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図面 (18)

課題

免疫療法のための調節粒子の提供。

解決手段

ナノ粒子組成物が開示される。ナノ粒子組成物は、典型的に、少なくとも1つ、好ましくは2つまたはそれを超える活性薬剤を含み、これらのうちの1つは、送達ビヒクルの中に負荷された、その表面に結合された、および/またはその内に密封された免疫調節化合物である。送達ビヒクルは、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲルまたはPLGAナノ粒子などの生分解性ポリマーナノ粒子とすることができる。典型的に、活性薬剤の少なくとも1つは、免疫刺激性応答を増加させるまたは免疫抑制性の応答を減少させる免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、粒子が、免疫刺激性の応答を増加させる免疫調節薬および免疫抑制性の応答を減少させる免疫調節薬の両方を含む。粒子は標的細胞への送達を改善するターゲティング成分により装飾することができる。

概要

背景

発明の背景
治療上の処置効能は、使用される薬剤作用メカニズム依存性であるが、他の因子もまた、最適な応答誘起するのに重要となり得る。例えば、疾患の発病に関する投薬量および投与のタイミングならびに薬物動態学的および薬力学的特質に関する多くの複雑な問題は、考慮すべき重要なこととなり得る。

この数年にわたって、様々な研究が、薬物送達のための最適な戦略確立するために、多くの治療剤により実行されてきた。様々なタイプの疾患のための薬物レジメンが、併用療法進展した。例えば、いくつかの場合では、組み合わせは、(1)同じまたは異なる疾患標的を有する薬物を組み合わせること、(2)2つの薬物の組み合わせた活性が、それぞれ単独の活性の合計よりも大きいものを組み合わせること、および(3)2つの薬物のうち、一方の薬物は疾患状態に対して直接作用するが、他方は対象の症状を間接的に改善するものの組み合わせによって、効能を改善するために使用される。しかし、疾患の処置における役割の異なるかかる異種薬物は、しばしば、化学的性質が劇的に異なり、併用療法における薬物送達問題は非常に困難であり得る。

したがって、本発明は、改善された薬物送達および疾患処置のための組成物および方法を提供することを目的とする。

本発明の別の目的は、標的細胞への活性薬剤送達および効能を改善するための組成物および方法を提供することである。

本発明のさらなる目的は、少なくとも2つの活性薬剤を含む併用療法の送達および効能を改善するための組成物および方法を提供することである。

本発明のさらなる目的は、それを必要とする対象において免疫刺激性の応答を誘発または増強するための特異的な併用療法を提供することである。

概要

免疫療法のための調節粒子の提供。ナノ粒子組成物が開示される。ナノ粒子組成物は、典型的に、少なくとも1つ、好ましくは2つまたはそれを超える活性薬剤を含み、これらのうちの1つは、送達ビヒクルの中に負荷された、その表面に結合された、および/またはその内に密封された免疫調節化合物である。送達ビヒクルは、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲルまたはPLGAナノ粒子などの生分解性ポリマーナノ粒子とすることができる。典型的に、活性薬剤の少なくとも1つは、免疫刺激性の応答を増加させるまたは免疫抑制性の応答を減少させる免疫調節薬である。いくつかの実施形態では、粒子が、免疫刺激性の応答を増加させる免疫調節薬および免疫抑制性の応答を減少させる免疫調節薬の両方を含む。粒子は標的細胞への送達を改善するターゲティング成分により装飾することができる。なし

目的

本発明は、改善された薬物送達および疾患処置のための組成物および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

それぞれ送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される免疫調節薬および第2の活性薬剤を含むナノ粒子組成物であって、前記送達ビヒクルが、ポリマーコア吸収剤、および脂質シェルを含むナノリポゲルであるか、または生分解性ポリマーナノ粒子であるナノ粒子組成物。

請求項2

前記免疫調節薬が、T細胞応答を増強する、T細胞活性を増加させる、T細胞増殖を増加させる、T細胞阻害性シグナルを低下させる、サイトカインの産生を増強する、T細胞分化もしくはエフェクター機能刺激する、T細胞の生存を促進する、またはその任意の組み合わせである薬剤である、請求項1に記載のナノ粒子組成物。

請求項3

前記免疫調節薬が、サイトカインまたはケモカインである、請求項2に記載のナノ粒子組成物。

請求項4

前記サイトカインが、IL−2またはIFNγである、請求項3に記載のナノ粒子組成物。

請求項5

前記免疫調節薬が、Tregを排除する、Tregの分化輸送、エフェクター機能、もしくはその組み合わせをブロックする、エフェクター細胞抑制閾値を上げる、またはその任意の組み合わせである薬剤である、請求項1に記載のナノ粒子組成物。

請求項6

前記薬剤が、TGF−β阻害剤である、請求項5に記載のナノ粒子組成物。

請求項7

前記TGF−β阻害剤が、SB505124またはロサルタンである、請求項6に記載のナノ粒子組成物。

請求項8

前記第2の活性薬剤もまた、免疫調節薬である、請求項1に記載のナノ粒子組成物。

請求項9

ターゲティング成分を含む請求項1に記載のナノ粒子組成物。

請求項10

前記ターゲティング成分が、RGDペプチド、CD40アゴニスト、p53抗原を認識するT細胞受容体(TCR)、およびIL−15/IL−15Rα複合体から成る群から選択される、請求項9に記載のナノ粒子組成物。

請求項11

それぞれ送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封されるIL−2もしくはIFNγおよびロサルタンを含むナノ粒子組成物であって、前記送達ビヒクルが、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲルであるか、または生分解性ポリマーナノ粒子であるナノ粒子組成物。

請求項12

それぞれ送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封されるIL−2またはIFNγおよびターゲティング成分を含むナノ粒子組成物であって、前記送達ビヒクルが、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲルであるか、または生分解性ポリマーナノ粒子であるナノ粒子組成物。

請求項13

前記ターゲティング成分が、RGDペプチド、CD40アゴニスト、p53抗原を認識するT細胞受容体(TCR)、およびIL−15/IL−15Rα複合体から成る群から選択される、請求項12に記載のナノ粒子組成物。

請求項14

IL−15/IL−15Rα複合体により装飾された、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲルであるか、または生分解性ポリマーナノ粒子を含む人工樹状細胞

請求項15

1つまたはそれを超えるさらなる活性薬剤をさらに含む、請求項14に記載の人工樹状細胞。

請求項16

前記活性薬剤のうちの1つが、IL−2またはIFNγである、請求項15に記載の人工樹状細胞。

請求項17

前記活性薬剤のうちの1つが、ロサルタンまたはSB505124である、請求項15に記載の人工樹状細胞。

請求項18

IL−2およびロサルタンをさらに含む、請求項14に記載の人工樹状細胞。

請求項19

免疫応答を刺激または増強するための方法であって、免疫応答を上昇させるためにそれを必要とする対象に請求項1〜18のいずれかの有効量の組成物投与するステップを含む、方法。

請求項20

癌を治療するための方法であって、癌の1つまたはそれを超える症状を低下させるために請求項1〜18のいずれかの有効量の組成物を癌を有する対象に投与するステップを含む、方法。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本出願は、2013年11月1日に出願された米国出願第61/899,080号および2014年8月21日に出願された米国出願第62/040,242号の優先権の利益を主張し、これらの出願は、本明細書において参考として援用される。

0002

発明の分野
本発明は、一般に、ナノ粒子組成物および免疫療法のためのその使用の方法に関する。

背景技術

0003

発明の背景
治療上の処置効能は、使用される薬剤作用メカニズム依存性であるが、他の因子もまた、最適な応答誘起するのに重要となり得る。例えば、疾患の発病に関する投薬量および投与のタイミングならびに薬物動態学的および薬力学的特質に関する多くの複雑な問題は、考慮すべき重要なこととなり得る。

0004

この数年にわたって、様々な研究が、薬物送達のための最適な戦略確立するために、多くの治療剤により実行されてきた。様々なタイプの疾患のための薬物レジメンが、併用療法進展した。例えば、いくつかの場合では、組み合わせは、(1)同じまたは異なる疾患標的を有する薬物を組み合わせること、(2)2つの薬物の組み合わせた活性が、それぞれ単独の活性の合計よりも大きいものを組み合わせること、および(3)2つの薬物のうち、一方の薬物は疾患状態に対して直接作用するが、他方は対象の症状を間接的に改善するものの組み合わせによって、効能を改善するために使用される。しかし、疾患の処置における役割の異なるかかる異種薬物は、しばしば、化学的性質が劇的に異なり、併用療法における薬物送達問題は非常に困難であり得る。

0005

したがって、本発明は、改善された薬物送達および疾患処置のための組成物および方法を提供することを目的とする。

0006

本発明の別の目的は、標的細胞への活性薬剤送達および効能を改善するための組成物および方法を提供することである。

0007

本発明のさらなる目的は、少なくとも2つの活性薬剤を含む併用療法の送達および効能を改善するための組成物および方法を提供することである。

0008

本発明のさらなる目的は、それを必要とする対象において免疫刺激性の応答を誘発または増強するための特異的な併用療法を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

ナノ粒子組成物が、開示される。ナノ粒子組成物は、送達ビヒクルの中に負荷された、その表面に結合された、および/またはその内に密封された1つ、好ましくは2つまたはそれを超える活性薬剤を典型的に含む。送達ビヒクルは、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲル、またはPLGAナノ粒子などの生分解性ポリマーナノ粒子とすることができる。活性薬剤は、治療剤もしくは診断剤ターゲティング成分抗原、またはアジュバントとすることができる。2つまたはそれを超える活性薬剤のそれぞれの相対濃度および送達ビヒクル上または内のそれらの配置は、標的細胞が受けるであろう好ましい投薬量および提示適応させるために、組成物の製造の間に操作することができる。同じ送達ビヒクルの中へのまたは上への2つまたはそれを超える活性薬剤の負荷は、2つまたはそれを超える活性薬剤が標的細胞に同時にまたは他の場合には所定の順序で提示されることを可能にする。

0010

最も好ましい実施形態では、ナノ粒子組成物が、少なくとも1つの免疫調節物質を含む。免疫調節物質は、免疫刺激性の応答を増加させるまたは増強する薬剤、例えば、T細胞応答を増強する、T細胞活性を増加させる、T細胞増殖を増加させる、T細胞阻害性シグナルを低下させる、サイトカインの産生を増強する、T細胞分化もしくはエフェクター機能刺激する、T細胞の生存を促進する薬剤、またはその任意の組み合わせとすることができる。免疫刺激性の応答を増加させるまたは増強する例示的な薬剤には、サイトカインならびにインターロイキン−2(IL−2)およびインターフェロンγ(IFNγ)などのケモカインが含まれるが、これらに限定されない。

0011

免疫調節物質は、免疫抑制性の応答を減少させるまたは阻害する薬剤、例えば、調節性T細胞(Treg)を排除する;Tregの分化輸送、エフェクター機能、もしくはその組み合わせをブロックする;エフェクター細胞抑制閾値を上げる薬剤、またはその任意の組み合わせとすることができる。免疫抑制性の応答を減少させるまたは阻害する例示的な薬剤には、SB505124またはロサルタンなどのTGF−β阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。

0012

組成物は、ターゲティング成分を含むことができる。好ましいターゲティング成分は、RGDペプチド、CD40アゴニスト、p53抗原を認識するT細胞受容体、およびIL−15/IL−15Rα複合体を含む。

0013

活性薬剤の特定の組み合わせもまた、開示される。例えば、いくつかの実施形態では、送達ビヒクルが、ロサルタンと組み合わせて、IL−2またはIFNγを負荷されるか、またはそれにより装飾される。他の実施形態では、送達ビヒクルは、IL−2またはIFNγを負荷し、RGDペプチドまたは抗CD40抗体もしくはその抗原結合断片などのターゲティング成分により装飾される。

0014

樹状細胞模倣する人工樹状細胞および組成物もまた、開示される。特定の実施形態では、人工樹状細胞が、ポリマーコアおよび脂質シェルを有するナノリポゲルまたは生分解性ポリマーナノ粒子から構成される。ナノリポゲルまたはポリマーナノ粒子、例えば、PLGAナノ粒子は、IL−15/IL−15Rα複合体により装飾される。人工樹状細胞は、IL−2、IFNγ、ロサルタン、SB505124、または任意のその組み合わせなどの1つまたはそれを超えるさらなる活性薬剤を負荷することができる。

0015

対象の免疫応答を刺激しまたは増強し、癌について対象を処置するための方法もまた、開示される。典型的に、方法は、免疫応答を増加させる、癌細胞破壊する、癌成長および/もしくは転移干渉する、ならびに/または癌の1つもしくはそれを超える有害な事象および/もしくは続発症を低下させるために、有効量のナノ粒子組成物を対象に投与するステップを含む。この作用様式は、治療的または予防的なものとすることができる。そのため、投与された粒子を使用する免疫応答の増強、刺激、または干渉は、既知の抗原によるワクチン開発または自己免疫障害の抑制の両方に有用である。

0016

さらなる活性薬剤を対象に投与することと組み合わせて、送達ビヒクルの中に、その上に負荷された、または他の場合にはそれと会合された1つまたはそれを超える活性薬剤を有するナノリポゲルまたはポリマー粒子などの送達ビヒクルを含むナノ粒子組成物を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象を処置するための方法もまた、提供される。ナノ粒子組成物およびさらなる活性薬剤は、単一の医薬組成物においてまたは異なる医薬組成物において別々に投与することができる。特に好ましい実施形態では、ナノ粒子組成物が、炎症性サイトカイン(例えば、IL−2)および/またはTGFβ阻害剤(例えば、ロサルタン)を含むナノリポゲルまたは他のポリマー粒子を含み、さらなる活性薬剤が、免疫修飾因子または化学療法剤である。特に好ましい実施形態では、1つまたはそれを超える活性薬剤が、免疫応答刺激剤または促進剤(PD−1アンタゴニスト(例えば、アンタゴニスティック抗PD1抗体、抗−B7−H1抗体など)またはCTLA4アンタゴニスト(例えば、アンタゴニスティック抗CTLA4抗体)、さらに好ましくはその組み合わせなど)である。別の好ましい実施形態では、さらなる活性薬剤が、化学療法剤、例えば、ドキソルビシンである。

