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課題

カプセル殻材料に関係なく、同じ方法、同じコーティング材料低コストで容易に調製可能であって、徐放性腸溶性等の改善された薬物放出プロファイルを示す放出調節コーティングカプセルの提供。

解決手段

液体充填物(non−liquid fill)を含有し、放出調節コーティングを含むカプセルであって、前記放出調節コーティングの下でバンドシールされ、前記バンドシールは、前記カプセルの本体とキャップとの間の隙間を密封するゼラチン又はHPMCバンドであり、前記放出調節コーティングは、放出調節コーティング1cm2あたり3mg〜7mgの量で存在するフィルム形成剤を含み、前記カプセルは、前記カプセルの殻と前記放出調節コーティングとの間に全くプレコートを含まず、前記フィルム形成剤は、pHが5を下回る胃腸液中不溶性であり、pHが5以上の腸液中で可溶性化合物で構成される、カプセル。

概要

背景

経口投与の場合、医薬品は一般にで分解される。しかし、医薬または栄養成分のある一定の放出プロファイルが所望される場合、経口医薬品をいわゆる機能性または放出調節コーティング被覆すると、活性医薬成分API)の時限放出または制御放出が可能となる。これらのコーティングは、一般に、腸溶性ポリマーを用いた時限放出コーティング製剤と呼ばれ、胃液酸性環境から薬物を保護し、胃で薬物が放出されないようにし、空腸十二指腸回腸結腸および直腸といった消化管GIT)のある特定部位活性成分が放出されるよう意図されたものである。

薬物時限放出コーティングとは対照的に、放出制御コーティングは、長時間にわたり薬物の放出を調節する必要がある。医薬領域で放出制御アプローチは、薬物放出機序により徐放持続放出および持続性放出としても知られている。これらのコーティングの組み合わせも可能である。

放出調節コーティングを有する薬物充填硬カプセルを提供することも試みられてきた。この開発中、放出調節コーティングが硬ゼラチンカプセル上に完全に接着しないため、プレコーティングが必要であることが分かった(K.S.Murthy et al., Pharm.Tech.10,36(1986))。しかしながら、プレコーティングは、より多くの調製段階を要し、その結果、調製時間が長引き、使用すべき材料が多くなり、エネルギー消費が高くなり、コストが嵩むという欠点がある。

プレコーティングに付随するこの欠点を克服するために、米国特許第4,670,287号明細書は、真空下で硬カプセルをフィルム被覆する方法を開示する。しかしながら、高度な技術的試みのために、この技術は産業上の利用可能性について限界がある。

プレコーティングの欠点を克服する代替アプローチとして、腸溶性コーティングHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルが、腸標的化を達成すると示唆された(E.T.Cole et al.,Int.J.Pharm.231(2002)83−95)。コーティング前に、LEMs(マイクロスプレーによる液体カプセル化)工程でカプセルを密封した。少なくとも6mg/cm2の量の腸溶性ポリマーの腸溶性コーティングでは孔または亀裂が見られなかった。しかし、E.T.Coleらは、HPMCと腸溶性フィルムとの互換性が良好なため、コーティングレベルを変えても溶解プロファイルに影響がほとんどなかったことを報告した。

さらに、液体充填カプセルは、バンドまたはLEMs技術を使用して密封し、コーティング段階包装等のさらなる製造段階漏出しないようにすることが多い。粉末または顆粒充填カプセルの場合、通常、カプセル開口のリスクが低いので、コーティング工程が含まれる場合でさえも、バンドまたは他のシールは検討されない。

国際公開第2013/054285号は、持続放出層が1つ以上の持続放出ポリマーおよび1つ以上のコーティング添加物を備えた、胃内滞留(gastroretentive)投与システムを開示している。このシステムは、剤型の総重量に対して最大15%w/wの重量増加まで適用される持続放出コーティングで被覆されるバンドシールカプセルである。

国際公開第2004/030652号は、内核および少なくとも2層の周囲層を有する組成物を開示する。内核は、バンド形成またはLEMSを介して密封されるカプセルである。内層は、最大25mg/cm2のコーティング重量を有する連続コーティングである。外層は、約10mg/cm2のコーティング重量のワックスである。

国際公開第03/017940号は経口製剤を開示しており、浸透増強剤と組み合わせた薬物の第一パルスおよび浸透増強剤の第二パルスを送達し、薬物の吸収を促進するものであり、浸透増強剤の第一パルスでの放出時に薬物が吸収されない口径製剤を開示している。

したがって、さらに改善された放出コーティングカプセルが依然として必要とされている。特に、通常の製造工程において低コストで容易に調製可能な放出調節コーティングカプセルが所望されている。さらに、カプセル殻材料に関係なく、同じ方法、同じコーティング材料で調製可能な放出調節コーティングカプセルが所望されている。さらに、薬物放出プロファイルを容易に適合可能な放出調節コーティングカプセルが所望されている。

今回驚くべきことに、バンドシールを備え、非液体充填物(non−liquid fill)を含有するカプセルのカプセル殻上に放出調節コーティングを適用することによって、上記および他の問題を解決できることを見出した。

概要

カプセル殻材料に関係なく、同じ方法、同じコーティング材料で低コストで容易に調製可能であって、徐放性、腸溶性等の改善された薬物放出プロファイルを示す放出調節コーティングカプセルの提供。非液体充填物(non−liquid fill)を含有し、放出調節コーティングを含むカプセルであって、前記放出調節コーティングの下でバンドシールされ、前記バンドシールは、前記カプセルの本体とキャップとの間の隙間を密封するゼラチン又はHPMCバンドであり、前記放出調節コーティングは、放出調節コーティング1cm2あたり3mg〜7mgの量で存在するフィルム形成剤を含み、前記カプセルは、前記カプセルの殻と前記放出調節コーティングとの間に全くプレコートを含まず、前記フィルム形成剤は、pHが5を下回る胃腸液中不溶性であり、pHが5以上の腸液中で可溶性化合物で構成される、カプセル。なし

