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技術 化合物混合物、電子写真感光体、及び化合物混合物の製造方法

出願人 京セラドキュメントソリューションズ株式会社
発明者 東潤小嶋健輔清水智文
出願日 2018年10月10日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-191674
公開日 2020年4月16日 (6ヶ月経過) 公開番号 2020-059670
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 高温乾燥機 イソパラフィン系炭化水素溶剤 モル比換算 中間層用樹脂 非金属酸化物 リーク発生 分溜管 ドラム状支持体
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図面 (7)

課題

感光層に含有させた場合に電子写真感光体耐クラック性及び感度特性の向上が可能な化合物混合物を提供する。

解決手段

(1)置換基を有していてもよい、N,N’−ビスジフェニルアミノビフェニル、N,N’−ビス(ジフェニルアミノ)トリフェニル、又はN,N’−ビス(ジフェニルアミノ)フルオレンから選択される化合物、及び(2)置換基を有していてもよいトリフェニルアミンをともに含有する化合物混合物、製造方法、及び正孔輸送剤として前記化合物混合物を含む電子写真感光体。

概要

背景

電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式画像形成装置(例えば、プリンター又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する単層の感光層を備える。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを含む感光層を備える。

特許文献1には、導電性基体上に、電荷輸送剤として、特定構造ジアミン誘導体及び1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンを含有する感光層を設けた電子写真感光体が開示されている。

概要

感光層に含有させた場合に電子写真感光体の耐クラック性及び感度特性の向上が可能な化合物混合物を提供する。(1)置換基を有していてもよい、N,N’−ビス(ジフェニルアミノビフェニル、N,N’−ビス(ジフェニルアミノ)トリフェニル、又はN,N’−ビス(ジフェニルアミノ)フルオレンから選択される化合物、及び(2)置換基を有していてもよいトリフェニルアミンをともに含有する化合物混合物、製造方法、及び正孔輸送剤として前記化合物混合物を含む電子写真感光体。

目的

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、感光層に含有させた場合に電子写真感光体の耐クラック性及び感度特性の向上が可能な化合物混合物、及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを含有する、化合物混合物。(前記一般式(1)中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aは、各々独立に、水素原子炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、前記一般式(1)中のR1B、及び前記一般式(2)中のR1Cは、前記一般式(1)中のR1Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR2B、及び前記一般式(2)中のR2Cは、前記一般式(1)中のR2Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR3B、及び前記一般式(2)中のR3Cは、前記一般式(1)中のR3Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR4B、及び前記一般式(2)中のR4Cは、前記一般式(1)中のR4Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR5B、及び前記一般式(2)中のR5Cは、前記一般式(1)中のR5Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR6B、並びに前記一般式(2)中のR6C及びR6Dは、前記一般式(1)中のR6Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR7B、並びに前記一般式(2)中のR7C及びR7Dは、前記一般式(1)中のR7Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR8B、並びに前記一般式(2)中のR8C及びR8Dは、前記一般式(1)中のR8Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR9B、並びに前記一般式(2)中のR9C及びR9Dは、前記一般式(1)中のR9Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のR10B、並びに前記一般式(2)中のR10C及びR10Dは、前記一般式(1)中のR10Aと同一の基を表し、前記一般式(1)中のYは、化学式(Y1)、化学式(Y2)、又は一般式(Y3)で表される2価の基を表す。)(前記一般式(Y3)中、R31及びR32は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。)

請求項2

前記一般式(1)中、Yは、前記化学式(Y2)で表される2価の基を表す、請求項1に記載の化合物混合物。

請求項3

前記一般式(1)中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aのうちの少なくとも2つは、水素原子以外の基を表し、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aのうちの残りは、水素原子を表し、前記水素原子以外の基の炭素原子数の合計は、3以上である、請求項1又は2に記載の化合物混合物。

請求項4

前記一般式(1)中、R3Aは、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す、請求項1〜3の何れか一項に記載の化合物混合物。

請求項5

前記一般式(1)で表される化合物は、化学式(HTM−1)で表される化合物であり、且つ前記一般式(2)で表される化合物は、化学式(HTM−A)で表される化合物であるか、前記一般式(1)で表される化合物は、化学式(HTM−2)で表される化合物であり、且つ前記一般式(2)で表される化合物は、化学式(HTM−B)で表される化合物であるか、前記一般式(1)で表される化合物は、化学式(HTM−3)で表される化合物であり、且つ前記一般式(2)で表される化合物は、化学式(HTM−C)で表される化合物であるか、或いは、前記一般式(1)で表される化合物は、化学式(HTM−4)で表される化合物であり、且つ前記一般式(2)で表される化合物は、化学式(HTM−D)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の化合物混合物。

請求項6

前記一般式(1)で表される化合物は、化学式(HTM−5)で表される化合物であり、且つ前記一般式(2)で表される化合物は、化学式(HTM−E)で表される化合物である、請求項1に記載の化合物混合物。

請求項7

前記一般式(1)で表される化合物は、化学式(HTM−6)で表される化合物であり、且つ前記一般式(2)で表される化合物は、化学式(HTM−F)で表される化合物である、請求項1に記載の化合物混合物。

請求項8

前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の総質量に対する、前記一般式(2)で表される化合物の含有率は、1.0質量%以上10.0質量%以下である、請求項1〜7の何れか一項に記載の化合物混合物。

請求項9

導電性基体と、感光層とを備え、前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有し、前記正孔輸送剤は、請求項1〜8の何れか一項に記載の化合物混合物を含む、電子写真感光体

請求項10

前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂を含み、前記ポリアリレート樹脂は、少なくとも1種の一般式(10)で表される繰り返し単位と、少なくとも1種の一般式(11)で表される繰り返し単位とを含む、請求項9に記載の電子写真感光体。(前記一般式(10)中、R11及びR12は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表し、Wは、一般式(W1)、一般式(W2)、又は化学式(W3)で表される二価の基を表し、前記一般式(11)中、Xは、化学式(X1)、化学式(X2)、又は化学式(X3)で表される二価の基を表す。)(前記一般式(W1)中、R13は、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、R14は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、前記一般式(W2)中、tは、1以上3以下の整数を表す。)

請求項11

前記バインダー樹脂は、第1ポリアリレート樹脂、第2ポリアリレート樹脂、又は第3ポリアリレート樹脂を含み、前記第1ポリアリレート樹脂は、化学式(10−1)、化学式(11−X1)、及び化学式(11−X3)で表される繰り返し単位を含み、前記第2ポリアリレート樹脂は、化学式(10−2)、前記化学式(11−X1)、及び前記化学式(11−X3)で表される繰り返し単位を含み、前記第3ポリアリレート樹脂は、前記化学式(10−2)、前記化学式(11−X1)、及び化学式(11−X2)で表される繰り返し単位を含む、請求項9又は10に記載の電子写真感光体。

請求項12

前記バインダー樹脂は、第4ポリアリレート樹脂を含み、前記第4ポリアリレート樹脂は、化学式(10−1)、化学式(10−3)、及び化学式(11−X3)で表される繰り返し単位を含む、請求項9又は10に記載の電子写真感光体。

請求項13

前記感光層は、電荷発生層電荷輸送層とを含み、前記電荷発生層は、前記電荷発生剤を含有し、前記電荷輸送層は、前記正孔輸送剤と前記バインダー樹脂とを含有する、請求項9〜12の何れか一項に記載の電子写真感光体。

請求項14

前記電荷輸送層は、電子アクセプター化合物を更に含有し、前記電子アクセプター化合物は、一般式(20)で表される化合物を含む、請求項13に記載の電子写真感光体。(前記一般式(20)中、Q1、Q2、Q3及びQ4は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。)

請求項15

一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物とを含む液を第1攪拌する第1攪拌工程と、前記液に一般式(C)で表される化合物を更に加えて第2攪拌する第2攪拌工程とを含み、前記第1攪拌工程の後に前記液を精製することなく、前記第2攪拌工程が実施され、前記第1攪拌工程及び前記第2攪拌工程を経て、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との混合物が得られる、請求項1〜8の何れか一項に記載の化合物混合物の製造方法。(前記一般式(A)中のR1、R2、R3、R4、及びR5は、各々、前記一般式(1)中のR1A、R2A、R3A、R4A、及びR5Aと同一の基を表し、前記一般式(B)中のR6、R7、R8、R9、及びR10は、各々、前記一般式(1)中のR6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aと同一の基を表し、前記一般式(B)中のZ1は、ハロゲン原子を表し、前記一般式(C)中のYは、前記一般式(1)中のYと同一の基を表し、前記一般式(C)中のZ2及びZ3は、ハロゲン原子を表す。)

技術分野

0001

本発明は、化合物混合物電子写真感光体、及び化合物混合物の製造方法に関する。

背景技術

0002

電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式画像形成装置(例えば、プリンター又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する単層の感光層を備える。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを含む感光層を備える。

0003

特許文献1には、導電性基体上に、電荷輸送剤として、特定構造ジアミン誘導体及び1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンを含有する感光層を設けた電子写真感光体が開示されている。

先行技術

0004

特開平4−107563号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載の電子写真感光体の感光層は、特定構造のジアミン誘導体に加えて、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンを含有する。このため、特許文献1に記載の電子写真感光体によれば、光照射後の帯電能の低下を回復することが、ある程度可能となる。しかし、特許文献1に記載の電子写真感光体には、耐クラック性の点で改善の余地があることが、本発明者らの検討により判明した。

0006

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、感光層に含有させた場合に電子写真感光体の耐クラック性及び感度特性の向上が可能な化合物混合物、及びその製造方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、耐クラック性及び感度特性に優れる電子写真感光体を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の化合物混合物は、一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを含有する。

0008

0009

前記一般式(1)中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aは、各々独立に、水素原子炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。前記一般式(1)中のR1B、及び前記一般式(2)中のR1Cは、前記一般式(1)中のR1Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR2B、及び前記一般式(2)中のR2Cは、前記一般式(1)中のR2Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR3B、及び前記一般式(2)中のR3Cは、前記一般式(1)中のR3Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR4B、及び前記一般式(2)中のR4Cは、前記一般式(1)中のR4Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR5B、及び前記一般式(2)中のR5Cは、前記一般式(1)中のR5Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR6B、並びに前記一般式(2)中のR6C及びR6Dは、前記一般式(1)中のR6Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR7B、並びに前記一般式(2)中のR7C及びR7Dは、前記一般式(1)中のR7Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR8B、並びに前記一般式(2)中のR8C及びR8Dは、前記一般式(1)中のR8Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR9B、並びに前記一般式(2)中のR9C及びR9Dは、前記一般式(1)中のR9Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のR10B、並びに前記一般式(2)中のR10C及びR10Dは、前記一般式(1)中のR10Aと同一の基を表す。前記一般式(1)中のYは、化学式(Y1)、化学式(Y2)、又は一般式(Y3)で表される2価の基を表す。

