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図面 (20)

課題

代謝系疾患、緑内障アミロイドーシスハンチントン病HIV感染嚢胞性線維症等の分裂終了細胞の疾患の原因となる遺伝子をターゲティングし、治療するための組成物の提供。

解決手段

RISPR−Cas系をコードする1以上のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、前記CRISPR−Cas系が、少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むCas9、分裂終了真核細胞において発現される標的配列ハイブリダイズし得るガイド配列、tracrメイト配列、及びtracr配列を含む、組成物。

概要

背景

ゲノムシーケンシング技術および分析法の近年の進歩により、多様な範囲の生物学的機能および疾患に関連する遺伝因子分類およびマッピングする技能が顕著に加速されている。正確なゲノムターゲティング技術は、個々の遺伝子エレメントの選択的摂動を可能とすることにより因果的遺伝子変異の体系的なリバースエンジニアリングを可能とするため、ならびに合成生物学、バイオテクノロジーおよび医薬用途を進歩させるために必要とされる。ゲノム編集技術、例えば、デザイナー亜鉛フィンガー転写アクチベーターエフェクター(TALE)、またはホーミングメガヌクレアーゼがターゲティングされるゲノム摂動の産生に利用可能であるが、安価で、設定が容易で、スケーラブルで、真核ゲノム内の複数位置をターゲティングしやすい新たなゲノムエンジニアリング技術が依然として必要とされている。

概要

代謝系疾患、緑内障アミロイドーシスハンチントン病HIV感染嚢胞性線維症等の分裂終了細胞の疾患の原因となる遺伝子をターゲティングし、治療するための組成物の提供。CRISPR−Cas系をコードする1以上のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む組成物であって、前記CRISPR−Cas系が、少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むCas9、分裂終了真核細胞において発現される標的配列ハイブリダイズし得るガイド配列、tracrメイト配列、及びtracr配列を含む、組成物。なし

目的

本発明は、CRISPR−Cas系の1つ以上のエレメント使用方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

目的のゲノム遺伝子座における分裂終了細胞標的配列の操作によって生物または非ヒト生物改変する方法であって、それにより前記細胞表現型の変化を引き起こす方法において、(A)−I.CRISPR−Cas系RNAポリヌクレオチド配列であって、(a)真核細胞の分裂終了細胞標的配列とのハイブリダイズ能を有するガイド配列、(b)tracrメイト配列、および(c)tracr配列を含むポリヌクレオチド配列、およびII.CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列であって、場合により少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むポリヌクレオチド配列、[(a)、(b)および(c)が5’から3’への方向に並び、転写時に前記tracrメイト配列が前記tracr配列にハイブリダイズし、かつ前記ガイド配列が、前記分裂終了細胞標的配列に対するCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、および前記CRISPR複合体が、(1)前記分裂終了細胞標的配列にハイブリダイズする前記ガイド配列、および(2)前記tracr配列にハイブリダイズする前記tracrメイト配列と複合体形成している前記CRISPR酵素を含み、かつCRISPR酵素をコードする前記ポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAであり、前記CRISPR酵素をコードする前記ポリヌクレオチド配列が、前記CRISPR酵素の発現の1つまたは複数の調節配列作動可能に結合しており、従って前記CRISPR酵素の発現によって、前記分裂終了細胞において前記CRISPR複合体のアセンブリ、およびその操作がある]を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物送達するステップを含む方法。

請求項2

前記CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列、ガイド配列、tracrメイト配列またはtracr配列の一部または全部がRNAである、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記CRISPR酵素をコードする配列、前記ガイド配列、tracrメイト配列またはtracr配列をコードするポリヌクレオチドがRNAであり、かつリポソームナノ粒子エキソソーム微小胞、または遺伝子銃によって送達される、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記ポリヌクレオチドが、1つ以上のベクターを含むベクター系内に含まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

目的のゲノム遺伝子座における分裂終了細胞標的配列の操作によって生物または非ヒト生物を改変する方法において、組成物をその発現のため作動可能にコードする1つ以上のウイルスベクターを含むウイルスベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達するステップを含み、前記組成物が、I.CRISPR−Cas系RNAポリヌクレオチド配列に作動可能に結合している第1の調節エレメントであって、前記ポリヌクレオチド配列が、(A)真核細胞の腎臓標的配列とのハイブリダイズ能を有するガイド配列、(b)tracrメイト配列、および(c)tracr配列を含む、第1の調節エレメント、およびII.CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメントであって、場合により少なくとも1つ以上の核局在化配列を含む第2の調節エレメント[(A)、(b)および(c)が5’から3’への方向に並び、成分IおよびIIが前記系の同じまたは異なるベクター上にあり、転写時に前記tracrメイト配列が前記tracr配列にハイブリダイズし、かつ前記ガイド配列が、前記腎臓標的配列に対するCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、および前記CRISPR複合体が、(1)前記腎臓標的配列にハイブリダイズする前記ガイド配列、および(2)前記tracr配列にハイブリダイズする前記tracrメイト配列と複合体形成している前記CRISPR酵素を含む]を含む1つ以上のベクターを含むベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を含む、方法。

請求項6

前記ウイルスベクターの1つ以上が、リポソーム、ナノ粒子、エキソソーム、微小胞、または遺伝子銃によって送達される、請求項5に記載の方法。

請求項7

目的ゲノム遺伝子座中の腎臓標的配列の異常により引き起こされる病態治療または阻害が必要とされる対象または非ヒト対象における目的ゲノム遺伝子座中の腎臓標的配列の異常により引き起こされる病態を治療または阻害する方法であって、前記腎臓標的配列の操作により前記対象または非ヒト対象を改変することを含み、前記病態は、組成物を発現させるためその組成物を作動可能にコードする1つ以上のAAVまたはレンチウイルスベクターを含むAAVまたはレンチウイルスベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達することを含む治療を提供することを含む前記腎臓標的配列の操作による治療または阻害に感受性があり、前記腎臓標的配列は発現時の前記組成物により操作され、前記組成物が、(A)天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物であって、I.CRISPR−Cas系RNAポリヌクレオチド配列に作動可能に結合している第1の調節エレメントであって、前記ポリヌクレオチド配列が、(A)真核細胞中の腎臓標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列、(b)tracrメイト配列、および(c)tracr配列を含む、第1の調節エレメント、およびII.少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むCRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメント[(A)、(b)および(c)は、5’から3’配向で配置されており、成分IおよびIIは、前記系の前記同じまたは異なるベクター上にあり、転写されると前記tracrメイト配列が前記tracr配列にハイブリダイズし、かつ前記ガイド配列がCRISPR複合体と前記腎臓標的配列との配列特異的結合を指向し、および前記CRISPR複合体は、(1)前記腎臓標的配列にハイブリダイズされる前記ガイド配列、および(2)前記tracr配列にハイブリダイズされる前記tracrメイト配列と複合体形成している前記CRISPR酵素を含む]を含む1つ以上のベクターを含むベクター系を含む組成物、または(B)天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物であって、I.第1の調節エレメントであって(A)真核細胞中の腎臓標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列、および(b)少なくとも1つ以上のtracrメイト配列に作動可能に結合している第1の調節エレメント、II.CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメント、およびIII.tracr配列に作動可能に結合している第3の調節エレメント[成分I、IIおよびIIIは前記系の前記同じまたは異なるベクター上にあり、転写されると前記tracrメイト配列が前記tracr配列にハイブリダイズし、かつ前記ガイド配列が前記腎臓標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、および前記CRISPR複合体は、(1)前記腎臓標的配列にハイブリダイズされる前記ガイド配列、および(2)前記tracr配列にハイブリダイズされる前記tracrメイト配列と複合体形成している前記CRISPR酵素を含む]を含む1つ以上のベクターを含むベクター系を含む組成物を含む、方法。

請求項8

インビトロ、および/またはエキソビボで実行される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

発現を誘導することを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記生物または対象が真核生物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記生物または対象が非ヒト真核生物である、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記生物または対象が哺乳動物または非ヒト哺乳動物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記ウイルスベクターがAAVまたはレンチウイルスベクターである、請求項4〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記CRISPR酵素がCas9である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記ガイド配列の発現が前記T7プロモーターの制御下にあり、T7ポリメラーゼの前記発現によってドライブされる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記CRISPR酵素をコードするmRNAを細胞に送達することを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のCRISPR酵素を送達する方法。

請求項17

前記CRISPR酵素をコードする前記ポリヌクレオチドまたは酵素コード配列が、前記CRISPR酵素をコードするmRNAを前記細胞に送達することにより前記細胞に送達される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記AAVまたはレンチウイルスをコードする1つまたは複数の核酸分子を含有するまたはそれから本質的になる1つまたは複数のプラスミドをAAV感染細胞またはレンチウイルス感染細胞に形質移入すること、および前記AAVまたはレンチウイルスの複製およびパッケージングに必須のAAVAAVまたはレンチウイルスrepおよび/またはcapおよび/またはヘルパー核酸分子を提供することを含む、請求項7に記載のAAVまたはレンチウイルスベクターを調製する方法。

請求項19

前記AAVまたはレンチウイルスをコードする1つまたは複数の核酸分子を含有するまたはそれから本質的になる1つまたは複数のプラスミドをAAV感染細胞またはレンチウイルス感染細胞に形質移入すること、および前記AAVまたはレンチウイルスの複製およびパッケージングに必須のAAVAAVまたはレンチウイルスrepおよび/またはcapおよび/またはヘルパー核酸分子を提供することを含む、請求項7に記載の方法で使用するAAVまたはレンチウイルスベクターを調製する方法。

請求項20

前記AAVまたはレンチウイルスの複製およびパッケージングに必須の前記AAVまたはレンチウイルスrepおよび/またはcapが、前記細胞に1つまたは複数のヘルパープラスミドまたは1つまたは複数のヘルパーウイルスを形質移入することにより供給される、請求項18または19に記載の方法。

請求項21

前記ヘルパーウイルスが、ポックスウイルスアデノウイルス、レンチウイルス、ヘルペスウイルスまたはバキュロウイルスである、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記ポックスウイルスがワクシニアウイルスである、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記細胞が哺乳類細胞である、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

前記細胞が昆虫細胞であり、前記ヘルパーウイルス(存在する場合)がバキュロウイルスである、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

前記腎臓標的配列に5’−NRG(式中Nは任意のヌクレオチドである)がその3’末端で隣接しまたは後に続き、または前記CRISPR酵素が、コリネバクター属(Corynebacter)、ステレラ属(Sutterella)、レジオネラ属(Legionella)、トレポネーマ属(Treponema)、フィリファクター属(Filifactor)、ユーバクテリウム属(Eubacterium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ラクトバシラス属(Lactobacillus)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、バクテロイデス属(Bacteroides)、フライボラ属(Flaviivola)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、スフェロケタ属(Sphaerochaeta)、アゾスピリラム属(Azospirillum)、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、ネイセリア属(Neisseria)、ロゼブリア属(Roseburia)、パービバキュラム属(Parvibaculum)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ニトティフラクター属(Nitratifractor)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)およびカンピロバクター属(Campylobacter)からなる群に属する属である(またはそれに由来する)、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

医薬または治療において使用される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物。

請求項27

目的ゲノム遺伝子座における腎臓標的配列の操作により生物もしくは非ヒト生物を改変する方法または目的ゲノム遺伝子座の腎臓標的配列の欠陥により引き起こされる病態を治療もしくは阻害する方法において使用される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物。

請求項28

エキソビボ遺伝子またはゲノム編集における請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物の使用。

請求項29

エキソビボ遺伝子またはゲノム編集用医薬、または目的ゲノム遺伝子座における腎臓標的配列の操作により生物もしくは非ヒト生物を改変する方法または目的ゲノム遺伝子座の腎臓標的配列の欠陥により引き起こされる病態を治療もしくは阻害する方法において使用される医薬の製造における、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物の使用。

請求項30

(A)−I.CRISPR−Cas系RNAポリヌクレオチド配列であって、(A)真核細胞の腎臓標的配列とのハイブリダイズ能を有するガイド配列、(b)tracrメイト配列、および(c)tracr配列を含むポリヌクレオチド配列、およびII.CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列であって、場合により少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むポリヌクレオチド配列[(A)、(b)および(c)が5’から3’への方向に並び、転写時に前記tracrメイト配列が前記tracr配列にハイブリダイズし、かつ前記ガイド配列が、前記腎臓標的配列に対するCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、および前記CRISPR複合体が、(1)前記腎臓標的配列にハイブリダイズする前記ガイド配列、および(2)前記tracr配列にハイブリダイズする前記tracrメイト配列と複合体形成している前記CRISPR酵素を含み、かつCRISPR酵素をコードする前記ポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAである]または(B)I.ポリヌクレオチドであって、(A)真核細胞の腎臓標的配列とのハイブリダイズ能を有するガイド配列、および(b)少なくとも1つ以上のtracrメイト配列を含むポリヌクレオチド、II.CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列、およびIII.tracr配列を含むポリヌクレオチド配列[転写時に前記tracrメイト配列が前記tracr配列にハイブリダイズし、かつ前記ガイド配列が、前記腎臓標的配列に対するCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、および前記CRISPR複合体が、(1)前記腎臓標的配列にハイブリダイズする前記ガイド配列、および(2)前記tracr配列にハイブリダイズする前記tracrメイト配列と複合体形成している前記CRISPR酵素を含み、かつCRISPR酵素をコードする前記ポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAである]を含む組成物において、医薬または治療において使用されるか;または目的のゲノム遺伝子座の腎臓標的配列の操作によって生物または非ヒト生物を改変する方法において使用されるか;または目的のゲノム遺伝子座の腎臓標的配列の欠陥によって引き起こされる病態を治療または阻害する方法において使用されるか;またはエキソビボ遺伝子またはゲノム編集において使用される、組成物。

請求項31

前記ポリヌクレオチドが、1つ以上のベクターを含むベクター系内に含まれる、請求項30に記載の組成物。

請求項32

前記CRISPR−Cas系RNAがキメラRNA(chiRNA)である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法、使用または組成物。

請求項33

前記CRISPR−Cas系が、複数のキメラおよび/または複数の多ガイド配列と単一tracr配列とをさらに含む多重化CRISPR酵素系である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法、使用または組成物。

請求項34

前記CRISPR酵素が、標的配列の位置で両鎖の開裂を指向するヌクレアーゼである、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法、使用または組成物。

請求項35

前記CRISPR酵素が1つ以上の突然変異を含む、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法、使用または組成物。

請求項36

前記CRISPR酵素が1つ以上の突然変異D10A、E762A、H840A、N854A、N863AまたはD986Aを含む、請求項35に記載の方法、使用または組成物。

請求項37

前記1つ以上の突然変異が前記CRISPR酵素のRuvC1ドメインにある、請求項35に記載の方法、使用または組成物。

請求項38

前記CRISPR酵素が、標的配列の位置での開裂を指向するニッカーゼである、請求項34に記載の方法、使用または組成物。

請求項39

前記ニッカーゼが二重ニッカーゼである、請求項38に記載の方法、使用または組成物。

請求項40

少なくとも2つ以上のNLSをさらに含む、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法、使用または組成物。

請求項41

前記CRISPR酵素が触媒ドメインに1つ以上の突然変異を有し、転写時に前記tracrメイト配列が前記tracr配列にハイブリダイズし、かつ前記ガイド配列が、前記標的配列に対するCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、かつ前記酵素が機能ドメインをさらに含む、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法、使用または組成物。

請求項42

前記機能ドメインが転写活性化ドメインである、請求項41に記載の方法、使用または組成物。

請求項43

前記転写活性化ドメインがVP64である、請求項42に記載の方法、使用または組成物。

請求項44

天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達するステップを含む、細胞の目的のゲノム遺伝子座におけるDNA二重鎖の逆鎖上にある第1および第2の標的配列の操作によってオフターゲット改変を最小限に抑えるステップをさらに含む、請求項1〜25または32〜43のいずれか一項に記載の方法において、前記組成物が、I.CRISPR−Cas系キメラRNA(chiRNA)ポリヌクレオチド配列であって、(a)前記第1の標的配列とのハイブリダイズ能を有する第1のガイド配列、(b)第1のtracrメイト配列、(c)第1のtracr配列、(d)前記第2の標的配列とのハイブリダイズ能を有する第2のガイド配列、(e)第2のtracrメイト配列、および(f)第2のtracr配列、およびを含み、場合により、前記第1のtracr配列と前記第2のガイド配列との間にリンカー配列が存在することで前記第1のガイド配列と前記第2のガイド配列とがタンデムになっている、ポリヌクレオチド配列、およびII.少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むCRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列であって、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)が5’から3’への方向に並び、前記ポリヌクレオチド配列が前記第1のtracr配列と前記第2のガイド配列との間にリンカー配列を含むことで前記第1のガイド配列と前記第2のガイド配列とがタンデムになっており、および転写時に前記第1および前記第2のtracrメイト配列がそれぞれ前記第1および第2のtracr配列にハイブリダイズし、かつ前記第1および前記第2のガイド配列が、それぞれ前記第1および第2の標的配列に対する第1および第2のCRISPR複合体の配列特異的結合を指向する、ポリヌクレオチド配列、またはII.CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメントであって、成分IおよびIIが前記系の同じまたは異なるベクター上にあり、転写時に第1のtracrメイト配列が第1のtracr配列にハイブリダイズし、かつ前記第1および前記第2のガイド配列が、それぞれ前記第1および第2の標的配列に対する第1および第2のCRISPR複合体の配列特異的結合を指向する、第2の調節エレメントを含み、前記第1のCRISPR複合体が、(1)前記第1の標的配列にハイブリダイズする前記第1のガイド配列、および(2)前記第1のtracr配列にハイブリダイズする前記第1のtracrメイト配列と複合体形成している前記CRISPR酵素を含み、前記第2のCRISPR複合体が、(1)前記第2の標的配列にハイブリダイズする前記第2のガイド配列、および(2)前記第2のtracr配列にハイブリダイズする前記第2のtracrメイト配列と複合体形成している前記CRISPR酵素を含み、CRISPR酵素をコードする前記ポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAであり、および前記第1のガイド配列が前記第1の標的配列の近傍で前記DNA二重鎖の一方の鎖の開裂を指向し、かつ前記第2のガイド配列が前記第2の標的配列の近傍で他方の鎖の開裂を指向して二本鎖切断を誘導し、それによりオフターゲット改変を最小限に抑えることによって前記生物または前記非ヒト生物を改変する、方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
2013年6月17日に出願された米国仮特許出願第61/836,123号明細書、2013年7月17日に出願された同第61/847,537号明細書、2013年8月5日に出願された同第61/862,355号明細書、2013年8月28日に出願された同第61/871,301号明細書、2013年12月12日に出願された同第61/915,203号明細書、2014年4月15日に出願された同第61/979,573号明細書、および2013年12月12日に出願されたPCT/US2013/074667号明細書からの優先権が主張され、PCT/US2013/074667号明細書に関しては、米国の目的上、この出願はまた一部継続出願であり;かつ米国の法律に基づき許容され得るとおり、本明細書に相当する米国の出願または国内段移行時の出願が、PCT/US2013/074667号明細書およびPCT/US2013/074667号明細書が優先権を主張する出願に関して優先権をさらに主張し得るとともに、主張し得る。

