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技術 膜基板生産方法及び基板

出願人 国立大学法人熊本大学
発明者 小林牧子中妻啓
出願日 2018年10月26日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-202318
公開日 2020年4月30日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-068364
状態 未査定
技術分野 圧電、電歪、磁歪装置
主要キーワード ボイラー管 超音波トランデューサ 作製ステップ 小委員会 トランデューサ 基準振幅 音響損失 分極ステップ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年4月30日)のものです。
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図面 (4)

課題

鉛を含まず、かつ、従来よりも希少金属を使用せずに、高温下で動作可能な膜を作製して膜基板生産する膜基板生産方法等を提案する。

解決手段

基板に、鉛を含まない粉末と、鉛も希少金属も含まないゾルゲル溶液混合体を用いて膜を作製して、膜基板を生産する。ここで、粉末は、例えばBi4Ti3O12の粉末である。ゾルゲル溶液は、例えばAl2O3のゾルゲル溶液である。ゾルゲル溶液に希少金属を含まないため、従来と比較して希少金属を使用しない。さらに、室温下で、前記膜に対して分極処理を行うことができる。高温での分極処理を必要としない。

概要

背景

発明者らは、圧電体ゾルゲル溶液圧電体粉末との複合体を塗布、焼成及び分極することにより、圧電材料を用いて対象物の表面に密着するセンサを形成する研究を行ってきた。強誘電体粉末誘電体のゾルゲル溶液を混合して薄膜を作製し、分極処理を行うと、多孔性セラミック薄膜が形成される。多孔性であることから熱衝撃に強く、音響損失材なしで周波数広帯域特性が実現できる。そのため、高温超音波トランスデューサなどへの応用に期待されている。非特許文献1及び非特許文献2には、発明者らがこれまでに試行したゾルゲル複合体圧電デバイスの一例が開示されている。

概要

鉛を含まず、かつ、従来よりも希少金属を使用せずに、高温下で動作可能な膜を作製して膜基板生産する膜基板生産方法等を提案する。基板に、鉛を含まない粉末と、鉛も希少金属も含まないゾルゲル溶液の混合体を用いて膜を作製して、膜基板を生産する。ここで、粉末は、例えばBi4Ti3O12の粉末である。ゾルゲル溶液は、例えばAl2O3のゾルゲル溶液である。ゾルゲル溶液に希少金属を含まないため、従来と比較して希少金属を使用しない。さらに、室温下で、前記膜に対して分極処理を行うことができる。高温での分極処理を必要としない。

目的

そこで、本願発明は、鉛を含まず、かつ、従来よりも希少金属を使用せずに、高温下で動作可能な膜を作製して膜基板を生産する膜基板生産方法等を提案することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板粉末ゾルゲル溶液混合体を用いて膜を作製して膜基板生産する作製ステップを含む膜基板を生産する膜基板生産方法であって、前記粉末は、鉛を含まず、前記ゾルゲル溶液は、Al2O3のゾルゲル溶液である、膜基板生産方法。

請求項2

前記粉末は、Bi4Ti3O12の粉末である、請求項1に記載の膜基板生産方法。

請求項3

前記膜は、少なくとも700℃の温度下において、入力波に対する反射波観測され、並びに/又は、圧力及び/若しくは振動が検出される、請求項1又は2に記載の膜基板生産方法。

請求項4

前記作製ステップにおいて、前記基板に前記混合体を塗布する処理を含み、前記混合体を塗布する温度下で、前記膜に対して分極処理を行う分極ステップを含む請求項1から3のいずれかに記載の膜基板生産方法。

請求項5

粉末と、ゾルゲル溶液の混合体によるゾルゲル複合体の膜を備える基板であって、前記粉末は、鉛を含まず、前記ゾルゲル溶液は、鉛も希少金属も含まず、前記膜は、少なくとも700℃の温度下において、入力波に対する反射波が観測され、並びに/又は、圧力及び/若しくは振動が検出される、基板。

請求項6

前記ゾルゲル溶液は、Al2O3のゾルゲル溶液である、請求項5に記載の基板。

請求項7

前記粉末は、Bi4Ti3O12の粉末である、請求項5又は6に記載の基板。

技術分野

0001

本願発明は、膜基板生産方法及び基板に関し、特に、高温の環境でもセンサ等として動作可能な膜を備える膜基板を生産する膜基板生産方法等に関する。

背景技術

0002

発明者らは、圧電体ゾルゲル溶液圧電体粉末との複合体を塗布、焼成及び分極することにより、圧電材料を用いて対象物の表面に密着するセンサを形成する研究を行ってきた。強誘電体粉末誘電体のゾルゲル溶液を混合して薄膜を作製し、分極処理を行うと、多孔性セラミック薄膜が形成される。多孔性であることから熱衝撃に強く、音響損失材なしで周波数広帯域特性が実現できる。そのため、高温超音波トランスデューサなどへの応用に期待されている。非特許文献1及び非特許文献2には、発明者らがこれまでに試行したゾルゲル複合体圧電デバイスの一例が開示されている。

