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課題
解決手段
概要
背景
超音波装置の一例である超音波診断装置の中には、生体組織の弾性を計測する装置が知られている。生体組織の弾性に関する値を算出する手法としては、生体組織に対して、超音波プローブから音圧の高い超音波パルス、すなわちプッシュパルスを送信する手法がある。この手法は、プッシュパルスによって生体組織に生じたせん断弾性波(shear wave)による生体組織の変位を、検出用超音波パルスによって検出する。そして、この検出に基づいてせん断弾性波の伝搬速度が、生体組織の弾性に関する計測値として算出される。超音波診断装置は、算出された計測値を数値として表示したり、計測値に応じた弾性画像を表示したりする。
ここで、生体組織の弾性を正確に反映していない計測値が得られる場合がある。このように信頼性の低い計測値が得られる場合があるにもかかわらず、計測値や弾性画像が表示されるだけでは、ユーザーは計測値を信じても良いのか否かを判断できない。そこで、信頼性の低い計測値が得られた場合、計測値や弾性画像を表示しない超音波診断装置や、信頼性の指標を表示する超音波診断装置などがある(例えば、特許文献1参照)。
概要
生体組織の弾性に関する計測値の信頼性を低くしている要因を知ることができる超音波装置を提供する。超音波診断装置は、検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記生体組織の弾性に関する計測値を算出する計測値算出機能535と、 検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、計測値の信頼性を損なう複数の要因の各々について、計測値に対する信頼性の程度を示す指標値を算出する指標値算出機能536と、信頼性の程度が所要の基準を満たさない少なくとも一つの指標値に対応する要因を報知する報知機能と、を実行する制御回路を備える。
目的
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請求項1
被検体の生体組織に対する超音波のプッシュパルスの送信と、該プッシュパルスによって前記生体組織に生じたせん断弾性波を検出するための検出用超音波パルスの送信とを行なう超音波プローブと、制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記生体組織の弾性に関する計測値を算出する計測値算出機能と、検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記計測値の信頼性を損なう複数の要因の各々について、前記計測値の信頼性の程度を示す指標値を算出する指標値算出機能と、前記信頼性の程度が所要の基準を満たさない少なくとも一つの指標値に対応する要因を報知する報知機能と、を実行する、超音波装置。
請求項2
前記報知機能は、前記所要の基準を満たさない全ての指標値の各々に対応する要因を報知する、請求項1に記載の超音波装置。
請求項3
前記報知機能は、前記所要の基準を満たさない複数の指標値がある場合、信頼性が最も低い指標値に対応する要因を報知する、請求項1に記載の超音波装置。
請求項4
前記制御回路は、前記複数の要因の各々について算出された指標値を比較して、前記信頼性が最も低い指標値を特定する指標値比較機能をさらに実行する、請求項3に記載の超音波装置。
請求項5
前記所要の基準は、前記指標値について定められた閾値による基準である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波装置。
請求項6
前記報知機能は、前記閾値を基準にして、前記信頼性の程度が所要の基準を満たすか否かを判定して前記要因の報知を行なう、請求項5に記載の超音波装置。
請求項7
前記制御回路は、前記複数の指標値に基づいて、前記計測値の信頼性の程度を示す指標値の代表値を算出する代表値算出機能をさらに実行し、前記報知機能は、前記代表値の前記信頼性の程度が所要の基準を満たさない場合、前記信頼性の程度が所要の基準を満たさない少なくとも一つの指標値に対応する要因を報知する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波装置。
請求項8
前記指標値算出機能は、前記せん断弾性波によって生じる前記生体組織の変位の時間変化を、前記検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて検出し、前記時間変化及び前記エコー信号の信号強度のうち少なくとも一つに基づいて、前記複数の指標値の各々を算出する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の超音波装置。
請求項9
前記制御回路は、前記エコー信号に基づいてIQ信号を生成するIQ信号生成機能と、前記IQ信号に対して自己相関処理を行なうことにより、前記エコー信号の位相変化を検出する位相変化検出機能と、前記位相変化を示す信号を、複数の周波数帯域の各々における信号成分に分離する分離処理機能と、をさらに実行し、前記指標値算出機能は、前記信号成分の各々のうち少なくとも一つを、前記生体組織の変位の時間変化の検出に用いる、請求項8に記載の超音波装置。
請求項10