0017

方法は、免疫応答の増強(例えば、T細胞増殖または活性化などのT細胞応答の増加または誘発)が、所望される対象を処置するために使用することができる。例示的な対象には、癌または伝染病を有する対象が含まれる。免疫応答(例えば、T細胞応答の増加または誘発)は、癌または疾患の抗原に対するものとすることができる。免疫応答は、癌または感染症を処置するのに有効になり得る。いくつかの実施形態では、免疫応答が、癌性および/または疾患感染細胞に対するものであり、癌および/または疾患の1つまたはそれを超える症状(例えば、腫瘍量、腫瘍進行疾患進行など)を低下させることができる。処置レジメンもまた、提供される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
それぞれ送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される免疫調節薬および第2の活性薬剤を含むナノ粒子組成物であって、
前記送達ビヒクルが、ポリマーコア、吸収剤、および脂質シェルを含むナノリポゲルであるか、または生分解性ポリマーナノ粒子であるナノ粒子組成物。
(項目2)
前記免疫調節薬が、T細胞応答を増強する、T細胞活性を増加させる、T細胞増殖を増加させる、T細胞阻害性シグナルを低下させる、サイトカインの産生を増強する、T細胞分化もしくはエフェクター機能を刺激する、T細胞の生存を促進する、またはその任意の組み合わせである薬剤である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目3)
前記免疫調節薬が、サイトカインまたはケモカインである、項目2に記載のナノ粒子組成物。
(項目4)
前記サイトカインが、IL−2またはIFNγである、項目3に記載のナノ粒子組成物。(項目5)
前記免疫調節薬が、Tregを排除する、Tregの分化、輸送、エフェクター機能、もしくはその組み合わせをブロックする、エフェクター細胞抑制閾値を上げる、またはその任意の組み合わせである薬剤である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目6)
前記薬剤が、TGF−β阻害剤である、項目5に記載のナノ粒子組成物。
(項目7)
前記TGF−β阻害剤が、SB505124またはロサルタンである、項目6に記載のナノ粒子組成物。
(項目8)
前記第2の活性薬剤もまた、免疫調節薬である、項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目9)
ターゲティング成分を含む項目1に記載のナノ粒子組成物。
(項目10)
前記ターゲティング成分が、RGDペプチド、CD40アゴニスト、p53抗原を認識するT細胞受容体(TCR)、およびIL−15/IL−15Rα複合体から成る群から選択される、項目9に記載のナノ粒子組成物。
(項目11)
それぞれ送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封されるIL−2もしくはIFNγおよびロサルタンを含むナノ粒子組成物であって、
前記送達ビヒクルが、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲルであるか、または生分解性ポリマーナノ粒子であるナノ粒子組成物。
(項目12)
それぞれ送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封されるIL−2またはIFNγおよびターゲティング成分を含むナノ粒子組成物であって、
前記送達ビヒクルが、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲルであるか、または生分解性ポリマーナノ粒子であるナノ粒子組成物。
(項目13)
前記ターゲティング成分が、RGDペプチド、CD40アゴニスト、p53抗原を認識するT細胞受容体(TCR)、およびIL−15/IL−15Rα複合体から成る群から選択される、項目12に記載のナノ粒子組成物。
(項目14)
IL−15/IL−15Rα複合体により装飾された、ポリマーコアおよび脂質シェルを含むナノリポゲルであるか、または生分解性ポリマーナノ粒子を含む人工樹状細胞。
(項目15)
1つまたはそれを超えるさらなる活性薬剤をさらに含む、項目14に記載の人工樹状細胞。
(項目16)
前記活性薬剤のうちの1つが、IL−2またはIFNγである、項目15に記載の人工樹状細胞。
(項目17)
前記活性薬剤のうちの1つが、ロサルタンまたはSB505124である、項目15に記載の人工樹状細胞。
(項目18)
IL−2およびロサルタンをさらに含む、項目14に記載の人工樹状細胞。
(項目19)
免疫応答を刺激または増強するための方法であって、免疫応答を上昇させるためにそれを必要とする対象に項目1〜18のいずれかの有効量の組成物を投与するステップを含む、方法。
(項目20)
癌を治療するための方法であって、癌の1つまたはそれを超える症状を低下させるために項目1〜18のいずれかの有効量の組成物を癌を有する対象に投与するステップを含む、方法。

図面の簡単な説明

0018

図1Aは、クマリン−6−負荷PLGAナノ粒子による注射の3時間後のマウス脾臓肝臓心臓、および腎臓におけるクマリン−6/組織(ng/g)の分布を示す棒グラフである。図1Bは、クマリン−6−負荷PLGAナノ粒子による注射の6時間後のマウスの脾臓、肝臓、肺、心臓、および腎臓におけるクマリン−6/組織(ng/g)の分布を示す棒グラフである。図1Cは、脾臓における細胞サブセット(CD11c+F4/80−、CD11c+F4/80+、CD11c−F4/80−、B220ポジティブ、CD4ポジティブ、およびCD8ポジティブ)内のクマリン−6 PLGAナノ粒子ポジティブ細胞%を示す棒グラフである(C6 PLGAナノ粒子処置(クローズドバー)、非蛍光PLGAナノ粒子処置(オープンバー))。図1Dは、リンパ節中の細胞サブセット(CD11c+F4/80−、CD11c+F4/80+、CD11c−F4/80−、B220ポジティブ、CD4ポジティブ、およびCD8ポジティブ)内のクマリン−6 PLGAナノ粒子ポジティブ細胞%を示す棒グラフである(C6 PLGAナノ粒子処置(クローズドバー)、非蛍光PLGAナノ粒子処置(オープンバー))。*は、ANAOVA(器官)および両側t−検定によるp<0.05を示す。
図1Aは、クマリン−6−負荷PLGAナノ粒子による注射の3時間後のマウスの脾臓、肝臓、肺、心臓、および腎臓におけるクマリン−6/組織(ng/g)の分布を示す棒グラフである。図1Bは、クマリン−6−負荷PLGAナノ粒子による注射の6時間後のマウスの脾臓、肝臓、肺、心臓、および腎臓におけるクマリン−6/組織(ng/g)の分布を示す棒グラフである。図1Cは、脾臓における細胞サブセット(CD11c+F4/80−、CD11c+F4/80+、CD11c−F4/80−、B220ポジティブ、CD4ポジティブ、およびCD8ポジティブ)内のクマリン−6 PLGAナノ粒子ポジティブ細胞%を示す棒グラフである(C6 PLGAナノ粒子処置(クローズドバー)、非蛍光PLGAナノ粒子処置(オープンバー))。図1Dは、リンパ節中の細胞サブセット(CD11c+F4/80−、CD11c+F4/80+、CD11c−F4/80−、B220ポジティブ、CD4ポジティブ、およびCD8ポジティブ)内のクマリン−6 PLGAナノ粒子ポジティブ細胞%を示す棒グラフである(C6 PLGAナノ粒子処置(クローズドバー)、非蛍光PLGAナノ粒子処置(オープンバー))。*は、ANAOVA(器官)および両側t−検定によるp<0.05を示す。

0019

図2は、皮下A375C15N(p53+HLA−A2/ヒトメラノーマ異種移植片腫瘍確立およびPBS、TCR粒子(IL−2カプセル化)ナノリポゲル、またはTCR/IL−2(可溶性p53特異的scTCR/IL−2融合タンパク質(Altor 801、Altor Biosciences、Miramar、FL))ナノ粒子による続く処置後の、ある期間にわたる(日数)、ヌードマウスにおける相対腫瘍容積(mm3)を示す折れ線グラフである。

0020

図3は、B16F10メラノーマ細胞接種のおよそ7日後から始めた、抗CD40により表面修飾した(−▲−)もしくは抗CD40により表面修飾し、IL−2を負荷した(−▼−)5μgのPLGAナノ粒子またはコントロールとしてのブランク粒子(何もない表面および空)(−■−)または緩衝食塩水(1×PBS)(−●−)による処置後の、ある期間にわたる(日数)、マウスにおける腫瘍容積(mm3)を示す折れ線グラフである。

0021

図4は、PLGAナノ粒子がどのように製造されるかならびにIL−15(樹状細胞上に発現される)およびNK細胞上に発現される中程度の親和性のIL−2/15受容体の間の天然に存在する相互作用に基づいてそれがどのようにNK細胞などの標的細胞と相互作用すると考えられるかを含めて、アビジンビオチン連結IL−15RαFC融合タンパク質を表示するPLGAナノ粒子を示す図である。

0022

図5Aは、未処置コントロールにおけるおよびPLGAナノ粒子のみ、IL−15のみ、IL−15負荷ナノ粒子、IL−15/IL−15Rα複合体のみ、IL−15/IL−15Rα複合体装飾ナノ粒子による処置後のNK増殖(細胞数)を示す棒グラフである。図5Bは、濃度の関数として、IL−15/IL−15Rα複合体のみおよびIL−15/IL−15Rα複合体装飾ナノ粒子による処置後のNK増殖(細胞数)を示す折れ線グラフである。図5Cは、濃度の関数として、IL−15/IL−15Rα複合体のみおよびIL−15/IL−15Rα複合体装飾ナノ粒子による処置後のIFN−γ(ng/ml)を示す折れ線グラフである。
図5Aは、未処置コントロールにおけるおよびPLGAナノ粒子のみ、IL−15のみ、IL−15負荷ナノ粒子、IL−15/IL−15Rα複合体のみ、IL−15/IL−15Rα複合体装飾ナノ粒子による処置後のNK増殖(細胞数)を示す棒グラフである。図5Bは、濃度の関数として、IL−15/IL−15Rα複合体のみおよびIL−15/IL−15Rα複合体装飾ナノ粒子による処置後のNK増殖(細胞数)を示す折れ線グラフである。図5Cは、濃度の関数として、IL−15/IL−15Rα複合体のみおよびIL−15/IL−15Rα複合体装飾ナノ粒子による処置後のIFN−γ(ng/ml)を示す折れ線グラフである。

0023

図6は、PBS(−○−)、ナノ粒子のみ(−●−)、IL−15/IL−15Rα複合体のみ(−−□−−)、IL−15/IL−15Rα複合体装飾PLGAナノ粒子(−□−)、およびOvaをカプセル化しているIL−15/IL−15Rα複合体装飾ナノ粒子(−■−)により処置したB16.Ovaマウス(マウスにメラノーマ株由来を注射、これらの細胞はオバルブミン表面抗原(OVA)を有する)のある期間にわたる生存パーセントを示すKaplan Meier生存曲線である。

0024

図7は、RGDペプチドにより装飾し、SB505124をカプセル化するPLGA−PEGナノ粒子の形成および腫瘍細胞に対するその提唱される作用メカニズムを示す図である。

0025

図8は、下記の実施例6において使用されるマウス腫瘍モデル例証する図である。B16F10メラノーマ腫瘍細胞(500,000細胞)を、0日目にC57BL/6マウスの尾静脈に注射し、後に、溶液中のSB505124およびRGDまたはPLGA−PEGナノ粒子上に負荷した一方もしくは両方の薬剤をIV注射した。マウスを屠殺し、肺を収集し、腫瘍結節を数えた。

0026

図9Aは、図8アッセイに従って処置したマウスについての、ある期間にわたる腫瘍容積×103(mm3)を示す棒グラフである。コントロール(−○−)、可溶性SB505124およびRGD(Sol SB+Sol RGD(−□−)、SB505124負荷PLGA−PEGナノ粒子(SB/NP −Δ−)、RGD装飾ナノ粒子(NP−RGD(−▽−))、またはSB505124負荷RGD装飾ナノ粒子(SB/NP−RGD(−◆−))。図9Bは、図8のアッセイに従って処置したマウスのある期間にわたる生存パーセントを示すKaplan Meier生存曲線である。コントロール(−○−)、可溶性SB505124およびRGD(Sol SB+Sol RGD(−□−)、SB505124負荷ナノ粒子(SB/NP −Δ−)、RGD装飾ナノ粒子(NP−RGD(−▽−))、またはSB505124負荷RGD装飾ナノ粒子(−◆−)。図9Cは、ナノ粒子(−○−)およびRGD装飾ナノ粒子(SB/NP−RGD(−■−))の半減期を示す折れ線グラフである。

0027

図10Aは、可溶性SB505124およびRGD(Sol SB+Sol RGD)、SB505124負荷PLGA−PEGナノ粒子(SB/NP)、RGD装飾ナノ粒子(NP−RGD)、またはSB505124負荷RGD装飾ナノ粒子(SB/NP−RGD)による処置後のマウス腫瘍モデルにおける腫瘍の数を示すドットプロットである。図10Bは、可溶性SB505124およびRGD(Sol SB+Sol RGD (−○−))またはSB505124負荷RGD装飾ナノ粒子(SB/NP−RGD (−■−))により処置したマウスのある期間にわたる生存パーセントを示すKaplan Meier生存曲線である。図10Cは、SB505124負荷RGD装飾ナノ粒子(SB/NP−RGD)、可溶性SB505124およびRGD(Sol SB+Sol RGD)、SB505124負荷ナノ粒子(SB/NP)、またはTGF−βによる処置後の浸潤細胞の数を示すドットプロットである。エフェクター細胞(NK、CD8+T細胞、CD4+T細胞)および調節性T細胞(CD4+FOXP3+CD25+)細胞をここでアッセイした。図10Dは、TGF−β、可溶性SB505124およびRGD、またはSB505124負荷RGD装飾ナノ粒子により処置した細胞の遊走(コントロールのうちの%)を示す棒グラフである。内皮間葉転換(transition from endothelial to mesencyhmal phenotypes)(EMT)で知られている癌細胞(B16F10メラノーマ細胞株)を、TGF−bの存在下でおよびTGF−b阻害剤を負荷したPLGA−PEG NPを追加してここでアッセイし、インテグリン過剰発現する癌細胞に向けた。
図10Aは、可溶性SB505124およびRGD(Sol SB+Sol RGD)、SB505124負荷PLGA−PEGナノ粒子(SB/NP)、RGD装飾ナノ粒子(NP−RGD)、またはSB505124負荷RGD装飾ナノ粒子(SB/NP−RGD)による処置後のマウス腫瘍モデルにおける腫瘍の数を示すドットプロットである。図10Bは、可溶性SB505124およびRGD(Sol SB+Sol RGD (−○−))またはSB505124負荷RGD装飾ナノ粒子(SB/NP−RGD (−■−))により処置したマウスのある期間にわたる生存パーセントを示すKaplan Meier生存曲線である。図10Cは、SB505124負荷RGD装飾ナノ粒子(SB/NP−RGD)、可溶性SB505124およびRGD(Sol SB+Sol RGD)、SB505124負荷ナノ粒子(SB/NP)、またはTGF−βによる処置後の浸潤細胞の数を示すドットプロットである。エフェクター細胞(NK、CD8+T細胞、CD4+T細胞)および調節性T細胞(CD4+FOXP3+CD25+)細胞をここでアッセイした。図10Dは、TGF−β、可溶性SB505124およびRGD、またはSB505124負荷RGD装飾ナノ粒子により処置した細胞の遊走(コントロールのうちの%)を示す棒グラフである。内皮間葉転換(transition from endothelial to mesencyhmal phenotypes)(EMT)で知られている癌細胞(B16F10メラノーマ細胞株)を、TGF−bの存在下でおよびTGF−b阻害剤を負荷したPLGA−PEG NPを追加してここでアッセイし、インテグリンを過剰発現する癌細胞に向けた。

0028

図11Aは、下記の実施例において使用されるマウス腫瘍モデルを例証する図である。B16F10メラノーマ腫瘍細胞を、−10日目にC57BL/6マウスの尾静脈に注射した。0日目に、マウスに、溶液中のロサルタンおよびRGDをまたはPLGA−PEGナノ粒子上に負荷した一方もしくは両方の薬剤をIV注射した。その後、マウスを屠殺し、腫瘍結節を数えた。図11Bは、図11Aのアッセイに従って、可溶性ロサルタンおよびRGD(Sol Los+Sol RGD(−○−)、ロサルタン負荷ナノ粒子(Los/NP −Δ−)、またはロサルタン負荷RGD装飾ナノ粒子(Los/NP−RGD(−▲−))により処置した動物におけるある期間にわたる腫瘍容積×103(mm3)を示す折れ線グラフである。図11Cは、図11Aのアッセイに従って、可溶性ロサルタンおよびRGD(Sol Los+Sol RGD(−○−)、ロサルタン負荷ナノ粒子(Los/NP −Δ−)、またはロサルタン負荷RGD装飾ナノ粒子(Los/NP−RGD(−▲−))により処置したマウスのある期間にわたる生存パーセントを示すKaplan Meier生存曲線である。

0029

図12は、4日間の、様々な濃度(125μg/ml、62.5μg/ml、31μg/ml、15μg/ml)での、空(オープンバー)またはMHC−II Ova提示複合体を表示するIL−12カプセル化PLGAナノ粒子(クローズドバー)による単離CD4+OT−II(Ova特異的)細胞の処置後のIFNγ(ng/ml)レベルを示す棒グラフである。

