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技術 接点部材および接点ゴムスイッチ並びに接点部材の製造方法

出願人 積水ポリマテック株式会社
発明者 藤田学岩崎弘通
出願日 2017年2月28日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2017-035940
公開日 2020年5月14日 (9ヶ月経過) 公開番号 2020-074257
状態 未査定
技術分野 接点(2) 押釦スイッチ スイッチの製造
主要キーワード 三又形状 一部拡大写真 薄肉可 コンタクトラバー 洋白板 接点ゴム 基板接点 曲げ中心
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

長期使用に対しても高い信頼性と耐久性を有し、また高い導電性を有する接点部材と、この接点部材を備える接点ゴムスイッチを提供すること。

解決手段

回路基板Pの電極Cと導通接触する接点部材1について、複数の島状の凸部16と、前記凸部16を囲む凹部17と、前記各凸部16の外周縁から前記凹部の底面にかけて形成された傾斜面17cとを表面に有する金属板12と、前記表面を被覆する導電性被膜13とを備えるものとした。

概要

背景

従来、電子機器車載機器には接点ゴムスイッチやコンタクトラバーと呼ばれる押釦スイッチ用部材が広く用いられている。この押釦スイッチ用部材は、押圧部とベース部と、押圧部の側面を囲んでベース部に繋がる薄肉可撓部とを有し、押圧部を押圧すると薄肉可撓部が撓み変形する。そして、押圧部の下方に形成された導電性接点部が回路基板に設けた電極(または基板接点)に対して接触したり離れたりすることで回路オンオフを行なっている。

こうした押釦スイッチ用部材自体は古くから用いられているが、近年では小型化の要求のみならず、大電流に対応することができる接点部の高い導電性と、様々な悪条件下や長期間に亘る使用でも安定した性能を発揮し得る信頼性と耐久性が重要視されるようになってきた。

しかしながら、劣悪な使用環境や長期間の使用により、粉塵等の異物が紛れ込めば繰り返し打鍵が不良になるというスイッチとしての安定性が失われるおそれがある。また、高導電性の観点から導電性の接点部として銅板洋白板などの金属板を用いると、使用条件によっては湿気や様々な腐食性ガス(例えば、硫化水素(H2S)や亜硫酸ガス硫黄酸化物)(SO2)、塩化水素(HCl)、塩素(Cl2)、フッ化水素(HF)、二酸化窒素窒素酸化物)(NO2)、アンモニア(NH3)、オゾン(O3))、潮風などにさらされ腐食する可能性があり導電性を保つことができなくなる。

こうした課題のうち異物の混入に対し接点部を工夫して信頼性を高めた技術が特開2004−134241号公報(特許文献1)や、特開平7−288054号公報(特許文献2)に記されている。

特開2004−134241号公報では、接点部としての金属板にエッチングによって独立した凹部または連続した凹部を形成することで、凹部の横断面積より小さい異物は、凹部に入り込ませることで導通を確保し、凹部の横断面積より大きい異物は、凹部の形成による50μm以下の薄肉部分の作用によって金属板を容易に変形させることで導通を確保できるとしている。

また、特開平7−288054号公報では、接点部に0.01〜1μmの金属膜を設け、その金属膜上に50〜500μmの独立した厚肉金属部を設けることで、金属膜の可撓性により異物があっても柔軟に変形することができ、接点との接触は厚肉金属部で行うことで繰り返し使用にも損傷せず長期使用に耐えるとしている。

概要

長期使用に対しても高い信頼性と耐久性を有し、また高い導電性を有する接点部材と、この接点部材を備える接点ゴムスイッチを提供すること。回路基板Pの電極Cと導通接触する接点部材1について、複数の島状の凸部16と、前記凸部16を囲む凹部17と、前記各凸部16の外周縁から前記凹部の底面にかけて形成された傾斜面17cとを表面に有する金属板12と、前記表面を被覆する導電性被膜13とを備えるものとした。

目的

本発明は、長期使用に対しても高い信頼性と耐久性を有し、また高い導電性を有する接点部材と、この接点部材を備える接点ゴムスイッチを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回路基板電極導通接触する接点部材において、複数の島状の凸部と、前記凸部を囲む凹部と、前記各凸部の外周縁から前記凹部の底面にかけて形成された傾斜面とを表面に有する金属板と、前記表面を被覆する導電性被膜とを備えることを特徴とする接点部材。

