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技術 表面弾性波デバイス用複合基板とその製造方法

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 丹野雅行狩野弘樹秋山昌次
出願日 2019年8月19日 (1年5ヶ月経過) 出願番号 2019-149741
公開日 2020年5月21日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-078047
状態 未査定
技術分野 弾性表面波素子とその回路網 半導体装置の製造処理一般
主要キーワード 面取り加工機 垂直投影 外周研削面 表面活性化法 通信バンド 表面弾性波デバイス プラズマ表面 外周研削
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

電材料層外周端チップが生じ難く、外周端からの剥離が生じ難い、表面弾性波デバイス用の複合基板を提供する。

解決手段

表面弾性波デバイス用複合基板は、圧電材料単結晶薄膜支持基板とが接合面で接合された複合基板であって、支持基板は閉じた第1の輪郭線を備え、接合面は閉じた第2の輪郭線を備え、圧電材料単結晶薄膜は閉じた第3の輪郭線を備え、接合面を含む平面に第1の輪郭線ならびに第3の輪郭線を垂直に投影すると、第1の輪郭線の投影写像は第2の輪郭線より外側に位置し、第3の輪郭線の投影写像は第2の輪郭線よりも内側に位置することを特徴とする。

概要

背景

昨今、携帯電話スマートフォンなどの移動体通信において、通信バンド数を増やすことによって通信容量を増大する際に、高性能表面弾性波(Surface Acoustic Wave:SAWデバイスが求められている。

SAWデバイスの材料としては、圧電材料であるタンタル酸リチウム(Lithium Tantalate:LT)やニオブ酸リチウム(Lithium Niobate:LN)が広く用いられている。これらの材料は、大きな電気機械結合係数を有し、デバイスの広帯域化が可能であるという利点がある一方で、温度安定性が低く温度変化によって対応できる周波数シフトしてしまうという問題があった。

この問題を解決するために、LTやLNなどの圧電材料を、熱膨張係数の小さな支持基板に貼り合せて、圧電材料側を数μm〜数十μmに薄化した複合基板とする技術がある(例えば、非特許文献1を参照)。

また、圧電材料と支持基板とを有機接着剤で貼り合せた複合基板の圧電材料層を薄化する際に、外周縁よりも内側に外周に沿って全周にわたって溝が形成することによって、薄化する際のクラックの発生を抑制する技術がある(例えば、特許文献1を参照)。

一方、有機接着剤を用いずに圧電材料と支持基板とを接合した複合基板の技術がある。このような複合基板において、圧電材料または支持基板に凹凸構造を設けてSAWデバイスのスプリアス特性を改善し、圧電材料と支持基板とを無機介在層を介して接合することによりデバイス作製の後工程における熱耐性向上やアウトガス抑制などの信頼性向上を図る技術がある(例えば、特許文献2を参照)。

概要

電材料層外周端チップが生じ難く、外周端からの剥離が生じ難い、表面弾性波デバイス用の複合基板を提供する。 表面弾性波デバイス用複合基板は、圧電材料単結晶薄膜と支持基板とが接合面で接合された複合基板であって、支持基板は閉じた第1の輪郭線を備え、接合面は閉じた第2の輪郭線を備え、圧電材料単結晶薄膜は閉じた第3の輪郭線を備え、接合面を含む平面に第1の輪郭線ならびに第3の輪郭線を垂直に投影すると、第1の輪郭線の投影写像は第2の輪郭線より外側に位置し、第3の輪郭線の投影写像は第2の輪郭線よりも内側に位置することを特徴とする。

目的

本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、圧電材料層の外周端にチップが生じ難く、外周端からの剥離が生じ難い複合基板及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

圧電材料単結晶薄膜支持基板とが接合面で接合された複合基板であって、前記支持基板は閉じた第1の輪郭線を備え、前記接合面は閉じた第2の輪郭線を備え、前記圧電材料単結晶薄膜は閉じた第3の輪郭線を備え、前記接合面を含む平面に前記第1の輪郭線ならびに前記第3の輪郭線を垂直に投影すると、前記第1の輪郭線の投影写像は前記第2の輪郭線より外側に位置し、前記第3の輪郭線の投影写像は前記第2の輪郭線よりも内側に位置することを特徴とする表面弾性波デバイス用複合基板。

