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課題

被験体を、細胞周期を調節する化合物治療することにより、被験体を急性腎臓損傷から保護するための方法および組成物の提供。

解決手段

細胞周期を調節することは、G0/G1細胞周期停止誘導すること、および/または細胞周期進行を誘導することを含むことができる。以下で証明されるように、G0/G1細胞周期停止を誘導する化合物の単回投与であっても、被験体をAKIから保護することができ、腎臓に対して傷害性であることがわかっている様々な治療または状態に先立って予防的に、またはその後の治療として、使用することができ、続いて、任意で停止が解放される。いったんAKIが確立されると、細胞周期進行を誘導させ、失われたおよび損傷された細胞置換を増加させることができる。

概要

背景

発明の背景の下記説明は、読み手が発明を理解するのを助けるために提供されるにすぎず、本発明に対する先行技術を説明する、または構成することを認めるものではない。

腎臓は身体からの水および溶質排泄責任を負っている。その機能は酸−塩基バランスの維持、電解質濃度の調節、血液体積の制御、および血圧の調節を含む。そのようなものとして、損傷および/または疾患による腎機能喪失は実質的な罹患および死亡となる。腎損傷の詳細な議論は、Harrison’s Principles of Internal Medicine, 第17版, McGraw Hill, New York,1741−1830ページ(これにより、その全体が参照により組み込まれる)で提供される。腎疾患および/または損傷は急性または慢性であり得る。急性および慢性腎臓疾患は下記の通りに記載される(Current Medical Diagnosis & Treatment 2008, 第47版, McGraw Hill, New York,785−815ページ(これにより、その全体が参照により組み込まれる)から):「急性腎不全は、数時間から数日かけた腎機能の悪化であり、窒素性廃棄物(例えば尿素窒素)およびクレアチニンが血液中滞留することとなる。これらの物質の滞留は高窒素血症と呼ばれる。慢性腎不全(慢性腎臓疾患)は、数カ月から数年にわたる異常な腎機能の喪失に起因する」。

急性腎不全(ARF、急性腎臓損傷、またはAKIとしても知られている)は糸球体濾過における急激な(典型的には約48時間〜1週間以内に検出される)低減である。この濾過能力の喪失により、窒素性老廃物尿素およびクレアチニン)ならびに通常、腎臓により排泄される非窒素性老廃物の滞留、尿量の低減、またはその両方が起こる。ARFは、約5%の入院、4−15%の心肺バイパス術、および30%までの集中治療室入院を悪化させることが報告されている。ARFは因果関係において腎前性腎性、または腎後性として分類され得る。腎性腎疾患はさらに、糸球体、尿細管間質性、および血管性異常に分割することができる。ARFの主原因は、下記表で記載され、表はMerck Manual、第17版、222章から適合され、これによりその全体が参照により組み込まれる:

虚血性ARFの場合、疾患の経過は4相に分割され得る。数時間から数日続く開始相中に、腎臓の灌流の低減は、損傷に発展する。糸球体限外濾過が低減し、尿細管内のデブリのために濾液の流れが低減し、損傷した上皮を通って濾液が逆漏れする。腎損傷は、この相中に腎臓の再灌流により媒介され得る。開始に続いて拡張相が起こり、これは、継続する虚血性損傷および炎症により特徴付けられ、内皮損傷および血管のうっ血を伴い得る。1〜2週間続く維持相中、腎細胞損傷が起こり、糸球体濾過および尿量が最小となる。腎臓上皮が修復され、GFRが、徐々に回復する回復相が後に続くことができる。これにも関わらず、ARFを有する被験体生存率は約60%と低い可能性がある。

放射線造影剤造影剤とも呼ばれる)および他のネフロトキシン、例えばシクロスポリン抗生物質、例えばアミノグリコシドおよび抗癌剤、例えばシスプラチンにより引き起こされる急性腎臓損傷は数日から約一週間の期間にわたって現れる。造影剤誘発性腎症CIN、これは放射線造影剤により引き起こされるAKIである)は、腎臓内血管収縮(虚血性損傷に至る)により引き起こされ、腎尿細管上皮細胞に対して直接毒性である活性酸素種の発生に由来すると考えられる。CINは古典的には、急性(24−48時間以内に発症)であるが、可逆性の(ピーク3−5日、1週間以内に消散血中尿素窒素および血清クレアチニンの上昇として現れる。

AKIを規定し、検出するための一般に報告されている判断基準は、血清クレアチニンの急激な(典型的に約2−7日以内、または入院の期間以内)上昇である。AKIを規定し、検出するための血清クレアチニン上昇の使用は、よく確立されたものであるが、血清クレアチニン上昇の大きさおよびAKIを規定するために測定される時間は、刊行物間でかなり変動する。伝統的には、100%、200%などの血清クレアチニンのかなり大きな増加、2mg/dLを超える値までの少なくとも100%の増加および他の定義がAKIを規定するために使用された。しかしながら、最近の傾向は、より小さな血清クレアチニン上昇を使用して、AKIを規定することに向かっている。血清クレアチニン上昇、AKIおよび関連する健康リスクの間の関係は、Praught and Shlipak, Curr Opin Nephrol Hypertens 14:265−270, 2005およびChertow et al, J Am Soc Nephrol 16: 3365−3370, 2005において概説されており、これらは、その中で列挙されている参考文献と共に、これによりその全体が参照により組み込まれる。これらの刊行物に記載されるように、急性悪化腎機能(AKI)および死亡リスクの増加および他の有害な転帰は今や、血清クレアチニンの非常に小さな増加と関連することが知られている。これらの増加は、相対(パーセント)値または名目値として決定され得る。損傷前値からの20%もの小さな血清クレアチニンの相対増加は、急性的に悪化する腎機能(AKI)および健康リスクの増加を示すことが報告されているが、AKIおよび健康リスクの増加を規定するためにより一般に報告されている値は、少なくとも25%の相対増加である。0.3mg/dL、0.2mg/dLまたはさらには0.1mg/dLもの小さな名目増加は、悪化する腎機能および死亡リスクの増加を示すことが報告されている。血清クレアチニンがこれらのしきい値まで上昇する様々な期間が、AKIを規定するために使用されており、例えば、2日、3日、7日、または患者病院または集中治療室内にいる時間として規定される可変期間の範囲である。これらの研究により、腎機能悪化またはAKIに対する特定のしきい血清クレアチニン上昇(または上昇のための期間)はないが、むしろ、血清クレアチニン上昇の大きさが増加するのに伴いリスクが連続して増加することが示される。

1つの研究(Lassnigg et all, J Am Soc Nephrol 15:1597−1605, 2004、これによりその全体が参照により組み込まれる)は、血清クレアチニンの増加および減少の両方を調査した。心臓外科手術後に、−0.1〜−0.3mg/dLの血清クレアチニンの穏やかな降下を有する患者は最低死亡率を有した。血清クレアチニンのより大きな降下(−0.4mg/dL以上)または血清クレアチニンの任意の増加を有する患者はより大きな死亡率を有した。これらの所見により、筆者らは、(外科手術の48時間以内の小さなクレアチニン変化により検出される)腎機能の非常にわずかな変化であっても患者の転帰に深刻な影響を与えると結論づけた。臨床試験および臨床診療において血清クレアチニンを使用してAKIを規定するための統合分類システムについて合意に達しようとして、Bellomo et al., Crit Care. 8(4):R204−12, 2004(これによりその全体が参照により組み込まれる)はAKI患者を層別化するための下記分類を提案しており:
「リスク」:ベースラインから1.5倍の血清クレアチニンの増加または6時間の間の<0.5ml/kg体重/時間の尿産生
「損傷」:ベースラインから2.0倍の血清クレアチニンの増加または12時間の間の尿産生<0.5ml/kg/時間;
不全」:ベースラインから3.0倍の血清クレアチニンの増加またはクレアチニン>355μmol/l(>44の上昇を伴う)または24時間の間の0.3ml/kg/時間未満の尿量または少なくとも12時間の間の無尿
ならびに2つの臨床転帰が含まれる:
「喪失」:4週間を超える間の腎代替療法持続的な必要性。
ESRD」:末期腎疾患−3ヶ月を超える間の透析の必要性。

これらの判断基準はRIFLE判断基準と呼ばれ、腎臓状態を分類するための有用な臨床ツールを提供する。Kellum, Crit. Care Med. 36: S141−45, 2008およびRicci et al., Kidney Int. 73, 538−546, 2008(各々、これによりその全体が参照により組み込まれる)で記載されるように、RIFLE判断基準は、多くの研究において確認されてきたAKIの均一な定義を提供する。

最近になって、Mehta et al., Crit. Care 11:R31 (doi:10.1186.cc5713), 2007(これによりその全体が参照により組み込まれる)は、AKI患者を層別化するための下記の同様の分類を提案し、これはRIFLEから改良されている:
ステージI」:0.3mg/dL(≧26.4μmol/L)以上の血清クレアチニンの増加またはベースラインからの150%(1.5倍)以上までの増加または6時間を超える間0.5mL/kg/時間未満の尿量;
「ステージII」:ベースラインからの200%(>2倍)超までの血清クレアチニンの増加または12時間を超える間0.5mL/kg/時間未満の尿量;
「ステージIII」:ベースラインからの300%(>3倍)超までの血清クレアチニンの増加または少なくとも44μmol/Lの急性増加を伴う血清クレアチニン≧354μmol/Lまたは24時間の間の0.3mL/kg/時間未満の尿量または12時間の間の無尿。

CIN Consensus Working Panel(McCollough et al、Rev Cardiovasc Med. 2006;7(4):177−197、これによりその全体が参照により組み込まれる)は、25%の血清クレアチニン上昇を使用して、造影剤誘発性腎症(AKIの型である)を規定する。様々なグループが、血清クレアチニンを使用してAKIを検出するためのわずかに異なる判断基準を提案しているが、血清クレアチニンの小さな変化、例えば0.3mg/dLまたは25%がAKI(腎機能悪化)を検出するには十分であり、血清クレアチニン変化の大きさはAKIの重症度および死亡率リスクの指標となるというのが、一致した意見である。

近年、前向き施設調査では、AKIのための2つの新規バイオマーカーが重病成人患者発見コホートで同定され、その後、臨床アッセイを用いて確認され、AKIの既存のマーカーと不均一な重病患者の独立した妥当性確認コホートにおいて比較された。尿中インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)および組織メタロプロテアーゼ阻害物質2(TIMP−2)頑強マーカーは、AKIに対するリスクを検出するための既存の方法と直接比較した場合、改善された性能特性を有するが、また、臨床データを超える重要な追加の情報を提供する。IGFBP7およびTIMP−2はそれぞれ、細胞損傷の非常に早い相中のG1細胞周期停止現象と関連することが顕著であり、腎尿細管細胞は、実験敗血症または虚血に由来する損傷に続くG1細胞周期停止の短い期間に入ることが示されている。例えば、Yang et al., J. Infect. 58:459−464, 2009; Witzgall et al., J. Clin. Invest. 93:2175−2188, 1994を参照されたい。

(AKI)は、一つには、臓器機能の喪失が起こる(これはその後、不可逆的となり得る)前には同定するのが困難なため、厄介臨床的問題のままである。その上、利用可能な療法は、主に対症的手段および腎毒性薬剤の除去に基づく。これらの制限は、好ましくは不可逆的損傷が起こる前に、AKIを検出し、評価し、治療するためのより良好な方法に対する必要性を浮き彫りにする。

概要

被験体を、細胞周期を調節する化合物で治療することにより、被験体を急性腎臓損傷から保護するための方法および組成物の提供。細胞周期を調節することは、G0/G1細胞周期停止を誘導すること、および/または細胞周期進行を誘導することを含むことができる。以下で証明されるように、G0/G1細胞周期停止を誘導する化合物の単回投与であっても、被験体をAKIから保護することができ、腎臓に対して傷害性であることがわかっている様々な治療または状態に先立って予防的に、またはその後の治療として、使用することができ、続いて、任意で停止が解放される。いったんAKIが確立されると、細胞周期進行を誘導させ、失われたおよび損傷された細胞の置換を増加させることができる。

目的

これらの判断基準はRIFLE判断基準と呼ばれ、腎臓状態を分類するための有用な臨床ツールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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この技術が所属する分野

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請求項1

急性腎臓損傷リスクがある被験体を予防的に治療する方法において使用するための、腎臓上皮細胞のG0/G1細胞周期停止を調節する作用物質を含む組成物であって、前記使用は、有効量の、腎臓上皮細胞のG0/G1細胞周期停止を調節する作用物質を、腎臓上皮細胞の集団において細胞周期停止を誘導するには十分であるが、前記被験体の急性腎不全までの進行により測定される腎毒性を誘導するには不十分である時間の間、前記被験体に投与することを含み、かつ前記使用は、前記被験体から取得された第1の体液試料に対して、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)および組織メタロプロテアーゼ阻害物質2(TIMP−2)を測定する第1のバイオマーカーアッセイを実施し、第1のTIMP−2アッセイ結果および第1のIGFBP7アッセイ結果を提供することであって、前記第1の体液試料は、前記被験体から、前記投与工程前に取得される、こと;前記被験体から取得された第2の体液試料に対して、IGFBP7およびTIMP−2を測定する、第2のバイオマーカーアッセイを実施し、第2のTIMP−2アッセイ結果および第2のIGFBP7アッセイ結果を提供することであって、前記第2の体液試料は前記被験体から、前記投与工程の1日後に取得される、こと;および前記第1および第2のTIMP−2アッセイ結果ならびに第1および第2のIGFBP7アッセイ結果を比較することであって、前記第2のTIMP−2アッセイ結果に対して前記第1のTIMP−2アッセイ結果値が高くなく、かつ前記第2のIGFBP7アッセイ結果に対して前記第1のIGFBP7アッセイ結果値が高い場合、前記被験体は予防的な治療が成功したと識別する、ことをさらに含む、組成物。

技術分野

0001

本出願は、2013年12月3日に出願された米国仮特許出願第61/911,406号(これによりその全体が参照により組み込まれる)の優先権を主張する。

0002

連邦政府資金による研究の記載
この発明は国立心肺血液研究所(NHLBI)認可番号R01HL080926の下、政府支援を受けてなされた。政府は発明において一定の権利を有する。

