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技術 金属調化粧フィルム及び金属調化粧板

出願人 東洋鋼鈑株式会社
発明者 和田徳昭
出願日 2018年10月11日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-192510
公開日 2020年4月16日 (10ヶ月経過) 公開番号 2020-059228
状態 未査定
技術分野 積層体(2)
主要キーワード 調理家電 ヘアーライン加工 熱硬化型ポリエステル樹脂 オルトリン酸アルミニウム 樹脂接着剤層 有機系防 リン酸塩系化合物 室内ドア
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

高い意匠性を有しつつ、錆に対する耐性を向上させた金属調化粧フィルム及び金属調化粧板を提供する。

解決手段

透明樹脂フィルム10と、金属箔20とが、第1防錆接着層30を介して積層されてなることを特徴とする、金属調化粧フィルム100。あるいは、前記金属調化粧フィルム100の金属箔20側に、第2接着層を介して金属板が積層されてなることを特徴とする、金属調化粧板。

概要

背景

従来、家電建材等の分野に使用される化粧フィルム又は化粧板として、高い意匠性を発揮するため、アルミニウム箔等の金属箔を積層した金属調化粧フィルム又は金属調化粧板が知られている。

概要

高い意匠性を有しつつ、錆に対する耐性を向上させた金属調化粧フィルム及び金属調化粧板を提供する。透明樹脂フィルム10と、金属箔20とが、第1防錆接着層30を介して積層されてなることを特徴とする、金属調化粧フィルム100。あるいは、前記金属調化粧フィルム100の金属箔20側に、第2接着層を介して金属板が積層されてなることを特徴とする、金属調化粧板。

目的

本発明は、かような課題を一例として解決することを鑑みて為されたものであり、優れた防錆性及び高い接着性両立し得る金属調化粧フィルム又は金属調化粧板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

透明樹脂フィルムと、金属箔とが、防錆性接着性とを兼有する第1防錆接着層を介して積層されてなることを特徴とする、金属調化粧フィルム

請求項2

前記第1防錆接着層が透明な第1防錆剤を含有することで前記金属箔の表面が前記透明樹脂フィルムを通して透視可能である請求項1に記載の金属調化粧フィルム。

請求項3

前記第1防錆剤が、リン酸塩系化合物次亜リン酸塩化合物亜リン酸塩系化合物、オルトリン酸系化合物、トリポリリン酸塩系化合物、モリブデン酸塩系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、のいずれか、又はそれらの2以上の混合物である請求項2記載の金属調化粧フィルム。

請求項4

前記金属箔がアルミニウム箔又は銅箔である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の金属調化粧フィルム。

請求項5

前記透明樹脂フィルムが、二軸延伸PETフィルムアクリルフィルムポリカーボネートフィルム塩化ビニルフィルムのいずれかである請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の金属調化粧フィルム。

請求項6

請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の金属調化粧フィルムの金属箔側に、第2防錆剤を含有する第2接着層を介して金属板が積層されてなることを特徴とする、金属調化粧板

請求項7

前記金属板の片面又は両面に防錆剤を含有するプライマー層又は防錆剤を含有するコート層が形成されている請求項6に記載の金属調化粧板。

請求項8

前記金属板が鋼板またはアルミニウム板である請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の金属調化粧板。

技術分野

0001

本発明は、金属調外観を有する金属調化粧フィルム、およびその金属調化粧フィルムを金属板に積層してなる金属調化粧板に関する。

背景技術

0002

従来、家電建材等の分野に使用される化粧フィルム又は化粧板として、高い意匠性を発揮するため、アルミニウム箔等の金属箔を積層した金属調化粧フィルム又は金属調化粧板が知られている。

先行技術

0003

特開2005−349818号公報
特開2006−069040号公報
特開昭59−38890号公報
特開2015−113385号公報
特開平10−323939号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら上記した特許文献1〜5を含む従来の技術では市場ニーズを満たしているとは言えず、以下に述べる課題が存在する。

0005

例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の化粧板は、アルミニウム箔等と透明樹脂フィルムとを接着剤を介して積層することにより得られる、金属板表面と同等の外観を有する化粧フィルム又は化粧板を開示している。

0006

ところで、家電等に使用される化粧フィルム又は化粧板としては、錆に対する耐性を向上させる必要性が従来から指摘されていた。すなわち、冷蔵庫炊飯器などの調理家電や、室内ドアキャビネットパネル等の建材に使用された場合には、水滴調味料料理やたれなどが付着したり、調味料の付着した手で触れたりする事態は容易に想定できる。その場合、それらに含まれる水分や塩分が化粧フィルム又は化粧板に付着したまま経時した場合でも、化粧フィルム又は化粧板内の金属における錆の発生を抑える(又は発生した錆の成長を遅らせる)ことが可能であるような、防錆性耐錆性を有していることが好ましいと言える。

0007

この場合において、例えば特許文献3には、金属箔と冷延鋼板とを積層した金属ラミネート鋼板が開示されている。この金属ラミネート鋼板においては、該金属箔と冷延鋼板との間に、防錆合成樹脂層及び樹脂接着剤層とが別々に設けられており、防錆機能及び接着力とを担保することを目的としている。

0008

しかしながら特許文献3にも記載のとおり、接着剤層防錆剤を添加した場合には、接着力及び耐食性の両方について満足のいく効果が得られないという問題があった。それ故、特許文献3に記載のように、防錆機能のための層と接着力のための層とを別々に形成する必要があり、コスト的及び工程的な向上が求められていた。

0009

さらに、特許文献4又は特許文献5には、防錆剤を添加した樹脂層あるいは接着剤層が開示されているが、好ましい防錆機能及び接着力を両立させるためには、未だ課題が残されていた。

0010

本発明は、かような課題を一例として解決することを鑑みて為されたものであり、優れた防錆性及び高い接着性を両立し得る金属調化粧フィルム又は金属調化粧板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するため、本発明の一実施形態における金属調化粧フィルムは、(1)透明樹脂フィルムと、金属箔とが、防錆性と接着性とを兼有する第1防錆接着層を介して積層されてなることを特徴とする。

0012

なお上記の(1)に記載の金属調化粧フィルムにおいては、(2)前記第1防錆接着層が透明な第1防錆剤を含有することで前記金属箔の表面が前記透明樹脂フィルムを通して透視可能であることが好ましい。