0030

図13Aは、可溶性IL−2(0.1ng/mlもしくは10ng/ml)プラスART−1抗原またはIL−2(0.1ng/mlもしくは10ng/ml)プラスMART抗原によりパルスした(pulse)樹状細胞と比較した、ヒトPBLCから単離し、HLA−A2との関連でメラノーマ抗原MART−1を含有するPLGAナノ粒子により処置したCD8+T細胞の増加倍数を示す棒グラフである。それぞれの処置グループの結果を、0、7、14、21、および28日目(左から右に)に示す。図13Bは、可溶性IL−2(0.1ng/mlもしくは10ng/ml)プラスMART−1抗原またはIL−2(0.1ng/mlもしくは10ng/ml)プラスMART抗原によりパルスした樹状細胞と比較した、HLA−A2との関連でメラノーマ抗原MART−1を含有するナノ粒子による処置後の四量体ポジティブCD8+T細胞%を示す棒グラフである。それぞれの処置グループの結果を、0、7、14、21、および28日目(左から右に)に示す。
図13Aは、可溶性IL−2(0.1ng/mlもしくは10ng/ml)プラスMART−1抗原またはIL−2(0.1ng/mlもしくは10ng/ml)プラスMART抗原によりパルスした(pulse)樹状細胞と比較した、ヒトPBLCから単離し、HLA−A2との関連でメラノーマ抗原MART−1を含有するPLGAナノ粒子により処置したCD8+T細胞の増加倍数を示す棒グラフである。それぞれの処置グループの結果を、0、7、14、21、および28日目(左から右に)に示す。図13Bは、可溶性IL−2(0.1ng/mlもしくは10ng/ml)プラスMART−1抗原またはIL−2(0.1ng/mlもしくは10ng/ml)プラスMART抗原によりパルスした樹状細胞と比較した、HLA−A2との関連でメラノーマ抗原MART−1を含有するナノ粒子による処置後の四量体ポジティブCD8+T細胞%を示す棒グラフである。それぞれの処置グループの結果を、0、7、14、21、および28日目(左から右に)に示す。

0031

図14は、マウス転移モデルにおけるB16F10マウスメラノーマに対して試験した様々な処置の組み合わせおよびレジメンの効果を示す散布図を示す図である。「IMM1」は、ロサルタンおよびIL−2を負荷したナノリポゲルを指し、「PD1」は、アンタゴニスティック抗PD−1抗体を指し、「Yervoy」は、アンタゴニスティック抗CTLA4抗体を指し、「Los−NLG」は、ロサルタンを負荷したナノリポゲルを指し、「IL−2」は、遊離または可溶性IL−2を指す。

0032

発明の詳細な説明
I.定義
「ナノリポゲル」(nanolipogel)は、本明細書中で使用される場合、単層または二層であり得るリポソームシェル内に、ホスト分子を含むことができるポリマーマトリクスコアを有し、任意選択的にコアとシェルが架橋しているコア−シェルナノ粒子をいう。

0033

「ホスト分子」は、本明細書中で使用される場合、活性薬剤と可逆的に会合して複合体を形成する分子または材料をいう。特定の実施形態では、ホストは、活性薬剤と包接複合体を形成する分子である。包接複合体は、活性薬剤(すなわち、ゲスト)または活性薬剤の一部が別の分子、分子群、または材料(すなわち、ホスト)の空隙内に挿入された場合に形成される。ホストは、小分子、オリゴマーポリマー、またはその組み合わせであり得る。例示的なホストには、ポリサッカリドアミロースシクロデキストリン、および複数のアルドース環を含む他の環状またはらせん状の化合物(例えば、モノサッカリドグルコースフルクトース、およびガラクトースなど)の1,4結合および1,6結合を介して形成された化合物)など)およびジサッカリドスクロースマルトース、およびラクトースなど)が含まれる。他の例示的なホスト化合物には、クリプタンドクリプトファンキャビタンドクラウンエーテルデンドリマーイオン交換樹脂カリックスアレーンバリノマイシンナイジェリシンカテナンポリカテナン、カルセランド、ククルビツリル、およびスフランドが含まれる。

0034

「小分子」は、本明細書中で使用される場合、約2000g/mol未満、より好ましくは約1500g/mol未満、最も好ましくは約1200g/mol未満の分子量を有する分子をいう。

0035

ヒドロゲル」は、本明細書中で使用される場合、共有結合架橋または非共有結合架橋によって共に保持された高分子三次元網目構造から形成された水膨潤性ポリマーマトリクスをいう。これは相当量(重量)の水を吸収してゲルを形成することができる。

0036

「ナノ粒子」は、本明細書中で使用される場合、一般に、直径が約10nmから約1ミクロンまで(未満)、好ましくは100nm〜約1ミクロンの粒子をいう。粒子は任意の形状を有し得る。球状のナノ粒子を、一般に、「ナノスフェア」という。

0037

「分子量」は、本明細書中で使用される場合、一般に、特別の規定がない限り、バルクのポリマーの相対平均鎖長をいう。実際には、分子量を、種々の方法(ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)または細管式粘度測定(capillary viscometry)が含まれる)を使用して推定または特徴づけることができる。GPC分子量を、数平均分子量(Mn)と対照的な重量平均分子量(Mw)として報告する。細管式粘度測定により、特定の一連の濃度、温度、および溶媒条件を使用して希釈ポリマー溶液から決定した固有粘度として分子量が推定される。

0038

平均粒径」は、本明細書中で使用される場合、一般に、粒子集団中の粒子の統計的平均粒径(直径)をいう。本質的に球状の粒子の直径は、物理的直径または流体力学直径をいうことができる。非球状粒子の直径は、優先的に、流体力学直径をいうことができる。本明細書中で使用される場合、非球状粒子の直径は、粒子表面上の2点間の最長の直線距離をいうことができる。平均粒径を、当該分野で公知の方法(動的光散乱など)を使用して測定することができる。

0039

単分散」および「均一サイズ分布」は、本明細書中で互換的に使用され、全粒子が同一またはほぼ同一のサイズであるナノ粒子または微粒子集団を説明する。本明細書中で使用される場合、単分散分布は、分布の90%がメジアン粒径の15%以内、より好ましくはメジアン粒径の10%以内、最も好ましくはメジアン粒径の5%以内にある粒子分布をいう。

0040

「PD−1アンタゴニスト」は、本明細書中で使用される場合、T細胞、B細胞ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、DC、およびマクロファージの表面上に見つけられるPD−1によって媒介される阻害性シグナル伝達減弱する任意の分子を意味する。そのようなアンタゴニストは、T細胞上のPD−1分子によって生成されるいかなる阻害性シグナルも破壊する分子を含む。したがって、PD−1アンタゴニストは、PD−1受容体シグナル伝達経路を通しての阻害性シグナル伝達を阻害する、低下させる、停止する、他の場合には低下させる分子とすることができる。そのような減少が生じてもよく、ここで、(i)PD−1アンタゴニストが、PD−1受容体に結合し、シグナル伝達を引き起こすことなく、阻害性シグナル伝達を低下させるか、もしくはブロックするか;(ii)PD−1アンタゴニストが、PD−1受容体のリガンド(例えば、アゴニスト)に結合し、受容体へのリガンドの結合を妨げるか(例えば、前記アゴニストはB7−H1である);(iii)PD−1アンタゴニストが、阻害されなかった場合、PD−1阻害性シグナル伝達を刺激するか、もしくは他の場合には促進する結果をもたらす調節鎖の一部である分子に結合するか、もしくは他の場合にはその活性を阻害するか;または(iv)PD−1アンタゴニストが、とりわけ、PD−1をコードする1つもしくはそれを超える遺伝子または1つもしくはそれを超えるその自然のリガンドの発現を低下させるか、もしくは停止することによって、PD−1受容体の発現もしくはそのリガンドの発現を阻害する。したがって、PD−1アンタゴニストは、PD−1阻害性シグナル伝達の減少に影響を与える分子とすることができ、それによって、1つまたはそれを超える抗原に対するT細胞応答を増加させる。

0041

「CTLA4アンタゴニスト」は、本明細書中で使用される場合、T細胞反応のCTLA4媒介性の阻害を低下させる化合物を意味する。例えば、T細胞において、CTLA4は、B7リガンド(B7−1およびB7−2など)の結合に際して阻害性の刺激を伝える。CTLA4アンタゴニストは、活性化T細胞上のCTLA4への前記リガンドの結合を破壊するものである。

0042

II.ナノ粒子組成物
それぞれが送達ビヒクルの中に負荷された、その表面に結合された、および/またはその内に密封された1つまたはそれを超える活性薬剤を含むナノ粒子組成物が、開示される。ナノ粒子組成物は、溶液中で標的細胞に活性薬剤(複数可)を送達することにまさって多くの利点を与える。例えば、ナノ粒子組成物は、ナノ粒子上のまたは中の1つまたはそれを超える局所的な濃度の活性薬剤を提示し、ナノ粒子が標的細胞に遭遇した場合に、結合活性の増加に至る。ナノ粒子組成物はまた、数日間継続することができる調整可能な放出反応速度を有する、活性薬剤の貯蔵物として果たすこともでき、薬剤(複数可)の有効全身半減期および効能を延ばす

0043

典型的に、2つまたはそれを超える活性薬剤が、送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される。2つまたはそれを超える活性薬剤のそれぞれの相対濃度および送達ビヒクル上または内のそれらの配置は、標的細胞が受けるであろう好ましい投薬量および提示に適応させるために、組成物の製造の間に操作することができる。同じ送達ビヒクルの中へのまたは上への2つまたはそれを超える活性薬剤の負荷は、2つまたはそれを超える活性薬剤が標的細胞に同時にまたは他の場合には標的細胞に所定の順序で提示されることを可能にする。

0044

A.送達ビヒクル
ナノ粒子送達ビヒクルは、例えば、ナノリポゲル、ポリマー粒子、シリカ粒子、リポソーム、または多層小胞とすることができる。最も好ましい実施形態では、粒子送達ビヒクルが、ナノスケール組成物であり、これは、例えば、10nm〜約1ミクロンであるが、約1ミクロンを含まない。しかし、いくつかの実施形態では、またいくつかの使用については、粒子は、より小さいものまたはより大きいものとすることができる(例えば、微粒子など)ことが十分に理解される。本明細書において開示される組成物は、全体を通して、ナノ粒子組成物のことを指すが、いくつかの実施形態では、またいくつかの使用については、粒子組成物が、ナノ粒子よりも多少大きくなり得ることが十分に理解される。例えば、粒子組成物は、約1ミクロン〜約1000ミクロンとすることができる。そのような組成物は、微小粒子組成物と呼ぶことができる。

0045

癌を処置するための好ましい実施形態では、粒子が、腫瘍微小環境に到達するのに適したサイズであることが望ましい。特定の実施形態において、粒子が、増強された浸透性および滞留(enhanced permeability and retention)(EPR)の効果によって、腫瘍微小環境および/または腫瘍細胞に到達するのに適したサイズをしている。EPRは、あるサイズの分子(例えば、本明細書において議論される粒子組成物)が、それらが正常組織において蓄積するよりもずっと多く、腫瘍組織において蓄積する傾向がある特性を指す。したがって、癌の処置のための組成物では、送達ビヒクルは、好ましくは、約25nmおよび約500nmを含めて約25nm〜約500nmの範囲にある、より好ましくは、約50nmおよび約300nmを含めて約50nm〜約300nmの範囲にある。

0046

1.ナノリポゲル
ナノリポゲルは、活性薬剤の持続送達のためのリポソームおよびポリマーベースの粒子の両方の利点を組み合わせたコア−シェルナノ粒子である。いくつかの実施形態では、ナノリポゲルが、送達ビヒクルとしてポリマーナノ粒子よりも好まれてもよい。一般に、ナノリポゲルは、生物製剤(例えば、タンパク質、ペプチド、抗体など)と組み合わせて小分子疎水性薬物を共負荷する、疎水性および親水性薬物、単一または組み合わせのサイトカイン、抗体、成長または抑制性タンパク質/ペプチド因子、または細胞全体、その分泌産物、もしくは細胞溶解物などの生物製剤の組み合わせを共負荷するために、ならびに/または粒子の内部移行および活性薬剤(複数可)の細胞内送達が所望される適用のために、選択されてもよい。これらの実施形態および適用のいくつかでは、ナノリポゲルが、従来のナノ粒子組成物と比較して、高分子および分子の組み合わせについて、負荷効率の増加、徐放性の増加、および治療的な効能の改善を示すことができる。

0047

以下でより詳細に考察するように、典型的には、ナノリポゲルの外側シェルは、カーゴを保護し、かつ、生体適合性ならびにターゲティング分子での機能付与のための表面を提供する。外側シェルは、所望するまで(例えば、環境条件または刺激に応答して単分散性再生可能な粒子集団を作製し、所望の細胞型への内在化を媒介するまで)成分が曝露されないように成分をカプセル化する。デンドリマーまたは他のポリマーであり得る内部コアは、その外側シェルとは個別且つ付加的な機能性を有する。例えば、内側シェルは、薬物、ワクチン、または造影薬を二次的に堆積させ、異なる生理化学的特性を有する成分の粒子への負荷を増大させ、粒子から内容物を調整可能に放出させ、エンドソーム破壊によってDNA/RNA、薬物、および/またはタンパク質のサイトゾルでの利用可能性を増大させ、これらすべてによって薬物効果、抗原提示、およびトランスフェクションサイレンシングが増強される。

0048

ナノリポゲルは、1種またはそれより多くのホスト分子を含むポリマーマトリクスコアを有する。ポリマーマトリクスは、好ましくは、1種またはそれより多くのポリ(アルキレンオキシドセグメントポリエチレングリコールなど)および1種またはそれより多くの脂肪族ポリエステルセグメントポリ乳酸など)を含むヒドロゲル(架橋ブロックコポリマーなど)である。1種またはそれより多くのホスト分子(シクロデキストリン、デンドリマー、またはイオン交換樹脂など)は、ポリマーマトリクス内に分散しているか、ポリマーマトリクスに共有結合している。ヒドロゲルコアを、リポソームシェルで包囲する。

0049

ナノリポゲルを、その後に制御様式で放出することができる種々の活性薬剤を組み込むように構築することができる。活性薬剤を、ヒドロゲルマトリクス内に分散させるか、1種またはそれより多くのホスト分子と会合させるか、リポソームシェル内に分散させるか、リポソームシェルに共有結合させるか、その組み合わせを行うことができる。活性薬剤を、ナノリポゲル内のこれらの各局所に選択的に組み込むことができる。さらに、これらの各局所からの活性薬剤の放出速度を、独立して調整することができる。これらの各局所が異なる特性(サイズおよび疎水性/親水性が含まれる)を保有するので、これらの各局所に独立して組み込まれた化学的実体はサイズおよび組成が劇的に異なり得る。例えば、ナノリポゲルに、ポリマーマトリクス内に分散させた1種またはそれより多くのタンパク質およびホスト分子と会合した小分子疎水性薬物を負荷することができる。

0050

例えば、一定の実施形態では、ナノリポゲルコアは2つ以上の活性薬剤を含む。好ましい実施形態では、ナノリポゲルコアは、好ましくは1種またはそれより多くの適切なホスト分子と会合した小分子疎水性活性薬剤およびポリマーマトリクス内に分散された親水性活性薬剤の両方を含む。特定の実施形態では、親水性活性薬剤は、タンパク質(治療サイトインなど)である。ホスト分子と会合した疎水性活性薬剤およびポリマーマトリクス内に分散された親水性分子の組み込みにより、2つ以上の活性薬剤(多様な生理化学的特徴(溶解度、疎水性/親水性、分子量、およびその組み合わせなど)を有する2つ以上の活性薬剤が含まれる)を制御放出させることができる。

0051

好ましい実施形態では、ホスト分子が、化学療法薬などの低分子量化合物を送達するために使用され、ホスト分子が、低分子量化合物およびサイトカインなどのより大きな親水性化合物の放出を遅らせ、その結果、両方の分子の放出がほぼ同じ期間生じる。

0052

このような方法で、ナノリポゲルは、化学的組成および分子量が非常に異なる薬剤を同時徐放することができる。非限定的な例では、ナノリポゲルに、ポリマーマトリクス内に分散させたホスト分子に会合した疎水性の小分子抗原および免疫アジュバント免疫賦活性タンパク質など)の両方を負荷することができる。これらのナノリポゲルは、免疫応答を至適化するためにアジュバントと共に抗原を徐放することができる。

0053

特定の例では、免疫賦活性タンパク質であるインターロイキン−2(IL−2)および低分子量有機分子である2−(5−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−2−tert−ブチル−3H−イミダゾール−4−イル)−6−メチルピリジン塩酸塩トランスフォーミング成長因子−β(TGF−β)のインヒビター)のナノリポゲルによって同時持続送達が達成される。この構築物は、マウス系において、単独の薬剤または2種の薬剤の組み合わせの溶液での投与によって達成可能な抗腫瘍応答よりもはるかに優れた抗腫瘍応答が得られる。さらに、ナノリポゲルは、好ましくは、ナノリポゲル内にカプセル化させた1種またはそれより多くの活性薬剤の生体内分布を調整することができる。

