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技術 複数の水中航走体の運用方法及び複数の水中航走体の運用システム

出願人 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所
発明者 金岡秀大和裕幸
出願日 2018年10月3日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2018-188457
公開日 2020年4月9日 (3ヶ月経過) 公開番号 2020-055477
状態 未査定
技術分野 船体構造 進水、水難救助、水中作業、探査
主要キーワード 間欠泉 熱水鉱床 流出状態 沈没船 音響トランス 水底近傍 音響測位 無制御状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

複数の水中航走体を用いた水底探査において、同時に探査ミッション遂行することにより、より有用なデータを得ることができる複数の水中航走体の運用方法及び複数の水中航走体の運用システムを提供する。

解決手段

水底を探査するために複数の水中航走体30の探査ミッションと探査深度を異ならせて水中航走体30に設定し、設定された各々の探査深度まで複数の水中航走体30を潜航させ、設定された各々の探査深度において複数の水中航走体30を航走させて設定された探査ミッションを遂行し、探査ミッションの遂行結果を記録及び/又は伝送する。

概要

背景

海洋湖沼等において、調査水域水中航走体を投入して水底探査を行う場合、水上に位置する船舶や水中に配置された装置が水中航走体に対する制御を行っている。
例えば特許文献1には、母船ケーブル接続された水中ステーションを海中に配設し、音響トランスポンダを探査地点近くの海底に配置し、複数の無索式無人潜水艇を水中ステーション及び音響トランスポンダと超音波信号を用いて通信させすることで誘導し、必要に応じて無索式無人潜水艇を水中ステーションにドッキングさせて充電又は電池交換探査データの吸い上げを行う技術が開示されている。
また、特許文献2には、第1トランスポンダ、第1受波器及び第2受波器を備えた水中ステーションを母船から海中に吊り下げ、海底に第2トランスポンダを設置し、探査用の自律型無人航走体に第3トランスポンダ及び第3受波器を設け、水中ステーションは第2トランスポンダの信号を第1受波器で受信することによって定点保持を図り、自律型無人航走体は、探査中は第2トランスポンダの信号を第3受波器で受信することによって自航し、動力が減少すると第1トランスポンダの信号を第3受波器で受信することによって水中ステーションに向かって航走し、水中ステーションは第3トランスポンダの信号を第2受波器で受信することによって自律型無人航走を収容するための姿勢制御を行う技術が開示されている。
また、特許文献3には、水上に位置する母船に送波器を設け、探査用の無人潜水機に受波器を設け、母船から無人潜水機に制御信号を送る水中音響通信において、画素信号ハフ変換を利用して伝送誤り補正する技術が開示されている。
また、特許文献4には、母船と水中航走体との間における通信を中継する自走中継器観察領域水面近傍に配置し、自走中継器と母船との間の通信は電波通信で行い、自走中継器と水中航走体との間の通信は音響通信で行うことによって、水平方向の通信可能距離を向上させる技術が開示されている。

概要

複数の水中航走体を用いた水底探査において、同時に探査ミッション遂行することにより、より有用なデータを得ることができる複数の水中航走体の運用方法及び複数の水中航走体の運用システムを提供する。水底を探査するために複数の水中航走体30の探査ミッションと探査深度を異ならせて水中航走体30に設定し、設定された各々の探査深度まで複数の水中航走体30を潜航させ、設定された各々の探査深度において複数の水中航走体30を航走させて設定された探査ミッションを遂行し、探査ミッションの遂行結果を記録及び/又は伝送する。

目的

本発明は、複数の水中航走体を用いた水底探査において、同時に探査ミッションを遂行することにより、より有用なデータを得ることができる複数の水中航走体の運用方法及び複数の水中航走体の運用システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

水底探査する複数の探査ミッションの異なる水中航走体に同一の探査領域を設定し、設定された前記同一の探査領域に複数の前記水中航走体を臨ませ、前記同一の探査領域において複数の前記水中航走体の各々の前記探査ミッションを同時に遂行し、前記探査ミッションの遂行結果を記録及び/又は伝送することを特徴とする複数の水中航走体の運用方法

請求項2

前記同一の探査領域における探査対象に対して、複数の前記水中航走体の前記探査ミッションを、時計を同期させることにより時間軸を揃えて遂行することを特徴とする請求項1に記載の複数の水中航走体の運用方法。

請求項3

複数の前記水中航走体が、前記同一の探査領域を探索して臨んだ後、前記同一の探査領域における各々の前記探査ミッションを遂行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複数の水中航走体の運用方法。

請求項4

複数の前記水中航走体の前記探査ミッションの一つが、前記水底に存在する熱水鉱床の探査ミッションであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複数の水中航走体の運用方法。

請求項5

複数の前記水中航走体の前記探査ミッションの一つが、前記水底に存在する水底物質及び/又は前記水底物質の混在した水の採取であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複数の水中航走体の運用方法。

請求項6

複数の前記水中航走体の前記同一の探査領域の設定を、母船又は水面の近傍の水中を移動可能な水上管制体を介して設定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の複数の水中航走体の運用方法。

請求項7

前記母船又は前記水上管制体は、前記同一の探査領域に対して、複数の前記水中航走体の各々の前記探査ミッションとは異なるミッションを遂行することを特徴とする請求項6に記載の複数の水中航走体の運用方法。

請求項8

水底を探査する複数の探査ミッションの異なる水中航走体と、複数の前記水中航走体の探査領域を設定する探査領域設定手段と、設定された前記探査領域に前記水中航走体を臨ませる移動手段と、複数の前記水中航走体の各々に設けた前記探査ミッションを同時に遂行する探査ミッション遂行手段と、前記探査ミッションの遂行結果を記録及び/又は伝送する記録手段及び/又は伝送手段とを備え、前記探査領域設定手段が前記探査領域を同一の探査領域に設定可能であることを特徴とする複数の水中航走体の運用システム

