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技術 改質装置、改質ガスの製造方法、及び改質システム

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 行本敦弘立花晋也
出願日 2018年11月7日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-209530
公開日 2020年5月21日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-075829
状態 未査定
技術分野 水素、水、水素化物
主要キーワード 半円管 管壁近傍 排出系統 温度上昇幅 限界線 伝熱抵抗 メタン含有ガス ガス流れ下流側
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

水素製造量の増大と、固体炭素析出抑制とを両立させた改質装置を提供する。

解決手段

メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置1であって、メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒12aが充填される触媒層12を内部に有する改質反応管10と、触媒層12aのガス入口側の長さ方向に対応する位置における改質反応管10の外周面冷却用流体を吹き付けるための多重管103と、を備える改質装置1とする。

概要

背景

二酸化炭素を用いたメタン改質技術に関して、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、ドライリフォーミング反応が記載されている。ドライリフォーミング反応では、1モルのメタンと1モルの二酸化炭素とが反応し、2モルの水素と2モルの一酸化炭素とを含む改質ガスが生成する。

概要

水素製造量の増大と、固体炭素析出抑制とを両立させた改質装置を提供する。メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置1であって、メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒12aが充填される触媒層12を内部に有する改質反応管10と、触媒層12aのガス入口側の長さ方向に対応する位置における改質反応管10の外周面冷却用流体を吹き付けるための多重管103と、を備える改質装置1とする。

目的

そのため、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立させた改質技術が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置であって、前記メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒充填される触媒層を内部に有する改質反応管と、前記触媒層のガス入口側の長さ方向に対応する位置における前記改質反応管の外周面冷却用流体を吹き付けるための吹き付け装置と、を備えることを特徴とする、改質装置。

請求項2

前記吹き付け装置は、前記メタン含有ガスが流れる第1管と、前記第1管の外側に配置され、前記冷却用流体が流れる第2管とを少なくとも備える多重管を含むことを特徴とする、請求項1に記載の改質装置。

請求項3

前記第2管は、前記触媒層に熱を供給するための燃焼器を備えた改質炉燃焼空間に開口しており、前記改質装置は、前記冷却用流体に含まれる空気が前記燃焼空間に供給するように構成されたことを特徴とする、請求項2に記載の改質装置。

請求項4

前記冷却用流体の温度は、前記触媒層に前記メタン含有ガスが導入された際に固体炭素析出する第1温度以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の改質装置。

請求項5

メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置であって、前記メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒が充填される触媒層を内部に有する改質反応管と、前記触媒層のガス入口側の長さ方向に対応する位置における前記改質反応管の外周面に設けられた断熱材と、を備えることを特徴とする、改質装置。

請求項6

前記断熱材の厚さは、前記メタン含有ガスが前記触媒層に導入された際に、前記メタン含有ガスの温度が固体炭素が析出する第1温度以下となるような厚さに構成されることを特徴とする、請求項5に記載の改質装置。

請求項7

メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置であって、前記メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒が充填される触媒層を内部に有する改質反応管を備え、前記触媒層は、ガス流れ方向の断面視において、ガス流れ上流側に配置される第1触媒層と、前記第1触媒層よりもガス流れ下流側に配置される第2触媒層とを含み、前記第1触媒層は、前記第2触媒層を流れるガスの流れよりも、前記第1触媒層を流れるガスの乱流を促進させるように構成され、又は、前記第1触媒層に含まれる第1改質触媒の触媒活性は、前記第2触媒層に含まれる第2改質触媒の触媒活性よりも大きくなっていることを特徴とする、改質装置。

請求項8

メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置であって、前記メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒が充填される触媒層を内部に有する改質反応管を備え、前記触媒層は、ガス流れ方向に直交する方向の断面視において、第1触媒層と、前記第1触媒層によって囲われるように配置される第2触媒層とを含み、前記第1触媒層は、前記第2触媒層を流れるガスの流れよりも、前記第1触媒層を流れるガスの乱流を促進させるように構成され、又は、前記第1触媒層に含まれる第1改質触媒の触媒活性は、前記第2触媒層に含まれる第2改質触媒の触媒活性よりも大きくなっていることを特徴とする、改質装置。

請求項9

メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質システムであって、請求項1〜8の何れか1項に記載の改質装置であって第1改質装置及び第2改質装置を含む改質装置と、前記改質装置へのメタン含有ガス供給系統であって、前記第1改質装置に前記メタン含有ガスを供給するための第1メタン含有ガス供給系統、及び、前記第2改質装置に前記メタン含有ガスを供給するための第2メタン含有ガス供給系統を含むメタン含有ガス供給系統と、前記第1改質装置に供給される前記メタン含有ガスに水蒸気を追加的に供給するための追加水蒸気供給系統と、前記第1改質装置で生成した前記改質ガスを前記第2改質装置に供給するための第1改質ガス排出系統と、を備えることを特徴とする、改質システム。

技術分野

0001

本開示は、改質装置改質ガスの製造方法、及び改質システムに関する。

背景技術

0002

二酸化炭素を用いたメタン改質技術に関して、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、ドライリフォーミング反応が記載されている。ドライリフォーミング反応では、1モルのメタンと1モルの二酸化炭素とが反応し、2モルの水素と2モルの一酸化炭素とを含む改質ガスが生成する。

先行技術

0003

特許第5972678号公報(例えば段落0001参照)