0002

上記の出願、ならびにそれらの出願においてまたはそれらの審査中に引用される全ての文献(「出願引用文献」)およびその出願引用文献において引用または参照される全ての文献、ならびに本明細書において引用または参照される全ての文献(「本明細書引用文献」)、および本明細書引用文献において引用または参照される全ての文献は、本明細書においてまたは本明細書に参照により組み込まれる任意の文献において挙げられる任意の製品に関する任意の製造業者指示書説明書製品仕様書、および製品シート一緒に、参照により本明細書に組み込まれ、本発明の実施において用いることができる。より具体的には、全ての参照文献は、それぞれの個々の文献が個別具体的に参照により組み込まれることが示されるような程度で参照により組み込まれる。

0003

本発明は、一般に、クラスター化等間隔短鎖回分リピート(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat)(CRISPR)およびその成分に関する配列ターゲティング、例えば、ゲノム摂動または遺伝子編集を含む遺伝子発現の制御に使用される系、方法および組成物送達エンジニアリング、最適化および治療適用に関する。詳細には、本発明は、限定はされないが脳または腎臓を含めた分裂終了細胞に対する、前記細胞における病態遺伝子療法、前記細胞における遺伝子機能の理解、および前記細胞を含むモデルの作成のための送達に関する態様に関する。

0004

連邦政府により資金提供された研究に関する記述
本発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)により助成されたNIHパイオニアアワード(1DPMH100706)のもと政府支援によりなされた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。

背景技術

0005

ゲノムシーケンシング技術および分析法の近年の進歩により、多様な範囲の生物学的機能および疾患に関連する遺伝因子分類およびマッピングする技能が顕著に加速されている。正確なゲノムターゲティング技術は、個々の遺伝子エレメントの選択的摂動を可能とすることにより因果的遺伝子変異の体系的なリバースエンジニアリングを可能とするため、ならびに合成生物学、バイオテクノロジーおよび医薬用途を進歩させるために必要とされる。ゲノム編集技術、例えば、デザイナー亜鉛フィンガー転写アクチベーターエフェクター(TALE)、またはホーミングメガヌクレアーゼがターゲティングされるゲノム摂動の産生に利用可能であるが、安価で、設定が容易で、スケーラブルで、真核ゲノム内の複数位置をターゲティングしやすい新たなゲノムエンジニアリング技術が依然として必要とされている。

発明が解決しようとする課題

0006

CRISPR−Cas系は特異的配列をターゲティングするためにカスタム化タンパク質の生成を要求しないが、単一Cas酵素を短鎖RNA分子によりプログラミングして特異的DNA標的を認識させることができる。ゲノムシーケンシング技術および分析法のレパートリーへのCRISPR−Cas系の付加により方法論が顕著に簡易化され、多様な範囲の生物学的機能および疾患に関連する遺伝因子を分類およびマッピングする技能が加速される。有害効果を有さずにゲノム編集にCRISPR−Cas系を有効に利用するため、特許請求される本発明の態様であるそれらのゲノムエンジニアリングツールのエンジニアリング、最適化および細胞型組織臓器特異的送達の態様を理解することが重要である。

課題を解決するための手段

0007

幅広適用性を有する核酸配列(nucleic sequence)ターゲティングのための代替的かつロバストな系および技術が差し迫って必要とされている。本発明の態様はこの必要性に応え、かつ関連する利点をもたらす。例示的なCRISPR複合体は、標的ポリヌクレオチド内の標的配列ハイブリダイズするガイド配列複合体形成するCRISPR酵素を含む。ガイド配列はtracrメイト配列に結合し、次にはtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズする。

0008

一態様において、本発明は、CRISPR−Cas系の1つ以上のエレメント使用方法を提供する。本発明のCRISPR複合体は、標的ポリヌクレオチドを改変する有効な手段を提供する。本発明のCRISPR複合体は、種々の組織および臓器における多種多様な細胞型の標的ポリヌクレオチドを改変(例えば、欠失、挿入、転座不活性化活性化)することを含め、幅広い有用性を有する。そのため本発明のCRISPR複合体は、例えば、遺伝子またはゲノム編集、遺伝子治療創薬、薬物スクリーニング疾患診断、および予後における広範な適用性を有する。インビボインビトロおよびエキソビボ使用が想定される。

0009

本発明の態様は、野生型Cas9酵素より長さが短い、最適活性のガイドRNAを有するCRISPR−Cas9系における分裂終了細胞ターゲティング特異性が向上したCas9酵素およびそれをコードする核酸分子、およびキメラCas9酵素、ならびにCas9酵素の標的特異性を向上させる方法またはCRISPR−Cas9系を設計する方法であって、最適活性を有するガイドRNAを設計または調製しおよび/または野生型Cas9よりサイズが小さいまたは長さが短いCas9酵素を選択または調製すること(これにより、それをコードする核酸送達ベクターへのパッケージングが、野生型Cas9と比べて送達ベクターにおけるそのコーディングが少ないためより前進する)、および/またはキメラCas9酵素を生成することを含む方法に関する。

0010

また、医薬における本配列、ベクター、酵素または系の使用も提供される。また、遺伝子またはゲノム編集におけるその使用も提供される。これは、インビボか、それともエキソビボかに関わらず、分裂終了細胞の組織または細胞に関する。

0011

本発明のさらなる態様において、Cas9酵素は1つ以上の突然変異を含んでもよく、機能ドメインとの融合を伴うまたは伴わない汎用DNA結合タンパク質として用いられ得る。突然変異は人為的に導入された突然変異であってもよく、または機能獲得型もしくは機能喪失型突然変異であってもよい。突然変異としては、限定はされないが、それぞれRuvCおよびHNH触媒ドメインにある触媒ドメイン(D10およびH840)の一方の突然変異を挙げることができる。さらなる突然変異が特徴付けられている。本発明の一態様では、転写活性化ドメインはVP64であり得る。本発明の他の態様では、転写リプレッサードメインはKRABまたはSID4Xであり得る。本発明の他の態様は、限定はされないが、転写アクチベーター、リプレッサーリコンビナーゼトランスポザーゼヒストンリモデラー、デメチラーゼDNAメチルトランスフェラーゼクリプトクロム光誘導性制御性ドメインまたは化学誘導性/制御性ドメインを含むドメインに融合した変異Cas9酵素に関する。

0012

さらなる実施形態において、本発明は、突然変異体tracrRNAおよび細胞中におけるこれらのRNAのパフォーマンスを増強させるダイレクトリピート配列または突然変異体キメラガイド配列を作成する方法を提供する。本発明の態様はまた、前記配列の選択も提供する。

0013

本発明の態様はまた、CRISPR複合体の成分のクローニングおよび送達を単純化する方法も提供する。本発明の好ましい実施形態では、好適なプロモーター、例えばU6プロモーターがDNAオリゴと共に増幅され、ガイドRNAに付加される。次に得られたPCR産物を細胞に形質移入することにより、ガイドRNAの発現ドライブされ得る。本発明の態様はまた、インビトロで転写されるか、または合成会社に発注して直接形質移入されるガイドRNAにも関する。

0014

一態様において、本発明は、より高活性のポリメラーゼを使用することにより活性を向上させる方法を提供する。好ましい実施形態において、T7プロモーターの制御下にあるガイドRNAの発現は、細胞中のT7ポリメラーゼの発現によってドライブされる。有利な実施形態において、細胞は真核細胞である。好ましい実施形態において真核細胞はヒト細胞である。より好ましい実施形態においてヒト細胞は患者特異的細胞である。

0015

一態様において、本発明は、Cas酵素の毒性を低下させる方法を提供する。特定の態様において、Cas酵素は、本明細書に記載されるとおりの任意のCas9、例えば任意の天然に存在する細菌性Cas9ならびに任意のキメラ、突然変異体、ホモログまたはオルソログである。好ましい実施形態において、Cas9はmRNAの形態で細胞に送達される。これにより酵素の一過性発現が可能となり、それにより毒性が低下する。別の好ましい実施形態において、本発明はまた、誘導性プロモーターの制御下でCas9を発現させる方法、およびそこで使用される構築物も提供する。

0016

別の態様において、本発明は、CRISPR−Cas系のインビボ適用を改良する方法を提供する。好ましい実施形態において、Cas酵素は野生型Cas9か、または任意の天然に存在する細菌性Cas9ならびに任意のキメラ、突然変異体、ホモログもしくはオルソログを含む本明細書に記載される改変型のうちのいずれかである。本発明の有利な態様は、送達用ウイルスベクターへのパッケージングが容易なCas9ホモログの選択を提供する。Cas9オルソログは、典型的には3〜4個のRuvCドメインおよびHNHドメインの一般的構成を共有する。最も5’側のRuvCドメインが非相補鎖開裂し、HNHドメインが相補鎖を開裂する。表記は全てガイド配列を参照する。

0017

5’RuvCドメインの触媒残基は、目的のCas9を他のCas9オルソログ(化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)II型CRISPR遺伝子座、S.サーモフィルス(S.thermophilus)CRISPR遺伝子座1、S.サーモフィルス(S.thermophilus)CRISPR遺伝子座3、およびフランシセラノビシダ(Franciscilla novicida)II型CRISPR遺伝子座由来)と相同性比較することによって同定され、保存されたAsp残基(D10)をアラニンに突然変異させることにより、Cas9が相補鎖ニッキング酵素に変換される。同様に、HNHドメインの保存されたHisおよびAsn残基をアラニンに突然変異させることにより、Cas9が非相補鎖ニッキング酵素に変換される。一部の実施形態では、二組の突然変異を両方共作製され、Cas9が非開裂酵素に変換され得る。

0018

一部の実施形態では、CRISPR酵素はI型またはIII型CRISPR酵素、好ましくはII型CRISPR酵素である。このII型CRISPR酵素は任意のCas酵素であってよい。好ましいCas酵素は、II型CRISPR系の複数のヌクレアーゼドメインを有する最大のヌクレアーゼと相同性を共有する一般的な酵素クラスを指し得るとおりCas9と同定され得る。最も好ましくは、Cas9酵素はspCas9またはsaCas9由来であり、またはそれから誘導される。誘導されるとは、本出願人らは、その誘導された酵素が野生型酵素と高度な配列相同性を有するという意味では主に野生型酵素をベースとするが、しかしそれは本明細書に記載されるとおり何らかの形で突然変異している(改変されている)ものであることを意味する。

0019

用語CasおよびCRISPR酵素は、特に明らかでない限り、本明細書では概して同義的に使用されることが理解されるであろう。上述のとおり、本明細書で使用される残基の付番の多くは化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のII型CRISPR遺伝子座由来のCas9酵素を参照する。しかしながら、本発明がSpCas9、SaCas9、St1Cas9などの他の微生物種由来のさらに多くのCas9を含むことは理解されるであろう。さらなる例が本明細書に提供される。当業者は、関連性のあるアミノ酸配列の比較により、SpCas9以外のCas9酵素における適切な対応する残基を決定することができるであろう。従って、SpCas9付番を使用して特定のアミノ酸置換が参照される場合に、それが他のCas9酵素を参照しないよう意図するものであることが文脈上明らかになる場合を除き、本開示は、他のCas9酵素における対応する改変を包含するよう意図される。SpCas9が特に有利である。

0020

この場合にはヒトに最適化された(すなわちヒトでの発現に最適化されている)コドン最適化配列の例が本明細書に提供される(SaCas9ヒトコドン最適化配列を参照のこと)。これが好ましいが、他の例が可能であることが理解されるであろうとともに、宿主種に対するコドン最適化は公知である。

0021

さらなる実施形態において、本発明は、キメラCas9タンパク質を作成することによりCas9の機能を増強する方法を提供する。キメラCas9タンパク質であるキメラCas9は、2つ以上の天然に存在するCas9由来の断片を含有する新規Cas9であってもよい。これらの方法は、あるCas9ホモログのN末端断片を別のCas9ホモログのC末端断片と融合することを含み得る。これらの方法はまた、キメラCas9タンパク質が示す新規特性の選択も可能にする。

0022

本方法において、生物が動物または植物である場合、改変はエキソビボまたはインビトロ、例えば細胞培養物で、場合によってはインビボではなく行われ得ることは理解されるであろう。他の実施形態では、改変はインビボで行われ得る。

0023

一態様において、本発明は、
A)−I.CRISPR−Cas系RNAポリヌクレオチド配列、場合によりキメラRNA(chiRNA)ポリヌクレオチド配列であって、
(a)真核細胞中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列、
(b)tracrメイト配列、および
(c)tracr配列
を含むポリヌクレオチド配列、および
II.少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むCRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列
[(a)、(b)および(c)は、5’から3’配向で配置されており、
転写されるとtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、かつガイド配列が標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、および
CRISPR複合体が、(1)標的配列にハイブリダイズするガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、かつCRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAである]、
または
(B)I.ポリヌクレオチドであって、
(a)真核細胞中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列、および
(b)少なくとも1つ以上のtracrメイト配列
を含むポリヌクレオチド、
II.CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列、および
III.tracr配列を含むポリヌクレオチド配列
[転写されるとtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、かつガイド配列が標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、および
CRISPR複合体が、(1)標的配列にハイブリダイズするガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、およびCRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAである]
を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達することを含む目的ゲノム遺伝子座における標的配列の操作により生物または非ヒト生物を改変する方法を提供する。

0024

以下は、本発明の全ての態様に等しく適用される。標的配列は、最も好ましくは分裂終了細胞標的配列である。本明細書で肝臓について記載がある場合、それは一般に分裂終了細胞、特に腎細胞または脳細胞への言及であることが理解されるであろう。分裂終了細胞は以下の器官のいずれか一つにあるかまたはそれに由来してもよく(すなわちその細胞または細胞型の供給源であってもよく)、あるいは以下の細胞を含むオルガノイドまたはエキソビボモデルまたは細胞集合であってもよい:
腎臓、例えば糸球体細胞;
消化器系、例えば膵臓十二指腸回腸および/または結腸
心臓

脳、詳細にはニューロン、および/または一般にCNS
眼、例えば網膜組織
、例えば内耳
皮膚;
筋肉
骨;および/または
一般に肝臓、しかしながらこれは別の出願の主題でもあるため、一部の実施形態では除外される。

0025

脳および腎臓が特に好ましい。一部の実施形態では、細胞は脳細胞、例えばニューロンである。一部の実施形態では、細胞は腎細胞である。

0026

好ましい腎細胞としては、以下の中の任意の1つ以上が挙げられる:
腎糸球体壁細胞
・ 腎糸球体タコ足細胞;
近位尿細管刷子縁細胞;
・ ヘンレ係締の細い部分の細胞;
・ 太い上行脚細胞;
・ 腎遠位尿細管細胞;
・ 腎集合管細胞;および
・ 腎間質細胞

0027

腎臓標的の好ましい例(exaples)を、以下の腎臓と題される節にある表、ならびに表Bに提供する。これらの標的中の任意の1つ以上が好ましい。実施例1および18もまた腎細胞を対象とし(分裂終了細胞ではない幹細胞(stem cels)ではあるが)、しかしながら送達の教示が適用され得る。

0028

一部の特に好ましい実施形態において、操作は細胞における表現型の変化を引き起こす。

0029

一部の実施形態では、表現型の変化はインビボで細胞において引き起こされ、またはそこで維持され得る。細胞はインビボで形質移入されるか、あるいは抽出されてエキソビボで形質移入された後、同じまたは異なる宿主に再び挿入(移植)し戻される。

0030

CRISPR酵素、および場合によりガイド配列の発現は、例えば、前記分裂終了細胞での酵素および任意選択のガイドの発現能を有する発現カセット内に含まれた、分裂終了細胞に特異的なプロモーターの制御下にあり得る。換言すれば、CRISPR酵素、および場合によりガイド配列は、分裂終了細胞に特異的な前記プロモーターに作動可能に結合している。AAVベクター系が、特に分裂終了細胞がニューロンである場合には、特に好ましい。

0031

CRISPR酵素用プロモーターおよび任意選択のガイド配列用プロモーターは同じであっても、または異なってもよい。

0032

以下もまた、本明細書に記載される任意の方法、使用または組成物に適用される。CRISPR−Cas系RNAはキメラRNA(chiRNA)であり得る。CRISPR−Cas系は、複数のキメラおよび/または複数の多ガイド配列と単一tracr配列とをさらに含む多重化CRISPR酵素系であり得る。CRISPR酵素は、標的配列の位置で両鎖の開裂を指向するヌクレアーゼであり得る。CRISPR酵素は1つ以上の突然変異を含み得る。CRISPR酵素は、1つ以上の突然変異D10A、E762A、H840A、N854A、N863AまたはD986Aを含み得る。1つ以上の突然変異はCRISPR酵素のRuvC1ドメインにあり得る。CRISPR酵素は、標的配列の位置で開裂を指向するニッカーゼであり得る。ニッカーゼは二重ニッカーゼであり得る。少なくとも2つ以上のNLSが好ましい。

0033

CRISPR酵素はII型、好ましくはCasおよび最も好ましくはCas9であり得る。CasまたはCas9(例えばCRISPR−CasまたはCRISR Cas9中の)への言及は、任意のCas、最も好ましくはCas9および特にSaまたはSp Cas9(DSB、ニッカーゼまたはデュアルニッカーゼ機能を提供するD10Aなどの全ての突然変異を包含する)であることは理解されるであろう。

0034

CRISPR酵素は触媒ドメインに1つ以上の突然変異を有してもよく、ここでは転写時にtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、かつガイド配列が、標的配列に対するCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、および酵素は機能ドメインをさらに含む。機能ドメインは転写活性化ドメインであり得る。転写活性化ドメインはVP64であってもよい。

