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技術 蓄電モジュールの製造方法

出願人 株式会社豊田自動織機トヨタ自動車株式会社
発明者 酒井崇山崎貴文植田浩生奥田元章寺島大樹奥村素宜芳賀伸烈
出願日 2018年9月25日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-179137
公開日 2020年4月2日 (7ヶ月経過) 公開番号 2020-053151
状態 未査定
技術分野 二次電池(鉛及びアルカリ蓄電池)
主要キーワード 拘束ユニット 終端電極 略角筒形状 加熱治具 溶着領域 矩形枠形状 拘束プレート 拘束荷重
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

水素ガスの外部への流出を抑制可能な蓄電モジュールの製造方法を提供する。

解決手段

蓄電モジュールの製造方法、一対の板面を有する集電体を準備する工程と、一対の板面の一方面上に正極層を形成する工程と、一対の板面の他方面上に負極層を形成する工程と、集電体の周縁部の少なくとも一部を覆う枠体を形成する工程と、一対の板面が延在する延在方向に交差する積層方向に沿って、枠体が設けられた集電体をセパレータを介して積層する工程と、積層された枠体同士を溶着する工程と、を備える。積層された枠体同士を溶着する工程では、延在方向から枠体を加熱すると共に、積層方向の少なくとも一方から枠体を加熱する。

概要

背景

蓄電装置として、積層された複数のバイポーラ電極を含む積層体を有する蓄電モジュールが知られている。下記特許文献1には、導電性樹脂層を有する集電体と、集電体の一方の面に電気的に結合した正極活物質層と、集電体の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層層とを含むバイポーラ電極が積層された積層体を有する蓄電モジュールが開示されている。バイポーラ電極は、接着層及びシール材を介して積層されている。

概要

水素ガスの外部への流出を抑制可能な蓄電モジュールの製造方法を提供する。蓄電モジュールの製造方法、一対の板面を有する集電体を準備する工程と、一対の板面の一方面上に正極層を形成する工程と、一対の板面の他方面上に負極層を形成する工程と、集電体の周縁部の少なくとも一部を覆う枠体を形成する工程と、一対の板面が延在する延在方向に交差する積層方向に沿って、枠体が設けられた集電体をセパレータを介して積層する工程と、積層された枠体同士を溶着する工程と、を備える。積層された枠体同士を溶着する工程では、延在方向から枠体を加熱すると共に、積層方向の少なくとも一方から枠体を加熱する。

目的

本発明の目的は、水素ガスの外部への流出を抑制可能な蓄電モジュールの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一対の板面を有する集電体を準備する工程と、前記一対の板面の一方面上に正極層を形成する工程と、前記一対の板面の他方面上に負極層を形成する工程と、前記集電体の周縁部の少なくとも一部を覆う枠体を形成する工程と、前記一対の板面が延在する延在方向に交差する積層方向に沿って、前記枠体が設けられた前記集電体をセパレータを介して積層する工程と、積層された前記枠体同士を溶着する工程と、を備え、積層された前記枠体同士を溶着する前記工程では、前記延在方向から前記枠体を加熱すると共に、前記積層方向の少なくとも一方から前記枠体を加熱する、蓄電モジュールの製造方法。

請求項2

前記枠体同士を溶着する前記工程では、前記延在方向から前記枠体を加熱すると共に、前記積層方向の両方から前記枠体を加熱する、請求項1に記載の蓄電モジュールの製造方法。

請求項3

前記枠体同士を溶着する前記工程では、第1部材及び第2部材を有する加熱治具によって前記枠体を加熱し、積層された前記枠体同士を溶着するとき、前記第1部材は、前記延在方向から前記枠体を加熱し、前記第2部材は、前記積層方向の一方から前記枠体を加熱する、請求項1又は2に記載の蓄電モジュールの製造方法。

請求項4

前記第1部材と前記第2部材とは、互いに離間している、請求項3に記載の蓄電モジュールの製造方法。

請求項5

前記枠体同士を溶着する前記工程では、加熱治具及び熱伝導治具にて前記枠体を加熱し、積層された前記枠体同士を溶着するとき、前記加熱治具は、前記延在方向から前記枠体を加熱し、前記熱伝導治具は、前記積層方向の一端に位置する前記枠体のうち前記積層方向に交差する露出面と、前記加熱治具との両方に接触する、請求項1又は2に記載の蓄電モジュールの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、蓄電モジュールの製造方法に関する。

