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技術 車両用のシート

出願人 マツダ株式会社
発明者 三戸沙織岩本良幸
出願日 2018年11月19日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-216424
公開日 2020年6月4日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-082849
状態 未査定
技術分野 マットレス,及びいす,ベッドに関するその他 車両用座席
主要キーワード 掛止部位 緩衝部位 滑り抑制効果 サイドワイヤ 長時間乗車 リアフック 立体形 環状枠
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

滑りを効果的に抑制することができ、座り心地も良好な車両用シートを実現する。

解決手段

車幅方向に延びるように配置されるクッション10と一体化されたパッド20を備える。パッド20が、フロアパネル2cに設けられた第1規制部材50により、所定以上の前方への移動が規制された状態で、フロアパネル2cに対して遊動可能に設けられている。

概要

背景

車両用シートは、座り心地見栄えが良いだけでなく、運転時や衝突時に、着座したユーザをしっかりとサポートできる安定性も要求される。

開示する技術に関し、特許文献1には、軽量で座り心地が良好になるように工夫された車両のリアシートが開示されている。そのリアシート(シートクッション)は、軟らかい表層パッドと硬い裏層パッドとを積層して構成されている。リアシートは、裏層パッドに固定された取付具を、フロアパネルに設けられた取付孔に差し込むことにより、車両に取り付けられている。

特許文献1では、着座したユーザの臀部が位置するリアシートの中間部を、その他の部分よりも軟らかくする(表層パッドを薄く、かつ、裏層パッドを厚くする)ことで、座り心地を良好にしている。そして、リアシートの前後の縁部を相対的に硬くすることで、ユーザの前後方向の滑り位置ずれを抑制し、リアシートの左右の端部を相対的に硬くすることで、シートの型崩れを抑制している。

ユーザの前後方向の滑りを抑制するリアシートは、特許文献2にも開示されている。特許文献2では、特に、衝突時にユーザが前方に滑る現象(いわゆるサブマリン現象)の抑制を目的としている。すなわち、特許文献1のリアシートのように、単に取付具を介してフロアパネルに取り付けるだけでは、衝突時の衝撃で取付具が外れて、ユーザがリアシートごと前方に滑るおそれがある。特許文献2は、そのような前滑りの抑制を目的としている。

特許文献2のリアシート(シートクッション)は、軟らかいクッションパッドと硬い滑り規制部材とで構成されている。滑り規制部材は、前方に向かって上り傾斜する傾斜面を上部に有する三角柱状のブロック体からなり、クッションパッドの前下側に固定されている。フロアパネルには、前方に向かって下り傾斜するフロア傾斜面部が設けられていて、そのフロア傾斜面部の上縁部分(稜線部)に設けた突出部と嵌合するように、滑り規制部材の下面に凹部を設け、これら突出部および凹部でリアシートの前滑りを抑制するストッパー機構を構成している。

パッドに相当するものは無いが、サブマリン現象を抑制するリアシートは、特許文献3にも開示されている。

概要

前滑りを効果的に抑制することができ、座り心地も良好な車両用のシートを実現する。車幅方向に延びるように配置されるクッション10と一体化されたパッド20を備える。パッド20が、フロアパネル2cに設けられた第1規制部材50により、所定以上の前方への移動が規制された状態で、フロアパネル2cに対して遊動可能に設けられている。A

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

車両用シートであって、フロアパネルの上に、車幅方向に延びるように配置されるクッションと、前記クッションよりも剛性の高い素材で構成されていて、前記クッションと一体化された状態で車幅方向に延びるように配置されるパッドと、を備え、前記パッドが、前記フロアパネルに設けられた第1規制部材により、所定以上の前方への移動が規制された状態で、前記フロアパネルに対して遊動可能に設けられている、車両用のシート。