背景技術

0003

発明の背景の下記説明は、読み手が発明を理解するのを助けるために提供されるにすぎず、本発明に対する先行技術を説明する、または構成することを認めるものではない。

0004

腎臓は身体からの水および溶質排泄責任を負っている。その機能は酸−塩基バランスの維持、電解質濃度の調節、血液体積の制御、および血圧の調節を含む。そのようなものとして、損傷および/または疾患による腎機能喪失は実質的な罹患および死亡となる。腎損傷の詳細な議論は、Harrison’s Principles of Internal Medicine, 第17版, McGraw Hill, New York,1741−1830ページ(これにより、その全体が参照により組み込まれる)で提供される。腎疾患および/または損傷は急性または慢性であり得る。急性および慢性腎臓疾患は下記の通りに記載される(Current Medical Diagnosis & Treatment 2008, 第47版, McGraw Hill, New York,785−815ページ(これにより、その全体が参照により組み込まれる)から):「急性腎不全は、数時間から数日かけた腎機能の悪化であり、窒素性廃棄物(例えば尿素窒素)およびクレアチニンが血液中滞留することとなる。これらの物質の滞留は高窒素血症と呼ばれる。慢性腎不全(慢性腎臓疾患)は、数カ月から数年にわたる異常な腎機能の喪失に起因する」。

0005

急性腎不全(ARF、急性腎臓損傷、またはAKIとしても知られている)は糸球体濾過における急激な(典型的には約48時間〜1週間以内に検出される)低減である。この濾過能力の喪失により、窒素性老廃物尿素およびクレアチニン)ならびに通常、腎臓により排泄される非窒素性老廃物の滞留、尿量の低減、またはその両方が起こる。ARFは、約5%の入院、4−15%の心肺バイパス術、および30%までの集中治療室入院を悪化させることが報告されている。ARFは因果関係において腎前性腎性、または腎後性として分類され得る。腎性腎疾患はさらに、糸球体、尿細管間質性、および血管性異常に分割することができる。ARFの主原因は、下記表で記載され、表はMerck Manual、第17版、222章から適合され、これによりその全体が参照により組み込まれる:

0006

虚血性ARFの場合、疾患の経過は4相に分割され得る。数時間から数日続く開始相中に、腎臓の灌流の低減は、損傷に発展する。糸球体限外濾過が低減し、尿細管内のデブリのために濾液の流れが低減し、損傷した上皮を通って濾液が逆漏れする。腎損傷は、この相中に腎臓の再灌流により媒介され得る。開始に続いて拡張相が起こり、これは、継続する虚血性損傷および炎症により特徴付けられ、内皮損傷および血管のうっ血を伴い得る。1〜2週間続く維持相中、腎細胞損傷が起こり、糸球体濾過および尿量が最小となる。腎臓上皮が修復され、GFRが、徐々に回復する回復相が後に続くことができる。これにも関わらず、ARFを有する被験体生存率は約60%と低い可能性がある。

0007

放射線造影剤造影剤とも呼ばれる)および他のネフロトキシン、例えばシクロスポリン抗生物質、例えばアミノグリコシドおよび抗癌剤、例えばシスプラチンにより引き起こされる急性腎臓損傷は数日から約一週間の期間にわたって現れる。造影剤誘発性腎症CIN、これは放射線造影剤により引き起こされるAKIである)は、腎臓内血管収縮(虚血性損傷に至る)により引き起こされ、腎尿細管上皮細胞に対して直接毒性である活性酸素種の発生に由来すると考えられる。CINは古典的には、急性(24−48時間以内に発症)であるが、可逆性の(ピーク3−5日、1週間以内に消散血中尿素窒素および血清クレアチニンの上昇として現れる。

0008

AKIを規定し、検出するための一般に報告されている判断基準は、血清クレアチニンの急激な(典型的に約2−7日以内、または入院の期間以内)上昇である。AKIを規定し、検出するための血清クレアチニン上昇の使用は、よく確立されたものであるが、血清クレアチニン上昇の大きさおよびAKIを規定するために測定される時間は、刊行物間でかなり変動する。伝統的には、100%、200%などの血清クレアチニンのかなり大きな増加、2mg/dLを超える値までの少なくとも100%の増加および他の定義がAKIを規定するために使用された。しかしながら、最近の傾向は、より小さな血清クレアチニン上昇を使用して、AKIを規定することに向かっている。血清クレアチニン上昇、AKIおよび関連する健康リスクの間の関係は、Praught and Shlipak, Curr Opin Nephrol Hypertens 14:265−270, 2005およびChertow et al, J Am Soc Nephrol 16: 3365−3370, 2005において概説されており、これらは、その中で列挙されている参考文献と共に、これによりその全体が参照により組み込まれる。これらの刊行物に記載されるように、急性悪化腎機能(AKI)および死亡リスクの増加および他の有害な転帰は今や、血清クレアチニンの非常に小さな増加と関連することが知られている。これらの増加は、相対(パーセント)値または名目値として決定され得る。損傷前値からの20%もの小さな血清クレアチニンの相対増加は、急性的に悪化する腎機能(AKI)および健康リスクの増加を示すことが報告されているが、AKIおよび健康リスクの増加を規定するためにより一般に報告されている値は、少なくとも25%の相対増加である。0.3mg/dL、0.2mg/dLまたはさらには0.1mg/dLもの小さな名目増加は、悪化する腎機能および死亡リスクの増加を示すことが報告されている。血清クレアチニンがこれらのしきい値まで上昇する様々な期間が、AKIを規定するために使用されており、例えば、2日、3日、7日、または患者病院または集中治療室内にいる時間として規定される可変期間の範囲である。これらの研究により、腎機能悪化またはAKIに対する特定のしきい血清クレアチニン上昇(または上昇のための期間)はないが、むしろ、血清クレアチニン上昇の大きさが増加するのに伴いリスクが連続して増加することが示される。

0009

1つの研究(Lassnigg et all, J Am Soc Nephrol 15:1597−1605, 2004、これによりその全体が参照により組み込まれる)は、血清クレアチニンの増加および減少の両方を調査した。心臓外科手術後に、−0.1〜−0.3mg/dLの血清クレアチニンの穏やかな降下を有する患者は最低死亡率を有した。血清クレアチニンのより大きな降下(−0.4mg/dL以上)または血清クレアチニンの任意の増加を有する患者はより大きな死亡率を有した。これらの所見により、筆者らは、(外科手術の48時間以内の小さなクレアチニン変化により検出される)腎機能の非常にわずかな変化であっても患者の転帰に深刻な影響を与えると結論づけた。臨床試験および臨床診療において血清クレアチニンを使用してAKIを規定するための統合分類システムについて合意に達しようとして、Bellomo et al., Crit Care. 8(4):R204−12, 2004(これによりその全体が参照により組み込まれる)はAKI患者を層別化するための下記分類を提案しており:
「リスク」:ベースラインから1.5倍の血清クレアチニンの増加または6時間の間の<0.5ml/kg体重/時間の尿産生
「損傷」:ベースラインから2.0倍の血清クレアチニンの増加または12時間の間の尿産生<0.5ml/kg/時間;
不全」:ベースラインから3.0倍の血清クレアチニンの増加またはクレアチニン>355μmol/l(>44の上昇を伴う)または24時間の間の0.3ml/kg/時間未満の尿量または少なくとも12時間の間の無尿
ならびに2つの臨床転帰が含まれる:
「喪失」:4週間を超える間の腎代替療法持続的な必要性。
ESRD」:末期腎疾患−3ヶ月を超える間の透析の必要性。

0010

これらの判断基準はRIFLE判断基準と呼ばれ、腎臓状態を分類するための有用な臨床ツールを提供する。Kellum, Crit. Care Med. 36: S141−45, 2008およびRicci et al., Kidney Int. 73, 538−546, 2008(各々、これによりその全体が参照により組み込まれる)で記載されるように、RIFLE判断基準は、多くの研究において確認されてきたAKIの均一な定義を提供する。

0011

最近になって、Mehta et al., Crit. Care 11:R31 (doi:10.1186.cc5713), 2007(これによりその全体が参照により組み込まれる)は、AKI患者を層別化するための下記の同様の分類を提案し、これはRIFLEから改良されている:
ステージI」:0.3mg/dL(≧26.4μmol/L)以上の血清クレアチニンの増加またはベースラインからの150%(1.5倍)以上までの増加または6時間を超える間0.5mL/kg/時間未満の尿量;
「ステージII」:ベースラインからの200%(>2倍)超までの血清クレアチニンの増加または12時間を超える間0.5mL/kg/時間未満の尿量;
「ステージIII」:ベースラインからの300%(>3倍)超までの血清クレアチニンの増加または少なくとも44μmol/Lの急性増加を伴う血清クレアチニン≧354μmol/Lまたは24時間の間の0.3mL/kg/時間未満の尿量または12時間の間の無尿。

0012

CIN Consensus Working Panel(McCollough et al、Rev Cardiovasc Med. 2006;7(4):177−197、これによりその全体が参照により組み込まれる)は、25%の血清クレアチニン上昇を使用して、造影剤誘発性腎症(AKIの型である)を規定する。様々なグループが、血清クレアチニンを使用してAKIを検出するためのわずかに異なる判断基準を提案しているが、血清クレアチニンの小さな変化、例えば0.3mg/dLまたは25%がAKI(腎機能悪化)を検出するには十分であり、血清クレアチニン変化の大きさはAKIの重症度および死亡率リスクの指標となるというのが、一致した意見である。

0013

近年、前向き施設調査では、AKIのための2つの新規バイオマーカーが重病成人患者発見コホートで同定され、その後、臨床アッセイを用いて確認され、AKIの既存のマーカーと不均一な重病患者の独立した妥当性確認コホートにおいて比較された。尿中インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)および組織メタロプロテアーゼ阻害物質2(TIMP−2)頑強マーカーは、AKIに対するリスクを検出するための既存の方法と直接比較した場合、改善された性能特性を有するが、また、臨床データを超える重要な追加の情報を提供する。IGFBP7およびTIMP−2はそれぞれ、細胞損傷の非常に早い相中のG1細胞周期停止現象と関連することが顕著であり、腎尿細管細胞は、実験敗血症または虚血に由来する損傷に続くG1細胞周期停止の短い期間に入ることが示されている。例えば、Yang et al., J. Infect. 58:459−464, 2009; Witzgall et al., J. Clin. Invest. 93:2175−2188, 1994を参照されたい。

0014

(AKI)は、一つには、臓器機能の喪失が起こる(これはその後、不可逆的となり得る)前には同定するのが困難なため、厄介臨床的問題のままである。その上、利用可能な療法は、主に対症的手段および腎毒性薬剤の除去に基づく。これらの制限は、好ましくは不可逆的損傷が起こる前に、AKIを検出し、評価し、治療するためのより良好な方法に対する必要性を浮き彫りにする。

0015

本発明の目的は、被験体を、細胞周期を調節する化合物で治療することにより、被験体を急性腎臓損傷から保護するための方法および組成物を提供することである。細胞周期を調節することは、G0/G1細胞周期停止を誘導すること、および/または細胞周期進行を誘導することを含むことができる。以下で証明されるように、G0/G1細胞周期停止を誘導する化合物の単回投与であっても、被験体をAKIから保護することができ、腎臓に対して傷害性であることがわかっている様々な治療または状態に先立って予防的に、またはその後の治療として使用することができ、続いて、任意で停止が解放される。いったんAKIが確立されると、細胞周期進行を誘導させ、失われたおよび損傷された細胞の置換を増加させることができる。

0016

ある一定の実施形態では、そのような治療は、被験体の腎臓の状態を評価するために、細胞周期状態と関連する1つ以上のバイオマーカーの使用と組み合わせることができる。これらのバイオマーカーは、腎臓の現在の細胞周期状態を評価するために使用することができ、ならびに、すでに、急性腎臓損傷を患う被験体における腎臓状態の改善を評価するために使用することができる。尿TIMP−2および/またはIGFBP7レベルが上昇し、AKIを生成させた推定される曝露が最近である(例えば、48時間以内、好ましくは36時間以内、さらにより好ましくは24時間以内)場合、G0/G1細胞周期停止を誘導することは保護となり得る。対照的に、尿TIMP−2および/またはIGFBP7レベルが上昇し、AKIを生成させた推定される曝露が遠い(>36時間)場合、細胞周期進行の誘導因子は、細胞老化に至る長期細胞周期停止を軽減することにより有益になり得る。

0017

ほんの一例として、G0/G1細胞周期停止を誘導することにより細胞周期を調節する化合物、例えばシクロスポリンAによる動物の治療は、血漿クレアチニンレベルにより測定される動物の腎臓状態を保護または改善することができる。IGFBP7および/またはTIMP−2の尿測定値は、シクロスポリンA治療後最初は増加し、その後、動物において24時間後に減少し、AKIへの進行のリスクが低減する。対照的に、遅延増加を示すIGFBP7および/またはTIMP−2の測定値は、AKIに進行する動物を示すことが示されている。

0018

第1の態様では、本発明は、急性腎臓損傷のリスクがある患者を予防的に治療する方法に関する。これらの方法は有効量の、腎臓上皮細胞のG0/G1細胞周期停止を調節する1つ以上の作用物質を患者に、腎臓上皮細胞の集団中で細胞周期停止を誘導するには十分であるが、患者の急性腎不全までの進行により測定される腎毒性を誘導するには不十分な時間の間、投与することを含む。

0019

ほんの一例として、G0/G1細胞周期停止を調節する1つ以上の作用物質は、下記からなる群より選択され得る:シクロスポリンA、アルスナート、シンバスタチンブファリンNC381、フラボピリドールエベロリムスリコリン、TIMP−2およびIGFBP7。このリストは制限することを意味しない。本明細書で記載される例示的な実施形態では、G0/G1細胞周期停止を調節する1つ以上の作用物質は、シクロスポリンAを含み、またはこれから構成される。

0020

ある一定の実施形態では、被験体はまた、G0/G1細胞周期停止を調節する作用物質の腎毒性効果を寛解させる、1つ以上の化学物質で治療され得る。好ましくは、被験体には、G0/G1細胞周期停止を調節する1つ以上の作用物質と共に、アポトーシス阻害する1つ以上の作用物質が投与される。アポトーシスを阻害するそのような1つ以上の作用物質は、1つ以上のグルココルチコイドを含み、またはこれから構成される。