背景技術

0002

蓄電装置として、積層された複数のバイポーラ電極を含む積層体を有する蓄電モジュールが知られている。下記特許文献1には、導電性樹脂層を有する集電体と、集電体の一方の面に電気的に結合した正極活物質層と、集電体の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層層とを含むバイポーラ電極が積層された積層体を有する蓄電モジュールが開示されている。バイポーラ電極は、接着層及びシール材を介して積層されている。

先行技術

0003

特開2011−204386号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述したバイポーラ電極を備える蓄電モジュールは、リチウムイオン電池だけではなく、ニッケル水素電池等にも適用可能である。ここで、蓄電モジュールの内部では、充放電時に水素ガスが発生する場合がある。この水素ガスが外部へ流出すると、電池寿命劣化してしまう問題がある。

0005

本発明の目的は、水素ガスの外部への流出を抑制可能な蓄電モジュールの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明らは、一方向(積層方向)に沿って積層された複数のバイポーラ電極を含む蓄電モジュールの水素ガスの流出経路を検討した。その結果、バイポーラ電極同士を固定するための枠体同士の隙間を介して、積層方向における蓄電モジュールの両端から水素ガスが外部へ流出することを見出した。加えて、本発明者らは、上記両端からの水素ガスの流出量は、蓄電モジュールの側面からの水素ガスの流出量と比較して非常に多いことも見出した。さらには、本発明者らは、枠体同士の上記隙間を埋めることによって、上記両端からの水素ガスの外部への流出が抑制されることも見出した。

0007

以上の知見に基づいた本発明に係る蓄電モジュールの製造方法は、一対の板面を有する集電体を準備する工程と、一対の板面の一方面上に正極層を形成する工程と、一対の板面の他方面上に負極層を形成する工程と、集電体の周縁部の少なくとも一部を覆う枠体を形成する工程と、一対の板面が延在する延在方向に交差する積層方向に沿って、枠体が設けられた集電体をセパレータを介して積層する工程と、積層された枠体同士を溶着する工程と、を備え、枠体同士を溶着する工程では、延在方向から枠体を加熱すると共に、積層方向の少なくとも一方から枠体を加熱する。

0008

この蓄電モジュールの製造方法における枠体同士を溶着する工程では、延在方向から枠体を加熱すると共に、積層方向の少なくとも一方から枠体を加熱する。このため枠体が単に延在方向から加熱される場合と比較して、積層された枠体同士は、良好に溶着する。すなわち、単に枠体が延在方向から加熱される場合と比較して、積層された枠体同士の溶着領域を拡大できる。したがって、枠体における未溶着領域を介した水素ガスの外部への流出を抑制できる。

0009

枠体同士を溶着する工程では、延在方向から枠体を加熱すると共に、積層方向の両方から枠体を加熱してもよい。この場合、積層された枠体同士の溶着領域をより拡大できる。したがって、枠体における未溶着領域を介した水素ガスの外部への流出を良好に抑制できる。

0010

枠体同士を溶着する工程では、第1部材及び第2部材を有する加熱治具によって枠体を加熱し、積層された枠体同士を溶着するとき、第1部材は、延在方向から枠体を加熱し、第2部材は、積層方向の一方から枠体を加熱してもよい。このような加熱治具を用いることによって、積層された枠体同士の溶着領域を良好に拡大できる。

0011

第1部材と第2部材とは、互いに離間してもよい。この場合、枠体の位置に応じた加熱を容易に実施できる。

0012

枠体同士を溶着する工程では、加熱治具及び熱伝導治具にて枠体を加熱し、積層された枠体同士を溶着するとき、加熱治具は、延在方向から枠体を加熱し、熱伝導治具は、積層方向の一端に位置する枠体のうち積層方向に交差する露出面と、加熱治具との両方に接触してもよい。この場合、加熱治具によって延在方向から枠体を加熱すると共に、熱伝導治具を介して積層方向の一端から枠体を加熱できる。したがって、積層された枠体同士の溶着領域を良好に拡大できる。