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、改質は、改質炉加熱炉)に設置された改質反応管(加熱炉内反応管)にメタンを含むガスメタン含有ガス)を供給することで行われる。改質反応管の内部をメタン含有ガスが流れる際、改質炉に備えられた燃焼器からの熱供給により、改質反応管の温度が上昇する。改質反応管の内壁部近傍(管壁内部近傍)におけるガス境膜伝熱抵抗によって、改質反応管の中央部へ熱が伝わりにくくなり、反応管外部から供給される熱が反応管内壁部近傍に蓄積することで、急激に温度が上昇する。そのため、特に管壁内部近傍においてメタン含有ガスに含まれるメタンが熱分解し、固体炭素析出し易い。

0005

固体炭素が改質触媒に析出すると、改質触媒とメタン含有ガスとの接触が妨げられ、触媒反応効率が低下する。また、改質反応器圧力損失上昇へとつながりガス圧の低下は後流プロセスへ影響を及ぼす。また、改質反応が内部で生じる細孔の内外繋ぐ流路炭素が析出すると、細孔が閉塞され改質触媒が破壊される可能性がある。そこで、固体炭素の析出を十分に抑制することが好ましい。

0006

特に、ドライリフォーミング反応において、水素の製造量を増やすために二酸化炭素の供給量(メタン含有ガスにおける、メタンに対する二酸化炭素の含有割合)を増やすと、メタン含有ガスの比熱が低下する。具体的には例えば、600℃、20kg/cm2のメタン含有ガス(メタン1モルに対して3モルの水蒸気を含む)において、メタンに対する二酸化炭素の成分割合モル比)が0.6のとき、比熱は0.545kcal/(kg・℃)である。しかし、このメタン含有ガスにおいて、メタンに対する二酸化炭素の成分割合(モル比)が1になると、比熱は0.505kcal/(kg・℃)に低下する。なお、上記メタン含有ガスにおいて、メタンに対する二酸化炭素の成分割合(モル比)が0のとき(即ち二酸化炭素を含まない)、比熱は0.642kcal/(kg・℃)である。

0007

比熱が小さくなれば、同じ熱流束(熱供給速度)であっても、改質反応管の内部においてガス温度上昇度合いが大きくなる。特に、メタン含有ガスの温度が低い改質触媒の入口(触媒層入口)において顕著であり、管壁内部近傍の中でも特に触媒層入口で固体炭素が析出し易い。そのため、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立させた改質技術が望まれている。

0008

本開示は、これらの課題に鑑みて為されたものであり、本発明の少なくとも一実施形態は、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立させた改質装置及び改質システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る改質装置は、
メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置であって、
前記メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒が充填される触媒層を内部に有する改質反応管と、
前記触媒層のガス入口側の長さ方向に対応する位置における前記改質反応管の外周面冷却用流体を吹き付けるための吹き付け装置と、を備える
ことを特徴とする。

0010

上記(1)の構成によれば、触媒層に導入されるメタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、触媒層入口での熱流束低下により急激な温度上昇が抑制でき、メタンの熱分解を抑制できる。これにより、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。

0011

(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記吹き付け装置は、前記メタン含有ガスが流れる第1管と、前記第1管の外側に配置され、前記冷却用流体が流れる第2管とを少なくとも備える多重管を含む
ことを特徴とする。

0012

上記(2)の構成によれば、第1管を流れるメタン含有ガスへの第1管の周囲からの熱伝達を抑制でき、メタン含有ガスの急激な温度上昇を抑制できる。

0013

(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記第2管は、前記触媒層に熱を供給するための燃焼器を備えた改質炉の燃焼空間に開口しており、
前記改質装置は、前記冷却用流体に含まれる空気を前記燃焼空間に供給するように構成された
ことを特徴とする。

0014

上記(3)の構成によれば、冷却用流体に含まれる空気を用いて第1管の周囲の熱伝達を抑制した後、冷却に使用された空気を改質炉の燃焼用酸素供給源としても利用できる。

0015

(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れか1の構成において、
前記冷却用流体の温度は、前記触媒層に前記メタン含有ガスが導入された際に固体炭素が析出する第1温度以下である
ことを特徴とする。

0016

上記(4)の構成によれば、メタン含有ガスへの熱流束を十分に低下でき、触媒層入口における固体炭素析出をより確実に抑制できる。

0017

(5)本発明の少なくとも一実施形態に係る改質装置は、
メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置であって、
前記メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒が充填される触媒層を内部に有する改質反応管と、
前記触媒層のガス入口側の長さ方向に対応する位置における前記改質反応管の外周面に設けられた断熱材と、を備える
ことを特徴とする。

0018

上記(5)の構成によれば、触媒層入口に設置した断熱材によって、メタン含有ガスへの伝熱抵抗を大きくできる。これにより、熱流束低下により急激な温度上昇が抑制でき、メタンの熱分解を抑制できる。この結果、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。

0019

(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記断熱材の厚さは、前記メタン含有ガスが前記触媒層に導入された際に、前記メタン含有ガスの温度が固体炭素が析出する第1温度以下となるような厚さに構成される
ことを特徴とする。

0020

上記(6)の構成によれば、メタン含有ガスへの熱流束を十分に低下でき、触媒層入口における固体炭素析出をより確実に抑制できる。

0021

(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る改質装置は、
メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置であって、
前記メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒が充填される触媒層を内部に有する改質反応管を備え、
前記触媒層は、ガス流れ方向の断面視において、ガス流れ上流側に配置される第1触媒層と、前記第1触媒層よりもガス流れ下流側に配置される第2触媒層とを含み、
前記第1触媒層は、前記第2触媒層を流れるガスの流れよりも、前記第1触媒層を流れるガスの乱流を促進させるように構成され、又は、
前記第1触媒層に含まれる第1改質触媒の触媒活性は、前記第2触媒層に含まれる第2改質触媒の触媒活性よりも大きくなっている
ことを特徴とする。