目的

例えば、フィルム形成剤および任意の賦形剤溶液エマルジョンまたは分散液をカプセル上に噴霧し、最終的な放出調節コーティングのcm2あたりの乾燥フィルム形成剤の所望量を提供する

効果

実績

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請求項1

液体充填物(non−liquidfill)を含有し、放出調節コーティングを含むカプセルであって、前記放出調節コーティングの下でバンドシールされ、前記バンドシールは、前記カプセルの本体とキャップとの間の隙間を密封するゼラチンまたはHPMCバンドであり、前記放出調節コーティングは、放出調節コーティング1cm2あたり3mgから7mgの量で存在するフィルム形成剤を含み、前記カプセルは、前記カプセルの殻と前記放出調節コーティングとの間に全くプレコートを含まず、前記フィルム形成剤は、pHが5を下回る胃腸液中不溶性であり、pHが5以上の腸液中で可溶性化合物で構成されることを特徴とする、カプセル。

請求項2

前記カプセルの殻が、ゼラチン殻、ヒドロキシプロピルメチルセルロース殻、プルラン殻またはPVベースの殻である、請求項1に記載のカプセル。

請求項3

前記放出調節コーティングが、時限放出コーティングおよび/または放出制御コーティングである、請求項1または2に記載のカプセル。

請求項4

前記放出調節コーティングが腸溶性コーティングであり、フィルム形成剤が、アクリレートポリマーセルロースポリマーポリビニル系ポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載のカプセル。

請求項5

前記フィルム形成剤が、(メタアクリル酸および(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステルコポリマー酢酸フタル酸セルローストリメリト酸酢酸セルロース酢酸コハク酸セルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸酪酸カルボキシメチルエチルセルロースポリビニルアセテートフタレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載のカプセル。

請求項6

前記フィルム形成剤が、pH閾値6.0または7の陰イオン性ポリメタクリル酸メチルメタクリレート)コポリマーからなる群から選択される、請求項5に記載のカプセル。

請求項7

前記放出調節コーティングが、可塑剤粘着防止剤(anti−tackingagent)、着色剤色素可溶化剤分散剤および界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つの賦形剤をさらに含む、請求項1から6の何れか一項に記載のカプセル。

請求項8

1つ以上のさらなるコーティングをさらに含む、請求項1から7の何れか一項に記載のカプセル。

請求項9

前記カプセルが、粉末顆粒ペレットおよび/またはミニ錠剤充填される、請求項1から8の何れか一項に記載のカプセル。

請求項10

前記非液体充填物が、栄養成分および/または活性医薬成分を含む、請求項1から9の何れかに記載のカプセル。

請求項11

請求項1から10の何れか一項に記載のカプセルを得るための方法であって、カプセル本体に非液体充填物を充填し、前記カプセルをキャップで閉じ、本体とキャップとの間の隙間をゼラチンまたはHPMCバンドで密封し、前記カプセル殻上に放出調節コーティングを適用する、段階を含み、前記放出調節コーティングは、前記放出調節コーティング1cm2あたり3mgから7mgの量で存在するフィルム形成剤を含み、前記フィルム形成剤は、pHが5を下回る胃腸液中で不溶性であり、pHが5以上の腸液中で可溶性の化合物で構成される、方法。

請求項12

前記放出調節コーティングが、フィルム形成剤を含む水性または非水性液体組成物の形態で前記カプセル殻上に適用される、請求項11に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、放出調節コーティングカプセルおよびそのカプセルを得るための工程に関する。

背景技術

0002

経口投与の場合、医薬品は一般にで分解される。しかし、医薬または栄養成分のある一定の放出プロファイルが所望される場合、経口医薬品をいわゆる機能性または放出調節コーティングで被覆すると、活性医薬成分API)の時限放出または制御放出が可能となる。これらのコーティングは、一般に、腸溶性ポリマーを用いた時限放出コーティング製剤と呼ばれ、胃液酸性環境から薬物を保護し、胃で薬物が放出されないようにし、空腸十二指腸回腸結腸および直腸といった消化管GIT)のある特定部位活性成分が放出されるよう意図されたものである。

0003

薬物時限放出コーティングとは対照的に、放出制御コーティングは、長時間にわたり薬物の放出を調節する必要がある。医薬領域で放出制御アプローチは、薬物放出機序により徐放持続放出および持続性放出としても知られている。これらのコーティングの組み合わせも可能である。

0004

放出調節コーティングを有する薬物充填硬カプセルを提供することも試みられてきた。この開発中、放出調節コーティングが硬ゼラチンカプセル上に完全に接着しないため、プレコーティングが必要であることが分かった(K.S.Murthy et al., Pharm.Tech.10,36(1986))。しかしながら、プレコーティングは、より多くの調製段階を要し、その結果、調製時間が長引き、使用すべき材料が多くなり、エネルギー消費が高くなり、コストが嵩むという欠点がある。

0005

プレコーティングに付随するこの欠点を克服するために、米国特許第4,670,287号明細書は、真空下で硬カプセルをフィルム被覆する方法を開示する。しかしながら、高度な技術的試みのために、この技術は産業上の利用可能性について限界がある。

0006

プレコーティングの欠点を克服する代替アプローチとして、腸溶性コーティングHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセルが、腸標的化を達成すると示唆された(E.T.Cole et al.,Int.J.Pharm.231(2002)83−95)。コーティング前に、LEMs(マイクロスプレーによる液体カプセル化)工程でカプセルを密封した。少なくとも6mg/cm2の量の腸溶性ポリマーの腸溶性コーティングでは孔または亀裂が見られなかった。しかし、E.T.Coleらは、HPMCと腸溶性フィルムとの互換性が良好なため、コーティングレベルを変えても溶解プロファイルに影響がほとんどなかったことを報告した。