請求項2

前記各凸部が三又形状または四又形状に形成されている請求項1記載の接点部材。

請求項3

前記凹部は、前記金属板の外周縁の一端から他端にかけて前記何れの凸部にも突き当たらずに直線状に伸長する1以上の直線凹溝を有する請求項1または請求項2記載の接点部材。

請求項4

前記1以上の直線凹溝として、相互に平行ではない複数本の前記直線凹溝を有する請求項1または請求項2記載の接点部材。

請求項5

前記金属板における前記凹部の深さと前記凹部を有する部分の板厚との比が25:75〜75:25である請求項1〜請求項4何れか1項記載の接点部材。

請求項6

前記金属板の裏面に固着するゴム部を有し、当該ゴム部のJIS−A硬度が70以下である請求項1〜請求項5何れか1項記載の接点部材。

請求項7

前記導電性被膜の膜厚が3〜15μmであり、導電性カーボン粉末を含有する炭素系の導電性塗料塗膜である請求項1〜請求項6記載の接点部材。

請求項8

前記導電性被膜の膜厚が0.1〜2μmであり可撓性のある金、ニッケルクロム、錫、亜鉛から選択される金属被膜である請求項1〜請求項6何れか1項記載の接点部材。

請求項9

押圧部と、ベース部と、前記押圧部から前記ベース部に繋がる薄肉可撓部と、請求項1〜請求項8何れか1項記載の前記接点部材とを有する接点ゴムスイッチ。

請求項10

回路基板の電極に導通接触する接点部材の製造方法において、金属板の一方表面に、複数の島状の凸部となるマスキングを施し、薬液エッチングにより、前記凸部の外周縁からなだらかに底面に連続する傾斜面を有する凹部を形成し、マスキングを除去した後、薬液エッチングで残った前記凸部と前記傾斜面を含む前記凹部を覆う導電性被膜を形成する接点部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は回路基板上に設けた電極に対して接触したり離れたりしてスイッチのオンオフを行う接点部材と、その接点部材を有する接点ゴムスイッチに関する。

背景技術

0002

従来、電子機器車載機器には接点ゴムスイッチやコンタクトラバーと呼ばれる押釦スイッチ用部材が広く用いられている。この押釦スイッチ用部材は、押圧部とベース部と、押圧部の側面を囲んでベース部に繋がる薄肉可撓部とを有し、押圧部を押圧すると薄肉可撓部が撓み変形する。そして、押圧部の下方に形成された導電性接点部が回路基板に設けた電極(または基板接点)に対して接触したり離れたりすることで回路のオンオフを行なっている。

0003

こうした押釦スイッチ用部材自体は古くから用いられているが、近年では小型化の要求のみならず、大電流に対応することができる接点部の高い導電性と、様々な悪条件下や長期間に亘る使用でも安定した性能を発揮し得る信頼性と耐久性が重要視されるようになってきた。

0004

しかしながら、劣悪な使用環境や長期間の使用により、粉塵等の異物が紛れ込めば繰り返し打鍵が不良になるというスイッチとしての安定性が失われるおそれがある。また、高導電性の観点から導電性の接点部として銅板洋白板などの金属板を用いると、使用条件によっては湿気や様々な腐食性ガス(例えば、硫化水素(H2S)や亜硫酸ガス硫黄酸化物)(SO2)、塩化水素(HCl)、塩素(Cl2)、フッ化水素(HF)、二酸化窒素窒素酸化物)(NO2)、アンモニア(NH3)、オゾン(O3))、潮風などにさらされ腐食する可能性があり導電性を保つことができなくなる。

0005

こうした課題のうち異物の混入に対し接点部を工夫して信頼性を高めた技術が特開2004−134241号公報(特許文献1)や、特開平7−288054号公報(特許文献2)に記されている。

0006

特開2004−134241号公報では、接点部としての金属板にエッチングによって独立した凹部または連続した凹部を形成することで、凹部の横断面積より小さい異物は、凹部に入り込ませることで導通を確保し、凹部の横断面積より大きい異物は、凹部の形成による50μm以下の薄肉部分の作用によって金属板を容易に変形させることで導通を確保できるとしている。

0007

また、特開平7−288054号公報では、接点部に0.01〜1μmの金属膜を設け、その金属膜上に50〜500μmの独立した厚肉金属部を設けることで、金属膜の可撓性により異物があっても柔軟に変形することができ、接点との接触は厚肉金属部で行うことで繰り返し使用にも損傷せず長期使用に耐えるとしている。