0054

ナノリポゲルは、典型的には、球状であり、平均粒径は約50nmと約1000nmとの間、より好ましくは約75nmと約300nmとの間、最も好ましくは約90nmと約200nmとの間である。一定の実施形態では、ナノリポゲルの平均粒径は、約100nmと約140nmとの間である。粒子は、非球状であり得る。

0055

ナノリポゲルのリポソームシェル中に存在する脂質の性質に依存して、陽性陰性、または中性付近表面電荷を有するナノリポゲルを調製することができる。一定の実施形態では、ナノリポゲルは中性付近の表面電荷を保有する。一定の実施形態では、ナノリポゲルのζ電位は、約10mVと約−10mVとの間、より好ましくは約5mVと約−5mVとの間、より好ましくは約3mVと約−3mVとの間、最も好ましくは約2mVと約−2mVとの間である。

0056

タンパク質などの疎水性活性薬剤をナノリポゲル表面に共有結合的に接続することができるのに対して、親水性活性薬剤をナノリポゲル表面に共有結合的に接続することができるかリポソームシェル内に分散させることができる。一定の実施形態では、リポソームシェルは1種またはそれより多くのPEG化脂質を含む。これらの場合、1種またはそれより多くの活性薬剤を、リポソームシェル表面上に存在する1種またはそれより多くのPEG鎖末端結合体化することができる。

0057

別の実施形態では、脂質が、アビジン成分を含むように修飾され、ビオチン化されたターゲティング成分、検出可能な標識、または他の活性薬剤が、アビジン成分にカップリングされるのを、そのように所望される場合に可能にする。

0058

特定の実施形態では、1種またはそれより多くの活性薬剤を、所望の生理学的局所で活性薬剤の放出を誘発するために外部の化学的刺激または物理的刺激(周囲pHの変化など)に反応して切断する連結基を介してナノリポゲル表面に共有結合的に接続する。

0059

a.コア
ナノリポゲルコアは、ポリマーマトリクスから形成される。このマトリクスは、下記でより詳細に議論するとおりの1種またはそれより多くのホスト分子を含むことができる。ナノリポゲルコアは、1種またはそれより多くの活性薬剤をさらに含むことができる。活性薬剤を、ホスト分子と複合体化するか、ポリマーマトリクスを用いて分散させるか、それらの組み合わせを行うことができる。

0060

ナノリポゲルのポリマーマトリクスを、1種またはそれより多くのポリマーまたはコポリマーから形成することができる。ポリマーマトリクスの組成および形態を変動させることにより、種々の制御放出特徴を達成することができ、それにより、中程度の一定用量の1種またはそれより多くの活性薬剤を長期間にわたって送達可能である。

0061

ポリマーマトリクスを非生分解性ポリマーまたは生分解性ポリマーから形成することができるが、しかし、好ましくは、ポリマーマトリクスは生分解性である。ポリマーマトリクスを、1日〜1年間、より好ましくは7日〜26週間、より好ましくは7日〜20週間、最も好ましくは7日〜16週間の範囲の期間にわたって分解されるように選択することができる。

0062

一般に、天然ポリマーを使用することができるが、合成ポリマーが好ましい。代表的なポリマーには、ポリ(ヒドロキシ酸)、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカノアート(ポリ3−ヒドロキシブチラートまたはポリ4−ヒドロキシブチラートなど);ポリカプロラクトン;ポリ(オルトエステル);ポリ酸無水物;ポリ(ホスファゼン);ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン);ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン);ポリカーボネートチロシンポリカーボネートなど);ポリアミド(合成および天然のポリアミドが含まれる)、ポリペプチド、およびポリ(アミノ酸);ポリエステルアミド;他の生体適合性ポリエステル;ポリ(ジオキサノン);ポリ(アルキレンアルキラート);親水性ポリエーテルポリウレタンポリエーテルエステルポリアセタールポリシアノアクリラートポリシロキサン;ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー;ポリケタール;ポリホスファートポリヒドロキシバレラート;ポリアルキレンオキサラート;ポリアルキレンスクシナート;ポリ(マレイン酸)、ポリビニルアルコールポリビニルピロリドン;ポリ(アルキレンオキシド)(ポリエチレングリコール(PEG)など);誘導体化セルロースアルキルセルロース(例えば、メチルセルロース)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、セルロースエーテルセルロースエステルニトロセルロースなど)、アクリル酸メタクリル酸のポリマーまたはそのコポリマーもしくは誘導体エステル、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリ(エチルメタクリラート)、ポリ(ブチルメタクリラート)、ポリ(イソブチルメタクリラート)、ポリ(ヘキシルメタクリラート)、ポリ(イソデシルメタクリラート)、ポリ(ラウリルメタクリラート)、ポリ(フェニルメタクリラート)、ポリ(メチルアクリラート)、ポリ(イソプロピルアクリラート)、ポリ(イソブチルアクリラート)、およびポリ(オクタデシルアクリラート)(本明細書中で集合的に「ポリアクリル酸)と呼ばれる)が含まれる)、ならびにその誘導体、コポリマー、およびブレンドが含まれる。

0063

本明細書中で使用される場合、「誘導体」には、化学基置換、付加、および当業者によって日常的に作製される上記のポリマー骨格への他の修飾を有するポリマーが含まれる。天然ポリマー(タンパク質(アルブミンコラーゲンゼラチンプロラミンゼインなど)など)およびポリサッカリド(アルギナートおよびペクチンなど)が含まれる)を、ポリマーマトリクスに組み込むこともできる。種々のポリマーを使用してポリマーマトリクスを形成することができるが、一般に、得られたポリマーマトリクスはヒドロゲルであろう。一定の例では、ポリマーマトリクスが天然ポリマーを含む場合、天然ポリマーは、加水分解によって分解されるバイオポリマー(ポリヒドロキシアルカノアートなど)である。

0064

好ましい実施形態では、ポリマーマトリクスは、1種またはそれより多くの架橋性ポリマーを含む。好ましくは、架橋性ポリマーは、ナノリポゲル形成後にポリマーマトリクスを架橋可能な1種またはそれより多くの光重合性基を含む。適切な光重合性基の例には、ビニル基、アクリラート基、メタクリラート基、およびアクリルアミド基が含まれる。存在する場合、光重合性基を、架橋性ポリマーの骨格内、架橋性ポリマーの側鎖のうちの1つ以上内、架橋性ポリマーの末端の1つ以上で、またはその組み合わせに組み込むことができる。

0065

ポリマーマトリクスを、特定の適用に最適な特性(薬物放出速度が含まれる)を有するナノリポゲルを形成するための種々の分子量を有するポリマーから形成することができる。一般に、ポリマーマトリクスを構成するポリマーの平均分子量は約500Daと50kDaとの間の範囲にわたる。ポリマーマトリクスを非架橋性ポリマーから形成する場合、ポリマーの平均分子量は、典型的には、約1kDaと約50kDaとの間、より好ましくは約1kDaと約70kDaとの間、最も好ましくは約5kDaと約50kDaとの間の範囲である。ポリマーマトリクスを架橋性ポリマーから形成する場合、ポリマーは、典型的には、約500Daと約25kDaとの間、より好ましくは約1kDaと約10kDaとの間、最も好ましくは約3kDaと約6kDaとの間の範囲のより低い平均分子量を有する。特定の実施形態では、ポリマーマトリクスを、平均分子量が約5kDaの架橋性ポリマーから形成する。

0066

いくつかの実施形態では、ポリマーマトリクスを、ポリ(アルキレンオキシド)ポリマーまたは1種またはそれより多くのポリ(アルキレンオキシド)セグメントを含むブロックコポリマーから形成する。ポリ(アルキレンオキシド)ポリマーまたはポリ(アルキレンオキシド)ポリマーセグメントは、8と500との間の反復単位、より好ましくは40と300との間の反復単位、最も好ましくは50と150との間の反復単位を含むことができる。適切なポリ(アルキレンオキシド)には、ポリエチレングリコール(ポリエチレンオキシドまたはPEGとも呼ばれる)、ポリプロピレン1,2−グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリプロピレン1,3−グリコール、およびそのコポリマーが含まれる。

0067

いくつかの実施形態では、ポリマーマトリクスを、脂肪族ポリエステルまたは1種またはそれより多くの脂肪族ポリエステルセグメントを含むブロックコポリマーから形成する。好ましくは、ポリエステルまたはポリエステルセグメントは、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)PGA、またはポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)である。

0068

好ましい実施形態では、ポリマーマトリクスを、1種またはそれより多くのポリ(アルキレンオキシド)セグメント、1種またはそれより多くの脂肪族ポリエステルセグメント、および任意選択的な1種またはそれより多くの光重合性基を含むブロックコポリマーから形成する。これらの場合、1種またはそれより多くのポリ(アルキレンオキシド)セグメントは、得られたポリマーマトリクスが適切なヒドロゲルを形成するようにポリマーに必要な親水性を付与する一方で、ポリエステルセグメントは調整可能な疎水性/親水性および/または所望のin vivo分解特徴を有するポリマーマトリクスを提供する。

0069

ポリエステルセグメントの分解速度、しばしば対応する薬物放出速度を、数日(純粋なPGAの場合)から数ヶ月(純粋なPLAの場合)まで変化させることができ、ポリエステルセグメント中のPLAのPGAに対する比を変化させることによって容易に操作することができる。さらに、ポリ(アルキレンオキシド)(PEGなど)および脂肪族ポリエステル(PGA、PLA、およびPLGAなど)はヒトでの使用の安全性が確立されており、これらの材料はヒトへの臨床適用(薬物送達系が含まれる)において30年を超えて使用されている。

0070

一定の実施形態では、ポリマーマトリクスを、中心ポリ(アルキレンオキシド)セグメント、中心ポリ(アルキレンオキシド)セグメントのいずれかの末端に結合した隣接脂肪族ポリエステルセグメント、および1種またはそれより多くの光重合性基を含むトリブロックコポリマーから形成する。好ましくは、中心ポリ(アルキレンオキシド)セグメントはPEGであり、脂肪族ポリエステルセグメントは、PGA、PLA、またはPLGAである。

0071

一般に、中心ポリ(アルキレンオキシド)セグメントの平均分子量は、隣接ポリエステルセグメントの平均分子量より高い。一定の実施形態では、中心ポリ(アルキレンオキシド)セグメントの平均分子量は、1つの隣接ポリエステルセグメントの平均分子量の少なくとも3倍、より好ましくは1つの隣接ポリエステルセグメントの平均分子量の少なくとも5倍、最も好ましくは1つの隣接ポリエステルセグメントの平均分子量の少なくとも10倍である。

0072

いくつかの場合、中心ポリ(アルキレンオキシド)セグメントの平均分子量は、約500Daと約10,000Daとの間、より好ましくは約1,000Daと約7,000Daとの間、最も好ましくは約2,500Daと約5,000Daとの間の範囲である。特定の実施形態では、中心ポリ(アルキレンオキシド)セグメントの平均分子量は約4,000Daである。典型的には、各隣接ポリエステルセグメントの平均分子量は、約100Daと約3,500Daとの間、より好ましくは約100Daと約1,000Daとの間、最も好ましくは約100Daと約500Daとの間の範囲である。

0073

1つの好ましい実施形態では、ポリマーマトリクスを、以下:



に示すトリブロックコポリマーから形成し、式中、mおよびnは、それぞれ独立して、1と500との間、より好ましくは10と150との間の整数である。

0074

好ましい天然ポリマーの例には、タンパク質(アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、およびプロラミン(例えば、ゼイン)など)およびポリサッカリド(アルギナート、セルロース誘導体、およびポリヒドロキシアルカノアート(例えば、ポリヒドロキシブチラート)など)が含まれる。微粒子のin vivo安定性を、ポリエチレングリコール(PEG)と共重合したポリ(ラクチド−co−グリコリド)などのポリマーの使用によって生成中に調整することができる。PEGを外面上に曝露する場合、PEGは、PEGの親水性によってこれらの材料が循環する時間を増大させることができる。

0075

好ましい非生分解性ポリマーの例には、エチレンビニルアセタート、ポリ(メト)アクリル酸、ポリアミド、コポリマー、およびその混合物が含まれる。

0076

マトリクスを、伝統的なイオン性ゲル化技術によって生成されたゲル型ポリマー(アルギナートなど)から作製することもできる。ポリマーを最初に水溶液に溶解し、硫酸バリウムまたはいくつかの生物活性剤と混合し、次いで、いくつかの場合に液滴を分離するために窒素ガス流を使用する微小滴形成デバイスによって押し出す。ゆっくり撹拌させた(およそ100〜170RPM)イオン性硬化浴を、形成された微小滴を捕捉するために押し出しデバイス下に配置する。微粒子を、十分な時間でゲル化させるために浴中で20〜30分間インキュベートする。微粒子のサイズを、種々のサイズの押出機の使用または窒素ガスの流量またはポリマー溶液の流量のいずれかの変化によって制御する。キトサン微粒子を、ポリマーの酸性溶液への溶解およびトリホスファートとの架橋によって調製することができる。カルボキシメチルセルロースCMC)微粒子を、酸溶液へのポリマーの溶解および鉛イオンでの微粒子の沈殿によって調製することができる。負に荷電したポリマー(例えば、アルギナート、CMC)の場合、異なる分子量の正に荷電したリガンド(例えば、ポリリジンポリエチレンイミン)を、イオン結合させることができる。

0077

おそらく、脂肪族ポリエステル、特に、疎水性ポリ(乳酸)(PLA)、より親水性のポリ(グリコール酸)PGAおよびそのコポリマーであるポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)が最も広く使用されている。これらのポリマーの分解速度、しばしば対応する薬物放出速度を、数日(PGA)から数ヶ月(PLA)まで変化させることができ、PLAのPGAに対する比を変化させることによって容易に操作される。第2に、PLGAならびにそのホモポリマーPGAおよびPLAの生理学的適合性は、ヒトでの使用の安全性が確立されており、これらの材料は種々のヒトへの臨床適用(薬物送達系が含まれる)において30年を超える歴史がある。PLGAナノ粒子を、受動的または能動的なターゲティングのいずれかによって薬物の薬物動態学および標的組織への生体内分布を改善する種々の方法で処方することができる。微粒子を、カプセル化または結合された分子が数日から数週間にわたって放出されるようにデザインする。放出持続時間に影響を及ぼす要因には、周辺媒質のpH(PLGAの酸触媒加水分解に起因するpH5およびそれ未満で放出速度がより早い)およびポリマー組成が含まれる。脂肪族ポリエステルは疎水性が異なり、それによって分解速度に影響を及ぼす。特に、疎水性ポリ(乳酸)(PLA)、より親水性の高いポリ(グリコール酸)PGA、およびそのコポリマーであるポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)は、種々の放出速度を有する。これらのポリマーの分解速度、しばしば対応する薬物放出速度を、数日(PGA)から数ヶ月(PLA)まで変化させることができ、この速度はPLAのPGAに対する比を変化させることによって容易に操作される。

0078

b.シェル成分
ナノリポゲルは、1種またはそれより多くの同心円状の脂質単層または脂質二重層から構成されるリポソームシェルを含む。シェルは、1種またはそれより多くの活性薬剤、ターゲティング分子、またはその組み合わせをさらに含むことができる。

0079

ナノリポゲルは、1種またはそれより多くの同心円状の脂質単層または脂質二重層から構成されるリポソームシェルを含む。リポソームシェルの組成を、in vivoでの1種またはそれより多くの活性薬剤の放出速度に影響を及ぼすように変化させることができる。脂質を、必要に応じて共有結合的に架橋させてin vivo薬物放出を変更することもできる。