請求項2

請求項1に記載の車両用のシートにおいて、前記パッドに取り付けられるワイヤフレームを更に備え、前記ワイヤフレームが前記第1規制部材に係合することにより、前記パッドの所定以上の前方への移動が規制される、車両用のシート。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の車両用のシートにおいて、前記パッドの上下に前記クッションが配置されている、車両用のシート。

請求項4

請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車両用のシートにおいて、前記パッドが、前記フロアパネルに設けられた第2規制部材により、所定以上の前傾が規制されている、車両用のシート。

請求項5

請求項4に記載の車両用のシートにおいて、前記パッドが、前記第2規制部材により、所定以上の後方への移動も規制されている、車両用のシート。

請求項6

請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の車両用のシートにおいて、前記パッドが、車幅方向に湾曲して凹む曲面状の着座面を有している、車両用のシート。

技術分野

0001

開示する技術は、車両用シートの構造に関する。

背景技術

0002

車両用のシートは、座り心地見栄えが良いだけでなく、運転時や衝突時に、着座したユーザをしっかりとサポートできる安定性も要求される。

0003

開示する技術に関し、特許文献1には、軽量で座り心地が良好になるように工夫された車両のリアシートが開示されている。そのリアシート(シートクッション)は、軟らかい表層パッドと硬い裏層パッドとを積層して構成されている。リアシートは、裏層パッドに固定された取付具を、フロアパネルに設けられた取付孔に差し込むことにより、車両に取り付けられている。

0004

特許文献1では、着座したユーザの臀部が位置するリアシートの中間部を、その他の部分よりも軟らかくする(表層パッドを薄く、かつ、裏層パッドを厚くする)ことで、座り心地を良好にしている。そして、リアシートの前後の縁部を相対的に硬くすることで、ユーザの前後方向の滑り位置ずれを抑制し、リアシートの左右の端部を相対的に硬くすることで、シートの型崩れを抑制している。

0005

ユーザの前後方向の滑りを抑制するリアシートは、特許文献2にも開示されている。特許文献2では、特に、衝突時にユーザが前方に滑る現象(いわゆるサブマリン現象)の抑制を目的としている。すなわち、特許文献1のリアシートのように、単に取付具を介してフロアパネルに取り付けるだけでは、衝突時の衝撃で取付具が外れて、ユーザがリアシートごと前方に滑るおそれがある。特許文献2は、そのような前滑りの抑制を目的としている。

0006

特許文献2のリアシート(シートクッション)は、軟らかいクッションパッドと硬い滑り規制部材とで構成されている。滑り規制部材は、前方に向かって上り傾斜する傾斜面を上部に有する三角柱状のブロック体からなり、クッションパッドの前下側に固定されている。フロアパネルには、前方に向かって下り傾斜するフロア傾斜面部が設けられていて、そのフロア傾斜面部の上縁部分(稜線部)に設けた突出部と嵌合するように、滑り規制部材の下面に凹部を設け、これら突出部および凹部でリアシートの前滑りを抑制するストッパー機構を構成している。

0007

パッドに相当するものは無いが、サブマリン現象を抑制するリアシートは、特許文献3にも開示されている。

先行技術

0008

特開2010−125138号公報
特開2017−30407号公報
特開2010−12887号公報

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献2のリアシートによれば、シートの滑り規制部材がフロアパネルに固定されていて、衝突時にユーザに強い力が作用しても、滑り規制部材の傾斜面が、その力を受け止めるので、前滑りが抑制できる。

0010

しかし、滑り規制部材は、フロアパネルに固定されているので、動かない。しかも、滑り規制部材の上端部は角張っているため、着座するユーザが動いたときに、滑り規制部材の角部に当たって、ごつごつとした異物感が生じ易い。また、滑り規制部材によって、ユーザの着座姿勢規制されるため、長時間乗車すると疲れ易い。