請求項9

前記探査ミッション遂行手段は、前記水中航走体の前記探査ミッションを時間軸を揃えて遂行するための時計又は探査開始受信部を有したことを特徴とする請求項8に記載の複数の水中航走体の運用システム。

請求項10

前記水中航走体に、前記探査領域設定手段で設定された前記同一の探査領域を探索するための領域探索手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の複数の水中航走体の運用システム。

請求項11

前記水中航走体に、前記水底に存在する熱水鉱床の探査手段を備えたことを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の複数の水中航走体の運用システム。

請求項12

前記水中航走体に、前記水底に存在する水底物質及び/又は前記水底物質の混在した水の採取を行なう採取手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の複数の水中航走体の運用システム。

請求項13

母船及び/又は水面の近傍の水中を航走可能な水上管制体をさらに備え、複数の前記水中航走体の前記同一の探査領域の設定を、前記母船又は前記水上管制体を介して設定することを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の複数の水中航走体の運用システム。

請求項14

前記母船又は前記水上管制体は、前記同一の探査領域に対して、複数の前記水中航走体の各々の前記探査ミッションと異なるミッションを遂行する異ミッション遂行手段を備えたことを特徴とする請求項13に記載の複数の水中航走体の運用システム。

技術分野

0001

本発明は、水底探査を行う複数の水中航走体の運用方法及び複数の水中航走体の運用システムに関する。

背景技術

0002

海洋湖沼等において、調査水域に水中航走体を投入して水底探査を行う場合、水上に位置する船舶や水中に配置された装置が水中航走体に対する制御を行っている。
例えば特許文献1には、母船ケーブル接続された水中ステーションを海中に配設し、音響トランスポンダを探査地点近くの海底に配置し、複数の無索式無人潜水艇を水中ステーション及び音響トランスポンダと超音波信号を用いて通信させすることで誘導し、必要に応じて無索式無人潜水艇を水中ステーションにドッキングさせて充電又は電池交換探査データの吸い上げを行う技術が開示されている。
また、特許文献2には、第1トランスポンダ、第1受波器及び第2受波器を備えた水中ステーションを母船から海中に吊り下げ、海底に第2トランスポンダを設置し、探査用の自律型無人航走体に第3トランスポンダ及び第3受波器を設け、水中ステーションは第2トランスポンダの信号を第1受波器で受信することによって定点保持を図り、自律型無人航走体は、探査中は第2トランスポンダの信号を第3受波器で受信することによって自航し、動力が減少すると第1トランスポンダの信号を第3受波器で受信することによって水中ステーションに向かって航走し、水中ステーションは第3トランスポンダの信号を第2受波器で受信することによって自律型無人航走を収容するための姿勢制御を行う技術が開示されている。
また、特許文献3には、水上に位置する母船に送波器を設け、探査用の無人潜水機に受波器を設け、母船から無人潜水機に制御信号を送る水中音響通信において、画素信号ハフ変換を利用して伝送誤り補正する技術が開示されている。
また、特許文献4には、母船と水中航走体との間における通信を中継する自走中継器観察領域水面近傍に配置し、自走中継器と母船との間の通信は電波通信で行い、自走中継器と水中航走体との間の通信は音響通信で行うことによって、水平方向の通信可能距離を向上させる技術が開示されている。

先行技術

0003

特開平3−266794号公報
特開2003−26090号公報
特開平5−147583号公報
特開2001−308766号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、水中航走体は速度が遅いため1台だけでは広い水域調査するのに時間がかかるが、エネルギー消費の面などから水中航走体の速度を上げるのには限界がある。そこで、広い水域を効率よく調査するために複数台の水中航走体を投入することが考えられる。しかし、水中航走体を複数台投入した場合は制御が複雑になるため、調査効率や安全性の面等において課題があった。
特許文献1記載の発明は、複数の無索式無人潜水艇が各々の探査ミッションをどのように遂行するのかを開示するものではない。また、母船と水中ステーションがケーブルで接続されているため、母船や水中ステーションの移動が制限される。
特許文献2記載の発明は、複数の自律型無人航走体が各々の探査ミッションをどのように遂行するのかを開示するものではない。また、水中ステーションが母船から吊り下げられているため、母船や水中ステーションの移動が制限される。
特許文献3記載の発明は、水中音響通信が水面や海底の反射音の影響を受けやすいことを考慮し、伝送誤りを含んでいても正しい制御信号を推定することで無人潜水機が無制御状態に陥ることを防止しようとするものである。しかし、複数の無人潜水機が各々の探査ミッションをどのように遂行するのかを開示するものではない。
特許文献4記載の発明は、自走中継器が自己現在位置情報と水中航走体の現在位置情報とに基づいて水平移動の要否を判断し、水中航走体との通信状態を維持することが記載されている。また、水中航走体を複数投入することができる旨の記載がある。しかし、水中航走体を複数投入した場合に、各々の探査ミッションをどのように遂行するのかを開示するものではない。

0005

そこで本発明は、複数の水中航走体を用いた水底探査において、同時に探査ミッションを遂行することにより、より有用なデータを得ることができる複数の水中航走体の運用方法及び複数の水中航走体の運用システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

請求項1記載に対応した複数の水中航走体の運用方法においては、水底を探査する複数の探査ミッションの異なる水中航走体に同一の探査領域を設定し、設定された同一の探査領域に複数の水中航走体を臨ませ、同一の探査領域において複数の水中航走体の各々の探査ミッションを同時に遂行し、探査ミッションの遂行結果を記録及び/又は伝送することを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、探査ミッションが互いに異なる複数の水中航走体の時間軸を揃えて同一の探査領域を探査することができるため、時間軸や探査領域が水中航走体ごとにばらばらな状態で探査ミッションを遂行する場合よりも有用なデータを得ることができる。例えば、間欠泉的な挙動を示す熱水鉱床の探査や、時間的に変化する沈没船からの油流事故の探査等でより時間軸を合わせたデータを取得することができる。
なお、探査とは観測捜索採取救援運搬等およそ水底において水中航走体が行なう行為の全体を含む。