発明の効果

0013

本発明によれば、水素ガスの外部への流出を抑制可能な蓄電モジュールの製造方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0014

図1は、蓄電モジュールを含む蓄電装置の概略断面図である。
図2は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。
図3(a)〜(c)は、蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。
図4(a),(b)は、蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。
図5は、比較例に係るニッケル水素電池の製造方法を説明するための図である。
図6は、実施形態の第1変形例に係る蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。
図7は、実施形態の第2変形例に係る蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。

実施例

0015

以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。なお、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。

0016

まず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る蓄電モジュールの製造方法によって製造される蓄電モジュールと、当該蓄電モジュールを含む蓄電装置の構成を説明する。図1は、蓄電モジュールを含む蓄電装置の概略断面図である。図1において、蓄電装置1は、例えばフォークリフトハイブリッド自動車、又は電気自動車等の車両のバッテリとして使用される。蓄電装置1は、複数(本実施形態では3つ)の蓄電モジュール2を有する。各蓄電モジュール2は、例えば二次電池であるニッケル水素電池である。蓄電モジュール2は、所定の方向に沿って重なっている。以下では、蓄電モジュール2が積層する方向を単に「積層方向(Z軸方向)」とする。また、積層方向に交差もしくは直交する方向を水平方向とする。水平方向は、例えば互いに直交するX軸方向とY軸方向とを有する。本実施形態では、「積層方向から見る」は、平面視に相当する。

0017

隣り合う蓄電モジュール2の間には、導電板3が設けられている。導電板3は、積層方向の両端に位置する蓄電モジュール2の外側にも配置されている。蓄電モジュール2及び導電板3は、例えば平面視にて矩形状を呈している。導電板3は、隣り合う蓄電モジュール2と電気的に接続されている。これにより、複数の蓄電モジュール2がZ軸方向に直列接続されている。蓄電モジュール2については、後で詳述する。

0018

積層方向の一端(本実施形態では下端)に位置する導電板3には、正極端子4が接続されている。積層方向の他端(本実施形態では上端)に位置する導電板3には、負極端子5が接続されている。正極端子4及び負極端子5のそれぞれは、例えばX軸方向に延在している。このような正極端子4及び負極端子5を設けることにより、蓄電装置1の充放電を実施できる。

0019

導電板3は、蓄電装置1における放熱板としても機能し得る。導電板3は、例えば蓄電モジュール2において発生した熱を放出し得る。導電板3には、例えばY軸方向に延在する複数の空隙3aが設けられている。これらの空隙3aを空気等の冷媒が通過することによって、蓄電モジュール2からの熱を効率的に外部に放出できる。

0020

蓄電装置1は、蓄電モジュール2及び導電板3を積層方向に拘束する拘束ユニット6を備えている。拘束ユニット6は、蓄電モジュール2及び導電板3を積層方向に挟む1対の拘束プレート7と、拘束プレート7同士を締結する複数組ボルト8及びナット9とを有している。

0021

拘束プレート7は、鉄等の金属で形成されている板部材である。各拘束プレート7と導電板3との間には、樹脂フィルム等の絶縁フィルム10が配置されている。拘束プレート7及び絶縁フィルム10は、例えば平面視にて矩形状を呈している。拘束プレート7は、平面視にて、蓄電モジュール2、導電板3及び絶縁フィルム10よりも大きい。

0022

拘束プレート7の縁部には、ボルト8の軸部8aを挿通させる複数の挿通孔7aが設けられている。ボルト8の軸部8aが各拘束プレート7の挿通孔7aを挿通した状態で、軸部8aの先端部にナット9が螺合することで、蓄電モジュール2、導電板3及び絶縁フィルム10が1対の拘束プレート7に挟持される。これにより、蓄電モジュール2、導電板3及び絶縁フィルム10に積層方向の拘束荷重が付与される。なお、縁部は、拘束プレート7のうち、積層方向にて蓄電モジュール2、導電板3及び絶縁フィルム10に重ならない位置に相当する。

0023

図2は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。図2において、蓄電モジュール2は、複数のセル(例えば24セル)が積層された構造を有している。蓄電モジュール2は、電極積層体13と、電極積層体13を取り囲む筒状の樹脂部14とを備えている。電極積層体13は、バイポーラ電極11とセパレータ12との積層体である。