請求項2

前記支持基板は更に閉じた第4の輪郭線を備え、前記接合面を含む平面に前記第1の輪郭線ならびに前記第4の輪郭線を垂直に投影すると、前記第4の輪郭線の投影写像は前記第1の輪郭線の投影写像よりも外側に位置することを特徴とする請求項1に記載の複合基板。

請求項3

前記接合面に対して垂直な断面において、前記第1の輪郭線と前記接合面の延長線との距離が、前記第4の輪郭線と前記接合面の延長線との距離よりも長くないことを特徴とする請求項2に記載の複合基板。

請求項4

前記第1の輪郭線から前記第2の輪郭線を通り前記第3の輪郭線まで連続な外周面を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の複合基板。

請求項5

前記第2の輪郭線が垂直に貫通する断面において、前記接合面と前記連続な外周面とのなす角が30度以上75度以下であることを特徴とする請求項4に記載の複合基板。

請求項6

前記接合面と前記圧電材料単結晶薄膜との間、または前記接合面と前記支持基板との間、またはその両方に介在層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合基板。

請求項7

前記介在層が無機材料からなることを特徴とする請求項6に記載の複合基板。

請求項8

前記介在層が酸化ケイ素酸窒化ケイ素アモルファスシリコン多結晶シリコンアモルファス炭化ケイ素酸化アルミニウム窒化アルミニウムタングステン白金、白金ロジウムモリブデンルテニウムチタンのいずれかを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の複合基板。

請求項9

前記支持基板は、シリコンサファイアアルミナガラス、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素のいずれかであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合基板。

請求項10

前記圧電材料単結晶薄膜はタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合基板。

請求項11

圧電材料単結晶基板と支持基板とを用意する工程と、前記圧電材料単結晶基板と前記支持基板とを接合して接合面をもつ貼り合せ基板を形成する工程と、前記貼り合せ基板の外周面を研削して前記支持基板に閉じた第1の輪郭線を形成するとともに前記接合面に第2の輪郭線を形成し、前記第1の輪郭線から前記第2の輪郭線を横切って前記圧電材料単結晶基板の前記接合面とは反対側の面まで至る外周面を形成する工程と、前記圧電材料単結晶基板を研磨して薄化し、閉じた第3の輪郭線を持つ圧電材料単結晶薄膜を形成する工程と、を含み、前記接合面を含む平面に前記第1の輪郭線ならびに前記第3の輪郭線を垂直に投影すると、前記第1の輪郭線の投影写像は前記第2の輪郭線より外側に位置し、前記第3の輪郭線の投影写像は前記第2の輪郭線よりも内側に位置することを特徴とする表面弾性波デバイス用複合基板の製造方法。

請求項12

前記第1の輪郭線から前記第2の輪郭線を通り前記第3の輪郭線まで連続な外周面を有することを特徴とする請求項11に記載の製造方法。

請求項13

前記第2の輪郭線が垂直に貫通する断面において、前記接合面と前記連続な外周面とのなす角が30度以上75度以下であることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。

請求項14

前記貼り合せ基板の外周面を形成する工程において更に、前記支持基板に閉じた第4の輪郭線を形成し、前記接合面を含む平面に前記第1の輪郭線ならびに前記第4の輪郭線を垂直に投影すると、前記第4の輪郭線の投影写像が前記第1の輪郭線の投影写像よりも外側になるようにすることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項15

前記接合面に対して垂直な断面において、前記第1の輪郭線と前記接合面の延長線との距離が、前記第4の輪郭線と前記接合面の延長線との距離よりも長くならないように前記第1の輪郭線ならびに前記第4の輪郭線を形成することを特徴とする請求項14に記載の製造方法。

請求項16

前記貼り合せ基板を形成する工程に先立ち、前記圧電材料単結晶基板または前記支持基板もしくはその両方に介在層を形成する工程を更に含み、前記介在層が接合面を形成することを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項17

前記介在層が無機材料からなることを特徴とする請求項16に記載の製造方法。

請求項18

前記介在層が酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、アモルファス炭化ケイ素、酸化アルミニウムのいずれかを含むことを特徴とする請求項16または17に記載の製造方法。