0013

また上記の(2)に記載の金属調化粧フィルムにおいては、(3)前記第1防錆剤が、リン酸塩系化合物次亜リン酸塩化合物亜リン酸塩系化合物、オルトリン酸系化合物、トリポリリン酸塩系化合物、モリブデン酸塩系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、のいずれか、又はそれらの2以上の混合物であることが好ましい。

0014

また上記の(1)〜(3)のいずれかに記載の金属調化粧フィルムにおいては、(4)前記金属箔がアルミニウム箔又は銅箔であることが好ましい。

0015

また上記の(1)〜(4)のいずれかに記載の金属調化粧フィルムにおいては、(5)前記透明樹脂フィルムが、二軸延伸PETフィルムアクリルフィルムポリカーボネートフィルム塩化ビニルフィルムのいずれかであることが好ましい。

0016

さらに上記課題を解決するため、本発明の一実施形態における金属調化粧板は、(6)上記の(1)〜(5)のいずれかに記載の金属調化粧フィルムの金属箔側に、第2防錆剤を含有する第2接着層を介して金属板が積層されてなることを特徴とする。

0017

なお上記の(6)に記載の金属調化粧板においては、(7)前記金属板の片面又は両面に防錆剤を含有するプライマー層又は防錆剤を含有するコート層が形成されていることが好ましい。

0018

また上記の(6)〜(8)のいずれかに記載の金属調化粧板においては、(9)前記金属板が鋼板またはアルミニウム板であることが好ましい。

発明の効果

0019

本発明によれば、高い意匠性を有しつつ、錆に対する耐性を向上させた金属調化粧フィルム及び金属調化粧板を提供することができる。

図面の簡単な説明

0020

本実施形態に係る金属調化粧フィルム100の構造を模式的に示した断面図である。
本実施形態に係る金属調化粧板200の構造を模式的に示した断面図である。

0021

<金属調化粧フィルム>
以下、本発明を実施するための実施形態について説明する。本実施形態における金属調化粧フィルム100は、透明樹脂フィルム10と、金属箔20とが、第1防錆接着層30を介して積層されてなることを特徴とする。そして、本実施形態における第1防錆接着層30は、防錆性と接着性とを兼有することを特徴とする。
以下、図に基づいて本実施形態について説明する。なお説明の便宜上、以下の図において各層の厚みは特に反映せず模式的に各構成を示すこととする。
また本実施形態において以下、「防錆性」や「防錆」の語は、「錆を発生させない」だけでなく、「錆の発生を抑制する」、「錆の成長を遅らせる」との意味をも有する語として用いるものとする。

0022

本実施形態の金属調化粧フィルム100は、図1に示されるように、金属箔20上に、順に、第1防錆接着層30が形成され、さらにその上に透明樹脂フィルム10が形成される構成ともいうことができる。

0023

本実施形態の金属調化粧フィルム100は、金属板上に積層して金属調化粧板を製造することが可能である。また、家具等の木材等の上に直接積層して意匠性及び防汚性を向上させることも可能である。

0024

本実施形態の金属調化粧フィルム100の全体の厚みとしては、25μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。この厚さの範囲内であれば、要求される意匠性等に応じて適宜選択可能である。
以下、本実施形態の金属調化粧フィルム100の個々の構成要素について詳細に説明する。

0025

本実施形態において、透明樹脂フィルム10に用いられる樹脂としては、後述する金属箔20が透視可能であれば、どのような樹脂でも適用可能である。例えば、ポリエステル樹脂アクリル樹脂ポリカーボネート樹脂ポリオレフィン樹脂塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。

0026

ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンイソフタレート等を挙げることができる。また、エチレンテレフタレートブチレンテレフタレート、1,4シクロヘキサンジメチルテレフタレートエチレンイソフタレートブチレンイソフタレートエチレンナフタレートエチレンアジペート、ブチレンアジペートの少なくともいずれか1種以上を重合してなるポリエステル樹脂が例示される。
これらのポリエステル樹脂は、2種類以上の樹脂をブレンドしてなる樹脂を使用してもよい。

0027

なお、金属調化粧フィルム100としてポリエステル樹脂を用いる場合には、無延伸フィルムでもよいし、延伸フィルムでもよい。しかしながら特に、二軸延伸フィルムとすることが、強度や耐疵付性の観点からは好ましい。

0028

また、本実施形態において用いられるアクリル樹脂としては、特に制限はなく公知のアクリル樹脂を使用することができる。具体的には、本実施形態におけるアクリル樹脂を構成するモノマーとしては例えば、アクリル酸メタアクリル酸メチルメタアクリレートエチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物;そのモノエステル化物のε-カプロラクトン付加体;マレイン酸フマル酸アクリルアミドアクリロニトリル酢酸ビニルスチレン等、が例示できる。

0029

また、本実施形態においてアクリル樹脂は、機械的性質耐薬品性、接着性などを向上させるために、エポキシ基変性されていてもよい。アクリル樹脂にエポキシ基を導入する場合、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等、と共重合することによりエポキシ基を導入することが可能である。
あるいは、微小ゴム粒子を分散させたアクリル樹脂を使用してもよい。微小なゴム粒子を分散させたアクリル樹脂は、加工しても割れにくくなるという利点に加えて、加工した際の白化もしにくくなるなど、加工性が増すため好ましい。

0030

本実施形態において、使用されるアクリル樹脂は、上記のモノマーのうち1種以上を重合して得られるアクリル樹脂であってもよいし、またこれらのアクリル樹脂の2種以上をブレンドしてなる樹脂を適用してもよい。

0031

本実施形態において用いられるポリカーボネート樹脂やポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂としても、特に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂やポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂を用いることができる。

0032

本実施形態において、透明樹脂フィルム10の厚みとしては、10μm〜50μmであることが好ましい。透明樹脂フィルム10が10μm未満の場合、取り扱いが困難となり易く、一方で50μmを超えた場合にはコスト的に不利となるため好ましくない。

0033

次に、本実施形態における金属箔20について説明する。金属箔20に用いられる金属の種類としては、箔に成形しやすく、且つ、耐食性に優れた金属又は合金であることが好ましい。例としては、アルミニウムアルミニウム合金、銅、銅合金、などが好ましく適用できる。

0034

この金属箔20の厚みとしては、コストや取り扱い性等の観点から適宜選択可能である。例えば、5μm〜150μmの範囲の金属箔が好ましく使用できる。金属箔20の厚みが5μm未満である場合には、千切れやすいため取り扱いが困難となる。一方で金属箔20が150μmを超える場合には、金属箔が剥離しやすくなり、加工性が低下するため好ましくない。