0010

0011

前記一般式(Y3)中、R31及びR32は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。

0012

本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する。前記正孔輸送剤は、上記化合物混合物を含む。

0013

本発明の化合物混合物の製造方法は、上記化合物混合物の製造方法である。本発明の化合物混合物の製造方法は、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物とを含む液を第1攪拌する第1攪拌工程と、前記液に一般式(C)で表される化合物を更に加えて第2攪拌する第2攪拌工程とを含む。前記第1攪拌工程の後に前記液を精製することなく、前記第2攪拌工程が実施される。前記第1攪拌工程及び前記第2攪拌工程を経て、前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物との混合物が得られる。

0014

0015

前記一般式(A)中のR1、R2、R3、R4、及びR5は、各々、前記一般式(1)中のR1A、R2A、R3A、R4A、及びR5Aと同一の基を表す。前記一般式(B)中のR6、R7、R8、R9、及びR10は、各々、前記一般式(1)中のR6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aと同一の基を表す。前記一般式(B)中のZ1は、ハロゲン原子を表す。前記一般式(C)中のYは、前記一般式(1)中のYと同一の基を表す。前記一般式(C)中のZ2及びZ3は、ハロゲン原子を表す。

発明の効果

0016

本発明の化合物混合物、及び本発明の製造方法により製造された化合物混合物は、感光層に含有された場合に電子写真感光体の耐クラック性及び感度特性を向上できる。また、本発明の電子写真感光体は、耐クラック性及び感度特性に優れる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の第3実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す部分断面図である。
本発明の第3実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す部分断面図である。
本発明の第3実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す部分断面図である。
本発明の第3実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す部分断面図である。
本発明の第3実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す部分断面図である。
本発明の第3実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す部分断面図である。

0018

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。

0019

まず、本明細書で用いられる置換基について説明する。ハロゲン原子(ハロゲン基)としては、例えば、フッ素原子フルオロ基)、塩素原子クロロ基)、臭素原子ブロモ基)及びヨウ素原子ヨード基)が挙げられる。

0020

炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、及び炭素原子数2以上4以下のアルキル基は、各々、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基イソペンチル基、ネオペンチル基、直鎖状及び分枝鎖状のヘキシル基、直鎖状及び分枝鎖状のヘプチル基、並びに直鎖状及び分枝鎖状のオクチル基が挙げられる。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、炭素原子数が1以上6以下である基である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、炭素原子数が1以上4以下である基である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、炭素原子数が1以上3以下である基である。炭素原子数2以上4以下のアルキル基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、炭素原子数が2以上4以下である基である。

0021

炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及び炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基は、各々、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、直鎖状及び分枝鎖状のヘキシルオキシ基、直鎖状及び分枝鎖状のヘプチルオキシ基、並びに直鎖状及び分枝鎖状のオクチルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例として述べた基のうち、炭素原子数が1以上6以下である基である。炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例として述べた基のうち、炭素原子数が1以上3以下である基である。

0022

炭素原子数6以上14以下のアリール基、及び炭素原子数6以上10以下のアリール基は、各々、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、アントリル基、及びフェナントリル基が挙げられる。炭素原子数6以上10以下のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。

0023

炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基は、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基が挙げられる。以上、本明細書で用いられる置換基について説明した。

0024

<第1実施形態:化合物混合物>
次に、本発明の第1実施形態に係る化合物混合物ついて説明する。第1実施形態に係る化合物混合物は、一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを含有する。以下、一般式(1)で表される化合物を化合物(1)と記載し、一般式(2)で表される化合物を化合物(2)と記載することがある。

0025

0026

一般式(1)中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。一般式(1)中のR1B、及び一般式(2)中のR1Cは、一般式(1)中のR1Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR2B、及び一般式(2)中のR2Cは、一般式(1)中のR2Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR3B、及び一般式(2)中のR3Cは、一般式(1)中のR3Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR4B、及び一般式(2)中のR4Cは、一般式(1)中のR4Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR5B、及び一般式(2)中のR5Cは、一般式(1)中のR5Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR6B、並びに一般式(2)中のR6C及びR6Dは、一般式(1)中のR6Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR7B、並びに一般式(2)中のR7C及びR7Dは、一般式(1)中のR7Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR8B、並びに一般式(2)中のR8C及びR8Dは、一般式(1)中のR8Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR9B、並びに一般式(2)中のR9C及びR9Dは、一般式(1)中のR9Aと同一の基を表す。一般式(1)中のR10B、並びに一般式(2)中のR10C及びR10Dは、一般式(1)中のR10Aと同一の基を表す。一般式(1)中のYは、化学式(Y1)、化学式(Y2)、又は一般式(Y3)で表される2価の基を表す。

0027

0028

一般式(Y3)中、R31及びR32は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又はフェニル基を表す。

0029

第1実施形態に係る化合物混合物は、感光層に含有させた場合に電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)の耐クラック性及び感度特性を向上させることができる。詳しくは、化合物混合物が化合物(1)を含有することにより、感光体の感度特性を向上できる。化合物混合物が化合物(2)を含有することにより、感光体の耐クラック性を向上できる。化合物(2)は、最終生成物である化合物(1)を合成する際に生じる副生成物である。通常、精製により副生成物を除去することで、最終生成物が得られる。しかし、本発明者らは、精製により副生成物である化合物(2)を完全に除去することなく、化合物(2)を敢えて化合物(1)に混合したままとすることにより、感光体の感度特性に加えて、感光体の耐クラック性が向上することを見出した。

0030

一般式(1)中のR1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aが表わす炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。

0031

一般式(1)中のR1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aが表わす炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が更に好ましい。

0032

一般式(1)中のR1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aが表わす炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましい。

0033

一般式(Y3)中のR31及びR32が表わす炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。

0034

耐クラック性を向上させつつ、感度特性を更に向上させるために、一般式(1)中、Yは、化学式(Y2)で表される2価の基を表すことが好ましい。

0035

耐クラック性を向上させつつ、感度特性を更に向上させるために、一般式(1)中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aのうちの少なくとも2つは、水素原子以外の基を表し、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aのうちの残りは、水素原子を表すことが好ましい。また、この水素原子以外の基の炭素原子数の合計は、3以上であることが好ましい。なお、一般式(1)中、R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aが表わす水素原子以外の基は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基である。

0036

耐クラック性を向上させつつ、感度特性を更に向上させるために、一般式(1)中、R3Aは、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すことが好ましい。

0037

耐クラック性を向上させつつ、感度特性を更に向上させるために、一般式(1)中、R1A、R3A、及びR5Aのうちの1つ又は2つは、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、R1A、R3A、及びR5Aのうちの残りは、水素原子を表し、R2A、及びR4Aは、各々、水素原子を表すことが好ましい。

0038

耐クラック性を向上させつつ、感度特性を更に向上させるために、一般式(1)中、R8Aは、水素原子、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、R6A、R7A、R9A、及びR10Aは、水素原子を表すことが好ましい。

0039

以下、Yが化学式(Y2)で表される2価の基を表す場合について、更に説明する。耐クラック性及び感度特性を向上させるために、化合物(1)は、化学式(HTM−1)で表される化合物であり、且つ化合物(2)は、化学式(HTM−A)で表される化合物であることが好ましい。同じ理由から、化合物(1)は、化学式(HTM−2)で表される化合物であり、且つ化合物(2)は、化学式(HTM−B)で表される化合物であることが好ましい。同じ理由から、化合物(1)は、化学式(HTM−3)で表される化合物であり、且つ化合物(2)は、化学式(HTM−C)で表される化合物であることが好ましい。同じ理由から、化合物(1)は、化学式(HTM−4)で表される化合物であり、且つ化合物(2)は、化学式(HTM−D)で表される化合物であることが好ましい。以下、化学式(HTM−1)〜(HTM−4)で表される化合物を、各々、化合物(HTM−1)〜(HTM−4)と記載することがある。また、化学式(HTM−A)〜(HTM−D)で表される化合物を、各々、化合物(HTM−A)〜(HTM−D)と記載することがある。

0040

0041

以下、一般式(1)中のYが化学式(Y1)で表される2価の基を表す場合について、更に説明する。耐クラック性及び感度特性を向上させるために、化合物(1)は、化学式(HTM−5)で表される化合物であり、且つ化合物(2)は、化学式(HTM−E)で表される化合物であることが好ましい。以下、化学式(HTM−5)及び(HTM−E)で表される化合物を、各々、化合物(HTM−5)及び(HTM−E)と記載することがある。

0042

0043

以下、一般式(1)中のYが一般式(Y3)で表される2価の基を表す場合について、更に説明する。耐クラック性及び感度特性を向上させるために、化合物(1)は、化学式(HTM−6)で表される化合物であり、且つ化合物(2)は、化学式(HTM−F)で表される化合物であることが好ましい。以下、化学式(HTM−6)及び(HTM−F)で表される化合物を、各々、化合物(HTM−6)及び(HTM−F)と記載することがある。

0044

0045

化合物(1)及び化合物(2)の総質量に対する、化合物(2)の含有率は、1.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。化合物(1)及び化合物(2)の総質量に対する化合物(2)の含有率が1.0質量%以上であると、感光体の耐クラック性を更に向上できる。化合物(1)及び化合物(2)の総質量に対する化合物(2)の含有率が、10.0質量%以下であると、感光体の感度特性を更に向上できる。化合物(1)及び化合物(2)の総質量に対する、化合物(2)の含有率の調整方法については、第2実施形態で後述する。

0046

化合物混合物の好適な例としては、表1に示す化合物混合物(F−1)〜(F−10)が挙げられる。表1中の「化合物(2)含有率」は、化合物(1)及び化合物(2)の総質量に対する、化合物(2)の含有率(単位:質量%)を示す。

