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技術 携帯型検査システム、アプタマーシート、および携帯型検査デバイス

出願人 NECソリューションイノベータ株式会社国立大学法人東北大学
発明者 金子直人堀井克紀和賀巌田中秀治塚本貴城井上久美伊藤隆広アブデリハムザ
出願日 2018年10月22日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-198596
公開日 2020年4月30日 (1年3ヶ月経過) 公開番号 2020-067300
状態 未査定
技術分野 自動分析、そのための試料等の取扱い 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 方向判別用 接続リボン アクリル系テープ クラウドサーバー 二次元光センサ PDMSシート 判定モデル 未結合状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

アレルゲン等のターゲットの検出を簡便に行うことができる新たなシステムを提供する。

解決手段

本発明の携帯型検査システムは、使い捨てアプタマーシートと、携帯型検査デバイスとを含み、前記アプタマーシートは、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、前記携帯型検査デバイスは、前記アプタマーシートを配置するセット部と、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットとを含むことを特徴とする。

概要

背景

近年、ターゲットの検出に、アプタマーの利用が試みられている。前記アプタマーは、核酸分子であるが、抗体と似た性質を有しており、前記アプタマーと前記ターゲットとの結合により、前記ターゲットを検出することができる。前記アプタマーは、抗体と比較して、例えば、常温でも保存安定性に優れ、熱にも比較的強い性質を有していることから、前記アプタマーを用いた検査は、今後、様々な分野に利用されることが期待されている。

アレルギーは、アレルゲンの種類によっては、その症状が重篤であり、アナフィラキシーショックによって死に至る場合がある。このため、食品製造ライン等において、アレルゲンの混入の確認等が行われている(特許文献1)。しかしながら、実際の食事の場において、全ての食材に関してアレルゲンの有無が確認されているわけではなく、どれだけ注意を払っても、最終的に調理された食事にアレルゲンが含まれているか否かは不明な場合が多い。

概要

アレルゲン等のターゲットの検出を簡便に行うことができる新たなシステムを提供する。 本発明の携帯型検査システムは、使い捨てアプタマーシートと、携帯型検査デバイスとを含み、前記アプタマーシートは、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、前記携帯型検査デバイスは、前記アプタマーシートを配置するセット部と、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットとを含むことを特徴とする。

目的

しかしながら、想定されるユーザは、必ずしも検査装置熟達する者には限られないため、そのようなユーザにも、安全に簡便に使用できる装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

使い捨てアプタマーシートと、携帯型検査デバイスとを含み、前記アプタマーシートは、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、前記携帯型検査デバイスは、前記アプタマーシートを配置するセット部と、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットとを含むことを特徴とする携帯型検査システム

請求項2

前記シートは、複数のウェルを有し、前記複数のウェルは、参照ウェル検査ウェルとを含み、前記参照ウェルは、ポジティブコントロール用、およびネガティブコントロール用の少なくとも一方であり、前記検査ウェルは、前記ターゲットに対する前記アプタマー試薬が収容されたウェルである、請求項1に記載の携帯型検査システム。

請求項3

前記シートは、前記参照ウェルと前記検査ウェルとが分散配置されている、および/または、方向判定用のマークを含む、請求項2に記載の携帯型検査システム

請求項4

前記携帯型検査デバイスにおいて、前記検出ユニットは、光源を含む光学系と、撮像部と、を含み、前記光学系は、前記セット部にセットされる前記アプタマーシートに対する近接場光を発生させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯型検査システム。

請求項5

前記携帯型検査デバイスにおいて、前記検出ユニットは、光源を含む光学系と、撮像部とを含み、前記撮像部は、前記セット部にセットされた前記シートを撮像し、前記携帯型検査デバイスは、さらに、画像処理部を含み、前記画像処理部は、前記撮像部により撮像された前記シートの画像が、前記セット部に前記シートが正しくセットされているときに得られる画像となるように、前記撮像した画像を、回転処理、および平行移動処理の少なくとも一方を行う画像処理アルゴリズムにより、画像処理する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯型検査システム。

請求項6

前記シートは、複数のウェルを有し、前記複数のウェルは、参照ウェルと検査ウェルとを含み、前記シートは、前記参照ウェルと前記検査ウェルとが分散配置されている、および/または、方向判定用のマークを含み、前記携帯型検査デバイスの前記画像処理部は、前記画像処理アルゴリズムにより、前記分散配置のパターンおよび前記方向判定用のマークの少なくとも一方に基づいて、前記画像処理を行う、請求項5に記載の携帯型検査システム。

請求項7

前記シートは、第1層および第2層を含み、前記第1層は、複数のウェルを有し、前記複数のウェルに、前記アプタマー試薬が収容、または、固定され、前記第2層は、前記アプタマー試薬が非透過であり且つ前記ターゲットが透過可能である複数の孔を有し、前記第1層に対して、前記複数のウェルを覆って、前記第2層が積層されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯型検査システム。

請求項8

第1層および第2層を含み、前記第1層は、複数のウェルを有し、前記複数のウェルに、前記アプタマー試薬が収容、または、固定され、前記第2層は、前記アプタマー試薬が非透過であり且つ前記アプタマーのターゲットが透過可能である複数の孔を有し、前記第1層に対して、前記複数のウェルを覆って、前記第2層が積層されていることを特徴とするアプタマーシート。

請求項9

前記シートは、複数のウェルを有し、前記複数のウェルは、参照ウェルと検査ウェルとを含み、前記シートは、前記参照ウェルと前記検査ウェルとが分散配置されている、および/または、方向判定用のマークを含む、請求項8に記載のアプタマーシート。

請求項10

セット部と検出ユニットとを含み、前記セット部は、アプタマーシートを配置するセット部であり、前記アプタマーシートは、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、前記検出ユニットは、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットであり、請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯型検査システムに使用されることを特徴とする携帯型検査デバイス。

技術分野

0001

本発明は、携帯型検査ステムアプタマーシート、携帯型検査デバイス、および検査方法に関する。

背景技術

0002

近年、ターゲットの検出に、アプタマーの利用が試みられている。前記アプタマーは、核酸分子であるが、抗体と似た性質を有しており、前記アプタマーと前記ターゲットとの結合により、前記ターゲットを検出することができる。前記アプタマーは、抗体と比較して、例えば、常温でも保存安定性に優れ、熱にも比較的強い性質を有していることから、前記アプタマーを用いた検査は、今後、様々な分野に利用されることが期待されている。

0003

アレルギーは、アレルゲンの種類によっては、その症状が重篤であり、アナフィラキシーショックによって死に至る場合がある。このため、食品製造ライン等において、アレルゲンの混入の確認等が行われている(特許文献1)。しかしながら、実際の食事の場において、全ての食材に関してアレルゲンの有無が確認されているわけではなく、どれだけ注意を払っても、最終的に調理された食事にアレルゲンが含まれているか否かは不明な場合が多い。

先行技術

0004

特開2009−271091号公報

発明が解決しようとする課題

0005

前述のような製造ライン等における問題から、アレルゲンの検査は、食事の場においてその都度、行うのが望ましい。そのためには、検査は、迅速で、安価に、且つ、衛生的に行うことが求められる。しかしながら、その要請を満たす装置は、ほとんど知られていないのが現状である。また、食事は、外出先等で行うこともあり、ユーザが、持ち運び可能であり、どこでも、その場で、簡便に測定できる検査装置であることも求められる。

0006

また、アレルギーのアナフィラキシーショックは、死に至る場合もあるため、検査装置を正しく使用して、検出を行う必要がある。しかしながら、想定されるユーザは、必ずしも検査装置に熟達する者には限られないため、そのようなユーザにも、安全に簡便に使用できる装置を提供することが求められている。

0007

そこで、本発明は、例えば、アレルゲン等のターゲットの検出を、どこでも、簡便に、且つ、衛生的に行うことができる新たなシステムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

前記目的を達成するために、本発明の携帯型検査システムは、使い捨てアプタマーシートと、携帯型検査デバイスとを含み、
前記アプタマーシートは、
シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、
前記携帯型検査デバイスは、
前記アプタマーシートを配置するセット部と、
前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットとを含むことを特徴とする。

0009

本発明のアプタマーシートは、
第1層および第2層を含み、
前記第1層は、複数のウェルを有し、前記複数のウェルに、前記アプタマー試薬が収容、または、固定され、
前記第2層は、前記アプタマー試薬が非透過であり且つ前記アプタマーのターゲットが透過可能である複数の孔を有し、
前記第1層に対して、前記複数のウェルを覆って、前記第2層が積層されていることを特徴とする。

0010

本発明の携帯型検査デバイスは、セット部と検出ユニットとを含み、
前記セット部は、アプタマーシートを配置するセット部であり、前記アプタマーシートは、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、
前記検出ユニットは、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットであり、
前記本発明の携帯型検査システムに使用されることを特徴とする。

0011

本発明の検査方法は、前記本発明の携帯型検査システムを用い、
前記アプタマーシートを前記携帯型検査デバイスにセットする工程と、
前記アプタマーシートに、サンプルを接触させる工程と、
前記携帯型検査デバイスにより、前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記サンプル中のターゲットとの結合を光学的に検出する工程とを含むことを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明によれば、簡便にサンプルにおけるターゲットの有無を検査できる。特に、本発明は、携帯型の検査システムであることから、例えば、家庭や外出先での食事の際、その場で、飲食品にアレルゲンが含まれているか否かを検査することもできる。また、本発明において、アプタマーシートは、使い捨てであるため、例えば、衛生的であり、アプタマーシートを交換するだけで、何度でも使用することができる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、本発明の使い捨てアプタマーシートの一例を示す断面図である
図2は、本発明の使い捨てアプタマーシートの一例を示す平面図である。
図3は、本発明の検査デバイスの一例を示す概略図である。
図4は、本発明の検査デバイスのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5は、本発明の使い捨てアプタマーシートの一例を示す平面図である。
図6は、方向指定マークを有するアプタマーシートの一例を示す平面図である。
図7は、本発明の光学系の一例を示す概略図と、それにより得られたアプタマーシートの蛍光画像である。
図8は、本発明のシステムに内蔵された画像処理部において、画像処理アルゴリズムにより、本来セットされる位置ではない位置にセットされたシートの画像を、正確な位置にセットされた際に得られる画像に修正する画像処理を行い、その過程で得られる画像を示したものである。
図9は、本発明のシステムに内蔵された画像処理部において、画像を修正する画像処理を行い、その過程で得られる画像を示したものである。
図10は、本発明のアプタマーシートに用いられるアプタマーとクエンチャーを含む系が、アレルゲンに対し、適切に蛍光を発することを示したグラフである。
図11は、本発明のアプタマーシートに用いられるアプタマー試薬について、蛍光によるアレルゲンの検出が可能であることを示すグラフである。
図12は、本発明のアプタマー試薬を配置したアプタマーシートにより、蛍光によるアレルゲンの検出が可能であることを示す画像である。

0014

本発明の実施形態について、図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。

0015

本発明について、以下の実施形態では、一例として、食品中のアレルゲンの検出を例にあげて記載するが、以下の食品の実施形態には限定されない。検出対象となるサンプルは、特に制限されず、アプタマーで検出可能なものであればよく、前記食品に限らず、例えば、血液、尿、唾液体液等があげられ、これらのサンプルに含まれる任意のターゲットでも、本発明の実施形態は、使用、あるいは、転用可能である。

0016

[実施形態1]
本実施形態の携帯型検査システム(以下、検査システムという)は、前述のように、前記使い捨てアプタマーシート(以下、アプタマーシートという)と、前記携帯型検査デバイス(以下、検査デバイスという)とを含むことを特徴とする。前記携帯型検査システムは、携帯型検査用具ともいう。

0017

(1)使い捨てアプタマーシートのアプタマー
前記使い捨てアプタマーシートは、前述のように、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されている。

0018

前記アプタマーは、ターゲットに対して結合性を有する核酸分子である。前記アプタマーの構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基および非ヌクレオチド残基である。前記ヌクレオチド残基は、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基があげられ、前記ヌクレオチド残基は、例えば、修飾されても、未修飾でもよい。前記アプタマーは、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基からなるDNAアプタマー、リボヌクレオチド残基からなるRNAアプタマー、両方を含むアプタマー、修飾ヌクレオチド残基を含むアプタマー等があげられる。前記アプタマーの長さは、特に制限されず、例えば、10〜200塩基である。

0019

前記ターゲットは、特に制限されず、任意に設定できる。本発明の携帯型検査システムは、前述のように、食事の際に使用できることから、前記ターゲットは、例えば、食物アレルゲンが好ましい。前記アレルゲンの種類は、何ら制限されず、小麦等の穀物、肉、野菜果物牛乳ピーナッツ等の豆等があげられる。それぞれのターゲットに対するアプタマーは、例えば、既存のアプタマーを使用してもよいし、前記ターゲットに応じて、例えば、SELEX法等を利用して新たに取得したものを使用することもできる。本発明の携帯型検査システムに供するサンプルは、特に制限されず、例えば、食品、血液、尿、唾液、体液等が例示でき、これらのサンプル中のターゲットが検出できる。

0020

前記アプタマー試薬は、例えば、前記アプタマーと前記ターゲットとの結合状態において蛍光を発し、前記アプタマーと前記ターゲットとの未結合状態で蛍光がクエンチングされるものが使用できる。このようなアプタマー試薬としては、例えば、二本鎖型試薬、および三本鎖型試薬があげられる。

0021

前記二本鎖型試薬は、例えば、前記アプタマーと、前記アプタマーに対する相補鎖とを含み、具体的に、前記アプタマーは、蛍光物質が結合された蛍光アプタマーであり、前記相補鎖は、消光物質が結合された消光相補鎖である。前記蛍光物質が結合された蛍光アプタマーと、前記消光物質が結合された消光相補鎖とを共存させると、例えば、配列依存的に、前記蛍光アプタマーに前記消光相補鎖がアニーリングし、前者の蛍光物質の蛍光が、後者の消光物質によってクエンチングされる。このため、例えば、前記ターゲットが非存在の場合、前記蛍光アプタマーに前記消光相補鎖がアニーリングしてクエンチングが起きるが、前記ターゲットが存在する場合、前記蛍光アプタマーに前記ターゲットが結合することにより、前記消光相補鎖は前記蛍光アプタマーに結合できないため、クエンチングが起きず、前記蛍光アプタマーの蛍光物質が蛍光を発する。したがって、蛍光が検出できなければ、ターゲットが存在しない、蛍光が検出されれば、ターゲットが存在すると判定でき、また、蛍光が相対的に弱ければ、ターゲットが相対的に少ない、蛍光が相対的に強ければ、ターゲットが相対的に多いと判定できる。