0035

本方法は、
天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達するステップ
を含む、細胞の目的のゲノム遺伝子座におけるDNA二重鎖の逆鎖上にある第1および第2の標的配列の操作によってオフターゲット改変を最小限に抑えるステップをさらに含むことができ、組成物は、
I.CRISPR−Cas系キメラRNA(chiRNA)ポリヌクレオチド配列であって、
(a)第1の標的配列とのハイブリダイズ能を有する第1のガイド配列、
(b)第1のtracrメイト配列、
(c)第1のtracr配列、
(d)第2の標的配列とのハイブリダイズ能を有する第2のガイド配列、
(e)第2のtracrメイト配列、および
(f)第2のtracr配列
を含み、場合により、第1のtracr配列と第2のガイド配列との間にリンカー配列が存在することで第1のガイド配列と第2のガイド配列とがタンデムになっている、ポリヌクレオチド配列;および
II.少なくとも1つ以上の核局在化配列を含むCRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列であって、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)が5’から3’への方向に並び、ポリヌクレオチド配列が第1のtracr配列と第2のガイド配列との間にリンカー配列を含むことで第1のガイド配列と第2のガイド配列とがタンデムになっており、および転写時に第1および第2のtracrメイト配列がそれぞれ第1および第2のtracr配列にハイブリダイズし、かつ第1および第2のガイド配列が、それぞれ第1および第2の標的配列に対する第1および第2のCRISPR複合体の配列特異的結合を指向する、ポリヌクレオチド配列、
または
II.CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメントであって、成分IおよびIIが系の同じまたは異なるベクター上にあり、転写されると第1のtracrメイト配列が第1のtracr配列にハイブリダイズし、かつ第1および第2のガイド配列が、それぞれ第1および第2の標的配列に対する第1および第2のCRISPR複合体の配列特異的結合を指向する、第2の調節エレメント
を含み、
第1のCRISPR複合体は、(1)第1の標的配列にハイブリダイズする第1のガイド配列、および(2)第1のtracr配列にハイブリダイズする第1のtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、
第2のCRISPR複合体は、(1)第2の標的配列にハイブリダイズする第2のガイド配列、および(2)第2のtracr配列にハイブリダイズする第2のtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、
CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAであり、および
第1のガイド配列が第1の標的配列の近傍でDNA二重鎖の一方の鎖の開裂を指向し、かつ第2のガイド配列が第2の標的配列の近傍で他方の鎖の開裂を指向して二本鎖切断を誘導し、それによりオフターゲット改変を最小限に抑えることによって生物または非ヒト生物を改変する。

0036

一部の実施形態では、第2の選択肢の上記(B)が好ましい。しかしながら第1の選択肢(A)が特に好ましい。これは、2つの選択肢のCRISPR手法を特徴とする本発明の全ての態様に当てはまる

0037

本出願は、器官それ自体または器官内の組織または単純に1つの細胞もしくは分裂終了細胞、例えばニューロンのいずれであるかに関わらず、分裂終了細胞に関することは理解されるであろう。ニューロンおよび腎細胞が好ましい。分裂終了細胞は、脊椎動物内、患者(CRISPR指向遺伝子療法を必要としている動物という意味で)またはモデル生物のいずれかの中に含まれていてもよく、または細胞培養物、オルガノイド、もしくは例えば肝細胞足場播種して成長させる「オンチップ肝臓」のような他のエキソビボ組織にあってもよい。非移植器官から採取された肝細胞もまた、有用な標的である。3Dプリント技術の開発が生物学に適用されることに伴い、プリントされた組織が手の届く範囲にあり、オルガノイドの作成のためこのようにしてプリントされるかまたはチップ上にある肝細胞または組織もまた標的となり得ることが完全に実現可能である。肝臓以外の選択肢もまた、特に腎組織または他の分裂終了細胞/組織について想定される。

0038

従って、本CRISPR−Cas系が送達されている分裂終了細胞、例えばニューロンまたは腎細胞を含むモデル生物が提供される。同様に、本CRISPR−Cas系が送達されている分裂終了細胞、例えばニューロンまたは腎細胞の2つ以上のエキソビボ集合もまた提供される。かかる集合には、分裂終了器官、オルガノイド、足場に増殖する細胞(「オンチップ腎臓」)が含まれ得る。かかるモデルまたは集合の作成方法もまた提供される。

0039

詳細には、かかる分裂終了細胞は、Cas酵素の発現能を有するポリヌクレオチドを発現し得るか、またはそれを含み得る。本明細書で考察するとおり、これには、ノックダウンを含めた遺伝子摂動を通じて遺伝子機能を調べるための既製のモデルが提供されるという利点がある。これは特に、腎臓または脳など、本明細書で列挙するような分裂終了細胞の病態、ならびに肥満症などのより広義の病態を研究する際に有用である。

0040

分裂終了細胞の遺伝子機能を調べる方法もまた本明細書に提供される。これらの方法は、典型的には、CRISPR−Cas系をインビボあるいはエキソビボで分裂終了細胞に送達するステップを含む。しかしながら、タンパク質として発現しているか、それとも細胞内に既に含まれるポリヌクレオチドによってコードされるかに関わらず、Casが細胞に既に含まれる場合にはCRISPRポリヌクレオチドのみを送達すればよい。この方法は、分裂終了細胞から抽出すること、および場合により、分裂終了細胞に再び挿入し戻すことを含み得る。送達するとは、細胞の核に対するポリヌクレオチドの実際の物理的送達を意味するが、形質移入もまた意味される。従って、送達とは、特に明らかでない限り、形質移入もまた含むものとして読まれなければならない。

0041

また、1つ以上の分裂終了細胞に遺伝子摂動を誘導する方法も提供され、これは、第1の細胞集団に本発明に係るCRISPR−Cas系を形質導入するステップであって、それにより第1の細胞集団のゲノムを変化させて第2の細胞集団を得るステップを含む。この方法はエキソビボまたはインビトロ、例えば細胞培養であっても、またはエキソビボもしくはインビトロモデル(オルガノイドまたは「オンチップ分裂終了細胞」など)であってもよい。あるいは、この方法はインビボであってもよく、その場合、方法はまた、対象から第1の細胞集団を単離するステップ、および第2の細胞集団を対象に移植する(移植し戻す)ステップも含み得る。遺伝子摂動は、1つ以上、または2つ以上、または3つ以上、または4つ以上の遺伝子に対してであってもよい。遺伝子摂動は、遺伝子機能(すなわちコードされる遺伝子産物の活性)の低下であり得る。これは、例えば、第1の細胞集団のゲノムを変化させて第2の細胞集団を得ることによって誘導してもよく、ここで第2の細胞集団は、第1の細胞集団には存在しない単一遺伝子病態などの欠陥遺伝子型を有する。これは、本明細書で考察するとおりの、欠陥配列を提供する対応する修復テンプレートを必要とし得るか、またはDSBの誘導を介し得る。詳細には、遺伝子摂動は遺伝子ノックダウンである。一部の実施形態では、分裂終了細胞は、最も好ましくは腎細胞または脳(ニューロン)細胞または肝細胞、例えば初代肝細胞である。

0042

あるいは、遺伝子摂動は、遺伝子機能(すなわちコードされる遺伝子産物の活性)の増加であり得る。これは、例えば、第1の細胞集団のゲノムを変化させて第2の細胞集団を得ることによって誘導してもよく、ここで第1の細胞集団は、第2の細胞集団には存在しない(すなわちそこでは補修されている)単一遺伝子病態などの欠陥遺伝子型を有する。これは、本明細書で考察するとおりの、補修された配列を提供する対応する修復テンプレートを必要とし得る。

0043

多重化が用いられる場合、1つ以上の遺伝子の減少と1つ以上の遺伝子の増加との混合が想定される。これは、ガイドの1つ以上を(多重体において)提供することによって達成でき、対応する修復テンプレートを使用して機能を低下させ得る一方、ガイドの1つ以上およびそれらの対応するテンプレートを使用して機能を増加させ得る。

0044

また、1つ以上の分裂終了細胞における1つ以上の遺伝子の機能を調べる方法も提供され、この方法は、第1の分裂終了細胞集団中の1つ以上の遺伝子の発現の変化を決定するステップと、前記第1の集団において前記遺伝子摂動を誘導するステップであって、それにより変化したゲノム(または遺伝子型)を有する前記第2の集団を提供するステップと、第2の分裂終了細胞集団中の1つ以上の遺伝子の発現の変化を決定するステップであって、それにより1つ以上の遺伝子の機能を調べるステップとを含む。一部の実施形態では、分裂終了細胞は、最も好ましくは腎細胞または脳(ニューロン)細胞または肝細胞、例えば初代肝細胞である。

0045

また、モデルおよび前記モデルの作成方法も提供される。モデルは、本明細書に記載されるとおり、分裂終了細胞を含む動物(インビボモデル)であってもよく、またはエキソビボもしくはインビトロモデル、例えば有糸分裂後のオルガノイドまたは「オンチップ分裂終了細胞」もしくは足場上にある等の分裂終了細胞の集合であってもよい。いずれのモデルの分裂終了細胞も、好ましくはCas9が形質移入され得る。従って、特に、CRISPR酵素、好ましくはSaまたはSpCas9などのCas9を含む1つ以上の分裂終了細胞を含むモデルが提供される。モデル細胞には、本明細書に提供される第2の調節エレメント(これは、少なくとも(at list)1つ以上の核局在化配列(NLS)を含むCRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメントである)が形質移入または形質導入されていてもよい。モデルは、上記に記載したとおり、インビボモデルであってもよく、またはエキソビボもしくはインビトロモデルであってもよい。かかるモデルは1つ以上の遺伝子の機能を迅速に調べることが可能であり、なぜなら前記遺伝子の機能に摂動を与えるために、CRISPR−Cas系ポリヌクレオチド配列(前記1つ以上の遺伝子をターゲティングする1つ以上のガイド配列を含む)を送達するだけでよいためである。換言すれば、かかるモデルで遺伝子機能を調べる方法は、CRISPR−Cas系ポリヌクレオチド配列(1つ以上のガイド配列を含む)の送達のみを含むことができ、Cas(CRISPR酵素)はモデルの細胞に予め提供されている。かかるモデルの作成方法もまた提供され、この方法は、第1の分裂終了細胞集団中の1つ以上の分裂終了細胞に、本明細書に記載されるとおりの少なくとも(at list)1つ以上の核局在化配列(NLS)を含むCRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメントを形質導入または形質移入するステップであって、それによりCRISPR酵素を含むか、またはそれを発現する1つ以上の第2の分裂終了細胞集団を提供するステップを含む。一部の実施形態では、分裂終了細胞は、最も好ましくは腎細胞または脳(ニューロン)細胞または肝細胞、例えば初代肝細胞である。

0046

遺伝子が摂動を受けるモデル、詳細には遺伝子ノックダウンモデルの作成方法もまた提供される。このような方法は、典型的には、本明細書に記載されるとおりの、第1の細胞集団中の1つ以上の遺伝子に遺伝子摂動を誘導するステップであって、それにより変化したゲノム(または遺伝子型)を有する第2の細胞集団を提供するステップを含み得る。次に第2の細胞集団が足場内またはチップ上に播種され、例えばそれによりエキソビボまたはインビトロモデルが提供され得る。あるいは、第2の集団はインビボ動物体内に含まれていてもよい。

0047

遺伝子療法の方法もまた想定される。例えば、本明細書で考察される分裂終了細胞(モデルを含む)において本CRISPR−Cas系を使用することによって、1つ以上の欠損遺伝子型(例えば単一点突然変異)の補修を達成することができる。分裂終了細胞に関連する単一遺伝子病態が特に好ましく、本明細書に例示されており、実施例36を参照されたく、ここではCRISPR−Cas9系標的は脂質代謝遺伝子ApoBであり、インビボで表現型の変化を誘導するのに有効であった。実施例38もまた、本系を形質導入したマウスの脳においてインビボで認められる表現型行動変化に関して示唆的である。遺伝子療法で使用される組成物もまた提供される。

0048

様々なCas酵素が想定されるが、Cas9が特に好ましく、本発明者らはSaCa9が肝臓において特に有効であることを明らかにしている。Cas酵素がSa Cas酵素である場合、Sa由来のtracr配列もまた好ましい。かかる状況で好適なPAMは、NNRRである。

0049

1つのガイドを使用し得るが、2つ、3つ、4つまたはそれ以上のガイドによるいわゆる多重化が、遺伝子機能の研究およびモデル作成(それによる複数の遺伝子ノックダウンの提供)に特に有用であり、しかしながら複数の欠陥遺伝子型(単一遺伝子中の複数のエラーか、あるいはより高い可能性としては、いくつかの遺伝子にわたって散在する複数のエラー)が補修されるべき遺伝子療法においてもまた有用である。あるいは、オフターゲット効果を低減するためのデュアルニッカーゼ手法または単純にCas動員を確実にするための1つの遺伝子内の複数の標的の選択において、2つのガイドによる多重化が有用である。三重および四重ガイドが好ましい。本明細書における遺伝子はゲノム遺伝子座と同義的に言及される。

0050

この点で、本明細書に記載されるイントロン手法もまた有用であり、ここではガイドがCasイントロン内に位置する。

0051

好ましい送達手段としては、特にガイドのみを送達するべきであるか、またはガイドを単独で送達するべきである場合に、LNPなど、以下のKanastyにより記載される方法が挙げられる。しかしながら、肝臓にはレンチウイルスおよびAAVを含むウイルスベクターが、これらは今日に至るまで成功していることから概して好ましい。これらの中ではAAV、特に血清型8型が好ましく、AAV2/8は有効であることが示されている。一部の好ましい標的は、それが腎臓に存在するか、または腎臓の病態である限りにおいて、以下のいずれか一つのような代謝疾患である:アミロイドニューロパチーTTR、PALB);アミロイドーシスAPOA1、APP、AAA、CVAP、AD1、GSN、FGA、LYZ、TTR、PALB);硬変(KRT18、KRT8、CIRH1A、NAIC、TEX292、KIAA1988);嚢胞性線維症(CFTR、ABCC7、CF、MRP7);糖原病(SLC2A2、GLUT2、G6PC、G6PT、G6PT1、GAA、LAMP2、LAMPB、AGL、GDE、GBE1、GYS2、PYGL、PFKM);肝細胞腺腫、142330(TCF1、HNF1A、MODY3)、肝不全早期発症型、および神経障害(SCOD1、SCO1)、肝性リパーゼ欠損症(LIPC)、肝芽腫、癌および癌腫(CTNNB1、PDGFRL、PDGRL、PRLTS、AXIN1、AXIN、CTNNB1、TP53、P53、LFS1、IGF2R、MPRI、MET、CASP8、MCH5;腎髄質嚢胞症(UMOD、HNFJ、FJHN、MCKD2、ADMCKD2);フェニルケトン尿症(PAHPKU1、QDPR、DHPR、PTS);多嚢胞腎および肝疾患(FCYT、PKHD1、ARPKD、PKD1、PKD2、PKD4、PKDTS、PRKCSH、G19P1、PCLD、SEC63)。他の好ましい(preffered)標的としては、以下のうちの任意の1つ以上が挙げられる:PCSK9、HMGCR、APOB、LDLR、ANGPTL3、F8、F9/FIX、AAT、FAH、HPD、TATATP7B、UGT1A1、OTC、ARH。

0052

分裂終了細胞の発現を変化させる方法には、生殖細胞系列の改変は含まれず、これは倫理的見地から排除され得ることが理解されるであろう。実際、一部の実施形態では幹細胞の形質移入が想定され、確かに好ましいが、特に何らかの再生を示し得るか、またはそれを示すように刺激され得る場合には、ニューロンまたは腎細胞が特に好ましい。

0053

II型CRISPRは、特にここでの場合のように、肝臓が真核生物、特に脊椎動物のみに認められる場合には、いずれの場合にも、真核生物での使用に特に好ましい。

0054

CRISPR−Cas系を使用して表現型の変化を引き起こすことは、とりわけインビボで、特に有利である。本発明者らは本出願においてこれを示している。

0055

治療上の適用が想定される場合、または分裂終了細胞における他のゲノムエンジニアリングについて、次に補修が必要である場合、ゲノムDNA標的の以下のニッキングまたは開裂、次にHDR経路を通じた補修が好ましいことは理解されるであろう。遺伝子ノックダウンにはNHEJが有利であるが、しかしながら治療には、HDR経路を通じた補修が好ましい。このような状況では、修復テンプレートを送達することが好ましい。これは、最も好ましくはssDNAであるが、レトロウイルスベクターを介したRNAによる対応するDNAテンプレートの提供もまた可能である。当業者は、当該技術分野の知識に寄与する本明細書の教示から本発明を容易に実施することができ;およびこの点で、当業者は、当該技術分野の知識に寄与する本明細書の教示から、相同アーム長さに関して考慮事項を容易に理解および実現できることが言及される。本明細書に引用されるものを含め、本明細書の発明者Zhangを含む特許出願および刊行物が挙げられる。修復テンプレートは、好ましくはCRISPR−Cas系の1つ以上のエレメントと同時送達される。

0056

また、少なくとも1つの分裂終了細胞遺伝子産物の発現を変化させる方法も提供され、この方法は、標的配列を有し、かつ遺伝子産物をコードするDNA分子を含有して発現する真核生物肝細胞、例えば肝実質細胞に、
a)真核細胞において作動可能な、標的配列とハイブリダイズするCRISPR−Cas系ガイドRNAをコードするヌクレオチド配列に作動可能に結合している第1の調節エレメント、および
b)真核細胞において作動可能な、II型Cas9タンパク質をコードするヌクレオチド配列に作動可能に結合している第2の調節エレメント
[成分(a)および(b)は系の同じまたは異なるベクター上にあり、それによりガイドRNAが標的配列を標的にし、かつCas9タンパク質がDNA分子を開裂させ、それにより少なくとも1つの分裂終了細胞遺伝子産物の発現が変化し;および、Cas9タンパク質とガイドRNAとは天然では一緒に存在しない]
を含む1つ以上のベクターを含むエンジニアリングされた天然に存在しないクラスター化等間隔短鎖回分リピート(CRISPR)−CRISPR関連(Cas)(CRISPR−Cas)系を導入するステップを含む。

0057

以下での標的への言及は、特に明らかでない限り、分裂終了細胞標的または本来分裂終了細胞で発現する遺伝子であることが理解されるであろう。

0058

CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列、ガイド配列、tracrメイト配列またはtracr配列の一部または全部がRNAであってもよい。CRISPR酵素をコードする配列、ガイド配列、tracrメイト配列またはtracr配列をコードするポリヌクレオチドはRNAであってもよく、リポソームナノ粒子エキソソーム微小胞、または遺伝子銃によって送達されてもよい。

0059

RNAであり、かつtracrメイト配列などの特徴を「含む」と言われるポリヌクレオチドが参照される場合、RNA配列がその特徴を含むことは理解されるであろう。ポリヌクレオチドがDNAであり、かつtracrメイト配列などの特徴を含むと言われる場合、DNA配列は、問題となるその特徴を含むRNAに転写されまたは転写されることができる。特徴がCRISPR酵素などのタンパク質である場合、参照されるDNAまたはRNA配列は(DNAの場合には初めに転写されてから)翻訳され、または翻訳されることができる。