前記制御回路は、前記エコー信号に基づいてIQ信号を生成するIQ信号生成機能と、前記エコー信号の信号強度として、前記IQ信号の信号強度を算出する信号強度算出機能と、をさらに実行する、請求項8に記載の超音波装置。
請求項11
さらに、表示デバイスを備え、前記報知機能は、前記少なくとも一つの指標値に対応する要因を、図形及び文字の少なくとも一方を前記表示デバイスに表示させることによって報知する機能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の超音波装置。
請求項12
さらに、表示デバイスを備え、前記報知機能は、前記少なくとも一つの指標値に対応する要因を、前記代表値を示す図形及び文字の少なくとも一方を前記表示デバイスに表示させることによって報知する機能であって、前記少なくとも一つの指標値に対応する要因に応じた異なる表示形態で前記図形及び前記文字の少なくとも一方を表示させることにより、前記報知を行なう機能である、請求項7に記載の超音波装置。
請求項13
前記報知機能は、前記少なくとも一つの指標値に対応する要因に応じた異なる色で、前記図形及び文字の少なくとも一方を表示させる、請求項12又は13に記載の超音波装置。
請求項14
さらに、スピーカーを備え、前記報知機能は、前記少なくとも一つの指標値に対応する要因を前記スピーカーから音によって報知する機能である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の超音波装置。
請求項15
前記報知機能は、前記少なくとも一つの指標値に対応する要因を解消する対策をさらに報知する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の超音波装置。
請求項16
前記計測値算出機能は、前記検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記せん断弾性波によって生じる前記生体組織の変位の時間変化を検出することによって前記せん断弾性波を検出し、検出された前記せん断弾性波に基づいて、前記生体組織の弾性に関する計測値を算出する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の超音波装置。
請求項17
表示デバイスを備えており、前記計測値算出機能は、前記生体組織の所要の領域内の複数点について前記計測値を算出し、前記表示デバイスは、前記計測値に基づいて作成された前記所要領域の弾性画像を表示し、前記指標値算出機能は、前記所要の領域における前記指標値を算出する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の超音波装置。
請求項18
被検体の生体組織に対する超音波のプッシュパルスの送信と、該プッシュパルスによって前記生体組織に生じたせん断弾性波を検出するための検出用超音波パルスの送信とを行なう超音波プローブと、制御回路と、を備える超音波装置の制御プログラムであって、前記検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記生体組織の弾性に関する計測値を算出する計測値算出機能と、検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記計測値の信頼性を損なう複数の要因の各々について、前記計測値の信頼性の程度を示す指標値を算出する指標値算出機能と、前記信頼性の程度が所要の基準を満たさない少なくとも一つの指標値に対応する要因を報知する報知機能と、を前記制御回路によって実行させる超音波装置の制御プログラム。
技術分野
背景技術
0002
超音波装置の一例である超音波診断装置の中には、生体組織の弾性を計測する装置が知られている。生体組織の弾性に関する値を算出する手法としては、生体組織に対して、超音波プローブから音圧の高い超音波パルス、すなわちプッシュパルスを送信する手法がある。この手法は、プッシュパルスによって生体組織に生じたせん断弾性波(shear wave)による生体組織の変位を、検出用超音波パルスによって検出する。そして、この検出に基づいてせん断弾性波の伝搬速度が、生体組織の弾性に関する計測値として算出される。超音波診断装置は、算出された計測値を数値として表示したり、計測値に応じた弾性画像を表示したりする。
0003
ここで、生体組織の弾性を正確に反映していない計測値が得られる場合がある。このように信頼性の低い計測値が得られる場合があるにもかかわらず、計測値や弾性画像が表示されるだけでは、ユーザーは計測値を信じても良いのか否かを判断できない。そこで、信頼性の低い計測値が得られた場合、計測値や弾性画像を表示しない超音波診断装置や、信頼性の指標を表示する超音波診断装置などがある(例えば、特許文献1参照)。
先行技術
0004
特許第6169707号
発明が解決しようとする課題
0005
ユーザーは、信頼性の低い計測値が得られたことを認知した場合、再度計測を行なう必要がある。しかし、計測値の信頼性が低くなる要因としては、複数の要因が考えられる。例えば、このような要因として、弾性計測の対象領域が、嚢胞や血液など、液体が主成分である領域であること、超音波プローブの動きや被検体の体動が大きすぎてせん断弾性波による生体組織の変位が検出できないこと、対象領域が深すぎて検出用超音波パルスのエコー信号のSNが悪いこと、対象領域が硬すぎて十分なせん断弾性波が生じていないことなどが挙げられる。