先行技術

0003

T. Yamamoto、他3名, “High Temperature Properties of CaBi4Ti4O15/Ba0.7Sr0.3TiO3”, 超音波エレクトロニクス基礎と応用に関するシンポジウム
K. Okada、他3名, “High Temperature Properties of CaBi4Ti4O15/Bi4Ti3O12”, 超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム

発明が解決しようとする課題

0004

例えば、次世代火力発電所研究開発する場合、現行ボイラー管の温度は610−620℃であるのに対し、次世代火力発電はさらに高温高圧であり、温度は700℃が予想される。しかしながら、現在、700℃で2年の耐久性がある市販の超音波センサは開発されていない。このままでは、次世代火力発電所の余命診断を含むクリープモニタリング非破壊検査が困難な状況である。

0005

発明者らは、代表的な強誘電体であるPb(Zr,Ti)O3をゾルゲル材料として使用して、良好な超音波パルスエコー波形を得ている。しかしながら、ゾルゲル材料であるPb(Zr,Ti)O3は環境負荷が高い鉛を含有するため産業化にあたって障害となる。

0006

そこで、発明者らは、非鉛の材料を試行する中でCaBi4Ti4O15(粉)/Bi4Ti3O12(ゾルゲル)及びCaBi4Ti4O15(粉)/(Ba,Sr)TiO3(ゾルゲル)の組み合わせで完全に非鉛の高温超音波トランスデューサを実現している。しかしながら、これらの材料に含まれるストロンチウムチタンビスマスバリウムはいわゆる希少金属であり、経済的にも技術的にも抽出が困難とされている。

0007

そこで、本願発明は、鉛を含まず、かつ、従来よりも希少金属を使用せずに、高温下で動作可能な膜を作製して膜基板を生産する膜基板生産方法等を提案することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本願発明の第1の観点は、基板に粉末とゾルゲル溶液の混合体を用いて膜を作製して膜基板を生産する作製ステップを含む膜基板を生産する膜基板生産方法であって、前記粉末は、鉛を含まず、前記ゾルゲル溶液は、Al2O3のゾルゲル溶液である。

0009

本願発明の第2の観点は、第1の観点の膜基板生産方法であって、前記粉末は、Bi4Ti3O12の粉末である。

0010

本願発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の膜基板生産方法であって、前記膜は、少なくとも700℃の温度下において、入力波に対する反射波観測され、並びに/又は、圧力及び/若しくは振動が検出される。

0011

本願発明の第4の観点は、第1から第3のいずれかの観点の膜基板生産方法であって、前記作製ステップにおいて、前記基板に前記混合体を塗布する処理を含み、前記混合体を塗布する温度下で、前記膜に対して分極処理を行う分極ステップを含む。

0012

本願発明の第5の観点は、粉末と、ゾルゲル溶液の混合体によるゾルゲル複合体の膜を備える基板であって、前記粉末は、鉛を含まず、前記ゾルゲル溶液は、鉛も希少金属も含まず、前記膜は、少なくとも700℃の温度下において、入力波に対する反射波が観測され、並びに/又は、圧力及び/若しくは振動が検出される。

0013

本願発明の第6の観点は、第5の観点の基板であって、前記ゾルゲル溶液は、Al2O3のゾルゲル溶液である。

0014

本願発明の第7の観点は、第5又は第6の観点の基板であって、前記粉末は、Bi4Ti3O12の粉末である。

発明の効果

0015

本願発明の各観点によれば、鉛を含まない粉末と、鉛も希少金属(例えば、鉱業審議レアメタル総合対策特別小委員会が対象とした31鉱種(47元素))も含まないゾルゲル溶液を利用して、700℃以上という高温下でも、超音波トランスデューサや感圧センサ等として動作可能な膜を実現することができる。特に、アルミニウム酸素ケイ素に次いで地表に多く存在する元素であり、その酸化物であるAl2O3はSiO2について多く地殻中に含まれる。そのため、希少性が低く非鉛の材料で、高温で動作する圧電デバイスを作製することができる。

0016

さらに第4の観点にあるように、混合液を塗布したのと同じ室温下で分極が可能であり、高温分極の必要がなく、分極処理が極めて容易である。

図面の簡単な説明

0017

発明者らが作製した膜基板の構成の一例を示す図である。
図1(b)の膜基板11による超音波トランスデューサによる実験を示す第1図である。
図1(b)の膜基板11による超音波トランスデューサによる実験を示す第2図である。