0022

上記(7)の構成によれば、触媒層に導入されるメタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、触媒層入口での管内壁近傍でのメタン含有ガスへ熱伝達を促進することで、管中央部改質反応(吸熱反応)で温度低下したメタン含有ガスへの伝熱を促進できる。これにより、管内壁近傍の急激な温度上昇が抑制でき、メタンの熱分解を抑制できる。この結果、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。

0023

(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る改質装置は、
メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質装置であって、
前記メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒が充填される触媒層を内部に有する改質反応管を備え、
前記触媒層は、ガス流れ方向に直交する方向の断面視において、第1触媒層と、前記第1触媒層によって囲われるように配置される第2触媒層とを含み、
前記第1触媒層は、前記第2触媒層を流れるガスの流れよりも、前記第1触媒層を流れるガスの乱流を促進させるように構成され、又は、
前記第1触媒層に含まれる第1改質触媒の触媒活性は、前記第2触媒層に含まれる第2改質触媒の触媒活性よりも大きくなっている
ことを特徴とする。

0024

上記(8)の構成によれば、触媒層に導入されるメタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、触媒層入口での管内壁近傍でのメタン含有ガスへ熱伝達を促進することで、管中央部改質反応(吸熱反応)で温度低下したメタン含有ガスへの伝熱を促進できる。これにより、管内壁近傍の急激な温度上昇が抑制でき、メタンの熱分解を抑制できる。この結果、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。

0025

(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る改質システムは、
メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するための改質システムであって、
上記(1)〜(8)の何れか1に記載の改質装置であって第1改質装置及び第2改質装置を含む改質装置と、
前記改質装置へのメタン含有ガス供給系統であって、前記第1改質装置に前記メタン含有ガスを供給するための第1メタン含有ガス供給系統、及び、前記第2改質装置に前記メタン含有ガスを供給するための第2メタン含有ガス供給系統を含むメタン含有ガス供給系統と、
前記第1改質装置に供給される前記メタン含有ガスに水蒸気を追加的に供給するための追加水蒸気供給系統と、
前記第1改質装置で生成した前記改質ガスを前記第2改質装置に供給するための第1改質ガス排出系統と、を備える
ことを特徴とする。

0026

上記(9)の構成によれば、触媒層に導入されるメタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、平衡における炭素析出温度未満とすることができ、メタンの熱分解を抑制できる。これにより、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。特に、第2改質装置には第1改質装置で未反応の二酸化炭素が供給される。この結果、メタンから固体炭素が析出する熱分解反応を抑制でき、水素製造量の更なる増大を図ることができる。

発明の効果

0027

本発明の少なくとも一実施形態によれば、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立させた改質装置及び改質システムを提供できる。

図面の簡単な説明

0028

本発明の一実施形態に係る改質装置を含む改質炉を示す斜視図である。
図1のA−A線断面図である。
本発明の一実施形態に係る改質装置近傍におけるガス流れ方向の断面図である。
本発明の一実施形態に係る改質装置(実施例)における温度と平衡定数との関係を示すグラフである。
従来の改質装置(比較例)における温度と平衡定数との関係を示すグラフである。
本発明の二実施形態に係る改質装置近傍におけるガス流れ方向の断面図である。
本発明の三実施形態に係る改質装置近傍におけるガス流れ方向の断面図である。
第1触媒層に充填される第1改質触媒の斜視図である。
第2触媒層に充填される第2改質触媒の斜視図である。
本発明の四実施形態に係る改質装置近傍におけるガス流れ方向の断面図である。
本発明の四実施形態に係る改質装置近傍におけるガス流れ方向に直交する方向の断面図である。
本発明の一実施形態に係る改質システムの系統図である。

実施例

0029

以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、以下に実施形態として記載されている内容又は図面に記載されている内容は、あくまでも例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、任意に変更して実施することができる。また、各実施形態は、2つ以上を任意に組み合わせて実施することができる。さらに、各実施形態において、共通する部材については同じ符号を付すものとし、説明の簡略化のために重複する説明は省略する。

0030

また、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。

0031

図1は、本発明の一実施形態に係る改質装置1を含む改質炉100を示す斜視図である。改質炉100は、燃焼空間110と、天井101により燃焼空間110とは仕切られて形成される炉外空間111とを備える。また、改質炉100は、メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガス(例えば、天然ガスと二酸化炭素との混合ガス)から改質ガスを製造するための改質装置1を備える。なお、メタン含有ガスには、メタン及び二酸化炭素に加えて、水蒸気が含まれていてもよい。メタン含有ガスに水蒸気が含まれる場合、メタンに対する水蒸気の量(モル比。S/C)は任意であり、S/Cは例えば3以下である。

0032

改質装置1は、改質反応管10と、吹き付け装置108とを備える。改質反応管10は、メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒12a(図3参照)が充填される触媒層12(図3参照)を内部に有するものである。改質反応管10は、燃焼空間110を縦断するように天井101を貫通して、炉外空間111から延びる。また、触媒層12は、詳細は後記するが、燃焼空間110に対応する位置において改質反応管10の内部に配置される。

0033

燃焼器102は燃焼空間110において火炎102b(図3参照)を生じさせるためのものである。火炎102bは、燃焼器102の内部の燃料流路102a(図3参照)を流れた空気及び燃料予混合ガス着火装置(図示しない)により着火されることで、生じる。また、生じた火炎102bにより、燃焼空間110に熱が生じる。生じた熱は、改質反応管10の管壁を介し、改質反応管10の内部に配置された触媒層12に伝達する。これにより、改質反応管10内を流れるメタン含有ガスの改質が行われる。