0035

本実施形態において、金属箔20は、透明樹脂フィルム10に近い方の表面に装飾が施されていてもよい。公知の加工、例えば、ヘアーライン加工マット加工鏡面加工等を施すことにより、金属の特徴を生かした外観とすることができるため、より好ましい。

0036

本実施例において、上記した透明樹脂フィルム10と、金属箔20とは、防錆性と接着性とを兼有する第1防錆接着層30を介して積層されている。また、本実施形態における第1防錆接着層30は、防錆性と接着性に加え、透明樹脂フィルム10を通して上記した金属箔20が透視可能なように透明であることが望ましい。

0037

本実施形態における第1防錆接着層30を、以下に具体的に説明する。本実施形態における第1防錆接着層30に用いられる接着剤としては、いわゆるドライラミネート用の接着剤が好ましく用いられる。

0038

なお、本実施形態においてドライラミネートによる接着方法とは、有機溶剤で適当な粘度に希釈した接着剤をフィルム又は金属箔に塗布して加熱乾燥した後に、被接着側と圧着して貼り合わせる方法である。

0039

本実施形態においてドライラミネート用の接着剤としては、2液硬化型ポリエステル系接着剤や、2液硬化型のポリエーテル系接着剤等が挙げられる。
2液硬化型のポリエステル系接着剤としては特に、主剤をポリエステル樹脂、硬化剤イソシアネートとして、主剤と硬化剤を反応させるポリエステルイソシアネート樹脂などを好適に使用することができる。
ポリエステル/イソシアネート樹脂を第1防錆接着層30の接着剤として使用する好ましい理由としては以下のとおりである。すなわち、主剤であるポリエステル樹脂と、硬化剤であるイソシアネートとの反応開始温度は約90〜120℃であり、比較的低い温度で反応硬化する。したがって、透明樹脂フィルム10に与える温度的な負担が少なくてよいため、好適である。

0040

その他、第1防錆接着層30に用いられる接着剤として、上記以外の公知の2液硬化型の接着剤を用いることもできる。例えば、主剤がエポキシ樹脂で硬化剤がフェノール樹脂エポキシ/フェノール樹脂、主剤がエポキシ樹脂で硬化剤がユリア樹脂のエポキシ/ユリア樹脂、主剤がエポキシ樹脂で硬化剤がメラミン樹脂のエポキシ/メラミン樹脂、等を用いることができる。

0041

また、第1防錆接着層30に用いられる接着剤として、公知の熱硬化型の接着剤を用いることも可能である。例えば、アクリル樹脂系接着剤エポキシ樹脂系接着剤、あるいはその他の熱硬化型接着剤を用いることができる。

0042

本実施形態における第1防錆接着層30は、第1防錆剤を含有することが好ましい。より具体的には、この第1防錆接着層30が透明な第1防錆剤を含有することで、金属箔20の表面が透明樹脂フィルム10を通して透視可能であるとよい。

0043

[金属箔20における錆発生のメカニズム
ここで、本実施形態の金属調化粧フィルム100又は金属調化粧板200における金属箔20の錆の発生のメカニズム等について説明する。

0044

本発明者が鋭意追求した結果、本実施形態の金属調化粧フィルム100又は金属調化粧板200(図2参照)においては、金属板40の端面に最初に錆が発生する可能性が高いことを突き止めた。そして、この金属板40における錆の発生と成長に起因して、金属箔20にも錆が波及して発生してしまうことが多いことが判明した。なお、主な錆の発生要因としては、水分、酸素、塩分、金属イオン等が考えられる。

0045

本実施形態の金属調化粧フィルム100又は金属調化粧板200に発生する可能性のある錆の種類としては、面状の錆と糸状の錆が存在する。このうち面状の錆は、雰囲気中の湿度が高い場合に発生し、さらに成長しやすく、一方で糸状の錆は湿度が低い場合に発生する可能性が高いことを実験の結果突き止めた。
本実施形態においては、上記した面状の錆及び糸状の錆の発生を共に抑制する必要がある。これらの錆の発生により、本実施形態の金属調化粧フィルム100又は金属調化粧板200の意匠性が著しく低下し、商品価値を損なうことになるからである。

0046

このような状況に対して本実施形態においては、第1防錆接着層30に含まれる第1防錆剤としては、いわゆる防錆顔料と呼ばれる化合物を好ましく適用できる。この第1防錆剤としては、有機系の防錆剤を使用することもできるし、無機系の防錆剤を使用することもできる。
これらの防錆剤は、金属箔の表面における金属に吸着し、もしくは金属と結びついて、いわゆるバリアー効果を発揮させることにより、錆の発生を抑制し、且つ発生した錆の成長を遅らせると考えられている。

0047

有機系の防錆剤としては、例えばベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール系化合物(これらをまとめて以下「ベンゾトリアゾール系」とも称する。)を用いることができる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、ベンゾトリアゾールの有機溶剤への溶解性を改良するために、側鎖が導入された化合物が挙げられる。

0048

具体的に、ベンゾトリアゾールとしては、下記の化学式(1)に示される化合物を用いることができる。

0049

0050

また、ベンゾトリアゾール系化合物としては、具体的には下記の化学式(2)に示される化合物を用いることができる

0051

だたし、R1=C6H13〜C12H25のいずれかであるものとする。

0052

また、無機系の防錆剤としては、リン酸塩系化合物、次亜リン酸塩系化合物、亜リン酸塩系化合物、オルトリン酸塩系化合物、トリポリリン酸塩系化合物、モリブデン酸塩系化合物、等の防錆剤を用いることができる。この場合の塩としては、カルシウム塩マグネシウム塩アルミニウム塩等を挙げることができる。

0053

上記した防錆剤は、第1防錆剤中に単独で含有させてもよいし、2種以上を含有させても構わない。また、有機系の防錆剤と無機系の防錆剤を混合して含有させてもよい。

0054

本実施形態における第1防錆剤として上記したうち、特に好ましい物質は、有機系の防錆剤である。その理由は以下のとおりである。
すなわち、第1防錆剤は、第1防錆接着層30に含まれた状態において、透明性が高いもの(無色のもの)が好ましい。なぜならば、本実施形態の金属調化粧フィルムは透明樹脂フィルム10及び第1防錆接着層30を通して金属箔20の金属光沢を透視できることが好ましいところ、ベンゾトリアゾール系の防錆剤は、第1防錆接着層30に含まれた状態において透明性が高いため好ましいといえる。