0047

0048

化合物混合物は、1種のみの化合物(1)と、1種のみの化合物(2)とを含有してもよい。或いは、化合物混合物は、2種以上の化合物(1)と、2種以上の化合物(2)とを含有してもよい。

0049

<第2実施形態:化合物混合物の製造方法>
次に、本発明の第2実施形態に係る化合物混合物の製造方法について説明する。第2実施形態に係る化合物混合物の製造方法は、第1実施形態に係る化合物混合物を製造する方法の一例である。第2実施形態に係る製造方法により製造された化合物混合物は、感光体の耐クラック性及び感度特性を向上できる。

0050

第2実施形態に係る化合物混合物の製造方法は、例えば、第1攪拌工程と、第2攪拌工程とを含む。第1攪拌工程において、液を第1攪拌する。液は、一般式(A)で表される化合物と、一般式(B)で表される化合物とを含む。第2攪拌工程において、第1攪拌工程で得られた液に一般式(C)で表される化合物を更に加えて、第2攪拌する。第1攪拌工程の後に液を精製することなく、第2攪拌工程が実施される。第1攪拌工程及び第2攪拌工程を経て、化合物(1)と化合物(2)との混合物が得られる。得られた化合物(1)と化合物(2)との混合物が、第1実施形態に係る化合物混合物に相当する。以下、一般式(A)、(B)、及び(C)で表される化合物を、各々、化合物(A)、(B)、及び(C)と記載することがある。

0051

0052

一般式(A)中のR1、R2、R3、R4、及びR5は、各々、一般式(1)中のR1A、R2A、R3A、R4A、及びR5Aと同一の基を表す。一般式(B)中のR6、R7、R8、R9、及びR10は、各々、一般式(1)中のR6A、R7A、R8A、R9A、及びR10Aと同一の基を表す。一般式(B)中のZ1は、ハロゲン原子を表す。一般式(C)中のYは、一般式(1)中のYと同一の基を表す。一般式(C)中のZ2及びZ3は、ハロゲン原子を表す。

0053

下記反応式(r−1)で表されるように、1モル当量の化合物(A)と、2モル当量の化合物(B)とが反応することにより、1モル当量の化合物(2)が得られる。第1攪拌工程において、反応式(r−1)で表される反応が進行する。なお、第1攪拌工程だけでなく、第2攪拌工程においても、反応式(r−1)で表される反応が進行してもよい。

0054

0055

また、下記反応式(r−2)及び(r−3)で表されるように、2モル当量の化合物(A)と、2モル当量の化合物(B)と、1モル当量の化合物(C)とが反応することにより、1モル当量の化合物(1)が得られる。詳しくは、反応式(r−2)で表されるように、2モル当量の化合物(A)と、2モル当量の化合物(B)とが反応することにより、2モル当量の化学式(D)で表される化合物(以下、化合物(D)と記載することがある)が得られる。化合物(D)は、中間生成物である。次いで、反応式(r−3)で表されるように、2モル当量の化合物(D)と、1モル当量の化合物(C)とが反応することにより、1モル当量の化合物(1)が得られる。第1攪拌工程において、反応式(r−2)で表される反応が進行し、第2攪拌工程において、反応式(r−3)で表される反応が進行する。なお、第1攪拌工程だけでなく、第2攪拌工程においても、反応式(r−2)で表される反応が進行してもよい。

0056

0057

化合物(1)及び(2)の原料が、化合物(A)及び(B)のように共通することから、一般式(A)中のR1は、一般式(1)中のR1A、及びR1B、並びに一般式(2)中のR1Cと同一の基となる。一般式(A)中のR2〜R5も、R1と同じように、一般式(1)及び(2)中の対応する置換基と同一の基となる。化合物(1)及び(2)の原料が、化合物(A)及び(B)のように共通することから、一般式(B)中のR6は、一般式(1)中のR6A及びR6B、並びに一般式(2)中のR6C及びR6Dと同一の基を表す。一般式(B)中のR7〜R10も、R6と同じように、一般式(1)及び(2)中の対応する置換基と同一の基となる。

0058

第1攪拌工程で第1攪拌する液、及び第2攪拌工程で第2攪拌する液には、パラジウム触媒を添加してもよい。パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、ヘキサクロルパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。

0059

第1攪拌工程で第1攪拌する液、及び第2攪拌工程で第2攪拌する液には、配位子を添加してもよい。配位子としては、例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、(4−ジメチルアミノフェニル)ジ−tertブチルホスフィントリシクロヘキシルホスフィントリフェニルホスフィン及びメチルジフェニルホスフィンが挙げられる。

0060

第1攪拌工程で第1攪拌する液、及び第2攪拌工程で第2攪拌する液には、塩基を添加してもよい。塩基としては、例えば、ナトリウムtert−ブトキシドリン酸三カリウム及びフッ化セシウムが挙げられる。

0061

第1攪拌工程で第1攪拌する液、及び第2攪拌工程で第2攪拌する液には、溶媒を添加してもよい。溶媒としては、例えば、キシレントルエンテトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミドが挙げられる。

0062

第1攪拌工程で第1攪拌する液、及び第2攪拌工程で第2攪拌する液の温度は、80℃以上140℃以下であることが好ましい。第1攪拌する時間は、1時間以上10時間以下であることが好ましく、5時間以上10時間以下であることがより好ましい。第2攪拌する時間は、1時間以上10時間以下であることが好ましく、1時間以上4時間以下であることがより好ましい。第1攪拌、及び第2攪拌は、不活性ガス(例えば、窒素ガス、又はアルゴンガス)の雰囲気下で行われてもよい。

0063

第2実施形態に係る化合物混合物の製造方法では、第1攪拌工程の後に液の精製が実施されない。このため、製造工程の簡素化を図ることができる。

0064

第2実施形態に係る化合物混合物の製造方法では、第1攪拌工程及び第2攪拌工程を経て、化合物(1)と化合物(2)との混合物が得られる。混合物の状態で得られるため、化合物(1)と化合物(2)とを各々計量して混合する作業を省略できる。

0065

第2実施形態に係る化合物混合物の製造方法では、第2攪拌工程の後の化合物混合物に、化合物(2)が残存している。副生成物である化合物(2)を完全に除去することなく、化合物(2)を敢えて残存させることにより、化合物混合物が感光層に含有された場合に、感光体の感度特性に加えて、感光体の耐クラック性を向上できる。なお、化合物混合物から化合物(2)が完全に除去されないように、第2攪拌工程の後に精製を行ってもよい。また、化合物混合物から化合物(1)が完全に除去されないように、第2攪拌工程の後に精製を行ってもよい。第2攪拌工程の後の精製方法としては、例えば、活性白土処理、及び再結晶、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。

0066

化合物(1)と化合物(2)との総質量に対する化合物(2)の含有率は、例えば、化合物(A)の添加物質量に対する、化合物(B)の添加物質量の比率(B/A)を変更することにより、調整できる。比率(B/A)は、モル比換算値である。比率(B/A)が高くなるほど、化合物(1)と化合物(2)との総質量に対する化合物(2)の含有率が高くなる。比率(B/A)は、1.05以上1.45以下であることが好ましく、1.05以上1.25以下であることがより好ましい。

0067

また、化合物(1)と化合物(2)との総質量に対する化合物(2)の含有率は、例えば、例えば、化合物(C)の添加物質量に対する、化合物(A)の添加物質量の比率(A/C)を変更することにより、調整できる。比率(A/C)は、モル比換算値である。比率(A/C)が高くなるほど、化合物(1)と化合物(2)との総質量に対する化合物(2)の含有率が高くなる。比率(A/C)は、2.30以上3.30以下であることが好ましく、2.30以上2.60以下であることがより好ましい。

0068

また、化合物(1)と化合物(2)との総質量に対する化合物(2)の含有率は、例えば、化合物(2)を完全に除去することなく第2攪拌工程の後に精製を実施すること、及びその精製条件を変更することにより、調整できる。なお、化合物(1)と化合物(2)との総質量に対する化合物(2)の含有率を調整するために、第1攪拌工程及び第2攪拌工程を経て得られた混合物に、化合物(1)及び化合物(2)の一方又は両方を更に添加してもよい。

0069

<第3実施形態:感光体>
次に、本発明の第3実施形態に係る感光体について説明する。第3実施形態に係る感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する。正孔輸送剤は、第1実施形態に係る化合物混合物を含む。感光層に正孔輸送剤として第1実施形態に係る化合物混合物が含有されることにより、感光体の耐クラック性及び感度特性を向上できる。

0070

感光体は、積層型電子写真感光体(以下、積層型感光体と記載することがある)であってもよく、単層型電子写真感光体(以下、単層型感光体と記載することがある)であってもよい。

0071

(積層型感光体)
以下、図1図3を参照して、感光体1が積層型感光体である場合について説明する。図1図3は、各々、感光体1(より具体的には、積層型感光体)の一例を示す部分断面図である。

0072

図1に示すように、感光体1の一例である積層型感光体は、例えば、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3aと、電荷輸送層3bとを含む。つまり、積層型感光体には、感光層3として、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとが備えられる。

0073

積層型感光体の耐摩耗性を向上させるためには、図1に示すように、導電性基体2上に電荷発生層3aが設けられることが好ましい。同じ理由から、電荷発生層3a上に電荷輸送層3bが設けられることが好ましい。ただし、図2に示すように、積層型感光体は、導電性基体2上に電荷輸送層3bが設けられてもよい。また、電荷輸送層3b上に電荷発生層3aが設けられてもよい。

0074

図1及び図2に示すように、感光層3は、導電性基体2上に直接備えられてもよい。或いは、図3に示すように、感光層3は、導電性基体2上に、中間層4を介して備えられてもよい。

0075

図1図3に示すように、感光層3(例えば、電荷輸送層3b)が、最表面層として設けられていてもよい。或いは、感光層3上に、保護層5(図6参照)が設けられていてもよい。

0076

電荷発生層3aの厚さは、特に限定されないが、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷発生層3aは、電荷発生剤を含有する。電荷発生層3aは、必要に応じて、ベース樹脂を更に含有してもよい。電荷発生層3aは、必要に応じて、添加剤を更に含有してもよい。

