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技術 トナーバインダー及びトナー

出願人 三洋化成工業株式会社
発明者 本夛将上田祐介寺西覚山田諭
出願日 2018年9月26日 (1年10ヶ月経過) 出願番号 2018-179771
公開日 2020年4月2日 (4ヶ月経過) 公開番号 2020-052153
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤
主要キーワード ベルトローラー 性能項目 接着剤用添加剤 摩擦時間 分岐アルキルアルコール 直鎖アルキルアルコール トリクロロビス 粉砕圧
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2020年4月2日)のものです。
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課題

低温定着性耐ホットオフセット性を維持しつつ、粉砕性耐熱保存性帯電特性及び耐久性のすべてを満足するトナーバインダー及びトナーを提供することを目的とする。

解決手段

ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、(A)がアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であって、(x)が芳香族ジオールエチレンオキサイド付加物を含有し、(B)が構成する単量体として多官能ビニルモノマー(a)を含有し、(B)を構成する単量体中の(a)の重量割合が単量体の合計重量を基準として、0.1〜10重量%であるトナーバインダー。

概要

背景

近年、電子写真システム発展に伴い、複写機レーザープリンター等の電子写真装置需要は急速に増加しており、それらの性能に対する要求も高度化している。
フルカラー電子写真用には従来、電子写真感光体等の潜像坦持体色画像情報に基づく潜像を形成し、該潜像を対応する色のトナーにより現像し、次いで該トナー像転写材上に転写するといった画像形成工程を繰り返した後、転写材上のトナー像を加熱定着して多色画像を得る方法や装置が知られている。

これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーはまず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好であることが必要とされる。また、装置は定着部加熱体を有するため、装置内で温度が上昇することから、トナーは、装置内でブロッキングしないことが要求される。

さらに、電子写真装置の小型化、高速化、高画質化の促進とともに、定着工程における消費エネルギーを低減するという省エネルギーの観点から、トナーの低温定着性の向上が強く求められている。
また、最近では用いられる転写材として、表面凹凸の大きい再生紙や、表面が平滑なコート紙など多くの種類の紙が用いられる。これらの転写材の表面性に対応するために、ソフトローラーやベルトローラーなどのニップ幅の広い定着器が好ましく用いられている。しかし、ニップ幅を広くすると、トナーと定着ローラーとの接触面積が増え、定着ローラーに溶融トナーが付着する、いわゆる高温オフセット現象が発生するため、耐オフセット性が要求されるのが前提である。
上記に加えて、多色画像(フルカラー)は写真画像などの再現等から白黒画像モノクロ)比べてはるかに高い光沢が必要とされ、得られる画像のトナー層が平滑になるようにする必要がある。
したがって、高い光沢を有しながら耐オフセット性を維持しつつ、低温定着性を発現させる必要があり、広いワーキングレンジ高光沢トナー画像が要求されるようになってきている。

トナーバインダーは、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂スチレンアクリル樹脂ポリエステル樹脂エポキシ樹脂ポリウレタン樹脂ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、保存性と定着性のバランスを取りやすいことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。

定着温度幅を拡大させる方法として、不飽和カルボン酸を構成成分とするポリエステル樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は高温でのオフセット現象はある程度防止できても、定着下限温度が不充分であり、未だ高速化、省エネルギー化の要求には充分に答えられていない。

一方で、ポリエステル成分とスチレンアクリル成分化学的に結合したハイブリッド樹脂を用いたトナーが多数提案されている(特許文献2〜6)。
しかしながら、この方法では耐ホットオフセット性帯電特性粉砕性は向上するが、未だ低温定着性が不充分であった。

以上、述べたように、低温定着性、耐ホットオフセット性を維持しつつ、粉砕性、耐熱保存性、帯電特性及び耐久性のすべてを満足するトナーバインダー及びトナーは、これまでなかった。

概要

低温定着性、耐ホットオフセット性を維持しつつ、粉砕性、耐熱保存性、帯電特性及び耐久性のすべてを満足するトナーバインダー及びトナーを提供することを目的とする。ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、(A)がアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であって、(x)が芳香族ジオールエチレンオキサイド付加物を含有し、(B)が構成する単量体として多官能ビニルモノマー(a)を含有し、(B)を構成する単量体中の(a)の重量割合が単量体の合計重量を基準として、0.1〜10重量%であるトナーバインダー。 なし

目的

本発明は、低温定着性、耐ホットオフセット性を維持しつつ、粉砕性、耐熱保存性、帯電特性及び耐久性のすべてを満足するトナーバインダー及びトナーを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、(A)がアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であって、(x)が芳香族ジオールエチレンオキサイド付加物を含有し、(B)が構成する単量体として多官能ビニルモノマー(a)を含有し、(B)を構成する単量体中の(a)の重量割合が単量体の合計重量を基準として、0.1〜10重量%であるトナーバインダー。

請求項2

ポリエステル樹脂(A)が非晶性飽和ポリエステル樹脂である請求項1に記載のトナーバインダー。

請求項3

下記関係式(1)を満たす請求項1または2に記載のトナーバインダー。関係式(1):|SP(A)−SP(B)|≦1.3(cal/cm3)0.5[関係式(1)において、SP(A)はポリエステル樹脂(A)の溶解度パラメータSP値)であり、SP(B)はビニル樹脂(B)のSP値である。]

請求項4

ビニル樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)が−35〜47℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーバインダー。

請求項5

ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(TgA)とビニル樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)の差[(TgA)−(TgB)]が15℃以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーバインダー。

請求項6

ポリエステル樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるピークトップ分子量(Mp)が3,000〜10,000である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナーバインダー。

請求項7

ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)の重量比[(A)/(B)]が50/50〜90/10である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーバインダー。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナーバインダーを含有するトナー