0055

同様の理由により、第1防錆剤として無機系の防錆剤を用いる場合にも、第1防錆接着層30に含まれた状態において、透明性が高いものが好ましく用いられる。

0056

本実施形態において、第1防錆接着層30に含有される第1防錆剤の含有量としては、有機系の防錆剤の場合には、0.5〜5.0重量%(wt%)であることが好ましい。有機系の防錆剤の含有量が0.5重量%未満の場合、錆の発生を効果的に抑制することができない可能性があり、好ましくない。一方で5.0重量%を超えた場合には、第1防錆接着層30の凝集力が低下し、結果的に密着力が低下するために好ましくない。

0057

一方で、無機系の防錆剤の場合には、0.5重量%〜30.0重量%の範囲内であることが好ましい。無機系の防錆剤の含有量が0.5重量%未満の場合、錆の発生を効果的に抑制することができない可能性があり、好ましくない。一方で30.0重量%を超えた場合には、第1防錆接着層30の形成時において、塗液粘性が増大し塗布が困難となる、あるいは、所望の厚みの第1防錆接着層30を形成することが困難となる、という問題が発生するため、好ましくない。

0058

本実施形態において、第1防錆剤が無機系の防錆剤である場合、その平均粒径としては、0.5μm以下であることが好ましい。第1防錆剤の平均粒径が0.5μmを超える場合には、第1防錆接着層30の表面に凹凸が発生したり、第1防錆接着層30の透明性を阻害したりする可能性が高くなるため、好ましくない。

0059

第1防錆接着層30の厚みとしては、2μm〜20μmであることが、金属箔の錆の発生の抑制、密着力、工業的に安定して塗布できる等の観点からは好ましい。

0060

以上、本実施形態における金属調化粧フィルム100の各構成要素について説明した。
なお、前記透明樹脂フィルム10と、第1防錆接着層30との間には、公知の印刷層が形成されていてもよい。公知の印刷層としては、ベタ印刷層であってもよいし、木目石目天然皮革表面柄布目抽象柄・幾何学模様などの模様表現した絵柄印刷層であってもよい。また、ベタ印刷層の上に絵柄印刷層を重ねて意匠性を向上させた印刷層であってもよい。
上記した印刷層を形成するための印刷インキとしては、公知の印刷インキを適用可能である。

0061

さらに、本実施形態における金属調化粧フィルム100において、上述した金属箔20の、第1防錆接着層30とは反対側の面には、公知のアンカーコート層を設けてもよい。
アンカーコート層を形成する理由としては、金属箔の第1防錆接着層30とは反対側の面において、金属調化粧フィルム100の状態で長期に保管される際に、錆の発生を抑制するためである。また、後述する金属板40上に金属調化粧フィルム100を積層する際の、密着性を向上させるためである。アンカーコート層の材料としては、上述した第1防錆接着層30に用いられる樹脂から適宜選択可能である。
アンカーコート層の厚みとしては、コスト的な観点から2.0μm以下であることが好ましい。

0062

また、このアンカーコート層には、適宜、防錆剤を含有させてもよい。アンカーコート層に含有される防錆剤としては、上述した第1防錆接着層30に含まれる第1防錆剤として用いられる化合物から適宜選択できる。

0063

<金属調化粧板>
次に、本実施形態における金属調化粧板200について、図2に基づいて説明する。
本実施形態における金属調化粧板200は、図2に示されるように、金属調化粧フィルム100と、金属板40とが、第2接着層50を介して積層されてなることを特徴とする。

0064

本実施形態における金属調化粧板200において、金属調化粧フィルム100の金属箔20側の面に金属板40が積層されてなる。
このような構成により、化粧板の好ましい強度を維持しつつ、高い意匠性を有し、且つ、金属箔や金属板の錆の発生を抑制することが可能となる。さらに、製造コストも抑えることも可能となる。

0065

本実施形態の金属調化粧板200の全体の厚みとしては、230μm〜1230μmの範囲内であることが好ましい。この厚さの範囲内であれば、要求される意匠性等に応じて適宜選択可能である。
以下、本実施形態の金属調化粧板200の個々の構成要素について詳細に説明する。

0066

本実施形態における金属調化粧板200において、金属調化粧フィルム100は上述した構成と同様であるので、ここではその説明を省略する。

0067

次に、本実施形態における金属調化粧板200において、金属板40としては、公知の鋼板、又はアルミニウム板が好ましく使用できる。これらの金属板40には、公知の表面処理が適宜施されていてもよい。

0068

金属板40として鋼板を用いる場合、特に亜鉛めっき鋼板が耐食性及びコストの観点から好ましい。具体的には、電気亜鉛めっき鋼板複合電気亜鉛めっき鋼板溶融亜鉛めっき鋼板複合溶融亜鉛めっき鋼板等を好ましく使用することができる。

0069

金属板40としてアルミニウム板を用いる場合には、純アルミニウム板、又はアルミニウム合金板を適用することができる。アルミニウム合金板としては、アルミニウム以外の金属元素として、Mg、Mn、Si及びCuから選ばれる少なくとも1種もしくは2種類以上の添加金属元素を含有するアルミニウム合金板を用いることができる。

0070

金属板40の厚みとしては、上記した金属箔20よりも厚ければよく、用途によって種々の厚みが適宜選択可能である。かような金属板40の厚みとしては、例えば、0.2mm〜1.2mmであることが、コスト及び強度の観点からは好ましい。特に、強度の観点だけに絞ると、金属板40の厚みが0.5mm〜1.2mmであることが好ましい。

0071

次に、本実施形態の金属調化粧板200における、第2接着層50について説明する。本実施形態における第2接着層50としては、上記した第1防錆接着層30に用いられる接着剤として挙げた接着剤の種類から、適宜選択することができる。なお、第2接着層50は透明であっても不透明であってもよい。

0072

第2接着層50に用いられる接着剤としては特に、2液硬化型の接着剤を挙げることができる。具体的には、主剤がポリエステル樹脂で硬化剤がイソシアネートであるポリエステル/イソシアネート樹脂や、主剤がエポキシ樹脂で硬化剤がフェノール樹脂であるエポキシ/フェノール樹脂、主剤がエポキシ樹脂で硬化剤がユリア樹脂のエポキシ/ユリア樹脂、主剤がエポキシ樹脂で硬化剤がメラミン樹脂のエポキシ/メラミン樹脂等を好ましく用いることができる。また、第2接着層50に用いられる接着剤として、公知の熱硬化型接着剤を使用することもできる。