先行技術

0008

特開2004−134241号公報
特開平7−288054号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特開2004−134241号公報記載の技術は、異物の混入に対する解決手段が示されているものの、金属の腐食問題とその解決策については特に記されていない。実際には凸部の先端表面金メッキを行う技術が示されているのでその先端部分については金属の腐食に対抗し得るが、凹溝の内部が腐食される懸念がある。また、異物混入対策についても、技術思想的には独立した凹部と連続した凹部を同等に捉えており、凹凸部分の形状の差異の影響については何ら言及されず、実施例や比較例を参酌すると明らかなように、金属板の変形の要因を凹部の形成による50μm以下の薄肉部分の形成に帰着しているにすぎない。

0010

但し、特開2004−134241号公報には繰り返し使用に対する導電障害試験として、打鍵試験を500回の打鍵回数で行っており、この文献の出願当時に想定される使用期間はさほど長くはなく、長期間使用による安定性や、耐腐食性に対する要求が現在ほど厳しくはない。

0011

一方、特開平7−288054号公報記載の技術も同様に、異物の混入に対する解決手段が示されていても金属の腐食問題とその解決策については特に記されていない。実際には厚肉金属部は金メッキで形成されるためこの部分については腐食の問題が無い。しかしながら金属膜の部分は用途に応じた金属が使用されるため、やはり腐食が生じる懸念がある。また、異物混入対策に関する導通性確保の原因についても厚肉金属部の形状による影響は何ら示されず、この文献でも薄膜に形成される金属膜の可撓性に言及しているにすぎない。

0012

そこで本発明は、長期使用に対しても高い信頼性と耐久性を有し、また高い導電性を有する接点部材と、この接点部材を備える接点ゴムスイッチを提供することを目的になされたものである。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するために本発明は以下のように構成される。
即ち本発明は、回路基板の電極と導通接触する接点部材について、複数の島状の凸部と、前記凸部を囲む凹部と、前記各凸部の外周縁から前記凹部の底面にかけて形成された傾斜面とを表面に有する金属板と、前記表面を被覆する導電性被膜とを備えることを特徴とする接点部材を提供する。

0014

回路基板の電極と導通接触する接点部材について、金属板と、当該金属板の表面を被覆する導電性被膜とを備えるため、金属板により高い導電性を確保し、導電性被膜により金属板の表面が保護されて、金属板の耐腐食性を高めて、長期間使用に対する信頼性を高めることができる。

0015

前記金属板の前記表面には、複数の島状の凸部と、前記凸部を囲む凹部と、前記各凸部の外周縁から前記凹部の底面にかけて形成された傾斜面とを有する。鋭角的に切り立った凹部では回路基板の電極と凹部との間に異物が挟まり易くなるが、本発明は傾斜面を有するため、電極と凹部の間に異物が混入しても、異物は傾斜面によって凹部の中央部分に移動し易くなる。これによって異物を挟んでも金属板を変形させ易くして、電極に対して接触させ易くすることができる。また導電性被膜は、その剥離脱落等の不具合を生じにくくすることができる。

0016

前記凸部については、三又形状または四又形状に形成するように構成できる。
金属板表面の凸部の形状が三又形状または四又形状であるため、形状的に凸部の幅を狭くすることができる。そのため、異物が存在しても凸部に留まらず凹部に転がり込み易く、金属板の変形を生じさせ易い。そのため、接点不良を起こし難い。

0017

前記凹部については、前記金属板の前記外周縁の一端から他端にかけて前記何れの凸部にも突き当たらずに直線状に伸長する直線凹溝を有するように構成できる。
凹部に前記金属板の前記外周縁の一端から他端にかけて前記何れの凸部にも突き当たらずに伸長する1以上の直線凹部を設けたため、この直線凹部を折り込み線として金属板を折り曲げるように変形させて、できるだけ多くの凸部を接続対象物の電極に接触させ易くすることができる。

0018

前記1以上の直線凹溝については、相互に平行でない複数本の前記直線凹溝を有するものとして構成できる。
これによれば、直線凹溝ごとに折り込み線を生じさせ、複数の折り込み線を境に金属板を折り曲げるように変形可能とすることで、できるだけ多くの凸部を接続対象物の電極に接触させ易くすることができる。

