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技術 受精卵の画像診断システム、受精卵の画像診断プログラム及び受精卵の画像診断用識別器の作成方法。

出願人 宮木康成
発明者 宮木康成
出願日 2018年10月22日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-198149
公開日 2020年4月30日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-067680
状態 特許登録済
技術分野 学習型計算機 イメージ分析 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 最適個数 取り込みステップ 少子化 導出過程 明画像データ 年齢区分 各識別器 顕微授精
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (16)

課題

主観的判断をすることなく、受精卵の画像データだけで正常児獲得の可否予測可能診断結果が得られる受精卵の画像診断システムを提供する。

解決手段

受精卵の画像データは、生児獲得に至ったことが判明している正常画像データと、生児獲得に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データ、又は妊娠成立に至ったことが判明している正常画像データと、妊娠成立に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データであり、かつ患者年齢情報を含んでおり、解析手段6は、画像データを年齢別の複数のグループ区分し、複数のグループから一つを選んだ解析対象グループについて、複数の識別器を作成して、テストデータの正診率を演算し、正診率に基づいて複数の識別器から年齢別の最適識別器を決定する。

概要

背景

我が国は少子化危機に瀕している一方で、不妊に悩む患者は多い。不妊患者の妊娠成立を図る治療として、体外受精又は顕微授精が挙げられる。体外受精は、卵巣から卵細胞を取り出し(採卵)、体外で精子を与えて受精卵を作る治療であり、顕微授精は、体外で顕微鏡を見ながら精子を直接卵細胞に注入して受精させ受精卵を作る治療である。いずれの治療においても、受精卵を培養して成長させ、一旦凍結して保存し、患者の条件が良い時に解凍して、子宮に戻して妊娠成立を図るというものである。

子宮に戻すべき受精卵の選択は、解凍前と解凍後に顕微鏡で見て医師検査技師又は培養士が顕微鏡観察により主観的に判断しており、正常と判断した受精卵であっても、現在、妊娠に至るのは高々30%に留まっている。すなわち、主観的な判断は精度が低く、判断手法を工夫したとしても精度を上げるには一定の限界があった。

他方、1回当たりの治療費は高額であり、かつ自費負担となる。このため、受精卵選択の判断の精度が低いと、治療回数も増え時間が浪費され、心理的ストレスに加え、経済ストレスも多大となる。このような背景の下、不妊の治療においては、できるだけ早く、かつ経済的負担が少なく妊娠に至ることが患者にも社会的にも求められている。

この点、医療の分野においては、コンピュータを用いて診断画像分析、評価等を行う各種技術が提案されている。例えば、特許文献1には、診断画像の読影に際して、画像の特徴量を用いた類似症例の検索をコンピュータで実現させ、診断精度を向上させる診断支援技術が提案されている。特許文献2には、撮像された画像のみを用いて、受精卵内の細胞識別することなく受精卵の品質評価に有益な情報の提示をコンピュータで実現させる受精卵品質評技術が提案されている。

概要

主観的判断をすることなく、受精卵の画像データだけで正常児獲得の可否予測可能診断結果が得られる受精卵の画像診断システムを提供する。 受精卵の画像データは、生児獲得に至ったことが判明している正常画像データと、生児獲得に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データ、又は妊娠成立に至ったことが判明している正常画像データと、妊娠成立に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データであり、かつ患者の年齢情報を含んでおり、解析手段6は、画像データを年齢別の複数のグループ区分し、複数のグループから一つを選んだ解析対象グループについて、複数の識別器を作成して、テストデータの正診率を演算し、正診率に基づいて複数の識別器から年齢別の最適識別器を決定する。

目的

本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、主観的判断をすることなく、受精卵の画像データだけで正常児獲得の可否又は妊娠成立を予測可能な診断結果が得られる受精卵の画像診断システム、受精卵の画像診断プログラム及び受精卵の画像診断用識別器の作成方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

機械学習の手法を用いた受精卵画像診断システムであって、妊娠予後が判明している受精卵の画像データを格納する記憶手段と、受精卵の画像データを記憶手段に取り込むための受信手段と、前記画像データを解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果を出力する出力手段とを備えており、前記画像データは、生児獲得に至ったことが判明している正常画像データと、生児獲得に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データ、又は妊娠成立に至ったことが判明している正常画像データと、妊娠成立に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データであり、かつ患者年齢情報を含んでおり、前記解析手段は、前記画像データを、前記患者の年齢情報に基づいて、年齢別の複数のグループ区分し、前記複数のグループから一つを選んだ解析対象グループについて、テストデータ学習用データとに分類し、前記学習用データから複数の識別器を作成し、前記各識別器で前記テストデータを診断して、前記テストデータの正診率を演算し、前記正診率に基づいて前記複数の前記識別器から最適識別器を決定し、前記分類から前記最適識別器の決定までの処理を、他の前記グループを解析対象グループに選んで実行し、これを繰り返して年齢別の前記最適識別器を決定することを特徴とする受精卵の画像診断システム。