0007

さらに、液体充填カプセルは、バンドまたはLEMs技術を使用して密封し、コーティング段階包装等のさらなる製造段階漏出しないようにすることが多い。粉末または顆粒充填カプセルの場合、通常、カプセル開口のリスクが低いので、コーティング工程が含まれる場合でさえも、バンドまたは他のシールは検討されない。

0008

国際公開第2013/054285号は、持続放出層が1つ以上の持続放出ポリマーおよび1つ以上のコーティング添加物を備えた、胃内滞留(gastroretentive)投与システムを開示している。このシステムは、剤型の総重量に対して最大15%w/wの重量増加まで適用される持続放出コーティングで被覆されるバンドシールカプセルである。

0009

国際公開第2004/030652号は、内核および少なくとも2層の周囲層を有する組成物を開示する。内核は、バンド形成またはLEMSを介して密封されるカプセルである。内層は、最大25mg/cm2のコーティング重量を有する連続コーティングである。外層は、約10mg/cm2のコーティング重量のワックスである。

0010

国際公開第03/017940号は経口製剤を開示しており、浸透増強剤と組み合わせた薬物の第一パルスおよび浸透増強剤の第二パルスを送達し、薬物の吸収を促進するものであり、浸透増強剤の第一パルスでの放出時に薬物が吸収されない口径製剤を開示している。

0011

したがって、さらに改善された放出コーティングカプセルが依然として必要とされている。特に、通常の製造工程において低コストで容易に調製可能な放出調節コーティングカプセルが所望されている。さらに、カプセル殻材料に関係なく、同じ方法、同じコーティング材料で調製可能な放出調節コーティングカプセルが所望されている。さらに、薬物放出プロファイルを容易に適合可能な放出調節コーティングカプセルが所望されている。

0012

今回驚くべきことに、バンドシールを備え、非液体充填物(non−liquid fill)を含有するカプセルのカプセル殻上に放出調節コーティングを適用することによって、上記および他の問題を解決できることを見出した。

0013

米国特許第4,670,287号明細書
国際公開第2013/054285号
国際公開第2004/030652号
国際公開第2003/017940号

先行技術

0014

K.S.Murthy et al.,Pharm.Tech.10,36(1986)
E.T.Cole et al.,Int.J.Pharm.231(2002)83−95)

0015

したがって、本発明は、非液体充填物を含有し、改善された放出調節コーティングを備えたカプセルに関するものであって、放出調節コーティングの下でバンドシールが施されていることを特徴とする、カプセルに関する。

0016

出願者はいかなる理論にも縛られることを望まないが、カプセル殻で腸溶性コーティングの接着が不完全である理由は、少なくとも部分的にカプセル本体とキャップとの隙間に関連すると考えられる。この隙間で機械的ストレスが生じ、これがコーティングの亀裂および接着低下につながると考えられる。バンドで隙間を密封すると、驚くべきことに、カプセル殻と腸溶性コーティングとの間にプレコートを施さなくとも、カプセル殻に腸溶性コーティングを直接適用できるようになった。さらに、バンドで隙間を密封すると、先行技術のコーティングと比較して同等または改善したレベルの腸溶性コーティングを得るのに必要な腸溶性ポリマーの量を減少できることを見出した。すなわちプレコートの省略だけでなく、腸溶性ポリマーの量を減少させることで製造コストを削減できる利点を有する。さらに腸溶性ポリマーの量が減少することで、腸溶性コーティングを薄くし、最終的にカプセルの全体のサイズが重量を減少できるという利点がある。また、本発明によると、非常に薄い腸溶性コーティングフィルムで模擬胃条件下での放出に対する耐性を既に達成できる。これに関連して、本発明は、消化管内で放出領域をどこにするかにより、コーティングの厚さを調整して、薬物放出プロファイルを適合させることが可能であるというさらなる利点がある。

0017

本発明のカプセルは医薬または栄養成分の経口投与といった、特に経口投与に関する。

0018

カプセルのサイズは特に制限されず、任意の通常のサイズ、例えば000、00、0、1、2、3、4または5であってもよい。

0019

カプセル殻は、任意の適切な材料、例えばゼラチン、HPMC、プルランまたはポリビニルアルコールPVA)のものであってもよい。HPMCおよび硬ゼラチンカプセルが好ましく、特に硬ゼラチンカプセルが好ましい。

0020

カプセル、特に硬カプセルは通常、カプセル本体をキャップで閉じて調製する。本発明では、カプセル本体とキャップとの隙間をバンドで密封する。バンドは、カプセル殻の材料と適合性を有する任意の通常材料であってよい。バンドの材料としては、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーまたはこれらの材料の2つ以上の混合物等から選択してもよい。硬ゼラチンカプセルを使用する場合、バンドシールはゼラチンバンド等カプセル殻と同じ材料が好ましい。より好ましくは、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。

0021

本発明によるカプセルの放出調節コーティングは、腸溶性コーティング等の時限放出コーティング、または放出制御コーティングであってよい。これらのコーティングの組み合わせも可能である。

0022

コーティングの機能は通常、フィルム形成剤、特にフィルム形成ポリマーにより実現される。所望のコーティングを形成するための当業者に公知の任意の通常のフィルム形成剤を使用してもよい。

0023

腸溶性コーティングの場合、フィルム形成剤は通常、pHが5を下回る胃腸液中不溶性であり、pH5以上の腸液で可溶性化合物で構成される。したがって、このフィルム形成剤は、pH依存で溶解する。フィルム形成剤は、pH閾値を有し、pHがこのpH閾値を下回ると不溶性、pH閾値以上であるときに可溶性となる。周囲液のpHでフィルム形成剤の溶解が始まる。したがって、pH閾値を下回るpHで溶解するフィルム形成剤はない(または基本的にない)。周囲液のpHがpH閾値に到達したら(またはこれを超えたら)、フィルム形成剤が可溶性になる。