技術分野

0001

本発明は、トナーバインダー及びトナーに関する。

背景技術

0002

近年、電子写真システム発展に伴い、複写機レーザープリンター等の電子写真装置需要は急速に増加しており、それらの性能に対する要求も高度化している。
フルカラー電子写真用には従来、電子写真感光体等の潜像坦持体色画像情報に基づく潜像を形成し、該潜像を対応する色のトナーにより現像し、次いで該トナー像転写材上に転写するといった画像形成工程を繰り返した後、転写材上のトナー像を加熱定着して多色画像を得る方法や装置が知られている。

0003

これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーはまず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好であることが必要とされる。また、装置は定着部加熱体を有するため、装置内で温度が上昇することから、トナーは、装置内でブロッキングしないことが要求される。

0004

さらに、電子写真装置の小型化、高速化、高画質化の促進とともに、定着工程における消費エネルギーを低減するという省エネルギーの観点から、トナーの低温定着性の向上が強く求められている。
また、最近では用いられる転写材として、表面凹凸の大きい再生紙や、表面が平滑なコート紙など多くの種類の紙が用いられる。これらの転写材の表面性に対応するために、ソフトローラーやベルトローラーなどのニップ幅の広い定着器が好ましく用いられている。しかし、ニップ幅を広くすると、トナーと定着ローラーとの接触面積が増え、定着ローラーに溶融トナーが付着する、いわゆる高温オフセット現象が発生するため、耐オフセット性が要求されるのが前提である。
上記に加えて、多色画像(フルカラー)は写真画像などの再現等から白黒画像モノクロ)比べてはるかに高い光沢が必要とされ、得られる画像のトナー層が平滑になるようにする必要がある。
したがって、高い光沢を有しながら耐オフセット性を維持しつつ、低温定着性を発現させる必要があり、広いワーキングレンジ高光沢トナー画像が要求されるようになってきている。

0005

トナーバインダーは、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂スチレンアクリル樹脂ポリエステル樹脂エポキシ樹脂ポリウレタン樹脂ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、保存性と定着性のバランスを取りやすいことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。

0006

定着温度幅を拡大させる方法として、不飽和カルボン酸を構成成分とするポリエステル樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は高温でのオフセット現象はある程度防止できても、定着下限温度が不充分であり、未だ高速化、省エネルギー化の要求には充分に答えられていない。

0007

一方で、ポリエステル成分とスチレンアクリル成分化学的に結合したハイブリッド樹脂を用いたトナーが多数提案されている(特許文献2〜6)。
しかしながら、この方法では耐ホットオフセット性帯電特性粉砕性は向上するが、未だ低温定着性が不充分であった。

0008

以上、述べたように、低温定着性、耐ホットオフセット性を維持しつつ、粉砕性、耐熱保存性、帯電特性及び耐久性のすべてを満足するトナーバインダー及びトナーは、これまでなかった。

先行技術

0009

特開2017−003985号公報
特開2007−286562号公報
特開2014−235362号公報
特開2008−009171号公報
特開2010−128466号公報
特開2006−047585号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、低温定着性、耐ホットオフセット性を維持しつつ、粉砕性、耐熱保存性、帯電特性及び耐久性のすべてを満足するトナーバインダー及びトナーを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、(A)がアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であって、(x)が芳香族ジオールエチレンオキサイド付加物を含有し、(B)が構成する単量体として多官能ビニルモノマー(a)を含有し、(B)を構成する単量体中の(a)の重量割合が単量体の合計重量を基準として、0.1〜10重量%であるトナーバインダー、及び、このトナーバインダーを含有するトナーである。

発明の効果

0012

本発明により、低温定着性、耐ホットオフセット性を維持しつつ、粉砕性、耐熱保存性、帯電特性及び耐久性に優れたトナーバインダー及びトナーを提供することが可能になる。

0013

本発明のトナーバインダーは、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、(A)がアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であって、(x)が芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物を含有し、(B)が構成する単量体として多官能ビニルモノマー(a)を含有し、(B)を構成する単量体中の(a)の重量割合が単量体の合計重量を基準として、0.1〜10重量%であるトナーバインダーである。
以下に、本発明のトナーバインダーを順次、説明する。

0014

本発明のトナーバインダーはポリエステル樹脂(A)を含有し、(A)がアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であって、(x)が芳香族ジオールのエチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記することがある。)付加物を必須成分として含む。

0015

ポリエステル樹脂(A)は非晶性のポリエステル樹脂でも結晶性のポリエステル樹脂でもよく、粉砕性の観点から非晶性のポリエステル樹脂が好ましい。また、ポリエステル樹脂(A)は不飽和ポリエステルでも飽和ポリエステル樹脂でもよく、低温定着性および粉砕性の観点から飽和ポリエステルであることが好ましい。
これらは、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
本発明における「結晶性」とは下記に記載の示差走査熱量測定DSC測定ともいう)において、DSC曲線が明確な吸熱ピークピークトップ温度(Tm)を有することを意味する。また「非晶性」とは、下記に記載の示差走査熱量計を用いて試料転移温度測定を行った場合に、吸熱ピークのピークトップ温度が存在しないことを意味する。
示差走査熱量計{例えば「DSC210」[セイコーインツル(株)製]}を用いて測定する。結晶性樹脂を20℃から10℃/分の条件で150℃まで第1回目昇温を行い、続いて150℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で150℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップを示す温度を結晶性樹脂の吸熱ピークのピークトップ温度とする。
また、本発明における不飽和ポリエステル樹脂とはラジカル反応性炭素炭素二重結合有するポリエステル樹脂のことである。不飽和ポリエステル樹脂であるか、飽和ポリエステル樹脂であるかの判断に、芳香環複素環の二重結合は考慮しない。

0016

アルコール成分(x)としては、モノオール(x1)、ジオール(x2)及び3価以上の価数のポリオール(x3)等が挙げられる。
これらは、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。