請求項19

前記支持基板は、シリコン、サファイア、アルミナ、ガラス、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素のいずれかであることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の製造方法。

請求項20

前記圧電材料単結晶基板はタンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムであることを特徴とする請求項11〜19のいずれか1項に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、圧電単結晶基板支持基板とを接合した表面弾性波デバイス複合基板及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

昨今、携帯電話スマートフォンなどの移動体通信において、通信バンド数を増やすことによって通信容量を増大する際に、高性能表面弾性波(Surface Acoustic Wave:SAWデバイスが求められている。

0003

SAWデバイスの材料としては、圧電材料であるタンタル酸リチウム(Lithium Tantalate:LT)やニオブ酸リチウム(Lithium Niobate:LN)が広く用いられている。これらの材料は、大きな電気機械結合係数を有し、デバイスの広帯域化が可能であるという利点がある一方で、温度安定性が低く温度変化によって対応できる周波数シフトしてしまうという問題があった。

0004

この問題を解決するために、LTやLNなどの圧電材料を、熱膨張係数の小さな支持基板に貼り合せて、圧電材料側を数μm〜数十μmに薄化した複合基板とする技術がある(例えば、非特許文献1を参照)。

0005

また、圧電材料と支持基板とを有機接着剤で貼り合せた複合基板の圧電材料層を薄化する際に、外周縁よりも内側に外周に沿って全周にわたって溝が形成することによって、薄化する際のクラックの発生を抑制する技術がある(例えば、特許文献1を参照)。

0006

一方、有機接着剤を用いずに圧電材料と支持基板とを接合した複合基板の技術がある。このような複合基板において、圧電材料または支持基板に凹凸構造を設けてSAWデバイスのスプリアス特性を改善し、圧電材料と支持基板とを無機介在層を介して接合することによりデバイス作製の後工程における熱耐性向上やアウトガス抑制などの信頼性向上を図る技術がある(例えば、特許文献2を参照)。

0007

特開2011−135535号公報
特開2018−61226号公報

先行技術

0008

スマートフォンのRFフロントエンドに用いられるSAW‐Duplexerの温度補償技術,電波新聞ハイテクノロジー2012年11月8日

発明が解決しようとする課題

0009

このような複合基板では、圧電材料層を薄化する研磨工程で生じたチップ(Chip;欠け)が外周端に残ったり、デバイス化するための後工程の加熱によって圧電材料薄膜が外周端から剥離したりすることがあった。特に、圧電材料と支持基板を直接接合したり、無機介在層を介して接合したりする場合には、圧電材料に生じたチップが接合面までで留まらずに介在層や支持基板まで到達することもあり、この部分を起点として剥離が生じやすかった。

0010

本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、圧電材料層の外周端にチップが生じ難く、外周端からの剥離が生じ難い複合基板及びその製造方法を提供すること目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本願発明者は、上で述べた問題を少なくとも部分的に克服する複合基板およびその製造方法を開発した。

0012

本発明の表面弾性波デバイス用複合基板は、圧電材料単結晶薄膜と支持基板とが接合面で接合された複合基板であって、支持基板は閉じた第1の輪郭線を備え、接合面は閉じた第2の輪郭線を備え、圧電材料単結晶薄膜は閉じた第3の輪郭線を備え、接合面を含む平面に第1の輪郭線ならびに第3の輪郭線を垂直に投影すると、第1の輪郭線の投影写像は第2の輪郭線より外側に位置し、第3の輪郭線の投影写像は第2の輪郭線よりも内側に位置することを特徴とする。

0013

本発明の表面弾性波デバイス用複合基板の製造方法は、圧電材料単結晶基板と支持基板とを用意する工程と、圧電材料単結晶基板と支持基板とを接合して接合面をもつ貼り合せ基板を形成する工程と、貼り合せ基板の外周面研削して支持基板に閉じた第1の輪郭線を形成するとともに接合面に第2の輪郭線を形成し、第1の輪郭線から第2の輪郭線を横切って圧電材料単結晶基板の接合面とは反対側の面まで至る外周面を形成する工程と、圧電材料単結晶基板を研磨して薄化し、閉じた第3の輪郭線を持つ圧電材料単結晶薄膜を形成する工程と、を含み、接合面を含む平面に第1の輪郭線ならびに第3の輪郭線を垂直に投影すると、第1の輪郭線の投影写像は第2の輪郭線より外側に位置し、第3の輪郭線の投影写像は第2の輪郭線よりも内側に位置することを特徴とする。

