図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
概要
異なる径の固定対象物を良好に固定可能なクランプを提供する。断面における外形が円形状である低圧冷媒配管1、2を外側から挟み込んで固定するクランプであって、硬質材料からなる筒状の硬質部11と、軟質材料からなり、硬質部11の内側に設けられた軟質部12、13とを備え、軟質部12、13は、円弧状の内縁を有する円弧状部121、131と、円弧状部121、131よりも内側に向かって突出して低圧冷媒配管1、2を押圧する複数の突出部122、132とを有し、複数の突出部122、132のそれぞれには、その外形に沿った形状で貫通する肉盗み孔122e、132eが形成されている。
目的
本発明は上記点に鑑みて、異なる径の固定対象物を良好に固定可能なクランプを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
断面における外形が円形状である固定対象物(1、2)を外側から挟み込んで固定するクランプであって、硬質材料からなる筒状の硬質部(11)と、軟質材料からなり、前記硬質部の内側に設けられた軟質部(12、13)とを備え、前記軟質部は、円弧状の内縁を有する円弧状部(121、131)と、前記円弧状部よりも内側に向かって突出して前記固定対象物を押圧する複数の突出部(122、132)とを有し、前記複数の突出部のそれぞれには、その外形に沿った形状で貫通する肉盗み孔(122e、132e)が形成されているクランプ。
請求項2
前記肉盗み孔は、前記円弧状部の前記内縁と同心かつ同径の円弧状の外縁を有している請求項1に記載のクランプ。
請求項3
前記複数の突出部はいずれも、前記肉盗み孔の両側方側に位置する一対の側方部(122f、122g、132f、132g)と、前記肉盗み孔の先端側に位置する先端部(122h、132h)とを有しており、前記側方部と前記先端部とが互いに同じ肉厚(t1)を有している請求項1または2に記載のクランプ。
請求項4
技術分野
背景技術
先行技術
0004
特許第5360498号
発明が解決しようとする課題
0005
上記従来技術において、管体を良好に保持固定するためには、緩衝部材を均一に撓ませることが重要となる。
0006
しかしながら、上記従来技術では、異なる径の管体(換言すれば固定対象物)に対して、緩衝部材を極力均一に撓ませる手法について、何ら言及されていない。
0007
本発明は上記点に鑑みて、異なる径の固定対象物を良好に固定可能なクランプを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0008
上記目的を達成するため、請求項1に記載のクランプでは、
硬質材料からなる筒状の硬質部(11)と、
軟質材料からなり、硬質部(11)の内側に設けられた軟質部(12、13)とを備え、
軟質部(12、13)は、円弧状の内縁を有する円弧状部(121、131)と、円弧状部(121、131)よりも内側に向かって突出して固定対象物(1、2)を押圧する複数の突出部(122、132)とを有し、
複数の突出部(122、132)のそれぞれには、その外形に沿った形状で貫通する肉盗み孔(122e、132e)が形成されている。
0009
これによると、径の大きめの固定対象物(2)を固定した場合であっても、肉盗み孔(122e、132e)により、突出部(122、132)の全体が柔軟に変形して極力均一に撓むことができる。したがって、異なる径の固定対象物(1、2)を良好に固定できる。
図面の簡単な説明
0011
一実施形態におけるクランプを示す正面図であり、クランプが閉じた状態を示している。
一実施形態におけるクランプを示す正面図であり、クランプが開いた状態を示している。
図1の低圧側クランプの拡大図である。
図1の低圧側クランプが所定の径の低圧冷媒配管を固定したときの突出部の変形状態を示す正面図である。
図1の低圧側クランプが大きめの径の低圧冷媒配管を固定したときの突出部の変形状態を示す正面図である。
実施例
0012
以下、実施形態について図に基づいて説明する。図1に示すクランプ10は、車両用冷凍サイクル装置の低圧冷媒配管および高圧冷媒配管を固定する。すなわち、クランプ10の固定対象物は冷媒配管である。低圧冷媒配管および高圧冷媒配管は、金属(例えばアルミニウム合金)で形成されている。
0014
高圧冷媒配管は低圧冷媒配管と比べて細いことから高圧側クランプ10bは低圧側クランプ10aと比べて小さくなっているが、高圧側クランプ10bの基本的構成は低圧側クランプ10aとほぼ同じである。したがって、以下では、低圧側クランプ10aの詳細構成を説明し、高圧側クランプ10bの詳細構成の説明を省略する。