0011

そこで、開示する技術の目的は、前滑りを効果的に抑制することができ、座り心地も良好な車両用のシートを実現する。

課題を解決するための手段

0012

開示する技術は、車両用のシートに関する。

0013

前記車両用のシートは、フロアパネルの上に、車幅方向に延びるように配置されるクッションと、前記クッションよりも剛性の高い素材で構成されていて、前記クッションと一体化された状態で車幅方向に延びるように配置されるパッドと、を備える。そして、前記パッドが、前記フロアパネルに設けられた第1規制部材により、所定以上の前方への移動が規制された状態で、前記フロアパネルに対して遊動可能に設けられている。

0014

すなわち、この車両用のシートによれば、相対的に軟らかいクッションと、剛性が高く相対的に硬いパッドとを一体化することで、シートが構成されている。従って、クッションで良好な座り心地を確保しながら、パッドで着座時の安定感を確保できる。

0015

硬いパッドは、着座するユーザに異物感を与えるおそれがあるが、この車両用のシートでは、パッドがフロアパネルに対して遊動可能に設けられているので、着座するユーザが動いても、その動きに応じてパッドもある程度動くので、異物感を緩和することができる。従って、良好な座り心地を実現できる。

0016

そして、パッドが、フロアパネルに設けられた第1規制部材により、所定以上の前方への移動が規制されているので、車両が衝突するなどして、着座するユーザに前方への強い力が作用しても、前滑りを効果的に抑制できる。

0017

前記車両用のシートはまた、前記パッドに取り付けられるワイヤフレームを更に備え、前記ワイヤフレームが前記第1規制部材に係合することにより、前記パッドの所定以上の前方への移動が規制される、としてもよい。

0018

そうすれば、パッドは、弾性変形するワイヤフレームを介してフロアパネルに支持されるので、パッドを比較的大きな自由度をもって動けるようにできる。従って、座り心地を向上できる。そして、衝突時には、その衝撃でパッドおよびユーザが一気に前滑りするのを、ワイヤフレームの弾性変形によって緩和できるので、より効果的に前滑りを抑制できる。

0019

前記車両用のシートはまた、前記パッドの上下に前記クッションが配置されている、としてもよい。

0020

そうすれば、パッドを上下方向に円滑に動かすことができるので、異物感を効果的に抑制できる。

0021

前記車両用のシートはまた、前記パッドが、前記フロアパネルに設けられた第2規制部材により、所定以上の前傾が規制されている、としてもよい。

0022

そうすれば、パッドの姿勢を適正な状態から逸脱することなく保持できるので、着座時の安定感が向上する。ユーザをパッドで安定して受け止めることができるので、前滑り抑制効果も向上する。

0023

その場合、前記パッドが、前記第2規制部材により、所定以上の後方への移動も規制されている、とするのが好ましい。

0024

そうすれば、パッドを、適正な位置により安定して保持できるようになるので、座り心地や前滑り抑制効果を更に向上させることができる。

0025

前記車両用のシートはまた、前記パッドが、車幅方向に湾曲して凹む曲面状の着座面を有している、としてもよい。

0026

そうすれば、よりいっそう着座時の安定感が向上する。そして、ユーザを適正な位置で着座するように誘導できるので、前滑り抑制効果も向上できる。

発明の効果

0027

開示する技術によれば、前滑りを効果的に抑制することができ、座り心地も良好な車両用のシートを実現できる。

図面の簡単な説明

0028

開示する技術を適用した自動車(車両)の側部を示す概略図である。
図1における矢印V−V線での概略断面図である。
リアシートのシートクッションの概略上面図である。図中の細線は、立体形状を表している。
リアシートのシートクッションの概略前面図である。
パッドの概略図である。上図はパッドを上方から見た図であり、下図は上図の矢印W−W線で示す部分の断面図である。上図中の細線は、立体形状を表している。
図3Bに矢印X−X線で示す部分の概略断面図である。
ワイヤフレームの構造を示す概略図である。
図6Aの拡大図における矢印Y−Y線での概略断面図である。
図6Aの拡大図における矢印Z−Z線での概略断面図である。
乗車する時の状態を説明するための図である。
無負荷の状態のシートクッションを示す概略図である。
着座によって負荷が加わった状態のシートクッションを示す概略図である。
前方へ弱い力が作用した時のシートクッションの動きを説明する概略図である。
前方へ強い力が作用した時のシートクッションの動きを説明する概略図である。