0024

バイポーラ電極11及びセパレータ12は、積層方向に沿って互いに積層されており、例えば平面視にて矩形状を呈している。セパレータ12は、隣り合うバイポーラ電極11の間に配置されている。バイポーラ電極11は、一対の板面15a,15bを有する集電体15と、一対の板面15a,15bの一方面である板面15a上に位置する正極層16と、一対の板面15a,15bの他方面である板面15b上に位置する負極層17とを備える。

0025

集電体15は、水平方向に延在する板形状を呈する導電体であり、可撓性を示す。このため水平方向は、集電体15の延在方向とも言える。集電体15は、例えばニッケル箔メッキ処理が施された鋼板、またはメッキ処理が施されたステンレス鋼板である。鋼板としては、例えばJIS G 3141:2005にて規定される冷間圧延鋼板(SPCC等)が挙げられる。ステンレス鋼板としては、例えばJIS G 4305:2015にて規定されるSUS304等が挙げられる。集電体15の厚さは、例えば0.1μm以上1000μm以下である。

0026

バイポーラ電極11の正極層16は、セパレータ12を挟んで積層方向に隣り合う一方のバイポーラ電極11の負極層17と向かい合っている。正極層16は、集電体15の板面15aに正極活物質を塗工することにより形成されている。正極活物質は、例えば、水酸化ニッケルである。水酸化ニッケルには、コバルト酸化物等が被覆されてもよい。

0027

バイポーラ電極11の負極層17は、セパレータ12を挟んで積層方向に隣り合う他方のバイポーラ電極11の正極層16と向かい合っている。負極層17は、集電体15の板面15bに負極活物質を塗工することにより形成されている。負極活物質は、例えば水素吸蔵合金である。なお、集電体15の周縁部15cは、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。

0028

電極積層体13の最下層には、正極側終端電極18が配置されている。正極側終端電極18は、集電体15と、集電体15の板面15aに形成された正極層16とを有している。電極積層体13の最上層には、負極側終端電極19が配置されている。負極側終端電極19は、集電体15と、集電体15の板面15bに形成された負極層17とを有している。正極側終端電極18の正極層16は、セパレータ12を挟んで最下層のバイポーラ電極11の負極層17と向かい合っている。負極側終端電極19の負極層17は、セパレータ12を挟んで最上層のバイポーラ電極11の正極層16と向かい合っている。正極側終端電極18及び負極側終端電極19の集電体15は、積層方向に隣り合う導電板3(図1参照)に電気的に接続されている。

0029

セパレータ12は、正極層16と負極層17とを隔離するための部材であり、正極層16と負極層17との間に配置される。セパレータ12は、平面視にて集電体15よりも小さく且つ正極層16及び負極層17よりも大きい。セパレータ12は、例えばシート形状を呈する。セパレータ12は、例えばポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルムである。セパレータ12は、PE、PP、メチルセルロース等からなる不織布又は織布等で形成されてもよい。セパレータ12は、フッ化ビニリデン樹脂化合物等で補強されてもよい。なお、セパレータ12の形状は、シート形状に限られず、袋形状でもよい。

0030

樹脂部14は、電極積層体13を取り囲むように構成される樹脂部材である。樹脂部14は、平面視にて、例えば矩形の枠形状を呈している。すなわち、樹脂部14は、例えば角筒形状を呈している。樹脂部14は、各集電体15の周縁部15cを覆う複数の一次シール部20と、一次シール部20の周囲に配置された二次シール部21とを有している。一次シール部20及び二次シール部21は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)又は変性ポリフェニレンエーテル変性PPE)等の樹脂で形成されている。

0031

一次シール部20は、対応するバイポーラ電極11を保持する部材であり、対応するバイポーラ電極11の各縁を全周にわたって覆う枠体である。積層方向において、一次シール部20の厚さは、バイポーラ電極11の厚さと、セパレータ12の厚さとの合計よりも大きい。一次シール部20は、例えばバイポーラ電極11に液密及び気密に溶着されることによって形成される。一次シール部20は、水平方向に交差する露出面である外周面20aを有する。水平方向における外周面20aと、集電体15との間隔S1は、例えば1.5mmである。