0022

前記二本鎖型試薬において、前記アプタマーの長さと前記相補鎖の長さとの関係は、特に制限されず、同じ長さでもよいし、異なる長さでもよく、後者の場合、前記アプタマーよりも、前記相補鎖が短いことが好ましい。前記アプタマーにおける前記蛍光物質の結合箇所、および前記相補鎖における前記消光物質の結合箇所は、特に制限されず、例えば、前記アプタマーと前記相補鎖とがアニーリングした際に、前記蛍光物質の蛍光を前記消光物質がクエンチングできる位置であればよい。

0023

前記三本鎖型試薬は、例えば、前記アプタマーと、前記アプタマーに対する2本の相補鎖(第1相補鎖および第2相補鎖)とを含み、具体的に、前記第1相補鎖は、蛍光物質が結合された蛍光相補鎖であり、前記第2相補鎖は、消光物質が結合された消光相補鎖である。前記アプタマーと、前記第1相補鎖および前記第2相補鎖とを共存させると、例えば、配列依存的に、前記アプタマーに前記第1相補鎖および第2相補鎖がアニーリングし、前記第1相補鎖の蛍光物質の蛍光が、前記第2相補鎖の消光物質によってクエンチングされる。このため、例えば、前記ターゲットが非存在の場合、前記アプタマーに前記第1相補鎖および前記第2相補鎖がアニーリングしてクエンチングが起きるが、前記ターゲットが存在する場合、前記アプタマーに前記ターゲットが結合することにより、前記第1相補鎖および前記第2相補鎖は前記アプタマーに結合できないため、クエンチングが起きず、前記第1相補鎖の蛍光物質が蛍光を発する。したがって、蛍光が検出できなければ、ターゲットが存在しない、蛍光が検出されれば、ターゲットが存在すると判定でき、また、蛍光が相対的に弱ければ、ターゲットが相対的に少ない、蛍光が相対的に強ければ、ターゲットが相対的に多いと判定できる。

0024

前記三本鎖型試薬において、前記アプタマーの長さと前記第1相補鎖および前記第2相補鎖の長さとの関係は、特に制限されず、前記第1相補鎖および前記第2相補鎖の合計長さが、前記アプタマーと同じ、または、前記アプタマーよりも短いことが好ましい。前記第1相補鎖における前記蛍光物質の結合箇所、および前記第2相補鎖における前記消光物質の結合箇所は、特に制限されず、例えば、前記アプタマーと前記第1相補鎖および前記第2相補鎖とがアニーリングした際に、前記蛍光物質の蛍光を前記消光物質がクエンチングできる位置であればよい。

0025

前記蛍光物質は、特に制限されず、例えば、励起によって蛍光を発する物質であり、ピレン、TAMRA、フルオレセイン、Cy3色素、Cy5色素、FAM色素、ローダミン色素テキサスレッド色素、JOE、MAX、HEX、TYE、Alexa488、Alexa647等のAlexa色素等があげられる。前記消光物質は、特に制限されず、例えば、前記蛍光物質の蛍光をクエンチングできればよく、Iowa Black(登録商標RQ製品名、Integrated DNA Technologies社)、Iowa Black(登録商標) FQ(製品名、Integrated DNA Technologies社)、BHQ(登録商標) Series(BHQ−0、BHQ−1、BHQ−2、BHQ−3、BHQ−10、Biosearch Technoligies社)、TAMRA等があげられる。

0026

前記蛍光物質および前記消光物質は、前記アプタマーおよび前記相補鎖に対して、例えば、直接的に結合してもよいし、間接的に結合してもよい。後者の場合、例えば、リンカー等を介して結合してもよく、前記リンカーの構成単位は、例えば、前記アプタマーと同様であり、その長さは、特に制限されず、例えば、1〜10塩基長、1〜7塩基長、1〜5塩基長である。

0027

(2)アプタマーシート
前記アプタマーシートは、前述のように、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、本発明の携帯型検査システムにおいて使い捨てのアプタマーシートとして使用される。

0028

(2−1)アプタマー試薬の配置方法
前記シートへの前記アプタマー試薬の配置方法は、特に制限されず、例えば、前記シートに非固定の状態(遊離した状態)で配置してもよいし、前記アプタマー試薬を直接シート固定化してもよい。

0029

まず、前記シートにおける前記アプタマー試薬の配置方法が、非固定である形態について、説明する。この場合、例えば、前記シートは、第1層および第2層を含む形態があげられる。この形態のアプタマーシートについて、一例を図1に示す。図1は、アプタマーシート1の一例を示す断面図である。アプタマーシート1において、シート10は、第1層11および第2層12を有し、第1層11は、複数のウェル13を有し、複数のウェル13に、アプタマー試薬20が収容され、一方、第2層12は、例えば、アプタマー試薬20が非透過であり且つ前記ターゲットが透過可能である複数の孔(図示せず)を有する。そして、第1層11のウェル13に、アプタマー試薬20が収容され、さらに、第1層11に対して、複数のウェル13を覆って、第2層12が積層されることで、シート10が形成される。アプタマーシート1において、第1層11の第2層12とは反対面が、前記検査デバイスのセット部への配置面となり、第2層12の第1層11とは反対面が、前記検査デバイスにセットした際、サンプルとの接触面となる。このようなアプタマーシート1によれば、例えば、アプタマーシート1が外部のサンプルと接触すると、前記サンプル中のターゲットは、第2層12の孔を透過(通過)して、第1層11のウェル13に到達するが、第1層11のウェル13中のアプタマー試薬20は、第2層12の孔を通過することなく、第1層11のウェル13中に留まることができる。なお、第1層11および第2層12との間に、ウェル13に対応する貫通穴を有する接着層を有していてもよい。前記接着層により、例えば、第1層11と第2層12とを容易に接着し、また、前記両層間の接着を補強することができる。

0030

前記ウェル1個あたりに収容される、前記アプタマー試薬の前記アプタマーの量は、特に制限されず、例えば、1fmol〜1pmol、好ましくは10〜200fmol、より好ましくは25〜100fmolである。

0031

前記ウェルに収容される前記アプタマー試薬は、例えば、そのまま収容されてもよいし、担体に固定化された状態で収容されてもよい。後者の場合、前記アプタマー試薬は、例えば、前記アプタマーと担体とを含み、前記アプタマーは前記担体に固定化され、前記担体に固定化されたアプタマーが、前記ウェルに収容されている。前記アプタマー試薬が、前述のように、前記相補鎖を有する場合、例えば、前記アプタマー試薬の前記アプタマーが前記担体に固定化されており、前記相補鎖は、前記アプタマーを介して前記担体に固定化されているが、前記アプタマーと前記ターゲットとの結合により、前記相補鎖は遊離されてもよい。

0032

前記担体への前記アプタマーの固定化方法は、特に制限されず、例えば、共有結合等の化学的な結合があげられる。前記アプタマーは、例えば、前記担体に、直接的に結合してもよいし、間接的に結合してもよく、後者の場合、例えば、前述のようなリンカーを介した結合があげられる。

0033

前記担体の形態は、特に制限されず、例えば、ビーズ(例えば、磁気ビーズ等)、基板メンブレン等があげられる。前記担体の材質は、特に制限されず、例えば、ポリマーガラス等があげられ、前記ポリマーとしては、例えば、ポリスチレンアクリル等があげられる。前記ビーズの大きさは、特に制限されず、その直径は、例えば、0.1〜100μm、好ましくは、0.1〜50μm、より好ましくは、1〜20μmである。前記ウェルに収容するビーズの個数および前記担体1個に固定化される前記アプタマーの量は、特に制限されず、例えば、ウェル1個に収容するアプタマー量等に応じて適宜設定できる。

0034

シート10の形状および大きさ、第1層11および第2層12の形状および大きさは、特に制限されず、例えば、前記検査デバイスのセット部の形状および大きさに応じて、適宜決定できる。具体例として、シート10、第1層11および第2層12の形状は、例えば、長方形正方形円形等があげられる。シート10の全体の長さは、例えば、4cm×4cm〜0.5cm×0.5cm、好ましくは2cm×2cm〜0.5cm×0.5cm、より好ましくは1.5cm×1.5cm〜0.5cm×0.5cmであり、シート10の全体の厚みは、例えば、2000μm〜50μm、好ましくは500μm〜50μm、より好ましくは300μm〜100μmである。

0035

アプタマーシート1は、使い捨てであることから、シート10は、前記検査デバイスに対する着脱が容易な強度を備えることが好ましく、具体的には、シート10においては、例えば、第2層12が第1層11のカバーとなるため、第1層11が、例えば、取扱い性に適した強度を有することが好ましい。第1層11は、例えば、可撓性、または可塑性を有することが好ましい。第1層11が、可塑性または可撓性を有することで、例えば、携帯時の破損をより防止でき、また、前記検査デバイスに巻き付けることも等もできる。アプタマーシート1は、前記検査デバイスに着脱されることから、シート10は、例えば、前記検査デバイスのセット部に対して粘着性を有してもよい。アプタマーシート1は、前記検査デバイスにセットされ、アプタマー試薬20とターゲットとの結合が光学的に検出されることから、シート10は、光透過性、透明性を有することが好ましい。

0036

第1層11の材質は、特に制限されず、例えば、前述のような性質を満たすポリマーが使用でき、透明樹脂光透過性樹脂が好ましい。前記ポリマーとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、アクリル等があげられる。PDMSは、例えば、それ自身が粘着性を有することから、前記検査デバイスへのセットにおいて、例えば、接着剤の使用を省くこともできる。

0037

第1層11の厚みは、例えば、1700〜50μm、好ましくは、400〜100μm、より好ましくは、300〜200μmである。

0038

第1層11におけるウェル13は、その形状が、例えば、円柱、角柱、半球状等であり、その平面形状が、例えば、丸形、正方形または長方形等の四角形、その他の多角形等であり、その断面形状が、例えば、弧状、半円形、正方形または長方形等の四角形、その他の多角形等である。ウェル13の大きさは、特に制限されず、その容積体積)が、例えば、20〜0.5μL、好ましくは、10〜1μL、より好ましくは、10〜5μLであり、ウェル13の開口部の面積は、例えば、500〜10mm2、400〜100mm2、より好ましくは、200〜150mm2である。

0039

シート10においては、前述のように、例えば、第2層12が第1層11のカバーとなるため、第2層12は、例えば、前記サンプルとの接触に耐えうる強度を有することが好ましい。第2層12の物性は、例えば、第1層11が可撓性または可塑性を有する場合、同程度の可撓性または可塑性を有するのが好ましい。

0040

第2層12は、前述のように、アプタマー試薬20が非透過であり且つ前記ターゲットが透過可能である複数の孔を有する層である。また、第2層12は、液体を透過可能である。第2層12は、例えば、多孔質体があげられる。第2層12の孔の大きさは、アプタマー試薬20が非透過であり、前記ターゲットが透過可能であればよく、特に制限されない。第2層12は、孔径が、例えば、0.1〜10μmであり、好ましくは、0.45〜2μmである。

0041

第2層12の厚みは、例えば、1〜1000μm、好ましくは、10〜200μm、より好ましくは、10〜100μmである。

0042

シート10に収容するアプタマー試薬20の種類は、特に制限されず、例えば、1つのシート10に対して、一種類のターゲットに対するアプタマー試薬のみを収容してもよいし、異なるターゲットに対する複数種類のアプタマー試薬を収容してもよい。後者の場合、例えば、複数のウェル13について、それぞれ、異なるアプタマー試薬を収容する。

0043

次に、前記シートにおける前記アプタマー試薬の配置方法が、シートに直接固定する形態について、説明する。前記アプタマー試薬の前記アプタマーは、例えば、前記シートに、直接的に結合してもよいし、間接的に結合してもよく、後者の場合、例えば、前述のようなリンカーを介した結合があげられる。前記アプタマー試薬が、さらに、前記相補鎖を有する場合、前記相補鎖は、前記アプタマーを介して固定化されているが、前記アプタマーと前記ターゲットとの結合により、前記相補鎖は遊離されてもよい。前記シートへの前記アプタマーの固定化方法は、特に制限されず、例えば、共有結合等の化学的な結合があげられる。

0044

前記シートに固定化する前記アプタマー試薬の種類は、特に制限されず、例えば、1つのシートに対して、一種類のターゲットに対するアプタマー試薬のみを固定化してもよいし、異なるターゲットに対する複数種類のアプタマー試薬を固定化してもよい。後者の場合、前記シートの表面をマトリクス状またはウェハ状に分割し、分割されたエリアごとに、異なるアプタマー試薬を固定化することが好ましい。

0045

前記アプタマー試薬の前記アプタマーをシートに直接固定する形態は、シートに固定化する以外は、前述したシートに非固定の状態と同様であり、記載を援用できる。この形態において、前記シートは、例えば、前述と同様に、前記第1層および前記第2層を含んでもよく、前記アプタマーが固定化される一層のみでもよい。また、前記アプタマーが固定化されるシートは、例えば、前記アプタマーが固定化される表面に、凹状のウェルを有し、前記ウェル内に前記アプタマーが固定化されてもよいし、前記ウェルを有さずフラットな表面に前記アプタマーが固定化されてもよい。

0046

(2−2)アプタマー試薬の配置位置
つぎに、前記シートにおける前記アプタマー試薬の配置位置について、説明する。以下、図1に示す、第1層11と第2層12とを積層したシート10を例にあげて説明するが、これには制限されない。前記アプタマー試薬を直接固定する形態の場合、配置位置に関しては、例えば、凹状のウェルの有無、および第2層の有無は、限定されない。

0047

シート10において、第1層11の複数のウェル13は、例えば、参照ウェル検査ウェルとを含んでもよい。前記検査ウェルは、例えば、前記ターゲットに対する前記アプタマー試薬が収容されたウェルである。前記参照ウェルは、例えば、ポジティブコントロール用およびネガティブコントロール用の少なくとも一方であり、1つのシート10は、前記参照ウェルとして、例えば、ポジティブ用のみを有してもよいし、ネガティブ用のみを有してもよく、好ましくは両方を有する。

0048

シート10が前記参照ウェルと前記検査ウェルとを有するアプタマーシート1の一例を図2に示す。図2(A)および(B)は、アプタマーシート1のウェルセットの部分的な平面図であり、それぞれウェルの組合せのバリエーションを示す。

