅、錫、鉛、金、銀、白金パラジウムイリジウムチタンタンタル、鉄などが挙げられる。また、ステンレス合金チタン合金コバルト合金アルミニウム合金マグネシウム合金鉄合金ニッケル合金クロム合金シリコン合金ジルコニウム合金などの金属合金を用いてもよい。また、炭素鋼など金属に炭素などの非金属元素を添加したものも用いられる。

0042

金属粉末層の形成は、例えば、特開平8−281807号公報に開示されているように、上方開口したコンテナと、コンテナの内部に設定された昇降可能な支持体と、ワイパーを備えた材料供給装置とを用いて形成することができる。具体的には、支持体の上面がコンテナの上縁より一層の厚さ分だけ下方となる位置に調整し、材料供給装置により平板上に材料を供給した後、ワイパーによって平坦化することにより1層分の金属粉末層を形成することができる。或いは、平面(ステージ又は作製中の造形物の表面)上に金属粉末を供給し、層厚規制手段(例えばブレードなど)で金属粉末の表面を均すことにより、所望の厚さの金属粉末層を形成してもよい。さらに、加圧手段(例えば加圧ローラ加圧板など)で金属粉末層を加圧してもよい。加圧することによって金属粉末粒子間の接触点数が増加することで、造形物の欠陥が形成されにくくなる傾向にある。また、金属粉末層中の金属粉末粒子が緻密に存在することで、後段の工程(2)及び(3)の処理中に金属粉末粒子が動くこと(金属粉末層の形態が崩れること)が抑制され、形状精度の高い造形物を作製することができる。

0043

〈工程(2)〉
工程(2)では、造形対象物のスライスデータに基づき、液体付与装置によって、金属粉末層のうちの造形領域に、金属粒子を含むインク、即ち本発明のインクを付与する。ここで「造形領域」とは、造形対象物の断面に対応する領域(つまり、金属粉末層のうち金属粉末粒子を固めて造形物として取り出すべき部分)をさす。尚、造形領域外の領域(つまり、工程(4)で金属粉末が除去されるべき部分)は「非造形領域」と呼ぶ。

0044

インクに含まれる金属粒子は、少なくとも、金属粉末層を形成する金属粉末粒子よりも低い温度及び/又は短い時間で焼結が可能な粒子である。言い換えると、金属粉末粒子と金属粒子の両方を含む粉体を加熱した場合に、金属粉末粒子同士は焼結せず、金属粒子同士が焼結する、という加熱条件(温度や時間など)が設定できるように、金属粉末粒子の金属種が選択される。ここで「焼結」とは、金属粒子同士が接触する状態で金属粉末粒子を融点以下の温度で加熱し、金属粒子同士を固定(結合)させる処理をいう。ここでいう「金属粉末粒子同士は焼結せず」とは、金属粉末粒子同士が互いに直接固定されていない状態、及び、金属粉末粒子同士が互いに直接固定されていても、金属粉末粒子の境界部分が明確に観察でき、固定する力が弱い場合を含む。

0045

工程(2)と(3)との間に、インクを乾燥させる工程を設けるとよい。工程(1)と(2)とを複数回繰り返した後に工程(3)を行う場合には、インクを乾燥させる工程は、1層ごとに工程(2)の後に行うのが好ましい。乾燥が進むにつれて徐々に濃縮されるインクが、その表面張力によって、金属粉末粒子間の粒界に集まる。インク中の金属粒子はインクの動きに伴い、選択的に金属粉末粒子間の粒界に集まり、凝集する。乾燥工程の結果として、金属粉末粒子の粒界にナノ粒子集積することによって後述する金属粒子の焼結時に金属粉末粒子を効率的に且つ強固に固定することができる。インクを乾燥する際には、インクの濃度や量などに応じて最適な温度、時間などの乾燥条件を選ぶとよい。
インクの付与に用いる液体付与装置としては、所望の位置に所望の量でインクを付与できる装置であればどのようなものを用いてもよい。液量や配置位置が精度良く制御可能な点から、インクジェット装置を好ましく利用できる。

0046

〈工程(3)〉
工程(3)では、インクに含まれる金属粒子が溶融或いは焼結する温度まで金属粉末層を加熱することで、金属粒子を介して、造形領域内の金属粉末粒子同士を固定する。工程(3)は、金属粉末層1層毎に行っても、工程(1)と工程(2)とを繰り返して複数の金属粉末層を積層した後に行ってもよい。加熱効率を考慮すると、後者が好ましい。
加熱時の雰囲気は材料の種類に応じて任意に定めることができる。例えば、Ar、N2などの不活性ガスや、水素ガス雰囲気真空雰囲気などの酸素が少ない雰囲気で加熱することが、焼結時の金属の酸化を抑えることができるため好ましい。