請求項2

前記解析手段は、前記最適識別器を決定する前に、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データの個数を変えて繰り返し、個数の異なる前記学習用データについて演算された前記正診率に基づいて、前記学習用データの最適個数を決定し、前記学習用データの数を前記最適個数として、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データを変えて再度繰り返し、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記正診率に基づいて、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記識別器から最適識別器を決定する請求項1に記載の受精卵の画像診断システム。

請求項3

コンピュータに、機械学習の手法を用いて受精卵の画像診断を実行させるための受精卵の画像診断プログラムであって、受精卵の画像データを記憶手段に取り込む取り込みステップと、前記画像データを解析する解析ステップと、前記解析手段による解析結果を出力する出力ステップとを前記コンピュータに実行させ、前記画像データは、生児獲得に至ったことが判明している正常画像データと、生児獲得に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データ、又は妊娠成立に至ったことが判明している正常画像データと、妊娠成立に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データであり、かつ患者の年齢情報を含んでおり、前記解析ステップにおいて、前記画像データを、前記患者の年齢情報に基づいて、年齢別の複数のグループに区分し、前記複数のグループから一つを選んだ解析対象グループについて、テストデータと学習用データとに分類し、前記学習用データから複数の識別器を作成し、前記各識別器で前記テストデータを診断して、前記テストデータの正診率を演算し、前記正診率に基づいて前記複数の前記識別器から最適識別器を決定し、前記分類から前記最適識別器の決定までの処理を、他の前記グループを解析対象グループに選んで実行し、これを繰り返して年齢別の前記最適識別器を決定することを特徴とする受精卵の画像診断プログラム。

請求項4

前記解析ステップにおいて、前記解析手段は、前記最適識別器を決定する前に、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データの個数を変えて繰り返し、個数の異なる前記学習用データについて演算された前記正診率に基づいて、前記学習用データの最適個数を決定し、前記学習用データの数を前記最適個数として、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データを変えて再度繰り返し、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記正診率に基づいて、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記識別器から最適識別器を決定する請求項3に記載の受精卵の画像診断プログラム。

請求項5

機械学習の手法を用いた受精卵の画像診断用識別器の作成方法であって、受精卵の画像データを記憶手段に取り込む取り込みステップと、前記画像データを解析する解析ステップと、前記解析手段による解析結果を出力する出力ステップとを備え、前記画像データは、生児獲得に至ったことが判明している正常画像データと、生児獲得に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データ、又は妊娠成立に至ったことが判明している正常画像データと、妊娠成立に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データであり、かつ患者の年齢情報を含んでおり、前記解析ステップにおいて、前記画像データを、前記患者の年齢情報に基づいて、年齢別の複数のグループに区分し、前記複数のグループから一つを選んだ解析対象グループについて、テストデータと学習用データとに分類し、前記学習用データから複数の識別器を作成し、前記各識別器で前記テストデータを診断して、前記テストデータの正診率を演算し、前記正診率に基づいて前記複数の前記識別器から最適識別器を決定し、前記分類から前記最適識別器の決定までの処理を、他の前記グループを解析対象グループに選んで実行し、これを繰り返して年齢別の前記最適識別器を決定することを特徴とする受精卵の画像診断用識別器の作成方法。

請求項6

前記解析ステップにおいて、前記解析手段は、前記最適識別器を決定する前に、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データの個数を変えて繰り返し、個数の異なる前記学習用データについて演算された前記正診率に基づいて、前記学習用データの最適個数を決定し、前記学習用データの数を前記最適個数として、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データを変えて再度繰り返し、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記正診率に基づいて、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記識別器から最適識別器を決定する請求項5に記載の受精卵の画像診断用識別器の作成方法。

技術分野

0001

本発明は、受精卵画像診断システム、受精卵の画像診断プログラム及び受精卵の画像診断用識別器作成方法に関する。

背景技術

0002

我が国は少子化危機に瀕している一方で、不妊に悩む患者は多い。不妊患者の妊娠成立を図る治療として、体外受精又は顕微授精が挙げられる。体外受精は、卵巣から卵細胞を取り出し(採卵)、体外で精子を与えて受精卵を作る治療であり、顕微授精は、体外で顕微鏡を見ながら精子を直接卵細胞に注入して受精させ受精卵を作る治療である。いずれの治療においても、受精卵を培養して成長させ、一旦凍結して保存し、患者の条件が良い時に解凍して、子宮に戻して妊娠成立を図るというものである。

0003

子宮に戻すべき受精卵の選択は、解凍前と解凍後に顕微鏡で見て医師検査技師又は培養士が顕微鏡観察により主観的に判断しており、正常と判断した受精卵であっても、現在、妊娠に至るのは高々30%に留まっている。すなわち、主観的な判断は精度が低く、判断手法を工夫したとしても精度を上げるには一定の限界があった。

0004

他方、1回当たりの治療費は高額であり、かつ自費負担となる。このため、受精卵選択の判断の精度が低いと、治療回数も増え時間が浪費され、心理的ストレスに加え、経済ストレスも多大となる。このような背景の下、不妊の治療においては、できるだけ早く、かつ経済的負担が少なく妊娠に至ることが患者にも社会的にも求められている。

