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技術 インクジェット記録装置および判定方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 中川善統中野孝俊高橋敦士深澤拓也
出願日 2018年10月5日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-189619
公開日 2020年4月16日 (8ヶ月経過) 公開番号 2020-059130
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 総蒸発量 循環システム内 インナーガイド 共通供給流路 エラー閾値 回収弁 リリーフ流路 ワイパユニット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年4月16日)のものです。
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図面 (20)

課題

廃インクエラーを適切に検知することが可能なインクジェット記録装置を提供する。

解決手段

廃インクタンク20を装置に装着してからの経過時間に基づいて、廃インクタンク20で収容されている廃インクが蒸発する蒸発量を求め、廃インク量から蒸発量を減算することによって廃インク保持量を取得する。そして、廃インク保持量が閾値を超えた場合にユーザに通知する。この際、閾値は、蒸発量と廃インク量とを用いて算出される廃インク蒸発率に基づいて設定される。

概要

背景

インクジェット記録装置においては、廃インクタンクに排出された廃インク量カウント値に基づいて廃インクタンクの満杯を判断し、ユーザに通知するものがある。この際、廃インクタンクに保持されているインクは時間と共に蒸発するため、廃インクタンクで保持可能な廃インクの総量は、蒸発した量に応じて変化する。

特許文献1には、廃インクが排出されてからの経過時間に基づいて廃インクの蒸発量を推定し、これをカウントした廃インクの総量から減算し、得られた値に基づいて廃インクタンクの満杯を判断する方法が開示されている。

概要

廃インクエラーを適切に検知することが可能なインクジェット記録装置を提供する。廃インクタンク20を装置に装着してからの経過時間に基づいて、廃インクタンク20で収容されている廃インクが蒸発する蒸発量を求め、廃インク量から蒸発量を減算することによって廃インク保持量を取得する。そして、廃インク保持量が閾値を超えた場合にユーザに通知する。この際、閾値は、蒸発量と廃インク量とを用いて算出される廃インク蒸発率に基づいて設定される。

目的

よってその目的とするところは、廃インクエラーを適切に検知することが可能なインクジェット記録装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

インク吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドから排出されたインクを吸収体で保持する廃インクタンクと、前記廃インクタンクに排出された廃インク量カウントするカウント手段と、前記廃インクタンクを装置に装着してからの経過時間を計測するタイマーと、前記経過時間に基づいて、前記廃インクタンクに保持されている廃インク蒸発する蒸発量を求め、該蒸発量を前記廃インク量から減算することによって廃インク保持量を取得する取得手段と、前記廃インク保持量が閾値を超えた場合にユーザに通知する通知手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、前記蒸発量と前記廃インク量とを用いて算出される廃インク蒸発率に基づいて、前記閾値を設定する設定手段を更に備えることを特徴とするインクジェット記録装置。

請求項2

前記記録ヘッドに対するメンテナンス動作を行うメンテナンス手段を更に備え、前記メンテナンス手段がメンテナンス動作を行うたびに、前記カウント手段は前記廃インク量をカウントし、前記取得手段は前記蒸発量および前記廃インク蒸発率を更新し、前記設定手段は前記閾値を設定する、ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。

請求項3

環境温度を検知する温度センサを更に備え、前記取得手段は、前記経過時間及び前記温度センサが検出した環境温度に基づいて前記蒸発量を取得することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。

請求項4

環境湿度を検知する湿度センサを更に備え、前記取得手段は、前記経過時間及び前記湿度センサが検出した環境湿度に基づいて前記蒸発量を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。

請求項5

前記設定手段は、前記廃インク蒸発率が第1所定値未満である場合は第1の閾値を設定し、前記廃インク蒸発率が前記第1所定値以上である場合は、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。

請求項6

前記記録ヘッドは、第1インクと、該第1インクよりも増粘しやすい第2インクと、を吐出可能であり、前記設定手段は、前記廃インク量における前記第2インクの比率が第2所定値以上の場合は、前記比率が前記第2所定値未満の場合よりも、前記閾値を小さな値に設定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。

請求項7

前記記録ヘッドに供給されるインク濃度推定する推定手段を更に備え、前記設定手段は、前記推定手段により推定されるインク濃度が第3所定値以上の場合は、前記インク濃度が前記第3所定値未満の場合よりも、前記閾値を小さな値に設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。

請求項8

前記記録ヘッドから吐出されなかったインクをタンク回収し、再び前記記録ヘッドに供給する循環流路を更に備え、前記推定手段は、前記循環流路におけるインク濃度を推定することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。

請求項9

前記廃インクタンクが交換されたとき、前記カウント手段は前記廃インク量をリセットし、前記タイマーは前記経過時間をリセットすることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。

請求項10

インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドから排出されたインクを吸収体で保持する廃インクタンクと、を備えたインクジェット記録装置における、判定方法であって、前記廃インクタンクに排出された廃インク量をカウントするカウント工程と、前記廃インクタンクを装置に装着してからの経過時間を計測する工程と、前記経過時間に基づいて、前記廃インクタンクで保持されている廃インクが蒸発する蒸発量を求め、該蒸発量を前記廃インク量から減算することによって廃インク保持量を取得する工程と、前記廃インク保持量が閾値を超えた場合にユーザに通知する工程と、を有し、前記蒸発量と前記廃インク量とを用いて算出される廃インク蒸発率に基づいて、前記閾値を設定する設定工程を更に有することを特徴とする判定方法。