0021

第2の態様では、本発明は、急性腎臓損傷を有する患者を治療する方法に関する。これらの方法は、有効量の、腎臓上皮細胞の細胞周期進行を調節する1つ以上の作用物質を患者に、腎臓上皮細胞の集団において細胞周期進行を誘導するのに十分な時間の間投与することを含む。

0022

ほんの一例として、細胞周期進行を調節する1つ以上の作用物質は下記からなる群より選択され得る:トラメチニブ、パリフルミン、TIMP−2に結合し、これを阻害する抗体およびIGFBP7に結合し、これを阻害する抗体。このリストは制限することを意味しない。

0023

以下で記載されるように、細胞周期停止モジュレーターをバイオマーカーと一緒に使用することは、急性腎臓損傷のための新しい可能性のある治療様式を提供することができる。よって、ある一定の実施形態では、本明細書で記載される方法はさらに下記を含む:
患者から取得された第1の体液試料に対して、IGFBP7および/またはTIMP−2を測定する第1のバイオマーカーアッセイを実施し、第1のアッセイ結果を提供すること、ここで第1の体液試料は、患者から、投与工程前に取得される;
患者から取得された体液試料に対して、IGFBP7および/またはTIMP−2を測定する第2のバイオマーカーアッセイを実施し、第2のアッセイ結果を提供すること、ここで、第1の体液試料は患者から投与工程後48時間に取得される;ならびに
第1および第2のアッセイ結果を比較すること。

0024

ある一定の実施形態では、IGFBP7レベルは増加するが、TIMP−2レベルは増加しない場合、G0/G1細胞周期停止の誘導因子は保護をもたらし得る。反対に、TIMP−2レベルは増加するが、IGFBP7レベルは増加しない場合、細胞周期進行の誘導因子は有益となり得る。

0025

上記のように、本明細書で記載される方法は、腎臓に対して傷害性であることがわかっている様々な治療または状態に先立って予防的に、またはその後の治療として使用され得る。よって、ある一定の実施形態では、方法はさらに、投与工程の48時間以内に、被験体が血管性外科手術、冠動脈バイパス術、他の心臓外科手術、または1つ以上の放射線不透過性造影剤の投与を受けることを含み得る。被験体は、被験体における、腎前性、腎性、または腎後性ARFに対する1つ以上の公知の危険因子の先在に基づいて選択され得る。ある一定の態様では、被験体は、投与工程時に、敗血症を有し、および/または被験体はRIFLEステージ0またはRにある。

0026

健康状態、特に腎臓充足の追加の臨床兆候は、本明細書で記載される方法におけるIGFBP7および/またはTIMP−2測定値と組み合わせることができる。そのような臨床兆候としては下記の1つ以上が挙げられる:患者に対するベースライン尿量値、患者に対する血清クレアチニンのベースライン変化人口統計情報(例えば、体重、性別年齢人種)、病歴(例えば、家族歴、外科手術の型、先行疾患、例えば動脈瘤うっ血性心不全子癇前症子癇糖尿病高血圧冠動脈疾患タンパク尿腎機能不全、または敗血症、毒素曝露の型、例えばNSAID、シクロスポリン、タクロリムス、アミノグリコシド、ホスカルネットエチレングリコールヘモグロビンミオグロビンイホスファミド重金属メトトレキサート、放射線不透過性造影剤、またはストレプトゾトシン)、他の臨床的変数(例えば、血圧、温度、呼吸数)、リスクスコアAPACHEスコア、PREDICTスコアUA/NSTEMIに対するTIMIリスクスコア、フラミンガムリスクスコア、下記のリスクスコア:Thakarら(J. Am. Soc. Nephrol. 16: 162−68, 2005)、Mehranら(J. Am. Coll. Cardiol. 44: 1393−99, 2004)、Wijeysunderaら(JAMA297:1801−9、2007)、GoldsteinおよびChawla(Clin. J. Am. Soc. Nephrol. 5: 943−49, 2010)、またはChawlaら(Kidney Intl. 68: 2274−80, 2005))、糸球体濾過率、推定糸球体濾過率、尿産生速度、血清または血漿クレアチニン濃度、尿クレアチニン濃度ナトリウム分画排泄率、尿ナトリウム濃度、尿クレアチニン対血清または血漿クレアチニン比、尿比重、尿浸透圧、尿尿素窒素対血漿尿素窒素比、血漿BUN対クレアチニン比、尿ナトリウム/(尿クレアチニン/血漿クレアチニン)として計算される腎不全指数、血清または血漿好中球ゼラチナーゼ(NGAL)濃度、尿NGAL濃度、血清または血漿シスタチンC濃度、血清または血漿心筋トロポニン濃度、血清または血漿BNP濃度、血清または血漿NTproBNP濃度、および血清または血漿proBNP濃度。IGFBP7および/またはTIMP−2アッセイ結果(複数可)と組み合わせることができる腎機能の他の尺度は以下で、およびHarrison’s Principles of Internal Medicine, 第17版, McGraw Hill, New York, 1741−1830ページおよびCurrent Medical Diagnosis & Treatment 2008, 47th Ed, McGraw Hill, New York,785−815ページ(各々がこれによりその全体が参照により組み込まれる))において記載される。

0027

様々な方法がIGFBP7および/またはTIMP−2バイオマーカー結果を評価するために使用され得る。例として、関連する集団を2つ以上の群に分割するためにあらかじめ決められた、バイオマーカーまたはバイオマーカーの組み合わせに対するカットオフが選択され得る。便宜上しばしば、「非疾患」集団と呼ばれる第1の群は、AKIの高いリスクを有する患者を表す。第2の群は、AKIのリスクがバイオマーカー結果により測定すると小さい患者を表す。第2の群に対するAKIの相対リスクは、第1の群におけるリスクに対して決定される。1の相対リスクは、2つの群間でリスクの差はないことを意味し;一方、>1の相対リスクは、リスクが第2の群においてより高いことを意味する。

0028

特定の試験の2つの集団を識別する能力はROC分析を使用して確立することができる。例えば、腎臓状態の1つ以上の将来の変化を受けやすい「第1の」亜集団、およびそのように素因を有していない「第2の」亜集団から確立されたROC曲線を、ROC曲線を計算するために使用することができ、曲線下面積は、試験の品質の尺度を提供する。好ましくは、本明細書で記載される試験は0.5超、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは0.7、さらにより好ましくは少なくとも0.8、実により好ましくは少なくとも0.9、および最も好ましくは少なくとも0.95のROC曲線面積を提供する。

0029

ある一定の態様では、測定されたIGFBP7および/またはTIMP−2濃度は連続変数として処理され得る。例えば、任意の特定の濃度は、被験体に対する腎機能の将来の低減の対応する確率、損傷の発生、分類、などに変換することができる。さらに別の代替案では、しきい値は、被験体の集団を「瓶」、例えば「第1の」亜集団(例えば、腎臓状態の1つ以上の将来の変化、損傷の発生、分類、などを受けやすい)およびそのような素因を有さない「第2の」亜集団に分類するのに、許容されるレベルの特異度および感度を提供することができる。しきい値は、この第1のおよび第2の集団を試験精度の下記尺度の1つ以上により分離するように選択される:
1を超える、好ましくは少なくとも約2以上または約0.5以下、より好ましくは少なくとも約3以上または約0.33以下、さらにより好ましくは少なくとも約4以上または約0.25以下、なおさらより好ましくは少なくとも約5以上または約0.2以下、最も好ましくは少なくとも約10以上または約0.1以下のオッズ比
0.5を超える、好ましくは少なくとも約0.6、より好ましくは少なくとも約0.7、さらにより好ましくは少なくとも約0.8、なおさらより好ましくは少なくとも約0.9、最も好ましくは少なくとも約0.95の特異度、対応する感度は0.2を超える、好ましくは約0.3を超える、より好ましくは約0.4を超える、さらにより好ましくは少なくとも約0.5、なおさらより好ましくは約0.6、さらにより好ましくは約0.7を超える、さらにより好ましくは約0.8を超える、より好ましくは約0.9を超える、最も好ましくは約0.95を超える;
0.5を超える、好ましくは少なくとも約0.6、より好ましくは少なくとも約0.7、さらにより好ましくは少なくとも約0.8、なおさらより好ましくは少なくとも約0.9、最も好ましくは少なくとも約0.95の感度、対応する特異度は0.2を超える、好ましくは約0.3を超える、より好ましくは約0.4を超える、さらにより好ましくは少なくとも約0.5、なおさらより好ましくは約0.6、さらにより好ましくは約0.7を超える、さらにより好ましくは約0.8を超える、より好ましくは約0.9を超える、最も好ましくは約0.95を超える;
少なくとも約75%の特異度と組み合わされる、少なくとも約75%の感度;
1を超える、少なくとも約2、より好ましくは少なくとも約3、さらにより好ましくは少なくとも約5、最も好ましくは少なくとも約10の陽性尤度比(感度/(1−特異度)として計算される);または
1未満、約0.5以下、より好ましくは約0.3以下、最も好ましくは約0.1以下の陰性尤度比((1−感度)/特異度として計算される)。
上記測定のいずれかとの関連での「約」という用語は、所定の測定値の+/−5%を示す。

0030

複数のしきい値もまた、被験体において腎臓状態を評価するために使用され得る。例えば、腎臓状態の1つ以上の将来の変化、損傷の発生、分類、などを受けやすい「第1の」亜集団、およびそのような素因を有さない「第2の」亜集団は、組み合わせて単一の群にすることができる。この群はその後、3つ以上の等しい部分に、細分される(細分の数によって、三分位、四分位、五分位、などとして知られている)。どの細分に含まれるかに基づき、オッズ比が被験体に割り当てられる。三分位を考える場合、最低または最高三分位が他の細分の比較のための基準として使用され得る。この基準細分には、1のオッズ比が割り当てられる。第2の三分位には、第1の三分位に対するものであるオッズ比が割り当てられる。すなわち、第2の三分位にある者は、第1の三分位にあるものと比べて、腎臓状態の1つ以上の将来の変化を3倍受けやすい。第3の三分位にはまた、第1の三分位に対するものであるオッズ比が割り当てられる。

0031

ある一定の実施形態では、被験体が腎前性、腎性、または腎後性ARFのための1つ以上の公知の危険因子の被験体における先在に基づく、リスク層別化のために選択される。例えば、主要血管外手術、冠動脈バイパス術、または他の心臓外科手術を受けているまたは受けた被験体;先在うっ血性心不全、子癇前症、子癇、糖尿病、高血圧、冠動脈疾患、タンパク尿、腎機能不全、正常範囲未満の糸球体濾過、硬変、正常範囲を超える血清クレアチニン、または敗血症を有する被験体;またはNSAID、タクロリムス、アミノグリコシド、ホスカルネット、エチレングリコール、ヘモグロビン、ミオグロビン、イホスファミド、重金属、メトトレキサート、放射線不透過性造影剤、またはストレプトゾトシンに曝露された被験体は全て、本明細書で記載される方法によるリスクをモニターするための好ましい被験体である。

図面の簡単な説明

0032

LP後の様々な時間でのクレアチニンレベルを示す。
CLP後の様々な時間での生存を示す。
CLP後の様々な時間での[TIMP2]×[IGFBP7]を示す。
図4AはCLP後の様々な時間での[IGFBP7]を示す。図4BはCLP後の様々な時間での[TIMP2]を示す。
敗血症ラットにおける、シクロスポリンA(CsA)の血漿インターロイキンIL)−6に対する効果を示す。CLP後18時間に、動物(各群n=16−24)はランダムに、CsAまたはビヒクルの単回投与のいずれかを受けるように割り当てられた。動物は全て、CLP後18時間に開始して3日間アンピシリンスルバクタムを受けた。*P<0.05、CsA対ビヒクル(データは、平均±SE、pg/mlとして表される)。
敗血症ラットにおける、CsAの単回投与の腎機能に対する効果を示す。CLP後18時間に、動物(各群n=16−24)はランダムに、CsAまたはビヒクルの単回投与のいずれかを受けるように割り当てられた。動物は全てCLP後18時間に開始して、3日間アンピシリン/スルバクタムを受けた。*P<0.05、CsA対ビヒクル。A.血漿クレアチニン(平均±SE、mg/dl);B.尿NGAL(平均±SE、U/ml);C.RIFLEカテゴリーにより測定された、異なる重症度のAKIのパーセンテージ。R、I、F=AKIRIFLEクラスリスク(クレアチニン変化150−199%)、損傷(クレアチニン変化200−299%)および不全(クレアチニン変化≧300%)。CsAにおける8/24(33.33%)がRIFLE−Rを有し、対して、ビヒクルにおける16/24(66.67%)がRIFLE−Rを有した(P<0.05)。
敗血症ラットにおける、CsAの単回投与の一週間の生存に対する効果を示す。CLP後18時間に、動物(各群n=16−24)はランダムに、CsAまたはビヒクルの単回投与のいずれかを受けるように割り当てられた。動物は全てCLP後18時間に開始して、3日間、アンピシリン/スルバクタムを受けた。最大7日まで生存時間を評価した。A.Kaplan−Meier生存曲線;B.生存とAKI重症度の間の関連。
敗血症ラットにおける、CsAの、細胞周期停止の尿バイオマーカーに対する効果を示す。 CLP後18時間に、動物(各群n=16−24)はランダムに、CsAまたはビヒクルの単回投与のいずれかを受けるように割り当てられた。動物は全てCLP後18時間に開始して、3日間、アンピシリン/スルバクタムを受けた。データは、平均±SEとして表される。*P<0.05、CsA対ビヒクル。A.TIMP−2(μg/ml);B.IGFBP7(μg/ml);C.[TIMP−2]×[IGFBP7](μg2/ml2)。
敗血症ラットにおける、CsAの単回投与の、腎臓組織でのアポトーシスに対する効果を示す。CLP後18時間に、動物(n=6各群)はランダムに、CsAまたはビヒクルの単回投与のいずれかを受けるように割り当てられた。動物は全て、CLP後18時間に開始してアンピシリン/スルバクタムを受けた。動物を処置後6または24時間のいずれかで屠殺し、腎臓組織を、カスパーゼ3およびカスパーゼ9の測定のために収集した(データは、平均±SEとして表される)。
健康ラットにおける、CsAの単回投与の、腎機能に対する効果を示す。 健康な動物(開腹手術を受けたがCLPなし、各群n=6)はランダムに、CsAまたはビヒクルの単回投与のいずれかを受けるように割り当てられた。A.血漿IL−6(平均±SE.pg/ml);B.血漿クレアチニン(平均±SE、mg/dl);C.腎臓組織中のカスパーゼ3およびカスパーゼ9(平均±SE、OD)。