0019

前記金属板の凹部の深さと凹部を有する部分の板厚との比が25:75〜75:25であるように構成できる。前記金属板の凹部の深さと凹部を有する部分の板厚との比が25:75〜75:25であるため、異物が混入しても金属板の撓み変形性を維持し導通不良を起こしにくい接点部材とすることができる。

0020

前記本発明については金属板の裏面に固着するゴム部を有し、当該ゴム部のJIS−A硬度が70以下であるように構成できる。
金属板の裏面に固着するゴム部を有し、当該ゴム部のJIS−A硬度が70以下としたため、金属板の裏面を柔軟なゴム部で保護することができる。また、ゴム部を有することで異物に接触して金属板が変形しても異物から離れれば元の状態に金属板を戻すことができる。さらに、低硬度で撓み易い接点部材となり、回路基板上の電極に接触し易くすることができる。加えて接点ゴムスイッチに組み込む場合の製造が容易である。

0021

前記導電性被膜については膜厚が3〜15μmであり、導電性カーボン粉末を含有する炭素系の導電性塗料塗膜であるように構成できる。
導電性カーボン粉末を含有する炭素系の導電性塗料の塗膜で膜厚を3〜15μmとした導電性被膜を形成したため、高い導電性を損なうことなく、また長期間に亘る繰り返し使用に対しても被膜の剥がれを起こし難い。換言すれば、金属板の湿度や各種ガスに対する腐食を防止すると共に、所定の薄厚の導電性被膜が下面側の金属板の導電性を生かすことで、接点部材全体として高い導電性を持たせることができる。さらに金属メッキによる保護よりも低コストである。

0022

前記導電性被膜の膜厚が0.1〜2μmであり可撓性のある金、ニッケルクロム、錫、亜鉛から選択される金属被膜である接点部材とすることができる。前記導電性被膜の膜厚が0.1〜2μmであり可撓性のある金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛から選択される金属被膜としたため、薄厚でも高い導電性と耐腐食性を与えることが可能である。前記金属板に凸部の外周縁から凹部の底面にかけて形成される傾斜面であると、これらの金属被膜に局所的に薄すぎる箇所が発生しなくなり、接点部の耐腐食性が高いものとなる。

0023

また上記目的を達成すべく本発明は、押圧部と、ベース部と、当該押圧部の側面を囲んで当該ベース部に繋がる薄肉可撓部と、前記何れかの接点部材とを有する接点ゴムスイッチを提供する。
押圧部と、ベース部と、前記押圧部から前記ベース部に繋がる薄肉可撓部とを備えるため、押圧部を押すことでスイッチをオンオフさせる押しボタンスイッチとして利用することができる。また、前記何れかの接点部材を有するため、長期使用に対しても高い信頼性と耐久性を有し、また高い導電性を有する接点ゴムスイッチとすることができる。

0024

そしてまた、上記目的を達成すべく本発明は、回路基板の電極に導通接触する接点部材の製造方法において、金属板の一方表面に、複数の島状の凸部となるマスキングを施し、薬液エッチングにより前記凸部の外周縁からなだらかに底面に連続する傾斜面を有する凹部を形成し、マスキングを除去した後、薬液エッチングで残った凸部と前記傾斜面を含む前記凹部を覆う導電性被膜を形成する接点部材の製造方法を提供する。

0025

前記本発明の製造方法では、金属板の一方表面に、複数の島状の凸部となるマスキングを施し、薬液エッチングにより、前記凸部の外周縁からなだらかに底面に連続する傾斜面を有する凹部を形成したため、その後の導電性塗膜形成が容易で、凹部内にも均一に導電性塗膜が入り込み易く、繰り返し使用で剥がれ易い導電性塗膜の薄肉部分を生じさせ難い。また、薬液エッチングにより凹部を形成するため、凹部の側面は深く切り立った形状ではなく、なだらかな傾斜面を形成し易い。そして、マスキングを除去した後、薬液エッチングで残った凸部と傾斜面を有する凹部に導電性被膜を形成するため、金属板の外部に露出する表面全体を確実に導電性被膜で覆うことができる。

発明の効果

0026

本発明の接点部材および接点ゴムスイッチによれば、金属板を有し高い導電性を有すると共に、柔軟性があり塵埃等の異物が挟まっても折れ曲がり易く、多くの凸部を電極と導通接触させることが可能である。さらに、導電性被膜の耐久性に優れ長期使用でも高い信頼性と耐久性を有している。