0032

積層方向において隣り合う一次シール部20同士は、液密及び気密に溶着されている。具体的には、隣り合う一次シール部20同士の一部の領域20b(溶着領域)は、溶着されて一体化されている。すなわち、隣り合う一次シール部20同士の間には、溶着にて一体化した領域20bと、未溶着であって一体化されていない領域(未溶着領域)との両方が存在する。一体化した領域20bは、一体化されていない領域よりも外周面20a側に位置する。これにより、隣り合うバイポーラ電極11間には、当該バイポーラ電極11,11と一次シール部20とによって、液密及び気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。図示されていないが、内部空間Vには、例えば水溶液系電解液(具体例としては、水酸化カリウム水溶液水酸化リチウム水溶液、もしくはこれらの混合液等のアルカリ性電解液)が収容されている。この電解液は、一次シール部20に設けられる連通孔(不図示)を介して、内部空間Vに収容される。当該連通孔は、電解液の注入後に例えば圧力調整弁等によって塞がれる。なお、「内部空間の体積」と言う場合は、セパレータ12の空隙を含む体積を意味する。

0033

二次シール部21は、樹脂部14の外壁を構成する部材であり、例えば角筒状を呈している。二次シール部21は、各一次シール部20の外周面20aを覆っている。二次シール部21の内周面は、各一次シール部20の外周面20aに溶着されている。すなわち、二次シール部21は、一次シール部20の外周面20aに接合されている。

0034

次に、図3(a)〜(c)及び図4(a),(b)を参照しながら、蓄電モジュール2の製造方法の一例を説明する。図3(a)〜(c)及び図4(a),(b)のそれぞれは、蓄電モジュール2の製造方法を説明するための図である。

0035

まず、図3(a)に示されるように、一対の板面15a,15bを有する集電体15を準備する(第1工程)。

0036

次に、図3(b)に示されるように、集電体15の板面15a上に正極層16を形成すると共に、集電体15の板面15b上に負極層17を形成する(第2工程)。第2工程では、例えば、板面15a上に正極活物質を塗工することによって正極層16を形成する。そして、板面15b上に負極活物質を塗工することによって負極層17を形成する。第2工程後、バイポーラ電極11が形成される。なお第2工程では、負極層17を形成した後、正極層16を形成してもよい。

0037

次に、図3(c)に示されるように、集電体15の周縁部15cの少なくとも一部を覆う一次シール部20を形成する(第3工程)。第3工程では、例えば、板面15a側から周縁部15cの全周に対して樹脂組成物射出成形する。これにより、周縁部15cの一部を樹脂組成物によって覆う。そして、樹脂組成物を冷却等によって硬化することによって、周縁部15cに密着する一次シール部20を形成する。第3工程後、枠体である一次シール部20が設けられたバイポーラ電極11が形成される。

0038

次に、図4(a)に示されるように、積層方向に沿って、枠体である一次シール部20が設けられた集電体15を、セパレータ12を介して積層する(第4工程)。第4工程では、積層方向において隣り合うバイポーラ電極11同士の間にセパレータ12を挟みながら、複数のバイポーラ電極11を積層する。このとき、正極側終端電極18及び負極側終端電極19も積層する。よって第4工程後、電極積層体13が形成される。また、第4工程後、積層方向において隣り合う一次シール部20同士が接触する。

0039

次に、積層された一次シール部20同士を溶着する(第5工程)。第5工程を実施することによって、電極積層体13に含まれる複数のバイポーラ電極11を仮固定できる。これにより、後述する第6工程にて、電極積層体13を容易に金型内に収容できる。第5工程では、まず、一対のプレス部41,42を有する押圧治具40を用いて、積層方向に沿って電極積層体13を挟持する。押圧治具40のプレス部41,42のそれぞれは、例えば矩形板状を呈する部材である。プレス部41は、例えば金属板等である本体部41aと、本体部41aの縁を覆う断熱部41bとを有し、プレス部42は、例えば金属板等である本体部42aと、本体部42aの縁を覆う断熱部42bとを有する。断熱部41b,42bは、断熱性だけでなく電気絶縁性を示してもよい。第5工程では、プレス部41は電極積層体13の最下層に接しており、プレス部42は電極積層体13の最上層に接している。ここで、プレス部41,42の縁は、平面視にて、一次シール部20の外周縁よりも内側であって、一次シール部20の内周縁よりも外側に位置する。このため、平面視にて、プレス部41,42のそれぞれは対応する一次シール部20の一部に接しており、各一次シール部20の他部はプレス部41,42から露出している。