0049

図2(A)は、アプタマーシート1が、ウェルセット13a、13b、13cを有する。ウェルセット13a、ウェルセット13b、ウェルセット13cは、それぞれ、異なるターゲットの検出に使用されるウェルのセットである。ウェルセット13aにおいて、ウェル13aD1および13aD2は、前記検査ウェルであり、ウェル13aNCは、それに対する前記ネガティブコントロール用参照ウェルであり、ウェル13aPCは、それに対する前記ポジティブコントロール用参照ウェルである。検査ウェル13aD1およびD2には、それぞれ、ターゲットに対する同じアプタマー試薬20が収容されており、サンプル中のターゲットが前記検査ウェルに導入されると、アプタマー試薬20のアプタマーと前記ターゲットとの結合により、例えば、前述のような蛍光を発する。ウェルセット13bおよび13cにおいても同様である。

0050

ネガティブコントロール用参照ウェル13aNCは、例えば、ターゲットの有無にかかわらず、励起による蛍光を生じない状態を示すウェルである。具体例として、参照ウェル13aNCは、例えば、前記アプタマー試薬を含まない状態でもよいし、検査ウェル13aD1および13aD2に収容されたアプタマー試薬のうち、前記蛍光物質を含まない以外は同様であるネガティブコントロール用アプタマー試薬が収容されてもよい。前記ネガティブコントロール用アプタマー試薬は、前記蛍光物質を含まないため、前記ターゲットの有無にかかわらず、励起光照射されても、前記蛍光物質による蛍光は生じない。このため、例えば、アプタマーシート1のウェルにおける外部からの光の影響の有無等を確認でき、誤検出の可能性を低減できる。ウェルセット13bおよび13cにおいても同様である。

0051

ポジティブコントロール用参照ウェル13aPCは、例えば、ターゲットの有無にかかわらず、励起による蛍光を生じる状態を示すウェルである。具体例として、参照ウェル13aPCには、例えば、検査ウェル13aD1および13aD2に収容されたアプタマー試薬のうち、前記消光物質を含まない以外は同様であるポジティブコントロール用アプタマー試薬を収容してもよいし、前記蛍光物質を結合させた任意の核酸配列を収容してもよい。前記ポジティブコントロール用アプタマー試薬は、前記消光物質を含まないため、前記ターゲットの有無にかかわらず、励起光が照射されると、前記蛍光物質による蛍光が生じる。このため、例えば、アプタマーシート1のウェルにおける光源からの光のバラツキ等を検出できる。ウェルセット13bおよび13cにおいても同様である。

0052

なお、シートに前記アプタマー試薬が直接固定化される場合、例えば、前記シートの参照ウェルに対応する箇所を、参照領域として、前記ポジティブコントロール用アプタマー試薬、および前記ネガティブコントロール用アプタマー試薬が、それぞれの位置に直接固定化されてもよく、それ以外は同様にできる。

0053

図2(B)のアプタマーシート1は、検査ウェル13Dに対して、ポジティブコントロール用参照ウェル13PCおよびネガティブコントロール用参照ウェル13NCが、図2(A)のように同じ列に配置されるのではなく、分散配置されている。このように、検査ウェル13D、参照ウェル13PC、13NCを分散配置することによって、例えば、アプタマーシート1を前記検査デバイスにセットして光学的な検出を行う際、励起光や外乱光等が不均一であっても、サンプルが不均一に適用されても、その影響を抑制でき、結果的にS/N比をより向上できる。

0054

前記検査ウェルおよび前記参照ウェルは、例えば、予め設定したテンプレートパターンに従って、アプタマーシート1に分散配置してもよい。前記分散配置とは、例えば、アプタマーシート1において、前記参照ウェルをまとめて配置し、前記検査ウェルをまとめて配置するような形態ではなく、前記アプタマーシート1の全体にわたって、前記参照ウェルと前記検査ウェルとを、それぞれ分散するように配置する形態である。前記テンプレートパターンとは、例えば、アプタマーシート1における前記検査ウェルおよび前記参照ウェルの特定の配置パターンを、テンプレートとしたものである。このように、前記検査ウェルおよび前記参照ウェルを、例えば、様々なテンプレートパターンに従って、分散配置すれば、前記テンプレートに対するパターン解析を行うことができる。すなわち、前記テンプレートパターンは、前記検査ウェルと前記参照ウェルとがアプタマーシート1の全体において、どこに位置しているかのパターンであるため、このテンプレートパターンと、アプタマーシート1の各ウェルにおける蛍光の有無のパターンとを対比すれば、複数のウェルに基づく総合判定を行うことができる。このため、例えば、誤検出の可能性を低下できる。また、前記検査ウェルおよび前記参照ウェルのテンプレートパターンを、アプタマーシート1のセット位置に対する方向がわかるように設定してもよい。このテンプレートパターンに従って分散配置すれば、アプタマーシート1の方向も判定できる。

0055

また、前記検査デバイスに対してアプタマーシート1が不正確に取り付けられた場合、具体例として、上下または左右が逆に取り付けられるというセット方向誤り、ずれて取付けられる等の位置のずれ等が生じた場合でも、前記アプタマーシートの蛍光パターンと前記テンプレートパターンとを対比することで、後述するように、アプタマーシート1の画像を修正できる。これにより、例えば、誤検出をさらに低下でき、ロバスト性のより高い読み取り、判定等が実現される。前記検査デバイスへの前記シートの取り付けは、例えば、訓練を受けたユーザや、熟練したユーザだけでなく、子供を含む一般ユーザが行うことも考えられ、取り付け位置が不正確になる可能性も考えられるが、前述のような形態とすることで、ユーザの種類にかかわらず、より正確な検査が実現できる。

0056

また、図2において、ウェルの平面形状は、全て円形形状で示しているが、これには制限されず、前述のように、円形、方形三角形等さまざまな形状のウェルでもよい。前記アプタマーシートにおいて、ウェルの形状は、一種類でもよいし、二種類以上が混在してもよい。前記ウェルの形状は、例えば、ウェルの種類によって異なる形状としてもよく、前記ウェルの種類とは、例えば、前記検査ウェルに配置するアプタマーの種類、検査ウェルと参照ウェル、ネガティブコントロール用参照ウェルとポジティブコントロール用参照ウェル等である。このように、ウェルの種類によって形状を変え、セットするアプタマーシート1の方向がわかる配置とし、前記配置をテンプレートパターンとすることで、例えば、アプタマーシート1のセット位置に対する方向がわかるため、アプタマーシートのセット位置に正しい方向となるように容易に配置できる。

0057

1つの前記ウェルセットにおいて、例えば、同じアプタマー試薬が配置された検査ウェルの数を相対的に多くすることによって、誤検出をより抑制したり、SN比をさらに向上させたりすることができる。また、1つのアプタマーシートにおいて、例えば、異なるターゲットに対するアプタマー試薬を配置し検査ウェルの数を相対的に多くすることによって、より多くのターゲットの検出を、1つのアプタマーシートを用いて行うことができる。また、これらの検査ウェルを、検査デバイスの特性に合わせ、読み取り易いパターン配置となるようにしてもよい。

0058

前記ポジティブコントロール用参照ウェルは、例えば、前記検査ウェルと同量の蛍光物質を収容してもよい。前記ポジティブコントロール用参照ウェルは、前記ターゲットの有無にかかわらず蛍光を生じることから、前記同量の蛍光物質を収容することにより、前記検査ウェルにおける最大の蛍光強度の参照ウェルとすることができ、前記蛍光強度を基準の蛍光強度とすることができる。前記ポジティブコントロール用参照ウェルは、これには限定されず、例えば、ある既知の濃度の蛍光物質を収容し、基準の蛍光強度とすることもできる。また、1つのウェルセットは、例えば、前記ポジティブコントロール用参照ウェルを複数含んでもよい。この場合、前記ポジティブコントロール用参照ウェルは、それぞれ、異なる濃度で蛍光物質を収容してもよい。これにより、前記検査ウェルにおける蛍光強度を、前記ポジティブコントロール用参照ウェルの蛍光強度と比較することで、前記検査ウェルにおける蛍光の相対的な程度を判定することもできる。

0059

(2−3)方向判定用マーク
本発明のアプタマーシートは、例えば、さらに、方向判定用マークを備えてもよい。前記方向判定用マークは、後述する本発明の検査デバイスによって検出される前記アプタマーシートについて、その方向を判定するためのマークである。前記アプタマーシートの方向とは、例えば、平面上における、縦方向(または上下方向ともいう)と、横方向(または左右方向ともいう)で表される。

0060

後述するように、本発明のアプタマーシートは、本発明の検査デバイスにセットされ、前記アプタマーシートにおける前記アプタマー試薬と前記サンプル中のターゲットとの結合が、前記検査デバイスの検出ユニットにより検出される。前記検査デバイスの検出ユニットが、後述するように、撮像部を有する場合、前記撮像部により、前記検査デバイスにセットされたアプタマーシートが撮像され、その画像が取得される。そして、前記アプタマーシートの画像を解析することで、前記サンプル中のターゲットの有無が判定できる。一方、前記アプタマーシートは、例えば、一種類の検査ウェルには制限されず、前記検査ウェルの他に前記参照ウェルを有したり、ターゲットが異なる様々なアプタマー試薬が配置された複数の前記検査ウェルを有する場合がある。このようなアプタマーシートの画像の解析においては、例えば、前記画像における前記アプタマーシートの方向を判定できることが好ましい。この場合に、前記アプタマーシートは、前述のように、前記方向判定用マークを有することが好ましい。前記方向判定用マークを有することで、例えば、前記画像において、前記アプタマーシートの方向を判定することができる。

0061

前記アプタマーシートが前記方向判定用マークを有する場合、例えば、前述した前記テンプレートパターンに従った複数のウェルの分散配置の例と同様に、前記検査デバイスへの前記アプタマーシートの取り付け位置が不正確であっても、前記検査デバイスにより、前記方向判定用マークを検出することで、画像を修正できる。また、前記アプタマーシートを解析するにあたって、例えば、前記方向判定用マークを、前記検査ウェル等の各ウェルの基準とすることで、誤読をさらに防止でき、ロバスト性のより高い読み取り、および判定等も可能になる。

0062

前記アプタマーシートにおいて、前記方向判定用マークの形状または配置箇所は、特に制限されず、例えば、前記アプタマーシートの方向が判定できる形状または配置箇所であればよい。

0063

前記アプタマーシートにおいて、前記方向判定用のマークは、例えば、画像において判別できるマークであればよく、具体例として、平面的に形成されたマークでもよいし、立体的に形成されたマークでもよい。前者の場合、例えば、前記アプタマーシートに、前記蛍光物質を含む塗料等が印刷等されることによって形成されたマークがあげられる。また、後者としては、例えば、凹状のウェル等があげられる。

0064

ここで、図6に、前記アプタマーシートのシート10に、ウェル形状の前記方向判定用マークが設けられた例を示す。図6は、シート10を上方向(図1における第2層12側)からみた平面図である。図6に示すように、シート10は、複数の円形のウェル13、L字状(状)のウェル14、三角形のウェル15を有する。具体的に、図6において、複数の円形のウェル13は、等間隔に整列して形成されており、L字状のウェル14は、右下方向の角部に形成され、三角形のウェル15は、上方向の中央に形成されている。シート10において、例えば、L字状のウェル14および三角形のウェル15が、前記方向判定用マークとなる。以下、ウェル形状の前記方向判定用マークは、例えば、方向判定用ウェルともいう。なお、図6のシート10は、円形のウェルが4列×4列に配置されている例を示したが、これは一例であって、これより多くても少なくてもよく、本発明は、この例には制限されない。

0065

前記方向判定用ウェルの形状は、例えば、他のウェルと異なる形状で、方向が判別できるもの形状が好ましく、具体例として、図6におけるウェル14のようにL字状等が好ましい。

0066

前記方向判定用ウェルは、例えば、前述のように、前記検査デバイスで、前記画像から、その形状および位置が解析される。このため、前記方向判定用ウェルは、例えば、光学的な検出が可能なように、前記蛍光物質が配置されることが好ましい。この場合、前記方向判定用ウェルは、ターゲットの有無にかかわらず蛍光を発する、前述のポジティブコントロール用参照ウェルを兼ねてもよい。

0067

前記方向判定用マークの位置は、例えば、シート10の方向が判別でき、他のウェルとの配置関係が明確となる位置が好ましく、具体例として、図6におけるL字状のウェル14のように、シート10の端部に設けられることが好ましい。

0068

本発明のアプタマーシートは、例えば、さらに、アライメント用マークを有してもよい。前記アライメント用マークは、例えば、前記アプタマーシートを前記検査デバイスのセット部にセットするにあたって、前記セット部に対するセット位置またはセット方向を示すマークである。前記アプタマーシートが前記アライメント用マークを有することにより、例えば、前記セット部への取り付けにおける位置ずれをさらに防止でき、その結果、検査精度をさらに向上できる。この場合、前記検査デバイスのセット部も、前記アプタマーシートを正確にセットした場合に、前記アプタマーシートのアライメントマークと対応する箇所に、アライメント用マークを有することが好ましい。このような形態であれば、例えば、前記検査デバイスのアライメント用マークと前記アプタマーシートのアライメント用マークとが一致するように、前記セット部に前記アプタマーシートを配置することで、正確なセットをより簡便に行うことができる。

0069

前述した図6のシート10の場合、例えば、三角形のウェル15が前記アライメント用マークとなる。シート10は、例えば、三角形のウェル15の上側の頂点と、前記検査デバイスのセット部における前記アライメント用マークとを突き合わせることで、より正確なセットを行うことができる。

0070

本発明のアプタマーシートにおいて、例えば、前記アライメント用マークが前記方向判別用マークを兼ねてもよいし、前記方向判別用マークが前記アライメント用マークを兼ねてもよい。

0071

前記アプタマーシートは、例えば、前記検査デバイスのセット部と接触する接触面に、セット後の位置ずれ等を防ぐために、前記セット部に接着するための接着層が配置されてもよいし、前記接触面が、前述のようにPDMS等の粘着性ポリマーで形成されてもよい。前記アプタマーシートは、例えば、前記検査デバイスへのセットまでの間、前記接触面の接着性または粘着性を維持できることから、剥離層が積層されてもよい。この場合、前記検査デバイスに前記アプタマーシートを配置する前に、前記アプタマーシートから前記剥離層を剥離して、前記接触面を露出させてから、前記携帯型検査デバイスにセットすればよい。