技術分野

0001

本発明は、インク吐出して画像を記録するインクジェット記録装置および該インクジェット記録装置が備える廃インクタンクエラー判定方法に関する。

背景技術

0002

インクジェット記録装置においては、廃インクタンクに排出された廃インク量カウント値に基づいて廃インクタンクの満杯を判断し、ユーザに通知するものがある。この際、廃インクタンクに保持されているインクは時間と共に蒸発するため、廃インクタンクで保持可能な廃インクの総量は、蒸発した量に応じて変化する。

0003

特許文献1には、廃インクが排出されてからの経過時間に基づいて廃インクの蒸発量を推定し、これをカウントした廃インクの総量から減算し、得られた値に基づいて廃インクタンクの満杯を判断する方法が開示されている。

先行技術

0004

特開2005−53125号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、記録装置が使用するインクの成分や、廃インクタンク内に収容されている吸収体材質によっては、廃インクが吸収体内で増粘及び固着し、後続して排出された廃インクの拡散を妨げる場合がある。この場合、排出された廃インクの総量が廃インクタンクの満杯に相当する量に達していなくても、吸収体が廃インクを保持しきれず、廃インクが廃インクタンクから溢れ出てしまうおそれが生じる。

0006

本発明は上記問題点を解消するために成されたものである。よってその目的とするところは、廃インクエラーを適切に検知することが可能なインクジェット記録装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

そのために本発明は、インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドから排出されたインクを吸収体で保持する廃インクタンクと、前記廃インクタンクに排出された廃インク量をカウントするカウント手段と、前記廃インクタンクを装置に装着してからの経過時間を計測するタイマーと、前記経過時間に基づいて、前記廃インクタンクに保持されている廃インクが蒸発する蒸発量を求め、該蒸発量を前記廃インク量から減算することによって廃インク保持量を取得する取得手段と、前記廃インク保持量が閾値を超えた場合にユーザに通知する通知手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、前記蒸発量と前記廃インク量とを用いて算出される廃インク蒸発率に基づいて、前記閾値を設定する設定手段を更に備えることを特徴とする。

発明の効果

0008

本発明によれば、廃インクエラーを適切に検知することが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

記録装置が待機状態にあるときの図である。
記録装置の制御構成図である。
記録装置が記録状態にあるときの図である。
(a)〜(c)は、第1カセットから給送された記録媒体搬送経路図である。
(a)〜(c)は、第2カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。
(a)〜(d)は、記録媒体の裏面に記録動作を行う場合の搬送経路図である。
記録装置がメンテナンス状態にあるときの図である。
(a)および(b)は、メンテナンスユニットの構成を示す斜視図である。
インク供給システムを示す図である。
廃インクタンクの外観斜視図である。
(a)〜(c)は、吸収体に廃インクが浸透する様子を示す図である。
メンテナンス動作を行う場合のフローチャートである。
廃インク情報更新シーケンスのフローチャートである。
単位時間当たりの廃インク蒸発量を示すテーブルである。
(a)〜(c)は、廃インク量と蒸発量の関係を示す図である。
廃インクエラー判定シーケンスのフローチャートである。
廃インクエラー閾値を設定するためのテーブルである。
廃インクエラー閾値を設定するためのテーブルである。
廃インクエラー閾値を設定するためのテーブルである。

実施例

0010

図1は、本実施形態で使用するインクジェット記録装置1(以下、記録装置1)の内部構成図である。図において、x方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列される方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。

0011

記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADFオートドキュメントフィーダ)とFBSフラットベッドスキャナ)を備えており、ADFによって自動給紙される原稿読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。なお、本実施形態はプリント部2とスキャナ部3を併せ持った複合機であるが、スキャナ部3を備えない形態であってもよい。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。

0012

プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。

0013

搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側および下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送ローラ7の下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配される搬送ローラ7及び排出ローラ12と共に記録媒体Sを挟持して搬送する。

0014

ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載保持するためのトレイである。

0015

本実施形態の記録ヘッド8は、フルラインタイプカラーインクジェット記録ヘッドであり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って記録媒体Sの幅に相当する分だけ複数配列されている。即ち、記録ヘッド8は、複数色のインクを吐出可能に構成されている。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aは、図1のように鉛直下方を向きキャップユニット10によってキャップされている。記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳しく説明する。

0016

インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。本実施形態では循環型インク供給系を採用しており、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。

0017

メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17を備え、所定のタイミングにこれらを作動させて、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。メンテナンス動作によって記録ヘッド8から排出されたインクは廃インクとなって廃インクタンク20に収容される。廃インクタンク20は、インクジェット記録装置1の正面よりy方向に挿入することによって装着される。ユーザは、満杯になった(廃インク量が所定量以上になった)廃インクタンク20を装置本体から外し、新たな廃インクタンク20に交換することができる。メンテナンス動作及び廃インクタンク20については後に詳しく説明する。

0018

図2は、記録装置1における制御構成を示すブロック図である。制御構成は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下に制御構成の詳細について説明する。

0019

コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。

0020

なお、記録装置1は無線通信有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えばホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナ部3に送信する。

0021

操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、印刷モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。

0022

プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとしながら、プリント部2が備える各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ202は、これを一旦RAM204に保存する。記録ヘッド8が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させる。記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す給送ユニット6A、6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、印刷処理が行われる。

0023

ヘッドキャリッジ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド8の向きや位置を変更する。インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17の動作を制御する。また、メンテナンスユニット16は、メンテナンス動作を実行するタイミングを管理したり、新たな廃インクタンク20を装着してからの経過時間を計測したりするためのタイマーも備えている。

0024

スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えばコントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザによってADFに搭載された原稿を、搬送制御部304を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。なお、プリントコントローラ202は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。

0025

図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。本実施形態において、プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。