0040

平面視にて、プレス部41,42の縁は、集電体15の周縁部15cよりも外側に位置してもよい。この場合、プレス部41,42によって電極積層体13が良好に挟持される。加えて、本体部41a,42aの縁は、平面視にて集電体15の周縁部15cよりも内側に位置してもよい。これにより、後述する溶着時に、一次シール部20を多方向から確実に加熱できる。もしくは、平面視にて、プレス部41,42の縁は、集電体15の周縁部15cよりも内側に位置してもよい。この場合、後述する溶着時に、一次シール部20を多方向から良好に加熱できる。なお、プレス部41,42の縁が集電体15の周縁部15cよりも内側に位置するとき、本体部41a,42aの縁は、平面視にて一次シール部20の内周縁よりも外側に位置してもよい。この場合、プレス部41,42によって電極積層体13が確実に挟持される。

0041

第5工程では、続いて、一次シール部20においてプレス部41,42から露出する面を加熱する。これにより、積層された一次シール部20同士を溶着する。具体的には、各一次シール部20の外周面20aと、電極積層体13の下端(一端)に位置する一次シール部20のうちプレス部41から露出する露出面20cと、電極積層体13の最上層に位置する一次シール部20のうちプレス部42から露出する露出面20dとを、加熱治具50を用いて加熱する。このとき、水平方向と、積層方向との両方から一次シール部20が加熱されることによって、各一次シール部20の一部の領域20b同士が溶着して一体化する。なお、露出面20c,20dのそれぞれは、積層方向に対して交差する面である。第5工程では、例えば240℃に設定した加熱治具50を2分間、一次シール部20に接触させる。

0042

第5工程で用いられる加熱治具50は、一次シール部20を加熱するためのヒータであり、例えば略角筒形状を呈する。図示しないが、加熱治具50は、2つ以上の部品に分解可能である。加熱治具50は、積層方向に沿って延在する本体部51と、積層方向における本体部51の一端(本実施形態では下端)から水平方向に沿って突出する第1突出部52と、積層方向における本体部51の他端(本実施形態では上端)から水平方向に沿って突出する第2突出部53とを有する。本体部51は、各一次シール部20の外周面20aに接触する部材であり、平面視にて矩形枠形状を呈している。第1突出部52と第2突出部53とのそれぞれは、平面視にて本体部51の内側に位置しており、且つ、平面視にて矩形枠形状を呈する。第1突出部52は、電極積層体13の下端に位置する一次シール部20の露出面20cに接触する部材である。一次シール部20を加熱するとき、第1突出部52は、プレス部41の断熱部41bに接触する。第2突出部53は、電極積層体13の上端に位置する一次シール部20の露出面20dに接触する部材である。一次シール部20を加熱するとき、第2突出部53は、プレス部42の断熱部42bに接触する。本体部51と、第1突出部52と、第2突出部53とは、互いに一体化している。

0043

次に、一次シール部20の外周面20aを覆う二次シール部21を形成することによって、図2に示される樹脂部14を形成する(第6工程)。第6工程では、例えば金型を用いて、外周面20aの全体に対して樹脂組成物を射出成形する。そして、当該樹脂組成物を冷却等によって硬化することによって、二次シール部21を形成する。なお、第6工程の終了後、隣り合うバイポーラ電極11と、一次シール部20とによる内部空間V内には、電解液が収容される。以上の工程を経て、蓄電モジュール2が製造される。

0044

以下では、本実施形態に係る製造方法によって製造される蓄電モジュールの作用効果について、図5に示される比較例を参照しながら説明する。図5は、比較例に係るニッケル水素電池の製造方法を説明するための図である。