0006
このように複数の要因があるため、信頼性の低い計測値が得られた場合に、計測値や弾性画像が表示されなかったり、信頼性の指標が表示されたりするだけでは、ユーザーは、どのような要因で信頼性が低かったのかが分からない。従って、ユーザーは、計測値の信頼性を損ねている要因を解消するために、何をしたらよいか分からい。このため、ユーザーは試行錯誤しながら計測を繰り返す必要があり、検査時間が長くなる場合があった。
課題を解決するための手段
0007
上述の課題を解決するためになされた一の観点の発明は、被検体の生体組織に対する超音波のプッシュパルスの送信と、該プッシュパルスによって前記生体組織に生じたせん断弾性波を検出するための検出用超音波パルスの送信とを行なう超音波プローブと、制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記生体組織の弾性に関する計測値を算出する計測値算出機能と、検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記計測値の信頼性を損なう複数の要因の各々について、前記計測値の信頼性の程度を示す指標値を算出する指標値算出機能と、前記信頼性の程度が所要の基準を満たさない少なくとも一つの指標値に対応する要因を報知する報知機能と、を実行する、超音波装置である。
発明の効果
0008
上記観点の発明によれば、前記報知機能により、信頼性の程度が所要の基準を満たさない指標値に対応する要因が報知されるので、超音波装置のユーザーは、計測値の信頼性を低くしている要因を知ることができる。
図面の簡単な説明
0009
実施形態の超音波診断装置の一例を示すブロック図である。
実施形態の超音波診断装置における制御回路の例示的な機能ブロック図である。
弾性処理機能の詳細の一例を示す機能ブロック図である。
表示デバイスの画面の一例を示す図である。
実施形態の超音波診断装置においてバーを表示させるための処理の一例を示すフローチャートである。
バーの一例を示す拡大図である。
図6で示された長さよりも短くなった状態で表示されたバーの一例を示す拡大図である。
実施形態の超音波診断装置の他例を示すブロック図である。
表示デバイスの画面の他例を示す図である。
弾性処理機能の詳細の他例を示す機能ブロック図である。
表示デバイスの画面の他例を示す図である。
弾性処理機能の詳細の他例を示す機能ブロック図である。
実施例
0011
図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送信回路3、受信回路4、制御回路5、表示デバイス6、入力デバイス7、記憶回路8を備える。前記超音波診断装置1は、コンピュータ(computer)としての構成を備えている。
0012
超音波プローブ2は、超音波トランスデューサー(図示省略)を有し、この超音波トランスデューサーにおいて、被検体の生体組織に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。超音波プローブ2により、生体組織にせん断弾性波を生じさせるための超音波パルス(プッシュパルス)が送信される。また、超音波プローブ2により、プッシュパルスによって生体組織に生じたせん断弾性波を検出するための検出用超音波パルスが送信され、そのエコー信号が受信される。超音波プローブ2は、本発明における超音波プローブの実施の形態の一例である。
0014
送信回路3は、超音波プローブ2による超音波の送信を制御する。具体的には、送信回路3は、制御回路5からの制御信号に基づいて、超音波プローブ2を駆動させて所定の送信パラメータ(parameter)を有する前記各種の超音波パルスを送信させる。
0015
受信回路4は、超音波プローブ2から被検体に送信され、被検体内で反射して超音波プローブ2で受信された超音波のエコー信号について、整相加算処理等の信号処理を行なう。受信回路4は、制御回路5からの制御信号に基づいて信号処理を行なう。
0016
送信回路3及び受信回路4は、ハードウェアによって構成されてもよい。ただし、超音波診断装置1は、このようにハードウェアとしての送信回路3及び受信回路4を備える代わりに、送信回路3及び受信回路4の機能を、ソフトウェアによって実現するようになっていてもよい。すなわち、制御回路5が記憶回路8に記憶されたプログラムを読み出して上述した送信回路3及び受信回路4の機能を実行するようになっていてもよい。
0017
制御回路5は、超音波診断装置の各部を制御し、各種の信号処理や画像処理などを行なう。制御回路5は、例えば1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。任意選択的に、制御回路5は、中央制御器回路(CPU)、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、グラフィック制御器回路(GPU)、または特定の論理命令に従って入力データを処理することができる他の任意の電子部品を含むことができる。制御回路5は、記憶回路8に格納されたプログラムを読み出して命令を実行することができる。ここにおける記憶回路8は、後述する有形の非一時的なコンピュータ可読媒体である。
0018