図面の簡単な説明

0014

本発明の第1実施形態に係る複合基板の上面図及び接合面に垂直な面で切断した断面図である。
本発明の第1実施形態に係る複合基板の外周端付近における拡大断面図である。
本発明の第2実施形態による複合基板の上面図及び接合面に垂直な面で切断した断面図である。
本発明の第2実施形態に係る複合基板の外周端付近における拡大断面図である。
本発明の第2実施形態に係る複合基板の外周端付近における拡大断面図である
本発明の複合基板の製造方法の実施形態の一つを示した図である。
実施例1の複合基板における外周部の断面写真である。
比較例に係る複合基板の上面図及び接合面に垂直な面で切断した断面図である。
比較例に係る複合基板の斜視図である。

0015

図1は本発明の第1実施形態による複合基板1の上面図及び接合面に垂直な面で切断した断面図である。複合基板1は円盤形状であり、圧電材料単結晶薄膜11と支持基板12とが接合面13で接合されている。この実施形態においては、圧電材料単結晶11と支持基板12とは直接接合されている。圧電材料としてはLTやLNを用いるのが好ましい。支持基板には、できる限り熱膨張率の小さい材料を用いるのが好ましく、シリコンサファイアアルミナガラス炭化ケイ素窒化アルミニウム窒化ケイ素を用いる事ができる。

0016

ここで、支持基板12は閉じた第1の輪郭線14を備えている。また、接合面13は閉じた第2の輪郭線15を備えている。そして、圧電材料単結晶薄膜11は閉じた第3の輪郭線16を備えている。

0017

第1の輪郭線14から第2の輪郭線15を通って第3の輪郭線16に至る領域は連続的に繋がる外周面となっているのが好ましい。なお、「連続的に繋がる」とは、傾斜が一定又は傾斜の変化が不連続でないことを意味する。例えば、第1の輪郭線14から第2の輪郭線15を通って第3の輪郭線16に至る領域は、一定の傾斜の外周面とするとよい。

0018

第2の輪郭線15は、複合基板1の外周面と接合面との交線で定義される閉曲線である。第2の輪郭線15が垂直に貫通する断面において、支持基板12の最外周(最も半径位置の遠い点)から支持基板12の外周面を第2の輪郭線15に向かって移動しながら接合面13に対する傾斜の絶対値をみたときに、傾斜の絶対値が一旦減少した後、再び傾斜の絶対値が増加に転じる最初の位置を、各断面について連続的に結んだ閉曲線が第1の輪郭線14と定義される。また、この断面図において圧電材料薄膜の接合面13とは反対側面(研磨面)の中心から第2の輪郭線15に向かって外側に移動しながら接合面13に対する傾斜の絶対値をみたときに、平坦(傾斜=0)だった傾斜の絶対値が増加に転じる最初の位置を、各断面について連続的に結んだ閉曲線が第3の輪郭線16と定義される。

0019

図2は第1実施形態の複合基板1の外周端付近における拡大断面図である。圧電材料層11の外周端付近にチップが生じてチップの亀裂が接合面13に達すると、接合面13の接合力が弱まり、剥離が生じやすくなる。また、亀裂が更に支持基板12に至り、複合基板1の強度や、複合基板1を用いて作製したデバイスの温度安定性が低下する要因となり得る。

0020

接合面13を含む平面に対して第1の輪郭線14ならびに第3の輪郭線16を垂直に投影すると、第1の輪郭線14の投影写像14’は第2の輪郭線15より外側に位置し、第3の輪郭線の投影写像16’は第2の輪郭線15よりも内側に位置する。このような形状とすることによって、圧電材料層11の外周端にチップが生じ難くすることができる。

0021

第1の輪郭線14から第2の輪郭線15を通って第3の輪郭線16に至る領域は連続的に繋がる外周面となっていることが好ましい。このようにすれば、接合面13の一部に応力集中が生じ難くすることができる。第2の輪郭線15が垂直に貫通する断面において、第1の輪郭線14から第3の輪郭線16に至る外周面と接合面13とがなす角度θは90度未満とするとよく、30度以上70度以下とすることがより好ましい。このような角度とすることでチップを抑制する効果を高めることができる。