0060

従って、特定の実施形態では本発明は、組成物を発現させるためその組成物を作動可能にコードする1つ以上のウイルスまたはプラスミドベクターを含むウイルスまたはプラスミドベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達することを含む目的ゲノム遺伝子座における標的配列の操作により、ヒトを含む生物、例えば哺乳動物または非ヒト哺乳動物もしくは生物の分裂終了細胞を改変する方法を提供し、ここで組成物は以下を含む:(A)I.CRISPR−Cas系キメラRNA(chiRNA)ポリヌクレオチド配列であって、(a)真核細胞中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列、(b)tracrメイト配列、および(c)tracr配列を含むポリヌクレオチド配列に作動可能に結合している第1の調節エレメント、およびII.少なくとも1つ以上の核局在化配列を含む(または場合により一部の実施形態のとおり少なくとも1つ以上の核局在化配列がNLSを含まなくてもよい)CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメント[(a)、(b)および(c)は、5’から3’配向で配置されており、成分IおよびIIは、系の同じまたは異なるベクター上にあり、転写されるとtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、かつガイド配列が標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、およびCRISPR複合体が、(1)標的配列にハイブリダイズするガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含む]を含む1つ以上のベクターを含むベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物、または(B)I.(a)真核細胞中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列、および(b)少なくとも1つ以上のtracrメイト配列に作動可能に結合している第1の調節エレメント、II.CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメント、およびIII.tracr配列に作動可能に結合している第3の調節エレメント[成分I、IIおよびIIIは系の同じまたは異なるベクター上にあり、転写されるとtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、かつガイド配列が標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、およびCRISPR複合体が、(1)標的配列にハイブリダイズするガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含む]を含む1つ以上のベクターを含むベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物。一部の実施形態では、成分I、IIおよびIIIは同じベクター上にある。他の実施形態では、成分IおよびIIが同じベクター上にあり、一方で成分IIIが別のベクター上にある。他の実施形態では、成分IおよびIIIが同じベクター上にあり、一方で成分IIが別のベクター上にある。他の実施形態では、成分IIおよびIIIが同じベクター上にあり、一方で成分Iが別のベクター上にある。他の実施形態では、成分I、IIおよびIIIの各々が異なるベクター上にある。本発明はまた、本明細書に記載されるとおりのウイルスまたはプラスミドベクター系も提供する。

0061

好ましくは、ベクターはレンチウイルスまたはバキュロウイルスまたは好ましくはアデノウイルスアデノ随伴ウイルスベクターなどのウイルスベクターであるが、他の送達手段が公知であり(酵母系、微小胞、遺伝子銃/ベクターを金ナノ粒子と結合させる手段など)、および提供される。一部の実施形態では、ウイルスまたはプラスミドベクターの1つ以上がリポソーム、ナノ粒子、エキソソーム、微小胞、または遺伝子銃によって送達され得る。

0062

標的配列の操作とは、本出願人らは標的配列の後成的操作も意味する。これは、標的配列のメチル化状態の改変(すなわちメチル化またはメチル化パターンまたはCpG島の付加または除去)、ヒストン改変、標的配列への接触可能性の増加または低減によるか、または三次元折り畳みの促進などによる、標的配列のクロマチン状態の操作であってもよい。

0063

目的ゲノム遺伝子座における標的配列の操作によりヒトを含む生物もしくは哺乳動物または非ヒト哺乳動物もしくは生物を改変する方法が参照される場合、これは生物(または哺乳動物)に全体として適用されても、または(その生物が多細胞生物である場合)当該の生物由来単一細胞もしくは細胞集団だけに適用されてもよいことは理解されるであろう。例えばヒトの場合、本出願人らは特に単一細胞または細胞集団を想定し、それらは好ましくはエキソビボで改変されて、次に再び導入され得る。この場合、生検または他の組織試料もしくは生体液試料が必要となり得る。これに関して幹細胞もまた特に好ましい。しかし、当然ながらインビボ実施形態もまた想定される。

0064

特定の実施形態では本発明は、目的ゲノム遺伝子座中の標的配列の異常により引き起こされる病態を治療または阻害が必要とされる対象(例えば哺乳動物またはヒト)または非ヒト対象(例えば哺乳動物)における目的ゲノム遺伝子座中の標的配列の異常により引き起こされる病態を治療または阻害する方法を提供し、この方法は、標的配列を操作することにより対象または非ヒト対象を改変することを含み、ここで病態は、組成物を発現させるためその組成物を作動可能にコードする1つ以上のAAVまたはレンチウイルスベクターを含むAAVまたはレンチウイルスベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達することを含む治療を提供することを含む標的配列の操作による治療または阻害に感受性があり、標的配列は発現時の組成物により操作され、組成物は以下を含む:(A)I.CRISPR−Cas系キメラRNA(chiRNA)ポリヌクレオチド配列であって、(a)真核細胞中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列、(b)tracrメイト配列、および(c)tracr配列を含むポリヌクレオチド配列に作動可能に結合している第1の調節エレメント、およびII.少なくとも1つ以上の核局在化配列を含む(または場合により一部の実施形態のとおり少なくとも1つ以上の核局在化配列がNLSを含まなくてもよい)CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメント[(a)、(b)および(c)は、5’から3’配向で配置されており、成分IおよびIIは、系の同じまたは異なるベクター上にあり、転写されるとtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、かつガイド配列が標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、およびCRISPR複合体が、(1)標的配列にハイブリダイズするガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含む]を含む1つ以上のベクターを含むベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物、または(B)I.(a)真核細胞中の標的配列にハイブリダイズし得るガイド配列、および(b)少なくとも1つ以上のtracrメイト配列に作動可能に結合している第1の調節エレメント、II.CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第2の調節エレメント、およびIII.tracr配列に作動可能に結合している第3の調節エレメント[成分I、IIおよびIIIは系の同じまたは異なるベクター上にあり、転写されるとtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、かつガイド配列が標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、およびCRISPR複合体が、(1)標的配列にハイブリダイズするガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含む]を含む1つ以上のベクターを含むベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物。一部の実施形態では、成分I、IIおよびIIIは同じベクター上にある。他の実施形態では、成分IおよびIIが同じベクター上にあり、一方で成分IIIが別のベクター上にある。他の実施形態では、成分IおよびIIIが同じベクター上にあり、一方で成分IIが別のベクター上にある。他の実施形態では、成分IIおよびIIIが同じベクター上にあり、一方で成分Iが別のベクター上にある。他の実施形態では、成分I、IIおよびIIIの各々が異なるベクター上にある。本発明はまた、本明細書に記載されるとおりのウイルス(例えばAAVまたはレンチウイルス)ベクター系も提供し、および本明細書に記載されるとおりのベクター系の一部であり得る。

0065

本発明の一部の方法は、発現を誘導するステップを含み得る。生物または対象は、真核生物(ヒトを含めた哺乳動物を含む)または非ヒト真核生物または非ヒト動物または非ヒト哺乳動物であり、但し、それは分裂終了細胞(例えば脳または腎臓)および対応する機能を有するものとする。一部の実施形態では、生物または対象は非ヒト動物であり、節足動物、例えば昆虫であってもよく、または線虫であってもよい。本発明の一部の方法において、生物または対象は哺乳動物または非ヒト哺乳動物である。非ヒト哺乳動物は、例えばげっ歯類(好ましくはマウスまたはラット)、有蹄類、または霊長類であってもよい。本発明の一部の方法において、ウイルスベクターはAAVまたはレンチウイルスであり、本明細書に記載されるとおりのベクター系の一部であり得る。本発明の一部の方法において、CRISPR酵素はCas9である。本発明の一部の方法において、ガイド配列の発現はT7プロモーターの制御下にあり、T7ポリメラーゼの発現によって駆動される。

0066

一部の実施形態における本発明は、CRISPR酵素を送達する方法を包含し、この方法は、CRISPR酵素をコードするmRNAを細胞に送達することを含む。これらの方法の一部においてCRISPR酵素はCas9である。

0067

本発明はまた、本発明のベクター系、詳細には本明細書に記載されるとおりのウイルスベクター系を調製する方法も提供する。一部の実施形態における本発明は、本発明のAAVを調製する方法を包含し、この方法は、AAVをコードする1つまたは複数の核酸分子を含有するまたはそれから本質的になる1つまたは複数のプラスミドをAAV感染細胞に形質移入すること、およびAAVの複製およびパッケージングに必須のAAV repおよび/またはcapを供給することを含む。一部の実施形態では、AAVの複製およびパッケージングに必須のAAV repおよび/またはcapは、細胞に1つまたは複数のヘルパープラスミドまたは1つまたは複数のヘルパーウイルスを形質移入することにより供給される。一部の実施形態ではヘルパーウイルスはポックスウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルスまたはバキュロウイルスである。一部の実施形態ではポックスウイルスはワクシニアウイルスである。一部の実施形態では細胞は哺乳類細胞である。および一部の実施形態では細胞は昆虫細胞であり、ヘルパーウイルスはバキュロウイルスである。他の実施形態では、ウイルスはレンチウイルスである。

0068

本発明は、医薬または治療において使用される本発明の組成物またはそのCRISPR酵素(それに加えてまたは代えてCRISPR酵素をコードするmRNA)をさらに包含する。一部の実施形態では本発明は、本発明に係る方法において使用される本発明に係る組成物またはそのCRISPR酵素(それに加えてまたは代えてCRISPR酵素をコードするmRNA)を包含する。一部の実施形態では本発明は、エキソビボ遺伝子またはゲノム編集における本発明の組成物またはそのCRISPR酵素(それに加えてまたは代えてCRISPR酵素をコードするmRNA)の使用を提供する。特定の実施形態では本発明は、エキソビボ遺伝子またはゲノム編集用医薬の製造におけるまたは本発明に係る方法において使用される本発明の組成物またはそのCRISPR酵素(それに加えてまたは代えてCRISPR酵素をコードするmRNA)の使用を包含する。本発明は、一部の実施形態では、特にCas9が化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)または黄色ブドウ球菌(S.aureus)Cas9である(またはそれに由来する)場合に、5’−モチーフを含むPAM(プロトスペーサー隣接モチーフ)配列が標的配列の3’末端に隣接する本発明の組成物またはそのCRISPR酵素(それに加えてまたは代えてCRISPR酵素をコードするmRNA)を包含する。例えば、好適なPAMは、以下に記載するとおり、それぞれSpCas9またはSaCas9酵素(または誘導酵素)に対する5’−NRGまたは5’−NNGRR(式中Nは任意のヌクレオチドである)である。

0069

SpCas9またはSaCas9は、化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)または黄色ブドウ球菌(S.aureus)Cas9に由来するものまたはそれから得られるものであることは理解されるであろう。当然ながらそれは、本明細書に記載されるとおり、使用目的に合わせて野生型から突然変異しているか、または他の形で変化している。デュアルニッカーゼD10A突然変異体または変異体が、同じ染色体の異なる鎖上の対向する部位を指向する2つのオーバーラップガイドとの組み合わせでは特に、好ましい。

0070

本発明の態様(apects)は、CRISPR酵素、例えばCas9が媒介する遺伝子ターゲティングの特異性を改善すること、およびCRISPR酵素、例えばCas9によるオフターゲット改変の可能性を低減することを包含する。一部の実施形態における本発明は、以下を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達することを含む細胞の目的ゲノム遺伝子座におけるDNA二重鎖の逆鎖上にある第1および第2の標的配列の操作によってオフターゲット改変を最小限に抑えることにより生物または非ヒト生物を改変する方法を包含する:
I.第1のCRISPR−Cas系キメラRNA(chiRNA)ポリヌクレオチド配列、この第1のポリヌクレオチド配列は以下を含む:
(a)第1の標的配列にハイブリダイズし得る第1のガイド配列、
(b)第1のtracrメイト配列、および
(c)第1のtracr配列、
II.第2のCRISPR−Cas系chiRNAポリヌクレオチド配列、この第2のポリヌクレオチド配列は以下を含む:
(a)第2の標的配列にハイブリダイズし得る第2のガイド配列、
(b)第2のtracrメイト配列、および
(c)第2のtracr配列、および
III.少なくとも1つ以上の核局在化配列を含み、かつ1つ以上の突然変異を含むCRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列、ここで(a)、(b)および(c)は、5’から3’配向で配置されており、転写されると第1および第2のtracrメイト配列がそれぞれ第1および第2のtracr配列にハイブリダイズし、かつ第1および第2のガイド配列がそれぞれ第1および第2の標的配列への第1および第2のCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、第1のCRISPR複合体が、(1)第1の標的配列にハイブリダイズする第1のガイド配列、および(2)第1のtracr配列にハイブリダイズする第1のtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、第2のCRISPR複合体が、(1)第2の標的配列にハイブリダイズする第2のガイド配列、および(2)第2のtracr配列にハイブリダイズする第2のtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAであり、および第1のガイド配列が第1の標的配列の近傍でDNA二重鎖の一方の鎖の開裂を指向し、かつ第2のガイド配列が第2の標的配列の近傍で他方の鎖の開裂を指向して二本鎖切断を誘導し、従ってオフターゲット改変を最小限に抑えることにより生物または非ヒト生物を改変する。

0071

本発明の一部の方法において、CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列、第1および第2のガイド配列、第1および第2のtracrメイト配列または第1および第2のtracr配列の一部または全部がRNAである。本発明のさらなる実施形態において、CRISPR酵素をコードする配列、第1および第2のガイド配列、第1および第2のtracrメイト配列または第1および第2のtracr配列をコードするポリヌクレオチドはRNAであり、リポソーム、ナノ粒子、エキソソーム、微小胞、または遺伝子銃によって送達される。本発明の特定の実施形態では、第1および第2のtracrメイト配列は100%の同一性を共有し、および/または第1および第2のtracr配列は100%の同一性を共有する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、1つ以上のベクターを含むベクター系中に含まれ得る。本発明の好ましい実施形態においてCRISPR酵素はCas9酵素、例えばSpCas9である。本発明の態様においてCRISPR酵素は触媒ドメインに1つ以上の突然変異を含み、この1つ以上の突然変異は、D10A、E762A、H840A、N854A、N863AおよびD986Aからなる群から選択される。極めて好ましい実施形態においてCRISPR酵素はD10A突然変異を有する。好ましい実施形態において、第1のCRISPR酵素は、その酵素が相補鎖ニッキング酵素となるような1つ以上の突然変異を有し、第2のCRISPR酵素は、その酵素が非相補鎖ニッキング酵素となるような1つ以上の突然変異を有する。あるいは、第1の酵素が非相補鎖ニッキング酵素であってもよく、および第2の酵素が相補鎖ニッキング酵素であってもよい。

0072

本発明の好ましい方法において、第1のガイド配列が第1の標的配列の近傍でDNA二重鎖の一方の鎖の開裂を指向し、かつ第2のガイド配列が第2の標的配列の近傍で他方の鎖の開裂を指向することにより、5’オーバーハングが生じる。本発明の実施形態において5’オーバーハングは高々200塩基対、好ましくは高々100塩基対、またはより好ましくは高々50塩基対である。本発明の実施形態において5’オーバーハングは少なくとも26塩基対、好ましくは少なくとも30塩基対またはより好ましくは34〜50塩基対である。最も好ましくは、オーバーラップは5〜−1塩基対の間である。

0073

一部の実施形態における本発明は、以下を含む1つ以上のベクターを含むベクター系を含む天然に存在しないまたはエンジニアリングされた組成物を送達することを含む細胞の目的ゲノム遺伝子座におけるDNA二重鎖の逆鎖上にある第1および第2の標的配列の操作によってオフターゲット改変を最小限に抑えることにより生物または非ヒト生物を改変する方法を包含する
I.以下に作動可能に結合している第1の調節エレメント
(a)第1の標的配列にハイブリダイズし得る第1のガイド配列、および
(b)少なくとも1つ以上のtracrメイト配列、
II.以下に作動可能に結合している第2の調節エレメント
(a)第2の標的配列にハイブリダイズし得る第2のガイド配列、および
(b)少なくとも1つ以上のtracrメイト配列、
III.CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している第3の調節エレメント、および
IV.tracr配列に作動可能に結合している第4の調節エレメント、
ここで成分I、II、IIIおよびIVは系の同じまたは異なるベクター上にあり、転写されるとtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、第1および第2のガイド配列がそれぞれ第1および第2の標的配列への第1および第2のCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、第1のCRISPR複合体は、(1)第1の標的配列にハイブリダイズする第1のガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、第2のCRISPR複合体は、(1)第2の標的配列にハイブリダイズする第2のガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、CRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列がDNAまたはRNAであり、および第1のガイド配列が第1の標的配列の近傍でDNA二重鎖の一方の鎖の開裂を指向し、かつ第2のガイド配列が第2の標的配列の近傍で他方の鎖の開裂を指向して二本鎖切断を誘導し、従ってオフターゲット改変を最小限に抑えることにより生物または非ヒト生物を改変する。

0074

本発明はまた、本明細書に記載されるとおりのベクター系も提供する。本系は、1つ、2つ、3つまたは4つの異なるベクターを含み得る。従って成分I、II、IIIおよびIVは1つ、2つ、3つまたは4つの異なるベクター上にあってもよく、成分の可能な位置のあらゆる組み合わせが本明細書において想定され、例えば:成分I、II、IIIおよびIVが同じベクター上にあってもよく;成分I、II、IIIおよびIVが各々異なるベクター上にあってもよく;成分I、II、IIIおよびIVが全部で2つまたは3つの異なるベクター上にあってもよく、位置のあらゆる組み合わせが想定される等する。

0075

本発明の一部の方法においてCRISPR酵素をコードするポリヌクレオチド配列、第1および第2のガイド配列、第1および第2のtracrメイト配列または第1および第2のtracr配列の一部または全部がRNAである。本発明のさらなる実施形態において第1および第2のtracrメイト配列は100%の同一性を共有し、および/または第1および第2のtracr配列は100%の同一性を共有する。本発明の好ましい実施形態においてCRISPR酵素はCas9酵素、例えばSpCas9である。本発明の態様においてCRISPR酵素は触媒ドメインに1つ以上の突然変異を含み、この1つ以上の突然変異は、D10A、E762A、H840A、N854A、N863AおよびD986Aからなる群から選択される。極めて好ましい実施形態においてCRISPR酵素はD10A突然変異を有する。好ましい実施形態において、第1のCRISPR酵素は、その酵素が相補鎖ニッキング酵素となるような1つ以上の突然変異を有し、第2のCRISPR酵素は、その酵素が非相補鎖ニッキング酵素となるような1つ以上の突然変異を有する。あるいは第1の酵素が非相補鎖ニッキング酵素であってもよく、および第2の酵素が相補鎖ニッキング酵素であってもよい。本発明のさらなる実施形態において、ウイルスベクターの1つ以上はリポソーム、ナノ粒子、エキソソーム、微小胞、または遺伝子銃によって送達される。

0076

本発明の好ましい方法において、第1のガイド配列が第1の標的配列の近傍でDNA二重鎖の一方の鎖の開裂を指向し、かつ第2のガイド配列が第2の標的配列の近傍で他方の鎖の開裂を指向することにより、5’オーバーハングが生じる。本発明の実施形態において5’オーバーハングは高々200塩基対、好ましくは高々100塩基対、またはより好ましくは高々50塩基対である。本発明の実施形態において5’オーバーハングは少なくとも26塩基対、好ましくは少なくとも30塩基対またはより好ましくは34〜50塩基対である。