実施例

0033

急性腎臓損傷(AKI)は、腎臓濾過機能の急激なまたは急速な低下として規定され、著しい罹患率および死亡率と関連する臨床症候群である。AKIの発生率は、過去10年で2倍を超え、増加し続けると予想される。AKI患者は多数の専門家、例えば、限定はされないが、救急医療医、内科医小児科医外科医集中治療医、および腎臓学者により看護される。AKIを発症した患者はしばしば腎代替療法(RRT)を必要とするが臨床医はしばしば、RRTの開始の最適タイミングについて意見が合わない。

0034

AKIの根本原因修正する手段は、できるだけ早期の時間点で開始するべきである。血清クレアチニンは、腎臓状態に対する現在の指標となるものであり、腎臓質量の大部分が損傷されるまで、異常レベルまで上昇せず、というのも、糸球体濾過率(GFR)と血清クレアチニンレベルの間の関係は、とりわけ疾患初期には直線ではないからである。実際、血清クレアチニンの上昇は、GFRの50%が喪失される前には、明らかではない可能性がある。AKIのための現在の治療は主に本質的に対症的であるので(今日までの治療様式は、病状を治療するのに効力を示さなかった)、AKIを防止する能力は臨床的に著しく使用されるであろう。

0035

本発明は、G0/G1細胞周期停止を誘導することにより、細胞周期を調節する化合物で被験体を予防的に治療することにより、被験体を急性腎臓損傷から保護するための方法および組成物を提供する。そのような化合物の投与は、被験体をAKIから保護することができ、腎臓に対して傷害性であることがわかっている様々な治療または状態に先立って、またはその後に使用され得る。これらとしては、心臓外科手術などの治療が挙げられ、冠動脈バイパス術(CABG)および弁膜症のための外科手術(AKI発生率は、心臓または心胸郭外科手術を受けている患者のおよそ30%である;心肺バイパス術(CPB)を必要とする心臓外科手術は、集中治療室におけるAKIの第2の最も一般的な原因である)、コントラストイメージング剤の投与(入院患者における新しいAKIの第3の最も一般的な原因)、非ステロイド性抗炎症薬の使用;ならびに敗血症などの病状(ICUにおけるAKIの症例の50%以上を占める)が含まれる。

0036

ある一定の実施形態では、そのような治療は、被験体の腎臓の状態を評価するために、細胞周期状態と関連する1つ以上のバイオマーカーの使用と組み合わせることができる。これらのバイオマーカーは、腎臓の現在の細胞周期状態を評価するために使用することができ、すでに、急性腎臓損傷を患う被験体における腎臓状態の改善を評価するために使用され得る。

0037

この文書のためには、下記定義が適用される:

0038

本明細書では、「腎機能への損傷」は腎機能の尺度における、急激な(14日以内、好ましくは7日以内、より好ましくは72時間以内、さらにより好ましくは48時間以内)の測定可能な低減である。そのような損傷は、例えば、糸球体濾過率または推定GFRの減少、尿量の低減、血清クレアチニンの増加、血清シスタチンCの増加、腎代替療法に対する要求、などにより同定され得る。「腎機能の改善」は、腎機能の尺度における、急激な(14日以内、好ましくは7日以内、より好ましくは72時間以内、さらにより好ましくは48時間以内)測定可能な増加である。GFRを測定および/または推定するための好ましい方法は以下で記載される。

0039

本明細書では、「腎機能低下」は、0.1mg/dL以上の血清クレアチニンの絶対増加(≧8.8μmol/L)、20%以上の血清クレアチニンのパーセンテージ増加(ベースラインから1.2倍)、または尿量の低減(0.5ml/kg/時間未満の実証された乏尿)により同定される、腎機能の急激な(14日以内、好ましくは7日以内、より好ましくは72時間以内、さらにより好ましくは48時間以内)低減である。

0040

本明細書では、「急性腎不全」または「ARF」は0.3mg/dl以上(≧26.4μmol/l)の血清クレアチニンの絶対増加、50%以上(ベースラインから1.5倍)の血清クレアチニンのパーセンテージ増加、または尿量の低減(少なくとも6時間の間の0.5ml/kg/時間未満の実証された乏尿)により同定される、急激な(14日以内、好ましくは7日以内、より好ましくは72時間以内、さらにより好ましくは48時間以内)腎機能の低減である。この用語は「急性腎臓損傷」または「AKI」と同義である。

0041

「G0/G1停止を調節する作用物質」は本明細書では、動物に投与されると、細胞周期のG0/G1ステージにある腎臓上皮細胞のパーセンテージを増加させる化学物質を示す。腎臓上皮細胞すべてがG0/G1ステージで見出されることは意味されない。そのような作用物質としては、シクロスポリンA、アルテスナート、シンバスタチン、ブファリン、NC381、およびリコリンが挙げられるが、それらに限定されない。G0/G1停止を調節するために使用され得る他の作用物質としては、(直接的に、または間接的に)サイクリン依存性キナーゼに影響を与える分子、例えばPAMP病原体関連分子パターン)およびDAMP(損傷関連分子パターン)が挙げられる。

0042

「アポトーシスを阻害する作用物質」は、本明細書では、動物に投与されると、アポトーシスを受ける腎臓上皮細胞のパーセンテージを減少させる化学物質を示す。腎臓上皮細胞がアポトーシスを受けないことは意味されない。そのような作用物質としては、グルココルチコイド、インターロイキン6(IL−6)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子が挙げられるが、それらに限定されない。

0043

「投与」は、本明細書では、ヒト、哺乳類哺乳類被験体、動物、獣医学被験体、プラセボ被験体、研究被験体、実験被験体、細胞、組織、臓器、または生物流体に関して用いられ、限定はされないが、外因性リガンド試薬、プラセボ、小分子、医薬品、治療薬診断薬、または組成物の被験体、細胞、組織、臓器、または生物流体、などへの接触を示す。「投与」は、例えば、治療、薬物動態診断、研究、プラセボ、および実験的方法を示すことができる。細胞の治療は、試薬の細胞への接触、ならびに試薬の流体への接触を包含し、この場合、流体は細胞と接触させられる。「投与」はまた、試薬、診断、結合組成物による、または別の細胞による、例えば、細胞のインビトロおよびエクスビボ治療を包含する。「一緒に投与される」により、2つ以上の作用物質が単一組成物として投与されることが暗示されることは意味されない。単一組成物としての投与が本発明により企図されるが、そのような作用物質は単一の被験体に別々の投与として送達させることができ、それらは同じか、または異なる時間であってもよく、同じかまたは異なる投与経路によってもよい。

0044

「治療的有効量」は、患者の利益を示す、すなわち、治療される病状の症状の減少、防止、または寛解を引き起こすのに十分である、試薬または医薬組成物の量として規定される。作用物質または医薬組成物が診断薬を含む場合、「診断的有効量」は、シグナル、画像、または他の診断パラメータを生成させるのに十分な量として規定される。医薬製剤の有効量は、個体の感受性の程度、個体の年齢、性別、および体重、および個体の特異体質応答などの因子に従い変動するであろう。「有効量」は、限定はされないが、医学的状態または障害の症状または徴候またはその原因となる過程を寛解、逆転緩和、防止、または診断することができる量を包含する。明確にまたは文脈から別記されない限り、「有効量」は、病状を寛解するのに十分な最小量に限定されない。

0045

「治療」または「治療すること」(病状または疾患に関して)は有益なまたは所望の結果、例えば好ましくは臨床結果を得るためのアプローチである。この発明の目的のために、疾患に関する有益なまたは所望の結果としては、下記の1つ以上が挙げられるが、それらに限定されない:疾患を防止する、疾患と関連する状態を改善する、疾患を治癒する、疾患の重症度を低下させる、疾患の進行を遅延させる、疾患と関連する1つ以上の症状を軽減する、疾患を患うものの生活の質を増加させる、および/または生存を延長させる。同様に、この発明の目的のために、病状に関連する、有益なまたは所望の結果としては下記の1つ以上が挙げられるが、それらに限定されない:病状を防止する、病状を改善する、病状を治癒する、病状の重症度を低下させる、病状の進行を遅延させる、病状と関連する1つ以上の症状を軽減する、病状を患うものの生活の質を増加させる、および/または生存を延長させる。例えば、本明細書で記載される組成物が癌の治療のために使用される実施形態では、有益なまたは所望の結果としては、下記の1つ以上が挙げられるが、それらに限定されない:新生物または癌性細胞の増殖を低減させる(または破壊する)、癌で見出される新生物細胞転移を低減させる、腫瘍のサイズを収縮させる、癌に起因する症状を減少させる、癌を患うものの生活の質を増加させる、疾患を治療するのに必要とされる他の薬剤の用量を減少させる、癌の進行を遅延させる、および/または癌を有する患者の生存を延長させる。文脈によって、被験体の「治療」は、被験体が治療する必要があり、例えば、被験体が試薬の投与により寛解されることが予想される障害を含む状況にあることを暗示することができる。

0046

「被験体」という用語は、本明細書では、ヒトまたは非ヒト生物を示す。よって、本明細書で記載される方法および組成物は、ヒトおよび獣医学疾患の両方に適用可能である。さらに、被験体は好ましくは生体であるが、本明細書で記載される発明は、同様に死後分析に使用され得る。好ましい被験体はヒトであり、最も好ましくは、本明細書では、疾患または病状のための医療を受けている生きているヒトを示す「患者」である。これは、病態の徴候について調査されている、規定された疾病を有さない人間を含む。

0047

好ましくは、分析物試料中で測定される。そのような試料は、被験体から得ることができ、被験体に提供されることが意図される生物学的材料から得ることができる。例えば、試料は、被験体中への移植の可能性について評価される腎臓から、および既存の損傷について腎臓を評価するために使用される分析物測定から得ることができる。好ましい試料は体液試料である。

0048

「体液試料」という用語は、本明細書では、対象となる被験体、例えば患者または移植ドナーの診断、予後、分類または評価の目的のために得られた体液の試料を示す。ある一定の実施形態では、そのような試料は、進行中の病状の転帰または治療レジメンの病状に対する効果を決定する目的で得られ得る。好ましい体液試料としては、血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、および胸水が挙げられる。加えて、当業者であれば、ある一定の体液試料は、分別または精製手順、例えば、全血の血清または血漿成分への分離後に、より容易に分析されることに気付くであろう。

0049

「診断」という用語は、本明細書では、当業者が、患者が所定の疾患または病状を患うかどうかの確率(「可能性」)を推定するおよび/または決定することができる方法を示す。本発明の場合、「診断」は、試料を採取し、アッセイした被験体に対して、本発明の腎臓損傷マーカーのためのアッセイ、最も好ましくはイムノアッセイの結果を、任意で他の臨床特性と共に使用して、急性腎損傷またはARFの診断(すなわち、発生または非発生)に達することを含む。そのような診断が「決定された」ことは、診断は100%正確であることを暗示することを意味しない。多くのバイオマーカーは、複数の病状を示す。熟練した臨床医は情報が全くない場合、バイオマーカー結果を使用せず、むしろ、試験結果を他の臨床兆候と共に使用して、診断に達する。よって、あらかじめ決められた診断しきい値の一方の側の測定されたバイオマーカーレベルは、あらかじめ決められた診断しきい値の他方の側の測定されたレベルに対し、被験体における、疾患の発生のより大きな可能性を示す。

0050

同様に、予後リスクは、所定の経過または転帰が起こる確率(「可能性」)を知らせる。予後指標のレベルまたはレベルの変化(ひいては罹患率(例えば、腎機能悪化、将来のARF、または死亡)の確率の増加と関連する)は、患者における有害転帰の「可能性の増加を示す」と呼ばれる。

0051

医薬組成物
本発明の化学物質(例えば、G0/G1細胞周期停止を調節する1つ以上の作用物質、アポトーシスを阻害する1つ以上の作用物質、など)は好ましくは、医薬組成物として提供される。「医薬品」という用語は、本明細書では、米国食品医薬品局(または、その非米国等価物)による、処方または一般用医薬品としての認可プロセスに供せられる、疾患の治癒、治療、または防止において使用することが意図される化学物質を示す。そのような組成物の製剤および投与のための技術に関する詳細は、Remington, The Science and Practice of Pharmacy 第21版 (Mack Publishing Co., Easton, PA)および Nielloud and Marti−Mestres, Pharmaceutical Emulsions and Suspensions: 第2版 (Marcel Dekker, Inc, New York)において見出され得る。

0052

この開示の目的のために、医薬組成物は、様々な手段により、例えば、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、または直腸に、薬学的に許容される担体アジュバントおよびビヒクルを含む製剤中で投与され得る。非経口という用語は、本明細書では、様々な注入技術を用いた、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、くも膜下腔内および硬膜外注射を含むが、それらに限定されない。動脈内および静脈内注射は、本明細書では、カテーテルを介する投与を含む。冠動脈内ステントおよび冠動脈内リザーバを介する投与もまた、企図される。経口という用語は、本明細書では、経口摂取、または下もしくは口腔経路による送達を含むが、それらに限定されない。経口投与は、流体飲料、エネルギーバー、ならびに丸薬製剤を含む。