0007

請求項2記載の本発明は、同一の探査領域における探査対象に対して、複数の水中航走体の探査ミッションを、時計を同期させることにより時間軸を揃えて遂行することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明によれば、時計を同期させることにより、各水中航走体の探査ミッションの遂行タイミングをより正確に揃えることができる。

0008

請求項3記載の本発明は、複数の水中航走体が、同一の探査領域を探索して臨んだ後、同一の探査領域における各々の探査ミッションを遂行することを特徴とする。
請求項3に記載の本発明によれば、より確実に同一の探査領域において複数の水中航走体の各々の探査ミッションを同時に遂行することができる。

0009

請求項4記載の本発明は、複数の水中航走体の探査ミッションの一つが、水底に存在する熱水鉱床の探査ミッションであることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明によれば、間欠泉的な挙動を示す熱水鉱床の探査を精度よく行うことができる。

0010

請求項5記載の本発明は、複数の水中航走体の探査ミッションの一つが、水底に存在する水底物質及び/又は水底物質の混在した水の採取であることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明によれば、採取した水底物質や水を分析すること等によって水底に関する情報をより多く得ることができる。

0011

請求項6記載の本発明は、複数の水中航走体の同一の探査領域の設定を、母船又は水面の近傍の水中を移動可能な水上管制体を介して設定することを特徴とする。
請求項6に記載の本発明によれば、同一の探査領域の設定を簡便に行うことができる。

0012

請求項7記載の本発明は、母船又は水上管制体は、同一の探査領域に対して、複数の水中航走体の各々の探査ミッションとは異なるミッションを遂行することを特徴とする。
請求項7に記載の本発明によれば、母船又は水上管制体を利用して水底に関する情報をより多く得ることができる。

0013

請求項8記載に対応した複数の水中航走体の運用システムにおいては、水底を探査する複数の探査ミッションの異なる水中航走体と、複数の水中航走体の探査領域を設定する探査領域設定手段と、設定された探査領域に水中航走体を臨ませる移動手段と、複数の水中航走体の各々に設けた探査ミッションを同時に遂行する探査ミッション遂行手段と、探査ミッションの遂行結果を記録及び/又は伝送する記録手段及び/又は伝送手段とを備え、探査領域設定手段が探査領域を同一の探査領域に設定可能であることを特徴とする。
請求項8に記載の本発明によれば、探査ミッションが互いに異なる複数の水中航走体の時間軸を揃えて同一の探査領域を探査することができるため、時間軸や探査領域が水中航走体ごとにばらばらな状態で探査ミッションを遂行する場合よりも有用なデータを得ることができる。

0014

請求項9記載の本発明は、探査ミッション遂行手段は、水中航走体の探査ミッションを時間軸を揃えて遂行するための時計又は探査開始受信部を有したことを特徴とする。
請求項9に記載の本発明によれば、各水中航走体の探査ミッションの遂行タイミングをより正確に揃えることができる。

0015

請求項10記載の本発明は、水中航走体に、探査領域設定手段で設定された同一の探査領域を探索するための領域探索手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項10に記載の本発明によれば、より確実に同一の探査領域において複数の水中航走体の各々の探査ミッションを同時に遂行することができる。

0016

請求項11記載の本発明は、水中航走体に、水底に存在する熱水鉱床の探査手段を備えたことを特徴とする。
請求項11に記載の本発明によれば、間欠泉的な挙動を示す熱水鉱床の探査を精度よく行うことができる。

0017

請求項12記載の本発明は、水中航走体に、水底に存在する水底物質及び/又は水底物質の混在した水の採取を行なう採取手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項12に記載の本発明によれば、採取した水底物質や水を分析すること等によって水底に関する情報をより多く得ることができる。

0018

請求項13記載の本発明は、母船及び/又は水面の近傍の水中を航走可能な水上管制体をさらに備え、複数の水中航走体の同一の探査領域の設定を、母船又は水上管制体を介して設定することを特徴とする。
請求項13に記載の本発明によれば、同一の探査領域の設定を簡便に行うことができる。

0019

請求項14記載の本発明は、母船又は水上管制体は、同一の探査領域に対して、複数の水中航走体の各々の探査ミッションと異なるミッションを遂行する異ミッション遂行手段を備えたことを特徴とする。
請求項14に記載の本発明によれば、母船又は水上管制体を利用して水底に関する情報をより多く得ることができる。

発明の効果

0020

本発明の複数の水中航走体の運用方法によれば、探査ミッションが互いに異なる複数の水中航走体の時間軸を揃えて同一の探査領域を探査することができるため、時間軸や探査領域が水中航走体ごとにばらばらな状態で探査ミッションを遂行する場合よりも有用なデータを得ることができる。

0021

また、同一の探査領域における探査対象に対して、複数の水中航走体の探査ミッションを、時計を同期させることにより時間軸を揃えて遂行する場合には、各水中航走体の探査ミッションの遂行タイミングをより正確に揃えることができる。

0022

また、複数の水中航走体が、同一の探査領域を探索して臨んだ後、同一の探査領域における各々の探査ミッションを遂行する場合には、より確実に同一の探査領域において複数の水中航走体の各々の探査ミッションを同時に遂行することができる。

0023

また、複数の水中航走体の探査ミッションの一つが、水底に存在する熱水鉱床の探査ミッションである場合には、間欠泉的な挙動を示す熱水鉱床の探査を精度よく行うことができる。

0024

また、複数の水中航走体の探査ミッションの一つが、水底に存在する水底物質及び/又は水底物質の混在した水の採取である場合には、採取した水底物質や水を分析すること等によって水底に関する情報をより多く得ることができる。

0025

また、複数の水中航走体の同一の探査領域の設定を、母船又は水面の近傍の水中を移動可能な水上管制体を介して設定する場合には、同一の探査領域の設定を簡便に行うことができる。