図2は、制御回路5の例示的な機能ブロック図である。制御回路5は、Bモード処理機能51、Bモード画像データ作成機能52、弾性処理機能53、弾性画像データ作成機能54及び表示処理機能55を実行する。制御回路5は、記憶回路8からプログラムを読み出して、これらの機能を実行する。制御回路5は、機能ブロック図として図2に示されているが、回路および/またはソフトウェアモジュールの集合体として構成されていてもよい。また、制御回路5は、専用ハードウェアボード、DSP(Degital Signal Processor)、1つまたは複数のプロセッサ、FPGA(Field Programmable gate array)、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)、ならびに/もしくは1つまたは複数のプロセッサに指示するよう構成される有形の非一時的コンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを使用して実施することができる。制御回路5は、本発明における制御回路の実施の形態の一例である。
0022
弾性画像データ作成機能54は、後述するように弾性処理機能53によって作成された弾性データをスキャンコンバータによって走査変換して弾性画像データを作成する。弾性画像データ作成部54は、Bモード画像に設定された所要の領域R(後述)について弾性画像データを作成する。
0023
表示処理機能55は、Bモード画像データ及び弾性画像データを合成して合成画像データを作成する。また、表示処理機能55は、合成画像データに基づいて、図4に示すように合成画像CIを表示デバイス6に表示させる。合成画像CIは、Bモード画像データに基づくBモード画像BI及び弾性画像データに基づく弾性画像EIを有する画像である。表示処理機能55は、Bモード画像BIに設定された所要の領域Rに、弾性画像EIを表示させる。弾性画像EIは、背景のBモード画像BIが透過する半透明のカラー画像である。このカラー(color)画像は、後述の伝搬速度又は弾性値に応じた色を有する画像であり、生体組織の弾性に応じた色を有する。
0024
また、表示処理機能55は、バー(bar)BAを合成画像CIと並べるようにして表示デバイス6に表示させる。バーBAは、所要の色を有する。バーBAについては後述する。表示処理機能55は、本発明における報知機能の実施の形態の一例である。また、バーBAは、本発明における図形の実施の形態の一例である。
0025
弾性処理機能53の詳細な機能ブロックについて、図3に基づいて説明する。図3に示すように、弾性処理機能53は、IQ信号生成機能531、信号強度算出機能532、位相変化検出機能533、分離処理機能534、計測値算出機能535、指標値算出機能536、代表値算出機能537及び指標値比較機能538を含んでいる。
0026
IQ信号生成機能531は、受信回路4から出力されたエコーデータ(RF信号)に対して直交検波処理を行なって、IQ信号を生成する機能である。このIQ信号は、信号強度検出機能532及び位相変化検出機能533による処理の対象となる。IQ信号生成機能531は、本発明におけるIQ信号生成の実施の形態の一例である。
0027
信号強度算出機能532は、検出用超音波パルスのエコー信号の信号強度を検出する機能である。本例では、信号強度算出機能532は、前記エコー信号の信号強度として、IQ信号の強度を算出する。具体的には、信号強度算出機能532は、次の式により、和Sを算出する。
0028
信号強度算出機能532によって算出された和Sは、指標値算出機能536による処理の対象となる。信号強度算出機能532は、本発明における信号強度算出機能の実施の形態の一例である。
0029
位相変化検出機能533は、カラードプラ処理と同様の処理を行なってエコー信号の位相変化Pを算出する機能である。具体的には、位相変化検出機能533は、IQ信号生成機能531から入力されたIQ信号に対して自己相関処理を行なうことにより、エコー信号の位相変化Pを検出する。位相変化検出機能533によって検出された位相変化Pは、分離処理機能534による処理の対象となる。位相変化検出機能533は、本発明における位相変化検出機能の実施の形態の一例である。
0030
分離処理機能534は、位相変化検出機能533によって検出された位相変化Pを示す信号を、複数の周波数帯域の各々における信号成分に分離する機能である。分離処理機能534は、例えばフィルタ処理を行なって、周波数f1未満の周波数帯域である低周波数帯域の信号成分L、周波数f1以上周波数f2(f2>f1)未満の中周波数帯域の信号成分M、周波数f2以上の高周波数帯域の信号成分Hに、IQ信号を分離する。分離処理機能534によって得られた低周波数帯域の信号成分L、中周波数帯域の信号成分M及び高周波数帯域の信号成分Hは、指標値算出機能536による処理の対象となる。また、中周波数帯域の信号成分Mは、計測値算出機能535による処理の対象ともなる。分離処理機能534は、本発明における分離処理機能の実施の形態の一例である。
0031
計測値算出機能535は、分離処理機能534によって得られた中周波数帯域の信号成分Mに基づいて、生体組織の弾性に関する計測値Vを算出する機能である。計測値算出機能535は、中周波数帯域の信号成分Mに基づいて、せん断弾性波によって生じる生体組織の変位Dの時間変化を検出して計測値Vを算出する。この変位Dの時間変化の検出は、せん断弾性波の検出を意味する。従って、計測値算出機能535は、検出されたせん断弾性波に基づいて、前記生体組織の弾性に関する計測値Vを算出するということができる。