0026

記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動する際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、キャップユニット10を図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材10aと離間する。その後、プリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを調整しながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。

0027

次に、プリント部2における記録媒体Sの搬送経路について説明する。記録コマンドが入力されると、プリントコントローラ202は、まず、メンテナンス制御部210およびヘッドキャリッジ制御部208を用いて、記録ヘッド8を図3に示す記録位置に移動する。その後、プリントコントローラ202は搬送制御部207を用い、記録コマンドに従って第1給送ユニット6Aおよび第2給送ユニット6Bのいずれかを駆動し、記録媒体Sを給送する。

0028

図4(a)〜(c)は、第1カセット5Aに収容されているA4サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第1カセット5A内の1番上に積載された記録媒体Sは、第1給送ユニット6Aによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。図4(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前搬送状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、第1給送ユニット6Aに給送されて記録領域Pに到達する間に、水平方向(x方向)から、水平方向に対して約45度傾いた方向に変更される。

0029

記録領域Pでは、記録ヘッド8に設けられた複数の吐出口から記録媒体Sに向けてインクが吐出される。インクが付与される領域の記録媒体Sは、プラテン9によってその背面が支持されており、吐出口面8aと記録媒体Sの距離が一定に保たれている。インクが付与された後の記録媒体Sは、搬送ローラ7と拍車7bに案内されながら、先端が右に傾いているフラッパ11の左側を通り、ガイド18に沿って記録装置1の鉛直方向上方へ搬送される。図4(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、水平方向に対し約45度傾いた記録領域Pの位置から、搬送ローラ7と拍車7bによって鉛直方向上方に変更されている。

0030

記録媒体Sは、鉛直方向上方に搬送された後、排出ローラ12と拍車7bによって排出トレイ13に排出される。図4(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。排出された記録媒体Sは、記録ヘッド8によって画像が記録された面を下にした状態で、排出トレイ13上に保持される。

0031

図5(a)〜(c)は、第2カセット5Bに収容されているA3サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第2カセット5B内の1番上に積載された記録媒体Sは、第2給送ユニット6Bによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。

0032

図5(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。第2給送ユニット6Bに給送されて記録領域Pに到達するまでの搬送経路には、複数の搬送ローラ7とピンチローラ7aおよびインナーガイド19が配されることで、記録媒体SはS字上に湾曲されてプラテン9まで搬送される。

0033

その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示したA4サイズの記録媒体Sの場合と同様である。図5(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。図5(c)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。

0034

図6(a)〜(d)は、A4サイズの記録媒体Sの裏面(第2面)に対して記録動作(両面記録)を行う場合の搬送経路を示す。両面記録を行う場合、第1面(表面)を記録した後に第2面(裏面)に記録動作を行う。第1面を記録する際の搬送工程は図4(a)〜(c)と同様であるので、ここでは説明を省略する。以後、図4(c)以後の搬送工程について説明する。

0035

記録ヘッド8による第1面への記録動作が完了し、記録媒体Sの後端がフラッパ11を通過すると、プリントコントローラ202は、搬送ローラ7を逆回転させて記録媒体Sを記録装置1の内部へ搬送する。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータによってその先端が左側に傾くように制御されるため、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)はフラッパ11の右側を通過して鉛直方向下方へ搬送される。図6(a)は、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)が、フラッパ11の右側を通過する状態を示す。

0036

その後記録媒体Sは、インナーガイド19の湾曲した外周面に沿って搬送され、再び記録ヘッド8とプラテン9の間の記録領域Pに搬送される。この際、記録ヘッド8の吐出口面8aに、記録媒体Sの第2面が対向する。図6(b)は、第2面の記録動作のために、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。

0037

その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示した第1面記録の場合と同様である。図6(c)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータにより先端が右側に傾いた位置に移動するように制御される。図6(d)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。

0038

次に、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作について説明する。図1でも説明したように、本実施形態のメンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17とを備え、所定のタイミングにこれらを作動させてメンテナンス動作を行う。

0039

図7は、記録装置1がメンテナンス状態のときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向において上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図7における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。

0040

一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。

0041

図8(a)はメンテナンスユニット16が待機ポジションにある状態を示す斜視図であり、図8(b)はメンテナンスユニット16がメンテナンスポジションにある状態を示す斜視図である。図8(a)は図1に対応し、図8(b)は図7に対応している。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、メンテナンスユニット16は図8(a)に示す待機ポジションにあり、キャップユニット10は鉛直方向上方に移動しており、ワイピングユニット17はメンテナンスユニット16の内部に収納されている。キャップユニット10はy方向に延在する箱形のキャップ部材10aを有し、これを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させることにより、吐出口からのインクの蒸発を抑制することができる。また、キャップユニット10は、キャップ部材10aに予備吐出等で吐出されたインクを回収し、回収したインクを不図示の吸引ポンプ吸引させる機能も備えている。

0042

一方、図8(b)に示すメンテナンスポジションにおいて、キャップユニット10は鉛直方向下方に移動しており、ワイピングユニット17がメンテナンスユニット16から引き出されている。ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171とバキュームワイパユニット172の2つのワイパユニットを備えている。

0043

ブレードワイパユニット171には、吐出口面8aをx方向に沿ってワイピングするためのブレードワイパ171aが吐出口の配列領域に相当する長さだけy方向に配されている。ブレードワイパユニット171を用いてワイピング動作を行う際、ワイピングユニット17は、記録ヘッド8がブレードワイパ171aに当接可能な高さに位置決めされた状態で、ブレードワイパユニット171をx方向に移動する。この移動により、吐出口面8aに付着するインクなどはブレードワイパ171aに拭き取られる。