0080

脂質シェルを、単一の脂質二重層(すなわち、シェルは単層であり得る)またはいくつかの同心円状の脂質二重層(すなわち、シェルは多層であり得る)から形成することができる。脂質シェルを単一の脂質から形成することができるが、好ましい実施形態では、脂質シェルを、1つを超える脂質の組み合わせから形成する。脂質は、生理学的pHで中性アニオン性、またはカチオン性であり得る。

0081

適切な中性およびアニオン性の脂質には、ステロールおよび脂質(コレステロールリン脂質リゾ脂質リゾリン脂質、およびスフィンゴ脂質など)が含まれる。中性およびアニオン性の脂質には、ホスファチジルコリン(PC)(PC、ダイズPCなど)(1,2−ジアシルグリセロ−3−ホスホコリンが含まれる);ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルグリセロールホスファチジルイノシトール(PI);糖脂質スフィンゴリン脂質スフィンゴミエリンなど);スフィンゴ糖脂質(1−セラミジルグルコシドとしても公知)(セラミドガラクトピラノシドガングリオシド、およびセレブロシドなど);脂肪酸カルボン酸基を含むステロール(コレステロールなど)、またはその誘導体;および1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンまたは1,2−ジオレオリルグリセリルホスファチジルエタノールアミンDOPE)、1,2−ジヘキサデシルホスホエタノールアミン(DHPE)、1,2−ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリンDPPC)、および1,2−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)が含まれる)が含まれるが、これらに限定されない。これらの脂質の天然の誘導体(例えば、組織由来のL−α−ホスファチジル卵黄、心臓、脳、肝臓、ダイズ)および/または合成の誘導体(例えば、飽和および不飽和の1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−アシル−2−アシル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジヘプタノイル−SN−グリセロ−3−ホスホコリン)も適切である。

0082

適切なカチオン性脂質には、例えば、メチル硫酸塩として、TAP脂質とも呼ばれるN−[1−(2,3−ジオレオイルオキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩が含まれる。適切なTAP脂質には、DOTAP(ジオレオイル−)、DMTAP(ジミリストイル−)、DPTAP(ジパルミトイル−)、およびDSTAP(ジステアロイル−)が含まれるが、これらに限定されない。他の適切なカチオン性脂質には、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミドDDAB)、1,2−ジアシルオキシ−3−トリメチルアンモニウムプロパン、N−[1−(2,3−ジオロイルオキシ)プロピル]−Ν,Ν−ジメチルアミンDODAP)、1,2−ジアシルオキシ−3−ジメチルアンモニウムプロパン、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、1,2−ジアルキルオキシ−3−ジメチルアンモニウムプロパン、ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)、3−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタンカルバモイル]コレステロール(DC−Chol);2,3−ジオレオイルオキシ−N−(2−(スペルミンカルボキサミド)−エチル)−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセタート(DOSPA)、β−アラニルコレステロール、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ジC14−アミジン、N−tert−ブチル−N’−テトラデシル−3−テトラデシルアミノプロピオンアミジン、N−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジドデシル−D−グルタマートクロリド(TMAG)、ジテトラデカノイル−N−(トリメチルアンモニオ−アセチル)ジエタノールアミンクロリド、1,3−ジオレオイルオキシ−2−(6−カルボキシスペルミル)−プロピルアミド(DOSPER)、およびN,N,N’,N’−テトラメチル−、N’−ビス(2−ヒドロキシルエチル)−2,3−ジオレオイルオキシ−1,4−ブタンジアンモニウムヨージド、1−[2−(アシルオキシ)エチル]2−アルキルアルケニル)−3−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリニウムクロリド誘導体(1−[2−(9(Z)−オクタデセノイルオキシ)エチル]−2−(8(Z)−ヘプタデセニル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DOTIM)および1−[2−(ヘキサデカノイルオキシ)エチル]−2−ペンタデシル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DPTIM)など)、および第四級アミン上にヒドロキシアルキル部分を含む2,3−ジアルキルオキシプロピル第四級アンモニウム誘導体(例えば、1,2−ジオレオイル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORI)、1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORIE)、1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−ジメチル(dimetyl)−ヒドロキシプロピルアンモニウムブロミド(DORIE−HP)、1,2−ジオレイル−オキシ−プロピル−3−ジメチル−ヒドロキシブチルアンモニウムブロミド(DORIE−HB)、1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシペンチルアンモニウムブロミド(DORIE−Hpe)、1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシルエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、1,2−ジパルミチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DPRIE)、および1,2−ジステリルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DSRIE))が含まれる。

0083

他の適切な脂質には、上記の中性、アニオン性、およびカチオン性の脂質のPEG化誘導体が含まれる。1種またはそれより多くのPEG化脂質誘導体の脂質シェルへの組み込みにより、その表面上にポリエチレングリコール鎖を示すナノリポゲルを得ることができる。得られたナノリポゲルは、その表面上にPEG鎖を欠くナノリポゲルと比較してin
vivoでの安定性および循環時間が増大し得る。適切なPEG化脂質の例には、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(ethanlamine)−ポリエチレングリコール(DSPE−PEG)(DSPE PEG(分子量2000)およびDSPE
PEG(分子量5000)が含まれる)、ジパルミトイル−グリセロ−スクシナートポリエチレングリコール(DPGS−PEG)、ステアリル−ポリエチレングリコール、およびコレステリル−ポリエチレングリコールが含まれる。

0084

好ましい実施形態では、脂質シェルを、1つを超える脂質の組み合わせから形成する。一定の実施形態では、脂質シェルを、少なくとも3つの脂質の混合物から形成する。特定の実施形態では、脂質シェルを、ホスファチジルコリン(PC)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[アミノ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG)、およびコレステロールの混合物から形成する。

0085

いくつかの実施形態では、脂質シェルを、1種またはそれより多くのPEG化リン脂質および1種またはそれより多くのさらなる脂質またはステロールの混合物から形成する。一定の例では、1種またはそれより多くのPEG化脂質の1種またはそれより多くのさらなる脂質またはステロールに対するモル比は、約1:1〜約1:6、より好ましくは約1:2〜約1:6、最も好ましくは約1:3〜約1:5の範囲である。特定の実施形態では、1種またはそれより多くのPEG化脂質の1種またはそれより多くのさらなる脂質またはステロールに対するモル比は約1:4である。

0086

いくつかの実施形態では、脂質シェルを、1種またはそれより多くのリン脂質および1種またはそれより多くのさらなる脂質またはステロールの混合物から形成する。一定の例では、1種またはそれより多くのリン脂質の1種またはそれより多くのさらなる脂質またはステロールに対するモル比は、約1:1〜約6:1、より好ましくは約2:1〜約6:1、最も好ましくは約3:1〜約5:1の範囲である。特定の実施形態では、1種またはそれより多くのリン脂質の1種またはそれより多くのさらなる脂質またはステロールに対するモル比は約4:1である。

0087

好ましい実施形態では、脂質シェルを、リン脂質(ホスファチジルコリン(PC)など)、PEG化リン脂質(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[アミノ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG)など)、およびコレステロールの混合物から形成する。特定の実施形態では、脂質シェルを、3:1:1のモル比のホスファチジルコリン、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[アミノ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG)、およびコレステロールの混合物から形成する。

0088

2.ポリマー粒子
ナノ粒子送達ビヒクルはまた、ポリマー粒子、例えば、マイクロまたはナノ粒子とすることもできる。

0089

粒子は、生分解性または非生分解性である。

0090

ポリマー粒子を製造するために使用することができる例示的なポリマーは、ナノリポゲルのポリマーマトリクス構成成分に関して上記に議論される。

0091

好ましい生分解性ポリマーの例には、乳酸およびグリコール酸などのヒドロキシ酸のポリマー、PEGとのコポリマー、ポリ酸無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリウレタン、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、その混合物およびコポリマーが含まれる。好ましい実施形態では、粒子が、1つまたはそれを超えるポリエステルから構成される。

0092

例えば、粒子は、1つまたはそれを超える下記のポリエステルを含有することができる:本明細書において「PGA」と呼ばれるグリコール酸単位ならびに本明細書において総称して「PLA」と呼ばれるポリL−乳酸、ポリD−乳酸、ポリD,L−乳酸、ポリL−ラクチド、ポリD−ラクチド、およびポリD,L−ラクチドなどの乳酸単位ならびに本明細書において総称して「PCL」と呼ばれるポリ(ε−カプロラクトン)などのカプロラクトン単位を含むホモポリマー;ならびに本明細書において総称して「PLGA」と呼ばれる乳酸:グリコール酸の比によって特徴づけられる様々な形態のポリ(乳酸−co−グリコール酸)およびポリ(ラクチド−co−グリコリド)などの、乳酸およびグリコール酸単位を含むコポリマー;ならびにポリアクリラートならびにその誘導体。例示的なポリマーにはまた、本明細書において総称して「PEG化ポリマー」と呼ばれる様々な形態のPLGA−PEGまたはPLA−PEGコポリマーのなどの、ポリエチレングリコール(PEG)および前述のポリエステルのコポリマーが含まれる。一定の実施形態では、PEG領域が、切断可能なリンカーによって「PEG化ポリマー」をもたらすために、ポリマーと共有結合する。アルギナートポリマーもまた、使用されてもよい。

0093

いくつかの実施形態では、粒子が、PLGAから構成される。PLGAは、安全な、FDAにより承認されたポリマーである。PLGA粒子は、活性薬剤を保護することができ(つまり、カプセルの材料)、長期の放出を促進し、ターゲティング成分の追加に適用可能であるので、有利である。例えば、粒子のポリマーは、構造:



を有することができる(ポリ(乳酸−co−グリコール酸)PLGA+H2O=調節可能な分解(日〜週)。

0094

粒子は、ポリマーおよびターゲティング成分、検出可能な標識、または他の活性薬剤の間に、末端の間の連結を含有する、1つまたはそれを超えるポリマーコンジュゲートを含有することができる。例えば、修飾ポリマーは、PLGA−PEG−ホスホナートとすることができる。別の実施例では、粒子が、アビジン成分を含むように修飾され、ビオチン化されたターゲティング成分、検出可能な標識、または他の活性薬剤をそれにカップリングすることができる。

0095

好ましい天然ポリマーの例には、タンパク質(アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、およびプロラミン(例えば、ゼイン)など)およびポリサッカリド(アルギナート、セルロース誘導体、およびポリヒドロキシアルカノアート(例えば、ポリヒドロキシブチラート)など)が含まれる。粒子のin vivoでの安定性を、ポリエチレングリコール(PEG)と共重合したポリ(ラクチド−co−グリコリド)などのポリマーの使用によって生成中に調整することができる。PEGを外面上に曝露する場合、PEGは、PEGの親水性によってこれらの材料が循環する時間を増大させることができる。

0096

好ましい非生分解性ポリマーの例には、エチレンビニルアセタート、ポリ(メト)アクリル酸、ポリアミド、コポリマー、およびその混合物が含まれる。

0097

3.他の送達ビヒクル
いくつかの実施形態では、送達ビヒクルが、リポソームである。リポソームは、典型的に、ラメラ相脂質二重層から構成される球状の小胞である。リポソームは、例えば、多層小胞(MLV)、小さな単層リポソーム小胞(SUV)、大きな単層小胞(LUV)、または渦巻形の小胞とすることができる。開示されるナノ粒子組成物の調製に有用であるリポソーム、ミセル、および他の脂質ベースの送達ビヒクルは、当該分野で公知である。例えば、Torchilinら、Advanced Drug Delivery Reviews、58(14):1532−55(2006)を参照のこと。

0098

送達ビヒクルはまた、シリカ粒子とすることもできる。開示されるナノ粒子組成物の調製に有用に適したシリカ粒子もまた、当該分野で公知である。例えば、Barbeら、Advanced Materials、16(21):1959−1966(2004)およびArgyoら、Chem.Mater.,26(1):435−451(2014)を参照のこと。

0099

B.活性薬剤
本明細書において開示されるナノ粒子組成物には、典型的に、ナノリポゲルまたはマイクロもしくはナノ粒子または他の送達ビヒクルが含まれ、1つまたはそれを超える活性薬剤が、送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される。いくつかの実施形態では、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える活性薬剤が、送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される。2つまたはそれを超える薬剤は、同じ粒子または異なる粒子の中に負荷することができる、その表面に結合することができる、および/またはその内に密封することができる。

0100

いくつかの実施形態では、処方物は、粒子と会合した同じまたは異なる活性薬剤(複数可)を有する2つまたはそれを超える異なるタイプの粒子を含む。

0101

処方物は、開示される送達ビヒクルの中に負荷されない、その表面に結合されない、および/またはその内に密封されない1つまたはそれを超える活性薬剤を含むことができる。例えば、そのような活性薬剤は、遊離または可溶性活性薬剤(複数可)または異なるキャリアもしくは剤形をした活性薬剤(複数可)とすることができるが、それにもかかわらず、ナノ粒子組成物と同じ医薬組成物の一部である。

0102

下記により詳細に記載されるように、いくつかの実施形態では、開示される方法が、1つまたはそれを超える別々の処方物として対象に投与される1つ、2つ、3つ、またはそれを超えるさらなる活性薬剤と組み合わせて、送達ビヒクルの中に負荷された、その表面に結合された、および/またはその内に密封された1つ、2つ、3つ、またはそれを超える活性薬剤を含むナノ粒子組成物をそれを必要とする対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、さらなる活性薬剤が、対象に同時投与されるが、開示される送達ビヒクルの中に負荷されず、その表面に結合されず、および/またはその内に密封されず、例えば、遊離もしくは可溶性とすることができるまたは異なるキャリアもしくは剤形とすることができる。開示される活性薬剤のいずれも、送達ビヒクルの中に負荷され、その表面に結合され、および/またはその内に密封され、ナノ粒子組成物の一部としてそれを必要とする対象に投与することができる。開示される活性薬剤のいずれも、ナノ粒子組成物と組み合わせて対象に投与される遊離もしくは可溶性または別の投薬単位もしくは剤形の一部として対象に投与することができる。

0103

例示的な活性薬剤には、例えば、腫瘍抗原、CD4+T細胞エピトープ、サイトカイン、化学療法剤、放射性核種、小分子シグナル伝達阻害剤光熱アンテナ(photothermal antenna)、免疫学的危険シグナル伝達分子、他の免疫療法薬(immunotherapeutic)、酵素抗生物質抗ウイルス薬、抗寄生動物薬(anti−parasite)(蠕虫原生動物)、成長因子成長阻害剤、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、抗体およびその生理活性断片ヒト化単鎖、およびキメラ抗体を含む)、抗原およびワクチン処方物(アジュバントを含む)、ペプチド薬剤抗炎症剤、免疫調節物質(自然免疫系を活性化するための、Toll様受容体に結合するリガンド(CpGオリゴヌクレオチドを含むが、これらに限定されない)、適応免疫系を動員し、かつ最適化する分子、細胞傷害性Tリンパ球ナチュラルキラー細胞、およびヘルパーT細胞の作用を活性化するまたはアップレギュレートする分子、ならびにサプレッサーまたは調節性T細胞を非活性化するまたはダウンレギュレートする分子を含む)、細胞の中への送達ビヒクルの取込みを促進する薬剤(樹状細胞および他の抗原提示細胞を含む)、ビタミンなどの栄養補助食品、ならびにオリゴヌクレオチド薬剤(DNA、RNA、アンチセンスアプタマー、低分子干渉RNA、リボザイムリボヌクレアーゼPについての外部ガイド配列、およびトリプレクス形成剤(triplex forming agent)を含む)が含まれる。

0104

好ましい実施形態では、1つまたはそれを超える活性薬剤が、免疫応答刺激剤または免疫抑制をブロックする薬剤などの免疫調節物質である。特に好ましい実施形態では、活性薬剤が、腫瘍チェックポイント遮断または共刺激分子を標的にする。本明細書において開示されるナノ粒子組成物および使用の方法は、同じ薬剤を単独で投与するのと比較して、効能を増加させることができるおよび/または毒性を低下させることができると考えられる。例えば、下記により詳細に議論されるように、組成物および方法のうちのいくつかは、従来の癌の処置(例えば免疫シグナル伝達特性に関連する免疫療法または化学療法)と組み合わせて、ナノ粒子アジュバント(典型的に、小分子薬剤および/または生物学的因子をカプセル化する生分解性ナノ粒子組成物)を同時投与するステップを含む。そのような併用療法およびレジメンは、効能を増加させ、毒性を低下させ、投与時の全体的な用量を低下させることができる。特定の実施形態は、下記により詳細に議論される。