実施例

0029

以下、開示する技術の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。なお、説明で用いる前後、左右、および上下の方向は、車両の通常の状態を基準とする。

0030

<車両>
図1図2に、開示する技術を適用した自動車1(車両)を例示する。この自動車1は、一般的なセダンタイプであり、その外郭を構成しているボディ2の側面には、2つのドア開口3F,3Rが、センターピラー2aを境にして、前後方向に並ぶように形成されている。なお、図1等では、車両の左側部を示しているが、右側部も同じ構造である。

0031

これらドア開口3F,3Rの各々には、スイングドア4F,4Rが取り付けられている(図1では、後側のスイングドア4Rを仮想線で表している)。各スイングドア4F,4Rの前端部は、ドア開口3F,3Rの前縁部分に揺動可能に支持されている。ドアハンドルを操作してスイングドア4F,4Rを揺動することにより、ドア開口3F,3Rは開閉される。

0032

ボディ2の床面は、ボディ2の左右の両下縁部を前後方向に延びる一対のサイドシル2b,2bと、これらサイドシル2b,2bの間を覆うフロアパネル2cなどで構成されている。ボディ2の天井面は、ボディ2の左右の両上縁部を前後方向に延びる一対のルーフサイドレール2d,2dと、これらルーフサイドレール2d,2dの間を覆うルーフパネル2eなどで構成されている。

0033

ドア開口3F,3Rの下縁はサイドシル2bによって構成され、ドア開口3F,3Rの上縁はルーフサイドレール2dによって構成されている。フロアパネル2c、ルーフパネル2eなどによって区画されることにより、ボディ2の内部には、車室5が形成されている。

0034

車室5には、運転席および助手席からなるフロントシート(不図示)と、リアシート6とが、前後に並ぶように設置されている。フロントシートは、前側のドア開口3Fに隣接した位置に配置されており、リアシート6は、後側のドア開口3Rに隣接した位置に配置されている。

0035

<リアシート6>
リアシート6は、横長なシートであり、複数人(図例では、成人2人)が着座可能に構成されている。リアシート6は、シートクッション6a、シートバック6b、ヘッドレスト6cなどで構成されている。リアシート6にはシートベルト付設されているが、これについては省略する。

0036

シートクッション6aは、着座するユーザ(乗員)の臀部を支える部位であり、フロアパネル2cの上に載置されている。シートバック6bは、着座するユーザの背中を支える部位であり、シートクッション6aの後縁部から斜め後方に延びるように設けられている。ヘッドレスト6cは、着座するユーザの頭部を支える部位であり、シートバック6bの上部に設けられている。

0037

このリアシート6は二人用であるため、ユーザが着座する部位(着座領域E1)は、リアシート6の左右2箇所に設けられている。ヘッドレスト6cも、各着座領域E1に1つずつ設けられている。

0038

ドア開口3Rの内側近傍には、サイドボルスター領域E2が設けられている。サイドボルスター領域E2は、各着座領域E1とドア開口3Rとの間の領域であり、サイドボルスター領域E2に、リアシート6が張り出すことにより、着座するユーザを側方からサポートし、リアシート6とスイングドア4Rとの間の隙間が狭まるようにしている。シートバック6bおよびシートクッション6aの各々は、サイドボルスター領域E2にサイドサポート6dを有している。

0039

このリアシート6の場合、良好な座り心地が得られ、かつ、自動車1が衝突するなどして前方に強い力が作用しても、ユーザが前滑りするのを効果的に抑制できるように、シートクッション6aに工夫が施されている。