0077

電荷輸送層3bの厚さは、特に限定されないが、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層3bは、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する。電荷輸送層3bは、必要に応じて、電子アクセプター化合物を更に含有してもよい。電荷輸送層3bは、必要に応じて、添加剤を更に含有してもよい。以上、図1図3を参照して、感光体1が積層型感光体である場合について説明した。

0078

(単層型感光体)
以下、図4図6を参照して、感光体1が単層型感光体である場合について説明する。図4図6は、感光体1(より具体的には、単層型感光体)の一例を示す部分断面図である。

0079

図4に示すように、感光体1の一例である単層型感光体は、例えば、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、単層である。以下、単層の感光層3を、単層型感光層3cと記載することがある。

0080

図4に示すように、単層型感光層3cは、導電性基体2上に直接備えられてもよい。或いは、図5に示すように、単層型感光層3cは、導電性基体2上に、中間層4を介して備えられてもよい。

0081

図4図5に示すように、単層型感光層3cが、最表面層として設けられていてもよい。或いは、図6に示すように、単層型感光層3c上に、保護層5が設けられていてもよい。

0082

単層型感光層3cの厚さは、特に限定されないが、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。単層型感光層3cは、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する。単層型感光層3cは、必要に応じて、電子輸送剤を更に含有してもよい。単層型感光層3cは、必要に応じて、添加剤を更に含有してもよい。以上、図4図6を参照して、感光体1が単層型感光体である場合について説明した。

0083

次に、感光層に含有される電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂について説明する。また、感光層に必要に応じて含有される電子アクセプター化合物、電子輸送剤、ベース樹脂、及び添加剤についても説明する。

0084

(電荷発生剤)
電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料ペリレン系顔料ビスアゾ顔料トリスアゾ顔料ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料トリフェニルメタン系顔料スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、及びキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生層及び単層型感光層は、1種の電荷発生剤のみを含有してもよく、2種以上の電荷発生剤を含有してもよい。

0085

フタロシアニン系顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン、及び金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、チタニルフタロシアニンヒドロキシガリウムフタロシアニン、及びクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。無金属フタロシアニンは、化学式(CGM−1)で表される。チタニルフタロシアニンは、化学式(CGM−2)で表される。

0086

0087

0088

フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型及びY型結晶(以下、それぞれをα型、β型及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。

0089

例えば、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンがより好ましく、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンが更に好ましく、Y型チタニルフタロシアニンが特に好ましい。

0090

短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料が好適に用いられる。

0091

感光体が積層型感光体である場合、電荷発生剤の含有量は、ベース樹脂100質量部に対して、10質量部以上300質量部以下であることが好ましく、100質量部以上200質量部以下であることがより好ましい。感光体が単層型感光体である場合、電荷発生剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、2質量部以上3質量部以下であることが特に好ましい。

0092

(正孔輸送剤)
正孔輸送剤は、第1実施形態に係る化合物混合物を含む。感光層(例えば、電荷輸送層、又は単層型感光層)は、正孔輸送剤として、第1実施形態に係る化合物混合物を含有する。電荷輸送層及び単層型感光層は、1種の化合物混合物のみを含有してもよいし、2種以上の化合物混合物を含有してもよい。

0093

電荷輸送層及び単層型感光層は、正孔輸送剤として、第1実施形態に係る化合物混合物のみを含有してもよい。また、電荷輸送層及び単層型感光層は、第1実施形態に係る化合物混合物に加えて、第1実施形態に係る化合物混合物以外の正孔輸送剤(以下、その他の正孔輸送剤と記載することがある)を更に含有してもよい。

0094

その他の正孔輸送剤としては、例えば、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、スチリル化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、カルバゾール化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン化合物インドール系化合物オキサゾール系化合物イソオキサゾール系化合物チアゾール系化合物チアジアゾール系化合物イミダゾール系化合物ピラゾール系化合物、及びトリアゾール系化合物が挙げられる。

0095

感光体が積層型感光体である場合、正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、50質量部以上200質量部以下であることが好ましく、90質量部以上110質量部以下であることがより好ましい。感光体が単層型感光体である場合、正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、50質量部以上200質量部以下であることが好ましく、50質量部以上70質量部以下であることがより好ましい。

0096

(バインダー樹脂)
電荷輸送層及び単層型感光層に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアリレート樹脂ポリカーボネート樹脂スチレンブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体ポリエチレン樹脂エチレン酢酸ビニル共重合体塩素化ポリエチレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリプロピレン樹脂アイオノマー樹脂塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂ポリアミド樹脂ウレタン樹脂ポリスルホン樹脂ジアリルフタレート樹脂ケトン樹脂ポリビニルブチラール樹脂ポリエステル樹脂ポリビニルアセタール樹脂、及びポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂エポキシ樹脂フェノール樹脂尿素樹脂、及びメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物アクリル酸付加物、及びウレタン化合物のアクリル酸付加物が挙げられる。電荷輸送層及び単層型感光層は、各々、1種のバインダー樹脂のみを含有してもよく、2種以上のバインダー樹脂を含有してもよい。

0097

バインダー樹脂の粘度平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが更に好ましく、40,000以上であることが特に好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が10,000以上であると、バインダー樹脂の耐摩耗性が高まり、電荷輸送層及び単層型感光層の摩耗を抑制できる。一方、バインダー樹脂の粘度平均分子量は、80,000以下であることが好ましく、70,000以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が80,000以下であると、バインダー樹脂が電荷輸送層形成用溶剤及び単層型感光層形成用の溶剤に溶解し易くなり、電荷輸送層及び単層型感光層の形成が容易となる。

0098

バインダー樹脂としては、ポリアリレート樹脂が好ましい。ポリアリレート樹脂の好適な例としては、少なくとも1種の一般式(10)で表される繰り返し単位と、少なくとも1種の一般式(11)で表される繰り返し単位とを含むポリアリレート樹脂が挙げられる。以下、少なくとも1種の一般式(10)で表される繰り返し単位と、少なくとも1種の一般式(11)で表される繰り返し単位とを含むポリアリレート樹脂を、ポリアリレート樹脂(PA)と記載することがある。また、一般式(10)及び(11)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(10)及び(11)と記載することがある。

0099

0100

一般式(10)中、R11及びR12は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。一般式(10)中、Wは、一般式(W1)、一般式(W2)、又は化学式(W3)で表される二価の基を表す。

0101

0102

一般式(W1)中、R13は、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、R14は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。一般式(W2)中、tは、1以上3以下の整数を表す。

0103

一般式(11)中、Xは、化学式(X1)、化学式(X2)、又は化学式(X3)で表される二価の基を表す。

0104

0105

一般式(W1)中のR13が表わす炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、メチル基が好ましい。一般式(W1)中のR14が表わす炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、炭素原子数2以上4以下のアルキル基が好ましく、エチル基がより好ましい。一般式(W2)中のtは、2を表すことが好ましい。

0106

繰り返し単位(10)の好適な例としては、化学式(10−1)、(10−2)、及び(10−3)で表される繰り返し単位が挙げられる。以下、化学式(10−1)、(10−2)、及び(10−3)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(10−1)、(10−2)、及び(10−3)と記載することがある。

0107

0108

繰り返し単位(11)の好適な例としては、化学式(11−X1)、(11−X2)、及び(11−X3)で表される繰り返し単位(以下、それぞれを繰り返し単位(11−X1)、(11−X2)、及び(11−X3)と記載することがある)が挙げられる。

0109

0110

ポリアリレート樹脂(PA)の好適な態様としては、第1態様、及び第2態様が挙げられる。以下、第1態様、及び第2態様のポリアリレート樹脂(PA)について説明する。

0111

ポリアリレート樹脂(PA)の第1態様は、少なくとも2種の繰り返し単位(11)を含む。第1態様のポリアリレート樹脂(PA)としては、少なくとも1種の繰り返し単位(10)と少なくとも2種の繰り返し単位(11)とを含むポリアリレート樹脂が好ましく、1種の繰り返し単位(10)と2種の繰り返し単位(11)とを含むポリアリレート樹脂がより好ましい。

0112

第1態様のポリアリレート樹脂(PA)が含む少なくとも2種の繰り返し単位(11)は、繰返し単位(11−X1)及び(11−X2)を含むことが好ましい。或いは、第1態様のポリアリレート樹脂(PA)が含む少なくとも2種の繰り返し単位(11)は、繰返し単位(11−X1)及び(11−X3)を含むことが好ましい。

0113

第1態様のポリアリレート樹脂(PA)が含む少なくとも2種の繰り返し単位(11)が、繰返し単位(11−X1)、及び繰返し単位(11−X1)以外の繰り返し単位(11)である場合、繰返し単位(11)の総数に対する、繰り返し単位(11−X1)の数の比率(以下、比率pと記載することがある)は、0.10以上0.90以下であることが好ましく、0.20以上0.80以下であることがより好ましく、0.30以上0.70以下であることが更に好ましく、0.40以上0.60以下であることが一層好ましく、0.50であることが特に好ましい。

0114

第1態様のポリアリレート樹脂(PA)の好適な例としては、第1ポリアリレート樹脂、第2ポリアリレート樹脂、及び第3ポリアリレート樹脂が挙げられる。第1ポリアリレート樹脂は、下記化学式で示すように、繰返し単位(10−1)、繰返し単位(11−X1)、及び繰返し単位(11−X3)を含む。

0115

0116

第2ポリアリレート樹脂は、下記化学式で示すように、繰返し単位(10−2)、繰返し単位(11−X1)、及び繰り返し単位(11−X3)を含む。

0117

0118

第3ポリアリレート樹脂は、下記化学式で示すように、繰返し単位(10−2)、繰返し単位(11−X1)、及び繰返し単位(11−X2)を含む。

0119

0120

以上、ポリアリレート樹脂(PA)の第1態様について説明した。次に、ポリアリレート樹脂(PA)の第2態様について説明する。ポリアリレート樹脂(PA)の第2態様は、少なくとも2種の繰り返し単位(10)を含む。第2態様のポリアリレート樹脂(PA)としては、少なくとも2種の繰り返し単位(10)と少なくとも1種の繰り返し単位(11)とを含むポリアリレート樹脂が好ましく、2種の繰り返し単位(10)と1種の繰り返し単位(11)とを含むポリアリレート樹脂がより好ましい。

