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技術 石膏発泡体及び石膏発泡体パック

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 二村高博戸野正樹千菅太一
出願日 2018年10月29日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-203177
公開日 2020年5月7日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-070820
状態 未査定
技術分野 熱絶縁 積層体(2)
主要キーワード 固形成分含有量 デュロメータ硬度計 非イオン性樹脂 陽イオン性樹脂 塩化ビニル系樹脂エマルジョン 建材パネル フーラ 石膏粉
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

断熱性に優れた石膏発泡体及びそれを用いた石膏発泡体パックを提供する。

解決手段

断熱性の改善のために、内部の空隙に希ガス及び二酸化炭素よりなる群から選ばれる断熱性ガス充填されるよう発泡させた石膏発泡体、および前記石膏発泡体を合成樹脂フィルムからなるガスバリアフィルムによって被覆しつつ密封されている石膏発泡体パックと、前記石膏発泡体の製造方法。

概要

背景

石膏を含有する水硬性結合材に用途に応じた性能を持たせるために、結合材の添加成分及びその配合量が工夫されている。石膏を含有する水硬性結合材を例えば建築材料に使用する場合には、高い断熱性が要求されることがある。しかしながら、従来は断熱性についてはほとんど取り組まれていない。

建築材料の芯材に石膏を含有する水硬性結合材を適用する場合には、通常、石膏を含有する水硬性結合材中にグラスウール又はウレタンフォームを含ませることによって断熱性を向上させている。特に、ウレタンフォームを含ませていることが多い(例えば、特許文献1参照)。

概要

断熱性に優れた石膏発泡体及びそれを用いた石膏発泡体パックを提供する。断熱性の改善のために、内部の空隙に希ガス及び二酸化炭素よりなる群から選ばれる断熱性ガス充填されるよう発泡させた石膏発泡体、および前記石膏発泡体を合成樹脂フィルムからなるガスバリアフィルムによって被覆しつつ密封されている石膏発泡体パックと、前記石膏発泡体の製造方法。

目的

本発明は、以上のような課題を解決しようとするものであり、断熱性に優れた石膏発泡体及びそれを用いた石膏発泡体パックを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

空隙に断熱性ガス充填されている、石膏発泡体

請求項2

前記空隙の総体積を100体積%として、50体積%以上に前記断熱性ガスが充填されている、請求項1に記載の石膏発泡体。

請求項3

前記断熱性ガスが、希ガス及び二酸化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の石膏発泡体。

請求項4

石膏、起泡成分及び強度保持成分を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の石膏発泡体。

請求項5

前記起泡成分が界面活性剤である、請求項4に記載の石膏発泡体。

請求項6

前記強度保持成分が樹脂エマルジョンである、請求項4又は5に記載の石膏発泡体。

請求項7

比重が0.30g/cm3以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の石膏発泡体。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の石膏発泡体をガスバリアフィルムによって被覆しつつ密封されている、石膏発泡体パック

請求項9

前記ガスバリアフィルムで覆われた内部の圧力が5000〜50000Paである、請求項8に記載の石膏発泡体パック。

請求項10

前記ガスバリアフィルムが、プラスチックフィルムである、請求項8又は9に記載の石膏発泡体パック。

請求項11

請求項12

請求項1〜7のいずれか1項に記載の石膏発泡体の製造方法であって、(A1)前記石膏発泡体を前記ガスバリアフィルムの内部に投入する工程、及び(A2)前記ガスバリアフィルムの内部に充填されている気体の全部又は一部を前記断熱性ガスで置換する工程を備える、製造方法。

請求項13

請求項8〜11のいずれか1項に記載の石膏発泡体パックの製造方法であって、(A1)前記石膏発泡体を前記ガスバリアフィルムの内部に投入する工程、(A2)前記ガスバリアフィルムの内部に充填されている気体の全部又は一部を前記断熱性ガスで置換する工程、及び(A3)前記ガスバリアフィルムで覆われた内部の圧力が5000〜50000Paとなるように前記ガスバリアフィルム内部の気体を吸引して密封する工程を備える、製造方法。

技術分野

0001

本発明は、石膏発泡体及び石膏発泡体パックに関する。

背景技術

0002

石膏を含有する水硬性結合材に用途に応じた性能を持たせるために、結合材の添加成分及びその配合量が工夫されている。石膏を含有する水硬性結合材を例えば建築材料に使用する場合には、高い断熱性が要求されることがある。しかしながら、従来は断熱性についてはほとんど取り組まれていない。

0003

建築材料の芯材に石膏を含有する水硬性結合材を適用する場合には、通常、石膏を含有する水硬性結合材中にグラスウール又はウレタンフォームを含ませることによって断熱性を向上させている。特に、ウレタンフォームを含ませていることが多い(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2016−003502号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、グラスウール等の繊維材料透湿抵抗が低く、湿気により脱離しやすいために、断熱性を維持することが困難である。また、ウレタンフォームを使用した場合は防火性に劣るため建材パネルには使用しにくいうえに、透湿防水シートに吹き付けることが多く内部結露発生及び通気層閉塞が生じ得る。

0006

このような状況下、本発明者らは、水硬性結合材に断熱性や軽量性をもたせるために水硬性結合材を発泡させた石膏発泡体を建築材料の芯材として使用する試みを行っている。石膏発泡体は、通常、石膏や起泡成分等を含む混和剤組成物大気圧下で混合することで発泡させているため、その内部の空隙には空気が充填されていることが多い。そうすると、断熱性の改善のために発泡させているものの、その空隙内に充填される気体が必ずしも断熱性に優れているとは言い切れないため、断熱性には改善の余地がある。