0044

ブレードワイパ171aが収納される際のメンテナンスユニット16の入り口には、ブレードワイパ171aに付着したインクを除去するとともにブレードワイパ171aにウェット液を付与するためのウェットワイパクリーナ16aが配されている。ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16に収納される度にウェットワイパクリーナ16aによって付着物が除去されウェット液が塗布される。そして、次に吐出口面8aをワイピングしたときにウェット液を吐出口面8aに転写し、吐出口面8aとブレードワイパ171a間の滑り性を向上させている。

0045

一方、バキュームワイパユニット172は、y方向に延在する開口部を有する平板172aと、開口部内をy方向に移動可能なキャリッジ172bと、キャリッジ172bに搭載されたバキュームワイパ172cとを有する。バキュームワイパ172cは、キャリッジ172bの移動に伴って吐出口面8aをy方向にワイピング可能に配されている。バキュームワイパ172cの先端には、不図示の吸引ポンプに接続された吸引口が形成されている。このため、吸引ポンプを作動させながらキャリッジ172bをy方向に移動すると、記録ヘッド8の吐出口面8aに付着したインク等は、バキュームワイパ172cによって拭き寄せられながら吸引口に吸い込まれる。この際、平板172aと開口部の両端に設けられた位置決めピン172dは、バキュームワイパ172cに対する吐出口面8aの位置合わせに利用される。

0046

本実施形態では、ブレードワイパユニット171によるワイピング動作を行いバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を行わない第1のワイピング処理と、両方のワイピング処理を順番に行う第2のワイピング処理を実施することができる。第1のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16から引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。この移動により、吐出口面8aに付着するインク等はブレードワイパ171aに拭き取られる。すなわち、ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16から引き出された位置からメンテナンスユニット16内へ移動する際に吐出口面8aをワイピングする。

0047

ブレードワイパユニット171が収納されると、プリントコントローラ202は、次にキャップユニット10を鉛直方向上方に移動させ、キャップ部材10aを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させる。そして、プリントコントローラ202は、その状態で記録ヘッド8を駆動して予備吐出を行わせ、キャップ部材10a内に回収されたインクを吸引ポンプによって吸引する。

0048

一方、第2のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。これにより、ブレードワイパ171aによるワイピング動作が吐出口面8aに対して行われる。次に、プリントコントローラ202は、再び記録ヘッド8を図7のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて所定位置まで引き出す。続いて、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を図7に示すワイピング位置下降させながら、平板172aと位置決めピン172dを用いて吐出口面8aとバキュームワイパユニット172の位置決めを行う。その後、プリントコントローラ202は、上述したバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を実行する。プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向上方に退避させ、ワイピングユニット17を収納した後、第1のワイピング処理と同様に、キャップユニット10によるキャップ部材内への予備吐出と回収したインクの吸引動作を行う。

0049

吸引ポンプで吸引されたインクは、不図示のチューブを介してメンテナンスユニット16内に設置された廃インクタンク20に収容される。

0050

図9は、インクジェット記録装置1で採用するインク供給ユニット15のインク供給システムを示す図である。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14から供給されたインクを記録ヘッド8(ヘッドユニット)へ供給する。図9では、1色のインクについての構成を示しているが、実際にはこのような構成が、インク色ごとに用意されている。インク供給ユニット15は、基本的に図2で示したインク供給制御部209によって制御される。

0051

インクは、主にサブタンク151と記録ヘッド8との間を循環する。記録ヘッド8では、画像データに基づいてインクの吐出動作が行われ、吐出されなかったインクが再びサブタンク151に回収される。

0052

所定量のインクを収容するサブタンク151は、記録ヘッド8へインクを供給するための供給流路C2と、記録ヘッド8からインクを回収するための回収流路C4とに接続されている。すなわち、サブタンク151、供給流路C2、記録ヘッド8、および回収流路C4によってインクが循環する循環流路循環経路)が構成される。また、サブタンク151は、空気が流れる流路C0に接続されている。

0053

サブタンク151には複数の電極ピンで構成される液面検知手段151aが設けられている。インク供給制御部209は、これら複数のピン間の導通電流の有無を検知することによって、インク液面の高さ、即ちサブタンク151内のインク残量を把握することができる。減圧ポンプP0(タンク内減圧ポンプ)は、サブタンク151のタンク内部を減圧するための負圧発生源である。大気開放弁V0は、サブタンク151の内部を大気に連通させるか否かを切り替えるための弁である。

0054

メインタンク141は、サブタンク151へ供給されるインクを収容するタンクである。メインタンク141は、記録装置本体に対して着脱可能な構成である。サブタンク151とメインタンク141とを接続するタンク接続流路C1の途中には、サブタンク151とメインタンク141の接続を切り替えるためのタンク供給弁V1が配されている。

0055

インク供給制御部209(図2)は、液面検知手段151aによってサブタンク151内のインクが所定量より少なくなったことを検知すると、大気開放弁V0、供給弁V2、回収弁V4、およびヘッド交換弁V5を閉じる。またインク供給制御部209は、タンク供給弁V1を開く。この状態において、インク供給制御部209は減圧ポンプP0を作動させる。すると、サブタンク151の内部が負圧となりメインタンク141からサブタンク151へインクが供給される。液面検知手段151aによってサブタンク151内のインクが所定量を超えたことを検知すると、インク供給制御部209は、タンク供給弁V1を閉じ減圧ポンプP0を停止する。