0024

「不溶性(insoluble)」とは、1gのフィルム形成剤があるpHで溶解するために10,000mLを超える溶媒(周囲液)を必要とすることと理解される。「可溶性(soluble)」とは、1gのフィルム形成剤があるpHで溶解するために、10,000mL未満、好ましくは5,000mL未満、より好ましくは1,000mL未満、さらにより好ましくは100mLまたは10mL未満の溶媒を必要とすることと理解される。「周囲液(surrounding medium)」とは、消化管中の液、例えば胃液または腸液を意味する。あるいは、周囲液は、消化管中の液のインビトロ同等物であってもよい。

0025

胃液の正常なpHは通常、1から3の範囲である。したがって、腸、例えば結腸標的などのためのフィルム形成剤は、pH5を下回るpHで不溶性であり、pH5以上で可溶性であるべきである。したがって、フィルム形成剤は通常、胃液で不溶性である。このような材料を「腸溶性(enteric)」材料と呼ぶことができる。腸液のpHは小腸に沿って約7から8に徐々に上昇する。したがって、腸標的のためのフィルム形成剤は、回腸終端部/結腸中で可溶性になり、活性成分等がカプセルから放出される。フィルム形成剤は、好ましくは6.5、より好ましくは7のpH閾値を有する。

0026

腸標的、特にカプセル周囲のコーティング調製に適切なフィルム形成剤は例えば、アクリレートポリマーセルロースポリマーおよびポリビニル系ポリマーまたは他のポリマーである。セルロースポリマーの適例としては、酢酸フタル酸セルローストリメリト酸酢酸セルロース酢酸コハク酸セルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび酢酸酪酸カルボキシメチルエチルセルロースが挙げられる。ポリビニル系ポリマーの適例としては、ポリビニルアセテートフタレートが挙げられる。

0027

好ましい実施形態において、腸標的の材料は、(メタアクリル酸および(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステルコポリマー、例えばメタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルのコポリマーである。このようなコポリマーの適例は通常、陰イオン性である。さらに、これらのコポリマーは通常、徐放性ポリメタクリレートではない。これらのコポリマー中のカルボン酸基メチルエステル基との比率によって、コポリマーが可溶性となるpHが決定される。酸:エステル比は、約2:1から約1:3、例えば約1:1または約1:2であり得る。このような陰イオン性コポリマーの分子量は通常、約120,000から150,000、好ましくは約135,000である。

0028

既知の陰イオン性ポリ(メタクリル酸/メチルメタクリレート)コポリマーとしては、オイドラギット登録商標)L(pH閾値約6.0)、オイドラギット(登録商標)S(pH閾値約7)およびオイドラギット(登録商標)FS(pH閾値約7)が挙げられる。メタクリル酸およびエチルアセテートのコポリマーであり、約5.5のpH閾値を有するオイドラギット(登録商標)L100−55も適切である。オイドラギット(登録商標)コポリマーはエボニック社から入手できる。

0029

pH閾値を有する上記化合物に加えて、または上記化合物の代わりに、腸、例えば結腸標的などのためのフィルム形成剤は、多糖類など、結腸細菌により攻撃を受けやすい化合物を含み得る。適切な多糖類は、例えばデンプンアミロースアミロペクチンキトサンコンドロイチン硫酸シクロデキストリンデキストラン、プルラン、カラギーナンスクレログルカンキチンカードランペクチングアーガムキサンタンガムおよびレバンである。

0030

あるいはまたはさらに、放出調節コーティングは放出制御コーティングであり得る。これらのコーティングにより、投与から予定時間後に活性物質を放出したり、長時間にわたって放出制御したりすることができる。

0031

様々な放出形態を達成するために使用されるガレノ製剤方法(Galenical principles)は概して活性成分の溶解性を低下させ、浸透システム浸食システムを含む拡散障壁確立する。機能的コーティングでは、拡散障壁の確立に焦点を置く。拡散障壁は次に挙げるものにより生じる。拡散を調節する膜であり、透過性を有する、あるいは有しない膜、またはGIT移行中にpHまたは自然分解として調節原理を使用すること、または拡散で調節されるマトリクスに含有する活性成分を放出する放出制御マトリクスを使用すること、または膜調節浸透効果を使用すること、または分解後に浸食が起こる拡散膜を使用することによって、生じる可能性がある。

0032

一般的に胃耐性を有する拡散膜の適切なポリマーは、セルロース誘導体であり、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ポリメタクリレートおよびポリビニルアセテートフタレート等が挙げられる。

0033

本発明のある実施形態において、フィルム形成剤は、酢酸セルロースを含まない。本発明の別の実施形態において、フィルム形成剤は、酢酸フタル酸セルロースを含まない。

0034

本発明のある実施形態において、フィルム形成剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートを含まない。

0035

放出制御マトリクスコーティングのための適切なポリマーは、消化可能で、長鎖(C8−C50、特にC12−C40)で、置換または未置換の炭化水素、例えば脂肪酸脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリルエステル鉱物および植物油およびワックス、ポリアルキレングリコール親水性ポリマー、例えばガムセルロースエーテルアクリル樹脂およびタンパク質由来物質および一般的には全pH範囲にわたり不溶性であるポリマーおよびそれらの組み合わせである。

0036

さらなる適切なポリマーは、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)またはエチルセルロースであり、拡散で放出するが完全に胃耐性ではない。さらなる例としては、ポリメタクリレート徐放性ポリマー、例えばオイドラギット(登録商標)RS、RL、NMおよびNEが挙げられる。