0005

この点、医療の分野においては、コンピュータを用いて診断画像分析、評価等を行う各種技術が提案されている。例えば、特許文献1には、診断画像の読影に際して、画像の特徴量を用いた類似症例の検索をコンピュータで実現させ、診断精度を向上させる診断支援技術が提案されている。特許文献2には、撮像された画像のみを用いて、受精卵内の細胞識別することなく受精卵の品質評価に有益な情報の提示をコンピュータで実現させる受精卵品質評技術が提案されている。

先行技術

0006

特開2002−230518号公報
特開2010−181402号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に記載の技術は、受精卵の画像を対象とするものではなく、対象画像臓器を対象としたCT画像であり、類似症例の検索を可能にして診断精度を向上させるというものであった。すなわち、特許文献1の記載からは、受精卵の画像に対して妊娠成立の可否を判断する手法を導き出すのは困難であった。他方、特許文献2に記載の技術は、受精卵の画像を対象とするものであるが、受精卵を品質評価する技術に留まり、妊娠成立の可否を直接的に判断する技術ではなかった。

0008

本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、主観的判断をすることなく、受精卵の画像データだけで正常児獲得の可否又は妊娠成立を予測可能診断結果が得られる受精卵の画像診断システム、受精卵の画像診断プログラム及び受精卵の画像診断用識別器の作成方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記目的を達成するために、本発明の画像診断システムは、機械学習の手法を用いた受精卵の画像診断システムであって、妊娠予後が判明している受精卵の画像データを格納する記憶手段と、受精卵の画像データを記憶手段に取り込むための受信手段と、前記画像データを解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果を出力する出力手段とを備えており、前記画像データは、生児獲得に至ったことが判明している正常画像データと、生児獲得に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データ、又は妊娠成立に至ったことが判明している正常画像データと、妊娠成立に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データであり、かつ患者の年齢情報を含んでおり、前記解析手段は、前記画像データを、前記患者の年齢情報に基づいて、年齢別の複数のグループ区分し、前記複数のグループから一つを選んだ解析対象グループについて、テストデータ学習用データとに分類し、前記学習用データから複数の識別器を作成し、前記各識別器で前記テストデータを診断して、前記テストデータの正診率を演算し、前記正診率に基づいて前記複数の前記識別器から最適識別器を決定し、前記分類から前記最適識別器の決定までの処理を、他の前記グループを解析対象グループに選んで実行し、これを繰り返して年齢別の前記最適識別器を決定することを特徴とする。

0010

本発明の画像診断プロブラムは、コンピュータに、機械学習の手法を用いて受精卵の画像診断を実行させるための受精卵の画像診断プログラムであって、受精卵の画像データを記憶手段に取り込む取り込みステップと、前記画像データを解析する解析ステップと、前記解析手段による解析結果を出力する出力ステップとを前記コンピュータに実行させ、前記画像データは、生児獲得に至ったことが判明している正常画像データと、生児獲得に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データ、又は妊娠成立に至ったことが判明している正常画像データと、妊娠成立に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データであり、かつ患者の年齢情報を含んでおり、前記解析ステップにおいて、前記画像データを、前記患者の年齢情報に基づいて、年齢別の複数のグループに区分し、前記複数のグループから一つを選んだ解析対象グループについて、テストデータと学習用データとに分類し、前記学習用データから複数の識別器を作成し、前記各識別器で前記テストデータを診断して、前記テストデータの正診率を演算し、前記正診率に基づいて前記複数の前記識別器から最適識別器を決定し、前記分類から前記最適識別器の決定までの処理を、他の前記グループを解析対象グループに選んで実行し、これを繰り返して年齢別の前記最適識別器を決定することを特徴とする。

0011

本発明の画像診断用識別器の作成方法は、機械学習の手法を用いた受精卵の画像診断用識別器の作成方法であって、受精卵の画像データを記憶手段に取り込む取り込みステップと、前記画像データを解析する解析ステップと、前記解析手段による解析結果を出力する出力ステップとを備え、前記画像データは、生児獲得に至ったことが判明している正常画像データと、生児獲得に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データ、又は妊娠成立に至ったことが判明している正常画像データと、妊娠成立に至らなかったことが判明している異常画像データとで構成される画像データであり、かつ患者の年齢情報を含んでおり、前記解析ステップにおいて、前記画像データを、前記患者の年齢情報に基づいて、年齢別の複数のグループに区分し、前記複数のグループから一つを選んだ解析対象グループについて、テストデータと学習用データとに分類し、前記学習用データから複数の識別器を作成し、前記各識別器で前記テストデータを診断して、前記テストデータの正診率を演算し、前記正診率に基づいて前記複数の前記識別器から最適識別器を決定し、前記分類から前記最適識別器の決定までの処理を、他の前記グループを解析対象グループに選んで実行し、これを繰り返して年齢別の前記最適識別器を決定することを特徴とする。