0017

モノオール(x1)としては、炭素数1〜30の直鎖又は分岐アルキルアルコールメタノールエタノールイソプロパノール、1−デカノールドデシルアルコールミリスチルアルコールセチルアルコールステアリルアルコールアラキジルアルコールベヘニルアルコール及びリグセリルアルコール等)等が挙げられる。
これら飽和モノオールのうち画像強度及び耐熱保存性の観点から、好ましいものは炭素数8〜24の直鎖又は分岐アルキルアルコールであり、より好ましくは炭素数8〜24の直鎖アルキルアルコールであり、さらに好ましくはドデシルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びリグノセリルアルコールである。

0018

ジオール(x2)としては、芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物(x21)を必須成分として含む。

0019

芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物(x21)を必須成分として含むことで低温定着性と耐熱保存性が良好となる。
芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物(x21)としては、例えば、単環2価フェノール(例えばハイドロキノン等)のエチレンオキサイド付加物(好ましくは平均付加モル数2〜30)(x211)及びビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(好ましくは平均付加モル数2〜30)(x212)等が挙げられる。

0020

その他のジオール(x2)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコールエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール及び1,12−ドデカンジオール等)(x22)、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールジプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等)(x23)、炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等)(x24)、上記脂環式ジオールの(ポリアルキレンオキサイド付加物(好ましくは平均付加モル数1〜30)(x25)、芳香族ジオール[単環2価フェノール(例えばハイドロキノン等)及びビスフェノール類等](x26)及び上記芳香族ジオールのプロピレンオキサイド(「1,2−プロピレンオキサイド」を意味し、以下、POと略記することがある。)付加物(好ましくは平均付加モル数2〜30)(x27)等が挙げられる。
これらのジオール(x2)のうち、低温定着性と耐熱保存性の観点から、炭素数2〜36のアルキレングリコール(x22)及び芳香族ジオールのプロピレンオキサイド付加物(x27)が好ましく、ビスフェノール類のプロピレンオキサイド付加物がさらに好ましい。

0021

ビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物であるアルキレンオキサイド付加物は、ビスフェノール類にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加して得られる。ビスフェノール類としては、下記一般式(1)で示されるもの等が挙げられる。

0022

HO−Ar−P−Ar−OH (1)
[式中、Pは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO2−、−O−、−S−又は直接結合を表し、Arは、水素原子ハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基置換されていてもよいフェニレン基を表す。]

0023

ビスフェノール類とは、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、トリクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールF、2−メチルビスフェノールA、2,6−ジメチルビスフェノールA及び2,2’−ジエチルビスフェノールF等が挙げられ、これらは2種以上を併用することもできる。

0024

低温定着性と耐熱保存性の観点から、芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物及び芳香族ジオールのプロピレンオキサイド付加物の平均付加モル数は、好ましくは2〜30モル、より好ましくは2〜10モル、さらに好ましくは2〜5モル、特に好ましくは2〜4モル、最も好ましくは2〜3である。

0025

3価以上の価数のポリオール(x3)としては、炭素数3〜36の3価以上の価数の脂肪族多価アルコール(x31)、糖類及びその誘導体(x32)、脂肪族多価アルコールのAO付加物(平均付加モル数は好ましくは1〜30)(x33)、トリスフェノール類トリスフェノールPA等)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)(x34)、ノボラック樹脂フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度としては好ましくは3〜60)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)(x35)等が挙げられる。

0026

炭素数3〜36の3価以上の価数の脂肪族多価アルコール(x31)としては、アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物が挙げられ、例えばグリセリントリメチロールエタントリメチロールプロパンペンタエリスリトールソルビトールソルビタンポリグリセリン及びジペンタエリスリトール等が挙げられる。

0027

糖類及びその誘導体(x32)としては、例えばショ糖及びメチルグルコシド等が挙げられる。

0028

3価以上の価数のポリオール(x3)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性との両立の観点から、炭素数3〜36の3価以上の価数の脂肪族多価アルコール(x31)及びノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度としては好ましくは3〜60)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)(x35)が好ましい。

0029

必須成分である芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物のうち低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保存性の両立の観点から好ましいものはビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(好ましくは平均付加モル数2〜30)(x212)であり、より好ましくはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数は2〜5)であり、さらに好ましくはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数は2〜3)である。

0030

必須成分である芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物以外のアルコール成分(x)のうち、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保存性の両立の観点から好ましいものは、ビスフェノール類のプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)、炭素数2〜36のアルキレングリコール(x22)、炭素数3〜36の3価以上の価数の脂肪族多価アルコール(x31)及びノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度としては好ましくは3〜60のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)(x35)である。

0031

必須成分である芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物以外のアルコール成分(x)として、耐熱保存性の観点からより好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)、炭素数3〜36の3〜8価の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度としては好ましくは3〜60)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)である。
さらに好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)及び炭素数3〜36の3価の脂肪族多価アルコールであり、特に好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜3)及びトリメチロールプロパンである。

0032

アルコール成分(x)としてはジオール(x2)と3価以上の価数のポリオール(x3)を併用できる。併用する場合のジオール(x2)と3価以上の価数のポリオール(x3)のモル比[(x2)/(x3)]は低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から99/1〜80/20が好ましく、98/2〜85/15がより好ましく、97/3〜90/10が特に好ましい。

0033

カルボン酸成分(y)としては、例えば、芳香族カルボン酸(y1)と脂肪族カルボン酸(y2)等が挙げられる。カルボン酸成分(y)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0034

芳香族カルボン酸(y1)としては、例えば、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸フタル酸イソフタル酸テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)及び炭素数9〜20の3価以上の芳香族ポリカルボン酸トリメリット酸及びピロメリット酸等)等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸(y2)としては、例えば、炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸シュウ酸マロン酸コハク酸アジピン酸レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸ヘキサントリカルボン酸等)及び不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10,000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、及びスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。