0072

前記アプタマーシートは、前述のように使い捨てであり、その都度、取り替えて使用すればよい。前記アプタマーシートの保存条件は、特に制限されず、例えば、試薬がアプタマーであり、変性しにくいことから、室温で保存可能である。このため、外出先等でも使用可能である。

0073

(3)携帯型検査デバイス
前記検査デバイスは、前述のように、前記アプタマーシートを配置するセット部と、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットとを含む。

0074

前記検査デバイスの形態は、特に制限されず、例えば、携帯可能な形状および大きさであればよい。本発明の携帯型検査システムによれば、例えば、食事の際に、飲食品をその場で検査できることから、前記検査デバイスは、例えば、食事機器であり、具体例としては、スプーンフォークナイフ、皿、コップ等があげられる。前記食事機器の場合、例えば、飲食品が接触する領域に、前記セット部が位置すればよい。

0075

前記検査デバイスの一例として、箸をあげて、以下説明する。図3に、前記検査デバイスが箸である例を示す。図3(A)は、前記検査デバイスの長軸方向の断面図であり、図3(B)は、図3(A)の前記検査デバイスにおける前記検出ユニットの構成の概略を示す断面図であり、図3(C)は、図3(B)の検出ユニットにおけるセット部に前記アプタマーシートが配置された状態を示す概略図である。図3(A)において、矢印Xは、前記検査デバイスの長手方向を示し、図3(B)および(C)において、矢印Xは、図3(A)の長手方向と同方向を示す。

0076

検査デバイス3は、例えば、本体30を有し、本体30は、凹部31を有し、凹部31には、検出ユニット40が収容され、固定化されている。凹部31に収容された検出ユニット40の表面の一部は、検査デバイス3の外部に露出しており、前記露出部が、前記アプタマーシートのセット部41を含み、使用時において、セット部41上に、アプタマーシート1が配置される。図示されていないが、検査デバイス3は、セット部41またはセット部41の周囲に、アプタマーシート1を正確な位置に配置するためのアライメント用マークが設けられてもよい。前述のように、アプタマーシート1がアライメント用マークを有する場合、アプタマーシート1のアライメント用マークと、検査デバイス3のアライメント用マークとが対応するように、アプタマーシート1を検査デバイス3にセットすれば、容易に正確なセットが可能となる。また、アプタマーシート1がアライメント用マークを有するか否かに関わらず、例えば、検査デバイス3のセット部3に、長方形、正方形等のアプタマーシート1が正しくセットされた場合に、前記アプタマーシート1の角部が位置する箇所に、前記アライメント用マークを設けることで、同様に、容易に正確なセットが可能となる。

0077

検出ユニット40は、光源42を含む光学系と、光センサとを含む。検出ユニット40は、例えば、さらに、回路基板45を有し、回路基板45に、例えば、光源42と前記光センサとが接続される。光源42の種類は、特に制限されず、前記アプタマー試薬の蛍光物質を励起する励起光を照射できればよく、例えば、LED、レーザ光源有機EL、ハロゲンランプ水銀ランプ等があげられる。前記光センサは、セット部41にセットされたアプタマーシート1を光学的に検出するセンサであり、具体的には、アプタマーシート1において前記蛍光物質が蛍光した状態を撮像するセンサであり、二次元光センサがあげられる。具体例として、図3(A)に示すように、前記光センサは、レンズ43と撮像部である撮像素子44とを含み、検出ユニット40において、外部に露出する状態でレンズ43が配置され、レンズ43の下部に、撮像素子44が配置される。具体的に、撮像素子44は、例えば、セット部41にセットされるアプタマーシートに対応する領域に配置され、撮像素子44により、セット部41にセットされたアプタマーシート1の光学パターンを、レンズ43を介して、画像情報として取得する。撮像素子44は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等があげられる。光源42からレンズ43に光を導入する光学系については、具体例を後述する。

0078

検出ユニット40の回路基板45には、さらに、記憶部が接続されてもよい(図3において図示せず)。前記記憶部は、例えば、前記光センサにより取得した情報(例えば、画像情報)や、前述のアプタマーシートのテンプレートの情報等を記憶する。

0079

検出ユニット40の回路基板45には、さらに、判定部46が接続されてもよい。判定部46は、例えば、前記光センサにより取得した情報から、アプタマーシート1に配置された前記アプタマー試薬と前記ターゲットとの結合を判定する。この際、前記記憶部は、例えば、予め、判定基準情報を記憶してもよく、判定部46は、前記光センサにより取得した情報から、前記判定基準情報に基づいて、前記アプタマーシートに配置された前記アプタマー試薬と前記ターゲットとの結合を判定することもできる。判定部46は、例えば、MPU(マイクロプロセッサ)、CPU(中央処理装置)等のプロセッサである。前記判定基準情報および判定の方法の詳細について、後述する。

0080

検出ユニット40の回路基板45には、さらに、通信部47が接続されてもよい。通信部47は、例えば、通信回線網を介して、外部機器接続可能であり、前記検出ユニットにより取得した情報を、前記外部機器に出力する。この場合、検出ユニット40で取得した情報を、通信部47を介して、前記外部機器に送信し、前記外部機器が、前記情報を受信して、アプタマーシート1に配置された前記アプタマー試薬と前記ターゲットとの結合を判定してもよい。この場合、前記外部機器が、判定部46として機能する。前記通信回線網の通信方式は、例えば、無線通信が好ましく、具体例として、無線LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)等があげられる。前記外部機器は、例えば、スマートフォンタブレットパーソナルコンピュータ(PC)等である。検査デバイス3は、例えば、前記記憶部、および判定部46を、その内部に設けず、光源42と光センサで取得したデータを、通信部47により前記外部機器に送信し、前記外部機器内で、記憶、判定等を行うように構成してもよい。

0081

検出ユニット40の回路基板45には、例えば、さらに、電力供給部が接続されてもよい。前記電力供給部は、給電器49に接続されてもよい。前記電力供給部は、例えば、検出ユニット40における光源42、前記光センサ、判定部46、前記記憶部、通信部47等に電力を供給する電源であり、例えば、リチウムイオン電池スーパーキャパシタ等の充放電可能なものが好ましい。給電器49は、前記電力供給部に電力を供給する給電器であり、例えば、チャージャーコイル等があげられる。また、検査デバイス3は、携帯型であることから、給電器49は、無線により外部から電力を授受し、前記電源に電力を供給する無線給電器が好ましく、例えば、無線チャージャーコイル等があげられる。また、前記検査デバイスを携帯しない時は、例えば、給電器49から、有線により電力を授受する形態としてよい。

0082

検査デバイス3は、例えば、検出ユニット40により、セットされたアプタマーシート1を光学的に検出するため、セット部41が透明部材で構成されていることが好ましい。前記透明部材は、例えば、ガラス等があげられ、セット部41の形態は、例えば、プレート、レンズ等である。図3に示す検出ユニット40は、例えば、透明のレンズ43表面の一部がセット部41である。

0083

また、例えば、セット部41に光源42からの光を導入するため、プリズム等を設けてもよい。光源42から導入される前記光は、バンドパスフィルタを介してセット部41に導入されることが好ましい。また、例えば、アプタマーシート1からの放射光を撮像素子44で収集する際にもバンドパスフィルタを用いることが好ましい。アプタマーシート1の励起光と放射光とは十分に分離されることが好ましく、前記励起光は、例えば、波長624nm、帯域幅40nmとし、放射光は、例えば、波長692nm、帯域幅40nmとすれば、前記励起光と放射光とは十分に分離される。

0084

検査デバイス3は、例えば、液体の飲食品に、アプタマーシート1をセットした部分を接触させて使用するため、検出ユニット40は、防水性であることが好ましい。検出ユニット40を防水性とすることで、例えば、検出ユニット40の内部への、液体の飲食品の浸透を十分に防止できる。図3(A)に示すように、検出ユニット40は、例えば、防水構造筐体部48を有し、筐体部48の内部に、光源42、前記光センサ(レンズ43、撮像素子44)、判定部46、前記記憶部、通信部47、回路基板45、給電器49等が収容されている。また、検出ユニット40において、筐体部48の一部に開口部を有してもよく、前記開口部にレンズ43が配置されてもよい。この際、筐体部48とレンズ43との間は、例えば、液体の飲食品が浸透しないように、密着していることが好ましく、パッキン等を両者間に設けてもよい。筐体部48の材質は、特に制限されず、例えば、ポリマーが好ましい。また、筐体部48は、迷光等を防ぐため、遮光性黒色塗料コーティングしてもよい。

0085

検査デバイス3は、例えば、判定部46における判定結果を表示する表示部を有してもよい。前記表示部は、例えば、判定結果以外にも、前記アプタマーシートの撮像画像や、前記アプタマーシートのテンプレートパターン、エラー情報、他のユーザが同じ食品サンプルについて検査を行った結果等を表示してもよい。また、前記エラー情報、他のユーザが同じ食品サンプルについて検査を行った結果等は、例えば、外部のクラウド等と通信して取得できる。前記表示部は、例えば、タッチパネル形式として、分析開始等のデバイスの操作に関わる操作部を兼ねてもよい。

0086

前記検出ユニットの前記光学系の具体例を、図を用いて説明する。本発明は、以下の例示には制限されない。図7の上図に、検査デバイス3において、前記光学系の光源から、セット部41にセットされるアプタマーシート1に対する光照射の概略を示す。なお、図7下図については、実施例において後述する。図7(A)の上図は、プリズムを用いて、セット部41を構成するガラスプレートに光照射する例であり、以下、第1光学システムという。図7(B)の上図は、プリズムを使用せず、セット部41を構成するガラスプレートの上面に直接光照射する例であり、以下、第2光学システムという。図7(C)の上図は、プリズムを使用せず、セット部41を構成するガラスプレートの下方向および横方向から直接光照射する例であり、以下、第3光学システムという。以下、前記3つの光学システムに分けて説明する。説明の便宜上、図7において、断面を示すハッチは省略している。図7において、矢印420は、光の進行方向の概略を示す。

0087

図7(A)に示す第1光学システムは、光源42とセット部41のガラスプレート411との間に、プリズム421が配置され、プリズム421を用いて、光源42からの光を導入し、ガラスプレート411とその上にセットされたアプタマーシート1とを照射するシステムの例である。この場合、光源42からの光は、例えば、プリズム421を垂直方向に通過し、プリズム421の上面で反射され、ガラスプレート411とアプタマーシート1との積層体に導入される。そして、前記積層体に導入された光は、前記積層体を長手方向(図3における矢印X方向)に向かって通過するにあたって、全体にわたって、前記積層体の上面と下面とで反射され、アプタマーシート1に対する近接場光を発生させる。この近接場光によって、アプタマーシート1のアプタマー試薬における蛍光物質が励起される。この形態は、例えば、ガラスプレート411とプリズム421との接触面に、マッチングテープを配置し、これにより両者を接触させてもよい。前記マッチングテープを介在させることにより、例えば、プリズム421とガラスプレート411との間の空隙の発生を抑制し、光を、より効率良くガラスプレート411に導入できる。前記マッチングテープは、例えば、光学部材を貼り合わせるための高透過率の透明テープ(粘着テープ接着テープ等)であり、具体例として、アクリル系テープ商品名MCS70、アクリル系、販売元Me Can社)等があげられる。前記第1光学システムによれば、プリズム421により光を導光するため、例えば、検査デバイス3を小型化できる。

0088

図7(B)に示す第2光学システムは、光源42からの光を、ガラスプレート411に直接導入し、ガラスプレート411とその上にセットされたアプタマーシート1を照射するシステムの一例であり、具体的には、ガラスプレート411とアプタマーシート1との積層体の端面から前記積層体の上面に向けて、光を直接導入するシステムの例である。前記積層体の端面とは、例えば、図3における矢印X方向の端部の面である。この場合、光源42から導入された光は、前記第1光学システムの例と同様に、前記積層体の上面と下面とで反射され、アプタマーシート1に対する近接場光を発生させ、この近接場光によって、アプタマーシート1のアプタマー試薬における蛍光物質を励起することができる。本形態によれば、例えば、光をガラスプレート411に伝えて損失を減らすための、前記プリズム等の追加要素が不要であり、また、前記積層体を上下に透過する光の量を制御することができる。

0089

図7(C)に示す第3光学システムは、光源42からの光を、ガラスプレート411に直接導入し、ガラスプレート411とその上にセットされたアプタマーシート1を照射するシステムの一例であり、具体的には、光源42からの光を、ガラスプレート411とアプタマーシート1の積層体の下側から前記積層体を照らす直接光、および前記積層体の側面の一方から、前記積層体の横方向(図3における矢印X方向と直交する方向)に貫通する直接光として照射するシステムの例である。前記積層体の側面とは、例えば、図3における矢印X方向と直交する方向の端部の面である。この場合、前記積層体の横方向に貫通する光によって、前記第1光学システムおよび前記第2光学システムの例と同様に、アプタマーシート1に対する近接場光を発生させ、この近接場光によって、アプタマーシート1のアプタマー試薬における蛍光物質を励起することができる。図7(C)において、42は、光源であり、422は、迷光防止用遮光板であり、423は、フィルターである。前記第3光学システムによれば、例えば、前記第2光学システムと同様に、前記プリズム等の追加要素が不要であり、また、エネルギーの浪費を抑制して、ガラスプレート411に光照射することができる。

0090

前記第1光学システム、前記第2光学システム、および前記第3光学システムは、いずれも、同じステップ、ほぼ同じ構成要素を用いて簡単に組み立てることができる。構造面に着目すると、例えば、前記第1光学システムは、他のシステムと比較して、最もコンパクトな設計で、容積も小さく設計できる。

0091

本発明の検査デバイスにおける前記光学系は、特に制限されず、例えば、前記第1光学システム、前記第2光学システム、および前記第3光学システムのいずれを用いてもよく、目的に応じて、それぞれの利点から、前記光学システムを選択することができる。すなわち、前記第1光学システムは、例えば、近接場光に依存するコンパクトな設計が可能である点で好ましく、前記第2光学システムは、例えば、最大近接場光を得られ、バックグランドも低いことから、鮮明な画像を撮像できる点で好ましく、前記第3光学システムは、直接光と、近接場光とに依存し、最良画質を得ることができる点で好ましい。

0092

本発明の検査デバイスは、例えば、さらに、記憶部、判定部、画像処理部、通信部等を備えてもよい。これらの詳細は、本発明の検査システムにおいて後述する。

0093

図4に、検査デバイス3のハードウェア構成のブロック図を例示する。検査デバイス30は、例えば、プロセッサ300、メモリ301、バス302、ディスプレイ303、通信部47、光源42、光センサ304、記憶装置305等を有する。検査デバイス3の各部は、例えば、それぞれのインターフェイス(I/F)により、バス302を介して、相互に接続される。