0007

本発明は、以上のような課題を解決しようとするものであり、断熱性に優れた石膏発泡体及びそれを用いた石膏発泡体パックを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、空隙に断熱性ガスを充填することで上記の課題を解決し、断熱性に優れた石膏発泡体及び石膏発泡体パックが得られることを見出した。本発明者らは、このような知見に基づきさらに研究を重ね本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の態様を包含する。
項1.空隙に断熱性ガスが充填されている、石膏発泡体。
項2.前記空隙の総体積を100体積%として、50体積%以上に前記断熱性ガスが充填されている、項1に記載の石膏発泡体。
項3.前記断熱性ガスが、希ガス及び二酸化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、項1又は2に記載の石膏発泡体。
項4.石膏、起泡成分及び強度保持成分を含む、項1〜3のいずれか1項に記載の石膏発泡体。
項5.前記起泡成分が界面活性剤である、項4に記載の石膏発泡体。
項6.前記強度保持成分が樹脂エマルジョンである、項4又は5に記載の石膏発泡体。
項7.比重が0.30g/cm3以下である、項1〜6のいずれか1項に記載の石膏発泡体。
項8.項1〜7のいずれか1項に記載の石膏発泡体をガスバリアフィルムによって被覆しつつ密封されている、石膏発泡体パック。
項9.前記ガスバリアフィルムで覆われた内部の圧力が5000〜50000Paである、項8に記載の石膏発泡体パック。
項10.前記ガスバリアフィルムが、プラスチックフィルムである、項8又は9に記載の石膏発泡体パック。
項11.前記ガスバリアフィルムが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体ポリビニルアルコールポリ塩化ビニリデンポリアミドポリエステルポリアクリロニトリル塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体アクリロニトリルメチルメタアクリレートブタジエン共重合体ナイロン6二軸延伸ナイロン二軸延伸ポリエチレンテレフタレート二軸延伸ポリプロピレン高密度ポリエチレン、及びアイオノマー樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の合成樹脂から構成される合成樹脂フィルムを含有する、項8〜10のいずれか1項に記載の石膏発泡体パック。項12.項1〜7のいずれか1項に記載の石膏発泡体の製造方法であって、
(A1)前記石膏発泡体を前記ガスバリアフィルムの内部に投入する工程、及び
(A2)前記ガスバリアフィルムの内部に充填されている気体の全部又は一部を前記断熱性ガスで置換する工程
を備える、製造方法。
項13.項8〜11のいずれか1項に記載の石膏発泡体パックの製造方法であって、
(A1)前記石膏発泡体を前記ガスバリアフィルムの内部に投入する工程、
(A2)前記ガスバリアフィルムの内部に充填されている気体の全部又は一部を前記断熱性ガスで置換する工程、及び
(A3)前記ガスバリアフィルムで覆われた内部の圧力が5000〜50000Paとなるように前記ガスバリアフィルム内部の気体を吸引して密封する工程
を備える、製造方法。

発明の効果

0009

本発明によれば、断熱性に優れた石膏発泡体及び石膏発泡体パックを提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた石膏発泡体パックの比重及び熱伝導率を示すグラフである。▲は実施例、■は比較例を意味する。

0011

本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲をA〜Bで表記する場合、A以上B以下を示す。

0012

1.石膏発泡体
本発明の石膏発泡体は、空隙に断熱性ガスが充填されている。

0013

石膏発泡体は、断熱性、耐火性及び軽量性に優れている。石膏発泡体は、通常、石膏や起泡成分等を含む混和剤組成物を大気圧下で混合することで発泡させているため、その内部の空隙には空気が充填されていることが多い。そうすると、断熱性の改善のために発泡
させているものの、その空隙内に充填される気体が必ずしも断熱性に優れているとは言い切れない。本発明では、空隙に断熱性ガスが充填されていることにより、断熱性をさらに向上させることができる。

0014

(1−1)基材としての石膏発泡体(物理発泡
石膏発泡体は、特に制限されるわけではないが、石膏、起泡成分及び強度保持成分を含むことが好ましい。これにより、熱伝導率が低く断熱性、耐火性及び軽量性を向上させることができる。このような石膏発泡体は、石膏を含有する水硬性結合材であり、石膏、起泡成分、強度保持成分及び水を含む混和剤組成物の硬化体とすることが好ましい。このような石膏発泡体は、例えば、上記混和剤組成物から水分を除去して硬化させることで得ることができる。

0015

石膏
石膏は硫酸カルシウムとして理解され、石膏としては、無水石膏半水石膏二水石膏等が挙げられる。これらの石膏は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。石膏を用いることで、石膏発泡体に優れた断熱性、耐火性及び硬度を付与することが可能である。本発明では、石膏や起泡成分等を配合することにより、石膏発泡体自体の組成中には半水石膏が存在しやすい。この場合、炎があっても半水石膏に存在する水が蒸発することで延焼を防ぎ耐火性を発現することが可能である。

0016

起泡成分
起泡成分は、石膏発泡体を軽量化しつつ、成形性及び断熱性を高めるために添加することが好ましい。また、起泡成分の含有量を調整することにより、得られる石膏発泡体を成形しやすくするとともに、断熱性及び耐火性を向上させることができる。

0017

起泡成分としては、特に制限されないが、界面活性剤が好ましい。界面活性剤としては、例えば、イオン性界面活性剤非イオン性界面活性剤等が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、例えば、陰イオン性界面活性剤陽イオン性界面活性剤両性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。イオン性界面活性剤の中でも、後述の強度保持成分、特には樹脂エマルジョンと同じ電荷であり互いの作用を相殺しにくい点で、陰イオン性界面活性剤が好ましい。

0018

陰イオン性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩アルキル硫酸エステル塩アルキルエーテル硫酸塩アルキルベンゼンスルホン酸塩脂肪酸塩ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、起泡性が特に高く、且つ特に安価である点で好ましい。これらの陰イオン性界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。

0019

陽イオン性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの陽イオン性界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。