0026

また、母船又は水上管制体は、同一の探査領域に対して、複数の水中航走体の各々の探査ミッションとは異なるミッションを遂行する場合には、母船又は水上管制体を利用して水底に関する情報をより多く得ることができる。

0027

また、本発明の複数の水中航走体の運用システムによれば、探査ミッションが互いに異なる複数の水中航走体の時間軸を揃えて同一の探査領域を探査することができるため、時間軸や探査領域が水中航走体ごとにばらばらな状態で探査ミッションを遂行する場合よりも有用なデータを得ることができる。

0028

また、探査ミッション遂行手段は、水中航走体の探査ミッションを時間軸を揃えて遂行するための時計又は探査開始受信部を有した場合には、各水中航走体の探査ミッションの遂行タイミングをより正確に揃えることができる。

0029

また、水中航走体に、探査領域設定手段で設定された同一の探査領域を探索するための領域探索手段をさらに備えた場合には、より確実に同一の探査領域において複数の水中航走体の各々の探査ミッションを同時に遂行することができる。

0030

また、水中航走体に、水底に存在する熱水鉱床の探査手段を備えた場合には、間欠泉的な挙動を示す熱水鉱床の探査を精度よく行うことができる。

0031

また、水中航走体に、水底に存在する水底物質及び/又は水底物質の混在した水の採取を行なう採取手段をさらに備えた場合には、採取した水底物質や水を分析すること等によって水底に関する情報をより多く得ることができる。

0032

また、母船及び/又は水面の近傍の水中を航走可能な水上管制体をさらに備え、複数の水中航走体の同一の探査領域の設定を、母船又は水上管制体を介して設定する場合には、同一の探査領域の設定を簡便に行うことができる。

0033

また、母船又は水上管制体は、同一の探査領域に対して、複数の水中航走体の各々の探査ミッションと異なるミッションを遂行する異ミッション遂行手段を備えた場合には、母船又は水上管制体を利用して水底に関する情報をより多く得ることができる。

図面の簡単な説明

0034

本発明の実施形態による複数の水中航走体の運用システムの概略構成
同水中航走体の一例を示す外観斜視図
同探査領域設定手段の構成例を示す図
同水中航走体の制御ブロック
同水中航走体の制御フロー図
同水上管制体の制御ブロック図
同水上管制体の制御フロー図

実施例

0035

以下に、本発明の実施形態による複数の水中航走体の運用方法及び複数の水中航走体の運用システムについて説明する。

0036

図1は本実施形態による複数の水中航走体の運用システムの概略構成図、図2は水中航走体の一例を示す外観斜視図である。
本実施形態による複数の水中航走体の運用システムは、母船10と、水面の近傍の水中を航走可能な水上管制体20と、水底を探査する複数の水中航走体30と、水中航走体30の探査領域を設定する探査領域設定手段40と、設定された探査領域に水中航走体30を臨ませる移動手段301と、水中航走体の各々に設定した探査ミッションを同時に遂行する探査ミッション遂行手段302と、探査ミッションの遂行結果を記録する記録手段303と、探査ミッションの遂行結果を伝送する伝送手段304を備える。
探査領域設定手段40は母船10に設けられ、移動手段301、探査ミッション遂行手段302、記録手段303、及び伝送手段304は水中航走体30に設けられている。なお、探査領域設定手段40は、水上管制体20に設けるなど、母船10以外に設けることもできる。
図1では、海洋や湖沼等において、調査水域に1台の水上管制体20を進水させ、複数の水中航走体30を投入し、水底を探査することにより鉱物資源エネルギー資源等の探査を行う状態を示している。水上管制体20及び水中航走体30は、母船10に積載して調査水域まで運搬してきたものである。
水上管制体20及び水中航走体30は無人かつ無索で自律航走するロボットであり、水面の近傍に配置された水上管制体20が、電波の届かない水中で水底の探査を行う複数の水中航走体30に対して音響信号を利用した管制を行っている。

0037

水上管制体20には、洋上中継器(ASV:Autonomous Surface Vehicle)を用いている。水上管制体20は、端部が半球面となった筒型の本体20aと、本体20aの上面に延設された垂直翼20bとを備える。母船10から調査水域に進水させた水上管制体20は、本体20aが水中に没して垂直翼20bの上部を水面上に突き出した状態で用いられる。垂直翼20bの上部には、GPS等の自己位置握手段201と、衛星通信アンテナ及び無線LANアンテナ等の海上通信手段202が搭載されている。水上管制体20は、自己位置把握手段201を用いてGNSS全地球航法衛星システム)衛星1からのGNSS信号を受信することにより、自己の位置を把握できる。また、海上通信手段202を用いて母船10や水面上に浮上した水中航走体30との電波通信を行うことができる。
また、本体20aの後部には及びプロペラを有する移動手段203が設けられており、移動手段203によって水面の近傍を移動することができる。
また、本体20aの下面には、音響測位手段204及び通信手段205が設けられている。通信手段205は、音波を送信する送波器と音波を受信する受波器とを有する。水上管制体20は、音響測位手段204を用いて水中航走体30の位置を測定すると共に、通信手段205を用いて水中航走体30と音響信号による双方向通信を行い、水中航走体30を管制している。水上管制体20から水中に向けて発信される音響信号が到達し易いのは、水上管制体20を頂点とした略円錐状の範囲であるため、この略円錐状の範囲を水上管制体20が管制する管制領域Xとしている。