0034

吹き付け装置108は、触媒層12のガス入口側の長さ方向に対応する位置における改質反応管10の外周面に冷却用流体(図示の例では空気)を吹き付けるためのものである。吹き付け装置108には、半円形状流路を形成する半円管を含む空気管105が接続される。吹き付け装置108は、メタン含有ガスが流れる第1管103aと、第1管103aの外側に配置され、冷却用流体が流れる第2管103b(図3参照)とを少なくとも備える多重管103を含む。多重管103を含むことで、第1管103aを流れるメタン含有ガスへの第1管103aの周囲からの熱伝達を抑制でき、メタン含有ガスの急激な温度上昇を抑制できる。

0035

図2は、図1のA−A線断面図である。改質反応管10の一部を構成する第1管103aの内部には空間11が形成され、上記の触媒層12は空間11に配置される。

0036

空気管105の内部に形成される半円形状流路の流路幅(半円管の内径)は、第2管103bの開口部106の内径(大きさ)よりも大きくなっている。従って、空気管105は、第2管103bの開口部106の全体を覆うようにして開口部106に接続される。そして、第2管103bの内部は、第2管103bの上端に形成された開口部106を通じて、空気管105の内部と連通する。そのため、空気管105を流れる空気は、開口部106を通じて、第2管103bの内部に流れ込む。特に、空気は、開口部106を通じて第2管103bの全周に流れ込むため、第2管103bの内部での空気の偏流が抑制される。

0037

また、第1管103aの周囲には、天井101の一部に円形の開口部121が形成される。開口部121について、図3を参照しながら説明する。

0038

図3は、本発明の一実施形態に係る改質装置1近傍におけるガス流れ方向の断面図である。図3において、改質触媒12a及び触媒層12の一部の図示を省略しており、実際には、触媒層12は、燃焼空間110の高さ方向全域に亘って改質反応管10の内部に収容される。

0039

触媒層12の上部には多孔板15aが配置される。従って、改質反応管10を炉外空間111の側から流れてきたメタン含有ガスは、多孔板15aを通じて、触媒層12に入る。即ち、多孔板15aと触媒層12との接続部分に触媒層12の入口が形成される。触媒層12の入口は、図3において改質反応管10の内部で左右方向全域に亘る。また、触媒層12の入口の高さ方向位置と、天井101の下面位置とは一致する。従って、触媒層12の全部が燃焼空間110の内部側に配置される。

0040

第1管103aの周囲には、天井101の一部に開口部121が形成される。そして、開口部121は、第2管103bの燃焼空間110に形成される。また、第2管103bは、ガス流れ下流側に向かって窄まる形状を有する。第2管103bは、触媒層12に熱を供給するための燃焼器102を備えた改質炉の燃焼空間110に開口しており、改質装置1は、上記の空気管105から第2管103bに流れ込んだ冷却用流体に含まれる空気を燃焼空間110に供給するように構成される。このようにすることで、冷却用流体に含まれる空気を用いて第1管103aの周囲の熱伝達を抑制した後、冷却に使用された空気を改質炉の燃焼用酸素の供給源としても利用できる。

0041

改質反応管10の内部に収容される触媒層12を冷却するための冷却用流体の温度は、触媒層12にメタン含有ガスが導入された際に固体炭素が析出する第1温度以下である。ここで、例えば一酸化炭素に起因する固体炭素析出を十分に抑制する観点から、第1温度は高いことが好ましい。具体的には、メタン含有ガスに含まれる二酸化炭素の含有量によっても異なるため一概にはいえないものの、第1温度は、例えば350℃以下、好ましくは370℃以下、より好ましくは400℃以下である。このような温度範囲の冷却用流体でメタン含有ガスを冷却することで、メタン含有ガスへの熱流束を十分に低下でき、触媒層12入口における固体炭素析出をより確実に抑制できる。

0042

触媒層12に充填される改質触媒12aは、メタンの改質が可能な任意の触媒成分を含んで構成される。具体的には例えば、改質触媒12aに含まれる触媒成分としては、ニッケル酸化ニッケル等のニッケル系触媒ルテニウムアルミナ担持させたルテニウム系触媒等の一種又は二種以上が挙げられる。また。改質触媒12aの形状としては、任意の形状を採用でき、具体的には例えば、円環状(例えば後記する図9を参照)にすることができる。

0043

以上の構成を備える改質反応管10によれば、触媒層12に導入されるメタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、触媒層12入口での熱流束低下により急激な温度上昇が抑制でき、メタンの熱分解を抑制できる。これにより、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。

0044

図4は、本発明の一実施形態に係る改質装置1(実施例)における温度と平衡定数との関係を示すグラフである。また、図5は、従来の改質装置(比較例)における温度と平衡定数との関係を示すグラフである。図4及び図5に示すグラフは、本発明者らの検討によるシミュレーションに基づいて得られた温度及び平衡定数をプロットしたものである。また、ここでいう従来の改質装置は、本発明の一実施形態に係る改質装置1において吹き付け装置108を備えないこと以外は改質装置1と同様の構成を有するものである。そして、吹き付け装置108による冷却用流体の吹き付けにより、本発明の一実施形態に係る改質装置1では、触媒層12の入口において、従来の改質装置の触媒層入口における熱流束の約半分になっている。

0045

図4及び図5のそれぞれにおいて、プロットAは、触媒層12の入口における温度及びCH4→C+2H2(下記反応式(1)参照)の平衡定数Kpである。プロットAから右方向に連続するプロットは、触媒層12の入口から10cm毎における温度及び平衡定数である。例えば、プロットBは、触媒層12の入口から10cmの部分における温度及び平衡定数を示す。なお、温度は、改質反応管10の管内壁と触媒層12との接触部分の温度(管壁近傍の触媒層12の温度)である。また、平衡定数は、触媒層12の入口及び出口のそれぞれに設けられた温度計及び圧力計により測定される温度及び圧力と、反応速度解析で得られたメタン含有ガス及び改質ガスの組成とに基づいて決定できる。