0053

医薬組成物は、意図された投与方法に好適な任意の形態とされ得る。例えば経口用途のために使用される場合、錠剤トローチロゼンジ水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒エマルジョンハードまたはソフトカプセルシロップまたはエリキシル剤が調製され得る。経口用途のために意図される組成物が医薬組成物の製造のための技術分野に知られている任意の方法により調製され得、そのような組成物は、美味調製物を提供するために、甘味剤香味剤着色剤および保存剤を含む1つ以上の作用物質を含み得る。薬物化合物を、錠剤の製造に好適な、無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して含む錠剤が許容される。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウムまたはナトリウム、ラクトースリン酸カルシウムまたはナトリウム;造粒および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン、またはアルギン酸結合剤、例えばデンプンゼラチンまたはアラビアゴム;ならびに潤滑剤;例えばステアリン酸マグネシウムステアリン酸またはタルクとしてもよい。錠剤は無コートとしてもよく、または、腸溶コーティング結腸コーティング、またはマイクロカプセル化を含む公知の技術によりコートしてもよく、胃腸管での崩壊および吸着が遅延され、および/または長期にわたり持続的作用が提供される。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料は、単独で、またはワックスと共に使用され得る。

0054

経口用途のための製剤はまた、薬物化合物が不活性固体希釈剤、例えばリン酸カルシウムまたはカオリンと混合される、ハードゼラチンカプセルとして、または活性成分が水または油性媒質、例えばピーナッツ油液体パラフィンまたはオリーブ油と混合されるソフトゼラチンカプセルとして提供され得る。

0055

医薬組成物は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合された水性懸濁液として製剤化され得る。そのような賦形剤としては、下記が挙げられる:懸濁剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロースメチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースアルギン酸ナトリウムポリビニルピロリドントラガントガムおよびアカシアゴム、および分散または湿潤剤、例えば天然由来ホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシド脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシド長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤および1つ以上の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンを含み得る。

0056

油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油、または鉱物油、例えば液体パラフィン中に懸濁させることにより製剤化され得る。経口懸濁液は、増粘剤、例えば蜜ろう、ハードパラフィンまたはセチルアルコールを含み得る。甘味剤、例えば以上で明記されるもの、および香味剤が美味経口調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加により、保存され得る。

0057

水の添加による水性懸濁液の調製に好適な開示の分散性粉末および顆粒は、活性成分を分散または湿潤剤、懸濁剤、および1つ以上の保存剤と混合して提供する。好適な分散または湿潤剤および懸濁剤は、以上で開示されるものにより例示される。追加の賦形剤、例えば甘味香味および着色剤もまた存在し得る。

0058

開示の医薬組成物はまた、水中油エマルジョンの形態であってもよい。油相は植物油、例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油、鉱物油、例えば液体パラフィン、またはこれらの混合物であってもよい。好適な乳化剤としては、天然由来のゴム、例えばアカシアゴムおよびトラガントガム、天然由来のホスファチド、例えばダイズレシチン、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、およびこれらの部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが挙げられる。エマルジョンはまた、甘味および香味剤を含み得る。

0059

シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロールソルビトールまたはスクロースと共に製剤化され得る。そのような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、香味剤または着色剤を含み得る。

0060

開示の医薬組成物は、無菌注射調製物、例えば無菌注射水性または油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は公知の技術に従い、以上で言及されたそれらの好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を使用して製剤化され得る。無菌注射調製物はまた、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液中の無菌注射溶液または懸濁液とすることができ、または凍結乾燥粉末として調製され得る。使用され得る、許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌固定油が、従来、溶媒または懸濁媒質として使用され得る。このために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性固定油が使用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が同様に、注射剤調製物中で使用され得る。

0061

単一の剤形を生成するために、担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、治療される宿主および特定の投与方法によって変動するであろう。例えば、ヒトへの経口投与のために意図される持続放出製剤は、総組成物の約5〜約95%で変動し得る適切な、かつ好都合な量の担体材料と配合されたおよそ20〜500mgの活性材料を含み得る。投与のために容易に測定可能な量を提供する医薬組成物が調製されることが好ましい。典型的には、全身に投与される有効量は約0.1mg/kg〜約100mg/kgであり、例えば、被験体(例えば、ヒトなどの哺乳類)の年齢および体重、治療を必要とする正確な病状およびその重症度、投与経路を含む多くの因子に依存し、最終的には、付添い医師または獣医師の裁量によるであろう。しかしながら任意の特定の患者のための特定の用量レベルは、当業者によく理解されるように、下記を含む様々な因子に依存することが理解されるであろう:使用される特定の化合物の活性、治療される個体の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事;投与時間および経路;排泄速度;前に投与された他の薬物;ならびに療法を受けている特定の病状の重症度。

0062

上述のように、経口投与に好適な開示の製剤は、各々、あらかじめ決められた量の活性成分を粉末または顆粒として含む別々の単位、例えばカプセルカシェ剤または錠剤として;水性または非水性液体中の溶液または懸濁液として、または水中油液体エマルジョンもしくは油中水液体エマルジョンとして提供され得る。医薬組成物はまた、巨丸剤舐剤またはペーストとして投与され得る。

0063

錠剤は、任意で1つ以上の付属材料成分と共に、圧縮または成型により製造され得る。圧縮錠は、好適な機械において、流動性形態、例えば粉末または顆粒の活性成分を、任意で、バインダ(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルエチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム表面活性または分散剤と混合して、圧縮することにより調製され得る。成型された錠剤は、好適な機械において、不活性液体希釈剤に浸した粉末化合物の混合物を使用して製造され得る。錠剤は任意でコートされ、または切れ目が入れられてもよく、かつ、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で使用してその中の活性成分の徐放または制御放出を提供するように製剤化され得、所望の放出プロファイルが提供される。錠剤は、任意で腸溶または結腸コーティングされ、ではない腸の部分での放出が提供される。これは処方1の化合物と一緒にすると、そのような化合物が酸加水分解を受けやすい場合特に有利である。

0064

口中での局所投与に好適な製剤としては、下記が挙げられる:活性成分を香味付けされた基剤、通常スクロースおよびアラビアゴムまたはトラガント中で含むロゼンジ;活性成分を不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴム中で含むトローチ剤;ならびに活性成分を好適な液体担体中で含む口腔洗浄薬。

0065

直腸投与のための製剤は、例えばカカオバターまたはサリシレートを含む好適な基剤を有する坐薬として提供され得る。

0066

腟内投与に好適な製剤は、活性成分に加えて、当技術分野で適切であることが知られているような担体を含む、ペッサリータンポンクリームゲル、ペースト、泡またはスプレー製剤として提供され得る。

0067

非経口投与に好適な製剤としては、下記が挙げられる:抗酸化剤、緩衝剤静菌薬および製剤を、意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性および非水性等張滅菌注射溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁液。製剤は、単位用量または複数回用量の密閉容器、例えば、アンプルおよびバイアル中で提供され得、フリーズドライ凍結乾燥)状態で貯蔵され得、注射のために、使用直前に、無菌液体担体、例えば水の添加のみが必要とされる。注射溶液および懸濁液は、前に記載される種類の無菌粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。

0068

本明細書では、薬学的に許容される塩としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:酢酸ピリジンアンモニウムピペラジンジエチルアミンニコチンアミドギ酸、尿素、ナトリウム、カリウムカルシウムマグネシウム亜鉛リチウム桂皮酸メチルアミノメタンスルホン酸ピクリン酸酒石酸トリエチルアミノジメチルアミノ、およびトリス(ヒドロキシメチルアミノメタン。追加の薬学的に許容される塩は、当業者に知られている。

0069

特定の患者に対する有効量は、治療される病状、患者の健康全般、投与経路および用量ならびに副作用の重症度などの因子によって変動し得る。治療および診断の方法のためのガイダンスは利用可能である(例えば、Maynard, et al. (1996) A Handbook of SOPs for Good Clinical Practice, Interpharm Press, Boca Raton,FL; Dent (2001) Good Laboratory and Good Clinical Practice, Urch Publ., London, UKを参照されたい)。

0070

有効量は1回投与で与えられ得るが、1回投与に制限されない。よって、投与は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上の医薬組成物の投与とすることができる。本方法において医薬組成物の1回を超える投与がある場合、投与は、1分、2分、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の分の時間間隔だけ、約1時間、2時間、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、などの間隔だけ空けることができる。時間との関連では、「約」という用語は、±30分以内の任意の時間間隔を意味する。投与はまた、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、およびそれらの組み合わせの時間間隔だけ空けることができる。発明は、等しい時間で空けられる投与間隔に制限されず、等しくない間隔での投与を包含する。

0071

例えば、1回/週、2回/週、3回/週、4回/週、5回/週、6回/週、7回/週、2週間ごとに1回、3週間ごとに1回、4週間ごとに1回、5週間ごとに1回、などの投与スケジュールが発明のために使用可能である。投与スケジュールは、例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、および12ヶ月の合計期間の間の投与を包含する。

0072

上記投与スケジュールのサイクルが提供される。サイクルは、約、例えば、7日ごと;14日ごと;21日ごと;28日ごと;35日ごと;42日;49日ごと;56日ごと;63日ごと;70日ごと;などに繰り返すことができる。無投与の間隔がサイクル間に起こり、ここで、間隔は約、例えば、7日;14日;21日;28日;35日;42日;49日;56日;63日;70日;などとすることができる。この状況では、「約」という用語は±1日、±2日、±3日、±4日、±5日、±6日、または±7日を意味する。

0073

追加の治療薬との同時投与のための方法は当技術分野でよく知られている(Hardman, et al. (eds.) (2001) Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,第10版, McGraw−Hill, New York, NY; Poole and Peterson (eds.) (2001) Pharmacotherapeutics for Advanced Practice:A Practical Approach, Lippincott, Williams & Wilkins, Phila., PA; Chabner and Longo (eds.) (2001) Cancer Chemotherapy and Biotherapy, Lippincott, Williams & Wilkins, Phila., PA)。

0074

上述の通り、本発明の組成物は好ましくは非経口または経腸送達のための医薬組成物として製剤化される。動物への投与のための典型的な医薬組成物は、薬学的に許容されるビヒクル、例えば水溶液、無毒性賦形剤、例えば塩、保存剤、緩衝剤など、を含む。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第15版, Easton ed. , Mack Publishing Co., pp 1405−1412および1461− 1487 (1975); The National Formulary XIV, 第14版, American Pharmaceutical Association, Washington, DC (1975)を参照されたい。非水溶媒の例はプロピレングリコールポリエチレングリコール、植物油および注射用有機エステル、例えばエチルオレエートである。水性担体としては水、アルコール/水溶液、生理食塩水溶液、非経口ビヒクル、例えば塩化ナトリウムリンゲルデキストロース、などが挙げられる。静脈内ビヒクルとしては流体および栄養分補充薬が挙げられる。保存剤としては、抗菌薬、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガスが挙げられる。医薬組成物のpHおよび様々な成分の正確な濃度は、当技術分野のルーチン技術により調整される。

0075

IGFBP7およびTIMP−2アッセイ
一般に、イムノアッセイは、対象となるバイオマーカーを含む、または含む疑いがある試料をバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1つの抗体と接触させることを含む特異的結合アッセイである。その後、試料中のポリペプチドの抗体への結合により形成された複合体の存在または量を示すシグナルが生成される。シグナルはその後、試料中のバイオマーカーの存在または量に関連付けられる。バイオマーカーの検出および分析のための多くの方法および装置が当業者によく知られている。例えば、下記を参照されたい:米国特許6,143,576号;6,113,855号;6,019,944号;5,985,579号;5,947,124号;5,939,272号;5,922,615号;5,885,527号;5,851,776号;5,824,799号;5,679,526号;5,525,524号;ならびに5,480,792号、およびThe Immunoassay Handbook, David Wild, ed. Stockton Press, New York, 1994(各々、これにより、全ての表、図面および特許請求の範囲を含むその全体が参照により組み込まれる)。

0076

当技術分野で知られているアッセイ装置および方法は、対象となるバイオマーカーの存在または量と関連するシグナルを発生させるために、様々なサンドイッチ競合的、または非競合的アッセイフォーマットにおいて標識分子を使用することができる。好適なアッセイフォーマットはまた、クロマトグラフィー質量分析、およびタンパク質ブロッティング」法を含む。加えて、ある一定の方法および装置、例えばバイオセンサおよび光学イムノアッセイが、標識分子の必要なく、分析物の存在または量を決定するために使用され得る。例えば、米国特許5,631,171号;ならびに5,955,377号(各々、これにより、全ての表、図面および特許請求の範囲を含むその全体が参照により組み込まれる)を参照されたい。当業者はまた、ロボット計測手段、例えば、限定はされないが、BeckmanACCESS(登録商標)、Abbott AXSYM(登録商標)、Roche ELECSYS(登録商標)、Dade Behring STRATUS(登録商標)システムが、イムノアッセイを実施することができるイムノアッセイ分析計の一つであることを認識する。しかし、任意の好適なイムノアッセイ、例えば、酵素結合免疫測定法ELISA)、ラジオイムノアッセイRIA)、競合結合アッセイ、などが使用され得る。

0077

抗体または他のポリペプチドは、アッセイにおいて使用するために様々な固体支持体上に固定化され得る。特異的結合メンバーを固定化するために使用され得る固相としては、固相結合アッセイにおける固相として開発された、および/または使用されるものが挙げられる。好適な固相の例としては、下記が挙げられる:メンブランフィルタセルロースに基づく紙、ビーズポリマラテックスおよび常磁性粒子を含む)、ガラスシリコンウエハ微小粒子ナノ粒子、TentaGel、AgroGel、PEGAゲル、SPOCCゲル、およびマルチプルウェルプレートアッセイストリップは、1つのまたは複数の抗体を一列に固体支持体上でコートすることにより調製することができる。このストリップはその後、試験試料中に浸漬させることができ、その後、直ちに、洗浄および検出工程を介して直ちに処理され、測定可能なシグナル、例えば着色スポットが生成される。抗体または他のポリペプチドは、アッセイ装置表面上に直接コンジュゲートすることにより、または間接結合により、アッセイ装置の特定ゾーンに結合され得る。後者の場合の一例では、抗体または他のポリペプチドは、粒子または他の固体支持体上に固定化され得、その固体支持体は装置表面に固定化され得る。