0020

両性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルベタインアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。これらの両性界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。

0022

起泡成分は、通常、固形成分に加えて液体成分(水等)を含んでいることが多い。この場合の起泡成分の固形分含有率は、15〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。

0023

石膏発泡体中の起泡成分の含有量は特に限定されないが、固形成分の含有量は、石膏100質量部に対して0.04〜1.2質量部であることが好ましく、0.1〜1質量部であることがより好ましい。この範囲とすることにより、コストを過度に高くすることなく、より十分に起泡させて成形性、断熱性及び耐火性をより向上させるとともに、より軽量化させることができる。なお、上記の含有量は、石膏発泡体中の起泡成分の含有量(固形成分含有量)であるが、その原料である混和剤組成物中の起泡成分の含有量(固形成分含有量)も同様とすることが好ましい。

0024

強度保持成分
強度保持成分は、石膏組成物の硬度(強度)を保持しつつ流動性、成形性及び断熱性を高めるために添加することが好ましい。

0025

強度保持成分としては、特に制限されないが、樹脂エマルジョンが好ましい。樹脂エマルジョンは、水又は水性溶媒中に樹脂を分散させたものであり、公知の方法、例えば乳化剤による乳化重合法又は超音波乳化法等で合成したものを用いることもでき、市販品を使用することもできる。このような樹脂エマルジョンとしては、消泡剤が包含されているものも存在するが、十分に発泡させて流動性及び断熱性をより高める観点からは、消泡剤が包含されていないものが好ましい。ただし、少量であれば、消泡剤が包含されている樹脂エマルジョンを使用することも可能である。

0026

このような樹脂エマルジョンとしては、イオン性樹脂エマルジョン及び非イオン性樹脂エマルジョンのいずれも採用でき、イオン性樹脂エマルジョン及び非イオン性樹脂エマルジョンを組合せて使用することもできる。イオン性樹脂エマルジョンとしては、陰イオン性樹脂エマルジョン及び陽イオン性樹脂エマルジョンのいずれも採用でき、陰イオン性樹脂エマルジョン及び陽イオン性界面活性剤を組合せて使用することもできる。イオン性樹脂エマルジョンの中でも、起泡成分と同じ電荷であり互いの作用を相殺しにくい点で、陰イオン性樹脂エマルジョンが好ましい。

0027

陰イオン性樹脂エマルジョンの例としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニルアクリル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン等が挙げられる。なお、「〜系樹脂エマルジョン」とは、「〜系」の前の樹脂を含有するエマルジョンを意味する。アクリル系樹脂エマルジョンは、起泡を阻害しにくく断熱性が特に高い点で好ましい。これらの陰イオン性樹脂エマルジョンは、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。

0028

陽イオン性樹脂エマルジョンの例としては、例えば、アクリル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらの陽イオン性樹脂エマルジョンは、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いること
もできる。

0029

非イオン性樹脂エマルジョンの例としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系樹脂エマルジョン等が挙げられる。これらの非イオン性樹脂エマルジョンは、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。

0030

強度保持成分は、通常、固形成分に加えて液体成分(水等)を含んでいることが多い。この場合の強度保持成分の固形分含有率は、20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。

0031

石膏発泡体中の強度保持成分の含有量は特に限定されないが、固形成分の含有量は、石膏100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。この範囲とすることにより、コストを過度に高くすることなく、より十分に起泡させて成形性、断熱性及び耐火性をより向上させるとともに、より軽量化させることができる。なお、上記の含有量は、石膏発泡体中の強度保持成分の含有量(固形成分含有量)であるが、その原料である混和剤組成物中の強度保持成分の含有量(固形成分含有量)も同様とすることが好ましい。

0032


混和剤組成物中の水の含有量(起泡成分及び強度保持成分中の水も含めた含有量)は特に限定されないが、石膏100質量部に対して50〜300質量部であることが好ましく、100〜250質量部であることがより好ましい。この範囲とすることにより、石膏と混和しやすくダマになりにくく、石膏が沈殿しにくく、得られる石膏発泡体の強度がより向上し水硬性を発現しやすいとともに成形性もより向上させることができる。

0033

混和剤組成物
上記した石膏発泡体の原料である混和剤組成物は、好ましい一実施形態では、石膏100質量部に対して、起泡成分を固形分で0.04〜1.2質量部、強度保持成分を固形分で1〜30質量部、水を起泡成分及び強度保持成分中の水も含めて50〜300質量部含有することが好ましい。さらに好ましい一実施形態では、混和剤組成物は、石膏100質量部に対して、起泡成分を固形分で0.1〜1質量部、強度保持成分を固形分で3〜20質量部、水を起泡成分及び強度保持成分中の水も含めて100〜250質量部含有することが好ましい。

0034

以上のような構成の混和剤組成物を用いて石膏発泡体を製造した場合には、より軽量で特に高い断熱性と特に高い硬度(強度)と特に高い耐火性とを兼ね備えた石膏発泡体を得ることができる。

0035

混和剤組成物には、上記以外の成分をさらに含んでいてもよく、そのような成分として、セメント骨材、繊維等が挙げられる。骨材としては砂、砕砂砂利砕石等が挙げられる。セメント及び骨材を添加することにより、石膏発泡体の強度をより高めることができる。

0036

また、そのような成分として無機充填剤分散剤水溶性高分子AE剤遅延剤、早強剤、促進剤、発泡剤、消泡剤、防水剤防錆剤着色剤防黴剤ひびわれ低減剤膨張剤繊維類染料顔料等の添加剤が挙げられる。これらは単独で使用することもでき、2種以上を組合せて使用することもできる。

0037

このような混和剤組成物は、石膏発泡体の作製キットとして使用することができる。こ
の場合、石膏、起泡成分、強度保持成分及び水は、別々に包装して提供することもできるし、起泡成分及び強度保持成分を水に溶解させて提供することもできる。