0012

本発明によれば、受精卵の画像データに対し、撮影や測定等の機材を用いることなく、コンピュータのプログラムを実行させるだけで、主観的判断をすることなく診断が可能になる。そして、データを診断する識別器は、妊娠予後が判明している妊娠予後判明画像データに基づいて機械学習の手法により統計的に作成することに加え、年齢別に作成するので、診断結果は正常児獲得又は妊娠成立の可否が高い精度で予測可能なものとなる。

0013

本発明の画像診断システムにおいては、前記解析手段は、前記最適識別器を決定する前に、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データの個数を変えて繰り返し、個数の異なる前記学習用データについて演算された前記正診率に基づいて、前記学習用データの最適個数を決定し、前記学習用データの数を前記最適個数として、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データを変えて再度繰り返し、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記正診率に基づいて、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記識別器から最適識別器を決定することが好ましい。

0014

本発明の画像診断プロブラム及び画像診断用識別器の作成方法においては、前記解析ステップにおいて、前記解析手段は、前記最適識別器を決定する前に、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データの個数を変えて繰り返し、個数の異なる前記学習用データについて演算された前記正診率に基づいて、前記学習用データの最適個数を決定し、前記学習用データの数を前記最適個数として、前記識別器の作成及び前記正診率の演算を、選択する前記学習用データを変えて再度繰り返し、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記正診率に基づいて、前記再度の繰り返しにより得られた複数の前記識別器から最適識別器を決定することが好ましい。

0015

前記本発明の好ましい構成によれば、正診率に基づいて、学習用データの最適個数を決定するので、機械学習の過学習による診断精度の低下を防止することができる。

発明の効果

0016

本発明の効果は前記のとおりであり、本発明によれば、受精卵の画像データに対し、撮影や測定等の機材を用いることなく、コンピュータのプログラムを実行させるだけで、主観的判断をすることなく診断が可能になる。そして、データを診断する識別器は、妊娠予後が判明している妊娠予後判明画像データに基づいて機械学習の手法により統計的に作成することに加え、年齢別に作成するので、診断結果は正常児獲得又は妊娠成立の可否が高い精度で予測可能なものとなる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の一実施形態に係る受精卵の画像診断システムの構成図。
本発明の一実施形態に係る画像診断システムのフローチャート
本発明の一実施形態に係る年齢区分の一例を示した図。
受精卵の正常画像データの一例の模式図。
受精卵の異常画像データの一例の模式図。
図3に示した正常画像データに加え、これを増幅した画像データを示した模式図。
本発明の一実施形態において、学習用データの最適個数の決定のプロセスを示すフローチャート。
本発明の一実施形態において、グループ1の学習用データの枚数と正診率との関係を示す図。
本発明の一実施形態において、最適識別器の決定のためのプロセスを示すフローチャート。
本発明の一実施形態において、グループ2の学習用データの枚数と正診率との関係を示す図。
本発明の一実施形態において、グループ3の学習用データの枚数と正診率との関係を示す図。
本発明の一実施形態において、グループ4の学習用データの枚数と正診率との関係を示す図。
本発明の一実施形態において、グループ5の学習用データの枚数と正診率との関係を示す図。
本発明の一実施形態において、最適識別器と診断対象画像データとの関係を示す図。
本発明の一実施形態に係る最適識別器と比較用識別器との正診率の比較結果を示した図。

実施例

0018

以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る受精卵の画像診断システム(以下、単に「画像診断システム」という。)の構成図を示している。画像診断システム1は、受精卵の画像データに基づいて、妊娠成立の可否に関する判断情報を出力するシステムである。画像診断システム1は、インターネット8を介して、複数の医療機関1、2等に対して、受精卵の画像データ等の各種データの受け渡しを行う。解析手段6(CPU:中央演算処理装置)により各種演算処理が行われる。キーボード等の入力手段4により各種データの入力、設定を行う。ディスプレイプリンタ等の出力手段5により、出力結果が出力される。受信手段2で受信した医療機関からの画像データは、医療機関毎に記憶手段7に格納される。解析手段6による解析結果は、送信手段3により複数の医療機関1、2等に向けて送信される。

0019

画像診断システム1が取り扱う画像データは、体外受精又は顕微授精を行ってその妊娠予後が判明している画像データ(以下、「妊娠予後判明画像データ」という。)と、診断対象の画像データ(以下、「診断対象画像データ」である。診断対象画像データは、妊娠成立の可否が不明なデータである。図1において、受信手段2は、診断対象画像データ11を複数の医療機関1、2等からインターネット8を介して個別に受信する。これとは別に、受信手段2は妊娠予後判明画像データ10を受信する。両画像データは、例えばjpegフォーマットであり、いずれも記憶手段7に格納される。

0020

前記の画像データはいずれも解析する前に予め画像処理を行なう。画像処理は、例えば背景のアーチファクト格納容器の影などの消去数値化された画像の標準化処理である。よって、解析手段6で解析される画像データは、予め画像処理がされたものである。画像処理は、解析前に実施されていればよく、同一プログラムで実施してもよく、画像処理用の別のプログラムで実施してもよい。通常はいずれの場合も、画像処理後の画像データを解析手段6が解析することになるが、同一プログラムで画像処理を実施する場合は、解析手段6に解析前の画像データに対し画像処理を行う機能を持たせてもよい。