0032
計測値算出機能535は、計測値Vとして、例えば公知の手法でせん断弾性波の伝搬速度を算出する。伝搬速度は、生体組織において、所要の領域Rに対応する領域内の複数点、すなわち弾性画像EIにおける画素に対応する部分ごとに得られる。
0033
せん断弾性波の伝搬速度の算出についてもう少し詳しく説明する。変位Dは、複数の音線の各々において検出される。計測値算出機能535は、二つの音線における変位Dの時間変化の波形の位相差に基づいて、画素に対応する部分の各々におけるせん断弾性波の伝搬速度を演算する。
0034
伝搬速度を示すデータを、弾性データと云うものとする。計測値算出機能535は、伝搬速度に基づいて、生体組織の弾性値(ヤング率(Pa:パスカル)を演算してもよい。この場合、弾性データは、弾性値を示すデータであってもよい。弾性データは、弾性画像データ作成機能54による処理の対象となる。計測値算出機能535は、本発明における計測値算出機能の実施の形態の一例である。
0035
指標値算出機能536は、計測値Vの信頼性を損なう複数の要因の各々について、計測値Vに対する信頼性の程度を示す指標値Iを算出する機能である。指標値算出機能536は、指標値Iを算出するために、検出用超音波パルスのエコー信号を処理して得られた信号を用いる。具体的には、指標値算出機能536は、分離処理機能534によって得られた中周波数帯域の信号成分Mに基づいて、せん断弾性波によって生じる生体組織の変位Dの時間変化を検出する。指標値算出機能536は、この変位Dの時間変化及び信号強度算出機能532によって得られた和Sのうち少なくとも一つに基づいて、複数の指標値Iの各々を算出する。詳細は後述する。
0036
指標値算出機能536によって得られた指標値Iは、代表値算出機能537及び指標値比較機能538による処理の対象となる。指標値算出機能536は、本発明における指標値算出機能の実施の形態の一例である。
0037
代表値算出機能537は、複数の指標値Iに基づいて、計測値Vの信頼性の程度を示す指標値の代表値Irを算出する機能である。詳細は後述する。代表値算出機能537によって得られた代表値Irは、表示処理機能55による処理の対象となる。代表値算出機能537は、本発明における代表値算出機能の実施の形態の一例である。
0038
指標値比較機能538は、複数の指標値Iを比較して、信頼性が最も低い指標値ILを特定する機能である。特定された指標値Iは、表示処理機能55による処理の対象となる。指標比較機能538は、本発明における指標値比較機能の実施の形態の一例である。
0040
入力デバイス7は、操作者による指示の入力や情報の入力などの操作を受け付けるデバイスである。入力デバイス7は、操作者からの指示や情報の入力を受け付けるボタン及びキーボード(keyboard)などを含み、さらにトラックボール(trackball)等のポインティングデバイス(pointing device)などを含んで構成されている。ちなみに、ボタンには、ハードキーのほか、表示デバイス6に表示されるソフトキーも含まれる。また、入力デバイス7は、タッチパネルを含んでいてもよい。この場合、ボタンには、タッチパネルに表示されるソフトキーが含まれる。
0041
記憶回路8は、フラッシュメモリ、ハードディスク、RAM、ROM、および/またはEEPROMなどの有形の非一時的又は一時的なコンピュータ可読媒体とすることができる。記憶回路8は、直ちに表示されるようにスケジュールされていない取得されたBモードデータ、Bモード画像データ及びカラー画像データ、その他表示デバイス6に表示される文字や図形及びその他のデータを格納するために使用することができる。
0042
また、記憶回路8は、例えば、グラフィカルユーザインターフェース、1つまたは複数のデフォルト画像表示設定、ならびに/もしくは(例えば、制御回路5のための)プログラムされた命令などに対応するファームウェアもしくはソフトウェアを格納するために使用することができる。
0043
次に、本例の超音波診断装置1の作用について説明する。超音波プローブ2が、Bモード画像用の超音波パルスの送受信を行なうと、Bモード処理機能51がBモードデータを作成し、Bモード画像データ作成機能52がBモード画像データを作成する。また、超音波プローブ2が、プッシュパルスの送信、検出用超音波パルスの送受信を行なうと、弾性処理機能53における計測値算出機能535が計測値Vを算出し、弾性画像データ作成機能54が弾性画像データを作成する。
0044
また、Bモード画像データ及び弾性画像データが作成されると、表示処理機能55は、図4に示すように、Bモード画像BI及び弾性画像EIを有する合成画像CIを表示デバイス6に表示させる。また、表示処理機能55は、合成画像CIと並べて、バーBAを表示デバイス6に表示させる。
0045
バーBAの表示について、図5のフローチャートに基づいて説明する。先ず、ステップS1では、指標値算出機能536が計測値Vの信頼性の程度を示す複数の指標値Iの算出を行なう。本例では、指標値算出機能536は、複数の指標値Iとして、第一の指標値I1、第二の指標値I2、第三の指標値I3及び第四の指標値I4を算出する。指標値算出機能536は、所要の領域R内の全ての画素に対応する音線上の点の各々について、第一の指標値I1〜第四の指標値I4を算出する。