0056

供給流路C2は、サブタンク151から記録ヘッド8へインクを供給するための流路であり、その途中には供給ポンプP1と供給弁V2とが配されている。記録動作中は、供給弁V2を開いた状態で供給ポンプP1を駆動することにより、記録ヘッド8へインクを供給しつつ循環経路においてインクを循環することができる。記録ヘッド8によって単位時間あたりに吐出されるインクの量は画像データに応じて変動する。供給ポンプP1の流量は、記録ヘッド8が単位時間あたりのインク消費量が最大となる吐出動作を行った場合にも対応できるように決定されている。

0057

リリーフ流路C3は、供給弁V2の上流側であって、供給ポンプP1の上流側と下流側とを接続する流路である。リリーフ流路C3の途中には差圧弁であるリリーフ弁V3が配される。リリーフ弁は、駆動機構によって開閉されるのではなく、ばね付勢されており、所定の圧に達すると弁が開くように構成されている。例えば、供給ポンプP1からの単位時間あたりのインク供給量が、記録ヘッド8の単位時間あたりの吐出量回収ポンプP2の単位時間あたりの流量(インクを引く量)との合計値よりも多い場合は、リリーフ弁V3は、自身に作用する圧力に応じて開放される。これにより、供給流路C2の一部とリリーフ流路C3とで構成される巡回流路が形成される。リリーフ流路C3の構成を設けることにより、記録ヘッド8に対するインク供給量が、記録ヘッド8でのインク消費量に応じて調整され、循環経路内の圧力を画像データによらず安定させることができる。

0058

回収流路C4は、記録ヘッド8からサブタンク151へインクを回収するための流路であり、その途中には回収ポンプP2と回収弁V4とが配されている。回収ポンプP2は、循環経路内にインクを循環させる際、負圧発生源となって記録ヘッド8よりインクを吸引する。回収ポンプP2の駆動により、記録ヘッド8内のIN流路80bとOUT流路80cの間に適切な圧力差が生じ、IN流路80bとOUT流路80cの間でインクを循環させることができる。

0059

回収弁V4は、記録動作を行っていないとき、すなわち循環経路内にインクを循環させていないときの逆流を防止するための弁でもある。本実施形態の循環経路では、サブタンク151は記録ヘッド8よりも鉛直方向において上方に配置されている(図1参照)。このため、供給ポンプP1や回収ポンプP2を駆動していないとき、サブタンク151と記録ヘッド8との水頭差によって、サブタンク151から記録ヘッド8へインクが逆流してしまうおそれがある。このような逆流を防止するため、本実施形態では回収流路C4に回収弁V4を設けている。

0060

なお、供給弁V2も、記録動作を行っていないとき、すなわち循環経路内にインクを循環させていないときに、サブタンク151から記録ヘッド8へのインクの供給を防止するための弁としても機能する。

0061

ヘッド交換流路C5は、供給流路C2とサブタンク151の空気室(インクが収容されていない空間)とを接続する流路であり、その途中にはヘッド交換弁V5が配されている。ヘッド交換流路C5の一端は、供給流路C2における記録ヘッド8の上流に接続され、供給弁V2より下流側に接続される。ヘッド交換流路C5の他端は、サブタンク151の上方に接続してサブタンク151内部の空気室と連通する。ヘッド交換流路C5は、記録ヘッド8を交換する際や記録装置1を輸送する際など、使用中の記録ヘッド8からインクを引き抜くときに利用される。ヘッド交換弁V5は、記録ヘッド8にインクを充填するとき、および、記録ヘッド8からインクを回収するとき以外は閉じるように、インク供給制御部209によって制御される。

0062

次に、記録ヘッド8内の流路構成について説明する。供給流路C2より記録ヘッド8に供給されたインクは、フィルタ83を通過した後、第1の負圧制御ユニット81と、第2の負圧制御ユニット82とに供給される。第1の負圧制御ユニット81は、弱い負圧(大気圧との圧力差が小さい負圧)に制御圧力が設定されている。第2の負圧制御ユニット82は、強い負圧(大気圧との圧力差が大きい負圧)に制御圧力が設定されている。これら第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82における圧力は、回収ポンプP2の駆動により適正な範囲で生成される。

0063

インク吐出部80には、複数の吐出口が配列された記録素子基板80aが複数配置され、長尺吐出口列が形成されている。第1の負圧制御ユニット81より供給されるインクを導くための共通供給流路80b(IN流路)と、第2の負圧制御ユニット82より供給されるインクを導くための共通回収流路80c(OUT流路)も、記録素子基板80aの配列方向に延在している。さらに個々の記録素子基板80aには、共通供給流路80bと接続する個別供給流路と、共通回収流路80cと接続する個別回収流路が形成されている。このため、個々の記録素子基板80aにおいては、相対的に負圧の弱い共通供給流路80bより流入し、相対的に負圧の強い共通回収流路80cへ流出するような、インクの流れが生成される。個別供給流路と個別回収流路との経路中に、各吐出口に連通し、インクが充填される圧力室が設けられており、記録を行っていない吐出口や圧力室においてもインクの流れが生じる。記録素子基板80aで吐出動作が行われると、共通供給流路80bから共通回収流路80cへ移動するインクの一部は吐出口から吐出されることによって消費されるが、吐出されなかったインクは共通回収流路80cを経て回収流路C4へ移動する。

0064

図10は、廃インクタンク20の外観斜視図である。ほぼ直方体から成る廃インクタンク20の上面(+z方向側の面)には、チューブの先端に設けられた排出ジョイント25と接続するための開口21が設けられている。廃インクタンク20は、装置正面より+y方向に挿入されることによって装着され、装着が確認されると排出ジョイント25が上方から降下して廃インクタンク20の開口21に接続する。