0021

解析手段6は診断対象画像データについて、妊娠成立の可否に関する判断情報を導き出す。このような判断情報を導き出す前提として、画像診断システム1には、妊娠予後判明画像データ10に基づいて、後述する画像診断用の最適識別器が作成されている。すなわち、画像診断システム1による情報処理は、妊娠予後判明画像データ10に基づいて最適識別器を作成する情報処理と、最適識別器を用いて診断対象画像データ診断する情報処理とに大別される。本実施形態では、この2つの情報処理を1つのプログラムで実行する例で説明するが、各情報処理を別のプログラムで実行してもよい。

0022

画像診断システム1による情報処理の手順については、最初に図2を参照しながらその概要を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る画像診断システム1のフローチャートを示している。後に説明する図7は学習用データの最適個数の決定のプロセスを示すフローチャーを示しており、図9は最適識別器の決定のためのプロセスを示すフローチャートを示している。画像診断システム1は、コンピュータに画像診断プログラムを実行させて使用される。本実施形態では、本発明を画像診断システム1として説明するが、図2図7及び図9に示した画像診断システム1の情報処理の流れは、画像診断プログラムがコンピュータに実行させるステップを示したものでもある。したがって、本実施形態で説明する画像診断システム1による情報処理の内容は、画像診断プログラムがコンピュータに実行させる内容でもあり、画像診断用識別器の作成方法のプロセスでもある。

0023

図2において、初期設定(ステップ100)の後、画像データを読み込む(ステップ101)。前記のとおり、画像診断システム1が取扱う画像データは、妊娠予後が判明している妊娠予後判明画像データ10(図1参照)と、診断対象の診断対象画像データ11(図1参照)の2種類である。両画像データを連続して読み込んでもよいが、少なくとも妊娠予後判明画像データ10を読み込んでおけば、最適識別器の作成が可能になり(ステップ103)、この後に診断対象画像データ11を読み込んでもよい。

0024

ステップ102及びステップ103は、診断対象画像データ11を診断する前の前段階のステップであり、本実施形態では、診断の精度を高めるために、妊娠予後判明画像データ10(図1参照)を年齢区分し(ステップ102)、年齢区分毎に最適識別器を決定するようにしている(ステップ103)。このため、診断対象画像データ11は患者の年齢情報を含んでいる。図3に年齢区分の一例を示している。図3の例では、図3に示した年齢区分で診断対象画像データ11を5つのグループに分類する。

0025

年齢区分毎に最適識別器が決定されると、診断対象画像データ11(図1参照)の年齢に応じた最適識別器で同画像データを診断し(ステップ104)、解析結果を出力する(ステップ105)。例えば、図3のグループ1(42以上)に属する診断対象画像データ11に対しては、グループ1に対応した最適識別器で、同画像データを診断する。

0026

最適識別器の決定のための解析処理及び最適識別器による画像データの診断のための解析処理はいずれも、人工知能による教師付機械学習のパターン認識活用したものである。解析処理のプログラム言語としては例えばWolfram言語が挙げられる。機械学習のパターン認識についてはlogistic regression、naive Bayes、random forest、nearest neighbors、neural network、deep learningという認識方法が挙げられる。Wolfram言語にはこれらの認識方法を扱う関数がすでに用意されており、各認識方法から最適なものを選択すればよい。

0027

次に画像診断システム1が取り扱う画像について説明する。図1において、妊娠予後判明画像データ10は、正常画像データと異常画像データとに分類される。正常画像データは、生児獲得に至ったことが判明している画像データであり、異常画像データは、生児獲得に至らなかったことが判明している画像データである。生児獲得に至らなかった理由としては、臨床的には染色体異常、子宮因子などが考えられるが、異常画像データの分類に際し、生児獲得に至らなかった理由は問わない。

0028

正常画像データ及び異常画像データのいずれについても、解析手段6で解析する際には形式統一する。例えば、画像解像度を例えば72pixel/inchで113×113pixelsの正方形になるように変換する。図4符合12は正常画像データの一例の模式図を示しており、図5の符合13は異常画像データの一例の模式図を示している。各画像データは正方形に変換されているため、回転及び反転により、同じ正方形の画像データを増幅することができる。

0029

図6図4に示した正常画像データに加え、これを増幅した画像データを示している。1個の画像データは、図6に示したように、90度回転、180度回転、270度回転により3個の画像が追加され、反転、反転90度回転、反転180度回転、反転270度回転により4枚の画像が追加され、元の画像データを含めると8枚の画像データが得られる。このことは、図5に示した異常画像データ13についても同様である。このように、画像データを増幅することにより、1個の画像データを8倍の枚数の画像データに増幅することができるので、画像データの特徴を多面的に表現でき、後に説明する識別器の精度を高めることができる。