0038

基材としての石膏発泡体
上記した混和剤組成物を形成する場合、各成分の添加順序は特に制限されず、同時に添加することもでき、逐次的に添加することもできる。なかでも、各原料を添加中に反応が進行しにくくする(石膏は水等と触れた瞬間から反応が進行する)ため、水、起泡成分、強度保持成分及び石膏の順に添加することが好ましい。また、石膏の自重を考慮しても石膏を沈殿しにくくするため、途中段階では混合せず、全ての成分を添加した後に、ミキサー等の公知の混合装置により混合することが好ましい。混合は、石膏粉飛散しにくくするため、低い強度で予備混合した後に、高い強度で本撹拌することが好ましい。添加及び混合の好ましい圧力は大気圧であり、好ましい温度は15〜60℃である。また、混合時間は、混和剤組成物の質量によって適宜設定することが好ましい。

0039

このようにして得た混合物(混和剤組成物)から水分を除去して硬化させることにより、石膏発泡体を得ることができる。硬化条件は特に制限されず、例えば、15〜100℃、特に20〜80℃で1〜48時間、特に2〜36時間とすることができる。このようにして得られる石膏発泡体は、軽量で、且つ、優れた断熱性、硬度(強度)、不燃性及び耐火性を有することができる。また、このようにして得られた石膏発泡体の比重は0.30g/cm3未満とすることができる。比重は、断熱性の観点からは好ましくは0.25g/cm3以下、より好ましくは0.20g/cm3以下とすることができる。なお、石膏発泡体の比重の下限値は特に制限はないが、通常0.01g/cm3程度である。一方、硬度(強度)の観点からは、好ましくは0.10〜0.29g/cm3、より好ましくは0.15〜0.28g/cm3とすることもできる。この範囲とすることにより、断熱性、不燃性及び耐火性をさらに向上させることができる。また、石膏発泡体の熱伝導率は特に限定されないが、好ましくは0.2W/mK未満、より好ましくは0.1W/mK未満である。この範囲とすることにより、断熱性、不燃性及び耐火性をさらに向上させることができる。

0040

(2−2)基材としての石膏発泡体(化学発泡
石膏組成物は、石膏、水、強度保持成分、発泡剤及び無機酸を含有する構成とすることもできる。これにより、熱伝導率が低く断熱性、耐火性及び軽量性を向上させることができる。このような石膏発泡体は、石膏を含有する水硬性結合材であり、石膏、水、強度保持成分、発泡剤及び無機酸を含む混和剤組成物の硬化体とすることが好ましい。このような石膏発泡体は、例えば、上記混和剤組成物から水分を除去して硬化させることで得ることができる。

0041

石膏、水及び強度保持成分としては、上記したものを採用できる。好ましい具体例及び含有量も同様である。なお、水の含有量は、強度保持成分、無機酸及び起泡成分中の水も含めた含有量として上記範囲内になるように調整することが好ましい。

0042

また、上記した発泡剤及び酸により化学発泡させることができるが、さらに、起泡成分を、石膏組成物の軽量化及び断熱性をさらに高めるために添加してもよい。この起泡成分としては、上記したものを採用できる。好ましい具体例及び含有量も同様である。

0043

発泡剤
発泡剤としては、特に制限はなく種々様々な発泡剤を使用することができ、例えば、アゾ化合物無機炭酸塩等が挙げられる。

0044

アゾ化合物としては、例えば、ジニトロペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボン
ミド、アゾビスホルムアミドアゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。

0045

無機炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩炭酸カルシウム炭酸マグネシウム炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等が挙げられる。これらの無機炭酸塩は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。

0046

これらのなかでも、アゾ化合物を使用することにより、石膏発泡体における発泡セルが均一で極めて微細且つ緻密となるため発泡による硬度低下を特に抑制することができる。また、その他、発泡剤としてアゾ化合物を使用した場合には、発泡倍率をより高め比重をより低くしてさらに軽量化するとともに、熱伝導率もさらに低くして断熱性をより高めることも可能である。なお、石膏発泡体の発泡倍率、比重及び熱伝導率については、発泡剤の含有量を調整することにより、得られる石膏発泡体の比重を所望の範囲に設定することもできる。

0047

発泡剤の含有量は特に限定されないが、石膏100質量部に対して0.5〜3質量部が好ましく、1〜2.5質量部がより好ましい。発泡剤の含有量をこの範囲とすることにより、より十分に発泡させて成形性、比重及び発泡倍率をより向上させるとともに、熱伝導率をより小さくして断熱性をさらに向上させ、発泡セルをより均一でより微細且つ緻密として硬度の低下をより抑制することができる。なお、上記の含有量は、混和剤組成物中の発泡剤の含有量であるが、混和剤組成物を用いた石膏発泡体中の発泡剤の含有量も同様とすることが好ましい。

0048

無機酸
無機酸を含有することにより、発泡倍率及び比重を高めより軽量化するとともに、熱伝導率をより小さくして断熱性をより向上させることができるとともに硬度の低下も抑制できる。また、無機酸の含有量を調整することにより、得られる石膏発泡体の比重、発泡倍率及び熱伝導率を所望の範囲に設定することもできる。

0049

無機酸としては、特に制限はなく、例えば、塩酸硫酸硝酸リン酸ホウ酸フッ化水素酸等が挙げられる。これらの無機酸は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。なかでも、無機酸としては、乾燥後に残りにくく混和剤組成物を中性領域とすることができ、発泡倍率及び比重をより高めより軽量化するとともに、熱伝導率もより小さくして断熱性をより向上させることができる観点から、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等が好ましく、塩酸がより好ましい。