0035

カルボン酸成分(y)として、これらのカルボン酸の無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルメチルエステルエチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよいし、これらのカルボン酸と併用してもよい。

0036

これらのカルボン酸成分(y)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらの併用である。
特に好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。

0037

本発明のトナーバインダーにおいて、ポリエステル樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるピークトップ分子量(Mp)は、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保存性の観点から、3,000〜10,000であることが好ましい。

0038

本発明において、ポリエステル樹脂(A)のピークトップ分子量(Mp)、数平均分子量(以下、Mnと略称することがある。)、重量平均分子量(以下、Mwと略称することがある。)は、GPCを用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSKGELGMH6 2本 [東ソー(株)製]
測定温度: 40℃
試料溶液: 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μL
検出装置屈折率検出器
基準物質: 東ソー(株)製標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、0.25重量%になるように試料をTHFに溶解し、不溶解分グラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。

0039

本発明のトナーバインダーにおいて、ポリエステル樹脂(A)は、公知のポリエステルと同様にして製造することができる。
例えば、不活性ガス窒素ガス等)雰囲気中で、好ましくは150〜280℃、より好ましくは160〜250℃、さらに好ましくは170〜235℃の反応温度で構成成分を反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、より好ましくは2〜40時間である。

0040

このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。
エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド等)、三酸化アンチモンチタン含有触媒[例えばチタンアルコキシドシュウ酸チタンカリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒チタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等}及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル等)及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。

0041

反応において用いるポリエステル樹脂(A)のアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)の合計の仕込み比率は、水酸基カルボキシル基当量比([OH]/[COOH])として、好ましくは2/1〜1/2、より好ましくは1.5/1〜1/1.3、さらに好ましくは1.4/1〜1/1.2である。

0042

本発明のトナーバインダーでは、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(TgA)は、50〜70℃であることが好ましい。
TgAが70℃以下であると低温定着性が良好になり、50℃以上であると耐熱保存性が良好になる。なお、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(TgA)は、例えばTA Instruments(株)製、DSCQ20を用いて、ASTMD3418−82に規定の方法(DSC法)で測定する。

0043

ポリエステル樹脂(A)の酸価は、帯電安定性及び耐熱保存性の観点から好ましくは10〜30mgKOH/gである。ポリエステル樹脂(A)の酸価は、JIS K0070(1992)に規定の方法で測定することができる。

0044

本発明のトナーバインダーは、ビニル樹脂(B)を含有し、(B)が構成する単量体として多官能ビニルモノマー(a)を必須成分として含む。また、(B)を構成する単量体中の(a)の重量割合が単量体の合計重量を基準として、0.1〜10重量%である。ビニル樹脂が多官能ビニルモノマー(a)を必須成分として含み、上記重量割合であることにより粉砕性を維持しつつ、耐ホットオフセット性が良好となる。

0045

多官能ビニルモノマー(a)としては、2価のビニルモノマー及び3価以上のビニルモノマーが挙げられる。
これらは、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。

0046

2価のビニルモノマーとしてはジビニルベンゼン、1,5−ヘキサジエン、グリセリンのジ(メタアクリレート、トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1,5−ペンタンジオールのジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−エチル−1,3−プロパンジオールのジ(メタ)アクリレート、が挙げられる。

0047

3価以上のビニルモノマーとしてはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリアリル、グリセリンのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート;及びトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0048

これらの多官能ビニルモノマー(a)のうち、低温定着性、耐ホットオフセット性及び粉砕性の観点でジビニルベンゼン及びトリメチロールプロパントリアクリレートが好ましい。

0049

ビニル樹脂(B)はトナーの耐ホットオフセット性、耐熱保存性、粉砕性及び帯電安定性の観点から構成単量体とし上記多官能ビニルモノマー(a)以外の単量体(b)を構成単量体として含有してもよい。単量体(b)としては、スチレン系モノマー(b1)、(メタ)アクリル系モノマー(b2)、ビニルエステルモノマー(b3)及びニトリル基を有する単量体(b4)等を構成単量体として有するものが好ましい。単量体(b)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0050

スチレン系モノマー(b1)としては、スチレン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレン(例えばα−メチルスチレン及びp−メチルスチレン等)などが挙げられる。

0051

(メタ)アクリル系モノマー(b2)としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチル−2−(ヒドロキシメチルアクリラートブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0052

ビニルエステルモノマー(b3)としては、酢酸ビニルプロピオン酸ビニル及び酢酸イソプロペニル等が挙げられる。

0053

ニトリル基を有する単量体(b4)としては、アクリロニトリルが挙げられる。

0054

これらの単量体(b)のうち、スチレン、アクリル酸、ブチルアクリレートエチルアクリレート及びアクリロニトリルが好ましい。

0055

ビニル樹脂(B)を構成する単量体中の多官能ビニルモノマー(a)の重量割合は、上述の通り、単量体の合計重量を基準として、0.1〜10重量%である。0.1重量%未満であると耐ホットオフセット性が悪化し、10重量%より大きいと粉砕性が悪化する。

0056

ビニル樹脂(B)を構成する単量体中には、さらに単量体(b)を含むことが好ましく、単量体(b)が単量体の合計重量を基準として90〜99.9重量%であることがさらに好ましい。

0057

本発明のトナーバインダーにおけるビニル樹脂(B)は、多官能ビニルモノマー(a)、必要に応じて用いる単量体(b)を含有する単量体組成物を公知の方法(特開平5−117330号公報等に記載の方法)で重合することで製造できる。例えば、上記単量体を溶媒トルエン等)中でラジカル反応開始剤アゾビスイソブチロニトリル等)とともに反応させる溶液重合法により合成することができる。
また、上記溶液重合法において、溶媒に代えてポリエステル樹脂(A)の存在下でビニル樹脂(B)を製造することは、ポリエステル樹脂(A)中にビニル樹脂(B)が均一に架橋でき、粉砕性及び耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましい。