0046
第一の指標値I1は、計測値Vの信頼性を損なう要因のうち、Bモード画像BIに設定された所要の領域Rの位置が深すぎるという要因に対応する指標値である。指標値算出機能536は、第一の指標値I1を算出するため、例えば信号強度算出機能532によって得られた和Sとノイズ成分との比Rsn(SNR:Signal to Noise Ratio)を算出する。ノイズ成分は予め定められて記憶回路8に記憶されていてもよい。ちなみに、比Rsnが小さくなるほど、所要の領域の位置が深すぎるという要因によって、計測値Vの信頼性が低くなる。指標値算出機能536は、比Rsnを0〜100%の範囲になるように正規化した値を、第一の指標値I1として算出する。本例では、第四の指標値I4が大きくなることが、計測値の信頼性が高くなることを示すように、正規化が行われる。
0047
第二の指標値I2は、計測値Vの信頼性を損なう要因のうち、動きの要因、すなわち被検体の体動が生じたり、超音波プローブ2が動いたりしたことに対応する指標値である。指標値算出機能536は、せん断弾性波によって生じる生体組織の変位Dの時間変化に基づいて第二の指標値I2を検出する。より詳細に説明すると、変位Dの時間変化は、分離処理機能534によって得られた中周波数帯域の信号成分Mの時間変化である。指標値算出機能536は、例えば隣り合う音線の各々におけるある点の中周波数帯域の信号成分Mの時間変化を示す波形について、それぞれの波形の類似度を示す相関係数Cを算出する。ちなみに、相関係数Cが小さくなるほど、動きの要因によって計測値Vの信頼性が低くなる。指標値算出機能536は、相関係数Cを0〜100%の範囲になるように正規化した値を、第二の指標値I2として算出する。本例では、第二の指標値I2が大きくなることが、計測値の信頼性が高くなることを示すように、正規化が行われる。
0048
第三の指標値I3は、計測値Vの信頼性を損なう要因のうち、生体組織に対して変位を生じさせるために十分な大きさのせん断弾性波が発生していないという要因に対応する指標値である。指標値算出機能536は、せん断弾性波によって生じる生体組織の変位Dの時間変化に基づいて第三の指標値I3を検出する。より詳細に説明すると、変位Dの時間変化は、ここでも中周波数帯域の信号成分Mの時間変化である。指標値算出機能536は、例えば中周波数帯域の信号成分Mの波形における振幅Aを特定する。ちなみに、振幅Aが小さくなるほど、十分な大きさのせん断弾性波が発生していないという要因によって計測値Vの信頼性が低くなる。指標値算出機能536は、振幅Aを0〜100%の範囲になるように正規化した値を、第三の指標値I3として算出する。本例では、第三の指標値I3が大きくなることが、計測値の信頼性が高くなることを示すように、正規化が行われる。
0049
第四の指標値I4は、計測値Vの信頼性を損なう要因のうち、例えばせん断弾性波の伝搬経路などに、血流や嚢胞(Cyst)等の液体成分が存在しているという要因に対応する指標値である。指標値算出機能536は、例えば、中周波数帯域の信号成分Mのパワー(エネルギー)に対する高周波数帯域の信号成分Hのパワー(エネルギー)の比Rpを算出する。ちなみに、比Rpが大きくなるほど、液体成分が存在しているという要因によって計測値Vの信頼性が低くなる。指標値算出機能536は、比Rpを0〜100%の範囲になるように正規化した値を、第四の指標値I4として算出する。本例では、第四の指標値I4が大きくなることが、計測値の信頼性が高くなることを示すように、正規化が行われる。
0050
ただし、第一の指標値I1〜第四の指標値I4の算出手法は一例であり、上述の手法に限られるものではない。
0051
次に、ステップS2では、代表値算出機能537が、音線上の点の各々について算出された第一の指標値I1〜第四の指標値I4に基づいて、所要の領域Rにおける指標値の代表値Irを算出する。例えば、代表値算出機能537は、先ず所要の領域R内の全ての画素に対応する音線上の点の各々について、第一の指標値I1〜第四の指標値I4の代表値Irpを算出する。代表値算出機能537は、各点について得られた第一の指標値I1〜第四の指標値I4の各々を掛け合わせることによって、各点についての代表値Irpを算出してもよい。また、代表値算出機能537は、第一の指標値I1〜第四の指標値I4の平均値を、各点についての代表値Irpとして算出してもよい。
0052
代表値算出機能537は、各点についての代表値Irpに基づいて、所要の領域Rにおける指標値の代表値Irを算出する。例えば、代表値算出機能537は、各点についての代表値Irpの平均値を、代表値Irとして算出する。
0053
ただし、ここで挙げた代表値Irの算出手法は一例であり、これに限られるものではない。例えば、代表値算出機能537は、所要の領域R内における音線上の点の各々における第一の指標値I1の代表値I1r、第二の指標値I2の代表値I2r、第三の指標値I3の代表値I3r及び第四の指標値I4の代表値I4rを、上述と同様に掛け合わせ演算や平均演算等によって算出する。そして、代表値算出機能537は、これら第一の指標値I1の代表値I1r〜第四の指標値I4の代表値I4rの4つの値を平均演算して、所要の領域Rにおける指標値の代表値Irを算出してもよい。
0054
また、ステップS2では、指標値比較機能538が、第一の指標値I1〜第四の指標値I4を比較して、信頼性が最も低い指標値ILを特定する。