0050

無機酸の含有量は特に限定されないが、石膏100質量部に対して0.3〜5質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。無機酸の含有量をこの範囲とすることにより、より十分に発泡させて成形性、比重及び発泡倍率をより向上させてより軽量化しつつ、熱伝導率もより小さくして断熱性をより向上させるとともに、発泡セルをより均一でより微細且つ緻密として硬度の低下をより抑制することができる。なお、無機酸として水溶液を使用する場合は、当該水溶液中の固形分の含有量を意味する。また、上記の含有量は、混和剤組成物中の無機酸の含有量であるが、石膏発泡体中の無機酸の含有量も同様とすることが好ましい。

0051

混和剤組成物
好ましい一実施形態において、混和剤組成物は、石膏100質量部に対して、水50〜300質量部、強度保持成分(固形分)1〜30質量部、発泡剤0.5〜3質量部、無機酸(固形分)0.3〜5質量部、起泡成分(固形分)0〜1.2質量部(特に0.04〜
1.2質量部)を含有する。さらに好ましい一実施形態において、混和剤組成物は、石膏100質量部に対して、水100〜250質量部、強度保持成分(固形分)3〜20質量部、発泡剤1〜2.5質量部、無機酸(固形分)0.5〜2質量部、起泡成分0〜1質量部(特に0.1〜1質量部)を含有する。

0052

以上のような構成を採用することにより、より軽量で特に高い断熱性と必要に応じて特に高い硬度(強度)とを兼ね備えた石膏発泡体を得ることができる。

0053

混和剤組成物には、上記以外の成分をさらに含んでいてもよく、そのような成分として、セメント、骨材、繊維等が挙げられる。骨材としては砂、砕砂、砂利、砕石等が挙げられる。セメント及び骨材を添加することにより、石膏発泡体の強度をより高めることができる。

0054

また、そのような成分として無機充填剤、分散剤、水溶性高分子、AE剤、遅延剤、早強剤、促進剤、発泡剤、消泡剤、防水剤、防錆剤、着色剤、防黴剤、ひびわれ低減剤、膨張剤、繊維類、染料、顔料等の添加剤が挙げられる。これらは単独で使用することもでき、2種以上を組合せて使用することもできる。

0055

このような混和剤組成物は、石膏発泡体の作製キットとして使用することができる。この場合、石膏、水、強度保持成分、発泡剤、無機酸及び必要に応じて起泡成分は、別々に包装して提供することもできるし、強度保持成分、発泡剤、無機酸及び必要に応じて起泡成分を水に溶解させて提供することもできる。

0056

基材としての石膏発泡体
石膏発泡体を形成する場合、各種成分は、同時に添加してもよいし、逐次的に添加してもよい。なかでも、水、強度保持成分、無機酸、必要に応じて起泡成分及び任意選択の他の成分の溶液に、石膏及び発泡剤を添加することが好ましい。

0057

混和剤組成物のために準備した水、強度保持成分、発泡剤、無機酸及び必要に応じて起泡成分と、任意選択の他の成分とを、所望の温度及び圧力下で石膏に添加し、例えば室温で攪拌することで化学的に発泡させることができる。この後、加熱してより十分に発泡させるとともに成形することも可能である。なお、機械攪拌は必ずしも必要ではないが、混和剤組成物を均一に混合するために、化学発泡の前に、ミキサー等の公知の混合装置により短時間(例えば1〜5分程度)混合してもよい。添加、加熱及び混合の好ましい圧力は大気圧である。

0058

混合物は樹脂、金属等の型に流し入れ、板状等の所望の形状とし、混和剤組成物を得ることができ、さらに攪拌により発泡させ、必要に応じて乾燥及び加熱させて石膏発泡体を得ることができる。得られた石膏発泡体は、軽量で優れた断熱性と強度を有する。

0059

発泡の際の攪拌は特に制限されず、例えば室温で常法にしたがって行うことができる。

0060

発泡の際の加熱条件は特に制限はなく、より十分に発泡させて成形性、比重及び発泡倍率をより向上させてより軽量化しつつ、熱伝導率もより小さくして断熱性をより向上させるとともに、発泡セルをより均一でより微細且つ緻密として硬度の低下をより抑制することができる観点から、40〜80℃が好ましく、45〜75℃がより好ましい。なお、加熱温度とは、加熱する際の最高到達温度を意味する。また、加熱時間(最高到達温度における維持時間)も特に制限はなく、より十分に発泡させて成形性、比重及び発泡倍率をより向上させてより軽量化しつつ、熱伝導率もより小さくして断熱性をより向上させるとともに、発泡セルをより均一でより微細且つ緻密として硬度の低下をより抑制することがで
きる観点から、1〜72時間が好ましく、2〜48時間がより好ましい。

0061

このようにして得られる石膏発泡体の比重は、0.35g/cm3以下が好ましく、0.1〜0.32g/cm3がより好ましく、0.15〜0.3g/cm3がさらに好ましい。また、石膏発泡体の発泡倍率は2倍より大きいことが好ましく、2.1〜10倍がより好ましく、2.2〜7倍がさらに好ましい。このような比重及び発泡倍率とすることにより、軽量性に特に優れ、熱伝導率を特に低くして断熱性を特に向上させるとともに、硬度の低下も特に抑制することができる。

0062

(1−3)本発明の石膏発泡体
本発明の石膏発泡体は、上記したような物理発泡又は化学発泡による石膏発泡体を基材として、その空隙に断熱性ガスが充填されている。

0063

石膏発泡体において、空隙内部に充填される気体は、物理発泡の場合は通常空気であり、化学発泡の場合はアゾ化合物を発泡剤として使用する場合は窒素ガスであるが、その全部又は一部を断熱性ガスで代替する、つまり、断熱性ガスのみを充填したり、断熱性ガスと空気又は窒素ガスとの混合ガスを充填したりする。これにより、本発明の石膏発泡体の断熱性を飛躍的に向上させることができるとともに、石膏発泡体中の有機成分(強度保持成分、起泡成分等)の酸化も抑制することができる。