0094

プロセッサ300は、検査デバイス3の全体の制御を担う。検査デバイス3において、プロセッサ300により、例えば、プログラム306が実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。プロセッサ300は、例えば、判定部46、画像処理部50等として機能し、取得した画像を処理し、前記処理されたデータから、アレルゲンの有無を判定する。

0095

バス302は、例えば、プロセッサ300、メモリ301等のそれぞれの機能部間を接続する。バス302は、例えば、入力操作可能なスマートフォン、タブレット端末等の外部機器とも接続できる。検査デバイス3は、バス302に接続された通信部47により、通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、前記外部機器と接続できる。前記通信回線網は、特に制限されず、前述のような、無線LAN、WiFi、Bluetooth(登録商標)等が利用できる。

0096

メモリ301は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。プロセッサ300が処理を行う際には、例えば、後述する補助記憶装置に記憶されている、本発明のプログラム等の種々のプログラム306を、メモリ301が読み込み、プロセッサ300は、メモリ301からデータを受け取って、プログラム306を実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ204は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。

0097

記憶装置305は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置305は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型であり、前記ドライブは、特に制限されない。検査デバイス3において、記憶装置305は、例えば、前述の記憶部であり、プログラム306、使用するアプタマーシートに関する情報、前述の判定基準情報307等が格納されてもよく、また、検査デバイス3で取得された情報が格納されてもよい。プログラム306には、例えば、後述する画像処理アルゴリズム3061が実装されてもよい。

0098

検査デバイス3は、さらに、前記表示部として、ディスプレイ303を備えてもよく、LEDディスプレイ液晶ディスプレイ等があげられる。また、前記表示部は、例えば、前述の通り、タッチパネルでよく、この場合、前記表示部が検査デバイス3の入力部を兼ねてもよい。

0099

(4)携帯型検査システム
前記検査システムは、前記アプタマーシートと、前記検査デバイスとを含む。前記検査システムは、例えば、使用前まで、前記アプタマーシートが、前記検査デバイスにセットされていなくてもよいし、予めセットされていてもよい。

0100

以下に、図2のアプタマーシート1および図3の検査デバイス3を含む検査システムを一例としてあげ、前記検査システムを用いて、液体サンプル中のターゲットを検査する方法について説明する。また、アプタマー試薬20は、前記二本鎖型試薬の使用を例示する。なお、これは一例であり、本発明は、何ら制限されない。

0101

まず、検査デバイス3の検出ユニット40におけるセット部41に、アプタマーシート1をセットする。セット部41には、前述のように、アプタマーシート1を正確な位置に配置するためのアライメント用マークが設けられてもよい。前記アライメント用マークは、例えば、プリント等によるマークでもよいし、アプタマーシート1が正確に収容される凹部でもよい。アプタマーシート1にも、前述のように、アライメント用マークを設けてもよい。このように、検査デバイス3セット部41および/またはアプタマーシート1の前記アライメント用マークを利用して、セット部41にアプタマーシート1をより正確にセットできる。

0102

つぎに、液体サンプルに、検査デバイス3にセットしたアプタマーシート1を接触させる。前記液体サンプルは、例えば、液体の飲食品である。前記飲食品には、例えば、食品原料加工食品調理食品食品添加物等も含まれる。前記飲食品が固形の場合は、例えば、溶媒に飲食品を混合した液体サンプルでもよい。前記溶媒は、例えば、水等の水性溶媒である。前記飲食品について検査を行う場合、前記検査システムの使用場所は、特に制限されず、例えば、家庭、飲食店調理場食品加工場等があげられる。

0103

検査デバイス3にセットされたアプタマーシート1を、前記液体サンプルに浸漬すると、前記液体サンプルは、アプタマーシート1の第2層12の孔を透過して、第1層11のウェル13(検査ウェル13D、ポジティブコントロール用参照ウェル13PC、ネガティブコントロール用参照ウェル13NC)に導入される。前記液体サンプルにアプタマーシート1を浸漬した状態において、前記液体サンプルが第1層11のウェル13に導入されても、第2層12の孔を前記アプタマー試薬は透過できないことから、前記アプタマー試薬は、第1層11のウェル13からアプタマーシート1の外部には漏出されない。

0104

前記液体サンプルにターゲットが含まれる場合、前記ターゲットも、前記液体サンプルと共に、第2層12の孔を透過して、第1層11のウェル13に導入される。このため、検査ウェル13Dにおいて、前記ターゲットと前記アプタマー試薬の前記蛍光アプタマーとが結合し、前記消光相補鎖は、前記蛍光アプタマーから遊離される。一方、前記液体サンプルにターゲットが含まれない場合、第1層11のウェル13には、前記ターゲットは存在しない。このため、検査ウェル13Dにおいて、前記アプタマー試薬の前記蛍光アプタマーと前記消光相補鎖とは、結合した状態が維持される。

0105

そして、検査デバイス3を駆動させると、光源42からの励起光が、レンズ43を透過して、アプタマーシート1に照射される。励起光の条件は、特に制限されず、例えば、前記アプタマー試薬に使用する前記蛍光物質の種類に応じて、適宜設定できる。

0106

前述のように、検査ウェル13D中に前記ターゲットが存在する場合、前記蛍光アプタマーと前記ターゲットとが結合し、前記消光相補鎖が遊離されるため、前記消光物質による前記蛍光物質のクエンチングが解消され、励起光の照射によって前記蛍光物質が励起され発光する。一方、検査ウェル13D中に前記ターゲットが存在しない場合、前記蛍光アプタマーと前記消光相補鎖との結合が維持されるため、前記消光物質により前記蛍光物質がクエンチングされ、励起光の照射によっても前記蛍光物質は発光しない。また、ポジティブコントロール用参照ウェル13PCは、消光物質を含まないポジティブコントロール用アプタマー試薬が収容されているため、前記ターゲットの有無にかかわらず、励起光の照射によって前記蛍光物質が励起され発光する。ネガティブコントロール用参照ウェル13NCは、前記蛍光物質を含まないため、前記ターゲットの有無にかかわらず、励起光の照射によっても前記蛍光物質の発光は生じない。このため、図2(B)に示すアプタマーシート1の場合、ウェル13の場所によって、蛍光が生じたり、蛍光が生じなかったり、蛍光が生じる場合でも、蛍光強度が異なる等の光学パターン(蛍光パターン)が発生する。

0107

つぎに、検査デバイス3の撮像素子44により、レンズ43を介して、アプタマーシート1における前記光学パターンを撮像し、画像情報を取得する。

0108

取得した前記画像情報は、例えば、前記画像処理部により画像処理されてもよい。前記画像処理部による画像処理は、例えば、検査デバイス3に対してアプタマーシート1が正しい位置にセットされなかった場合に、撮像したアプタマーシート1の画像を処理することで、正しい位置にセットされた場合に得られる画像に修正する処理である。前記画像処理部による画像処置の具体例として、第1手法と第2手法とを、以下に示す。なお、前記画像処理部による画像処理は、例えば、第1手法と第2手法のいずれか一方に基づいて行われてもよいし、両方の手法に基づいて行われてもよい。本発明において、前記画像処理部による画像処理は、以下の例には制限されない。

0109

まず、第1手法は、例えば、前述した図2(B)のように、前記テンプレートパターンの情報を利用する方法である。すなわち、使用するアプタマーシート1について、各ウェルを所定のテンプレートパターンで配置し、そのテンプレートパターンを、予め前記記憶部に記憶しておき、撮像素子44により得られたアプタマーシート1の画像(以下、蛍光画像ともいう)を、前記記憶部に記憶した前記テンプレートパターンと合致するように修正する手法である。具体的に、前記第1手法における画像処理アルゴリズムは、例えば、撮像した前記蛍光画像に対してフィーチャマッチングを実行して、前記蛍光画像におけるウェルの配置パターンを検出し、それを、前記記憶部に保存されたテンプレートパターンと比較し、前記テンプレートパターンにおけるウェルの配置パターンに応じて、前記蛍光画像の回転修正を行う。そして、回転後の前記蛍光画像に対して、再びフィーチャマッチングを行い、同様にして前記テンプレートパターンと比較して、前記蛍光画像の平行移動修正を行う。この手法によれば、例えば、撮像素子44により得られた蛍光画像が、何らかの原因でアプタマーシート1の一部のみの画像であっても、前記蛍光画像におけるウェルの配置パターンと前記テンプレートパターンとを比較することで、前記蛍光画像におけるアプタマーシート1の欠損領域が判明するため、前記蛍光画像の修正が可能となる。

0110

つぎに、第2手法は、例えば、前述した図6のように、アプタマーシート1の方向判定用マークを利用する手法である。すなわち、使用するアプタマーシート1について、前記方向判定用マークの位置および/または形状の情報を、予め前記記憶部に記憶しておき、撮像素子44により得られたアプタマーシート1の蛍光画像から、前記方向判定用マークを検出し、セット部41に設置されたアプタマーシート1の配向および位置の誤りを、前記蛍光画像について修正する手法である。具体的に、前記第2手法における画像処理アルゴリズムは、例えば、撮像した前記蛍光画像に対してフィーチャマッチングを実行して、前記蛍光画像における前記方向判定用マークを検出し、それを、前記記憶部に保存されたアプタマーシート1における方向判定用マークの位置および/または形状と比較し、前記記憶部に保存された前記方向判定用マークの情報に応じて、前記蛍光画像の回転修正を行う。そして、回転後の前記蛍光画像に対して、再度、前記方向判定用のマークを検出し、再びフィーチャマッチングを行い、同様にして、前記蛍光画像の平行移動修正を行う。この手法によれば、例えば、前記蛍光画像における方向判定用のマークを検出するだけで、前記蛍光画像の位置や向きを修正できる。前記方向判定用のマークが前記蛍光画像内で検出されない場合は、例えば、前記表示部に、警告等のアラートを表示して、ユーザに、アプタマーシート1の検査デバイス3に対するセット位置を修正するように促してもよい。また、アプタマーシート1が、例えば、前述のような前記アライメント用マークを有する場合、前記画像情報において、前記方向判定用マークに代えて、前記アライメント用マークをアプタマーシート1の位置関係を示す情報として、前記蛍光画像から検出してもよい。

0111

本発明においては、このように、前記画像処理アルゴリズムにより前記蛍光画像の画像処理を行うことで、前記蛍光画像を、本来、アプタマーシート1を正確に検査デバイス3のセット部41に配置した際に得られる画像に修正することができる。本発明において、画像処理の方法は、前述のように、特に制限されず、例えば、前記第1手法および前記第2手法のいずれか一方でもよいし、両方を用いてもよく、好ましくは、両方を用いることで、例えば、極めてロバスト性に優れた検出が可能となる。また、アプタマーシート1のテンプレートパターンが前記方向判定用マークを含むことで、例えば、ユーザがアプタマーシート1のセットを誤っても、前記蛍光画像を修正したり、アプタマーシート1のセット位置が誤っていることを、ユーザに警告できる。前記画像処理アルゴリズムを用いた画像処理によれば、例えば、前述のような熟練したユーザ等に限らず、子供等の一般ユーザであっても、本発明のシステムを用いた検出において、誤検出をより一層、防止できる。なお、前記第1手法および前記第2手法では、回転と平行移動とを2段階で行う例を示したが、これには制限されず、例えば、回転と平行移動とを1回のフィーチャマッチングで行ってもよい。

0112

前記画像処理部は、前述の画像の配向および位置等の修正を終えた後、例えば、さらに、前記処理画像について、前記アプタマーシート内の各ウェルを検出し、前記各ウェルにおける信号を読み取ってもよい。前記信号とは、例えば、前記処理画像における前記蛍光物質の蛍光に基づく光強度(蛍光強度ともいう)の情報である。前記画像処理部は、例えば、前記処理画像から、前記各ウェルの形状を検出し、さらに、前記各ウェルの輪郭を検出し、前記各ウェルの輪郭から、それらの中心座標および大きさを検出してもよい。得られた検出結果は、例えば、前記記憶部に記録してもよい。また、前記アプタマーシートのテンプレートパターンが予め前記記憶部に記憶されている場合、前記テンプレートパターンを前記処理画像に重ね合わせる等の処理によって、前記ウェルを検出してもよい。後者の手法は、例えば、ネガティブコントロール用の参照ウェルが検出しにくい場合、特に有効である。

0113

次に、前記画像処理部は、例えば、さらに、前記処理画像における全てのウェルの情報を表すリストを作成する。この時点において、前記リストは、各ウェルの光強度の情報が含まれていなくてもよい。そして、前記画像処理部は、前記ウェルごとに、全体の光強度を計算する。すなわち、個々の前記ウェルにおいて、内部の光強度は、例えば、図8中段の画像に示すように、不均一であることから、前記ウェルごとに、内部全体の光強度を平均値化する。得られた平均値光強度を、前記各ウェルの光強度として、前記リストを再構成する。そして、前記再構成したリストに基づいて、前記アプタマーシートの蛍光画像を、前記平均値光強度に基づく光学パターンとしてもよい。

0114

そして、検査デバイス3の判定部46により、前記光学パターンを示す画像情報から、各ウェル13での蛍光の有無または蛍光の強さに基づき、ターゲットの有無またはターゲットの濃度を判定する。得られた判定結果は、例えば、検査デバイス3の前記表示部に表示される。前記画像情報における蛍光の有無は、例えば、予め、蛍光強度の閾値の設定により判定することもできる。具体的には、例えば、前記画像情報の各ウェルの蛍光強度が、前記閾値以上の場合、有意性をもって蛍光を示していると判定し、前記閾値未満の場合、蛍光を示していないと判定できる。そして、前記ウェルが前記検査ウェルの場合、前記蛍光強度が前記閾値以上であれば、ターゲットが存在すると判定でき、前記閾値未満であれば、前記ターゲットが存在しないと判定できる。前記閾値は、特に制限されず、例えば、前記蛍光物質の種類等に応じて適宜設定できる。また、これには制限されず、例えば、アレルゲン等のターゲット濃度と蛍光強度との関係式を予め記憶部に記憶し、検出された蛍光強度を、前記関係式に適用することで、前記ターゲットの有無および/または濃度を判定してもよい。

0115

前記閾値を用いた判定の例について、より具体的に説明する。前記検査デバイスは、前述のように、前記記憶部が、前記判定基準情報を記憶し、前記判定部が、前記光センサにより取得した情報から、前記判定基準情報に基づいて、前記アプタマーシートに配置された前記アプタマー試薬と前記ターゲットとの結合を判定してもよい。