0038

水中航走体30には、水上管制体20との接続にケーブルを用いずに水中を自律的に航走する無索自律無人型の航走体(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)を用いている。水上管制体20は複数の水中航走体30を音響信号を用いて管制するため、水上管制体20にケーブル用の設備を設ける必要が無く、また、ケーブルが絡んだり、ケーブルによって水上管制体20の移動が制限されたりすることがない。
図1では、複数の水中航走体30として、第1水中航走体30A、第2水中航走体30B、第3水中航走体30Cを示している。水中航走体30は、移動手段301として舵や推進器などの航走手段301Aとバラスト重り)301Bを備えており、水中を航走及び潜航することができる。
また、水中航走体30には、自機の位置の測定に用いる自機測位手段305と、水上管制体20との音響信号による双方向通信に用いる通信手段306と、水上管制体20の音響測位手段204から発せられる信号に対して返答を行う音響トランスポンダ(図示無し)が設けられている。通信手段306は、音波の送受波器と、電波の送受波器(アンテナ)とを有する。
水中航走体30は、水上管制体20による測位が所定回数失敗した場合や、水上管制体20との通信に所定回数失敗した場合などは、緊急浮上させて母船10に回収することができる。
第1水中航走体30Aはホバリング型であり、第2水中航走体30B及び第3水中航走体30Cよりも航走速度を遅くすることができる。また、垂直スラスタ水平スラスタを有し、第2水中航走体30B及び第3水中航走体30Cよりも動きの自由度が高く、水流等がある場所においても位置を保持することができるため、主に水底近くでの精密な探査を担う。第1水中航走体30Aには、観測手段307として、水底の映像撮影を行うための撮像手段307Aと、熱水鉱床の探査を行う熱水鉱床の探査手段307Dが設けられている。撮像手段307Aは、例えば照明を備えたカメラである。熱水鉱床の探査手段307Dは、例えば音響観測ソナー温度センサ硫化鉱物検出センサである。なお、種類の異なる熱水鉱床の探査手段307Dを別々の水中航走体30に備える場合も、同一の水中航走体30に備える場合もある。
図2(a)は第2水中航走体30Bの上方斜視図図2(b)は第2水中航走体30Bの下方斜視図である。第2水中航走体30Bは航走型であり、第1水中航走体30Aよりも機敏かつ高速に動くことができるため、主に水底から離れた位置でより広い範囲における探査作業を担う。
第2水中航走体30Bには、観測手段307として、水底の地形の調査を行う地形調査手段307Bと、水底下の地層の調査を行う地層調査手段307Cと、熱水鉱床の探査手段307Dが設けられている。地形調査手段307B及び地層調査手段307Cは、例えば音響観測ソナーである。
また、第2水中航走体30Bは、舵や推進器などの航走手段301Aと、バラスト301Bを備えている。バラスト301Bは、第2水中航走体30Bから切り離し可能に取り付けられている。
なお、第3水中航走体30Cも基本的には第2水中航走体30Bと同様の構成である。

0039

図3は探査領域設定手段の構成例を示す図である。
水上管制体20及び水中航走体30に対する探査領域等の設定は、探査領域設定手段40のモニター画面80に表示されたアイコンを選択すること等により行う。
図3には、設定対象とする水中航走体30の選択等に用いる水中航走体選択アイコン801と、水上管制体20の選択等に用いる水上管制体選択アイコン802と、水上管制体20又は水中航走体30に対する探査ミッションの設定等に用いる探査ミッション設定アイコン803と、水上管制体20又は水中航走体30に対する探査領域の設定等に用いる探査領域設定アイコン804と、水中航走体30の投入及び揚収順位を設定する投入・揚収順位設定アイコン805と、水中航走体30に対して探査開始指示を行う探査開始指示アイコン(探査開始指示器)806と、探査領域設定手段40の作動状況や警告等を表示する表示アイコン807と、設定の初期化等に用いるリセットアイコン808が表示された状態を示している。

0040

水中航走体選択アイコン801は、調査水域に投入する水中航走体30の数と対応し、本実施形態では、第1水中航走体30Aを選択する第1水中航走体選択アイコン801A、第2水中航走体30Bを選択する第2水中航走体選択アイコン801B、及び第3水中航走体30Cを選択する第3水中航走体選択アイコン801Cからなる。
水中航走体選択アイコン801をタッチして設定対象とする水中航走体30を選択すると、選択した水中航走体30について、探査ミッション設定アイコン803を用いた探査ミッションの設定、探査領域設定アイコン804を用いた探査領域の設定、及び投入・揚収順位設定アイコン805を用いた投入・揚収順位の設定が可能になる。
探査ミッションは、基本的に水中航走体30同士で重ならないように設定するため、1台の水中航走体30に設定された探査ミッションが他の水中航走体30で再設定された場合は、表示アイコン807に警告が表示される。なお、探査ミッションは、水中航走体30に固有の機能として備わっている場合もある。
探査領域は、水中の深度と位置から定まる複数のウェイポイント(深度・位置)の設定と、さらにそのウェイポイントに到達する時刻、及び通過する時刻が設定される。ウェイポイントの設定は、手動入力も、読込手段を介した一括した読み込みでの入力も可能である。
また、次に設定を行う別の水中航走体30の探査領域は、先に探査領域が設定された水中航走体30のウェイポイントと時刻が重ならないように、また近付いても所定の距離を保てるように、ウェイポイントと時刻に幅を持たせて設定される。仮にウェイポイントが手動入力で危うい設定がされた場合は、表示アイコン807に警告が表示される。
また、探査ミッションの設定においては、異なるそれぞれのウェイポイントにおいて各水中航走体30の探査ミッションの開始時刻を合わせる。これにより、探査ミッションが互いに異なる複数の水中航走体30を同一の探査領域に臨ませ、探査ミッションを同時に遂行することができる。
なお、探査ミッションの設定、探査領域の設定、及び投入・揚収順位の設定は、水中航走体30に設けられている後述の探査条件設定手段312を用いて設定することも可能である。

0041

水上管制体20は、水中航走体30を管制する役割を果たすため、投入順位は最初に、揚収順位は最後になるように自動設定される。
このように、探査領域設定手段40が、複数の水中航走体30が全て揚収された後に水上管制体20が揚収される手順を設定する機能を有することで、揚収する全ての水中航走体30について、位置や通信状態を水上管制体20で把握しながら揚収することができるため、揚収作業の効率及び安全性が向上する。