0078

そのようなアッセイは、検出のための方法を必要とし、結果の定量のための最も一般的な方法の1つは、研究される生物系中の成分の1つに対して親和性を有するタンパク質または核酸に検出可能な標識をコンジュゲートさせるものである。検出可能な標識としては、それ自体検出可能な分子(例えば、蛍光部分電気化学標識、金属キレート、など)ならびに検出可能な反応生成物の生成により(例えば、酵素、例として西ワサビペルオキシダーゼアルカリホスファターゼ、など)またはそれ自体検出可能であってもよい特異的結合分子により(例えば、ビオチンジゴキシゲニンマルトースオリゴヒスチジン、2,4−ジニトロベンゼンヒ酸フェニル、ssDNA、dsDNA、など)間接的に検出され得る分子が挙げられる。

0079

固相および検出可能な標識コンジュゲートの調製はしばしば、化学架橋剤の使用を含む。架橋試薬は少なくとも2つの反応基を含み、一般に、ホモ官能性架橋剤(同一の反応基を含む)およびヘテロ官能性架橋剤(同一ではない反応基を含む)に分割される。アミンスルフヒドリルを介して結合する、または非特異的に反応するホモ二官能性架橋剤は多くの商業的供給源から入手可能である。マレイミドハロゲン化アルキルおよびアリール、α−ハロアシルおよびピリジルジスルフィドチオール反応基である。マレイミド、ハロゲン化アルキルおよびアリール、ならびにα−ハロアシルはスルフヒドリルと反応し、チオールエーテル結合を形成するが、一方、ピリジルジスルフィドはスルフヒドリルと反応し、混合ジスルフィドを形成する。ピリジルジスルフィド生成物は、切断可能である。イミドエステルはまた、タンパク質−タンパク質架橋のために非常に有用である。様々なヘテロ二官能性架橋剤(各々が、コンジュゲーション成功のために異なる特質を合わせている)が市販されている。

0080

ある一定の態様では、本発明は、IGFBP7および/またはTIMP−2の分析のためのキットを提供する。キットは、アッセイされる各バイオマーカーに結合する少なくとも1つの抗体を含む、少なくとも1つの試験試料の分析のための試薬を含む。キットはまた、本明細書で記載される診断および/または予後相関の1つ以上を実施するための装置および説明書を含むことができる。好ましいキットは、サンドイッチアッセイを実施するための抗体ペア、または、分析物に対する、競合的アッセイを実施するための標識された種を含む。好ましくは、抗体ペアは、固相にコンジュゲートされた第1の抗体および検出可能な標識にコンジュゲートされた第2の抗体を含み、ここで、第1および第2の抗体の各々が、腎臓損傷マーカーに結合する。最も好ましくは、抗体の各々は、モノクローナル抗体である。キットを使用し、相関を実施するための説明書は、ラベリングの形態とすることができ、これは、その製造、輸送販売または使用中の任意の時に、キットに添付された、または別様に付随する、任意の記載された、または記録された書類を示す。例えば、ラベリングという用語は、広告ビラおよびパンフレットパッケージング材料、説明書、オーディオまたはビデオカセットコンピュータディスク、ならびにキット上に直接記された文字を包含する。

0081

抗体
「抗体」という用語は、本明細書では、抗原またはエピトープに特異的に結合することができる、1つまたは複数の免疫グロブリン遺伝子、またはその断片から誘導される、これに倣って作られる、またはこれにより実質的にコードされたペプチドまたはポリペプチドを示す。例えば、Fundamental Immunology, 第3版, W.E. Paul, ed., Raven Press, N.Y. (1993); Wilson (1994; J. Immunol. Methods175:267−273; Yarmush (1992) J. Biochem. Biophys. Methods 25:85−97を参照されたい。抗体という用語は、抗原に結合する能力を保持する抗原結合部分、すなわち、「抗原結合部位」(例えば、断片、部分配列相補性決定領域(CDR))を含み、下記が挙げられる:(i)Fabフラグメント、VL、VH、CLおよびCH1ドメインから構成される一価フラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメント、ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインから構成されるFdフラグメント;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインから構成されるFvフラグメント、(v)dAbフラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341:544−546)、VHドメインから構成される;ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)。単鎖抗体もまた、「抗体」という用語における言及により含められる。

0082

本明細書で記載されるイムノアッセイで使用される抗体は好ましくは本発明の腎臓損傷マーカーに特異的に結合する。「特異的に結合する」という用語は、抗体が排他的にその意図される標的に結合することを示すことが意図され、というのも、上述のように、抗体は、抗体が結合するエピトープ(複数可)を提示する任意のポリペプチドに結合するからである。むしろ、抗体は、その意図される標的に対するその親和性が、適切なエピトープ(複数可)を提示しない非標的分子に対するその親和性と比べた時に約5倍大きい場合に「特異的に結合する」。好ましくは、抗体の親和性は、非標的分子に対するその親和性よりも、標的分子に対して、少なくとも約5倍、好ましくは10倍、より好ましくは25倍、なおさらより好ましくは50倍、および最も好ましくは100倍以上大きい。好ましい実施形態では、好ましい抗体は、少なくとも約107M−1、好ましくは約108M−1〜約109M−1、約109M−1〜約1010M−1、または約1010M−1〜約1012M−1の親和性で結合する。

0083

親和性はKd=koff/konとして計算される(koffは解離速度定数であり、Konは会合速度定数であり、Kdは平衡定数である)。親和性は、様々な濃度(c)での標識リガンドの結合された割合(r)を測定することにより、平衡状態で決定することができる。データはScatchard式を用いてグラフ化され:r/c=K(n−r):ここで、r=平衡状態での結合されたリガンドのモル数受容体のモル数;c=平衡状態での遊離リガンド濃度;K=平衡会合定数;ならびにn=リガンド結合部位の数/受容体分子グラフ分析により、r/cがY軸上で、X軸上のrに対してプロットされ、よってScatchardプロットが生成される。Scatchard分析による抗体親和性測定は当技術分野でよく知られている。例えば、van Erp et al., J. Immunoassay 12: 425−43, 1991; Nelson and Griswold, Comput. MethodsPrograms Biomed. 27: 65−8, 1988を参照されたい。

0084

「エピトープ」という用語は、抗体に特異的結合することができる抗原決定基を示す。エピトープは通常、分子、例えばアミノ酸または糖側鎖の化学的に活性な表面グルーピングから構成され、通常、特異的な3次元構造特性、ならびに特異的な電荷特性を有する。立体構造および非立体構造エピトープは、後者ではなく前者への結合が、変性溶媒の存在下で失われるという点で、識別される。

0085

多くの刊行物が、選択された分析物に結合するためのポリペプチドのライブラリを生成させ、スクリーンするために、ファージディスプレイ技術の使用を記載する。例えば、Cwirla et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 6378−82, 1990; Devlin et al., Science 249, 404−6, 1990, Scott and Smith, Science 249, 386−88, 1990;およびLadner et al.,米国特許第5,571,698号を参照されたい。ファージディスプレイ法基本概念は、スクリーニングされるポリペプチドをコードするDNAとポリペプチドの物理的結合の確立である。この物理的結合はファージ粒子により提供され、ファージ粒子は、ポリペプチドを、ポリペプチドをコードするファージゲノム封入するカプシドの一部として提示する。ポリペプチドとそれらの遺伝子材料の間の物理的結合の確立により、異なるポリペプチドを有する非常に多数のファージの同時マススクリーニングが可能になる。標的に対する親和性を有する、ポリペプチドを提示するファージは標的に結合し、これらのファージは、標的への親和性スクリーニングにより濃縮される。これらのファージから提示されるポリペプチドのアイデンティティはそれらの個々のゲノムから決定することができる。これらの方法を使用すると、所望の標的に対する結合親和性を有すると同定されたポリペプチドはその後、従来の手段により大量に合成させることができる。例えば、米国特許第6,057,098号(これにより、全ての表、図面、および特許請求の範囲を含むその全体が組み込まれる)を参照されたい。

0086

これらの方法により生成される抗体はその後、第1のスクリーニングにより、また必要なら、結果を結合から排除されることが望ましいポリペプチドと抗体との親和性および特異性と比較することにより、対象となる精製ポリペプチドとの親和性および特異性に対して選択することができる。スクリーニング手順は、マイクロタイタープレートの別々のウェル中での精製ポリペプチドの固定化を含むことができる。可能性のある抗体または抗体の群を含む溶液がその後、個々のマイクロタイターウェル中に入れられ、約30分〜2時間の間インキュベートされる。マイクロタイターウェルはその後、洗浄され、標識二次抗体(例えば、産生された抗体がマウス抗体である場合、アルカリホスファターゼにコンジュゲートされた抗マウス抗体)がウェルに添加され、約30分間インキュベートされ、その後、洗浄される。基質がウェルに添加され、固定化ポリペプチド(複数可)に対する抗体が存在する場合、呈色反応が現れる。

0087

そのように同定された抗体はその後、選択されたアッセイ設計において、親和性および特異性についてさらに分析され得る。標的タンパク質のためのイムノアッセイの開発では、精製標的タンパク質は、イムノアッセイの感度および特異性を選択された抗体を使用して判断する標準として機能する。様々な抗体の結合親和性は異なる可能性があるので;ある一定の抗体ペア(例えば、サンドイッチアッセイにおいて)は、互いに立体的に妨害する可能性があるなど、抗体のアッセイ性能は、抗体の絶対親和性および特異性よりも重要な尺度となり得る。

0088

本出願は抗体に基づく結合アッセイを詳細に記載しているが、アッセイにおける結合種としての抗体の代替物は当技術分野でよく知られている。これらとしては、特定の標的に対する受容体、アプタマー、などが挙げられる。アプタマーはまた、特異的な標的分子に結合するオリゴ核酸またはペプチド分子である。アプタマーは通常、それらを大きなランダム配列プールから選択することにより作製されるが、天然のアプタマーもまた存在する。高親和性アプタマーは、改善された特性、例えば改善されたインビボ定性または改善された送達特性をリガンドに与える修飾ヌクレオチドを含む。そのような修飾の例としては、リボースおよび/またはリン酸および/または塩基位置での化学置換が挙げられ、アミノ酸側鎖官能性が含まれる。

0089

アッセイ相関
「相関させる」という用語は、本明細書では、バイオマーカーの使用との関連で、患者におけるバイオマーカー(複数可)の存在または量を、所定の病状を患うことがわかっている、またはそのリスクがあることがわかっている人間;または所定の病状を有さないことがわかっている人間におけるその存在または量と比較することを示す。しばしば、これは、バイオマーカー濃度の形態のアッセイ結果を、疾患の発生または非発生またはいくつかの将来の転帰の可能性を示すために選択されたあらかじめ決められたしきい値と比較する形態をとる。

0090

診断しきい値を選択することは、とりわけ、疾患の確率、異なる試験しきい値での真偽診断の分布、および診断に基づく治療の結果(または治療失敗)の推定の考慮を含む。例えば、非常に有効で、低レベルのリスクを有する特定の療法を投与することを考える時に、臨床医は実質的な診断不確実性を認めることができるので、必要とされる試験はほとんどない。他方、治療選択肢が有効でなく、より危険となる状況では、臨床医はしばしば、より高い程度の診断確実性を必要とする。よって、費用便益分析が、診断しきい値を選択するのに関係する。

0091

好適なしきい値は様々な方法で決定され得る。例えば、心筋トロポニンを使用する急性心筋梗塞の診断のための1つの推奨される診断しきい値は、正常集団で見られる濃度の97.5パーセンタイルである。別の方法は、同じ患者由来の連続試料を見ることとすることができ、この場合、前の「ベースライン」結果が、バイオマーカーレベルにおける時間変化をモニターするために使用される。

0092

集団研究もまた、決定しきい値を選択するために使用され得る。受信者動作特性(「ROC」)はレーダー画像の分析のために第二次世界大戦中に開発されたシグナル検出理論の分野から生じ、ROC分析はしばしば、「罹患」亜集団を「非疾患」亜集団から最も良好に識別することができるしきい値を選択するために使用される。この場合の偽陽性は、試験は陽性である人が、実際には疾患を有さない場合に起こる。他方、偽陰性は、試験は陰性であり、健康であることを示唆する人が、実際には疾患を有する場合に起こる。ROC曲線を描くために、決定しきい値は連続して変動するので、真陽性率(TPR)および偽陽性率FPR)が決定される。TPRは感度と同じであり、FPRは1−特異度に等しいので、ROCグラフは時として、感度対(1−特異度)プロットと呼ばれる。完全な試験は1.0のROC曲線下面積を有し;ランダム試験は0.5の面積を有するであろう。しきい値は、許容されるレベルの特異度および感度を提供するように選択される。

0093

この状況では、「罹患」は、1つの特徴(疾患または病状の存在またはいくつかの転帰の発生)を有する集団を示すことが意味され、「非疾患」は、その特徴を欠く集団を示すことが意味される。単一の決定しきい値はそのような方法の最も簡単な適用であるが、複数の決定しきい値が使用され得る。例えば、第1のしきい値未満では、疾患が存在しないことが比較的高い信頼で割り当てられ得、第2のしきい値超では、疾患の存在がまた、比較的高い信頼で割り当てられ得る。2つのしきい値の間は未確定と考えられ得る。これは、本質的に例示にすぎないことが意味される。

0094

しきい値比較に加えて、アッセイ結果を患者分類(疾患の発生または非発生、転帰の可能性、など)に相関させるための他の方法としては決定木ルールセットベイジアン法、および神経ネットワーク法が挙げられる。これらの方法は、被験体が複数の分類のうちの1つの分類に属する程度を表す確率値を発生させることができる。

0095

試験精度の尺度はFischer et al., Intensive Care Med. 29: 1043−51, 2003に記載されるように得ることができ、所定のバイオマーカーの有効性を決定するために使用することができる。これらの尺度は、感度および特異度、的中率、尤度比、診断オッズ比、およびROC曲線面積を含む。ROCプロットの曲線下面積(「AUC」)は、分類指標がランダムに選択した陽性例をランダムに選択した陰性例より高くにランクづけする確率に等しい。ROC曲線下面積はマンホイットニーU検定(群が連続するデータを有する場合に考えられる2つの群において得られたスコア間の中央差を試験する)、またはランクのウィルコクソン検定に等価であると考えることができる。