0116

前記判定基準情報は、例えば、使用する前記アプタマーシートにおける、ウェルのパターン(位置)、ウェルの種類(例えば、検査ウェル、ポジティブコントロール用参照ウェル、ネガティブコントロール用参照ウェル)、各ウェルに配置したアプタマーの種類(例えば、前記アプタマーの結合対象となるターゲットの種類)等があげられる。前述のように、前記検査ウェルについては、目的のターゲットが存在する場合は蛍光を生じ、前記ターゲットの量に応じて、蛍光強度が変化し、他方、目的のターゲットが存在しない場合は蛍光を生じない。また、ポジティブコントロール用参照ウェルは、蛍光を生じ、また、配置される蛍光物質の量に応じて蛍光強度が変化する。ネガティブコントロール用参照ウェルは、蛍光を生じない。このため、例えば、前記アプタマーシートについて、前記ウェルの情報と前記アプタマーの情報とを、前記判定基準情報とすることによって、前記アプタマーシートの光学パターンと前記判定基準情報との対比により、サンプルに含まれるターゲットの有無および量が判定できる。

0117

図5の具体例をあげて、さらに一例について説明する。図5の各図は、アプタマーシート1における検査ウェルD−Aaと、ポジティブコントロール用参照ウェルPC、ネガティブコントロール用参照ウェルNCとの位置関係を示す概略図である。アプタマーシート1には、図5(A)に示すような位置関係で、ターゲットaに対するアプタマーAaが配置された検査ウェルD−Aaと、ポジティブコントロール用参照ウェルPCと、ネガティブコントロール用参照ウェルNCとが配置されている。仮に、サンプル中にターゲットaが存在する場合、アプタマーシート1に励起光を照射すると、検査ウェルD−Aaと、ポジティブコントロール用参照ウェルPCとにおいて蛍光が生じ、図5(B)に示すような光学パターンの画像情報が取得される。他方、仮に、サンプル中にターゲットaが存在しない場合、アプタマーシート1に励起光を照射すると、ポジティブコントロール用参照ウェルPCにおいて蛍光が生じ、図5(C)に示すような光学パターンの画像情報が取得される。このため、図5(A)に示すアプタマーシート1について、ウェルの情報(位置および種類)に前記アプタマーの種類を紐付けた前記判定基準情報を、テンプレートパターンの情報(テンプレート情報ともいう)として、前記記憶部に記憶させてもよい。そして、前記判定部は、例えば、前記判定基準情報と得られた画像情報との対比により、前記ウェルの各位置における蛍光の有無から、ターゲットaの有無を判定し、前記ウェルの各位置における蛍光強度から、ターゲットaの濃度を判定できる。

0118

また、図5(B)および(C)の画像情報を、ターゲット存在・ターゲット非存在の前記判定基準情報として、前記記憶部に記憶してもよい。そして、前記判定部は、例えば、前記判定基準情報と得られた画像情報との対比により、前記ウェルの各位置における蛍光の有無から、ターゲットaの有無を判定し、前記ウェルの各位置における蛍光強度から、ターゲットaの濃度を判定できる。

0119

1つの前記アプタマーシートにおいて、例えば、異なるターゲットに対する複数のアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されている場合も、アプタマー試薬の種類と、そのアプタマー試薬が配置されたウェルの位置の情報があれば、同様にして判定できる。

0120

前記判定基準情報は、例えば、前述のような、ターゲット有無またはターゲット濃度に依存的な光学パターンの画像情報でもよいし、学習により生成された判定モデルであってもよい。前記判定モデルの生成は、例えば、前記検査デバイスのプロセッサを用いて行うこともできるが、予め、前記検査デバイスとは別のコンピュータにより、学習データを用いて学習を行い、前記判定モデルを生成し、前記判定モデルを前記判定基準情報として、前記検査デバイスの記憶部に記憶させてもよい。前記学習データは、例えば、前記アプタマーシートごとに、任意のサンプルに対して前記アプタマーシートを用いて取得された光学パターンの画像情報と、前記任意のサンプルのターゲット情報(前記ターゲットの有無および濃度)とを、づけて使用できる。

0121

前記光学パターンによる解析は、例えば、液体サンプルが均一にアプタマーシートに適用されなかったり、前記ウェルの一つに何らかの不具合があったりするとき、前記光学パターンにおけるウェルのパターンが、テンプレートパターンと同じパターンにならなくなることで、誤った測定であることが明らかになるので、誤検出をより防ぐことができる。

0122

また、検査デバイスの使用環境によっては、検査が正しく行われていても、各ウェルの蛍光強度が、全体的に高くなるまたは低くなる等の問題が起こることも予想されるが、前記光学パターンの解析により、対応するパターンの比に基づく判定が可能となることで、誤検出等を防ぐことができる。

0123

検査デバイス3にセットしたアプタマーシート1について検査が終了したら、検査デバイス3から使用済みのアプタマーシート1を剥離し、破棄すればよい。そして、次に使用する際は、予め、アプタマーシート1をセットする前の検査デバイス3を洗浄した上で、検査デバイス3のセット部41に、新たな未使用のアプタマーシート1をセットする。

0124

(5)携帯型検査システムのその他の構成
検査デバイス3は、例えば、さらに、食事等のサンプルを撮像するカメラ位置情報取得部を有してもよい。前記位置情報取得部は、例えば、GPS(Global Positioning System)等があげられる。前記位置情報取得部は、例えば、検査デバイス3のユーザの位置情報を取得する。前記位置情報取得部により、例えば、ユーザが現在いる所定の飲食店において、過去に他のユーザが行った検査結果を通信部47により取得し、同じ食事に関して、アレルゲンが検出されたことがあるかを知ることができる。また、ユーザ自身が行った検査結果と前記位置情報と食事の画像とを紐づけて記憶し、通信部47により、他のユーザと情報を共有することもできる。前記情報の共有は、例えば、他のユーザが使用する携帯型検査システムと直接共有してもよいし、クラウドサーバー上で共有してもよい。本発明の携帯型検査システムが、このような構成を有することで、例えば、他のユーザや、アレルギー患者に、警告等を与えることができ、より一層不慮の事故を防ぐことができる。また、例えば、前記取得した位置情報に基づき、予め、ユーザが現在いる所定の飲食店にあるアレルゲンを含む食事のリストを取得し、ユーザに提示できる。前記リストの取得は、例えば、前記記憶部に予め記憶してもよいし、通信部47により取得してもよい。この機能を備えることで、ユーザおよび飲食店により多くのサービスを提供できる。

0125

本発明の検査システムによれば、前記検査デバイスに前記アプタマーシートをセットするのみで、簡便にターゲットの検査を行うことができる。また、光学的な検出を利用することから、例えば、電極を配置した電気化学的な検出とは異なり、前記検査デバイスおよび前記アプタマーシートを簡便且つ安価に製造でき、電極の配置に依存する精度の低下、衛生上の問題というような問題も回避できる。

0126

また、本発明の検査システムは、前述のように前記アプタマーシートを正確な位置にセットする様々な機能を備えるため、例えば、容易且つ正確に前記アプタマーシートを前記セット部にセットできる。また、仮に、前記アプタマーシートを正確な位置にセットしなかった場合でも、前記画像処理部により画像を処理(修正)することで、誤検出を防ぎ、また、前記アプタマーシートや、検査デバイスに何らかのエラーや、測定環境に依存する障害があっても、誤検出を防ぐことができる。

0127

[実施例1]
前記アプタマー試薬として、前記二本鎖型試薬および前記三本鎖型試薬を使用し、ピーナッツタンパク質の検出を行った。

0128

(二本鎖型試薬)
ピーナッツに結合するアプタマーとして、49塩基長の配列(配列番号1)を設定した。そして、下記表1において、四角で囲んだ35番目の塩基Aと36番目の塩基Cとの間が、蛍光物質(iCy5(登録商標)、Integrated DNA Technologies社)で修飾されるように、蛍光アプタマーを合成した。

0129

前記ピーナッツアプタマーにハイブリダイズする相補鎖として、10塩基長の配列(配列番号2)を設定した。そして、下記表1において、四角で囲んだ5’末端の塩基が、消光物質(5’Iowa Black(登録商標)RQ、Integrated DNA Technologies社)で修飾されるように、消光相補鎖を合成した。下記表1において、ピーナッツアプタマーの配列の下線部で示す領域が、前記相補鎖がハイブリダイズする領域であり、両者がハイブリダイズすると、前記ピーナッツアプタマーの前記蛍光物質が結合する塩基Cと、前記相補鎖の前記消光物質が結合する塩基Tとが対向するため、前記蛍光物質は、前記消光物質によりクエンチングされる。

0130

0131

(三本鎖型試薬)
ピーナッツに結合するアプタマーとして、79塩基長の配列(配列番号3)を合成した(非標識アプタマー)。

0132

前記ピーナッツアプタマーにハイブリダイズする相補鎖として、10塩基長の第1相補鎖(配列番号4)と第2相補鎖(配列番号5)を設定した。そして、下記表2において、前記第1相補鎖における四角で囲んだ5’末端塩基が、消光物質(5’Iowa Black(商標)RQ、Integrated DNA Technologies社)で修飾されるように、消光第1相補鎖を合成した。また、前記第2相補鎖における四角で囲んだ3’末端の塩基が蛍光物質(Cy5、Integrated DNA Technologies社)で修飾されるように、蛍光第2相補鎖を合成した。下記表2において、ピーナッツアプタマーの配列の四角で囲んだ領域が、前記消光第1相補鎖がハイブリダイズする領域であり、前記下線部で示す領域が、前記蛍光第2相補鎖がハイブリダイズする領域である。前記ピーナッツアプタマーに、前記消光第1相補鎖と前記蛍光第2相補鎖がハイブリダイズすると、前記消光第1相補鎖の5’末端の消光物質と、前記蛍光第2相補鎖の3’末端の消光物質とが近づくため、前記蛍光物質は、前記消光物質によりクエンチングされる。

0133

0134

(ピーナッツの検出)
前記二本鎖型試薬および前記三本鎖型試薬を用いて、ピーナッツの検出を行った。

0135

市販のピーナッツ(種子)について、渋皮の除去、粉砕を行った後、抽出液(1xSB1T)と混合した後、遠心により上清回収した。前記上清を0.8μmのフィルターでろ過し、そのろ液を、一晩凍結した後、融解した。融解したろ液を遠心して、上清を回収し、再度、0.8μmのフィルターで濾過し、ろ液を回収した。前記ろ液のタンパク質濃度を測定し、緩衝液により所定の濃度(0、3、10、30、100ppm)に調整した。濃度を調整したサンプルを、ピーナッツサンプルとして使用した。前記緩衝液は、40mmol/LHEPES(pH7.5)、125mmol/L NaCl、5mmol/L KCl、1mmol/L MgCl2、0.01% Tween20の組成とした。

0136

試薬組成液45μLを調製し、これに前記ピーナッツサンプル5μLを添加して、室温(25℃)で反応を開始した。そして、反応開始から5分後の反応液について、検出器(商品名TECAN Infinite 200 reader、TECAN Japan, Kawasaki, Japan)を用いて、650nmの励起光を照射し、670nmの発光を検出し、相対発光量(RFU)を求めた。前記試薬組成液の組成は、SB1T緩衝液(40mmol/LHEPESpH7.5、125mmol/L NaCl、25mmol/L KCl、1mmol/L MgCl2、0.01% Tween20)、および、前記二本鎖試薬(10nmol/L 前記蛍光アプタマーおよび40nmol/L消光相補鎖)または前記三本鎖試薬(10nmol/L 前記非標識アプタマー、10nmol/L 前記蛍光第2相補鎖および40nmol/L 前記消光第2相補鎖)とした。

0137

これらの結果を図11に示す。図11は、ピーナッツタンパク質の濃度と相対発光量との関係を示すグラフであり、(A)は、前記二本鎖型試薬を用いた結果であり、(B)は、前記三本鎖型試薬を用いた結果である。図11において、横軸は、前記ピーナッツサンプルにおけるピーナッツタンパク質濃度(ppm)であり、棒グラフ縦軸は、相対発光量(RFU)であり、折れ線グラフの縦軸は、S/N比である。図11(A)および(B)に示すように、いずれのアプタマー試薬を使用した場合でも、ピーナッツタンパク質の濃度の増加に伴って、相対発光量が増加し、また、S/N比も増加した。この結果から、前記アプタマー試薬によれば、ターゲット非存在下において、前記蛍光物質が前記消光物質でクエンチングされ、一方、ターゲット存在下において、前記消光物質による前記蛍光物質のクエンチングが解除され、蛍光を発していることが確認できた。また、S/N比の結果から、例えば、ターゲットの濃度が3ppmであっても、有意に検出が可能であることも確認できた。

0138

[実施例2]
(アプタマーの消光確認)
蛍光物質を結合した蛍光アプタマーと消光物質を結合した消光相補鎖との二本鎖型試薬を用いて、前記蛍光アプタマーの蛍光物質が、クエンチャーによりクエンチングされることを確認した。

0139

蛍光アプタマー溶液と消光相補鎖溶液とを混合し、混合液を調製した。前記蛍光アプタマーおよび前記消光相補鎖は、前記実施例1における前記二本鎖型試薬で示したものを使用した。前記混合液における前記蛍光アプタマーの終濃度は10nmol/Lとし、前記消光相補鎖の終濃度は、40nmol/Lとした。前記蛍光アプタマー溶液と前記消光相補鎖溶液の溶媒は、いずれも、TE緩衝液(pH8.0)を使用した。そして、前記混合液1μLに、ターゲットサンプル1μLを混合し、その反応液を、室温で5分静置した。ターゲットサンプルは、以下のようにして調製した。すなわち、生ピーナッツにSB1T緩衝液(pH7.5)を添加してすり潰して抽出液を回収した。そして、タンパク質の終濃度が100ppmとなるように前記緩衝液に懸濁し、これをサンプル(ピーナッツ有)とし、また、ピーナッツ無添加の前記緩衝液をサンプル(ピーナッツ無)とした。そして、前記静置後、前記反応液を蛍光顕微鏡撮影し、得られた画像から、前記反応液の蛍光強度を計測した。

0140

ポジティブコントロールとして、前記消光相補鎖溶液に代えて前記緩衝液を使用した以外は、同様にして、反応を行い、蛍光強度を計測した。ネガティブコントロールとして、前記蛍光アプタマー未添加且つ前記クエンチャー未添加の前記緩衝液を使用した以外は、同様にして、反応を行い、蛍光強度を計測した。