0042

また、誤入力等により設定を部分的に間違えた場合は、リセットアイコン808を操作することにより、修正及び再入力が可能となる。また、リセットアイコン808を長押しすることで、全ての設定をリセットすることができる。

0043

次に、水中航走体30の制御について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は水中航走体の制御ブロック図、図4は水中航走体の制御フロー図である。
水中航走体30は、移動手段301、探査ミッション遂行手段302、記録手段303、伝送手段304、自機測位手段305、通信手段306、観測手段307、深度計308、航走速度設定部309、航走制御部310、採取手段311、及び探査条件設定手段312を備える。
移動手段301は、航走手段301Aと、バラスト301Bを有する。
探査ミッション遂行手段302は、領域探索手段302A、時刻管理部302B、及びミッション制御部302Cを有する。
領域探索手段302Aは、深度制御部302Aa、潜航制御部302Ab、及び位置推定部302Acを有する。
時刻管理部302Bは、各水中航走体30の探査ミッションを時間軸を揃えて遂行するための時計302Baを有している。また、探査開始指示アイコン806による探査開始指示を受信し、複数の水中航走体30の探査を開始する探査開始受信部(図示なし)を備えて、時間軸を揃えて探査ミッションを遂行することもできる。
各水中航走体30に設けた時計302Ba同士は同期をとっている。時計302Baは、各水中航走体30の探査ミッションの遂行タイミングを厳密に揃えるために原子時計とすることが好ましい。また、探査開始受信部は、探査領域設定手段40の探査開始指示アイコン806が操作されたときに、ミッション制御部302Cに対して探査ミッションの遂行を指示するものである。
通信手段306は、音響通信のための音波送受波器306Aと、電波通信のための電波送受波器(アンテナ)306Bを有する。
観測手段307は、撮像手段307A、地形調査手段307B、地層調査手段307C、及び熱水鉱床の探査手段307Dを有する。
航走制御部310は、管制領域判断部310Aを有する。

0044

母船10に乗しているオペレーターは、水中航走体30を母船10から探査水域に投入する前に、探査領域設定手段40を用いて、水中航走体30に対して、探査ミッション、探査領域及び航走経路などといった探査に必要な情報を入力することにより探査条件設定を行うと共に、投入・揚収順位の設定を行い、また、航走速度設定部309を用いて、水中航走体30に対して航走速度を設定する(ステップ1)。
探査ミッションの設定においては、探査ミッションの遂行時刻も設定する。水中航走体30が各々の探査ミッションを他の水中航走体30と同時に遂行するようにするため、探査ミッションの遂行時刻は各水中航走体30で揃える。
また、探査領域設定手段40及び探査条件設定手段312は、各水中航走体30に設定される探査領域を同一の探査領域に設定可能である。本実施形態では、同一の探査領域において、ホバリング型の第1水中航走体30Aが低高度探査深度の領域の探査を担い、航走型の第2水中航走体30B及び第3水中航走体30Cが高高度探査深度の領域の探査を担っている。
なお、水中航走体30に設けられている探査条件設定手段312を用いて、探査条件設定に必要な情報を入力することもできる。また、複数の水中航走体30に対して探査領域設定手段40又は探査条件設定手段312を用いて設定される探査条件等は、母船10からの指示を水上管制体20を介して、又は水上管制体20にプログラムされたスケジュールに基づいて、自動的に更新することも可能である。

0045

ステップ1の後、母船10に設けられている投入・揚収設備を用いて、複数の水中航走体30を投入順序に従って水中に投入する(ステップ2)。
水中航走体30の投入に先立って進水させていた水上管制体20は、投入された水中航走体30の管制を開始する。

0046

ステップ2の後、探査水域に投入された複数の水中航走体30は、ステップ1で設定された同一の探査領域の深度まで潜航する(ステップ3)。
潜航は移動手段301(航走手段301A及びバラスト301B)を用いて行うが、航走手段301Aを停止してバラスト301Bの重さのみによって潜航した場合には、燃料を節約することができる。
潜航にあたって各水中航走体30は、深度計308及び自機測位手段305を用いて自機の深度及び位置を測定し、深度制御部302Aa、潜航制御部302Ab及び位置推定部302Acを有する領域探索手段302Aが、設定された探査領域の深度等に従って航走制御部310を制御する。航走制御部310は、探査ミッション遂行手段302による制御と航走速度設定部309で設定された航走速度に従って移動手段301を制御する。
自機測位手段305による自機の位置の測定は、例えば、速度センサ及びジャイロセンサを搭載し、自機の速度及び加速度を検出して算出することにより行う。

0047

ステップ3の後、設定された同一の探査領域の深度に達した水中航走体30は、水上管制体20の管制範囲内において最初のウェイポイントを目指して移動手段301を用いて航走する(ステップ4)。
設定された同一の探査領域の深度で航走を開始した各水中航走体30は、自機測位手段305を用いて自機の位置を測定し、探査ミッション遂行手段302に送信する。位置推定部302Acを有する領域探索手段302Aは、ステップ1で設定された同一の探査領域を水中航走体30が航走するように航走制御部310を制御する。
航走制御部310は、探査ミッション遂行手段302から受信した自機の推定位置と、航走速度設定部309で設定された航走速度と、深度及び水上管制体20との通信状態に基づき、移動手段301を制御して水上管制体20の管制領域X内で水中航走体30を航走させる。通信状態は、通信手段306を用いて水上管制体20との通信状態を測定し、測定結果を探査ミッション遂行手段302に送信し、探査ミッション遂行手段302が例えばシグナル/ノイズ比(S/N比)で把握する。
また、航走制御部310は、管制領域判断部310Aを有し、自機の推定位置及び水上管制体20との通信状態に基づいて、自機が管制領域X内に位置するか否かを定期的に判断する。
時刻を管理する時刻管理部302Bを有する探査ミッション遂行手段302は、ステップ1で設定された航走経路に従って、他の水中航走体30と航走軌跡が同時刻に重ならないように航走制御部310を制御する。