0105

1.免疫応答刺激剤
1つまたはそれを超える活性薬剤は、免疫応答刺激剤とすることができる。免疫系は、細胞性(駆動されたT細胞)および体液性(駆動されたB細胞)エレメントから構成される。癌について、強力な細胞媒介性免疫応答のトリガリングは、体液性免疫の活性化よりも有効であることが一般に認められている。細胞ベースの免疫は、抗原提示細胞(APC;樹状細胞がその重要な構成成分である)、細胞障害性T細胞、ナチュラルキラー細胞、およびT−ヘルパー細胞を含む、多くの異なる免疫細胞タイプの相互作用および協力に依存する。したがって、活性薬剤は、細胞(駆動されたT細胞)免疫応答、体液性(駆動されたB細胞)免疫応答、またはその組み合わせを増加させる薬剤とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、薬剤が、T細胞応答を増強する、T細胞活性を増加させる、T細胞増殖を増加させる、T細胞阻害性シグナルを低下させる、サイトカインの産生を増強する、T細胞分化もしくはエフェクター機能を刺激する、T細胞の生存を促進する、またはその任意の組み合わせである。

0106

例示的な免疫調節薬には、サイトカイン、キサンチン、インターロイキン、インターフェロンオリゴデオキシヌクレオチドグルカン、成長因子(例えば、TNF、CSFGM−CSF、およびG−CSF)、ホルモン(エストロゲンジエチルスチルベストロールエストラジオール)、アンドロゲンテストステロンハロスチン(登録商標)(フルオキシメステロン))、プロゲスチンメガス(登録商標)(酢酸メゲストロール)、プロベラ(登録商標)(酢酸メドロキシプロゲステロン))、およびコルチコステロイドプレドニゾンデキサメタゾンヒドロコルチゾン)など)が含まれる。

0107

いくつかの実施形態では、薬剤が、炎症分子(サイトカイン、メタロプロテアーゼ、または他の分子(IL−1β、TNF−α、TGF−ベータ、IFN−γ、IL−17、IL−6、IL−23、IL−22、IL−21、およびMMPが含まれるが、これらに限定されない)である。

0108

a.サイトカイン
好ましい実施形態では、少なくとも1つの活性薬剤が、炎症促進性サイトカインである。サイトカインは、典型的に、ナノ〜ピコモル濃度でホルモン調節因子またはシグナル伝達分子として作用し、細胞シグナル伝達を助ける。サイトカインは、タンパク質、ペプチド、または糖タンパク質とすることができる。例示的なサイトカインには、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12、IL−15など)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ)、マクロファージコロニー刺激因子顆粒球コロニー刺激因子腫瘍壊死因子白血球阻害因子(LIF)、ケモカイン、SDF−1α、およびサイトカインのCXCファミリーが含まれるが、これらに限定されない。

0109

b.ケモカイン
別の実施形態では、少なくとも1つの活性薬剤が、炎症促進性ケモカインである。ケモカインは、小さなサイトカインのファミリーである。それらの名称は、近くの応答性の細胞において、定方向の走化性を誘発するそれらの能力に由来する。したがって、それらは、走化性サイトカインである。タンパク質は、小さなサイズ(それらはすべてサイズがおよそ8〜10キロダルトンである)およびそれらの3次元の形状を形成するのに重要である、保存された場所における4つのシステイン残基の存在などの共有される構造的な特質に従ってケモカインとして分類される。ケモカインは、4つの主なサブファミリーに分類された:CXC、CC、CX3C、およびXC。ケモカインは、Gプロテイン結膜貫通受容体(つまりケモカイン受容体)に結合することによって細胞シグナル伝達を誘発する。

0110

2.免疫抑制をブロックする薬剤
少なくとも1つの活性薬剤は、免疫抑制をブロックする、阻害する、もしくは低下させる薬剤または免疫抑制の一因となる因子の生物活性をブロックする、阻害する、もしくは低下させる薬剤とすることができる。腫瘍関連免疫抑制が、腫瘍進行の一因に大いになるだけでなく、癌免疫療法の活性を制限する重大な因子のうちの1つでもあることがますます明らかになった。抗原特異的T細胞寛容は、腫瘍エスケープの主なメカニズムのうちの1つであり、腫瘍非応答性の抗原特異的な性質は、癌を有するホストが、他の免疫刺激薬に対してなお応答しながらも、腫瘍特異的な免疫応答を維持することができないことを示す(Willimskyら、Immunol.Rev.,220:102−12(2007)、Wangら Semin Cancer Biol.,16:73−9(2006)、Freyら、Immunol.Rev.,222:192−205(2008)、Nagarajら、Clinical Cancer Research,16(6):1812−23(2010))。

0111

a.Tregを排除する薬剤
調節性T細胞(Treg)のコンパートメントにおける不足により、重度自己免疫性疾患に至るので、調節性T細胞(Treg)は、自己寛容を維持するのに不可欠である。しかし、この重要な機能は、腫瘍免疫監視および抗腫瘍免疫に対するそれらの有害作用と対照をなす。腫瘍および癌患者血行路内でのTregの増加は、癌の病因および疾患進行に関係し、増殖から特異的な輸送ネットワークに及ぶメカニズムは、それらの蓄積の原因となることが同定された。in vitroでの実験は、シクロオキシゲナーゼ−2、CD70、Gal1、TGF−β、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ、および他のまだ同定されていない因子を含む、Treg生成の一因となるいくつかの可溶性または接触依存性腫瘍因子を示す。局所的なTreg増殖の増強またはアポトーシスの低下は、腫瘍Treg数の増加の一因となり得る。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬剤が、特に腫瘍中でまたは腫瘍の近くで、シクロオキシゲナーゼ−2、CD70、Gal1、TGF−β、もしくはインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼを低下させる、局所的なTreg増殖を低下させる、および/またはTregアポトーシスを増加させる。

0112

Tregが及ぼすアンタゴニスティックな影響を改善するための様々な免疫療法アプローチは、Mougiakakos Adv Cancer Res,107:57−117(2010)、De Rezendeら、Arch.Immunol.Ther.Exp.,58(3):179−90(2010)、およびCuriel、Curr.Opin.Immunol.,20(2):241−246(2008)において概説される。

0113

いくつかの実施形態では、薬剤は、Tregを排除するか;Tregの分化、輸送、エフェクター機能、もしくはその組み合わせをブロックするか;エフェクター細胞抑制閾値を上げるか、またはその任意の組み合わせである。Tregを排除するまたはそれらの機能をブロックする例示的な薬剤には、抗CD25抗体シクロホスファミドデニロイキンジフチトクス(Ontak、IL−2およびジフテリア毒素を融合するタンパク質)、LMB−2(CD25特異的シュードモナス免疫毒素)、CpG処置、ならびに抗CTLA4抗体が含まれる(Curiel、Curr Opin Immunol.,20(2):241−246(2008))。

0114

ターゲティング腫瘍抗原特異的Tregもまた、腫瘍が免疫系を逃れる能力を低下させるのに有効であるかもしれない。腫瘍抗原特異的Tregは、天然に存在し、ワクチン接種によって誘発される。葉酸受容体4発現腫瘍Tregは、抗原特異的な細胞について豊富となり得、癌を有するマウスにおいて、それらが除去されると、免疫媒介性の腫瘍拒絶が改善された。したがって、いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、葉酸受容体4発現腫瘍Tregを標的にする。

0115

いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬剤が、TGF−β修飾因子である。潜在型TGF−βが腫瘍細胞から放出された後、TGF−βは、腫瘍細胞の表面上のインテグリンと結合して、潜在型TGF−βの活性化に至る。その結果、腫瘍微小環境におけるTGF−β濃度の増加により、調節性T細胞を動員することによって免疫抑制が支持される(Massayoら、Eur J Clin Med Oncol.,(4):27−32(2013)。

0116

i.SB505124
TGF−β分子の上昇は、SB505124(2−(5−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−2−tert−ブチル−3H−イミダゾール−4−イル)−6−メチルピリジンヒドロクロリド)などのTGF−β阻害剤によって阻害することができる。SB505124(SB−505124としても知られ、すなわち、SBと略される)は、TGF−βI型受容体ALK4、ALK5、およびALK7の選択的阻害剤である(DaCostaら、Mol Pharmacol.65:744−52(2004))。特定の実施形態では、SB505124が、シクロデキストリンなどのホスト分子と複合体を形成する。

0117

ii.ロサルタン
別のTGF−β修飾因子は、ロサルタン(COZAAR(登録商標)としても知られている)である。アンジオテンシンII受容体アンタゴニストとして最もよく知られているロサルタンもまた、TGF−βをダウンレギュレートする(Guoら、Zhonghua
Nei Ke Za Zhi,42:403−8(2003))。ロサルタン(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)メタノール)は、構造:



を有する。

0118

ロサルタンは、経口投与後によく吸収され、重要な初回通過代謝を受け、EXP3174と示される5−カルボン酸代謝物質を生成する。この代謝物質は、AT1受容体で長時間作用性(6〜8時間)の非競合的アンタゴニストとなり、ロサルタンの薬理学的効果に寄与する。ロサルタンは、任意選択で他の抗高血圧剤と組み合わせて、高血圧症、任意選択で低血糖剤と組み合わせて、糖尿病性ニューロパシー発作の危険性を減少させるためのヒドロクロロチアジド(HCTZ)と組み合わせて、慢性心不全を含む多くの徴候の処置として同定された。カリウム塩は、12.5、25、50、および100mgの強度を有する錠剤ならびにまた懸濁液については2.5mg/mlの粉剤としても処方されている。HCTZ(Hyzaar)とのロサルタンの併用製品もまた、50mg/12.5mg、100mg/12.5mg、および100mg/25mgの強度を有する錠剤として入手可能である。ロサルタンならびにその医薬品の塩およびイミダゾール誘導体を含む組成物および処方物ならびにその使用の方法は、米国特許第5,138,069号明細書、米国特許第5,153,197号明細書、米国特許第5,128,355号明細書、米国特許第5,155,118号明細書、米国特許第5,210,079号明細書、および米国特許第5,354,867号明細書において議論される。

0119

いくつかの実施形態では、ロサルタンまたはその医薬品の塩、イミダゾール誘導体、もしくは代謝物質が、送達ビヒクル、例えばポリマーナノ粒子またはナノリポゲルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される。好ましくは、第2の活性薬剤もまた、送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される。第2の活性薬剤は、第2の免疫調節物質、例えばIL−2とすることができる。特定の実施形態では、PLGAナノ粒子またはナノリポゲルに、ロサルタンおよびIL−2が負荷される。いくつかの実施形態では、送達ビヒクルが、RGDペプチドなどのターゲティング成分を含む。

0120

ナノ粒子上にこれらの薬剤を負荷する方法は、それぞれ実施例3および7において下記に記載されるものなどのような方法を含むことができる。粒子は、PLGAナノ粒子、ナノリポゲル、または他の生分解性ポリマーとすることができる。

0121

活性薬剤の様々な粒子および/または投薬量の抗腫瘍性の効能を試験する例示的なアッセイでは、動物の後肢にB16F10メラノーマ細胞を接種する。腫瘍成長モニタリングし、およそ7日後に始めて、腫瘍面積が0.5mm2に到達したら、(a)IL−2およびロサルタンを負荷した5ugのナノ粒子、またはコントロールとして、(b)ブランクの粒子の腫瘍周囲の注射のコースを動物に受けさせる(下記の実施例において記載されるアッセイと同様)。

0122

b.骨髄由来サプレッサー細胞を排除する薬剤
骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)は、癌における抗原特異的CD8+T細胞寛容の誘発の原因である抗原提示細胞の主な集団に相当し得る。したがって、いくつかの実施形態では、組成物が、MDSCの数または活性を低下させる薬剤を含む。MDSCを排除するために使用することができる例示的な薬剤には、分化誘導剤オールトランスレチノイン酸)、化学療法薬物、アミノビスフォスフォネート(aminobiphosphonate)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、スニチニブ)、サイクロオキシゲナーゼー2阻害剤、ならびにホスホジエステラーゼ−5阻害剤(シルデナフィル(sildanefil))および合成トリテルペノイド(例えば、2−シアノ−3,12−ジオキソオレアナ−1,9(11)−ジエン−28−酸のメチルエステル(CDDO−Meおよびバルドキソロンメチルとも呼ばれる)によるMDSC機能の阻害が含まれるが、これらに限定されない((Nagarajら、Clinical Cancer Research,16(6):1812−23(2010))。

0123

c.PD−1アンタゴニスト
いくつかの実施形態では、活性薬剤が、PD−1アンタゴニストである。T細胞の活性化は、通常、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)を介して提示された抗原性ペプチドとのT細胞受容体(TCR)の接触後の抗原特異的なシグナルに依存するが、この反応の程度は、様々な共刺激分子からエミネートされる(eminate)正および負の抗原非依存性シグナルによってコントロールされる。後者は、一般に、CD28/B7ファミリーのメンバーである。反対に、プログラム死−1(PD−1)は、T細胞上で誘発された場合に、負の免疫応答を伝える受容体のCD28ファミリーのメンバーである。PD−1およびそのリガンドのうちの1つ(B7−H1またはB7−DC)の間の接触は、T細胞の増加ならびに/またはT細胞応答の強度および/もしくは期間を減少させる阻害性応答を誘発する。適したPD−1アンタゴニストは、米国特許第8,114,845号明細書、米国特許第8,609,089号明細書、および米国特許第8,709,416号明細書において記載され、PD−1のリガンドに結合し、それをブロックして、PD−1受容体へのリガンドの結合に干渉するもしくはそれを阻害するまたはPD−1受容体に直接結合し、ブロックして、PD−1受容体を通しての阻害性シグナル伝達を誘発しない化合物または薬剤を含む。

0124

いくつかの実施形態では、PD−1受容体アンタゴニストが、PD−1受容体に直接結合して、阻害性シグナル伝達を引き起こさず、また、PD−1受容体のリガンドに結合して、PD−1受容体を通してのシグナル伝達を低下させるか、またはリガンドがそれを引き起こすのを阻害する。PD−1受容体に結合し、阻害性シグナルの伝達を引き起こすリガンドの数および/または量を低下させることによって、より少数の細胞しか、PD−1シグナル伝達によって伝えられる負のシグナルによって減弱されず、より頑健な(robust)免疫応答を実現することができる。

0125

PD−1シグナル伝達は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によって提示されたペプチド抗原の近傍で、PD−1リガンド(B7−H1またはB7−DCなど)に結合することによって駆動されると考えられる(例えば、Freeman、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A,105:10275−10276(2008)を参照のこと)。したがって、PD−1およびT細胞膜上のTCRの同時の連結を妨げるタンパク質、抗体または小分子もまた、有用なPD−1アンタゴニストである。

0126

好ましい実施形態では、PD−1受容体アンタゴニストが、PD−1のリガンドまたはPD−1自体に結合することによってPD−1受容体シグナル伝達を低下させるまたはそれに干渉する小分子アンタゴニストまたは抗体であり、とりわけ、TCRとのPD−1の同時の連結が、そのような結合に続かず、それによって、PD−1受容体を通しての阻害性シグナル伝達を引き起こさない。

0127

本発明の方法によって企図される他のPD−1アンタゴニストは、PD−1またはPD−1のリガンドに結合する抗体および他の抗体を含む。

0128

適した抗PD−1抗体は、下記の刊行物において記載されるものを含むが、これらに限定されない:
PCT/IL03/00425 (Hardy et al., WO/2003/099196)
PCT/JP2006/309606 (Korman et al., WO/2006/121168)
PCT/US2008/008925 (Li et al., WO/2009/014708)
PCT/JP03/08420 (Honjo et al., WO/2004/004771)
PCT/JP04/00549 (Honjo et al., WO/2004/072286)
PCT/IB2003/006304 (Collins et al., WO/2004/056875)
PCT/US2007/088851 (Ahmed et al., WO/2008/083174)
PCT/US2006/026046 (Korman et al., WO/2007/005874)
PCT/US2008/084923 (Terrett et al., WO/2009/073533)
Berger et al., Clin. Cancer Res., 14:30443051 (2008).