0073

また、第2接着層50には、第2防錆剤が含有されてもよい。なお第2接着層50に含有される第2防錆剤の含有量としては、有機系の防錆剤の場合には、0.5%〜5.0重量%(wt%)であることが好ましい。含有量が0.5重量%未満の場合、錆の発生を効果的に抑制することができない可能性があり、好ましくない。一方で5.0重量%を超えた場合には、第2接着層50の凝集力が低下し、結果的に密着力が低下するために好ましくない。

0074

一方で、無機系の防錆剤の場合には、0.5重量%〜30.0重量%の範囲内であることが好ましい。無機系の防錆剤の含有量が0.5重量%未満の場合、錆の発生を効果的に抑制することができない可能性があり、好ましくない。一方で30.0重量%を超えた場合には、第2接着層50の形成時において、塗液の粘性が増大し塗布が困難となる、あるいは、所望の厚みの第2接着層50を形成することが困難となる、という問題が発生するため、好ましくない。

0075

また本実施形態において、第2防錆剤が無機系の防錆剤である場合、その平均粒径としては、0.5μm以下であることが好ましい。第2防錆剤の平均粒径が0.5μmを超える場合には、第2接着層50の表面に凹凸が発生したり、第2接着層50の透明性を阻害したりする可能性が高くなるため、好ましくない。

0076

すなわち上述したように、本実施形態の金属調化粧フィルム100又は金属調化粧板200においては、金属板40における錆の成長により、金属箔20にも錆が発生してしまう可能性がある。そのため、金属箔20だけでなく、金属板40における錆の発生をも抑制できることが好ましい。

0077

また、このような第2防錆剤は、上記した第1防錆剤とは種類が異なる材料で構成されていてもよい。例えば上記した第1防錆剤がベンゾトリアゾールなどの有機系防錆顔料とし、この第2防錆剤はリン酸系などの無機系防錆顔料としてもよい。これにより第1防錆剤には透明性や接着性を相対的に強く付与しつつ、第2防錆剤には接着性を相対的に強く付与することが可能となり、金属調化粧板200全体で接着性・防錆性・透明性のバランスが取れた構成が実現できる。
従って本実施形態においては、第1防錆接着層30のみならず、第2接着層50においても、適切に選択された第2防錆剤を含有させることが好ましい。

0078

一方で、後述するように、本実施形態においては、金属板40の片面又は両面にプライマー層又はコート層等を形成する構成としてもよい。その場合、これらのプライマー層又はコート層等に防錆剤が含有された場合には、第2接着層50に第2防錆剤が含有されていなくとも問題はない。

0079

なお、第2防錆剤の具体的な材料としては、上記した第1防錆剤として適用可能な化合物の中からも適宜選択することができるため、ここでは説明を省略する。

0080

第2接着層50の厚みとしては、2〜20μmであることが、金属箔の錆の発生の抑制、密着力、及び工業的な安定生産などの観点からは好ましい。

0081

また、本実施形態においては、耐食性や層間の密着性を向上させるため、金属板40の片面又は両面に、プライマー層又はコート層等を形成することが好ましい。
これらのプライマー層又はコート層等としては、公知の熱硬化型樹脂を使用することができる。公知の熱硬化型樹脂としては、例えば熱硬化型ポリエステル樹脂や、熱硬化型のアルキド樹脂等を使用することができる。
さらに、これらのプライマー層又はコート層等には、上記した第1防錆剤又は第2防錆剤と同様の防錆剤を含有することが好ましい。

0082

なお、プライマー層又はコート層等を形成する理由としては以下のとおりである。すなわち、上述したように、金属板40の錆の発生を抑制することにより、金属箔20の錆の発生をも抑制することが可能である。そして、結果的には金属調化粧板200全体の意匠性を長期に維持することが可能となるからである。
例えば、金属板40と第2接着層50の間にプライマー層を形成することができる。この場合プライマー層の厚さとしては、コスト及び好ましい密着性を得る観点から、2μm〜10μmであることが好ましい。
またこの場合、プライマー層と第2接着層50との厚み比としては、1:1〜1:2であることが好ましい。

0083

<金属調化粧フィルムの製造方法>
次に、本実施形態における金属調化粧フィルム100の製造方法の一例を以下に説明する。なお、本実施形態の金属調化粧フィルム100の製造方法は、下記の方法に限られるものではなく、適宜公知の方法を適用することが可能である。

0084

まず、第1防錆接着層30を形成するための接着剤を準備する。主剤としてポリエステル樹脂に、第1防錆剤を添加して、撹拌機撹拌する。この主剤に、接着剤を使用する直前に、硬化剤としてのイソシアネートと、希釈溶剤を添加して撹拌する。希釈溶剤としては、酢酸エチル等の公知の溶剤を使用することができる。また、希釈溶剤の添加量は、必要な塗布量に応じて適宜選択可能である。

0085

次に、準備した透明樹脂フィルム10の片面に、第1防錆接着層30を形成するための接着剤を塗布する。接着剤の塗布量は、用途によって適宜選択可能であり、例えば、2g/m2〜20g/m2程度であれば、必要とされる効果を得ることができる。さらに、5g/m2〜10g/m2とすることが、錆の発生を抑制する効果があり且つ高い密着力を確保できるため好ましい。
また、接着剤の塗布には、公知のグラビアロールリバース式のコーターロールを使用することができる。この場合、グラビアロールのメッシュ数は、接着剤の塗布量に応じて適宜選択することができる。

0086

次に、接着剤を塗布した透明樹脂フィルム10を加熱して乾燥し、透明樹脂フィルム10上に第1防錆接着層30を形成する。上記加熱温度は、90℃〜120℃であることが好ましい。
次に、公知のドライラミネーターを用いて、第1防錆接着層30と金属箔20とを接触させ圧着して積層し、ロール状に巻き取る。その後、40℃〜50℃で40〜50時間のエージングを行い、本実施形態の金属調化粧フィルム100を得ることができる。