0064

使用される断熱性ガスは、再度空気や窒素ガスと置換されにくい観点から、分子量が空気より大きいことが好ましい。つまり、断熱性ガスが希釈されることにより断熱性が低下することも抑制することができる。

0065

このような断熱性ガスとしては、例えば、希ガス(アルゴンクリプトンキセノン等)や二酸化炭素等が挙げられる。このような断熱性ガスを単独で充填することもできるし、2種以上を組合せて充填することもできる。

0066

本発明の石膏発泡体では、上記のとおり、空隙には断熱性ガスのみを充填したり、断熱性ガスと空気又は窒素ガスとの混合ガスを充填したりしている。本発明の石膏発泡体において、空隙中に充填される断熱性ガスの含有量は、特に断熱性を向上する観点から、空隙の総体積を100体積%として、50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましい。

0067

本発明の石膏発泡体は、特に断熱性を向上させたものであり、耐火性、軽量性等にも優れるため、このような性能を必要とする建築材料、耐火性材料等として広く使用することができる。

0068

例えば、本発明の石膏発泡体は、建材パネルに使用することができる。より具体的には、本発明の石膏発泡体は、建材パネルの芯材として使用することができる。

0069

この場合、例えば、裏打ち材の上に、上記した本発明の石膏発泡体を、裏打ち材及び表皮材で挟むことで、本発明の建材パネルを得ることができる。本発明の建材パネルは用途及び求められる断熱性能によって厚みは自由に調整可能できる。

0070

なお、裏打ち材や表皮材と芯材との密着性の観点から、裏打ち材や表皮材と芯材との間に両面テープ接着剤等の他層を介在させることも可能である。また、本発明の建材パネルは、上記方法のみに限定されず、様々な方法で得ることができる。

0071

上記裏打ち材としては、建材パネルに通常使用されるものを使用することができ、例え
ば、アルミニウム紙、アルミニウムライナー紙、アルミニウムラミネートアルミニウム箔、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板ガルバリウム鋼板登録商標))等が挙げ
られる。これらの裏打ち材の厚みは、建材パネルに通常採用される程度とすることができ、例えば、0.1mm〜2.0mmが好ましい。

0072

上記表皮材としては、建材パネルに通常使用されるものを使用することができ、例えば、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))、カラー
ルミニウム板等が挙げられる。これらの表皮材の厚みは、建材パネルに通常採用される程度とすることができ、例えば、0.1mm〜2.0mmが好ましい。

0073

その他、必要に応じて、建材パネルに通常使用される層を形成することも可能であり、例えば、金属サイディングパネルに適用する場合は、表皮材として、ポリエステル樹脂塗装鋼板インクジェット加飾印刷層及び防汚クリアー塗膜層を常法で形成することも可能である。

0074

このようにして得られる本発明の建材パネルは、軽量でありつつ、硬度(強度)、断熱性及び耐火性に優れるものである。

0075

2.石膏発泡体パック
本発明の石膏発泡体パックは、上記した本発明の石膏発泡体をガスバリアフィルムによって被覆しつつ密封されている。本発明の石膏発泡体は、特に断熱性に優れているが、このような石膏発泡体を上記したガスバリアフィルムで被覆しつつ密封することにより、本発明の石膏発泡体が有する断熱性、耐火性、軽量性等の特性を維持したまま、硬度(強度)及び耐水性をより著しく向上させるとともに吸水性をより著しく低減し、水分存在下における崩落をより抑制することができる。

0076

(2−1)ガスバリアフィルム
ガスバリアフィルムとしては、ガスバリア性を有しており、且つ、石膏発泡体を内部に入れて密封できるものであれば特には限定されず、例えば、プラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムを構成する合成樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルメチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、ナイロン6、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらの合成樹脂フィルムの両面に、接着層を介してオレフィン系エラストマーからなる層がラミネートされた多層フィルム等も使用できる。さらには、例えば、ガスバリア性をより高めるため、上記した合成樹脂フィルムにアルミニウム等の金属がラミネートされたフィルムも使用できるし、ナノコンポジット技術を用いて、ガスバリア性を向上させたガスバリア性フィルムを用いてもよい。

0077

ガスバリアフィルムの厚さは特に限定されず、適宜調整することができる。硬度、取扱い性及び耐水性の観点からは、50〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましい。

0078

このようなガスバリアフィルムは、公知又は市販品を使用することができる。

0079

(2−2)石膏発泡体パック
本発明の石膏発泡体パックは、本発明の石膏発泡体を上記したガスバリアフィルムによって被覆しつつ密封している。この際、従来の真空断熱材においては、ガスバリアフィル
ム内の圧力を極端に低くして真空状態にすることが通常であるが、石膏発泡体の形状をより維持して断熱性をより維持しやすくしつつ、内部を密封しやすくして硬度、取扱い性及び耐水性をより向上させ、吸湿性もより低減させる観点から、本発明の石膏発泡体パックにおいては、ガスバリアフィルムで覆われた内部の圧力は5000〜50000Paが好ましく、15000〜35000Paがより好ましい。

0080

また、ガスバリアフィルム内部に充填される気体は、通常空気又は窒素ガスであるが、上記の通り、本発明の石膏発泡体は空隙に断熱性ガスが充填されているため、ガスバリアフィルム内部に充填される気体としては、断熱性ガスのみや、断熱性ガス及び空気の混合ガスを採用することができる。なお、本発明の石膏発泡体パックではガスバリアフィルムで密封されているため、外部雰囲気の空気と置換されることで断熱性ガスが希釈されることにより断熱性が低下することも抑制することができる。このような断熱性ガスとしては、上記したものを採用できる。