0040

図3A図3Bに、シートクッション6aを示す。シートクッション6aは、クッション10、パッド20、後述するワイヤフレーム30などで構成されている。

0041

(クッション10)
クッション10は、ウレタンフォーム発泡樹脂)などの、弾性に優れた軟らかい素材で構成されている。クッション10の表面は、複数の布地を縫い合わせて立体的に構成されたシートカバーによって被覆されている(シートカバーは図示省略)。

0042

クッション10は、上下方向の厚みが大きい横長な形状を有しており、着座領域E1を構成する2つの着座部11,11と、これら着座部11,11の間を構成する中間部12と、上述したサイドサポート6dを構成する2つのボルスター部13,13とを有している。各ボルスター部13は、着座部11に比べて相対的に上方および側方に向かって大きく膨出した形状を有している。

0043

クッション10は、フロアパネル2cの上に載置した状態で、左右のドア開口3R,3Rに隣接して車幅方向に延びるように配置されている。

0044

(パッド20)
パッド20は、モールド成形等により、クッション10と一体化されている。すなわち、パッド20は、クッション10の成形時に組み込まれることにより、クッション10と一体的に構成されている。パッド20は、プラスチックアルミ合金など、クッション10よりも剛性が高くて軽量な素材で構成されている。

0045

図4に、パッド20を示す。パッド20は、横長な板形状をしている。パッド20の長さ(車幅方向の大きさ)は、クッション10よりも僅かに短く形成されている。パッド20の幅(前後方向の大きさ)は、クッション10よりも小さく、クッション10の略1/2程度の大きさに形成されている。

0046

図3A図5に示すように、パッド20は、クッション10の後側よりも前側に偏在した状態で、車幅方向に延びるように配置されている。パッド20は、その上面が後方に向かって下り傾斜するように、僅かに後傾した状態でクッション10に埋設されている。パッド20の上下にはクッション10が配置されており、パッド20は、クッション10に挟持されている。

0047

パッド20の前側の両端部分は、クッション10の形状に合わせて、上面視で円弧状の輪郭に形成されている。パッド20は、主壁部21と、その両端に連なる一対の側端部22,22とを有している。主壁部21は、クッション10の着座部11および中間部12の前側部分を下支えしている。各側端部22は、クッション10の各ボルスター部13を下支えしている。主壁部21の上面には、一対の着座面21a,21aが形成されている。

0048

各着座面21aは、車幅方向に湾曲して凹む曲面状に形成されている。モデル標準的な体型を有する成人)の臀部および大腿部の大きさに基づき、各着座面21aの横幅は所定の大きさに形成されている。モデルの臀部および大腿部の形状に合わせて、各着座面21aの形状が形成されている。各着座面21aは、着座領域E1に位置するように配置されている。

0049

各側端部22には、主壁部21の両端から下方に延びる補強壁22aが設けられている。補強壁22aの車幅方向の外側には、シートの下端部まで、断面が湾曲した状態で下垂する強化側面22bが形成されている。このような形状の強化側面22bを有する補強壁22aにより、各側端部22は、構造的に剛性が強化されている。

0050

各側端部22の上部には、車幅方向の外側にあるドア開口3Rの下縁に向かって下り傾斜するガイド面22cが形成されている。従って、ボルスター部13は、ガイド面22cの上側に位置している。ガイド面22cは、円滑な曲面を介して、隣接する着座面21aに連続して形成されている。また、ガイド面22cは、強化側面22bとも連続するように形成されている。

0051

(ワイヤフレーム30)
ワイヤフレーム30は、パッド20に取り付けられた状態で、クッション10に埋設されている。図6Aに、ワイヤフレーム30を示す。

0052

ワイヤフレーム30は、バネ性を有する複数のワイヤ接合して形成されている。ワイヤフレーム30は、クッション10の型崩れが抑制できるように、クッション10の形状(主に輪郭)に対応した枠形状に形成されている。ワイヤフレーム30は、環状に連なっている。