0030

画像データの形式の統一は、前記のものに限られるのではなく、適宜変更してもよい。例えば、各画像データを円形に変換し、回転及び反転により、画像データを増幅してもよい。円形画像データの場合、画像データを小さな角度で小刻みに回転させることにより、増幅枚数を増やすことができ、画像データの特徴をより多面的に表現でき、識別器の精度向上に有利になる。

0031

画像診断システム1は、正常画像データ及び異常画像データを含む妊娠予後判明画像データから選んだ複数の学習用データを用いて識別器を作成する。本実施形態では、機械学習の過学習による診断精度の低下を防止するために、予め学習用データの最適個数を決定する。以下、図7を参照しながら、学習用データの最適個数の決定について説明する。

0032

図7は、学習用データの最適個数の決定のプロセスを示すフローチャートである。便宜のため数値例を挙げながら説明するが、一例でありこれに限定されるものではない。本実施形態では、画像診断システム1は、図1において妊娠予後判明画像データ10として、媒精後5日目の受精卵(胚盤胞)の画像を5691枚受信した。これらの画像は図3の例のように、5グループに年齢区分した(図2のステップ103)。前記のとおり、画像データの増幅により、画像データは任意の枚数に増幅される。

0033

以下、5グループのそれぞれについて、学習用データの最適枚数を決定する。図7は、グループ1(42歳以上)についての学習用データの最適枚数の決定のプロセスを示している。最初に、グループ1の年齢区分の画像データ669枚をテストデータ及び学習用データに分け、学習用データの中から一定枚数検証用データとする(ステップ110)。この分け方は無作為であり、全画像データの20%をテストデータ、残り80%を学習用データとし、学習用データの20%を検証用データとした。この学習用データからn1枚を選択し、このn1枚を増幅して学習用データn枚を作成し(ステップ111)、検証用データを含むn枚の学習用データを用いて識別器を作成する(ステップ112)。このステップでは、検証用データで調整しながら識別器を学習させて、n枚の学習用データから最良の識別器を作成するようにしている。n枚の学習用データの正常画像データと異常画像データの枚数の比率は限定せず様々な値をとる。

0034

識別器とは入力されたデータをいくつかのクラスに分類する識別関数プログラムのことであり、ここではクラスは正常と異常の2分類である。本実施形態では識別器は画像診断用識別器であり、識別器の作成に検証用データを含む学習用データを用い、識別器の診断能の評価にテストデータを用いる(ステップ113)。学習用データから画像特徴を抽出し、正常と異常とをできるだけ区別できるようなパラメータを設定することで識別器を求める。識別器に診断対象の画像データを入力すると、正常か異常かのいずれかの結果が出力される。識別器の作成に際しては、様々なパラメータ(L2正則化値、学習画像サイズ、解像度等)を調整する。これらの各識別器を用いて、テストデータを診断し、正診率が高くかつ標準偏差が小さい識別器を暫定的な識別器とする。

0035

診断は、正常又は異常の2種類であり、診断した画像データの枚数分の診断結果が得られる。検証用データは正常又は異常が判明している画像データであるため、診断結果の正否の判定が可能である。すなわち、診断結果が正常であり、当該テストデータも正常である場合と、診断結果が異常であり、当該テストデータも異常である場合は、正判定となる。他方、診断結果が正常であり、当該テストデータが異常である場合と、診断結果が異常であり、当該テストデータが正常である場合は否判定となる。本実施形態では、正診率を次の式(1)で定義する。
式(1)正診率=正判定の画像データ枚数/画像データ総枚数

0036

暫定的な識別器を作成した後は、この識別器でテストデータを診断し(ステップ113)、正診率を演算する(ステップ114)。テストデータについても、正常又は異常が判明している画像データであるため、診断結果の正否の判定が可能である。正診率の演算は、式(1)のとおりである。正診率の演算の後は、学習用データm枚を増加させ(ステップ115)、改めて学習用データn枚を選択し(ステップ111)、ステップ112〜ステップ1114を繰り返す。すなわち、新たな暫定的な識別器を繰り返し作成し、新たな識別器毎にテストデータを診断して正診率を演算する。

0037

ステップ111〜ステップ115を繰り返すことにより、学習用データの枚数毎に暫定的な識別器が複数作成され、各識別器による正診率の演算結果も得られることになる。すなわち、学習用データの枚数毎に正診率が得られる。解析手段6は、正診率が高くかつ標準偏差が小さくなる観点から最適学習用データ枚数Nを決定する。

0038

図8はグループ1(42歳以上)の学習用データの枚数と正診率との関係を示す図である。学習用データが1750枚近傍の部分を例にとると、下端16は平均値から標準偏差値を引いた値、上端17は平均値に標準偏差値を加えた値を示しており、点15は平均値を示している。下端16と上端17との間が離れているほど、ばらつきが大きく標準偏差も大きくなる。図8の結果では、学習用データの枚数が12000枚近傍のときに、正診率は高い値を維持し、かつばらつきも小さくなっており(A部参照)、高い正診率を安定して確保できる。解析手段6は、正診率の平均値及び標準偏差を尺度として、最適学習用データ枚数Nとし12144枚を決定した(ステップ116)。