0058

ラジカル反応開始剤(c)としては、特に制限されず、無機過酸化物(c1)、有機過酸化物(c2)及びアゾ化合物(c3)等が挙げられる。また、これらのラジカル反応開始剤を併用してもかまわない。

0059

無機過酸化物(c1)としては、特に限定されないが、例えば過酸化水素過硫酸アンモニウム過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等が挙げられる。

0060

有機過酸化物(c2)としては、特に制限されないが、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキシドジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシへキシン−3、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、オクタノルパーオキシド、デカノリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、m−トルイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート及びt−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。

0061

アゾ化合物及びジアゾ化合物(c3)としては、特に制限されないが、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル及びアゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。

0062

これらの中でも開始剤効率が高く、シアン化合物などの有毒副生成物を生成しないことから、有機過酸化物(c2)が好ましく、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート及びジ−t−ブチルパーオキサイドがより好ましい。

0063

本発明のトナーバインダーでは、ビニル樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)は、−35〜47℃であることが好ましい。
TgBが47℃以下であると低温定着性が良好になり、−35℃以上であると耐熱保存性が良好になる。なお、ビニル樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)は、Fox−Floryの等式、1/Tg12=φ(1)/Tg1+φ(2)/Tg2によって計算される値である。Tg12はビニル樹脂(B)の絶対温度(単位K)でのTgに相当し、Tg1及びTg2はビニル樹脂(B)を構成する単量体それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(単位K)であり、φ(1)及びφ(2)はビニル樹脂(B)を構成する単量体の重量百分率である。

0064

ビニル樹脂(B)を構成する単量体のホモポリマーのガラス転移温度は、Polymer Design Tools(DTW Associattes,Inc.、versior1.1)のソフトを用いて算出される。

0065

ビニル樹脂(B)の酸価は、低温定着性の観点から好ましくは55mgKOH/g以下であることが好ましい。
ビニル樹脂(B)の酸価は、ビニル樹脂(B)の重合に用いた単量体それぞれの酸価と単量体の重量とを用い、重量百分率して計算する。

0066

本発明のトナーバインダーは、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)とを後述する方法で混合すること等で得られるが、ポリエステル樹脂(A)の存在下でビニル樹脂(B)を製造することは、ポリエステル樹脂(A)中にビニル樹脂(B)が均一に架橋でき、粉砕性及びホットオフセット性の両立の観点から好ましい。
なお、本発明のトナーバインダーには、ポリエステル樹脂(A)及びビニル樹脂(B)以外の樹脂並びに公知の添加剤離型剤等)を含んでもよい。

0067

本発明のトナーバインダーの、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)の重量比[(A)/(B)]は、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性の両立の点から、50/50〜90/10が好ましい。

0068

本発明のトナーバインダーは、下記関係式(1)を満たすことが低温定着性および耐ホットオフセット性の観点から好ましい。関係式(1)を満たすことで、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)の相溶性が向上し、十分な定着領域が確保される。関係式(1)を満たすためには、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)のSP値を近付ければよく、特にビニル樹脂(B)に用いられる単量体(b)の重量比率を考慮する必要がある。具体的には、ポリエステル樹脂(A)よりSP値が高い単量体(b)であるアクリロニトリル(SP値:14.4)及びアクリル酸(SP値:14.0)と、ポリエステル樹脂(A)よりSP値が低い単量体(b)であるスチレン(SP値:10.6)、アクリル酸ブチル(SP値:9.8)及びアクリル酸エチル(SP値:10.2)の重量比率を考慮する。
関係式(1):|SP(A)−SP(B)|≦1.3(cal/cm3)0.5

0069

関係式(1)において、SP(A)はポリエステル樹脂(A)の溶解度パラメータ(SP値)であり、SP(B)はビニル樹脂(B)のSP値である。
なお、本発明のトナーバインダーにおけるSP値(cal/cm3)0.5は、Robert F Fedorsらの著によるPolymer engineering and science第14巻、151〜154ページに記載されている方法で計算した25℃における値である。

0070

本発明のトナーバインダーのガラス転移温度(Tg)は、50〜70℃であることが好ましい。
トナーバインダーのTgが70℃以下であると低温定着性が良好になり、50℃以上であると耐熱保存性が良好になる。なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えばTA Instruments(株)製、DSCQ20を用いて、ASTMD3418−82に規定の方法(DSC法)で測定する。

0071

本発明のトナーバインダーは、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(TgA)とビニル樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)の差[(TgA)−(TgB)]が15℃以上であることが低温定着性の観点から好ましい。ガラス転移温度の差が大きいほど、低温定着性に効果が出やすくなるが、その理由を以下に説明する。
低温定着性はトナーバインダーの粘度が支配因子である。一方、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)の粘度を比較するとビニル樹脂(B)の方が粘度は高い。ビニル樹脂(B)のガラス転移温度(TgB)を下げることで定着温度域でのビニル樹脂(B)の粘度を下げることができ、ひいてはトナーバインダーの粘度を低くすることができる。また、ビニル樹脂(B)は多官能ビニルモノマー(a)を含有しているため架橋構造を有しており、ガラス転移温度が低くても耐熱保存性を満足する。
本範囲を満たすためには、特にビニル樹脂(B)のガラス転移温度を下げることが好ましく、ポリエステル樹脂(A)よりガラス転移温度が低い単量体である、トリメチロールプロパントリアクリレート(単量体のホモポリマーのガラス転移温度:10℃)、アクリル酸ブチル(単量体のホモポリマーのガラス転移温度:−17℃)及びアクリル酸エチル(単量体のホモポリマーのガラス転移温度:11℃)を含有することで制御できる。

0072

本発明のトナーバインダーの酸価は、好ましくは10〜30mgKOH/g以下であることが好ましい。
トナーバインダーの酸価は、JIS K0070(1992)に規定の方法で測定することができる。