0087

なお、本実施形態の金属調化粧フィルム100には、必要に応じて、印刷層やアンカーコート層を設けることが可能である。
印刷層は、第1防錆接着層30を形成する前に、透明樹脂フィルム10に予め設けておくことが好ましい。印刷層は、一般的な印刷機を使用して形成することが可能である。例えば、公知のグラビア印刷機を用いて印刷を施した後、オーブンで加熱乾燥させ印刷層を形成することが可能である。

0088

一方で、アンカーコート層は、金属箔20において、第1防錆接着層30を形成しない方の面に必要に応じて形成される。
このアンカーコート層は、主剤として例えばエポキシ樹脂を用い、必要に応じて防錆剤を添加して、撹拌機で撹拌する。この主剤に、塗布の直前に、硬化剤として例えばフェノール樹脂と、適切な量の希釈溶剤(酢酸エチル等)を添加して撹拌する。アンカーコート層を設ける場合は、

0089

次に、金属箔20の片面に、公知のグラビアロール等を使用して上記のエポキシ/フェノル樹脂を塗布し、180℃〜210℃で加熱乾燥する。
エポキシ/フェノール樹脂の塗布量は、特に限定はされないが、例えば0.5g/m2〜2g/m2であることが好ましい。
上記のようにしてアンカーコート層を形成することができる。また上記アンカーコート処理は、加熱乾燥温度が180℃〜210℃と比較的高温であるため、金属箔20に第1防錆接着層30を形成する前に、金属箔20に上記アンカーコート層を形成しておくことが好ましい。

0090

なお、本実施形態の金属調化粧板においては、少なくとも第1防錆接着層30に第1防錆剤を添加することにより、錆の発生を抑制する形態について説明した。しかしながら、上述した錆の発生メカニズムに鑑みれば、本発明の技術的思想としては前述の形態に限られることはなく、少なくとも、第1防錆接着層30、第2接着層50、アンカーコート層、プライマー層、又はコート層のうちの一層に防錆剤を添加すれば、錆の発生を抑制することが可能である。
本実施形態において、例えばすべての層に防錆剤を添加した場合には、錆の発生を強く抑制することが可能であり、好ましい。しかしながら、何れかの層に防錆剤を入れない層があっても、錆の発生を抑制する効果が大きく低下することはなく、これらの形態についても本発明の技術的思想に含まれることは言うまでもない。

0091

<金属調化粧板の製造方法>
引き続き、本実施形態における金属調化粧板200の製造方法の一例を説明する。
なお、本実施形態の金属調化粧板200の製造方法は、下記の方法に限られるものではなく、適宜公知の方法を適用することが可能である。

0092

まず、準備した金属板40の片面に、第2接着層50を形成する。
第2接着層50を形成するための接着剤としては、例えば主剤をポリエステル樹脂、硬化剤をイソシアネートとした、ポリエステル/イソシアネート樹脂を使用することができる。
この場合、主剤としてのポリエステル樹脂に、必要に応じて防錆剤を添加して、撹拌機で撹拌する。この主剤に、塗布の直前に、硬化剤としてのイソシアネートと、適切な量の希釈溶剤(酢酸エチル等)を添加して撹拌し、公知のグラビアロール等を用いて金属板40に塗布する。塗布量は用途によって適宜選択可能であるが、例えば第2接着層50の厚みが2〜20μm程度になるように塗布することができる。その後、90℃〜120℃で1分〜3分間加熱乾燥する。

0093

なお、金属板40の両面又は片面には、公知の方法によりプライマー層又はコート層等を形成してもよい。これらプライマー層又はコート層等の形成は、第2接着層50の形成と同時に行ってもよいし、第2接着層50の形成前にあらかじめ形成しておいてもよい。

0094

次に、公知のラミネーターを用いて、金属調化粧フィルム100の金属箔20側の面と、上記のように形成された第2接着層50とが接するように、一対のラミネートロールで圧着して積層する。ラミネート速度は、当業者が適宜選択可能であるが、例えば10m〜60m/分の速度であることが生産性を鑑みると好ましい。
また、積層時のラミネートロールの表面温度は、形成された第2接着層50の温度により適宜調節可能であるが、例えば40℃〜100℃であることが好ましい。

0095

上記のように、金属調化粧フィルム100と金属板40とを、第2接着層50を介して積層した後に、室温まで冷却し、金属調化粧板200を得ることができる。

0096

以下に実施例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0097

<実施例1>
まず、第1防錆接着層30を形成するための接着剤を準備した。主剤としてポリエステル樹脂に、第1防錆剤としてベンゾトリアゾールを1wt%添加して、撹拌機で撹拌した。この主剤に、下記塗布の直前に、硬化剤としてのイソシアネートと、希釈溶剤として酢酸エチルを添加した。

0098

別途、透明樹脂フィルム10として厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。

0099

次に、二軸延伸PETフィルムの片面に、グラビアロールを使用して接着剤を塗布した。接着剤の塗布量は、5g/m2とした。接着剤を塗布した二軸延伸PETフィルムを120℃に加熱して接着剤を加熱乾燥させた。

0100

次に、金属箔20として厚さ9μmのアルミニウム箔を準備した。なお、該アルミニウム箔は表面にヘアーライン加工を施したものとした。
ドライラミネーターを用いて、二軸延伸PETフィルムの接着剤の側と、アルミニウム箔のヘアーライン加工側とを接触させ、120℃に加熱しつつ両者を一対のラミネートロールで圧着して積層した。次いで、積層体をロール状に巻き取った。その後、ロールを45℃で48時間のエージングを行い、金属調化粧フィルム100を得た。

0101

引き続き、金属調化粧板を製造した。
まず、金属板40として、厚さ0.4mmの電気亜鉛めっき鋼板を準備した。亜鉛めっきのめっき量としては、両面とも20g/m2のものを使用した。

0102

続いて、上記の電気亜鉛めっき鋼板の片面に表面プライマー層、他方の面に裏面コート層を形成した。
表面プライマー層としては熱硬化型ポリエステル系樹脂を用い、防錆剤として亜リン酸アルミニウムを5wt%、及び溶剤として酢酸エチルを添加した。表面プライマー層の塗布量は5g/m2とし、バーコーターで電気亜鉛めっき鋼板の片面に塗布した。180℃で1分間乾燥させた。

0103

表面プライマー層の形成後に、反対側の面に裏面コート層を形成した。裏面コート層としては表面プライマー層と同様、熱硬化型ポリエステル系樹脂を用い、防錆剤として亜リン酸アルミニウムを3wt%、及び溶剤として酢酸エチルを添加した。バーコーターを使用して塗布量が5g/m2となるように塗布した。その後、180℃で1分間乾燥させた。