0048

ステップ4の後、水中航走体30が設定されたウェイポイントに到達すると(ステップ5)、探査ミッション遂行手段302は、設定した探査ミッションの遂行時刻に到達したか否かを、時刻管理部302Bを用いて判断する(ステップ6)。

0049

ステップ6において、設定した遂行時刻に到達したと判断した場合には、各水中航走体30が同時に探査ミッションを遂行する(ステップ7)。
ステップ7においては、探査ミッション遂行手段302のミッション制御部302Cが、水中航走体30に設けられた撮像手段307A、地形調査手段307B、及び地層調査手段307Cを制御することにより、水底の映像撮影、地形、及び水底下の地層の情報を得ることができる。また、ミッション制御部302Cが、水中航走体30に設けられた熱水鉱床の探査手段307Dを制御することにより、熱水鉱床に関する各種データを得ることができる。なお、事前に熱水鉱床の位置を把握していることが好ましい。
ステップ7で得られた撮影画像、水底の地形、水底下の地層の情報、及び熱水鉱床に関するデータといった探査ミッション遂行結果は、ハードディスク磁気テープ等を有する記録手段303に記録される。また、伝送手段304で符号化等の処理が行われた後に通信手段306を用いて水上管制体20へ送信される(ステップ8)。

0050

ステップ8の後、他の探査ミッションである水底に存在する水底物質や、水底物質が混在した水の採取を行う(ステップ9)。この間、他の水中航走体30は、時間軸を揃えた上で他の探査ミッションとは別のミッションを遂行する。水底に存在する水底物質や、水底物質が混在した水の採取は、独立した探査ミッションとして複数の水中航走体30の一つに設定し、探査開始時から行なうことも可能である。従って、水中航走体30は、単独の探査ミッションを遂行することも可能であり、複数の探査ミッションを遂行することも可能である。複数の探査ミッションの遂行に当っては、直列的に遂行することも、並列的に遂行することも可能である。複数の水中航走体30同士は、少なくとも時間に関連した探査ミッションは、時間軸を揃えて遂行する。
ステップ9における採取は、探査ミッション遂行手段302が採取手段311を制御することにより行う。採取した水底物質や水を分析すること等によって水底に関する情報をより多く得ることができる。なお、水底に存在する水底物質の採取に当り、水中航走体30が停止して採取することが困難な場合は、例えば航走しながら、水底近傍の水底物質をトローリングして採取したり、水底の水を採取し漉して採取することもできる。
ステップ9の後、探査ミッション遂行手段302は、設定された探査ミッションを完了したと判断した場合は、探査ミッションを終了する。探査ミッションの終了後、水中航走体30は設定された浮上時刻に従って、水面に浮上して母船10に揚収される。

0051

一方、ステップ6において、設定時刻に到達していないと判断した場合には、探査ミッション遂行手段302は、設定時刻に到達したと判断するまで水中航走体30を待機させる(ステップ10)。

0052

このように、水底を探査する複数の水中航走体30に互いに異なる探査ミッションと同一の探査領域を設定し、設定した同一の探査領域に複数の水中航走体30を臨ませ、同一の探査領域において複数の水中航走体30の各々の探査ミッションを同時に遂行し、探査ミッションの遂行結果を記録及び伝送することで、探査ミッションが互いに異なる複数の水中航走体30の時間軸を揃えて同一の探査領域を探査することができるため、時間軸や探査領域が水中航走体30ごとにばらばらな状態で探査ミッションを遂行する場合よりも有用なデータを得ることができる。
特に探査ミッションの一つが、水底に存在する熱水鉱床の探査ミッションである場合には、熱水鉱床は間欠泉的な挙動を示すため、このように各水中航走体30で時間軸を揃えて探査ミッションを遂行することで精度よく探査を行うことができる。また、沈没船からの油流出事故の探査等では、時間的に変化する油の流出状態について、時間軸を合わせたデータを取得することができる。

0053

また、同一の探査領域における探査対象に対して、複数の水中航走体30の探査ミッションを、時計を同期させることにより時間軸を揃えて遂行することで、各水中航走体30の探査ミッションの遂行タイミングをより正確に揃えることができる。

0054

また、複数の水中航走体が、同一の探査領域を探索して臨んだ後、同一の探査領域における各々の探査ミッションを遂行することで、より確実に同一の探査領域において複数の水中航走体の各々の探査ミッションを同時に遂行することができる。

0055

また、複数の水中航走体30の同一の探査領域の設定を、母船10又は水上管制体20を介して設定することで、同一の探査領域の設定を簡便に行うことができる。
具体的に探査領域の設定は、母船10上で、人が探査領域設定手段40で設定する、予め探査領域設定手段40で設定し記憶した探査領域を、水上管制体20を介して水中航走体30に設定する、水上管制体20が水中での水中航走体30の探査状況を把握した上で、変更した探査領域を再設定する等の様々な設定のパターンがあり得る。

0056

次に、水上管制体20の制御について、図6及び図7を用いて説明する。
図6は水上管制体の制御ブロック図、図7は水上管制体の制御フロー図である。
水上管制体20は、自己位置把握手段201、海上通信手段202、移動手段203、音響測位手段204、通信手段205、管制設定部206、移動制御手段207、及び異ミッション遂行手段208を備える。
移動制御手段207は、数管理部207A、待機制御部207B、位置推定部207C、航走記録部207D及び管制判断部207Eを有する。
異ミッション遂行手段208は、例えば音響観測ソナー等の遠隔熱水鉱床探査手段を制御し、水中航走体30が遂行するミッションとは異なるミッションを遂行する。
例えば、水底の熱水鉱床が探査目的の場合に、音響観測ソナー等の遠隔熱水鉱床探査手段を異ミッション遂行手段208で制御し、水面近傍から水底の熱水鉱床の位置や活動状態を遠隔から観測することができる。