0073

本発明のトナーバインダーは、THF不溶解分を含む場合がある。
本発明のトナーバインダー中のTHF不溶解分の含有量(重量%)は、耐ホットオフセット性及び低温定着性の両立の観点から、50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは、5〜30重量%である。

0074

本発明のトナーバインダー中のTHF不溶解分の含有量(重量%)は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mLのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量をTHF不溶解分の重量とし、試料の重量からTHF不溶解分の重量を引いた重量をTHF可溶分の重量とし、THF不溶解分とTHF可溶分の重量%を算出する。

0075

トナーバインダーの製造方法について説明する。
トナーバインダーはポリエステル樹脂(A)及びビニル樹脂(B)を含有していれば特に限定されず、例えば上記ポリエステル樹脂(A)および上記ビニル樹脂(B)や添加剤を混合する場合の混合方法は一般的に行われる公知の方法でよく、混合方法としては、粉体混合、溶融混合及び溶剤混合等が挙げられる。また、ポリエステル樹脂(A)、ビニル樹脂(B)及び必要により用いる添加剤は、トナーを製造する時に同時に混合してもよい。この方法の中では、均一に混合し、溶剤除去の必要のない溶融混合が好ましい。

0076

粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサーナウターミキサー及びバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続式混合装置としては、スタティックミキサーエクストルーダーコンティニアスニーダー及び3本ロール等が挙げられる。

0077

溶剤混合の方法としては、上記ポリエステル樹脂(A)および上記ビニル樹脂(B)を溶剤(酢酸エチル、THF及びアセトン等)に溶解し、均一化させた後、脱溶剤及び粉砕する方法や、上記ポリエステル樹脂(A)および上記ビニル樹脂(B)を溶剤(酢酸エチル、THF及びアセトン等)に溶解し、水中に分散させた後、造粒及び脱溶剤する方法、及びビニル樹脂(B)を構成する単量体とポリエステル樹脂(A)とを混合しビニル樹脂(B)を製造しながら(A)と混合する方法などがある。

0078

なかでもポリエステル樹脂(A)の存在下でビニル樹脂(B)を製造する方法、つまりビニル樹脂(B)を構成する単量体とポリエステル樹脂(A)とを混合しビニル樹脂(B)を製造しながらポリエステル樹脂(A)と混合する方法が好ましく、この溶融混合を行うための具体的方法としてはポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)を構成する単量体との混合物オートクレーブ仕込み溶液状態となる温度に加熱し、同時にラジカル反応開始剤(c)を一定速度で注入し、50〜200℃の温度で反応する方法がある。

0079

本発明のトナーは、本発明のトナーバインダーを含有する。

0080

本発明のトナーは、本発明のトナーバインダー以外に、必要により、着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等から選ばれる1種以上の公知の添加剤を含有してもよい。

0081

着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料及び顔料等のすべてを使用することができる。例えば、カーボンブラック鉄黒、スーダンブラックSMファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエローインドファーストオレンジイルガシンレッドパラニトロアニリンレッド、トルイジンレッドカーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキメチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルーピグメントブルーブリリアントグリーンフタロシアニングリーンオイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、着色剤は、これらは単独であってもよく、2種以上が混合されたものであってもよい。また、必要により磁性粉(鉄、コバルトニッケル等の強磁性金属粉末若しくはマグネタイトヘマタイトフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは3〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、より好ましくは40〜120重量部である。

0083

離型剤のフロー軟化点(T1/2)は以下の条件で測定した。
<フロー軟化点(T1/2)の測定方法
下式フローテスター[たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D]を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をフロー軟化点(T1/2)とする。

0084

ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレンプロピレン、1−ブテンイソブチレン1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルマレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体及びサゾールワックス等が挙げられる。

0085

高級アルコールとしては、炭素数30〜50の脂肪族アルコールなどであり、例えばトリアコンタノールが挙げられる。脂肪酸としては、炭素数30〜50の脂肪酸などであり、例えばトリアコンタンカボン酸が挙げられる。

0087

流動化剤としては、コロイダルシリカアルミナ粉末酸化チタン粉末及び炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。

0088

トナー中のトナーバインダーの含有量はトナー重量に基づき、好ましくは45〜92重量%である。
着色剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0.5〜50重量%である。
離型剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは1〜10重量%である。
荷電制御剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0.5〜7.5重量%である。
流動化剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0.1〜4重量%である。
また、添加剤の含有量の合計量はトナー重量に基づき、好ましくは5〜50重量%である。
トナーの組成比を上記の範囲とすることで、耐ホットオフセット性、耐熱保存性、帯電安定性が良好なトナーを容易に得ることができる。

0089

本発明のトナーは、公知の混練粉砕法乳化転相法及び重合法等のいずれの方法により得られたものであってもよい。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。
なお、体積平均粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII[ベックマンコールター(株)製]を用いて測定される。

0090

また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解又は分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。

0091

本発明のトナーは、必要に応じて鉄粉ガラスビーズニッケル粉、フェライト、マグネタイト及び樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリア粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。キャリア粒子を用いる場合、トナーとキャリア粒子との重量比は、1/99〜99/1が好ましい。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
なお、本発明のトナーは、キャリア粒子を含まなくてもよい。

0092

本発明のトナーは、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法及びフラッシュ定着方法等が適用できる。

0093

本発明のトナー及びトナーバインダーは電子写真法静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像又は磁気潜像の現像に用いられる。さらに詳しくは、特にフルカラー用に好適な静電荷像又は磁気潜像の現像に用いられる。

0094

以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、「部」は重量部を示す。

0095

<製造例1> [ポリエステル樹脂(A−1)の製造]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO2モル付加物322部、ビスフェノールAのPO2モル付加物419部、テレフタル酸274部、並びに、触媒としてチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら3時間反応させた。次に、0.5〜2.5kPaの減圧下に6時間反応させた後、180℃まで降温した。無水トリメリット酸を42部入れ、常圧下で1時間反応させた後取り出し、ポリエステル樹脂(A−1)を得た。