0077

一部の実施形態における本発明は、目的の遺伝子産物をコードする二本鎖DNA分子を含有してそれを発現する細胞に、1つ以上の突然変異を有するCasタンパク質と、DNA分子のそれぞれ第1の鎖および第2の鎖を標的にする2つのガイドRNAとを含むエンジニアリングされた天然に存在しないCRISPR−Cas系を導入することによってオフターゲット改変を最小限に抑えることにより目的ゲノム遺伝子座を改変する方法であって、それによりガイドRNAが、遺伝子産物をコードするDNA分子を標的にし、かつCasタンパク質が、遺伝子産物をコードするDNA分子の第1の鎖および第2の鎖の各々にニックを入れ、それにより遺伝子産物の発現が変化し;および、Casタンパク質と2つのガイドRNAとが天然で一緒に存在することはない、方法を包含する。

0078

本発明の好ましい方法において、Casタンパク質が、遺伝子産物をコードするDNA分子の第1の鎖および第2の鎖の各々にニックを入れることにより、5’オーバーハングが生じる。本発明の実施形態において5’オーバーハングは高々200塩基対、好ましくは高々100塩基対、またはより好ましくは高々50塩基対である。本発明の実施形態において5’オーバーハングは少なくとも26塩基対、好ましくは少なくとも30塩基対またはより好ましくは34〜50塩基対である。

0079

本発明の実施形態はまた、tracrメイト配列およびtracr配列に融合したガイド配列を含むガイドRNAも包含する。本発明の態様においてCasタンパク質は、真核細胞、好ましくは哺乳類細胞またはヒト細胞での発現にコドンが最適化される。本発明のさらなる実施形態においてCasタンパク質はII型CRISPR−Casタンパク質、例えばCas9タンパク質である。極めて好ましい実施形態においてCasタンパク質はCas9タンパク質、例えばSpCas9である。本発明の態様ではCasタンパク質は、D10A、E762A、H840A、N854A、N863AおよびD986Aからなる群から選択される1つ以上の突然変異を有する。極めて好ましい実施形態においてCasタンパク質はD10A突然変異を有する。

0080

本発明の態様は、遺伝子産物の発現を低下させること、または遺伝子産物をコードするDNA分子にテンプレートポリヌクレオチドがさらに導入されること、または2つの5’オーバーハングをリアニーリングおよびライゲートさせることにより介在配列が正確に切り出されること、または遺伝子産物の活性または機能を変化させること、または遺伝子産物の発現を増加させることに関する。本発明のある実施形態において、遺伝子産物はタンパク質である。

0081

本発明はまた、1つ以上の突然変異を有するCasタンパク質と、細胞中の遺伝子産物をコードする二本鎖DNA分子のそれぞれ第1の鎖および第2の鎖を標的にする2つのガイドRNAとを含むエンジニアリングされた天然に存在しないCRISPR−Cas系であって、それによりガイドRNAが、遺伝子産物をコードするDNA分子を標的にし、かつCasタンパク質が、遺伝子産物をコードするDNA分子の第1の鎖および第2の鎖の各々にニックを入れ、それにより遺伝子産物の発現が変化し;および、Casタンパク質と2つのガイドRNAとが天然で一緒に存在することはない、系も包含する。

0082

本発明の態様ではガイドRNAは、tracrメイト配列およびtracr配列に融合したガイド配列を含み得る。本発明のある実施形態においてCasタンパク質はII型CRISPR−Casタンパク質である。本発明の態様においてCasタンパク質は、真核細胞、好ましくは哺乳類細胞またはヒト細胞での発現にコドンが最適化される。本発明のさらなる実施形態においてCasタンパク質はII型CRISPR−Casタンパク質、例えばCas9タンパク質である。極めて好ましい実施形態においてCasタンパク質はCas9タンパク質、例えばSpCas9である。本発明の態様ではCasタンパク質は、D10A、E762A、H840A、N854A、N863AおよびD986Aからなる群から選択される1つ以上の突然変異を有する。極めて好ましい実施形態においてCasタンパク質はD10A突然変異を有する。

0083

本発明の態様は、遺伝子産物の発現を低下させること、または遺伝子産物をコードするDNA分子にテンプレートポリヌクレオチドがさらに導入されること、または2つの5’オーバーハングをリアニーリングおよびライゲートさせることにより介在配列が正確に切り出されること、または遺伝子産物の活性または機能を変化させること、または遺伝子産物の発現を増加させることに関する。本発明のある実施形態において、遺伝子産物はタンパク質である。

0084

本発明はまた、以下を含む1つ以上のベクターを含むエンジニアリングされた天然に存在しないベクター系も包含する:
a)遺伝子産物をコードする二本鎖DNA分子のそれぞれ第1の鎖および第2の鎖を標的にする2つのCRISPR−Cas系ガイドRNAの各々に作動可能に結合している第1の調節エレメント、
b)Casタンパク質に作動可能に結合している第2の調節エレメント
ここで成分(a)および(b)は系の同じまたは異なるベクター上にあり、それによりガイドRNAが、遺伝子産物をコードするDNA分子を標的にし、かつCasタンパク質が、遺伝子産物をコードするDNA分子の第1の鎖および第2の鎖の各々にニックを入れ、それにより遺伝子産物の発現が変化し;および、Casタンパク質と2つのガイドRNAとが天然で一緒に存在することはない。

0085

本発明の態様ではガイドRNAは、tracrメイト配列およびtracr配列に融合したガイド配列を含み得る。本発明のある実施形態においてCasタンパク質はII型CRISPR−Casタンパク質である。本発明の態様においてCasタンパク質は、真核細胞、好ましくは哺乳類細胞またはヒト細胞での発現にコドンが最適化される。本発明のさらなる実施形態においてCasタンパク質はII型CRISPR−Casタンパク質、例えばCas9タンパク質である。極めて好ましい実施形態においてCasタンパク質はCas9タンパク質、例えばSpCas9である。本発明の態様ではCasタンパク質は、D10A、E762A、H840A、N854A、N863AおよびD986Aからなる群から選択される1つ以上の突然変異を有する。極めて好ましい実施形態においてCasタンパク質はD10A突然変異を有する。

0086

本発明の態様は、遺伝子産物の発現を低下させること、または遺伝子産物をコードするDNA分子にテンプレートポリヌクレオチドがさらに導入されること、または2つの5’オーバーハングをリアニーリングおよびライゲートさせることにより介在配列が正確に切り出されること、または遺伝子産物の活性または機能を変化させること、または遺伝子産物の発現を増加させることに関する。本発明のある実施形態において、遺伝子産物はタンパク質である。本発明の好ましい実施形態において系のベクターはウイルスベクターである。さらなる実施形態において、系のベクターはリポソーム、ナノ粒子、エキソソーム、微小胞、または遺伝子銃によって送達される。

0087

一態様において、本発明は、分裂終了真核細胞中の標的ポリヌクレオチドを改変する方法を提供する。一部の実施形態において、方法は、CRISPR複合体を標的ポリヌクレオチドに結合させて前記標的ポリヌクレオチドの開裂を生じさせ、それにより標的ポリヌクレオチドを改変することを含み、CRISPR複合体は、前記標的ポリヌクレオチド内の標的配列にハイブリダイズされるガイド配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、前記ガイド配列は、次いでtracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列に結合している。一部の実施形態において、前記開裂は、前記CRISPR酵素により標的配列の局在における1つまたは2つの鎖を開裂することを含む。一部の実施形態において、前記開裂は、標的遺伝子の転写の減少をもたらす。一部の実施形態において、方法は、外因性テンプレートポリヌクレオチドとの相同組換えにより前記開裂標的ポリヌクレオチドを修復することをさらに含み、前記修復は、前記標的ポリヌクレオチドの1つ以上のヌクレオチドの挿入、欠失、または置換を含む突然変異をもたらす。一部の実施形態において、前記突然変異は、標的配列を含む遺伝子から発現されるタンパク質中の1つ以上のアミノ酸変化をもたらす。一部の実施形態において、方法は、1つ以上のベクターを前記真核細胞に送達することをさらに含み、1つ以上のベクターは、CRISPR酵素、tracrメイト配列に結合しているガイド配列、およびtracr配列の1つ以上の発現をドライブする。一部の実施形態において、前記ベクターを対象中の真核細胞中に送達する。一部の実施形態において、前記改変を、細胞培養物中の前記真核細胞中で行う。一部の実施形態において、方法は、前記改変前に前記真核細胞を対象から単離することをさらに含む。一部の実施形態において、方法は、前記真核細胞および/またはそれに由来する細胞を前記対象に戻すことをさらに含む。

0088

一態様において、本発明は、分裂終了真核細胞中のポリヌクレオチドの発現を改変する方法を提供する。一部の実施形態において、方法は、CRISPR複合体をポリヌクレオチドに結合させ、その結果、前記結合が前記ポリヌクレオチドの発現の増加または減少をもたらすことを含み;CRISPR複合体は、前記ポリヌクレオチド内の標的配列にハイブリダイズされるガイド配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、前記ガイド配列は、次いでtracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列に結合している。一部の実施形態において、方法は、1つ以上のベクターを前記真核細胞に送達することをさらに含み、1つ以上のベクターは、CRISPR酵素、tracrメイト配列に結合しているガイド配列、およびtracr配列の1つ以上の発現をドライブする。

0089

一態様において、本発明は、突然変異疾患遺伝子を含むモデル分裂終了真核細胞を生成する方法を提供する。一部の実施形態において、疾患遺伝子は、疾患を有し、または発症するリスクの増加に関連する任意の遺伝子である。一部の実施形態において、方法は、(a)1つ以上のベクターを真核細胞に導入すること(1つ以上のベクターは、CRISPR酵素、tracrメイト配列に結合しているガイド配列、およびtracr配列の1つ以上の発現をドライブする)および(b)CRISPR複合体を標的ポリヌクレオチドに結合させて前記疾患遺伝子内の標的ポリヌクレオチドの開裂を生じさせ(CRISPR複合体は、(1)標的ポリヌクレオチド内の標的配列にハイブリダイズされるガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズされるtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含む)、それにより、突然変異疾患遺伝子を含むモデル真核細胞を生成することを含む。一部の実施形態において、前記開裂は、前記CRISPR酵素により標的配列の局在における1つまたは2つの鎖を開裂することを含む。一部の実施形態において、前記開裂は、標的遺伝子の転写の減少をもたらす。一部の実施形態において、方法は、外因性テンプレートポリヌクレオチドとの相同組換えにより前記開裂標的ポリヌクレオチドを修復することをさらに含み、前記修復は、前記標的ポリヌクレオチドの1つ以上のヌクレオチドの挿入、欠失、または置換を含む突然変異をもたらす。一部の実施形態において、前記突然変異は、標的配列を含む遺伝子から発現されるタンパク質中の1つ以上のアミノ酸変化をもたらす。

0090

一態様において、本発明は、1つ以上の分裂終了細胞中の遺伝子中の1つ以上の突然変異を導入することにより1つ以上の細胞を選択する方法であって、1つ以上のベクターを細胞中に導入すること(1つ以上のベクターは、CRISPR酵素、tracrメイト配列に結合しているガイド配列、tracr配列、および編集テンプレートの1つ以上の発現をドライブし;編集テンプレートは、CRISPR酵素開裂を停止させる1つ以上の突然変異を含む);編集テンプレートと、選択すべき細胞中の標的ポリヌクレオチドとを相同組換えさせること;CRISPR複合体を標的ポリヌクレオチドに結合させて前記遺伝子内の標的ポリヌクレオチドの開裂を生じさせ(CRISPR複合体は、(1)標的ポリヌクレオチド内の標的配列にハイブリダイズされるガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズされるtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含み、標的ポリヌクレオチドへのCRISPR複合体の結合は、細胞死を誘導する)、それにより、1つ以上の突然変異が導入された1つ以上の原核細胞の選択を可能とすることを含む方法を提供する。好ましい実施形態において、CRISPR酵素は、Cas9である。本発明の態様により、選択マーカーカウンターセレクション系を含み得る2ステッププロセスも要求しない規定の細胞の選択が可能となる。

0091

一態様において、本発明は、分裂終了真核細胞における標的ポリヌクレオチドを改変する方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、CRISPR複合体を標的ポリヌクレオチドに結合させて前記標的ポリヌクレオチドの開裂を生じさせ、それにより標的ポリヌクレオチドを改変することを含み、ここでCRISPR複合体は、前記標的ポリヌクレオチド内の標的配列にハイブリダイズするガイド配列と複合体形成するCRISPR酵素を含み、前記ガイド配列がtracrメイト配列に結合し、次にはtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズする。

0092

他の実施形態では、本発明は、分裂終了真核細胞におけるポリヌクレオチドの発現を改変する方法を提供する。本方法は、そのポリヌクレオチドに結合するCRISPR複合体を使用して標的ポリヌクレオチドの発現を増加または低下させることを含む。

0093

望ましい場合、細胞における発現の改変を達成するため、tracr配列、tracrメイト配列に連結したガイド配列、CRISPR酵素をコードする配列を含む1つ以上のベクターが細胞に送達される。一部の方法では、1つ以上のベクターは、核局在化配列を含む前記CRISPR酵素をコードする酵素コード配列に作動可能に結合している調節エレメント;およびtracrメイト配列に作動可能に結合している調節エレメントおよびtracrメイト配列の上流にガイド配列を挿入するための1つ以上の挿入部位を含む。ガイド配列は発現すると、細胞中の標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向する。典型的には、CRISPR複合体は、(1)標的配列にハイブリダイズするガイド配列、および(2)tracr配列にハイブリダイズするtracrメイト配列と複合体形成しているCRISPR酵素を含む。

0094

一部の方法では、細胞における発現の改変を達成するため標的ポリヌクレオチドが不活性化され得る。例えば、細胞中の標的配列にCRISPR複合体が結合したとき、配列が転写されないか、コードされたタンパク質が産生されないか、または野生型配列が機能するとおりには配列が機能しないように標的ポリヌクレオチドが不活性化される。例えば、タンパク質が産生されないようにタンパク質またはマイクロRNAコード配列が不活性化され得る。

0095

特定の実施形態では、CRISPR酵素は、D10A、E762A、H840A、N854A、N863AまたはD986Aからなる群から選択される1つ以上の突然変異を含み、および/または1つ以上の突然変異はCRISPR酵素のRuvC1またはHNHドメインにあるか、または本明細書において考察されるとおりの他の形の突然変異である。一部の実施形態では、CRISPR酵素は触媒ドメインに1つ以上の突然変異を有し、転写されるとtracrメイト配列がtracr配列にハイブリダイズし、かつガイド配列が標的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を指向し、およびこの酵素は機能ドメインをさらに含む。一部の実施形態では、機能ドメインは転写活性化ドメイン、好ましくはVP64である。一部の実施形態では、機能ドメインは転写抑制ドメイン、好ましくはKRABである。一部の実施形態では、転写抑制ドメインはSID、またはSIDのコンカテマー(例えばSID4X)である。一部の実施形態では、機能ドメインは後成的改変ドメインであり、従って後成的改変酵素が提供される。一部の実施形態では、機能ドメインは活性化ドメインであり、これはP65活性化ドメインであってもよい。

0096

一部の実施形態では、CRISPR酵素はI型またはIII型CRISPR酵素であり、しかし好ましくはII型CRISPR酵素である。このII型CRISPR酵素は任意のCas酵素であってよい。Cas酵素は、II型CRISPR系の複数のヌクレアーゼドメインを有する最大のヌクレアーゼと相同性を共有する一般的な酵素クラスを指し得るとおりCas9と同定され得る。最も好ましくは、Cas9酵素はspCas9またはsaCas9由来であり、またはそれから誘導される。誘導されるとは、本出願人らは、その誘導された酵素が野生型酵素と高度な配列相同性を有するという意味では主に野生型酵素をベースとするが、しかしそれは本明細書に記載されるとおり何らかの形で突然変異している(改変されている)ものであることを意味する。

0097

用語CasおよびCRISPR酵素は、特に明らかでない限り、本明細書では概して同義的に使用されることが理解されるであろう。上述のとおり、本明細書で使用される残基の付番の多くは化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のII型CRISPR遺伝子座由来のCas9酵素を参照する。しかしながら、この発明が、SpCas9、SaCa9、St1Cas9など、他の微生物種由来のさらに多くのCas9を含むことは理解されるであろう。

0098

この場合にはヒトに最適化された(すなわちヒトでの発現に最適化されている)コドン最適化配列の例が本明細書に提供される(SaCas9ヒトコドン最適化配列を参照のこと)。これが好ましいが、他の例が可能であることが理解されるであろうとともに、宿主種に対するコドン最適化は公知である。

0099

好ましくは、送達はベクターの形態であり、ベクターはレンチウイルスまたはバキュロウイルスまたは好ましくはアデノウイルス/アデノ随伴ウイルスベクターなどのウイルスベクターであってもよいが、他の送達手段が公知であり(酵母系、微小胞、遺伝子銃/ベクターを金ナノ粒子と結合させる手段など)、および提供される。ベクターは、ウイルス系または酵母系(例えば、ここでは目的の核酸がプロモーターに作動可能に連結されかつその制御下に(発現の点で、最終的にプロセシングされたRNAを提供するなどのため)あり得る)を意味するのみならず、また宿主細胞への核酸の直接送達も意味する。本明細書における方法では、ベクターはウイルスベクターであってもよく、これは有利にはAAVであるが、レンチウイルスなど、本明細書で考察するとおりの他のウイルスベクターが用いられてもよい。例えば、昆虫細胞での発現にバキュロウイルスを用いることができる。これらの昆虫細胞は、次には本発明の送達に適しているAAVまたはレンチウイルスベクターなど、さらなるベクターを多量に産生するのに有用となり得る。また、CRISPR酵素をコードするmRNAを細胞に送達することを含む本CRISPR酵素の送達方法も想定される。特定の実施形態ではCRISPR酵素はトランケートされ、および/または1000個未満のアミノ酸もしくは4000個未満のアミノ酸を含み、および/またはヌクレアーゼまたはニッカーゼであり、および/またはコドンが最適化され、および/または1つ以上の突然変異を含み、および/またはキメラCRISPR酵素を含み、および/または本明細書で考察するとおりの他の任意選択要素を含むことは理解されるであろう。AAVおよびレンチウイルスベクターが好ましい。

0100

特定の実施形態では、CRISPR酵素、典型的にはCasおよび詳細にはCas9に好適なPAMが標的配列の3’末端に隣接しまたは後続する。

0101

例えば、好適なPAMは、それぞれSpCas9またはSaCas9酵素(または誘導酵素)に対する5’−NRGまたは5’−NNGRRである。

0102

SpCas9またはSaCas9は、化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)または黄色ブドウ球菌(S.aureus)Cas9由来のものであるかまたはそれから誘導されるものであることは理解されるであろう。

0103

従って、本出願人らが権利を留保し、かつ本明細書によって任意の以前に公知の産物、プロセス、または方法のディスクレーマー(disclaimer)を開示するようなこれまでに公知のいかなる産物、その産物の作製プロセス、またはその産物の使用方法も本発明の範囲内に包含しないことが、本発明の目的である。さらに、本発明は、本出願人らが権利を留保し、かつ本明細書によって任意の以前記載された産物、その産物の作製プロセス、またはその産物の使用方法のディスクレーマー(disclaimer)を開示するような、米国特許商標(USPTO)(米国特許法第112条第一段落)または欧州特許庁(EPO)(EPC第83条)の明細書の記載および実施可能要件を満たさないいかなる産物、その産物の作製プロセス、またはその産物の使用方法も本発明の範囲内に包含しないものと意図されることが注記される。