0121

第2態様のポリアリレート樹脂(PA)が含む少なくとも2種の繰り返し単位(10)は、繰返し単位(10−1)及び(10−2)を含むことが好ましい。或いは、第2態様のポリアリレート樹脂(PA)が含む少なくとも2種の繰り返し単位(10)は、繰返し単位(10−1)及び(10−3)を含むことが好ましい。

0122

第2態様のポリアリレート樹脂(PA)が含む少なくとも2種の繰り返し単位(10)が、繰返し単位(10−1)と、繰返し単位(10−1)以外の繰り返し単位(10)である場合、繰返し単位(10)の総数に対する、繰り返し単位(10−1)の数の比率(以下、比率qと記載することがある)は、0.10以上1.00未満であることが好ましく、0.50以上0.95以下であることがより好ましく、0.60以上0.95以下であることが更に好ましく、0.70以上0.90以下であることが一層好ましく、0.80であることが特に好ましい。

0123

なお、比率p及びqは、各々、1本の分子鎖から得られる値ではなく、電荷輸送層及び単層型感光層に含有されるポリアリレート樹脂(PA)の全体(複数の分子鎖)から得られる値である。比率p及びqは、プロトン核磁気共鳴分光計を用いてポリアリレート樹脂(PA)の1H−NMRスペクトルを測定することにより算出できる。

0124

第2態様のポリアリレート樹脂(PA)の好適な例としては、第4ポリアリレート樹脂が挙げられる。第4ポリアリレート樹脂は、下記化学式で示すように、繰返し単位(10−1)、繰返し単位(10−3)、及び繰返し単位(11−X3)を含む。第4ポリアリレート樹脂を感光層が含有することにより、感光体の耐クラック性及び感度特性に加えて、感光体の耐摩耗性を特に向上させることができる。

0125

0126

以上、ポリアリレート樹脂(PA)の第2態様について説明した。ポリアリレート樹脂(PA)において、芳香族ジオール由来の繰り返し単位(10)と、芳香族ジカルボン酸由来の繰り返し単位(11)とは、隣接して互いに結合している。ポリアリレート樹脂(PA)が共重合体である場合、ポリアリレート樹脂(PA)は、ランダム共重合体交互共重合体周期的共重合体、及びブロック共重合体の何れであってもよい。

0127

ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10)及び(11)のみを含んでいてもよい。また、ポリアリレート樹脂(PA)は、繰り返し単位(10)及び(11)に加えて、繰り返し単位(10)及び(11)以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。

0128

電荷輸送層及び単層型感光層は、バインダー樹脂として、1種のポリアリレート樹脂(PA)のみを含有してもよく、2種以上のポリアリレート樹脂(PA)を含有してもよい。また、電荷輸送層及び単層型感光層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PA)のみを含有してもよく、ポリアリレート樹脂(PA)に加えてそれ以外のバインダー樹脂を更に含有してもよい。

0129

ポリアリレート樹脂(PA)の製造方法は、特に限定されない。ポリアリレート樹脂(PA)の製造方法として、例えば、繰返し単位(10)を形成するための芳香族ジオールと、繰り返し単位(11)を形成するための芳香族ジカルボン酸とを、縮重合させる方法が挙げられる。縮重合させる方法としては、公知の合成方法(より具体的には、溶液重合溶融重合又は界面重合等)を採用することができる。

0130

繰返し単位(10)を形成するための芳香族ジオールは、一般式(BP−10)で表される化合物(以下、化合物(BP−10)と記載することがある)である。繰返し単位(11)を形成するための芳香族ジカルボン酸は、一般式(DC−11)で表される化合物(以下、化合物(DC−11)と記載することがある)である。一般式(BP−10)及び(DC−11)中のR11、R12、W、及びXは、各々、一般式(10)及び(11)中のR11、R12、W、及びXと同義である。

0131

0132

化合物(BP−10)の好適な例としては、化学式(BP−10−1)〜(BP−10−3)で表される化合物(以下、それぞれを化合物(BP−10−1)〜(BP−10−3)と記載することがある)が挙げられる。

0133

0134

化合物(DC−11)の好適な例としては、化学式(DC−11−X1)〜(DC−11−X3)(以下、それぞれを化合物(DC−11−X1)〜(DC−11−X3)と記載することがある)が挙げられる。

0135

0136

芳香族ジオール(例えば、化合物(BP−10))を、芳香族ジアセテートに変形して使用してもよい。芳香族ジカルボン酸(例えば、化合物(DC−11))を、誘導体化して使用してもよい。芳香族ジカルボン酸の誘導体の例としては、芳香族ジカルボン酸ジクロライド、芳香族ジカルボン酸ジメチルエステル、芳香族ジカルボン酸ジエチルエステル、及び芳香族ジカルボン酸無水物が挙げられる。芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、芳香族ジカルボン酸の2個の「−C(=O)−OH」基が各々「−C(=O)−Cl」基で置換された化合物である。

0137

芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸との縮重合において、塩基及び触媒の一方又は両方を添加してもよい。塩基及び触媒は、公知の塩基及び触媒から適宜選択することができる。塩基の例としては、水酸化ナトリウムが挙げられる。触媒の例としては、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライドアンモニウムクロライドアンモニウムブロマイド、4級アンモニウム塩トリエチルアミン及びトリメチルアミンが挙げられる。以上、ポリアリレート樹脂の好適な例について説明した。

0138

(ベース樹脂)
感光体が積層型感光体である場合、電荷発生層は、ベース樹脂を含有してもよい。ベース樹脂の例は、バインダー樹脂の例と同じである。電荷発生層は、1種のベース樹脂のみを含有してもよく、2種以上のベース樹脂を含有してもよい。電荷発生層及び電荷輸送層を良好に形成するためには、電荷発生層に含有されるベース樹脂は、電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂と異なることが好ましい。

0139

(電子アクセプター化合物)
感光体が積層型感光体である場合、電荷輸送層は、電子アクセプター化合物を含有することが好ましい。電子アクセプター化合物としては、例えば、キノン系化合物ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントンジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸無水マレイン酸、及びジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物ナフトキノン系化合物、ニトロアトラキノン系化合物、及びジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。

0140

電子アクセプター化合物の好適な例としては、一般式(20)で表される化合物(以下、化合物(20)と記載することがある)が挙げられる。

0141

0142

一般式(20)中、Q1、Q2、Q3及びQ4は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基、又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。

0143

一般式(20)中のQ1、Q2、Q3及びQ4が表わす炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基又はヘキシル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。

0144

一般式(20)中のQ1、Q2、Q3及びQ4が表わす炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基が好ましい。一般式(20)中のQ1、Q2、Q3及びQ4が表わす炭素原子数5以上7以下のシクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。一般式(20)中のQ1、Q2、Q3及びQ4が表わす炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、炭素原子数6以上10以下のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。

0145

一般式(20)中、Q1、Q2、Q3及びQ4は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましい。

0146

電子アクセプター化合物として好ましくは、化学式(E−1)で表される化合物(以下、それぞれを、化合物(E−1)と記載することがある)が挙げられる。化合物(E−1)は、化合物(20)の好適な例である。

0147

0148

電荷輸送層は、電子アクセプター化合物として、化合物(20)のうちの1種のみを含有してもよく、化合物(20)のうちの2種以上を含有してもよい。化合物(20)に加えて、化合物(20)以外の電子アクセプター化合物を電荷輸送層は更に含有してもよい。

0149

電荷輸送層は、1種の電子アクセプター化合物のみを含有してもよく、2種以上の電子アクセプター化合物を含有してもよい。電子アクセプター化合物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。

0150

(電子輸送剤)
感光体が単層型感光体である場合、単層型感光層は、電子輸送剤を含有することが好ましい。単層型感光層が含有する電子輸送剤としては、公知の電子輸送剤を適宜使用できる。

0151

(添加剤)
添加剤としては、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤ラジカル捕捉剤、1重項消光剤又は紫外線吸収剤)、軟化剤表面改質剤増量剤増粘剤、分散安定剤、ワックスドナー界面活性剤可塑剤増感剤及びレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール(例えば、ジ(tert−ブチル)p−クレゾール)が挙げられる。レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイルが挙げられる。

0152

(材料の組み合わせ)
感光体の耐クラック性及び感度特性を向上させるためには、次に示す材料の組み合わせが好ましい。詳しくは、感光層に含有される正孔輸送剤及びバインダー樹脂が、表2に示す組み合わせ例(G−1)〜(G−13)の何れかであることが好ましい。感光層に含有される正孔輸送剤及びバインダー樹脂が、表2に示す組み合わせ例(G−1)〜(G−13)の何れかであり、電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることがより好ましい。なお、表2中の「化合物(2)含有率」は、化合物(1)及び化合物(2)の総質量に対する、化合物(2)の含有率(単位:質量%)を示す。表2中の「HTM」は、正孔輸送剤を示し、「樹脂」は、バインダー樹脂を示す。

0153

0154

感光体が積層型感光体である場合、積層型感光体の耐クラック性及び感度特性を向上させるためには、次に示す材料の組み合わせが好ましい。詳しくは、電荷輸送層に含有される正孔輸送剤及びバインダー樹脂が、表2に示す組み合わせ例(G−1)〜(G−13)の何れかであることが好ましい。電荷輸送層に含有される正孔輸送剤及びバインダー樹脂が、表2に示す組み合わせ例(G−1)〜(G−13)の何れかであり、電子アクセプター化合物が化合物(E−1)であることがより好ましい。電荷輸送層に含有される正孔輸送剤及びバインダー樹脂が、表2に示す組み合わせ例(G−1)〜(G−13)の何れかであり、電子アクセプター化合物が化合物(E−1)であり、電荷発生層に含有される電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることが更に好ましい。電荷輸送層に含有される正孔輸送剤及びバインダー樹脂が、表2に示す組み合わせ例(G−1)〜(G−13)の何れかであり、電子アクセプター化合物が化合物(E−1)であり、電荷発生層に含有される電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであり、電荷輸送層に含有される添加剤がヒンダードフェノール酸化防止剤及びジメチルシリコーンオイルの一方又は両方であることが特に好ましい。

0155

(導電性基体)
導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウムモリブデンクロムカドミウムチタンニッケル、パラジウム、インジウムステンレス鋼、及び真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。これらの導電性を有する材料のなかでも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。