0046

メタンの熱分解は、以下の反応式(1)により生じる。
CH4→C(固体)+2H2 ・・・反応式(1)
反応式(1)の平衡定数は温度によって変化するため、反応式(1)の炭素析出限界線が、図4及び図5における破線で示すグラフである。このグラフは、非特許文献1(J.−W. Snoeck et.al, Journal of Catalysis, Volume 169, Issue 1, 1 July 1997, Pages 250−262)から引用したものである。破線で示すグラフにおいて、下側領域は固体炭素が析出する領域であり、上側領域は固体炭素が析出しない領域である。

0047

実施例に相当する図4に示すグラフでは、触媒層12の入口であるプロットAと、触媒層12の入口から10cm下流側のプロットBとは、いずれも、グラフの上側領域に存在した。即ち、メタン含有ガスの温度は、触媒層12の入口(プロットA)では650℃であった。そして、触媒層12に入ったメタン含有ガスの温度は急激に上昇して700℃に達した(プロットB)。しかし、プロットAからプロットBまでの温度上昇の幅は従来例(図5を参照しながら後記する)よりも小さく、固体炭素析出に至るほどの温度幅ではなかった。そして、プロットBからさらにガス流れ下流に向かっても、平衡定数はグラフの下側領域に入り込むことはなく、緩やかに温度が上昇している。従って、本発明の一実施形態に係る改質装置1では、触媒層12において固体炭素の析出が生じないといえる。

0048

一方で、比較例に相当する図5に示すグラフでは、触媒層12の入口でのメタン含有ガスの温度は650℃であり、プロットAはグラフの上側領域に存在した。しかし、触媒層12に入ったメタン含有ガスの温度は、上記の図4と比べてより急激に上昇して740℃に達した(プロットB)。この結果、プロットBはグラフの下側領域に入り、触媒層12において固体炭素が析出すると考えられる。そして、プロットBからさらにガス流れ下流に向かうと、ガス温度は緩やかに上昇し、平衡定数は再度グラフの上側領域に戻る。

0049

これらの図4及び図5に示すように、触媒層12の入口から触媒層12に入った後のメタン含有ガスの温度上昇幅を小さくできれば、触媒層12での炭素析出を抑制できる。そこで、本発明の一実施形態の改質装置1では、触媒層12の入口において冷却用流体を吹き付けることで、燃焼器102で生じた熱に起因する熱流束の低下が行われている。これにより、触媒層12の入口におけるメタン含有ガスの急激な温度上昇が抑制され、これにより、メタンの熱分解を抑制できる。

0050

特に、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合が大きく、比熱が小さくなる場合には、触媒層12の入口から入った後の温度上昇幅が大きくなる。そこで、このような場合には、冷却用流体の温度を下げたり、冷却用流体の吹き付け量を増加させたりすることで、熱流束の低下量を大きくすればよい。このようにすることで、二酸化炭素の成分割合が大きいメタン含有ガスを用いた場合であっても、触媒層12での固体炭素の析出を抑制できる。

0051

図6は、本発明の二実施形態に係る改質装置2近傍におけるガス流れ方向の断面図である。改質装置2は、上記の改質装置1と同様に、メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するためのものである。そして、改質装置2は、改質反応管10と、断熱材131とを備える。改質装置2に備えられる改質反応管10は、上記の改質装置1に備えられる改質反応管10と同様に、メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒12aが充填される触媒層12を内部に有するものである。

0052

改質装置2に備えられる断熱材131は、触媒層12のガス入口側の長さ方向に対応する位置における改質反応管10の外周面に設けられたものである。即ち、断熱材131は、改質反応管10に収容される触媒層12の入口と断熱材131の上面とが同じ高さ位置になるようにして、改質反応管10の外周に捲かれる。断熱材131は例えばセラミックを含んで構成される。

0053

断熱材131が備えられることで、触媒層12の入口に設置した断熱材131によって、メタン含有ガスへの伝熱抵抗を大きくできる。これにより、熱流束低下により急激な温度上昇が抑制でき、メタンの熱分解を抑制できる。この結果、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。

0054

断熱材131の厚さdは、例えば、メタン含有ガスが触媒層12に導入された際に、メタン含有ガスの温度が固体炭素が析出する第1温度以下となるような厚さに構成される。断熱材131の厚さdをこのようにすることで、メタン含有ガスへの熱流束を十分に低下でき、触媒層12入口における固体炭素析出をより確実に抑制できる。

0055

また、断熱材131の高さ方向長さLは、例えば、触媒層12の高さ方向長さの通常50%以下程度、好ましくは30%以下程度、より好ましくは10%以下程度にすることができる。

0056

図7は、本発明の三実施形態に係る改質装置3近傍におけるガス流れ方向の断面図である。改質装置3は、上記の改質装置1と同様に、メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するためのものである。そして、改質装置3は、上記の改質装置1と同様に、メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒(第1改質触媒13a及び第2改質触媒14a)が充填される触媒層12を内部に有する改質反応管10を備える。

0057

ただし、改質装置3の改質反応管10に備えられる触媒層12は、ガス流れ方向の断面視(図7に示す断面視)において、ガス流れ上流側に配置される第1触媒層13と、第1触媒層13よりもガス流れ下流側に配置される第2触媒層14とを含む。第1触媒層13と第2触媒層14との間には、多孔板15aが配置される。