0104

本開示および特に特許請求の範囲および/または段落において、「含む(comprises)」、「含んだ(comprised)」、「含む(comprising)」などのような用語は、米国特許法に帰属する意味を有し得;例えば、それらは、「含む(includes)」、「含んだ(included)」、「含む(including)」などを意味し得;「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」および「本質的に〜からなる(consists essentially of)」のような用語は、米国特許法に帰属する意味を有し、例えば、それらは、明示的に記述されない構成要素を許容するが、先行技術に見出され、または本発明の基本もしくは新規特徴に影響する構成要素を排除することが留意される。

0105

これらのおよび他の実施形態は、以下の詳細な説明により開示され、またはそれから明らかであり、それにより包含される。

0106

本発明の新規特徴を、特に添付の特許請求の範囲を用いて記載する。本発明の特徴および利点のより良好な理解は、本発明の原理が利用される説明的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および付属の図面を参照することにより得られる。

図面の簡単な説明

0107

CRISPR系の模式的モデルを示す。化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)からのCas9ヌクレアーゼ(黄色)を、20ntガイド配列(青色)および足場(赤色)からなる合成ガイドRNA(sgRNA)によりゲノムDNAにターゲティングする。必要な5’−NGGプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM;マゼンタ)のすぐ上流のDNA標的(青色)とのガイド配列塩基対、およびCas9は、PAMの約3bp上流の二本鎖切断(DSB)(赤色三角)を媒介する。
例示的CRISPR系、考えられる作用機序、真核細胞中の発現の例示的適応、ならびに核局在化およびCRISPR活性を評価する試験の結果を示す。
例示的CRISPR系、考えられる作用機序、真核細胞中の発現の例示的適応、ならびに核局在化およびCRISPR活性を評価する試験の結果を示す。
例示的CRISPR系、考えられる作用機序、真核細胞中の発現の例示的適応、ならびに核局在化およびCRISPR活性を評価する試験の結果を示す。
例示的CRISPR系、考えられる作用機序、真核細胞中の発現の例示的適応、ならびに核局在化およびCRISPR活性を評価する試験の結果を示す。
例示的CRISPR系、考えられる作用機序、真核細胞中の発現の例示的適応、ならびに核局在化およびCRISPR活性を評価する試験の結果を示す。
例示的標的についてのSpCas9特異性の評価の結果を示す。
例示的ベクター系および真核細胞中の相同組換えの指向におけるその使用についての結果を示す。
例示的ベクター系および真核細胞中の相同組換えの指向におけるその使用についての結果を示す。
例示的ベクター系および真核細胞中の相同組換えの指向におけるその使用についての結果を示す。
例示的ベクター系および真核細胞中の相同組換えの指向におけるその使用についての結果を示す。
プロトスペーサー配列の表を提供し、ヒトおよびマウスゲノム中の遺伝子座に対して例示的化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)およびS.サーモフィラス(S.thermophilus)CRISPR系に基づき設計されたプロトスペーサー標的と対応するPAMについての改変効率結果をまとめる。細胞をCas9およびプレcrRNA/tracrRNAまたはキメラRNAのいずれかにより形質移入し、形質移入から72時間後に分析した。インデルパーセントは、示された細胞系からのSurveyorアッセイ結果に基づき算出した(全てのプロトスペーサー標的についてN=3、誤差は、標準誤差(S.E.M.)であり、N.D.は、Surveyorアッセイを使用して検出可能でないことを示し、N.T.は、本試験において試験しなかったことを示す)。
Cas9媒介遺伝子ターゲティングについての異なるtracrRNA転写物の比較を示す。
Cas9媒介遺伝子ターゲティングについての異なるtracrRNA転写物の比較を示す。
二本鎖切断により誘導された微小挿入および欠失の検出のためのsurveyorヌクレアーゼアッセイの模式図を示す。
真核細胞中のCRISPR系エレメントの発現のための例示的バイシストロニック発現ベクターを示す。
ヒトゲノム中の隣接する化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)SF370遺伝子座1PAM(NGG)(図9A)と、S.サーモフィラス(S.thermophilus)LMD9遺伝子座2PAM(NNAGAAW)(図9B)との間の距離のヒストグラム;ならびに染色体(Chr)単位のそれぞれのPAMについての距離(図9C)を示す。
例示的CRISPR系、真核細胞中の発現のための例示的適応、およびCRISPR活性を評価する試験の結果を示す。
例示的CRISPR系、真核細胞中の発現のための例示的適応、およびCRISPR活性を評価する試験の結果を示す。
哺乳動物細胞中のゲノム遺伝子座のターゲティングのためのCRISPR系の例示的操作を示す。
哺乳動物細胞中のcrRNAプロセシングのノザンブロット分析の結果を示す。
ヒトPVALBおよびマウスTh遺伝子座中のプロトスペーサーの例示的選択を示す。
ヒトEMX1遺伝子座中のS.サーモフィラス(S.thermophilus)CRISPR系の例示的プロトスペーサーおよび対応するPAM配列標的を示す。
Surveyor、RFLP、ゲノムシーケンシング、およびノザンブロットアッセイに使用されたプライマーおよびプローブについての配列の表を提供する。
キメラRNAを有するCRISPR系の例示的操作および真核細胞中の系活性についてのSURVEYORアッセイの結果を示す。
キメラRNAを有するCRISPR系の例示的操作および真核細胞中の系活性についてのSURVEYORアッセイの結果を示す。
キメラRNAを有するCRISPR系の例示的操作および真核細胞中の系活性についてのSURVEYORアッセイの結果を示す。
真核細胞中のCRISPR系活性についてのSURVEYORアッセイの結果のグラフ表示を示す。
UCSCゲノムブラウザを使用するヒトゲノム中のいくつかの化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)Cas9標的部位の例示的可視化を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の円形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の円形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の円形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の円形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の線形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の線形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の線形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の線形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の線形表示を示す。
大型Cas9(約1400アミノ酸)の3つの群および小型Cas9(約1100アミノ酸)の2つの群を含むCas9の5つの科を明らかにする系統発生分析の線形表示を示す。
相同組換えを介するゲノム編集を示す。(a)RuvC I触媒ドメイン中のD10A突然変異を有するSpCas9ニッカーゼの模式図。(b)センスまたはアンチセンス一本鎖オリゴヌクレオチドのいずれかを修復テンプレートとして使用するヒトEMX1遺伝子座における相同組換え(HR)を表す模式図。上方の赤色矢印は、sgRNA開裂部位を示し;ゲノタイピングのためのPCRプライマー(表JおよびK)を右側パネルに矢印として示す。(c)HRにより改変された領域の配列。d、EMX標的1遺伝子座における野生型(wt)およびニッカーゼ(D10A)SpCas9媒介インデルについてのSURVEYORアッセイ(n=3)。矢印は、予測断片サイズの位置を示す。
相同組換えを介するゲノム編集を示す。(a)RuvC I触媒ドメイン中のD10A突然変異を有するSpCas9ニッカーゼの模式図。(b)センスまたはアンチセンス一本鎖オリゴヌクレオチドのいずれかを修復テンプレートとして使用するヒトEMX1遺伝子座における相同組換え(HR)を表す模式図。上方の赤色矢印は、sgRNA開裂部位を示し;ゲノタイピングのためのPCRプライマー(表JおよびK)を右側パネルに矢印として示す。(c)HRにより改変された領域の配列。d、EMX標的1遺伝子座における野生型(wt)およびニッカーゼ(D10A)SpCas9媒介インデルについてのSURVEYORアッセイ(n=3)。矢印は、予測断片サイズの位置を示す。
相同組換えを介するゲノム編集を示す。(a)RuvC I触媒ドメイン中のD10A突然変異を有するSpCas9ニッカーゼの模式図。(b)センスまたはアンチセンス一本鎖オリゴヌクレオチドのいずれかを修復テンプレートとして使用するヒトEMX1遺伝子座における相同組換え(HR)を表す模式図。上方の赤色矢印は、sgRNA開裂部位を示し;ゲノタイピングのためのPCRプライマー(表JおよびK)を右側パネルに矢印として示す。(c)HRにより改変された領域の配列。d、EMX標的1遺伝子座における野生型(wt)およびニッカーゼ(D10A)SpCas9媒介インデルについてのSURVEYORアッセイ(n=3)。矢印は、予測断片サイズの位置を示す。
相同組換えを介するゲノム編集を示す。(a)RuvC I触媒ドメイン中のD10A突然変異を有するSpCas9ニッカーゼの模式図。(b)センスまたはアンチセンス一本鎖オリゴヌクレオチドのいずれかを修復テンプレートとして使用するヒトEMX1遺伝子座における相同組換え(HR)を表す模式図。上方の赤色矢印は、sgRNA開裂部位を示し;ゲノタイピングのためのPCRプライマー(表JおよびK)を右側パネルに矢印として示す。(c)HRにより改変された領域の配列。d、EMX標的1遺伝子座における野生型(wt)およびニッカーゼ(D10A)SpCas9媒介インデルについてのSURVEYORアッセイ(n=3)。矢印は、予測断片サイズの位置を示す。
SpCas9のための単一ベクター設計を示す。
SpCas9のための単一ベクター設計を示す。
Cas9オルソログの長さ分布を表すグラフを示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
図24A図24Mは、突然変異点がSpCas9遺伝子内に位置する配列を示す。
条件的Cas9、Rosa26ターゲティングベクターマップを示す。
構成的Cas9、Rosa26ターゲティングベクターマップを示す。
構成的および条件的Cas9構築物における重要なエレメントの略図を示す。
送達およびインビボマウス脳Cas9発現データを示す。
細胞へのCas9およびキメラRNAのRNA送達を示す(A)ニューロ2A細胞へのDNAまたはmRNAのいずれかとしてのGFPレポーターの送達。(B)Cas9およびキメラRNAをRNAとしてIcam2遺伝子に対して送達すると、試験した2つのスペーサーのうちの一方に開裂が生じる。(C)Cas9およびキメラRNAをRNAとしてF7遺伝子に対して送達すると、試験した2つのスペーサーのうちの一方に開裂が生じる。
DNA二本鎖切断(DSB)修復が遺伝子編集をいかに促進するかを示す。エラープローン非相同末端結合(NHEJ)経路において、DSBの末端は内因性DNA修復機構によりプロセシングされ、一緒に再結合し、このことは接合部位におけるランダム挿入/欠失(インデル)突然変異をもたらし得る。遺伝子のコード領域内で生じるインデル突然変異は、フレームシフトおよび早期終止コドンをもたらし得、遺伝子ノックアウトをもたらす。あるいは、プラスミドまたは一本鎖オリゴデオキシヌクレオチド(ssODN)の形態の修復テンプレートを供給して高いフィデリティおよび正確な編集を可能とする相同性組換え修復(HDR)経路を活用することができる。
図30A〜図30Cは、HEKおよびHUES9細胞でのHDRについて予想される結果を示す。(a)相同性アームを有するターゲティングプラスミドまたはssODN(センスまたはアンチセンス)のいずれかを使用して、Cas9により開裂される標的ゲノム遺伝子座(赤色の三角形)で配列を編集することができる。HDRの効率をアッセイするため、本発明者らは標的遺伝子座にHindIII部位(赤色のバー)を導入し、これを、相同性領域外にアニールするプライマーでPCR増幅した。HindIIIでPCR産物を消化すると、HDRイベントの発生が明らかになる。(b)目的の遺伝子座に対してセンス方向またはアンチセンス方向(sまたはa)のいずれかに向くssODNをCas9と組み合わせて使用することにより、標的遺伝子座における効率的なHDR媒介性編集を実現することができる。改変の両側に40bp、および好ましくは90bpの最小相同性領域推奨される(赤色のバー)。(c)野生型Cas9およびCas9ニッカーゼ(D10A)の両方を使用して、EMX1遺伝子座におけるHDRに対してssODNが及ぼす効果の例が示される。各ssODNは、2つの制限部位の12bpの挿入が隣接する90bpの相同性アームを含む。
図31A〜図31Cは、嚢胞性線維症ΔF508突然変異の修復戦略を示す。
図32A〜図32B(a)は、FXNイントロン1におけるGAAリピート伸長の略図を示し、(b)は、CRISPR/Cas系を使用したGAA伸長領域の切り出しに用いられる戦略の略図を示す。
Tet1〜3およびDnmt1、3aおよび3b遺伝子座の効率的なSpCas9媒介性ターゲティングのスクリーニングを示す。形質移入したN2A細胞のDNAに関するSurveyorアッセイにより、種々のgRNAを使用することによる効率的なDNA開裂を実証する。
AAV1/2送達系における2ベクター系を使用した多重ゲノムターゲティング戦略を示す。Tet1−3およびDnmt1、3aおよび3b gRNAはU6プロモーターの制御下にある。GFP−KASHはヒトシナプシンプロモーターの制御下にある。制限酵素部位が、サブクローニングによる単純なgRNA置換戦略を示す。2つの核局在化シグナル(NLS)が隣接するHAタグ標識SpCas9が示される。両方のベクターとも、1:1比でAAV1/2ウイルスによって脳に送達される。
Surveyorアッセイを用いた多重DNMTターゲティングベクター#1の機能検証を示す。DNMT遺伝子ファミリー遺伝子座のSpCas9媒介性開裂を試験するため、N2A細胞にDNMTターゲティングベクター#1(+)およびSpCas9コードベクターを同時形質移入した。gRNAのみ(−)が陰性対照である。形質移入後48時間でDNA精製および下流処理のため細胞を回収した。
Surveyorアッセイを用いた多重DNMTターゲティングベクター#2の機能検証を示す。DNMT遺伝子ファミリー遺伝子座のSpCas9媒介性開裂を試験するため、N2A細胞にDNMTターゲティングベクター#1(+)およびSpCas9コードベクターを同時形質移入した。gRNAのみ(−)が陰性対照である。形質移入後48時間でDNA精製および下流処理のため細胞を回収した。
インビボでのHA−SpCas9発現に使用される短いプロモーターおよび短いポリバージョンの概略図を示す。L−ITRからR−ITRまでのコード領域のサイズを右側に示す。
インビボでのHA−SaCas9発現に使用される短いプロモーターおよび短いポリAバージョンの概略図を示す。L−ITRからR−ITRまでのコード領域のサイズを右側に示す。
N2A細胞におけるSpCas9およびSaCas9の発現を示す。種々の短いプロモーターの制御下にありかつ短いポリA(spA)配列を有するHAタグ標識SpCas9およびSaCas9バージョンの代表的なウエスタンブロットチューブリンローディング対照である。mCherry(mCh)が形質移入対照である。形質移入後48時間でウエスタンブロッティングのため細胞を回収してさらに処理した。
Tet3遺伝子座の効率的なSaCas9媒介性ターゲティングのスクリーニングを示す。形質移入したN2A細胞のDNAに関するSurveyorアッセイにより、NNGGGTPUM配列を有する種々のgRNAを使用することによる効率的なDNA開裂が実証される。GFP形質移入細胞およびSaCas9のみを発現する細胞が対照である。
マウス脳におけるHA−SaCas9の発現を示す。ヒトシナプシンプロモーターの制御下でHA−SaCas9の発現をドライブするウイルスを動物の歯状回注入した。手術後2週間で動物を犠牲にした。ウサギモノクローナル抗体C29F4(Cell Signaling)を使用してHAタグを検出した。DAPI染色細胞核は青色に染色された。
形質導入7日後の培養下の皮質初代ニューロンにおけるSpCas9およびSaCas9の発現を示す。種々のプロモーターの制御下にありかつbghまたは短いポリA(spA)配列を有するHAタグ標識SpCas9およびSaCas9バージョンの代表的なウエスタンブロット。チューブリンがローディング対照である。
種々のプロモーターを含むSpCas9および多重gRNA構築物を有するAAV1粒子による形質導入後7日の初代皮質ニューロンのLIVE/DEAD染色を示す(DNMTについては最後のパネルに例を示す)。AAV形質導入後のニューロンを、対照の非形質導入ニューロンと比較した。赤色の核は、透過処理された死細胞を示す(パネルの2列目)。生細胞は緑色で示される(パネルの3列目)。
種々のプロモーターを含むSaCas9を有するAAV1粒子による形質導入後7日の初代皮質ニューロンのLIVE/DEAD染色を示す。赤色の核は、透過処理された死細胞を示す(パネルの2列目)。生細胞は緑色で示される(パネルの3列目)。
TETおよびDNMT遺伝子座に関するSpCas9ならびにgRNA多重体を有するAAV1ウイルスによる形質導入後のニューロンの形態比較を示す。形質導入されていないニューロンを対照として示す。
初代皮質ニューロンにおけるSurveyorアッセイを用いた多重DNMTターゲティングベクター#1の機能検証を示す。DNMT遺伝子ファミリー遺伝子座のSpCas9媒介性開裂を試験するため、細胞にDNMTターゲティングベクター#1および種々のプロモーターを有するSpCas9ウイルスを共形質導入した。
脳におけるSpCas9開裂のインビボ効率を示す。DNMTファミリー遺伝子座を標的とするgRNA多重体を有するAAV1/2ウイルスを、2つの異なるプロモーター:マウスMecp2およびラットMap1bの制御下にあるSpCas9ウイルスと共にマウスに注入した。注入後2週間で脳組織摘出し、gRNA多重体構築物からシナプシンプロモーターによりドライブされるGFP発現に基づき、FACSを使用して核を調製および選別した。gDNA抽出後、Surveyorアッセイを実行した。+はGFP陽性核を示し、−は同じ動物からの対照のGFP陰性核を示す。ゲル上の数字は、評価したSpCas9効率を示す。
海馬ニューロンからのGFP−KASH標識細胞核の精製を示す。細胞核膜の核外膜(ONM)をGFPとKASHタンパク質膜貫通ドメインとの融合物でタグ標識する。定位手術およびAAV1/2注入の1週間後の脳における強力なGFP発現。密度勾配遠心ステップによるインタクトな脳からの細胞核の精製。精製された核を示す。Vybrant(登録商標)DyeCycle(商標)Ruby染色によるクロマチン染色は赤色で示され、GFP標識核は緑色で示される。GFP+およびGFP−細胞核の代表的なFACSプロファイル(マゼンタ色:Vybrant(登録商標)DyeCycle(商標)Ruby染色、緑色:GFP)。
マウス脳におけるSpCas9開裂効率を示す。TETファミリー遺伝子座を標的とするgRNA多重体を有するAAV1/2ウイルスを、2つの異なるプロモーター:マウスMecp2およびラットMap1bの制御下にあるSpCas9ウイルスと共にマウスに注入した。注入後3週間で脳組織を摘出し、gRNA多重体構築物からシナプシンプロモーターによりドライブされるGFP発現に基づき、FACSを使用して核を調製および選別した。gDNA抽出後、Surveyorアッセイを実行した。+はGFP陽性核を示し、−は同じ動物からの対照のGFP陰性核を示す。ゲル上の数字は、評価したSpCas9効率を示す。
培養下の皮質ニューロンにおけるGFP−KASH発現を示す。TET遺伝子座を標的とするgRNA多重体構築物を有するAAV1ウイルスをニューロンに形質導入した。KASHドメイン局在化により、最も強力なシグナルは細胞核の周りに局在する。
(上)ガイドRNAのペア間の間隔(2つのPAM配列の配置パターンにより示されるとおり)のリストを示す。SpCas9(D10A)ニッカーゼと共に使用したとき、パターン1、2、3、4を満たすガイドRNAペアのみがインデルを呈した。(下)SpCas9(D10A)と、パターン1、2、3、4を満たすガイドRNAのペアとの組み合わせが、標的部位におけるインデルの形成をもたらしたことを示すゲル画像
U6ガイドRNA発現カセット(casssette)の作成に使用されるU6リバースプライマー配列のリストを示す。U6および所望のガイドRNAを含有するアンプリコンを作成するためには、各プライマーがU6フォワードプライマー「gcactgagggcctatttcccatgattc」とペアを形成する必要がある。
図33掲載する24パターンの位置を示すヒトEMX1遺伝子座からのゲノム配列マップを示す。
(右側)種々のガイドRNAペアにより標的化されたCas9ニッカーゼによる開裂の後に可変の5’オーバーハングが存在するときの標的部位におけるインデルの形成を示すゲル画像を示す。(左側)右側にゲルのレーン番号を示し、使用したガイドRNAペアおよびCas9ニッカーゼによる開裂後に存在する5’オーバーハングの長さを特定することを含めた種々のパラメータを示す表を示す。
図54ゲルパターン(右)をもたらしおよび実施例35にさらに記載する種々のガイドRNAペアの位置を示すヒトEMX1遺伝子座からのゲノム配列マップを示す。
Aはガイド(標的)1がApoBで最も高い割合のインデルを誘導したことを示す。Bは注入後4週間のインデル形成効率に関するSurveyorヌクレアーゼゲルアッセイの結果を示す。
AAV−Cas9−sgRNA送達後のインビボでの肝臓脂質蓄積表現型を検出するオイルレッド染色を示す。各囲み内のスケールバーが20マイクロメートルを表す。
種々の標的間および2つの異なる遺伝子(AAVS1およびEMX1)の範囲内では、灰色のバーで表される21ntd/塩基対(bp)が、少なくとも20または22塩基対(それぞれ黒色および白色のバーで表される)と比較して最適なスペーサー長さであることを示す。
ガイド配列をCas9イントロン配列に挿入することができたかどうかを示す。
試験した各標的についてU6がインデル形成割合の増加を示すとおり、完全長H1プロモーター(灰色のバー)がなおもU6プロモーター(黒色のバー)より弱いことを示す。
短鎖H1プロモーターが完全長H1より弱いことを示す。
D10A SaCAs9二重ニッカーゼの開裂効率に関して測定した構築物中の2つのガイド配列の5’末端間の距離を示す。
(実施例38)マウス脳におけるCRISPR−Cas9系送達およびMecp2遺伝子座のターゲティングを示す。(a)AAV−SpCas9およびAAV−SpGuide(Mecp2)発現ベクター。sgRNAベクターは、形質導入ニューロンを同定するためのGFP−KASH融合タンパク質のコード配列を含む。(b)マウス海馬の背側歯状回(DG)におけるHA−Cas9およびGFP−KASHの発現。スケールバー、100μm。(c)デュアルベクターCas9−CRISPR系によって効率的にターゲティングされる細胞の定量化。(d)Cas9標的位置を示すマウスMecp2遺伝子座の図解表示;sgRNAを青色で示す。PAM配列を紫色で示す。Mecp2遺伝子座のシーケンシングによって検出される代表的な突然変異パターンを下に示した:緑色−野生型配列;赤色ダッシュ記号−欠失した塩基;赤色の塩基:挿入または突然変異;赤色の三角矢印はCRISPR−Cas9切断部位を示す。(e)DG領域へのAAV送達後2週間のMecp2遺伝子座の改変を示すSURVEYOR(商標)アッセイゲル。(f)ターゲティングした脳領域におけるMeCP2タンパク質発現のウエスタンブロット分析および背側DGにおけるMeCP2タンパク質レベルの定量化(t検定、**p<0.001、3匹の動物からのn=4、エラーバー:s.e.m.)。(g)CRISPR−Cas9によるMecp2遺伝子座のターゲティング後2週間の背側DG領域の画像。スケールバー、150μm。(h)ターゲティングした脳領域において検出された全ての細胞中にあるMeCP2陽性細胞集団(DAPI染色)の、対照副次部位と比較した定量化(t検定、****p<0.0001、2匹の動物からのそれぞれn=290および249細胞;エラーバー:s.e.m)。(ITR−逆方向末端反復;HA−ヘマグルチニンタグ;NLS−核局在化シグナル;spA−合成ポリアデニル化シグナル;U6−PolIIIプロモーター;sgRNA−単一ガイドRNA;hSyn−ヒトシナプシン1プロモーター;GFP−緑色蛍光タンパク質;KASH−Klarsicht、ANC1、Syne相同性核膜貫通ドメイン;bGHpA−ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル(polyadenylatio signal);WPRE−ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント)。
(実施例38)Cas9媒介性MeCP2ノックダウンニューロンにおける遺伝子発現の解析を示す。(a)マウス脳からのCRISPR−Cas9標的細胞の細胞核精製戦略。(b)RNAseqによって検出された差次的発現遺伝子階層クラスタリング(t検定、p<0.01、8匹の動物からの選別した核のn=19集団)。行毎に遺伝子の相対log2(TPM+1)発現レベル正規化し、赤色−青色カラースケールで表示する。各列が、指示するとおり、対照動物またはMecp2 sgRNA形質導入動物のいずれかに由来する単離歯状回細胞集団からFACS選別した100個の標的神経核の集団を表す。
(実施例38)CRISPR媒介性MeCP2ノックダウン後のニューロンの細胞応答特性における細胞自律性欠陥を示す。(a)マウス視覚野からの生体内実験構成および視覚刺激パラメータを示す略画。GFP+ニューロンを示す。スケールバー、20μm。(b)対側眼および同側眼の両方に特異的な入力を受け取る第2/3層興奮性ニューロンにおける記録構成を示す略画。ゲノム改変GFP+細胞は緑色であり、一方、非改変細胞は灰色である。正規化したスパイク形状は、規則的にスパイク発火する興奮性ニューロンを示す。(c、d)それぞれMecp2および対照sgRNAを発現するGFP+細胞から平均OSI(c)および誘発FR(d)を測定した(t検定、*p<0.05;グラフ中の数字は記録された細胞の数を示す;n=2〜3匹の動物;エラーバー:s.e.m)。
(実施例38)マウス脳における同時多重化遺伝子編集を示す。(a)多重化ゲノムターゲティング用に設計されたCRISPR−Cas9系の概略図。(b)標的DNMTマウス遺伝子座の図解表示。ガイドRNAを青色で示す。PAM配列を紫色で示す。(c)DG領域へのAAV送達後4週間の、FACS選別したGFP−KASH陽性細胞におけるDNMT遺伝子座の改変を示すSURVEYOR(商標)アッセイゲル。(d)単一細胞におけるDNMT遺伝子座改変のディープシーケンシングベースの解析であって、複数の遺伝子座に改変が同時に起こることを示す。(e)DNMTファミリー遺伝子をターゲティングするCRISPR−Cas9系をインビボ送達した後のDnmt3aおよびDnmt1タンパク質のウエスタンブロット分析(上)。インビボCRISPR−Cas9ターゲティング後のDGにおけるDnmt3aおよびDnmt1タンパク質レベルのウエスタンブロット定量化(下;t検定、**p<0.001、*p<0.05、Dnmt3a:n=7;Dnmt1:5匹の動物からのn=5;エラーバー:s.e.m)。(f)訓練文脈および文脈変化で試験した、海馬のDG領域でSpCas9を使用してDNMT遺伝子をターゲティングした8週間後の文脈学習障害(t検定、***p<0.0001、n=18匹の動物、2つの独立した実験;エラーバー:s.e.m)。
(実施例38)AAVパッケージングのためのHAタグ標識SpCas9(HA−SpCas9)のクローニングおよび発現を示す。(a)短鎖ラットMap1bプロモーター(pMap1b)、トランケート型のマウスMecp2プロモーター(pMecp2)および短鎖ポリAモチーフ(spA)を使用してSpCas9発現カセットサイズを最小限に抑える種々のクローニング戦略の概略図。(b)種々のSpCas9発現カセットを使用してHA−SpCas9を発現する初代皮質ニューロン培養物のウエスタンブロット分析。(c)Mecp2プロモーターはHA−SpCas9(赤色)発現をニューロンでは駆動するが(Map1b、NeuN;矢印)、しかしアストログリアでは駆動しない(GFAP、三角矢印)。HA−SpCas9とGFP−KASHとの同時発現が示される(下)。核はDAPI(青色)で標識した。スケールバー、20μm。(d)GFP標識の概略図。核膜貫通KASHドメインに融合した高感度緑色蛍光タンパク質(GFP)および核外膜へのGFP−KASHのインテグレーションが示される。(e)HA−SpCas9とGFP−KASHとの両方を発現する細胞の集団を示す重感染効率計算(3つの培養物からのn=973ニューロン;エラーバー:s.e.m)。(f)ウイルス送達7日後に細胞をLIFE/DEAD(登録商標)キットで染色した。DAPI+および死滅(DEAD+)細胞の定量化(対照 n=518個のDAPI+核;SpCas9/GFP−KASH 2つの培養物からのn=1003個のDAPI+核;エラーバー:s.e.m)。(ITR−逆方向末端反復;HA−ヘマグルチニンタグ;NLS−核局在化シグナル;spA−合成ポリアデニル化シグナル;U6−PolIIIプロモーター;sgRNA−単一ガイドRNA;hSyn−ヒトシナプシン1プロモーター;GFP−緑色蛍光タンパク質;KASH−Klarsicht、ANC1、Syne相同性 核膜貫通ドメイン;bGH pA−ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル;WPRE−ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント)。
(実施例38)Neuro−2a細胞におけるMecp2のターゲティングを示す。(a)Mecp2ターゲティング配列および対応するプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)。(b)Neuro−2a細胞にSpCas9と同時形質移入した6つのMecp2 sgRNAの評価。形質移入後48時間にSURVEYOR(商標)アッセイを用いて遺伝子座改変効率を分析した。
(実施例38)初代皮質ニューロンにおけるMecp2のCRISPR−SpCas9ターゲティングを示す。(a)AAV−CRISPR形質導入7日後の培養ニューロンにおけるMeCP2(赤色)の免疫蛍光染色(緑色、GFP−KASH)。核はDAPI(青色)で標識した。スケールバー、20μm。(b)SpCas9またはdSpCas9をMecp2 sgRNAまたは対照(細菌lacZ遺伝子をターゲティングする)sgRNAと共に使用したMecp2遺伝子座ターゲティングに関するSURVEYOR(商標)アッセイゲルを用いた評価。(c)標的ニューロン集団(GFP+)中のMeCP2陽性核の定量化。(d)CRISPR−SpCas9によるMecp2遺伝子座のターゲティング後におけるMeCP2タンパク質レベルのウエスタンブロットおよびMeCP2タンパク質レベルの定量化(t検定、**p<0.001、3個の培養物からのn=5、エラーバー:s.e.m)。
(実施例38)インビトロでのSpCas9媒介性MeCP2ノックダウン後のニューロンの樹状突起樹における形態学的変化を示す。(a)CRISPR−SpCas9によるMecp2遺伝子座のターゲティング後のニューロンにおける樹状突起樹の複雑さの低下。スケールバー、20μm。(b)SpCas9およびMecp2 sgRNAでターゲティングしたニューロンにおける樹状突起棘形態の変化。スケールバー、10μm。細胞の形態はmCherry構築物との同時形質移入で可視化した。形態分析用の細胞はMecp2染色の結果に基づき選択した。(c)樹状末端の数で評価した樹状突起樹形態、および(d)Sholl解析(t検定、***p<0.0001、2つの培養物からのn=40)。(e)密度定量化(t検定、***p<0.0001、2つの培養物からのn=40、エラーバー:s.e.m)。
(実施例38)対照動物およびSpCas9媒介性Mecp2ノックダウンの神経核のRNAseqを示す。発現レベルの分位点毎の全RNA−seqライブラリ(各々100個の、対照sgRNAから取った核またはMecp2 sgRNAを形質導入した核の19個のライブラリ、;n=4匹の動物/群)で検出された遺伝子の数を示す箱ひげ図。全ての遺伝子をその平均log2(TPM+1)発現レベルで10分位に分け、次に各分位点について、試料毎に検出された(log2(TPM+1)>2)遺伝子の数をカウントした。図示する3つの標的配列は、それぞれDnmt3a、Dnmt1およびDnmt3bについて、配列番号___、配列番号___および配列番号___である。
(実施例38)インビトロでのDNMTファミリーメンバーの多重化ゲノムターゲティングを示す。(a)Dnmt3a、Dnmt1およびDnmt3bターゲティング配列および対応するプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)。(b)Dnmt3a、Dnmt1およびDnmt3b遺伝子座をターゲティングするSpCas9およびDNMT 3xsgRNAベクターの形質移入後48時間におけるNeuro−2a細胞のSURVEYOR(商標)ヌクレアーゼアッセイ分析。ターゲティングされた3つ全ての遺伝子の効率的なゲノム編集が示される。
(実施例38)標的Dnmt3a、Dnmt1およびDnmt3b遺伝子座の次世代シーケンシングを示す。SpCas9およびDNMT 3xsgRNAをマウス歯状回にインビボ送達した後の突然変異Dnmt3a(a)、Dnmt1(b)およびDnmt3b(c)遺伝子座のシーケンシング結果の例。緑色:野生型配列、赤色ダッシュ記号:欠失した塩基、赤色の塩基:挿入または突然変異。赤色の三角矢印はCRISPR−SpCas9切断部位を示す。この図に用いた完全配列は、それぞれDnmt3a、Dnmt1およびDnmt3b遺伝子座について、配列番号 、配列番号 、および配列番号 として提供される。これらは以下である: 配列番号 (Dnmt3a):CCTCGTGTCAG CGA CCC ATG CCA A 配列番号 (Dnmt1): CCAGCG TCG AAC AGC TCC AGC CCG 配列番号 (Dnmt3b) AGA GGGTGCCAG CGG GTATATGAG G
発現を増進させるため、SaCas9タンパク質配列がコドン最適化されており(「reopt」)、そのユビキチン化シグナルが取り除かれている(「reopt(Ub)」)ことを示す。FLAGタグおよびHAタグ標識SaCas9に対するタンパク質ブロットは、最適化SaCas9(reopt、#2〜4)が元の構築物(#0、5、および6)と比べて約2倍の発現増加を示し、SpCas9(SpCas9 330、左側パネル最上部のバー;SpCas9 414、右側パネル最上部のバー)と同程度であることを示す。3xHAタグ標識(右側パネル#6)を加えると、1xHAタグ(右側パネル#5)と比べて検出シグナルが約2倍向上する。
そのままの(灰色、各ntd数について左側のバー)またはSaCas9のsgRNAの最も5’側の位置に「G」を付加した(青色、各ntd数について太い輪郭を有する右側のバー)U6プロモーターによって転写されるsgRNAを使用したインデル効率を示す。総sgRNAスペーサー長さ(Gを含む)をx軸上に示す。グラフは、5個のsgRNAから集約したデータを示す。
sgRNAスペーサー長さ(x軸)の最適化を示す。グラフは、HEK(左)およびHepa(右)細胞における種々の長さのsgRNAスペーサーによるインデル形成を示す。