0156

導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状及びドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。

0157

(中間層)
感光体は、必要に応じて、中間層(下引き層)を備えてもよい。中間層は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇が抑えられる。

0158

無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄又は銅)の粒子金属酸化物(例えば、酸化チタンアルミナ酸化ジルコニウム酸化スズ又は酸化亜鉛)の粒子、及び非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0159

中間層用樹脂の例は、上記バインダー樹脂の例と同じである。中間層及び感光層を良好に形成するためには、中間層用樹脂は、感光層に含有されるバインダー樹脂と異なることが好ましい。中間層は、添加剤を含有してもよい。中間層に含有される添加剤の例は、感光層に含有される添加剤の例と同じである。

0160

次に、感光体の製造方法について、説明する。感光体の製造方法は、導電性基体上に直接又は中間層を介して、感光層を形成する工程(感光層形成工程)を含む。

0161

(積層型感光体の製造方法)
以下、感光体が積層型感光体である場合の製造方法について説明する。感光体が積層型感光体である場合、感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と、電荷輸送層形成工程とを含む。

0162

電荷発生層形成工程において、導電性基体上に直接又は中間層を介して、電荷発生剤を含有する電荷発生層を形成する。詳しくは、電荷発生層を形成するための塗布液(以下、電荷発生層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷発生層用塗布液を、導電性基体上に塗布する。或いは、電荷発生層用塗布液を、導電性基体上に備えられた中間層上に塗布する。次いで、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して、電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、溶剤とを含有する。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤を溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷発生層用塗布液は、必要に応じて、ベース樹脂及び添加剤を、更に含有してもよい。

0163

電荷輸送層形成工程において、電荷発生層上に、正孔輸送剤及びバインダー樹脂を含有する電荷輸送層を形成する。詳しくは、電荷輸送層を形成するための塗布液(以下、電荷輸送層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に塗布する。次いで、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して、電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。正孔輸送剤は、第1実施形態に係る化合物混合物を含む。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤及びバインダー樹脂を溶剤に溶解又は分散させることにより調製できる。電荷輸送層用塗布液は、必要に応じて、電子アクセプター化合物及び添加剤を更に含有してもよい。

0164

(単層型感光体の製造方法)
以下、感光体が単層型感光体である場合の製造方法について説明する。感光体が単層型感光体である場合、感光層形成工程は、単層型感光層形成工程を含む。

0165

単層型感光層形成工程において、導電性基体上に直接又は中間層を介して、電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂を含有する単層型感光層を形成する。詳しくは、単層型感光層形成工程では、単層型感光層を形成するための塗布液(以下、単層型感光層用塗布液と記載することがある)を調製する。単層型感光層用塗布液を、導電性基体上に塗布する。或いは、単層型感光層用塗布液を、導電性基体上に備えられた中間層上に塗布する。次いで、塗布した単層型感光層用塗布液に含有される溶剤の少なくとも一部を除去して、単層型感光層を形成する。単層型感光層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。正孔輸送剤は、第1実施形態に係る化合物混合物を含む。このような単層型感光層用塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。単層型感光層用塗布液は、必要に応じて、電子輸送剤、及び添加剤を更に含有してもよい。

0166

電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び単層型感光層用塗布液(以下、包括的に「塗布液」と記載することがある)に含有される溶剤は、塗布液に含有される各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。塗布液に含有される溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノールエタノールイソプロパノール又はブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサンオクタン又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタンジクロロエタン四塩化炭素又はクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテルジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトンメチルエチルケトン又はシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤を、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン溶剤(ハロゲン化炭化水素以外の溶剤)を用いることが好ましい。

0167

電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布する場合に、電荷発生層が電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいからである。

0168

塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミルロールミルボールミルアトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。

0169

各成分の分散性又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、塗布液は、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。

0170

塗布液を塗布する方法としては、塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法スプレーコート法スピンコート法、及びバーコート法が挙げられる。

0171

塗布液に含有される溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、及び加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理の温度は、例えば、40℃以上150℃以下である。熱処理の時間は、例えば、3分間以上120分間以下である。

0172

なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程、及び表面層を形成する工程を更に有してもよい。中間層を形成する工程、及び表面層を形成する工程としては、公知の方法が適宜選択される。

0173

以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。

0174

<化合物混合物の調製>
実施例に係る試料(M−A1)〜(M−A10)の組成を、後述する表3の「HTM」欄に示す。比較例に係る試料(M−B1)〜(M−B7)の組成を、後述する表4の「HTM」欄に示す。

0175

試料(M−A1)〜(M−A10)及び(M−B1)〜(M−B7)の調製方法を説明する。以下に示す各試料の調製方法において、下記化学式(A−1)〜(A−6)、(B−1)〜(B−2)、及び(C−1)〜(C−3)で表される化合物を、各々、化合物(A−1)〜(A−6)、(B−1)〜(B−2)、及び(C−1)〜(C−3)と記載することがある。

0176

0177

(試料(M−A1)の調製)
下記反応式(r−a)に従って、試料(M−A1)を調製した。

0178

0179

詳しくは、分溜管を備える500mLの三口フラスコに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.0366g、0.040mmol)と、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.0763g、0.016mmol)と、ナトリウムtert−ブトキシド(9.669g、100.7mmol)とを入れた。フラスコ内の脱気及び窒素ガス置換を2回繰り返すことにより、フラスコ内の空気を窒素ガスに置換した。

0180

次いで、2−エチルアニリン(化合物(A−1)、8.45g、69.8mmol)と、4−クロロトルエン(化合物(B−1)、10.13g、80.0mmol)と、キシレン(45g)とを、フラスコ内に更に加えた。フラスコ内の液が還流するように、液を130℃まで昇温させた。なお、昇温の過程で発生したtert−ブタノールを留去しながら、液を昇温させた。液を還流させながら、液を130℃で2時間、攪拌(第1攪拌に相当)した。次いで、フラスコ内の液を、50℃まで冷却した。

0181

次いで、ナトリウムtert−ブトキシド(7.680g、80.0mmol)と、4,4’’−ジブロ−p−ターフェニル(化合物(C−1)、11.60g、30.0mmol)と、酢酸パラジウム(II)(0.0168g、0.075mmol)と、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.1425g、0.299mmol)と、キシレン(32g)とを、フラスコ内の液に更に加えた。フラスコ内の液が還流するように、液を130℃まで昇温させた。なお、昇温の過程で発生したtert−ブタノールを留去しながら、液を昇温させた。液を還流させながら、液を130℃で3時間、攪拌(第2攪拌に相当)した。

0182

次いで、フラスコ内の液を、90℃まで冷却した。フラスコ内の90℃の液を濾過して液中不溶分を除去し、濾液を得た。濾液に、活性白土処理を2回行った。活性白土処理は、濾液に活性白土(日本活性白土株式会社製「SA−1」、8g)を入れて110℃で15分間攪拌し、再度濾過して、濾液を回収する処理であった。2回の活性白土処理を行った濾液を減圧濃縮して、濃縮液を得た。濃縮液に、濃縮液がわずかに白濁する程度の量(約50g)のイソヘキサンを加え、次いでメタノール(50g)を加えた。濃縮液を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過により取り出した。この結晶にキシレン(100g)を加えて110℃に加熱し、キシレンに結晶を溶解させて、溶液を得た。溶液に、上記活性白土処理を5回行った。5回の活性白土処理を行った濾液を減圧濃縮して、濃縮液を得た。濃縮液に、濃縮液がわずかに白濁する程度の量(約50g)のイソヘキサンを加え、次いでメタノール(50g)を加えた。濃縮液を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過により取り出した。得られた結晶を真空下70℃で24時間乾燥し、試料(M−A1)を得た。試料(M−A1)は、化合物(HTM−1)と化合物(HTM−A)とを含有する化合物混合物であった。試料(M−A1)の収量は、16.3gであった。化合物(C−1)に対する、試料(M−A1)に含有される化合物(HTM−1)の収率は、84%であった。

0183

(試料(M−A2)の調製)
化合物(A−1)69.8mmolを、化合物(A−2)69.8mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A2)を得た。試料(M−A2)は、化合物(HTM−2)と化合物(HTM−B)とを含有する化合物混合物であった。

0184

(試料(M−A3)の調製)
化合物(A−1)69.8mmolを、化合物(A−3)69.8mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A3)を得た。試料(M−A3)は、化合物(HTM−3)と化合物(HTM−C)とを含有する化合物混合物であった。

0185

(試料(M−A4)の調製)
化合物(A−1)69.8mmolを化合物(A−4)69.8mmolに変更したこと、及び化合物(B−1)80.0mmolを化合物(B−2)80.0mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A4)を得た。試料(M−A4)は、化合物(HTM−4)と化合物(HTM−D)とを含有する化合物混合物であった。

0186

(試料(M−A5)の調製)
化合物(A−1)69.8mmolを化合物(A−5)69.8mmolに変更したこと、化合物(B−1)80.0mmolを化合物(B−2)80.0mmolに変更したこと、及び化合物(C−1)30.0mmolを化合物(C−2)30.0mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A5)を得た。試料(M−A5)は、化合物(HTM−5)と化合物(HTM−E)とを含有する化合物混合物であった。

0187

(試料(M−A6)の調製)
化合物(A−1)69.8mmolを化合物(A−6)69.8mmolに変更したこと、化合物(B−1)80.0mmolを化合物(B−2)80.0mmolに変更したこと、及び化合物(C−1)30.0mmolを化合物(C−3)30.0mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A6)を得た。試料(M−A6)は、化合物(HTM−6)と化合物(HTM−F)とを含有する化合物混合物であった。

0188

(試料(M−A7)の調製)
化合物(B−1)80.0mmolを化合物(B−1)75.0mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A7)を得た。試料(M−A7)は、化合物(HTM−1)と化合物(HTM−A)とを含有する化合物混合物であった。

0189

(試料(M−A8)の調製)
化合物(A−1)69.8mmolを化合物(A−1)76.8mmolに変更したこと、及び化合物(B−1)80.0mmolを化合物(B−1)93.5mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A8)を得た。試料(M−A8)は、化合物(HTM−1)と化合物(HTM−A)とを含有する化合物混合物であった。