0018

以下では、図面を参照して、本願発明の実施例について説明する。なお、本願発明は、この実施例に限定されるものではない。

0019

図1は、発明者らが作製した膜基板の構成の一例を示す。図1(a)は、基板が絶縁体の場合の一例であり、図1(b)は、基板が導体の場合の一例である。

0020

図1(a)を参照して、膜基板1は、絶縁体基板3の上に下部電極5を設け、後に具体的に説明するように膜7を作製し、上部電極9を設けたものである。

0021

膜7の生成処理について具体的に説明する。発明者らは、新たな圧電材料として、Bi4Ti3O12を粉体材料、Al2O3をゾルゲル材料とする複合体を用いた。Bi4Ti3O12(BiT)の粉末とAl2O3のゾルゲル溶液を混合し、下部電極5の上にスプレー塗布して製膜し、熱処理を行い、多孔性セラミックス薄膜であるBi4Ti3O12/Al2O3(BiT/Al2O3)を作製した。ここで、熱処理(焼成プロセス)は、例えば、スプレー塗布後にゾルゲル溶液中の水分を飛ばし、かつ結晶化を促進するための処理である。膜の厚みは、例えば、10μm以上500μm以下である。スプレー塗布して製膜する処理(作製ステップ)は、例えば室温(常温、例えば25℃)でもよい。必要であれば加熱して行ってもよい。室温で、高い電圧(例えば100μmあたりで30kV。膜厚等に応じて電圧を変更してもよい。)をかけてダイポールを揃えて分極処理を行った(分極ステップ)。そして、上部電極9を作製し、超音波トランスデューサとした。

0022

図1(b)を参照して、膜基板11は、導体基板13の上に、図1(a)と同様に膜17を作製し、上部電極19を設けたものである。なお、基板が導体の場合にも、下部電極を設けてもよい。

0023

図2(a)は、図1(b)の膜基板11により作成された超音波トランスデューサによる実験の構成を示す。

0024

図2(a)を参照して、導体基板21は、縦横各30mm、厚さ3mmのチタン基板である。膜23は、縦横各20mm、厚さ50μmのBiT/Al2O3の多孔性セラミックス薄膜である。上部電極25は、直径10mmの白金ペーストのものである。パルス生成部27は、導体基板21と上部電極25に白金リード線で接続されており、パルス波の入力波を生成する。波形観測部29は、例えばオシロスコープで、少なくとも反射波を検出する。

0025

図2(b)の膜基板11の作成は、次のとおりである。商業的に利用可能なBiTの粉末で、Al2O3のゾルゲル溶液を混合した後、スプレー塗布に適切な粘度となるまで混合液をボールミルした。そして、混合液を、室温で、スプレー塗布法で3mm厚のチタン基板に塗布した。スプレー塗布後、乾燥及び焼成を、それぞれ、150℃及び650℃で、5分間、実行した。これらのステップ(スプレー塗布、乾燥及び焼成)は、フィルムの厚さがターゲットとなる厚さになるまで、繰り返し行われる。今回の実験でのターゲットのフィルム厚は、50μmであり、これらの手続きは4回繰り返した。白金ペーストは、準備したフィルムの上部電極として適用される。白金ペーストの硬化のため、それぞれ2時間の150℃と700℃の熱処理を行った。

0026

上部電極の準備後に、室温で分極処理を行った。電源出力電圧は、約27kVであった。この実験では、アーク放電によるフィルムの絶縁破壊を防ぐために、針の先端とフィルムとの距離は30mmの距離に調整した。図2(b)は、3mm厚のチタン基板に形成したBiT/Al2O3のフィルムの外観を示す。

0027

BiT/Al2O3の高温耐久性調査した。電気的接続確立するために、上部電極とチタン基板に白金ワイヤを接続し、その上にセラミック製の重りを置いた。白金線は、高温耐久性のために使った。接着材料での熱膨張によるミスマッチ剥脱が生じ得るが、セラミック製の重りは、高温耐久性があり、剥脱がないために使った。サンプル全体を炉に置き、パルスエコーモードで超音波測定を行い、様々な温度で、デジタルオシロスコープで記録した。パルスエコーモードでは、3mm厚のチタン基板の底からの反射エコーを、室温から反射エコーが測定されなくなるまで測定した。温度は、600℃までは100℃ごとに、600℃を超えてからは10℃ごとに上昇させた。各温度で、温度を5分維持した。図3(a)及び(b)は、それぞれ、室温と720℃での時間領域での超音波応答を示す。反射エコーは、720℃において、比較的高い信号対雑音比(SNR)で、複数のエコーをきれいにみることができる。

0028

温度効果を定量的に決定するために、感度を次の式で計算した。ここで、V1は、基準振幅であり、この実験では0.1Vp-pである。V2は、チタン基板の底面からの第3反射エコーのVp-pである。P/Rは、パルサーレシーバーを意味する。この式は、0.1Vを達成するためにパルサー/レシーバーの真に必要なゲインを計算する。本質的な理解をアシストするために−1をかける。
(感度)=−(20 log(V1/V2)+ Gain of P/R)

実施例

0029

図3(c)は、BiT/Al2O3のトランデューサの感度について、室温から720℃までの温度との関係性を示す。このグラフによれば、非鉛の超音波トランデューサについて、室温での分極処理をおこなっても、720℃でも感度を示している。特に500℃という高温まで、連続的な超音波トランデューサを実現できる可能性を証明する。さらに、同様にして、圧力や振動を検出することもできる。

0030

1,11膜基板、3絶縁体基板、5 下部電極、7,17,23 膜、9,19,25 上部電極、13,21導体基板、27パルス生成部、29波形観測部

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