図面の簡単な説明

0027

接点ゴムスイッチの模式縦断面図である。
接点部材の表面方向から見た模式部分拡大図であり、金属板の凹凸形状を示す説明図である。
別の形態の直線凹溝の位置を示す図2相当の説明図である。
凸部の変形形態1を示す図2相当の説明図である。
凸部の変形形態2を示す図2相当の説明図である。
凸部の変形形態3を示す図2相当の説明図である。
凸部の変形形態4を示す図2相当の説明図である。
凸部の変形形態5を示す図2相当の説明図である。
凸部の変形形態6を示す図2相当の説明図である。
実施例の凸部の形態を示す写真図である。
試料3の導電性樹脂被膜を形成した接点部材の断面写真図である。
図11一部拡大写真図である。
試料10の金メッキ被膜を形成した接点部材の断面写真図である。
図13の一部拡大写真図である。

0028

本発明の接点部材およびこれを備える接点ゴムスイッチ、さらに接点部材の製造方法について実施形態に基づいて詳しく説明する。図1には、一の実施形態による接点部材及び接点ゴムスイッチの模式的縦断面図を示す。この接点ゴムスイッチ10は、回路基板P上の電極(基板電極)Cへの接触と非接触とを繰り返す接点部材1と、スイッチ操作のための押圧を受ける押圧部2と、回路基板Pに対して載置するベース部3と、押圧部2の側面を囲んでベース部3に繋がる薄肉可撓部4と、を有している。

0029

接点ゴムスイッチ10のうち接点部材1を除く押圧部2、ベース部3、薄肉可撓部4はシリコーンゴム等のゴム状弾性体から形成される。これに対し接点部材1は、図1の部分拡大図で示すように、金属板12と、その金属板12の表面を覆う導電性被膜13と、そして場合によりゴム部14とで形成される。

0030

<金属板12>
接点部材1を構成する金属板12は、対向する電極C側の表面に島状に形成された複数の凸部16と「凹部」としての凹溝17とを有している。凹溝17は、凸部16と共有する側面17aからなだらかに底面17bに連続する傾斜面17cを有している。

0031

金属板12の表面形状を回路基板P側から見たときの部分拡大図を図2で示す。本実施形態では凸部16が三又形状に形成され、その周囲の部分が凹溝17となっている。三又形状であれば、例えばその中心から最端までの長さが同じ円形状と比較した場合に、幅方向広がりは同等であるのに対し、その面積を小さくできるため、異物が凸部16の表面に残るよりも凹溝17に転がり込む可能性が高くなり、導通不良を起こしにくい。

0032

また、金属板12の凹溝17には、金属板12の外周縁の一端から他端にかけて何れの凸部16にも突き当たらずに直線状に伸長する1以上の直線凹溝17dを有する。図2では、接点部材1の一部分を示しているが、直線凹溝17dの延長線上では、図2の範囲外となる部分でも直線凹溝17dに突き当たる凸部16は存在せず金属板12の端部に至る。

0033

こうした直線凹溝17dの本数は、1本以上あることが好ましい。1本でも存在するとその直線凹溝17dを折り込み線として金属板12を二分するように変形させることができるからである。1本も存在しなければ折り曲げ中心が存在せず金属板12が撓み変形し難くなるため、大きな異物が混入した際に導通不良を起こし易いからである。図3で示した金属板12の表面形状は、図2と同じ形状、大きさの凸部16でありながら、隣接する凸部16間の間隔を広げ、また凸部16の向きを変えたものである。このように凸部16を設けると、互いに平行ではない5本の直線凹溝17d1〜17d5が得られることがわかる。

0034

金属板12における凹溝17の深さ(凸部16の高さ)と、凹溝17部分の金属板12の板厚との比は、25:75〜75:25であることが好ましく、40:60〜60:40がより好ましい。凹溝17の深さが金属板12厚の25%よりも浅くなると、凹溝17を形成する効果が生じなくなるおそれがある。また、凹溝17の深さが金属板12厚の75%よりも深くなると、凹溝17の厚みが薄くなりすぎ金属板12が折れるおそれがある。また、40:60〜60:40とすることで金属板12の耐久性維持と折り曲がり易さの両方を良くすることができる。

0035

金属板12の厚さは、厚くても100μm迄とすることが好ましい。厚みを100μm以下とすることで、柔軟に撓ませることができるからである。また、凹溝17の部分の最薄板厚は50μmを超えるものとすることができる。