0065

図11(a)〜(c)は、廃インクタンク20の内部に収容された吸収体22に廃インクが浸透する様子を示す図である。図11(a)は、廃インクが吸収される前の様子を示す図である。廃インクタンク20の内部には吸収体22が収容され、吸収体22には、その一部をくり貫くことによって誘導経路23が形成されている。開口21は、誘導経路23の端部に位置しており、この位置が排出ジョイント25から廃インクが滴下される滴下空間24となる。誘導経路23を長く且つ多岐にすることにより、滴下空間24に滴下された廃インクに接触可能な吸収体22の面積が増大し、廃インクの吸収体22への吸収を促すことができる。例えば、滴下空間24に滴下された廃インクが、滴下空間24近傍の吸収体22に吸収され難くなっても、誘導経路23によって誘導された先の吸収体22によって吸収可能となる。

0066

図11(b)は、滴下された廃インクが多少は蒸発しているものの、誘導経路23によって好適に誘導され、吸収体22のほぼ全域に吸収された様子を示している。

0067

一方、図11(c)は、吸収体22の全域に廃インクが拡散する前に、誘導経路23の近傍に吸収された廃インクの蒸発が進んでインクが増粘し、吸収体22に目詰まりが生じた状態を示している。この場合、目詰まりを起こした廃インクは新たに滴下空間24に滴下された廃インクの浸透を妨害するため、誘導経路23には吸収されない廃インクが溜まっていく。また、吸収体22には、目詰まりによって廃インクが浸透せず、インクを吸収していない領域が存在する。

0068

即ち、廃インクタンク20に収容された廃インクの総量が吸収体22の全域で吸収可能な量に達していない場合でも、吸収体22の目詰まりによって吸収されず、誘導経路23に溜まった廃インクが収容可能な量を超えると廃インクが開口21から漏れることがある。そして、このような廃インクの増粘や固着は、廃インクが蒸発するほど進行し、廃インクの蒸発は廃インクタンク20に廃インクが排出されてからの経過時間、環境温度環境湿度などに依存することが知られている。

0069

よって、本実施形態では、廃インクが排出されてからの経過時間、環境温度、環境湿度に基づいて、廃インクタンクに収容されている廃インクの蒸発率を取得し、得られた蒸発率に応じて、廃インクタンクが満杯であるか否かを判定するための閾値を設定する。

0070

図12は、本実施形態のインクジェット記録装置において、プリントコントローラ202が記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う場合に実行する一連の工程を説明するためのフローチャートである。本処理は、操作パネル104を介したユーザの指示のほか、プリントコントローラ202が、様々な条件に基づいて、記録ヘッド8に対するメンテナンスが必要であると判断した場合に実行する処理である。

0071

本処理が開始されると、S01において、プリントコントローラ202は、所定のメンテナンス動作を実行する。S01では、図8(a)及び(b)を用いて説明したワイピング処理のほか、吸引量の異なる複数の吸引動作、各インク色で吐出数の異なる複数の予備吐出動作など、様々なメンテナンス動作が条件に応じて実行される。

0072

S02において、プリントコントローラ202は、S01で実行したメンテナンス動作の種類に基づいて、廃インク情報を更新するための廃インク情報更新シーケンスを実行する。

0073

図13は、S02で実行される廃インク情報更新シーケンスの処理工程を説明するためのフローチャートである。本処理が開始されると、プリントコントローラ202は、まずS101において、S01で実行されたメンテナンス動作によって廃インクタンク20に排出された廃インク排出量V2をカウントする。具体的には、メンテナンス動作と廃インク排出量V2が予め対応づけられて記憶されているテーブルなどを参照することにより、S01で実行されたメンテナンス動作に対応する廃インク排出量を取得する。

0074

S102において、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210が管理するタイマーを用いて、前回のメンテナンス動作が行われてから今回のメンテナンス動作が行われるまでの経過時間T1を取得する。なお、タイマーは、廃インクタンクを装置に装着してからの経過時間を計測するものであって、廃インクタンクが交換されるたびにリセットされる。

0075

プリントコントローラ202は、タイマーの現在時刻Tから前回メンテナンス動作が行われた時刻(最終メンテナンス時刻)T2を減算することによって経過時間T1を算出する。今回行われたメンテナンス動作が、現在装着されている廃インクタンク20を装着した後の最初のメンテナンス動作である場合、経過時間T1は初期値0が設定される(T=0)。

0076

S103において、プリントコントローラ202は、S102で取得した経過時間T1、環境温度t、および環境湿度hに基づいて、蒸発量加算値Ea1を取得する。ここで、環境温度tと環境湿度hは、装置内に配された温度センサ湿度センサが検出するものとする。

0077

図14は、環境温度tと環境湿度hに対応する単位時間当たりの廃インク蒸発量Eaを示すテーブルである。テーブルには、環境温度が23℃以上であった場合と23℃未満であった場合、環境湿度が50%以上であった場合と50%未満であった場合の組み合わせそれぞれについての、単位時間当たりの廃インク蒸発量が記憶されている。本実施形態において、このようなテーブルは、プリントエンジンユニット200のROM201に予め保存されているものとする。

0078

図13のS103において、プリントコントローラ202は、図14のような蒸発量テーブルを参照し、検出した環境温度tと環境湿度hの組み合わせに対応する単位時間蒸発量Eaを取得する。そして、S102で取得した経過時間T1に単位時間蒸発量Eaを積算することにより、蒸発量加算値Ea1を算出する。この蒸発量加算値Ea1は、前回のメンテナンス処理が行われてから今回のメンテナンス処理が行われるまでに廃インクタンク20から蒸発したインク量とみなすことができる。