0081

本発明の石膏発泡体パックは、本発明の石膏発泡体が有する断熱性、耐火性、軽量性等の特性を維持したまま、硬度(強度)及び耐水性を著しく向上させるとともに吸水性を著しく低減し、水分存在下における崩落を抑制することができるため、このような性能を必要とする建築材料、耐火性材料等として広く使用することができる。

0082

例えば、本発明の石膏発泡体パックは、建材パネルに使用することができる。より具体的には、本発明の石膏発泡体パックは、建材パネルの芯材として使用することができる。

0083

この場合、例えば、裏打ち材の上に、上記した本発明の石膏発泡体パックを、裏打ち材及び表皮材で挟むことで、本発明の建材パネルを得ることができる。本発明の建材パネルは用途及び求められる断熱性能によって厚みは自由に調整可能できる。

0084

なお、裏打ち材や表皮材と芯材との密着性の観点から、裏打ち材や表皮材と芯材との間に両面テープや接着剤等の他層を介在させることも可能である。また、本発明の建材パネルは、上記方法のみに限定されず、様々な方法で得ることができる。

0085

上記裏打ち材としては、建材パネルに通常使用されるものを使用することができ、例えば、アルミニウム紙、アルミニウムライナー紙、アルミニウムラミネート、アルミニウム箔、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))等が挙げ
られる。これらの裏打ち材の厚みは、建材パネルに通常採用される程度とすることができ、例えば、0.1mm〜2.0mmが好ましい。

0086

上記表皮材としては、建材パネルに通常使用されるものを使用することができ、例えば、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))、カラーア
ルミニウム板等が挙げられる。これらの表皮材の厚みは、建材パネルに通常採用される程度とすることができ、例えば、0.1mm〜2.0mmが好ましい。

0087

その他、必要に応じて、建材パネルに通常使用される層を形成することも可能であり、例えば、金属サイディングパネルに適用する場合は、表皮材として、ポリエステル樹脂塗装鋼板、インクジェット加飾印刷層及び防汚クリアー塗膜層を常法で形成することも可能である。

0088

このようにして得られる本発明の建材パネルは、軽量でありつつ、硬度(強度)、断熱性、耐火性及び耐水性に優れ、吸水性を低減したものである。

0089

3.石膏発泡体及び石膏発泡体パックの製造方法
上記した本発明の石膏発泡体は、例えば、
(A1)石膏発泡体を前記ガスバリアフィルムの内部に投入する工程、及び
(A2)ガスバリアフィルムの内部に充填されている気体の全部又は一部を断熱性ガスで置換する工程
を備える方法により得ることができる。

0090

また、上記工程(A2)の後、
(A3)ガスバリアフィルムで覆われた内部の圧力が5000〜50000Paとなるようにガスバリアフィルム内部の気体を吸引して密封する工程
を行うことにより、本発明の石膏発泡体パックを得ることができる。

0091

なお、本発明の石膏発泡体は、
(B1)混和剤組成物を断熱性ガス雰囲気下で硬化させる工程
を備える方法により得ることもでき、その後、
(B2)本発明の石膏発泡体を前記ガスバリアフィルムの内部に投入する工程、及び
(B3)ガスバリアフィルムで覆われた内部の圧力が5000〜50000Paとなるようにガスバリアフィルム内部の気体を吸引して密封する工程
を行うことにより、本発明の石膏発泡体パックを得ることもできる。工程(B2)は工程(A1)と同様の工程であり、工程(B3)は工程(A3)と同様の工程である。

0092

(3−1)石膏発泡体の製造方法(その1)
石膏発泡体及びガスバリアフィルムとしては、上記したものを採用できる。

0093

本発明の製造方法によれば、工程(A1)において石膏発泡体をガスバリアフィルムの内部に投入し、次いで、工程(A2)においてガスバリアフィルム内に断熱性ガスを充填し、ガスバリアフィルムの内部に充填されている気体の全部又は一部を断熱性ガスで置換することが好ましい。この際、石膏発泡体が有する空隙の総量を100体積%として、50体積%以上(特に70体積%以上)を断熱性ガスで置換することが好ましい。石膏発泡体が有する空隙のガスバリアフィルム内に断熱性ガスを充填する方法は特に制限されず、常法にしたがうことができる。

0094

この方法は、物理発泡及び化学発泡のいずれにより石膏発泡体を製造しようとする場合にも使用できる方法である。

0095

(3−2)石膏発泡体パックの製造方法(その1)
工程(A2)の後、工程(A3)において適切な内圧となるようにガスバリアフィルム内部の気体を吸引して密封することにより、本発明の石膏発泡体パックを得ることができる。ガスバリアフィルム内部の気体を吸引及び密封する方法は特に制限されず、常法にしたがうことができる。

0096

なお、工程(A2)の後、速やかに(通常、1〜5秒後)工程(A3)のガスバリアフィルム内部の気体を吸引して密封する工程を行うことが好ましい。

0097

この方法は、物理発泡及び化学発泡のいずれにより石膏発泡体を製造しようとする場合にも使用できる方法である。

0098

(3−3)石膏発泡体の製造方法(その2)
混和剤組成物及び断熱性ガスとしては、上記したものを採用できる。

0099

工程(B1)では、断熱性ガス雰囲気とすること以外は、上記した物理発泡による基材
としての石膏発泡体と同様に製造することができる。これにより、雰囲気の断熱性ガスを巻き込んで、空隙中に断熱性ガスが充填された本発明の石膏発泡体を得ることができる。

0100

この方法は、物理発泡により石膏発泡体を製造しようとする場合に使用できる方法である。

0101

(3−4)石膏発泡体パックの製造方法(その2)
工程(B1)の後、工程(B2)において本発明の石膏発泡体をガスバリアフィルムの内部に投入し、工程(B3)において適切な内圧となるようにガスバリアフィルム内部の気体を吸引して密封することにより、本発明の石膏発泡体パックを得ることができる。この工程(B2)は工程(A1)と同様とすることができ、工程(B3)は工程(A3)と同様とすることができる。