0058

第1触媒層13は、第2触媒層14を流れるガスの流れよりも、第1触媒層13を流れるガスの乱流を促進させるように構成される。具体的には、第1触媒層13に充填される第1改質触媒13aの形状等(形状又は大きさのうちの少なくとも一方、以下同じ)は、第2触媒層14に充填される第2改質触媒14aの形状等よりも、流れるガスの乱流を促進させる形状になっている。第1改質触媒13a及び第2改質触媒14aの各形状等について、図8及び図9を参照しながら説明する。

0059

図8は、第1触媒層13に充填される第1改質触媒13aの斜視図である。また、図9は、第2触媒層14に充填される第2改質触媒14aの斜視図である。第1改質触媒13a及び第2改質触媒14aは、いずれも最も長い部分の長さが同程度であり、ほぼ同じ大きさを有する。しかし、第1改質触媒13aは、軸方向に延びる溝を外周面に有する中空円柱形状を有する一方で、第2改質触媒14aは、外周面が単純な曲面で構成された中空の円柱形状(リング状)を有する。

0060

このように、第1改質触媒13aの形状等は、第2改質触媒14aの形状等よりも複雑になっている。具体的には、第1改質触媒13aの外表面には複数の凹凸が形成され、外表面が単純な曲面で成形される第2改質触媒14aとは異なり、第1改質触媒13aの形状等は第2改質触媒14aの形状等よりも複雑になっている。そのため、複雑な形状等を有する第1改質触媒13aを充填した第1触媒層13にガスが流れると、第1改質触媒13aよりは単純な形状等を有する第2改質触媒14aを充填した第2触媒層14よりは、流れるガスの乱流が促進される。この結果、特に温度上昇が大きな触媒層12の入口を含むガス流れ上流側で乱流が促進されることで、ガス流れが触媒層12(具体的には第1触媒層13)の内部で複雑になる。これにより、改質反応管10の管壁内部近傍に形成されるガス境膜を乱すことができ、伝熱抵抗を小さくできる。この結果、触媒層12の内部で熱拡散が生じやすくなり、管壁内部近傍での温度上昇の程度を抑制できる。このため、メタンの熱分解を抑制できる。

0061

なお、第1改質触媒13a及び第2改質触媒14aの形状等は、図示の例に限られず、例えば、触媒手帳(ズードケミー触媒社発行出版年2001年)等に記載の触媒を適宜採用できる。

0062

また、第1触媒層13に含まれる第1改質触媒13aの触媒活性は、第2触媒層14に含まれる第2改質触媒14aの触媒活性よりも大きくなっているようにすることもできる。具体的には、第1改質触媒13aの触媒単位体積あたりの反応速度(kmol/(m3−catalyst・h))は、第2改質触媒14aの触媒単位体積あたりの反応速度(kmol/(m3−catalyst・h))よりも大きくすることができる。このようにすることで、特に温度上昇が大きな触媒層12の入口を含むガス流れ上流側において吸熱反応である改質反応を促進でき、触媒層12の入口から入ったメタン含有ガスの温度を速やかに低下できる。これにより、管壁内部近傍での温度上昇幅を抑制できる。このため、メタンの熱分解を抑制できる。

0063

異なる触媒活性を示す第1改質触媒13a及び第2改質触媒14aの成分は特に制限されないが、第1改質触媒13aとしては、例えば上記のルテニウム系触媒が挙げられる。また、第2改質触媒14aとしては、例えば上記のニッケル系触媒が挙げられる。なお、第1改質触媒13a及び第2改質触媒14aが異なる触媒活性を示す場合において、第1改質触媒13aの形状等と第2改質触媒14aの形状等とは同じでもよいし、異なっていてもよい。

0064

このような改質装置3によれば、触媒層12に導入されるメタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、触媒層12入口での管内壁近傍でのメタン含有ガスへ熱伝達を促進することで、管中央部改質反応(吸熱反応)で温度低下したメタン含有ガスへの伝熱を促進できる。これにより、管内壁近傍の急激な温度上昇が抑制でき、メタンの熱分解を抑制できる。この結果、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。

0065

図10は、本発明の四実施形態に係る改質装置4近傍におけるガス流れ方向の断面図である。改質装置4は、上記の改質装置1〜3と同様に、メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するためのものである。改質装置4は、上記の改質装置3と同様に、メタン含有ガスの改質を行うための改質触媒(第1改質触媒13a及び第2改質触媒14a)が充填される触媒層12を内部に有する改質反応管10を備える。触媒層12は、第1触媒層13及び第2触媒層14を含む。ただし、第1触媒層13及び第2触媒層14の配置位置が上記の改質装置4とは異なる。この点について、図11を参照しながら説明する。

0066

図11は、本発明の四実施形態に係る改質装置4近傍におけるガス流れ方向に直交する方向の断面図である。触媒層12は、ガス流れ方向に直交する方向の断面視(図11に示す断面視)において、第1触媒層13と、第1触媒層13によって囲われるように配置される第2触媒層14とを含む。第1触媒層13と第2触媒層14との間には、ガス流れ方向に延びる多孔管15b(図10を併せて参照)が配置される。そして、第1触媒層13は、上記の改質装置3の説明した内容と同様に、第2触媒層14を流れるガスの流れよりも、第1触媒層13を流れるガスの乱流を促進させるように構成される。

0067

なお、第1触媒層13に充填される第1改質触媒13aは例えば上記の図8に示される形状等を有し、第2触媒層14に充填される第2改質触媒14aは例えば上記の図9に示される形状等を有する。

0068

このように、複雑な形状等を有する第1改質触媒13aを充填した第1触媒層13が管壁内部近傍に配置されることで、伝熱抵抗が大きいために温度が急激に上昇し易い完璧内部近傍でのガス流れを乱すことができる。これにより、改質反応管10の管壁内部近傍に形成されるガス境膜を乱すことができ、伝熱抵抗を小さくできる。この結果、触媒層12の内部で熱拡散が生じやすくなり、管壁内部近傍での温度上昇の程度を抑制できる。このため、メタンの熱分解を抑制できる。