0108

本明細書の図は例示目的に過ぎず、必ずしも一定の尺度で描かれているとは限らない。

0109

CRISPR−Cas系に関する一般的な情報については、2013年1月30日;2013年3月15日;2013年3月28日;2013年4月20日;2013年5月6日および2013年5月28日にそれぞれ出願された米国仮特許出願第61/758,468号明細書;同第61/802,174号明細書;同第61/806,375号明細書;同第61/814,263号明細書;同第61/819,803号明細書および同第61/828,130号明細書が参照される。また、2013年6月17日に出願された米国仮特許出願第61/836,123号明細書も参照される。また、2012年12月12日および2013年1月2日にそれぞれ出願された米国仮特許出願第61/736,527号明細書および同第61/748,427号明細書も参照される。また、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/791,409号明細書も参照される。また、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/799,800号明細書も参照される。また、各々2013年6月17日に出願された米国仮特許出願第61/835,931号明細書、同第61/835,936号明細書、同第61/836,127号明細書、同第61/836,101号明細書、同第61/836,080号明細書および同第61/835,973号明細書も参照される。さらに、2013年8月5日に出願された米国仮特許出願第61/862,468号明細書および同第61/862,355号明細書;2013年8月28日に出願された同第61/871,301号明細書;2013年9月25日に出願された同第61/960,777号明細書および2013年10月28日に出願された同第61/961、980号明細書が参照される。これらの出願の各々、ならびにその中に引用されるかまたはその審査手続中に引用される全ての文献(「出願引用文献」)および出願引用文献中で引用または参照される全ての文献は、そこで言及されるかまたはまたはその中の任意の文献中にある、かつ参照によって本明細書に援用される任意の製品に関する任意の指示書、説明書、製品仕様書、およびプロダクトシートと共に、本明細書によって参照により本明細書に援用され、かつ本発明の実施に用いられ得る。全ての文献(例えば、これらの出願および出願引用文献)は、個々の文献それぞれについて参照によって援用されることが具体的かつ個々に指示されたものとするのと同程度に参照により本明細書に援用される。