0022

支持基板12は更に第4の閉じた輪郭線17を備えるのが好ましい。第2の輪郭線15が垂直に貫通する断面において、支持基板12の最外周(中心から最も半径位置の遠い点)から支持基板12の外周面を第2の輪郭線15に向かって移動しながら接合面に対する傾斜の絶対値をみたときに、傾斜の絶対値が無限大から減少に転じる最初の位置を、各断面について連続的に結んだ閉曲線が第4の輪郭線17と定義される。

0023

このとき、接合面13を含む平面に対して第4の輪郭線17を垂直に投影すると、第4の輪郭線17の投影写像17’は第1の輪郭線の投影写像14’よりも外側になるような形状とするのが好ましい。これにより、支持基板12の外周部にチップが生じた場合であっても、チップの亀裂が接合面13に到達しにくくなるので、外周部からの剥離が生じにくくなる。第1の輪郭線の投影写像14’と第4の輪郭線の投影写像17’との間隔は1mm以上とするのが好ましく、2mm以上とすると更に好ましい。

0024

また、第1の輪郭線14とその投影写像14’との間隔が、第4の輪郭線17とその投影写像17’との間隔よりも大きくならないように形成すると、支持基板12の外周にチップが生じにくくなるため更に好ましい。

0025

図3は本発明の第2実施形態による複合基板2の上面図及び接合面に垂直な面で切断した断面図である。複合基板2はその外周部にオリエンテーションフラットが設けられる。このようにすれば、圧電材料単結晶の結晶方位を容易に識別できる。この実施形態では、オリエンテーションフラットが異なる方位に複数設けられている。このようにすることで、後工程で基板ハンドリングする際に位置合わせをしやすくなる利点がある。

0026

第2実施形態においては、圧電材料単結晶21と支持基板22とが接合面23で接合されている。圧電材料単結晶21と支持基板22とは直接接合されていてもよいが、圧電材料単結晶21と支持基板22の何れか一方または両方の接合面側が凹凸構造を有している場合には、この実施形態のように両者の間に介在層28を設けるのが好ましい。このようにすることで、凹凸構造を破壊することなく接合する面を鏡面研磨できる。

0027

介在層28には有機接着剤を用いることも可能だが、複合基板2からデバイスを作製する後工程における熱劣化やアウトガスなどの信頼性を考慮すると、無機材料で構成するのが好ましい。介在層28は、例えば、酸化ケイ素酸窒化ケイ素アモルファスシリコン多結晶シリコンアモルファス炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、タングステン白金、白金ロジウムモリブデンルテニウムチタンのいずれかを含む材料で構成するとよい。支持基板22には介在層28と共通元素を含むようにするのが好ましい。このようにすれば、支持基板22の表面を酸化、窒化、炭化還元などの化学反応によって介在層28を形成できる。また、介在層28を金属材料で構成し、スパッタリングなどの物理蒸着によって介在層28を形成するとよい。このようにすれば、安定した組成の介在層28を形成できる。また、圧電材料単結晶21との密着性、支持基板22との密着性、接合界面での密着性などを考慮して、介在層28を複数層で構成してもよい。

0028

第2実施形態では、圧電材料単結晶21と支持基板22の両方に介在層28を設け、これらを接合しているため、接合面23は介在層28の内部に存在している。このとき、接合面23を挟んで圧電材料単結晶21側に設ける介在層28の材質と支持基板22側に設ける介在層28の材質は異なっていてもよく、複数の材質の膜からなる多層膜構造としてもよい。また、圧電材料単結晶21のみに介在層28を設けた場合の接合面23は介在層28と支持基板22との界面に存在する。逆に、支持基板22のみに介在層28を設けた場合の接合面23は介在層28と圧電材料単結晶21との界面に存在する。

0029

この実施形態では、支持基板22は閉じた第1の輪郭線24ならびに第4の輪郭線27を備えている。また、接合面23は閉じた第2の輪郭線25を備えている。そして、圧電材料単結晶21は閉じた第3の輪郭線26を備えている。