0055
次に、ステップS3では、表示処理機能55は、表示デバイス6に表示されるバーBAの色を決定する。表示処理機能55は、代表値Irが、記憶回路8に記憶された所要の基準を満たすか否かを判定して色の決定を行なう。なおかつ、表示処理機能55は、代表値Irが所要の基準を満たさない場合、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因に応じて色を決定する。
0056
上述の色の決定についてより具体的に説明する。例えば、所要の基準は、代表値Irが閾値TH以上であることである。この場合、表示処理機能55は、代表値Irが閾値TH以上であるか否かを判定する。表示処理機能55は、代表値Irが閾値TH以上である場合、所要の色CO1をバーBAの色として決定する。一方、表示処理機能55は、代表値Irが閾値TH未満である場合、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因に応じて異なる色をバーBAの色として決定する。例えば、代表値Irが閾値TH未満であり、かつ信頼性が最も低い指標値ILが第一の指標値I1である場合、色CO2がバーBAの色として決定される。また、代表値Irが閾値TH未満であり、かつ信頼性が最も低い指標値ILが第二の指標値I2である場合、色CO3がバーBAの色として決定される。また、代表値Irが閾値TH未満であり、かつ信頼性が最も低い指標値ILが第三の指標値I3である場合、色CO4がバーBAの色として決定される。また、代表値Irが閾値TH未満であり、かつ信頼性が最も低い指標値ILが第四の指標値I4である場合、色CO5がバーBAの色として決定される。色CO1〜CO5は、互いに異なる色であり、予め記憶回路8に記憶されている。色CO1〜CO5は、ユーザーによって設定されてもよく、また異なる色に変更できるようになっていてもよい。
0057
閾値THは、記憶回路8に記憶され、例えば、ユーザーにとって計測値Vの信頼性に疑義があると考えられる値に設定される。閾値THは、予め設定されていてもよく、またユーザーによって変更できるようになっていてもよい。
0058
次に、ステップS4では、表示処理機能55は、図4に示すようにバーBAを表示デバイス6に表示させる。バーBAは、指標値の代表値Irを示す。バーBAについて、図6及び図7も参照して説明する。本例では、バーBAは、指標値の代表値Irに応じた数の四角形REによって構成される。より具体的には、代表値Irが大きいほど、バーBAを構成する四角形REの数がより多くなり(図6)、代表値Irが小さいほど、バーBAを構成する四角形REの数がより少なくなる(図7)。従って、バーBAは、代表値Irに応じた長さを有する。複数の四角形REが表示される場合、複数の四角形REは、表示デバイス6における上下方向に並んで表示される。
0059
図で示された本例のバーBAは、最大で10個の四角形REを有し、代表値Irの大きさを10段階で表示するようになっている。ただし、10段階に限られるものではない。また、バーBAは、四角形REによって構成されるものに限られるものではない。
0060
バーBAは、色CO1〜色CO5のうちのいずれかの色を有する。すなわち、バーBAを構成する四角形REが色CO1〜色CO5のうちのいずれかの色を有する。図においては、色がドット(dot)で示されている。色CO2〜CO5のいずれかの色を有するバーBAが表示されることにより、ユーザーは、第一の指標値I1〜第四の指標値I4のうち、信頼性が最も低い指標値ILを知ることができる。これにより、ユーザーは、計測値Vの信頼性を損ねている要因を特定することができ、信頼性のある計測値Vを得るためにすべきことを知ることができる。
0061
また、色CO1を有するバーBAが表示されると、ユーザーは、計測値Vが信頼できる値であり、弾性画像EIが信頼できる画像であることを知ることができる。
0063
上記実施形態において、表示処理機能55は、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因を解消する対策を、文字等で表示デバイス6に表示させてもよい。また、図8に示すように超音波診断装置1がスピーカー9を有する場合、制御回路5は、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因を解消する対策を音声でスピーカー9から出力させてもよい。信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因を解消する対策は、予め記憶回路8に記憶されている。
0064
以上、本発明を上記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、上記実施形態において、バーBAは指標値の代表値Irを示す図形の一例にすぎない。表示処理機能55が、バーBA以外の図形を表示することにより、代表値Irが示されるようになっていてもよい。この場合においても、代表値Irを示す図形は、例えば色CO1〜色CO5のいずれかの色で表示される。
0065
また、本発明は、指標値の代表値が、図形を表示することによって示されるものに限られない。例えば、表示処理機能55が、代表値Irを示す文字を表示デバイスに表示させてもよい。この場合においても、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因を報知するため、表示処理機能55は、例えば文字を色CO1〜色CO5のいずれかの色で表示させる。