0053

ワイヤフレーム30は、一対のサイドワイヤ30a,30a、第1フロントワイヤ30b、第2フロントワイヤ30c、一対のリアフックワイヤ30d,30d、リアサポートワイヤ30e、センターワイヤ30fなどで構成されている。

0054

各サイドワイヤ30aは、クッション10の左右の両端部分(各ボルスター部13)に沿って前後方向に延びるように配置されている。第1フロントワイヤ30bおよび第2フロントワイヤ30cは、各サイドワイヤ30aの前端部に連なっている。第1フロントワイヤ30bおよび第2フロントワイヤ30cは、クッション10の前縁部分に沿って、互いに平行して延びるように配置されている。

0055

第2フロントワイヤ30cは第1フロントワイヤ30bよりも後方に位置し、パッド20に掛け止められるように配置されている。パッド20の左右の補強壁22aに設けられた掛止部位23の外側に沿うようにして、各サイドワイヤ30aおよび第2フロントワイヤ30cがパッド20に掛け止められている。それにより、ワイヤフレーム30は、パッド20に取り付けられている。

0056

更に、第2フロントワイヤ30cの左右に離れた部位には、後方に向かって矩形に折り曲げることにより、一対の前側掛止部31,31が設けられている。各前側掛止部31は、図6Aの拡大図および図6Bに示すように、フロアパネル2cに固定された第2規制部材40によって、掛け止められるように構成されている。

0057

第2規制部材40は、フロアパネル2cから上方に突出するようにフロアパネル2cに固定された基部40aと、基部40aの側面から前方に張り出すように設けられた板状の下側規制部40bと、基部40aの上面から上方に突き出すように設けられた上側規制部40cと、を有している。上側規制部40cは、一対のL形状をした金属棒で構成されている。これら金属棒は、屈曲した先端部を前方に向けた状態で、互いに略平行に配置されている。そして、各前側掛止部31が、下側規制部40bと上側規制部40cとの間を通過するように配置されている。

0058

一対のリアフックワイヤ30dおよびリアサポートワイヤ30eは、クッション10の後縁部分に沿って延びるように配置されている。各リアフックワイヤ30dは、各サイドワイヤ30aの後端部に連なっている。左右のリアフックワイヤ30d,30dの間にリアサポートワイヤ30eが架設されている。

0059

各リアフックワイヤ30dと、リアサポートワイヤ30eとの間には、ワイヤが前方にU状に折り曲げられた緩衝部位が設けられている。センターワイヤ30fは、クッション10における車幅方向の略中間部位を前後方向に延びるように配置されていて、リアサポートワイヤ30e(2つの緩衝部位の間の部分)と第2フロントワイヤ30cとに架設されている。それにより、ワイヤフレーム30は、2つの環状枠並列したような構造になっている。

0060

各リアフックワイヤ30dの左右に離れた部位には、一対の後側掛止部32,32が設けられている。各後側掛止部32は、図6Aの拡大図および図6Cに示すように、フロアパネル2cに固定された第1規制部材50に係合(ここでは掛け止め)されている。

0061

第1規制部材50は、フロアパネル2cから上方に張り出すようにフロアパネル2cに固定されたベース部50aと、ベース部50aの後面から後方に突き出すように固定された抜止部50bと、を有している。抜止部50bは、一対のLまたはフック形状をした金属棒で構成されている。これら金属棒は、屈曲した上端部を後方に向けた状態で、互いに略平行に配置されている。そして、各後側掛止部32が、抜止部50bの下方を通過するように配置されている。

0062

この第1規制部材50では、抜止部50bと対向しているフロアパネル2cの壁面の部分も第1規制部材の一部を構成している。第1規制部材50にも、第2規制部材40の基部40および下側規制部40bと同等のものを設けてもよい。また、各後側掛止部32は、溶接等により、第1規制部材50に固定してあってもよい。