0047

〈工程(4)〉
工程(4)では、工程(3)で得られた積層体から造形領域外の金属粉末を除去し、造形物を得る。積層体から不要な金属粉末を除去する方法としては、公知の方法を含め、いかなる方法を用いてもよい。例えば、洗浄、エア吹付吸引加振などが挙げられる。造形領域外の金属粉末粒子は固定されていないか、固定されていたとしても、造形領域と比較して弱く固定されているため、除去が極めて容易である。また、除去した金属粉末は回収して造形材料として再利用することもできる。

0048

上述した工程(1)乃至(4)は本実施形態の造形方法のうちの基本的な工程を例示するものにすぎず、本発明の範囲は上述した内容に限定されるものではない。上述した各工程の具体的な処理内容を適宜変更したり、上述した各工程以外の工程を追加したりしても構わない。
例えば、工程(4)の後に、工程(3)での加熱温度よりも高い温度で造形物を加熱することで、造形物の密度を高めることができる。この場合、金属粉末粒子が焼結する条件(加熱温度、加熱時間など)で造形物を加熱してもよい。金属粉末粒子同士を焼結させることにより、造形物の特性を向上させ、強度をより高めることができる。

0049

〔3次元造形装置〕
本発明の3次元造形方法を実施するための装置について、図面を用いて説明する。尚、装置の各構成要素の相対配置、装置形状等は、あくまで例示であり、それらのみに限定するものではない。

0050

図1は、本発明に適用可能な3次元造形装置の全体構成断面図である。装置全体は、金属粉末タンク1、金属粉末供給槽2、造形槽3、ローラ4、インク吐出ヘッド6及びインクサブタンク7を備えたインク吐出ユニット5、ヒータユニット8、制御ユニット9、インクタンク10、金属粉末供給ステージ11、造形槽底板12、造形ステージ13、操作ユニット14を備え、積層体16を形成するものであり、これらが装置筐体内に配置されている。

0051

制御ユニット9は、コントローラユーザーインターフェース、各種I/Oインターフェースを備えた制御部を内蔵し、装置全体の各種制御を司る。
金属粉末タンク1は、図示していない金属粉末カートリッジを備える。使用者は金属粉末カートリッジを3次元造形装置本体に正面から挿入して装着する。装着された金属粉末カートリッジ内の金属粉末は金属粉末タンク1から金属粉末供給槽2に送られ供給用金属粉末15として蓄えられる。供給用金属粉末15は、金属粉末供給ステージ11をA方向に移動させることで上昇し、上昇した高さ分の金属粉末が、その後ローラ4をF方向に移動させることで積層体16の表面に移される。尚、ローラ4は、E方向及びF方向に移動可能な不図示の移動機構と、G方向とH方向とのいずれか一方向もしくは両方向に回転可能な不図示の回転機構とを備える。また、金属粉末供給では、ローラ4をF方向に移動させ、積層体16を過ぎた後に、E方向に移動させることで積層体16上に供給した金属粉末を平滑化させてもよい。金属粉末供給の際に、ローラ4をG方向もしくはH方向に回転させながら移動させてもよい。

0052

造形槽3の上方にはインク吐出ユニット5が配置されている。インク吐出ユニット5では、J方向及びK方向へ移動可能な不図示の移動機構を備え、複数インク分の独立したインク吐出ヘッド6がインク吐出ユニット5の移動方向に沿って保持されている。インク吐出ユニット5の移動に同期して、インク吐出ヘッド6からインクが吐出され、積層体16上にインクが付与される。また、インク付与の際には、インク吐出ヘッド6をJ方向及びK方向の両方向に移動させてもよいし、いずれか一方向にのみ移動させてもよい。

0053

インクタンク10は、各種類のインクを独立して貯蔵する。インク種別重複してもよい。インクタンク10からはチューブによって各インクに対応して設けられたインクサブタンク7までインクが供給され、インクサブタンク7から各インク吐出ヘッド6までチューブでインクが供給される。インク吐出ヘッド6は、インク吐出ユニット5の駆動時の移動方向に沿って各インクのラインヘッドが並んでいる。各インクのラインヘッドは、継ぎ目無く単一ノズルチップで形成されたものであってもよいし、分割されたノズルチップが一列又は千鳥配列のように規則的に並べられたものであってもよい。ノズルからインクを吐出するインクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。インクを付与する領域のデータに基づいて各ヘッドのノズルからインクが吐出され、吐出のタイミングはインク吐出ユニット5の図示していない移動用エンコーダ出力信号によって決定される。