0129

抗PD−1抗体の特定の例は、好ましくは3mg/kgの用量で投与されるMDX−1106(Kosak、米国特許出願公開第20070166281号明細書(2007年7月19日公開)第42段落を参照のこと)、ヒト抗PD−1抗体である。

0130

例示的な抗B7−H1抗体には、下記の刊行物において記載されるものが含まれるが、これらに限定されない:
PCT/US06/022423(国際公開第2006/133396号パンフレット、2006年12月14日公開)
PCT/US07/088851(国際公開第2008/083174号パンフレット、2008年7月10日公開)
米国特許出願公開第2006/0110383号明細書(2006年5月25日公開)

0131

抗B7−H1抗体の特定の例は、MDX−1105(2007年1月11日に公開された国際公開第2007/005874号パンフレット)、ヒト抗−B7−H1抗体である。

0132

抗B7−DC抗体については、米国特許第7,411,051号明細書、米国特許第7,052,694号明細書、米国特許第7,390,888号明細書、および米国特許出願公開第2006/0099203号明細書を参照のこと。

0133

抗体は、B7−H1などのPD−1のリガンドに結合する抗体に架橋された、PD−1受容体に結合する抗体を含む二重特異性抗体とすることができる。いくつかの実施形態では、PD−1結合部分が、PD−1受容体を通してのシグナル伝達を低下させるか、または阻害する。

0134

他の例示的なPD−1受容体アンタゴニストには、B7−DCポリペプチド、これらは、その相同体および変異体を含み、ならびに前述のもののいずれかの活性断片およびこれらのいずれかを組み込む融合タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、融合タンパク質が、ヒトIgGなどの抗体のFc部分にカップリングされたB7−DCの可溶性部分を含み、ヒトB7−DCの膜貫通部分のすべてまたは一部を組み込まない。

0135

PD−1アンタゴニストはまた、好ましくはマウスまたは長動物、好ましくはヒト由来哺乳動物B7−H1の断片とすることもでき、断片が、PD−1に結合し、ブロックするが、PD−1を通しての阻害性シグナル伝達をもたらさない。断片はまた、融合タンパク質、例えばIg融合タンパク質の一部とすることもできる。

0136

他の有用なポリペプチドPD−1アンタゴニストは、PD−1受容体のリガンドに結合するものを含む。これらは、PD−1受容体タンパク質またはその可溶性断片を含み、これは、B7−H1またはB7−DCなどのPD−1リガンドに結合し、内因性PD−1受容体への結合を妨げることができ、それによって阻害性シグナル伝達を妨げる。B7−H1はまた、タンパク質B7.1に結合することも示された(Butteら、Immunity,Vol.27、pp.111−122(2007))。そのような断片はまた、天然のリガンドへの結合を増加させるA99L突然変異などの突然変異を含むPD−1タンパク質の可溶性ECD部分も含む(Molnarら、PNAS,105:10483−10488(2008))。B7−H1リガンドに結合し、内因性PD−1受容体への結合を妨げることができ、それによって阻害性シグナル伝達を妨げるB7−1またはその可溶性断片もまた、有用である。

0137

PD−1およびB7−H1アンチセンス核酸、DNAおよびRNAの両方、ならびにsiRNA分子もまた、PD−1アンタゴニストとすることができる。そのようなアンチセンス分子は、T細胞上のPD−1の発現ならびにB7−H1、PD−L1、および/またはPD−L2などのT細胞リガンドの産生を妨げる。例えば、ポリエチレンイミンなどのキャリアと複合体を形成したsiRNA(例えば、長さが約21個のヌクレオチドの、PD−1をコードするまたはPD−1リガンドをコードする遺伝子に対して特異的であり、このオリゴヌクレオチドは容易に市販で購入することができる)(Cubillos−Ruizら、J.Clin.Invest.119(8):2231−2244(2009)を参照のこと。PD−1およびPD−1のリガンドを発現する細胞によって容易に取込まれ、これらの受容体およびリガンドの発現を低下させて、T細胞における阻害性シグナル伝達の減少を実現し、それによってT細胞を活性化する。

0138

d.CTLA4アンタゴニスト
免疫応答においてT細胞の効果を媒介するのに有用な他の分子もまた、活性薬剤として企図される。例えば、いくつかの実施形態では、分子が、PD−1ではない免疫応答媒介分子に結合する薬剤である。好ましい実施形態では、分子が、CTLA4のアンタゴニスト、例えばアンタゴニスティック抗CTLA4抗体である。本発明の方法における使用が企図される抗CTLA4抗体の一例は、PCT/US2006/043690(Fischkoffら、国際公開第2007/056539号パンフレット)において記載される抗体を含む。

0139

抗PD−1、抗B7−H1、および抗CTLA4抗体についての投薬量は、当該分野で公知であり、0.1〜100mg/kgの範囲とすることができ、1〜50mg/kgのより狭い範囲が好ましく、10〜20mg/kgの範囲がより好ましい。ヒト対象についての適切な用量は、5〜15mg/kgであり、10mg/kgの抗体(例えばMDX−1106のようなヒト抗PD−1抗体)が最も好ましい。

0140

本発明の方法において有用な抗CTLA4抗体の特定の例は、MDX−010またはMDX−101としても知られているイピリムマブ、約10mg/kgの用量で好ましくは投与されるヒト抗CTLA4抗体、約15mg/kgの用量で好ましくは投与されるトレリムマブ、ヒト抗CTLA4抗体である。2009年12月にオンラインで公開されたSammartinoら、Clinical Kidney Journal,3(2):135−137(2010)もまた参照のこと。

0141

他の実施形態では、アンタゴニストが、小分子である。一連の小さな有機化合物は、B7−1リガンドに結合して、CTLA4への結合を妨げることが示された(Erbeら、J.Biol.Chem.,277:7363−7368(2002)を参照のこと。そのような小さな有機化合物は、単独でまたは抗CTLA4抗体と共に投与して、T細胞の阻害性シグナル伝達を低下させることができた。

0142

3.アジュバントおよび抗原
いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物が、免疫系を刺激するためにワクチン処方物の一部またはアジュバントとして使用される。いくつかの実施形態では、抗原および/またはアジュバントが、送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される。いくつかの実施形態では、抗原および/またはアジュバントが、送達ビヒクルの中に負荷された、その表面に結合された、および/またはその内に密封された活性薬剤と組み合わせて投与される。抗原および/またはアジュバントは、粒子から遊離することができる。例えば、抗原および/またはアジュバントは、可溶性とすることができる。

0143

これらの抗原はまた、投与後に吸収されてもよい。例えば、NLGは、その場で腫瘍抗原を吸収することができるので、NLGは、免疫刺激薬および/または化学療法薬と共に投与されてもよく、その後、腫瘍細胞が死滅する時に腫瘍抗原を吸収する。ペプチド、タンパク質、およびDNAベースのワクチンを使用して、種々の疾患または状態に対する免疫を誘導することができる。細胞媒介性免疫は、ウイルス感染細胞を検出および破壊するために必要である。最も伝統的なワクチン(例えば、タンパク質ベースのワクチン)は、体液性免疫のみを誘導することができる。DNAベースのワクチンが体液性免疫および細胞媒介性免疫の両方を誘導することができるので、DNAベースのワクチンは、ウイルスまたは寄生虫に対してワクチン接種するための固有の手段である。さらに、DNAベースのワクチンは、潜在的に、伝統的なワクチンより安全である。DNAワクチンは、相対的により安定であり、製造および保存の際の費用効果がより高い。DNAワクチンは、2つの主な成分(DNAキャリア(または送達ビヒクル)および抗原をコードするDNA)からなる。DNAキャリアはDNAを分解から保護し、特定の組織または細胞へのDNA侵入および有効レベルでの発現を容易にすることができる。

0144

a.アジュバント
粒子と会合することができる免疫学的アジュバントの例には、TLRリガンドC型レクチン受容体リガンド、NOD様受容体リガンド、RLRリガンド、およびRAGEリガンドが含まれるが、これらに限定されない。TLRリガンドには、リポ多糖LPS)およびその誘導体、ならびにリピドAおよびその誘導体(モノホスホリルリピドA(MPL)、グリコピラノシルリピドA、PET−リピドA、および3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAが含まれるが、これらに限定されない)が含まれ得る。特定の実施形態では、免疫学的アジュバントはMPLである。別の実施形態では、免疫学的アジュバントはLPSである。TLRリガンドには、TLR3リガンド(例えば、ポリイノシン酸ポリシチジル酸(ポリ(I:C))、TLR7リガンド(例えば、イミキモドおよびレシキモド)、およびTLR9リガンドも含まれ得るが、これらに限定されない。

0145

b.抗原
抗原は、ペプチド、タンパク質、ポリサッカリド、サッカリド、脂質、核酸、またはその組み合わせとすることができる。抗原は、ウイルス、細菌、寄生動物、植物、原生動物、菌類、組織、または癌もしくは白血病細胞などの形質転換細胞に由来し得、細胞全体またはその免疫原性構成成分、例えば、その細胞壁構成成分または分子構成成分とすることができる。

0146

適した抗原は、当該分野で公知であり、商業上の政府のおよび科学的な供給源から入手可能である。一実施形態では、抗原が、不活性化または弱毒化有機体全体である。これらの有機体は、ウイルス、寄生動物、および細菌などの感染性有機体であってもよい。これらの有機体はまた、腫瘍細胞であってもよい。抗原は、腫瘍またはウイルスもしくは細菌供給源に由来する精製されたまたは部分的に精製されたポリペプチドであってもよい。抗原は、異種発現系においてポリペプチド抗原をコードするDNAを発現することによって産生される組み換えポリペプチドとすることができる。抗原は、抗原性タンパク質のすべてまたは一部をコードするDNAとすることができる。DNAは、プラスミドDNAなどのベクターDNAの形態をしていてもよい。

0147

抗原は、単一の抗原としてまたは組み合わせて提供されてもよい。抗原はまた、ポリペプチドまたは核酸の複合体混合物として提供されてもよい。

0148

i.ウイルス抗原
ウイルス抗原は、下記のウイルスファミリーのいずれか由来のウイルスを含むが、これらに限定されない任意のウイルスから単離することができる:Arenaviridae、Arterivirus、Astroviridae、Baculoviridae、Badnavirus、Barnaviridae、Birnaviridae、Bromoviridae、Bunyaviridae、Caliciviridae、Capillovirus、Carlavirus、Caulimovirus、Circoviridae、Closterovirus、Comoviridae、Coronaviridae(例えば、重症急性呼吸器症候群SARS)ウイルスなどのCoronavirus)、Corticoviridae、Cystoviridae、Deltavirus、Dianthovirus、Enamovirus、Filoviridae(例えば、マールブルグ病ウイルスおよびエボラウイルス(例えば、ザイール、レストン、コートジボアール、またはスーダン株))、Flaviviridae(例えば、C型肝炎ウイルスデング熱ウイルス1、デング熱ウイルス2、デング熱ウイルス3、およびデング熱ウイルス4)、Hepadnaviridae、Herpesviridae(例えば、ヒトヘルペスウイルス1、3、4、5、および6ならびにサイトメガロウイルス)、Hypoviridae、Iridoviridae、Leviviridae、Lipothrixviridae、Microviridae、Orthomyxoviridae(例えば、インフルエンザウイルスAおよびBおよびC)、Papovaviridae、Paramyxoviridae(例えば、麻疹ムンプス、およびヒト呼吸器合胞体ウイルス)、Parvoviridae、Picornaviridae(例えば、ポリオウイルスライノウイルスヘパトウイルス、およびアフトウイルス)、Poxviridae(例えば、ワクシニアおよび天然痘ウイルス)、Reoviridae(例えば、ロタウイルス)、Retroviridae(例えば、ヒト免疫不全ウイルスHIV)1およびHIV2などのレンチウイルス)、Rhabdoviridae(例えば、狂犬病ウイルス麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルスなど)、Togaviridae(例えば、風疹ウイルス、デング熱ウイルスなど)、ならびにTotiviridae。適したウイルス抗原はまた、デング熱タンパク質M、デング熱タンパク質E、デング熱D1NS1、デング熱D1NS2、およびデング熱D1NS3のすべてまたは一部を含む。

0149

ウイルス抗原は、パピローマウイルスヘルペスウイルス、すなわち単純ヘルペス1および2;肝炎ウイルス、例えば、A型肝炎ウイルスHAV)、B型肝炎ウイルスHBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、デルタ型肝炎Dウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)、およびG型肝炎ウイルス(HGV)、ダニ媒介性脳炎ウイルスパラインフルエンザバリセラゾスター、サイトメガロウイルス(Cytomeglavirus)、エプスタイン−バー、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルスコクサッキーウイルス脳炎日本脳炎黄熱病リフトバレー熱、およびリンパ球性脈絡髄膜炎などの特定の株に由来してもよい。

0150

ii.細菌抗原
細菌抗原は、Actinomyces、Anabaena、Bacillus、Bacteroides、Bdellovibrio、Bordetella、Borrelia、Campylobacter、Caulobacter、Chlamydia、Chlorobium、Chromatium、Clostridium、Corynebacterium、Cytophaga、Deinococcus、Escherichia、Francisella、Halobacterium、Heliobacter、Haemophilus、Hemophilus influenzaB型(HIB)、Hyphomicrobium、Legionella、Leptspirosis、Listeria、Meningococcus A、BおよびC、Methanobacterium、Micrococcus、Myobacterium、Mycoplasma、Myxococcus、Neisseria、Nitrobacter、Oscillatoria、Prochloron、Proteus、Pseudomonas、Phodospirillum、Rickettsia、Salmonella、Shigella、Spirillum、Spirochaeta、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Sulfolobus、Thermoplasma、Thiobacillus、およびTreponema、Vibrio、ならびにYersiniaを含むが、これらに限定されない任意の細菌に起源を持つことができる。

0151

iii.寄生動物抗原
寄生動物抗原は、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Candida albicans、Candida
tropicalis、Nocardia asteroides、Rickettsia ricketsii、Rickettsia typhi、Mycoplasma
pneumoniae、Chlamydial psittaci、Chlamydial trachomatis、Plasmodium falciparum、Trypanosoma brucei、Entamoeba histolytica、Toxoplasma gondii、Trichomonas vaginalisおよびSchistosoma mansoniに由来する抗原などであるが、これらに限定されない寄生動物から得ることができる。これらは、スポロゾイト周囲蛋白スポロゾイト表面タンパク質、肝臓ステージ抗原、頂端膜関連タンパク質(apical membrane associated protein)、またはメロゾイト表面タンパク質のすべてまたは一部などの、胞子虫抗原、マラリア原虫抗原を含む。

0152

iv.アレルゲンおよび環境抗原
抗原は、アレルゲンまたは環境抗原(天然に存在するアレルゲンに由来する抗原(花粉アレルゲン(木、ハーブ雑草、および牧草花粉アレルゲン)、昆虫アレルゲン(吸入抗原唾液、および毒液アレルゲン)、動物の毛およびフケアレルゲン、ならびに食物アレルゲンなど)など、これらに限定されない)とすることができる。木、草、およびハーブ由来の重要な花粉アレルゲンは、すなわちカバノキ(Betula)、ハンノキ(Alnus)、ハシバミ(Corylus)、シデ(Carpinus)、およびオリーブ(Olea)、スギ(Cryptomeriaand Juniperus)、スズカケノキ(Platanus)を含むFagales、Oleales、Pinales、およびplatanaceaeの分類学上の目、すなわちLolium、Phleum、Poa、Cynodon、Dactylis、Holcus、Phalaris、Secale、およびSorghum属の草を含むPoales目、すなわちAmbrosia、Artemisia、およびParietaria属のハーブを含むAsteralesおよびUrticales目に起源を有する。使用されてもよい他のアレルゲン抗原は、DermatophagoidesおよびEuroglyphus属のイエダニ貯蔵庫ダニ、例えば、Lepidoglyphys、Glycyphagus、およびTyrophagus由来のアレルゲン、ゴキブリ、カ、およびノミ、例えば、Blatella、Periplaneta、Chironomus、およびCtenocepphalides由来のもの、ネコイヌ、およびウマなどの哺乳動物、鳥由来のもの、ハチ(Apidae上科)、スズメバチ(Vespidea上科)、およびアリ(Formicoidae上科)を含むHymenopteraの分類学上の目由来のものなどの、刺すまたは噛む昆虫に起源を有するものなどを含む毒液アレルゲンを含む。使用されてもよいさらに他のアレルゲン抗原は、AlternariaおよびCladosporium属由来のなどの真菌由来の吸入アレルゲンを含む。