0036

金属板12の材質は、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、錫、クロム、チタン、金、銀などの導電性のある金属や、またはそのいずれかを少なくとも含む合金を用いることができる。合金としては、ステンレス鋼等の鉄合金洋白黄銅ベリリウム銅等の銅合金ジュラルミン等のアルミニウム合金や、ニッケル合金等が挙げられる。金属板12を用いることで、接点部材1と電極Cとの間に異物が存在しても金属板12の撓みにより電極Cに接触し導通させることができる。炭素や黒鉛導電性樹脂等でも導電性を有する材料はあるが、金属に比べて導電性が低く、繰り返し使用による削れや脱落のおそれがあるため、金属板としている。

0037

<導電性被膜13>
導電性被膜13は、金属板12の耐候性や耐腐食性を高めるため、金属板12の表面に設けるものである。導電性被膜13としてより具体的には金属膜や導電性樹脂被膜を挙げることができる。金属膜としては、耐候性や耐腐食性のある金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛等を挙げることができメッキ蒸着法により被膜形成をすることができる。金属膜の厚さは、0.1〜2μmであることが好ましい。2μmよりも厚いと、接点部の可撓性を悪化させ、またコスト高になる。一方、0.1μmより薄いと摩耗のし易さによって金属板12が露出して腐食し易くなる。例えば金属板12に洋白を用い、ニッケルメッキをした後に金メッキをすることで、密着性の高い金属膜が形成できる。

0038

導電性樹脂被膜には、高分子材料中に金属やカーボン等の導電性粉末を配合して導電性を持たせた樹脂被膜や、ポリチオフェン系のPEDOT−PSSポリアニリン等の導電性高分子被膜などを挙げることができる。前記高分子材料としては、アクリル系やウレタン系、シリコーン系エポキシ系、ポリエステル系などの樹脂材料を用いることができる。導電性粉末としては、カーボンブラックや黒鉛、カーボンナノチューブ等の導電性カーボン粉末を用いることができる。これらの導電性樹脂被膜の中では炭素系の導電性粉末を配合した樹脂被膜が、金属系の導電性粉末を配合した樹脂被膜よりも、耐腐食性があり低コストであるため好ましい。

0039

導電性樹脂被膜の厚さは、膜厚が3〜15μmであることが好ましい。15μmよりも厚いと、接点部材1の導電性が導電性被膜13を設けない金属板12だけの場合よりも大きく低下する。一方、3μmより薄いとピンホールの発生や摩耗のし易さによって金属板12が露出して腐食し易くなる。

0040

接点部材の抵抗値は、2.4Ω以下とすることが好ましく、2.0Ω以下がより好ましい。12V電源を用いている自動車用機器に流れる電流は2〜100Aの範囲であり、5A程度が良く用いられるからである。なおこの抵抗値は、1本の線状電極の幅が300μmで、隣接する線状電極どうしの間に300μmの間隙を有する0.6mmピッチ櫛目電極基板を準備し、接点部を速度10mm/min、荷重9.8Nで押し付けた際の抵抗値である。

0041

<ゴム部>
接点部材1は導電性被膜13を有する金属板12で構成しても良いが、ゴム部14を備えることが好ましい。ゴム部14は、金属板12と積層することで金属板12が変形しても元の形状に戻し、また押圧力を吸収して金属板12が過荷重を受けることを防止する。また、予めゴム部14を金属板12の裏面に固着しておくことで、その後に接点ゴムスイッチ10となるゴム状弾性体と一体化し易く接点ゴムスイッチ10の製造が容易になる。

0042

ゴム部14は、接点ゴムスイッチ10の材料となるゴム状弾性体と同じ材質でも良いが、異なった材質を用いることもできる。但し、異なった材質の場合は一体成形による固着が可能な種類の合成ゴム同士を用いることが好ましい。ゴム部14に用いる材質としては、シリコーンゴムやエチレンプロピレンゴムニトリルゴムウレタンゴムフッ素ゴム等を挙げることができる。シリコーンゴムは圧縮永久歪みが小さい点でゴム部14の材質として好ましい。

0043

ゴム部14の硬度は、JIS−A硬度70以下の低硬度のゴムとすると撓み易い接点部材1となり、電極Cに接触し易くなる点で好ましく、JIS−A硬度30程度とするとより好ましい。このJIS−A硬度は、JIS−K6253に準拠してタイプAデュロメータにより測定する硬度である。