0037

本発明のある実施形態において、フィルム形成剤は、エチルセルロースを含まない。

0038

本発明のある実施形態において、フィルム形成剤は、オイドラギット(登録商標)RL POを含まない。本発明の別の実施形態において、フィルム形成剤は、オイドラギット(登録商標)FS、例えばオイドラギット(登録商標)FS30Dなどを含まない。

0039

浸食システムの適切なポリマーは、セルロースエーテル誘導体および多糖類のような分解性天然ポリマーである。

0040

上述の材料を用いて当業者は、特にGITの標的部位で活性成分の放出が開始、発生するようコーティングの組成を調整できる。これはとりわけ、孔を導入して膜を透過性に、またはさらに透過性にしたり、孔形成剤(pore former)および/またはさらなる賦形剤を含んだりすることによって達成できる。例えば多糖類のような分解性の天然ポリマーまたは特定のpHで溶解する合成ポリマーを用いる等、浸食のためのさらなる賦形剤を導入することで達成できる。

0041

2つ以上のフィルム形成剤の混合物を必要に応じて使用してもよい。

0042

放出調節コーティングは、従来の賦形剤、例えばフィルム形成可塑剤(例えばクエン酸トリエチル)、粘着防止剤(anti−tacking agent)(モノステアリン酸グリセリンまたはタルクなど)、着色剤色素可溶化剤(solublilizer)、分散剤および界面活性剤をさらに任意に含んでもよい。例えばこのような賦形剤は、コーティングの総重量の最大30重量%等という当業者にとって公知の量で含んでもよい。

0043

本発明の特別の利点は、フィルム形成剤の量が通常より減少できる点である。実際に、プレコートありまたはなしのカプセル殻(バンドシール付き)に適用する、フィルム形成剤の量が少ない放出調節コーティングは、フィルム形成剤の量が多い放出調節コーティングと比較して、カプセルの接着および溶解特性が改善することを見出した。これは、材料そしてコストを削減するだけでなく、先行技術のコーティングカプセルを上回る驚くべき有益な技術効果を構成する。したがって、本発明によるフィルム形成剤は、放出調節コーティングのcm2あたりの量で、例えば、約1mgから約16mg、好ましくは約2mgから約12mg、より好ましくは約2mgから約8mg、例えば約3.0mgから≦8.0mg、より好ましくは>3.0mgから≦8.0mg、例えば約3.1mgから≦8.0mg、約3.2mgから≦8.0mg、約3.3mgから≦8.0mg、約3.4mgから≦8.0mgまたは約3.5mgから≦8.0mgの量で存在し得る。別の実施形態において、フィルム形成剤の量は、約2mgから約7mg、より好ましくは>2.0mgから約7.0mg、例えば約2.1mgから約7.0mg、約2.2mgから約7.0mg、約2.3mgから約7.0mg、約2.4mgから約7.0mgまたは約2.5mgから約7.0mg、約3.0mgから約7.0mg、約3.1mgから約7.0mg、約3.2mgから約7.0mg、約3.3mgから約7.0mg、約3.4mgから約7.0mg、約3.5mgから約7.0mgである。さらにより好ましい例は、約2.0mgから約6.0mg、約3.0mgから約6.0mgおよび約3.5mgから約6.0mg、最も好ましくは約3mgから約5mg、例えば約4mgなどである。

0044

本発明の別の実施形態において、本発明によるフィルム形成剤は、3.0mg/cm2放出調節コーティングの量で存在しない。

0045

ある実施形態において、本発明によるカプセルには1つ以上の医薬活性成分充填される。好ましい実施形態において、1つ以上の医薬活性成分は、炎症性腸疾患処置のために使用される化合物、例えばメサラジンプレドニゾンメトトレキサートなど、および抗生物質、例えばメトロニダゾールなど、から選択される。特に好ましいのはメサラジンである。

0046

本発明によるカプセルは、好ましくは放出調節コーティング上に、1つ以上のさらなるコーティングを含んでもよい。これに関連して、「上(above)」は、さらなるコーティングが放出調節コーティング上に被覆されてもよいことを意味する。さらなるコーティングは、カプセル殻と放出調節コーティングとの間であってもよいが、カプセル殻と放出調節コーティングとの間にコーティング、特にプレコートがないことが好ましい。例えば、湿気に対するカプセルの安定性を向上させるために、またはカプセルの外観を改善するためにさらなるコーティングを施してもよい。

0047

放出調節コーティングを含むいかなる上記コーティングも、1つ以上の医薬活性成分を含んでもよい。放出調節コーティングに追加した任意のコーティングは、1つ以上の医薬活性成分から構成されてもよい。

0048

ある実施形態において、上記コーティングの1つ以上の医薬活性成分は、カプセル内の医薬活性成分との複合効果を有する。

0049

ある実施形態において、本発明によるカプセルに1つ以上の医薬活性成分が充填され、放出調節コーティング上のさらなるコーティングは、1つ以上の医薬活性成分を含むかまたはそれから構成される。カプセル内およびさらなるコーティング内の1つ以上の医薬活性成分は、同じであっても異なっていてもよい。好ましい実施形態において、カプセル内およびコーティング内の1つ以上の医薬活性成分は異なる。

0050

ある実施形態において、本発明によるカプセルに1つ以上の医薬活性成分が充填され、放出調節コーティングは、1つ以上の医薬活性成分を含む。カプセル内および放出調節コーティング内の1つ以上の医薬活性成分は同じであっても異なっていてもよい。好ましい実施形態において、カプセル内および放出調節コーティング内の1つ以上の医薬活性成分は異なる。