0104

続いて、上記表面プライマー層の上に、第2接着剤層50を形成した。第2接着剤層として、主剤としてポリエステル樹脂を用いた。硬化剤としてのイソシアネートと、希釈溶剤として酢酸エチルを、塗布直前に添加し撹拌した。バーコーターで上記表面プライマー層の上に塗布量10g/m2となるように塗布し、ガスオーブンで120℃、2分間加熱し乾燥させた。

0105

引き続き、第2接着剤層の温度が低下しないうちに、上記で得られた金属調化粧フィルムの金属箔側と、第2接着剤層とを接触させ、一対のラミネートロールで圧着して積層した。この際のラミネート速度は10m/分とした。その後、室温になるまで徐冷し、金属調化粧板を得た。

0106

[防錆性試験
得られた金属調化粧板の防錆性を確認すべく、錆の発生について試験した。試験片としては、一例として金属調化粧板を40mm×50mmにカットしたものをサンプルとして用いた。

0107

実際の使用環境を想定して、薄口醤油(塩分約15%含有)1リットル当たりに100gのNaClを添加して混合し、NaClを溶解させ、金属調化粧板を浸漬させるための浸漬液とした。
上記の浸漬液を、200mLビーカーに約70mL注ぎ入れた。サンプルの40mmの辺が15mm程度浸漬するようにビーカーに入れ、38℃の恒温室内に保管した。ビーカー内の湿度が80〜90RH%となるように蓋をかぶせ、30日間静置した。浸漬中は、浸漬液の液面がなるべく一定になるように、3日おきに水を適量注入した。
なお、溶出した金属イオンが他のサンプルに再付着することを防ぐため、1つのビーカーには同じ条件のサンプルのみを複数枚入れてこの試験を行った。

0108

30日経過後、ビーカーからサンプルを取り出し、金属箔又は金属板の腐食が良く分かるように、湿ったティッシュペーパーサンプル表面汚れを拭き取った。目視できる金属箔又は金属板の表面の錆や汚れを評価の対象とした。評価基準は以下のとおりとした。また、評価結果を表1に示した。

0109

[評価基準]
◎(実用途で好ましく適用可能)・・・金属箔及び金属板において、目視できる面状腐食、汚れ、糸状錆がない。
○(実用途で問題なく適用可能)・・・金属箔及び金属板において、目視できる面状腐食又は汚れが1mm2以下。且つ、長さ1mm未満の糸状錆が1〜2箇所。
△(実用途で適用困難)・・・金属箔及び金属板において、目視できる面状腐食又は汚れが1mm2超〜15mm2。又は、長さ1mm未満の糸状錆が3箇所以上。又は、長さ1mm以上の糸状錆が1〜5箇所。
×(実用途で適用不可)・・・金属箔及び金属板において、目視できる面状腐食又は汚れが15mm2超。又は、長さ1mm未満の糸状錆が10箇所以上。又は、長さ1mm以上の糸状錆が6箇所以上。

0110

<実施例2>
第1防錆接着層30には、第1防錆剤としてトリポリリン酸アルミニウムを5wt%添加した。金属箔20として厚さ25μmのアルミニウム箔を準備した。該アルミニウム箔は表面にヘアーライン加工を施したものとした。なお、ヘアーライン加工したアルミニウム箔の表側はヘアーラインの凹凸が施されるという効果に加えて、光沢が強くなるという効果を有する。一方でヘアーライン加工しないアルミニウム箔の裏側には、表側に施されたヘアーラインの凹凸が現れるものの、光沢は弱くマット調気味になる。このアルミニウム箔裏側の面にアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、エポキシ/フェノール樹脂を1g/m2の塗布量であらかじめアルミニウム箔に塗布し、200℃で2分間、加熱乾燥させることにより得た。
第2接着剤層として、主剤としてポリエステル樹脂を用い、第2防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を2wt%添加した。なお、ベンゾトリアゾール系化合物としては、上記化学式(2)に示される化合物(ただしR1=C8H17)を用いた。硬化剤としてのイソシアネートと、希釈溶剤として酢酸エチルを、塗布直前に添加し撹拌した。バーコーターで上記表面プライマー層の上に塗布量5g/m2となるように塗布し、オーブンで、120℃、2分間加熱し乾燥させた。
表面プライマー層中の防錆剤として亜リン酸アルミニウムを10wt%添加した。
また、金属板と裏面コート層との間に裏面プライマー層を形成した。裏面プライマー層としては、熱硬化型ポリエステル系樹脂を用い、防錆剤として亜リン酸アルミニウムを3wt%、及び溶剤として酢酸エチルを添加した。裏面プライマー層の塗布量は5g/m2とし、バーコーターで電気亜鉛めっき鋼板の片面に塗布した。180℃で1分間加熱乾燥させた。
また、裏面コート層には防錆剤は添加しなかった。バーコーターを使用して塗布量が5g/m2となるように塗布した。180℃で1分間乾燥させた。
それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。

0111

<実施例3>
第1防錆接着層30には、第1防錆剤として亜リン酸アルミニウムを5wt%添加した。金属箔20として厚さ50μmのアルミニウム箔を準備した。該アルミニウム箔は表面にマット加工を施したものとした。
第2接着剤層50には、第2防錆剤として亜リン酸アルミニウムを30wt%添加した。また、第2接着剤層50は、塗布量5g/m2とした。
金属板の表面プライマー層と裏面プライマー層は形成しなかった。一方で、裏面コート層には防錆剤として亜リン酸マグネシウムを3wt%添加した。それ例外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。

0112

<実施例4>
第1防錆接着層において、第1防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を2wt%添加した。なお、ベンゾトリアゾール系化合物としては、上記化学式(2)に示される化合物(ただしR1=C8H17)を用いた。
ヘアーライン加工した金属箔の裏面に、アンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、エポキシ/フェノール樹脂に、防錆剤としてベンゾトリアゾールを1wt%添加し、1g/m2の塗布量で塗布した。
第2接着剤層50には、第2防錆剤としてベンゾトリアゾールを1wt%と、トリポリリン酸アルミニウムを30wt%添加し、塗布量は10g/m2とした。
金属板の表面プライマー層と裏面プライマー層は形成しなかった。それ例外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。