0069

また、上記の改質装置3と同様に、第1触媒層13に含まれる第1改質触媒13aの触媒活性は、第2触媒層14に含まれる第2改質触媒14aの触媒活性よりも大きくなっているようにすることもできる。このようにすることで、急激に温度が上昇する管壁内部近傍において、吸熱反応である改質反応を促進でき、触媒層12の入口から入ったメタン含有ガスの温度を速やかに低下できる。これにより、管壁内部近傍での温度上昇幅を抑制できる。このため、メタンの熱分解を抑制できる。なお、第1改質触媒13a及び第2改質触媒14aが異なる触媒活性を示す場合において、第1改質触媒13aの形状等と第2改質触媒14aの形状等とは同じでもよいし、異なっていてもよい。

0070

このような改質装置3によれば、触媒層12に導入されるメタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、触媒層12入口での管内壁近傍でのメタン含有ガスへ熱伝達を促進することで、管中央部改質反応(吸熱反応)で温度低下したメタン含有ガスへの伝熱を促進できる。これにより、管内壁近傍の急激な温度上昇が抑制でき、メタンの熱分解を抑制できる。この結果、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。

0071

図12は、本発明の一実施形態に係る改質システム200の系統図である。改質システム200は、メタン及び二酸化炭素を含むメタン含有ガスから改質ガスを製造するためのものである。ただし、図12に示す例では、メタン含有ガス(追加水蒸気供給系統211を通じた水蒸気の追加前(後記する))には、水蒸気も含まれている。水蒸気の含有量は、メタンに対する成分割合(モル比。S/C)として、例えば2.5である。

0072

改質システム200は、第1改質装置1A、第2改質装置1B及び第3改質装置1Cを含む改質装置1と、メタン含有ガス供給系統210(第1メタン含有ガス供給系統201、第2メタン含有ガス供給系統202及び第3メタン含有ガス供給系統203)と、追加水蒸気供給系統211と、第1改質ガス排出系統221とを備える。なお、改質システム200では、改質装置1に代えて、又は改質装置1とともに、上記の改質装置2,3,4のうちの少なくとも何れか1つの改質装置が備えられてもよい。

0073

メタン含有ガス供給系統210は、メタン含有ガス供給源(図示しない)に接続され、メタン含有ガス供給源から改質装置1にメタン含有ガスを供給するためのものである。メタン含有ガス供給系統210は、第1改質装置1Aにメタン含有ガスを供給するための第1メタン含有ガス供給系統201、第2改質装置1Bにメタン含有ガスを供給するための第2メタン含有ガス供給系統202、及び第3改質装置1Cにメタン含有ガスを供給するための第3メタン含有ガス供給系統203を含む。

0074

第1メタン含有ガス供給系統201、第2メタン含有ガス供給系統202及び第3メタン含有ガス供給系統203は一部重複しており、これらの重複部分から分岐して第1メタン含有ガス供給系統201に第1改質装置1Aが接続される。また、残りの重複部分から分岐して、第2メタン含有ガス供給系統202には第2改質装置1Bが、第3メタン含有ガス供給系統203には第3改質装置1Cが接続される。なお、第1改質装置1A、第2改質装置1B及び第3改質装置1Cには、メタン含有ガスが等しい流量でそれぞれ供給される。

0075

追加水蒸気供給系統211は、第1改質装置1Aに供給されるメタン含有ガスに水蒸気を追加的に供給するための系統である。追加水蒸気供給系統211は、第1メタン含有ガス供給系統201のうち、第2メタン含有ガス供給系統202及び第3メタン含有ガス供給系統203とは重複していない部分に接続される。従って、第1改質装置1Aには、第2改質装置1B及び第3改質装置1Cよりも多い量の水蒸気が供給される。具体的には例えば、第1改質装置1Aに供給されるメタン含有ガスにおいて、メタンに対する水蒸気の成分割合が例えば3になるように、水蒸気が追加的に供給される。

0076

第1改質ガス排出系統221は、第1改質装置1Aで生成した改質ガス及び未反応のメタン含有ガス(二酸化炭素及び水蒸気を含む)を第2改質装置1Bに供給するための系統である。第1改質ガス排出系統221は、第2メタン含有ガス供給系統202に接続される。また、第2改質ガス排出系統222は、第1改質装置1A及び第2改質装置1Bで生成した改質ガス及び未反応のメタン含有ガス(二酸化炭素及び水蒸気を含む)を第3改質装置1Cに供給するための系統である。第2改質ガス排出系統222は、第3メタン含有ガス供給系統203に接続される。そして、第3改質ガス排出系統223は、第1改質装置1A、第2改質装置1B及び第3改質装置1Cで生成した改質ガス及び未反応のメタン含有ガス(二酸化炭素及び水蒸気を含む)を図示しないガスホルダに供給するための系統である。

0077

改質システム200は、システム全体として、改質装置1に供給する水蒸気の物質量を、改質装置1に供給するメタン含有ガスのS/Cが例えば2.5以下、好ましくは2.3以下、より好ましくは2.1以下、また、その下限は、例えば1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.7以上になるように構成される。