0079

S104において、プリントコントローラ202は、既に記憶されている総蒸発量Et1に蒸発量加算値Ea1を加算する。総蒸発量Et1とは、現在の廃インクタンク20が装着されて最初のメンテナンス動作が行われてから、現時点で最後のメンテナンス動作が行われるまでに廃インクタンクから蒸発した廃インクの量に相当する。よって、総蒸発量Et1の初期値は0であり、総蒸発量Et1は新たにメンテナンス動作が行われるたびにS104で更新される。

0080

S105において、プリントコントローラ202は、S101で取得した廃インク排出量V2を、既に記憶されている総廃インク量V1に加算して新たな総廃インク量V1を得る。

0081

S106において、プリントコントローラ202は、S105で更新した総廃インク量V1から、S104で更新した総蒸発量Et1を減算することにより、廃インク保持量Vh1を取得する。この廃インク保持量Vh1は、現時点で廃インクタンク20の吸収体22に実際に保持されている廃インク量(吸収されている廃インク量)とみなすことができる。

0082

S107において、プリントコントローラ202は、S105で更新した総廃インク量V1をS104で更新した総蒸発量Et1で除算することにより、廃インク蒸発率Ep1を取得する。この廃インク蒸発率Ep1は、現時点で廃インクタンク20の吸収体22に実際に保持されている廃インクの蒸発の程度を示す値である。すなわち、廃インク蒸発率Ep1が大きいほど廃インクの増粘及び固着化は進行し、吸収体22における廃インクの拡散が困難であるとみなすことが出来る。

0083

S108において、プリントコントローラ202は、最終メンテナンス時刻T2として、現在時刻Tを上書きする(T2=T)。以上で廃インク情報更新シーケンスは終了する。

0084

図15(a)〜(c)は、廃インクタンクに排出された廃インク量と蒸発量の関係を示す図である。図15(a)は、S104において、総蒸発量Et1に蒸発量加算値Ea1を加算することによって新たな総蒸発量Et1を求めた状態を示している。図15(b)は、S105において、総廃インク量V1に廃インク排出量V2を加算することによって新たな総廃インク量V1を求めた状態を示している。図15(c)は、S106において、更新された総廃インク量V1から更新された総蒸発量Et1を減算することによって、廃インク保持量Vh1(現時点で吸収体22が保持する廃インク量)を求めた状態を示している。このような総廃インク量V1、総蒸発量Et1、及び廃インク保持量Vh1は、プリントコントローラ202が、新たなメンテナンス動作が行われるたびに、S104、S105、およびS106において更新し、RAM204に保存する。

0085

図12のフローチャートの説明に戻る。S02における廃インク情報更新シーケンスが終了すると、プリントコントローラ202は、S03の廃インクエラー判定シーケンスを実行する。

0086

図16は、S03で実行される廃インクエラー判定シーケンスの処理工程を説明するためのフローチャートである。本処理が開始されると、プリントコントローラ202は、まずS201において、図13のS107で取得した廃インク蒸発率Ep1に基づいて、廃インクエラー閾値Hを設定する。

0087

図17は、S201の閾値設定工程においてプリントコントローラ202が参照するテーブルを示す図である。テーブルには、廃インク蒸発率Ep1と廃インクエラー閾値Hの対応関係が記憶されている。本実施形態において、廃インク蒸発率Ep1が50%以上であった場合の廃インクエラー閾値Hは550gである。また、廃インク蒸発率Ep1が50%未満であった場合の廃インクエラー閾値Hは650gである。このように、廃インク蒸発率Ep1が大きいほど、廃インクエラー閾値Tが小さい値に設定されるように、廃インク蒸発率Ep1と廃インクエラー閾値Hは対応づけられている。すなわち、廃インク蒸発率Ep1が大きいほど、早めに廃インクエラーをユーザに通知可能なように設定されている。本実施形態において、このようなテーブルは、プリントエンジンユニット200のROM201に予め保存されているものとする。

0088

図16のフローチャートの説明に戻る。S202において、プリントコントローラ202は、図13のS106で取得した廃インク保持量Vh1とS201で取得した廃インクエラー閾値Hを比較する。そして、廃インク保持量Vh1が廃インクエラー閾値Hを超えている場合は、S203に進み、廃インクエラー通知処理を行う。具体的には、操作パネル104(図2参照)を介して、廃インクタンクが満杯になったことをユーザに報知し、廃インクタンク20の交換などを促す。

0089

一方、S202において、廃インク保持量Vh1が廃インクエラー閾値T以下であると判定した場合、プリントコントローラ202は、S203をジャンプする。以上で図16に示す廃インクエラー判定シーケンスは終了し、図12に示すメンテナンス動作に伴う一連の処理も完了する。

0090

以上説明した本実施形態によれば、廃インク蒸発率Ep1が大きい場合は、廃インクエラー閾値Tが小さい値に設定されるため、総廃インク量V1が吸収体の吸収可能容量より少量であっても、廃インクエラーと判定されやすくなる。その結果、固着したインクによって廃インクの拡散が妨害されても、廃インクタンクにおけるインク漏れを未然に防ぐことが可能となる。

0091

(第2の実施形態)
廃インクタンク20における廃インクの増粘や固着の程度は、上述した経過時間、環境温度、環境湿度のほか、インクの種類にも依存する。例えば顔料インク染料インクに比べ、増粘しやすい傾向がある。また、染料インク同士であっても、色材の種類(色)によって増粘の程度が異なる場合がある。本実施形態においては、記録ヘッド8が、シアンマゼンタイエローのカラーインクと、ブラックインクの4色を吐出可能とし、ブラックインクがカラーインクよりも増粘し易い傾向があるものとする。このため、本実施形態では、廃インクに占めるブラックインクの割合が大きいほど、廃インクエラー閾値Tが小さな値に設定されるようにする。