0051

ある実施形態において、本発明によるカプセルにメサラジン(5−ASA)が充填され、放出調節コーティング上のさらなるコーティングは、メトロニダゾールまたはそのエステルもしくは塩、特に安息香酸メトロニダゾールを含む。

0052

別の実施形態において、本発明によるカプセルにメサラジン(5−ASA)が充填され、コーティングは、メトロニダゾールまたはそのエステルもしくは塩、特に安息香酸メトロニダゾールを含む。

0053

ある実施形態において、本発明によるカプセルは、さらなるコーティング、特に放出調節コーティング上の任意のさらなるコーティングを含まない。

0054

別の実施形態において、本発明によるカプセルは、カルナバワックスまたはパラフィンワックス、特にワックス類を含むさらなるコーティング(特に放出調節コーティング上)を含まない。

0055

さらなる実施形態において、本発明によるカプセルは、1つ以上の医薬活性成分を含むコーティング、例えばさらなるコーティングなど、を含まない。

0056

本発明によるカプセルには、非液体充填物、例えば粉末、顆粒、ペレットまたはミニ錠剤が充填される。充填中は液体で、カプセル内で固形になる、ろう状の物質のような半固形物も非液体充填物に含まれる。分散液や溶液は、例えばペレットに含有される等の場合を除き、非液体充填物に含まない。非液体充填物は単独で、または通常の賦形剤と組み合わせて、栄養成分および/または活性医薬成分を備えてもよい。

0057

ある実施形態において、本発明によるカプセルには粉末が充填され、本発明によるフィルム形成剤は、それぞれ量/cm2放出調節コーティングで、>3.0mgから≦8.0mg、例えば約3.1mgから≦8.0mg、約3.2mgから≦8.0mg、約3.3mgから≦8.0mg、約3.4mgから≦8.0mgまたは約3.5mgから≦8.0mg、より好ましくは約4mgの量で存在する。

0058

別の実施形態において、本発明によるカプセルには粉末が充填され、本発明によるフィルム形成剤は、それぞれ量/cm2放出調節コーティングで、>2.0mgから≦8.0mg、例えば約2.1mgから≦8.0mg、約2.2mgから≦8.0mg、約2.3mgから≦8.0mg、約2.4mgから≦8.0mgまたは約2.5mgから≦8.0mgの量で存在する。

0059

またさらなる実施形態において、本発明によるカプセルには粉末または顆粒剤が充填され、フィルム形成剤は、それぞれ量/cm2放出調節コーティングで、>2.0mgから約7.0mg、例えば約2.1mgから約7.0mg、約2.2mgから約7.0mg、約2.3mgから約7.0mg、約2.4mgから約7.0mg、約2.5mgから約7.0mg、約3.0mgから約7.0mg、約3.1mgから約7.0mg、約3.2mgから約7.0mg、約3.3mgから約7.0mg、約3.4mgから約7.0mgまたは約3.5mgから約7.0mg、例えば>2.0mgから約6.0mg、約3.0mgから約6.0mgおよび3.5mgから約6.0mgの量で存在する。

0060

ある実施形態において、本発明によるカプセルには粉末が充填されない。

0061

ある実施形態において、本発明によるカプセルには、複数の粒子、例えばペレット、ミニ錠剤、顆粒剤などが充填される。

0062

ある実施形態において、本発明によるカプセルには上記の複数の粒子が充填され、本発明によるフィルム形成剤は、それぞれ量/cm2放出調節コーティングで、>3.0mgから≦8.0mg、例えば約3.1mgから≦8.0mg、約3.2mgから≦8.0mg、約3.3mgから≦8.0mg、約3.4mgから≦8.0mgまたは約3.5mgから≦8.0mg、より好ましくは約4mgの量で存在する。

0063

別の実施形態において、本発明によるカプセルには上記の複数の粒子が充填され、本発明によるフィルム形成剤は、それぞれ量/cm2放出調節コーティングで、>2.0mgから≦8.0mg、例えば約2.1mgから≦8.0mg、約2.2mgから≦8.0mg、約2.3mgから≦8.0mg、約2.4mgから≦8.0mgまたは約2.5mgから≦8.0mgの量で存在する。

0064

またさらなる実施形態において、本発明によるカプセルには上記の複数の粒子が充填され、フィルム形成剤は、それぞれ量/cm2放出調節コーティングで、>2.0mgから約7.0mg、例えば約2.1mgから約7.0mg、約2.2mgから約7.0mg、約2.3mgから約7.0mg、約2.4mgから約7.0mg、約2.5mgから約7.0mg、約3.0mgから約7.0mg、約3.1mgから約7.0mg、約3.2mgから約7.0mg、約3.3mgから約7.0mg、約3.4mgから約7.0mgまたは約3.5mgから約7.0mg、例えば>2.0mgから約6.0mg、約3.0mgから約6.0mgおよび3.5mgから約6.0mgの量で存在する。

0065

ある実施形態において、本発明によるカプセルには上記の複数の粒子が充填されない。好ましい実施形態において、本発明によるカプセルにはミニ錠剤またはペレットが充填されない。

0066

本発明はさらに、任意でカプセル本体に非液体充填物を充填し、カプセルをキャップで閉じ、本体とキャップとの隙間をバンドで密封し、カプセル殻に放出調節コーティングを適用する工程を含む、上記カプセルを得るための工程に関する。

0067

コーティングは、当業者にとって公知のあらゆる通常の方法により行ってもよい。例えば、有機溶液水性有機コーティングエマルジョン、水性有機コーティング溶液、分散水、または中和した水溶液として、フィルム形成剤および任意の賦形剤を含むフィルムを適用してもよい。有機液として、アルコールおよび特にエタノールを使用してもよい。

0068

例えば、フィルム形成剤および任意の賦形剤の溶液、エマルジョンまたは分散液をカプセル上に噴霧し、最終的な放出調節コーティングのcm2あたりの乾燥フィルム形成剤の所望量を提供するために必要な量を噴霧してもよい。