0113

<実施例5>
金属箔20として厚さ20μmのアルミニウム箔を準備した。該アルミニウム箔は表面にマット加工を施したものとした。
第2接着剤層50には、第2防錆剤として亜リン酸アルミニウムを10wt%添加した。また、第2接着剤層50の塗布量は5g/m2とした。
表面プライマー層及び裏面コート層の防錆剤としてはモリブデン酸アルミニウムを3wt%添加した。それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。

0114

<実施例6>
第1防錆接着層において、第1防錆剤として亜リン酸マグネシウムを5wt%添加した。ヘアーライン加工した金属箔の裏面にはアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、エポキシ/フェノール樹脂に亜リン酸マグネシウムを5wt%添加し、1g/m2の塗布量で塗布して形成した。
第2接着剤層50には、第2防錆剤としてベンゾトリアゾールを1wt%添加した。第2接着剤層50の塗布量は5g/m2とした。
また、表面プライマー層及び裏面コート層の防錆剤としてはオルトリン酸アルミニウムを3wt%添加した。それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。

0115

<実施例7>
金属箔20として厚さ10μmの銅箔を準備した。該銅箔は表面にヘアーライン加工を施したものとした。
第2接着剤層50には、第2防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を2wt%添加した。なお、ベンゾトリアゾール系化合物としては、上記化学式(2)に示される化合物(ただしR1=C8H17)を用いた。第2接着剤層50の塗布量は5g/m2とした。
また、表面プライマー層及び裏面コート層の防錆剤としてはピロリン酸アルミニウムを添加した。ピロリン酸アルミニウムの添加量としては、表面プライマー層及には5wt%、裏面コート層には3wt%とした。
それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示した。

0116

<実施例8>
透明樹脂フィルム10として厚さ20μmのアクリルフィルムを準備した。
第1防錆接着層30を形成するための接着剤として、熱硬化型アクリル系樹脂を用いた。まず、ヘアーライン加工した金属箔の裏面にアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、エポキシ/フェノール樹脂を1g/m2の塗布量で塗布して乾燥させることにより得た。次に第1防錆接着層30を、アンカーコート層を形成した金属箔の表面に5g/m2塗布し、190℃で1分加熱乾燥し、温度が下がらないうちに、用意したアクリルフィルムをラミネートし、金属調フィルム100を得た。
また、金属板40に施す表面プライマー層及び裏面コート層の防錆剤としては、トリポリリン酸アルミニウム10wt%とトリポリリン酸マグネシウム3wt%を添加した。第2接着剤層50の塗布量は5g/m2とした。それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示した。

0117

<実施例9>
第1防錆接着層30には、第1防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を2wt%添加した。なお、ベンゾトリアゾール系化合物としては、上記化学式(2)に示される化合物(ただしR1=C8H17)を用いた。
金属箔20として厚さ10μmの銅箔を準備した。該銅箔は表面にヘアーライン加工を施したものとした。
ヘアーライン加工した金属箔の裏面にアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、エポキシ/フェノール樹脂にベンゾトリアゾール系化合物を2wt%添加し、1g/m2の塗布量で塗布して形成した。なお、アンカーコート層におけるベンゾトリアゾール系化合物は、第1防錆接着層30に含まれるベンゾトリアゾール系化合物と同じものとした。
第2接着剤層50には、第2防錆剤としてベンゾトリアゾール系化合物を2wt%添加した。なお、第2接着剤層50におけるベンゾトリアゾール系化合物は、第1防錆接着層30に含まれるベンゾトリアゾール系化合物と同じものとした。
表面プライマー層における防錆剤として、亜リン酸アルミニウム10wt%を添加した。
それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示した。

0118

<比較例1>
第1防錆接着層中において、第1防錆剤は添加しなかった。金属箔20として厚さ10μmのアルミニウム箔を準備した。第2接着剤層の塗布量は10g/m2とした。金属板の表面、裏面には、表面プライマー層及び裏面プライマー層は形成しなかった。また、塗布量5g/m2の裏面コート層は形成したが、防錆剤は添加しなかった。その他は実施例1と同様に行った。結果を表4に示した。

0119

<比較例2>
第1防錆接着層中において、第1防錆剤は添加しなかった。
ヘアーライン加工した金属箔の裏面にアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、エポキシ/フェノール樹脂を1g/m2の塗布量で塗布して形成した。第2接着剤層50の塗布量は10g/m2とした。金属板の表面、裏面には、表面プライマー層及び裏面プライマー層は形成しなかった。また、塗布量5g/m2の裏面コート層は形成したが、防錆剤は添加しなかった。その他は実施例1と同様に行った。結果を表4に示した。

0120

<比較例3>
第1防錆接着層中において、第1防錆剤は添加しなかった。
金属箔20として厚さ10μmの銅箔(ヘアーライン加工無し)を準備した。
金属箔の片面にアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、エポキシ/フェノール樹脂を1g/m2の塗布量で塗布して形成した。第2接着剤層50の塗布量は5g/m2とした。金属板の表面、裏面には、表面プライマー層及び裏面プライマー層は形成しなかった。また、塗布量5g/m2裏面コート層は形成したが、防錆剤は添加しなかった。その他は実施例1と同様に行った。結果を表4に示した。

0121

<比較例4>
透明樹脂フィルム10として厚さ25μmの二軸延伸ポリオレフィンフィルムを準備した。
第1防錆接着層中において、第1防錆剤は添加しなかった。
金属箔20として厚さ10μmの銅箔を準備した。該銅箔は表面にヘアーライン加工を施したものとした。第2接着剤層50の塗布量は5g/m2とした。金属板の表面、裏面には、表面プライマー層及び裏面プライマー層は形成しなかった。また、塗布量5g/m2の裏面コート層は形成したが、防錆剤は添加しなかった。その他は実施例1と同様に行った。結果を表4に示した。

0122

0123

0124

0125

0126

以上から明らかなとおり、本実施形態の金属調化粧フィルム及び金属調化粧板は、過酷な環境下においても錆の発生を抑制することができ、好ましく実生産に適用できると評価された。

実施例

0127

なお上記に記述した実施形態と各実施例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。

0128

以上説明したように、本実施例の金属調化粧フィルム又は金属調化粧板によれば、家電や建材等の分野だけでなく、スマートフォン等の携帯電子機器自動車外装内装等、幅広い分野の産業への適用が可能である。

0129

100金属調化粧フィルム
10 透明樹脂フィルム
20金属箔
30 第1防錆接着層
200金属調化粧板
40金属板
50 第2接着層

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