0039

グループ1〜5の学習用データの最適枚数Nを決定した後は、解析手段6は最適識別器の決定のための演算処理を行う。図9は、最適識別器の決定のためのプロセスを示すフローチャートである。最適識別器の決定はグループ1〜5の各グループについて行う。以下、グループ1の最適識別器の決定について説明する。最初に、グループ1の年齢区分の画像データ669枚をテストデータ及び学習用データに分け、学習用データの中から一定枚数を検証用データとする(ステップ120)。この分け方は無作為であり、全画像データの20%をテストデータ、残り80%を学習用データ(535枚)とし、学習用データの20%を検証用データとした。

0040

次に、535枚の学習用データを増幅してグループ1の最適学習用データ枚数である12144枚の画像データとする(ステップ121)。12144枚の学習用データの正常画像データと異常画像データの比率は限定せず様々な値をとる。この12144枚の学習用データ(検証用データ含む)から識別器を作成する(ステップ122)。このステップでは、図7のステップ112と同様に、検証用データで調整しながら識別器を学習させて、N枚の学習用データから最良の識別器を作成する。

0041

次に、識別器で診断を行うテストデータN2枚を抽出する(ステップ123)。テストデータは、グループ1の全データのうち学習用データに用いなかった残りの20%に相当する135枚の画像データである。135枚のテストデータの内訳は、グループ1の全画像データの正常画像データと異常画像データの比率に応じた枚数とした。この135枚のテストデータについて、ステップ122で作成した識別器で診断を行う(ステップ124)。

0042

診断要領は、図7のステップ113と同様であり、正常又は異常の2種類であり、135枚のテストデータに対し135個の診断結果が得られ、前記式(1)で定義した正診率の計算式により、135枚のテストデータの診断結果について正診率を演算する(ステップ125)。

0043

正診率演算後に、パラメータ(L2正則化値、学習用データ等)を変化させて新たな識別器を作成し、改めて正診率を演算し、正診率の平均値及び標準偏差を尺度として、ステップ121で作成した識別器をより結果の良い識別器に置き換えてもよい。

0044

ステップ124の正診率の演算が完了すると、新たにランダムに選んだ535枚の画像データから12144枚の画像データを新たに作成し、ステップ120〜125を繰り返し、改めて135個の正診率が得られる。以後、同じ手順を繰り返すことにより、新たに選択した学習用データについてそれぞれ135個の正診率が得られる。解析手段6は、最も高い正診率をもたらした識別器を最適識別器として採用する(ステップ126)。このステップは、図2のステップ103に相当する。

0045

以上の解析プロセスを経て、グループ1(42歳以上)の年齢区分の最適識別器が作成されたことになる。以下、図7図9に示した解析プロセスを順次繰り返して、グループ2〜5の年齢区分の最適識別器を作成する。すなわち、各グループの画像データを解析して、各グループ毎に最適学習用データ枚数Nを決定した後(図7のステップ116)、各グループ毎に最適識別器を決定する(図9のステップ126)。

0046

各グループについて、図7のステップ111〜ステップ116を繰り返すことにより、各グループ毎に学習用データの枚数と正診率との関係が得られる。図10図13に、グループ2〜5の学習用データの枚数と正診率との関係を示している。図10は、グループ2(40歳以上42歳未満)の年齢区分における学習用データの枚数と正診率との関係を示している。この結果を用いて、最適学習用データ枚数Nを決定する。決定要領はグループ1(42歳以上)の場合と同様であり、正診率の平均値及び標準偏差を尺度として、最適学習用データ枚数Nを決定する。図10の結果では、学習用データの枚数が8000枚近傍のときに、正診率は高い値を維持し、かつばらつきも小さくなっており(B部参照)、解析手段6は、最適学習用データ枚数Nとして8085枚を決定した(ステップ116)。

0047

最適学習用データ枚数Nの決定は、他のグループ3〜5についても、以下の通り同様である。図11は、グループ3(38歳以上40歳未満)の年齢区分における学習用データの枚数と正診率との関係を示しており、図11の結果では、学習用データの枚数が8000枚近傍のときに、正診率は高い値を維持し、かつばらつきも小さくなっており(C部参照)、解析手段6は、最適学習用データ枚数Nとして7848枚を決定した。

0048

図12は、グループ4(35歳以上38歳未満)の年齢区分における学習用データの枚数と正診率との関係を示しており、図12の結果では、学習用データの枚数が17000枚近傍のときに、正診率は高い値を維持し、かつばらつきも小さくなっており(D部参照)、解析手段6は、最適学習用データ枚数Nとして17112枚を決定した。

0049

図13は、グループ5(35歳未満)の年齢区分における学習用データの枚数と正診率との関係を示しており、図13の結果では、学習用データの枚数が16000枚近傍のときに、正診率は高い値を維持し、かつばらつきも小さくなっており(E部参照)、解析手段6は、最適学習用データ枚数Nとして16665枚を決定した。