図面の簡単な説明

0069

図1は、酸溶液に浸漬した後の、実施例1、および比較例1Aによるカプセルを示す。
図2は、酸溶液に浸漬した後の比較例1Bによるカプセルを示す。
図3は、実施例1、および比較例1Aによるカプセルの放出プロファイルを示す。
図4は、実施例1、および比較例1A(コーティングがより多い)によるカプセルの放出プロファイルを示す。
図5は、酸溶液に浸漬した後の、実施例2および比較例2Aによるカプセルを示す。
図6は、酸溶液に浸漬した後の比較例2Bによるカプセルを示す。
図7は、酸溶液に浸漬した後の、実施例3および比較例3Aによるカプセルを示す。
図8は、酸溶液に浸漬した後の比較例3Bによるカプセルを示す。
図9は、実施例4によるカプセルの溶解プロファイルを示す。
図10は、実施例5によるカプセルの溶解プロファイルを示す。
図11は、比較例5によるカプセルの溶解プロファイルを示す。

実施例

0070

本発明をさらに次の実施例により説明するが、実施例は本発明を限定するとして解釈されるものではない。

0071

[実施例1]
サイズ1の硬ゼラチンカプセルに、マーカーとしてメチレンブルーを含有するモデル粉末製剤を充填した。カプセルを閉じ、ゼラチンバンドで密封した。プレコートを施さず、最終コーティングのcm2あたりのフィルム形成剤の乾燥量でそれぞれ4mg/cm2、6mg/cm2、10mg/cm2、16mg/cm2の水性オイドラギットL30D−55を用いてカプセルを被覆した。

0072

[比較例1A]
実施例1と同様に、ただし腸溶性コーティング前にゼラチンバンドでカプセルを密封せずカプセルを製造した。

0073

[比較例1B]
比較例1Aと同様に、ただしゼラチンカプセル殻とオイドラギットL30D−55腸溶性コーティングとの間に3mg/cm2のHPMCプレコートを用いて、カプセルを製造した。

0074

[実施例1および比較例1A、1Bのカプセル評価]
カプセルを120分間、0.1N HCl溶液に浸漬して実施例1、比較例1A、1Bで得たカプセルの酸耐性試験した。溶液からカプセルを回収した後、これらを視覚的に照査した。モデル粉末製剤はマーカーとしてメチレンブルーをカプセルに充填しているため、少量の漏出も容易に観察することができた。

0075

この試験の結果を図1および図2に示す。図1は、酸溶液から回収した後の実施例1のカプセルを示し、これは4mg/cm2フィルム形成剤で被覆されている。カプセルの劣化または漏出は観察されなかった。

0076

対照的に比較例1Aのカプセルは、実施例1の3倍量の腸溶性コーティング、すなわち12mg/cm2のフィルム形成剤で被覆されていたにもかかわらず、酸溶液へ浸漬後、強い劣化および漏出(カプセルが青色に変色)を示した。この比較例から、カプセルをバンドで密封することによって、腸溶性コーティング材料をかなり減量でき、さらに改善した特性を有するカプセルを得られることが明らかになった。

0077

図2は酸溶液へ浸漬後の比較例1Bのカプセルを示す。HPMCプレコートを用いて通常の先行技術の方法に従い、フィルム形成剤6mg/cm2で腸溶性被覆して、これらのカプセルを調製した。プレコートにもかかわらず、カプセルは強い劣化を示した。さらに、カプセルが青色に変色し、このことからマーカー物質がカプセルから漏出したことが示された。重ねて、本発明によるプレコートなしでバンドを有するカプセル(実施例1)は、より少量の腸溶性コーティングで被覆されているにもかかわらず、酸耐性に優れていた。

0078

さらに、pH6.8のハンク緩衝液を用いてカプセルの放出プロファイルを測定した。50rpmのパドルスピードおよび37±0.5℃の液温度を用いて、USPタイプII装置上でインビトロ溶解実験を行った。カプセルはまず900mLの0.1N HCl中で2時間、続いてハンクス緩衝液(pH6.8)中で8または10時間、試験を行った。5%CO2/95%O2で連続的に散布することによって緩衝液のpHを6.8±0.05に安定化した。吸収波長663nm、5分間隔でメチレンブルー吸収測定を行った。ハンクス緩衝液の組成は1Lあたり0.06gのKH2PO4、0.06gのNa2HPO4・2H2O、8.0gのNaCl、0.4gのKCl、0.2gのMgSO4・7H2O、0.139gのCaCl2・2H2Oおよび0.350gのNaHCO3であった。

0079

実施例1によるカプセル(バンドありカプセル)および比較例1Aのカプセル(バンドなしカプセル)の放出プロファイルを図3に示す。4mg/cm2のフィルム形成剤で両カプセルを被覆した。上記酸耐性試験から予想されるように、比較例1Aのバンドなしカプセルからのモデル活性医薬成分(API)放出は、0.1N HCl溶液中の模擬胃条件下で既に開始していた。さらに、バンドなしカプセルは、ハンクス緩衝液中で長時間経過した後でも、API全てを放出しなかった。それと対照的に、本発明によるカプセル(バンドあり;実施例1)は、模擬胃条件下でAPIを全く放出しなかったが、重炭酸緩衝液で約20分間の遅延時間後、それらのAPI内容物全てを放出した。

0080

図4は、4mg/cm2のフィルム形成剤で被覆された実施例1のバンドありカプセルおよび16mg/cm2のフィルム形成剤で被覆された実施例1Aのバンドなしカプセルの放出プロファイルの比較を示す。腸溶性コーティングの量が顕著に増加しているため模擬胃条件下でのAPIが早期に放出されることは抑制できたが、長い遅延時間後にAPIが放出されるため、生体内での放出が遅くなりすぎ、好ましくは近位小腸で吸収される薬物の経口バイオアベイラビリティの低下につながる。重炭酸緩衝溶液中で長時間経過した後でさえも、APIの放出は最大で僅か約60%であった。