0030

図4は、第2実施形態の複合基板の外周端付近における拡大断面図である。
圧電材料単結晶21の外周端付近にチップが生じてチップの亀裂が接合面23に達すると、接合面23の接合力が弱まり、剥離が生じやすくなる。特に、介在層28が無機材料で構成される場合には、有機接着剤で構成される場合に比べてチップの亀裂が接合面23に到達しやすい。また、亀裂が更に支持基板22に至り、複合基板2の強度や、複合基板2を用いて作製したデバイスの温度安定性が低下する要因となり得る。

0031

接合面23を含む平面に対して第1の輪郭線24ならびに第3の輪郭線26を垂直に投影すると、第1の輪郭線24の投影写像は第2の輪郭線25より外側に位置し、第3の輪郭線26の投影写像は第2の輪郭線25よりも内側に位置する。このような形状とすることによって、圧電材料単結晶21の外周端にチップが生じ難くすることができる。

0032

第1の輪郭線24から第2の輪郭線25を通って第3の輪郭線26に至る領域は連続的に繋がる外周面となっており、この外周面と接合面23とがなす角度θは、第2の輪郭線25が垂直に貫通する断面において、第1の輪郭線24から第3の輪郭線26に至る外周面と接合面23とがなす角度として定義される。図5に示したように、第1の輪郭線24から第3の輪郭線26に至る外周面の角度(傾斜)が連続的に変化している場合は、その最大傾斜の接線と接合面23とがなす角度が角度θと定義される。角度θは90度未満とするとよく、30度以上70度以下とすると特によい。このような角度θとすることにより、チップを抑制する効果を高めることができる。

0033

図6は、本発明の複合基板の製造方法の実施形態の一つを示した図である。
圧電材料単結晶(11、21)として単結晶LT基板を用意する(図6(a))。圧電材料単結晶(11、21)として、単結晶LT基板に代えて単結晶LN基板を用いてもよい(図6(c))。また、支持基板(12、22)として単結晶シリコン基板を用意する。支持基板(12、22)として、シリコンのほかに、サファイア、アルミナ、ガラス、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素を用いることが可能である。

0034

次に、単結晶LT基板(11、21)の1表面に、CVD法などを用いて介在層(28)となるSiO2膜28aを成膜する(図6(b))。また、単結晶シリコン基板(12、22)を酸素雰囲気中で加熱して、表面に介在層28となる熱酸化シリカ層28bを形成する(図6(d))。ここで、複合基板の設計によっては、介在層28を単結晶LT基板(11、21)のみに形成してもよいし、シリコン基板(12、22)のみに形成してもよい。また、介在層28を形成しなくてもよい(第1実施形態の複合基板1に相当)。

0035

次に、単結晶LT基板(11、21)及び支持基板(12、22)のそれぞれについて、接合したい面(介在層が設けられている場合には介在層、設けられていない場合には基板自体)を研磨して鏡面化する。その後、両者を接合して貼り合せ基板とする(図6(e))。なお、鏡面化された表面を、プラズマ活性化法などによって活性化した後に接合することが好ましい。このようにすると、接合面における接合強度を高めることができる。プラズマ活性化法のほかにもイオンビーム活性化法、オゾン水活性化法を表面活性化法として用いることができる。プラズマ活性化法は、処理対象基板を載置した反応容器内にプラズマ用ガスを導入し、0.01〜0.1Pa程度の減圧下で100W程度の高周波プラズマを形成して、基板の貼り合せ表面をこれに5〜50秒程度晒す。プラズマ用ガスとしては、酸素水素窒素アルゴンまたはこれらの混合ガスを用いることができる。イオンビーム活性化法は、反応容器内を1×10−5Pa以下の高真空にし、アルゴンなどのイオンビームを処理対象基板の貼り合せ面に当てて走査する。オゾン水活性化法は、純水中にオゾンガスを導入してオゾン水とし、このオゾン水中に基板を浸漬させることで、活性なオゾンで貼り合せ表面を活性化することができる。