0063

<リアシート6の機能>
図1に示すように、リアシート6は、ユーザが乗降し易いように、ドア開口3Rに隣接した位置に設置されている。そのため、ユーザがスイングドア4Rを開けると、最初に、サイドボルスター領域E2に位置するシートクッション6aの端部(ボルスター部13)が目に入る。従って、ボルスター部13の見栄えの善し悪しは、車両全体印象に大きく影響する。

0064

上述したように、ボルスター部13は、軟質な素材で構成されているため、負荷を与え続けると、経年劣化により潰れて型崩れし易い。

0065

それに対し、ユーザが車両に乗降する時には、図7に示すように、狭いドア開口3Rを潜らなければならないため、着座部11およびボルスター部13に腰掛け、体重をボルスター部13に預けた状態で、片足ずつ、ドア開口3Rの下縁部を跨ぎながら、大腿部をずらすようにして乗降するのが一般的である。そのため、ボルスター部13は、経年劣化により見栄えが悪くなり易い。

0066

それに対し、このリアシート6では、ボルスター部13を下支えしているパッド20の側端部22の上部に、ガイド面22cが形成されていて、そのガイド面22cが、ドア開口3Rの下縁に向けて下り傾斜するように配置されている。

0067

従って、ユーザがボルスター部13に体重を預けたときに、ボルスター部13が潰れて、間接的ではあるが、臀部または大腿部がパッド20に当たるようになる。しかしながら、臀部または大腿部は、ガイド面22cによって受け止められるので、ほとんど異物感を与えるおそれがない。

0068

逆に、ガイド面22cによって受け止められることで、体重を安心して預けることができる。従って、信頼性も向上する。更に、ガイド面22cにより、大腿部等を着座部11に円滑に誘導できるので、ユーザを円滑に着座姿勢に移行できる。

0069

そのようなガイド面22cによってボルスター部13が下支えされているので、ボルスター部13の厚みを相対的に薄くできる。従って、ボルスター部13が潰れて型崩れし難くなるので、見栄えの悪化も抑制できる。

0070

しかも、そのガイド面22cが形成されているパッド20の側端部22は、強化側面22b等により、構造的に剛性が強化されているので、パッド20の周辺のクッション10は、ほとんど型崩れすることがない。従って、ボルスター部13が、よりいっそう型崩し難くなるので、見栄えの悪化も更に抑制できる。

0071

着座部11は、パッド20の着座面21aによって下支えされているので、ユーザは、着座姿勢になっても、異物感をほとんど受けることがない。着座面21aによって着座姿勢が安定するので、長時間乗車しても疲れ難い。

0072

更に、シートクッション6aは、フロアパネル2cに固定するのではなく、ある程度の自由度をもって全方位変位可能(遊動可能)な状態で、フロアパネル2cに取り付けられている。

0073

具体的には、図8Aに示すように、パッド20およびクッション10は、ワイヤフレーム30を介して、遊動可能な状態で、第1規制部材50および第2規制部材40に支持されている。すなわち、前側掛止部31が第2規制部材40に掛け止められることによって、弾性変形するクッション10およびワイヤフレーム30の動きが規制される範囲、および、後側掛止部32が第1規制部材50に掛け止められることによって、弾性変形するクッション10およびワイヤフレーム30の動きが規制される範囲の両範囲内で、シートクッション6aは、全方位に変位可能となっている。

0074

しかも、ワイヤフレーム30の各リアフックワイヤ30dとリアサポートワイヤ30eとの間には緩衝部位が設けられていので、ワイヤフレーム30は弾性変形し易くなっている。それにより、シートクッション6aは比較的大きく動くことができる。

0075

従って、着座するユーザの動きに対応して、シートクッション6aも適度に動くので、ユーザに良好な座り心地を与えることができる。

0076

図8Bに示すように、ユーザが着座部11に座ると、着座部11は圧縮される。そして、後側掛止部32は第1規制部材50に接触して支持され、前側掛止部31は第2規制部材40に接触して支持される。