0044

<製造方法>
金属板12の凹溝17の形成には、平坦な金属板に対して切削鍛造放電加工のほか、酸やアルカリ等の薬液で行う薬液エッチング(ウェットエッチング)が挙げられる。逆に、平坦な金属板12上に凸部16を形成しても良いが、メッキ法や蒸着、電鋳等により凹溝17の底面17bとなる部分からなだらかに側面17aに連続するなだらかな傾斜面17cを形成するのが困難であり平坦な金属板から凹溝17を形成する方が好ましい。

0045

さらに凹溝17を形成する方法の中でも、なだらかな傾斜面17cとし、精度良く凹溝17と凸部16を形成するためには、マスキング手法を用いて凸部16を非加工部分として残るようにした薬液エッチングを行う手法が好ましい。なお、レーザーエッチングや、フォトエッチング反応性のあるガスを含んだプラズマエッチング等のドライエッチングを用いるとなだらかな傾斜面17cが得られず、特開2004−134241号公報の図2で示されたような切り立ったシャープな凹溝が形成されるため、こうしたエッチング手法を採用することは難しい。

0046

導電性樹脂被膜の形成は、導電性樹脂に溶剤等を加えて塗料化したものを塗布する方法で行うことが好ましい。薄い導電性被膜を形成することができるからである。塗布の方法はスプレー塗装など各種の塗装方法や、スクリーン印刷バーコーター塗布などの各種の印刷方法を採用することができる。

0047

金属板12の裏面にはゴム部14となるゴム状弾性体シートを固着して金属板12と一体化して接点部材1を得る。その後、接点ゴムスイッチ成形用金型にこの接点部材1を入れ、一体成形(インサート成形等)することで接点ゴムスイッチ10を得る。この際、金属板12の裏面にゴム部14が積層してあるため、金型内でゴム部14が潰れてパッキン効果を生じ、金属板12の表面側に接点ゴムスイッチ成形のための未硬化のゴム状弾性体が回り込むのを防止することができる。

0048

凹溝17は、側面17aから底面17bに至るまでなだらかに連続するため、導電性被膜13が凹溝17内に均一に形成される。また、凸部16の表面16aと側面17aとの境界も緩やかになり凸部16の表面16aの端部での導電性被膜13の剥がれが生じ難い。そのため耐久性が高く、導電性能にばらつきの少ない接点部材1とすることができる。

0049

<表面形状の別の実施形態>
金属板12の表面形態には図2で示す凸部16を三又形状とした以外にも種々の形状とすることができる。例えば、図4図5で示す四又形状や、図6図9で示す各種形状が挙げられる。

0050

<試料の作製>
試料1〜6:
厚さ70μmの洋白板(銅55%、亜鉛27%、ニッケル18%から成るCu−27Zn−18Ni合金)に薬液エッチング法によって図10で示す三又形状の凸部が残るように凹溝を設け、表面に凹凸を有する金属板を得た。この際、凸部の表面での三又の中心から1本の突起の先端までの長さを250μm、1本の突起の幅を100μmとした。また、凹溝の最深の深さを35μm、隣接する凸部間最短距離を100μmとした。また、ポリエステル系樹脂高分子基材導電性カーボンブラックとカーボンナノチューブを配合し、導電性被膜形成用の導電性塗料を調製した。さらに、JIS−A硬度30、厚さ500μmのシリコーンゴムを準備した。

0051

そして、金属板の裏面にはプライマーを塗布し前記シリコーンゴムを一体成形することによって積層固着した。一方、金属板の表面には前記導電性塗料をスクリーン印刷で塗布し硬化させ、表1に示すような凸部の表面における厚みの異なる導電性樹脂被膜を形成した。そしてこれを直径3mmの円形状に切り取り表1に示す試料1〜6の接点部材を得た。また、得られた接点部材を、接点ゴムスイッチ成形用の金型に挿入し、JIS−A硬度70のシリコーンゴムとの一体成形をすることで試料1〜6の接点ゴムスイッチを得た。

0052

試料7:
導電性樹脂被膜形成を行わなかった以外は試料1と同様にして試料7の接点部材及び接点ゴムスイッチを得た。

0053

0054

試料8〜13:
導電性被膜の形成を上記導電性樹塗料に代えて表2に示すような凸部の表面における厚みの異なる金属膜の形成にて行った。金属膜の形成は、ニッケルメッキを行った後、金メッキを積層して形成した。導電性被膜の形成以外は試料1と同様にして試料8〜13の接点部及び接点ゴムスイッチを得た。