0036

そして、貼り合せ基板の外周面を研削して支持基板(12、22)に閉じた第1の輪郭線(14、24)を形成するとともに接合面に第2の輪郭線(15、25)を形成し、第1の輪郭線(14、24)から第2の輪郭線(15、25)を横切って接合したLT基板の接合面とは反対側の面まで至る外周面を形成する(図6(f))。このとき、接合面を含む平面に第1の輪郭線(14、24)を垂直に投影すると、第1の輪郭線(14、24)の投影写像が第2の輪郭線(15、25)より外側に位置するように形成する。外周研削面のうち、第1の輪郭線(14、24)から第2の輪郭線(15、25)を通り更に単結晶LT基板に至る外周面は連続的に繋がっており、少なくとも次工程で薄化して複合基板に残したい単結晶LT層の厚み分までは連続した外周面とするのが好ましい。このとき、第1の輪郭線(14、24)よりも外側のシリコン基板部分に第4の輪郭線(17、27)を設けてもよい。第4の輪郭線(17、27)を接合面に垂直投影したときの投影写像が、第1の輪郭線(14、24)の投影写像よりも外側になるように、第4の輪郭線(17、27)を形成する。第4の輪郭線(17、27)の投影写像と第1の輪郭線(14、24)の投影写像との間隔が1mm以上あると、支持基板の外周部にチップが生じた際にその亀裂が接合面まで到達しにくくなるので好ましい。第4の輪郭線(17、27)の投影写像と第1の輪郭線(14、24)の投影写像との間隔を2mm以上とするとより好ましい。

0037

その後、貼り合せ基板の単結晶LT基板(11、21)側の面を研削・研磨して所望の厚みになるまで薄化し、単結晶LT層に閉じた第3の輪郭線(16、26)を形成する(図6(g))。ここで、接合面に対して第3の輪郭線(16、26)を垂直に投影すると、第3の輪郭線(16、26)の投影写像は第2の輪郭線(15、25)よりも内側に位置するように形成するとよい。こうすることにより、単結晶LT層(11、21)にチップが生じにくくすることができる。

0038

以下、本発明の実施例についてより具体的に説明する。

0039

〈実施例1〉
実施例1では、最初に、算術平均粗さRaが同程度であり(Ra=140nm±10%)、デバイスの使用波長λを5μmとして、RSm/λ=0.6である凹凸構造を有する6インチ、46.3°Yカットの単結晶LT基板を準備した。この凹凸構造を有する6インチのLT基板の最大高さ粗さRzは2.0μmであった。

0040

次に、LT基板の凹凸構造を有する面に、プラズマCVD法を用いて35℃でSiO2を10μm程度堆積させた。その後、SiO2を堆積させた面を研磨して鏡面化を行った。ここで、SiO2を研磨して3μm程度の厚みとした。また、支持基板となる厚み680μmのSi基板に対して、酸素雰囲気中で850℃で熱処理を施すことによって、Si基板の表面に200nmの熱酸化シリカを形成した。そして、LT基板に形成したSiO2鏡面とSi基板表面に形成した熱酸化シリカの双方にプラズマ表面活性化を施して貼り合わせ、6インチの貼り合せ基板を作製した。

0041

次にこの6インチの貼り合せ基板の外周部を面取り加工機によって外周研削し、支持基板に第1の輪郭線ならびに第4の輪郭線、接合面に第2の輪郭線を形成した。さらに、貼り合せ基板のLT基板部分を研磨して12μmまで薄化して第3の輪郭線を形成して、複合基板を作製した。

0042

作製した複合基板の、第1の輪郭線から第4の輪郭線までの研削面は接合面に平行な平面を持つように形成されていた。第1の輪郭線と第4の輪郭線の間隔は2.25mmであった。第1の輪郭線から第2の輪郭線を通り第3の輪郭線に至る研削面は連続的な外周面を形成していた。接合面と第2の輪郭線の接線とに垂直な断面において、接合面と外周面とがなす角度は45度であった。

0043

このようにして作製した複合基板において、研磨後のLT基板部分の外周部にチップ(欠け)は生じなかった。

0044

さらに、この複合基板をホットプレートで300℃まで加熱したが、接合面の外周部に剥離は生じなかった。図7は、実施例1の複合基板における外周部の断面写真である。

0045

〈実施例2〜実施例15〉
実施例1と同様に6インチの単結晶LT基板と単結晶シリコン基板とを鏡面化した介在層面をプラズマ活性化して接合を行い、複数の貼り合せ基板を作製した。次にこの貼り合せ基板の外周部を面取り加工機によって外周研削し、支持基板に第1の輪郭線ならびに第4の輪郭線、接合面に第2の輪郭線を形成した。さらに、貼り合せ基板のLT基板部分を研磨して12μmまで薄化して第3の輪郭線を形成し、複合基板を作製した。