0066
また、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因に応じた異なる表示形態で指標値の代表値Irを示す図形及び文字の少なくとも一方が表示されればよく、本発明は、異なる色で上述の図形及び文字が表示される場合に限られるものではない。
0067
また、本発明は、代表値を示す図形及び文字の少なくとも一方が表示されることによって、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因が報知される場合に限られない。例えば、表示処理機能55は、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因を示す文字や図形などを表示デバイス6に表示させてもよい。
0068
また、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因が、図形及び文字以外の他の手法で報知されるようになっていてもよい。例えば、制御回路5は、スピーカー9から、信頼性が最も低い指標値ILに対応する要因を音声等の音によって出力させるようになっていてもよい。
0069
また、表示処理機能55は、代表値Irを示すバーBAとともに、図9に示すように、第一の指標値I1を示す第一のバーBA1、第二の指標値I2を示す第二のバーBA2、第三の指標値I3を示す第三のバーBA3及び第四の指標値I4を示す第四のバーBA4を表示デバイス6に表示させてもよい。この場合、図10に示すように、指標値算出機能536で算出された第一の指標値I1〜第四の指標値I4は、代表値算出機能537及び指標値比較機能538の他、表示処理機能55による処理の対象ともなる。
0070
バーBAと同様に、第一のバーBA1〜第四のバーBA4は、第一の指標値I1〜第四の指標値I4に応じた長さを有する。従って、第一のバーBA1〜第四のバーBA4が表示されることにより、ユーザーは、第一の指標値I1〜第四の指標値I4が、上述の閾値TH以上であるか否かを知ることができる。これにより、ユーザーは、第一の指標値I1〜第四の指標値I4の各々に対応する要因のうち、計測値Vの信頼性を損ねている要因を知ることができる。この例では、第一のバーBA1〜第四のバーBA4を表示することが、計測値Vの信頼性の程度が所要の基準を満たさない少なくとも一つの指標値に対応する要因を報知することに該当する。
0071
表示処理機能55は、第一のバーBA1〜第四のバーBA4の色を、全て同じ色で表示させてもよいし、異なる色で表示させてもよい。また、表示処理機能55は、第一のバーBA1〜第四のバーBA4の各々について、第一の指標値I1〜第四の指標値I4が、上述の閾値TH以上である場合と閾値THを下回る場合とで、色を変えてもよい
0072
また、図11に示すように、表示処理機能55は、代表値Irを示すバーBAを表示させずに、第一のバーBA1〜第四のバーBA4を表示させてもよい。この場合、弾性処理機能53は、図12に示すように代表値算出機能537及び指標値比較機能538を有していなくてもよい。このように、バーBAが表示されなくても、第一のバーBA1〜第四のバーBA4が表示されることにより、上述したように計測値Vの信頼性を損ねている要因を知ることができる。
0073
また、表示処理機能55は、第一の指標値I1〜第四の指標値I4のうち、上述の閾値THを下回る全ての指標値の各々に対応する要因を文字で表示させてもよい。また、制御回路5は、第一の指標値I1〜第四の指標値I4のうち、上述の閾値THを下回る全ての指標値の各々に対応する要因をスピーカー9から音声で出力させたりしてもよい。この場合、代表値Irが閾値THを下回る場合に、閾値THを下回る全ての指標値に対応する要因が文字で表示されたり音声で出力されたりしてもよいし、代表値Irが閾値を下回るか否かとは関係なく、閾値THを下回る全ての指標値に対応する要因が文字で表示されたり音声で出力されたりしてもよい。
0074
また、上記実施形態は、
被検体の生体組織に対する超音波のプッシュパルスの送信と、該プッシュパルスによって前記生体組織に生じたせん断弾性波を検出するための検出用超音波パルスの送信とを行なう超音波プローブと、
制御回路と、
を備える超音波装置の制御方法であって、
前記検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記生体組織の弾性に関する計測値を算出し、
検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて、前記計測値の信頼性を損なう複数の要因の各々について、前記計測値の信頼性の程度を示す指標値を算出し、
前記信頼性の程度が所要の基準を満たさない少なくとも一つの指標値に対応する要因を報知する、
超音波装置の制御方法としてもよい。
0075
1超音波診断装置
2超音波プローブ
5制御回路
6表示デバイス
9スピーカー
55表示処理機能
531IQ信号生成機能
532信号強度算出機能
533位相変化検出機能
534分離処理機能
535計測値算出機能
536指標値算出機能
537代表値算出機能
538指標値比較機能