0190

(試料(M−A9)の調製)
化合物(A−1)69.8mmolを化合物(A−1)94.2mmolに変更したこと、及び化合物(B−1)80.0mmolを化合物(B−1)128.25mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A9)を得た。試料(M−A9)は、化合物(HTM−1)と化合物(HTM−A)とを含有する化合物混合物であった。

0191

(試料(M−A10)の調製)
化合物(A−1)69.8mmolを化合物(A−1)97.7mmolに変更したこと、及び化合物(B−1)80.0mmolを化合物(B−1)140.0mmolに変更したこと以外は、試料(M−A1)の調製と同じ方法で、試料(M−A10)を得た。試料(M−A10)は、化合物(HTM−1)と化合物(HTM−A)とを含有する化合物混合物であった。

0192

(試料(M−B1)の調製)
試料(M−A1)を、展開溶媒としてトルエンとイソヘキサンとの混合溶媒体積比率50/50)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、精製した。このようにして、化合物(HTM−1)を含有する画分を分取した。分取した液(画分)がわずかに白濁するまで、減圧濃縮し、濃縮液を得た。濃縮液に、イソヘキサンとメタノールとを加えた。濃縮液を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過により取り出し、試料(M−B1)を得た。試料(M−B1)は、化合物(HTM−1)のみを含有し、化合物(HTM−A)を含有していなかった。

0193

(試料(M−B2)の調製)
試料(M−A1)を試料(M−A2)に変更したこと以外は、試料(M−B1)の調製と同じ方法で、試料(M−B2)を得た。試料(M−B2)は、化合物(HTM−2)のみを含有し、化合物(HTM−B)を含有していなかった。

0194

(試料(M−B3)の調製)
試料(M−A1)を試料(M−A3)に変更したこと以外は、試料(M−B1)の調製と同じ方法で、試料(M−B3)を得た。試料(M−B3)は、化合物(HTM−3)のみを含有し、化合物(HTM−C)を含有していなかった。

0195

(試料(M−B4)の調製)
試料(M−A1)を試料(M−A4)に変更したこと以外は、試料(M−B1)の調製と同じ方法で、試料(M−B4)を得た。試料(M−B4)は、化合物(HTM−4)のみを含有し、化合物(HTM−D)を含有していなかった。

0196

(試料(M−B5)の調製)
試料(M−A1)を試料(M−A5)に変更したこと以外は、試料(M−B1)の調製と同じ方法で、試料(M−B5)を得た。試料(M−B5)は、化合物(HTM−5)のみを含有し、化合物(HTM−E)を含有していなかった。

0197

(試料(M−B6)の調製)
試料(M−A1)を試料(M−A6)に変更したこと以外は、試料(M−B1)の調製と同じ方法で、試料(M−B6)を得た。試料(M−B6)は、化合物(HTM−6)のみを含有し、化合物(HTM−F)を含有していなかった。

0198

(試料(M−B7)の調製)
試料(M−A1)を、展開溶媒としてトルエンとイソヘキサンとの混合溶媒(体積比率50/50)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、精製した。このようにして、化合物(HTM−A)を含有する画分を分取した。分取した液(画分)がわずかに白濁するまで、減圧濃縮し、濃縮液を得た。濃縮液に、イソヘキサンとメタノールとを加えた。濃縮液を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾過により取り出し、試料(M−B7)を得た。試料(M−B7)は、化合物(HTM−A)のみを含有し、化合物(HTM−1)を含有していなかった。

0199

(化合物(1)及び化合物(2)の含有率の測定)
調製した各試料について、化合物(1)と化合物(2)との総質量に対する、化合物(1)の含有率を測定した。また、調製した各試料について、化合物(1)と化合物(2)との総質量に対する、化合物(2)の含有率を測定した。化合物(1)の含有率として、一般式(1)に包含される化合物(HTM−1)〜(HTM−6)の含有率を測定した。また、化合物(2)の含有率として、一般式(2)に包含される化合物(HTM−A)〜(HTM−F)の含有率を測定した。測定方法は、次の通りであった。

0200

試料(より具体的には、試料(M−A1)〜(M−A10)及び(M−B1)〜(M−B7)の各々)2.0mgを、テトラヒドロフラン670mgに溶解し、テトラヒドロフラン溶液を得た。なお、安定剤を含有していないテトラヒドロフランを使用した。得られたテトラヒドロフラン溶液を、高速液体クロマトグラフィーHPLC)により分析した。詳しくは、下記に示す分析装置及び分析条件で、試料のテトラヒドロフラン溶液を分析し、HPLCチャートを得た。HPLCチャートにおける化合物(1)のピーク面積から試料中の化合物(1)の含有量を求めた。HPLCチャートにおける化合物(2)のピーク面積から試料中の化合物(2)の含有量を求めた。求めた化合物(1)の含有量と化合物(2)の含有量とから、化合物(1)の含有率、及び化合物(2)の含有率を算出した。算出結果を、表3〜表5の「含有率」欄に示す。

0201

(分析装置及び分析条件)
・分析装置:株式会社日立ハイテクノロジーズ製「LaChrom ELITE
検出波長:254nm
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製「Inertsil(登録商標ODS−3」(内径:4.6mm、長さ:250mm)
カラム温度:40℃
・展開溶媒:アセトニトリル
・流量:1mL/分
試料注入量:1μL

0202

<バインダー樹脂の合成>
次に、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)を合成した。これらのポリアリレート樹脂を、後述する「積層型感光体の製造」に用いた。

0203

(ポリアリレート樹脂(R−1))
ポリアリレート樹脂(R−1)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−1)、(11−X1)及び(11−X3)のみを有するポリアリレート樹脂であった。ポリアリレート樹脂(R−1)は、繰り返し単位(11)として繰り返し単位(11−X1)及び(11−X3)の2種を有しており、比率pは0.50であった。ポリアリレート樹脂(R−1)の粘度平均分子量は、50,500であった。

0204

0205

反応容器として、温度計三方コック、及び容量200mLの滴下ロートを備えた容量1Lの三口フラスコを用いた。反応容器に、化合物(BP−10−1)10g(41.28ミリモル)と、tert−ブチルフェノール0.062g(0.413ミリモル)と、水酸化ナトリウム3.92g(98ミリモル)と、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.120g(0.384ミリモル)とを入れた。反応容器内の空気をアルゴンガスで置換した。反応容器の内容物に水300mLを加えた。反応容器の内容物を50℃で1時間攪拌した。次いで、反応容器の内容物の温度が10℃になるまで反応容器の内容物を冷却して、アルカリ性水溶液Aを得た。

0206

2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(化合物(DC−11−X1)のジクロライド)4.10g(16.2ミリモル)と、4,4’−オキシビス安息香酸ジクロライド(化合物(DC−11−X3)のジクロライド)4.78g(16.2ミリモル)とを、クロロホルム150mLに溶解させた。このようにして、クロロホルム溶液Bを得た。

0207

滴下ロートからクロロホルム溶液Bを、アルカリ性水溶液Aに110分間かけてゆっくりと滴下した。反応容器の内容物の温度(液温)を15±5℃に調節しながら、反応容器の内容物を4時間攪拌して重合反応を進行させた。次いで、デカントを用いて反応容器の内容物における上層水層)を除去し、有機層を得た。次いで、容量1Lの三角フラスコに、イオン交換水400mLを入れた。フラスコ内容物に、得られた有機層を加えた。フラスコ内容物に、クロロホルム400mL及び酢酸2mLを更に加えた。次いで、フラスコ内容物を、室温(25℃)で30分間攪拌した。その後、デカントを用いてフラスコ内容物における上層(水層)を除去し、有機層を得た。分液ロートを用いて、得られた有機層をイオン交換水1Lで洗浄した。イオン交換水による洗浄を5回繰り返し、水洗した有機層を得た。

0208

次に、水洗した有機層をろ過し、ろ液を得た。容量1Lのビーカーに1Lのメタノールを入れた。ビーカー内のメタノールに得られたろ液をゆっくりと滴下し、沈殿物を得た。沈殿物をろ過により取り出した。取り出した沈殿物を温度70℃で12時間真空乾燥させた。その結果、ポリアリレート樹脂(R−1)が得られた。

0209

(ポリアリレート樹脂(R−2))
ポリアリレート樹脂(R−2)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−2)、(11−X1)及び(11−X3)のみを有するポリアリレート樹脂であった。ポリアリレート樹脂(R−2)は、繰り返し単位(11)として繰り返し単位(11−X1)及び(11−X3)の2種を有しており、比率pは0.50であった。ポリアリレート樹脂(R−2)の粘度平均分子量は、47,500であった。

0210

0211

41.28ミリモルの化合物(BP−10−1)を41.28ミリモルの化合物(BP−10−2)に変更したこと以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の合成と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−2)を得た。

0212

(ポリアリレート樹脂(R−3))
ポリアリレート樹脂(R−3)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−2)、(11−X1)及び(11−X2)のみを有するポリアリレート樹脂であった。ポリアリレート樹脂(R−3)は、繰り返し単位(11)として繰り返し単位(11−X1)及び(11−X2)の2種を有しており、比率pは0.50であった。ポリアリレート樹脂(R−3)の粘度平均分子量は、50,500であった。

0213

0214

41.28ミリモルの化合物(BP−10−1)を41.28ミリモルの化合物(BP−10−2)に変更したこと、及び16.2ミリモルの化合物(DC−11−X3)のジクロライドを16.2ミリモルの化合物(DC−11−X2)のジクロライドに変更したこと以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の合成と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−3)を得た。

0215

(ポリアリレート樹脂(R−4))
ポリアリレート樹脂(R−4)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(10−1)、(10−3)及び(11−X3)のみを有するポリアリレート樹脂であった。ポリアリレート樹脂(R−4)の比率qは0.80であった。ポリアリレート樹脂(R−4)の粘度平均分子量は、50,500であった。

0216

0217

41.28ミリモルの化合物(BP−10−1)を33.02ミリモルの化合物(BP−10−1)及び8.26ミリモルの化合物(BP−10−3)に変更したこと、並びに16.2ミリモルの化合物(DC−11−X1)のジクロライド及び16.2ミリモルの化合物(DC−11−X3)のジクロライドを32.4ミリモルの化合物(DC−11−X3)のジクロライドに変更したこと以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の合成と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−4)を得た。