0077

すなわち、クッション10およびパッド20は、ワイヤフレーム30の後側掛止部32が第1規制部材50に受け止められることにより、所定以上の前方への移動が規制されている。そして、クッション10およびパッド20は、ワイヤフレーム30の前側掛止部31が第2規制部材40に受け止められることにより、所定以上の後方への移動が規制されている。

0078

更に、クッション10およびパッド20は、前側掛止部31が第2規制部材40の下側規制部40bに受け止められることにより、所定以上の前傾(前側が下方に変位するように傾くこと)が規制されている。そして、クッション10およびパッド20は、前側掛止部31が第2規制部材40の上側規制部40cに受け止められることにより、所定以上の後傾(前側が上方に変位するように傾くこと)も規制されている。

0079

図8における点HPは、ヒップポイントを示している。ヒップポイントHPは、着座したユーザの左右の大腿骨頭の中間位置となる位置である。通常の着座姿勢において、ヒップポイントHPは、シートクッション6aを前後に二分した場合の後部に位置するのが好ましい。また、ヒップポイントHPは、パッド20の前後方向における中間位置よりも後方に位置するのが好ましい。特に、ヒップポイントHPは、パッド20の後端部の近傍に位置するのが好ましい。

0080

ユーザの臀部は、厚みの大きなクッション10を介してパッド20に支持されるので、異物感を与えることがない。そして、ユーザの大腿部は、厚みの小さいクッション10を介してパッド20に支持されるが、パッド20がフロアパネル2cに対して遊動するので、異物感をほとんど与えることがない。しかも、ユーザの臀部および大腿部の下側には、着座面21aが位置しているので、よりいっそう違和感を与え難くなっている。

0081

そして、車両が衝突したり車両に他の車両が衝突したりして、図9Aに矢印で示すように、リアシート6およびユーザに、前方に向かう強い力が作用した場合、パッド20は、第2規制部材40で前傾が規制されているので、パッド20および臀部は、適性な範囲を逸脱して前傾することがない。従って、ユーザがそのまま前方へ沈み込むのを抑制できる。

0082

更に、パッド20に掛け止められているワイヤフレーム30が、第1規制部材50に掛け止められるので、前側掛止部31が第2規制部40から前方に抜け出しても、ユーザがパッド20とともに前滑りするのを抑制できる。このとき、ワイヤフレーム30の弾性力の作用で衝撃を徐々に緩和できるので、より効果的に前滑りを抑制できる。

0083

更に強い力が作用し、図9Bに示すように、前側掛止部31が第2規制部材40から完全に外れて、第1規制部材50によって支持されているワイヤフレーム30が延びきるような状態になっても、ワイヤフレーム30に掛け止められているパッド20により、ユーザはバランスよく受け止められる。従って、そのような場合でも、前滑りや前方への飛び出しを抑制できる。

0084

特に、ワイヤフレーム30が、座席ごとに環状枠を並列したような構造になっているので、リアシート6に、一人が座っている場合、二人が座っている場合のいずれであっても、良好な座り心地を確保しながら、効果的に前滑りや前方への飛び出しを抑制できる。

0085

このように、開示する技術を適用したリアシート6によれば、良好な座り心地が得られるうえに、前滑りを効果的に抑制することができる。

0086

なお、開示する技術にかかる車両用のシートは、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。

0087

例えば、開示する技術が適用できる車両は、上述したような、ウイングドアを有する車両に限らない。スライドドアを有する車両にも適用可能である。開示する技術は、複数人が着座できる横長なリアシートに好適であるが、リアシートに限らない。運転席や補助席など、一人が着座するシートにも適用できる。

0088

1自動車(車両)
2 ボディ
3Rドア開口
6リアシート
6aシートクッション
6bシートバック
6cヘッドレスト
6dサイドサポート
10クッション
11着座部
13ボルスター部
20パッド
21a着座面
22側端部
22cガイド面
30ワイヤフレーム
31 前側掛止部
32 後側掛止部
40 第2規制部材
50 第1規制部材
E1着座領域
E2サイドボルスター領域

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