0054

インクが付与された複数の金属粉末層からなる積層体16は、ヒータユニット8で加熱される。加熱後、積層厚に従ってD方向に下降する。加熱と下降は逆順であってもよい。造形が終了し、異なる積層体16の造形を開始する際には、造形ステージ13はC方向に移動し、造形槽3を交換可能にする。また、金属粉末供給ステージ11をB方向に下降し、供給用金属粉末15を補充する。
操作ユニット14は、積層体16が造形中か造形終了か等オーダー毎の造形状況の確認や、金属粉末残量やインク残量装置状態の確認、ローラクリーニングやインク吐出ヘッドクリーニング等の装置メンテナンスの実施を行うために操作者が操作/確認するためのユニットである。

0055

以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の記載において、「部」は質量部を示す。

0056

物性測定法〕
〈平均粒子径D50〉
DLS法による粒子径測定装置ナノトラック150(マイクロトラック社製)を用いて180秒間の測定を3回行い、その平均粒子径D50(50%累積体積粒子径)を求めた。
〈分散安定性評価
25℃にて静置したサンプル溶液目視で観察し、以下の基準によって安定性を評価した。
○:3日後でも色変化なく、沈殿物なし
△:3日後でも色変化なく、少量の沈殿物がみられるが流動性には問題なし
×:3日後には変色が有る、又は沈殿物が有る

0057

(実施例1乃至22、比較例1乃至3)
表1乃至表3に示した各材料の処方にて金属粒子水分散体を作製した。先ず、鉄塩と鉄塩以外の金属塩とをナス型フラスコにとり、添加物、エタノール、及び脱イオン水を加えた原料溶液Aと、還元剤を脱イオン水に加えた還元剤溶液Bをそれぞれ溶解させ、調製した。また、表1乃至表3中における物質は以下のものであり、数値は全て質量部を表す。
PVP K15:ポリビニルピロリドン、Mw10,000(キシダ化学製
PVP K30:ポリビニルピロリドン、Mw30,000(キシダ化学製)
PEG:ポリエチレングリコール20,000(キシダ化学製)
NaBH4:水素化ホウ素ナトリウム(キシダ化学製)
リアリムFA1150A:高分子分散剤日油製

0058

続いて原料溶液Aを50℃の水浴中で加温し、溶液温度が50℃になった後、原料溶液Aに還元剤溶液Bを0.1g/秒の速度で滴下した。添加後直ちに黒色懸濁液となり、金属粒子が生成した。その後、金属粒子を脱イオン水で十分に洗浄し、洗浄液ナトリウムイオン濃度が100ppm以下になったところで終了し、金属粒子ペーストを得た。この金属粒子ペーストはTG−DTAによる熱分析から、50質量%以上の金属粒子を含んでいることがわかった。

0059

この金属粒子ペーストに表1乃至表3に示した分散剤と脱イオン水とを添加し、室温にて30分撹拌した。脱イオン水は30分以上窒素ガスバブリングしてガス置換した後使用した。その後、ホモジナイザーT−25(IKA製)で8,000rpm、2時間分散し、金属粒子水分散体を得た。この金属粒子水分散体の平均粒子径D50、分散安定性をそれぞれ上記の方法により評価した。結果を表1乃至表3に示した。

0060

0061

0062

0063

(実施例23)
10.4gのFeCl2・4H2Oと28.2gのNiCl2・6H2Oとをナス型フラスコにとり、ポリビニルピロリドンK15、K30をそれぞれ2.0g、エタノールを100g、及び脱イオン水を100g加えた溶液Cと、10gの還元剤NaBH4とを脱イオン水20gに加えた溶液Dをそれぞれ溶解させ、調製した。

0064

続いて溶液Cを50℃の水浴中で強制撹拌機にて1500rpmで撹拌しながら加温し、溶液温度が50℃になった後、溶液Cに溶液Dを0.1g/秒の速度で滴下した。添加後直ちに黒色懸濁液となり、金属粒子が生成した。その後、金属粒子を脱イオン水で十分に洗浄し、洗浄液のナトリウムイオン濃度が100ppm以下になったところで終了し、金属粒子ペーストを得た。この金属粒子ペーストはTG−DTAによる熱分析から、50質量%以上の金属粒子を含んでいることがわかった。

0065

この金属粒子ペーストに分散剤としてオレイン酸アンモニウム1.0gとドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム5.0g、さらに脱イオン水30gを添加し、室温にて30分撹拌した。その後、ホモジナイザーT−25(IKA製)で8,000rpm、1時間分散し、金属粒子水分散体Eを得た。かかる金属粒子水分散体Eを下記の組成で混合し、60分間撹拌した後、フィルタを透過させインクを調製した。尚、AE100はアセチレングリコール系界面活性剤(川研ファインケミカル社製)である。
・金属粒子水分散体E 80部
・グリセリン10部
・ジエチレングリコール5部
・ポリエチレングリコール1000 4部
・AE100 1部