0096

<製造例2〜4> [ポリエステル樹脂(A−2)〜(A−4)の製造]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分(x)、カルボン酸成分(y)を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂(A−2)〜(A−4)を得た。

0097

<比較製造例1> [ポリエステル樹脂(A’−1)の製造]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物620部、ビスフェノールAのPO3モル付加物163部、テレフタル酸245部、並びに、触媒としてチタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら3時間反応させた。次に、0.5〜2.5kPaの減圧下に5時間反応させた後、180℃まで降温した。重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、さらにフマル酸を19部入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下に8時間反応させた後、無水トリメリット酸を9部入れ、常圧下で1時間反応させた後取り出し、芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物を有さないポリエステル樹脂(A’−1)を得た。

0098

表1にポリエステル樹脂の組成および物性値を記載した。

0099

0100

<実施例1> [トナーバインダー(C−1)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−1)を700部、ビニル樹脂(B−1)を構成する単量体としてスチレン[出光興産(株)製、以下同様]103部、アクリル酸ブチル[三菱ケミカル(株)製、以下同様]103部、アクリロニトリル[ナカラテクス(株)製、以下同様]88部、トリメチロールプロパントリアクリレート[新中化学工業(株)製、以下同様]5.4部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート[パーブチルI、日油(株)製、以下同様]3部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−1)とビニル樹脂(B−1)を含むトナーバインダー(C−1)を得た。
表2にビニル樹脂の組成および物性値を、表3にトナーバインダーの組成および物性値を記載した。

0101

<実施例2> [トナーバインダー(C−2)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−1)を600部、ビニル樹脂(B−2)を構成する単量体としてアクリル酸ブチル251部、アクリロニトリル146部、トリメチロールプロパントリアクリレート3.6部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−1)とビニル樹脂(B−2)を含むトナーバインダー(C−2)を得た。

0102

<実施例3> [トナーバインダー(C−3)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−2)を800部、ビニル樹脂(B−3)を構成する単量体としてスチレン11部、アクリル酸ブチル94部、アクリロニトリル62部、アクリル酸[三菱ケミカル(株)製、以下同様]14部、ジビニルベンゼン[東京化成工業(株)製、以下同様]20部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−2)とビニル樹脂(B−3)を含むトナーバインダー(C−3)を得た。

0103

<実施例4> [トナーバインダー(C−4)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−3)を750部、ビニル樹脂(B−4)を構成する単量体としてスチレン92部、アクリル酸ブチル104部、アクリロニトリル46部、ジビニルベンゼン9部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−3)とビニル樹脂(B−4)を含むトナーバインダー(C−4)を得た。

0104

<実施例5> [トナーバインダー(C−5)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−4)を500部、ビニル樹脂(B−5)を構成する単量体としてアクリル酸ブチル299部、アクリル酸エチル[東京化成工業(株)製、以下同様]199部、トリメチロールプロパントリアクリレート2部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−4)とビニル樹脂(B−5)を含むトナーバインダー(C−5)を得た。

0105

<実施例6> [トナーバインダー(C−6)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−3)を900部、ビニル樹脂(B−3)を構成する単量体としてスチレン5.4部、アクリル酸ブチル47部、アクリロニトリル31部、アクリル酸7部、ジビニルベンゼン9.8部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−3)とビニル樹脂(B−3)を含むトナーバインダー(C−6)を得た。

0106

<実施例7> [トナーバインダー(C−7)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−4)を700部、ビニル樹脂(B−1)を構成する単量体としてスチレン103部、アクリル酸ブチル103部、アクリロニトリル88部、トリメチロールプロパントリアクリレート5.4部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−4)とビニル樹脂(B−1)を含むトナーバインダー(C−7)を得た。

0107

<実施例8> [トナーバインダー(C−8)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−3)を800部、ビニル樹脂(B−4)を構成する単量体としてスチレン73部、アクリル酸ブチル83部、アクリロニトリル37部、ジビニルベンゼン7.2部、ラジカル重合開始剤(c)としてジ−t−ブチルパーオキサイド[パーブチルD、日油(株)製、以下同様]2部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−3)とビニル樹脂(B−4)を含むトナーバインダー(C−8)を得た。

0108

<比較例1> [トナーバインダー(C’−1)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A’−1)を700部、ビニル樹脂(B−2)を構成する単量体としてアクリル酸ブチル188部、アクリロニトリル109部、トリメチロールプロパントリアクリレート2.7部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A’−1)とビニル樹脂(B−2)を含むトナーバインダー(C’−1)を得た。

0109

<比較例2> [トナーバインダー(C’−2)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−1)を700部、ビニル樹脂(B’−1)を構成する単量体としてスチレン105部、アクリル酸ブチル105部、アクリロニトリル90部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−1)とビニル樹脂(B’−1)を含むトナーバインダー(C’−2)を得た。

0110

<比較例3> [トナーバインダー(C’−3)の製造]
オートクレーブにポリエステル樹脂(A−1)を700部、ビニル樹脂(B’−2)を構成する単量体としてスチレン93部、アクリル酸ブチル93部、アクリロニトリル81部、トリメチロールプロパントリアクリレート33部、ラジカル重合開始剤(c)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3部を仕込み、窒素で置換した後70℃で均一撹拌し、密閉状態で120℃まで昇温した。更に同温度で3時間保ち重合を完結させた後、0.5〜2.5kPaの減圧を3時間行い、ポリエステル樹脂(A−1)とビニル樹脂(B’−2)を含むトナーバインダー(C’−3)を得た。