0015
低圧側クランプ10aは、硬質部11と第1軟質部12と第2軟質部13とを備えている。硬質部11は、硬質樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂やポリアミド樹脂等)のような硬質材料で形成されている。軟質部12は、軟質樹脂(例えば、熱可塑性エラストマ等)のような軟質材料で形成されている。クランプ10は、硬質部11と第1軟質部12と第2軟質部13とを一体に二色成形されている。
0019
ヒンジ部113が折り曲げられて係止部114が被係止部115に係合することにより、第1半円状部111と第2半円状部112とが組み合わされた状態で固定され、平面視において略円形状になる。すなわち、第1半円状部111と第2半円状部112とが組み合わされたときの立体形状は略円筒状になる。
0020
図2は、係止部114が被係止部115に係合されていない状態を示している。すなわち、ヒンジ部113が伸ばされて第1半円状部111および第2半円状部112が開かれている状態を示している。
0021
台座部116には、差込ピン116aが形成されている。差込ピン116aが、図示しない車体に設けられた穴に差し込まれることによって、クランプ10が車体に固定される。
0022
第1軟質部12および第2軟質部13はそれぞれ、正面視において略半円弧形状を有している。第1軟質部12は、第1半円状部111の内側に設けられている。第2軟質部13は、第2半円状部112の内側に設けられている。
0023
硬質部11のヒンジ部113が折り曲げられると、第1軟質部12と第2軟質部13とが互いに向かい合って略筒状になる。
0024
第1軟質部12および第2軟質部13はそれぞれ、1つの円弧状部121、131と、複数の突出部122、132とを有している。
0025
円弧状部121、131は、正面視において、円弧状の内縁を有している。硬質部11のヒンジ部113が折り曲げられて第1軟質部12と第2軟質部13とが互いに向かい合ったとき、円弧状部121、131は互いに組み合わされて、平面視において略円形状になる。
0026
突出部122、132は、円弧状部121、131から内側(換言すれば円弧中心側)に突出している。突出部122、132は、低圧冷媒配管を押圧する役割を果たす。突出部122、132は、円弧状部121、131の周方向に、約60度間隔で設けられている。
0027
突出部122、132は、正面視において、略環状扇形の形状を有している。図3に示すように、突出部122、132はそれぞれ、一対の直線縁部122a、122b、132a、132bを有している。各突出部122、132の一対の直線縁部122a、122b、132a、132bのうち図3の時計回り方向前方側の直線縁部122a、132aは、円弧状部121、131からクランプ中心O1に向かって延びている。
0028
クランプ中心O1とは、第1半円状部111と第2半円状部112とが略円形状に組み合わされたときの中心である。換言すれば、クランプ中心O1とは、円弧状部121、131同士が略円形状に組み合わされたときの中心である。
0031
クランプ中心O1から各リップ部122c、122d、132c、132dまでの距離は互いに同じである。以下では、クランプ中心O1からリップ部122c、122d、132c、132dまでの距離を、リップ部半径r1と言う。
0032
換言すれば、各リップ部122c、122d、132c、132dの先端は、円弧状部121、131の内縁と同心の仮想円C1上に位置している。
0033
各突出部122、132には、肉盗み孔122e、132eが形成されている。肉盗み孔122e、132eは、突出部122、132を、低圧側クランプ10aの軸方向(図1〜3の紙面垂直方向)に貫通している孔である。
0034
肉盗み孔122e、132eは、突出部122、132の外形にほぼ沿う形状を有している。すなわち、肉盗み孔122e、132eは、正面視において、略環状扇形の形状を有している。
0035
肉盗み孔122e、132eのうち径方向外側における縁部は、円弧状部121、131の内縁部の延長上に位置している。肉盗み孔122e、132eのうち径方向の外側における縁部は、円弧状部121、131の内縁部と同心且つ同径の円弧状になっている。
0036
これにより、突出部122、132は、一対の側方部122f、122g、132f、132gと先端部122h、132hの3つの部位に大別される。一対の側方部122f、122g、132f、132gは、肉盗み孔122e、132eの両側方に位置して、低圧側クランプ10aの略径方向に延びている。先端部122h、132hは、肉盗み孔122e、132eよりも先端側に位置して、低圧側クランプ10aの略周方向に延びている。