0096

上記のように、好適な試験は、これらの様々な尺度に関する下記結果の1つ以上を表すことができる:0.5を超える、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.7、さらにより好ましくは少なくとも0.8、なおさらより好ましくは少なくとも0.9、最も好ましくは少なくとも0.95の特異度、対応する感度は0.2を超える、好ましくは0.3を超える、より好ましくは0.4を超える、さらにより好ましくは少なくとも0.5、なおさらより好ましくは0.6、なおさらにより好ましくは0.7を超える、さらにより好ましくは0.8を超える、より好ましくは0.9を超える、最も好ましくは0.95を超える;0.5を超える、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.7、さらにより好ましくは少なくとも0.8、なおさらより好ましくは少なくとも0.9、最も好ましくは少なくとも0.95の感度、対応する特異度は0.2を超える、好ましくは0.3を超える、より好ましくは0.4を超える、さらにより好ましくは少なくとも0.5、なおさらより好ましくは0.6、なおさらにより好ましくは0.7を超える、さらにより好ましくは0.8を超える、より好ましくは0.9を超える、最も好ましくは0.95を超える;少なくとも75%の感度、少なくとも75%の特異性と組み合わされる;0.5を超える、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは0.7、さらにより好ましくは少なくとも0.8、なおさらより好ましくは少なくとも0.9、最も好ましくは少なくとも0.95のROC曲線面積;1とは異なる、好ましくは少なくとも約2以上または約0.5以下、より好ましくは少なくとも約3以上または約0.33以下、さらにより好ましくは少なくとも約4以上または約0.25以下、なおさらより好ましくは少なくとも約5以上または約0.2以下、最も好ましくは少なくとも約10以上または約0.1以下のオッズ比;1を超える、少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、さらにより好ましくは少なくとも5、最も好ましくは少なくとも10の陽性尤度比(感度/(1−特異度)として計算される);ならびにまたは1未満、0.5以下、より好ましくは0.3以下、最も好ましくは0.1以下の陰性尤度比((1−感度)/特異度として計算される)。

0097

本発明の腎臓損傷マーカーアッセイ結果(複数可)と組み合わせることができる臨床兆候としては、下記が挙げられる:人口統計情報(例えば、体重、性別、年齢、人種)、病歴(例えば、家族歴、外科手術の型、先行疾患、例えば動脈瘤、うっ血性心不全、子癇前症、子癇、糖尿病、高血圧、冠動脈疾患、タンパク尿、腎機能不全、または敗血症、毒素曝露の型、例えばNSAID、シクロスポリン、タクロリムス、アミノグリコシド、ホスカルネット、エチレングリコール、ヘモグロビン、ミオグロビン、イホスファミド、重金属、メトトレキサート、放射線不透過性造影剤、またはストレプトゾトシン)、臨床的変数(例えば、血圧、温度、呼吸数)、リスクスコア(APACHEスコア、PREDICTスコア、UA/NSTEMIに対するTIMIリスクスコア、フラミンガムリスクスコア)、尿総タンパク質測定値、糸球体濾過率、推定糸球体濾過率、尿産生速度、血清または血漿クレアチニン濃度、腎乳頭抗原1(RPA1)測定値;腎乳頭抗原2(RPA2)測定値;尿クレアチニン濃度、ナトリウムの分画排泄率、尿ナトリウム濃度、尿クレアチニン対血清または血漿クレアチニン比、尿比重、尿浸透圧、尿尿素窒素対血漿尿素窒素比、血漿BUN対クレアチニン比、および/または尿ナトリウム/(尿クレアチニン/血漿クレアチニン)として計算される腎不全指数。本発明の方法において組み合わせることができる腎機能の他の尺度は以下、およびHarrison’s Principles of Internal Medicine, 第17版, McGraw Hill, New York, 1741−1830ページ、およびCurrent Medical Diagnosis & Treatment 2008, 第47版, McGraw Hill, New York, 785−815ページ(各々、これによりその全体が参照により組み込まれる)において記載される。

0098

このようにしてアッセイ結果/臨床兆候を組み合わせることは、多変量ロジスティック回帰対数線形モデル、神経ネットワーク分析、n−オブ−m分析、決定木分析、などの使用を含むことができる。このリストは制限することを意味しない。

0099

急性腎不全の診断
上述のように、「急性(または腎臓)損傷」および「急性腎(または腎臓)不全」という用語は本明細書では、一部、ベースライン値からの血清クレアチニンの変化の観点から規定される。ARFのほとんどの定義は、共通の要素を有し、血清クレアチニンおよび、しばしば、尿量の使用が含まれる。患者は、この比較において使用するための腎機能の有効なベースライン尺度なしで、腎機能障害を示し得る。そのようなイベントでは、患者が最初に正常GFRを有したことを仮定することにより、ベースライン血清クレアチニン値を推定することができる。糸球体濾過率(GFR)は、単位時間あたりに、腎(腎臓)糸球体毛細血管から、ボーマン嚢中に濾過される流体の体積である。糸球体濾過率(GFR)は、血液中で定常レベルを有し、自由に濾過されるが、腎臓により再吸収されることも分泌されることもない任意の化学物質を測定することにより計算することができる。GFRは典型的にはml/分の単位で表される:

0100

GFRを体表面積に対して規準化することにより、およそ75−100ml/分/1.73m2のGFRが想定され得る。そのため、測定される率は血液の計算可能な体積に由来する尿中の物質の量である。

0101

糸球体濾過率(GFRまたはeGFR)を計算、または推定するために使用されるいくつかの異なる技術が存在する。しかしながら、臨床診療では、クレアチニンクリアランスがGFRを測定するために使用される。クレアチニンは、身体により自然に生成される(クレアチニンは、筋肉において見出されるクレアチン代謝産物である)。これは糸球体により自由に濾過されるが、能動的に腎尿細管により非常に少量が分泌され、そのため、クレアチニンクリアランスは、実際のGFRを10−20%だけ過剰評価する。この誤差の範囲は、クレアチニンクリアランスの測定の容易さを考慮して許容される。

0102

クレアチニンクリアランス(CCr)はクレアチニンの尿濃度(UCr)、尿流速(V)、およびクレアチニンの血漿濃度(PCr)に対する値がわかっていれば、計算することができる。尿濃度と尿流速の積により、クレアチニンの排泄率が得られるので、クレアチニンクリアランスはまた、その排泄率(UCr×V)をその血漿濃度で割ったものであると言われる。これは一般的には数学的には下記のように表される:



通常、24時間、あるの空の膀胱から、次の朝の膀胱の内容物まで採尿が行われ、その後、比較血液検査が行われる:



異なるサイズの人々間での結果の比較を可能にするために、CCrはしばしば、体表面積(BSA)に対して補正され、平均サイズのと比較してml/分/1.73m2として表される。ほとんどの成人は1.7(1.6−1.9)に近いBSAを有するが、非常に肥満の、または痩せた患者のCCrは、彼等の実際のBSAに対して補正されるはずである:

0103

クレアチニンクリアランス測定値の正確さ(収集が完了した時でさえ)は制限される。というのも、糸球体濾過率(GFR)が落ち、クレアチニン分泌が増加し、よって、血清クレアチニンの上昇は小さくなるからである。よって、クレアチニン排泄は濾過された負荷よりもずっと大きくなり、GFRの潜在的に大きな過剰評価となる(2倍差もの大きさ)。しかしながら、臨床目的のために、腎機能が安定であるか、悪化しているか、良くなっているかを決定することが重要である。これはしばしば、血清クレアチニンだけをモニターすることにより決定される。クレアチニンクリアランスのように、血清クレアチニンは、ARFの非定常状態条件において、GFRを正確に反映しない。それにもかかわらず、血清クレアチニンがベースラインから変化する程度は、GFRの変化を反映する。血清クレアチニンは容易に、簡単に測定され、腎機能に特異的である。

0104

mL/kg/時間ベースの尿量について尿量を決定する目的では、1時間ごとの採尿および測定で十分である。例えば、累積24時間産生量のみが利用可能であり、患者体重は提供されない場合、RIFLE尿量判断基準の若干の改良が記載されている。例えば、Bagshaw et al., Nephrol. Dial. Transplant. 23: 1203−1210, 2008は、70kgの平均患者体重を仮定し、患者には下記に基づき、RIFLE分類が割り当てられる:<35mL/時間(リスク)、<21mL/時間(損傷)または<4mL/時間(不全)。

0105

治療レジメンの選択
診断が得られるとすぐに、臨床医は容易に、診断と適合する治療レジメン、例えば、腎代替療法の開始、腎臓に損傷を与えることがわかっている化合物の送達の中止腎臓移植、腎臓に損傷を与えることがわかっている手順の遅延または回避、利尿薬投与の改変目標指向療法の開始、などを選択することができる。当業者は、本明細書で記載される診断の方法に関連して記載される多くの疾患のための適切な治療を承知している。例えば、Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 第17版 Merck Research Laboratories, Whitehouse Station, NJ, 1999を参照されたい。加えて、本明細書で記載される方法および組成物は予後情報を提供するので、本発明のマーカーは、治療の過程をモニターするために使用され得る。例えば、改善されたまたは悪化した予後状態は、特定の治療が有効である、または有効でないことを示し得る。

0106

腎前性AKIと腎性AKIの間の区別は治療介入(複数可)を方向付ける重要な臨床評価である。腎前性である患者は、腎血流を改善するために血行動態に向けられた療法を必要とする。これらの療法はしばしば変力物質、静脈内流体および/または昇圧剤を含む。これらの介入の各々は、副作用の可能性を有し(例えば、不整脈容量過負荷、血管収縮)、腎機能を改善することが予定されていなければ、これらの療法を実行することは得策ではないであろう。よって、腎前性AKIと腎性AKIの間の区別は、処方されるべき療法を決定するのを助ける。腎前性AKIが存在しない場合、療法は、AKIを軽減し、対症療法を提供することに向けられる。

0107

腎前性急性腎不全は、腎臓カメラへの血流の突然の低減(腎臓低灌流)により腎機能の喪失を引き起こした場合に起こる。原因としては、低血液体積、低血圧、腎臓からの血液のシャント手術、心不全、および腎臓に供給する血管に対する局所的変化が挙げられる。腎前性急性腎不全では、腎臓自体に悪いところはない。治療は腎前性急性腎不全の原因を修正することに焦点が当てられる。

0108

水分過負荷のない腎前性AKIでは、静脈内流体の投与が典型的には、腎機能を改善するための第1の工程となる。これは特に、腎前性AKIが血管内体積減少の結果発症した患者において、正常循環血液体積を回復させるために使用される。体積状態が、本明細書で記載される流体の過剰または過小置換を回避するためにモニターされ得る。アルブミンなどのコロイド粒子を有する流体が、単純な生理食塩水注入よりも好ましい可能性がある。前方流が損なわれる腎前性状態では、心拍出量を増大させることを対象とする薬物が典型的には使用される。

0109

AKIが過度利尿の結果として発症した、うっ血性心不全を有する患者では、利尿薬の保留および慎重な体積置換が、腎機能を回復させるのに十分である可能性がある。ノルエピネフリンおよびドブタミンなどの変力物質が心拍出量を改善し、よって腎臓灌流を改善するために投与され得る。

0110

入院した水分過負荷患者は、典型的には、流体制限、IV利尿薬、変力物質(例えば、ミルリノンまたはドブタミン)および併用療法で治療される。ループ利尿薬フロセミドは、HFにおける容量過負荷の治療のために最も頻繁に処方される利尿薬である。1日1回の20〜40mgの初期経口用量が、急性入院に対する兆候を有していない、労作時の呼吸困難および容量過負荷の徴候を有する患者に投与されるべきである。重篤な過負荷および肺浮腫は入院および静脈内フロセミドための兆候である。軽度HFを有する何人かの患者は、効果的にチアジド系利尿薬により治療され得る。チアジド利尿薬に対する持続的容量過負荷を有するものは、経口ループ利尿薬に切り換えられるべきである。重篤な腎臓損傷を有する患者では、利尿薬によって、著しい利尿が得られない可能性がある。アクアフェレーシスとも呼ばれる限外濾過は、そのような場合に水分過負荷を治療するために使用され得る。

0111

腎前性AKIと対照的に、急性尿細管壊死(ATN)の治療の主な目標は、腎臓へのさらなる損傷を防止することである。腎臓が長期間十分灌流されない場合(例えば、腎臓動脈狭窄により)またはショックにより虚血性ATNが引き起こされる可能性がある。敗血症はATN患者において30%〜70%の死亡を引き起こし;よって、静脈ライン、膀胱カテーテル、および人工呼吸器の回避が推奨される。敗血症患者血管拡張しているので、大量の投与された流体がこれらの患者の間質中に蓄積する。細胞外液体積は迅速に評価されなければならず、全ての欠損の充足が迅速に開始されなければならない。血行動態は適切な輸液療法により修正されなければならず、昇圧剤および/または変力物質が提供され、全ての根底にある敗血症が治療される。全ての可能な腎毒性薬物が中止されなければならない。加えて、腎臓により排除される全ての薬剤の用量が調整されなければならない。

0112

当業者は、本発明は、目的を実行し、言及された目標および利点、ならびにその中の固有のものが得られるようによく適合されることを容易に認識する。本明細書で提供される実施例は、好ましい実施形態を代表し、例示的であり、発明の範囲に関する制限として意図されない。

0113

実施例1
葉酸の投与による損傷の誘導後の1回投与(1および5mg/kg体重)のシクロスポリンA(CsA)は、マウスにおける葉酸誘導AKI後2日に、腎尿細管細胞アポトーシス、血清クレアチニン、血中尿素、血清IL−6および尿中NGALを著しく低減させたことが前に示されている。例えば、Wen et al., Nephrol. Dial. Transplant. 27: 3100−109, 2012を参照されたい。

0114

この研究では、敗血症は、成体SDラットにおいて腸管穿孔(CLP)により誘導した。CLP後18時間に、ラットをランダム化し、CsA(5mg/kg)またはビヒクル(各々n=12)を単回投与として中心静脈を介して受けさせた。同時に、動物は全て、対症療法としてアンピシリン/スルバクタムを受け(12時間ごとに125mg/kg)、これを3日間継続させた。