0081

[実施例2]
実施例1と同様に、ただし腸溶性コーティングの調製に有機オイドラギットL100−55を使用して、カプセルを調製した。

0082

[比較例2A]
実施例2と同様に、ただし腸溶性コーティング前にゼラチンバンドでカプセルを密封せずに、カプセルを調製した。

0083

[比較例2B]
比較例2Aと同様に、ただし腸溶性コーティングの前に3mg/cm2のHPMCのプレコートを使用して、カプセルを調製した。

0084

[実施例2および比較例2A、2Bのカプセル評価]
実施例1および比較例1A、1Bのカプセルで上述した通り、実施例2および比較例2A、2Bで得たカプセルの酸耐性を試験した。4mg/cm2のフィルム形成剤で被覆した実施例2のカプセル(図5)、16mg/cm2のフィルム形成剤で被覆した比較例2Aのカプセル(図5)、プレコートおよび4mg/cm2のフィルム形成剤で被覆した比較例2Bのカプセル(図6)に対して、結果を図5および図6で示す。

0085

図で示す通り、本発明によるカプセル(実施例2)は、劣化または漏出を全く示していない一方で、4倍量の腸溶性コーティングで被覆した比較例2Aのカプセルおよび、実施例2のカプセルと同量の腸溶性コーティングで被覆し、さらにプレコートを施した比較例2Bのカプセルは、強い劣化および漏出を呈した。

0086

[実施例3]
サイズ1の硬HPMCカプセルに、マーカーとしてメチレンブルーを含有するモデル粉末製剤を充填した。カプセルを閉じ、HPMCバンドで密封した。次に、プレコートをせず、最終コーティングのcm2あたりのフィルム形成剤の乾燥量に関連して、水性オイドラギットL30D−55を4mg/cm2でこのカプセルを被覆した。

0087

[比較例3A]
実施例3と同様に、ただし腸溶性コーティング前にHPMCバンドでカプセルを密封せずに、カプセルを製造した。

0088

[比較例3B]
比較例3Aと同様に、ただしHPMCカプセル殻とオイドラギットL30D−55腸溶性コーティングとの間に3mg/cm2のHPMCプレコートを用いて、カプセルを製造した。

0089

[実施例4]
サイズ1の硬ゼラチンカプセルに314mgのメサラジン(5−ASA)を充填した。カプセルを閉じ、ゼラチンバンドで密封した。次に、プレコートせず、最終コーティングのcm2あたりのフィルム形成剤の乾燥量に関連して、水性オイドラギットL30D−55を4mg/cm2で被覆した。次いで、60mgの安息香酸メトロニダゾールを含むさらなるコーティングでカプセルを被覆した。

0090

pH6.8のハンクス緩衝液を用いてカプセルの放出プロファイルを測定した。50rpmのパドルスピードおよび37±0.5℃の液温度を用いて、USPタイプII装置上で生体内溶解実験を行った。カプセルに対して、最初に900mLの0.1N HCl中で2時間、続いてハンクス緩衝液(pH6.8)中で8または10時間、試験を行った。5%CO2/95%O2で連続的に散布することによって緩衝液のpHを6.8±0.05に安定化した。5分間隔で安息香酸メトロニダゾールおよびメサラジン測定を行った。1Lあたりのハンクス緩衝液の組成は、0.06gのKH2PO4、0.06gのNa2HPO4・2H2O、8.0gのNaCl、0.4gのKCl、0.2gのMgSO4・7H2O、0.139gのCaCl2・2H2Oおよび0.350gのNaHCO3であった。この結果を図9に示す。

0091

[実施例5]
サイズ1の硬ゼラチンカプセルに312mgのメサラジン(5−ASA)を充填した。カプセルを閉じ、ゼラチンバンドで密封した。次いで、プレコートを施さず、オイドラギット(登録商標)RS中に安息香酸メトロニダゾールを含むコーティングで、それぞれ20mg(4mg/cm2オイドラギット(登録商標)RS)、60mg(12mg/cm2オイドラギット(登録商標)RS)でカプセルを被覆した。

0092

[比較例5]
実施例5と同様に、ただしコーティング前にゼラチンバンドでカプセルを密封せずに、カプセルを製造した。

0093

[実施例5および比較例5のカプセル評価]
pH6.8のリン酸緩衝液を用いてカプセルの放出プロファイルを測定した。50rpmのパドルスピードおよび37±0.5℃の液温度を用いて、USPタイプII装置上で生体内溶解実験を行った。カプセルに対して、最初に900mLの0.1N HCl中で2時間、続いてリン酸緩衝液(pH6.8)中で8または10時間、試験を行った。5分間隔で安息香酸メトロニダゾールおよびメサラジン測定を行った。

0094

実施例5のカプセル(バンドあり)および比較例5のカプセル(バンドなし)の放出プロファイルを図10および図11に示す。両カプセルは、それぞれ4mg/cm2および12mg/cm2のフィルム形成剤で被覆した。

0095

本発明によるカプセル(実施例5)は、カプセルのフィルム形成剤での被覆が4mg/cm2、12mg/cm2に関わらず、腸の模擬条件下で最長450分、顕著な量の安息香酸メトロニダゾールおよびメサラジンの両方を放出しなかった(図10)。対照的に、バンドなしカプセル(比較例5)は、それぞれ160分(4mg/cm2)または210分(12mg/cm2)から開始して、腸の模擬条件下で安息香酸メサラジンを放出した。上記条件下で安息香酸メトロニダゾールは放出されなかった(図11)。

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