0050

各グループについて、最適学習用データ枚数Nが決定されると、図9のプロセスを経て、最適識別器が決定され、グループ1〜5の5つの年齢区分のそれぞれに対応した5つの最適識別器が決定されることになる。以後は診断対象画像データについて解析が行われる。すなわち、図2において、年齢区分毎に最適識別器を決定した後は(ステップ103)、この最適識別器で診断対象画像データを診断する(ステップ104)。

0051

最適識別器による診断は、診断対象画像データの年齢に応じた最適識別器で診断する。図14は、最適識別器と診断対象画像データとの関係を示している。最適識別器1〜5は、グループ1〜5(図3参照)に対応している。最適識別器1は、診断対象画像データのうち42歳以上のデータを診断し、同様に最適識別器2〜5は、図14に示した年齢区分の診断対象画像データを診断する。

0052

最適識別器1〜5の効果を検証するために、比較解析を行った。この比較解析のために、前記の解析に用いた妊娠予後判明画像データ(媒精後5日目の受精卵(胚盤胞)の画像5691枚)を用いて、比較用識別器を新たに作成した。比較用識別器の作成手順は、最適識別器1〜5の作成手順と同様であるが、最適識別器1〜5の作成が年齢区分された画像データを用いたのに対して、比較用識別器の作成は年齢区分していない画像データを用いた点が異なっている。

0053

図15は、最適識別器1〜5と比較用識別器との正診率の比較結果を示している。図9を参照しながら説明したとおり、最適識別器1〜5はその導出過程において最も高い正診率が得られた識別器であり、同様に比較用識別器についてもその導出過程において最も高い正診率が得られた識別器である。図15に示した最適識別器1〜5の正診率は最適識別器1〜5の導出過程で得られたものであり、比較用識別器の正診率は比較用識別器の導出過程で得られたものである。図15によれば、最適識別器1〜4においては、正診率は比較用識別器の正診率を上回っており、年齢別に最適識別器を作成することの効果が確認できた。最適識別器5の正診率0.639は比較用識別器の正診率0.721を下回っていたが、正診率0.639は6割を超える正診率であり、十分高い正診率であるということができる。このため、本実施形態に係る年齢別の最適識別器による診断結果は正常児獲得の可否を高い精度で予測したものであるということができる。

0054

前記実施形態では、妊娠予後判明画像データ10は、正常画像データと異常画像データとに分類され、正常画像データは、生児獲得に至ったことが判明している画像データであり、異常画像データは、生児獲得に至らなかったことが判明している画像データであった。これに代えて、正常画像データを妊娠成立に至ったことが判明している画像データとし、異常画像データを妊娠成立に至らなかったことが判明している画像データとしてもよい。この場合、年齢別の最適識別器の作成手順は前記実施形態と同じであり、作成された年齢別の最適識別器による診断結果は妊娠成立の可否を高い精度で予測したものであるということができる。

0055

以上のとおり、本発明は機械学習の手法を用いたものであり、受精卵の画像データに対し、撮影や測定等の機材を用いることなく、コンピュータのプログラムを実行させるだけで、主観的判断をすることなく診断が可能になる。そして、データを診断する識別器は、妊娠予後が判明している妊娠予後判明画像データに基づいて機械学習の手法により統計的に作成することに加え、年齢別に作成するので、診断結果は正常児獲得又は妊娠不成立の可否が高い精度で予測可能なものとなる。

0056

以上、本発明の一実施形態について説明したが、最適識別器の決定のためのプロセスは適宜変更したものであってもよい。例えば前記実施形態では、識別器を作成する際に(図7のステップ112)、検証用データで調整しながら識別器を学習させて作成するという例で説明したがこれを省き、診断はテストデータでの診断(図7のステップ113)だけとしてもよい。また、図3では5グループの年齢区分の例を示したが、これに限るものではない。

0057

前記実施形態においては、妊娠予後判明画像データ10をインターネット8を介して受信する例で説明したが(図1参照)、これに限るものではなく、インターネット8を介在さずに、受信手段2で直接受信してもよい。また、妊娠予後判明画像データ10は、画像診断システム1の外部にある記憶手段に一旦保存したものを受信手段2で受信してもよいが、顕微鏡に画像診断システム1を接続することで画像データを保存することなくリアルタイムで受信し、結果についてもリアルタイムで画像診断システム1の出力手段5で表示するようにしてもよい。

0058

また、図7の学習用データn1枚(図7のステップ111)、図9の学習用データN1枚(図9のステップ121)における正常画像データと異常画像データの枚数の比率は限定せず様々な値をとる旨説明したが、両画像データの比率は、識別器の正診率がより高まる最適な比率を決定すればよく、例えば1:1、2:1又は1:2等でもよい。具体的には、最終的な比率を決定する前に、試験的に画像診断システム1を稼働させて、適宜比率を変更して、識別器の正診率を確認しながら、最適な比率を決定してもよい。

0059

1受精卵の画像診断システム
2 受信手段
3 送信手段
4入力手段
5 出力手段
6解析手段
7 記憶手段

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