0218

<積層型感光体の製造>
(積層型感光体(A−1)の製造)
まず、中間層を形成した。表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、数平均一次粒径10nm)を準備した。SMT−Aは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて更に表面処理したものであった。次いで、SMT−Aの2質量部と、ポリアミド樹脂(東レ株式会社製「アミラン(登録商標)CM8000」、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂)1質量部と、メタノール10質量部と、ブタノール1質量部と、トルエン1質量部とを、ビーズミルを用いて5時間混合して、中間層用塗布液を得た。中間層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、ディップコート法により、導電性基体の表面に中間層用塗布液を塗布した。導電性基体としては、アルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)を用いた。続いて、塗布した中間層用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体上に中間層(膜厚2μm)を形成した。

0219

次に、電荷発生層を形成した。詳しくは、電荷発生剤であるY型チタニルフタロシアニン1.5質量部と、ベース樹脂であるポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)1.0質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル40.0質量部と、テトラヒドロフラン40.0質量部とを、ビーズミルを用いて2時間混合して、電荷発生層用塗布液を得た。電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。ディップコート法により、得られたろ液を中間層上に塗布し、50℃で5分間乾燥させた。このようにして、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。

0220

次に、電荷輸送層を形成した。詳しくは、正孔輸送剤である試料(M−A1)100.00質量部と、バインダー樹脂であるポリアリレート樹脂(R−1)100.00質量部と、電子アクセプター化合物である化合物(E−1)2.00質量部と、ヒンダードフェノール酸化防止剤(BASF社製「イルガノックス(登録商標)1010」)0.50質量部と、レベリング剤(ジメチルシリコーンオイル、信越化学工業株式会社製「KF96−50CS」)0.05質量部と、テトラヒドロフラン350.00質量部と、トルエン350.00質量部とを混合して、電荷輸送層用塗布液を得た。ディップコート法により、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布し、120℃で40分間乾燥させた。このようにして、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚20μm)を形成した。その結果、積層型感光体(A−1)が得られた。積層型感光体(A−1)において、導電性基体上に中間層が、中間層上に電荷発生層が、電荷発生層上に電荷輸送層が備えられていた。

0221

(積層型感光体(A−2)〜(A−6)、(A−10)〜(A−13)、及び(B−1)〜(B−7)の製造)
試料(M−A1)を、表3及び表4の「試料No.」欄に示す試料に変更したこと以外は、積層型感光体(A−1)の製造と同じ方法で、積層型感光体(A−2)〜(A−6)、(A−10)〜(A−13)、及び(B−1)〜(B−7)の各々を製造した。例えば、積層型感光体(A−2)の製造においては、試料(M−A1)を、表3の「試料No.」欄に示す試料(M−A2)に変更した。

0222

(積層型感光体(A−7)〜(A−9)の製造)
ポリアリレート樹脂(R−1)を、表3及び表4の「樹脂」欄に示すバインダー樹脂に変更したこと以外は、積層型感光体(A−1)の製造と同じ方法で、積層型感光体(A−7)〜(A−9)の各々を製造した。例えば、積層型感光体(A−7)の製造においては、ポリアリレート樹脂(R−1)を、表3の「樹脂」欄に示すポリアリレート樹脂(R−2)に変更した。

0223

帯電特性の評価>
積層型感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−7)の各々に対して、温度10℃及び相対湿度20%RHの環境下で、帯電特性を評価した。詳しくは、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、積層型感光体の回転数31rpm及び積層型感光体への流れ込み電流−10μAの条件下で、積層型感光体を帯電させた。帯電させた積層型感光体の表面電位を測定した。測定した表面電位を、積層型感光体の帯電電位(V0、単位:−V)とした。積層型感光体の帯電電位(V0)を、表3及び表4に示す。

0224

<感度特性の評価>
積層型感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−7)の各々に対して、温度10℃及び相対湿度20%RHの環境下で、感度特性を評価した。詳しくは、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、積層型感光体の表面を−600Vに帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:0.8μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、積層型感光体の表面に照射した。単色光の照射終了から120ミリ秒が経過した時点の積層型感光体の表面電位を測定した。測定した表面電位を、積層型感光体の露光後電位(VL、単位:−V)とした。積層型感光体の露光後電位(VL)を、表3及び表4に示す。露光後電位(VL)の絶対値から、以下の基準に従って、積層型感光体の感度特性を評価した。
良好:露光後電位の絶対値が170V以下である。
不良:露光後電位の絶対値が170V超である。

0225

<結晶化抑制の評価>
積層型感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−7)の各々の感光層全域を、肉眼で観察した。そして、感光層における結晶化した部分の有無を確認した。確認結果から、以下の基準に従って、積層型感光体の結晶化が抑制されているか否かを評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
評価A:結晶化した部分が確認されなかった。
評価B:結晶化した部分が確認された。

0226

<耐クラック性の評価>
積層型感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−7)の各々に対して、耐クラック性を評価した。詳しくは、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下にて、イソパラフィン系炭化水素溶剤エクソンモービル社製「アイソパーL」)に、積層型感光体の下端から40mmまでの領域を24時間浸漬させた。24時間浸漬後、積層型感光体の表面に発生したクラックの数を確認した。クラックの数から、以下の基準に従って、耐クラック性を評価した。
評価A:クラックの数が20個以下である。
評価B:クラックの数が20個を超える。

0227

表3〜表5中の「HTM」は、正孔輸送剤を示す。表3〜表5中の「含有率」欄の「化合物(1)」は、化合物(1)と化合物(2)の総質量に対する、化合物(1)の含有率(単位:質量%)を示す。表3〜表5中の「含有率」欄の「化合物(2)」は、化合物(1)と化合物(2)の総質量に対する、化合物(2)の含有率(単位:質量%)を示す。表3〜表5中の「樹脂」は、バインダー樹脂を示す。表3〜表5中の「EA」は、電子アクセプター化合物を示す。表3及び表4中の「V0」は、帯電電位を示す。表3及び表4中の「VL」は、露光後電位を示す。表3及び表4中の「結晶化」は、結晶化抑制の評価を示す。表3及び表4中の「クラック」は、耐クラック性の評価を示す。

0228

0229

0230

表3に示すように、試料(M−A1)〜(M−A10)は、各々、化合物(1)(より具体的には、化合物(HTM−1)〜(HTM−6)の何れか)と、化合物(2)(より具体的には、化合物(HTM−A)〜(HTM−F)の何れか)とを含有する化合物混合物であった。化合物混合物である試料(M−A1)〜(M−A10)は、積層型感光体(A−1)〜(A−13)の電荷輸送層に含有されていた。そのため、積層型感光体(A−1)〜(A−13)は、耐クラック性の評価がA評価であり、耐クラック性に優れていた。また、積層型感光体(A−1)〜(A−13)は、露光後電位の絶対値が170V以下であり、感度特性に優れていた。

0231

表4に示すように、試料(M−B1)〜(M−B6)は、各々、化合物(2)を含有していなかった。試料(M−B1)〜(M−B6)は、積層型感光体(B−1)〜(B−6)の電荷輸送層に含有されていた。そのため、積層型感光体(B−1)〜(B−6)は、耐クラック性の評価がB評価であり、耐クラック性に劣っていた。

0232

表4に示すように、試料(M−B7)は、化合物(1)を含有していなかった。試料(M−B7)は、積層型感光体(B−7)の電荷輸送層に含有されていた。そのため、積層型感光体(B−7)は、露光後電位の絶対値が170V超であり、感度特性に劣っていた。

0233

以上のことから、本発明の化合物混合物、及び本発明の製造方法により製造された化合物混合物は、感光層に含有された場合に、感光体の耐クラック性及び感度特性を向上できることが示された。また、本発明の化合物混合物を含有する感光体は、耐クラック性及び感度特性に優れることが示された。

0234

なお、表3の帯電特性の評価結果から、積層型感光体(A−1)〜(A−13)は、帯電電位の絶対値が650V以上697V以下であり、実使用に適する程度の帯電特性を有することが確認された。

0235

なお、表3の積層型感光体(A−2)及び表4の積層型感光体(B−2)の結晶化抑制の評価結果から、化合物(HTM−2)と化合物(HTM−B)とを含有する化合物混合物である試料(M−A2)は、化合物(HTM−2)を含有し化合物(HTM−B)を含有しない試料(M−B2)と比較して、結晶化が抑制されていることが確認された。また、表3の積層型感光体(A−6)及び表4の積層型感光体(B−6)の結晶化抑制の評価結果から、化合物(HTM−6)と化合物(HTM−F)とを含有する化合物混合物である試料(M−A6)は、化合物(HTM−6)を含有し化合物(HTM−F)を含有しない試料(M−B6)と比較して、結晶化が抑制されていることが確認された。

0236

<耐摩耗性の評価>
次に、互いに異なるバインダー樹脂を含有する積層型感光体(A−1)及び(A−7)〜(A−9)を用いて、耐摩耗性を評価した。耐摩耗性の評価には、評価機として、カラープリンター(株式会社データ製「C711dn」)を用いた。評価機のトナーカートリッジシアントナー充填した。まず、積層型感光体の電荷輸送層の膜厚T1を測定した。次いで、積層型感光体を評価機に搭載した。次いで、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で、評価機を用いて、30,000枚の用紙に画像を印刷した。印刷後に、積層型感光体の電荷輸送層の膜厚T2を測定した。そして、印刷前後の電荷輸送層の膜厚変化量である摩耗量(T1−T2、単位:μm)を求めた。摩耗量を、表5に示す。摩耗量が少ないほど、積層型感光体の耐摩耗性が優れていることを示す。

0237

実施例

0238

表5に示すように、ポリアリレート樹脂(R−4)を含有する積層型感光体(A−9)は、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−3)の各々を含有する積層型感光体(A−1)、(A−7)、及び(A−8)と比較して、耐摩耗性に優れていた。

0239

本発明の化合物混合物、及び本発明の製造方法により製造された化合物混合物は、感光体に利用することができる。本発明の感光体は、画像形成装置に利用することがきる。

0240

1 :感光体
2 :導電性基体
3 :感光層
3a :電荷発生層
3b :電荷輸送層
3c :単層型感光層
4 :中間層
5 :保護層

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