0092

本実施形態においても、第1の実施形態と同様、図1図9で説明したインクジェット記録装置を用いる。そして、メンテナンス動作を行う場合は、基本的に、図10図11および図14で説明したフローチャートに従って一連の処理を実行する。

0093

但し、図11のS101において、プリントコントローラ202は、廃インク排出量V2をインク色ごとにカウントする。そして、総廃インク量V1および廃インク保持量Vh1と共に、これらに含まれるブラックインクの比率も算出し、メンテナンス動作が行われる度に更新する。

0094

図18は、本実施形態のプリントコントローラが図14のS201で参照するテーブルを示す図である。テーブルには、廃インク蒸発率Ep1が50%以上である場合と50%未満である場合、廃インク保持量Vhに占めるブラックインクの比率が70%以上である場合と70%未満である場合についての、廃インクエラー閾値Tが記憶されている。廃インク蒸発率Ep1が50%以上の場合に、廃インクに占めるブラックインクの割合が70%以上であるほうが、70%未満である場合よりも、廃インクエラー閾値Tが小さくなっている。

0095

なお、ここで示した値(70%)は一例である。ブラックインクの比率が所定値以上の場合に廃インクエラー閾値として第1の閾値が設定され、所定値未満の場合に第1の閾値よりも小さい第2の閾値が設定されればよい。

0096

このように、本実施形態によれば、廃インクに占めるブラックインクの比率が高い場合は、低い場合よりも、廃インクエラー閾値Tが小さい値に設定されるようになっている。その結果、増粘し易いブラックインクが多く排出される状況においては、より早いタイミングで廃インクエラーと判定され、廃インクタンクにおけるインク漏れを未然に防ぐことが可能となる。
(第3の実施形態)
図9で説明したようなインク供給システムにおいては、サブタンク151と記録ヘッド8の間での循環時間が長くなるほどインクの蒸発が進み、インクが濃縮することがある。このような場合、廃インクタンク20に排出される廃インクは、既に蒸発が進んでおり、吸収体22において比較的早い段階で増粘、固着し易い傾向がある。このため、本実施形態では、循環経路におけるインクの濃縮の程度(以下、インク濃度と称す)を取得する。そして、インク濃度が高いほど、より小さな廃インクエラー閾値Tを設定し、より早いタイミングで廃インクエラー通知処理を行うようにする。

0097

本実施形態においても、第1の実施形態と同様、図1図9で説明したインクジェット記録装置を用いる。そして、メンテナンス動作を行う場合は、基本的に、図10図11および図14で説明したフローチャートに従って一連の処理を実行する。また、本実施形態のプリントコントローラ202は、循環経路におけるインク濃度Dの情報を適宜取得する。

0098

ここで、濃度情報Dについて簡単に説明する。本実施形態において濃度情報Dとは、図9で説明したインク供給システムにおいて循環されるインクの濃縮の程度の推定値であり、以下の式で表すことができる。
DX+1=(DX×(Jn−In))÷(Jn−In−V)

0099

ここで、DX+1は記録動作後の濃度、DXは記録動作前の濃度を示す。また、Jnは記録動作前の循環システム内のインク量、Inは記録動作によって吐出されたインク量、Vは循環システムからの蒸発量を示す。

0100

本実施形態において、濃度情報Dは、上記式に基づいて算出された値がROM203に記憶されている。プリントコントローラ202は、記録動作(印刷ジョブ)が行われるたびに、前回の記録動作が行われた際に保存した濃度情報D(DX)を読み出し、上記式に基づいて濃度情報DX+1算出し、新たな濃度情報Dとしてこれを上書き保存する。

0101

また、このような濃度情報は、インク供給システムごと即ちインク色毎に管理され、プリントコントローラは、各色の濃度情報Dの平均値または所定の演算式に従って、総合的なインク濃度Dを算出する。

0102

図19は、本実施形態のプリントコントローラが図14のS201で参照するテーブルを示す図である。テーブルには、廃インク蒸発率Ep1が50%以上である場合と50%未満である場合、インク循環経路内のインク濃度Dが0.0632以上である場合と0.0632未満である場合についての、廃インクエラー閾値Tが記憶されている。廃インク蒸発率Ep1が同程度であっても、インク循環経路におけるインク濃度Dが0.0632以上であるほうが、0.0632未満である場合よりも、廃インクエラー閾値Tが小さくなっている。

0103

このように、本実施形態によれば、インク循環経路におけるインク濃度Dが高い場合は、低い場合よりも、廃インクエラー閾値Tが小さい値に設定されるようになっている。その結果、インク循環経路においてインクの蒸発が既に進んでいる状況においては、より早いタイミングで廃インクエラーと判定され、廃インクタンクにおけるインク漏れを未然に防ぐことが可能となる。

0104

なお、以上の実施形態では、廃インク蒸発率Ep1が50%未満の場合と50%以上の場合との2段階に分けて廃インクエラー閾値Hを用意した。しかし、廃インク蒸発率Ep1を3段階以上に分け、それぞれの段階で異なる廃インクエラー閾値Hを設定していても良い。いずれにせよ、廃インク蒸発率Ep1が大きいほど廃インクエラー閾値Hが小さくなるような関係で、廃インク蒸発率Ep1と廃インクエラー閾値Hが対応づけられれば、本発明の効果を得ることは出来る。

0105

1インクジェット記録装置
8記録ヘッド
20廃インクタンク
22吸収体
101メインコントローラ
202 プリントコントローラ

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