0066

調製したインクの平均粒子径D50は46nmであり、室温静置3日後でも沈殿や変色は確認できなかった。また、TG−DTA(リガク社製)にて、調製したインクを白金パン中に10mg入れ、エアフロー中、900℃(昇温速度:10℃/分)で分析した。最終的な残分から、金属粒子の濃度を求めた。この時、金属粒子は仕込み量と同じ比率で得られているものとした。また有機物は全て蒸発したとし、鉄は全て酸化鉄(Fe3O4)に、ニッケルは全て酸化ニッケル(NiO)に変化したとして残分の計算を行ったところ、金属濃度は5.0質量%であった。調製したインクをピエゾヘッドKJ4B(京セラ製)を搭載した描画装置を用いて吐出し、パターンを描画できることを確認した。

0067

(実施例24)
17.6gのFeCl2・4H2Oをナス型フラスコにとり、ポリビニルピロリドンK15、K30をそれぞれ1.5g、エタノールを100g、及び脱イオン水を100g加えた溶液Fを調製した。また、20.2gのNiCl2・6H2Oをナス型フラスコにとり、ポリビニルピロリドンK15、K30をそれぞれ1.5g、エタノールを100g、及び脱イオン水を100g加えた溶液Gを調製した。5.0gの還元剤NaBH4を脱イオン水10gに加えて溶解させた溶液を2つ作製し、溶液H−1、溶液H−2を調製した。

0068

続いて溶液F、溶液Nを50℃の水浴中で強制撹拌機にて400rpmで撹拌しながら加温し、溶液温度が50℃になった後、溶液Fに溶液H−1を0.1g/秒の速度で滴下した。添加後直ちに黒色懸濁液となり、鉄粒子が生成した。撹拌を15分行った後、溶液Gを加え、さらに溶液H−2を0.1g/秒の速度で滴下した。さらに撹拌を15分行った後、得られた黒色の金属粒子を脱イオン水で十分に洗浄し、洗浄液のナトリウムイオン濃度が100ppm以下になったところで終了し、金属粒子ペーストを得た。この金属粒子ペーストはTG−DTAによる熱分析から、50質量%以上の金属粒子を含でいることがわかった。

0069

この金属粒子ペーストに分散剤としてオレイン酸アンモニウム1.0gとドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム5.0g、さらに脱イオン水30gを添加し、室温にて30分撹拌した。その後、ホモジナイザーT−25(IKA製)で8,000rpm、1時間分散し、金属粒子水分散体Iを得た。金属粒子水分散体Iを下記の組成で混合し、60分間撹拌した後、フィルタを透過させインクを調製した。尚、表記した化合物は以下のとおりである。
BT−9:Neocryl BT−9アクリル系樹脂粒子(DSM社製)
Dynol800:界面活性剤(エアプロダクツ社製)
・金属粒子水分散体I 70部
・グリセリン10部
・ジエチレングリコール4.7部
・BT−9 15部
・Dynol800 0.3部

0070

調製したインクの平均粒子径D50は41nmであり、室温静置3日後でも沈殿や変色は確認できなかった。また、実施例23と同様にして、本例のインクを分析したところ、金属濃度は4.3質量%であった。調製したインクをピエゾヘッドKJ4B(京セラ製)を搭載した描画装置を用いて吐出し、パターンを描画できることを確認した。

実施例

0071

(実施例25)
図1に示した装置と実施例23で作製したインクとを用い、30mm×10mm×1mmの板状造形物を作製した。
工程(1)
金属粉末としてSUS316L(平均粒子径11μm:山陽特殊製鋼製)粒子を用いた。金属粉末層の積層は1層当たり100μmの厚さで行った。
工程(2)
実施例23で作製したインクをピエゾヘッドKJ4B(京セラ製)を用いて造形領域に付与した。各層の付与毎に60℃で加熱して乾燥を行った。
工程(3)
全10層積層終了後、積層体を650℃、1時間窒素雰囲気下で加熱し、インク中の金属粒子を焼結させた。
工程(4)
得られた積層体から造形領域外のSUS316L粒子を除去し、30mm×10mm×1mmの造形物を得た。さらに得られた造形物を1400℃、1時間真空下で加熱し、21×7×0.7mmの造形物を得た。この造形物の引っ張り強度は490MPaであり、SUS316LのJIS規格の引っ張り強度480MPaを超えていた。

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