0115

血液および尿を、血漿クレアチニン(Cr)、尿好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、尿インスリン様増殖因子−結合タンパク質7(IGFBP7)および尿組織メタロプロテアーゼ阻害物質−2(TIMP−2)の測定のため採取した。血漿Cr濃度はCLP後に増加し、変化は介入前では両方の群において同様であった。急性腎臓損傷重症度を、SCrの変化に基づくRIFLE判断基準を用いて評価した:R(リスク)=SCr増加>50%;I(損傷)=SCr増加>100%;F(不全)=SCr増加>200%。生存時間もまた、最大7日まで測定した。

0116

2日のCsA処置後、血漿Crは減少し始めたが、Crは対照では増加し続けた(0.43±0.13対0.85±0.28mg/dl、p<0.05)。尿NGALの時間に伴う変化は、血漿Crのものと同様であったが、より早くに増加した(24時間の処置後、5852±50対3702±114IU/ml、p<0.05)。シャム(ビヒクル)処置動物と比べて、CsAで処置した動物は、72および96時間で有意に高い血清クレアチニンを示した(P<0.05)(図1)。CsAで処置した動物はまた、シャムと比べて、有意に減少したAKI重症度(AKI−I/F32%対68%)を示した(P<0.05)。7日までの生存はこの小さな試料サイズではCsAにより大きくは影響されなかった。

0117

TIMP−2およびIGFBP7測定値を合わせて、Kashani et al., Critical Care 2013, 17:R25 doi:10.1186/cc12503に記載されるように、[TIMP−2]×[IGFBP7]として単一の集成スコアとした。動物は全てCLP後18時間に、集成スコアの増加した表現を示した。CsAを受けた動物では、細胞周期停止に対する尿バイオマーカー、IGFBP7およびTIMP−2が、処置後6時間に増加し、その後、24時間後に減少した。対照的に、対照動物はAKIの前兆であるバイオマーカーの遅延増加を示し、尿中[(TIMP−2)×(IGFBP7)]は、処置後6時間(0.064±0.01対0.028±0.002);ならびに24時間後(0.014±0.001対0.072±0.020)、P<0.05)に群間で有意に異なった(図3および4)。

0118

これらのデータを、以上で提供される腎臓損傷に対する効果と合わせると、CsAを使用した細胞周期停止の誘導は、急性腎臓損傷の前兆となる「天然」細胞周期停止を防ぐことができることが示唆される。データはまた、細胞周期停止モジュレーターをバイオマーカーと一緒に使用すると、急性腎臓損傷のための新しい可能性のある治療様式を提供することができることを証明する。

0119

実施例2。
下記実施例は本発明によるバイオマーカーの例示的な使用を記載する。患者は肺炎で入院させられる。血清クレアチニンレベルは最初は正常であるが、TIMP−2およびIGFBP7の集成スコア([TIMP−2]×[IGFBP7]レベルとして計算される、が上昇する。患者は<36時間の間病気であったので、損傷が最近であると推定される。個々に、IGFBP7レベルが増加するが、TIMP−2レベルは正常である。患者に、1回用量のシクロスポリンAを与え、その血清クレアチニンレベルは低いままである。

0120

第2の患者もまた肺炎で入院させられる。この時には、どのくらいの長さ疾病が進んでいるか明確ではなく、血清クレアチニンは提示時にわずかに上昇する。個々に、TIMP−2およびIGFBP7レベルはどちらも上昇し、そのために、シクロスポリンは示されない。次の日、血清クレアチニンはさらに上昇し、その次の日クレアチニンはベースラインレベルの2倍に達する。TIMP2レベルは増加したままであるが、IGFBP7レベルは正常にもどった。この時点で、彼には、細胞周期進行の誘導因子が与えられる。

0121

実施例3。
この研究の目的は、CsA処置が抗生物質と共に、ラットにおける腸管穿孔(CLP)後のAKIを減弱させることができるかどうかを決定すること、炎症、アポトーシス、および細胞周期停止のマーカーに対する効果を特徴付けることであった。

0122

72匹の成体(24〜28週齢、体重400−600g)の健康な雄、Sprague−Dawleyラットを、イソフルランの吸入により麻酔させた。腸管穿孔(CLP)を、盲腸のあらかじめ決められた33%結紮長さおよび18ゲージ針で行った:回盲弁下方に3つの穿刺腹部を閉じて、20ml/kgの生理食塩水を皮下に蘇生のために与えた。局所麻酔薬外科創傷に適用し、ラットをそれらのケージに戻し、食物および水を自由に与えた。

0123

CLP後18時間に、動物を研究室に戻し、1回用量(5mg/kg)のCsA(Sigma−Aldrich、St Louis、MI)またはビヒクル、静脈内のいずれかにランダムに割り当てた(各々n=24)。動物は全て、CLP後18時間に開始してアンピシリン/スルバクタムを受け(12時間ごとに150mg/kg)、3日間継続した。中心静脈カテーテルもまた、採血するために入れ、生存時間を最大7日まで評価した。別の研究で、動物を処置後6または24時間のいずれかで屠殺し、腎臓組織を、さらなる分析のために収集した(各々n=6)。シクロスポリンの腎機能の尺度に対する全ての可能性のある効果を排除するために、我々は同じ用量のCsAまたはビヒクルを別の12匹の健康な(開腹手術、CLPなし)動物に対照として与え、同じ測定値を得た(各々n=6)。

0124

血液(0.8ml)を中心静脈カテーテルからCLP後0、18、24(処置後6時間)、42(処置後24時間)、および66時間(処置後48時間)に採取した。尿試料(1−2ml)を、同時点で膀胱から採取した。血漿を遠心分離により分離し、それぞれ、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)(R & D Systems、Minneapolis、MN)および酵素アッセイキット(BioVision Technologies、Mountain View、CA)を使用するその後のインターロイキン(IL)−6およびクレアチニン測定のために、−80°で維持した。尿試料を、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)に対して、市販のELISA(BioPorto Diagnostics、Gentofte、Denmark)を使用して、ならびに組織メタロプロテアーゼ阻害物質−2(TIMP−2)およびインスリン様増殖因子−結合タンパク質7(IGFBP7)に対して、Astute Medical(San Diego、CA)により提供されるカスタムELISAを使用して分析した。生存時間をCLPから開始した日数で記録した。

0125

AKIの存在および重症度を、それぞれ、CLP後7日にわたる150%、200%および300%の最大クレアチニン増加に基づいて、リスク(R)、損傷(I)、および不全(F)を分類する、RIFLE判断基準(13)の血清クレアチニン部分を使用して評価した。

0126

腎臓カスパーゼ3およびカスパーゼ9を、比色分析法を用いて測定した。簡単に言うと、ラット腎臓を0.9%生理食塩水浴中すすぎ切開して、100mg断面を得た。100mgの腎臓試料をホモジナイズし、遠心分離機内で回転させ、繊維組織ペレットにして除去した。上清をその後収集し、タンパク質濃度をPierce BCA Protein Assayにより決定した(Thermo Scientific:23227、Rockford、IL)。Pierce BCA Protein Assayから獲得した値を使用して、ライセート細胞溶解緩衝液希釈し、100−200μg/100μLとした。カスパーゼ−3(BioVision:K113−100、Milpitas、CA)およびカスパーゼ−9(BioVision:K119−100、Milpitas、CA)アッセイを、その後、推奨される手順に従い、希釈された試料を使用して調製した。吸光度を、405nmに設定されたBioTek SynergyHT検出マイクプレートリーダーを使用して読み取り、関連するGen5ソフトウェアを使用して分析し、組織重量により指数化した。

0127

記述データを平均±標準誤差(SE)として表した。反復測定に対する分散分析を、異なる介入下、異なる時間点での変数を比較するために適用した。マンホイットニーのU検定を使用して、2つの群間の非正規分布データを比較した。カテゴリー変数を、割合として表し、カイ二乗検定を用いて比較した。生存分析をKaplan−Meier統計により評価し、ログランク検定を用いて比較した。我々の主要エンドポイントはCsAおよびビヒクルで処置した群間の重篤AKI(RIFLE−F)の割合であった。試料サイズは主要転帰に基づき、RIFLE−F AKIの率におけるおよそ30−40%の変化を検出するために、24匹の動物/群で設定した。両側P<0.05は、統計的に有意とみなした。

0128

血漿IL−6レベルはCLP後増加し、CsA(またはビヒクル)と抗生物質の後6時間、連続して増加した。しかしながら、血漿IL−6はCsAを用いると、ビヒクルに比べ、処置後48時間に有意に低くなった((28.46対407.53pg/ml、図5、p<0.001)。重篤AKI(RIFLE−F)はビヒクルを受けた動物ではほぼ2倍起こりやすかった(66.7%対33.3%、相対リスク1.63、95%CI:1.17−1.99、p<0.05、図2)。血漿クレアチニンは、両方の群においてCLP後増加した。しかしながら、処置後48時間に、クレアチニン濃度はCsA−処置動物では、ビヒクルを受けたものに比べ、有意に低くなった。尿NGALの変化は、血漿クレアチニンと同様であったが、NGALレベルは、CsAにより、処置後24時間という早さで有意に低くなった(7849対16049IU/ml、p<0.05、図6)。

0129

CLP後7日までの生存(処置後150時間)はCsA処置に有利であった(54.17%対29.17%、p=0.04、生存時間のように;ハザード比:0.41、95%CI:0.18−0.94、P=0.03、図7A)。我々は、生存率とAKIの重症度を比較すると、RIFLE−Fを有する動物の13%しか生存しなかったが、残りの動物の67%が生存したことを見出した(図7B、P<0.05)。

0130

CsAの、[TIMP−2]、[IGFBP7]および[TIMP−2]・[IGFBP7]に対する効果を図8に示す。尿[TIMP−2]・[IGFBP7]は、両方の群においてCLP後に増加した。しかしながら、CsAにより、6時間での[TIMP−2]・[IGFBP7]は、ビヒクルに比べ高くなったがp<0.05、処置後24時間から濃度が減少し始めることが観察された(p<0.05、図8)。CsAの腎臓保護的効果に対する他のメカニズム探るために、我々は、腎臓組織中のカスパーゼ3および9を、処置後6および24時間に測定した。CsAは組織カスパーゼを変化させなかった(図9)。

0131

健康な動物におけるCsAの腎毒性効果の可能性を排除するために、我々は同じ測定を健康なラットにおいて実施した。血漿IL−6、クレアチニンおよび組織カスパーゼ3および9において小さな変化があったが、時間に伴う、またはCsAとビヒクルの間の有意な差はなかった(p>0.05、図10)。

0132

これらの結果から、血漿クレアチニン判断基準に基づくRIFLE−Fに到達した動物がより少ないこと、ならびに尿バイオマーカーにより明らかなように、CsAの単回投与は、敗血症誘導性AKIを減弱させることが証明される。加えて、CsAの単回投与は、IL−6により測定される炎症反応を低減させ、一週間の生存を改善した。興味深いことに、我々は、CsAは細胞周期停止バイオマーカー[TIMP−2]・[IGFBP7])を早い時期に増加させたが、これらのマーカーを後に(重篤AKIの低減と共に)減少させたことを見出した。最後に、CsAは、カスパーゼ3および9により測定される腎細胞アポトーシスを減少させなかった。

0133

CsAはRIFLE−Fの低減された率、ならびにより低い尿バイオマーカー濃度により明らかなように、AKIを減弱させた。重要なことには、[TIMP−2]・[IGFBP7]およびNGALはどちらも、複数の他の研究と一致する血清クレアチニンに先立って24時間増加した。CsAにより、血漿IL−6により決定されるようにより小さな炎症となった。我々はIL−6を選択する。というのも、このマーカーは一般的な炎症促進性メディエータであり、自然および実験敗血症において容易に検出されるからである。反対に、尿中[TIMP−2]・[IGFBP7]はCsAにより、処置後6時間で有意に大きくなった。G1細胞周期停止の誘導は、その後12−24時間におけるAKIのリスクの増加と関連するが、それにもかかわらず、損傷した時に、または有害環境において細胞が細胞周期に入らないようにする保護的メカニズムとなる。よって、[TIMP−2]・[IGFBP7]の初期増加は、AKIの低下と関連すると予測されるであろう。これは、実際観察されたことである。しかしながら、我々はまた、両方の群において、CLP後、処置前に[TIMP−2]・[IGFBP7]のさらにおおきな増加を観察した。さらに応答を特徴づけるために、[TIMP−2]および[IGFBP7]を個々に決定した(図8)。初期増加(CLP単独)は[IGFBP7]のみで見られ、[TIMP−2]では見られなかった。さらに、どちらの分子もCsA群で、6時間に、より高い発現への有意な傾向は示さなかった(2つのマーカーを共に乗じた場合、有意差となる)。

0134

発明を、当業者がこれを製造し、使用するのに十分詳細に記載し、例示してきたが、様々な代替、改変、および改善が、本発明の精神および範囲から逸脱せずに明らかになるはずである。本明細書で提供した実施例は好ましい実施形態を代表し、例示であり、発明の範囲を制限することを意図しない。その中の改変および他の使用は当業者が思いつくものであろう。これらの改変は、発明の精神内に包含され、特許請求の範囲により規定される。

0135

様々な置換および改変は、本明細書で開示される発明に対して、本発明の範囲および精神から逸脱せずに可能であり得ることは、当業者には容易に明らかになるであろう。

0136

本明細書で言及される全ての特許および出版物は、発明が属する分野の当業者のレベルを示す。全ての特許および刊行物は、各々個々の刊行物が特定的に、かつ個々に参照により組み込まれることが示されるのと同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。

0137

本明細書で適当に例示的に記載される発明は、特定的に本明細書で開示されていない任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の制限なしで実施され得る。よって、例えば、本明細書における個々の場合において、「を含む」、「本質的にから構成される」および「から構成される」という用語のいずれも、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。使用されている用語および表現は、説明用語として使用され、制限するものではなく、そのような用語および表現の使用において、図示され、記載される特徴のいずれかの等価物またはその一部分を排除する意図はないが、様々な改変は、特許請求される発明の範囲内で可能であることが認識される。よって、本発明は、好ましい実施形態および任意的な特徴により特定的に開示されてきたが、本明細書で開示される概念の改変および変更は当業者により使用可能であり、そのような改変および変更は添付の特許請求の範囲により規定されるこの発明の範囲内にあると考えられることが理解されるべきである。

0138

他の実施形態は下記特許請求の範囲内で明記される。

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