0046

作製した複合基板の、第1の輪郭線から第4の輪郭線までの研削面は接合面に平行な平面を持つように形成されていた。第1の輪郭線と第4の輪郭線の間隔は2.5mmであった。

0047

第1の輪郭線から第2の輪郭線を通り第3の輪郭線に至る研削面は連続的な外周面を形成していた。接合面と第2の輪郭線の接線とに垂直な断面において、接合面と外周面とがなす角度θをそれぞれ、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度となるように形成した。

0048

研磨後の複合基板の外周部のチップ数を調べたところ表1に示す結果が得られた。θが30度以上75度以下において、特に良好なチップ抑制効果が得られる事を確認した。

0049

0050

<比較例>
実施例1と同様に6インチの単結晶LT基板41と単結晶シリコン基板42とを鏡面化した介在層48面をプラズマ活性化して接合を行い、貼り合せ基板を作製した。

0051

次にこの貼り合せ基板の外周部を面取り加工機によって外周研削し、支持基板に第1の輪郭線44ならびに第4の輪郭線47、接合面43に第2の輪郭線45を形成した。さらに、貼り合せ基板のLT基板部分を研磨して12μmまで薄化して第3の輪郭線46を形成して、複合基板4を作製した。

0052

図8及び図9に示されるように、作製した複合基板4の、第1の輪郭線44から第4の輪郭線47までの研削面は接合面に平行な平面を持つように形成されていた。第1の輪郭線と第4の輪郭線の間隔は2.5mmであった。

0053

第1の輪郭線44から第2の輪郭線45を通り第3の輪郭線46に至る研削面は連続的な外周面を形成していた。接合面と第2の輪郭線45の接線とに垂直な断面において、接合面43と外周面とがなす角度θを90度となるように形成した。

0054

研磨後の複合基板4の外周部のチップ数を調べたところ、5個であった。

0055

〈実施例16〉
インチ径の46.3°YカットのLT基板を準備し、接合する面を鏡面研磨した。次に、支持基板となる厚み680μmのSi基板を準備し、接合する面を鏡面に研磨した。LT基板の鏡面とSi基板鏡面の双方にプラズマ表面活性化を施して貼り合わせ、6インチの貼り合せ基板を作製した。

0056

次にこの6インチの貼り合せ基板の外周部を面取り加工機により外周研削し、支持基板に第1の輪郭線ならびに第4の輪郭線、接合面に第2の輪郭線を形成した。

0057

さらに、貼り合せ基板のLT基板部分を研磨して12μmまで薄化して第3の輪郭線を形成して、複合基板を作製した。

0058

作製した複合基板の、第1の輪郭線から第4の輪郭線までの研削面は接合面に平行な平面を持つように形成されていた。第1の輪郭線と第4の輪郭線の間隔は2.5mmであった。

0059

第1の輪郭線から第2の輪郭線を通り第3の輪郭線に至る研削面は連続的な外周面を形成していた。接合面と第2の輪郭線の接線とに垂直な断面において、接合面と外周面とがなす角度は45度であった。

0060

研磨後のLT基板部分の外周部にチップ(欠け)は生じなかった。

0061

さらに、この複合基板をホットプレートで300℃まで加熱したが、接合面の外周部に剥離は生じなかった。

0062

以上のことから介在層を用いずに接合されて複合基板においても、同様の結果が得られることが確認された。

0063

以上で説明したように、複合基板の中央部から最外周に向かって、第3の輪郭線、第2の輪郭線、第1の輪郭線の順に、各輪郭線を設けることにより、電材料層の外周端にチップが生じ難く、外周端からの剥離が生じ難い複合基板を得ることが可能となる。

実施例

0064

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

0065

1、2複合基板
11、21圧電材料単結晶
12、22支持基板
13、23接合面
14、24 第1の輪郭線
15、25 第2の輪郭線
16、26 第3の輪郭線
17、27 第4の輪郭線
28 介在層

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