0153

v.腫瘍抗原
抗原は、アルファアクチニン−4、Bcr−Abl融合タンパク質、Casp−8、ベータ−カテニン、cdc27、cdk4、cdkn2a、coa−1、dek−can融合タンパク質、EF2、ETV6−AML1融合タンパク質、LDLR−フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、HLA−A2、HLA−A11、hsp70−2、KIAAO205、Mart2、Mum−1、2、および3、neo−PAPミオシンクラスI、OS−9、pml−RARα融合タンパク質、PTPRK、K−ras、N−ras、トリオースリン酸イソメラーゼ(Triosephosphate isomeras)、Bage−1、Gage 3、4、5、6、7、GnTV、Herv−K−mel、Lage−1、Mage−A1、2、3、4、6、10、12、Mage−C2、NA−88、NY−Eso−1/Lage−2、SP17、SSX−2、およびTRP2−Int2、MelanA(MART−I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP−1、TRP−2、MAGE−1、MAGE−3、BAGE、GAGE−1、GAGE−2、p15(58)、CEA、RAGE、NY−ESO(LAGE)、SCP−1、Hom/Mel−40、PRAME、p53、H−Ras、HER−2/neu、BCR−ABL、E2A−PRL、H4−RET、IGH−IGK、MYL−RAR、エプスタインバーウイルス抗原、EBNA、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7、TSP−180、MAGE−4、MAGE−5、MAGE−6、p185erbB2、p180erbB−3、c−met、nm−23H1、PSA、TAG−72−4、CA 19−9、CA 72−4、CAM17.1、NuMa、K−ras、β−カテニン、CDK4、Mum−1、p16、TAGE、PSMA、PSCA、CT7、テロメラーゼ、43−9F、5T4、791Tgp72、α−フェトプロテイン、13HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15−3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA−50、CAM43、CD68/KP1、CO−029、FGF−5、G250、Ga733(EpCAM)、HTgp−175、M344、MA−50、MG7−Ag、MOV18、NB/70K、NY−CO−1、RCAS1、SDCCAG16、TA−90(Mac−2結合タンパク質シクロフィリンC関連タンパク質)、TAAL6、TAG72、TLP、ならびにTPSなどの腫瘍関連または腫瘍特異的抗原を含むが、これらに限定されない腫瘍抗原とすることができる。

0154

4.他の活性薬剤
送達ビヒクルの中に負荷することができる、その表面に結合することができる、および/もしくはその内に密封することができるまたはナノ粒子組成物と組み合わせて投与することができる他の活性薬剤には、治療薬、栄養補助薬(nutritional agent)、診断薬、および予防薬が含まれる。活性薬剤は、小分子の活性薬剤または生体高分子(タンパク質、ポリペプチド、または核酸など)であり得る。適切な小分子活性薬剤には、有機化合物および有機金属化合物が含まれる。小分子活性薬剤は、親水性、疎水性、または両親媒性の化合物であり得る。

0155

例示的な診断薬には、常磁性分子、蛍光化合物磁性分子、および放射性核種、X線造影剤、および造影剤が含まれる。

0156

一定の実施形態では、送達ビヒクルは1種またはそれより多くの抗癌剤を含む。代表的な抗癌剤には、アルキル化剤シスプラチンカルボプラチンオキサリプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシルダカルバジンロムスチンカルムスチンプロカルバジン、クロラムブシル、およびイフォスファミドなど)、代謝拮抗物質フルオロウラシル(5−FU)、ゲムシタビンメトトレキサートシトシンアラビノシドフルダラビン、およびフロクスウリジンなど)、抗有糸分裂薬タキサンパクリタキセルおよびドセタキセル(docetaxel)など)およびビンカアルカロイドビンクリスチンビンブラスチンビノレルビン、およびビンデシンなど)が含まれる)、アントラサイクリン(ドキソルビシン、ダウノルビシンバルルビシンイダルビシンエピルビシン、およびアクチノマイシンアクチノマイシンDなど)が含まれる)、細胞傷害性抗生物質(マイトマイシンプリカマイシン、およびブレオマイシンが含まれる)、トポイソメラーゼインヒビター(カンプトセシン(カンプトセシン、イリノテカン、およびトポテカンなど)およびエピポフィトキシンの誘導体(アムサクリンエトポシド、エトポシドホスファート、およびテニポシドなど)が含まれる)、血管内皮成長因子VEGF)に対する抗体(ベバシズマブアバスチン(登録商標)など)、他の抗VEGF化合物サリドマイド(サロミド(登録商標))およびその誘導体(レナリドマイドレブリミド(登録商標))など);エンドスタチンアンギオスタチン受容体チロシンキナーゼRTK)インヒビター(スニチニブ(スーテント(登録商標))など);チロシンキナーゼインヒビターソラフェニブ(ネクサバール(登録商標))、エルロチニブタルセバ(登録商標))、パゾパニブアキシチニブ、およびラパチニブなど);トランスフォーミング成長因子−αインヒビターまたはトランスフォーミング成長因子−βインヒビター、および上皮成長因子受容体に対する抗体(パニツムマブ(ベクチビックス(登録商標))およびセツキシマブエルタックス(登録商標)など))が含まれるが、これらに限定されない。

0157

好ましい実施形態、特に、癌を処置するための実施形態では、1つまたはそれを超える活性薬剤が、免疫シグナル伝達特性を有する化学療法剤とすることができる。

0158

5.ターゲティング成分
1つまたはそれを超えるターゲティング成分(本明細書においてターゲティング分子とも呼ばれる)は、送達ビヒクルの中に負荷することができる、その表面に結合することができる、および/またはその内に密封することができる。好ましくは、ターゲティング成分は、送達ビヒクルの外部表面上に表示される。

0159

例示的な標的分子には、器官、組織、細胞、または細胞外基質、または特定の型の腫瘍もしくは感染細胞に会合する1種またはそれより多くの標的に結合するタンパク質、ペプチド、核酸、脂質、サッカリド、またはポリサッカリドが含まれる。標的ビヒクルがターゲティングする特異性の程度を、適切な親和性および特異性を有するターゲティング分子の選択によって調整することができる。例えば、抗体は非常に特異的である。これらの抗体は、ポリクローナル抗体モノクローナル抗体フラグメント組み換え抗体、または単鎖抗体であり得、これらの多くは市販されているか、標準的な技術を使用して容易に得られる。抗原提示細胞が結合するT細胞特異的分子および抗原ならびに腫瘍ターゲティング分子を、ナノリポゲル表面および/またはホスト分子に結合することができる。ターゲティング分子を、粒子の表面上に存在する1種またはそれより多くのPEG鎖の末端に結合体化することができる。

0160

いくつかの実施形態では、ターゲティング成分が、悪性細胞(例えば腫瘍抗原)上に専ら存在するか、または上昇した量で存在する腫瘍マーカーを特異的に認識する抗体またはその抗原結合断片である。目的の細胞および組織にナノ粒子を誘導するために使用することができる適切なターゲティング分子ならびに標的分子のナノ粒子への結合体化方法は当該分野で公知である。例えば、Ruoslahti,ら、Nat.Rev.Cancer,2:83−90(2002)を参照のこと。抗体などの抗原結合分子により標的にすることができる例示的な腫瘍抗原は、ワクチン抗原に関して上記に議論される。

0161

ターゲティング分子はまた、ニューロピリンならびに内皮ターゲティング分子、インテグリン、セレクチン、および接着分子を含むことができる。

0162

いくつかの実施形態では、ターゲティング成分が、抗原提示細胞(APC)に、特に樹状細胞として知られているAPCのサブクラスに粒子を向ける。樹状細胞は、エンドサイトーシスを媒介することができる多くの細胞表面受容体を発現する。全身に分布する抗原提示細胞上の内部移行表面分子外因性抗原を向けることにより、粒子の取込みを促進し、療法における重大な律速段階を改善する。

0163

樹状細胞ターゲティング分子は、樹状細胞の表面上に表示されるエピトープを認識し、結合するモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体またはその断片を含む。樹状細胞ターゲティング分子はまた、樹状細胞上の細胞表面受容体に結合するリガンドも含む。あるそのような受容体、レクチンDEC−205は、体液性(抗体ベース)および細胞性(CD8 T細胞)応答を2〜4桁押し上げるためにin vitroでおよびマウスにおいて使用されてきた(Hawigerら、J.Exp.Med.,194(6):769−79(2001);Bonifazら、J.Exp.Med.,196(12):1627−38(2002);Bonifazら、J.Exp.Med.,199(6):815−24(2004))。これらの実験では、抗原が、抗DEC205重鎖に融合され、組み換え抗体分子が、免疫に使用された。

0164

マンノース特異的レクチン(マンノース受容体)およびIgGFc受容体を含む様々な他のエンドサイトーシス受容体もまた、この方法で標的にされ、抗原提示効率が同様に増強した。標的にされてもよい他の適した受容体は、DC−SIGN、33D1、SIGLEC−H、DCIR、CD11c、熱ショックタンパク質受容体、およびスカベンジャー受容体を含むが、これらに限定されない。

0165

標的にされてもよい他の受容体は、toll様受容体(TLR)を含む。TLRは、病原体関連分子パターン(PAMP)を認識し、結合する。PAMPは、樹状細胞の表面上のTLRを標的にし、内部に信号を送り、それによって、DC抗原取込み、成熟、およびT細胞刺激性の能力を可能性として増加させる。粒子表面にコンジュゲートされたまたは同時カプセル化されたPAMPは、非メチル化CpG DNA(細菌)、二本鎖RNA(ウイルス)、リポポリサッカリド(lipopolysacharride)(細菌)、ペプチドグリカン(細菌)、リポアラビノマンナン(lipoarabinomannin)(細菌)、ザイモサン酵母)、MALP−2(細菌)などのマイコプラズマリポタンパク質フラジェリン(細菌)、ポリ(イノシン−シチジル)酸(細菌)、リポタイコ酸(細菌)、またはイミダゾキノリン(合成)を含む。

0166

ターゲティング分子は、当該分野で公知である様々な方法を使用して送達ビヒクルに共有結合することができる。好ましい実施形態では、ターゲティング成分が、PEG化またはビオチン−アビジンブリッジによって送達ビヒクルに結合される。

0167

a.CD40アゴニスト
特定の実施形態では、ターゲティング成分が、CD40を標的にする。成分は、CD40アゴニストとすることができる。細胞表面分子CD40は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーであり、免疫、造血、血管、上皮、および広範囲の腫瘍細胞を含む他の細胞によって広く発現される。Vonderheide、Clin Cancer
Res,13(4):1083−1088(2007)。癌療法のための可能性として考えられる標的として、CD40は、免疫活性化の間接的な効果および腫瘍に対する直接的な細胞傷害効果の両方を通して腫瘍後退を媒介してもよく、「1つで2つの」CD40アゴニストの作用メカニズムをもたらす。CD40アゴニストは、当該分野で公知であり、Vonderheide、Clin Cancer Res,13(4):1083−1088(2007)において概説される。例示的なアゴニストには、組み換えCD40L(組み換えヒト三量体)、CD−870、893(完全ヒトIgG2 mAb)、SGN−40(ヒト化IgG1)、およびHCD 122(完全ヒトIgG1 mAb)が含まれるが、これらに限定されない。可溶性アゴニストCD40抗体は、T細胞媒介性免疫のマウスモデルにおいてCD4+リンパ球によって提供されるT細胞の支援の代わりをすることが示された(Khalilら、Update Cancer Ther.,2:61−65(2007))。好ましい実施形態では、ターゲティング成分が、アゴニスト抗CD40抗体、CD40リガンド、またはその抗原結合断片である。

0168

b.インテグリンリガンド
別の実施形態では、ターゲティング成分が、インテグリンに対するリガンドである。研究により、インテグリンが、腫瘍細胞の表面上に過剰発現され、したがって、腫瘍細胞および正常細胞を識別するマーカーとして果たすことができることが示される。あるインテグリンはまた、細胞外経路を通してTGF−βも活性化する。潜在型TGF−βが腫瘍細胞から放出された後、それは、腫瘍細胞の表面上のインテグリンと結合して、潜在型TGF−βの活性化に至る。腫瘍微小環境におけるTGF−β濃度の増加により、免疫抑制が支持され、調節性T細胞を腫瘍環境に動員する。

0169

RGDペプチドは、二重の機能を果たすことができる:それは単に典型的なインテグリンを標的にするリガンドだけではなく(Ruoslahti E.ら、Annu.Rev.Cell Dev.Biol.,12:697−715(1996))、免疫危険シグナルとしても果たし、APCを活性化する(Altincicekら、Biol Chem.,390,1303−11(2009))。したがって、好ましい実施形態では、RGDペプチドが、送達ビヒクルの中に負荷される、その表面に結合される、および/またはその内に密封される。

0170

c.p53抗原を認識するT細胞受容体
特定の実施形態では、ターゲティング成分が、ヒトMHCに関連するp53抗原を認識するT細胞受容体(TCR)である。アルファ、ベータ鎖またはガンマデルタ鎖から構成されるT細胞受容体(α/βTCRまたはγ/δTCR)を含む、細菌、真核生物、または酵母細胞に由来するT細胞受容体組み換えタンパク質。例えば、アカゲザルTCRα(TCRAR2 5’CCC0GGCCACTTTCAGGAGGAGG−3’)(配列番号1)およびβ(TCRBR 5’−GTCCTGTCTGCAC−CATCCTC−3’)(配列番号2)に由来する完全長外部ドメイン保存配列

0171

d.IL−15/IL15Rα
別の実施形態では、ターゲティング成分は、IL−15/IL15Rα複合体である。インターロイキン−15(IL−15)は、IL−2とある受容体サブユニットを共有し、したがって、いくつかのオーバーラップする作用メカニズムを有するサイトカインである。IL−15は、樹状細胞によって発現され、ナチュラルキラー(NK)細胞の増殖およびプライミング(priming)の重要なシグナルを提供する。したがって、IL−15/IL−15Rα複合体は、例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞にナノ粒子組成物を向けるために使用することができる。
ヒトIL−15:
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAG IHVFILGCFSGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHID ATLYTESDVH PSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILNNSLSSNGNVTE SGCKECEELE EKNIKEFLQSFVHIVQMFIN TS(配列番号3)
ヒトIL−15受容体:
MAPRRARGRTLGLPALLLLLLLRPPATRGICPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIPGSQLPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTSASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL(配列番号4)

0172

C.ホスト分子
ホスト分子は、活性薬剤と可逆的に会合して複合体を形成する分子または材料である。可逆的に活性薬剤と複合体を形成する能力のために、ホスト分子は複合体化した活性薬剤のin vivoでの放出を調節するように機能することができる。

0173

いくつかの場合、ホスト分子は、活性薬剤と包接複合体を形成する分子である。包接複合体は、活性薬剤(すなわち、ゲスト)または活性薬剤の一部が別の分子、分子群、または材料(すなわち、ホスト)の空隙内に挿入された場合に形成される。典型的には、ゲスト分子は、宿主枠組みや構造に影響を及ぼすことなくホスト分子と会合する。例えば、包接複合体の場合、ホスト分子中利用可能な空隙のサイズおよび形状は、複合体形成の結果として実質的に不変である。

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