0102

この方法は、物理発泡により石膏発泡体を製造しようとする場合に使用できる方法である。

0103

以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。

0104

比較例1:石膏発泡体パック1(充填ガス:空気)の製造
大気圧下、室温で、純水82.7質量部、起泡成分としての界面活性剤3.1質量部、強度保持成分としての樹脂エマルジョン25質量部、及び石膏100質量部をこの順に添加し、ミキサーを用いて、回転数500rpm(Lv.3)の条件で40秒間本撹拌し、混和剤組成物1を得た。なお、界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製のエマールD−3−D;固形分26質量%)を用いた。樹脂エマルジョンとしては、酢酸ビニル樹脂エマルジョン(積水フーラー(株)製のエスダイン♯5381;固形分40質量%)を用いた。石膏としては、吉野石膏(株)製のサクラ焼石膏A級を用いた。ミキサーとしては、ラッセルホブス社製の18960JPを用いた。このようにして得られた混和剤組成物1を、大気圧、23℃及び1時間の条件にて硬化させ、60℃オーブン中、24時間で乾燥させ、所定のサイズ(85mm×85mm×35mm)の石膏発泡体1(充填ガスは空気が100体積%である)を得た。

0105

得られた石膏発泡体1をナイロンフィルム(福助工業(株)製のナイロンポリ新Lタイプ規格袋No.14;サイズ:200mm×300mm、厚み70μm)の内部に入れ、真空ポンプ脱気ヒートシーラーにより、内圧が35000Paとなるように密封し、比較例1の石膏発泡体パック1(充填ガスは空気が100体積%である)を得た。

0106

実施例1:石膏発泡体パック2(充填ガス:アルゴン)の製造
比較例1で得られた石膏発泡体1をナイロンフィルム(福助工業(株)製のナイロンポリ新Lタイプ規格袋No.14;サイズ:200mm×300mm、厚み70μm)の内部に入れ、デシケーター中で真空ポンプの脱気とアルゴンの注入を3回繰り返した。その後、石膏発泡体1の入ったナイロンフィルムをデシケーターから取り出し、5秒以内に、真空ポンプの脱気とヒートシーラーにより、内圧が35000Paとなるように密封し、実施例1の石膏発泡体パック2(充填ガスはアルゴンが100体積%である)を得た。

0107

比較例2:石膏発泡体パック3(充填ガス:空気)の製造
大気圧下、室温で、純水82.7質量部、起泡成分としての界面活性剤3.1質量部、強度保持成分としての樹脂エマルジョン25質量部、及び石膏100質量部をこの順に添加し、ミキサーを用いて、回転数500rpm(Lv.3)の条件で10秒間本撹拌し、
混和剤組成物1を得た。なお、界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製のエマールD−3−D;固形分26質量%)を用いた。樹脂エマルジョンとしては、酢酸ビニル樹脂エマルジョン(積水フーラー(株)製のエスダイン♯5381;固形分40質量%)を用いた。石膏としては、吉野石膏(株)製のサクラ印焼石膏A級を用いた。ミキサーとしては、ラッセルホブス社製の18960JPを用いた。このようにして得られた混和剤組成物1を、大気圧、23℃及び1時間の条件にて硬化させ、60℃オーブン中、24時間で乾燥させ、所定のサイズ(85mm×85mm×35mm)の石膏発泡体1(充填ガスは空気が100体積%である)を得た。

0108

得られた石膏発泡体2を用いたこと以外は比較例1と同様に、比較例2の石膏発泡体パック3(充填ガスは空気が100体積%である)を得た。

0109

実施例2:石膏発泡体パック4(充填ガス:アルゴン)の製造
比較例2で得られた石膏発泡体3を用いたこと以外は実施例1と同様に、実施例2の石膏発泡体パック4(充填ガスはアルゴンが100体積%である)を得た。

0110

試験例1:断熱性(熱伝導率)の測定及び評価
実施例1〜2及び比較例1〜2の石膏発泡体パックの熱伝導率を、京都電子工業(株)製迅速熱伝導率計QTM−710により測定した。

0111

試験例2:硬度の測定及び評価
実施例1〜2の石膏発泡体パック及び比較例1〜2の石膏発泡体の硬度を、デュロメータ硬度計タイプE(TECLCK社製・「GS−721N」)を用いて5箇所測定し、平均値を算出した。

0112

試験例3:耐水性の測定及び評価
実施例1〜2の石膏発泡体パック及び比較例1〜2の石膏発泡体を水中に1分間沈めた。その後、サンプルを取り出し、上記と同様に硬度を測定し、以下のように評価した。
○:目視でサンプルにダメージ見当たらず、試験例1の結果に対する硬度の減少は10以下である。
×:試験例1の結果に対する硬度の減少が10より大きい、あるいは、取り出す際に崩壊して硬度測定ができない(硬度は0である)。

0113

以上の結果、アルゴンを充填した実施例1及び2では、充填ガスが空気である比較例1及び2と比較し、熱伝導率が低くなり断熱性が上昇していた。結果を表1及び図1に示す。なお、表1において、界面活性剤及び樹脂エマルジョンの含有量は、固形分及び水の双方を含む含有量を意味する。また、硬度と耐水性について、実施例1と比較例3、実施例2と比較例4で大差なく、パックの充填ガスをアルゴンに置換しても性能を維持していることを意味している。

0114

0115

以上、本発明の実施形態及び実施例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。

0116

例えば、上述の実施形態及び実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料、数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料、数値等を用いることができる。

実施例

0117

また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料、数値等は、本発明の主旨を逸
脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。

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