0111

トナーバインダー(C’−1)はポリエステル樹脂のアルコール成分(x)として芳香族ジオールのエチレンオキサイド付加物を含有せず、(C’−2)および(C’−3)はビニル樹脂を構成する単量体(a)の重量割合が範囲外である。

0112

0113

0114

<実施例9> [トナー(T−1)の製造]
実施例1に係るトナーバインダー(C−1)85部に対して、顔料のカーボンブラック[三菱化学(株)製、MA−100]8部、離型剤のパラフィンワックス[日本精(株)製、HNP−9]4部、荷電制御剤[保土谷化学工業(株)製、T−77]2部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製、FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池製、PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[(株)本鐵工所製、KJ−25]を用いて微粉砕した後、エルボージェット分級機[(株)マツボー製、EJ−L−3(LABO)型]で分級し、体積平均粒径D50が6μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に流動化剤としてコロイダルシリカ[日本アエロジル(株)製、アエロジルR972]1部をサンプルミルにて混合して、実施例9に係るトナー(T−1)を得た。

0115

<実施例10〜16> [トナー(T−2)〜(T−8)の製造]
表4に記載した原料配合部数で、実施例9と同様にトナーを製造し、実施例10〜16に係るトナー(T−2)〜(T−8)を得た。

0116

<比較例4〜6> [トナー(T’−1)〜(T’−3)の製造]
表4に記載した原料の配合部数で、実施例9と同様にトナーを製造し、比較例4〜6に係るトナー(T’−1)〜(T’−3)を得た。

0117

評価方法
以下に、得られたトナー(T−1)〜(T−8)及び(T’−1)〜(T’−3)の低温定着性、耐ホットオフセット性、粉砕性、耐熱保存性、帯電特性及び耐久性の測定方法と評価方法を、判定基準を含めて説明する。

0118

<低温定着性>
トナーを紙面上に1.00mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いた。
この紙をソフトローラーに定着速度加熱ローラー周速)213mm/秒、加熱ローラーの温度100〜200℃の範囲を5℃刻みで通した。
次に定着画像へのコールドオフセットの有無を目視し、コールドオフセットの発生温度MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
この評価条件では、MFTは一般には135℃以下であることが好ましい。

0119

<耐ホットオフセット性>
上記低温定着性に記載した方法と同じ方法で、トナーを紙面上に載せ、この紙をソフトローラーに定着速度(加熱ローラーの周速)213mm/秒、加熱ローラーの温度100〜200℃の範囲を5℃刻みで通した。
次に定着画像へのホットオフセットの有無を目視し、ホットオフセットの発生温度を測定した。
ホットオフセットの発生温度が高いほど、耐ホットオフセット性に優れることを意味する。この評価条件では、180℃以上であることが好ましい。

0120

<粉砕性>
トナー(T−1)〜(T−8)及び(T’−1)〜(T’−3)に用いたそれぞれのトナーバインダー85部に対して、顔料のカーボンブラック[三菱化学(株)製、MA−100]8部、離型剤のカルナバワックス4部、荷電制御剤[保土谷化学工業(株)製、T−77]2部を加え、ヘンシェルミキサー日本コークス工業(株)製、FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製、PCM−30]で混練して得た混合物を冷却後に8.6メッシュパス〜30メッシュオンの大きさに粉砕分級したものを粉砕性評価用粒子として用い、この粉砕性評価用粒子を超音速ジェット粉砕機ラボジェット[(株)栗本鐵工所製、KJ−25]により下記の条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.64MPa
粉砕時間:15分
セパレ−ター周波数:150Hz
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
粉砕性評価用粒子としては、微粉砕物を分級せずにそのまま使用し、その体積平均粒径(μm)をコールターカウンター[商品名:マルチサイザーIII(ベックマン・コールター(株)製)]により測定した。
体積平均粒径が小さいほど、粉砕性に優れることを意味する。この評価条件では、8.0μm以下であることが好ましい。

0121

<耐熱保存性>
トナー1gを密閉容器に入れ、温度50℃、湿度50%の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。

0122

[判定基準]
○:ブロッキングが全く発生しておらず、耐熱保存性に優れる。
△:一部にブロッキングが発生しており、耐熱保存性が劣る。
×:全体にブロッキングが発生しており、耐熱保存性が大きく劣る。

0123

<帯電特性>
トナー0.5gとフェライトキャリアパウダーテック社製、F−150)20gとを50mLのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。その後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置京セラケミカル(株)製]を用いた。
(1)10分後帯電量
摩擦時間10分後の帯電量」を10分後帯電量とし、本数値が小さいほど負帯電性が強く、初期帯電量に優れることを意味する。この評価条件では−10μC/g以下であると好ましい。
(2)帯電安定性
「摩擦時間60分後の帯電量/摩擦時間10分後の帯電量」を計算し、これを帯電安定性指数とした。帯電安定性指数が大きいほど帯電安定性に優れることを意味する。この評価条件では0.7以上であると好ましい。

0124

<耐久性>
トナーを二成分現像剤として、市販モノクロ複写機シャープ(株)製、AR5030、]を用いて連続コピーを行い、以下の基準で耐久性を評価した。

0125

[判定基準]
◎:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。
○:1万枚コピー後でカブリが発生している。
△:6千枚コピー後でカブリが発生している。
×:2千枚コピー後でカブリが発生している。

0126

実施例

0127

表4の評価結果から明らかなように、実施例9〜16に係るトナー(T−1)〜(T−8)はいずれもすべての性能評価が優れた結果が得られた。
一方、比較例4〜6に係るトナー(T’−1)〜(T’−3)は、いくつかの性能項目が不良であった。

0128

本発明のトナーバインダー及びトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性を維持しつつ、粉砕性、耐熱保存性、帯電特性及び耐久性に優れ、電子写真、静電記録や静電印刷等に用いる、静電荷像現像用トナーバインダー及びトナーとして好適に使用できる。
さらに、塗料用添加剤接着剤用添加剤電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。

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