0078

改質装置1における固体炭素の析出は、上記のように、メタンの熱分解(反応式(1)参照)に起因する。また、例えばメタン含有ガスに一酸化炭素が含まれている場合のほか、第1改質装置1Aでの改質に伴い生成した一酸化炭素が供給される第2改質装置1B及び第3改質装置1Cでは、以下の反応式(2)及び(3)に基づく固体炭素析出の可能性がある。ただし、メタン含有ガスには上記のように二酸化炭素が含まれるため、通常は、反応式(2)の正反応(固体炭素が析出する反応)は生じにくい。
2CO→C(固体)+CO2 ・・・反応式(2)
CO+H2→C(固体)+H2O ・・・反応式(3)

0079

改質ガス流れで1段目(最上流)である第1改質装置1Aに対しては、追加水蒸気供給系統211を通じて、追加的に水蒸気の供給が行われる。これにより、水蒸気(水)の分圧を高めて上記反応式(3)の逆反応を促し、第1改質装置1Aでの炭素析出を抑制できる。一方で、第2改質装置1B及び第3改質装置1Cでは、本発明の一実施形態では、水蒸気の追加は行われない。

0080

そして、3つの改質装置1に分散させてメタン含有ガスを供給し、1段目の第1改質装置1Aにのみに水蒸気を追加供給することで、1段目は高S/C(例えばS/C=3)とし、システム全体としては、S/Cを低下させることができる(例えばS/C=2)。そのため、上記のように、メタン含有ガスのS/Cを低くしつつ、第1改質装置1Aに対してのみ水蒸気をすることで、システム全体のS/Cを2.5以下にできる。これにより、炭素析出を抑制し、かつ、水蒸気量を削減できる。

0081

一方で、2段目である第2改質装置1Bに対しては、水蒸気を追加的に供給してもよいが、上記の例では追加的な水蒸気供給は行われない。これは、1段目の第1改質装置1Aにおいて生成した改質ガスが第2改質装置1Bに供給されるため、水蒸気量が少なくても炭素析出が抑制されるためである。即ち、第2改質装置1Bでは水素が多いため、上記の反応式(1)の正反応が進行しにくく、これにより、炭素析出が抑制される。

0082

なお、水素が多いため、上記の反応式(3)の正反応が進行する可能性もある。しかし、第2改質装置1Bにはメタン含有ガスに含まれる水蒸気が供給されるため、水蒸気の分圧が高くなっている。そのため、反応式(3)の正反応は進行しにくく、反応式(3)の正反応に由来する炭素析出は抑制される。

0083

また、第1改質装置1Aで生成した改質ガスには一酸化炭素が含まれ得る。このため、第1改質装置1Aで生成した改質ガスが供給される第2改質装置1Bでは、反応式(2)の正反応が進行することが考えられる。しかし、上記のように、メタン含有ガスには二酸化炭素が含まれることから、反応式(2)の正反応(固体炭素が析出する反応)は進行しにくい。このため、反応式(2)に示すような一酸化炭素の不均化反応に起因する固体炭素析出が抑制される。

0084

なお、一酸化炭素の不均化反応は、ガス温度が低下することで生じ易くなる。そこで、改質装置1の触媒層12に導入されるメタン含有ガスの温度は、触媒層12にガス(メタン含有ガス、改質ガス等)が導入された際に固体炭素が析出する第2温度以上にすることが好ましい。

0085

そして、3段目である(改質ガス流れで最下流)第3改質装置1Cに対しても、水蒸気を追加的に供給してもよいが、上記の例では追加的な水蒸気供給は行われない。これは、3段目の第3改質装置1Cには1段目の第1改質装置1A及び2段目の第2改質装置1Bからの改質ガスが供給されるため、水素の分圧が他の改質装置1と比べて最も高くなっているためである。そのため、3段目の第3改質装置1Cに対しても水蒸気を追加供給せずとも、炭素析出を抑制できる。

0086

なお、第3改質装置1Cには、1段目の第1改質装置1A及び2段目の第2改質装置1Bでの改質により生成した一酸化炭素が供給されるため、他の改質装置1と比べて一酸化炭素の分圧が高くなる。そのため、上記の反応式(2)の正反応が進行する可能性もある。しかし、第3改質装置1Cにはメタン含有ガスに含まれる二酸化炭素が供給されるため、二酸化炭素の分圧が高くなっている。そのため、反応式(2)の正反応は進行しにくく、反応式(2)の正反応に由来する炭素析出は抑制される。また、第3改質装置1Cにおいてもガス温度は十分に高いことから、上記のように、一酸化炭素の不均化反応に起因する固体炭素析出が抑制される。

0087

以上のような改質システム200によれば、触媒層12に導入されるメタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、平衡における炭素析出温度未満とすることができ、メタンの熱分解を抑制できる。これにより、メタン含有ガス中の二酸化炭素の成分割合を大きくしても、水素製造量の増大と、固体炭素の析出抑制とを両立できる。特に、第2改質装置1Bには第1改質装置1Aで未反応の二酸化炭素が供給される。この結果、メタンから固体炭素が析出する熱分解反応を抑制でき、水素製造量の更なる増大を図ることができる。

0088

1,2,3,4改質装置
1A 第1改質装置
1B 第2改質装置
1C 第3改質装置
10改質反応管
11 空間
12触媒層
12a改質触媒
13 第1触媒層
13a 第1改質触媒
14 第2触媒層
14a 第2改質触媒
15a多孔板
15b多孔管
100改質炉
101天井
102燃焼器
102a燃料流路
102b火炎
103多重管
103a 第1管
103b 第2管
105空気管
106,121 開口部
108 装置
110燃焼空間
111炉外空間
131断熱材
200改質システム
201 第1メタン含有ガス供給系統
202 第2メタン含有ガス供給系統
203 第3メタン含有ガス供給系統
210 メタン含有ガス供給系統
211 追加水蒸気供給系統
221 第1改質ガス排出系統
222 第2改質ガス排出系統
223 第3改質ガス排出系統

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