0141

これらの結果を図10に示す。図10に示すように、ネガティブコントロール(蛍光物質無・クエンチャー無)の場合、極めて低い蛍光強度であり、ピーナッツ有とピーナッツ無のサンプルとの間で、差はなかった。また、ポジティブコントール(クエンチャー無)の場合、ピーナツの有無にかかわらず、いずれのサンプルも高い蛍光強度を示し、両者間に有意な差が見られなかった。これに対して、実施例(蛍光物質有・クエンチャー有)の場合、ピーナッツ有のサンプルに対する蛍光強度は、ピーナッツ無のサンプルに対する蛍光強度と比較して、約3倍以上の値を示し、十分なS/N比であった。このことから、実施例によれば、ピーナッツの非存在下においては、前記蛍光アプタマーの蛍光物質が、前記蛍光アプタマーにハイブリダイズした前記消光相補鎖のクエンチャーによってクエンチされ、他方、ピーナッツの存在下においては、前記蛍光アプタマーとターゲットであるピーナッツとの結合により、前記消光相補鎖が前記蛍光アプタマーから遊離し、前記消光相補鎖のクエンチャーによる前記蛍光アプタマーの蛍光物質のクエンチングが解除され、前記蛍光アプタマーの蛍光物質の蛍光が発生したことがわかる。このように、前記二本鎖型試薬を用いることで、ターゲットの非存在下では、前記蛍光物質がクエンチングされ、ターゲットの存在下では、前記蛍光物質のクエンチングが解除され、蛍光を発することが確認できた。

0142

[実施例3]
粘着性のシートを用いてアプタマーシートを作製し、前記アプタマーシートに配置したアプタマー試薬が機能することを確認した。前記アプタマー試薬は、前記実施例1における二本鎖型試薬を使用した。

0143

まず、粘着性のPDMSシートの表面に複数のウェルを形成し、表面を酸素プラズマアッシャー(PR301、ヤマト科学株式会社)で親水化処理した後、前記表面における前記ウェル以外の領域を撥水性エレグリップテープGD−60、デンカ株式会社)でマスクして、前記アプタマー試薬を配置するシートとした。一方、前記蛍光アプタマーと前記消光相補鎖とをTE緩衝液に混合して、前記蛍光アプタマーの終濃度10nmol/L、前記消光相補鎖の終濃度40nmol/Lである、検出用試薬液を調製した。前記蛍光アプタマーをTE緩衝液に混合して、前記蛍光アプタマーの終濃度10nmol/Lであるポジティブコントロール用試薬液を調製した。そして、前記シートの検出用ウェルに、前記検出用試薬液1μLを添加し、ポジティブコントロール用ウェルに、前記ポジティブコントロール用試薬液1μLを添加し、ネガティブコントロール用ウェルに、試薬未添加とし、乾燥させることで、アプタマーシートを作製した。そして、前記アプタマーシートの各ウェルに、ピーナッツタンパク質を含むサンプル(+)1μLと、ピーナッツタンパク質を含まないサンプル(−)1μLを、それぞれを滴下し、室温で5分間静置した。静置後、前記アプタマーシートを、蛍光実体顕微鏡(MVX10、オリンパス株式会社)で観察した。前記サンプル(+)は、前記実施例1で調製したサンプル(タンパク質濃度100ppm)を使用し、前記サンプル(−)は、緩衝液(40mmol/LHEPES(pH7.5)、125mmol/L NaCl、5mmol/L KCl、1mmol/L MgCl2、0.01% Tween20)を使用した。

0144

図12に、この結果を示す。図12において、(A)は、前記アプタマーシートの画像であり、(B)は、前記アプタマーシートにおける各ウェルの配置を示す概略図である。(B)において、「Target+」は、前記サンプル(+)を添加した検出用ウェルであり、「Target−」は、前記サンプル(−)を添加した検出用ウェルであり、「PC」は、前記サンプル(−)を添加したポジティブコントロール用ウェルであり、「NC」は、前記サンプル(−)を添加したネガティブコントロール用ウェルである。図12の(A)に示すように、「PC」のウェルは、「NC」のウェルに対して、有意差をもって蛍光が検出され、「Target+」のウェルは、「Target−」に対して、有意差をもって蛍光が検出され、「Target−」のウェルは、「NC」のウェルと同様に、蛍光を示さなかった。これらの結果から、粘着性のシートを用いてアプタマーシートを作製した場合も、問題なく、前記アプタマー試薬の蛍光を検出できることがわかった。

0145

[実施例4]
本発明の検査システムにより、ターゲットの有無を検査できることを確認した。

0146

(1)アプタマーシートの作成
図1に示す二層構造のアプタマーシート1を、作製した。まず、ウェルを有する第1層11を、以下のように作製した。すなわち、まず、基板に、ネガティブフォトレジストSU−8(SU−8 3050、MICROCHEM社製)を塗布して、フォトリソグラフィーを行うことでモールド製作した。前記モールドに、PDMS(ポリジメチルシロキサン)を流し込み、固化させることで、図6に示すようなウェルを有する第1層11を作製した。具体的に、第1層11は、図6に示すように、4×4の凹状のウェルを有し、ウェルの一個は、方向判定用マークとなるL字状ウェル14であり、残りの15個は、円形ウェル13とした。

0147

第1層11は、サイズ1.0×1.0cm、膜厚250μm、ウェル13、14の内部高さ(深さ)25μm、ウェル13の直径1.5mmとした。

0148

つぎに、第1層11のウェル13、14に収容する、アプタマーを固定化したビーズを調製した。前記二本鎖型試薬の前記蛍光アプタマーと、ビーズ(商品名Polybead Carboxylate Microspheres、Polyscience社製、材質、ポリスチレン)とを、緩衝液(50mmol/L MES、pH5.2、0.05% Proclin300含有、10mg/mL EDAC含有)中で混合し、前記混合液中で、前記蛍光アプタマーを前記ビーズに固定化させた。そして、前記蛍光アプタマーが固定化されたビーズ(以下、固定化ビーズともいう)1μLを40nmol/Lの前記消光相補鎖溶液5μLに懸濁し、内容物が均一となるように前記混合液を撹拌しつつ、ピペットで前記混合液0.5μLを吸引し、各ウェル内に滴下した。

0149

第1層11に前記混合液を滴下した後、第1層11の上面に、前記各ウェルの上部の開口を覆うように、PDMSにより、多孔質シート型番H020A025A、アドバンテック社製)を貼り付け、アプタマーシートを作製した。

0150

(2)携帯型検査デバイス
まず、図3(B)に示す検出ユニットを、以下のように構築した。小型で軽量な検査デバイスにするために、プロセッサとして、Raspberry Pi Zero Wを使用した。Raspberry Pi Zero Wには、1GHZ、シングルコアCPU、512MB RAM、無線LAN、Bluetooth(登録商標)が内蔵されている。光源は、LEDを用いた。本実施例では、前記光学系として、前述した図8(C)に例示した前記第3光学システムを採用した。前記撮像素子は、ゼロスパイカメラを使用した。前記ゼロスパイカメラは、カメラモジュールV2(Pi NoIR)と同じ特性を持ち、イメージリボン接続リボンが薄く、寸法が小さい。前記撮像素子の露出時間は、500msに設定した。電源は、リチウムイオンバッテリーを使用し、給電部には、ワイヤレス充電器モノクロームOLED、バッテリー充電器、16GBSDカードを内蔵させた。そして、これらの構成要素を回路基板で接続した。

0151

一方、3Dプリンタを用いて、前記検出ユニットを収容するための筐体を作製した。前記筐体は、上下で2つの部分に分割する構造とした。前記検出ユニットの全ての構成要素を、前記筐体内に固定し、前記筐体の分割した上下の構造を接着剤により接合し、前記携帯型検査デバイスとした。前記筐体は、その内面と外面を、黒色塗料によりコーティングした。前記筐体に、全ての構成要素を接続したところ、前記携帯型検査デバイスの重量は、80グラムであり、全体のサイズは、140mm×40mm×20mmであった。これは、十分に小型で携帯可能なシステムといえる。前記携帯型検査デバイスに充電した場合、充電後の使用可能な時間は、作業負荷の下で2時間であった。この使用可能時間は、例えば、負荷に応じて変化する。前記携帯型検査デバイスの使用形態として、ユーザの使用時間は、通常、数分(例えば、2、3分)と考えられ、未使用の間は電源をオフにするため、前記携帯型検査デバイスを再充電するまでに、例えば、1週間は使用可能と考えられる。

0152

(3)光学システム
前記検出ユニットの光学系として、前述した、図7に示す前記第1光学システム、前記第2光学システム、前記第3光学システムを構築し、各光学システムを使用した場合における撮像画像を確認した。

0153

具体的には、前記検出ユニットの光学系(図3(B)に示す検出ユニット40の光学系)を、前記第1光学システム、前記第2光学システム、前記第3光学システムに設定した。そして、検出ユニット40にアプタマーシート1をセットし、アプタマーシート1に光照射を行い、アプタマーシート1を撮像した。前記第1光学システム、前記第2光学システム、および前記第3光学システムを備えた検出ユニット40には、同じテンプレートパターンで、ポジティブコントロール用の参照ウェル13PCと、ネガティブコントロール用参照ウェル13NCとが配置されたアプタマーシート1をセットした。ポジティブコントロール用の参照ウェルは、前記蛍光物質としてCy5(Integrated DNA Technologies社)を配置し、前記ネガティブコントロール用の参照ウェルは、前記蛍光物質を未配置とした。前記各光学システムにおいて、前記光源からの照射光の波長は、前記蛍光物質に基づいて、643nmとした。前記各光学システムを使用し、得られた撮像画像(蛍光画像ともいう)を、それぞれ、前述した図7(A)〜(C)の下図に示す。

0154

図7(A)〜(C)に示すように、いずれの光学システムであっても、アプタマーシート1を適切に光照射でき、その結果、前記蛍光物質が配置されたポジティブコントロール用の参照ウェルにおける蛍光を、前記蛍光物質が未配置であるネガティブコントロール用の参照ウェルに対して、有意性をもって前記撮像画像において確認できた。また、図7(A)〜(C)の各画像において、ポジティブコントロール用の参照ウェルにおける蛍光は、明瞭であり、各ポジティブコントロール用の参照ウェルとバックグランドとの間のS/N比は、十分に高いものが得られた。前記第3光学システムを使用した結果である図7(C)は、直接光のため、ガラスプレートから若干の光反射観測されるが、画質等にはあまり影響はなかった。図7(A)〜(C)を比較すると、いずれも蛍光の検出が可能であるが、画質に着目した場合、前記第3光学システムが他のシステムより優れた画像を安定して得られると考えられる。一方、画像の明瞭性等に着目した場合、前記第2光学システムにより、最も明瞭な画像がえられ、バックグランドは、前記第3光学システムより暗く、前記ウェルからの蛍光は、前記第1光学システムより高かった。

0155

(4)画像処理
(4−1)デジタル化処理
本発明の携帯型検査システムは、例えば、前記携帯型検査デバイスのセット部に、前記アプタマーシートがセットされ、前記検出ユニットにより、前記アプタマーシートへの光照射と、前記アプタマーシートの撮像が行われる。前記アプタマーシートの撮像画像には、前記アプタマーシートにおける各ウェルの蛍光の有無および蛍光の強度が反映されている。このため、前記撮像画像の光学パターン(蛍光パターンともいう)と、前記テンプレートパターンとを比較することで、サンプルにおけるターゲットの有無または濃度を判定できる。この場合、前記撮像画像自体を判定に使用することもできるが、判定をより容易に行えることから、前記撮像画像を、前述のように、平均値光強度に基づく光学パターンにデジタル化処理し、この処理画像を判定に使用することもできる。そこで、前記撮像画像から、デジタル処理を行った例を図9に示す。

0156

具体的には、まず、前記撮像部により、前記アプタマーシートについて、図9(A)に示す撮像画像(蛍光画像)を取得する。そして、前記蛍光画像について、前記各ウェルを検出した後、前記各ウェルについて、内部の平均光強度値を求める。図9(B)は、前記蛍光画像について、前記各ウェルの輪郭を特定した図である。そして、各ウェルについて得られた平均値光強度に基づいて、図9(C)に示すように、前記アプタマーシートの光学パターンを作成する。前記画像処理部は、このように適切なウェルごとの蛍光強度を平均値化し、再構成することで、各ウェルの蛍光状態デジタル値化し、光学パターン化できる。なお、図9(A)に示す前記取得した蛍光画像が、仮に、正しい位置にセットされていないアプタマーシートの画像であった場合には、前述のように、前記画像処理部により、前述した前記第1手法および第2手法の少なくとも一方に基づいて、方向、位置を修正してから、前述のように、前記修正画像について、前記修正画像中のウェルを検出し、平均光強度値を求めてもよい。

0157

(4−2)位置のずれの修正
前述のように、前記アプタマーシートは、前記携帯型検査デバイスのセット部に正しくセットされない場合がある。そこで、正しくセットされていないアプタマーシートの撮像画像(蛍光画像)について、位置ずれの修正処理を行った例を示す。具体的には、図8に、前述した前記第1手法により、アプタマーシート1の蛍光画像の画像修正を行った例を示す。

0158

図8において、(A)は、任意のテンプレートパターンにしたがって各ウェルが配置された前記アプタマーシートが、正確に前記セット部にセットされた結果であり、基準となる。(A)において、中段は、前記図9(A)と同じ、前記アプタマーシートの蛍光画像であり、下段は、前記蛍光画像を平均値蛍光強度に基づいてデジタル化処理した処理画像である。なお、基準となる(A)の画像は、例えば、前記アプタマーシートにおけるウェルの配置図でもよい。前記デジタル化処理については、後述する。(B)は、前記(A)の前記アプタマーシートの一部のみを検出する状況とし、さらに、前記(A)の正確なセット位置に対して、前記アプタマーシートが、反時計回り45度に回転し、さらに左方向に平行移動して、前記セット部にセットされた結果である。(C)は、前記(A)のアプタマーシートの一部のみを検出する状況とし(ただし、(B)とは異なる)、さらに、前記(A)の正確なセット位置に対して、前記アプタマーシートが、反時計回り45度に回転し、さらに下方向に移動して、前記セット部にセットされた結果である。(D)は、前記(A)のアプタマーシートの一部のみを検出する状況とし(ただし、(B)および(C)とは異なる)、さらに、前記(A)の正確なセット位置に対して、前記アプタマーシートが、反時計回り45度に回転し、さらに上方向に移動して、前記セット部にセットされた結果である。(E)は、前記(A)のアプタマーシートの一部のみを検出する状況とし(ただし、(B)〜(D)とは異なる)、さらに、前記(A)の正確なセット位置に対して、前記アプタマーシートが、時計回り45度に回転し、前記セット部にセットされた結果である。(B)〜(E)において、(B)において、上段は、前記アプタマーシートの一部が検出された蛍光画像であり、中段は、前記第1手法により、前記蛍光画像を、正確なセット位置の方向に修正した修正画像であり、下段は、前記修正画像を平均値蛍光強度に基づいてデジタル化処理した処理画像である。