0057

母船10に乗船しているオペレーターは、水上管制体20を母船10から調査水域に進水させる前に、管制設定部206を用いて、水上管制体20に対して、水上管制体20の移動範囲、管制すべき水中航走体30の数や性能などといった管制に必要な情報を入力することにより管制設定を行う(ステップ21)。
ステップ21の後、調査水域に進水した水上管制体20は、ステップ21で設定された管制設定に従って水中航走体30の管制を開始する。まず、音響測位手段204を用いて複数の水中航走体30のそれぞれの位置を測定し、測位結果を移動制御手段207に送信する(ステップ22)。
ステップ22の後、通信手段205を用いて複数の水中航走体30のそれぞれとの通信状態を測定し、測定結果を移動制御手段207に送信する(ステップ23)。通信状態は、例えばシグナル/ノイズ比(S/N比)で把握する。
移動制御手段207は、受信したステップ22における測位結果とステップ23における測定結果に基づいて、複数の水中航走体30のそれぞれの航走経路を時刻とともに航走記録部207Dに記録する(ステップ24)。

0058

ステップ24の後、数管理部207Aは、ステップ21における管制設定で入力された水中航走体30の数と、ステップ24で航走経路が記録された水中航走体30の数とを比較し、管制すべき水中航走体30の全数が管制領域X内に位置するか否かを判断する(ステップ25)。
ステップ25において、管制すべき水中航走体30の数と航走経路が記録された水中航走体30の数が同じか多いと判断した場合、すなわち管制すべき水中航走体30の全数が管制領域X内に位置すると判断した場合には、その結果を管制判断部207Eに送信する。

0059

ステップ25において、管制すべき水中航走体30の数よりも航走経路が記録された水中航走体30の数が少ないと判断した場合、すなわち管制すべき水中航走体30の一部又は全数が管制領域Xを外れたと判断した場合には、位置推定部207Cは、航走記録部207Dに記録された水中航走体30の航走経路に基づいて、管制領域Xを外れた水中航走体30が存在する方向を推定する(ステップ26)。

0060

ステップ26の後、異ミッション遂行手段208は、遠隔熱水鉱床探査手段を制御し、水中航走体30が遂行するミッションとは異なるミッションを遂行する(ステップ27)。異ミッション遂行手段208が遂行するミッションは、例えば音響観測ソナーを用いた熱水鉱床に関する情報の取得である。
なお、異ミッション遂行手段208による異ミッションの遂行は、必ずしもステップ26の後でなくともよく、例えば、ステップ24とステップ25の間に行うこともできる。また、異ミッション遂行手段208は、母船10に設けることも可能である。
このように、母船10又は水上管制体20が、同一の探査領域に対して、複数の水中航走体30の各々の探査ミッションとは異なるミッションを遂行することで、水底に関する情報をより多く得ることができる。

0061

ステップ27の後、待機制御部207Bは、ステップ25において水中航走体30が管制領域Xを外れたことが最初に検出されたときから所定時間経過したか否かを判断する(ステップ28)。
ステップ28において、所定時間経過していないと判断した場合には、ステップ25に戻り、管制すべき水中航走体30の全てが管制領域X内にいるか否かを再度判断する。
ステップ28において、所定時間経過したと判断した場合には、待機制御部207Bは、ステップ25の判断結果を管制判断部207Eに送信すると共に、水上管制体20の移動を開始するように指示する(ステップ29)。これにより移動手段203が動作して水上管制体20が移動する。
管制すべき水中航走体30の一部又は全数が管制領域Xを外れたと判断した場合であっても、管制領域Xを外れた水中航走体30が自ら管制領域X内に戻ってくる可能性や、実際には管制領域X内に位置しているものの一時的な測位・通信障害により管制領域Xを外れたと誤って検出された可能性等があるため、本実施形態のように、水上管制体20を移動するに当り、水中航走体30が管制領域Xを外れたことを検出してから所定時間待機し、その間にステップ25の判断を所定回数繰り返すことで、水上管制体20が無用に動くことを低減できる。これにより、水上管制体20のエネルギーの浪費や、管制領域X内に位置する水中航走体30が管制領域Xから外れてしまうことを防止できる。
また、位置推定部207Cが、航走記録部207Dに記録された水中航走体30の航走経路に基づいて、管制領域Xを外れた水中航走体30が存在する方向を推定し、移動制御手段207がこの推定結果に基づいて移動手段203を制御することで、水上管制体20の管制精度や移動効率を向上させ、管制領域Xから外れた水中航走体30を管制領域X内により早く戻すことができる。

0062

管制判断部207Eは、数管理部207A又は待機制御部207Bから送信された判断結果に基づいて、管制設定を変更するか否かを判断する(ステップ30)。
ステップ30では、数管理部207Aから判断結果を受信した場合であって、管制すべき水中航走体30の数と航走経路が記録された水中航走体30の数が同じ場合には、管制設定を変更せず、ステップ22となる。
また、数管理部207Aから判断結果を受信した場合であって、管制すべき水中航走体30の数よりも航走経路が記録された水中航走体30の数が多い場合には、ステップ21となり、管制設定部206は、管制領域Xに戻った水中航走体30を含めた管制設定に変更する。これにより、管制領域Xに戻った水中航走体30を含めて管制を継続することができる。
また、待機制御部207Bから判断結果を受信した場合、すなわち管制領域Xを外れた水中航走体30があるとの判断結果を受信した場合には、ステップ21となり、管制設定部206は、管制領域Xを外れた水中航走体30を除いた管制設定に変更する。これにより、管制領域Xを外れた水中航走体30を除いて管制を継続することができる。

0063

本発明の複数の水中航走体の運用方法、及び複数の水中航走体の運用システムは、複数の水中航走体を用いた熱水鉱床探査等の水底探査において、より有用なデータを得ることができる。

0064

10母船
20 水上管制体
208 異ミッション遂行手段
30水中航走体
301 移動手段
302探査ミッション遂行手段
302A領域探索手段
302Ba時計
303 記録手段
304伝送手段
307D熱水鉱床の探査手段
311採取手段
40探査領域設定手段

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