0110

また、CRISPR−Cas系に関する一般的な情報については以下が挙げられ:
・ Multiplex genome engineering using CRISPR/Cas systems.Cong,L.,Ran,F.A.,Cox,D.,Lin,S.,Barretto,R.,Habib,N.,Hsu,P.D.,Wu,X.,Jiang,W.,Marraffini,L.A.,& Zhang,F.Science Feb 15;339(6121):819−23(2013);
・ RNA−guided editing of bacterial genomes using CRISPR−Cas systems.Jiang W.,Bikard D.,Cox D.,Zhang F,Marraffini LA.Nat Biotechnol Mar;31(3):233−9(2013);
・ One−Step Generation of Mice Carrying Mutations in Multiple Genes by CRISPR/Cas−Mediated Genome Engineering.Wang H.,Yang H.,Shivalila CS.,Dawlaty MM.,Cheng AW.,Zhang F.,Jaenisch R.Cell May 9;153(4):910−8(2013);
・ Optical control of mammalian endogenous transcription and epigenetic states.Konermann S,Brigham MD,TrevinoAE,Hsu PD,Heidenreich M,Cong L,Platt RJ,Scott DA,ChurchGM,Zhang F.Nature.2013 Aug 22;500(7463):472−6.doi:10.1038/Nature12466.Epub 2013 Aug 23;
・ Double Nicking by RNA−Guided CRISPR Cas9 for Enhanced Genome Editing Specificity.Ran,FA.,Hsu,PD.,Lin,CY.,Gootenberg,JS.,Konermann,S.,Trevino,AE.,Scott,DA.,Inoue,A.,Matoba,S.,Zhang,Y.,& Zhang,F.Cell Aug 28.pii:S0092−8674(13)01015−5.(2013);
・ DNA targeting specificity of RNA−guided Cas9 nucleases.Hsu,P.,Scott,D.,Weinstein,J.,Ran,FA.,Konermann,S.,Agarwala,V.,Li,Y.,Fine,E.,Wu,X.,Shalem,O.,Cradick,TJ.,Marraffini,LA.,Bao,G.,& Zhang,F.Nat Biotechnol doi:10.1038/nbt.2647(2013);
・ Genome engineering using the CRISPR−Cas9 system.Ran,FA.,Hsu,PD.,Wright,J.,Agarwala,V.,Scott,DA.,Zhang,F.Nature Protocols Nov;8(11):2281−308.(2013);
・ Genome−Scale CRISPR−Cas9 Knockout Screening in Human Cells.Shalem,O.,Sanjana,NE.,Hartenian,E.,Shi,X.,Scott,DA.,Mikkelson,T.,Heckl,D.,Ebert,BL.,Root,DE.,Doench,JG.,Zhang,F.Science Dec 12.(2013).[Epub ahead of print];
・ Crystal structure of cas9 in complex with guide RNA and target DNA.Nishimasu,H.,Ran,FA.,Hsu,PD.,Konermann,S.,Shehata,SI.,Dohmae,N.,Ishitani,R.,Zhang,F.,Nureki,O.Cell Feb 27.(2014).156(5):935−49;
・ Genome−wide binding of the CRISPR endonuclease Cas9 in mammalian cells.Wu X.,Scott DA.,Kriz AJ.,Chiu AC.,Hsu PD.,Dadon DB.,Cheng AW.,Trevino AE.,Konermann S.,Chen S.,Jaenisch R.,Zhang F.,Sharp PA.Nat Biotechnol.(2014)Apr 20.doi:10.1038/nbt.2889、および
・ Development and Applications of CRISPR−Cas9 for Genome Engineering,Hsu et al,Cell 157,1262−1278(June 5,2014)(Hsu 2014)、
この各々が参照により本明細書に援用され、簡潔には以下のとおり考察している:
・ Cong et al.は、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)Cas9およびまた化膿性連鎖球菌(Streptoccocus pyogenes)Cas9の両方に基づき、真核細胞で使用されるII型CRISPR/Cas系をエンジニアリングし、Cas9ヌクレアーゼが低分子RNAの指図を受けてヒトおよびマウス細胞で正確なDNA開裂を誘導し得ることを実証した。この著者らの研究はさらに、ニッキング酵素に変換されるCas9を使用して、最小限の変異原活性を有する真核細胞での相同性組換え修復を促進し得ることを示した。加えて、この著者らの研究は、複数のガイド配列を単一のCRISPR配列にコードすることによって哺乳類ゲノム内の内在性ゲノム遺伝子座部位でいくつかを同時に編集することが可能となり得ることを実証し、RNAガイドヌクレアーゼ技術の容易なプログラム可能性および広範な適用性を実証した。このようにRNAを使用して細胞における配列特異的DNA開裂をプログラムすることが可能となり、ゲノムエンジニアリングツールの新しいクラスが定義された。これらの研究はさらに、他のCRISPR遺伝子座が哺乳類細胞に移植可能であると見込まれ、また哺乳類ゲノム開裂も媒介し得ることを示した。重要なことに、CRISPR/Cas系のいくつかの側面をさらに改良してその効率および多用途性を高め得ることが想定され得る。

0111

・ Jiang et al.は、デュアルRNAと複合体形成したクラスター化等間隔短鎖回分リピート(CRISPR)関連Cas9エンドヌクレアーゼを使用して、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)および大腸菌(Escherichia coli)のゲノムに正確な突然変異を導入した。この手法は、標的ゲノム部位におけるデュアルRNA:Cas9指向開裂によって非突然変異細胞を死滅させ、選択可能マーカーまたは対抗選択系の必要性を回避することによった。この研究は、単一および複数のヌクレオチド変化が生じるように短鎖CRISPR RNA(crRNA)の配列を変えることによってデュアルRNA:Cas9特異性を再プログラム化すると、テンプレートの編集が行われることを報告した。この研究は、2つのcrRNAを同時に使用すると突然変異誘発の多重化が可能であることを示した。さらに、この手法をリコンニアリングと組み合わせて用いたとき、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)では、記載される手法を用いて回収された細胞のほぼ100%が所望の突然変異を含み、大腸菌(E.coli)では回収された細胞の65%が突然変異を含んだ。

0112

・ Konermann et al.は、CRISPR Cas9酵素およびまた転写活性化因子様エフェクターに基づくDNA結合ドメイン光学的および化学的モジュレーションを可能にする多用途のかつロバストな技術が当該技術分野で必要とされていることに対処した。
・ 本明細書で考察するとおり、微生物CRISPR−Cas系由来のCas9ヌクレアーゼが20ntガイド配列によって特異的なゲノム遺伝子座にターゲティングされ、ガイド配列はDNA標的との特定のミスマッチに耐えることができるため、従って望ましくないオフターゲット突然変異誘発を促進し得る。これに対処するため、Ran et al.は、Cas9ニッカーゼ突然変異体を対のガイドRNAと組み合わせて標的二本鎖切断を導入するという手法を記載した。ゲノム中の個々のニックは高いフィデリティで修復されるため、二本鎖切断には適切にオフセットしたガイドRNAによる同時のニッキングが必要であり、これが標的開裂のために特異的に認識される塩基の数を伸長する。この著者らは、対のニッキングを使用して細胞系におけるオフターゲット活性を50〜1,500分の1に減らし、オンターゲット開裂効率を犠牲にすることなしにマウス接合体における遺伝子ノックアウトを促進し得ることを実証した。この多用途戦略により、高い特異性が要求される多種多様なゲノム編集適用が可能となる。

0113

・ Hsu et al.は、標的部位の選択を知らせ、かつオフターゲット効果を回避するためのヒト細胞におけるSpCas9ターゲティングの特異性を特徴付けた。この研究は、700個を超えるガイドRNA変異体ならびに293Tおよび293FT細胞の100個を超える予測ゲノムオフターゲット遺伝子座におけるSpCas9誘導インデル突然変異レベルを評価した。この著者ら、SpCas9がミスマッチの数、位置および分布に感受性を有して、配列依存的に種々の位置におけるガイドRNAと標的DNAとの間のミスマッチに耐えること。この著者らはさらに、SpCas9媒介性開裂がDNAメチル化の影響を受けないこと、およびSpCas9およびsgRNAの投与量を滴定してオフターゲット改変を最小限に抑え得ることを示した。加えて、哺乳類ゲノムエンジニアリング適用を促進するため、この著者らは、標的配列の選択および検証ならびにオフターゲット解析をガイドするウェブベースソフトウェアツールの提供を報告した。

0114

・ Ran et al.は、哺乳類細胞における非相同末端結合(NHEJ)または相同性組換え修復(HDR)を用いたCas9媒介性ゲノム編集ならびに下流機能研究用の改変細胞系生成のための一組のツールを記載した。オフターゲット開裂を最小限に抑えるため、この著者らはさらに、対のガイドRNAを含むCas9ニッカーゼ突然変異体を使用した二重ニッキング戦略を記載した。この著者らによって提供されるプロトコルは、標的部位の選択、開裂効率の評価およびオフターゲット活性の分析に関する指針を実験的に導いた。この研究は、標的設計から始めて、僅か1〜2週間以内に遺伝子改変を達成し得るとともに、2〜3週間以内に改変クローン細胞系を誘導し得ることを示した。

0115

・ Shalem et al.は、ゲノムワイド規模で遺伝子機能を調べる新しい方法を記載した。この著者らの研究は、64,751個のユニークなガイド配列で18,080個の遺伝子をターゲティングするゲノム規模のCRISPR−Cas9ノックアウト(GeCKO)ライブラリの送達が、ヒト細胞におけるネガティブ選択およびポジティブ選択の両方のスクリーニングを可能にしたことを示した。第一に、この著者らは、GeCKOライブラリを使用した、癌および多能性幹細胞における細胞生存にとって不可欠な遺伝子の同定を示した。次に、この著者らは黒色腫モデルにおいて、その欠損が突然変異体プロテインキナーゼBRAFを阻害する治療薬ムラフェニブに対する耐性に関わる遺伝子をスクリーニングした。この著者らの研究は、最も上位にランク付けされた候補に、以前検証された遺伝子NF1およびMED12ならびに新規ヒットNF2、CUL3、TADA2B、およびTADA1が含まれたことを示した。この著者らは、同じ遺伝子をターゲティングする独立したガイドRNA間における高度な一致および高率のヒット確認を観察し、従ってCas9によるゲノム規模スクリーニングの有望さを実証した。

0116

・ Nishimasu et al.は、2.5Åの分解能でsgRNAおよびその標的DNAと複合体形成する化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)Cas9の結晶構造を報告した。この構造から、標的認識ローブとヌクレアーゼローブとで構成された、それらの界面にある正電荷の溝にsgRNA:DNAヘテロ二本鎖受け入れる2ローブ構成が明らかになった。認識ローブはsgRNAおよびDNAの結合に決定的に重要であるのに対し、ヌクレアーゼローブはHNHおよびRuvCヌクレアーゼドメインを含み、これらのドメインは標的DNAのそれぞれ相補鎖および非相補鎖の開裂に適切な位置にある。ヌクレアーゼローブはまた、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)との相互作用関与するカルボキシル末端ドメインも含む。この高分解能構造解析および付随する機能解析により、Cas9によるRNAガイドDNAターゲティングの分子機構が明らかになることで、ひいては新規の多用途ゲノム編集技術の合理的な設計への道が開かれつつある。

0117

・ Wu et al.は、マウス胚性幹細胞(mESC)においてシングルガイドRNA(sgRNA)を負荷した化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の触媒不活性Cas9(dCas9)のゲノムワイドな結合部位をマッピングした。この著者らは、試験した4つのsgRNAの各々が、多くの場合にsgRNAにおける5ヌクレオチドシード領域およびNGGプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)によって特徴付けられる数十個ないし数千個のゲノム部位にdCas9をターゲティングすることを示した。クロマチンが接触不可能であることにより、一致するシード配列を含む他の部位に対するdCas9結合が減少し;従ってオフターゲット部位の70%が遺伝子と会合する。この著者らは、触媒活性Cas9を形質移入したmESCにおける295個のdCas9結合部位の標的シーケンシングから、バックグラウンドレベルを上回って突然変異した部位は1つのみ同定されたことを示した。この著者らは、Cas9結合および開裂の2状態モデルを提案しており、このモデルではシードの一致が結合を引き起こすが、開裂には標的DNAとの広範な対合が必要である。

0118

・ Hsu 2014は、2014年6月5日より前に出願された本明細書の系統上にある出願の情報、データおよび知見にあるような、細胞の遺伝子スクリーニングを含めたヨーグルトからゲノム編集に至るまでのCRISPR−Cas9の歴史を広く考察するレビュー論文である。Hsu 2014の一般的な教示は、本明細書の特定のモデル、動物を含まない。

0119

本発明は、ゲノム摂動または遺伝子編集など、配列ターゲティングが関わる遺伝子発現の制御に使用される、CRISPR−Cas系およびその成分に関する系、方法および組成物のエンジニアリングおよび最適化に関する。有利な実施形態においてCas酵素はCas9である。

0120

CRISPR−Casポリヌクレオチド配列は、概して本明細書ではガイド、またはさらにはガイドRNA(sgRNA)と称されるが、しかしながらこの用語法はこれまでそれほど一般的でなかったことは理解されるであろう。さらに、本明細書ではCRISPR−Cas9系が参照されるが、しかしながらこれは任意のCasに対する広義の参照であり(但し、それはDSB、ニックまたは二重ニックのいずれかを誘導するヌクレアーゼ機能を有するものとする)、しかしながらCas9が好ましく、SaCas9が特に好ましいことは理解されるであろう。

0121

本肝臓データにおける重要な点のいくつかを、一般に分裂終了細胞までの流れとして(肝細胞は典型的には分裂終了細胞であるため)以下にまとめる:

0122

AAV2/8
CRISPR−Cas系の好ましい送達は、ウイルスベクターを介した送達である。このベクターは、本明細書である程度詳しく考察するとおり、レンチウイルスベクターまたはAAVベクターであってもよい。本発明者らが特に明らかにしているのは、AAVがウイルスベクターの好ましい例であるということである。その範囲内で、本発明者らは次に、AAV8および詳細にはAAV2/8(AAV2パッケージングシグナルITRと共にパッケージングされたAAV8)が、肝臓への、特にインビボでの送達に有用であることを明らかにしている。

0123

インビボで見られる表現型の変化
他の部分で考察するとおり、本発明者らはインビボで表現型の変化を検出し得ることを示すことができた。多くの場合にRNAiに突き付けられる欠陥は持続効果が見られないことであるため、これは顕著な前進である。本発明では、初めて肝臓における表現型の変化を見ることができる。これを達成する好ましい構成は、実施例36の構成を用いることである。これの重要な要素は単独または組み合わせで好ましく、すなわち以下である:
・ Sa Cas9;
・ガイド、tracr配列およびtracrメイトを含むキメラガイドRNAの使用;
・ tracr配列について、Sa Cas9の動員にSa tracrが好ましい;
・ AAV8またはより好ましくはAAV2/8;
実験目的では、Rosa26が有用な陰性対照である;
・ AAVベクターにおけるCMVプロモーターの使用は役立つが、TBGなどの肝臓特異的プロモーターの使用(肝臓ターゲティングのため)が特に有効である;
・ CRISPRは、ガイドの送達に成功しかつCss9酵素が好適に発現すると、全標的にわたって幅広い適用性を有することが示されているため、1つまたは複数の標的は広範囲に及び得る。しかしながら、それにも関わらず、肝臓における好ましい標的(ガイドの設計対象となり得る)は、PCSK9;Hmgcr;SERPINA1;ApoB;および/またはLDLの1つ以上を含む。

0124

従って、一部の実施形態では、Cas酵素がSa Cas9であることが特に好ましい。好ましくは、CRISPR−Casポリヌクレオチド配列はキメラであり、好ましくは、Cas9がSa Cas9である場合にSa tracrを含む。好ましくはAAV2/8であるウイルスベクターが用いられてもよい。さらに、肝臓特異的プロモーターが理想的であり、好ましい例はTBGである。これらは全て、Cas9がSaCas9である場合のSa tracrを含め、キメラCRISPR−Casポリヌクレオチド配列を提供するため組み合わせで用いられてもよく、およびベクターはAAV2/8であって、少なくともCas9がTBGなどの肝臓特異体の制御下にある。上記の任意の標的、詳細には肥満症におけるその重要性からApoBが、この系で用いられ得る。

0125

Yin and Andersonの最近のNature Biotech論文(NBT2884、本明細書で参照される)は、本発明者らが既に示したインビボでの表現型の変化に関するさらなる裏付けを提供している。

0126

次に本発明者らが提供する追加的なデータが、Cas9を用いた体細胞肝組織の効率的なインビボ編集を実証することによってさらなる裏付けを加える。さらに、AAV2/8による送達およびSaCas9の使用がやはり、インビボでのこの特定の手法の有用性を示す。ここでもやはり、好ましいApoBがターゲティングされた。

0127

後述の実施例36および37は、インビボ、特に脂質代謝遺伝子ApoBでの表現型の変化の誘導における有効性(effecicacy)に関する優れたインビボデータを示し、一方、実施例38は、分裂終了細胞(その中で肝臓は重要な例である)に対するこの技術の適用性を示す。実施例39は、検出目的に複数のエピトープタグが好ましいことを示す。

0128

ウイルスベクターが好ましいが、一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドの使用が実行可能な代替法であり、従ってこれもまた好ましい。

0129

実施例36では、CRISPR−Cas系によって遺伝子型の変化、および決定的には表現型の変化の両方が見られることを示した。そればかりでなく、CRISPR−Cas9系はインビボで表現型の変化を誘導することにおいて有効であった。具体的には、標的は脂質代謝遺伝子ApoBであった。極めて有望なことには、ApoBは肝臓送達の「ゴールドスタンダード」と言われることもあり、肥満症のマウスモデルで広範に用いられている。肝臓は一部の実施形態では好ましい分裂終了細胞であるが、他の場合にはまた除外されることもある。いずれにしろ、本研究は、インビボであっても表現型の変化が見られることの原理証明を提供し、これは他の分裂終了細胞にも等しく適用可能である。実際、実施例38は、別個の組織、脳において分裂終了ニューロンでこれのさらなる証明を提供する。実施例36における送達は静脈内注射によった。AAVベクター、ならびにCas9に対する肝臓特異的プロモーター(TBG)を使用した。ここで見られるとおりのウイルスベクターからの発現を介した送達は、送達方法としてAnderson/Yin(NBT2884)による流体力学的送達の使用の改良であり、なぜなら流体力学的送達は数mlの流体を注入する必要があり、これがマウスの体に負担をかけ、致死的となり得るためである。流体力学的送達はプラスミド(ネイキッド)DNAの送達に最も良く適しているが、本発明者らは、ガイド配列およびCas9配列をウイルス送達ベクターにパッケージングすることが、効率を大幅に高める点で好ましいことを示している。実際、比較的少量を導入するだけでよく、これは静脈内(i.v.)的に行うことができ、治療上はるかに良好に容認される可能性が高い。特に有望であったのは、ApoBなどの肝臓の「ゴールドスタンダード」遺伝子に遺伝子型の変化が見られたのみならず、表現型の変化もまた記録されたことであった。PCSK9での先行研究は遺伝子型の変化を示しているが、表現型の変化は示しておらず、従ってApoBで見られた表現型の変化は、肝臓へのCRISPR送達、および肝臓で表現型の変化を生じさせるその能力妥当性立証している。これは、より治療的に容認される送達手段(流体力学的送達と比較したi.v.)と組み合わされる。従って、CRISPR−Cas9系(ガイドおよびCas9)の、特に静脈内的なウイルス送達が好ましい)。

0130

潜在的な標的としては、以下が挙げられる:PCSK9、HMGCR、APOB、LDLR、ANGPTL3、F8、F9/FIX、AAT、FAH、HPD、TAT、ATP7B、UGT1A1、OTC、ARH。

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