0037
一対の側方部122f、122g、132f、132gおよび先端部122h、132hの肉厚は互いに同じになっている。これらの部位の肉厚を、以下では突出部肉厚t1と言う。ただし、2つのリップ部122c、122d、132c、132dの肉厚は、成形の都合上、突出部肉厚t1よりも若干厚くなっている。
0038
突出部肉厚t1をリップ部半径r1で除した値α(すなわち、α=t1/r1)は、6.4%≦α≦9.6%の関係を満たしている。
0039
一対の側方部122f、122g、132f、132gのうち図3の時計回り方向前方側の側方部122f、132fは、円弧状部121、131からクランプ中心O1に向かって延びている。
0040
一対の側方部122f、122g、132f、132gのうち図3の時計回り方向後方側の側方部122g、132gは、クランプ中心O1よりも手前側に向かって延びている。
0041
次に、上記構成における作用効果を図4および図5に基づいて説明する。図4は、低圧冷媒配管1を低圧側クランプ10aで固定したときの突出部122、132の変形状態を示している。図4の低圧冷媒配管1は、リップ部半径r1よりも若干大きい径を有している。
0044
具体的には、突出部122、132はいずれも、図4、図5の時計回り方向に倒れるように変形する。その理由は、一対の側方部122f、122g、132f、132gのうち図3の時計回り方向前方側の側方部122f、132fはクランプ中心O1に向かって延びていて、図3の時計回り方向後方側の側方部122g、132gは、クランプ中心O1よりも手前側に向かって延びているからである。
0046
突出部122、132に肉盗み孔122e、132eが形成されているので、径の大きい低圧冷媒配管2を固定した場合であっても、突出部122、132の全体が柔軟に変形して低圧冷媒配管2を良好に固定することができる。
0047
したがって、径が異なる低圧冷媒配管を良好に固定できる。換言すれば、固定可能な低圧冷媒配管の径の範囲を大きく確保できる。
0048
本実施形態では、複数の突出部122、132のそれぞれには、その外形に沿った形状で貫通する肉盗み孔122e、132eが形成されている。
0049
これによると、径の大きい低圧冷媒配管2を固定した場合であっても、肉盗み孔122e、132eにより、突出部122、132の全体が柔軟に変形して極力均一に撓むことができる。したがって、互いに異なる径の低圧冷媒配管1、2を良好に固定できる。
0050
本実施形態では、肉盗み孔122e、132eは、円弧状部121、131の内縁と同心かつ同径の円弧状の外縁を有している。
0051
これにより、径の大きめの低圧冷媒配管2を固定した場合であっても、肉盗み孔122e、132eにより、突出部122、132の全体を一層柔軟に変形させることができる。
0052
本実施形態では、複数の突出部122、132において、側方部122f、122g、132f、132gと先端部122h、132hとが互いに同じ肉厚t1を有している。
0053
これにより、径の大きめの低圧冷媒配管2を固定した場合であっても、肉盗み孔122e、132eにより、突出部122、132の側方部122f、122g、132f、132gと先端部122h、132hとを極力均一に変形させることができる。
0054
本実施形態では、複数の突出部122、132において、リップ部122c、122d、132c、132dの先端は、円弧状部121、131の内縁と同心の仮想円C1上に位置しており、肉厚t1を仮想円C1の半径r1で除した値αが、6.4%≦α≦9.6%の関係を満たしている。
0055
これにより、径が異なる低圧冷媒配管に対して、突出部122、132を適切に変形させることができる。
0056
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。
0057
(1)上記実施形態では、低圧側クランプ10aにおいて、第1軟質部12および第2軟質部13が硬質部11と一体に二色成形されているが、第1軟質部12および第2軟質部13は、硬質部11と別体に成形されて硬質部11に固定されていてもよい。
0060
1、2低圧冷媒配管(固定対象物)
11硬質部
12 第1軟質部(軟質部)
13 第2軟質部(軟質部)
121、131円弧状部
122、132 突出部
122e、132e肉盗み孔
122f、122g、132f、132g側方部
122h、132h 先端部
122c、122d、132c、132dリップ部
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成