0055

0056

上記各試料の接点部材、接点ゴムスイッチについて以下の観察、試験を行った。結果評価は各試料の3個の平均である。

0057

<各種試験、観察>
接点部材の断面観察
図11に試料3の接点部材の縦断面図を、図12にはその部分拡大断面図をそれぞれ示す(図中のスケールは100μmを示す)。図11から凹溝17は側面17aから底面17bに至るなだらかな傾斜面17cが形成されていることがわかる。また図11および図12から凸部16の表面16aには6μm厚となる均一な導電性樹脂被膜が形成され、また凹溝17には比較的厚く導電性樹脂被膜が形成されていることがわかる。

0058

図13には試料10の接点部の縦断面図を、図14にはその部分拡大断面図をそれぞれ示す。凸部16の表面16aには均一な厚みの金メッキ被膜が形成され、また凹溝17でも同様に均一な厚みの金メッキ被膜が形成されていることがわかる。

0059

抵抗値の測定:
1本の線状電極の幅が300μmで、隣接する線状電極どうしの間に300μmの間隙を有する0.6mmピッチの櫛目電極基板を準備し、上記各試料の接点部材を速度10mm/min、荷重9.8Nで押し付けた際の抵抗値(初期値)を測定した。この結果を表1および表2に示す。

0060

高温高湿試験−耐腐食性試験1:
各試料の接点部材を、65℃、95%RH雰囲気内に1000時間放置した後の接点部材の表面観察を行った。外観変化の無いものを「○」、変色や腐食、膨れ等の異常が観察できたものを「×」と評価した。また、この高温高湿試験後の接点部材の抵抗値を測定した。この結果を表1および表2に示す。

0061

塩水噴霧試験−耐腐食性試験2:
各試料の接点部材に対し、JIS Z2371に準じて35℃雰囲気内で5%食塩水噴霧を96時間行なった後の接点部材の表面観察を行った。外観変化の無いものを「○」、変色や腐食、膨れ等の異常が観察できたものを「×」と評価した。また、この塩水噴霧試験後の接点部材の抵抗値を測定した。この結果を表1および表2に示す。

0062

異物打鍵耐久性試験:
平均粒径100μmのガラスビーズを、各試料の接点ゴムスイッチの接点部材と前記櫛目回路基板との間に4粒配置して10万回打鍵した後の接点部材の表面観察を行った。外観変化の無いものを「○」、変色や腐食、膨れ等の異常が観察できたものを「×」と評価した。また、この異物打鍵耐久性試験後の接点部材の抵抗値を測定した。この結果を表1および表2に示す。

0063

<評価>
導電性樹脂被膜の厚さが30μmである試料6は、抵抗値(初期値)が2.5Ωとなり、大電流を使用する接点部材として好ましくない結果となった。一方、1〜15μmとした試料1〜5は、抵抗値(初期値)が2.0Ω以下となり、導電性樹脂被膜が15μm以下であれば安定した低抵抗値を得ることができた。また、打鍵試験後においても抵抗値の変化は少なかった。

0064

導電性樹脂被膜のない試料7は、抵抗値(初期値)が0.8Ωと低く、金メッキ被膜とした試料8〜13は抵抗値(初期値)が0.1Ωと非常に低かった。

0065

しかしながら、導電性樹脂被膜の厚みを1μmとした試料1は、高温高湿試験や塩水噴霧試験後に部分的に変色し、抵抗値がやや上昇した。また、異物打鍵耐久性試験後には導電性樹脂被膜に亀裂等は観察されなかったが、抵抗値がやや低下した。そして、導電性樹脂被膜の無い試料7も金属板表面が変色し、抵抗値が大きく上昇した。そうした一方で、試料2〜6については変化が生じなかった。

実施例

0066

また、導電性被膜である金属膜の厚みを0.1μmとした試料8は、高温高湿試験や塩水噴霧試験後に部分的に変色し、抵抗値がやや上昇した。異物打鍵試験後には金属膜には亀裂等は観察されなかったが、抵抗値がやや上昇した。試料13については抵抗値に変化は生じなかったが、接点部として可撓性がやや悪化した。試料9〜12については変化が生じなかった。

0067

10接点ゴムスイッチ
1接点部材
2押圧部
3ベース部
4薄肉可撓部
12 金属部
13導電性被膜
14ゴム部
16 凸部
16a 表面
17凹溝
17a 側面
17b 底面
17c 傾斜面
17d,17d1〜17d5 直線凹溝

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