0045

図5に示される加熱治具150は、本実施形態と異なり、第1突出部及び第2突出部を備えていない。また、比較例では、平面視における一次シール部120の外周縁と、プレス部141,142の縁とが揃っている。よって比較例では、一次シール部120は、水平方向からのみ加熱治具150によって加熱される。この場合、一次シール部120の外周面120a及びその近傍のみが溶融するので、各一次シール部120において一体化した領域120bは、外周面120aの近傍のみに形成される。比較例では、平面視における一次シール部120のうち、例えば外周面120aから0.2mm〜0.3mm程度に領域120bが形成される。この場合、水平方向における領域120bと集電体15との間隔S11は、約1.2mm〜1.3mm程度になる。なお、この比較例において加熱治具150の温度を上昇して領域120bを広げることが考えられる。しかしながら、加熱治具150の温度を上昇すると、正極層16、負極層17、及び一次シール部120の樹脂組成物の少なくとも何れかに悪影響が発生し得る。この場合、例え領域120bを広げられたとしても、ニッケル水素電池の性能が劣化してしまう。

0046

これに対して本実施形態では、積層された一次シール部20同士を溶着する第5工程において、加熱治具50の本体部51によって水平方向から一次シール部20を加熱すると共に、加熱治具50の第1突出部52及び第2突出部53の積層方向の両方から一次シール部20を加熱する。このため、一次シール部120が単に水平方向から加熱される上記比較例と比較して、積層された一次シール部20同士は、良好に溶着する。すなわち、一次シール部120が水平方向のみから加熱される場合と比較して、積層された一次シール部20同士において溶着される領域20bを拡大できる。例えば、平面視における一次シール部20のうち、外周面20aから0.8mm〜1.0mm程度に領域20bが形成される。この場合、水平方向における領域20bと集電体15との間隔S2(図2を参照)は、0.7mm〜0.5mm程度になり、平面視における領域20b,120bの面積差は数倍になる。したがって本実施形態では、一次シール部20同士が溶着した領域20bを容易に拡大できるので、一次シール部20における未溶着領域を介した水素ガスの外部への流出を抑制できる。

0047

加えて、熱伝導治具61は断熱部41bに接触しており、熱伝導治具62は断熱部42bに接触している。このため、熱伝導治具61,62からプレス部41,42への熱伝導がそれぞれ抑制されるので、積層方向から一次シール部20を良好に加熱できる。

0048

図6は、実施形態の第1変形例に係る蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。第1変形例では、実施形態とは異なる構成を備える加熱治具を用いて上記第5工程を実施する。

0049

図6に示される加熱治具50Aは、第1部材54、第2部材55、及び第3部材56を有する。第1部材54は、各一次シール部20の外周面20aに接触する部材であり、平面視にて矩形枠形状を呈している。第2部材55及び第3部材56とのそれぞれは、平面視にて第1部材54の内側に位置しており、且つ、平面視にて矩形枠形状を呈する。第2部材55は、電極積層体13の下端に位置する一次シール部20の露出面20cに接触する部材である。一次シール部20を加熱するとき、第2部材55は、プレス部41の断熱部41bと、露出面20cとに接触すると共に、第1部材54に対して離間している。また、第3部材56は、電極積層体13の上端に位置する一次シール部20の露出面20dに接触する部材である。一次シール部20を加熱するとき、第3部材56は、プレス部42の断熱部42bと、露出面20dとに接触すると共に、第1部材54及び第2部材55に対して離間している。

0050

このような第1変形例においても、実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、積層された一次シール部20同士を溶着するとき、第1部材54は水平方向から各一次シール部20を加熱し、第2部材55は積層方向の一方から一次シール部20を加熱し、第3部材56は積層方向の他方から一次シール部20を加熱する。この場合、積層された枠体同士の溶着領域を良好に拡大できる。加えて、第1部材54と、第2部材55と、第3部材56とが互いに離間することによって、一次シール部20の位置に応じた加熱を容易に実施できる。

0051

図7は、実施形態の第2変形例に係る蓄電モジュールの製造方法を説明するための図である。第2変形例では、実施形態及び第1変形例とは異なる加熱治具と、熱伝導治具とを用いて上記第5工程を実施する。