0159

図8(B)〜(E)に示されるように、いずれの画像も、最初に撮像された蛍光画像(上段の画像)は、正確な位置にセットされた図8(A)の画像(中段の画像)とは、方向が異なるが、フィーチャマッチングにより、適切に位置のずれが特定され、正確なセット位置でセットした際に得られる画像に修正されることが示されている。

0160

前記(4−2)に示すように、得られた前記蛍光画像について、前述の画像処理アルゴリズムを用いて、回転および平行移動等の処理を行い、配向、位置を修正し、さらに、その修正画像におけるウェルを検出し、各ウェル内の平均蛍光強度に基づき、輝度をデジタル値化し、テンプレートに従って、アプタマーシートの光学パターンを再構築することで、前記アプタマーシートの蛍光画像を、可読表現にすることができた。

0161

本システムでは、画像処理に要する時間は、1〜2秒であった。これは、アルゴリズムを実行するハードウェアに依存するが、迅速に画像処理、判定を行うことができるシステムを確立することができている。

0162

(5)サンプル中のアレルゲンの検出
前記(2)で作製したアプタマーシートまたは前記実施例3で作製したアプタマーシートを、前記(3)で作製した携帯型検査デバイスのセット部に固定することで、本発明のシステムとすることができる。そして、以下のようにして、サンプル中のアレルゲンを検出できる。サンプルは、一例として、ピーナッツタンパク質濃度が100ppmのピーナッツ溶液と、ピーナッツを含まない前記緩衝液とを用いる。

0163

前記携帯型検査デバイスに固定化した前記アプタマーシートを、前記サンプルに数秒間浸漬させる。浸漬後、前記サンプルから前記携帯型検査デバイスを取り出し、操作部の測定開始ボタンを押して、検出を開始する。前記携帯桁検査デバイス内において、まず、前記撮像部により、前記アプタマーシートの蛍光画像が撮像され、前記画像が、前記画像処理部および前記判定部により解析され、検出開始から数秒後に、判定結果が、表示部に表示される。

0164

前記携帯型検査デバイスを用いれば、アレルゲン(ピーナッツタンパク質)を含むサンプルに対しては、前記明瞭な蛍光が確認され、一方、アレルゲンを含まないサンプルに対しては、前記蛍光アプタマーの蛍光物質が、前記消光相補鎖のクエンチャーによりクエンチングされるため、蛍光は観測されない。このように、本システムは、アレルゲンを簡便に検出できるシステムである。また、測定終了後、使用済みの前記アプタマーシートを前記携帯型検査デバイスから剥がし、破棄できる。前記携帯型検査デバイスは、洗浄し、再度、新たなアプタマーシートを固定し、同様にして、再度、測定を行っても、同様にサンプルからアレルゲンを検出することができる。本システムは、アプタマーシートを取り換えるだけで、何度でも使用可能なシステムであり、安価に、迅速に測定ができる。

0165

本発明について、具体例として、アレルゲンの検出用として記載したが、本発明の用途は、これに限られるものではない。本発明は、例えば、前記アプタマーシートのアプタマーを、任意のターゲットについて選択することで、尿中のタンパク質成分や、血液中の成分、唾液、等様々な測定対象中に含まれる成分を、どこでも、簡便に安価に検出できるシステムとすることができる。

0166

上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下に限定されない。

0167

(付記1)
使い捨てアプタマーシートと、携帯型検査デバイスとを含み、
前記アプタマーシートは、
シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、
前記携帯型検査デバイスは、
前記アプタマーシートを配置するセット部と、
前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットとを含む
ことを特徴とする携帯型検査システム。
(付記2)
前記シートは、複数のウェルを有し、
前記複数のウェルは、参照ウェルと検査ウェルとを含み、
前記参照ウェルは、ポジティブコントロール用、およびネガティブコントロール用の少なくとも一方であり、
前記検査ウェルは、前記ターゲットに対する前記アプタマー試薬が収容されたウェルである、付記1に記載の携帯型検査システム。
(付記3)
前記シートは、前記参照ウェルと前記検査ウェルとが分散配置されている、および/または、方向判定用のマークを含む、付記2に記載の携帯型検査システム
(付記4)
前記携帯型検査デバイスにおいて、
前記検出ユニットは、光源を含む光学系と、撮像部と、を含み、
前記光学系は、前記光学系は、前記セット部にセットされるアプタマーシートに対する近接場光を発生させる、付記1〜3のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記5)
前記携帯型検査デバイスにおいて、前記検出ユニットは、光源を含む光学系と、撮像部とを含み、
前記撮像部は、前記セット部にセットされた前記シートを撮像し、
前記携帯型検査デバイスは、さらに、画像処理部を含み、
前記画像処理部は、前記撮像部により撮像された前記シートの画像が、前記セット部に前記シートが正しくセットされているときに得られる画像となるように、前記撮像した画像を、回転処理、および平行移動処理の少なくとも一方を行う画像処理アルゴリズムにより、画像処理する、付記1〜4のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記6)
前記シートは、複数のウェルを有し、
前記複数のウェルは、参照ウェルと検査ウェルとを含み、
前記シートは、前記参照ウェルと前記検査ウェルとが分散配置されている、および/または、方向判定用のマークを含み、
前記携帯型検査デバイスの前記画像処理部は、前記画像処理アルゴリズムにより、前記分散配置のパターンおよび前記方向判定用のマークの少なくとも一方に基づいて、前記画像処理を行う、付記5に記載の携帯型検査システム。
(付記7)
前記シートは、第1層および第2層を含み、
前記第1層は、複数のウェルを有し、前記複数のウェルに、前記アプタマー試薬が収容、または、固定され、
前記第2層は、前記アプタマー試薬が非透過であり且つ前記ターゲットが透過可能である複数の孔を有し、
前記第1層に対して、前記複数のウェルを覆って、前記第2層が積層されている、付記1から6のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記8)
前記アプタマー試薬は、前記アプタマーと前記ターゲットとの結合状態において蛍光を発し、前記アプタマーと前記ターゲットとの未結合状態で蛍光がクエンチングされる、付記1から7のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記9)
前記アプタマー試薬は、前記アプタマーと、前記アプタマーに対する相補鎖とを含み、
前記アプタマーは、蛍光物質が結合された蛍光アプタマーであり、
前記相補鎖は、消光物質が結合された消光相補鎖である、付記8記載の携帯型検査システム。
(付記10)
前記アプタマーシートは、前記シートに、前記アプタマー試薬が固定化されている、付記1から9のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記11)
前記シートは、エリアごとに、異なるターゲットに対する前記アプタマー試薬が固定化されている、付記10記載の携帯型検査システム。
(付記12)
前記シートは、複数のウェルを有し、
前記複数のウェルは、参照ウェルと検査ウェルとを含み、
前記参照ウェルと前記検査ウェルとは、異なる形状である、付記1から11のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記13)
前記アプタマー試薬は、前記アプタマーと担体とを含み、
前記アプタマーは前記担体に固定化され、
前記担体に固定化されたアプタマーが、前記ウェルに収容されている、付記7記載の携帯型検査システム。
(付記14)
前記担体が、ビーズである、付記13記載の携帯型検査システム。
(付記15)
前記ビーズが、ポリマー製またはガラス製である、付記13または14記載の携帯型検査システム。(付記16)
前記複数のウェルは、それぞれ、異なるターゲットに対する前記アプタマー試薬が収容されている、付記13から15のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記17)
前記シートにおいて、前記参照ウェルが分散配置されている、付記2から16のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記18)
前記アプタマー試薬は、前記アプタマーと、前記アプタマーに対する相補鎖とを含み、
前記アプタマーは、蛍光物質が結合された蛍光アプタマーであり、
前記相補鎖は、消光物質が結合された消光相補鎖であり、
前記ポジティブコントロール用の参照ウェルは、前記蛍光物質が収容され、クエンチングされずに前記蛍光物質が蛍光を発しており、
前記ネガティブコントロール用の参照ウェルは、前記蛍光物質が収容されていない、付記17記載の携帯型検査システム。
(付記19)
前記ポジティブコントロール用の参照ウェルは、前記検査ウェルに収容された前記アプタマー試薬の全蛍光物質と同等の蛍光強度の蛍光を発する、付記18記載の携帯型検査システム。
(付記20)
前記ポジティブコントロール用の参照ウェルは、蛍光物質を結合した核酸分子が収容され、
前記蛍光物質は、前記アプタマー試薬と同じ蛍光物質であり、
前記核酸分子に結合された前記蛍光物質は、クエンチングされずに蛍光を発する、付記18または19記載の携帯型検査システム。
(付記21)
前記携帯型検査デバイスは、前記検出ユニットより、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートについて、前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を、光学パターンとして検出する、付記1から20のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記22)
前記光学パターンが、蛍光強度に依存した光学パターンである、付記21記載の携帯型検査システム。
(付記22)
前記検査デバイスは、凹部を有し、
前記凹部に、前記検出ユニットが収容され、
前記凹部に収容された前記検出ユニットの表面の一部が、前記検査デバイスの外部に露出しており、
前記露出部が、前記アプタマーシートのセット部を含む、付記1から21のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記23)
前記セット部が、透明部材で構成されている、付記1から22のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記24)
前記検出ユニットが、防水性である、付記1から23のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記25)
前記検出ユニットは、光源と光センサとを含む、付記1から24のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記26)
前記光センサは、二次元光センサである、付記25記載の携帯型検査システム。
(付記27)
前記光センサは、撮像素子を含み、
前記撮像素子は、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートの画像情報を取得する、付記26記載の携帯型検査システム。
(付記28)
前記検出ユニットは、さらに、記憶部を含み、
前記記憶部は、前記光センサにより取得した情報を記憶する、付記1から27のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記29)
前記検出ユニットは、さらに、判定部を含み、
前記判定部は、前記光センサにより取得した情報から、前記アプタマーシートに配置された前記アプタマー試薬と前記ターゲットとの結合を判定する、付記1から28のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記30)
前記記憶部は、さらに、判定基準情報を記憶し、
前記判定部は、前記光センサにより取得した情報から、前記判定基準情報に基づいて、前記アプタマーシートに配置された前記アプタマー試薬と前記ターゲットとの結合を判定する、付記29記載の携帯型検査システム。
(付記31)
前記検出ユニットは、さらに、通信部を含み、
前記通信部は、
通信回線網を介して、外部機器と接続可能であり、
前記検出ユニットにより取得した情報を、前記外部機器に出力する、付記1から30のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記32)
前記検出ユニットは、さらに、電力供給部を含む、付記1から31のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記33)
前記アプタマーシートは、前記携帯型検査デバイスのセット部に対するセット位置またはセット方向を示すマークを有する、付記1から32のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記34)
前記携帯型検査デバイスが、食事器具である、付記1から33のいずれかに記載の携帯型検査システム。
(付記35)
前記ターゲットが、アレルゲンである、付記1から34のいずれか1項に記載の携帯型検査システム。
(付記36)
第1層および第2層を含み、
前記第1層は、複数のウェルを有し、前記複数のウェルに、前記アプタマー試薬が収容、または、固定され、
前記第2層は、前記アプタマー試薬が非透過であり且つ前記アプタマーのターゲットが透過可能である複数の孔を有し、
前記第1層に対して、前記複数のウェルを覆って、前記第2層が積層されていることを特徴とするアプタマーシート。
(付記37)
前記シートは、複数のウェルを有し、
前記複数のウェルは、参照ウェルと検査ウェルとを含み、
前記シートは、前記参照ウェルと前記検査ウェルとが分散配置されている、および/または、方向判定用のマークを含む、付記36に記載のアプタマーシート。
(付記38)
シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、
付記1から35のいずれかに記載の携帯型検査システムに使用されることを特徴とする使い捨てアプタマーシート。
(付記39)
セット部と検出ユニットとを含み、
前記セット部は、アプタマーシートを配置するセット部であり、前記アプタマーシートは、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、
前記検出ユニットは、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットであり、
付記1から35のいずれかに記載の携帯型検査システムに使用されることを特徴とする携帯型検査デバイス。
(付記40)
セット部と検出ユニットとを含み、
前記セット部は、アプタマーシートを配置するセット部であり、前記アプタマーシートは、シートに、ターゲットに結合するアプタマーを含むアプタマー試薬が配置されており、
前記検出ユニットは、前記セット部にセットされた前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記ターゲットとの結合を光学的に検出する検出ユニットであり、
付記1から35のいずれかに記載の携帯型検査システムに使用されることを特徴とする携帯型検査デバイス。
(付記41)
付記1から35のいずれかに記載の携帯型検査システムを用い、
前記アプタマーシートを前記携帯型検査デバイスにセットする工程と、
前記アプタマーシートに、サンプルを接触させる工程と、
前記携帯型検査デバイスにより、前記アプタマーシートにおける前記アプタマーと前記サンプル中のターゲットとの結合を光学的に検出する工程とを含むことを特徴とする検査方法。
(付記42)
前記サンプルが、液体食品である、付記41記載の検査方法。
(付記43)
前記ターゲットが、アレルゲンである、付記41または42に記載の検査方法。

実施例

0168

以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。

0169

本発明によれば、簡便にサンプルにおけるターゲットの有無を検査できる。特に、本発明は、携帯型の検査システムであることから、例えば、家庭や外出先での食事の際、その場で、飲食品にアレルゲンが含まれているか否かを検査することもできる。

0170

また、本発明によれば、使い捨てのアプタマーシートを設置する際に、起きる様々な誤検出を防ぐことができる機能を備えるので、装置に熟練しないユーザ等も簡便に、安心して、使用することができる。

0171

1アプタマーシート
11 第1層
12 第2層
13ウェル
20 アプタマー試薬
3検査デバイス
30 本体
31 凹部
40検出ユニット
41 セット部
42光源
43レンズ
44撮像素子
45回路基板
46 判定部
47通信部
48筐体部
49給電器
50画像処理部

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