0052

図7に示される加熱治具50Bは、本体部51Aを有する。本体部51Aは、実施形態の本体部51と同様の形状を有する。加熱治具50Bには、実施形態の加熱治具50に設けられる第1突出部52及び第2突出部53(図4(b)を参照)は設けられていない。熱伝導治具61,62のそれぞれは、加熱治具50Bからの熱を伝導する部材であり、平面視にて略矩形枠形状を呈する。一次シール部20への金属拡散を抑制する観点から、熱伝導治具61,62のそれぞれは、例えば、アルミニウム製の部材、もしくはアルミニウムにてコーティングされた金属部材である。熱伝導治具61は、加熱治具50Bと、電極積層体13の下端に位置する一次シール部20の露出面20cとに接触する部材である。熱伝導治具62は、加熱治具50Bと、電極積層体13の上端に位置する一次シール部20の露出面20dとに接触する部材である。

0053

第2変形例にて積層された一次シール部20同士を溶着するとき、まず、熱伝導治具61が露出面20cに接触すると共に、熱伝導治具62が露出面20dに接触する。続いて、加熱治具50Bの本体部51Aが、各一次シール部20の外周面20aと、熱伝導治具61,62とに接触する。これにより、加熱治具50Bによって水平方向から一次シール部20を加熱する。同時に、露出面20cと加熱治具50Bとの両方に接触する熱伝導治具61と、露出面20dと加熱治具50Bとの両方に接触する熱伝導治具62とが、積層方向から一次シール部20を加熱する。よって、第2変形例においても上記実施形態及び上記第1変形例と同様の作用効果が奏される。加えて、熱伝導治具61は断熱部41bに接触しており、熱伝導治具62は断熱部42bに接触している。このため、熱伝導治具61,62からプレス部41,42への熱伝導が抑制されるので、積層方向から一次シール部20を良好に加熱できる。

0054

本発明に係る蓄電モジュール及びその製造方法は、上記実施形態及び上記変形例に限定されず、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態及び上記変形例は適宜組み合わせてもよい。例えば、上記第1変形例と上記第2変形例とを組み合わせてもよい。この場合、電極積層体の下端に位置する一次シール部の露出面には第2部材が接触し、電極積層体の上端に位置する一次シール部の露出面には熱伝導治具が接触してもよい。もしくは、電極積層体の下端に位置する一次シール部の露出面には熱伝導治具が接触し、電極積層体の上端に位置する一次シール部の露出面には第3部材が接触してもよい。

0055

上記実施形態及び上記変形例では、一次シール部が集電体の周縁部の一部を覆っているが、これに限られない。一次シール部は、集電体の縁の全体を覆ってもよい。

0056

上記実施形態では、加熱治具が第1突出部及び第2突出部を有しているが、これに限られない。加熱治具は、本体部と、第1突出部及び第2突出部の一方とを有してもよい。この場合であっても、一次シール部は、水平方向だけでなく積層方向からも加熱されるので、上記比較例よりも溶着領域を容易に拡大できる。なお、加熱治具が第1突出部及び第2突出部の一方を有する場合、一対のプレス部の平面視における大きさは、互いに異なってもよい。例えば、加熱治具が第2突出部を有さない場合、電極積層体の上端に接触するプレス部の縁は、一次シール部の外周縁に揃ってもよいし、当該外周縁よりも外側に位置してもよい。

0057

上記第1変形例の加熱治具は、第1部材に加えて、第2部材及び第3部材を備えているが、これに限られない。例えば、加熱治具は、第1部材と、第2部材及び第3部材の一方とを備えてもよい。この場合であっても、一次シール部は、水平方向だけでなく積層方向からも加熱されるので、上記比較例よりも溶着領域を容易に拡大できる。

0058

上記第2変形例では、2つの熱伝導治具が開示されているが、これに限られない。例えば、何れか一方の熱伝導治具のみが用いられてもよい。この場合であっても、一次シール部は、水平方向だけでなく積層方向からも加熱されるので、上記比較例よりも溶着領域を容易に拡大できる。

0059

1…蓄電装置、2…蓄電モジュール、11…バイポーラ電極、12…セパレータ、13…電極積層体、14…樹脂部、15…集電体、15a…板面、15b…板面、15c…周縁部、16…正極層、17…負極層、20…一次シール部(枠体)、20a…外周面、20b…領域、20c…露出面、20d…露出面、21…二次シール部、40…押圧治具、50,50A,50B…加熱治具、61,62…熱伝導治具。

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